(第1実施形態)
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態による遊技機について説明する。なお、遊技機の説明における前後左右とは、遊技機の遊技盤に向かって見た方向(遊技者から見た方向)を指すものとする。
図1を参照して、本発明の第1実施形態による遊技機1について説明する。図1は、前面枠5及びガラス枠6を閉じた状態の遊技機1の斜視図である。
図1に示すように、遊技機1は、島設備に固定される本体枠2にヒンジ3を介して右側部が開閉回動自在に取り付けられる開閉枠4を備える。開閉枠4は、前面枠5及びガラス枠6によって構成される。
前面枠5には、遊技盤30(図2参照)が配設されるとともに、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス6aを備えたガラス枠6が取り付けられる。前面枠5及びガラス枠6は、それぞれ個別に開放することが可能となっている。例えば、ガラス枠6のみを開放して遊技盤30の遊技領域31(図2参照)にアクセスすることができる。また、前面枠5をガラス枠6が開放されていない状態で開放することによって、遊技盤30の裏面側に配置された遊技制御装置600(図10参照)等にアクセスすることができる。
ガラス枠6のカバーガラス6aの周囲には、装飾部材7が配設されている。装飾部材7の内部にはLED等によって構成された枠装飾装置21(図11参照)が収容されており、枠装飾装置21を制御することによって装飾部材7における発光態様を調整することができる。
ガラス枠6の上部には照明ユニット8が配設され、照明ユニット8の左右両側には可動式照明9が配設される。照明ユニット8は、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じて発光演出を行う。可動式照明9は、LED等の照明部材と、照明部材を駆動する照明駆動モータ等から構成される枠演出装置22(図11参照)と、を備える。可動式照明9の枠演出装置22は、遊技状態に応じて照明部材を駆動(例えば回転駆動)するように制御される。なお、照明ユニット8及び可動式照明9の内部に配設される照明部材も、枠装飾装置21(図11参照)の一部を構成している。
遊技機1は、効果音や警報音、報知音等を発する上スピーカ10a及び下スピーカ10bを備える。上スピーカ10aはガラス枠6の上両側部に配置され、下スピーカ10bは上皿ユニット11を構成する上皿11aの下方に配置される。
左側の可動式照明9の右上方には、遊技機1における異常を報知するための状態(異常)報知LED12が設けられている。遊技機1において異常が発生した場合には、状態(異常)報知LED12が点灯又は点滅するとともに、上スピーカ10a及び下スピーカ10bから異常を報知するための報知音が出力される。
遊技機1で発生する異常には、遊技機1の故障及び不正行為の実施等が含まれる。不正行為には、例えば、発射された遊技球の軌道を磁石によって不正に操作する行為や遊技機1を振動させる行為等が含まれる。これらの不正行為は、磁気センサスイッチ23(図10参照)によって磁気を検出したり、振動センサスイッチ24(図10参照)によって振動を検出したりすることで検知される。
また、不正に開閉枠4を開放する行為も不正行為に含まれる。前面枠5の開閉状態は前面枠開放検出スイッチ25(図10参照)によって検出され、ガラス枠6の開閉状態はガラス枠開放検出スイッチ26(図10参照)によって検出される。
ガラス枠6の下部には、上皿11aを含む上皿ユニット11が備えられる。上皿11aに貯留された遊技球は、前面枠5の下部に設けられる球発射装置に供給される。
前面枠5の下部に固定される固定パネル13には、下皿14と、球発射装置の動作を制御するための操作部15とが設けられる。遊技者が操作部15を回動操作することによって、球発射装置は上皿11aから供給された遊技球を遊技盤30の遊技領域31に発射する。下皿14には、当該下皿14に貯留された遊技球を外部へ排出するための球抜き機構16が設けられている。
上皿ユニット11には、遊技者からの操作入力を受け付けるための演出ボタン17が上皿11aの手前側に配設されている。遊技者が演出ボタン17を操作することによって、変動表示装置35(図2参照)での特図変動表示ゲームにおいて遊技者の操作を介入させた演出を行うことができる。なお、通常遊技状態において、演出ボタン17の操作により遊技演出パターンを変更可能としてもよい。
通常遊技状態とは、特定の遊技状態が発生していない遊技状態である。特定の遊技状態とは、例えば特図変動表示ゲームの結果が大当りになる確率が高い確変状態、普図変動表示ゲームの実行時間を通常よりも短縮して単位時間当たりのゲーム実行数を向上させる時短状態(時間短縮変動状態)、大当り遊技状態(特別遊技状態)等である。
ガラス枠6の装飾部材7の下部には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン18と、カードユニット(図示省略)からプリペイドカード等を排出させるために操作される排出ボタン19とが配設される。球貸ボタン18及び排出ボタン19の間には、プリペイドカード等の残高を表示する残高表示部20が設けられる。
次に、図2を参照して、遊技機1に備えられる遊技盤30について説明する。図2は、遊技盤30の正面図である。
遊技盤30は、合板やプラスチック等からなる矩形状の遊技盤本体32の表面に、区画部材としてのガイドレール33、44を設けることで、略円形状の遊技領域31を区画形成している。
遊技領域31には、開口部34aを有するセンターケース34が配設される。遊技盤30にはセンターケース34の外周に沿った形状の開口が形成されており、センターケース34は遊技盤30の開口に前方から嵌装される。
遊技盤30の裏面には、変動表示装置35を備える制御ベースユニットが配設される。変動表示装置35は、複数の識別情報が変動する飾り特図変動表示ゲームを表示可能な表示部(表示画面)35aを有する。なお、制御ベースユニットには、変動表示装置35の他に、動作演出や発光演出を実行可能な可動装飾装置70が設けられている。
変動表示装置35の表示部35aは、センターケース34の開口部34aを介して視認可能となっている。変動表示装置35の表示部35aは、任意の画像を表示可能な液晶表示器であり、複数の識別情報(飾り特図)や飾り特図変動表示ゲームを演出するキャラクタ等、遊技の進行に基づく画像が表示される。変動表示装置35は、表示部35aに複数の変動表示領域(例えば、左側、中央、右側の3つの表示領域)を有しており、各表示領域の各々で独立した画像を表示可能に構成されている。
センターケース34の左側方の遊技領域31には、遊技球が通過した場合に普通図柄(普図)変動表示ゲームの始動条件を成立させる普図始動ゲート36(普図始動入賞領域)が配設される。
センターケース34の下方の遊技領域31には、遊技球の入賞に基づき第1特別図柄変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)の始動条件を付与する第1始動入賞口37(第1特図始動入賞領域)が配設される。なお、センターケース34には、遊技領域31を流下する遊技球をセンターケース34の内側に導くためのワープ通路81と、ワープ通路81を通過した遊技球が転動可能であって、転動した遊技球を第1始動入賞口37の上方の遊技領域31へと流下させるステージ部82とが設けられている。
センターケース34の右側部には、遊技球の入賞に基づき第2特別図柄変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)の始動条件を付与する第2始動入賞口38(第2特図始動入賞領域)が配設される。第2始動入賞口38は、当該第2始動入賞口38を開閉する開閉部38a(普電)を備えている。
開閉部38aが第2始動入賞口38を閉じている場合は、遊技領域31を流下する遊技球が第2始動入賞口38に入賞不能な状態(遊技者にとって不利な状態)となり、遊技球は第2始動入賞口38に入賞することなく下方に流下する。
一方、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって、開閉部38aが第2始動入賞口38を開いた場合は、遊技領域31を流下する遊技球が第2始動入賞口38に流入可能な状態(遊技者にとって有利な状態)となる。開閉部38aは、開状態において、遊技領域31を流下する遊技球を第2始動入賞口38へとガイドするように構成されている。したがって、開閉部38aが開いている間は、遊技球が第2始動入賞口38に流入しやすくなる。
第2始動入賞口38に備えられる開閉部38aの開閉動作は、遊技制御装置600(図10参照)によって制御される。遊技制御装置600(遊技制御手段)は、入賞容易状態の発生頻度を高めたり、入賞容易状態の発生時間を長くしたりすることで普電サポート状態を発生させる。このように遊技制御装置600は開閉部38aを開閉制御する開閉制御手段(補助遊技実行手段)を含んでいる。
第2始動入賞口38の開閉部38aの開放態様は図3(A)に示すように設定されており、普電サポート時には開閉部38aの開放時間は5.8秒となり、普電サポートがない通常時には開閉部38aの開放時間は0.3秒又は5.8秒となる。通常時には、開放時間が長い5.8秒が選択されやすくなっている。
第1始動入賞口37の左右両側の遊技領域31には、遊技球が入賞した場合に賞球を払い出す条件だけが成立する一般入賞口40が複数配設される。左側のサイドベース100には一般入賞口40が三つ形成されており、右側のサイドベース200には一般入賞口40が一つ形成されている。
第1始動入賞口37の下方の遊技領域31には、大入賞口ソレノイド28(図10参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉41aを有する大入賞口を備えた特別変動入賞装置41が設けられる。特別変動入賞装置41は、特図変動表示ゲーム(第1又は第2特図変動表示ゲーム)の結果が大当りになると、大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に賞球を付与するようになっている。大入賞口(特別入賞口)の開閉制御は遊技制御装置600によって行われる。このように遊技制御装置600は特別入賞口開閉制御手段(特別遊技状態発生手段)を含んでいる。
なお、遊技領域31には、上記した始動入賞口等のほかに、遊技球の流下方向を変える風車39や障害釘等の流下方向変換部材や、入賞せずに流下した遊技球を外部に排出するアウト口42が配設される。
また、遊技盤30の右下部には、特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲーム)の特図の変動表示、特図入賞記憶数(第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの始動記憶数)、普図変動表示ゲームの普図の変動表示、普図入賞記憶数(普図変動表示ゲームの始動記憶数)、及び大当たりの決定ラウンド数等を表示する一括表示装置50が配設されている。
遊技機1では、球発射装置によって打ち出された遊技球は、ガイドレール33、44によって区画された発射球案内通路43を通って遊技領域31内に発射され、方向変換部材(図示省略)によって落下方向を変えながら遊技領域31を流下する。
遊技機1は、遊技状態に応じて遊技者が左打ち(遊技球の発射勢を調整し、発射された遊技球がセンターケース34の左側を通って流下するように打ちだすこと)又は右打ち(遊技球の発射勢を調整し、発射された遊技球がセンターケース34の右側を通って流下するように打ちだすこと)を行うように構成されており、遊技開始直後の通常遊技状態等では遊技者によって左打ちが行われ、普電サポート状態において普図変動表示ゲームが当りとなった場合等には遊技者によって右打ちが行われる。なお、遊技者が遊技状態に応じた打ち分けをしやすいように、変動表示装置35の表示部35aには左打ち又は右打ちの指示が表示される。
左打ちが行われる場合には、遊技球はセンターケース34の左側方の遊技領域31を流下して、第1始動入賞口37や第1始動入賞口37の左側方に配設された一般入賞口40に入賞するか、遊技領域31の最下部に設けられたアウト口42から遊技機1の外部に排出される。ワープ通路81を通ってステージ部82に導かれた遊技球も第1始動入賞口37に入賞したり、第1始動入賞口37の左側の一般入賞口40に入賞したりする。
第1始動入賞口37に遊技球が入賞すると、一括表示装置50で第1特図変動表示ゲームが実行されるとともに、第1特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが変動表示装置35で実行される。変動表示装置35では、三つの数字等で構成される識別情報が変動(スクロール)する飾り特図変動表示ゲームが開始され、飾り特図変動表示ゲームに関する画像が表示部35aに表示される。第1始動入賞口37への遊技球の入賞が所定タイミングでなされた場合には、第1特図変動表示ゲームの結果が特別結果となり、飾り特図変動表示ゲームでは三つの識別情報(飾り特図)が揃った状態で停止する。この場合には、特別変動入賞装置41の開閉扉41aが開いて、特別遊技状態(大当り遊技状態)となる。
大当り遊技状態では、特別変動入賞装置41の大入賞口は、所定時間経過するまで又は所定数の遊技球が大入賞口に入賞するまで、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)となる。大入賞口に遊技球が入賞することによって、遊技者には多くの遊技球を獲得可能な遊技価値が付与される。大入賞口に所定個数の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これが所定ラウンド数継続される。
ところで、通常遊技状態や普電サポート状態において普図変動表示ゲームが当りとなった場合等に遊技者が右打ちを行うことで、遊技球が開閉部38aを介して第2始動入賞口38に入賞すると、一括表示装置50で第2特図変動表示ゲームが実行されるとともに、第2特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが変動表示装置35で実行される。変動表示装置35では、三つの数字等で構成される識別情報が変動(スクロール)する飾り特図変動表示ゲームが開始され、飾り特図変動表示ゲームに関する画像が表示部35aに表示される。第2始動入賞口38への遊技球の入賞が所定タイミングでなされた場合には、第2特図変動表示ゲームの結果が特別結果となり、飾り特図変動表示ゲームでは三つの識別情報(飾り特図)が揃った状態で停止する。この場合には、特別変動入賞装置41の開閉扉41aが開いて、特別遊技状態(大当り遊技状態)となる。
上記の通り、本実施形態の遊技機1は、遊技者が左打ち又は右打ちを行いながら遊技が進行するように構成されている。なお、図2では普図始動ゲート36がセンターケース34の左側方の遊技領域31に配設されているが、普電サポート状態において常に右打ちを行わせるようにセンターケース34の右側方の遊技領域31に配設してもよい。その場合には、普図始動ゲート36を通過した遊技球が第2始動入賞口38に入賞するように、普図始動ゲート36を第2始動入賞口38よりも上流側に配設するとよいが、下流側に配設してもよい。
また、第2始動入賞口38に遊技球が入賞した場合に払出装置から払い出される賞球数を1個又は2個等の少数にした場合(つまり、普電サポート時において開閉部38aが開放しても第2始動入賞口38に遊技球が入賞しないことによって普電サポート中のベースが100を下回る場合)には、第2始動入賞口38よりも上流側に賞球数の多い(例えば10個)一般入賞口40を配設しておくと、普電サポート中のベースが極端に下がる(普電サポート中に遊技者の持球が極端に減少する)ことがなくなり、遊技者が極端に不利にならない。また、普電サポート中の普図変動表示ゲームの実行頻度が減らないように、一般入賞口40は普図始動ゲート36よりも下流側であって、第2始動入賞口38よりも上流側に配設するとよいが、第2始動入賞口38の上流側と下流側にそれぞれ一般入賞口40を設けてもよい。
また、遊技機1は、図3(B)及び図3(C)に示すように、所定の確率で大当り及び小当りを発生可能に構成されている。
図3(B)に示すように、普電サポートがなく低確率である通常遊技状態(通常状態)では、第1特図変動表示ゲームの結果は、1/300の確率で大当りとなり、10/300の確率で小当りとなり、それ以外ははずれとなる。第2特図変動表示ゲームの結果は、1/300の確率で大当りとなり、299/300の確率で小当りとなる。
普電サポートあり及び高確率の遊技状態では、第1特図変動表示ゲームの結果は、10/300の確率で大当りとなり、10/300の確率で小当りとなり、それ以外ははずれとなる。第2特図変動表示ゲームの結果は、10/300の確率で大当りとなり、10/300の確率で小当りとなり、それ以外ははずれとなる。
普電サポートなし及び高確率の遊技状態では、第1特図変動表示ゲームの結果は、10/300の確率で大当りとなり、100/300の確率で小当りとなり、それ以外ははずれとなる。第2特図変動表示ゲームの結果は、10/300の確率で大当りとなり、290/300の確率で小当りとなる。
普電サポートあり及び低確率の遊技状態では、第1特図変動表示ゲームの結果は、1/300の確率で大当りとなり、10/300の確率で小当りとなり、それ以外ははずれとなる。第2特図変動表示ゲームの結果は、10/300の確率で大当りとなり、10/300の確率で小当りとなり、それ以外ははずれとなる。
なお、大当り及び小当りの発生は遊技制御装置600によって制御される。遊技制御装置600は、特図変動表示ゲームの実行結果が特別結果態様となった場合に大当り遊技状態(特別遊技状態)を発生させる特別遊技状態発生手段を含んでおり、特図変動表示ゲームの実行結果が特定結果態様となった場合に小当り遊技状態(特定遊技状態)を発生させる特定遊技状態発生手段を含んでいる。
図3(C)に示すように、特図1及び特図2による大当りには、16ラウンドA確変大当り(16RA大当り)、16ラウンドB確変大当り(16RB大当り)、及びいわゆる突確(出玉の少ない大当りを経由して大当り確率が変化する突然確変)としての2ラウンド確変大当り(2R大当り)の3パターンがある。これら大当りでは、特別遊技状態の終了後に特図変動表示ゲームの確率状態が所定回数(例えば、50回)の特図変動表示ゲームを実行するまで通常確率状態(低確率状態)から確率変動状態(高確率状態)に変化する。また、16RA確変大当り及び16RB確変大当りによる特別遊技状態の終了後には、50回の特図変動表示ゲームが実行されるまで時短状態(普電サポート状態)に設定される。時短の実行制御は、遊技制御装置600の時短実行手段(時短状態発生手段)により行われる。なお、大当りの種類毎に高確率状態となる特図変動表示ゲームの回数が異なるように設定(16R大当り>2R大当り)してもよいし、大当りの種類毎に時短状態となる変動表示ゲームの回数を異なるように設定(16R大当り>2R大当り)してもよい。
なお、小当りでは、小当り遊技終了後に特図変動表示ゲームの確率状態は変化しない。大当り遊技後及び小当り遊技後の特図変動表示ゲームの確率状態は遊技制御装置600によって制御される。このように遊技制御装置600は確率状態制御手段(確率変動状態発生手段)を含んでいる。
16RA大当りでは、1ラウンド目における開閉扉41a(大入賞口)の開放が短開放に設定され、2ラウンド以降の開閉扉41aの開放が長開放に設定される。1ラウンド目では開閉扉41aが0.8秒間開放することが8回繰り返され、間欠開放が行われる。2ラウンド以降は、1ラウンド毎に開閉扉41aが25秒間開放する。
16RB大当りでは、全ラウンドにおいて開閉扉41aの開放が長開放に設定される。したがって、各ラウンドにおいて、開閉扉41aは25秒間開放する。
2R大当りでは、全ラウンドにおいて開閉扉41aの開放が短開放に設定される。したがって、各ラウンドにおいて開閉扉41aは0.8秒間開放する。
なお、小当りの場合には、1回のラウンド中に2回、開閉扉41aが0.8秒間開放して間欠開放が行われる。このように小当り中の開閉扉41a(大入賞口)の開閉態様を、見た目上において、2R大当り中の開閉扉41a(大入賞口)の開閉態様と同じに設定することで、小当りと2R大当りの判別がつきにくくなり、遊技の興趣を高めることができる。また、2R大当り後と小当り後の遊技状態を同じく普電サポート状態としないことでも、小当りと2R大当りの判別がつきにくくなる。そのため、2R大当り後及び小当り後は、変動表示装置35における遊技演出モードを特図変動表示ゲームの確率状態を明確に報知しない確率曖昧モードに移行させ、確率報知条件の成立(所定回数の特図変動表示ゲームが実行されたことや、特図変動表示ゲーム毎に行われる確率報知抽選に当選したことや、後述する特定演出(入賞時演出)で成功演出が実行された場合等)により、通常演出モードに移行(復帰)させて確率状態を報知するようにする。
ここで、大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果であり、小当りとは条件装置の作動を伴わない特別結果である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するものである。条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置41を連続して作動させるための特定のフラグがセットされることを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選したような場合のように、上述のフラグはセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様な意味を有する用語として使用している。
次に、図4、図5(A)、及び図5(B)を参照して、遊技領域31の左下部に取り付けられるサイドベース100の構成について説明する。
図4は、遊技盤30の斜視図である。図5(A)はサイドベース100の正面図であり、図5(B)はサイドベース100の斜視図である。
図4に示すように、サイドベース100は、遊技領域31の左下部において遊技盤30の前面に取り付けられる。
図4及び図5(A)に示すように、サイドベース100は、三つの一般入賞口40と、これら一般入賞口40の下方に位置する遊技球流路110と、を備える。本実施形態ではサイドベース100に一般入賞口40と遊技球流路110とを一体形成したが、サイドベース100に遊技球流路110のみを形成し、一般入賞口40は別部材として形成してもよい。また、サイドベース100に一般入賞口40のみを形成し、遊技球流路110は一般入賞口40とガイドレール44との間を離間させることで形成してもよいし、ガイドレール44に対して流路形成部材(転動面形成部材)を取り付けることで一般入賞口40と流路形成部材との間に遊技球流路110を形成してもよい。
図5(A)及び図5(B)に示すように、三つの一般入賞口40は、サイドベース100の左上部から右下部に沿って所定の間隔を空けて配設される。一般入賞口40は、遊技領域31を流下してきた遊技球が流入可能なように遊技盤30の表面よりも前方へ突出し、上面が開口したカップ状に形成されている。一般入賞口40に流入した遊技球は、遊技盤30の後方に導かれ、遊技機外に排出される。
遊技球流路110は、一般入賞口40の側方を流下してきた遊技球を、遊技領域31の最下部(一般入賞口40よりも遊技領域の左右方向の中央寄り)に配置されたアウト口へと誘導(流下案内)する通路である。遊技球流路110は、第1流路120と、第1流路120の後側に並設され、第1流路120を流下する遊技球が進入可能なように連通する第2流路130とから構成されている。
第1流路120は、遊技領域31を画成するガイドレール44に沿って左右方向に延設される円弧状の通路である。第1流路120は、遊技球が転動する転動面121が遊技盤30よりも前側に位置するように形成されている。なお、第1流路120をサイドベースに設けない場合には、上述したガイドレール44の上面や流路形成部材(転動面形成部材)が転動面121となる。
第2流路130は、第1流路120の後方に並設される円弧状の通路である。第2流路130は、サイドベース100を後方に窪ませた凹空間として形成されている。遊技盤30には第2流路130に対応する位置に開口部が形成されており、サイドベース100を遊技盤30に設置した状態では第2流路130は当該開口部を介して遊技盤30の表面よりも後方に位置している。
第1流路120の転動面121及び第2流路130の転動面131は連続的に接続されており、上流位置における第1流路120の転動面121は第2流路130の転動面131に向かって下り傾斜している。また、第2流路130の下流端(第1流路120の転動面121よりもアウト口42寄りとなる下流側)には、当該第2流路130を流下してきた遊技球を第1流路120側(前方)に誘導する誘導部132が形成されている。
第1流路120の転動面121及び第2流路130の転動面131と、各一般入賞口40の下端との間隔(鉛直方向の距離)は、遊技球の直径よりも僅かに大きくなるよう(各転動面121及び131と、各一般入賞口40との間に2個の遊技球が並んで通過することができない間隔であり、換言すると、1個の遊技球が通過可能な間隔)に設定されている。また、第1流路120の転動面121及び第2流路130の転動面131の前後幅はそれぞれ遊技球の直径よりも僅かに大きく設定されており、転動面121の前端から転動面131の後端までの幅は遊技球の直径の2倍以上となっている。
図4及び図5(B)に示すように、一般入賞口40の側方を通過した遊技球は、第1流路120の転動面121上に流下し、転動面121上を下流側に向かって転動する。
第1流路120の上流位置の転動面121は後方に下り傾斜しているので、第1流路120の上流位置を転動する遊技球の一部は第2流路130内に流入する。第1流路120の上流位置から第2流路130に流入しなかった遊技球等は、第1流路120の下流端まで転動し、ガイドレール44の内壁に沿ってアウト口42まで誘導される。
一方、第1流路120から第2流路130に流入した遊技球は、転動面131上を下流側に向かって転動する。第2流路130の下流端まで到達した遊技球は、誘導部132によって第1流路120側に導かれた後、ガイドレール44の内壁に沿ってアウト口42まで誘導される。
本実施形態の遊技機1の遊技球流路110は、第1流路120の後方に第2流路130を備え、これら2つの流路120、130を用いて遊技球をアウト口42に誘導する。したがって、遊技領域31を拡大するために一般入賞口40をガイドレール44寄りの低い位置に形成したとしても、遊技球流路110における流下スペースを確保でき、遊技球流路110での球詰まりの発生を抑制することが可能となる。
一般入賞口40及び遊技球流路110はサイドベース100に一体形成されるので、一般入賞口40及び遊技球流路110の位置合わせをすることなく容易に遊技盤30に取り付けることができる。
また、上流位置における第1流路120の転動面121は第2流路130に向かって下り傾斜しているので、第1流路120の転動面121上に流下してきた遊技球をスムーズに第2流路130に導くことができ、第1流路120での球詰まりの発生を抑制することができる。
さらに、第2流路130の下流端には当該第2流路130を流下してきた遊技球を第1流路120側に誘導する誘導部132が形成されているので、第2流路130の転動面131上に流下してきた遊技球をスムーズに第1流路120側に排出することができ、第2流路130での球詰まりの発生を抑制することができる。なお、第1流路120の転動面121の下流端部とガイドレール44との間(誘導部132の前方)に段差が形成されることで、誘導部132の周辺で球詰まりが発生することを抑制することができる。
さらに、一般入賞口40の下端と、第1流路120及び第2流路130の転動面121、131との間隔が遊技球の直径よりも僅かに大きくなるようにし、一般入賞口40を低い位置に設けるので、遊技領域31を拡大することができる。また、第1流路120と第2流路130とが前後に並設されていることで、遊技領域31に奥行き感を出すこともできる。
以上のような遊技機1は、表面に遊技領域が区画形成される遊技盤と、該遊技盤の表面よりも前方へ突出し、前記遊技領域を流下する遊技球が入賞可能な入賞口と、該入賞口の下側方に設けられ、前記遊技領域を流下する遊技球を外部に排出するアウト口と、を備える遊技機において、前記入賞口の下方に位置し、当該入賞口の側方を流下してきた遊技球を前記アウト口へと誘導する遊技球流路を備え、前記遊技球流路は、前記遊技盤の表面よりも前側に位置し、前記入賞口の左右方向に亘って延設される第1流路と、前記遊技盤の表面よりも後側に位置し、前記第1流路の後方に並設される第2流路と、を備え、前記第1流路を流下する遊技球が前記第2流路に進入可能なように、前記第1流路と前記第2流路とを連通させている。
従来の遊技機では、可動演出装置の大型化に伴いセンターケースが大型化することで遊技球が流下可能な遊技領域が圧迫され、遊技領域区画部材と一般入賞口との間に形成される遊技球流路が狭くなってしまい、この遊技球流路付近で球ガミや球詰まりが発生しやすくなってしまうという問題があったが、以上のような遊技機1によれば、センターケースが大型化することで遊技領域が圧迫されることで遊技領域区画部材と一般入賞口との間に形成される遊技球流路が狭くなったとしても、遊技球流路付近での球ガミや球詰まりの発生を抑制することができる。
次に、図6〜図9を参照して、サイドベース100の遊技球流路110の変形例について説明する。
図6は、遊技球流路110の第1変形例を説明する図であって、サイドベース100の斜視図である。
図6に示すように、第1変形例による遊技球流路110では、第1流路120の転動面121に前後方向に延びるリッジ122が形成される。リッジ122は、転動面121に突出形成された筋(すじ)状の部材である。リッジ122は、複数設けられ、流路延設方向に沿って等間隔に配設される。
このように第1流路120の転動面121にリッジ122を形成することで、第1流路120を転動する遊技球をよりスムーズに第2流路130に誘導することが可能となる。
図7は、遊技球流路110の第2変形例を説明する図であって、サイドベース100の斜視図である。
図7に示すように、第2変形例による遊技球流路110では、下流位置において第1流路120の転動面121を第2流路130の転動面131よりも低くすることで、第1流路120と第2流路130の境界に段差140を形成する。
このように段差140を形成することで、第1流路120の下流端に位置する遊技球及び第2流路130の下流端に位置する遊技球を上下にずらすことができる。これにより、図7のように遊技球が前後に並んで第1流路120及び第2流路130を流下した場合でも、第2流路130から第1流路120側に誘導される遊技球が、段差140を落下する際に第1流路120を転動する遊技球を押し出すので、遊技球合流位置での球詰まりの発生を抑制できる。
なお、第2変形例による遊技球流路110において、第1変形例と同様に、第1流路120の転動面121に前後方向に延びるリッジを形成してもよい。
図8は、遊技球流路110の第3変形例を説明する図であって、サイドベース100の斜視図である。なお、図8の破線は第1流路120と第2流路130の境界を示している。
第1実施形態の遊技球流路110は第2流路130を転動した遊技球が第1流路120側に導かれた後にアウト口42に誘導されるように構成されているが、図8に示す第3変形例による遊技球流路110では第2流路130の下流端がアウト口42の左側部に接続されており、第2流路130を転動した遊技球が直接アウト口42内に流入する。なお、第1流路120を転動した遊技球は、アウト口42の前側に誘導され、その後アウト口42内に流入する。
このように第2流路130を転動する遊技球をアウト口42内に直接誘導するように構成することで、遊技球流路110での球詰まりの発生をより確実に抑制することができる。なお、第2流路130をアウト口42に接続するのではなく、第2流路130の下流端部に新たなアウト口を設けてもよい。
なお、第3変形例による遊技球流路110において、第1変形例と同様に、第1流路120の転動面121に前後方向に延びるリッジを形成してもよい。
図9(A)及び図9(B)は、遊技球流路110の第4変形例を説明する図である。図9(A)はサイドベース100の正面図であり、図9(B)はサイドベース100の斜視図である。
図9(A)及び図9(B)に示すように、第4変形例では、サイドベース100の前面に装飾板150が取り付けられ、当該装飾板150によって遊技球流路110及び一般入賞口40の前側が覆われる。装飾板150は、透明な樹脂部材であり、遊技球流路110を転動する遊技球を視認できるように構成されている。また、装飾板150とサイドベース100との間の幅は、遊技球の直径より僅かに大きく設定されている。
このように装飾板150を取り付けることによって、装飾板150とサイドベース100との間を通過する際に遊技球を整列させ、遊技球流路110の第1流路120にスムーズに遊技球を導くことができ、第1流路120での遊技球の球詰まりの発生を抑制することができる。なお、装飾板150の裏面(遊技球流路110の上流側の部分)に第1流路120を流下する遊技球を第2流路130側に誘導するための突起(誘導部)を設け、該突起に遊技球が当接(衝接)することで第2流路130に誘導されるようにしてもよい。
<遊技制御装置及び演出制御装置>
次に、図10及び図11を参照して、遊技機1に備えられる遊技制御装置600(遊技制御手段)及び演出制御装置700(演出制御手段)について説明する。
図10は、遊技機1の遊技制御装置600を中心とする制御系を示すブロック構成図である。図11は、遊技機1の演出制御装置700を中心とする制御系を示すブロック構成図である。
図10に示す遊技制御装置600は、遊技機1における遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)である。遊技制御装置600には、電源装置800、払出制御装置640、及び演出制御装置700が接続される。遊技制御装置600は、払出制御装置640や演出制御装置700に制御信号(コマンド)を送信し、各種処理の実行を指示する。さらに、遊技制御装置600には、各種スイッチや制御対象のソレノイド等が接続される。
遊技制御装置600は、各種演算処理を行うCPU部610と、各種信号の入力を受け付ける入力部620と、各種信号や制御信号を出力する出力部630と、を備える。CPU部610、入力部620、及び出力部630は、互いにデータバス680によって接続される。
入力部620は、各種スイッチから出力される信号や払出制御装置640から出力される信号を受け付ける。この入力部620は、近接インターフェース(I/F)621及び入力ポート622、623を備える。
入力ポート622、623は、近接I/F621を介して入力される信号を受け付けたり、外部から入力される信号を直接受け付けたりする。入力ポート622、623に入力した情報は、データバス680を介してCPU部610等に提供される。
近接I/F621は、各種スイッチから出力された信号を受け付け、それら入力信号を変換して入力ポート622に出力するインターフェースである。近接I/F621には、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、及びカウントスイッチ605が接続される。
第1始動口スイッチ601は、遊技球が第1始動入賞口37に入賞したことを検出するスイッチである。第2始動口スイッチ602は、遊技球が第2始動入賞口38に入賞したことを検出するスイッチである。ゲートスイッチ603は、遊技球が普図始動ゲート36を通過したことを検出するスイッチである。入賞口スイッチ604a〜604nは、遊技球が一般入賞口40に入賞したことを検出するスイッチである。
第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602の検出信号は、入力ポート622に出力されるとともに、CPU部610の反転回路612を介して遊技用マイコン611に出力される。これは、遊技用マイコン611の信号入力端子がロウレベルを有効レベルとして検知するように設計されているためである。
カウントスイッチ605は、遊技球が大入賞口に入賞したことを検出するスイッチである。カウントスイッチ605によって遊技球の入賞が検出されると、入賞した遊技球の数がカウントされ、カウントされた遊技球の数が遊技制御装置600に備えられたメモリに記憶される。
近接I/F621への入力信号の電圧は通常時には所定範囲内となっているため、近接I/F621によれば、各種スイッチからの信号の電圧値に基づいて各種スイッチにおけるリード線の断線、ショート、電圧値異常等を検出できる。このような異常を検出すると、近接I/F621は、異常検知出力端子から異常を示す信号を出力する。
また、入力ポート622には磁気センサスイッチ23及び振動センサスイッチ24からの信号が直接入力され、入力ポート623には前面枠開放検出スイッチ25及びガラス枠開放検出スイッチ26からの信号が直接入力される。入力ポート623には、払出制御装置640からの各種信号も入力される。
磁気センサスイッチ23は、発射された遊技球の軌道を磁石によって操作する不正行為を検出するために磁力を検出する。振動センサスイッチ24は、遊技機1を振動させる不正行為を検出するために遊技機1の振動を検出する。
前面枠開放検出スイッチ25は、前面枠5が開放されたことを検出する。前面枠開放検出スイッチ25は、前面枠5が本体枠2から開放されるとオンに設定され、前面枠5が本体枠2に閉止されるとオフに設定される。
ガラス枠開放検出スイッチ26は、ガラス枠6が開放されたことを検出する。ガラス枠開放検出スイッチ26は、ガラス枠6が前面枠5から開放されるとオンに設定され、ガラス枠6が前面枠5に閉止されるとオフに設定される。
遊技制御装置600のCPU部610は、遊技用マイコン611と、反転回路612と、水晶発振器613とを備える。
遊技用マイコン611は、CPU611a、ROM611b、及びRAM611cを有しており、入力部620を介して入力された信号に基づいてROM611bに記憶されたプログラムを実行して大当り抽選等の各種処理を実行する。遊技用マイコン611は、出力部630を介して、一括表示装置50、普電ソレノイド27、大入賞口ソレノイド28、演出制御装置700、及び払出制御装置640に制御信号を送信し、遊技機1を統括的に制御する。遊技用マイコン611は、チップセレクトで、信号を入力又は出力するポートを選択している。
ROM611bは、不揮発性の記憶媒体であり、遊技制御のためのプログラムやデータ等を記憶する。ROM611bは、例えば、特図変動表示ゲームの変動表示時間(実行時間)、演出内容、リーチ発生の有無等を規定する変動態様(変動パターン)を決定するための変動パターン振り分け情報を記憶している。
ここで、リーチとは、表示状態が変化可能な変動表示装置35を有し、変動表示装置35が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機1において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態(例えば、最後に停止する識別情報を除く複数の識別情報が特別遊技状態となる特別結果を発生可能な識別情報で停止し、最後に停止する識別情報が変動表示している状態)をいう。
また、別の表現をすれば、リーチとは、変動表示装置35の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチに含まれる。また、リーチ状態とは、変動表示装置35の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して変動表示装置35に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示部35aにおける左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ(リーチ状態)となる。この他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
また、リーチ(リーチ状態)には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性(期待度)が異なるリーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、ノーマルロングリーチ(Nロングリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアムリーチ等が設定されている。リーチ演出における期待度は、リーチなし<Nリーチ<Nロングリーチ<SP1リーチ<SP2リーチ<SP3リーチ<プレミアムリーチの順に高くなるように設定されている。
遊技用マイコン611のRAM611cは、揮発性の記憶媒体であり、遊技制御に必要な情報(各種の乱数値等)を一時的に記憶するワークエリアとして利用される。
反転回路612は、近接I/F621を介して入力された信号(第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602からの信号)の論理値を反転させて遊技用マイコン611に出力する。
水晶発振器613は、タイマ割込み、システムクロック信号、大当り抽選等を行うためのハード乱数の動作クロック源として構成されている。
遊技制御装置600の出力部630は、ポート631a〜631eと、バッファ632a、632bと、ドライバ633a〜633dと、フォトカプラ634とを備える。
ポート631a〜631eは、データバス680を介して入力された信号を受け付ける。
バッファ632a、632bは、データバス680やポート631a、631bを介して入力された信号を一時的に保持する。
ドライバ633a〜633dは、ポート631c〜631eを介して入力される信号から各種駆動信号を生成して各装置に出力する。
フォトカプラ634は、外部の検査装置670に接続可能に構成されており、入出力される各種信号からノイズを除去して各種信号の波形を整形する。フォトカプラ634と検査装置670との間は、シリアル通信によって情報が送受信される。
払出制御装置640には、ポート631aを介してパラレル通信によってCPU部610から出力された情報が送信される。払出制御装置640に対しては片方向通信を担保する必要がないため、ポート631aから払出制御装置640の払出制御基板に制御信号が直接送信される。
払出制御装置640は、遊技制御装置600からの賞球指令信号に基づいて払出ユニット(図示省略)から賞球を排出させたり、カードユニット(図示省略)からの貸球要求信号に基づいて払出ユニットから貸球を排出させたりする。払出制御装置640は、球切れや故障等の障害が発生した場合に、払出異常ステータス信号やシュート球切れスイッチ信号、オーバーフロースイッチ信号を遊技制御装置600に出力する。
払出異常ステータス信号は、遊技球の払い出しが正常に行われていない場合に出力される信号である。シュート球切れスイッチ信号は、払い出し前において遊技球が不足している場合に出力される信号である。オーバーフロースイッチ信号は、下皿14(図1参照)に所定量以上の遊技球が貯留されている場合に出力される信号である。
演出制御装置700には、出力部630のポート631aからのデータストローブ信号(SSTB)及びポート631bからの8bitのデータ信号がバッファ632aを介して入力する。データストローブ信号(SSTB)は、データの有効又は無効を示す1bitの信号である。バッファ632aからの8+1bitの信号(サブコマンド)は、パラレル通信で出力される。バッファ632aは、演出制御装置700から遊技制御装置600に信号を送信できないようにして片方向通信を担保するために設けられている。演出制御装置700に送信されるサブコマンドには、変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等の演出制御指令信号が含まれる。
大入賞口ソレノイド28及び普電ソレノイド27には、ポート631c及びドライバ633aを介して、CPU部610から出力された信号が入力する。大入賞口ソレノイド28は特別変動入賞装置41の開閉扉41a(図2参照)を回動させ、普電ソレノイド27は第2始動入賞口38の開閉部38a(図2参照)を回動させる。
一括表示装置50は、遊技(確率)状態報知LED、特図・普図の始動記憶数報知LED、ラウンド数報知LED、及び、特図・普図変動表示器(7セグメントLED)等から構成されている。一括表示装置のLEDのアノード端子はセグメント線を介してドライバ633cに接続し、ドライバ633cはポート631dと接続している。一括表示装置のLEDのカソード端子はデジット線を介してドライバ633bと接続し、ドライバ633bはポート631cと接続している。一括表示装置50のLEDのアノード端子にはドライバ633cからのオン/オフ駆動信号が入力され、一括表示装置のLEDのカソード端子からはドライバ633bにオン/オフ駆動信号が出力される。また、状態報知LED12はドライバ633bと接続し、オン/オフ駆動信号が出力される。
外部情報端子660は、特図変動表示ゲームの開始を示すスタート信号や大当り遊技状態の発生を示す特賞信号等の遊技データを遊技機の外部(島設備に設けられる情報収集端末装置等)に出力するための端子である。遊技データは、ポート631e及びドライバ633dを介して外部情報端子660に出力される。
遊技制御装置600は、中継基板650を介して、外部の試射試験装置に接続可能に構成されている。試射試験装置は、所定機関において遊技機1の型式試験を行うための装置である。試射試験装置には、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、及びカウントスイッチ605からの信号や、大入賞口ソレノイド28及び普電ソレノイド27に出力される信号等、試射試験に必要な信号が入力する。
遊技制御装置600は、入力部620に設けられるシュミット回路624を介して、電源装置800と接続している。シュミット回路624は、電源の立ち上がり時や電源遮断時において遊技機1の動作が不安定になることを防ぐために、入力信号の揺らぎ(ノイズ)を除去する回路である。シュミット回路624には、電源装置800からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号が入力する。
電源装置800は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V、DC5V等のより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータを有する通常電源部810と、遊技用マイコン611の内部のRAM611cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部820と、停電監視回路や初期化スイッチを有しており、遊技制御装置600に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号等の制御信号を出力する制御信号生成部830と、を備える。
バックアップ電源部820は、遊技用マイコン611のRAM611cに記憶された遊技データをバックアップするための電源である。遊技制御装置600は、停電復旧後、RAM611cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。
制御信号生成部830は、DC12V及びDC5Vを生成するスイッチングレギュレータの入力電圧(保証DC32V)を監視する。検出電圧がDC17.2V〜DC20.0Vのときに停電と判定し、制御信号生成部830から停電監視信号が出力される。停電監視信号は、シュミット回路624を経由して、入力部620の入力ポート623に入力する。停電監視信号の出力後には、停電監視回路はリセット信号を出力する。リセット信号は、シュミット回路624を経由して、遊技用マイコン611及び出力部630の各ポート631a〜631eに入力する。遊技制御装置600は、停電監視信号を受け付けると所定の停電処理を行い、リセット信号を受け付けた後にCPU部610の動作を停止させる。
制御信号生成部830は初期化スイッチを備えており、電源投入時に初期化スイッチがON状態となっている場合に、制御信号生成部830から初期化スイッチ信号が出力される。初期化スイッチ信号は、シュミット回路624を介して、入力部620の入力ポート623に入力する。初期化スイッチ信号は、遊技用マイコン611のRAM611c及び払出制御装置640のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する信号である。
図11に示すように、演出制御装置700は、遊技制御装置600から送信されるコマンドを受信するためのインタフェースチップ(コマンドI/F)701を備える。演出制御装置700は、コマンドI/F701を介して、遊技制御装置600から送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置600の遊技用マイコン611はDC5Vで動作し、演出制御装置700の主制御用マイコン710はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F701には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置700は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)710と、主制御用マイコン710の制御下で映像制御等を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)720と、映像制御用マイコン720からのコマンドやデータに従って変動表示装置35への映像表示のための画像処理を行うVDP(Video Display Processor)730と、各種メロディや効果音等を上スピーカ10a及び下スピーカ10bから再生させる音源LSI705と、を備える。
主制御用マイコン710と映像制御用マイコン720には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(Programmable Read Only Memory)702、703がそれぞれ接続される。
VDP730には、キャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM704が接続される。
音源LSI705には、音声データ等が記憶された音声ROM706が接続される。
主制御用マイコン710は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611からのコマンドを解析し、映像制御用マイコン720に対して出力映像の内容の指示をしたり、音源LSI705への再生音の指示をしたりする。また、主制御用マイコン710は、遊技制御装置600からの制御コマンドに基づいて、LED等の点灯制御、各種モータの駆動制御、演出時間の管理等の処理も実行する。
主制御用マイコン710及び映像制御用マイコン720の作業領域を提供するRAM711、721は、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAM711、721はチップの外部に設けるようにしてもよい。
主制御用マイコン710と映像制御用マイコン720との間、主制御用マイコン710と音源LSI705との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。これに対して、主制御用マイコン710とVDP730との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアル方式の場合よりも短時間のうちにコマンドやデータを送信することができる。
VDP730には、画像ROM704から読み出されたキャラクタ等の画像データを展開したり加工したりするのに使用されるVRAM(ビデオRAM)731、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ732、及びLVDS(小振幅信号伝送)方式で変動表示装置35へ送信する映像信号を生成する信号変換回路733が設けられる。
VDP730から主制御用マイコン710へは、変動表示装置35の映像と、前面枠5や遊技盤30に設けられるLED等の点灯とを同期させるために垂直同期信号VSYNCが出力される。また、VDP730から映像制御用マイコン720へは、VRAM731への描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン720からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが出力される。
映像制御用マイコン720から主制御用マイコン710へは、映像制御用マイコン720が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが出力される。
主制御用マイコン710と音源LSI705との間においては、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け信号CTSと応答信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン720には、主制御用マイコン710よりも高速処理が可能なCPUが使用されている。主制御用マイコン710とは別に映像制御用マイコン720を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン710のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を変動表示装置35に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン720と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。
演出制御装置700には、センターケース34や遊技盤30に設けられるLED等を含む盤装飾装置760を制御する盤装飾LED制御回路741、前面枠5やガラス枠6に設けられるLED等を含む枠装飾装置21を制御する枠装飾LED制御回路742、変動表示装置35における演出表示と協働して演出効果を高める可動装飾装置70等を含む盤演出装置770を駆動制御する盤演出モータ/SOL(ソレノイド)制御回路743、可動式照明9の照明駆動モータ等を含む枠演出装置22を駆動制御する枠演出モータ制御回路744が設けられている。これら制御回路741〜744は、アドレス/データバス740を介して主制御用マイコン710に接続されている。
また、演出制御装置700には、演出ボタン17(図1参照)が操作されたことを検知する演出ボタンスイッチ751や各種駆動モータが駆動されたことを検知する演出モータスイッチ752a〜752nのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン710へ検出信号を送信するスイッチ入力回路750、及び上スピーカ10a及び下スピーカ10bを駆動するオーディオパワーアンプ等からなるアンプ回路707、708が設けられている。
電源装置800の通常電源部810は、演出制御装置700及び当該演出制御装置700によって制御される電子部品に対して所定レベルの直流電圧を供給するために、複数種類の電圧を生成可能に構成されている。具体的には、駆動モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる変動表示装置35を駆動するためのDC12V、コマンドI/F701の電源電圧となるDC5Vの他に、上スピーカ10a及び下スピーカ10bを駆動するためのDC18Vや、これらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させたりするのに使用するNDC24Vの電圧を生成することが可能となっている。
電源装置800の制御信号生成部830により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン710、映像制御用マイコン720、VDP730、音源LSI705、各種制御回路741〜744、707、708に供給され、これらをリセット状態にする。電源装置800は、映像制御用マイコン720の有する汎用ポートを利用して、VDP730に対するリセット信号を生成して供給する機能を有している。これにより、映像制御用マイコン720とVDP730の動作の連携性を向上させることができる。なお、状態報知LED12を枠装飾LED制御回路742により制御してもよい。
<メイン処理>
図12及び図13を参照して、遊技制御装置600によって実行されるメイン処理について説明する。図12は、遊技制御装置600が実行するメイン処理の前半部のフローチャートである。図13は、遊技制御装置600が実行するメイン処理の後半部のフローチャートである。
メイン処理は、遊技機1の電源投入時に実行が開始される。例えば、遊技場で営業を開始するために遊技機1の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行される。
遊技制御装置600は、メイン処理が実行されると、まず割込みを禁止する(ステップA1001)。次いで、割込みが発生した場合に実行されるジャンプ先を示すベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理を実行する(ステップA1002)。そして、遊技制御装置600は、割込みが発生した時にレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定する(ステップA1003)。ステップA1003の処理後、遊技制御装置600は、割込み処理のモードを設定する(ステップA1004)。
次に、遊技制御装置600は、払出制御装置(払出基板)640のプログラムが正常に起動するまで、例えば4ミリ秒間待機する(ステップA1005)。このように制御することによって、電源投入時において払出制御装置640の起動が完了する前に、遊技制御装置600が先に起動してコマンドを当該払出制御装置640に送信してしまうことを防止でき、送信されたコマンドを払出制御装置640が取りこぼすことを回避することができる。
その後、遊技制御装置600は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)に対するアクセスを許可する(ステップA1006)。ステップA1006の処理後、遊技制御装置600は、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定し(ステップA1007)、遊技用マイコン611に予め搭載されているシリアルポートを使用しない状態に設定する(ステップA1008)。本実施形態では、払出制御装置640や演出制御装置700とパラレル通信を行っているため、シリアルポートを使用しないためである。
ステップA1008の処理後、遊技制御装置600は、電源装置800内の初期化スイッチ信号がオンに設定されているか否か判定する(ステップA1009)。初期化スイッチ信号は、遊技機1に電源が投入された場合に、初期化された状態で遊技を開始するか否かを設定するための信号である。
例えば、閉店時等に確変状態のまま電源が切断され、翌日の開店時に電源が投入された場合には、初期化された状態で遊技が開始されるように初期化スイッチ信号がオンに設定される。一方、停電発生後に再度電源が投入された場合には、遊技を可能な限り停電前の遊技状態に近い状態で再開するため、遊技機が初期化されないように初期化スイッチ信号がオフに設定される。
遊技制御装置600は、初期化スイッチ信号がオフに設定されている場合(ステップA1009の結果が「N」)には、RWM内の停電検査領域のデータが正常であるか否かをチェックする(ステップA1010〜ステップA1013)。停電検査領域には、停電検査領域1及び停電検査領域2が含まれている。そして、停電検査領域1には停電検査領域チェックデータ1、停電検査領域2には停電検査領域チェックデータ2が記憶されている。
ステップA1010及びステップA1011の処理では、遊技制御装置600は、停電検査領域1に記憶された停電検査領域チェックデータ1が正常であるか否かをチェックする。ステップA1012及びステップA1013の処理では、遊技制御装置600は、停電検査領域2に記憶された停電検査領域チェックデータ2が正常であるか否かをチェックする。
遊技制御装置600は、RWM内の停電検査領域の停電検査領域チェックデータが正常であると判定した場合(ステップA1013の結果が「Y」)には、チェックサムと呼ばれる検証用データを算出するチェックサム算出処理を実行する(ステップA1014)。
そして、遊技制御装置600は、チェックサム算出処理で算出されたチェックサムの値と、電源切断時に算出されたチェックサムの値とを比較し(ステップA1015)、これらの値が一致するか否かを判定する(ステップA1016)。
一方、初期化スイッチ信号がオンに設定されている場合(ステップA1009の結果が「Y」)、停電検査領域の値が正常でない場合(ステップA1011又はステップA1013の結果が「N」)、電源切断時のチェックサムの値とステップA1014の処理で算出されたチェックサムの値とが一致しない場合(ステップA1016の結果が「N」)には、遊技制御装置600は、図13のステップA1039からステップA1043までの初期化処理を実行する。この初期化処理の詳細については後述する。
遊技制御装置600は、算出されたチェックサムの値と電源切断時のチェックサムの値とが一致する場合(ステップA1016の結果が「Y」)には、停電処理が正常に実行されたため、停電前の状態に復旧させるための処理を実行する(図13のステップA1017〜ステップA1023)。
遊技制御装置600は、停電時の情報が正常に記憶されていたか否かを判定するための情報が記憶されていた、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の領域をクリア(初期化)する。つまり、遊技制御装置600は、すべての停電検査領域をクリアし(ステップA1017)、チェックサムが記憶されていた領域をクリアする(ステップA1018)。さらに、遊技制御装置600は、エラー関連の情報及び不正行為を監視するための情報を記憶する領域をリセットする(ステップA1019)。
ステップA1019の処理後、遊技制御装置600は、RWM内の遊技状態を記憶する領域から停電発生時の遊技状態が高確率状態であったか否かを判定する(ステップA1020)。
高確率でないと判定された場合(ステップA1020の結果が「N」)には、遊技制御装置600はステップA1023以降の処理を実行する。一方、停電発生時の遊技状態が高確率状態であったと判定された場合(ステップA1020の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は高確率報知フラグをオンに設定して高確率報知フラグ領域にセーブ(保存)する(ステップA1021)。その後、遊技制御装置600は、一括表示装置に設けられる高確率報知LEDをオン(点灯)に設定する(ステップA1022)。
ステップA1023では、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置700に送信する。特図ゲーム処理番号は、特図変動表示ゲームの状態を示す番号であり、停電発生時にRWMの所定領域に記憶されている。このように特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置700に送信することによって、可能な限り停電発生前に近い状態で遊技を再開することができる。
ここで、初期化処理(ステップA1039〜ステップA1043)を実行する場合について説明する。初期化処理は、正常に電源が切断された遊技機1を起動する場合や停電発生前の状態に復帰できない場合に実行される。
遊技制御装置600は、初期化処理において、アクセス禁止領域よりも前の全作業領域をクリアする(ステップA1039)。そして、遊技制御装置600は、アクセス禁止領域よりも後の全スタック領域をクリアし(ステップA1040)、初期化された領域に電源投入時用の初期値をセーブ(保存)する(ステップA1041)。
その後、遊技制御装置600は、RWMクリアに関する外部情報を出力する期間に対応する時間値を設定し(ステップA1042)、初期化処理の最後に電源投入時のコマンドを演出制御装置700に送信する(ステップA1043)。
ステップA1023又はステップA1043の処理が終了すると、遊技制御装置600は、遊技用マイコン611内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動させる(ステップA1024)。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン611内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器613からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、前述したCTC回路とを備えている。タイマ割込み信号は、分周された信号に基づいてCPU611aに所定周期(例えば4ミリ秒)のタイマ割込みを発生させるための信号である。乱数更新トリガ信号(CTC)は、分周された信号に基づいて乱数生成回路に供給され、乱数生成回路が乱数を更新するトリガとなる。
遊技制御装置600は、CTC回路を起動すると、乱数生成回路の起動設定を行う(ステップA1025)。具体的には、CPU611aが乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)を設定するなどの処理を実行する。そして、遊技制御装置600は、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブする(ステップA1026)。その後、遊技制御装置600は、割込みを許可する(ステップA1027)。
なお、本実施形態のCPU611a内の乱数生成回路は、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変更されるように構成されており、ソフト乱数レジスタの初期値に基づいて各種初期値乱数の初期値(スタート値)を設定することによって、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことが可能となり、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。各種初期値乱数には、例えば、大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数)が含まれる。
ステップA1027の処理後、遊技制御装置600は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(ステップA1028)。本実施形態では、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。すなわち、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
なお、各種乱数の発生源は前述の態様に限定されるわけではなく、大当り乱数がソフトウェア乱数であってもよいし、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数がハードウェア乱数であってもよい。
ステップA1028の処理後、遊技制御装置600は、電源装置800から入力され、ポート及びデータバスを介して読み込まれる停電監視信号をチェックする回数を設定する(ステップA1029)。チェック回数には、通常2以上の値が設定される。停電監視信号をチェックすることによって停電が発生したか否かを判定することができる。遊技制御装置600は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(ステップA1030)。
停電監視信号がオフであって停電していない場合(ステップA1030の結果が「N」)には、遊技制御装置600は、ステップA1028からステップA1030までの処理を繰り返し実行する(ループ処理)。
なお、初期値乱数更新処理(ステップA1028)の前に割り込みを許可(ステップA1027)することによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生した場合に、割込み処理を優先して実行することが可能となる。したがって、初期値乱数更新処理の実行が完了するまでタイマ割込み処理を実行できないために、割込み処理に含まれる各種処理を実行する時間が不足してしまうことを回避できる。
一方、停電監視信号がオンに設定されている場合(ステップA1030の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がステップA1029の処理で設定したチェック回数に到達したか否かを判定する(ステップA1031)。
停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達していない場合(ステップA1031の結果が「N」)には、遊技制御装置600は、再度、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(ステップA1030)。停電監視信号がオンである場合には、遊技制御装置600はチェック回数分だけ停電監視信号がオンであるか否かを判定する。
一方、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達した場合(ステップA1031の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は、停電が発生したものとみなして停電発生時の処理を実行する(ステップA1032〜ステップA1038)。
遊技制御装置600は、割込みを禁止し(ステップA1032)、全出力ポートをオフに設定する(ステップA1033)。その後、遊技制御装置600は、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップA1034)、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップA1035)。
ステップA1035の処理後、遊技制御装置600は、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(ステップA1036)、算出されたチェックサムの値をRWMのチェックサム領域にセーブ(保存)する(ステップA1037)。
ステップA1037の処理後、遊技制御装置600は、RWMの内容が変更されないようにRWMへのアクセスを禁止し(ステップA1038)、遊技機1の電源が遮断されるまで待機する。このように、停電復旧検査領域にチェック用のデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して記憶させることで、電源遮断前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することが可能となる。
<タイマ割込み処理>
図14を参照して、遊技制御装置600によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。図14は、遊技制御装置600が実行するタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路によって生成される周期的(例えば1ミリ秒周期)なタイマ割込信号がCPU611aに入力されることによって開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置600は、所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すことによってレジスタを退避させる(ステップA1101)。
本実施形態の遊技機1では、遊技用マイコンとしてZ80系のマイコンを使用している。Z80系のマイコンには表レジスタと裏レジスタが備えられており、表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避させることで、ステップA1101の処理を実行することが可能となる。
ステップA1101の処理後、遊技制御装置600は、入力部620を介して入力される各種センサやスイッチ等からの入力信号を取り込み、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(ステップA1102)。各種センサには、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、カウントスイッチ605等が含まれる。入力処理では、入力信号にチャタリング除去等を行って入力情報を確定させる。
そして、遊技制御装置600は、各種処理でセットされた遊技制御に関する出力データを、演出制御装置700及び払出制御装置640に送信するための出力処理を実行する(ステップA1103)。出力データは、ソレノイド等のアクチュエータの駆動制御等を行うための情報である。制御対象となるソレノイドには、例えば大入賞口ソレノイド28や普電ソレノイド27が含まれる。出力処理では、遊技機1における遊技データを収集する情報収集端末装置(図示せず)に遊技データを出力する処理も含まれる。
ステップA1103の処理後、遊技制御装置600は、各種処理で送信バッファに設定されたコマンドを演出制御装置700や払出制御装置640等に送信するコマンド送信処理を実行する(ステップA1104)。具体的には、特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動パターンを指定する変動パターンコマンド及び停電から復旧した場合に演出制御装置700に停電復旧処理を実行させる停電復旧コマンドを演出制御装置700に送信したり、払出装置から払い出す賞球数を指定する賞球コマンドを払出制御装置640に送信したりする。
ステップA1104の処理後、遊技制御装置600は、大当り図柄乱数1及び大当り図柄乱数2を更新する乱数更新処理1を実行し(ステップA1105)、特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2を実行する(ステップA1106)。乱数更新処理1及び乱数更新処理2では、各種乱数にランダム性を付与するために、各種乱数に対応するカウンタ(大当り乱数カウンタ、当り乱数カウンタ、演出決定用乱数カウンタ等)の値を1ずつ加算する。
そして、遊技制御装置600は、各種入賞口スイッチ等を監視したり、枠の不正な開放等のエラーを監視したりする入賞口スイッチ/エラー監視処理を実行する(ステップA1107)。各種入賞口スイッチには、例えば第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ603、入賞口スイッチ604a〜604n、カウントスイッチ605が含まれる。入賞口スイッチ/エラー監視処理では、これらのスイッチから正常な信号が入力されているか否かを監視する。エラーの監視は、前面枠5やガラス枠6が不正に開放されていないか等を対象としている。
ステップA1107の処理後、遊技制御装置600は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(ステップA1108)。なお、特図ゲーム処理の詳細については図15を参照して後述する。
ステップA1108の処理後、遊技制御装置600は、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(ステップA1109)。なお、普図ゲーム処理の詳細については図33を参照して後述する。
続いて、遊技制御装置600は、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDの表示内容を制御するセグメントLED編集処理を実行する(ステップA1110)。具体的には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの結果をセグメントLED(例えば一括表示装置)に出力するためのパラメータを編集する。
ステップA1110の処理後、遊技制御装置600は、磁気センサスイッチ23や振動センサスイッチ24からの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する磁気エラー監視処理を実行する(ステップA1111)。異常の発生を検出した場合には、上スピーカ10aや下スピーカ10b等から報知音を出力したり、遊技状態報知LED12を点灯させたりする等して外部に報知する。
そして、遊技制御装置600は、外部情報端子660から出力する各種信号を編集する外部情報編集処理を実行し(ステップA1112)、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する(ステップA1113)。
ステップA1113の処理後、遊技制御装置600は、ステップA1101の処理で一時退避されていたレジスタを復帰させ(ステップA1114)、禁止設定されていた外部機器による割込み及びタイマ割込みを許可し(ステップA1115)、タイマ割込み処理を終了してメイン処理に復帰する。
<特図ゲーム処理>
図15を参照して、前述したタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(図14のステップA1108)の詳細について説明する。図15は、遊技制御装置600が実行する特図ゲーム処理を示すフローチャートである。
特図ゲーム処理では、第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602による入力信号の監視、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図(識別図柄、識別情報)の表示の設定を行う。
特図ゲーム処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602の入賞を監視する始動口スイッチ監視処理を実行する(ステップA1201)。
始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38に遊技球の入賞があると、大当り乱数等の各種乱数の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については、図16を参照して後述する。
ステップA1201の処理後、遊技制御装置600は、カウントスイッチ監視処理を実行する(ステップA1202)。カウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置41に設けられたカウントスイッチ605によって大入賞口に入賞した遊技球を検出し、入賞した遊技球の数を監視する。なお、カウントスイッチ監視処理の詳細については図19を参照して後述する。
ステップA1202の処理後、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップしているか、又は、特図ゲーム処理タイマを1減算して更新した結果、当該特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(ステップA1203)。なお、特図ゲーム処理タイマには、初期値として、実行される特図変動表示ゲームの変動時間がセットされる。遊技制御装置600は、特図ゲーム処理タイマの値が0になった場合にタイムアップしたと判定する。
特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない場合(ステップA1204の結果が「N」)には、遊技制御装置600はステップA1221以降の処理を実行する。
一方、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした場合(ステップA1204の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(ステップA1205)。その後、遊技制御装置600は、当該テーブルに基づいて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得し(ステップA1206)、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(ステップA1207)、特図ゲーム処理番号に応じて処理を分岐させる(ステップA1208)。
ゲーム処理番号が「0」の場合(ステップA1208の結果が「0」)には、遊技制御装置600は特図普段処理を実行する(ステップA1209)。特図普段処理は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や、特図を変動表示させる変動表示時間の設定、特図変動表示ゲームにおける演出の設定、特図変動中処理を実行するために必要な情報の設定等を行う。なお、特図普段処理の詳細については図20を参照して後述する。
ゲーム処理番号が「1」の場合(ステップA1208の結果が「1」)には、遊技制御装置600は特図変動中処理を実行する(ステップA1210)。特図変動中処理は、特図変動表示ゲームにおける識別情報の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
ゲーム処理番号が「2」の場合(ステップA1208の結果が「2」)には、遊技制御装置600は特図表示中処理を実行する(ステップA1211)。特図表示中処理は、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定を行う。なお、特図表示中処理の詳細については図21を参照して後述する。
ゲーム処理番号が「3」の場合(ステップA1208の結果が「3」)には、遊技制御装置600はファンファーレ/インターバル中処理を実行する(ステップA1212)。ファンファーレ/インターバル中処理は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。なお、ファンファーレ/インターバル中処理の詳細については図24を参照して後述する。
ゲーム処理番号が「4」の場合(ステップA1208の結果が「4」)には、遊技制御装置600は大入賞口開放中処理を実行する(ステップA1213)。大入賞口開放中処理は、大入賞口の開放に関連する情報を設定する処理である。なお、大入賞口開放中処理の詳細については図27を参照して後述する。
ゲーム処理番号が「5」の場合(ステップA1208の結果が「5」)には、遊技制御装置600は大入賞口残存球処理を実行する(ステップA1214)。大入賞口残存球処理では、大当りラウンドが最終ラウンドの場合に大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定したり、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。また、大入賞口残存球処理では、特図の処理タイマの更新とファンファーレ/インターバル中処理、又は大当り終了処理を行うために必要な情報を設定する。さらに、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数(所定数)だけ入賞したかを判定し、いずれかの条件が成立した場合に特別変動入賞装置41の開閉扉41aを閉鎖する。
ゲーム処理番号が「6」の場合(ステップA1208の結果が「6」)には、遊技制御装置600は大当り終了処理を実行する(ステップA1215)。大当り終了処理は、ステップA1209の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
ゲーム処理番号が「7」の場合(ステップA1208の結果が「7」)には、遊技制御装置600は大入賞口開放中処理2を実行する(ステップA1216)。大入賞口開放中処理2は、大入賞口の開放に関連する情報を設定する処理である。なお、大入賞口開放中処理2の詳細については図28を参照して後述する。
ゲーム処理番号が「8」の場合(ステップA1208の結果が「8」)には、遊技制御装置600は小当りファンファーレ中処理を実行する(ステップA1217)。小当りファンファーレ中処理は、特別変動入賞装置41の開閉扉41a(大入賞口)の開放時間の設定等を行う。なお、小当りファンファーレ中処理の詳細については図29を参照して後述する。
ゲーム処理番号が「9」の場合(ステップA1208の結果が「9」)には、遊技制御装置600は小当り中処理を実行する(ステップA1218)。小当り中処理は、小当り終了画面のコマンドの設定や、小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定を行う。なお、小当り中処理の詳細については図31を参照して後述する。
ゲーム処理番号が「10」の場合(ステップA1208の結果が「10」)には、遊技制御装置600は小当り残存球処理を実行する(ステップA1219)。小当り残存球処理は、特別変動入賞装置41の大入賞口内にある残存球が排出されるための時間の設定や、小当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
ゲーム処理番号が「11」の場合(ステップA1208の結果が「11」)には、遊技制御装置600は小当り終了処理を実行する(ステップA1220)。小当り終了処理は、ステップA1209の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
ステップA1204、ステップA1209〜ステップA1220のいずれかの処理を実行した後、遊技制御装置600は、一括表示装置50において図柄(特図1)の変動を制御するためのテーブルを準備し(ステップA1221)、特図1に関する図柄変動制御処理を実行する(ステップA1222)。
その後、遊技制御装置600は、一括表示装置50において図柄(特図2)の変動を制御するためのテーブルを準備し(ステップA1223)、特図2に関する図柄変動制御処理を実行して(ステップA1224)、特図ゲーム処理を終了する。
<始動口スイッチ監視処理>
図16を参照して、前述した特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(図15のステップA1201)の詳細について説明する。図16は、遊技制御装置600が実行する始動口スイッチ監視処理を示すフローチャートである。
始動口スイッチ監視処理が開始されると、遊技制御装置600は、第1始動入賞口37に遊技球が入賞したことによる保留(始動記憶)の情報を設定するテーブルを準備する(ステップA1301)。
ステップA1301の処理後、遊技制御装置600は特図始動口スイッチ共通処理を実行する(ステップA1302)。なお、特図始動口スイッチ共通処理の詳細については図17を参照して後述する。
続いて、遊技制御装置600は、第2始動入賞口38の開閉部38a(普通電動役物)が作動中であるか否か、すなわち開閉部38aが遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを確認する(ステップA1303)。
開閉部38aが作動中である場合(ステップA1303の結果が「Y」)には、遊技制御装置600はステップA1306以降の処理を実行する。
一方、開閉部38aが作動中でない場合(ステップA1303の結果が「N」)には、遊技制御装置600は、第2始動入賞口38への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する(ステップA1304及びステップA1305)。
第2始動入賞口38への不正入賞について具体的に説明する。第2始動入賞口38は、開閉部38aが閉状態(遊技者に不利な第1状態)の場合には遊技球が入賞不可能であり、開状態(遊技者に有利な第2状態)でのみ遊技球が入賞可能である。そのため閉状態で遊技球が入賞した場合には、何らかの異常や不正が発生した可能性が高く、閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数している。ステップA1304及びステップA1305の処理では、遊技制御装置600は、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかを判定する。
不正入賞数が不正判定個数以上の場合(ステップA1305の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は、第2始動入賞口38への遊技球の入賞を無効として特図変動表示ゲームに関する処理を実行せずに、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、不正入賞数が不正判定個数未満の場合(ステップA1305の結果が「N」)には、遊技制御装置600は、第2始動入賞口38による保留の情報を設定するテーブルを準備し(ステップA1306)、特図始動口スイッチ共通処理を実行して(ステップA1307)、始動口スイッチ監視処理を終了する。なお、ステップA1307の特図始動口スイッチ共通処理は、ステップA1302の特図始動口スイッチ共通処理と同じ処理である。
<特図始動口スイッチ共通処理>
図17を参照して、前述した始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(図16のステップA1302、ステップA1307)の詳細について説明する。図17は、遊技制御装置600が実行する特図始動口スイッチ共通処理を示すフローチャートである。
特図始動口スイッチ共通処理は、第1始動入賞口37や第2始動入賞口38に遊技球が入賞したことによって、第1始動口スイッチ601や第2始動口スイッチ602から信号入力があった場合に共通して実行される処理である。
遊技制御装置600は、まず監視対象の始動口スイッチ(第1始動口スイッチ601又は第2始動口スイッチ602)から信号の入力があったか否かをチェックする(ステップA1401及びステップA1402)。
監視対象の始動口スイッチから信号が入力されていない場合(ステップA1402の結果が「N」)には、遊技制御装置600は特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、監視対象の始動口スイッチから信号が入力された場合(ステップA1402の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は当該監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグをRWMの所定の領域にセーブする(ステップA1403)。
ステップA1403の処理後、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動入賞口への入賞の回数に関する情報が遊技機1の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードする(ステップA1404)。そして、ロードした値を1加算して更新し、始動口信号出力回数がオーバーフローするか否かを判定する(ステップA1405及びステップA1406)。
始動口信号出力回数がオーバーフローしない場合(ステップA1406の結果が「N」)には、遊技制御装置600は、更新後の始動口信号出力回数の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブする(ステップA1407)。
ステップA1407の処理が終了した後、又は始動口信号出力回数がオーバーフローする場合(ステップA1406の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留数(始動記憶数)が上限値未満か否かを判定する(ステップA1408及びステップA1409)。
特図保留数が上限値を超えている場合(ステップA1409の結果が「N」)には、遊技制御装置600は特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、特図保留数が上限値未満の場合(ステップA1409の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は、始動口スイッチによって検出された入賞に対応する情報を設定する。具体的には、遊技制御装置600は、更新対象の特図保留数(例えば特図1保留数)を1加算して更新する(ステップA1410)。
ステップA1410の処理後、遊技制御装置600は、飾り特図保留数コマンドを準備する。飾り特図保留数コマンドは、MODE部とACTION部によって構成される。具体的に説明すると、遊技制御装置600は、まず監視対象の始動口スイッチの飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備し(ステップA1411)、その後特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備する(ステップA1412)。そして、遊技制御装置600は、準備された飾り特図保留数コマンドを設定するためのコマンド設定処理を実行する(ステップA1413)。
ステップA1413の処理後、遊技制御装置600は、更新された特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する(ステップA1414)。そして、遊技制御装置600は、大当り乱数を抽出し、抽出した大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブする(ステップA1415)。その後、遊技制御装置600は、当該監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出して準備し(ステップA1416)、準備された大当り図柄乱数をRWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(ステップA1417)。
ステップA1417の処理後、遊技制御装置600は、対応する変動パターン乱数1を抽出し、抽出した値をRWMの変動パターン乱数1セーブ領域にセーブする(ステップA1418)。ステップA1418の処理後、遊技制御装置600は、対応する変動パターン乱数2を抽出し、抽出した値をRWMの変動パターン乱数2セーブ領域にセーブする(ステップA1419)。続いて、遊技制御装置600は、対応する変動パターン乱数3を抽出し、抽出した値をRWMの変動パターン乱数3セーブ領域にセーブする(ステップA1420)。変動パターン乱数1〜3は、前半と後半の変動パターンを個別に設定したり、特定の演出を実行したりするために用いられる。
ステップA1420の処理後、遊技制御装置600は、ステップA1417の処理でセーブされた監視対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数等をロードし、特図保留情報判定処理を実行して(ステップA1421)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
<特図保留情報判定処理>
図18を参照して、前述した特図始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(図17のステップA1421)の詳細について説明する。図18は、遊技制御装置600が実行する特図保留情報判定処理を示すフローチャートである。
特図保留情報判定処理は、各始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングよりも前に、当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定するための先読み処理である。
遊技制御装置600は、まず先読み演出の実行条件を満たしているか否かをチェックし(ステップA1501)、先読み演出の実行条件を満たしているか否かを判定する(ステップA1502)。先読み演出の実行条件は、遊技球が第1始動入賞口37に入賞した場合には、普電サポートなし、かつ特別遊技状態でないことである。また、遊技球が第2始動入賞口38に入賞した場合には、常に先読み演出の実行条件を満たす。
ステップA1502において先読み演出の実行条件を満たしている場合(ステップA1502の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は、保留中の始動記憶が大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(ステップA1503)。大当り判定処理は、保留中の始動記憶に含まれる大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かを判定することによって、当該始動記憶にかかる変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定する。
一方、先読み演出の実行条件を満たしていない場合(ステップA1502の結果が「N」)には、遊技制御装置600は特図保留情報判定処理を終了する。すなわち、遊技制御装置600は、第1始動入賞口37に入賞し、かつ普電サポート中又は大当り中の場合には、当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定する先読み処理を実行しないように構成されている。なお、先読み禁止コマンドを送信する条件、すなわち停電復帰後、特図変動表示ゲームの実行回数が所定回数(例えば8回)未満の場合にも先読み処理を実行しないようにしてもよい。
ステップA1503の処理後、遊技制御装置600は、大当り判定処理の判定結果が大当りであるか否かを判定する(ステップA1504)。
大当り判定処理の判定結果が大当りの場合(ステップA1504の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は、入賞した始動口に対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを、大当り時の識別図柄を特定するためのテーブルとして設定する(ステップA1505)。大当り図柄乱数チェックテーブルには、大当りか否かの振り分け率を表す乱数の判定値や当該判定値に対応する大当り情報テーブルのアドレスが定義されている。
ステップA1505の処理後、遊技制御装置600は、設定された大当り図柄乱数チェックテーブルから大当り図柄乱数をチェックし、対応する大当り情報テーブルを取得して設定する(ステップA1506)。大当り情報テーブルには、図柄情報や始動口入賞演出図柄コマンドが定義されている。
一方、大当り判定処理の判定結果が大当りでない場合(ステップA1504の結果が「N」)には、遊技制御装置600は、大当り乱数値をチェックして、特図変動表示ゲームの結果が小当りであるか否かを判定する(ステップA1507、ステップA1508)。
特図変動表示ゲームの結果が小当りであると判定された場合(ステップA1508の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は、対象の始動口スイッチに対応する小当り情報テーブルを設定する(ステップA1509)。小当り情報テーブルには、図柄情報や始動口入賞演出図柄コマンドが定義されている。
一方、特図変動表示ゲームの結果がはずれであると判定された場合(ステップA1508の結果が「N」)には、遊技制御装置600は、演出内容を選択するためのテーブルとしてはずれ情報テーブルを設定する(ステップA1510)。はずれ情報テーブルには、図柄情報や始動口入賞演出図柄コマンドが定義されている。
ステップA1506、ステップA1509、ステップA1510の処理後、遊技制御装置600は、設定した情報テーブルから図柄情報を取得して、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA1511)。
ステップA1511の処理後、遊技制御装置600は、設定した情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得し、当該始動口入賞演出図柄コマンドをRWMの入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(ステップA1512)。
次に、遊技制御装置600は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグを準備し(ステップA1513)、始動口入賞演出コマンド設定テーブルを準備する(ステップA1514)。
ステップA1514の処理後、遊技制御装置600は、監視対象の始動口に関して設定された特図情報を設定するための特図情報設定処理を実行する(ステップA1515)。続いて、遊技制御装置600は、特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理を実行し(ステップA1516)、特図変動表示ゲームの前半変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(ステップA1517)。
後半変動パターン設定処理(ステップA1516)及び変動パターン設定処理(ステップA1517)は、識別情報の変動態様を示す複数の変動パターンから一つの変動パターンを選択する処理であり、特図変動表示ゲームはこれらの処理によって選択された変動パターンに基づいて実行される。
ステップA1517の処理後、遊技制御装置600は、前半変動番号に対応する始動口入賞演出コマンド(MODE)を算出して準備し(ステップA1518)、後半変動番号の値を始動口入賞演出コマンド(ACTION)として準備し(ステップA1519)、コマンド設定処理を実行する(ステップA1520)。
ステップA1520の処理後、遊技制御装置600は、入賞演出図柄コマンド領域から始動口入賞演出図柄コマンドをロードして準備し(ステップA1521)、コマンド設定処理を実行して(ステップA1522)、特図保留情報判定処理を終了する。
すなわち、遊技制御装置600は、ステップA1518及びステップA1519の処理で始動口入賞演出コマンド(変動コマンド)を準備し、さらにステップA1521の処理で始動口入賞演出図柄コマンドを準備して、始動記憶に対応する判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置700に対して通知することが可能になっている。演出制御装置700は、変動表示装置35に表示されている始動記憶表示の表示態様を変化させる等して、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に特図変動表示ゲームの結果を報知するように構成されている。
<カウントスイッチ監視処理>
図19を参照して、前述した特図ゲーム処理におけるカウントスイッチ監視処理(図15のステップA1202)の詳細について説明する。図19は、遊技制御装置600が実行するカウントスイッチ監視処理を示すフローチャートである。
カウントスイッチ監視処理が開始されると、遊技制御装置600は、まず大入賞口が小当りにより開放しているか否かを判定する(ステップA1601、ステップA1602)。
大入賞口が小当りにより開放していない場合(ステップA1602の結果が「N」)には、遊技制御装置600は、大入賞口が大当りにより開放しているか否かを判定する(ステップA1603、ステップA1604)。
大入賞口が大当りにより開放していない場合(ステップA1604の結果が「N」)には、遊技制御装置600はカウントスイッチ監視処理を終了する。一方、大入賞口が小当りにより開放している場合(ステップA1602の結果が「Y」)又は大当りにより開放している場合(ステップA1604の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は、カウントスイッチ605に入力があるか否かを判定する(ステップA1605、ステップA1606)。
カウントスイッチ605に入力がない場合(ステップA1606の結果が「N」)には、遊技制御装置600はカウントスイッチ監視処理を終了する。一方、カウントスイッチ605に入力がある場合(ステップA1606の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は、大入賞口入賞コマンドを準備し(ステップA1607)、当該大入賞口入賞コマンドを設定するコマンド設定処理を実行する(ステップA1608)。
ステップA1608の処理後、遊技制御装置600は、大入賞口カウント数を1加算して更新する(ステップA1609)。続いて、遊技制御装置600は、大入賞口カウント数が上限値に達したか否かを判定する(ステップA1610、ステップA1611)。
大入賞口カウント数が上限値に達していない場合(ステップA1611の結果が「N」)には、遊技制御装置600はカウントスイッチ監視処理を終了する。一方、大入賞口カウント数が上限値に達した場合(ステップA1611の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は特図ゲーム処理タイマを0クリアして(ステップA1612)、カウントスイッチ監視処理を終了する。
<特図普段処理>
図20を参照して、前述した特図ゲーム処理における特図普段処理(図15のステップA1209)の詳細について説明する。図20は、遊技制御装置600が実行する特図普段処理を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず特図2保留数(特図2の始動記憶数)が0であるか否かを判定する(ステップA1701、ステップA1702)。
特図2保留数が0でない場合(ステップA1702の結果が「N」)には、遊技制御装置600は特図2変動開始処理1を実行する(ステップA1703)。続いて、遊技制御装置600は、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第2特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図2)を実行し(ステップA1704)、特図普段処理を終了する。ステップA1704の処理では、特図変動中処理に移行するためのテーブルに、特図変動中処理に係る特図ゲーム処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、特図2の変動中に係る試験信号、特図2表示器における第2特図変動表示ゲームの制御用の情報等が設定される。
このように遊技機1は、第2始動入賞口38に遊技球が入賞した場合における特図変動表示ゲームを、第1始動入賞口37に遊技球が入賞した場合における特図変動表示ゲームより優先して実行するように構成されている。
一方、特図2保留数が0である場合(ステップA1702の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は、特図1保留数(特図1の始動記憶数)が0であるか否かを判定する(ステップA1705、ステップA1706)。
特図1保留数が0でない場合(ステップA1706の結果が「N」)には、遊技制御装置600は特図1変動開始処理1を実行する(ステップA1707)。続いて、遊技制御装置600は、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第1特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図1)を実行し(ステップA1708)、特図普段処理を終了する。ステップA1708の処理では、特図変動中処理に移行するためのテーブルに、特図変動中処理に係る特図ゲーム処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、特図1の変動中に係る試験信号、特図1表示器における第1特図変動表示ゲームの制御用の情報等が設定される。
一方、特図1保留数が0である場合(ステップA1706の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は、既に客待ちデモが開始されているか否かを判定する(ステップA1709、ステップA1710)。
客待ちデモを開始していない、すなわち開始済みでない場合(ステップA1710の結果が「N」)には、遊技制御装置600は、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグを設定する(ステップA1711)。続いて、遊技制御装置600は、客待ちデモコマンドを準備し(ステップA1712)、コマンド設定処理を実行する(S1713)。
ステップA1713の処理後、又は既に客待ちデモが開始されている場合(S1710の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は、特図普段処理に移行するための特図普段処理移行設定処理1を実行し(ステップA1714)、特図普段処理を終了する。
<特図表示中処理>
図21及び図22を参照して、前述した特図ゲーム処理における特図表示中処理(図15のステップA1211)の詳細について説明する。図21は、遊技制御装置600が実行する特図表示中処理の前半の手順を示すフローチャートである。図22は、遊技制御装置600が実行する特図表示中処理の後半の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、特図2に関する小当りが発生する場合に小当りフラグ2領域に設定されている小当りフラグ2をロードし(ステップA1801)、小当りフラグ2領域をクリアする(ステップA1802)。
続いて、遊技制御装置600は、特図1に関する小当りが発生する場合に小当りフラグ1領域に設定されている小当りフラグ1をロードし(ステップA1803)、小当りフラグ1領域をクリアする(ステップA1804)。
ステップA1804の処理後、遊技制御装置600は、特図2に関する大当りが発生する場合に大当りフラグ2領域に設定される大当りフラグ2をロードし(ステップA1805)、大当りフラグ2領域をクリアする(ステップA1806)。
ステップA1806の処理後、遊技制御装置600は、ロードされた大当りフラグ2が大当りであるか否かを判定する(ステップA1807、ステップA1808)。
ロードされた大当りフラグ2が大当りと判定された場合(ステップA1808の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は、大当りフラグ1領域をクリアし(ステップA1814)、第2特図変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)に関する試験信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1815)。
一方、ロードされた大当りフラグ2が大当りでないと判定された場合(ステップA1808の結果が「N」)には、特図1に関する大当りが発生する場合に大当りフラグ1領域に設定される大当りフラグ1をロードし(ステップA1809)、大当りフラグ1領域をクリアする(ステップA1810)。
ステップA1810の処理後、遊技制御装置600は、ロードされた大当りフラグ1が大当りであるか否かを判定する(ステップA1811、ステップA1812)。
ロードされた大当りフラグ1が大当りと判定された場合(ステップA1812の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は第1特図変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)に関する試験信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1813)。
ステップA1813又はステップA1815の処理後、遊技制御装置600はラウンド数上限値テーブルを設定する(ステップA1816)。続いて、遊技制御装置600は、ラウンド数上限値判定フラグに対応するラウンド数上限値を取得し、当該ラウンド数上限値をラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA1817)。そして、遊技制御装置600は、ラウンド数上限値判定フラグに対応するラウンドLEDポインタを取得し、当該ラウンドLEDポイントをラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA1818)。
ステップA1818の処理後、遊技制御装置600は、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームの当選確率を通常状態(低確率状態)とする情報に対応する確率情報コマンドを準備し(ステップA1819)、コマンド設定処理を実行する(ステップA1820)。
続いて、遊技制御装置600は、実行中の特図変動表示ゲームの停止図柄を示す図柄情報に対応するファンファーレコマンドを準備し(ステップA1821)、コマンド設定処理を実行する(ステップA1822)。出力されるファンファーレは、大当りの種類によって異なるため、対応するファンファーレコマンドを演出制御装置700に送信するように設定する。
ステップA1822の処理後、遊技制御装置600は、変動表示装置35で表示される飾り特図変動表示ゲームの停止図柄パターン情報に対応する飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域からロードして準備し(ステップA1823)、当該飾り特図コマンドに対するコマンド設定処理を実行する(ステップA1824)。
ステップA1824の処理後、遊技制御装置600は、大入賞口開放情報に対応する信号、及び普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA1825)。
ステップA1825の処理後、遊技制御装置600は、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間を設定し(ステップA1826)、当該大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマにセーブする(ステップA1827)。
ステップA1827の処理後、遊技制御装置600は、大入賞口への不正入賞数をリセットし(ステップA1828)、大入賞口不正監視期間フラグに不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA1829)。そして、遊技制御装置600は、ファンファーレ/インターバル中処理に移行するためのファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1を実行し(ステップA1830)、特図表示中処理を終了する。ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1では、ファンファーレ/インターバル中処理に対応する処理番号「3」を設定したり、各種状態を示す情報を設定したりする。
ここで、各種状態を示す情報としては、例えば、外部情報端子に出力用の遊技状態が特別遊技状態(大当り状態)であることを示す信号、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常状態(低確率状態)であることを示す試験信号、大入賞口不正監視期間における大入賞口への入賞数のクリアに係る情報、特別遊技状態のラウンド数のクリアに係る情報、高確率状態の表示に係る遊技状態表示LEDを消灯させる情報、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常状態とする情報、停電復旧時に点灯した高確率状態の表示に係る遊技状態表示LEDを消灯させる情報、特図変動表示ゲームの制御用の情報等が挙げられる。
ところで、ステップA1812において大当りフラグ1が大当りでないと判定された場合(ステップA1812の結果が「N」)には、遊技制御装置600は、図22に示すようにロードされた小当りフラグ1が小当りであるか否かを判定する(ステップA1831、ステップA1832)。
小当りフラグ1が小当りでないと判定された場合(ステップA1832の結果が「N」)には、遊技制御装置600は小当りフラグ2が小当りであるか否かを判定する(ステップA1833、ステップA1834)。
小当りフラグ2が小当りと判定されなかった場合(ステップA1834の結果が「N」)には、特図変動表示ゲームの結果ははずれであり、遊技制御装置600は、時間短縮変動回数更新処理を実行し(ステップA1835)、特図普段処理に移行するための特図普段処理移行設定処理1を実行して(ステップA1836)、特図表示中処理を終了する。なお、ステップA1835の時間短縮変動回数更新処理の詳細については図23を参照して後述する。
一方、小当りフラグ1又は小当りフラグ2に小当りが設定されている場合(ステップA1832の結果が「Y」又はステップA1834の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は時間短縮変動回数更新処理を実行する(ステップA1837)。ステップA1837における時間短縮変動回数更新処理は、ステップA1835における時間短縮変動回数更新処理と同じ処理である。
ステップA1837の処理後、遊技制御装置600は、小当り用のファンファーレコマンドを準備し(ステップA1838)、コマンド設定処理を実行する(ステップA1839)。
続いて、遊技制御装置600は、変動表示装置35で表示される飾り特図変動表示ゲームの停止図柄パターン情報に対応する飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域からロードして準備し(ステップA1840)、当該飾り特図コマンドに対するコマンド設定処理を実行する(ステップA1841)。
ステップA1841の処理後、遊技制御装置600は、小当り大入賞口開放情報をロードし、当該小当り大入賞口開放情報が特図1小当り開放情報であるか否かを判定する(ステップA1842、ステップA1843)。
小当り大入賞口開放情報が特図1小当り開放情報である場合(ステップA1843の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は、小当りファンファーレ中処理移行設定処理1を実行し(ステップA1844)、特図表示中処理を終了する。
一方、小当り大入賞口開放情報が特図1小当り開放情報でない場合(ステップA1843の結果が「N」)には特図2小当り開放情報であるので、遊技制御装置600は、小当りファンファーレ中処理移行設定処理2を実行し(ステップA1845)、特図表示中処理を終了する。
<時間短縮変動回数更新処理>
図23を参照して、前述した特図表示中処理における時間短縮変動回数更新処理(図22のステップA1835、ステップA1837)の詳細について説明する。図23は、遊技制御装置600が実行する時間短縮変動回数更新処理を示すフローチャートである。本処理は、大当りが発生しない場合に実行される処理であり、最後に大当りが発生してから特図変動表示ゲームが実行された回数を計数し、時短状態の終了等を判定する。
遊技制御装置600は、まず現在の遊技状態が時短状態であるか否かを判定する(ステップA1901)。
時短状態でない場合(ステップA1901の結果が「N」)には、遊技制御装置600は時間短縮変動回数更新処理を終了する。
一方、時短状態である場合(ステップA1901の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は現在の時短変動回数を1減算して更新する(ステップA1902)。
ステップA1902の処理後、遊技制御装置600は時短変動回数が0であるか否かを判定する(ステップA1903)。
時短変動回数が0でない場合(ステップA1903の結果が「N」)には、遊技制御装置600は時間短縮変動回数更新処理を終了する。
一方、時短変動回数が0である場合、すなわち時短状態が終了する場合(ステップA1903の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は、時短状態終了後の遊技状態の確率情報を含む確率情報コマンドを準備し(ステップA1904)、コマンド設定処理を実行する(ステップA1905)。
ステップA1905の処理後、遊技制御装置600は、時短の終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA1906)、時短の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA1907)。
ステップA1907の処理後、遊技制御装置600は、遊技状態表示番号領域に低確率時の番号をセーブする(ステップA1908)。そして、遊技制御装置600は、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率/普電サポートなしフラグをセーブし(ステップA1909)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率フラグをセーブする(ステップA1910)。つまり、16R大当り後に発生した時短状態(普電サポート状態)と確率変動状態(高確率状態)とが同時に終了することとなる。
ステップA1910の処理後、遊技制御装置600は、停電復旧時送信コマンド領域に低確率を設定する確率情報コマンドをセーブし(ステップA1911)、時間短縮変動回数更新処理を終了する。
<ファンファーレ/インターバル中処理>
図24を参照して、前述した特図ゲーム処理におけるファンファーレ/インターバル中処理(図15のステップA1212)の詳細について説明する。図24は、遊技制御装置600が実行するファンファーレ/インターバル中処理を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず特別遊技状態(大当り遊技状態)におけるラウンド数を更新(+1)する処理を実行する(ステップA2001)。続いて、遊技制御装置600は、特別遊技状態のラウンド数に対応するラウンドコマンドを準備して(ステップA2002)、コマンド設定処理を行う(ステップA2003)。
ステップA2003の処理後、遊技制御装置600は、RWMの飾り特図コマンド領域から、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン情報に対応する飾り特図コマンドをロードして準備し(ステップA2004)、コマンド設定処理を行う(ステップA2005)。
ステップA2005の処理後、遊技制御装置600は、特別遊技状態の各ラウンドにおける特別変動入賞装置41の開閉扉41aの開放時間(大入賞口開放時間)の情報を含む大入賞口開放時間テーブルを設定する(ステップA2006)。続いて、遊技制御装置600は、現在のラウンド数と、大入賞口開放時間と、開放データパターンとを取得する(ステップA2007)。そして、遊技制御装置600は、大入賞口開放時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA2008)。
ステップA2008の処理後、遊技制御装置600は、開放データパターンに基づいて、特別変動入賞装置41の開閉扉41aの開放パターン(大入賞口開放パターン)が間欠開放であるか否かを判定する(ステップA2009、ステップA2010)。間欠開放とは、16RA大当りの1ラウンド目のように開閉扉41aの短開放が1回のラウンド中に複数回行われる開放パターンである(図3(C)参照)。
開放パターンが間欠開放でない場合(ステップA2010の結果が「N」)、つまり16RA大当りの2ラウンド以降、16RB大当り、2R大当りの場合には、遊技制御装置600は、大入賞口開放中処理移行設定処理を実行し(ステップA2011)、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。なお、大入賞口開放中処理移行設定処理については図25を参照して後述する。
開放パターンが間欠開放である場合(ステップA2010の結果が「Y」)、つまり16RA大当りの1ラウンドの場合には、遊技制御装置600は、間欠開放制御に関する情報を含む間欠開放制御ポインタ上限値テーブルを設定する(ステップA2012)。間欠開放制御ポインタ上限値テーブルには、1回のラウンド中に大入賞口を所定回数短開放するための間欠開放制御ポインタの上限値等が定義されている。
ステップA2012の処理後、遊技制御装置600は、開放パターンデータに対応する間欠開放制御ポインタ上限値を取得し、当該間欠開放制御ポインタ上限値を間欠開放制御ポインタ上限値領域にセーブする(ステップA2013)。その後、遊技制御装置600は、間欠開放制御ポインタ領域をクリアする(ステップA2014)。
ステップA2014の処理後、遊技制御装置600は、大入賞口開放中処理2移行設定処理を実行し(ステップA2015)、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。なお、大入賞口開放中処理2移行設定処理については図26を参照して後述する。
<大入賞口開放中処理移行設定処理>
図25を参照して、前述したファンファーレ/インターバル中処理における大入賞口開放中処理移行設定処理(図24のステップA2011)の詳細について説明する。図25は、遊技制御装置600が実行する大入賞口開放中処理移行設定処理を示すフローチャートである。本処理は、大入賞口の開放パターンが間欠開放でない場合に実行される処理である。
遊技制御装置600は、まずゲーム処理番号を4に設定し(ステップA2101)、そのゲーム処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA2102)。続いて、遊技制御装置600は、大入賞口の開放開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA2103)。
ステップA2103の処理後、遊技制御装置600は、大入賞口が開放するように大入賞口ソレノイド28を駆動させるためのONデータを大入賞口ソレノイド出力データ領域にセーブする(ステップA2104)。そして、遊技制御装置600は、大入賞口への遊技球の入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアして(ステップA2105)、大入賞口開放中処理移行設定処理を終了する。
<大入賞口開放中処理2移行設定処理>
図26を参照して、前述したファンファーレ/インターバル中処理における大入賞口開放中処理2移行設定処理(図24のステップA2015)の詳細について説明する。図26は、遊技制御装置600が実行する大入賞口開放中処理2移行設定処理を示すフローチャートである。本処理は、大入賞口の開放パターンが間欠開放である場合に実行される処理である。
遊技制御装置600は、まずゲーム処理番号を7に設定し(ステップA2201)、そのゲーム処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA2202)。続いて、遊技制御装置600は、大入賞口の開放開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA2203)。
ステップA2203の処理後、遊技制御装置600は、大入賞口が開放するように大入賞口ソレノイド28を駆動させるためのONデータを大入賞口ソレノイド出力データ領域にセーブする(ステップA2204)。そして、遊技制御装置600は、大入賞口への遊技球の入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアして(ステップA2205)、大入賞口開放中処理2移行設定処理を終了する。
<大入賞口開放中処理>
図27を参照して、前述した特図ゲーム処理における大入賞口開放中処理(図15のステップA1213)の詳細について説明する。図27は、遊技制御装置600が実行する大入賞口開放中処理を示すフローチャートである。本処理は、大入賞口の開放パターンが間欠開放でない場合に実行される処理である。
遊技制御装置600は、まず大入賞口開放情報が大入賞口の開放時間の短い短開放(例えば図3(C)の2R大当り)であるか否かを判定する(ステップA2301、ステップA2302)。
大入賞口の開放時間が短開放でない場合(ステップA2302の結果が「N」)、つまり16RA大当りの2R以降又は16RB大当りの場合には、遊技制御装置600は、実行中の特別遊技状態における現在のラウンド数とRWMのラウンド数上限値領域のラウンド数上限値とを比較し、現在のラウンドが最終ラウンドであるか否かを判定する(ステップA2303、ステップA2304)。
現在のラウンドが最終ラウンドでない場合(ステップA2304の結果が「N」)には、遊技制御装置600は、ラウンド間のインターバルに係るインターバルコマンドを準備する(ステップA2306)。一方、現在のラウンドが最終ラウンドである場合(ステップA2304の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は、特別遊技状態の終了の際にエンディング表示画面の表示制御等に係るエンディングコマンドを準備する(ステップA2305)。ステップA2305又はステップA2306の処理後、遊技制御装置600は、エンディングコマンド又はインターバルコマンドを設定するコマンド設定処理を実行する(ステップA2307)。
ステップA2307の処理後、遊技制御装置600は、RWMの飾り特図コマンド領域から、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン情報に対応する飾り特図コマンドをロードして準備し(ステップA2308)、コマンド設定処理を実行する(ステップA2309)。その後、遊技制御装置600は、大入賞口残存球処理に移行するための設定処理を実行し(ステップA2310)、大入賞口開放中処理を終了する。
一方、ステップA2302において大入賞口の開放時間が短開放であると判定された場合(ステップA2302の結果が「Y」)、つまり2R大当りであると判定された場合には、遊技制御装置600は、インターバルコマンドやエンディングコマンド、飾り特図コマンド等の設定を行うことなく、大入賞口残存球処理に移行するための設定処理(ステップA2310)を実行し、大入賞口開放中処理を終了する。
<大入賞口開放中処理2>
図28を参照して、前述した特図ゲーム処理における大入賞口開放中処理2(図15のステップA1216)の詳細について説明する。図28は、遊技制御装置600が実行する大入賞口開放中処理2を示すフローチャートである。本処理は、大入賞口の開放パターンが間欠開放である場合に実行される処理である。
遊技制御装置600は、まず16RAの1ラウンド目における大入賞口の間欠開放を制御するための間欠開放制御ポインタをロードして準備する(ステップA2401)。
ステップA2401の処理後、遊技制御装置600は、現在の間欠開放制御ポインタとRWMの間欠開放制御ポインタ上限値領域の間欠開放制御ポインタ上限値とを比較し、現在の間欠開放制御ポインタが上限値に達したか否かを判定する(ステップA2402、ステップA2403)。
間欠開放制御ポインタが上限値に達していない場合(ステップA2403の結果が「N」)、つまり16RAの1ラウンドにおいて大入賞口が8回短開放していない場合(図3(C)参照)には、遊技制御装置600は、間欠開放制御ポインタを1加算して更新し(ステップA2404)、間欠開放を継続するための各種設定を行う大入賞口作動移行設定処理を実行して(ステップA2405)、大入賞口開放中処理2を終了する。
間欠開放制御ポインタが上限値に達した場合(ステップA2403の結果が「Y」)、つまり16RAの1ラウンドにおいて大入賞口が8回短開放した場合には、遊技制御装置600は、ラウンド間のインターバルに係るインターバルコマンドを準備し(ステップA2406)、コマンド設定処理を実行する(ステップA2407)。
ステップA2407の処理後、遊技制御装置600は、RWMの飾り特図コマンド領域から、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン情報に対応する飾り特図コマンドをロードして準備し(ステップA2408)、コマンド設定処理を実行する(ステップA2409)。その後、遊技制御装置600は、大入賞口残存球処理に移行するための設定処理を実行し(ステップA2410)、大入賞口開放中処理2を終了する。
<小当りファンファーレ中処理>
図29を参照して、前述した特図ゲーム処理における小当りファンファーレ中処理(図15のステップA1217)の詳細について説明する。図29は、遊技制御装置600が実行する小当りファンファーレ中処理を示すフローチャートである。本処理は、特図変動表示ゲームの結果が小当りになった場合に実行される処理である。
遊技制御装置600は、まず小当りに関する各種情報を含む小当り大入賞口開放情報を読み込む(ステップA2501)。
小当り中は大入賞口が間欠開放されるので(図3(C)参照)、遊技制御装置600は、ステップA2502において、間欠開放制御に関する情報を含む間欠開放制御ポインタ上限値テーブルを設定する。間欠開放制御ポインタ上限値テーブルには、小当り中に大入賞口を所定回数短開放するための間欠開放制御ポインタの上限値等が定義されている。
ステップA2502の処理後、遊技制御装置600は、小当り大入賞口開放情報に対応する間欠開放制御ポインタ上限値を取得し、当該間欠開放制御ポインタ上限値を間欠開放制御ポインタ上限値領域にセーブする(ステップA2503)。その後、遊技制御装置600は、間欠開放制御ポインタ領域をクリアする(ステップA2504)。
ステップA2504の処理後、遊技制御装置600は、ステップA2501で読み込んだ小当り大入賞口開放情報が特図1に係る小当り開放情報であるか否かを判定する(ステップA2505)。
特図1に係る小当り開放情報である場合(ステップA2505の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は小当り中処理移行設定処理を実行し(ステップA2506)、小当りファンファーレ中処理を終了する。なお、小当り中処理移行設定処理の詳細は図30Aを参照して後述する。
一方、特図1に係る小当り開放情報でない場合(ステップA2505の結果が「N」)、つまり小当り大入賞口開放情報が特図2に係る小当り開放情報である場合には、遊技制御装置600は小当り中処理移行設定処理2を実行し(ステップA2507)、小当りファンファーレ中処理を終了する。なお、小当り中処理移行設定処理2の詳細は図30Bを参照して後述する。
<小当り中処理移行設定処理>
図30Aを参照して、前述した小当りファンファーレ中処理における小当り中処理移行設定処理(図29のステップA2506)の詳細について説明する。図30Aは、遊技制御装置600が実行する小当り中処理移行設定処理を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まずゲーム処理番号を9に設定し(ステップA2601a)、そのゲーム処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA2602a)。
ステップA2602aの処理後、遊技制御装置600は、特図1小当り用の大入賞口の開放時間を設定し(ステップA2603a)、当該開放時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA2604a)。
ステップA2604aの処理後、遊技制御装置600は、大入賞口の開放に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA2605a)。そして、遊技制御装置600は、大入賞口への遊技球の入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアして(ステップA2606a)、小当り中処理移行設定処理を終了する。
<小当り中処理移行設定処理2>
図30Bを参照して、前述した小当りファンファーレ中処理における小当り中処理移行設定処理2(図29のステップA2507)の詳細について説明する。図30Bは、遊技制御装置600が実行する小当り中処理移行設定処理2を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まずゲーム処理番号を9に設定し(ステップA2601b)、そのゲーム処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA2602b)。
ステップA2602bの処理後、遊技制御装置600は、特図2小当り用の大入賞口の開放時間を設定し(ステップA2603b)、当該開放時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA2604b)。
ステップA2604bの処理後、遊技制御装置600は、大入賞口の開放に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA2605b)。そして、遊技制御装置600は、大入賞口への遊技球の入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアして(ステップA2606b)、小当り中処理移行設定処理2を終了する。
<小当り中処理>
図31を参照して、前述した特図ゲーム処理における小当り中処理(図15のステップA1217)の詳細について説明する。図31は、遊技制御装置600が実行する小当り中処理を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、小当り残存球処理に移行するための設定処理を実行して(ステップA2701)、小当り中処理を終了する。
<小当り残存球処理移行設定処理>
図32を参照して、前述した小当り中処理における小当り残存球処理移行設定処理(図31のステップA2701)の詳細について説明する。図32は、遊技制御装置600が実行する小当り残存球処理移行設定処理を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まずゲーム処理番号を10に設定し(ステップA2801)、そのゲーム処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップA2802)。
ステップA2802の処理後、遊技制御装置600は、小当り遊技時において大入賞口内にある残存球が排出されるための時間(小当り残存球処理時間)を設定し(ステップA2803)、当該小当り残存球処理時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA2804)。
ステップA2804の処理後、遊技制御装置600は、大入賞口を閉塞するように大入賞口ソレノイド28を駆動させるためのOFFデータを大入賞口ソレノイド出力データ領域にセーブし(ステップA2805)、小当り残存球処理移行設定処理を終了する。
<普図ゲーム処理>
図33を参照して、前述したタイマ割込み処理における普図ゲーム処理(図14のステップA1109)の詳細について説明する。図33は、遊技制御装置600が実行する普図ゲーム処理を示すフローチャートである。普図ゲーム処理では、遊技球の普図始動ゲート36の通過の監視や普図変動表示ゲームに関する処理全体の制御等が行われる。
遊技制御装置600は、まずゲートスイッチ603の状態に基づいて遊技球の普図始動ゲート36の通過を監視するゲートスイッチ監視処理を実行する(ステップA2901)。ゲートスイッチ監視処理では、普図変動表示ゲームの当りを決定するための当り乱数等が抽出される。
ステップA2901の処理後、遊技制御装置600は、普電入賞スイッチ監視処理を実行する(ステップA2902)。普電入賞スイッチ監視処理では、第2始動入賞口38に設けられた第2始動口スイッチ602のカウント数、すなわち第2始動入賞口38に入賞した遊技球の数(普電入賞カウント数)が監視される。なお、普電入賞スイッチ監視処理の詳細については図34を参照して後述する。
ステップA2902の処理後、遊技制御装置600は、普図ゲーム処理タイマが既にタイムアップしているか、又は、普図ゲーム処理タイマを1減算して更新した結果、当該普図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かを判定する(ステップA2903、ステップA2904)。
普図ゲーム処理タイマがタイムアップしている場合(ステップA2904の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は、普図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する普図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(ステップA2905)。
ステップA2905の処理後、遊技制御装置600は、普図ゲームシーケンス分岐テーブルを用いて普図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(ステップA2906)。そして、遊技制御装置600は、普図ゲーム処理番号に対応する処理終了後の戻り先であるリターンアドレスをスタック領域に退避させ(ステップA2907)、普図ゲーム処理番号に対応する処理を実行する(ステップA2908)。
普図ゲーム処理番号が「0」の場合(ステップA2908の結果が「0」)には、遊技制御装置600は普図普段処理を実行する(ステップA2909)。普図普段処理は、普図変動表示ゲームの変動開始を監視し、普図変動表示ゲームの結果の抽選、及び普図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
普図ゲーム処理番号が「1」の場合(ステップA2908の結果が「1」)には、遊技制御装置600は普図変動中処理を実行する(ステップA2910)。普図変動中処理は、普図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
普図ゲーム処理番号が「2」の場合(ステップA2908の結果が「2」)には、遊技制御装置600は普図表示中処理を実行する(ステップA2911)。普図表示中処理は、普図変動表示ゲームの遊技結果が当りであれば、普電サポート状態に応じた第2始動入賞口38の開閉部38aの開放時間の設定や、普図当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。なお、普図表示中処理の詳細については図35を参照して後述する。
普図ゲーム処理番号が「3」の場合(ステップA2908の結果が「3」)には、遊技制御装置600は普図当り中処理を実行する(ステップA2912)。普図当り中処理は、普図変動表示ゲームの当りが終了するか否かを判定する処理や、普電残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
普図ゲーム処理番号が「4」の場合(ステップA2908の結果が「4」)には、遊技制御装置600は普電残存球処理を実行する(ステップA2913)。普電残存球処理は、第2始動入賞口38内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、普図当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
普図ゲーム処理番号が「5」の場合(ステップA2908の結果が「5」)には、遊技制御装置600は普図当り終了処理を実行する(ステップA2914)。普図当り終了処理は、普図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
ステップA2904、ステップA2909〜A2914のいずれかの処理が実行された後、遊技制御装置600は、一括表示装置50において普図の変動を制御するためのテーブルを準備し(ステップA2915)、一括表示装置50における図柄変動制御処理を実行して(ステップA2916)、普図ゲーム処理を終了する。
<普電入賞スイッチ監視処理>
図34を参照して、前述した普図ゲーム処理における普電入賞スイッチ監視処理(図33のステップA2902)の詳細について説明する。図34は、遊技制御装置600が実行する普電入賞スイッチ監視処理を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まず普図変動表示ゲームが当り中であるか否かを判定する(ステップA3001、ステップA3002)。
普図変動表示ゲームが当り中でない場合(ステップA3002の結果が「N」)には、遊技制御装置600は普電入賞スイッチ監視処理を終了する。
一方、普図変動表示ゲームが当り中である場合(ステップA3002の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は第2始動口スイッチ602に入力があるか否かを判定する(ステップA3003、ステップA3004)。
第2始動口スイッチ602に入力がない場合(ステップA3004の結果が「N」)には、遊技制御装置600は普電入賞スイッチ監視処理を終了する。
一方、第2始動口スイッチ602に入力がある場合(ステップA3004の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は、第2始動口スイッチ602の入力に基づいて飾り特図保留数コマンド(MODE)及び飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備し(ステップA3005、ステップA3006)、普電入賞コマンドを設定するコマンド設定処理を実行する(ステップA3007)。
ステップA3007の処理後、遊技制御装置600は、普電カウンタのカウント数を1加算して更新し(ステップA3008)、普電入賞カウント数が所定の上限値に達したか否かを判定する(ステップA3009、ステップA3010)。
普電入賞カウント数が上限値に達していない場合(ステップA3010の結果が「N」)には、遊技制御装置600は普電入賞スイッチ監視処理を終了する。
一方、普電入賞カウント数が上限値に達した場合(ステップA3010の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は、普図当り中処理制御ポインタに当り終了の値をセーブする(ステップA3011)。
ステップA3011の処理後、遊技制御装置600は、普図ゲーム処理タイマを0クリアして(ステップA3012)、普電入賞スイッチ監視処理を終了する。
<普図表示中処理>
図35を参照して、前述した普図ゲーム処理における普図表示中処理(図33のステップA2911)の詳細について説明する。図35は、遊技制御装置600が実行する普図表示中処理を示すフローチャートである。
遊技制御装置600は、まずRWMの当りフラグ領域から当りフラグをロードし(ステップA3101)、当りフラグ領域をクリアする(ステップA3102)。
ステップA3102の処理後、遊技制御装置600は、ロードされた当りフラグに基づいて普図変動表示ゲームの結果が当りであるか否かを判定する(ステップA3103、ステップA3104)。
普図変動表示ゲームが当りでない場合(ステップA3014の結果が「N」)には、遊技制御装置600は、第2始動入賞口38の開閉部38a(普電)の開放時間を決定せずに、普図普段処理移行設定処理1を実行し(ステップA3105)、普図表示中処理を終了する。普図普段処理移行設定処理1では、普図ゲーム処理番号を0に設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブするとともに、普電不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブする。
一方、普図変動表示ゲームが当りである場合(ステップA3014の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は、開閉部38a(普電)が長開放(図3(A)参照)するか否かを判定する(ステップA3106)。
普電開放が長開放である場合(ステップA3106の結果が「Y」)には、遊技制御装置600は、普電開放情報に対応する普電開放時間に長開放用の時間(5.8秒)を設定する(ステップA3107)。
一方、普電開放が短開放である場合(ステップA3106の結果が「N」)には、遊技制御装置600は、普電開放情報に対応する普電開放時間に短開放用の時間(0.3秒)を設定する(ステップA3108)。
ステップA3107又はステップA3108の処理後、遊技制御装置600は、設定された普電開放時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA3109)。その後、遊技制御装置600は、普図当り中処理を実行すべく普図当り中処理移行設定処理を実行し(ステップA3110)、普図表示中処理を終了する。
<1stCPUメイン処理>
以下では、演出制御装置700の制御処理について説明する。まず、図36を参照して、演出制御装置700によって実行される1stCPUメイン処理の詳細を説明する。図36は、演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710が実行する1stCPUメイン処理を示すフローチャートである。1stCPUメイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
1stCPUメイン処理の実行が開始されると、演出制御装置700は、まず割込みを禁止する(ステップB1001)。次に、演出制御装置700は、作業領域であるRAM711(図11参照)を0クリアし(ステップB1002)、CPU初期化処理を実行する(ステップB1003)。続いて、演出制御装置700は、各種処理の実行に必要な初期値をRAM711に設定し(ステップB1004)、乱数初期化処理を実行する(ステップB1005)。
ステップB1005の処理後、演出制御装置700は、所定のタイミング(例えば1ミリ秒)で割込みを発生させるための各種割込みタイマを起動させ(ステップB1006)、割込みを許可する(ステップB1007)。このように割込みが許可されることで、遊技制御装置600から送信されたコマンドを受信するコマンド受信割込み処理を実行可能な状態となる。
ステップB1007の処理後、演出制御装置700は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(ステップB1008)。WDTは、ステップB1003のCPU初期化処理で起動され、CPUが正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPUがリセットされる。
ステップB1008の処理後、演出制御装置700は、遊技者による演出ボタン17(図1参照)の操作信号を検出したり、検出した信号に応じた処理を実行したりする(ステップB1009)。その後、演出制御装置700は、遊技制御装置600から受信した遊技制御コマンドを解析する遊技制御コマンド解析処理を実行する(ステップB1010)。
ステップB1010の処理後、演出制御装置700は、テストモード処理を実行する(ステップB1011)。テストモード処理は、工場出荷時の検査の際に検査用のコマンドを受信してLEDの点灯等を検査するための処理である。したがって、テストモード処理は、工場出荷時にCPUを検査する場合に実行される。
ステップB1011の処理後、演出制御装置700は、ステップB1010の遊技制御コマンド解析処理において解析された制御コマンドに基づき、変動表示装置35に表示させるシーン(表示内容)を制御する1stシーン制御処理を実行する(ステップB1012)。なお、1stシーン制御処理の詳細については図39を参照して後述する。
ステップB1012の処理後、演出制御装置700は、後述する特定演出(サブゲーム)中に第2始動入賞口38への遊技球の入賞に基づいて実行される入賞時演出(普電入賞時演出)に関する情報等を設定する入賞時演出設定処理を実行する(ステップB1013)。入賞時演出設定処理の詳細については図40を参照して後述する。
特定演出は、特図変動表示ゲーム中に第2始動入賞口38の開閉部38aが長開放される場合(詳しくは、普図変動表示ゲーム中から開閉部38aの開放終了までの間)に実行されるサブゲームであって、1回の特図変動表示ゲーム中に第2始動入賞口38に入賞した遊技球の数(普電入賞カウント数)に基づいて敵キャラクタとの格闘結果が変化するものである(図45(A)〜図45(C)参照)。また、特定演出において第2始動入賞口38に遊技球が入賞することで実行される入賞時演出(敵キャラクタのHPを減らしていく演出)の結果として敵キャラクタを倒した場合には、特定演出の最後に成功演出が行われるとともに、遊技者に対して有利な特典が付与される。特定演出(入賞時演出)の具体的な演出例については図45〜図47を参照して後述する。
ステップB1013の処理後、演出制御装置700は、遊技機1における異常の発生を監視する遊技機エラー監視処理を実行する(ステップB1014)。演出制御装置700に関わる異常の他に、遊技制御装置600からエラー報知を指示するコマンドを受信した場合等に、警報音の報知等の所定処理を実行する。
ステップB1014の処理後、演出制御装置700は、映像制御用マイコン(2ndCPU)720に送信するコマンドを編集する演出コマンド編集処理を実行する(ステップB1015)。
ステップB1015の処理後、演出制御装置700は、上スピーカ10a及び下スピーカ10bから出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(ステップB1016)。そして、演出制御装置700は、LED等の装飾装置(盤装飾装置760や枠装飾装置21)を制御する装飾制御処理を実行し(ステップB1017)、モータ及びソレノイドで駆動される電動役物や可動式照明9等の演出装置(盤演出装置770や枠演出装置22)を制御するモータ/SOL制御処理を実行する(ステップB1018)。
ステップB1018の処理後、演出制御装置700は、演出用の乱数等を更新するための乱数更新処理を実行して(ステップB1019)、ステップB1008の処理に戻る。以降、演出制御装置700は、ステップB1008からステップB1019までの処理を繰り返す。
<2ndCPUメイン処理>
図37を参照して、演出制御装置700によって実行される2ndCPUメイン処理の詳細を説明する。図37は、演出制御装置700の映像制御用マイコン(2ndCPU)720が実行する2ndCPUメイン処理を示すフローチャートである。2ndCPUメイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
2ndCPUメイン処理の実行が開始されると、演出制御装置700は、まずCPU初期化処理を実行する(ステップB1101)。続いて、演出制御装置700は、作業領域であるRAM721(図11参照)を0クリアして(ステップB1102)、各種処理の実行に必要な初期値をRAM721に設定する(ステップB1103)。その後、演出制御装置700は、画像処理を行うグラフィックプロセッサを初期化するVDP初期化処理を実行し(ステップB1104)、Vブランク割込み等の各種割込みを許可する(ステップB1105)。
ステップB1105の処理後、演出制御装置700は、各種制御処理の初期化処理を実行し(ステップB1106)、変動表示装置35における画面描画を許可する(ステップB1107)。なお、ステップB1106の各種制御処理の初期化処理では、後述する通常ゲーム処理(ステップB1111)で実行される各制御処理で使用される変数の初期化等が行われる。例えば、変動表示装置35に表示される映像の背景を初期化したり、図柄の配列を初期化したりする。
ステップB1107の処理後、演出制御装置700は、システム周期待ちフラグを初期化し(ステップB1108)、システム周期待ちフラグが1になるまで待機する(ステップB1109)。システム周期待ちフラグについての詳細な説明は省略するが、Vブランク割込み処理で所定の処理が完了した場合にシステム周期待ちフラグが1に設定されるようになっている。
システム周期待ちフラグが1である場合(ステップB1009の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、当該演出制御装置700が正常に動作しているかを判定するためのWDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(ステップB1110)。WDTがクリアされずに所定の時間経過すると、映像制御用マイコン(2ndCPU)720がリセットされる。
ステップB1110の処理後、演出制御装置700は、変動表示装置35において飾り特図変動表示ゲームを実行したり、様々な画像を表示したりする通常ゲーム処理を実行し(ステップB1111)、ステップB1108の処理に戻る。以降、演出制御装置700は、ステップB1108からステップB1111までの処理を繰り返す。
<通常ゲーム処理>
図38を参照して、演出制御装置700によって実行される通常ゲーム処理の詳細を説明する。図38は、演出制御装置700の映像制御用マイコン(2ndCPU)720が実行する通常ゲーム処理を示すフローチャートである。
演出制御装置700は、まず主制御用マイコン(1stCPU)710で受信したコマンドをチェックする受信コマンドチェック処理を実行する(ステップB1201)。
ステップB1201の処理後、演出制御装置700は、主制御用マイコン(1stCPU)710で実行される1stCPUメイン処理の1stシーン制御処理におけるシーンの描画(動画)を準備する2ndシーン制御処理を実行する(ステップB1202)。
ステップB1202の処理後、演出制御装置700は、変動表示装置35に表示される画像のうち、演出中で動きのない背景画像(静止画)を準備する背景処理を実行する(ステップB1203)。なお、2ndシーン制御処理が動画の描画に対して実行されるのに対して、背景処理は静止画像の描画に対して実行される。
ステップB1203の処理後、演出制御装置700は、変動表示装置35に表示される画像のうち、変動表示する飾り特図の描画を準備するリール制御/表示処理を実行する(ステップB1204)。続いて、演出制御装置700は、変動表示装置35に表示される画像のうち、各変動表示ゲームの始動記憶を表示する保留表示の描画を準備する保留表示処理を実行する(ステップB1205)。
ステップB1205の処理後、演出制御装置700は、始動記憶数が無い場合や変動表示ゲームが所定時間なされない場合等に、変動表示装置35に客待ちデモ画面を表示するように客待ちデモ処理を実行する(ステップB1206)。
ステップB1206の処理後、演出制御装置700は、変動表示装置35に実際に画像を表示させるための表示システム処理を実行して(ステップB1207)、通常ゲーム処理を終了する。
<1stシーン制御処理>
図39を参照して、前述した1stCPUメイン処理における1stシーン制御処理(図36のステップB1012)の詳細について説明する。図39は、演出制御装置700の主制御用マイコン710が実行する1stシーン制御処理を示すフローチャートである。
演出制御装置700は、まず遊技機1がテストモード中であるか否かを判定する(ステップB1301)。
遊技機1がテストモード中である場合(ステップB1301の結果が「Y」)には、実際に演出制御を行う必要がないため、演出制御装置700は1stシーン制御処理を終了する。
一方、遊技機1がテストモード中でない場合(ステップB1301の結果が「N」)には、演出制御装置700は、遊技制御装置600から送信されたシーン変更コマンドを受信しているか否かを判定する(ステップB1302)。
シーン変更コマンドを受信していない場合(ステップB1302の結果が「N」)には、演出制御装置700はステップB1307以降の処理を実行する。一方、シーン変更コマンドを受信している場合(ステップB1302の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、更新する現在の遊技状態を取得し(ステップB1303)、有効なコマンドを受信しているか否かを判定する(ステップB1304)。具体的には、演出制御装置700は、変更先のシーンが現在の遊技状態と整合するか否か等を判定する。
有効なコマンドを受信していない場合(ステップB1304の結果が「N」)には、演出制御装置700はステップB1307以降の処理を実行する。
一方、有効なコマンドを受信している場合(ステップB1304の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、受信したコマンドをメモリ(RAM)の所定領域にセーブし(ステップB1305)、演出リクエストフラグをセットする(ステップB1306)。演出リクエストフラグは、シーンを変更するタイミングであることを示すフラグである。
ステップB1306の処理後、演出制御装置700は、受信したコマンドの識別子に応じた処理を実行する(ステップB1307)。
受信したコマンドが「電源投入コマンド」である場合には、演出制御装置700は電源投入処理を実行する(ステップB1308)。電源投入処理では、遊技機1の電源が投入された際に表示される画面の制御を行う。
受信したコマンドが「停電復旧コマンド」である場合には、演出制御装置700は停電復旧処理を実行する(ステップB1309)。停電復旧処理では、遊技機1が停電から復旧した際に表示される画面の制御を行う。なお、停電前に客待ち処理が実行されていた場合には特別な処理を実行しない。
受信したコマンドが「客待ちデモコマンド」である場合には、演出制御装置700は客待ち処理を実行する(ステップB1310)。客待ち処理では、特図変動表示ゲームが最後に実行されてから所定時間経過した場合に表示される画面の制御を行う。
受信したコマンドが「変動パターンコマンド」である場合には、演出制御装置700は変動中処理を実行する(ステップB1311)。変動中処理では、設定された変動パターンに応じたシーンを表示するために必要な情報を取得し、設定された変動パターンに対応した演出制御を行う。なお、変動中処理の詳細については図41を参照して後述する。
受信したコマンドが「ファンファーレコマンド」である場合には、演出制御装置700はファンファーレ処理を実行する(ステップB1312)。ファンファーレ処理では、発生した大当りに対応するファンファーレを出力する等の制御を行う。
受信したコマンドが「大入開放n回目コマンド」である場合には、演出制御装置700はラウンド中処理を実行する(ステップB1313)。ラウンド中処理では、特別遊技状態における各ラウンド中の演出等の制御を行う。
受信したコマンドが「インターバルコマンド」である場合には、演出制御装置700はインターバル処理を実行する(ステップB1314)。インターバル処理では、特別遊技状態における各ラウンド間の演出等の制御を行う。
受信したコマンドが「エンディングコマンド」である場合には、演出制御装置700はエンディング処理を実行する(ステップB1315)。エンディング処理では、特別遊技状態が終了した際の演出等の制御を行う。
ステップB1308〜ステップB1315のいずれかの処理の実行後、演出制御装置700は、遊技制御装置600から送信される図柄コマンドを受信する図柄コマンド受信処理を実行する(ステップB1316)。図柄コマンドには、停止図柄を指定する情報が含まれている。
ステップB1316の処理後、演出制御装置700は、保留数コマンド受信処理を実行する(ステップB1317)。保留数コマンドは、更新された保留数を通知するコマンドである。保留数コマンド受信処理では、受信した保留数に基づいて保留表示等を更新する。
続いて、演出制御装置700は、事前判定コマンド受信処理を実行する(ステップB1318)。事前判定コマンド受信処理は、事前判定コマンド(先読みコマンド)に基づいて保留表示演出等を設定する処理である。
ステップB1318の処理後、演出制御装置700は、確率情報コマンド受信処理を実行して(ステップB1319)、1stシーン制御処理を終了する。確率情報コマンド受信処理は、受信した確率情報コマンドに基づいて内部確率等の遊技状態を設定する処理である。
<入賞時演出設定処理>
図40を参照して、前述した1stCPUメイン処理における入賞時演出設定処理(図36のステップB1013)の詳細について説明する。図40は、演出制御装置700の主制御用マイコン710が実行する入賞時演出設定処理を示すフローチャートである。
演出制御装置700は、まず入賞時演出対象期間中であるか否かを判定する(ステップB1401)。入賞時演出対象期間とは、特図変動表示ゲームの実行中に普図変動表示ゲームの結果として第2始動入賞口38の開閉部(可動部材)38aが長開放を開始してから閉止後所定時間が経過するまでの間であり、第2始動入賞口38に入賞した遊技球の数を計数するための期間である。
入賞時演出対象期間中でない場合(ステップB1401の結果が「N」)には、演出制御装置700は入賞時演出設定処理を終了する。一方、入賞時演出対象期間中である場合(ステップB1401の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、普電入賞コマンド(遊技球が第2始動入賞口38に入賞することで遊技制御装置600から送信されるコマンド)を受信したか否かを判定する(ステップB1402)。
普電入賞コマンドを受信していない場合(ステップB1402の結果が「N」)には、演出制御装置700は入賞時演出設定処理を終了する。
一方、普電入賞コマンドを受信した場合(ステップB1402の結果が「Y」)、つまり遊技球が第2始動入賞口38に入賞した場合には、演出制御装置700は入賞数カウンタを1加算して更新し(ステップB1403)、入賞時演出設定処理を終了する。このように演出制御装置700は、入賞時演出対象期間中(特定演出の実行中)に第2始動入賞口38に入賞した遊技球の数を計数する入賞数計数手段を含んでいる。
<変動中処理>
図41を参照して、前述した1stシーン制御処理における変動中処理(図39のステップB1311)の詳細について説明する。図41は、演出制御装置700の主制御用マイコン710が実行する変動中処理を示すフローチャートである。
演出制御装置700は、まず演出リクエストフラグが設定されているか否かを判定する(ステップB1501)。
演出リクエストフラグが設定されている場合(ステップB1501の結果が「Y」)には、演出制御装置700はステップB1502〜ステップB1510の処理を実行する。一方、演出リクエストフラグが設定されていない場合(ステップB1501の結果が「N」)には、演出制御装置700はステップB1511以降の処理を実行する。
ステップB1501の結果が「Y」の場合には、演出制御装置700は、演出ボタン関連情報をクリアする(ステップB1502)。演出ボタン関連情報とは、遊技者が演出ボタン17(図1参照)を操作した時の入力操作情報等である。
ステップB1502の処理後、演出制御装置700は、可動体リクエストをセットする処理を実行する(ステップB1503)。この処理により、演出装置等の動作態様が演出内容に応じて設定される。
ステップB1503の処理後、演出制御装置700は、時短状態(普電サポート状態)の継続を管理する変動回数管理処理を実行し(ステップB1504)、普電入賞カウント数(入賞数カウンタ)を0クリアする(ステップB1505)。つまり、特図変動表示ゲームが1回実行される毎に普電入賞カウント数が0クリアされる。
続いて、演出制御装置700は、変動表示装置35で実行する特図変動表示ゲームの停止図柄や識別情報(図柄)の変動パターン(変動態様)を設定したり、特図変動表示ゲーム中において実行する特定演出(サブゲーム)の各種情報(特定演出の実行態様や入賞時演出のパターン等)を設定したりする変動パターン情報設定処理を実行する(ステップB1506)。なお、変動パターン情報設定処理の詳細については図42を参照して後述する。
ステップB1506の処理後、演出制御装置700は、演出内容の決定等に使用される乱数のシードを初期化する乱数シード初期化処理を実行し(ステップB1507)、設定された変動パターンに対応するシーンシーケンステーブルを設定する(ステップB1508)。
ステップB1508の処理後、演出制御装置700は、特図変動表示ゲームの実行時間を設定する変動時間設定処理を実行し(ステップB1509)、演出リクエストフラグをクリアして(ステップB1510)、変動中処理を終了する。
ところで、ステップB1501において演出リクエストフラグが設定されていないと判定された場合(ステップB1501の結果が「N」)には、演出制御装置700は、更新タイマによって表示演出状態を変更するか否かを判定する。具体的には、演出制御装置700は、更新タイマが0、すなわちタイムアップしたか否かを判定する(ステップB1511)。
更新タイマがタイムアップしていない場合(ステップB1511の結果が「N」)には、演出制御装置700は、特定演出(サブゲーム)中における各種処理(入賞時演出の設定等)を行うゲーム中処理を実行し(ステップB1512)、変動中処理を終了する。なお、ゲーム中処理の詳細については図43を参照して後述する。
更新タイマがタイムアップした場合(ステップB1511の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、シーンシーケンステーブルに設定された次のシーンデータを設定し(ステップB1513)、当該シーンデータが変動表示ゲーム中の演出の最終シーンに関するものであるか否かを判定する(ステップB1514)。
次のシーンが演出の最終シーンでない場合(ステップB1514の結果が「N」)には、演出制御装置700はゲーム中処理を実行し(ステップB1512)、変動中処理を終了する。
一方、次のシーンが演出の最終シーンである場合(ステップB1514の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、特定演出(サブゲーム)の終了に関する処理を行うゲーム終了時処理を実行する(ステップB1515)。なお、ゲーム終了時処理の詳細については図44を参照して後述する。
ステップB1515の処理後、演出制御装置700は、特図変動表示ゲームの終了に関する各種情報を設定し(ステップB1516)、変動中処理を終了する。
<変動パターン情報設定処理>
図42を参照して、前述した変動中処理における変動パターン情報設定処理(図41のステップB1506)の詳細について説明する。図42は、演出制御装置700の主制御用マイコン710が実行する変動パターン情報設定処理を示すフローチャートである。
演出制御装置700は、まず特図変動表示ゲームの停止図柄情報を取得し(ステップB1601)、始動記憶に関する情報である保留情報をセーブする(ステップB1602)。
ステップB1602の処理後、演出制御装置700は、確率状態や普電サポート状態、演出モード等の遊技状態を取得し(ステップB1603)、その後飾り特図変動表示ゲームの停止図柄を設定する(ステップB1604)。
ステップB1604の処理後、演出制御装置700は、始動記憶領域に記憶されている演出情報を取得する(ステップB1605)。演出情報とは先読み情報に基づく連続的な演出を実行する際に、当該連続的な演出を実行する始動記憶について設定される情報である。
続いて、演出制御装置700は、遊技状態と演出情報に基づきコマンドに対応する変動パターンを決定する(ステップB1606)。この処理により飾り特図変動表示ゲームの変動パターンが決定される。
ステップB1606の処理後、演出制御装置700は、特定演出(サブゲーム)を実行するための特定演出実行条件が成立しているか否かを判定する(ステップB1607)。
なお、特定演出実行条件とは、これから実行される特図変動表示ゲームが終了するまでの間に普図変動表示ゲームが当りとなって第2始動入賞口38の開閉部38aが長開放(5.8秒)されることである。
特定演出実行条件が成立していない場合(ステップB1607の結果が「N」)には、演出制御装置700は変動パターン情報設定処理を終了する。
一方、特定演出実行条件が成立している場合(ステップB1607の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、特図変動表示ゲーム中に特定演出(入賞時演出)を実行するため、特定演出フラグをオンに設定する(ステップB1608)。このように演出制御装置700は、特定演出の実行を制御する特定演出実行手段を含んでいる。
ステップB1608の処理後、演出制御装置700は、特定演出(サブゲーム)中に第2始動入賞口38に遊技球が入賞した場合に実行する入賞時演出の演出態様を複数の入賞時演出パターンから選択する入賞時演出選択処理を実行し(ステップB1609)、選択した入賞時演出パターンを設定して(ステップB1610)、変動パターン情報設定処理を終了する。
<ゲーム中処理>
図43を参照して、前述した変動中処理におけるゲーム中処理(図41のステップB1512)の詳細について説明する。図43は、演出制御装置700の主制御用マイコン710が実行するゲーム中処理を示すフローチャートである。
演出制御装置700は、まず特図変動表示ゲームにおいて入賞時演出対象期間中であるか否かを判定する(ステップB1701)。
入賞時演出対象期間中でない場合(ステップB1701の結果が「N」)には、演出制御装置700はゲーム中処理を終了する。
一方、入賞時演出対象期間中である場合(ステップB1701の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、図40のステップB1403で更新された普電入賞カウント数を取得する(ステップB1702)。普電入賞カウント数は、特図変動表示ゲーム中に開始された特定演出(サブゲーム)における入賞時演出対象期間中に第2始動入賞口38に入賞した遊技球の数である。
ステップB1702の処理後、演出制御装置700は、普電入賞カウント数が前回処理時から更新されたか(変化したか)否かを判定する(ステップB1703)。
普電入賞カウント数が更新されていない場合(ステップB1703の結果が「N」)には、演出制御装置700はゲーム中処理を終了する。
一方、普電入賞カウント数が更新されている場合(ステップB1703の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、図42のステップB1610で設定した入賞時演出パターンに対応する入賞時演出(敵キャラクタに攻撃する演出)の実行を設定する(ステップB1704)。
ステップB1704の処理後、演出制御装置700は、ステップB1702で取得した普電入賞カウント数に応じて、敵キャラクタの体力値を減少させる処理を実行する(ステップB1705)。つまり、演出制御装置700は、普電入賞カウント数が1増加するごとに、敵キャラクタの体力値から第1減数値を減ずる。なお、敵キャラクタの体力値の初期値は、図42のステップB1610で設定した入賞時演出パターンに基づいて設定されている。
そして、演出制御装置700は、ステップB1705の処理を実行した後、ゲーム中処理を終了する。
<ゲーム終了時処理>
図44を参照して、前述した変動中処理におけるゲーム終了時処理(図41のステップB1515)の詳細について説明する。図44は、演出制御装置700の主制御用マイコン710が実行するゲーム終了時処理を示すフローチャートである。
演出制御装置700は、まず特定演出フラグがあるか否かを判定する(ステップB1801)。
特定演出フラグがない場合(ステップB1801の結果が「N」)には、演出制御装置700はゲーム終了時処理を終了する。一方、特定演出フラグがある場合(ステップB1801の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、図40のステップB1403で更新された入賞数カウンタに基づいて普電入賞カウント数を取得する(ステップB1802)。
ステップB1802の処理後、演出制御装置700は、普電入賞カウント数が入賞時演出対象期間の終了時において規定数以上(例えば4以上)であるか否かを判定する(ステップB1803)。なお、規定数は、入賞時演出パターンや特図変動表示ゲームの結果に対する期待度等に基づいて異なる数値としてもよい。
普電入賞カウント数が規定数以上である場合(ステップB1803の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、現在の敵キャラクタの体力値から第2減数値を減ずる処理を実行する(ステップB1804)。なお、第2減数値は、図43のステップB1704における第1減数値よりも大きな値として設定されている。
ステップB1804の処理後、演出制御装置700は敵キャラクタの体力値が0になっているか否かを判定する(ステップB1805)。
敵キャラクタの体力値が0になっている場合(ステップB1805の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、特定演出(サブゲーム)の最後に敵キャラクタが倒れるような成功演出(図45(C)参照)を実行する(ステップB1806)。
なお、成功演出が実行された場合には、特定演出(サブゲーム)の終了後に遊技者に対して特典が付与される。遊技者に付与される特典には、変動表示装置35に特別な画像を表示することの他、遊技演出モードを確率曖昧モードから通常演出モードに移行させて現在の確率状態を報知すること、時短回数を所定数増加すること、特図変動表示ゲームの結果を外れから大当り(2R確変大当り)に切り替えたりすること等の遊技者にとって有利となる特典が含まれる。これらの特典は、特定演出(サブゲーム)が実行された際の遊技状態(遊技演出モード、確率状態、時短状態の有無、実行中の変動表示ゲームの結果)に応じて選択決定される。例えば、通常確率状態で通常演出モードの場合には、変動表示装置35に特別な画像を表示したり、特図変動表示ゲームの結果をはずれ態様から大当り態様に切り替えたり、確率曖昧モードの場合には、遊技演出モードを確率曖昧モードから通常演出モードに移行させて現在の確率状態を報知したりする等である。
一方、敵キャラクタの体力値が0になっていない場合(ステップB1805の結果が「N」)には、演出制御装置700は、特定演出(サブゲーム)の最後に失敗演出(図46(B)参照)を実行する(ステップB1807)。
ステップB1806又はステップB1807の処理後、演出制御装置700は、特定演出フラグをクリアして(ステップB1808)、ゲーム終了時処理を終了する。
ところで、ステップB1803において普電入賞カウント数が規定数以上でないと判定された場合(ステップB1803の結果が「N」)には、演出制御装置700は、実行中の特図変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定する(ステップB1809)。
特図変動表示ゲームの結果がはずれである場合(ステップB1809の結果が「N」)には、演出制御装置700は、ステップB1807及びステップB1808の処理を実行して、ゲーム終了時処理を終了する。
一方、特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合(ステップB1809の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、入賞時演出の最後に復活演出(図46(C)参照)を実行する。復活演出では、一旦失敗演出が行われた後、敵キャラクタを倒すような演出が実行される。復活演出が実行された場合には遊技者に対して特典は付与されないが、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなることで特典が付与されたと遊技者に思わせることができる。なお、成功演出実行時と同様に、変動表示装置35に特別な画像を表示するような特典を付与するようにしてもよい。
ステップB1810の処理後、演出制御装置700は、特定演出フラグをクリアして(ステップB1808)、ゲーム終了時処理を終了する。上記の通り、演出制御装置700は、特定演出(サブゲーム)の演出結果を導出する結果導出手段を含んでいる。
<特定演出の演出例>
図45を参照して、特定演出の一例について説明する。図45(A)〜図45(C)は、特定演出の最後において成功演出が行われる場合を例示した図である。
図45(A)に示すように、(飾り)特図変動表示ゲーム中において第2始動入賞口38の開閉部38aが長開放(5.8秒開放)される場合に、敵キャラクタと格闘する特定演出(サブゲーム)が実行される。
特定演出(サブゲーム)中には、変動表示装置35の表示部35aの中央に敵キャラクタCが表示され、敵キャラクタCの下方に当該敵キャラクタCの体力値(HP)が表示される。敵キャラクタCの体力値の下方の表示部35aには、特定演出中に第2始動入賞口38に入賞可能な遊技球の数値範囲を示す入賞範囲表示部F1と、現在の入賞数(普電入賞カウント数)を指し示す指示部F2とが表示される。また、敵キャラクタCの上方の表示部35aには、これから開放する又は開放中の第2始動入賞口38に遊技球の入賞を促進させるメッセージが表示される。
なお、入賞範囲表示部F1の左側方の表示部35aには、特図変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームの三つの飾り特図が変動表示されている。
また、表示部35aの左下部には第1始動記憶を表示可能な第1表示領域35bが表示され、表示部35aの右下部には第2始動記憶を表示可能な第2表示領域35cが表示される。第1表示領域35bは第1始動入賞口37に遊技球が入賞したことによって発生した始動記憶を4個を上限として表示する領域であり、第2表示領域35cは第2始動入賞口38に遊技球が入賞したことによって発生した始動記憶を4個を上限として表示する領域である。なお、本実施形態の遊技機1は、第2始動記憶がある場合には、当該第2始動記憶による第2特図変動表示ゲームを第1特図変動表示ゲームより優先して実行する。
図45(A)に示すように、特定演出(サブゲーム)では、入賞時演出対象期間(第2始動入賞口38の開放期間)中に第2始動入賞口38に遊技球が入賞するごとに入賞時演出が実行される。入賞時演出では、敵キャラクタCに攻撃を与える演出のほか、指示部F2が右側に移動して入賞数(普電入賞カウント数)が増加し、敵キャラクタCの体力値が減少する演出が実行される。敵キャラクタCの体力値は、遊技球が1個入賞するごとに第1減数値だけ低下する。なお、第2始動記憶は4つまでしか記憶されないが、普電入賞カウント数は第2始動記憶数の上限である4つを越えても継続して計数される。
図45(B)に示すように、入賞時演出対象期間の終了段階において、第2始動入賞口38への入賞数が規定数(例えば4)を越えていると、敵キャラクタCには第1減数値よりも大きい第2減数値のダメージが与えられる。第2減数値の値は、第2始動入賞口38への入賞数が多くなるほど大きくしてもよい。
入賞時演出対象期間の終了段階において敵キャラクタCの体力値が0になると、図45(C)に示すように、特定演出(サブゲーム)の最後において敵キャラクタCが倒れる成功演出が行われる。敵キャラクタCの体力値は、第2始動入賞口38への入賞数が所定数以上となった場合に0となるように設定されている。なお、今回の例では成功演出の表示が継続している間に、飾り特図が大当り態様で停止表示されているが、はずれ態様で停止表示されていてもよい。
このように特定演出(サブゲーム)の最後に成功演出が行われた場合には、特定演出(サブゲーム)後に特典として、変動表示装置35に特別な画像が表示されたり、遊技演出モードが確率曖昧モードから通常演出モードに移行して現在の確率状態が報知されたり、時短回数が所定数増加(新規に発生してもよい)されたりする。なお、はずれであった特図変動表示ゲームの結果を大当りに変更したりしてもよい。
次に、図46を参照して、特定演出(サブゲーム)の他の例について説明する。図46(A)〜図46(C)は、特定演出において復活演出が行われる場合を例示した図である。
第2特図変動表示ゲームの結果が大当りであるにも関わらず、入賞時演出対象期間の終了段階において、図46(A)に示すように普電入賞カウント数が規定数(例えば4)を越えていない場合には、図46(B)に示すように一旦失敗演出が実行される。この時、飾り特図ははずれ態様で仮停止する。
その後、図46(C)に示すように、ハンマーによって敵キャラクタCが叩かれて当該敵キャラクタCの体力値が0となる復活演出が実行される。敵キャラクタの体力値が0となるタイミングで、はずれ態様で仮停止していた飾り特図は大当り態様に変化して本停止する。なお、復活演出が実行された場合には、遊技者に対して有利な特典は付与されないが、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなることで特典が付与されたと遊技者に思わせることができる。なお、成功演出実行時と同様に、変動表示装置35に特別な画像を表示するような特典を付与するようにしてもよいし、はずれ態様で本停止すると決定されたいたものを大当り態様に切り換えたりしてもよい。
このように特図変動表示ゲームが大当りであるにも関わらず、失敗演出が実行された場合には、失敗演出後に復活演出が実行されて特図変動表示ゲームの結果が大当りとなることで特典が付与されたと遊技者に思わせることができるので、遊技の興趣を高めることができる。
以上のような遊技機1は、遊技領域を流下する遊技球が入賞可能であり、遊技者に不利な第1状態と遊技者に有利な第2状態とに変換することが可能な特図始動入賞領域と、前記特図始動入賞領域への遊技球の入賞に基づいて、特図変動表示ゲームを実行することが可能な特図変動表示ゲーム実行手段と、を備え、前記特図変動表示ゲームが予め定めた特別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させることが可能な遊技機において、前記遊技領域に設けた普図始動入賞領域への遊技球の入賞に基づいて、普図変動表示ゲームを実行することが可能な普図変動表示ゲーム実行手段と、前記普図変動表示ゲームの結果に基づいて、前記特図始動入賞領域を常態である第1状態から第2状態に変換する補助遊技を実行することが可能な補助遊技実行手段と、前記補助遊技が実行されることに関連して、遊技者に遊技特典を付与するか否かの特定演出を実行することが可能な特定演出実行手段と、を備え、前記特定演出実行手段は、前記特定演出の実行中に前記補助遊技が実行されることで前記特図始動入賞領域に入賞した遊技球の入賞数を計数することが可能な入賞数計数手段と、前記入賞数計数手段によって計数された入賞数に応じて前記特定演出の演出結果を導出することが可能な結果導出手段と、を備えている。
従来の遊技機では、遊技者に不利な第1状態から遊技者に有利な第2状態に変換した特図始動入賞領域に遊技球が入賞した場合、特図変動表示ゲームの実行条件が付与されるだけであり、当該特図始動入賞領域に遊技球を入賞させること自体には面白味がないという問題があったが、以上のような遊技機1によれば、特図始動入賞領域の変換時における遊技演出の興趣を高めることができ、特図始動入賞領域への遊技球の入賞について遊技者の関心を高めることが可能となる。
次に、図47を参照して、特定演出(サブゲーム)の変形例について説明する。図47(A)〜図47(C)は、第2始動記憶に先読み保留が入った場合の特定演出(サブゲーム)を例示した図である。
図47(A)に示すように、第2特図変動表示ゲーム中に特定演出(サブゲーム)が実行されている場合に、第2始動入賞口38に遊技球が入賞し、その入賞に基づく始動記憶が事前判定(先読み)され、該事前判定の結果が特定の結果であった場合(大当り結果態様となる期待度が高い変動表示ゲームが実行される等)には、当該始動記憶に対する始動記憶表示は期待度に応じて通常とは異なる態様(例えば四角形)で表示される。
特定演出(サブゲーム)中に事前判定の結果が特定の結果となる始動記憶が発生した場合には、特定演出は、1回の第2特図変動表示ゲームにおいて終了せず、図47(B)及び図47(C)に示すように事前判定(先読み)された始動記憶に基づく第2特図変動表示ゲームが終了するまで引き継いで実行される。
事前判定(先読み)された始動記憶に基づく第2特図変動表示ゲームが終了するまでは、各特図変動表示ゲームを跨いで計数された普電入賞カウント数に応じて敵キャラクタCの体力値が減らされる。先読みされた始動記憶に基づく第2特図変動表示ゲームが終了するまでに、敵キャラクタCの体力値が0となった場合には、成功演出が実行されて遊技者に特典が付与される。
このように特定演出(サブゲーム)中に事前判定の結果が特定の結果となる始動記憶が発生した場合、事前判定(先読み)された始動記憶に基づく第2特図変動表示ゲームが終了するまで特定演出(サブゲーム)が引き継がれるので、特定演出の実行期間が長くなり、遊技の興趣を高めることができる。なお、特定演出(サブゲーム)の実行を特図変動表示ゲーム中だけでなく、特図変動表示ゲームが実行されていない状態(客待ち状態、大当り状態)において実行してもよい。
第1実施形態による遊技機1では、特定演出(サブゲーム)は、第2始動入賞口38に入賞した遊技球の数(普電入賞カウント数)に応じて所定の演出結果が導出されるように構成されている。そして、入賞時演出対象期間の終了時において普電入賞カウント数が所定数に達している場合には、特定演出(サブゲーム)が成功結果となり遊技者に対して有利な特典が付与されるので、第2始動入賞口38の開放時における遊技演出の興趣を高めることができ、第2始動入賞口38への遊技球の入賞について遊技者の関心を高めることが可能となる。また、第2始動入賞口38への遊技球の入賞数に応じて特定演出(サブゲーム)の演出結果が変わるので、第2始動記憶が上限まで記憶された場合にも、止め打ちされることを防止することができる。
(第2実施形態)
図48〜図54を参照して、本発明の第2実施形態による遊技機1について説明する。
第2実施形態による遊技機1は、第1実施形態とほぼ同じであるが、16RA確変大当り、16RB確変大当り、2R確変大当り、小当りの他に、5R確変大当り(1Rあたり最大25秒の長開放で、大当り終了後に50回の確率変動状態となり、30回の時短が付く)と5R通常大当り(1Rあたり最大25秒の長開放で、大当り終了後に通常確率状態となり、30回の時短が付く)とがあり、5R確変大当りと5R通常大当りの終了後には、遊技演出モードが確率曖昧モードに移行する。また、5R確変大当り及び5R通常大当りの終了後に時短が開始されてから終了するまでの間、特定演出(サブゲーム)が継続して入賞時演出を繰り返し実行する点において相違する。以下では、第1実施形態の遊技機とは異なる点を中心に、第2実施形態の遊技機1について説明する。
<変動中処理>
図48を参照して、前述した1stシーン制御処理における変動中処理(図39のステップB1311)の詳細について説明する。図48は、演出制御装置700の主制御用マイコン710が実行する変動中処理を示すフローチャートである。
図48では、ステップB1504、ステップB1506、ステップB1512、ステップB1515、ステップB1517の処理について詳細に説明する。図48のその他の処理は第1実施形態と同じであるので説明を省略する。
ステップB1503の処理後、演出制御装置700は、時短状態の継続を管理する変動回数管理処理を実行し(ステップB1504)、時短フラグがある(特定演出フラグがあって特定演出を実行中の)場合には普電入賞カウンタの値が「0」でなければ(「1」以上の値ならば)1減じて更新する処理を実行する(ステップB1517)。なお、変動回数管理処理の詳細については図49を参照して後述する。
ステップB1517の処理後、演出制御装置700は、ステップB1506〜ステップB1509の処理を順番に実行し、演出リクエストフラグをクリアする(ステップB1510)。ステップB1510で演出リクエストフラグがクリアされた後は、演出制御装置700は、ステップB1511〜ステップB1516の処理を実行する。
なお、変動中処理における変動パターン情報設定処理(ステップB1506)、ゲーム中処理(ステップB1512)、ゲーム終了時処理(ステップB1515)の詳細については、図50、図51、図52をそれぞれ参照して説明する。
<変動回数管理処理>
図49を参照して、前述した変動中処理における変動回数管理処理(図48のステップB1504)の詳細について説明する。図49は、演出制御装置700の主制御用マイコン710が実行する変動回数管理処理を示すフローチャートである。
変動回数管理処理が開始されると、演出制御装置700は、まず時短フラグがあるか否かを判定する(ステップB1901、ステップB1902)。なお、時短フラグは16RA確変大当り、16RB確変大当り、5R確変大当り及び5R通常大当りの終了後にオンに設定され、16R大当りの場合には特図変動表示ゲームが50回実行された場合にクリアされ、5R大当りの場合には変動表示ゲームが30回実行された場合にクリアされる。
時短フラグがなく、遊技状態が時短状態でない場合(ステップB1902の結果が「N」)には、演出制御装置700は変動回数管理処理を終了する。一方、時短フラグがあり、遊技状態が時短中である場合(ステップB1902の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、時短継続に関する特図変動表示ゲームの実行回数である時短変動回数を1減じて更新する(ステップB1903)。
ステップB1903の処理後、演出制御装置700は、時短変動回数が0になったか否かを判定する(ステップB1904)。
時短変動回数が0になっていない場合(ステップB1904の結果が「N」)には、演出制御装置700は変動回数管理処理を終了する。一方、時短変動回数が0になっている場合(ステップB1904の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、時短フラグをクリアして(ステップB1905)、変動回数管理処理を終了する。
時短状態(普電サポート状態)は、16RA確変大当り、16RB確変大当り、5R確変大当り及び5R通常大当りの終了後に開始され、その後特図変動表示ゲームが時短変動回数実行されるまで継続される。
<変動パターン情報設定処理>
図50を参照して、前述した変動中処理における変動パターン情報設定処理(図48のステップB1506)の詳細について説明する。図50は、演出制御装置700の主制御用マイコン710が実行する変動パターン情報設定処理を示すフローチャートである。なお、図50のステップB1601〜ステップB1606、ステップB1610、ステップB1611は、図42の対応する処理と同じであるので、詳細な説明を省略する。
ステップB1606の処理後、演出制御装置700は、特定演出(サブゲーム)に関するフラグである特定演出フラグがあるか否かを判定する(ステップB1612)。特定演出フラグは、5R確変大当り及び5R通常大当りの終了後となる時短状態の開始時にオンに設定され、特図変動表示ゲームが大当りになった場合や時短状態(30回)の終了時にオフに設定される。
特定演出フラグがある場合(ステップB1612の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、特定演出(サブゲーム)中に第2始動入賞口38に遊技球が入賞した場合に実行する入賞時演出の演出態様を複数の入賞時演出パターンから選択する入賞時演出選択処理を実行し(ステップB1610)、選択した入賞時演出パターンを設定して(ステップB1611)、変動パターン情報設定処理を終了する。すなわち、特図変動表示ゲーム毎に入賞時演出の演出態様が設定されることとなる。
一方、特定演出フラグがない場合(ステップB1612の結果が「N」)には、演出制御装置700は、ステップB1610及びステップB1611の処理を実行せずに、変動パターン情報設定処理を終了する。
<ゲーム中処理>
図51を参照して、前述した変動中処理におけるゲーム中処理(図48のステップB1512)の詳細について説明する。図51は、演出制御装置700の主制御用マイコン710が実行するゲーム中処理を示すフローチャートである。
演出制御装置700は、まず入賞時演出に関するフラグである特定演出フラグがあるか否かを判定する(ステップB1706)。
特定演出フラグがない場合(ステップB1706の結果が「N」)には、演出制御装置700はゲーム中処理を終了する。
一方、特定演出フラグがある場合(ステップB1706の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、図40のステップB1403で更新された普電入賞カウント数を取得する(ステップB1702)。普電入賞カウント数は、特図変動表示ゲーム中に開始された特定演出(サブゲーム)における入賞時演出対象期間中に第2始動入賞口38に入賞した遊技球の数である。
ステップB1702の処理後、演出制御装置700は、普電入賞カウント数が前回処理時から更新されたか(変化したか)否かを判定する(ステップB1703)。
普電入賞カウント数が更新されていない場合(ステップB1703の結果が「N」)には、演出制御装置700はゲーム中処理を終了する。
一方、普電入賞カウント数が更新されている場合(ステップB1703の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、図50のステップB1610で設定した入賞時演出パターンに対応する入賞時演出(敵キャラクタに攻撃する演出)の実行を設定する(ステップB1704)。
ステップB1704の処理後、演出制御装置700は、ステップB1702で取得した普電入賞カウント数に応じて、敵キャラクタの体力値を減少させる処理を実行する(ステップB1705)。つまり、演出制御装置700は、普電入賞カウント数が1増加するごとに、敵キャラクタの体力値から第1減数値を減ずる。なお、敵キャラクタの体力値の初期値は、図50のステップB1610で設定した入賞時演出パターンに基づいて設定されている。そして、演出制御装置700は、ステップB1705の処理を実行した後、ゲーム中処理を終了する。
<ゲーム終了時処理>
図52を参照して、前述した変動中処理におけるゲーム終了時処理(図48のステップB1515)の詳細について説明する。図52は、演出制御装置700の主制御用マイコン710が実行するゲーム終了時処理を示すフローチャートである。
演出制御装置700は、まず特定演出フラグがあるか否かを判定する(ステップB1811)。特定演出フラグがない場合(ステップB1811の結果が「N」)には、演出制御装置700はゲーム終了時処理を終了する。一方、特定演出フラグがある場合(ステップB1811の結果が「Y」)には、実行中の特図変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かを判定する(ステップB1812)。
特図変動表示ゲームの結果が大当りとなるものである場合(ステップB1812の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、普電入賞カウント数によらず、敵キャラクタの体力値を0まで減ずる処理を実行し(ステップB1813)、特定演出フラグをクリアして(ステップB1814)、ゲーム終了時処理を終了する。特図変動表示ゲームが大当りとなるものであって敵キャラクタの体力値が0になった場合には、特定演出(サブゲーム)の成功に基づく特典は付与されないが、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなることで特典が付与されたと遊技者に思わせることができる。なお、変動表示装置35に特別な画像を表示するような特典を付与するようにしてもよい。
一方、特図変動表示ゲームの結果がはずれとなる場合(ステップB1812の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、実行中の特図変動表示ゲームが時短状態が終了する最後の特図変動表示ゲームであるか否かを判定する(ステップB1815)。
時短状態が終了する最後の特図変動表示ゲームでない場合(ステップB1815の結果が「N」)には、演出制御装置700はゲーム終了時処理を終了する。
一方、時短状態が終了する最後の特図変動表示ゲームである場合(ステップB1815の結果が「Y」)には、演出制御装置700は普電入賞カウント数を取得する(ステップB1816)。
ステップB1816の処理後、演出制御装置700は、普電入賞カウント数(入賞時演出中に第2始動入賞口38に入賞した遊技球の数)が規定数以上(例えば30以上)であるか否かを判定する(ステップB1817)。なお、規定数は、入賞時演出パターンや時短変動回数等に基づいて異なる数値としてもよい。
普電入賞カウント数が規定数以上である場合(ステップB1817の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、敵キャラクタの体力値が所定値以下となっているか否かを判定する(ステップB1818)。
敵キャラクタの体力値が所定値以下となっている場合(ステップB1818の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、敵キャラクタの体力値を0まで減ずる処理を実行する(ステップB1819)。基本的に、敵キャラクタの体力値は、第2始動入賞口38への入賞数が所定数以上となった場合に0となるように設定されている。
ステップB1819の処理後、演出制御装置700は、時短状態が終了する最後の特図変動表示ゲーム中の特定演出(サブゲーム)において敵キャラクタが倒れる成功演出を実行するとともに、特定演出(サブゲーム)の終了後に遊技演出モードを確率曖昧モードから通常演出モードに移行させ、現在の特図変動表示ゲームの確率状態(遊技状態)を報知する(ステップB1820)。なお、遊技演出モードの移行は、時短状態が終了する最後の特図変動表示ゲームの終了後としてもよい。また、成功演出が導出された場合における遊技者への特典として、遊技演出モードを移行するのではなく、変動表示装置35に特別な画像を表示したり、特図変動表示ゲームの結果を大当りにしたりしてもよい。また、その場合には、16RA確変大当りや16RB確変大当りの終了後に特定演出フラグを設定して特定演出(サブゲーム)を実行するようにしてもよい。
普電入賞カウント数が規定数以上でない場合(ステップB1817の結果が「N」)、敵キャラクタの体力値が所定値以下となっていない場合(ステップB1818の結果が「N」)には、特定演出(サブゲーム)の最後に失敗演出を実行する。そして、ステップB1817、ステップB1818の処理後、又はステップB1820の処理後には、演出制御装置700は、特定演出フラグをクリアして(ステップB1821)、ゲーム終了時処理を終了する。なお、ここで普電入賞カウント数をクリアしてもよい。
<エンディング処理>
図53を参照して、前述した1stシーン制御処理におけるエンディング処理(図39のステップB1315)の詳細について説明する。なお、図53は、第2実施形態における演出制御装置700の主制御用マイコン710が実行するエンディング処理を示すフローチャートであり、ステップB2010〜ステップB2012の処理が追加されている以外は第1実施形態のエンディング処理と同様である。エンディング処理では、特別遊技状態(大当り遊技状態)が終了した際の演出制御等が行われる。
演出制御装置700は、まず演出リクエストフラグがあるか否かを判定する(ステップB2001)。演出リクエストフラグは、シーンを変更するタイミングであることを示すフラグである。
演出リクエストフラグがある場合(ステップB2001の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、大当りに関する各種情報を取得する(ステップB2002)。
ステップB2002の処理後、演出制御装置700は、2R確変大当り以外の大当りの終了であれば時短フラグをオンに設定し(ステップB2003)、時短変動回数を予め定められた初期回数(例えば50又は30回)に設定する(ステップB2004)。なお、2R確変大当りの終了の場合には時短フラグと時短変動回数の設定を行わない。
ステップB2004の処理後、演出制御装置700は、大当りに対応する変動パターンテーブルをセットし(ステップB2005)、演出リクエストフラグをクリアして(ステップB2006)、エンディング処理を終了する。
ところで、ステップB2001において演出リクエストフラグが設定されていないと判定された場合(ステップB2001の結果が「N」)には、演出制御装置700は、更新タイマによって表示演出状態を変更するか否かを判定する。具体的には、演出制御装置700は、更新タイマが0、すなわちタイムアップしたか否かを判定する(ステップB2007)。
更新タイマがタイムアップしていない場合(ステップB2007の結果が「N」)には、演出制御装置700はエンディング処理を終了する。一方、更新タイマがタイムアップした場合(ステップB2007の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、エンディング演出を終了させる処理を実行し(ステップB2008)、普電入賞カウント数をクリアする(ステップB2009)。
ステップB2009の処理後、演出制御装置700は、5R大当り(5R確変大当り、5R通常大当り)の終了であるか否かを判定する(ステップB2010)。
5R大当りの終了である場合(ステップB2010の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、遊技演出モードとして確率曖昧モードを設定し(ステップB2011)、特定演出(サブゲーム)の実行に関する特定演出フラグをオンに設定して(ステップB2012)、エンディング処理を終了する。一方、5R大当りの終了でない場合(ステップB2010の結果が「N」)には、演出制御装置700はエンディング処理を終了する。
<特定演出の演出例>
図54を参照して、第2実施形態の遊技機1における特定演出の一例について説明する。図54(A)〜図54(C)は、特定演出の最後において成功演出が行われる場合を例示した図である。
図54(A)に示すように、時短状態中における複数の特図変動表示ゲームに跨って(亘って)敵キャラクタCと格闘する特定演出(サブゲーム)が実行され、時短状態が終了する最後の特図変動表示ゲーム(5R確変大当り又は5R通常大当りの終了後から起算して30回目の変動表示ゲーム)が終了するタイミング又は特図変動表示ゲームが大当りとなるタイミングで終了する。また、特図変動表示ゲームにおいて第2始動入賞口38の開閉部38aが長開放(5.8秒開放)されて遊技球が入賞すると入賞時演出が実行される。なお、入賞時演出は、第2始動入賞口38の開閉部38aが長開放(5.8秒開放)される場合に実行されるものであればよく、特図変動表示ゲーム中だけでなく、特図変動表示ゲームが実行されていない状態(例えば、客待ち状態)において実行してもよい。
時短状態中の特図変動表示ゲームにおいて特定演出(サブゲーム)が実行されている場合、第2始動入賞口38の開放期間中、つまり、入賞時演出対象期間に第2始動入賞口38に遊技球が入賞するごとに入賞時演出が実行される。入賞時演出では、敵キャラクタCに攻撃を与える演出のほか、指示部F2が右側に移動して入賞数(普電入賞カウント数)が増加し、敵キャラクタCの体力値が減少する演出が実行される。敵キャラクタCの体力値は、遊技球が1個入賞するごとに第1減数値だけ低下する。なお、変動表示装置35の表示部35aの右下部には残りの時短変動回数が表示されている。
時短状態中は特図変動表示ゲームの実行時間も短縮され、また特図変動表示ゲームが実行されるごとに普電入賞カウント数が1減算(図48のステップB1517参照)されるので、特定演出(サブゲーム)中における普電入賞カウント数は増加しにくい。
そのため、本実施形態では、図54(B)に示すように、実行時間が短縮されないように設定された特図変動表示ゲームが所定の確率で実行される。なお、特図変動表示ゲームにおいてリーチ演出が実行される場合に、当該特図変動表示ゲームの実行時間が時間短縮されないようにしてもよい。
これにより、特定演出(サブゲーム)の演出期間も長くなり、入賞時演出対象期間における遊技球の第2始動入賞口38への入賞の可能性が高められる。この時、変動表示装置35の表示部35aには、普電入賞カウント数を効率的に増加させることができる状態であることを示唆するメッセージ、例えば「増加チャンス中」というメッセージが表示される。
図54(C)に示すように、時短状態が終了する最後(時短変動回数=0)の特図変動表示ゲームにおいて、普電入賞カウント数が規定数(例えば30)を越えており、敵キャラクタCの体力値が所定値よりも低くなっていると、敵キャラクタCの体力値が0となる。敵キャラクタCの体力値は、第2始動入賞口38への入賞数が所定数以上となった場合に0となるように設定されている。敵キャラクタCの体力値が0となった場合には、特定演出(サブゲーム)の最後に成功演出が実行される。
特定演出(サブゲーム)の最後に成功演出が行われた場合には、特定演出(サブゲーム)の終了後(時短状態の終了後)に遊技者に対して特典が付与される。例えば、図54(D)に示すように、5R大当り後に実行された特定演出(サブゲーム)の終了(30回転後)後に遊技演出モードが確率曖昧モードから通常演出モード(例えば、確率状態が確率変動状態である場合には確率変動状態を示すドキドキモードであり、確率状態が通常確率状態である場合には通常確率状態を示す通常演出モード)に移行し、確率状態(遊技状態)の報知が行われる。一方、入賞時演出の最後に失敗演出が行われた場合には、遊技演出モードが確率変動状態の終了まで確率曖昧モードに維持されて通常演出モードに復帰する。
なお、時短変動回数が0となっていない時短状態終了前の特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる場合には、普電入賞カウント数によらず敵キャラクタCの体力値は0となり、成功演出が実行されて入賞時演出は終了する。この場合には、入賞時演出による特典が付与されずに大当り遊技状態に移行するが、特図変動表示ゲームの結果が大当りとなることで特典が付与されたと遊技者に思わせることができる。
第2実施形態による遊技機1では、特定演出(サブゲーム)は、時短状態における複数の特図変動表示ゲームに跨って(亘って)行われる。そして、特定演出(サブゲーム)中に第2始動入賞口38に入賞した遊技球の数(普電入賞カウント数)が、時短が終了する最後の特図変動表示ゲームにおいて所定数に達している場合には、特定演出(サブゲーム)が成功結果となり遊技者に対して有利な特典が付与されるので、第2始動入賞口38の開放時における遊技演出の興趣を高めることができ、第2始動入賞口38への遊技球の入賞について遊技者の関心を高めることが可能となる。また、第2始動入賞口38への遊技球の入賞数に応じて特定演出(サブゲーム)の演出結果が変わるので、第2始動記憶が上限まで記憶された場合にも、止め打ちされることを防止することができる。
(第3実施形態)
図55〜図66を参照して、本発明の第3実施形態による遊技機1について説明する。
第3実施形態による遊技機1は、第1実施形態とほぼ同じであるが、小当り又は大当りとなる特図変動表示ゲーム中に第1特定演出(サブゲーム)が実行され、その後の小当り又は大当り中に第2特定演出(サブゲーム)が実行される点において相違する。なお、第1特定演出中には入賞時演出が実行され、第2特定演出中には大入賞口入賞時演出が実行されるが、第1特定演出の結果に応じて第2特定演出の演出態様(実行態様)が変化する。以下では、第1実施形態の遊技機とは異なる点を中心に、第3実施形態の遊技機1について説明する。
<変動中処理>
図55を参照して、前述した1stシーン制御処理における変動中処理(図39のステップB1311)の詳細について説明する。図55は、演出制御装置700の主制御用マイコン710が実行する変動中処理を示すフローチャートである。
第3実施形態による変動中処理(図55参照)は、第1実施形態による変動中処理(図41参照)と基本的に同じであるが、図41のステップB1505に対応する処理が省略されている点、ステップB1506の処理内容、及びステップB1515の処理内容において相違している。
図55のステップB1506の変動パターン情報設定処理の詳細については図56を参照して説明し、図55のステップB1515のゲーム終了時処理の詳細については図57を参照して説明する。
<変動パターン情報設定処理>
図56を参照して、前述した変動中処理における変動パターン情報設定処理(図55のステップB1506)の詳細について説明する。図56は、演出制御装置700の主制御用マイコン710が実行する変動パターン情報設定処理を示すフローチャートである。なお、図56のステップB1601〜ステップB1610は、図42の対応する処理と同じであるので、詳細な説明を省略する。ただし、第1実施形態とは特定演出実行条件が異なり、特図変動表示ゲームが終了するまでの間に普図変動表示ゲームが当りとなって第2始動入賞口38の開閉部38aが長開放(5.8秒)されることの他に、特図変動表示ゲームの結果が小当り態様又は大当り態様となることが追加される。
変動パターン情報設定処理では、演出制御装置700は、ステップB1601〜ステップB1610の処理を実行した後、普電入賞カウント数をクリアして(ステップB1611)、変動パターン情報設定処理を終了する。このように演出制御装置700は、第1特定演出(サブゲーム)の実行を制御する特定演出実行手段を含んでいる。
<ゲーム終了時処理>
図57を参照して、前述した変動中処理におけるゲーム終了時処理(図55のステップB1515)の詳細について説明する。図57は、演出制御装置700の主制御用マイコン710が実行するゲーム終了時処理を示すフローチャートである。
演出制御装置700は、まず入賞時演出の実行に関する特定演出フラグがあるか否かを判定する(ステップB1821)。
特定演出フラグが設定されていない場合(ステップB1821の結果が「N」)には、演出制御装置700はゲーム終了時処理を終了する。一方、特定演出フラグが設定されている場合(ステップB1821の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、図40のステップB1403で更新された入賞数カウンタに基づいて普電入賞カウント数を取得する(ステップB1822)。
ステップB1822の処理後、演出制御装置700は、普電入賞カウント数が入賞時演出終了時において規定数以上(例えば4以上)であるか否かを判定する(ステップB1823)。なお、規定数は、入賞時演出パターン等に基づいて異なる数値としてもよい。
普電入賞カウント数が規定数以上である場合(ステップB1823の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、現在の敵キャラクタの体力値から第2減数値を減ずる処理を実行する(ステップB1824)。なお、第2減数値は、図43のステップB1704における第1減数値よりも大きな値として設定されている。
ステップB1824の処理後、又は普電入賞カウント数が規定数以上でない場合(ステップB1823の結果が「N」)には、演出制御装置700は、敵キャラクタの体力値が0になっているか否かを判定する(ステップB1825)。
敵キャラクタの体力値が0になっている場合(ステップB1825の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、第1特定演出(サブゲーム)の最後に敵キャラクタが倒れるような成功演出を実行する(ステップB1826)。続いて、演出制御装置700は、第2特定演出(サブゲーム)の実行に関する情報として遊技者に特典が付与される可能性があるボス戦情報を設定する(ステップB1827)。なお、第2特定演出(サブゲーム)は、大当り遊技又は小当り遊技において大入賞口が開放される場合に行われる演出であって、大入賞口に入賞した遊技球の数(大入賞口入賞カウント数)に基づいて敵キャラクタとの格闘結果が変化するものである。
一方、敵キャラクタの体力値が0になっていない場合(ステップB1825の結果が「N」)には、演出制御装置700は、第1特定演出(サブゲーム)の最後に失敗演出を実行する(ステップB1828)。続いて、演出制御装置700は、第2特定演出(サブゲーム)の実行に関する情報として遊技者に特典が付与される可能性がないリベンジ戦情報を設定する(ステップB1829)。
ステップB1827又はステップB1829の処理後、演出制御装置700は、特定演出フラグをクリアして(ステップB1830)、ゲーム終了時処理を終了する。
<ファンファーレ処理>
図58を参照して、前述した1stシーン制御処理におけるファンファーレ処理(図39のステップB1312)の詳細について説明する。図58は、演出制御装置700の主制御用マイコン710が実行するファンファーレ処理を示すフローチャートである。
ファンファーレ処理が開始されると、演出制御装置700は、まず演出リクエストフラグがあるか否かを判定する(ステップB2101)。
演出リクエストフラグがある場合(ステップB2101の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、特図変動表示ゲームの結果が小当りであるか否かを判定する(ステップB2102)。
特図変動表示ゲームの結果が小当りである場合(ステップB2102の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、小当り中処理を実行し(ステップB2103)、演出リクエストフラグをクリアして(ステップB2111)、ファンファーレ処理を終了する。なお、小当り中処理の詳細については図59を参照して後述する。
一方、特図変動表示ゲームの結果が小当りではなく、大当り(16RA大当り、16RB大当り、2R大当り)である場合(ステップB2102の結果が「N」)には、演出制御装置700は、大当りの種類に応じた大当り中演出を設定する処理を実行する(ステップB2104)。
ステップB2104の処理後、演出制御装置700は、大当りの種類に応じた大当り図柄の設定を行い(ステップB2105)、大当りに関する情報(実行ラウンド数、大当り中の確変昇格演出の有無等)を設定する(ステップB2106)。続いて、演出制御装置700は、大当り回数記憶領域の値を1加算し、大当り回数を更新する(ステップB2107)。
ステップB2107の処理後、演出制御装置700は、ボス戦情報又はリベンジ戦情報があるか否かを判定する(ステップB2108、ステップB2109)。
ボス戦情報又はリベンジ戦情報がある場合(ステップB2109の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、大当りの種類に応じて第2特定演出(サブゲーム)を実行する実行期間(16R大当りならば1R目だけ、2R大当りならば1R〜2Rにかけて)を設定する(ステップB2110)。そして、ボス戦情報又はリベンジ戦情報に基づいて大当り遊技用の大入賞口入賞時演出パターンを設定し(ステップB2111)、演出リクエストフラグをクリアして(ステップB2112)、ファンファーレ処理を終了する。このように演出制御装置700は、第2特定演出(サブゲーム)の実行を制御する第2特定演出実行手段を含んでいる。
一方、ボス戦情報又はリベンジ戦情報がない場合(ステップB2109の結果が「N」)には、演出制御装置700は、演出リクエストフラグをクリアして(ステップB2111)、ファンファーレ処理を終了する。
ところで、ステップB2101において演出リクエストフラグがないと判定された場合(ステップB2101の結果が「N」)には、演出制御装置700は、更新タイマが0であるかを判定する(ステップB2112)。この場合、更新タイマは特別遊技状態(大当り遊技状態)又は特定遊技状態(小当り遊技状態)の開始時のファンファーレ時間を計時しており、更新タイマの値が0であるとはファンファーレ時間が経過したことを示す。
更新タイマが0でない場合(ステップB2112の結果が「N」)には、演出制御装置700はファンファーレ処理を終了する。
一方、更新タイマが0である場合(ステップB2112の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、シーンシーケンステーブルに設定された次のシーンデータを設定し(ステップB2113)、当該シーンデータが演出の最終シーンに関するものであるか否かを判定する(ステップB2114)。
次のシーンが演出の最終シーンでない場合(ステップB2114の結果が「N」)には、演出制御装置700はファンファーレ処理を終了する。一方、次のシーンが演出の最終シーンである場合(ステップB2114の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、ファンファーレの終了を設定し(ステップB2115)、ファンファーレ処理を終了する。なお、ファンファーレ処理の最後に後述する大入賞口入賞カウント数を0クリアしておくとよい。
<小当り中処理>
図59を参照して、前述したファンファーレ処理における小当り中処理(図58のステップB2103)の詳細について説明する。図59は、演出制御装置700の主制御用マイコン710が実行する小当り中処理を示すフローチャートである。
小当り中処理が開始されると、演出制御装置700は、まず小当り時の第2特定演出の実行期間(小当りが終了するまで)を設定する(ステップB2201)。そして、演出制御装置700は、ボス戦情報又はリベンジ戦情報があるか否かを判定する(ステップB2202、ステップB2203)。
ボス戦情報又はリベンジ戦情報がある場合(ステップB2203の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、ボス戦情報又はリベンジ戦情報に基づいて小当り遊技用の大入賞口入賞時演出パターンを設定し(ステップB2204)、小当り中処理を終了する。
一方、ボス戦情報又はリベンジ戦情報がない場合(ステップB2203の結果が「N」)には、演出制御装置700は、大入賞口入賞時演出パターンを設定することなく小当り中処理を終了する。
<ラウンド中処理>
図60を参照して、前述した1stシーン制御処理におけるラウンド中処理(図39のステップB1313)の詳細について説明する。図60は、演出制御装置700の主制御用マイコン710が実行するラウンド中処理を示すフローチャートである。
ラウンド中処理が開始されると、演出制御装置700は、まず演出リクエストフラグがあるか否かを判定する(ステップB2301)。
演出リクエストフラグがある場合(ステップB2301の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、小当り遊技が実行されるか否かを判定する(ステップB2302)。
小当り遊技が実行される場合(ステップB2302の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、小当り中の映像パターンを設定し(ステップB2303)、演出リクエストフラグをクリアして(ステップB2307)、ラウンド中処理を終了する。
一方、小当り遊技ではなく、大当り遊技が実行される場合(ステップB2302の結果が「N」)には、演出制御装置700は、大当りに関する情報を設定(今回のラウンドで確変昇格演出を実行するか否か等)し(ステップB2304)、今回のラウンド数を設定する(ステップB2305)。その後、演出制御装置700は、今回のラウンド中の映像パターンを設定し(ステップB2306)、演出リクエストフラグをクリアして(ステップB2307)、ラウンド中処理を終了する。なお、2R大当りの場合には、小当りと同様の映像パターンが設定されることで2R大当りなのか小当りなのかが遊技者に把握し難くなる。
ところで、ステップB2301において演出リクエストフラグがないと判定された場合(ステップB2301の結果が「N」)には、演出制御装置700は、更新タイマが0であるかを判定する(ステップB2308)。この場合、更新タイマは大当り遊技状態又は小当り遊技状態のラウンド時間を計時しており、更新タイマの値が0であるとはラウンド時間が経過したことを示す。
更新タイマが0でない場合(ステップB2308の結果が「N」)には、演出制御装置700は、大入賞口入賞時演出処理を実行し(ステップB2309)、ラウンド中処理を終了する。なお、大入賞口入賞時演出処理の詳細については図61を参照して後述する。
一方、更新タイマが0である場合(ステップB2308の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、シーンシーケンステーブルに設定された次のシーンデータを設定し(ステップB2310)、当該シーンデータが演出の最終シーンに関するものであるか否かを判定する(ステップB2311)。
次のシーンが演出の最終シーンでない場合(ステップB2311の結果が「N」)には、演出制御装置700は、大入賞口入賞時演出処理を実行し(ステップB2309)、ラウンド中処理を終了する。
一方、次のシーンが演出の最終シーンである場合(ステップB2311の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、大入賞口入賞時演出終了処理を実行し(ステップB2312)する。なお、大入賞口入賞時演出終了処理の詳細については図62を参照して後述する。
ステップS2312の処理後、演出制御装置700は、ラウンド中の演出の終了を設定し(ステップB2313)、ラウンド中処理を終了する。
<大入賞口入賞時演出処理>
図61を参照して、前述したラウンド中処理における大入賞口入賞時演出処理(図60のステップB2309)の詳細について説明する。図61は、演出制御装置700の主制御用マイコン710が実行する大入賞口入賞時演出処理を示すフローチャートである。
演出制御装置700は、まず第2特定演出の実行期間中であるか否かを判定する(ステップB2401)。なお、第2特定演出の実行期間は、図58のステップB2110や図59のステップB2201において設定される。
第2特定演出の実行期間中でない場合(ステップB2401の結果が「N」)には、演出制御装置700は大入賞口入賞時演出処理を終了する。
一方、第2特定演出の実行期間中である場合(ステップB2401の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、カウントスイッチ監視処理(図19のステップA1608参照)で設定された大入賞口入賞コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB2402)。
大入賞口入賞コマンドを受信していない場合(ステップB2402の結果が「N」)には、演出制御装置700は大入賞口入賞時演出処理を終了する。
一方、大入賞口入賞コマンドを受信している場合(ステップB2402の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、大入賞口入賞コマンドに基づいて、大入賞口に入賞した遊技球の数(大入賞口入賞カウント数)を1加算して更新する(ステップB2403)。このように演出制御装置700は第2特定演出(サブゲーム)中に大入賞口に入賞した遊技球の数を計数する特別入賞口入賞数計数手段(特別入賞数計数手段)を含んでいる。
ステップB2403の処理後、演出制御装置700は、大入賞口入賞時演出パターンに対応する大入賞口入賞時演出(敵キャラクタに攻撃する演出)の実行を設定し(ステップB2404)、続いて敵キャラクタの現在の体力値を取得する(ステップB2405)。なお、大入賞口入賞時演出パターンは、図58のステップB2111や図59のステップB2204で設定されている。また、敵キャラクタの体力値とは、ボス戦情報による大入賞口入賞時演出においてはボスキャラクタの体力値であり、リベンジ情報による大入賞口入賞時演出においては入賞時演出で登場した敵キャラクタの体力値である。
ステップB2405の処理後、演出制御装置700は、ステップB2403で加算更新した大入賞口入賞カウント数に応じて、ステップB2405で取得した敵キャラクタの体力値を減少させる処理を実行する(ステップB2406)。つまり、演出制御装置700は、大入賞口入賞カウント数が1増加するごとに、敵キャラクタの体力値から第1減数値を減ずる。
そして、演出制御装置700は、ステップB2406の処理を実行した後、大入賞口入賞時演出処理を終了する。
<大入賞口入賞時演出終了処理>
図62を参照して、前述したラウンド中処理における大入賞口入賞時演出終了処理(図60のステップB2312)の詳細について説明する。図62は、演出制御装置700の主制御用マイコン710が実行する大入賞口入賞時演出終了処理を示すフローチャートである。
演出制御装置700は、まず第2特定演出の実行期間が終了したか否かを判定する(ステップB2501)。
第2特定演出の実行期間が終了していない場合(ステップB2501の結果が「N」)には、演出制御装置700は大入賞口入賞時演出終了処理を終了する。一方、第2特定演出の実行期間が終了した場合(ステップB2501の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、図61のステップB2403で更新された大入賞口入賞カウント数を取得する(ステップB2502)。
ステップB2502の処理後、演出制御装置700は、大入賞口入賞カウント数(第2特定演出中に大入賞口に入賞した遊技球の数)が、第2特定演出の実行期間終了時において規定数以上(例えば4以上)であるか否かを判定する(ステップB2503)。
大入賞口入賞カウント数が規定数以上である場合(ステップB2503の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、図58のステップB2110又は図59のステップB2204で設定された大入賞口入賞時演出パターンを取得する(ステップB2504)。
ステップB2504の処理後、演出制御装置700は、現在の敵キャラクタの体力値から第2減数値を減ずる処理を実行する(ステップB2505)。なお、第2減数値は、図61のステップB2405における第1減数値よりも大きな値として設定されている。
ステップB2505の処理後、又は大入賞口入賞カウント数が規定数以上でない場合(ステップB2503の結果が「N」)には、演出制御装置700は、敵キャラクタの体力値が0になっているか否かを判定する(ステップB2506)。第2特定演出(サブゲーム)における敵キャラクタの体力値は、大入賞口入賞カウント数が所定数以上となった場合に0となるように設定されている。
敵キャラクタの体力値が0になっている場合(ステップB2506の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、第2特定演出(サブゲーム)の最後に敵キャラクタが倒れるような成功演出を実行する(ステップB2507)。続いて、演出制御装置700は、成功演出がボス戦によるものであるか否かを判定する(ステップB2508)。
成功演出がボス戦によるものであり、ボス戦に勝利した場合(ステップB2508の結果が「Y」)には、演出制御装置700はボス戦勝利フラグをセットする(ステップB2509)。
ステップB2509の処理後、又は成功演出がリベンジ戦によるものである場合(ステップB2508の結果が「N」)には、演出制御装置700は、実行中の遊技が小当り遊技であるか否かを判定する(ステップB2510)。
実行中の遊技が小当り遊技である場合(ステップB2510の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、大入賞口入賞時演出終了処理を終了する。
一方、実行中の遊技が小当り遊技ではなく大当り遊技である場合(ステップB2510の結果が「N」)には、演出制御装置700は、実行中の遊技が2R大当りであるか否かを判定する(ステップB2511)。
2R大当りでない場合(ステップB2511の結果が「N」)には、演出制御装置700は、第2特定演出(サブゲーム)の終了後に大当り遊技を継続させる大当り継続情報を設定し(ステップB2512)、大入賞口入賞時演出終了処理を終了する。
実行中の遊技が2R大当りである場合(ステップB2511の結果が「Y」)には、演出制御装置700は大入賞口入賞時演出終了処理を終了する。
ところで、ステップB2506において敵キャラクタの体力値が0になっていないと判定された場合(ステップB2506の結果が「N」)には、演出制御装置700は、第2特定演出の最後に失敗演出を実行する(ステップB2514)。その後、演出制御装置700は、実行中の遊技が16R大当り(16RA大当り又は16RB大当り)であるか否かを判定する(ステップB2515)。
実行中の遊技が16R大当りである場合(ステップB2515の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、大入賞口入賞時演出の終了後にも大当り遊技を継続させる大当り継続情報を設定し(ステップB2516)、大入賞口入賞時演出終了処理を終了する。一方、実行中の遊技が小当りや2R大当りである場合(ステップB2515の結果が「N」)には、演出制御装置700は、大当り継続情報を設定することなく大入賞口入賞時演出終了処理を終了する。
<エンディング処理>
図63を参照して、前述した1stシーン制御処理におけるエンディング処理(図39のステップB1315)の詳細について説明する。図63は、演出制御装置700の主制御用マイコン710が実行するエンディング処理を示すフローチャートである。エンディング処理では、特別遊技状態(大当り遊技状態)等が終了した際の演出制御が行われる。
演出制御装置700は、まず演出リクエストフラグがあるか否かを判定する(ステップB2601)。演出リクエストフラグは、シーンを変更するタイミングであることを示すフラグである。
演出リクエストフラグがある場合(ステップB2601の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、実行中の遊技が小当り遊技であるか否かを判定する(ステップB2602)。
実行中の遊技が小当り遊技でない場合(ステップB2602の結果が「N」)には、演出制御装置700は、実行中の遊技が2R大当り遊技であるか否かを判定する(ステップB2603)。
実行中の遊技が小当り遊技である場合(ステップB2602の結果が「Y」)又は2R大当り遊技(いわゆる突確)である場合(ステップB2603の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、小当り/突確エンディング処理を実行し(ステップB2604)、演出リクエストフラグをクリアして(ステップB2610)、エンディング処理を終了する。なお、小当り/突確エンディング処理の詳細については図64を参照して後述する。
一方、ステップB2603で実行中の遊技が2R大当り遊技ではなく16Rの大当り遊技である場合(ステップB2603の結果が「N」)には、演出制御装置700は、16ラウンド用の大当りエンディングを設定する(ステップB2605)。
ステップB2605の処理後、演出制御装置700は、大当りに関する各種情報を取得し(ステップB2606)、時短フラグをオンに設定し(ステップB2607)、時短変動回数を予め定められた初期回数(例えば50回)に設定する(ステップB2608)。
ステップB2608の処理後、演出制御装置700は、大当りに対応する変動パターンテーブルをセットし(ステップB2609)、演出リクエストフラグをクリアして(ステップB2610)、エンディング処理を終了する。
ところで、ステップB2601において演出リクエストフラグが設定されていないと判定された場合(ステップB2601の結果が「N」)には、演出制御装置700は、更新タイマによって表示演出状態を変更するか否かを判定する。具体的には、演出制御装置700は、更新タイマが0、すなわちタイムアップしたか否かを判定する(ステップB2611)。
更新タイマがタイムアップしていない場合(ステップB2611の結果が「N」)には、演出制御装置700はエンディング処理を終了する。一方、更新タイマがタイムアップした場合(ステップB2611の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、エンディング演出を終了させる処理を実行し(ステップB2612)、エンディング処理を終了する。なお、エンディング処理の終了時に、ボス戦情報/リベンジ戦情報、大入賞口入賞カウンタ数、ボス戦勝利フラグ等をクリアするとよい。
<小当り/突確エンディング処理>
図64を参照して、前述したエンディング処理における小当り/突確エンディング処理(図63のステップB2604)の詳細について説明する。図64は、演出制御装置700の主制御用マイコン710が実行する小当り/突確エンディング処理を示すフローチャートである。
演出制御装置700は、小当り及び2R大当り(突確)用の小当り/突確エンディング演出を設定する(ステップB2701)。このように小当りと2R大当りのエンディング演出を共用することで、確変を伴わない小当り及び確変を伴う2R大当りの区別が困難となり、遊技の興趣を高めることができる。
ステップB2701の処理後、演出制御装置700は、ボス戦勝利フラグがあるか否かを判定する(ステップB2702)。ボス戦勝利フラグは、図62の大入賞口入賞時演出終了処理のステップB2509で設定されるフラグである。
ボス戦勝利フラグがある場合(ステップB2702の結果が「Y」)には、演出制御装置700は、遊技制御装置600から送信される確率情報コマンドに基づく通常演出モード(確率状態が明瞭な演出モード)を設定する(ステップB2703)。
なお、小当りの終了後は、遊技制御装置600から通常確率状態の確率情報コマンドが送信されるため、通常確率状態に対応する通常演出モードが設定され、2R大当りの終了後は、遊技制御装置600から確率変動状態に対応する通常演出モードが設定される。
ステップB2703の処理後、演出制御装置700は、ボス戦勝利フラグをクリアする(ステップB2704)。
一方、ボス戦勝利フラグがない場合(ステップB2702の結果が「N」)には、演出制御装置700は、遊技演出モードとして確率曖昧モードを設定する(ステップB2706)。
ステップB2704又はステップB2706の処理後、演出制御装置700は、確率情報コマンドに対応する変動パターンテーブルをセットし(ステップB2705)、小当り/突確エンディング処理を終了する。
このように、第2特定演出(サブゲーム)が成功結果(ボス戦に勝利)となった場合には、遊技演出モードが確率曖昧モードではなく、通常演出モードに設定されることで確率状態が把握可能となるため、遊技者に対して有利な特典が付与されたことになる。なお、リベンジ戦に勝利した場合も通常演出モードを設定するようにしてもよいし、通常演出モードを設定するのではなく、変動表示装置35に特別な画像を表示するようにしてもよい。
また、16R大当り後は第2特定演出におけるボス戦やリベンジ戦の結果に拘らず遊技者に特典が付与されていなかったが、成功結果となったことに基づいて変動表示装置35に特別な画像を表示したり、時短状態の回数を増加させる等の特典を付与したし、通常演出モードとは演出態様の異なる特殊演出モードに移行させてもよい。
<入賞時演出及び大入賞口入賞時演出の演出例>
図65を参照して、第3実施形態の遊技機1における第1特定演出(入賞時演出)及び第2特定演出(大入賞口入賞時演出)の一例について説明する。図65(A)は普電開放による第1特定演出の結果が敗北の場合を例示した図であり、図65(B)は第1特定演出の敗北後に行われる第2特定演出のリベンジ戦を例示した図である。
図65(A)に示すように、通常遊技状態の(飾り)特図変動表示ゲーム(結果が小当り又は大当りとなるゲーム)において第2始動入賞口38の開閉部38aが長開放(5.8秒開放)される場合に、敵キャラクタC1と格闘する第1特定演出が実行される。この第1特定演出中に遊技球が第2始動入賞口38にあまり入賞せず、普電入賞カウント数が所定数に満たなかった場合には敵キャラクタC1の体力値が0とならず、第1特定演出の最後に失敗演出が行われる。失敗演出後、特図変動表示ゲームは小当り又は大当り結果で終了する。
第1特定演出の敗北後に結果が導出される特図変動表示ゲームによって大当り遊技状態又は小当り遊技状態が発生し、大入賞口が開放すると、図65(B)に示すように当該遊技状態中において第2特定演出が行われる。
図65(B)に示すように、第1特定演出の敗北後の第2特定演出では、変動表示装置35の表示部35aに、普電開放による第1特定演出で登場した敵キャラクタC1が再表示され、リベンジ戦が行われる。敵キャラクタC1の下方には、当該敵キャラクタC1の体力値(HP)が表示される。リベンジ戦の敵キャラクタC1の体力値は、満タン状態としてもよいし、第1特定演出における体力値を引き継いだ状態としてもよい。
なお、敵キャラクタC1の体力値の下方の表示部35aには、大入賞口に入賞可能な遊技球の数値範囲を示す入賞範囲表示部F3と、現在の入賞数(大入賞口入賞カウント数)を指し示す指示部F4とが表示される。
第2特定演出では、大入賞口に遊技球が入賞するごとに大入賞口入賞時演出が実行される。大入賞口入賞時演出では、敵キャラクタC1に攻撃を与える演出のほか、指示部F4が右側に移動して入賞数(大入賞口入賞カウント数)が増加し、敵キャラクタC1の体力値が減少する演出が実行される。敵キャラクタC1の体力値は、遊技球が1個入賞するごとに第1減数値だけ低下する。
そして、第2特定演出の終了段階において、大入賞口への入賞数が規定数(例えば4)を越えていると、敵キャラクタC1には第1減数値よりも大きい第2減数値のダメージが与えられる。なお、敵キャラクタC1の体力値は、大入賞口への入賞数が所定数以上となった場合に0となるように設定されている。
敵キャラクタC1の体力値が0になった場合には当該敵キャラクタC1が倒れるリベンジ戦成功演出が行われ、敵キャラクタC1の体力値が0にならない場合にはリベンジ戦失敗演出が行われる。なお、第2特定演出によるリベンジ戦では、成功演出が行われた場合であっても遊技者に対して特典は付与されないが、ボス戦よりも敵キャラクタの体力値の初期値を大きくしておき(難易度が高く成功の確率が低い)、リベンジ戦に成功するとボス戦成功時と同様の特典を付与するようにしてもよい。
次に、図66を参照して、第3実施形態の遊技機1における第1特定演出(入賞時演出)及び第2特定演出(大入賞口入賞時演出)の他の例について説明する。図66(A)は普電開放による第1特定演出の結果が勝利の場合を例示した図であり、図66(B)及び図66(C)は第1特定演出の勝利後に行われる第2特定演出のボス戦を例示した図である。
図66(A)に示すように、通常遊技状態の(飾り)特図変動表示ゲーム(結果が小当り又は大当りとなるゲーム)において第2始動入賞口38の開閉部38aが長開放(5.8秒開放)される場合に、敵キャラクタC1と格闘する第1特定演出が実行される。この第1特定演出中に所定数以上の遊技球が第2始動入賞口38に入賞すると、敵キャラクタC1の体力値が0となって、第1特定演出の最後に成功演出が行われる。成功演出後、特図変動表示ゲームは終了する。
第1特定演出の勝利後に結果が導出される特図変動表示ゲームによって大当り遊技状態又は小当り遊技状態が発生し、大入賞口が開放すると、図66(B)に示すように当該遊技状態中において第2特定演出が行われる。
図66(B)に示すように、第1特定演出の勝利後の第2特定演出では、変動表示装置35の表示部35aに、普電開放による第1特定演出で登場した敵キャラクタC1とは異なるボスキャラクタC2が表示され、ボス戦が行われる。ボスキャラクタC2の下方には、当該ボスキャラクタC2の体力値(HP)が表示される。ボスキャラクタC2の体力値の下方の表示部35aにはボス戦用の入賞範囲表示部F3及び指示部F4が表示される。
第2特定演出では、大入賞口に遊技球が入賞するごとに大入賞口入賞時演出が実行される。大入賞口入賞時演出では、敵キャラクタに攻撃を与える演出のほか、指示部F4が右側に移動して入賞数(大入賞口入賞カウント数)が増加し、ボスキャラクタC2の体力値が減少する演出が実行される。ボスキャラクタC2の体力値は、遊技球が1個入賞するごとに第1減数値だけ低下する。
そして、第2特定演出の終了段階において、大入賞口への入賞数が規定数(例えば4)を越えていると、ボスキャラクタC2には第1減数値よりも大きい第2減数値のダメージが与えられる。なお、ボスキャラクタC2の体力値は、大入賞口への入賞数が所定数以上となった場合に0となるように設定されている。
ボスキャラクタC2の体力値が0になった場合には、図66(C)に示すように、当該ボスキャラクタC2が倒れるボス戦成功演出が行われる。本実施形態では、小当り又は2R大当り遊技中に実行される第2特定演出のボス戦に勝利した場合に、遊技者に対する特典として、第2特定演出(サブゲーム)が成功結果(ボス戦に勝利)となった場合には、遊技演出モードが確率曖昧モードではなく、通常演出モード(例えば、確率変動状態であるドキドキモード)に設定される。
第3実施形態による遊技機1は、第1特定演出後に実行される小当り又は大当り遊技中に第2特定演出を行うように構成されている。そして、第1特定演出で勝利(普電入賞カウント数が所定数以上)し、さらに小当り又は2R大当り遊技中の第2特定演出で勝利(大入賞口入賞カウント数が所定数以上)した場合に、遊技者に対して有利な特典が与えられるので、第2始動入賞口38及び大入賞口の開放時における遊技演出の興趣を高めることができ、第2始動入賞口38及び大入賞口への遊技球の入賞について遊技者の関心を高めることが可能となる。
また、大入賞口の開放態様が見た目において同じに設定された小当り遊技及び2R大当り遊技における第2特定演出で勝利した場合には、遊技演出モードが確率曖昧モードではなく、通常演出モードに設定されることで確率状態が把握可能となるため、遊技者に対して有利な特典が付与されることになり、遊技演出の興趣をより高めることができる。なお、第3実施形態においては第1特定演出の実行条件として、特図変動表示ゲームが小当り又は大当りとなることが要件であったが、小当り又は大当りとならない場合にも第1特定演出を実行してもよい。その場合には、第1特定演出の結果が必ず失敗となるようにし、第2特定演出を発生させないようにすればよい。
なお、本実施形態の遊技機1においては、通常確率状態時に第2始動入賞口38に遊技球が入賞して第2特図変動表示ゲームが実行された場合には、図3(B)に示したように1/300の確率で16RA大当り、16RB大当り、2R大当りとなり、299/300の確率で小当りとなるため、第2始動入賞口38が長開放した場合には、複数の遊技球が第2始動入賞口38に入賞するため、小当りが集中し易い小当りラッシュ状態となる。そのため、小当りラッシュ状態では、特定遊技(第1特定遊技や第2特定遊技)が実行され易くなり、遊技の興趣が向上する。
本発明は上記の実施形態に限定されず、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなし得ることは明白である。そのため、第1実施形態や第2実施形態において5R確変大当りや5R通常大当りを発生させてもよく、また、全ての実施形態において特定演出(サブゲーム)を特図変動表示ゲーム中以外の状態において実行してもよいし、第2始動入賞口38が短開放する場合に特定演出を実行してもよい。さらに、第1実施形態から第3実施形態に記載された実施内容を、お互いの実施形態を阻害しない範囲であれば部分的に取捨選択して相互に組み合わせてもよい。