JP5807870B2 - 皮膚外用剤 - Google Patents
皮膚外用剤 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5807870B2 JP5807870B2 JP2011096663A JP2011096663A JP5807870B2 JP 5807870 B2 JP5807870 B2 JP 5807870B2 JP 2011096663 A JP2011096663 A JP 2011096663A JP 2011096663 A JP2011096663 A JP 2011096663A JP 5807870 B2 JP5807870 B2 JP 5807870B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acid
- ascorbic acid
- external preparation
- skin
- basic amino
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Cosmetics (AREA)
Description
また、電解質は配合すると安定性が悪くなり、分離やクリーミングを起こし、商品価値が低下する。このためいろいろな組合せで安定性を増す努力がなされている。(特許文献1〜3)また、安定化のために増粘剤を配合しても、広義的には電解質の存在によって増粘がない或いは弱い場合があった。
さらには、美白製剤は我が国では化粧品の1つのカテゴリーとしてこの十数年大きく膨らみ、種々の美白剤も開発されてきた。その中で、アルコルビン酸もいろいろな形で利用されていて美白剤の中で重要な役割をもっているがこれも電解質の1つであり安定的に配合することが難しかった。
そのなかでもアルコルビン酸糖誘導体は有効性等が強いので利用価値が高いが、ベタツキが強くより官能面での改良が求められていた。
製剤の中で安定的に配合することは以下の特許文献にその一部を示したが、数多くの試みがなされている。(特許文献4〜11)
粘ちょう物質、特に電解質の粘ちょう物質のベタツキを大幅に緩和した製剤を得ることができていなかった。
以下に詳細に記載する。
このような物質の1つに、皮膚外用剤で多用されるアスコルビン酸およびその塩、アスコルビン酸誘導体およびその塩等がある。
本発明にかかるアスコルビン酸およびその塩、アスコルビン酸誘導体およびその塩には、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸マグネシウム、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸モノステアレート、アスコルビン酸モノパルミテート、アスコルビン酸モノオレエート、アスコルビン酸ジステアレート、アスコルビン酸ジパルミテート、アスコルビン酸トリステアレート、アスコルビン酸トリパルミテート、アスコルビン酸トリオレエート、エチルアスコルビン酸、メチルアスコルビン酸、ブチルアスコルビン酸、アスコルビル硫酸、アスコルビル硫酸ナトリウム、アスコルビル硫酸カリウム、アスコルビル硫酸カルシウム、アスコルビルリン酸、アスコルビルリン酸ナトリウム、アスコルビルリン酸カリウム、アスコルビルリン酸マグネシウム、アスコルビルリン酸カルシウム、アスコルビン酸グリコシド等が例示される。この中から1種以上を選択して用いる。
とくに、アスコルビン酸グリコシド等のアスコルビン酸糖誘導体が特に有効である。
勿論、グリコール酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸等のヒドロキシ酸、グルタミン酸、アスパラギン酸等のアミノ酸も本発明の電解質として安定性や使用感の改良の効果が得られることは当然である。
これらの粘ちょう物質を1以上配合された皮膚外用剤のベタツキを改良する。粘ちょう物質の配合量は粘ちょう物質の種類、配合目的によって大きく変化するが、0.01〜50%(以下、特に記載のないときは、%は重量%を示す)である。
しかしながら、アルカリゲネス属菌より得られる多糖類と組み合わせることによって、N−モノ長鎖アシル塩基性アミノ酸の分散性が非常によくなり、その結果、N−モノ長鎖アシル塩基性アミノ酸の持つ潤沢性や感触が皮膚外用剤でも利用できるようになった。
分散性がよくなるだけではなく、N−モノ長鎖アシル塩基性アミノ酸とアルカリゲネス属菌より得られる多糖類は電解質の影響を受けないため、電解質を配合する皮膚外用剤には特に有効であることがわかった。
さらにアルキル変性水溶性セルロース誘導体を配合することによって使用感の幅が広がり、製剤の粘度があっても、使用感にベタツキのない製剤が得られ、安定性の向上も図れた。
なお、アルカリゲネス属菌より得られる多糖類は特開平05−85925号で水溶性多価アルコールのべたつき感を改良することがすでに知られているが、水溶性多価アルコール以外の物質でのべたつき感の改良にはまったく言及しておらず、また発明者らの確認試験では種々の製剤で、単独でアルカリゲネス属菌より得られる多糖類を利用した場合と、N−モノ長鎖アシル塩基性アミノ酸との併用した場合ではべたつき感の改良の程度が大きく異なっていた。
また、長鎖アシル基としては、炭素数10〜22の、飽和又は不飽和の直鎖あるいは分岐鎖脂肪族アシル基が挙げられ、これらは単一鎖長のものであっても混合鎖長のものであってもよい。上記長鎖アシル基としては、具体的には、2−エチルヘキサノイル、カプリロイル、カプロイル、ラウロイル、ミリストイル、パルミトイル、ステアロイル、イソステアロイル、オレオイル、ベヘノイル、ココイル、牛脂脂肪酸アシル、硬化牛脂脂肪酸アシル等が挙げられる。
上記長鎖アシル基の塩基性アミノ酸への結合部位は、α位のアミノ基あるいはω位のアミノ基であるが、アルギニン及びヒスチジンにおいては、α位のアミノ基に限定される。
従って、本発明に用いられるN−モノ長鎖アシル塩基性アミノ酸としては、例えば、Nε−2−エチルヘキサノイルリジン、Nε−ラウロイルリジン、Nε−ココイルリジン、Nε−パルミトイルリジン、Nε−イソステアロイルリジン、Nε−硬化牛脂脂肪酸アシルリジン、Nα−カプリロイルリジン、Nα−ラウロイルリジン、Nα−ミリストイルリジン、Nα−オレオイルリジン、Nα−ベヘノイルリジン、Nδ−ココイルオルニチン、Nδ−ステアロイルオルニチン、Nδ−牛脂脂肪酸アシルオルニチン、Nα−2−エチルヘキサノイルオルニチン、Nα−ラウロイルオルニチン、Nα−イソステアロイルオルニチン、Nγ−パルミトイル−α,γ−ジアミノ酪酸、Nα−牛脂脂肪酸アシル−α,γ−ジアミノ酪酸、Nα−カプロイルアルギニン、Nα−ラウロイルアルギニン、Nα−パルミトイルアルギニン、Nα−硬化牛脂脂肪酸アシルアルギニン、Nα−ココイルヒスチジン、Nα−イソステアロイルヒスチジン等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して使用することができる。肌へのなじみ感がより好ましいという観点で、Nε−2−エチルヘキサノイルリジン、Nε−ラウロイルリジン、Nε−ココイルリジンが好ましく、Nε−ラウロイルリジンが特に好ましい。
配合量は粘ちょう物質の種類や配合量、N−モノ長鎖アシル塩基性アミノ酸の種類、製剤の目的、他の配合原料によって大きく異なるが、0.02〜10.0%好ましくは0.1〜5.0%である。
培養するときの炭素源としてはフラクトース、グルコース、シュークロース等の単糖類・少糖類の他に、ヘミセルロース、澱粉、コーンスターチ等の天然高分子及びオリーブ油等の油類が好ましく用いられる。炭素源の他に、有機窒素源及び無機塩類が培地構成成分として使用され、培養は液体培養が好ましく、初発pH4〜10、温度15〜40℃、通常は通気撹拌培養で行われる。。
微生物からの抽出は一般的な方法を用いればよく、また市販品として、伯東株式会社の商品名アルカシーラン、アルカフェイス等があり、利用できる。
配合量は粘ちょう物質の種類や配合量、製剤の目的、他の配合原料によって大きく異なるが、0.0002〜5.0%、好ましくは0.005〜2.0%である。
アルキル変性水溶性セルロース誘導体、セルロース系増粘剤、例えばメチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等にアルキル基を導入したものであり、
アルキル基の炭素数は12〜30であり、具体的には、例えば上記セルロースのヒドロキシ基の一部に炭素数8〜30の脂肪酸グリシジルエーテルを付加することにより合成することができる。市販品としては、例えば、NATOROSOL Plus(Aqualon社)、サンジェロース(大同化成工業社)等が挙げられる。
特に粘ちょう物質にアスコルビン酸類を用いた場合、アルブチンや抗炎症剤も配合するとより美白効果が高まることがわかっており(特願2010−048939)これらを配合することや水溶性高分子、キレート剤等の安定性を向上させる物質も配合可能である。
また、乳化物である場合は界面活性剤を配合することがあり、種々の界面活性剤を配合できるが、モノ脂肪酸グリセリルと、モノ脂肪酸ポリエチレングリコールと、レシチンを配合すると電解質の影響を受けることがほとんどなく良好なエマルジョンが得られることがわかっている。(特願2010−021088)
このほか、必要に応じて、各種原料を配合し、製剤を作成する。
なお、N−モノ長鎖アシル塩基性アミノ酸は分散しにくいので、充分な撹拌を加えて製剤を作成する。
作成方法はそれぞれ計量し、必要に応じて加熱し、ホモミキサーで分散させた。
注1)は伯東株式会社製、商品名アルカシーラン
注2)は大同化成工業株式会社製、商品名サンジェロース60L
を用いた。
実施例1および2、比較例1〜3を女性15名、男性5名に使用してもらいベタツキを以下の基準で評価してもらった。
5:ベタツキ感がまったくない。
4:ベタツキ感が若干ある。
3:ベタツキ感が多少ある。
2:ベタツキ感がある。
1:ベタツキ感がかなりある。
0:ベタツキ感が大いにある。
その評価の平均の結果は
実施例1=4.1
実施例2=4.4
比較例1=1.2
比較例2=1.1
比較例3=1.5
なお、比較例2は粉末が製剤表面に浮遊しており、Nε−ラウロイルリジンがまったく分散していないことがわかった。
実施例3〜10に関しても、N−モノ長鎖アシル塩基性アミノ酸か、アルカリゲネス属菌より得られる多糖類か、あるいはそのいずれも配合しなかった場合に比較して、ベタツキ感は大幅に改良されたことおよび製剤の必要な粘性、安定性を確認した。
このように、本発明は、粘ちょう物質が皮膚外用剤に与えるベタツキを大幅に緩和し、特に粘ちょう物質が電解質の場合であってもその効果を発揮し安定的に配合できる皮膚外用剤が得られた。
Claims (4)
- アスコルビン酸グルコシドおよびアルブチンから選択される少なくとも1種の電解質粘ちょう物質と、N−モノ長鎖アシル塩基性アミノ酸と、アルカリゲネス属菌より得られる多糖類とを配合した皮膚外用剤。
- 前記N−モノ長鎖アシル塩基性アミノ酸がNε−ラウロイルリジンであることを特徴とする請求項1記載の皮膚外用剤。
- 前記アルカリゲネス属菌より得られる多糖類がグラム陰性の好気性菌に属する微生物であって、アルカリゲネス属の微生物であるアルカリゲネス・レータス(Alcaligenes latus)B−16株より生産される多糖類であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の皮膚外用剤。
- さらに、炭素数12〜30のアルキル変性水溶性セルロースを配合した請求項1、請求項2または請求項3項記載の皮膚外用剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011096663A JP5807870B2 (ja) | 2011-04-25 | 2011-04-25 | 皮膚外用剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011096663A JP5807870B2 (ja) | 2011-04-25 | 2011-04-25 | 皮膚外用剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012229166A JP2012229166A (ja) | 2012-11-22 |
JP5807870B2 true JP5807870B2 (ja) | 2015-11-10 |
Family
ID=47431069
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011096663A Active JP5807870B2 (ja) | 2011-04-25 | 2011-04-25 | 皮膚外用剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5807870B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016190795A (ja) * | 2015-03-30 | 2016-11-10 | 伯東株式会社 | 化粧料 |
CN107496345A (zh) * | 2017-09-01 | 2017-12-22 | 安庆徽云博冠化妆品科技有限公司 | 一种蛋白螯合洗面奶及其制备方法 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0374312A (ja) * | 1989-08-10 | 1991-03-28 | Kao Corp | 化粧料 |
JP3803260B2 (ja) * | 2001-03-23 | 2006-08-02 | 伯東株式会社 | 美白用皮膚外用剤 |
JP3814224B2 (ja) * | 2001-04-25 | 2006-08-23 | エーザイ株式会社 | 外用組成物 |
JP5242243B2 (ja) * | 2008-05-30 | 2013-07-24 | 株式会社 資生堂 | 水中油型乳化化粧料 |
-
2011
- 2011-04-25 JP JP2011096663A patent/JP5807870B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2012229166A (ja) | 2012-11-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20170071837A1 (en) | Cleaning compositions comprising biosurfactants in a foam dispenser | |
US20070140998A1 (en) | Agent for skin external use containing salt of ascorbic acid derivative, method for stabilizing the agent for skin external use, and stabilizer | |
EP2857000B1 (en) | Emulsion cosmetic composition | |
JP6009262B2 (ja) | 乳化型クレンジング化粧料 | |
DE102015217506A1 (de) | Seife mit Biotensiden | |
KR20230044488A (ko) | 개인 케어 제형용 유화제 조성물 | |
JP5807870B2 (ja) | 皮膚外用剤 | |
EP3414312B1 (en) | Foam boosting saccharide blend | |
JP2016094398A (ja) | 乳化組成物 | |
JP2023554496A (ja) | 水性化粧料 | |
JP2016027020A (ja) | 乳化組成物 | |
JP2009242356A (ja) | 洗浄料 | |
FR2954162A1 (fr) | Composition cosmetique comprenant au moins deux gommes de carraghenanes | |
JP2009051804A (ja) | アルギン酸オリゴ糖(塩)含有毛髪化粧料 | |
KR20090117081A (ko) | 바이오계면활성제 함유 컨디셔닝 샴푸 조성물 | |
JP5995453B2 (ja) | 化粧料及びその製造方法 | |
JP5865623B2 (ja) | 皮膚外用剤およびその製造方法 | |
JP6723711B2 (ja) | 外用組成物 | |
JP6586854B2 (ja) | 乳化組成物 | |
JP2005225865A (ja) | 皮膚外用剤 | |
JP2000109419A (ja) | 保湿用の組成物及びそれを含有する皮膚外用の組成物 | |
JP6734098B2 (ja) | 外用組成物 | |
JPWO2016080495A1 (ja) | 外用組成物 | |
JP2020090454A (ja) | 高内相w/o型乳化組成物及びこれを利用した化粧料 | |
JP2012153616A (ja) | 透明性化粧料 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20130418 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20130418 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20130418 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20130418 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140207 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20141016 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20141111 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150108 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150804 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150807 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150825 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150901 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5807870 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |