JP5185069B2 - トランスファモールド金型およびトランスファモールド装置とこれを用いた樹脂成形方法 - Google Patents
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Description
このようなアンダーフィル樹脂の注入方法としては、図14に示すように、まず、樹脂供給ノズルNZが半導体チップHCの外周縁に沿ってアンダーフィル樹脂UFRを供給する。次いで、半導体チップHCと基板KBとの隙間に毛細管現象を利用してアンダーフィル樹脂UFRを充てんしてフィレットFTを形成する半導体装置の樹脂成形方法が例えば特許文献1により提案されている。
特許文献1においては、半導体チップの外周縁部分に接続用バンプBMPよりも小径に形成されたダミーバンプDBMPを配設し、毛細管現象を発生しやすくすることによって大型の半導体チップであっても確実にアンダーフィルを施すことが可能な半導体装置の構成が提案されている。
すなわち本発明は、ポットと、前記ポット内を摺動して前記ポットに供給された封止用樹脂をカル、ランナおよびゲートを介してキャビティに圧送するプランジャと、上金型に形成されたエア流路と、前記上金型から下金型へ向けて突出させて設けられ、前記ゲートおよび前記キャビティを形成するためのキャビティ壁と、を有し、前記キャビティ内に収容される、半導体チップがフリップチップ接続方式で配線基板に搭載された半導体装置にフィレット部を成形すべく、前記キャビティ壁の内壁面が、先端側に向けて前記キャビティを拡げるように傾斜する傾斜壁面に形成され、前記半導体チップの平面領域よりも外方位置における前記キャビティ内の上面に、エア給排装置に連通するエア流路の一端が開口し、前記上金型の型面に吸着させたリリースフィルムを前記半導体チップの上面に押圧させた状態で、前記エア流路が前記キャビティ内にエアを吹き出すことにより、前記傾斜壁面から離反させた前記リリースフィルムを前記配線基板における前記半導体チップの搭載面に密着させて、前記半導体チップと前記配線基板との間に前記封止用樹脂を充てん可能にする第1の状態と、前記エア流路が前記キャビティ内へのエアの吹き出し圧力を前記第1の状態よりも低減若しくはエアを吸引させることにより、前記リリースフィルムを前記傾斜壁面に密着させて、フィレット部を形成可能にする第2の状態と、が切り替え可能であることを特徴とするトランスファモールド金型である。
また、前記キャビティ壁の配設位置よりも外方位置における上金型の型面には、凹凸部がさらに形成されていて、前記スティフナ成形部は、当該凹凸部および前記キャビティ壁により前記配線基板の半導体チップ搭載面に形成されることを特徴とする。
これらにより、キャビティ内に樹脂を圧送する際にスティフナ成形部にもアンダーフィル樹脂を充てんすることができ、配線基板の半導体チップ搭載面にスティフナを形成することができる。このスティフナにより半導体装置の薄型化を図る際にコアレス基板を採用しても、半導体装置をハンドリングする際に必要な剛性を備えさせることができる。
前記エア流路からのエア吹き出し圧力を前記第1の状態よりも低減させ若しくはエアを吸引させて、前記リリースフィルムを前記傾斜壁面に密着させた第2の状態とし、前記半導体チップの側壁面と前記リリースフィルムが吸着している前記傾斜壁面との間に前記封止用樹脂を充てんし、前記半導体装置のフィレット部を形成する処理と、
前記第2のプランジャを駆動させて、前記第2のポット内の樹脂を前記凹状部に充てんすることで前記半導体装置の半導体チップ搭載面側に樹脂成形する処理と、をそれぞれ実行させることを特徴とするトランスファモールド装置とすることもできる。
以下に、本発明の好適な実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。図1は、第1実施形態におけるトランスファモールド金型の断面図と平面図である。図2は、図1に示すトランスファモールド金型の分解断面図と、これにセットされる半導体装置の断面図である。
本実施形態におけるトランスファモールド金型200は、ポット10と、ポット10内を摺動してポット10に供給された封止用樹脂であるアンダーフィル樹脂90をカル12、ランナ14およびゲート16を介してキャビティ50に圧送するプランジャ18と、上金型20と、下金型30と、中間プレート40とを有し、後述するようなアンダーフィル可能な状態とフィレット成形可能な状態との切り替え可能に構成されている。なお、本実施形態におけるトランスファモールド金型200では、同図の断面においてポット10を中心として図示したキャビティ50の反対側にも同様のランナ、ゲートおよびキャビティを備えている。なお、同図の左右方向のいずれかのみにキャビティを備えるような構成を採用することもできる。
中間プレート40には、ポット10および半導体チップ64に対応する位置において板厚方向に貫通すると共に下方に向けて小径となるテーパ状に形成された貫通孔42A,42Bが設けられている。この貫通孔42Aは、平面視円形状に形成され、貫通孔42Bは、平面視矩形状に形成されている。
このように、半導体装置60の半導体チップ64以外の部位は、中間プレート40によりアンダーフィル樹脂90との接触がないように被覆されているため、半導体装置60の基板62表面へのアンダーフィル樹脂90の付着による汚染を防ぐことができる。このような中間プレート40の材料としては、一般的な鋼材や、ステンレス鋼、チタン、ニッケル合金のような金属材料の他にも耐熱性や耐摩耗性の高いポリイミド樹脂のような樹脂材料を用いることができる。
本実施形態におけるトランスファモールド装置は、トランスファモールド金型200を用い、トランスファモールド金型200を構成するそれぞれの構成要素の動作を制御する制御手段を有している。本実施形態における制御手段は、CPUとCPUに実行させる制御プログラムとにより構成されている。制御手段は、記憶手段に制御プログラムが記憶されているパーソナルコンピュータによっても構成することができる。
図5(A)に示されているとおり、本実施形態におけるエア流路70の開口部位置は、キャビティ50の天井面のコーナー部付近(半導体チップ64の平面位置よりも外方位置)に位置している。
次に制御手段は、プランジャ18をポット10内で駆動させ、ポット10に供給されている封止樹脂であるアンダーフィル樹脂90を、カル12、ランナ14およびゲート16を経由させてキャビティ50に圧送する。この際に、アンダーフィル樹脂90は、図5(B)に示すように、エアの吹き出しによって上述の部位に密着させられたリリースフィルム80と中間プレート40との間を押し拡げながら充てんされていく。
また、ポット10から圧送されてくるアンダーフィル樹脂90は、中間プレート40により、基板62の電子部品68が搭載されている部分には接触しないため、基板62の電子部品68の搭載面が汚染されることがないため好都合である。また、中間プレート40はセット凹部36の側壁と基板62との隙間を跨ぐように配設された状態で挟持(クランプ)されているので、アンダーフィル樹脂90がこの隙間部分から漏れる事態を回避することができる。
第1実施形態においては、半導体装置60のアンダーフィル部分とフィレット部66のみにアンダーフィル樹脂90による樹脂成形を行うために、他の部分を保護するための中間プレート40を用いた形態について説明した。これに対して本実施形態においては、コアレス基板のような剛性の低い基板62が用いられた半導体装置60に対して樹脂成形を行う際に好適な実施形態について説明を行う。
図7は、第2実施形態におけるトランスファモールド金型の構成を示す断面図である。図7(A)は、型締めをした状態を示し、図7(B)は、樹脂成形後に型開きした状態を示す。図8は、図7に示すトランスファモールド金型を有するトランスファモールド装置用いて樹脂成形した半導体装置の平面図と各切断面における断面図である。
本実施形態においては、第1実施形態で説明した構成と同様の構成については同じ符号を付すことにより詳細な説明を省略している。
セット凹部36への半導体装置60の配設から、プランジャ18によるポット10内のアンダーフィル樹脂90のキャビティ50に向けて圧送するまでの工程については、第1実施形態と同様であるためここでの詳細な説明は省略する。
ポット10からランナ溝44を介して圧送されてきたアンダーフィル樹脂90は、まず、狭隘部98を通過して、一方のスティフナ形成部99Aに流入する。一方のスティフナ形成部99Aは、半導体チップ64が収容されているキャビティ50に連通するゲート16に対して十分に大きい空間に形成されているため、一方のスティフナ形成部99A内に圧送されたアンダーフィル樹脂90は、図9(A)に示すように、最初はゲート16を通過せず、一方のスティフナ形成部99A内にのみに充てんされることになる。
このようなスティフナ69の形成は、基板62がいわゆるコアレス基板と呼ばれる剛性の低い材料により形成されている場合において、半導体装置60の剛性(強度)を向上させてそのハンドリング性を大幅に向上させることができるため好都合である。また、キャビティ50に近いスティフナ形成部99Aに貯留させたアンダーフィル樹脂90でアンダーフィルされるため、ランナ14を経由してきたアンダーフィル樹脂90が直接注入される場合に比べてより高品位にアンダーフィルを行うことができる。
この順序の他にも、スティフナ形成部99A、アンダーフィルの充てん、スティフナ形成部99B、フィレット部66の成形といった順序を採用することもできる。この順序を採用することにより、アンダーフィル部分に長時間に亘って多くのアンダーフィル樹脂90が圧送(通過)することになり微少なボイドが残留していたとしてもこれらを確実に押し流すことができるから、より確実にアンダーフィルを充てんすることができるといった利点がある。また、スティフナ形成部99Aおよびアンダーフィルの充てんを行った後にスティフナ形成部99Bの充てんを開始し、スティフナ形成部99Bの充てんが完了する前にフィレット部66の成形を開始することもできる。この順序を採用することにより、アンダーフィルの充てんを確実に行いながら成形時間を短縮することができる。
図11は、第3実施形態におけるトランスファモールド金型とこれを用いたトランスファモールド装置の断面図である。図11(A)は、型締めして樹脂成形を行っている状態の断面図であり、図11(B)は、型開きして樹脂成形した半導体装置を下金型のセット凹部から取り出した状態を示す断面図である。
本実施形態における中間プレート40は、第2の実施形態の変形例といえる。第2実施形態においては、スティフナ形成部99を上金型20(上センターインサート25および上サイドインサート27)の型面に形成した凹凸部25A,27A,25B,27Bとキャビティ壁26の外壁面26Bと基板62とにより形成していたのに対し、本実施形態においては、上金型20の型面に形成した凸部25B,27Bを形成せずに、凸部25B,27Bの部分に替えて中間プレート40の第2の貫通孔42Bの内壁面を用いている点が第2実施形態との相違点である。
このスティフナ形成部99には、ランナ溝44の小断面部分44Aとゲート16とによりポット10とキャビティ50とにそれぞれ連通している。
樹脂成形後は、スティフナ形成部99に連通するランナ溝44の小断面部分44Aにおいて半導体装置60と不要なカル12およびランナ14との分離を容易に行うことができる。また、基板62上を経由させずにアンダーフィル樹脂90をスティフナ形成部99に流入させることができるため、スティフナ69をより基板62端側に配設することができる。したがって、より小型化な半導体装置60にスティフナ69を形成することができる。すなわち、スティフナ69付きの半導体装置60を小型化することができる。なお、小断面部分44Aがスティフナ69上面の縁部に相当する部位のみならずスティフナ形成部99の側面に接続するような構成を採用することもできる。
図12は、第4実施形態におけるトランスファモールド金型とこれを用いたトランスファモールド装置の金型部分の断面図である。図12(A)は、型締めして樹脂成形を行っている状態の断面図であり、図12(B)は、型開きして樹脂成形した半導体装置を下金型のセット凹部から取り出した状態を示す断面図である。カル12およびランナ14を上金型20の型面に形成している点と、上キャビティ駒24が上チェイスブロック22に付勢部材であるばね28により吊り下げられた状態で配設されている点が特徴的である。
本実施形態における半導体装置60の樹脂成形方法についても先述と同様にして行うことができるため、ここでの詳細な説明は省略する。
図13は、第5実施形態におけるトランスファモールド金型とこれを用いたトランスファモールド装置の要部平面図とこれに対応する断面図である。
本実施形態においては、半導体装置60のアンダーフィル領域とフィレット部66にアンダーフィル樹脂90を供給するポット10、カル12、ランナ14およびプランジャ18とは別に、凹溝46に電子部品68を樹脂封止して、半導体装置60の基板62にスティフナ69を形成するために必要な樹脂92を凹溝46に供給するための第2のポット100、第2のカル102、第2のランナ104、第2のゲート106および第2のプランジャ108を有している点が特徴である。
第2のランナ104は、ランナ溝44と並ぶように中間プレート40の上面に形成されたランナ溝によって中間プレート40上に構成される。第2のポット100から圧送された樹脂92は、第2のランナ104に形成された貫通孔からなるトップゲート方式の第2のゲート106を経由して凹溝46に充てんされることになる。
これに対して本実施形態で示したトランスファモールド金型200およびこれを用いたトランスファモールド装置の構成のように、スティフナ69の形成材料に一般樹脂成形用の安価な樹脂92を用いることにより、半導体装置60の製造コストを低減させることができる。
第2のポット100に収容された樹脂92による樹脂成形方法は、第1のプランジャ18により第1のポット10からキャビティ50に圧送されるアンダーフィル樹脂90によるアンダーフィル領域への充てん工程と並行して、第2のプランジャ108により第2のポット100からランナ14とは異なる第2のランナ104を介して圧送される一般樹脂成形用の樹脂92によるスティフナ69の樹脂成形工程を行ってもよいし、第1のポット10に収容されたアンダーフィル樹脂90による樹脂成形と第2のポット100に収容された樹脂92による樹脂成形のいずれか一方の工程を他方の工程に先行させることももちろん可能である。
また、スティフナ形成部99を二分割以上に分割してもよいし、狭隘部で接続してもよいし、スティフナ形成部99を分割せずにスティフナ69を成形する形態を採用してもよい。
また、具体的には説明しないが、以上に示した全ての実施形態および変形例について適宜組み合わせた実施形態を採用することももちろん可能である。
14 ランナ
16 ゲート
20 上金型
23 上インサートブロック
24 上キャビティ駒
26 キャビティ壁
26A 壁面
26B 外壁面
30 下金型
33 下インサートブロック
34 下キャビティ駒
36 セット凹部
40 中間プレート
44 ランナ溝
46 凹溝
50 キャビティ
52 フィレット部用空間
54 エア貯留用空間
60 半導体装置
62 基板
64 半導体チップ
66 フィレット部
68 電子部品
69 スティフナ
70 エア流路
80 リリースフィルム
90 アンダーフィル樹脂
92 樹脂
98 狭隘部
200 トランスファモールド金型
Claims (10)
- ポットと、前記ポット内を摺動して前記ポットに供給された封止用樹脂をカル、ランナおよびゲートを介してキャビティに圧送するプランジャと、上金型に形成されたエア流路と、前記上金型から下金型へ向けて突出させて設けられ、前記ゲートおよび前記キャビティを形成するためのキャビティ壁と、を有し、
前記キャビティ内に収容される、半導体チップがフリップチップ接続方式で配線基板に搭載された半導体装置にフィレット部を成形すべく、前記キャビティ壁の内壁面が、先端側に向けて前記キャビティを拡げるように傾斜する傾斜壁面に形成され、
前記半導体チップの平面領域よりも外方位置における前記キャビティ内の上面に、エア給排装置に連通するエア流路の一端が開口し、
前記上金型の型面に吸着させたリリースフィルムを前記半導体チップの上面に押圧させた状態で、
前記エア流路が前記キャビティ内にエアを吹き出すことにより、前記傾斜壁面から離反させた前記リリースフィルムを前記配線基板における前記半導体チップの搭載面に密着させて、前記半導体チップと前記配線基板との間に前記封止用樹脂を充てん可能にする第1の状態と、
前記エア流路が前記キャビティ内へのエアの吹き出し圧力を前記第1の状態よりも低減若しくはエアを吸引させることにより、前記リリースフィルムを前記傾斜壁面に密着させて、フィレット部を形成可能にする第2の状態と、が切り替え可能であり、
前記下金型のパーティング面に対向する前記上金型のパーティング面の前記キャビティ壁の外側に凹溝状のスティフナ形成部を有し、該スティフナ形成部は前記ポットと前記キャビティとに連通していることを特徴とするトランスファモールド金型。 - 前記キャビティ壁の配設位置よりも外方位置における上金型の型面には、凹凸部がさらに形成されていて、前記スティフナ形成部は、当該凹凸部および前記キャビティ壁により前記配線基板の半導体チップ搭載面に対向して形成されることを特徴とする請求項1記載のトランスファモールド金型。
- 前記スティフナ形成部は、第1のスティフナ形成部と第2のスティフナ形成部とに分割された状態に形成され、
前記第1のスティフナ形成部は前記ポットに連通し、前記第1のスティフナ形成部と前記第2のスティフナ形成部とは、それぞれ狭隘部を介して前記キャビティに連通していることを特徴とする請求項1又は2記載のトランスファモールド金型。 - ポットと、前記ポット内を摺動して前記ポットに供給された封止用樹脂をカル、ランナおよびゲートを介してキャビティに圧送するプランジャと、上金型に形成されたエア流路と、前記上金型から下金型へ向けて突出させて設けられ、前記ゲートおよび前記キャビティを形成するためのキャビティ壁と、を有し、
前記キャビティ内に収容される、半導体チップがフリップチップ接続方式で配線基板に搭載された半導体装置にフィレット部を成形すべく、前記キャビティ壁の内壁面が、先端側に向けて前記キャビティを拡げるように傾斜する傾斜壁面に形成され、
前記半導体チップの平面領域よりも外方位置における前記キャビティ内の上面に、エア給排装置に連通するエア流路の一端が開口し、
前記上金型の型面に吸着させたリリースフィルムを前記半導体チップの上面に押圧させた状態で、
前記エア流路が前記キャビティ内にエアを吹き出すことにより、前記傾斜壁面から離反させた前記リリースフィルムを前記配線基板における前記半導体チップの搭載面に密着させて、前記半導体チップと前記配線基板との間に前記封止用樹脂を充てん可能にする第1の状態と、
前記エア流路が前記キャビティ内へのエアの吹き出し圧力を前記第1の状態よりも低減若しくはエアを吸引させることにより、前記リリースフィルムを前記傾斜壁面に密着させて、フィレット部を形成可能にする第2の状態と、が切り替え可能であり、
前記配線基板の半導体チップ搭載面には、前記下金型と前記配線基板の側端面との間の隙間部分を跨ぐ形状の中間プレートが配設され、該中間プレートは、上面が前記ランナの一部を構成し、前記配線基板の前記半導体チップ搭載面に当接する面に凹状部が形成されていることを特徴とするトランスファモールド金型。 - 前記スティフナ形成部は、前記凹状部によって形成されることを特徴とする請求項4記載のトランスファモールド金型。
- ポットと、前記ポット内を摺動して前記ポットに供給された封止用樹脂をカル、ランナおよびゲートを介してキャビティに圧送するプランジャと、上金型に形成されたエア流路と、前記上金型から下金型へ向けて突出させて設けられ、前記ゲートおよび前記キャビティを形成するためのキャビティ壁と、を有し、
前記キャビティ内に収容される、半導体チップがフリップチップ接続方式で配線基板に搭載された半導体装置にフィレット部を成形すべく、前記キャビティ壁の内壁面が、先端側に向けて前記キャビティを拡げるように傾斜する傾斜壁面に形成され、
前記半導体チップの平面領域よりも外方位置における前記キャビティ内の上面に、エア給排装置に連通するエア流路の一端が開口し、
前記上金型の型面に吸着させたリリースフィルムを前記半導体チップの上面に押圧させた状態で、
前記エア流路が前記キャビティ内にエアを吹き出すことにより、前記傾斜壁面から離反させた前記リリースフィルムを前記配線基板における前記半導体チップの搭載面に密着させて、前記半導体チップと前記配線基板との間に前記封止用樹脂を充てん可能にする第1の状態と、
前記エア流路が前記キャビティ内へのエアの吹き出し圧力を前記第1の状態よりも低減若しくはエアを吸引させることにより、前記リリースフィルムを前記傾斜壁面に密着させて、フィレット部を形成可能にする第2の状態と、が切り替え可能であり、
前記配線基板の半導体チップ搭載面には、前記下金型と前記配線基板の側端面との間の隙間部分を跨ぐ形状を有して上面が前記ランナの一部を構成すると共に該ランナとは異なる第2のランナの一部を構成する中間プレートが配設され、
前記中間プレートには、前記配線基板の前記半導体チップ搭載面に当接する面に凹状部が形成されていると共に、
第2のポット、前記第2のポット内を往復動して前記第2のポットに供給された樹脂を第2のカル、および前記第2のランナを介して前記樹脂を前記凹状部に圧送する第2のプランジャを、さらに有していることを特徴とするトランスファモールド金型。 - 請求項1乃至6のうちのいずれか一項に記載のトランスファモールド金型と、当該トランスファモールド金型の動作を制御する制御手段と、を具備するトランスファモールド装置であって、
前記制御手段は、
前記上金型または下金型のうちの少なくとも一方を駆動させて、前記上金型の型面に吸着させた前記リリースフィルムを前記半導体チップの上面に押圧させる処理と、
前記エア流路にエアを吹き出させて、前記上金型の型面に吸着していた前記リリースフィルムを少なくとも前記傾斜壁面から離反させると共に、前記傾斜壁面から離反させたリリースフィルムを前記配線基板における前記半導体チップの搭載面に密着させて第1の状態にする処理と、
前記プランジャを駆動させて、前記ポット内の封止用樹脂を前記リリースフィルムに沿わせて前記配線基板と前記半導体チップとの間に誘導して充てんすることで前記半導体チップにアンダーフィルを施す処理と、
前記エア流路からのエア吹き出し圧力を前記第1の状態よりも低減させ若しくはエアを吸引させて、前記リリースフィルムを前記傾斜壁面に密着させた第2の状態とし、前記半導体チップの側壁面と前記リリースフィルムが吸着している前記傾斜壁面との間に前記封止用樹脂を充てんし、前記半導体装置のフィレット部を形成する処理と、をそれぞれ実行させることを特徴とするトランスファモールド装置。 - 請求項6記載のトランスファモールド金型と、当該トランスファモールド金型の動作を制御する制御手段と、を具備するトランスファモールド装置であって、
前記制御手段は、
前記上金型または下金型のうちの少なくとも一方を駆動させて、前記上金型の型面に吸着させた前記リリースフィルムを前記半導体チップの上面に押圧させる処理と、
前記エア流路にエアを吹き出させて、前記上金型の型面に吸着していた前記リリースフィルムを少なくとも前記傾斜壁面から離反させると共に、前記傾斜壁面から離反させたリリースフィルムを前記配線基板における前記半導体チップの搭載面に密着させて第1の状態にする処理と、
前記プランジャを駆動させて、前記ポット内の封止用樹脂を前記リリースフィルムに沿わせて前記配線基板と前記半導体チップとの間に誘導して充てんすることで前記半導体チップにアンダーフィルを施す処理と、
前記エア流路からのエア吹き出し圧力を前記第1の状態よりも低減させ若しくはエアを吸引させて、前記リリースフィルムを前記傾斜壁面に密着させた第2の状態とし、前記半導体チップの側壁面と前記リリースフィルムが吸着している前記傾斜壁面との間に前記封止用樹脂を充てんし、前記半導体装置のフィレット部を形成する処理と、
前記第2のプランジャを駆動させて、前記第2のポット内の樹脂を前記凹状部に充てんすることで前記半導体装置の半導体チップ搭載面側にスティフナを形成する処理と、をそれぞれ実行させることを特徴とするトランスファモールド装置。 - 請求項1乃至6のうちのいずれか一項に記載のトランスファモールド金型を具備するトランスファモールド装置を用いた樹脂成形方法であって、
前記上金型または下金型のうちの少なくとも一方を駆動させて、前記上金型の型面に吸着させた前記リリースフィルムを前記半導体チップの上面に押圧させる工程と、
前記エア流路にエアを吹き出させて、前記上金型の型面に吸着していた前記リリースフィルムを少なくとも前記傾斜壁面から離反させると共に、前記傾斜壁面から離反させたリリースフィルムを前記配線基板における前記半導体チップの搭載面に密着させた第1の状態にする工程と、
前記プランジャを駆動させて、前記ポット内の封止用樹脂を前記リリースフィルムに沿わせて前記配線基板と前記半導体チップとの間に誘導して充てんすることで前記半導体チップにアンダーフィルを施す工程と、
前記エア流路からのエア吹き出し圧力を前記第1の状態よりも低減させ若しくはエアを吸引させて、前記リリースフィルムを前記傾斜壁面に密着させた第2の状態とし、前記半導体チップの側壁面と前記リリースフィルムが吸着している前記傾斜壁面との間に前記封止用樹脂を充てんし、前記半導体装置のフィレット部を形成する工程と、を含むことを特徴とする樹脂成形方法。 - 請求項6記載のトランスファモールド金型を具備するトランスファモールド装置を用いた樹脂成形方法であって、
前記上金型または下金型のうちの少なくとも一方を駆動させて、前記上金型の型面に吸着させた前記リリースフィルムを前記半導体チップの上面に押圧させる工程と、
前記エア流路にエアを吹き出させて、前記上金型の型面に吸着していた前記リリースフィルムを少なくとも前記傾斜壁面から離反させると共に、前記傾斜壁面から離反させたリリースフィルムを前記半導体チップの側壁面に倣わせた状態で密着させて第1の状態にする工程と、
前記プランジャを駆動させて、前記ポット内の封止用樹脂を前記リリースフィルムに沿わせて前記配線基板と前記半導体チップとの間に誘導して充てんすることで前記半導体チップにアンダーフィルを施す工程と、
前記エア流路からのエア吹き出し圧力を前記第1の状態よりも低減させ若しくはエアを吸引させて、前記リリースフィルムを前記傾斜壁面に密着させて第2の状態とし、前記半導体チップの側壁面と前記リリースフィルムが吸着している前記傾斜壁面との間に前記封止用樹脂を充てんし、前記半導体装置のフィレット部を形成する工程と、
前記第2のプランジャを駆動させて、前記第2のポット内の樹脂を前記凹状部に充てんすることで前記半導体装置の半導体チップ搭載面側にスティフナを形成する工程と、を含むことを特徴とする樹脂成形方法。
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