まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えばセグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示)される。例えば、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字と「F」を示すアルファベットや「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。以下では、第1特別図柄表示器4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはともに、例えば方形状に形成されている。尚、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示、後述する普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄(飾り図柄とも言う)が変動表示される。
一例として、演出表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rが配置されている。そして、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図の変動、普通図柄表示器20による普通図柄の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて演出図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームまたは普図ゲームにおける変動表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、演出図柄の変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた変動表示、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた変動表示、普通図柄表示器20における普図を用いて変動表示と同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。尚、例えば特別図柄や演出図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、演出図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して変動表示を終了させることである。これに対して、演出図柄の変動表示を開始してから変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでの変動表示中には、演出図柄の変動速度が「0」となって、演出図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、変動表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による演出図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。尚、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、演出図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される演出図柄には、例えば9種類の図柄(英数字「1」〜「9」あるいは漢数字「一」〜「九」や、英文字、所定のモチーフに関連する9個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「9」あるいは漢数字「一」〜「九」を示す数字それぞれに対して、「1」〜「9」の図柄番号が付されている。尚、演出図柄は9種類に限定されず、特図当り組合せやはずれとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば8種類や10種類など)。また、本実施例の演出図柄としては、第1特別図柄の変動表示に連動して変動表示が実行される第1演出図柄(英数字「1」〜「9」の演出図柄)と、特別図柄や普通図柄の変動表示に連動して変動表示が実行される第2演出図柄(漢数字「一」〜「九」)とが予め用意されており、これらをまとめて単に「演出図柄」と称することもある。
演出図柄の変動表示が開始された後、変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「9」)である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である演出図柄が表示される。あるいは、演出図柄表示エリア5L,5C,5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の演出図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である演出図柄が表示されるようにしてもよい。
演出表示装置5の表示領域には、第1保留記憶表示エリア5Dが配置されている。第1保留記憶表示エリア5Dでは、第1特別図柄に対応した変動表示の保留数(第1特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、第1特別図柄に対応した変動表示の保留は、後述する第1普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特別図柄や演出図柄の変動表示を実行するための特別始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した特別開始条件に基づく変動表示が実行中であることやパチンコ遊技機1が特図当り遊技状態(大当り遊技状態)に制御されていることなどにより変動表示の開始を許容する特別開始条件が成立していないときに、成立した特別始動条件(第1始動入賞口への入賞)に対応する変動表示の保留が行われる。
本実施例では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示(第1保留記憶表示エリア5Dに表示される保留記憶表示)とする。尚、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示の表示態様は、丸型の白色表示以外の表示態様であってもよい。
図1に示す例では、第1保留記憶表示エリア5Dとともに、第1特別図柄表示器4Aの上方に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための保留表示器25Aが設けられている。保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた変動表示の実行が保留されている記憶数である。
一方、第2普通入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する第2特別図柄に対応した変動表示の保留は行われないため、第2特別図柄に対応した変動表示の保留数(第2特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる保留表示器や、演出表示装置5の表示領域に配置される第2保留記憶表示エリアは設けられていない。すなわち、第2特別図柄や演出図柄の変動表示を実行するための特別始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した特別開始条件に基づく特別図柄や演出図柄の変動表示が実行中であることやパチンコ遊技機1が特図当り遊技状態に制御されていることなどにより変動表示の開始を許容する特別開始条件が成立していないときに、成立した特別始動条件(第2始動入賞口への入賞)に対応する変動表示の保留は行われない。
演出表示装置5の下方には、第1普通入賞球装置6Aが設けられている。演出表示装置5の右方(右遊技領域)には、通過ゲート41が設けられており、該通過ゲート41の下方(直下)には第2普通入賞球装置6Bが設けられている。
第1普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出され、第2普通入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件(特別始動条件)が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示中でない、または、遊技状態が特図当り遊技状態でなければ第2始動条件(特別始動条件)が成立する。尚、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。
通過ゲート41内には、例えば図2に示すゲートスイッチ21が内蔵されており、通過ゲート41を通過した遊技球はゲートスイッチ21によって検出される。ゲートスイッチ21によって遊技球が検出されたことに基づき、遊技球が賞球として払い出されることはなく、普通図柄や演出図柄の変動表示を実行するための普通始動条件(「実行条件」ともいう)が成立する。
通過ゲート41は、遊技球が通過(進入)することに基づいて入賞が発生したり、普通図柄に対応した変動表示の保留が行われたりすることはないため、普通図柄に対応した変動表示の保留数(普通図柄保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる普通保留表示器や、演出表示装置5の表示領域に配置される普通保留記憶表示エリアは設けられていない。すなわち、普通図柄や演出図柄の変動表示を実行するための普通始動条件は成立したが、先に成立した普通開始条件に基づく普通変動表示が実行中であることや後述する普図当り状態に制御されていることなどにより変動表示の開始を許容する普通開始条件が成立していないときには、成立した普通始動条件(通過ゲート41の通過)に対応する変動表示の保留は行われない。
図1に示すように、第2普通入賞球装置6Bは、通過ゲート41から下方に離れた位置に配置されている。通過ゲート41から第2普通入賞球装置6Bの第2始動入賞口までの離間距離は、遊技球の直径の約1.5〜2倍(約11mm(遊技球の直径)×2=約22mm)程度とされているため、通過ゲート41を通過した遊技球が第2始動入賞口へ進入せずに該第2始動入賞口外へ流下したり、通過ゲート41を通過していない遊技球が第2始動入賞口へ進入することもあるようになっている。
しかし、第2普通入賞球装置6Bの第2始動入賞口は通過ゲート41の直下に配置されているため、通過ゲート41を通過した遊技球の殆どはそのまま第2普通入賞球装置6Bの第2始動入賞口に進入(入賞)し、通過ゲート41を通過した遊技球が第2始動入賞口へ進入せずに該第2始動入賞口外へ流下したり、通過ゲート41を通過していない遊技球が第2始動入賞口へ進入する確率は極めて低い(例えば、1000球に1球程度)。このように遊技領域における演出表示装置5の右側方には、通過ゲート41を通過した遊技球が該通過ゲート41の直下に配置される第2普通入賞球装置6Bの第2始動入賞口に進入可能な遊技球経路が設けられており、該遊技球経路を1の遊技球が通過することによって特別図柄の特別始動条件と普通図柄の普通始動条件とが所定期間内に成立可能である。
また、通過ゲート41から下方に離れた位置に第2普通入賞球装置6Bが配置されていることで、遊技球は通過ゲート41を通過してから所定期間の経過後に第2普通入賞球装置6Bの第2始動入賞口に進入するが、この所定期間は約0.2秒程度であるため、ゲートスイッチ21による遊技球の検出に基づく普通図柄の普通始動条件が成立した直後に、該通過ゲート41を通過した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されたことに基づく特別図柄の特別始動条件が成立することになる。
このように本実施例では、通過ゲート41に進入した遊技球は遊技機外へ排出されることなく遊技領域を流下し、第2普通入賞球装置6Bの第2始動入賞口に進入した遊技球は取り込まれて遊技機外へ排出されるようになっている。また、通過ゲート41に進入した遊技球のほとんどは約0.2秒後に第2普通入賞球装置6Bの第2始動入賞口に進入するため、遊技球が通過ゲート41に進入した場合、普通図柄表示器20における普通図柄の変動表示と第2特別図柄表示器4Bにおける第2特別図柄の変動表示とは見た目上ほぼ同時に開始される。
尚、本実施例では、通過ゲート41の直下に第2普通入賞球装置6Bの第2始動入賞口が配置されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、通過ゲート41を通過した遊技球が第2始動入賞口を通過可能であれば、第2始動入賞口は通過ゲート41の直下でなく、例えば、通過ゲート41に対し左右方向にずれた位置に配置されていてもよい。
また、本実施例では、通過ゲート41と第2始動入賞口との離間距離は遊技球の約2個分とされていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、通過ゲート41を通過した遊技球が所定期間(例えば、約1秒など)内に第2始動入賞口を通過可能であれば、離間距離は遊技球の2個分以上あるいは2個分未満でもよい。尚、離間距離を2個分未満とする場合は少なくとも遊技球の1個分以上とし、通過ゲート41を通過した遊技球が第2始動入賞口へ進入しない場合や、通過ゲート41を通過していない遊技球が第2始動入賞口へ進入可能とすることが好ましい。
第1普通入賞球装置6Aの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。尚、以下において、特別可変入賞球装置7を「特別電動役物」と称したり、単に「特電」と略称することもある。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。従って、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
第1普通入賞球装置6Aの右側方には、普通可変入賞球装置27が設けられている。普通可変入賞球装置27は、普通入賞口扉用となるソレノイド81によって開閉駆動される普通入賞口扉を備え、その普通入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する普通入賞口を形成する。尚、以下においては、普通可変入賞球装置を「普通電動役物」と称したり、単に「普電」と略称することもある。
一例として、普通可変入賞球装置27は、普通入賞口扉用のソレノイド81がオフ状態であるときに普通入賞口扉が普通入賞口を閉鎖状態として、遊技球が普通入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、普通入賞口扉用のソレノイド81がオン状態であるときに普通入賞口扉が普通入賞口を開放状態として、遊技球が普通入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、普通入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が普通入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が普通入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
普通入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す入賞口スイッチ24によって検出される。入賞口スイッチ24によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、普通可変入賞球装置27において開放状態となった普通入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。従って、普通可変入賞球装置27において普通入賞口が開放状態となれば、その普通入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1普通状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置27において普通入賞口が閉鎖状態となれば、普通入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2普通状態となる。
また、普通入賞口の周囲には開放報知用LED36の点灯により発光する開放報知部36Aが設けられており、普通入賞口が後述するロング開放パターンにて開放状態とされている開放期間に発光するようになっている。本実施例では、開放報知用LED36は、複数の発光色により点灯可能となっており、普通入賞口がロング開放パターンにて開放状態となったときに青色での発光を開始し、開放期間内に第2始動入賞口を遊技球が通過したときに発光色が青色から赤色に変化する。尚、本実施例では、開放報知部36Aは普通入賞口を囲むように設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、普通入賞口が開放状態となっていることを認識可能に設けられていれば、必ずしも普通入賞口を囲むように設けられていなくてもよく、例えば、普通入賞口の内部に設けた開放報知用LED36が点灯することにより普通入賞口扉が発光するようにしてもよい。
また、第1普通入賞球装置6Aと特別可変入賞球装置7の間には、右打ち報知用LED37が設けられており、右打ち報知用LED37が点灯状態となることにより、右遊技領域に遊技球を発射するよう促す発射促進報知が行われる。なお、本実施例では、右打ち報知用LED37は、第1普通入賞球装置6Aよりも下方であって特別可変入賞球装置7bよりも上方に設けられているが、右打ち報知用LED37は、この位置に限らず、例えば、普通可変入賞球装置27の上方若しくは下方、又は、演出表示装置5の周囲に設けるようにしても良い。
また、本実施例では、前述したように、通過ゲート41を通過した遊技球が該通過ゲート41の直下に配置される第2普通入賞球装置6Bの第2始動入賞口に進入可能な遊技球経路が設けられており、この遊技球経路に沿った遊技盤面の領域には通過時演出用LED38が設けられている。通過時演出用LED38は、図55等に示すように、通過ゲート41の上方に設けられる通過時演出用LED38a及び38b、並びに、通過ゲート41と第2普通入賞球装置6Bとの間に設けられる通過時演出用LED38c、の3つのLED装置により構成されている。
後述するように、通過ゲート41上方の通過時演出用LED38a及び38bは、高ベース状態で遊技球が第2始動入賞口に進入したことを契機として、点灯状態から消灯状態に切り替わり、通過ゲート41下方(第2普通入賞球装置6B上方)の通過時演出用LED38cは、高ベース状態で遊技球が第2始動入賞口に進入したことを契機として、点灯状態から点滅状態に切り替わる。
なお、通過時演出用LED38を構成する各LEDは、遊技球経路に沿った位置ではなく、例えば、通過ゲート41や第2普通入賞球装置6Bの横の位置に設けるようにしても良い。また、通過時演出用LED38を構成する各LEDは、図1や図55等に示した略三角形の形状に限らず、円や文字等の他の形状であっても良く、それぞれが異なる形状であっても良い。また、複数のLEDによって1つのまとまった形状(例えば、特定のワードや、通過ゲート41及び第2普通入賞球装置6Bを囲む楕円)が形成されるようにしても良い。また、通過時演出用LED38を構成するLEDの数は3に限らず、他の数(例えば1または2、あるいは4以上)であっても良い。
また、演出表示装置5の上方には、玉数報知用LED39が設けられている。玉数報知用LED39は、それぞれ1の桁〜10000の桁に対応した5つの7セグメントのLEDにより構成されている。玉数報知用LED39には、後述する有利区間(第4遊技状態又は第5遊技状態)において、遊技者に払い出された賞球数の合計値である有利区間賞球数が表示されるようになっている。なお、玉数報知用LED39は、演出表示装置5の上方ではなく、他の位置(例えば、普通可変入賞球装置27の近辺)に設けても良い。
遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口26が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、枠LED9が設けられている。なお、以下の説明では、枠LED9、並びに、上述した開放報知用LED36、右打ち報知用LED37、通過時演出用LED38、及び玉数報知用LED39を総称して、演出用LEDという場合がある。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する下皿部材には、例えば下皿本体の上面における前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。上皿を形成する上皿部材には、例えば上皿本体の上面における前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。
本実施例では、遊技領域は、該遊技領域の略中央位置に配設された演出表示装置5の周囲を囲うセンター飾り枠の左側の左遊技領域と右側の右遊技領域とに分かれており、打球操作ハンドルにて弱めに打ち出された(左打ち)遊技球は左遊技領域の第1経路を流下し、打球操作ハンドルにより強めに打ち出された(右打ち)遊技球は右遊技領域の第2経路を流下するようになっている。
左遊技領域の第1経路を流下した遊技球は、第1普通入賞球装置6A及び特別可変入賞球装置7に入賞可能となり、右遊技領域の第2経路を流下した遊技球は、通過ゲート41を通過可能、かつ、第2普通入賞球装置6B、普通可変入賞球装置27及び特別可変入賞球装置7に入賞可能となるように多数の障害釘が配設されている。つまり、左打ちの場合は通過ゲート41を通過不能、かつ、第2普通入賞球装置6B、普通可変入賞球装置27に入賞不能である。尚、本実施例では、右遊技領域に打ち出され第2経路を流下する遊技球の殆どが通過ゲート41を通過するように多数の障害釘が配設されている。すなわち、第2普通入賞球装置6Bの第2始動入賞口は、第1普通入賞球装置6Aの第1始動入賞口よりも遊技球が進入しやすいように多数の障害釘が配設されている。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図の変動表示が終了したことといった、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示が開始される。
この普通図柄の変動表示では、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「はずれ(普図はずれ)」となる。普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置27の普通入賞口扉の開放制御が行われ、所定時間が経過すると閉鎖制御が行われる。
第1普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことにより第1特別始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや特図当り遊技状態が終了したことなどにより第1特別開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器4Aによる特図の変動表示が開始される。また、第2普通入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2特別始動条件が成立したときに、例えば前回の特図の変動表示や特図当り遊技状態が終了したことなどにより第2特別開始条件が成立していることに基づいて、第2特別図柄表示器4Bによる特図の変動表示が開始される。
第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図の変動表示では、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(変動表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(特図当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「特図当り」(大当り)となる。また、特図当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「はずれ」となる。尚、特図当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されたときに、所定表示結果としての「小当り」となるようにしてもよい。
特図の変動表示での変動表示結果が「特図当り」になった後には、大入賞口が開放するラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての特図当り遊技状態に制御される。
この実施例におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「0」〜「9」の数字を示す特別図柄を特図当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をはずれ図柄としている。尚、第1特別図柄表示器4Aによる特図の変動表示における特図当り図柄やはずれ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示器4Bによる特図の変動表示における各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図の変動表示において共通の特別図柄が特図当り図柄やはずれ図柄となるようにしてもよい。
特図の変動表示における確定特別図柄として特図当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「特図当り」となった後、特図当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば0.016秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「2」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。尚、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
特別可変入賞球装置7は、特別図柄の変動表示の表示結果が特図当りとなったとき、特別電動役物開放パターンに基づいて開放制御される。図13に示すように、特別電動役物開放パターンに基づく開放制御では、大入賞口を開放状態とする期間は各ラウンドで0.016秒とされ、1ラウンド目終了後のラウンドインターバル期間は0.1秒、2ラウンド目終了後のラウンドインターバル期間は0.6秒とされ、特別電動役物開放パターンに基づく開放制御が実行される期間は合計0.732秒である。
尚、特別可変入賞球装置7を第1状態(大入賞口の開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.016秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。本実施例では、後述する全ての種別の特図当りにおいて、1ラウンドで大入賞口が短い時間(例えば0.016秒など)開放する短期開放ラウンドとされており、実質的に遊技球の入賞が困難とされているため、出球(賞球)の獲得を期待できない。
本実施例では、特図ゲームにおける変動表示結果が「特図当り」となったことに基づいて特図当り遊技状態に制御された場合、その終了後には、所定の変動回数の範囲(例えば、1回、100回、次回特図当りまで)において高ベース制御が行われる高ベース状態と、高ベース制御が行われない低ベース状態とのいずれかに制御される。高ベース制御は、特図当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば、1回または100回)の特図の変動表示が実行されることと、変動表示結果が「特図当り」となることとのうちいずれかの条件が先に成立したときに終了すればよい。尚、本実施例では、高ベース制御が行われることにより、特図の変動表示における変動表示時間(特図変動時間)は通常状態に比べて短縮されないが、短縮されるようにしてもよい。尚、通常状態とは、特図当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。
高ベース制御が行われるときには、各回の普図の変動表示での変動表示結果が「普図当り」となる確率を低ベース状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置27における普通入賞口扉の開放制御を行う開放制御時間を低ベース状態のときよりも長くするといった、遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、高ベース制御に伴い普通入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、「高開放制御」ともいう。高開放制御としては、上記制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御(全てを含む)が組合せられて行われるようにしてもよい。高開放制御が行われることにより、高開放制御が行われていないときよりも普通入賞口が開放状態となる頻度が高まるため、普通入賞が発生する確率が高くなる。高開放制御が実行可能となる期間は「高開放制御期間」ともいい、この期間は、高ベース制御が行われる期間と同一であればよい。
尚、本実施例では、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図の変動表示における変動時間(特図変動時間)や普通図柄表示器20による普図の変動表示の変動時間(普図変動時間)を低ベース状態のときよりも短くする制御を実施していないが、特図の変動時間(特図変動時間)や普図の変動時間(普図変動時間)を低ベース状態のときよりも短くする制御を実施するようにしてもよい。
普通可変入賞球装置27は、普通図柄の変動表示の表示結果が普図当りとなったとき、普通電動役物開放パターンに基づく開放制御が実行される。図14に示すように、普通電動役物開放パターンには、ショート開放パターンとロング開放パターンとがある。図14(A)に示すように、ショート開放パターンは、普通入賞口の開放期間が0.06秒、その後のインターバル期間が0.776秒とされており、普通電動役物開放パターンに基づく開放制御が実行される期間は合計0.836秒である。一方、図14(B)に示すように、ロング開放パターンは、普通入賞口の開放期間が4.2秒とされ、その後のインターバル期間が0.776秒とされており、普通電動役物開放パターンに基づく開放制御が実行される期間は合計4.976秒である。
このように、ショート開放パターンに基づく普通可変入賞球装置27の開放制御が実行される場合は、普通入賞口の開放期間が短く、実質的に遊技球の入賞が困難であるため出球(賞球)の獲得は期待できないのに対し、ロング開放パターンに基づく普通可変入賞球装置27の開放制御が実行されたときは、ショート開放パターンの場合に比較して普通入賞口の開放期間が長く、3〜5球の遊技球の入賞が可能であるため出球(賞球)の獲得を期待できる。
また、普通電動役物開放パターンは、普図当りの普通図柄の変動パターンや普通図柄の当り種別により決定されるものではなく、表示結果が普図当りとなる普通図柄の変動表示が終了した時点の遊技状態が高ベース状態であるか否かにより、ショート開放パターンまたはロング開放パターンが決定されるようになっている。具体的には、表示結果が普図当りとなる普通図柄の変動表示が終了した時点の遊技状態が高ベース状態ではない、つまり、低ベース状態であるときには、普通電動役物開放パターンとして図14(A)に示すショート開放パターンが設定され、表示結果が普図当りとなる普通図柄の変動表示が終了した時点の遊技状態が高ベース状態であるときには、普通電動役物開放パターンとして図14(B)に示すロング開放パターンが設定される。
このように本実施例では、特別図柄の変動表示結果として特図当り表示結果が導出表示されて特図当り遊技状態に制御された場合、特別可変入賞球装置7の開放制御が実行されるが、特別電動役物開放パターンに基づく開放制御は、1ラウンドにおいて大入賞口が短い時間(例えば0.016秒)開放する短期開放ラウンドとされ、実質的に遊技球の入賞が困難な開放制御であるため出球(賞球)の獲得を期待できない。一方、パチンコ遊技機1の遊技状態が高ベース状態であるときには、普図当りの発生頻度が高くなるとともに、普図当りとなったときは普通可変入賞球装置27のロング開放パターンに基づく開放制御が行われて多くの出球(賞球)の獲得が可能となる。すなわち、高ベース状態において普図当りとなることで、特別図柄の変動表示結果が特図当りとなる場合よりも多くの出球(賞球)の獲得が可能となるため、遊技者にとっては特図当り遊技状態よりも高ベース状態の方が有利である。
高ベース制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに高ベース制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。また、確変制御のみが行われて高ベース制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。また、確変制御とともに高ベース制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、高ベース付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて高ベース制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、高ベースなし確変状態ということもある。確変制御が行われずに高ベース制御や高開放制御が行われる高ベース状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や高ベース制御及び高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において高ベース制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける変動表示結果が「特図当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。特図当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
このように、高開放制御が行われることにより普通入賞口が開放状態となる頻度が高まるため、高ベース状態においては、右打ちにより遊技球を通過ゲート41に進入させることにより左打ちをするよりも遊技者にとって有利となる一方、低ベース状態においては高開放制御が行われないため、右打ちにより遊技球を通過ゲート41に進入させても遊技者にとって有利とはならない。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、LED制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板91、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81、82に伝送する出力回路111、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのエラー信号等を遊技機外へ出力するための情報端子基板91に伝送する情報出力回路64などが搭載されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば演出表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、右打ち報知用LED37等の演出用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるLED制御コマンドが含まれている。
図3は、本実施例で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。尚、図3に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図3に示す例において、コマンド80XXHは、普図ゲームにおける普通図柄の変動表示に対応して演出表示装置5にて変動表示される演出図柄の変動パターン(変動表示時間)を指定する普通図柄変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。尚、普通図柄変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置5にて変動表示される演出図柄(後述する第1演出図柄)などの変動パターン(変動時間)を指定する特別図柄変動パターン指定コマンドである。
コマンド82XXHは、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図または第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する特別図柄変動開始コマンドである。
コマンド8BXXHは、普通図柄の変動表示結果を指定する普通図柄変動表示結果指定コマンドであり、普通図柄や演出図柄(後述する第2演出図柄)などの変動表示結果を指定する演出制御コマンドである。普通図柄変動表示結果指定コマンドでは、例えば図4(A)に示すように、変動表示結果が「はずれ」であるか「普図当り」であるかの決定結果(事前決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。
普通図柄変動表示結果通知コマンドでは、例えば図4(A)に示すように、コマンド8B00Hは、変動表示結果が「はずれ」となる旨の事前決定結果を示す第1普通図柄変動表示結果指定コマンドである。コマンド8B01Hは、変動表示結果が「特図当り」となる旨の事前決定結果を通知する第2普通図柄変動表示結果指定コマンドである。
コマンド8CXXHは、特別図柄変動表示結果を指定する特別図柄変動表示結果通知コマンドであり、特別図柄や演出図柄(後述する第1演出図柄)などの変動表示結果を指定する演出制御コマンドである。特別変動表示結果通知コマンドでは、例えば図4(B)に示すように、変動表示結果が「はずれ」であるか「特図当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、変動表示結果が「特図当り」となる場合の特図当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(特図当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。
特別図柄変動表示結果通知コマンドでは、例えば図4(B)に示すように、コマンド8C00Hは、変動表示結果が「はずれ」となる旨の事前決定結果を示す第1特別図柄変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C01Hは、変動表示結果が「特図当り」で特図当り種別が「非確変A」となる旨の事前決定結果及び特図当り種別決定結果を通知する第2特別図柄変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C02Hは、変動表示結果が「特図当り」で特図当り種別が「非確変B」となる旨の事前決定結果及び特図当り種別決定結果を通知する第3特別図柄変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C03Hは、変動表示結果が「特図当り」で特図当り種別が「非確変C」となる旨の事前決定結果及び特図当り種別決定結果を通知する第4特別図柄変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C04Hは、変動表示結果が「特図当り」で特図当り種別が「非確変D」となる旨の事前決定結果及び特図当り種別決定結果を通知する第5特別図柄変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C05Hは、変動表示結果が「特図当り」で特図当り種別が「非確変E」特図当りとなる旨の事前決定結果及び特図当り種別決定結果を通知する第6特別図柄変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C06Hは、変動表示結果が「特図当り」で特図当り種別が「非確変F」となる旨の事前決定結果及び特図当り種別決定結果を通知する第7特別図柄変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C07Hは、変動表示結果が「特図当り」で特図当り種別が「確変A」となる旨の事前決定結果及び特図当り種別決定結果を通知する第8特別図柄変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C08Hは、変動表示結果が「特図当り」で特図当り種別が「確変B」となる旨の事前決定結果及び特図当り種別決定結果を通知する第9特別図柄変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C09Hは、変動表示結果が「特図当り」で特図当り種別が「確変C」となる旨の事前決定結果及び特図当り種別決定結果を通知する第10特別図柄変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C0AHは、変動表示結果が「特図当り」で特図当り種別が「確変D」となる旨の事前決定結果及び特図当り種別決定結果を通知する第11特別図柄変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C0BHは、変動表示結果が「特図当り」で特図当り種別が「確変E」となる旨の事前決定結果及び特図当り種別決定結果を通知する第12特別図柄変動表示結果指定コマンドである。
コマンド8D00Hは、普通図柄や演出図柄の変動表示を停止することを通知する普通図柄確定指定コマンドである。コマンド8F00Hは、特別図柄や演出図柄の変動表示を停止することを通知する特別図柄確定指定コマンドである。
コマンド9000Hは、電源投入時の初期画面を表示することを指定する初期化(電源投入)指定コマンドである。コマンド9200Hは、停電復旧時の停電復旧画面を表示することを指定する停電復旧指定コマンドである。コマンド9300Hは、EXTデータで示すエラーが発生したことを指定するエラー指定コマンドである。
コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを高ベース制御も確変制御も行われない第1遊技状態(低確低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを確変制御が行われ高ベース制御が行われない第2遊技状態(高確低ベース状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとし、コマンド9502Hを確変制御が行われず高ベース制御が行われる第3遊技状態(低確高ベース状態)に対応した第3遊技状態指定コマンドとし、コマンド9503Hを確変制御が行われず高ベース制御が行われる第4遊技状態(低確高ベース状態)に対応した第4遊技状態指定コマンドとし、コマンド9504Hを確変制御も高ベース制御も行われる第5遊技状態(高確高ベース状態)に対応した第5遊技状態指定コマンドとする。コマンド9FXXHは、客待ちデモンストレーション表示を指定する客待ちデモ指定コマンドである。
コマンド9C01Hは、右打ち報知用LED37の点灯を開始することを指定する右打ち点灯開始指定コマンドである。右打ち点灯開始指定コマンドは、低ベース状態において実行された特別図柄の変動表示の変動表示結果が「特図当り」となり、且つ、その特図当り種別が確変B又は非確変Bであるとき(即ち特図当り遊技状態終了後に高ベース状態に移行する特図当り種別のとき)に、特図当り開始指定コマンド(コマンドA0XXH)と共にセットで送信される。右打ち点灯開始指定コマンドを受信した演出制御用CPU120は、直ちに右打ち報知用LED37を点灯させる制御信号を出力する。
なお、本実施例では、低ベース状態において実行された特別図柄の変動表示の変動表示結果が「特図当り」となったとき、特図当り種別が確変A又は非確変Aの場合(特図当り遊技状態終了後に低ベース状態が継続する特図当り種別の場合)には右打ち点灯開始指定コマンドを送信せず、特図当り種別が確変B又は非確変Bの場合(特図当り遊技状態終了後に高ベース状態に移行する特図当り種別の場合)にのみ右打ち点灯開始指定コマンド(コマンド9C01H)を送信するようにしているが、このような形態に限らず、低ベース状態において変動表示結果が「特図当り」となったときには、特図当り種別によらず、右打ち点灯開始指定コマンド(コマンド9C01H)を送信するようにしても良い。
コマンド9C00Hは、右打ち報知用LED37の点灯を終了することを指定する右打ち点灯終了指定コマンドである。右打ち点灯終了指定コマンドは、特図当り遊技状態終了後(演出制御基板側における特図当り終了演出後)に低ベース状態に制御される場合(確変A、非確変A、非確変Eの場合)に、当該特図当り遊技状態が終了するタイミング(演出制御基板側で特図当り終了演出が終了するタイミング)で送信される。また、前述したように、本実施例では、特図当り遊技状態終了後に高ベース状態に制御された場合、変動表示結果が「特図当り」となることなく所定回数(例えば、第3遊技状態では1回であり、第4遊技状態では100回)の特図の変動表示が実行されると、当該高ベース状態が終了して低ベース状態に移行する。この場合には、所定回数(例えば、1回または100回)目の特図の変動表示の確定特別図柄(変動表示結果)が導出表示されてから900ms後に、右打ち点灯終了指定コマンドが送信されるものとする。右打ち点灯終了指定コマンドを受信した演出制御用CPU120は、直ちに右打ち報知用LED37を消灯させる制御信号を出力する。
コマンドA0XXHは、特図当り遊技状態の開始を示す演出画像(特図当りファンファーレ演出画像)の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、特図当り遊技状態においてEXTデータが示す回数目の大入賞口の開放期間であることを示す演出画像の表示を指定する大入賞口開放中指定コマンドである。コマンドA2XXHは、特図当り遊技状態においてEXTデータが示す回数目の大入賞口の開放期間が終了したことを示す演出画像の表示を指定する大入賞口開放後指定コマンドである。コマンドA3XXHは、特図当り遊技状態の終了時における演出画像(特図当りエンディング演出画像)の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
特図当り開始指定コマンドや特図当り終了指定コマンドでは、例えば変動表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や特図当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、特図当り開始指定コマンドや特図当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び特図当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、変動表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。尚、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドでは、特図当り遊技状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」、「2」)に対応して異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、第1普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて第1始動入賞が発生したことに基づき、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、第2普通入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて第2始動入賞が発生したことに基づき、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、第1保留記憶表示エリア5Dなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数指定コマンドである。第1保留記憶数指定コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、第1保留記憶数指定コマンドは、第1開始条件が成立したとき(保留記憶数が減少したとき)に、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
コマンドC6XXHは、普通可変入賞球装置27に遊技球が入賞したことに基づき10個の遊技球を払出したこと示す演出画像の表示を指定する普通電動役物入賞指定コマンドである。コマンドC7XXHは、通過ゲート41を遊技球が通過したことを指定するゲート通過指定コマンドである。
コマンドC8XXHは、EXTデータが示す開放パターンによる普通可変入賞球装置27の開放開始を指定する普通電動役物開放開始指定コマンドである。コマンドC9XXHは、EXTデータが示す開放パターンによる普通可変入賞球装置27の開放終了を指定する普通電動役物開放終了指定コマンドである。普通電動役物開放開始指定コマンドや普通電動役物開放終了指定コマンドでは、例えば後述する普通可変入賞球装置27の開放パターン種別に応じて異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンドC800Hを後述する普電ショート開放パターンに対応した普通電動役物開放開始指定コマンドとし、コマンドC801Hを後述する普電ロング開放パターンに対応した普通電動役物開放開始指定コマンドとする。また、コマンドC900Hを後述する普電ショート開放パターンに対応した普通電動役物開放終了指定コマンドとし、コマンドC901Hを後述する普電ロング開放パターンに対応した普通電動役物開放終了指定コマンドとする。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図5は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図5に示すように、この実施例では、主基板11の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1の他、特図当り種別判定用の乱数値MR2、特図変動パターン判定用の乱数値MR3、普図表示結果判定用の乱数値MR4、MR4の初期値決定用の乱数値MR5、普図変動パターン判定用の乱数値MR6のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。尚、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。これらの乱数値MR1〜MR6は、CPU103にて、異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによる更新によってカウントするようにしてもよいし、乱数回路104によって更新されてもよい。乱数回路104は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100とは異なる乱数回路チップとして構成されるものであってもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
図11は、普通図柄の変動パターンを示す説明図である。本実施例では、遊技状態が後述する第1〜第5遊技状態のいずれであるか否かにかかわらず、変動表示結果が「はずれ」となる場合の普通図柄変動パターンと、変動表示結果が「普図当り」となる場合の普通図柄変動パターンとが用意されている。また、変動表示結果が「はずれ」である場合に対応した変動パターンは普図はずれ変動パターンと称され、変動表示結果が普図当りである場合に対応した変動パターンは普図当り変動パターンと称される。また、普図はずれ変動パターン(FPA1−1)と普図当り変動パターン(FPA2−1)は、特図変動時間としてそれぞれ2.7秒(2700ms)が設定されている。
尚、本実施例では、普図はずれ変動パターンと普図当り変動パターンとして、特図変動時間が同一の変動パターンがそれぞれ1つずつ用意されているが、普図はずれ変動パターンとして変動表示の変動時間が異なる複数の変動パターンが用意されていてもよいし、普図当り変動パターンとして変動表示の変動時間が異なる複数の変動パターンが用意されていてもよい。
図12は、特別図柄の変動パターンを示す説明図である。本実施例では、遊技状態が後述する第1遊技状態(低確低ベース状態)である場合において、特別図柄の変動表示結果が「はずれ」となる場合と「特図当り」となる場合の各々に対応して、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である複数の変動パターンと「リーチ」である複数の変動パターンとが予め用意されている。
また、遊技状態が後述する第2遊技状態(高確低ベース状態)である場合において、特別図柄の変動表示結果が「特図当り」となる場合に対応して、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である複数の変動パターンと「リーチ」である複数の変動パターンとが予め用意されている。
尚、変動表示結果が「はずれ」で演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、特図非リーチ変動パターン(「特図非リーチはずれ変動パターン」ともいう)と称され、変動表示結果が「はずれ」で演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、特図リーチ変動パターン(「特図リーチはずれ変動パターン」ともいう)と称される。また、特図非リーチ変動パターンと特図リーチ変動パターンは、特別図柄の変動表示結果が「はずれ」となる場合に対応したはずれ変動パターンに含まれる。変動表示結果が「特図当り」である場合に対応した変動パターンは、特図当り変動パターンと称される。
特図リーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行される特図ノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行される特図スーパーリーチ変動パターンとがある。尚、本実施例では、特図ノーマルリーチ変動パターンを1種類のみしか設けていないが、本発明はこれに限定されるものではなく、スーパーリーチと同様に、ノーマルリーチα、ノーマルリーチβ、…のように、複数の特図ノーマルリーチ変動パターンを設けても良い。また、特図スーパーリーチ変動パターンでも、スーパーリーチαやスーパーリーチβに加えてスーパーリーチγ…といった3以上の特図スーパーリーチ変動パターンを設けても良い。
特別図柄の変動表示におけるノーマルリーチのリーチ演出が実行される特図ノーマルリーチ変動パターンの特図変動時間については、特図スーパーリーチ変動パターンであるスーパーリーチα、スーパーリーチβよりも短く設定されている。また、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行される特図スーパーリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチβのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンの方が、スーパーリーチαのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンよりも特図変動時間が長く設定されている。
尚、特図変動パターンでは、スーパーリーチ、ノーマルリーチ、非リーチの順に特別図柄の変動表示結果が「特図当り」となる特図当り期待度が高くなるように設定されている。また、特図リーチ変動パターンにおいては、スーパーリーチβ、スーパーリーチα、ノーマルリーチの順に特別図柄の変動表示結果が「特図当り」となる特図当り期待度が高くなるように設定されているため、ノーマルリーチ変動パターン及びスーパーリーチ変動パターンにおいては変動時間が長いほど特図当り期待度が高くなっている。
尚、特図非リーチ変動パターン(TPA5−1)は、第1遊技状態において、第2特別図柄の変動表示結果が「はずれ」となる場合において、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である特図非リーチ変動パターンとなる変動パターンとされ、特図非リーチ変動パターン(TPB1−1)は、第1遊技状態または第2遊技状態において、第2特別図柄の変動表示結果が「特図当り」となる場合において、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である特図非リーチ変動パターンとなる変動パターンとされている。
遊技状態が後述する第3遊技状態(低確高ベース状態)である場合において、特別図柄の変動表示結果が「はずれ」となる場合に対応して、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である特図非リーチ変動パターン(TPA3−1)が用意され、特別図柄の変動表示結果が「特図当り」となる場合に対応して、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である複数の特図非リーチ変動パターン(TPB3−1〜2)が用意されている。これら特図非リーチ変動パターン(TPA3−1、TPB3−1〜2)は、特図変動時間としてそれぞれ60秒(60000ms)が設定されている。
遊技状態が後述する第4遊技状態(低確高ベース状態)である場合において、第4遊技状態に移行してから最初の1変動目において特別図柄の変動表示結果が「はずれ」となる場合に対応して、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である特図非リーチ変動パターン(TPA4−1)が用意され、2変動目以降において特別図柄の変動表示結果が「はずれ」となる場合に対応して、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である特図非リーチ変動パターン(TPA4−2)が用意されている。また、第4遊技状態(低確高ベース状態)である場合において、第4遊技状態に移行してから最初の1変動目において特別図柄の変動表示結果が「特図当り」となる場合に対応して、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である複数の特図非リーチ変動パターン(TPB4−1)が用意され、2変動目以降において特別図柄の変動表示結果が「特図当り」となる場合に対応して、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である複数の特図非リーチ変動パターン(TPB4−2)が用意されている。1変動目に対応する特図非リーチ変動パターン(TPA4−1、TPB4−1)には、特図変動時間としてそれぞれ60秒(60000ms)が設定され、2変動目以降に対応する特図非リーチ変動パターン(TPA4−2、TPB4−2)には、特図変動時間としてそれぞれ10秒(10000ms)が設定されている。
遊技状態が後述する第5遊技状態(高確高ベース状態)である場合において、特別図柄の変動表示結果が「特図当り」となる場合に対応して、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である特図非リーチ変動パターン(TPB5−1〜5)が用意されている。特図非リーチ変動パターン(TPA5−1〜3)には、特図変動時間としてそれぞれ20秒(20000ms)が設定され、特図非リーチ変動パターン(TPB5−4)には、特図変動時間として2.4秒(2400ms)が設定され、特図非リーチ変動パターン(TPA5−5)には、特図変動時間として2.8秒(2800ms)が設定されている。
特図非リーチ変動パターン(TPB5−1〜3)は、普通電動役物開放パターンに基づく普通可変入賞球装置27の開放制御が実行されない場合に対応した変動パターンとされている。一方、特図非リーチ変動パターン(TPA5−4)は、普電ショート開放パターンに基づく普通可変入賞球装置27の開放制御を実行する場合に対応した変動パターンとされている。また、特図非リーチ変動パターン(TPB5−5)は、普電ロング開放パターンに基づく普通可変入賞球装置27の開放制御を実行する場合に対応した変動パターンとされている。
尚、本実施例においては、後述するように、これら特別図柄の変動パターンを、例えば、非リーチ、ノーマルリーチ、スーパーリーチといった種別を先に決定することなしに変動パターン判定用の乱数値MR3のみを用いて決定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば、変動パターン判定用の乱数値MR3に加えて、変動パターン種別判定用の乱数値を設けて、これら変動パターン種別判定用の乱数値から変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンに属する変動パターンから実行する変動パターンを決定するようにしても良い。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行し、RAM102をワークエリアとして用いることで、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種の処理が実行される。また、CPU103は、乱数生成プログラムを実行することで、主基板11の側において用いられる各種の乱数の全てを生成可能とされている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のテーブルデータなどが記憶されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために予め用意された複数の判定テーブルや設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、特別図柄や普通図柄などの変動表示における各図柄の変動態様となる変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが記憶されている。
次に、ROM101に記憶されている各種判定テーブルについて、図7〜図9に基づいて説明する。図7は、(A)は低確時特別図柄表示結果判定テーブル、(B)は高確時特別図柄表示結果判定テーブルを示す説明図である。図8は、(A)は低ベース時普通図柄表示結果判定テーブル、(B)は高ベース時普通図柄表示結果判定テーブルを示す説明図である。図9は、(A)は第1遊技状態である場合に用いる特図当り種別判定テーブルA、(B)は第2遊技状態である場合に用いる特図当り種別判定テーブルB、(C)は第3遊技状態である場合に用いる特図当り種別判定テーブルC、(D)は第4遊技状態である場合に用いる特図当り種別判定テーブルD、(E)は第5遊技状態である場合に用いる特図当り種別判定テーブルEを示す説明図である。
図7(A)に示す低確時特別図柄表示結果判定テーブル及び図7(B)に示す高確時特別図柄表示結果判定テーブルは、第1特別図柄表示器4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや第2特別図柄表示器4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて変動表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その変動表示結果を「特図当り」として特図当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果判定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
低確時特別図柄表示結果判定テーブルは、パチンコ遊技機1における遊技状態が低確時、つまり、確変制御が行われない非確変状態(低確状態)にて用いるテーブルであり、高確時特別図柄表示結果判定テーブルは、パチンコ遊技機1における遊技状態が高確時、つまり、確変制御が行われる確変状態(高確状態)にて用いるテーブルである。
低確時特別図柄表示結果判定テーブルでは、0〜9174の判定値が特図当りに割り当てられ、残りの9175〜65535の判定値がはずれに割り当てられている。一方、高確時特別図柄表示結果判定テーブルでは、0〜65535の全ての判定値が特図当りに割り当てられ、はずれには判定値が割り当てられていない。そしてCPU103は、MR1の値が図7(A)または図7(B)に示す特図当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して特図当り(非確変A〜非確変F、確変A〜確変Eのいずれか)とすることを決定する。よって、低確時においては14/100の確率(割合)で特図当りに当選し、高確時においては、100/100の確率(割合)で特図当りに当選する(はずれなし)。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、低確状態であるときに特図表示結果を「特図当り」として特図当り遊技状態に制御すると決定される確率(本実施例では約14/100)に比べて、特図表示結果を「特図当り」として特図当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる(本実施例では約100/100)。即ち、表示結果判定テーブルでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、非確変状態(低確状態)であるときに比べて特図当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように(1/1の確率を含む)、判定用データが特図当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
尚、本実施例では、CPU103は、低確時特別図柄表示結果判定テーブルまたは高確時特別図柄表示結果判定テーブルを用いて特図当りとするか否かを判定するようになっているが、変動特図指定バッファにより第1特別図柄の変動表示である場合と第2特別図柄の変動表示である場合とで別個のテーブルを用いて行うようにしてもよい。
図9は、ROM101に記憶される特図当り種別判定テーブルの構成例を示している。本実施例の特図当り種別判定テーブルは、特図表示結果を「特図当り」として特図当り遊技状態に制御すると決定されたときに、特図当り種別判定用の乱数値MR2に基づき、特図当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。このうち、図9(A)〜(E)に示す特図当り種別判定テーブルでは、特図ゲームにおいて変動表示(変動)が行われた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲーム)であるか第2特図(第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲーム)であるかに応じて、特図当り種別判定用の乱数値MR2と比較される数値(判定値)が、「非確変A〜F」や「確変A〜E」といった複数種類の特図当り種別に割り当てられている。
ここで、本実施例における特図当り種別について、図6を用いて説明すると、本実施例では、特図当り種別として、特図当り遊技の終了後において後述する第1遊技状態(低確低ベース状態)に制御される非確変A及び非確変Eと、特図当り遊技の終了後において後述する第2遊技状態(高確低ベース状態)に制御される確変Aと、特図当り遊技の終了後において後述する第3遊技状態(低確高ベース状態)に制御される非確変Bと、特図当り遊技の終了後において後述する第4遊技状態(低確高ベース状態)に制御される非確変C、非確変D及び非確変Fと、特図当り遊技の終了後において後述する第5遊技状態(高確高ベース状態)に制御される確変B〜Eと、が設定されている。尚、本実施例では、「非確変A〜F」(非確変特図当り)や「確変A〜E」(確変特図当り)の何れの特図当り種別に決定された場合でも、特図当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7は特別電動役物開放パターン(短期開放ラウンド)に基づく開放制御が実行される(図13参照)。
非確変Bの特図当り遊技状態の終了後において実行される高ベース制御は、該特図当り遊技状態の終了後において所定回数(本実施例では1回)の特図ゲームが実行されることまたは特図当り遊技状態となることにより終了する。また、非確変C、非確変D及び非確変Fの特図当り遊技状態の終了後において実行される高ベース制御は、該特図当り遊技状態の終了後において所定回数(本実施例では100回)の特図ゲームが実行されること、或いは該所定回数の特図ゲームが実行される前に特図当り遊技状態となることにより終了する。また、確変B〜Eの特図当り遊技状態の終了後において実行される高確制御と高ベース制御は、該特図当り遊技状態の終了後において再度特図当りが発生するまで継続して実行される。
図9(A)に示すように、特図当り種別判定テーブルA(第1特別図柄用)においては、MR2の判定値の範囲0〜999のうち、0〜11までが非確変Bに割り当てられ、12〜19までが確変Bに割り当てられ、20〜999までが確変Aに割り当てられている。このため、第1遊技状態における第1特別図柄の特図ゲームにおいて特図当りが発生した場合は、約98%の割合で特図当り遊技終了後に第2遊技状態に制御されるようになっている。一方、特図当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)においては、MR2の判定値の範囲0〜999のうち、0〜11までが非確変Aに割り当てられ、12〜999までが確変Aに割り当てられている。このため、第1遊技状態における第2特別図柄の特図ゲームにおいて特図当りが発生した場合は、約98%の割合で特図当り遊技終了後に第2遊技状態(低ベース状態)に制御されるようになっている。
図9(B)に示すように、特図当り種別判定テーブルB(第1特別図柄用)においては、MR2の判定値の範囲0〜999のうち、0〜9までが非確変Aに割り当てられ、10〜11までが非確変Bに割り当てられ、12〜13までが確変Bに割り当てられ、14〜999までが確変Aに割り当てられている。このため、第2遊技状態における第1特別図柄の特図ゲームにおいて特図当りが発生した場合は、約98%の割合で特図当り遊技終了後に第2遊技状態に制御される(第2遊技状態が継続する)ようになっている。一方、特図当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)においては、MR2の判定値の範囲0〜999のうち、0〜11までが非確変Aに割り当てられ、12〜999までが確変Aに割り当てられている。このため、第2遊技状態における第2特別図柄の特図ゲームにおいて特図当りが発生した場合は、約98%の割合で特図当り遊技終了後に第2遊技状態(低ベース状態)に制御される(第2遊技状態が継続する)ようになっている。
図9(C)に示すように、特図当り種別判定テーブルC(第1特別図柄用)においては、MR2の判定値の範囲0〜999のうち、0〜11までが非確変Cに割り当てられ、12〜999までが確変Cに割り当てられている。このため、第3遊技状態における第1特別図柄の特図ゲームにおいて特図当りが発生した場合は、約98%の割合で特図当り遊技終了後に第5遊技状態に制御されるようになっている。一方、特図当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)においては、MR2の判定値の範囲0〜999のうち、0〜11までが非確変Cに割り当てられ、12〜999までが確変Cに割り当てられている。このため、第3遊技状態における第2特別図柄の特図ゲームにおいて特図当りが発生した場合は、約98%の割合で特図当り遊技終了後に第5遊技状態に制御されるようになっている。
図9(D)に示すように、特図当り種別判定テーブルD(第1特別図柄用)においては、MR2の判定値の範囲0〜999のうち、0〜11までが非確変Dに割り当てられ、12〜999までが確変Dに割り当てられている。このため、第4遊技状態における第1特別図柄の特図ゲームにおいて特図当りが発生した場合は、約98%の割合で特図当り遊技終了後に第5遊技状態に制御されるようになっている。一方、特図当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)においては、MR2の判定値の範囲0〜999のうち、0〜11までが非確変Cに割り当てられ、12〜999までが確変Cに割り当てられている。このため、第4遊技状態における第2特別図柄の特図ゲームにおいて特図当りが発生した場合は、約98%の割合で特図当り遊技終了後に第5遊技状態に制御されるようになっている。
図9(E)に示すように、特図当り種別判定テーブルE(第1特別図柄用)においては、MR2の判定値の範囲0〜999のうち、0〜1までが非確変Fに割り当てられ、2〜989までが確変Eに割り当てられ、990〜999までが非確変Eに割り当てられている。このため、第5遊技状態における第1特別図柄の特図ゲームにおいて特図当りが発生した場合は、約98%の割合で特図当り遊技終了後に第5遊技状態に制御されるようになっている。一方、特図当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)においては、MR2の判定値の範囲0〜999のうち、0が非確変Fに割り当てられ、1〜988までが確変Eに割り当てられ、989〜999までが非確変Eに割り当てられている。このため、第5遊技状態における第2特別図柄の特図ゲームにおいて特図当りが発生した場合は、約98%の割合で特図当り遊技終了後に第5遊技状態に制御されるようになっている。
ここで、遊技状態の遷移状況について、図10に基づいて説明する。図10は、遊技状態の遷移状況を示す説明図である。本実施例では、パチンコ遊技機1における遊技状態として、第1〜5遊技状態が設定されている。
第1遊技状態は、低確低ベース状態に制御される遊技状態であり、第2遊技状態は、高確低ベース状態に制御される遊技状態であり、第3、4遊技状態は、低確高ベース状態に制御される遊技状態であり、第5遊技状態は、高確高ベース状態に制御される遊技状態である。また、第3遊技状態は、1回の特図ゲームが実行されることまたは特図当り遊技状態となることにより高ベース制御が終了する遊技状態とされているのに対し、第4遊技状態は、100回の特図ゲームが実行されること、或いは該100回の特図ゲームが実行される前に特図当り遊技状態となることにより高ベース制御が終了する遊技状態とされている。
本実施例では、低確状態であるか高確状態であるかにかかわらず、低ベース状態である第1遊技状態及び第2遊技状態である場合は、左打ちにて遊技する方が右打ちするよりも有利な状態であり、高ベース状態である第3〜5遊技状態である場合は、右打ちにて遊技する方が左打ちするよりも有利な状態とされている。
また、各遊技状態の演出上の名称として、1回の特図ゲームが実行されることまたは特図当り遊技状態となることにより高ベース制御が終了する第3遊技状態を「チャンスゾーン」と称し、100回の特図ゲームが実行されること、或いは該100回の特図ゲームが実行される前に特図当り遊技状態となることにより高ベース制御が終了する第4遊技状態を「無敵ゾーン」と称し、特図当り遊技状態の終了後において再度特図当りが発生するまで高ベース制御が継続して実行される第5遊技状態を「ラッシュ(RUSH)」と称し、これら高ベース状態のうち第4遊技状態と5遊技状態とをまとめて「有利区間」と称することもある。尚、高ベース状態では、第4遊技状態>第5遊技状態>第3遊技状態のように遊技者にとっての有利度が高くなるように設定されている。
第1遊技状態(低確低ベース状態)において特図当りに当選した場合、特図当り種別が確変Aである場合は第2遊技状態(高確低ベース状態)に移行し、特図当り種別が非確変Bである場合は第3遊技状態(低確高ベース状態;高ベース1回)に移行し、特図当り種別が確変Bである場合は第5遊技状態(高確高ベース状態;高ベース次回特図当りまで)に移行する。よって、第1遊技状態において14/100の確率で特図当りに当選した場合、約98%の割合で確変Aとなり低ベース状態である第2遊技状態へ移行し、高ベース状態である第3遊技状態や第5遊技状態へは移行しにくいため、第1遊技状態は遊技者にとって不利な遊技状態とされている。
第2遊技状態(高確低ベース状態)において特図当りに当選した場合、特図当り種別が確変Aである場合は第2遊技状態が継続し、特図当り種別が非確変Aである場合は第1遊技状態(低確低ベース状態)に移行し、特図当り種別が非確変Bである場合は第3遊技状態(低確高ベース状態;高ベース1回)に移行し、特図当り種別が確変Bである場合は第5遊技状態(高確高ベース状態;高ベース次回特図当りまで)に移行する。よって、第2遊技状態において100/100の確率で特図当りに当選した場合、約98%の割合で確変Aとなり低ベース状態である第2遊技状態が継続し、高ベース状態である第3遊技状態や第5遊技状態へは移行しにくいため、第2遊技状態は遊技者にとって不利な遊技状態とされている。
このように、パチンコ遊技機1の遊技状態が第1遊技状態や第2遊技状態である場合、14/100や100/100の確率で特図当りに当選したとしても、特図当り種別として第3遊技状態や第5遊技状態(高ベース状態)に移行する非確変Bや確変Bに決定される割合は低いため、通常は、第1遊技状態と第2遊技状態のいずれかに滞在している期間が長い。
第3遊技状態(低確高ベース状態;高ベース1回)において特図当りに当選した場合、特図当り種別が確変Cである場合は第5遊技状態(高確高ベース状態;高ベース次回特図当りまで)に移行し、特図当り種別が非確変Cである場合は第4遊技状態(低確高ベース状態;高ベース100回)に移行する。よって、第3遊技状態において14/100の確率で特図当りに当選した場合、約98%の割合で確変Cとなり第5遊技状態へ移行し、約2%の割合で第4遊技状態へ移行する。つまり、第3遊技状態からは、第4遊技状態に移行するよりも高い割合で第5遊技状態に移行するように設定されている。
但し、第3遊技状態は低確状態であるため、1回目の特別図柄の変動表示において特図当りに当選しない場合、つまり、86/100の確率で変動表示結果がはずれとなった場合、高ベース制御の終了の伴い、第1遊技状態に移行することになる。すなわち、第3遊技状態では、1回の変動表示で特図当りに当選しなければ第1遊技状態に転落することになり、かつ、変動表示結果は特図当りとなるよりも高い割合ではずれとなるため、第1遊技状態に移行しやすく、第4遊技状態または第5遊技状態に移行しにくい。
第4遊技状態(低確高ベース状態;高ベース100回)において特図当りに当選した場合、特図当り種別が確変Dである場合は第5遊技状態(高確高ベース状態;高ベース次回特図当りまで)に移行し、特図当り種別が非確変Dである場合は第4遊技状態が継続する。よって、第4遊技状態において14/100の確率で特図当りに当選した場合、約98%の割合で確変Dとなり第5遊技状態へ移行し、約2%の割合で非確変Dとなり第4遊技状態が継続する。尚、非確変Dの特図当りに当選した場合、高ベース回数がリセットされてその時点から新たに100回の高ベース制御が設定される。
また、第4遊技状態は低確状態であるため、特別図柄の変動表示において特図当りに当選しない場合、つまり、86/100の確率で変動表示結果がはずれとなった場合は第4遊技状態が継続する。すなわち、変動表示結果は特図当りとなるよりも高い割合ではずれとなるので、第5遊技状態に移行するよりも高い割合で第4遊技状態が継続する。尚、特図当りに当選することなく100回の変動表示が終了した場合は第1遊技状態に移行するがその確率は極めて低く、また、特図当りに当選しても第1遊技状態や第2遊技状態に移行することはないので、第4遊技状態は他の第3遊技状態や第5遊技状態よりも有利な遊技状態である。
第5遊技状態(高確高ベース状態;高ベース次回特図当りまで)において特図当りに当選した場合、特図当り種別が非確変Fである場合は第4遊技状態(低確高ベース状態;高ベース100回)に移行し、特図当り種別が確変Eである場合は第5遊技状態が継続し、特図当り種別が非確変Eである場合は第1遊技状態(低確低ベース状態)に移行する。よって、第5遊技状態において100/100の確率で特図当りに当選した場合、約98%の割合で確変Eとなり第5遊技状態が継続し、約2%の割合で非確変Fとなり第4遊技状態に移行するか、非確変Eとなり第1遊技状態に移行する。
このように第5遊技状態は、第1遊技状態や第4遊技状態へ移行するよりも高い割合で第5遊技状態が継続する一方、第4遊技状態へ移行する確率は極めて低く、また、第1遊技状態へ移行、つまり、低ベース状態に転落する可能性がある遊技状態であるため、第3遊技状態よりも有利ではあるが、第4遊技状態よりは不利な遊技状態である。
図8は、普通図柄表示結果判定テーブルを示す説明図である。図8(A)に示す低ベース時普通図柄表示結果判定テーブル及び図8(B)に示す高ベース時普通図柄表示結果判定テーブルは、普通図柄を用いた普図ゲームにおいて変動表示結果となる確定普通図柄が導出表示される以前に、その変動表示結果を「普図当り」として普通可変入賞球装置27を開放状態に制御するか否かを、普通図柄表示結果判定用の乱数値MR4に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
低ベース時普通図柄表示結果判定テーブルは、パチンコ遊技機1における遊技状態が低ベース時(非高ベース状態)にて用いるテーブルであり、高ベース時普通図柄表示結果判定テーブルは、パチンコ遊技機1における遊技状態が高ベース時(高ベース状態)にて用いるテーブルである。
低ベース時普通図柄表示結果判定テーブルでは、0の判定値が当りに割り当てられ、残りの1〜250の判定値がはずれに割り当てられている。一方、高ベース時普通図柄表示結果判定テーブルでは、0〜250の全ての判定値が当りに割り当てられ、はずれには判定値が割り当てられていない。そしてCPU103は、MR4の値が図8(A)または図8(B)に示す当り判定値に一致すると、普通図柄に関して普図当りとすることを決定する。よって、低ベース時においては1/250の確率(割合)で当りに当選し、高ベース時においては、250/250の確率(割合)で当りに当選する(はずれなし)。これにより、高ベース状態では、非高ベース状態(低ベース状態)であるときに普図表示結果を普図当りとして普通可変入賞球装置27を開放状態に制御すると決定される確率(本実施例では約1/250)に比べて、高ベース状態であるときに普図表示結果を普図当りとして普通可変入賞球装置27を開放状態に制御する確率が高くなる(本実施例では約250/250)。即ち、表示結果判定テーブルでは、高ベース状態であるときに、非高ベース状態(低ベース状態)であるときに比べて普通可変入賞球装置27を開放状態に制御すると決定される確率が高くなるように(1/1の確率を含む)、判定用データが普通可変入賞球装置27を開放状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、遊技制御用データ保持エリアが設けられている。遊技制御用データ保持エリアは、第1特図保留記憶部と、遊技制御フラグ設定部と、遊技制御タイマ設定部と、遊技制御カウンタ設定部と、遊技制御バッファ設定部とを備えている。尚、本実施例では、第2特図保留記憶部と普図保留記憶部は備えていない。
第1特図保留記憶部は、第1普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部は、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された変動表示結果判定用の乱数値MR1や特図当り種別判定用の乱数値MR2、特別図柄変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部に記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき特図当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
遊技制御フラグ設定部には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するための複数種類のカウンタが設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部には、遊技用乱数の一部または全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
遊技制御カウンタ設定部のランダムカウンタには、乱数回路104で生成されない乱数値、例えば、乱数値MR1〜MR6を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、演出表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、LED制御基板14に対してLEDデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線、コントローラセンサユニット35Aやプッシュセンサ35Bからの検出信号を伝送するための配線などが接続されている。
LED制御基板14は、演出制御用CPU120からの制御信号に応じて、演出用LEDである枠LED9、開放報知用LED36、右打ち報知用LED37、通過時演出用LED、及び玉数報知用LED39の点灯/消灯制御(7セグメントのLEDは各セグメントの点灯/消灯制御を含む)を実行するものである。また、枠LED9や開放報知用LED36等の、複数の色で発光可能なLEDに関しては、点灯制御を行う際に点灯色の制御も併せて実行するものである。
尚、演出制御基板12の側においても、主基板11と同様に、例えば、予告演出等の各種の演出の種別を決定するための乱数値(演出用乱数ともいう)が設定されている。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば演出表示装置5やスピーカ8L,8R、枠LED9等の演出用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば、特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターン等が、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。予告演出制御パターンは、例えば、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、図示しない演出制御用データ保持エリアが設けられている。この演出制御用データ保持エリアは、演出制御フラグ設定部と、演出制御タイマ設定部と、演出制御カウンタ設定部と、演出制御バッファ設定部とを備えている。
演出制御フラグ設定部には、例えば演出表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部には、例えば演出表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
本実施例では、演出制御バッファ設定部の所定領域に、第1保留記憶表示エリア5Dにて保留記憶表示を行うための始動入賞時受信コマンドバッファが設定されている。始動入賞時受信コマンドバッファには、第1特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応した領域)が設けられており、各格納領域に、始動入賞の有無を示すデータ(具体的には始動入賞無しを示す「0」と、始動入賞有りを示す「1」)とが記憶されている。第1保留記憶表示エリア5Dでは、第1特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値に対応した格納領域に格納されているデータに基づいて保留記憶表示を行う。尚、これら始動入賞時受信コマンドバッファのデータは、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドの受信や、第1特別図柄変動開始コマンドの受信に応じて、後述する演出制御プロセス処理内の第1保留記憶表示更新処理(S712、図33参照)にて更新されるとともに、更新後の始動入賞時受信コマンドバッファのデータに基づいて第1保留記憶表示エリア5Dにおける保留記憶表示が更新される。
具体的には、第1始動入賞口への始動入賞があったことに基づいて第1始動口入賞指定コマンドを受信したときには、第1保留記憶表示エリア5Dにおける保留記憶表示に、丸型の白色表示が新たに追加される一方、新たに第1特図の変動が開始されたことに基づいて第1特別図柄変動開始コマンドを受信したときには、第1保留記憶表示エリア5Dにおける保留記憶表示のうち、最上位(最も先に始動入賞した保留記憶)の丸型の白色表示が消去されて、その他の丸型の白色表示が、所定方向(例えば、左方向)にシフト(移動)するように、保留記憶表示を更新する。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。尚、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受付けると、図15のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。タイマ割込処理において、CPU103は、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。電源断信号は、例えば、電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU103は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。
次いで、CPU103は、スイッチ回路110を介して、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ24等の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(S21)。
次に、CPU103は、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とするエラー判定処理を実行する(S22)。次に、CPU103は、第1特別図柄表示器4Aの表示制御を行う表示制御処理を実行する(S23)。
次に、CPU103は、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数MR4等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(S24)。CPU103は、更に、初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する初期値用乱数更新処理を行うとともに(S25)、表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する表示用乱数更新処理を行う(S26)。
次いで、特別図柄プロセス処理を行う(S27)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B及び大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
更に、CPU103は、普通図柄プロセス処理を行う(S28)。普通図柄プロセス処理では、CPU103は、普通図柄表示器20及び普通入賞口を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU103は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU103は、演出制御基板12に演出制御コマンドを送出する処理を行う(S29)。更に、CPU103は、例えば、ホールコンピュータ(図示略)に供給される特図当り情報、始動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(S30)。
また、CPU103は、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ24の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(S31)。具体的には、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ24のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、図示しない払出制御基板に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置を駆動する。
本実施例では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU103は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S32)。
また、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(S33)。CPU103は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU103は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bにおける第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示を実行する。
更に、CPU103は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(S34)。CPU103は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU103は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器20における普通図柄の変動表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(S35)、処理を終了する。
図16は、普通図柄プロセス処理として、図3に示すS28にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この普通図柄プロセス処理において、CPU103は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて、S100〜S104の処理のいずれかを選択して実行する。
S100の普通図柄通常処理では、普通図柄表示器20による普図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、普通図柄通常処理では、普図表示結果判定用の乱数値MR4を示す数値データに基づき、普通図柄の変動表示結果を普図当りとするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。更に、普通図柄通常処理では、普図ゲームにおける普通図柄の変動表示結果に対応して、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける確定普通図柄(普図当り図柄とはずれ図柄のいずれか)が設定される。普通図柄通常処理では、普通図柄の変動表示結果を事前決定したときに、普図プロセスフラグの値が“普通図柄変動パターン設定処理”に応じた値に更新される。
S101の普通図柄変動パターン設定処理では、普通図柄の変動表示結果を普図当りとするか否かの事前決定結果などに基づき、普通図柄変動パターン判定用の乱数値MR6を示す数値データを用いて普通図柄変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。普通図柄変動パターン設定処理が実行されて普通図柄の変動表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が普通図柄変動処理に応じた値に更新される。
S100の普通図柄通常処理やS101の普通図柄変動パターン設定処理により、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄や普通図柄および演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、普通図柄通常処理や普通図柄変動パターン設定処理は、普図表示結果判定用の乱数値MR4、普通図柄変動パターン判定用の乱数値MR6を用いて、普通図柄や演出図柄の変動表示態様を決定する処理を含んでいる。
S102の普通図柄変動処理では、普通図柄表示器20において普通図柄を変動させるための設定を行う処理や、その普通図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、S102の普通図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部に設けられた普通図柄変動時間タイマにおける格納値である普通図柄変動時間タイマ値を1減算あるいは1加算して、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が普通図柄変動パターンに対応する普図変動時間に達したか否かの判定も行われる。そして、普通図柄の変動を開始してからの経過時間が普図変動時間に達したときには、普図プロセスフラグの値が普通図柄停止処理に応じた値に更新される。
S103の普通図柄停止処理には、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動を停止させ、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部に設けられた普通図柄当りフラグがオンとなっているか否か(セットされているか否か)の判定などが行われ、普通図柄当りフラグがオンである(セットされている)場合には普図プロセスフラグの値が普通電動役物開放中処理に応じた値に更新される。その一方で、普通図柄当りフラグがオフ(セットされていない)場合には、普図プロセスフラグの値が普通図柄通常処理に応じた値に更新される。
S104の普通電動役物開放中処理には、普通図柄の変動表示結果が普図当りとなったことなどに基づき、普通可変入賞球装置27を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。そして、普通可変入賞球装置27が形成する普通入賞口に遊技球が進入したか否かの判定や普通可変入賞球装置27を閉鎖状態とするか否かの判定などが行われる。普通可変入賞球装置27を閉鎖状態とする場合には、普図プロセスフラグの値が普通図柄通常処理に応じた値に更新される。
図17は、普通図柄通常処理として、図16に示すS100にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この普通図柄通常処理において、CPU103は、先ず、次の普通図柄の変動表示を開始するまでの待機中であることを示す変動待機タイマがタイムアウトしているか否かを判定する(S120)。変動待機タイマがタイムアウトしている場合はS121に進み、変動待機タイマがタイムアウトしていない場合はS129に進む。
S121においてCPU103は、ゲートスイッチ21がオン状態となったか否か、つまり、遊技球が通過ゲート41を通過したか否かを判定する。ゲートスイッチ21がオンとなっていない場合は、普通図柄通常処理を終了し、ゲートスイッチ21がオンとなった場合は、S122aに進む。
S122aにおいてCPU103は、普図表示結果判定用の乱数値MR4を抽出する。そして、ゲート通過指定コマンドの送信設定を行ってS123に進む(S122b)。尚、S122bにおいて送信設定されたコマンドは、演出制御コマンド制御処理(S29)にて演出制御基板12にて送信される。S123においてCPU103は、高ベース状態であることを示す高ベースフラグがセットされているか否かを判定する。高ベースフラグがセットされていない場合は、低ベース時普通図柄表示結果判定テーブル(図8(A)参照)を選択してS126に進み(S124)、高ベースフラグがセットされている場合は、高ベース時普通図柄表示結果判定テーブル(図8(B)参照)を選択してS126に進む(S125)。
S124、S125においてCPU103は、S122aにて抽出した乱数値MR4の値とS124またはS125にて選択した普通図柄表示結果判定テーブルの普図当りの判定値とを比較し、該抽出した乱数値MR4の値と普通図柄表示結果判定テーブルの普図当りの判定値とが一致しているか否か、すなわち、普図当りであるか否かを判定する。普図当りである場合は、普通図柄当りフラグをセットしてS128aに進み(S127)、「はずれ」である場合は、S127を実行せずにS128aに進む。
S128aにおいてCPU103は、普通図柄表示結果が普図当りまたは「はずれ」であることにもとづいて確定普通図柄を決定する。そして、CPU103は、S128bにおいて、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動パターン設定処理に応じた値に更新して普通図柄通常処理を終了する。
また、CPU103は、S120において変動待機タイマがタイマアウトしていないと判定したことに基づいて、変動待機タイマの値を−1し(S129)、普通図柄通常処理を終了する。
図18は、普通図柄変動パターン設定処理として、図16に示すS101にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この普通図柄変動パターン設定処理において、CPU103は、先ず、普通図柄当りフラグがセットされているか否かを判定する(S131)。普通図柄当りフラグがセットされている場合はS132に進み、普通図柄当りフラグがセットされていない場合はS133に進む。
S132においてCPU103は、普通図柄変動パターンを図11に示す当り変動パターン(FPA2−1)に決定してS137に進む。また、S133においてCPU103は、普通図柄変動パターンを図11に示すはずれ変動パターン(FPA1−1)に決定してS137に進む。そして、普通図柄変動時間タイマに決定した普通図柄変動パターンの変動時間に応じた値をセットし(S137)、普通図柄変動パターン指定コマンドと普通図柄変動表示結果指定コマンドの送信設定を行う(S138)。尚、S138において送信設定されたコマンドは、演出制御コマンド制御処理にて演出制御基板12にて送信される。S138の実行後、CPU103は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理に応じた値に更新して普通図柄変動パターン設定処理を終了する。
図19は、普通図柄変動処理として、図16に示すS102にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理において、CPS103は、先ず、普通図柄変動時間タイマがタイマアウトしているか否かを判定する(S141)。普通図柄変動時間タイマがタイマアウトしている場合はS143に進み、普通図柄変動時間タイマがタイマアウトしていない場合はS142に進む。
S142においてCPU103は、普通図柄変動時間タイマの値を−1し、普通図柄変動処理を終了する。また、S143においてCPU103は、普通図柄変動時間タイマがタイマアウトしたことに基づいて、普通図柄停止期間タイマに導出表示された普通図柄を停止させる期間を示すに普図停止図柄表示期間に応じた値をする普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理に応じた値に更新して普通図柄変動処理を終了する。
図20は、普通図柄停止処理として、図16に示すS103にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この普通図柄停止処理においてCPU103は、先ず、普通図柄当りフラグがセットされているか否かを判定する。普通図柄当りフラグがセットされている場合、CPU103は、普通図柄表示器20に普図当りの停止図柄を停止表示させてS152に進み(S151a)、普通図柄当りフラグがセットされていない場合、CPU103は、普通図柄表示器20にはずれの停止図柄を停止表示させてS152に進む(S151b)。
S152においてCPU103は、普通図柄確定指定コマンドの送信設定を行う。尚、S152において送信設定されたコマンドは、演出制御コマンド制御処理にて演出制御基板12にて送信される。そして、普通図柄停止期間タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S153)。普通図柄停止期間タイマがタイマアウトしている場合はS154に進み、普通図柄停止期間タイマがタイマアウトしていない場合は普通図柄停止期間タイマの値を−1して普通図柄停止処理を終了する。
S154においてCPU103は、普通図柄当りフラグがセットされているか否かを判定する。普通図柄当りフラグがセットされている場合はS155に進み、普通図柄当りフラグがセットされていない場合は、変動待機タイマの次回の普通図柄の変動開始までの待機時間(次回変動待機時間)に応じた値をセットし(S159a)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理に応じた値に更新して普通図柄停止処理を終了する(S159b)。
S155においてCPU103は、高ベースフラグがセットされているか否か、つまり、遊技状態が高ベース状態であるか否かを判定する。高ベースフラグがセットされている場合は、電動役物動作期間タイマに、第2普通電動役物動作時間として、普通可変入賞球装置27をロング開放パターンに基づいて開放させるための開放制御期間(4200ms)に応じた値をセットしてS157aに進む(S156b)。一方、高ベースフラグがセットされていない、つまり、遊技状態が低ベース状態である場合は、電動役物動作期間タイマに、第1普通電動役物動作時間として、普通可変入賞球装置27をショート開放パターンに基づいて開放させるための開放制御期間(60ms)に応じた値をセットしてS157aに進む(S156a)。
このように、第2普通電動役物動作時間(4200ms)は、第1普通電動役物動作時間(60ms)よりも長時間である。つまり、高ベース制御が実行されているときに普通図柄の変動表示結果が普図当りとなる場合は、ロング開放パターンに基づく普通入賞口の開放制御が実行され、高ベース制御が実行されていないときに普通図柄の変動表示結果が普図当りとなる場合は、ショート開放パターンに基づく普通入賞口の開放制御が実行される。よって、普図当りの停止図柄が停止表示された時点の遊技状態が高ベース状態である場合、普図当りの停止図柄が停止表示された時点の遊技状態が低ベース状態である場合よりも長い期間普通入賞口が開放状態となる。
そして、CPU103は、S157aにおいて普通電動役物用となるソレノイド81を駆動することによって普通入賞口を開放し、普通入賞口に入賞した遊技球をカウントするための入賞数カウンタの値を0にセットする(S157b)。また、普通電動役物動作期間(普通入賞口の開放制御期間)に応じた普通電動役物開放開始指定コマンドの送信設定を行うとともに(S157c)、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物開放中処理に応じた値に更新して普通図柄停止処理を終了する(S158)。尚、S157cにおいて送信設定されたコマンドは、演出制御コマンド制御処理にて演出制御基板12にて送信される。
図21は、普通電動役物開放中処理として、図16に示すS104にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この普通電動役物開放中処理において、CPU103は、先ず、電動役物動作期間タイマの値を−1し(S160)、入賞口スイッチ24がオンとなったか否か、つまり、普通入賞口に遊技球が入賞したか否かを判定する(S161)。入賞口スイッチ24がオンとなった場合は、普通電動役物入賞指定コマンドの送信設定を行い(S163)、普通入賞口に入賞した遊技球数を計数するための入賞数カウンタに1を加算し(S164)、該入賞数カウンタの値が10になったか否か、つまり、普通入賞口の閉鎖条件が成立したか否かを判定する(S164)。
S161において入賞口スイッチ24がオンとなっていないと判定した場合またはS164において入賞数カウンタの値が10になっていないと判定した場合、CPU103は、電動役物動作期間タイマがタイマアウトしているか否か、つまり、普通入賞口を開放してから60msまたは4200msが経過したか否かを判定する(S165)。S165において電動役物動作期間タイマがタイマアウトしていない場合は普通電動役物開放中処理を終了する。
S165において電動役物動作期間タイマがタイマアウトしている場合またはS164において入賞数カウンタの値が10になったと判定した場合、普通入賞口の閉鎖条件が成立したとしてS166に進み、普通電動役物動作期間(普通入賞口の開放期間)に応じた普通電動役物開放終了指定コマンドの送信設定を行った後(S166)、普通電動役物用のソレノイド81を駆動することによって普通入賞口を閉鎖し(S167)、普通図柄当りフラグをクリアする(S168)。次いで、CPU103は、変動待機タイマに次回変動待機時間(例えば、図14(A)(B)に示す776ms)に応じた値をセットするとともに(S169)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理に応じた値に更新して普通電動役物開放中処理を終了する。
図22は、特別図柄プロセス処理として、図3に示すS27にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(S41)。該始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、S42〜S48の処理のいずれかを選択して実行する。
S41の始動入賞処理では、第1始動口スイッチ22Aによる第1始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、特図表示結果判定用の乱数値MR1、特図当り種別判定用の乱数値MR2、特別図柄変動パターン判定用の乱数値MR3を抽出して、第1特図保留記憶部における空きエントリの最上位に格納する。
S42の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部に記憶されている保留データや第2始動口スイッチ22Bによる第2始動入賞が発生したことに基づいて抽出したデータなどに基づいて、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「特図当り」とするか否かを、その特別図柄や演出図柄の変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示結果に対応して、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(特図当り図柄とはずれ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
S43の特別図柄変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この特別図柄変動パターン設定処理には、特別図柄の変動表示結果を「特図当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、特別図柄変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて特別図柄の変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。特別図柄変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の変動表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
S42の特別図柄通常処理やS43の特別図柄変動パターン設定処理により、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄や特別図柄および演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果判定用の乱数値MR1、特図当り種別判定用の乱数値MR2、特別図柄変動パターン判定用の乱数値MR3を用いて、特別図柄や演出図柄の変動表示態様を決定する処理を含んでいる。
S44の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、S44の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、S44の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S45の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部に設けられた特図当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、特図当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、特図当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S46の特図当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この特図当り開放前処理には、特別図柄の変動表示結果が「特図当り」となったことなどに基づき、特図当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理が含まれている。特別図柄の変動表示結果が「特図当り」となったことなどに基づき、特図当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定としては、例えば特図当り種別に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、特図当り種別に関係なく、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.016秒(16ms)」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「2回」にそれぞれ設定することにより、特図当り状態とする設定が行われればよい。
S47の特図当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この特図当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の出力を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
S48の特図当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この特図当り終了処理には、演出表示装置5やスピーカ8L,8R、枠LED9などといった演出装置により、特図当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、特図当り遊技状態の終了に対応して確変制御や高ベース制御を開始するための各種の設定(確変フラグのセットや高ベースフラグ当のセット)を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図23は、特別図柄通常処理として、図22のS42にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図22に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S241)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示器4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、S241の処理では、遊技制御カウンタ設定部に記憶されている第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
S241にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1、特図当り種別判定用の乱数値MR2、特別図柄変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(S242)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
S242の処理に続いて、第1特図保留記憶数カウント値や合計保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数と合計保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部のデータを更新する。具体的には、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(S243)。その後、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「1」に更新した後(S244)、S249に移行する。
一方、S241にて第1特図保留記憶数が「0」であるときには、第2始動入賞が発生したか否か、つまり、遊技球が第2始動口スイッチ22Bにて検出されたか否かを判定する(S245)。これにより、第1特図を用いた特図ゲームは、第2特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
S245にて第2始動入賞が発生した場合には、特図表示結果判定用の乱数値MR1、特図当り種別判定用の乱数値MR2、特別図柄変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ抽出する(S246)。そして、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新した後(S248)、S249に移行する。抽出した数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
S249においては、特別図柄の変動表示結果である特図表示結果を「特図当り」または「はずれ」に決定するための使用テーブルを選択してセットする。具体的には、確変フラグがセットされていない場合、すなわち、遊技状態が確変状態ではない場合は、図7(A)に示す低確時特別図柄表示結果判定テーブルを選択し、確変フラグがセットされている場合、すなわち、確変状態である場合は、図7(B)に示す高確時特別図柄表示結果判定テーブルを選択する。続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データを、「特図当り」や「はずれ」の各特図表示結果に割り当てられた判定値と比較して、特図表示結果を「特図当り」または「はずれ」に決定する(S250)。
S250にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「特図当り」であるか否かを判定する(S251)。そして、「特図当り」であると判定された場合には、遊技制御フラグ設定部に設けられた特図当りフラグをオン状態にセットする(S252)。このときには、特図当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、特図当り種別判定テーブルを選択してセットする(S253)。このとき、CPU103は、遊技状態が第1遊技状態〜第5遊技状態のいずれであるかに応じて、図9(A)〜図9(E)に示すいずれかの特図当り種別判定テーブルA〜Eを選択してセットすればよい。こうしてセットされた特図当り種別判定テーブルを参照することにより、変動用乱数バッファに格納された特図当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データが、選択された特図当り種別判定テーブルにおいて「非確変A」〜「非確変F」、「確変A」〜「確変E」の各特図当り種別に割り当てられた判定値のいずれと合致するかに応じて、特図当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(S254)。
S254の処理にて特図当り種別を決定することにより、特図当り遊技状態の終了後における遊技状態を、低確低ベース状態(第1遊技状態)、高確低ベース状態(第2遊技状態)、低確高ベース状態(第3遊技状態)、低確高ベース状態(第4遊技状態)、高確高ベース状態(第5遊技状態)のいずれの遊技状態に制御するかが、変動表示結果として確定特別図柄が導出される以前に決定されることになる。こうして決定された特図当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部に設けられた特図当り種別バッファの格納値である特図当り種別バッファ値を設定することなどにより(S255)、決定された特図当り種別を記憶してS261に進む。一方、S251にて「特図当り」ではないと判定された場合、すなわち「はずれ」と判定された場合には、S261に進む。
S261においては、特図当り遊技状態に制御するか否か(特図当りフラグがセットされているか否か)の事前決定結果、特図当り遊技状態とする場合における特図当り種別の事前決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する。一例として、特図表示結果を「はずれ」とする旨の事前決定結果に対応して、はずれ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、S251にて特図表示結果が「特図当り」であると判定された場合には、S255における特図当り種別の決定結果に応じて、特図当り図柄となる「0」〜「9」、「F」を示す特別図柄のいずれかを、特図当り種別に応じた確定特別図柄に設定する。
S261にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(S262)、特別図柄通常処理を終了する。
尚、S245にて第2始動入賞が無いと判定した場合は、演出表示装置5において所定のデモ表示を実行中であるか否かを判定する(S265)。所定のデモ表示を実行中である場合は特別図柄通常処理を終了し、所定のデモ表示を実行していない場合は、S268に進む。S268においてCPU103は、普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄通常処理に応じた値であるか否かを判定する。普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄通常処理に応じた値である場合は、所定のデモ表示設定(例えば、客待ちデモ指定コマンドの送信設定)を行ってから特別図柄通常処理を終了し(S269)、普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄通常処理以外の処理に応じた値である場合は、S269を実行せずに特別図柄通常処理を終了する。
つまり、本実施例では、第1特図保留記憶数が存在せず、且つ第1特別図柄、第2特別図柄及び普通図柄の変動表示が実行されていない場合に演出表示装置5において所定のデモ表示を行うようになっている。
図24は、特別図柄変動パターン設定処理として、図22のS43にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄変動パターン設定処理において、CPU103は、先ず、高ベースフラグがセットされているか否か、つまり、遊技状態が高ベース状態であるか否かを判定し(S271)、高ベースフラグがセットされている場合、つまり、遊技状態が高ベース状態であれば、特図当りフラグがセットされているか否かを判定する(S272)。
S272において特図当りフラグがセットされていなければ、遊技状態に応じたはずれ用変動パターンテーブルを選択し(S273)、特図変動パターン判定用の乱数値MR3に示す数値データを各変動パターンに割り当てられた判定値と比較していずれかの変動パターンに決定し(S274)、S277に進む。S273においては、当該遊技状態が第3遊技状態であれば、図26(A)に示すはずれ用変動パターンテーブルを選択し、遊技状態が第4遊技状態であれば、図26(C)または図26(D)に示すはずれ用変動パターンテーブルを選択する。尚、第5遊技状態については250/250の確率で特図当りになるのではずれ用変動パターンテーブルは用意されていない。
図26(A)に示す第3遊技状態に対応するはずれ用変動パターン判定テーブルにおいては、乱数値MR6の取り得る範囲である「0」〜「999」のうちの全ての判定値が、特別図柄変動時間が60000msである(非リーチ)はずれの特別図柄変動パターン(TPA3−1)に割り当てられている。つまり、第3遊技状態において特別図柄の変動表示結果が「はずれ」となる場合は、一義的に特別図柄が60000msの期間にわたって変動表示されてはずれとなる。
図26(C)に示す第4遊技状態の1変動目に対応するはずれ用変動パターン判定テーブルにおいては、乱数値MR6の取り得る範囲である「0」〜「999」のうちの全ての判定値が、特別図柄変動時間が60000msである(非リーチ)はずれの特別図柄変動パターン(TPA4−1)に割り当てられている。つまり、第4遊技状態の1変動目において特別図柄の変動表示結果が「はずれ」となる場合は、一義的に特別図柄が60000msの期間にわたって変動表示されてはずれとなる。
また、図26(D)に示す第4遊技状態の2変動目以降に対応するはずれ用変動パターン判定テーブルにおいては、乱数値MR6の取り得る範囲である「0」〜「999」のうちの全ての判定値が、特別図柄変動時間が10000msである(非リーチ)はずれの特別図柄変動パターン(TPA4−2)に割り当てられている。つまり、第4遊技状態の2変動目以降において特別図柄の変動表示結果が「はずれ」となる場合は、一義的に特別図柄が10000msの期間にわたって変動表示されてはずれとなる。
尚、第3遊技状態や第4遊技状態のはずれ用変動パターンとして、上記した変動パターンとは特別図柄変動時間が異なる複数種類の変動パターンを設定してもよい。
S272において特図当りフラグがセットされていれば、遊技状態に応じた特図当り用変動パターンテーブルを選択し(S275)、変動用乱数バッファに格納された特図当り種別判定用の乱数値MR2に基づいて特図当り種別に応じて、特図変動パターン判定用の乱数値MR3に示す数値データを各変動パターンに割り当てられた判定値と比較していずれかの変動パターンに決定し(S276)、S277に進む。S275においては、当該遊技状態が第3遊技状態であれば、図26(B)に示す特図当り用変動パターンテーブルを選択し、遊技状態が第4遊技状態であれば、図26(E)または図26(F)に示す特図当り用変動パターンテーブルを選択し、遊技状態が第5遊技状態であれば、図27に示す特図当り用変動パターンテーブルを選択する。
図26(B)に示す第3遊技状態に対応する特図当り用変動パターン判定テーブルにおいては、特図当り種別が確変Cである場合、乱数値MR6の取り得る範囲である「0」〜「999」のうち、「0」〜「699」の範囲の判定値が、特別図柄変動時間が60000msである(非リーチ)特図当りの特別図柄変動パターン(TPB3−1)に割り当てられ、「700」〜「999」の範囲の判定値が、特別図柄変動時間が60000msである(非リーチ)特図当りの特別図柄変動パターン(TPB3−2)に割り当てられている。一方、特図当り種別が非確変Cである場合、乱数値MR6の取り得る範囲である「0」〜「999」のうち、「0」〜「299」の範囲の判定値が、特別図柄変動時間が60000msである(非リーチ)特図当りの特別図柄変動パターン(TPB3−1)に割り当てられ、「300」〜「999」の範囲の判定値が、特別図柄変動時間が60000msである(非リーチ)特図当りの特別図柄変動パターン(TPB3−2)に割り当てられている。つまり、特図当りの特別図柄変動パターン(TPB3−2)に対応する演出が実行された場合、特図当りの特別図柄変動パターン(TPB3−1)に対応する演出が実行されるより第4遊技状態(無敵ゾーン)に対する期待度は高くなる。
図26(E)に示す第4遊技状態の1変動目に対応する特図当り用変動パターン判定テーブルにおいては、特図当り種別が非確変D、確変Dのいずれであっても、乱数値MR6の取り得る範囲である「0」〜「999」のうちの全ての判定値が、特別図柄変動時間が60000msである(非リーチ)特図当りの特別図柄変動パターン(TPB4−1)に割り当てられている。つまり、第4遊技状態の1変動目において特別図柄の変動表示結果が「特図当り」となる場合は、一義的に特別図柄が60000msの期間にわたって変動表示されて特図当りとなる。
また、図26(F)に示す第4遊技状態の2変動目以降に対応する特図当り用変動パターン判定テーブルにおいては、特図当り種別が非確変D、確変Dのいずれであっても、乱数値MR6の取り得る範囲である「0」〜「999」のうちの全ての判定値が、特別図柄変動時間が10000msである(非リーチ)特図当りの特別図柄変動パターン(TPB4−1)に割り当てられている。つまり、第4遊技状態の2変動目以降において特別図柄の変動表示結果が「特図当り」となる場合は、一義的に特別図柄が10000msの期間にわたって変動表示されて特図当りとなる。
尚、第3遊技状態や第4遊技状態の特図当り用変動パターンとして、上記した変動パターンとは特別図柄変動時間が異なる複数種類の変動パターンを設定してもよい。
また、図27に示す第5遊技状態に対応する特図当り用変動パターン判定テーブルにおいては、特図当り種別が非確変Eである場合、乱数値MR6の取り得る範囲である「0」〜「999」のうち、「0」〜「49」の範囲の判定値が、特別図柄変動時間が20000msである(非リーチ)特図当りの特別図柄変動パターン(TPB5−1)に割り当てられ、「50」〜「99」の範囲の判定値が、特別図柄変動時間が20000msである(非リーチ)特図当りの特別図柄変動パターン(TPB5−2)に割り当てられ、「100」〜「199」の範囲の判定値が、特別図柄変動時間が20000msである(非リーチ)特図当りの特別図柄変動パターン(TPB5−3)に割り当てられ、「200」〜「399」の範囲の判定値が、特別図柄変動時間が2400msである普電ショート開放用の特図当りの特別図柄変動パターン(TPB5−4)に割り当てられ、「400」〜「999」の範囲の判定値が、特別図柄変動時間が2800msである普電ロング開放用の特図当りの特別図柄変動パターン(TPB5−5)に割り当てられている。
また、特図当り種別が確変Fである場合、乱数値MR6の取り得る範囲である「0」〜「999」のうち、「0」〜「99」の範囲の判定値が、特別図柄変動時間が20000msである(非リーチ)特図当りの特別図柄変動パターン(TPB5−1)に割り当てられ、「100」〜「149」の範囲の判定値が、特別図柄変動時間が20000msである(非リーチ)特図当りの特別図柄変動パターン(TPB5−2)に割り当てられ、「150」〜「199」の範囲の判定値が、特別図柄変動時間が20000msである(非リーチ)特図当りの特別図柄変動パターン(TPB5−3)に割り当てられ、「200」〜「399」の範囲の判定値が、特別図柄変動時間が2400msである普電ショート開放用の特図当りの特別図柄変動パターン(TPB5−4)に割り当てられ、「400」〜「999」の範囲の判定値が、特別図柄変動時間が2800msである普電ロング開放用の特図当りの特別図柄変動パターン(TPB5−5)に割り当てられている。
また、特図当り種別が非確変Eである場合、乱数値MR6の取り得る範囲である「0」〜「999」のうち、「0」〜「49」の範囲の判定値が、特別図柄変動時間が20000msである(非リーチ)特図当りの特別図柄変動パターン(TPB5−1)に割り当てられ、「50」〜「149」の範囲の判定値が、特別図柄変動時間が20000msである(非リーチ)特図当りの特別図柄変動パターン(TPB5−2)に割り当てられ、「150」〜「199」の範囲の判定値が、特別図柄変動時間が20000msである(非リーチ)特図当りの特別図柄変動パターン(TPB5−3)に割り当てられ、「200」〜「899」の範囲の判定値が、特別図柄変動時間が2400msである普電ショート開放用の特図当りの特別図柄変動パターン(TPB5−4)に割り当てられ、「900」〜「999」の範囲の判定値が、特別図柄変動時間が2800msである普電ロング開放用の特図当りの特別図柄変動パターン(TPB5−5)に割り当てられている。
S271において高ベースフラグがセットされていない場合、つまり、遊技状態が低ベース状態(第1遊技状態または第2遊技状態)であれば、特図当りフラグがセットされているか否かを判定する(S281)。S281において特図当りフラグがセットされていなければ、変動特図指定バッファ値が「1」の場合、第1保留記憶部に記憶されている保留データから特定される保留記憶数に応じたはずれ用変動パターンテーブルを選択し(S283)、S274に進む。S283においては、保留記憶数が1または2である場合は、図25(A)に示すはずれ用変動パターン判定テーブルを選択し、保留記憶数が3である場合は、図25(B)に示すはずれ用変動パターン判定テーブルを選択し、保留記憶数が4である場合は、図25(C)に示すはずれ用変動パターン判定テーブルを選択する。また、変動特図指定バッファ値が「2」の場合、図25(D)に示すはずれ用変動パターン判定テーブルを選択する。
図25(A)に示すはずれ用変動パターン判定テーブルにおいては、乱数値MR6の取り得る範囲である「0」〜「999」のうち、「0」〜「699」の範囲の判定値が、特別図柄変動時間が12000msである短縮なし(非リーチ)はずれの特別図柄変動パターン(TPA1−1)に割り当てられ、「700」〜「849」の範囲の判定値が、特別図柄変動時間が20000msであるノーマルリーチはずれの特別図柄変動パターン(TPA2−1)に割り当てられ、「850」〜「949」の範囲の判定値が、特別図柄変動時間が43000msであるスーパーリーチαはずれの特別図柄変動パターン(TPA2−2)に割り当てられ、「950」〜「999」の範囲の判定値が、特別図柄変動時間が53000msであるスーパーリーチβはずれの特別図柄変動パターン(TPA2−3)に割り当てられている。
図25(B)に示すはずれ用変動パターン判定テーブルにおいては、乱数値MR6の取り得る範囲である「0」〜「999」のうち、「0」〜「699」の範囲の判定値が、特別図柄変動時間が5750msである短縮(非リーチ)はずれの特別図柄変動パターン(TPA1−2)に割り当てられ、「700」〜「849」の範囲の判定値が、特別図柄変動時間が20000msであるノーマルリーチはずれの特別図柄変動パターン(TPA2−1)に割り当てられ、「850」〜「949」の範囲の判定値が、特別図柄変動時間が43000msであるスーパーリーチαはずれの特別図柄変動パターン(TPA2−2)に割り当てられ、「950」〜「999」の範囲の判定値が、特別図柄変動時間が53000msであるスーパーリーチβはずれの特別図柄変動パターン(TPA2−3)に割り当てられている。
図25(C)に示すはずれ用変動パターン判定テーブルにおいては、乱数値MR6の取り得る範囲である「0」〜「999」のうち、「0」〜「699」の範囲の判定値が、特別図柄変動時間が3750msである短縮(非リーチ)はずれの特別図柄変動パターン(TPA1−2)に割り当てられ、「700」〜「849」の範囲の判定値が、特別図柄変動時間が20000msであるノーマルリーチはずれの特別図柄変動パターン(TPA2−1)に割り当てられ、「850」〜「949」の範囲の判定値が、特別図柄変動時間が43000msであるスーパーリーチαはずれの特別図柄変動パターン(TPA2−2)に割り当てられ、「950」〜「999」の範囲の判定値が、特別図柄変動時間が53000msであるスーパーリーチβはずれの特別図柄変動パターン(TPA2−3)に割り当てられている。
図25(D)に示すはずれ用変動パターン判定テーブルにおいては、乱数値MR6の取り得る範囲である「0」〜「999」のうち、全ての範囲の判定値が、特別図柄変動時間が12000msである短縮(非リーチ)はずれの特別図柄変動パターン(TPA5−1)に割り当てられている。
S281において特図当りフラグがセットされていれば、変動特図指定バッファ値が「1」の場合、図25(E)に示す特図当り用変動パターンテーブルを選択し、変動特図指定バッファ値が「2」の場合、図25(F)に示す特図当り用変動パターンテーブルを選択し(S282)、S274に進む。
図25(E)に示す特図当り用変動パターン判定テーブルにおいては、乱数値MR6の取り得る範囲である「0」〜「999」のうち、「0」〜「199」の範囲の判定値が、特別図柄変動時間が20000msである短縮なしノーマルリーチ特図当りの特別図柄変動パターン(TPB2−1)に割り当てられ、「200」〜「549」の範囲の判定値が、特別図柄変動時間が43000msであるスーパーリーチα特図当りの特別図柄変動パターン(TPB2−2)に割り当てられ、「100」〜「199」の範囲の判定値が、特別図柄変動時間が53000msであるスーパーリーチβ特図当りの特別図柄変動パターン(TPB2−3)に割り当てられている。
図25(F)に示す特図当り用変動パターン判定テーブルにおいては、乱数値MR6の取り得る範囲である「0」〜「999」のうち、全ての範囲の判定値が、特別図柄変動時間が12000msである短縮なし(非リーチ)特図当りの特別図柄変動パターン(TPB1−1)に割り当てられている。
S277においてCPU103は、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
S277の処理に続いて、特別図柄の変動開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(S278)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド、特別図柄変動パターン指定コマンド、特別図柄変動表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を示す設定データを、遊技制御バッファ設定部に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第2変動開始コマンド、特別図柄変動パターン指定コマンド、特別図柄変動表示結果通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。尚、S285において送信設定されたコマンドは、演出制御コマンド制御処理にて演出制御基板12にて送信される。
S278の処理を実行した後、その特別図柄変動パターンの決定結果に応じた特別図柄の変動表示時間である特図変動時間に応じた値を特別図柄変動時間タイマに設定する(S279)。特別図柄の変動表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから変動表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。その後、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(S280)、特別図柄変動パターン設定処理を終了する。
図28は、特別図柄停止処理として、図22に示すS45にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄停止処理において、CPU103は、S44の特別図柄変動処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bに停止図柄を導出表示する制御を行う(S291)。尚、変動特図指定バッファ値が第1特図を示す「1」である場合には、第1特別図柄表示器4Aでの第1特別図柄の変動を終了させ、変動特図指定バッファ値が第2特図を示す「2」である場合には、第2特別図柄表示器4Bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御基板12に図柄確定コマンドを送信する制御を行う(S292)。尚、S292において送信設定されたコマンドは、演出制御コマンド制御処理にて演出制御基板12にて送信される。そして、特別図柄停止期間タイマがタイマアウトしているか否かを判定する(S293)。尚、特別図柄停止期間タイマとは、次の特別図柄の変動表示が開始されるまでの待機時間を示すタイマであり、特別図柄変動処理において特図変動時間が経過したと判定された場合にセットされる。特別図柄停止期間タイマがタイマアウトしている場合はS295に進み、特別図柄停止期間タイマがタイマアウトしていない場合は、該特別図柄停止期間タイマの値を−1して特別図柄停止処理を終了する(S294)。
S295においてCPU103は、特図当りフラグがセットされているか否かを判定し(S295)、特図当りフラグがセットされていない場合には、S305aに進む。一方、特図当りフラグがセットされている場合にはS296に進む。
S296においてCPU103は、確変フラグや高ベースフラグがセットされている場合には、これらセットされているフラグや高ベース回数カウンタをクリアする。そして、CPU103は、特図当り種別に応じた当り開始指定コマンドを送信するための設定を行うとともに(S297a)、演出制御基板12に通常状態(低ベース状態)を示す遊技状態指定コマンドを送信するための設定を行う(S297b)。尚、S297a、S297bにおいて送信設定されたコマンドは、演出制御コマンド制御処理にて演出制御基板12にて送信される。
そして、特図当り表示時間タイマに特図当り表示時間(特図当りが発生したことを、例えば、演出表示装置5において報知する時間)に相当する値を設定する(S298)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、2回)をセットする(S299)。次いで、変動特図指定バッファ値が「2」であるか否か、つまり、当該特図変動が第2特別図柄に基づく変動表示であったか否かを判定し(S300)、変動特図指定バッファ値が「2」であった場合、当該第2特図の変動パターン情報、つまり、変動パターン種別を更新記憶して(S301)、S302に進む。S300において変動特図指定バッファ値が「2」ではない場合、つまり、当該特図変動が第1特別図柄に基づく変動表示であった場合はそのままS302に進む。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特図当り開放前処理(S36)に対応した値である“4”に更新し(S302)、当該特別図柄停止処理を終了する。
一方、S305aにおいてCPU103は、高ベースフラグがセットされているか否かを判定する。高ベースフラグがセットされている場合はS305bに進み、高ベースフラグがセットされていない場合はS309に進む。
S305bにおいてCPU103は、高ベース状態での特別図柄の変動回数を示す高ベース回数カウンタの値が「1」であるか否かを判定する。高ベース回数カウンタの値が「1」である場合には、高ベース制御を終了させるために、高ベース回数カウンタと高ベースフラグとをクリアするとともに(S306)、低ベース状態に対応した遊技状態指定コマンドを送信するための設定を行ってS308に進む(S307)。尚、S307において送信設定されたコマンドは、演出制御コマンド制御処理にて演出制御基板12にて送信される。
S305bにおいて高ベース回数カウンタの値が「1」ではない場合は、S306及びS307を実行せずにS308に進む。S308では、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新してから、当該特別図柄停止処理を終了する。尚、S305bにおいて高ベース回数カウンタの値が「1」ではない場合としては値が「0」の場合も含まれる。つまり、後述する特図当り終了処理において特図当り種別が高ベース状態が次回の特図当りまで継続する確変B〜Eのいずれかであった場合、変動表示結果が特図当りとならない限り高ベースフラグをクリアしないようにするため、高ベース回数カウンタの値として「0」を設定し、S305bにおいて高ベース回数カウンタの値が「1」ではないと判定するようにしている。
図29は、特図当り終了処理として、図22のS48にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。特図当り終了処理において、CPU103は、特図当り終了表示タイマが動作中、つまりタイマカウント中であるか否かを判定する(S311)。特図当り終了表示タイマが動作中でない場合には、特図当り前変動パターン及び特図当り種別に対応する表示時間を特定し(S312)、該表示時間に応じた値を特図当り終了表示タイマに設定して特図当り終了処理を終了する(S313)。
つまり、特図当りになる前の変動パターン種別や特図当り種別から特定される当該特図当り遊技状態の終了後に移行する遊技状態に応じた表示時間を、時間が異なる複数種類の表示時間のうちからいずれかに決定して特図当り終了表示タイマに設定する。本実施例では、いずれの特図当り種別の特図当り遊技状態においても特別可変入賞球装置7の開放制御期間は一定(0.732秒)であるが、この特図当り終了表示タイマに異なる時間を設定することで、特図当り遊技状態が開始してから終了するまでの期間を変化させる(調整する)ことが可能となる。
一方、特図当り終了表示タイマが動作中である場合には、特図当り終了表示タイマの値を−1する(S314)。そして、CPU103は、特図当り終了表示タイマがタイマアップしたか否か、即ち、特図当り終了表示時間が経過したか否か確認する(S315)。特図当り終了表示タイマがタイマアップしていなければ特図当り終了処理を終了する。特図当り終了表示タイマがタイマアップしていれば、CPU103は、特図当りフラグをクリアし(S316)、当該特図当り遊技の特図当り種別に対応する特図当り終了指定コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってS318に進む(S317)。尚、S317において送信設定されたコマンドは、演出制御コマンド制御処理にて演出制御基板12にて送信される。
S318においてCPU103は、特図当り種別に対応するフラグ及びカウンタを設定する処理を実行する。具体的には、図6に示すように、特図当り種別が非確変A、非確変E、確変Aのいずれかであると判定した場合は、遊技状態を低ベース状態に制御するため、確変フラグ、高ベースフラグ、高ベース回数カウンタの設定を行わない。
一方、特図当り種別が確変特図当りA,B,C,D,Eのいずれかである場合、当該特図当り遊技状態の終了後は第2遊技状態または第5遊技状態に移行するため、確変フラグをセットするとともに、高ベース回数カウンタに「0」の値をセットし、S326に進む。尚、S320において特図当り種別が確変特図当りB,C,D,Eのいずれかである場合、高ベース回数カウンタに「0」の値をセットしておくことで、次回特図当りまで特別図柄停止処理のS306にて高ベースフラグがクリアされることはない。
また、特図当り種別が非確変Bである場合、つまり、当該特図当り遊技状態の終了後に第3遊技状態に移行する場合は高ベース回数カウンタに「1」の値をセットし(S325)、S326に進む。また、特図当り種別が非確変C,D,Fのいずれかである場合は高ベース回数カウンタに「100」の値をセットし、S326に進む。
そして、高ベースフラグや確変フラグがセットされているか否かに基づいて遊技状態を演出制御基板12に通知するための遊技状態指定コマンドの送信設定を行った後(S326)、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新して特図当り終了処理を終了する(S327)。尚、S326において送信設定されたコマンドは、演出制御コマンド制御処理にて演出制御基板12にて送信される。
図30は、エラー判定処理として、図15のS22にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。このエラー判定処理において、CPU103は、先ず、ゲートスイッチ21がオン状態であるか否か、つまり、遊技球が通過ゲート41を通過したか否かを判定する(S401)。ゲートスイッチ21がオン状態でないと判定した場合、第2始動口スイッチ22Bがオン状態であるか否か、つまり、遊技球が第2始動入賞口に進入したか否かを判定する(S402)。第2始動口スイッチ22Bがオン状態でないと判定した場合は、遊技球が通過ゲート41と第2始動入賞口とに進入していないとしてS403に進み、ゲート通過エラー以外の他のエラー判定処理を実行して(S403)、エラー判定処理を終了する。
尚、他のエラー判定処理として、例えば、CPU103は、特別可変入賞球装置7を大入賞口が閉鎖状態となる第2状態に制御しているときに遊技球の入賞があった場合、つまり、特別図柄プロセスフラグの値が特図当り開放中処理に応じた値でないときに遊技球の入賞があった場合や、普通可変入賞球装置27を普通入賞口が閉鎖状態となる第2普通状態に制御しているときに遊技球の入賞があった場合、つまり、普通図柄プロセスフラグの値が普通電動役物開放中処理に応じた値でないときに遊技球の入賞があった場合、異常入賞が発生したと判定することが可能である。また、この異常入賞判定以外の他の異常(エラー)も判定している。
S401においてゲートスイッチ21がオン状態である場合、通過ゲート41を遊技球が通過したとして、ゲートスイッチカウンタに1を加算し(S410)、S411においてゲートスイッチカウンタの値が「5」になったか否かを判定する(S411)。S411においてゲートスイッチカウンタの値が「5」になっていない場合はS403に進む。S411においてゲートスイッチカウンタの値が「5」になった場合、つまり、遊技球が通過ゲート41を通過したが第2始動入賞しない状態が5回連続した場合は、ゲート通過エラーの発生と判定し、エラー指定コマンドの送信設定を行った後(S412)、セキュリティ信号の出力設定を行い(S413)、ゲートスイッチカウンタの値を「0」にリセットして(S414)、S403に進む。また、S402において第2始動口スイッチ22Bがオン状態である場合、ゲートスイッチカウンタの値を「0」にリセットして(S420)、S403に進む。
本実施例では、遊技球は約0.6秒間隔で遊技領域へ向けて発射され、また、前述したように通過ゲート41を通過した遊技球のほとんどが約0.2秒後に第2普通入賞球装置6Bの第2始動入賞口に進入するように遊技球経路が形成されている。よって、CPU103がタイマ割込み処理におけるエラー判定処理のS401にてゲートスイッチ21がオン状態であると判定した場合、次にエラー判定処理のS401にてゲートスイッチ21がオン状態であると判定するまでに、エラー判定処理のS402にて第2始動口スイッチ22Bがオン状態であると判定されることになる。
つまり、遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づいてS410にてゲートスイッチカウンタに1を加算するが、該遊技球は、後続の遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づいてS410にてゲートスイッチカウンタに新たに1を加算する前に、第2始動入賞口に進入することに基づいてS420にてゲートスイッチカウンタの値を「0」にリセットするため、ゲートスイッチカウンタの値は通常であれば「1」か「0」を繰り返すだけである。また、通過ゲート41を通過した遊技球が第2始動入賞口に進入せずに遊技領域を流下した場合、ゲートスイッチカウンタの値は「1」以上となることがあるが、このような状況が3回以上連続して発生することはほぼない。
そこで本実施例では、ゲートスイッチカウンタの値が「5」となった場合にS411にてエラーの発生と判定するようにしているため、例えば、糸吊り球などを用いて通過ゲート41を通過した遊技球を戻して再度通過させる行為を繰り返し行い、普図当りを発生させて普通可変入賞球装置27を開放することで不正に賞球を得るといった不正行為を抑制できるようになっている。
尚、一の遊技球が通過ゲート41を通過したが第2普通入賞球装置6Bの第2始動入賞口には進入しないという状況が、確率は極めて低いが2〜3回は連続して発生したり、あるいはノイズ等による誤検出により発生することが考えられる。よって、本実施例では、エラーが発生していないのにもかかわらずエラーと判定してエラー指定コマンドやセキュリティ信号が送信されてしまうことを回避するため、余裕を持ってゲートスイッチカウンタの値が「5」となった場合にS411にてエラーの発生と判定するようにしている。尚、本実施例では、ゲートスイッチカウンタの値が「5」となった場合にS411にてエラーの発生と判定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、通過ゲート41と第2普通入賞球装置6Bの第2始動入賞口との位置関係などに応じて、「5」以外の値を設定するようにしてもよい。
図31は、前述した普通図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示に伴う各種装置の制御内容について説明する。
遊技状態が第3遊技状態、第4遊技状態、第5遊技状態のいずれかに制御されると、高ベース制御が実行される高ベース状態となる。高ベース状態では、普通図柄の変動表示が実行されると250/250の確率で普図当りとなるため、通過ゲート41に遊技球を通過させることで普通可変入賞球装置27の普通入賞口が開放状態となる頻度が高まるため、遊技者は右打ち遊技を行うことで左打ち遊技を行うよりも有利となる。
また、高ベース状態では、遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づいて普図当りの停止図柄が停止表示された場合、その時点での遊技状態が高ベース状態であればロング開放パターンに基づいて普通可変入賞球装置27の開放制御が実行されるため、出球を獲得しやすくなる。
一方、高ベース状態であっても、特別図柄の変動表示結果が特図当りとなったことに基づいて特図当り遊技状態に制御されている期間は低ベース状態となるため、普図当りの停止図柄が停止表示された場合に、その時点での遊技状態が特図当り遊技状態、つまり、低ベース状態であれば、ショート開放パターンに基づいて普通可変入賞球装置27の開放制御が実行されるため、出球を獲得することが困難となる。
このように本実施例では、高ベース状態において右打ち遊技を行うと、通過ゲート41を通過した遊技球が第2普通入賞球装置6Bの第2始動入賞口に入賞することで、普通図柄と第2特別図柄との変動表示がほぼ同時に開始される。そして、250/250の確率で普図当り結果が導出表示されて普通可変入賞球装置27の開放制御が実行されることになるが、第2特別図柄の変動表示結果が特図当り表示結果となった場合、遊技状態が一時的に低ベース状態になる。よって、普図当りの停止図柄が停止表示された時点で、第2特別図柄の変動表示中である場合は高ベース状態であるので、ロング開放パターンに基づく普通可変入賞球装置27の開放制御が実行される一方で、普図当りの停止図柄が停止表示された時点の遊技状態が特図当り遊技状態である場合は低ベース状態となるので、ショート開放パターンに基づく普通可変入賞球装置27の開放制御が実行される。
また、第2特別図柄の変動表示結果がはずれとなる場合は、特図当り遊技状態に制御されない、つまり、低ベース状態となることがない。よって、特別図柄の変動パターンとして変動表示時間がいずれのパターンが決定された場合でも、普図当りの停止図柄が停止表示された時点は高ベース状態であるので、ロング開放パターンに基づく普通可変入賞球装置27の開放制御が実行されることになる。
そして本実施例では、高ベース状態において普通図柄と第2特別図柄との変動表示がほぼ同時に開始された場合、普図当りの変動パターンとして必ず変動表示時間が2.7秒の変動パターン(FPA2−1)が決定される一方、第2特別図柄の変動パターンとして、変動表示時間が普通図柄の変動パターンの変動表示時間よりも短い短変動パターン(例えば、TPB5−4など変動表示時間が2.4秒の普電ショート開放用の変動パターン)、及び変動表示時間が普通図柄の変動パターンの変動表示時間よりも長い長変動パターン(例えば、TPA3−1、4−1、TPB3−1〜2、4−1〜2、5−1〜3、5−5などの変動パターン)のいずれが決定されるかによって、普通可変入賞球装置27の開放制御が実行される期間、つまり、普通入賞口の開放期間が異なるようになっている。
また、本実施例のパチンコ遊技機1は、前述したように、いずれの特図当り種別の特図当り遊技状態でも特別可変入賞球装置7のラウンドは短期開放ラウンドであって、大入賞口は0.016秒間しか開放されないので、特図当りにおいて出球を獲得することは困難であるのに対し、高ベース状態では、ロング開放パターンに基づいて普通可変入賞球装置27の開放制御が実行され出球を獲得しやすくなる頻度が高まるため、特別図柄の変動表示で特図当りになるよりも、高ベース状態における普通図柄の変動表示で普図当りになる方が遊技者にとって有利となる。
また、演出制御用CPU120は、低ベース状態(本実施例では第1、2遊技状態)においては、演出表示装置5の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて、第1特図または第2特図に対応する第1演出図柄の変動表示を実行する一方、高ベース状態における第5遊技状態においては、各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて、普通図柄と特別図柄とに応じた第2演出図柄の変動表示を実行し、第3遊技状態においては、普通図柄と特別図柄とに応じた第2演出図柄の縮小変動表示を実行する。尚、本実施例では、第4遊技状態において第2演出図柄の変動表示を実行しない。
図31(A)は、高ベース状態において普通図柄と第2特別図柄との変動表示がほぼ同時に開始された場合において、普図当りの変動パターンとして変動表示時間が2.7秒の変動パターン(FPA2−1)が決定され、第2特別図柄の変動表示結果が特図当りとなる変動パターンとして変動表示時間が2.4秒の短変動パターン(例えば、TPB5−4の普電ショート開放用の変動パターン)が決定された場合における各装置の動作態様の一例である。
まず、普通図柄と第2特別図柄との変動表示の開始に応じて、第2演出図柄の変動表示が開始される。実際には、通過ゲート41の遊技球の通過に伴い普通図柄の変動表示が開始され、該変動表示の開始から約0.2秒後に第2特別図柄の変動表示が開始され、さらに該第2特別図柄の変動表示の開始に応じて第2演出図柄の変動表示が開始されるが、これらの時間差は約1秒未満であるため、見た目上は通過ゲート41を遊技球が通過したことに基づいて第2演出図柄の変動表示が開始されたように見えるため、図31においてもそのように図示している。
第2特別図柄が短変動パターンの場合、普通図柄の変動表示が停止するよりも先に第2特別図柄の変動表示が停止して特図当り遊技状態となるため、普通図柄の変動表示が停止した時点の遊技状態は低ベース状態となる。よって、普図当りの停止図柄が停止表示されたことに基づいてショート開放パターンに基づく普通可変入賞球装置27の開放制御が実行される。また、普通可変入賞球装置27の開放制御期間は836msに設定されているが、特別可変入賞球装置7については、732msの開放制御期間に加えて、404msの特図当り終了表示期間(エンディング演出期間)が設定されることで、普通可変入賞球装置27と特別可変入賞球装置7との開放制御はほぼ同時に終了している。
また、特図当りの停止図柄が停止表示されたことに応じて、第2演出図柄の停止図柄が停止表示される。ここで、普通図柄の変動表示結果は普図当りであるが、第2特別図柄の変動パターンとして短変動パターンが決定された場合、ショート開放パターンに基づく普通可変入賞球装置27の開放制御が実行されることで実質的に出球の獲得は困難であるため、第2演出図柄の停止図柄としては、はずれ図柄(不揃い図柄)を停止表示させる。このようにすることで、第2演出図柄にて当り図柄が停止表示されたのに普通入賞口がロング開放しないことにより、遊技者に違和感を与えることを回避できる。
図31(B)は、高ベース状態において普通図柄と第2特別図柄との変動表示がほぼ同時に開始された場合において、普図当りの変動パターンとして変動表示時間が2.7秒の変動パターン(FPA2−1)が決定され、第2特別図柄の変動表示結果が特図当りとなる変動パターンとして変動表示時間が2.8秒の長変動パターン(例えば、TPB5−5など変動表示時間が2.8秒の普電ロング開放パターン)が決定された場合における各装置の動作態様の一例である。
第2特別図柄が長変動パターンの場合、普通図柄の変動表示が停止した後に第2特別図柄の変動表示が停止して特図当り遊技状態となるため、普通図柄の変動表示が停止した時点の遊技状態は高ベース状態となる。よって、普図当りの停止図柄が停止表示されたことに基づいてロング開放パターンに基づく普通可変入賞球装置27の開放制御が実行される。また、普通可変入賞球装置27の開放制御期間は4976msに設定されているが、特別可変入賞球装置7については、732msの開放制御期間に加えて、4144msの特図当り終了表示期間(エンディング演出期間)が設定されることで、普通可変入賞球装置27と特別可変入賞球装置7との開放制御はほぼ同時に終了している。
また、普図当りの停止図柄が停止表示されたことに応じて第2演出図柄の停止図柄が仮停止表示された後、特別図柄の停止図柄が停止表示されることに応じて第2演出図柄の停止図柄が停止表示されることになる。ここで、普通図柄の変動表示結果は普図当りであるが、第2特別図柄の変動パターンとして長変動パターンが決定された場合、ロング開放パターンに基づく普通可変入賞球装置27の開放制御が実行され、実質的に出球の獲得を期待できるため、第2演出図柄の仮停止図柄及び停止図柄としては、当り図柄(揃い図柄)を停止表示させる。このように、第2演出図柄にて当り図柄を停止表示することで、普通入賞口がロング開放することを遊技者に報知することができる。
尚、ここでは普通図柄と第2特別図柄とがほぼ同時に変動表示を開始した場合について説明したが、例えば、高ベース状態において、第1特別図柄や第2特別図柄の変動パターンとして普通図柄の変動表示時間である2.7秒よりも長い他の変動表示時間の変動パターン(例えば、TPA3−1、4−1、TPB3−1〜2、4−1〜2、5−1〜3、5−5など)が決定された場合についても、普通図柄の変動表示が停止した時点の遊技状態は高ベース状態となるため、ロング開放パターンに基づく普通可変入賞球装置27の開放制御が実行されることになる。また、変動表示時間が60秒の特別図柄の変動パターンなどの場合、特別図柄の変動表示期間に、普通図柄の変動表示と普通可変入賞球装置27のロング開放パターンに基づく開放制御が複数回実行可能となる。
つまり、特別図柄の長期間変動表示が実行されている期間に右打ちを続けた場合、第2始動入賞口に遊技球が進入しても、特別図柄は変動表示中であるため新たな特別図柄の変動表示を開始することはなく、かつ、第2特別図柄に関して保留記憶は行わないが、普通図柄が変動表示でなければ、通過ゲート41を遊技球が通過したことに基づいて新たな普通図柄の変動表示が開始され、該普通図柄の変動表示が停止した時点で特別図柄の長期間変動表示が継続していれば、ロング開放パターンに基づく普通可変入賞球装置27の開放制御が実行される。
次に、演出制御基板12の動作を説明する。図32は、演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S701)。その後、演出制御用CPU120は、タイマ割込フラグの監視(S703)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリアし(S704)、以下の処理を実行する。
演出制御用CPU120は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(S705)。このコマンド解析処理において演出制御用CPU120は、受信コマンドバッファに格納されている主基板11から送信されてきたコマンドの内容を確認する。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAM122に形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図3参照)であるのか解析する。
次いで、演出制御用CPU120は、第1演出図柄演出制御プロセス処理を行う(S706)。第1演出図柄演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(特別演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置5の表示制御を実行する。
また、演出制御用CPU120は、第2演出図柄演出制御プロセス処理を行う(S707)。第2演出図柄演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(普通演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置5の表示制御を実行する。
次いで、特別図柄の変動表示が実行されていない場合に客待ちデモ演出や第1特別図柄変動開始待ち演出を実行可能な特別図柄非変動時演出実行処理(S708)と、遊技状態に応じて演出表示装置5にて表示される背景画像を切り替える背景画像表示処理(S709)と、エラーが検出されたことを報知するエラー報知処理(S710)と、を実行し、S702に進む。
図33は、演出制御メイン処理における第1演出図柄演出制御プロセス処理(S706)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、先ず、演出表示装置5の第1保留記憶表示エリア5Dにおける保留記憶表示を、演出制御バッファ設定部の記憶内容に応じた表示に更新する第1保留記憶表示更新処理を実行する(S712)。
その後、演出制御用CPU120は、第1演出制御プロセスフラグの値に応じてS713〜S719のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
特別図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S713):遊技制御用マイクロコンピュータ100から特別図柄変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理で特別図柄変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。特別図柄変動パターン指定コマンドを受信していれば、第1演出制御プロセスフラグの値を第1演出図柄変動開始処理(S714)に対応した値に変更する。
第1演出図柄変動開始処理(S714):特別図柄の変動表示に連動して第1演出図柄(英数字の演出図柄)の変動が開始されるように制御する。そして、第1演出制御プロセスフラグの値を第1演出図柄変動中処理(S715)に対応した値に更新する。
第1演出図柄変動中処理(S715):特別図柄変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、第1演出制御プロセスフラグの値を第1演出図柄変動停止処理(S716)に対応した値に更新する。
第1演出図柄変動停止処理(S716):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(特別図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、第1演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、第1演出制御プロセスフラグの値を特図当り表示処理(S717)または特別図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S713)に対応した値に更新する。
特図当り表示処理(S717):特別図柄の変動時間の終了後、演出表示装置5に特図当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。本実施例では、特図当りのうち、低ベース状態から高ベース状態への移行を伴う種別の特図当り(例えば、非確変B及び確変B)が発生した場合にのみ、当該特図当り表示処理を実行し、高ベース状態への移行を伴わない種別の特図当り(例えば、非確変A及び確変A)が発生した場合は当該処理を実行しないようにしている。そして、第1演出制御プロセスフラグの値を特図当り遊技中処理(S718)に対応した値に更新する。
尚、本実施例では、特図当りのうち、低ベース状態から高ベース状態への移行を伴う種別の特図当り(例えば、非確変B及び確変B)を対象として当該特図当り表示処理を実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、全ての特図当り種別を対象として当該特図当り表示処理を実行するようにしてもよい。
特図当り遊技中処理(S718):特図当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置5におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、第1演出制御プロセスフラグの値を特図当り終了演出処理(S719)に対応した値に更新する。
特図当り終了演出処理(S719):演出表示装置5において、特図当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、第1演出制御プロセスフラグの値を特別図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S713)に対応した値に更新する。
図34は、第1演出図柄演出制御プロセス処理における特別図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理を示すフローチャートである。特別図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理では、演出制御用CPU120は、先ず、高ベースフラグがセットされているか否か、つまり、高ベース状態であるか否かを判定する(S910)。高ベースフラグがセットされている、つまり、高ベース状態である場合は特別図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理を終了する。また、高ベースフラグがセットされていない場合、つまり、低ベース状態である場合は、特別図柄変動パターン指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S911)。特別図柄変動パターン指定コマンド受信フラグがセットされていない場合は特別図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理を終了し、特別図柄変動パターン指定コマンド受信フラグがセットされている場合は、特別図柄変動パターン指定コマンド受信フラグをクリアしてS919に進む(S913)。
そして、S919において演出制御用CPU120は、第1演出制御プロセスフラグの値を第1演出図柄変動開始処理に応じた値に更新して特別図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理を終了する。このように、第1演出図柄の変動表示は、低ベース状態においてのみ実行される。
図35は、第1演出図柄演出制御プロセス処理における第1演出図柄変動開始処理を示すフローチャートである。第1演出図柄変動開始処理では、演出制御用CPU120は、先ず、第1特別図柄変動開始コマンド受信フラグがセットされているか否か、つまり第1特別図柄変動開始コマンドを受信しているか否かを判定する(S921)。第1特別図柄変動開始コマンド受信フラグがセットされている場合はS922aに進み、第2特別図柄変動開始コマンド受信フラグがセットされている場合はS923aに進む。
S922aにおいて演出制御用CPU120は、第1特別図柄変動開始コマンド受信フラグをクリアする。そして、始動入賞時受信コマンドバッファにおける第1特図保留記憶数をシフトしてS924に進む。また、S923aにおいて演出制御用CPU120は、第2特別図柄変動開始コマンド受信フラグをクリアしてS924に進む(S923a)。
S924において演出制御用CPU120は、特別図柄変動パターン指定コマンド格納領域から特別図柄変動パターン指定コマンドを読み出す。そして、特別図柄表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータに応じて第1演出図柄の停止図柄を決定する(S925)。
次いで、演出制御用CPU120は、特別図柄変動パターンに応じた図柄変動制御パターン(プロセステーブル)を選択する(S926)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1における第1演出図柄プロセスタイマをスタートさせる(S927)。
次に、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、LED制御実行データ1、音制御実行データ1等)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての枠LED9およびスピーカ8L,8R等)の制御を実行する(S928)。例えば、演出表示装置5において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP等から成る表示制御部123に指令を出力する。また、枠LED9の点灯/消灯制御を行わせるために、LED制御基板14等に対して制御信号を出力する。また、スピーカ8L,8Rからの音声出力を行わせるために、音声制御基板13に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、第1演出図柄変動時間タイマに、特別図柄変動パターン指定コマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S929)、第1演出図柄変動制御タイマに、所定時間に相当する値を設定する(S930)。また、第1演出制御プロセスフラグの値を第1演出図柄変動中処理(S715)に対応した値に更新して第一演出図柄変動開始処理を終了する(S931)。
図36は、第1演出図柄演出制御プロセス処理における第1演出図柄変動中処理(S715)を示すフローチャートである。第1演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU120は、第1演出図柄プロセスタイマ、第1演出図柄変動時間タイマ、第1演出図柄変動制御タイマのそれぞれの値を−1する(S941,S942,S943)。
そして、演出制御用CPU120は、第1演出図柄プロセスタイマがタイマアウトしたか否か確認する(S944)。第1演出図柄プロセスタイマがタイマアウトしていたら、プロセスデータの切り替えを行う(S945)。即ち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値を第1演出図柄プロセスタイマに設定することによって第1演出図柄プロセスタイマをあらためてスタートさせる(S946)。また、その次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、LED制御実行データ、音制御実行データ等)にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更してS949に進む(S947)。S944において第1演出図柄プロセスタイマがタイマアウトしていなければ、第1演出図柄プロセスタイマに対応するプロセスデータの内容(表示制御実行データ、LED制御実行データ、音制御実行データ等)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての枠LED9およびスピーカ8L,8R等)を制御し(S948)、S960に進む。
S949においては、第1演出図柄変動制御タイマがタイマアウトしているか否かを判定する(S949)。第1演出図柄変動制御タイマがタイマアウトしている場合には、演出制御用CPU120は、左中右の第1演出図柄の次表示画面(前回の第1演出図柄の表示切り替え時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(S950)。そのようにして、演出表示装置5において、第1演出図柄の変動制御が実現される。表示制御部123は、設定されている背景画像等の所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を演出表示装置5に出力する。そのようにして、演出表示装置5において、第1演出図柄の変動における背景画像、キャラクタ画像及び演出図柄が表示される。また、第1演出図柄変動制御タイマに所定値を再セットしてS960に進む(S951)。尚、第1演出図柄プロセスタイマがタイマアウトしていない場合はS950〜S951を実行せずにS960に進む。
S960において演出制御用CPU120は、第1演出図柄変動時間タイマがタイマアウトしているか否かを判定する(S960)。第1演出図柄変動時間タイマがタイマアウトしていれば、第1演出制御プロセスフラグの値を第1演出図柄変動停止処理(S716)に応じた値に更新し(S962)、第1演出図柄変動中処理を終了する。S960において第1演出図柄変動時間タイマがタイマアウトしていなくても、特別図柄確定指定コマンドを受信したことを示す特別図柄確定指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定し(S961)、特別図柄確定指定コマンド受信フラグがセットされていれば、S962において第1演出制御プロセスフラグの値を第1演出図柄変動停止処理(S716)に応じた値に更新し(S962)、第1演出図柄変動中処理を終了する。第1演出図柄変動時間タイマがタイマアウトしていなくても特別図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す特別図柄変動パターン指定コマンドを受信したような場合でも、正規の特別図柄の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、第1演出図柄の変動を終了させることができる。
尚、第1演出図柄の変動制御に用いられているプロセステーブルには、第1演出図柄の変動表示中のプロセスデータが設定されている。つまり、プロセステーブルにおけるプロセスデータ1〜nの第1演出図柄プロセスタイマ設定値の和は第1演出図柄の変動時間に相当する。よって、S949の処理において最後のプロセスデータnの第1演出図柄プロセスタイマがタイマアウトしたときには、切り替えるべきプロセスデータ(表示制御実行データやLED制御実行データ等)はなく、プロセステーブルにもとづく第1演出図柄の演出制御は終了する。
図37は、第1演出図柄演出制御プロセス処理における第1演出図柄停止処理(S716)を示すフローチャートである。第1演出図柄停止処理において、演出制御用CPU120は、先ず、第1演出図柄停止期間タイマが動作中であるか否かを判定する(S1031)。第1演出図柄停止期間タイマが動作中でない場合、演出制御用CPU120は、予め決定されている第1演出図柄の停止図柄を導出表示し(S1032)、第1演出図柄停止期間タイマに第1演出図柄停止期間に応じた値をセットして第1演出図柄変動停止処理を終了する(S1033)。また、第1演出図柄停止期間タイマが動作中である場合は、第1演出図柄停止期間タイマの値を−1し(S1034)、第1演出図柄停止期間タイマがタイマアップしたか否かを判定する(S1035)。第1演出図柄停止期間タイマがタイマアップしていない場合は第1演出図柄変動停止処理を終了し、第1演出図柄停止期間タイマがタイマアップした場合は、受信している特別図柄変動表示結果指定コマンドを参照して変動表示結果が特図当りであるか否かを判定する(S1036)。
特別図柄の変動表示結果が特図当りである場合は、第1演出制御プロセスフラグの値を特図当り表示処理に応じた値に更新して第1演出図柄変動停止処理を終了する(S1042)。また、変動表示結果が特図当りでない場合、つまり、はずれである場合、演出制御用CPU120は第1演出制御プロセスフラグの値を特別図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理に応じた値に更新する(S1039)。
図38は、第1演出図柄演出制御プロセス処理における特図当り終了演出処理(S719)を示すフローチャートである。特図当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、先ず、演出期間計測タイマの値を−1し(S1051)、演出期間計測タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S1052)。尚、演出期間計測タイマは、特図当り終了演出の演出期間を計測するためのタイマであり、普通電動役物開放中処理において特図当り遊技の最終ラウンドの終了時にセットされる。演出期間計測タイマがタイマアウトしている場合はS1065に進み、演出期間計測タイマがタイマアウトしていない場合はS1054に進む。
S1054において演出制御用CPU120は、特図当り終了演出を実行するための特図当り終了演出用プロセスタイマが動作中であるか否かを判定する。特図当り終了演出用プロセスタイマが動作中である場合はS1060に進み、特図当り終了演出用プロセスタイマが動作中でない場合はS1056に進む。
S1056において演出制御用CPU120は、特図当り終了演出用プロセステーブルを選択する。そして、選択した特図当り終了演出用プロセステーブルのプロセスデータ1における特図当り終了演出用プロセスタイマをスタートさせる(S1057)。
次に、演出制御用CPU120は、特図当り終了演出の最初のプロセスデータ(プロセスデータ1)の内容(表示制御実行データ1、LED制御実行データ1、音制御実行データ1等)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての枠LED9およびスピーカ8L,8R等)の制御を実行して特図当り終了演出処理を終了する(S1058)。
S1054において特図当り終了演出を実行するための特図当り終了演出用プロセスタイマが動作中でない場合は、特図当り終了演出を実行するための特図当り終了演出用プロセスタイマがタイマアウトしたか否かを判定し(S1060)、特図当り終了演出用プロセスタイマがタイマアウトしていない場合は、特図当り終了演出用プロセスデータの内容にしたがって演出装置を制御し(S1061)、特図当り終了演出処理を終了する。
S1054において特図当り終了演出を実行するための特図当り終了演出用プロセスタイマがタイマアウトした場合は、プロセスデータの切り替えを行う(S1062)。即ち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値を第1特図当り終了演出用プロセスタイマに設定することによって第1特図当り終了演出用プロセスタイマをあらためてスタートさせる(S1063)。また、その次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、LED制御実行データ、音制御実行データ等)にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更して特図当り終了演出処理を進む(S1064)。
S1052において演出期間計測タイマがタイマアウトした場合は、所定のフラグをクリアし(S1065)、演出制御プロセスフラグの値を特別図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理に対応した値に更新してから(S1069)、特図当り終了演出処理を終了する。
図39は、演出制御メイン処理における第2演出図柄演出制御プロセス処理(S707)を示すフローチャートである。第2演出図柄演出制御プロセス処理において演出制御用CPU120は、開放報知演出制御処理(S780)、普通可変入賞球装置27に遊技球が入賞したことを表示する入賞表示処理(S793)及び第2演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S806の処理を行う。
演出制御用CPU120は、第2演出図柄演出制御プロセス処理において、まず、普通可変入賞球装置27がロング開放パターンに基づく開放制御を実行していることを報知する開放報知演出制御処理を実行する(S780)。
図40(A)に示すように、開放報知演出制御処理において、演出制御用CPU120は、ロング開放パターンの普通電動役物開放開始指定コマンドの受信フラグがセットされているか否か、つまり、ロング開放パターンに基づく普通可変入賞球装置27の開放制御の実行が開始されたか否かを判定する(S781)。ロング開放パターンの普通電動役物開放開始指定コマンドの受信フラグがセットされている場合は、開放報知用LEDの点灯を禁止することを示す開放報知用LED点灯禁止フラグがセットされているか否かを判定し(S782)、開放報知用LED点灯禁止フラグがセットされていない場合は、開放報知用LED36の点灯を開始し(S783)、S784に進む。
次いで、遊技状態が第4遊技状態であるか否かを判定し(S784)、第4遊技状態である場合は、ロング開放パターンに基づく普通可変入賞球装置27の開放制御の実行回数を示すロング開放回数カウンタの値に1を加算し(S785)、演出表示装置5にロング開放パターンに基づく普通可変入賞球装置27の開放制御が開始されたこと及び第4遊技状態に制御されてからロング開放パターンに基づく普通可変入賞球装置27の開放制御が実行された回数を示す画像(例えば、図48(C)や図48(E)参照)を表示する(S786)。尚、第4遊技状態であるか否かは、第4遊技状態指定コマンド受信フラグがあるか否かにより判定すればよい。また、ロング開放回数カウンタの値は、第4遊技状態指定コマンド受信フラグとともにクリアされればよい。
S781においてロング開放パターンの普通電動役物開放開始指定コマンドの受信フラグがセットされていない場合、S782において開放報知用LED点灯禁止フラグがセットされている場合及びS784において第4遊技状態でない場合はS787に進む。
S787においては、ロング開放パターンの普通電動役物開放終了指定コマンドの受信フラグがセットされているか否かを判定する(S787)。ロング開放パターンの普通電動役物開放終了指定コマンドの受信フラグがセットされている場合は、開放報知用LED36が点灯中であるか否かを判定し(S788)、開放報知用LED36が点灯中である場合は、開放報知用LED36の点灯を終了し(S789)、ロング開放パターンに基づく普通可変入賞球装置27の開放制御が実行された回数を示す画像を表示している場合は該画像の表示を終了し(S790)、開放報知演出制御処理を終了する。S784においてロング開放パターンの普通電動役物開放終了指定コマンドの受信フラグがセットされている場合及びS785において開放報知用LED36が点灯中でない場合は、開放報知演出制御処理を終了する。
図40(B)には、開放報知演出制御処理内容の一例が示されている。このように演出制御用CPU120は、ロング開放パターンに基づく普通可変入賞球装置27の開放制御の実行されている期間において開放報知用LED36を点灯することで、普通入賞口が長期間にわたり開放状態となっていることを報知する。尚、低ベース状態である場合やショート開放パターンに基づく普通可変入賞球装置27の開放制御が実行されている期間において開放報知用LED36は点灯しないため、高ベース状態において普通可変入賞球装置27が出球の獲得が可能な開放状態となった場合においてのみ遊技者に報知している。
また、開放報知用LED36の点灯は、高ベース状態において特別図柄の変動表示が終了する前に普通図柄の変動表示が停止したことに基づいてロング開放パターンに基づく普通可変入賞球装置27の開放制御が実行された場合には実行されるが、特別図柄の変動表示が終了してから次の特別図柄の変動表示が開始されるまでの間にロング開放パターンに基づく普通可変入賞球装置27の開放制御が実行された場合には実行されない。すなわち、このような状況は、高ベース状態において特別図柄の変動表示が実行されていない状態で遊技球が通過ゲートを通過して普通図柄の変動表示が開始された後、普図当りになったことに基づいてロング開放パターンに基づく普通可変入賞球装置27が実行されたが、該通過ゲート41を通過した遊技球が第2始動入賞しない場合である。
このような状況は、前述したように発生しないわけではないが、イレギュラーな状態、もしくは、糸吊り球を用いる不正行為などにより通過ゲート41を通過させた遊技球を逆流させて何回も不正に通過させている可能性がある。よって、高ベース状態において特別図柄の変動表示が終了してから次の特別図柄の変動表示が開始されるまでの期間、つまり、開放報知用LED点灯禁止フラグがセットされている期間において普通可変入賞球装置27がロング開放パターンに基づいて開放した場合は、開放報知用LED36の点灯を開始しないようにしている。
図39に戻って、S780における開放報知演出制御処理を終了した後は、普通電動役物入賞指定コマンド受信フラグがセットされているか否か、つまり、普通可変入賞球装置27の開放期間に遊技球が入賞したか否かを判定し(S790)、普通電動役物入賞指定コマンド受信フラグがセットされていない場合はS792に進み、普通電動役物入賞指定コマンド受信フラグがセットされている場合は、普通電動役物入賞指定コマンド受信フラグをクリアして(S791)、S792に進む。
S792においては、開放報知用LED36の点灯中であるか否かを判定し(S792)、開放報知用LED36の点灯中である場合は入賞表示処理を実行し(S793)、第2演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S806の処理を行う。また、開放報知用LED36の点灯中でない場合は、入賞表示処理を実行せずに第2演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S806の処理を行う。
尚、S793における入賞表示処理では、例えば、図50(K)に示すように、遊技球が入賞するごとに賞球数を示す「+40」などの数字を更新表示したり、入賞に伴い効果音を出力する制御等を実施すればよい。
特別図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ100から特別図柄変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理で特別図柄変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。特別図柄変動パターン指定コマンドを受信しており、且つ、読み出した特別図柄変動パターン指定コマンドから特定される変動パターンが普通電動役物開放用の変動パターンであるか否かに応じて演出表示装置5における表示設定を実行すれば、第2演出制御プロセスフラグの値を第2演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
第2演出図柄変動開始処理(S801):普通図柄の変動表示に連動して第2演出図柄(漢数字の演出図柄)の変動が開始されるように制御する。そして、第2演出制御プロセスフラグの値を第2演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
第2演出図柄変動中処理(S802):普通図柄変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、第2演出制御プロセスフラグの値を第2演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
第2演出図柄変動停止処理(S803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(普通図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、第2演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、第2演出制御プロセスフラグの値を特図当り表示処理(S804)または普通図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
特図当り表示処理(S804):特別図柄の変動時間の終了後、演出表示装置5に特図当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。本実施例では、特図当りのうち、遊技状態の移行を伴う種別の特図当り(例えば、非確変C,E,F及び確変C,D)が発生した場合にのみ、当該特図当り表示処理を実行し、遊技状態の移行を伴わない種別の特図当り(例えば、非確変D及び確変E)が発生した場合は当該処理を実行しないようにしている。そして、第2演出制御プロセスフラグの値を特図当り遊技中処理(S805)に対応した値に更新する。
尚、本実施例では、特図当りのうち、遊技状態の移行を伴う種別の特図当り(例えば、非確変C,E,F及び確変C,D)を対象として当該特図当り表示処理を実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、全ての特図当り種別を対象として当該特図当り表示処理を実行するようにしてもよい。
特図当り遊技中処理(S805):特図当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置5におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、第2演出制御プロセスフラグの値を特図当り終了演出処理(S806)に対応した値に更新する。
特図当り終了演出処理(S806):演出表示装置5において、特図当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、第2演出制御プロセスフラグの値を特別図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
図41は、第2演出図柄演出制御プロセス処理における特別図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理を示すフローチャートである。特別図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理では、演出制御用CPU120は、先ず、高ベースフラグがセットされているか否か、つまり、高ベース状態であるか否かを判定する(S810)。高ベースフラグがセットされていない、つまり、低ベース状態である場合は特別図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理を終了する。高ベース状態である場合は、特別図柄変動パターン指定コマンド受信フラグがセットされているかを判定する(S811)。特別図柄変動パターン指定コマンド受信フラグがセットされていない場合は、第2演出図柄演出制御プロセス処理を終了し、特別図柄変動パターン指定コマンド受信フラグがセットされるまで監視が続けられる。
S811において特別図柄変動パターン指定コマンド受信フラグがセットされている場合は、特別図柄変動パターン指定コマンド受信フラグをクリアし(S812)、第5遊技状態指定コマンド受信フラグがセットされているか否かに基づいて、遊技状態が第5遊技状態であるか否かを判定する(S813)。第5遊技状態である場合は、特別図柄変動パターン指定コマンド格納領域に格納されている特別図柄変動パターン指定コマンドを読み出し(S814)、読み出した特別図柄変動パターン指定コマンドから特定される特別図柄変動パターンが普電ショート開放用の変動パターン(TPB5−4)または普電ロング開放用の変動パターン(TPB5−5)であるか否かを判定する(S815)。普電ショート開放用または普電ロング開放用の変動パターンである場合は、演出表示装置5における第2演出図柄の通常表示設定(演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示させるための設定)を実行し(S816)、S818に進む。
一方、S813において第5遊技状態ではない場合、及びS815において普電ショート開放用または普電ロング開放用の変動パターンでない場合は、演出表示装置5における第2演出図柄の縮小表示設定(演出図柄表示エリア5L,5C,5Rの右側に縮小変動表示させるための設定)を実行し(S817)、S818に進む。
すなわち、高ベース状態では、第5遊技状態において特別図柄の変動パターンが普電開放用の変動パターンであるときにのみ第2演出図柄の通常変動表示が実行され(図50参照)、第3遊技状態、第4遊技状態及び第5遊技状態において特別図柄の変動パターンが普電開放用の変動パターンではない場合は、第2演出図柄の縮小変動表示が実行されるようになっている。
S818においては、第2演出図柄の変動が開始されることに基づいて前述した開放報知用LED点灯禁止フラグをクリアし(S819)、第2演出制御プロセスフラグの値を第2演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更して(S819)、普通図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理を終了する。このように、第2演出図柄の変動表示は、高ベース状態においてのみ実行される。
また、本実施例では、S800の普通図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理におけるS811において特別図柄変動パターン指定コマンド受信フラグがセットされていることに基づいて、以下に示す第2演出図柄演出制御プロセス処理が実行されるようになっている。すなわち、高ベース状態において特別図柄の変動表示が開始されたことに基づいて第2演出図柄の変動表示制御が実行されるようになっているため、普通図柄の変動表示の開始とほぼ同時に特別図柄の変動表示が開始されない場合、つまり、通過ゲート41を通過した遊技球が第2始動入賞しない場合は、普通図柄の変動表示は開始されるが、第2特別図柄及び第2演出図柄の変動表示は開始されない。
図42は、第2演出図柄演出制御プロセス処理における第2演出図柄変動開始処理を示すフローチャートである。第2演出図柄変動開始処理では、演出制御用CPU120は、先ず、第5遊技状態指定コマンド受信フラグがセットされているか否かに基づいて、遊技状態が第5遊技状態であるか否かを判定する(S813)。第5遊技状態である場合は、演出表示装置5における第2演出図柄の表示設定は通常表示設定であるか否かを判定する(S821)。S820において第5遊技状態ではない場合、及び演出表示装置5における第2演出図柄の表示設定は通常表示設定ではない場合、つまり、第5遊技状態において特別図柄の変動パターンが普電開放用の変動パターンではない場合には、特別図柄の表示結果に応じて第2演出図柄の停止図柄を決定し(S822)、S830に進む。S821において演出表示装置5における第2演出図柄の表示設定が通常表示設定である場合、つまり、特別図柄の変動パターンが普電開放用の変動パターンである場合には、普通図柄変動表示結果指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S823)。普通図柄変動表示結果指定コマンド受信フラグがセットされている場合はS824に進み、普通図柄変動表示結果指定コマンド受信フラグがセットされていない場合、つまり、特別図柄が変動表示は開始したが普通図柄の変動表示が開始されていない場合(遊技球が通過ゲート41を通過せずに第2始動入賞が発生したことに基づいて普電開放用の特別図柄変動パターンの変動表示が開始されるイレギュラー状態が発生した場合)はS828に進む。
S824において演出制御用CPU120は、「普図当り」を示す普通図柄変動表示結果指定コマンドを受信しているか否かを判定する(S824)。「普図当り」を示す普通図柄変動表示結果指定コマンドを受信している場合はS825に進み、「はずれ(普図はずれ)」を示す普通図柄変動表示結果指定コマンドを受信している場合はS828に進む。S825においては、特別図柄変動パターン指定コマンド格納領域から特別図柄変動パターン指定コマンドを読み出した後(S825)、特別図柄変動パターンが普電ロング開放用の変動パターンであるか否かを判定し(S826)、普電ロング開放用の変動パターンである場合は、揃い(当り)の第2演出図柄の停止図柄(例えば、五五五など)を決定する(S827)。一方、S823において普通図柄変動表示結果指定コマンド受信フラグがセットされていない場合、S824において「はずれ(普図はずれ)」を示す普通図柄変動表示結果指定コマンドを受信している場合、S826において特別図柄変動パターンが普電ショート開放用の変動パターンある場合は、不揃い(はずれ)の第2演出図柄の停止図柄(例えば、五六七など)を決定し(S828)、S829に進む。
このように、「はずれ(普図はずれ)」を示す普通図柄変動表示結果指定コマンドを受信している場合や特別図柄変動パターンが普電ショート開放用の変動パターンである場合だけでなく、遊技球が通過ゲート41を通過せずに第2始動入賞が発生したことに基づいて普電開放用の特別図柄変動パターンの変動表示が開始されるイレギュラー状態が発生した場合においても不揃い(はずれ)の第2演出図柄の停止図柄を決定するので、第2演出図柄が揃ったが普通可変入賞球装置27の普通入賞口が開放しない状況が発生して遊技者に違和感を与えてしまうことを回避できる。
S829においては、普通図柄変動表示結果指定コマンド受信フラグ及び特別図柄変動パターンコマンド格納領域をクリアしてS830に進み、特別図柄変動パターンに応じた図柄変動制御パターン(プロセステーブル)を選択する(S830)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1における第2演出図柄プロセスタイマをスタートさせる(S831)。
次に、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、LED制御実行データ1、音制御実行データ1等)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての枠LED9およびスピーカ8L,8R等)の制御を実行する(S832)。例えば、演出表示装置5において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP等から成る表示制御部123に指令を出力する。また、枠LED9の点灯/消灯制御を行わせるために、LED制御基板14等に対して制御信号を出力する。また、スピーカ8L,8Rからの音声出力を行わせるために、音声制御基板13に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、第2演出図柄変動時間タイマに、普通図柄変動パターン指定コマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S833)、第2演出図柄変動制御タイマに、所定時間に相当する値を設定する(S834)。また、第2演出制御プロセスフラグの値を第2演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新して(S835)、第一演出図柄変動開始処理を終了する。
図43は、第2演出図柄演出制御プロセス処理における第2演出図柄変動中処理(S802)を示すフローチャートである。第2演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU120は、先ず、第2演出図柄プロセスタイマ、第2演出図柄変動時間タイマ、第2演出図柄変動制御タイマのそれぞれの値を−1する(S840A,S840B,S840C)。
そして、演出制御用CPU120は、第2演出図柄プロセスタイマがタイマアウトしたか否か確認する(S841)。第2演出図柄プロセスタイマがタイマアウトしていたら、プロセスデータの切り替えを行う(S842)。即ち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値を第2演出図柄プロセスタイマに設定することによって第2演出図柄プロセスタイマをあらためてスタートさせる(S843)。また、その次に設定されている第2演出図柄プロセスデータ(表示制御実行データ、LED制御実行データ、音制御実行データ等)にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更してS847に進む(S845)。尚、第2演出図柄プロセスタイマがタイマアウトしていない場合は、設定されている第2演出図柄プロセスデータ(表示制御実行データ、LED制御実行データ、音制御実行データ等)にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更してS847に進む(S846)。
次に、第2演出図柄変動制御タイマがタイマアウトしているか否かを判定する(S847)。第2演出図柄変動制御タイマがタイマアウトしている場合には、演出制御用CPU120は、左中右の第2演出図柄の次表示画面(前回の第2演出図柄の表示切り替え時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(S848)。そのようにして、演出表示装置5において、第2演出図柄の変動制御が実現される。表示制御部123は、設定されている背景画像等の所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を演出表示装置5に出力する。そのようにして、演出表示装置5において、第2演出図柄の変動における背景画像、キャラクタ画像及び演出図柄が表示される。また、第2演出図柄変動制御タイマに所定値を再セットしてS850に進む(S849)。尚、第2演出図柄プロセスタイマがタイマアウトしていない場合はS848〜S849を実行せずにS850に進む。
次に、演出表示装置5における第2演出図柄の表示設定は通常表示設定であるか否かを判定する(S850)。通常表示設定である場合はS850aに進み、通常表示設定ではない場合はS853に進む。次いで、普通図柄確定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定し(S850a)、普通図柄確定コマンド受信フラグがセットされていなければS853に進み、普通図柄確定コマンド受信フラグがセットされていれば、普通図柄確定コマンド受信フラグをクリアし(S851)、停止図柄を仮導出表示(例えば、図50(H)に示すように第2演出図柄を揺動させた状態で停止表示させるなど)して(S852)、S853に進む。
S853において演出制御用CPU120は、第2演出図柄変動時間タイマがタイマアウトしているか否かを判定する。第2演出図柄変動時間タイマがタイマアウトしていれば、第2演出制御プロセスフラグの値を第2演出図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新する(S856)。第2演出図柄変動時間タイマがタイマアウトしていなくても、普通図柄確定指定コマンドを受信したことを示す普通図柄確定指定コマンド受信フラグがセットされていたら、普通図柄確定指定コマンド受信フラグをクリアして(S855)、第2演出制御プロセスフラグの値を第2演出図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新する(S856)。第2演出図柄変動時間タイマがタイマアウトしていなくても普通図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す普通図柄変動パターン指定コマンドを受信したような場合でも、正規の普通図柄の変動時間経過時(普通図柄の変動終了時)に、第2演出図柄の変動を終了させることができる。
尚、第2演出図柄の変動制御に用いられているプロセステーブルには、第2演出図柄の変動表示中や他の演出に応じたプロセスデータが設定されている。つまり、プロセステーブルにおけるプロセスデータ1〜nの第2演出図柄プロセスタイマ設定値の和は第2演出図柄の変動時間に相当する。よって、S853の処理において最後のプロセスデータnの第2演出図柄プロセスタイマがタイマアウトしたときには、切り替えるべきプロセスデータ(表示制御実行データやLED制御実行データ等)はなく、プロセステーブルにもとづく第2演出図柄の演出制御は終了する。
図44は、第2演出図柄演出制御プロセス処理における第2演出図柄停止処理(S803)を示すフローチャートである。第2演出図柄停止処理において、演出制御用CPU120は、先ず、第2演出図柄停止期間タイマが動作中であるか否かを判定する(S861)。第2演出図柄停止期間タイマが動作中でない場合、演出制御用CPU120は、予め決定されている第2演出図柄の停止図柄を導出表示し(S862)、第2演出図柄停止期間タイマに第2演出図柄停止期間に応じた値をセットして第2演出図柄変動停止処理を終了する(S863)。また、第2演出図柄停止期間タイマが動作中である場合は、第2演出図柄停止期間タイマの値を−1し(S864)、第2演出図柄停止期間タイマがタイマアップしたか否かを判定する(S865a)。第2演出図柄停止期間タイマがタイマアップしていない場合は第2演出図柄変動停止処理を終了し、第2演出図柄停止期間タイマがタイマアップした場合は、第2演出図柄の変動表示が停止するとして、開放報知用LED点灯禁止フラグをセットし(S866)、受信している特別図柄変動表示結果指定コマンドを参照して変動表示結果が特図当りであるか否かを判定する(S866)。
変動表示結果が特図当りである場合は、第2演出制御プロセスフラグの値を特図当り表示処理に応じた値に更新して第2演出図柄変動停止処理を終了する(S868)。また、変動表示結果が特図当りでない場合は、第2演出制御プロセスフラグの値を特別図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理に応じた値に更新して第2演出図柄変動停止処理を終了する(S869)。
図45は、演出制御メイン処理におけるエラー報知処理(S710)を示すフローチャートである。エラー報知処理において、演出制御用CPU120は、先ず、エラー報知実行タイマが動作中であるか否かを判定する(S981)。エラー報知タイマが動作中でない場合、エラー指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S982)。エラー指定コマンド受信フラグがセットされていない場合、エラー報知処理を終了する。また、エラー指定コマンド受信フラグがセットされている場合、エラー指定コマンド格納領域からエラーコマンドを読み出してエラー種別を特定し(S983)、特定したエラー種別に対応するエラー表示と枠LED9等の演出用LEDの点灯態様を特定し(S984)、特定したエラーの表示と特定した演出用LEDの点灯態様での点灯を開始し(S985)、エラー報知実行タイマの値に所定の報知時間(例えば、1分など)を設定し(S986)、エラー報知処理を終了する。
S981においてエラー報知タイマが動作中である場合、エラー報知実行タイマの値を−1し(S987)、エラー報知実行タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S988)。エラー報知実行タイマがタイマアウトしなければ、エラー報知処理を終了する。
エラー報知実行タイマがタイマアウトすれば、エラー表示とエラーに応じた態様の演出LEDの点灯を終了して(S989)、エラー報知処理を終了する。
尚、エラー報知処理に基づくエラー表示の態様の一例として、例えば、図46に示すように、「E−86 ゲート通過エラー発生」なる文字を演出表示装置5に表示させる。また、エラー表示を実行する際に第1演出図柄や第2演出図柄の変動表示を実行している場合などにおいては、図46に示すように、第1演出図柄や第2演出図柄よりもエラー表示を優先して手前側に重ねるように表示することが好ましい。尚、エラー表示態様は上記のものに限定されるものではなく、種々に変更可能である。
次に、高ベース状態において演出制御用CPU120が実行する演出表示装置5における演出表示の一例を、図47〜図50に基づいて説明する。図47は、第3遊技状態における演出表示装置での演出表示の一例を示す説明図である。図48は、第4遊技状態における演出表示装置での演出表示の一例を示す説明図である。図49は、第5遊技状態における演出表示装置での演出表示の一例を示す説明図である。図50は、第2演出図柄の表示態様の一例を示す説明図である。
図47に示すように、第1遊技状態または第2遊技状態において非確変Bの特図当りが発生したことにより、該特図当り遊技状態の終了後に第3遊技状態に制御されると、演出制御用CPU120は、図47(A)に示すように、演出表示装置5の表示画面に「チャンスゾーン」なる文字を表示して第3遊技状態に移行した旨を報知するとともに、「60秒以内に○△チャレンジ成功で右打ち継続!!」なる文字及び「残り60秒」なる変動表示時間に対応したチャレンジ時間のカウントダウン表示画像を表示するとともに、右打ち促進画像を表示する。
尚、第1遊技状態または第2遊技状態において非確変Bの特図当りが発生した時点で第1特別図柄の第1保留記憶がある場合は、第1保留記憶に対応する第1特別図柄の変動表示に応じて第2演出図柄の変動表示を開始する。第1遊技状態または第2遊技状態において非確変Bの特図当りが発生した時点で第1特別図柄の第1保留記憶がない場合は、第2始動入賞が発生したことに基づき第2特別図柄の変動表示が開始されたことに応じて、第2演出図柄を画面右端に縮小表示させて変動表示を開始する。
第3遊技状態では、特別図柄の変動パターンとして変動表示時間が60秒と長いはずれ変動パターン(TPA3−1)または特図当り変動パターン(TPB3−1〜2)が選択されるため、変動表示に伴い、図47(B)に示すように、当該変動表示が終了したときに特図当りとなるか否かを示唆するチャレンジ演出の開始を報知する画像(図示略)と、変動表示時間に対応したチャレンジ時間のカウントダウン表示画像を更新する。
図47(C)に示すように、例えば、変動終了の約10秒前になったらチャレンジ演出の結果を発表する画面を表示する。そして、図47(D)に示すように、特別図柄の変動表示結果がはずれである場合は、「残念・・・」なる文字とキャラクタを表示して低ベース状態である第1遊技状態に戻ることを報知する。一方、図47(E)に示すように、特別図柄の変動表示結果が特図当りである場合は、「成功!!」なる文字とキャラクタを表示して、第3遊技状態よりも有利な高ベース状態である第5遊技状態または第4遊技状態に移行することを報知する。
尚、図47(F)に示すように、第3遊技状態における変動表示結果が非確変Cの特図当りである場合、特図当り中に「無敵ゾーン突入!」なる画像を表示し、該特図当りの終了後に第4遊技状態に移行することを報知し、図47(G)に示すように、第3遊技状態における変動表示結果が確変Cの特図当りである場合、特図当り中に「ラッシュ突入!」なる画像を表示し、該特図当りの終了後に第5遊技状態に移行することを報知する。
次に、図48に示すように、第3遊技状態において非確変Bの特図当りが発生したことまたは第5遊技状態において非確変Fの特図当りが発生したことにより、該特図当り遊技状態の終了後に第4遊技状態に制御されると、演出制御用CPU120は、図48(A)に示すように、演出表示装置5の表示画面に「無敵ゾーン突入!」なる文字を表示して第4遊技状態に移行した旨を報知するとともに、右打ち促進画像を表示する。
尚、第3遊技状態または第2遊技状態において非確変Bの特図当りが発生した時点で第1特別図柄の第1保留記憶が2以上ある場合は、第1保留記憶に対応する第1特別図柄の変動表示に応じて第2演出図柄の変動表示を開始する。第1遊技状態または第2遊技状態において非確変Bの特図当りが発生した時点で第1特別図柄の第1保留記憶が1以下であった場合は、第2始動入賞が発生したことに基づき第2特別図柄の変動表示が開始されたことに応じて、第2演出図柄を画面右端に縮小表示させて変動表示を開始する。
第4遊技状態では、第4遊技状態に制御されてから最初の1変動目においては、特別図柄の変動パターンとして変動表示時間が60秒と長いはずれ変動パターン(TPA4−1)または特図当り変動パターン(TPB4−1)が選択され、2変動目以降においては、特別図柄の変動パターンとして変動表示時間が10秒のはずれ変動パターン(TPA4−2)または特図当り変動パターン(TPB4−2)が選択される。
これら特別図柄の変動表示時間は、いずれも普通図柄の普図当り変動パターン(FPA2−1)の変動表示時間である2.7秒よりも長く、普図当りの停止図柄が停止表示された時点で高ベース状態となることから、ロング開放パターンに基づく普通可変入賞球装置27の開放制御が複数回実行される。また、演出制御用CPU120は、特別図柄の変動パターンがはずれ変動パターンである場合(図48(B))でも、特図当り変動パターンである場合(図48(D))でも、ロング開放パターンの普通電動役物開放開始指定コマンド受信バッファを受信するごとに、演出表示装置5に、普通入賞口がロング開放したことを示す「+1COMBO」なる画像を表示するとともに、第4遊技状態においてロング開放パターンに基づく普通可変入賞球装置27の開放制御が実行された総回数を示す「Total10COMBO」(図48(C)参照)や「Total15COMBO」(図48(E)参照)といった画像を表示する。
尚、本実施例では、普通入賞口がロング開放した場合に、第4遊技状態においてロング開放パターンに基づく普通可変入賞球装置27の開放制御が実行された総回数を示す画像を表示するようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第4遊技状態だけでなく、高ベース状態(第3遊技状態、第4遊技状態、第5遊技状態)に移行したときからロング開放パターンに基づく普通可変入賞球装置27の開放制御が実行された総回数を示す画像を表示するようにしてもよい。また、図48(C)(E)に示す画像は、第3遊技状態や第5遊技状態においてロング開放パターンに基づく普通可変入賞球装置27の開放制御が実行されたときに表示するようにしてもよい。
特別図柄の変動パターンが特図当り変動パターン(TPA4−1〜2)である場合は、図48(F)に示すように、特別図柄の変動表示結果によって、第4遊技状態が維持されるか第5遊技状態に転落するかを示唆する演出が開始される。
そして、特別図柄の変動表示結果が非確変Dの特図当りである場合、図48(G)に示すような危険回避に成功したような演出画像を表示して、第4遊技状態が継続することを報知する。このように、特別図柄の変動表示結果がはずれである場合や非確変Dの特図当りである場合は第5遊技状態が継続するので、図48(B)〜図48(H)の処理が繰り返し行われる。一方、特別図柄の変動表示結果が確変D特図当りである場合、図48(H)に示すような危険回避に失敗したような演出画像を表示して、第5遊技状態に転落することを報知する。
図49に示すように、第1遊技状態または第2遊技状態において確変Bの特図当りが発生したことまたは第3遊技状態において確変Cの特図当りが発生したことにより、該特図当り遊技状態の終了後に第5遊技状態に制御されると、演出制御用CPU120は、図49(A)に示すように、演出表示装置5の表示画面に「ラッシュ突入!」なる文字を表示して第5遊技状態に移行した旨を報知するとともに、右打ち促進画像を表示する。
尚、第1遊技状態または第2遊技状態において確変Bの特図当りが発生した時点で第1特別図柄の第1保留記憶がある場合(第3遊技状態を経由する場合は2以上)は、第1保留記憶に対応する第1特別図柄の変動表示に応じて第2演出図柄の変動表示を開始する。第1遊技状態または第2遊技状態において非確変Bの特図当りが発生した時点で第1特別図柄の第1保留記憶がない場合(第3遊技状態を経由する場合は1以上の保留記憶がある場合)は、第2始動入賞が発生したことに基づき第2特別図柄の変動表示が開始されたことに応じて第2演出図柄の変動表示を開始する。
第5遊技状態では、特別図柄の変動パターンが普電開放用の変動パターン(TPB5−4〜5)である場合は(図49(B))、図50に示す第2演出図柄の変動表示が実行され、特別図柄の変動パターンが普電開放用以外の変動パターン(TPB5−1〜3)である場合は(図49(C))、図49(D)に示すように、特別図柄の変動表示結果によって、第5遊技状態が維持されるか、第4遊技状態へ昇格するか、第1遊技状態に転落するかを示唆する演出が実行される。
そして、特別図柄の変動表示結果が非確変Fの特図当りである場合、図49(E)に示すようなバトルに勝利したような演出画像を表示して、第4遊技状態に昇格することを報知する。一方、特別図柄の変動表示結果が確変Eの特図当り、非確変Fの特図当り、非確変Eの特図当りである場合、図49(F)に示すようなバトルに敗北したような演出画像を表示する。この場合、特別図柄の変動表示結果が確変Eの特図当りまたは非確変Fの特図当りである場合は、その後に復活演出(図示略)を実行し、第4遊技状態へ昇格または第5遊技状態が継続することを報知する。また、特別図柄の変動表示結果が非確変Eの特図当りである場合は、バトルに敗北した画像が表示されたままとして第1遊技状態へ転落することを報知する。
図50に示すように、第4遊技状態や第5遊技状態において、特別図柄の変動パターンが普電開放用の変動パターンである場合は、図50(A)に示すように、特別図柄の変動表示の開始に応じて、通常表示設定に基づき、演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて第2演出図柄の変動表示を開始する。尚、第2演出図柄として、アラビア数字からなる第1演出図柄とは態様が異なる漢数字からなる図柄を用いていることで、特別図柄の表示結果ではなく、普通可変入賞球装置27の開放制御パターンの種別を報知することを認識させることができる。
そして、特別図柄の変動パターンが普電ショート開放用の変動パターンである場合は(図50(B))、図50(C)に示すように、特別図柄の変動表示が普通図柄の変動表示よりも先に停止した時点で、図柄不揃いの第2演出図柄の停止図柄(例えば、五六七など)を停止表示させる。
次いで、普通図柄の変動表示が停止した時点で(図50(D))、ショート開放パターンに基づく普通可変入賞球装置27の開放制御が実行される(図50(E))。尚、ショート開放パターンに基づく普通可変入賞球装置27の開放制御が実行される場合、開放報知用LED36の点灯制御は実行しない。また、入賞表示処理も実行しない(図50(F))。
一方、特別図柄の変動パターンが普電ロング開放用の変動パターンである場合は(図50(G))、図50(H)に示すように、普通図柄の変動表示が特別図柄の変動表示よりも先に停止した時点で、図柄揃いの第2演出図柄の停止図柄(例えば、五五五を揺れた状態で停止するなど)を仮停止表示させる。次いで、図50(I)に示すように、特別図柄の変動表示が停止した時点で、図柄揃いの第2演出図柄の停止図柄(例えば、五五五など)を停止表示させる。停止表示に応じて、ロング開放パターンに基づく普通可変入賞球装置27の開放制御が実行される(図50(J))。尚、ロング開放パターンに基づく普通可変入賞球装置27の開放制御の実行に伴い、開放報知用LED36の点灯を開始する。
また、ロング開放パターンに基づく普通可変入賞球装置27の開放制御の実行中に普通入賞口に遊技球が入賞した場合、図50(F)に示すように、入賞数に応じた賞球の払出球数を示す画像の表示や効果音の出力といった入賞表示処理を実行する。
以上説明したように、本発明の実施例としてのパチンコ遊技機1にあっては、演出制御用CPU120は、第5遊技状態(高ベース状態)において、特別図柄の変動パターンが普電ショート開放用の変動パターンである場合は、普通可変入賞球装置27の開放制御が実行されても実質的に出球を期待できないので、第2演出図柄を不揃い図柄で停止表示し、特別図柄の変動パターンが普電ロング開放用の変動パターンである場合は、普通可変入賞球装置27の開放制御が実行されることで出球を期待できるので、第2演出図柄を揃い図柄で停止表示する。よって、第2演出図柄の変動表示を適切に制御することができる。
詳しくは、演出制御用CPU120は、特別図柄の変動表示の開始に応じて第2演出図柄の変動表示を開始するとともに、特別図柄の変動表示の終了(停止表示)に応じて第2演出図柄の変動表示結果を導出表示するようになっているが、第2演出図柄の変動表示結果として、普通図柄の変動表示状態と特別図柄の変動表示状態とに基づく態様を導出表示可能である。つまり、普通図柄が停止表示された時点で特別図柄の変動表示が実行中か否かによって普通可変入賞球装置27の開放制御がショート開放パターンとロング開放パターンのいずれに基づいて行われるかが変化するものであるため、普通図柄の変動表示状態と特別図柄の変動表示状態とに基づいて第2演出図柄の変動表示結果を導出表示する。
これにより、高ベース状態において普通図柄の変動表示結果が普図当りとなって普通可変入賞球装置27の開放制御が実行される場合でも、ショート開放パターンで普通入賞口が開放される場合は遊技者にとって有利ではないので、第2演出図柄の変動表示結果として不揃い図柄を停止表示したり、ロング開放パターンで普通入賞口が開放される場合は遊技者にとって有利であるため、第2演出図柄の変動表示結果として揃い図柄で停止表示したりすることができる。よって、第2演出図柄が揃い図柄で停止表示したにもかかわらずショート開放パターンで普通入賞口が開放することで遊技者に違和感を与えることを回避できる。
また、演出制御用CPU120は、高ベース状態において、特別図柄を停止表示する前に普図当りの停止図柄が停止表示された場合、第2演出図柄を揃い図柄で停止表示するため、第2演出図柄の変動表示の開始を特別図柄の変動表示の変動の開始に対応させつつ、第2演出図柄の変動表示結果を、普通図柄の表示結果に対応した表示結果とすることができる。
また、演出制御用CPU120は、高ベース状態において、特別図柄が停止表示した後に普図当りの停止図柄が停止表示された場合、第2演出図柄を不揃い図柄で停止表示するため、第2演出図柄の変動表示結果を、普通図柄の表示結果に対応した表示結果とすることができる。
また、CPU103は、遊技状態に応じた変動パターン判定テーブルに基づいて変動表示時間が異なる複数の特別図柄変動パターンからいずれかを決定することが可能であり、演出制御用CPU120は、高ベース状態において、特別図柄の変動表示が停止した後に普図当りの停止図柄が停止表示された時点で特図当り遊技状態(低ベース状態)である場合、ショート開放パターンに基づいて普通可変入賞球装置27の開放制御を実行する。つまり、高ベース状態であっても、特別図柄の特図当り変動パターンとして普電ショート開放用の変動パターンを決定した場合、普図当りの停止図柄が停止表示された時点の遊技状態が特図当り遊技状態、つまり、低ベース状態となることで、ショート開放パターンに基づく普通可変入賞球装置27の開放制御が実行される。
このようにすることで、高ベース状態においても、特別図柄の可変表示時間によって、普図当りの停止図柄が停止表示されたときに特図当り遊技状態であるか否かに応じて、普通可変入賞球装置27の開放パターンを遊技者に不利なショート開放パターンまたは遊技者に有利なロング開放パターンのいずれかにすることができる。
また、CPU103が、特図当り終了処理におけるS312において特図当り前変動パターン及び特図当り種別に対応する表示時間を異なる複数の表示時間のうちから特定し、該表示時間に応じた値を特図当り終了表示タイマに設定して特図当り終了処理を終了する処理を実行することで、特別可変入賞球装置7の開放制御が終了してから特図当り遊技状態が終了するまでの時間(演出制御用CPU120がエンディング演出を実行する期間)を変化させることができる。
このようにすることで、特別可変入賞球装置7の開放制御が終了してから特図当り遊技状態が終了するまでの期間を変えること、つまり、低ベース状態の期間を変えることができるため、普通可変入賞球装置27の開放パターンを遊技者に不利なショート開放パターンまたは遊技者に有利なロング開放パターンのいずれかにすることができる。
また、遊技領域における演出表示装置5の右側方に、通過ゲート41を通過した遊技球が該通過ゲート41の直下に配置される第2普通入賞球装置6Bの第2始動入賞口に進入可能な遊技球経路が設けられていることで、1の遊技球の通過によって特別始動条件と普通始動条件とをほぼ同時期に成立可能とすることができる。
このようにすることで、特別図柄の変動表示と普通図柄の変動表示の開始契機を対応させることができる。
また、演出制御用CPU120は、第4遊技状態において特別図柄の変動パターンが非リーチはずれ変動パターン(TPA4−1〜2)である場合、図48(F)に示す演出を実行可能である。
このようにすることで、例えば、第4遊技状態において、特別図柄の変動表示結果がはずれ表示結果となることによって高ベース状態が継続する場合には、第2演出図柄を不揃い図柄で停止表示するのではなく、第2演出図柄の変動表示とは異なる特別演出が実行されるので、遊技興趣を向上できる。
また、CPU103は、第1遊技状態における第2特別図柄の特図ゲームにおいて特図当りが発生した場合は、約98%の割合で特図当り遊技終了後に第2遊技状態(低ベース状態)に制御し、第2遊技状態における第2特別図柄の特図ゲームにおいて特図当りが発生した場合は、約98%の割合で特図当り遊技終了後に第2遊技状態(低ベース状態)に制御する。
このようにすることで、例えば、第1遊技状態や第2遊技状態において遊技球が進入しやすい第2始動入賞口を狙って右打ちしたとしても、高ベース状態にはなりにくいので、第2始動入賞口を狙うといった攻略要素を排除でき、遊技者間の不公正を解消できる。
また、本発明の実施例としてのパチンコ遊技機1にあっては、遊技領域における演出表示装置5の右側方に、通過ゲート41を通過した遊技球が所定時間(例えば、0.2秒)以内に該通過ゲート41の直下に配置される第2普通入賞球装置6Bの第2始動入賞口に進入可能な遊技球経路が設けられており、CPU103は、普図当りの停止図柄が停止表示されたときに特別図柄の変動表示が終了している場合は、ショート開放パターンに基づいて普通可変入賞球装置27の開放制御を実行し、普図当りの停止図柄が停止表示されたときに特別図柄が変動表示中である場合は、ロング開放パターンに基づいて普通可変入賞球装置27の開放制御を実行する。つまり、特別図柄の変動表示期間に対応した特定表示結果が導出表示されるタイミングによって、普通可変入賞球装置27の開放制御期間を変化可能である。
このようにすることで、特別図柄の変動表示結果が導出表示されるタイミングを調整することによって、普通可変入賞球装置27が第1普通状態(普通入賞口の開放状態)に変化される期間が異なるという新しい遊技性を実現できるので、遊技興趣を向上できる。
すなわち、CPU103は、変動表示時間が異なる複数の特別図柄変動パターンのうちからいずれかを決定することにより特図当り図柄を停止表示するタイミングを変化させることができ、このタイミングの変化により普通可変入賞球装置27をショート開放パターンまたはロング開放パターンのいずれに基づいて開放するかを決定できるので、普通図柄や特別図柄の変動表示時間や変動表示結果に基づいて普通可変入賞球装置27の開放制御期間を変化させるのではなく、普通図柄の変動表示期間と特別図柄の変動表示期間とを調整することにより、普通可変入賞球装置27の開放制御期間を変化させることができるので、新しい遊技性を実現できる。
図51は、(A)は本発明の変形例としての特別図柄変動パターンを示す図、(B)は第1特別図柄の高速消化の一例を示す図である。前記実施例では、第1遊技状態または第2遊技状態において確変Bや非確変Bの特図当りが発生し、該特図当りの終了後に高ベース状態(第3遊技状態または第5遊技状態)に移行する場合において、第1遊技状態または第2遊技状態において確変Bや非確変Bの特図当りが発生した時点で第1特別図柄の第1保留記憶があるときには、高ベース状態(第3遊技状態または第5遊技状態)において、第1保留記憶に対応する第1特別図柄の変動表示に応じて第2演出図柄の変動表示を開始することがある形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、高ベース状態に移行する際に第1保留記憶がある場合、該第1保留記憶に対応する第1特別図柄の変動表示を高速消化するようにしてもよい。
具体的には、特別図柄の変動パターンとして、図51(A)に示すように、CPU103は、変動表示時間が異なる複数の特別図柄変動パターンのうちから、第1特別図柄の高速消化用であって変動表示時間が他の変動パターンよりも短い200msの(非リーチ)はずれ用変動パターン(TPC1−1)と(非リーチ)特図当り用変動パターン(TPD1−1)を選択可能としてもよい。
この場合、図51(B)に示すように、例えば、第1遊技状態または第2遊技状態において確変Bの特図当りが発生し、該特図当りの終了後に高ベース状態(第5遊技状態)に移行する場合において、第1遊技状態または第2遊技状態において確変Bの特図当りが発生した時点で第1特別図柄の第1保留記憶が3あるときには、これら第1保留記憶に基づく第1特別図柄の高速変動表示が3回連続して実行される。
このように、高ベース状態に移行する際に第1特別図柄の第1保留記憶がある場合、高ベース状態に移行した時点で高速消化用の変動パターンに基づいて迅速に消化するようにすれば、遊技者が右打ちを実行して普通図柄の変動表示が開始されるよりも前に第1保留記憶に基づく変動表示を消化することができるため、高ベース状態の開始に応じて右打ちを開始すれば、普通図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とがほぼ同時に開始されることになるため、第1保留記憶に基づく変動表示の消化中に右打ちされ普通図柄の変動表示が開始されてしまうなどして、普通図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とのタイミングのずれが生じてしまうことを回避できる。
また、このように高速消化用の変動パターンに基づいて第1特別図柄の第1保留記憶に対応する演出図柄の変動表示を迅速に消化する場合、演出制御用CPU120は、演出図柄の停止表示図柄の組合せの抽選を行わず、所定の演出図柄の組合せ(例えば、前回決定した演出図柄の組合せや予め用意された演出図柄の組合せなど)を変動表示結果として導出表示するようにしてもよい。このように、演出図柄の変動表示結果として揃いの演出図柄を高速消化で導出表示するために、演出図柄の停止表示図柄の組合せの抽選を省略することで処理の簡素化を図ることができる。
そして、演出制御用CPU120は、高ベース状態である第5遊技状態に制御されると、前述したように特別図柄の変動表示に応じて第2演出図柄の変動表示を開始することになるが、第5遊技状態に制御されたときに第1保留記憶があることにより特別図柄変動パターンとして高速消化用の変動パターンTPC1−1、TPD1−1が決定された場合、特別図柄の変動表示が終了したことに基づいて、特別表示結果である揃いの第2演出図柄を停止表せずに、不揃いの第2演出図柄を停止表示することが好ましい。
このようにすることで、低ベース状態から高ベース状態に制御されるときに記憶されている第1保留記憶による変動表示を迅速に消化して、1の遊技球が通過ゲート41と第2始動入賞口に所定時間内に進入することよる遊技に迅速に移行させることができる。また、特別図柄の変動表示と普通図柄の変動表示とは同期しないことにより、ロング開放パターンに基づく普通可変入賞球装置27の開放制御が行われることもないので、不揃いの第2演出図柄を停止表示することで、遊技者に違和感を与えることを回避できる。
また、本発明の実施例としてのパチンコ遊技機1にあっては、遊技領域における演出表示装置5の右側方に、通過ゲート41を通過した遊技球が0.2秒以内に該通過ゲート41の直下に配置される第2普通入賞球装置6Bの第2始動入賞口に進入可能な遊技球経路が設けられており、CPU103は、エラー判定処理におけるS411においてゲートスイッチカウンタの値が「5」になったと判定した場合、つまり、遊技球が通過ゲート41を通過したが0.2秒以内に第2始動入賞口に入賞しない状況が5回連続で発生した場合、S412においてエラーが発生したと判定する。
このようにすることで、普通図柄の変動表示が単独で実行されてしまう状況を異常として判定できる。
尚、前記実施例では、遊技球が通過ゲート41を通過したが第2始動入賞が発生しないこと、つまり、普通始動条件は成立したが特別始動条件が成立しないことに基づいて異常と判定する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特別始動条件及び普通始動条件のいずれか一方が成立し他方が成立しないことに基づいて、異常と判定可能であればよい。このようにすることで、特別図柄の変動表示と普通図柄の変動表示とのいずれかが単独で実行されてしまう状況を異常として判定できる。よって、例えば、遊技球が通過ゲート41を通過していないのに第2始動入賞が発生したこと、つまり、特別始動条件は成立したが普通始動条件が成立しないことに基づいて異常と判定するようにしてもよい。
また、CPU103は、エラー判定処理におけるS401においてゲートスイッチ21がオン状態である場合にS411でゲートスイッチカウンタの値に1を加算し、S402において第2始動口スイッチ22Bがオン状態である場合にS420でゲートスイッチカウンタの値を0にリセットし、エラー判定処理におけるS411においてゲートスイッチカウンタの値が「5」になったと判定した場合、S412においてエラーが発生したと判定する。
このようにすることで、ゲートスイッチカウンタの値が所定値となるまでは進入異常と判定しないので、異常の誤判断を防ぐことができる。また、遊技球の通過ゲート41の通過に応じてゲートスイッチカウンタの値を1加算し、第2始動入賞口への入賞に応じてゲートスイッチカウンタの値を1減算するだけの簡易な演算処理により異常判定可能となるため、プログラム容量を軽減できる。
また、CPU103は、エラー判定処理におけるS411においてゲートスイッチカウンタの値が「5」になったと判定した場合、S412においてエラーが発生したと判定するとともに、S413にてセキュリティ信号の出力設定の処理を実行し、演出制御用CPU120は、エラー報知処理におけるS922においてエラー指定コマンド受信フラグがセットされていると判定した場合、S923〜S925の処理を実行し、図46に示すようにゲート通過エラーが発生したことを報知する。
このようにすることで、パチンコ遊技機1の外部において異常の発生を容易に認識することができるため、遊技場の店員等が不正行為が行われている可能性があるか否かを監視しやすくなる。
また、CPU103は、タイマ割込処理のS22のエラー判定処理におけるS403の他のエラー判定処理において、特別可変入賞球装置7を大入賞口が閉鎖状態となる第2状態に制御しているときに遊技球の入賞があった場合、つまり、特別図柄プロセスフラグの値が特図当り開放中処理に応じた値でないときに遊技球の入賞があった場合や、普通可変入賞球装置27を普通入賞口が閉鎖状態となる第2普通状態に制御しているときに遊技球の入賞があった場合、つまり、普通図柄プロセスフラグの値が普通電動役物開放中処理に応じた値でないときに遊技球の入賞があった場合、異常入賞が発生したと判定することが可能である。
また、特別可変入賞球装置7を第1状態(大入賞口の開放状態)から第2状態(大入賞口の閉鎖状態)としてから予め設定した猶予期間(例えば、大入賞口を閉鎖状態としたときに球噛みが発生して遅れて入賞することを想定して設定した入賞球検出待ち時間)に入賞があった場合や、普通可変入賞球装置27を第1普通状態(普通入賞口の開放状態)から第2普通状態(普通入賞口の閉鎖状態)としてから予め設定した猶予期間(例えば、普通入賞口を閉鎖状態としたときに球噛みが発生して遅れて入賞することを想定して設定した入賞球検出待ち時間)に入賞があった場合においては、S403においてエラー(異常)と判定しないようにしている。
詳しくは、本実施例では、前述したように、特別可変入賞球装置7の開放制御が終了してから特図当り遊技状態が終了するまでの期間を変えること、つまり、低ベース状態の期間を変えることで、普通可変入賞球装置27の開放パターンを遊技者に不利なショート開放パターンまたは遊技者に有利なロング開放パターンのいずれかにすることを可能とするために、CPU103は、特図当り終了処理におけるS312において特図当り前変動パターン及び特図当り種別に対応する表示時間を異なる複数の表示時間のうちから特定し、該表示時間に応じた値を特図当り終了表示タイマに設定して特図当り終了処理を終了する処理を実行することで、特別可変入賞球装置7の開放制御が終了してから特図当り遊技状態が終了するまでの時間(演出制御用CPU120がエンディング演出を実行する期間)を変化させることができるようになっている。
このようにした場合、例えば、特図当り終了処理におけるS312において、特別可変入賞球装置7の開放制御が終了してから特図当り遊技状態が終了するまでの表示時間として、前記猶予期間が経過する前に特図当り遊技状態が終了するような表示時間を設定した場合において、特図当り遊技状態が終了した後における猶予期間、つまり、入賞球検出待ち時間に入賞があったときに、特別図柄プロセスフラグの値が特図当り開放中処理に応じた値ではないときに遊技球の入賞があるとして入賞異常と判定してしまう。よって、猶予期間において入賞があった場合は入賞異常と判定しないようにすることで、特別可変入賞球装置7や普通可変入賞球装置27の入賞異常を適切に判定できる。
また、演出制御用CPU120は、第2演出図柄演出制御プロセス処理におけるS780の開放報知演出制御処理におけるS782において開放報知用LED点灯禁止フラグがセットされていると判定した場合、S783にて開放報知用LED36の点灯を開始せずにS784に進む。つまり、開放報知用LED36の点灯を終了した後に特別図柄の変動表示が実行されることなく普通可変入賞球装置27がロング開放パターンに基づいて開放した場合には、開放報知用LED36の点灯の開始を制限する。
このように、開放報知用LED36を点灯することで、普通可変入賞球装置27がロング開放パターンに基づいて開放していることを遊技者が認識しやすくできるとともに、不適切に開放報知用LED36の点灯が開始されることを防ぐことができる。
[演出用LEDによる発光演出]
次に、開放報知用LED36、右打ち報知用LED37、通過時演出用LED38a〜38c、及び玉数報知用LED39、の各演出用LEDによる発光演出が実行されるタイミング、及び、各演出用LEDによる発光演出の態様に関して、図52〜図61を用いて説明する。
図52に示すT1のタイミングでは、遊技状態が低ベース状態(第1遊技状態又は第2遊技状態)に制御されており、第1特別図柄の変動表示を実行中であり、且つ第1特図保留記憶数が0であるものとする。このとき、第1特別図柄の変動表示に連動して、演出表示装置5では第1演出図柄(英数字「1」〜「9」の演出図柄)の変動表示が実行されている。また、枠LED9は、遊技状態が特図当り遊技状態ではなく且つ低ベース状態であることに対応した発光色である黄色で点灯している(図55(1)を参照)。一方、玉数報知用LED39(1桁目〜5桁目の全ての7セグメント)、通過時演出用LED38a〜38c、開放報知用LED36、及び、右打ち報知用LED37は、いずれも消灯状態となっている。
次いで、T2のタイミングでは、第1特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄として、特定の特別図柄(特図当り図柄)が停止表示されることに伴い、演出表示装置5において、図柄揃いの第1演出図柄の停止図柄(例えば、777など)が停止表示される(図55(2)を参照)。ここで、発生した特図当りの特図当り種別が確変Bであるものとする。このとき、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、同じ演出図柄が揃う図柄揃い状態となったことに応じて、枠LED9の点灯色が黄色から青色に変化すると共に、通過時演出用LED38a、38b、38cが、いずれも消灯状態から点灯状態に切り替わる。
第1特別図柄表示器4Aに特図当り図柄が停止表示されると、予め定められた図柄確定停止期間を経過したT3のタイミングで、特図当り遊技状態が開始される。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、特図当り遊技状態の開始に伴い、特図当り開始指定コマンド(コマンドA0XXH)と右打ち点灯開始指定コマンド(コマンド9C01H)とを出力する。演出制御用CPU120は、特図当り開始指定コマンド(コマンドA0XXH)を受信したこと、及び、発生した特図当りの特図当り種別が確変Bであることに応じて、第5遊技状態に移行することを報知するラッシュ突入演出を実行する。ラッシュ突入演出が実行されると、例えば、演出表示装置5に「ラッシュ突入準備中…」というメッセージが表示される(図55(3)を参照)。
また、演出制御用CPU120は、右打ち点灯開始指定コマンド(コマンド9C01H)を受信したことに応じて、右打ち報知用LED37を、消灯状態から点灯状態に切り換える。また、演出制御用CPU120は、右打ち点灯開始指定コマンド(コマンド9C01H)を受信したこと、及び、有利区間(第4遊技状態又は第5遊技状態)に移行する確変Bの特図当りが発生したことに応じて、RAM122に記憶されている有利区間賞球数カウンタの値(本例では0)を、玉数報知用LED39に表示させる(即ち1桁目の7セグメントに0を点灯させる)と共に、有利区間賞球数カウンタの値の更新を開始する(集計開始)。なお、有利区間に移行する特図当り種別であるか否かによらず、単に右打ち点灯開始指定コマンド(コマンド9C01H)を受信したことのみに応じて、有利区間賞球数カウンタの値を玉数報知用LED39に表示させるようにしても良い。
ここで、前述したように、特図当りが発生したことにより、遊技制御用マイクロコンピュータ100からは、特図当り開始指定コマンドの他、大入賞口開放中指定コマンド(コマンドA1XXH)、大入賞口開放後指定コマンド(コマンドA2XXH)、及び、特図当り終了指定コマンド(コマンドA3XXH)が送信され、各コマンドに応じた演出(ファンファーレ演出、ラウンド演出、エンディング演出)が実行可能となっている。しかしながら、図52及び図55(3)の例では、演出制御用CPU120は、特図当り開始指定コマンドの受信に応じて、特図当り遊技状態の開始から終了までの期間に亘るラッシュ突入演出を実行するようにしており、大入賞口開放中指定コマンド、大入賞口開放後指定コマンド、及び、特図当り終了指定コマンドを受信しても、ラッシュ突入演出を中断せずに継続させるものとする。即ち、本実施例のラッシュ突入演出とは、図52に示すように、ファンファーレ演出(T3〜T3a)、ラウンド演出(T3a〜T3b)、及びエンディング演出(T3b〜T4)に相当する演出を含む演出である。
次いで、今回発生した特図当りの特図当り種別が確変Bであることから、特図当り遊技状態が終了した図52のT4のタイミングで、遊技状態が低ベース状態から高ベース状態(第5遊技状態)に移行する。このとき、第5遊技状態となったことに応じて、演出制御用CPU120は、演出表示装置5の表示画面に「ラッシュ突入!」なる文字を表示して第5遊技状態に移行した旨を報知するとともに、右打ち促進画像を表示する(図56(4)を参照)。また、枠LED9は、黄色から、遊技状態が高ベース状態であることに対応した発光色である赤色に変化する。
このように、本実施例では、低ベース状態で特図当りが発生した場合であっても、特図当り遊技状態に制御されることに応じて右打ち報知用LED37が点灯状態となるが(図52のT3及び図55(3))、この特図当り遊技状態に制御されている期間は高ベース状態には未だ移行していないことから、仮に右打ち報知用LED37による右打ち促進報知のみに従って遊技者が右打ち遊技を行ったとしても、普通入賞口に遊技球が進入し難く、無駄打ちになってしまう可能性がある。これに対して、右打ち報知用LED37とは異なる右打ち促進手段として演出表示装置5を設けておき、高ベース状態に制御されたタイミング(特図当り遊技状態が終了したタイミング)で右打ち促進画像(「右打ち」という文字と右向きの矢印)を表示することで、遊技者が無駄打ちを行わない適切なタイミングで右打ち促進報知を行うことが可能となる。
次いで、第5遊技状態に移行したことにより、遊技者が右打ち遊技を行い、図52に示すT5のタイミングで、右遊技領域に発射された遊技球が通過ゲート41を通過し、ほぼ同時に第2始動入賞口を通過したものとする。ここで、T5のタイミングでは、普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄通常処理に対応した値となっており且つ変動待機タイマがタイムアウトしているため、通過ゲート41を遊技球が通過したことに基づいて普通図柄の変動表示が開始される(即ち通過が有効となる)。また、T5のタイミングでは、特別図柄プロセスフラグの値が特別図柄通常処理に対応した値となっており且つ第1特図保留記憶数が0であるため、第2始動入賞口への遊技球の進入に基づいて第2特別図柄の変動表示が実行される(即ち進入が有効となる)。なお、ここでは、特図当り種別が確変Eの特図当り(ラッシュ継続)に当選し、また、特別図柄の変動パターンとして、普電開放用の変動パターンが選択され、かつ、普電ロング開放用の変動パターンが選択されたものとする。
このとき、普通図柄表示器20における普通図柄の変動表示と第2特別図柄表示器4Bにおける第2特別図柄の変動表示とが見た目上ほぼ同時に開始され、これに伴い、演出表示装置5では、特別図柄や普通図柄の変動表示に連動して第2演出図柄の変動表示が実行される(図56(5)を参照)。また、演出制御用CPU120は、高ベース状態において、遊技球が通過ゲート41を通過し、且つ、その所定期間内(例えば、0.2秒以内)に第2始動入賞口に進入したこと(所定期間内に普通図柄の変動表示の始動条件と特別図柄の変動表示の始動条件が成立したこと)に基づいて、通過時演出用LED38a〜38cのうち、通過ゲート41よりも上方の通過時演出用LED38a及び38bを、いずれも点灯状態から消灯状態に切り換えると共に、通過ゲート41と第2普通入賞球装置6Bとの間の通過時演出用LED38cを、点灯状態から点滅状態に切り換える。
このように、始動条件(通過ゲート41を遊技球が通過したこと、第2始動入賞口に遊技球が進入したこと)が成立したときに、通過時演出用LED38a及び38bを点灯状態から消灯状態に切り換えることにより、始動条件が成立したときの演出効果を高めることができる。また、始動条件が成立したときに、他の通過時演出用LED38a及び38bとは異なり、点灯状態から、点灯状態及び消灯状態のいずれとも異なる特殊状態である点滅状態に切り替わる通過時演出用LED38cが存在することにより、始動条件が成立したときの演出効果をさらに高めることができる。
ここで、本実施例では、低ベース状態において通過時演出用LED38a〜38cがいずれも点灯状態となっているときに、通過ゲート41を遊技球が通過した場合や、第2始動入賞口に遊技球が進入した場合には、通過時演出用LED38a及び38bを消灯状態に切り換えずに点灯状態を維持するものとし、また、通過時演出用LED38cを点滅状態に切り換えずに点灯状態を維持するものとする。このように、高ベース状態において始動条件が成立したときにのみ、通過時演出用LED38a及び38bを点灯状態から消灯状態に切り換えると共に、通過時演出用LED38cを点灯状態から点滅状態に切り換えることにより、高ベース状態において始動条件が成立したときの演出効果を高めることができる。
なお、本実施例とは異なり、遊技状態によらず(例えば、低ベース状態であるか高ベース状態であるかにかかわらず、また、低確状態であるか高確状態であるかにかかわらず)、通過時演出用LED38a〜38cがいずれも点灯状態となっているときに、通過ゲート41を遊技球が通過した場合や、第2始動入賞口に遊技球が進入した場合には、通過時演出用LED38a及び38bを消灯状態に切り換えるようにしても良く、また、通過時演出用LED38cを点滅状態に切り換えるようにしても良い。
また、本実施例とは異なり、通過時演出用LED38a〜38cがいずれも点灯状態となっているときに、通過ゲート41を遊技球が通過した場合や、第2始動入賞口に遊技球が進入した場合には、通過時演出用LED38a、38b、及び38cを全て消灯状態に切り換えるようにしても良い。
なお、本実施例では、普通図柄の変動表示の始動条件(通過ゲート41を遊技球が通過したこと)、及び、特別図柄の変動表示の始動条件(第2始動入賞口に遊技球が進入したこと)の両方が成立したことに応じて、通過時演出用LED38a、38b、及び38cの発光態様を変化させているが、これに限らず、普通図柄の変動表示の始動条件及び特別図柄の変動表示の始動条件のいずれか一方のみが成立したことに応じて、通過時演出用LED38a、38b、及び38cの発光態様を変化させても良い。
また、普通図柄の変動表示の始動条件が成立したことに応じて発光態様が変化する通過時演出用LEDと、特別図柄の変動表示の始動条件が成立したことに応じて発光態様が変化する通過時演出用LEDと、が異なるものであっても良く、例えば、普通図柄の変動表示の始動条件が成立したことに応じて通過時演出用LED38a及び38bの発光態様を点灯態様から消灯態様に変化させ、特別図柄の変動表示の始動条件が成立したことに応じて通過時演出用LED38cの発光態様を点灯態様から消灯態様(あるいは点滅態様)に変化させるようにしても良い。
また、本実施例では、通過時演出用LED38a及び38bが、始動条件の成立に応じて点灯態様から消灯態様に変化する構成となっているが、このような点灯/消灯の切り換えに限らず、始動条件の成立に応じて遊技者に対しての視認性が低下する変化が生じれば良い。例えば、通過時演出用LED38a及び38bは、演出制御用CPU120がLED制御基板14に制御信号を出力することにより調光可能な構成とし、始動条件成立後も継続して点灯しているが、始動条件成立後の全光束(ルーメン(lm))が、始動条件成立前より低下するようにしても良い。また、始動条件の成立に応じて光度(カンデラ(cd))が低下するようにしても良く、始動条件の成立に応じて対象領域(例えば遊技者の目線の位置に設置される対象物の表面)の照度(ルクス(lx))や輝度(カンデラ(cd/m2))が低下するようにしても良い。
なお、図56(5)に示すように、通過時演出用LED38a及び38bを点灯状態から消灯状態に切り換えた場合(遊技者にとっての視認性を低下させた場合)であっても、玉数報知用LED39には、有利区間賞球数カウンタの値(本例では0)が継続して表示されており、有利区間賞球数の視認性は低下していない。このように、一部の演出用LED(通過時演出用LED38a及び38b)を消灯させた場合であっても、他の演出用LED(玉数報知用LED)には、遊技者が興味を持っている情報(有利区間賞球数)を継続して表示することにより、遊技の興趣が低下しないようにしている。
次いで、演出制御用CPU120は、通過時演出用LED38a及び38bが消灯状態、通過時演出用LED38cが点滅状態にそれぞれ切り替わってから所定時間(本実施例では400ms)経過した図52のT6のタイミングで、通過時演出用LED38a〜38cを全て点灯状態に戻す再点灯制御を実行する(図56(6)を参照)。
このように、一旦は消灯状態となった通過時演出用LED38a及び38bが再度点灯状態となること、一旦は点滅状態となった通過時演出用LED38cが再度点灯状態となることにより、演出効果を向上させることができる。また、第2演出図柄の変動表示が終了する前に再点灯制御が行われることにより、第2演出図柄の変動表示の結果、各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、同じ演出図柄が揃う図柄揃い状態となったときに、例えば、全てが点灯状態となっている通過時演出用LED38a〜38cの発光色を変化させる演出や、全てが点灯状態となっている通過時演出用LED38a、38b、38cを上から順番に消灯状態とした後、再び全てを同時に点灯状態とする演出等を実行可能となる。
ここで、演出制御用CPU120は、第2特別図柄の変動パターンとして長変動パターンが決定されていることに基づいて、図52に示すT7のタイミングで、第2演出図柄の停止図柄(本例では五五五)を仮停止表示する(図57(7)を参照)。このとき、ロング開放パターンに基づく普通可変入賞球装置27の開放制御が実行されることに応じて、開放報知用LED36を青色で点灯させる。これにより、遊技者は、普通入賞口がロング開放されていることを把握して、普通入賞口に遊技球を進入させるべく遊技を行う。
次いで、演出制御用CPU120は、第2特別図柄が確定停止した図52に示すT7aのタイミングで、第2演出図柄の停止図柄(本例では五五五)を停止表示(確定停止)する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100が、特図当り遊技状態に制御するタイミングで、遊技状態を高ベース状態から低ベース状態に移行させる。ここで、右遊技領域に発射された遊技球1個が、ロング開放されている普通入賞口にT8のタイミングで入賞したものとする(図57(8)を参照)。このとき、演出制御用CPU120は、普通電動役物入賞指定コマンド(コマンドC600H)の受信(1回)に応じて、有利区間賞球数カウンタの値に10を加算すると共に、更新後の値(本例では10)を玉数報知用LED39に表示する。また、演出制御用CPU120は、演出表示装置5に、今回のロング開放期間に払い出された賞球数(本例では「+10」)と、更新後の有利区間賞球数カウンタの値(本例では「total10」)を表示する。このようにして、普通電動役物入賞指定コマンド(コマンドC600H)に基づいて有利区間賞球数を集計することが可能である。
次いで、右遊技領域に発射された遊技球4個が、ロング開放されている普通入賞口に、図53に示すT9のタイミングで入賞したものとする(図57(9)を参照)。このとき、演出制御用CPU120は、普通電動役物入賞指定コマンド(コマンドC600H)の受信(4回)に応じて、有利区間賞球数カウンタの値に40を加算すると共に、更新後の値(本例では50)を玉数報知用LED39に表示する。また、演出制御用CPU120は、演出表示装置5に、今回のロング開放期間に払い出された賞球数(本例では「+50」)と、更新後の有利区間賞球数カウンタの値(本例では「total50」)を表示する。
次いで、ロング開放期間内である図53に示すT10のタイミングで、右遊技領域に発射された遊技球が通過ゲート41を通過し、ほぼ同時に第2始動入賞口を通過したものとする(図58(10)を参照)。ここで、T10のタイミングでは、普通図柄プロセスフラグの値が普通電動役物開放中処理に対応した値となっているため、通過ゲート41を遊技球が通過しても普通図柄の変動表示は開始されない(即ち通過が無効となる)。また、T10のタイミングでは、特別図柄プロセスフラグの値が、特図当り開放前処理、特図当り開放中処理、及び特図当り終了処理のいずれかに対応した値となっているため、第2始動入賞口に遊技球が進入しても第2特別図柄の変動表示は実行されない(即ち進入が無効となる)。
また、演出制御用CPU120は、T10のタイミングでは、遊技状態が低ベース状態であるため、遊技球が通過ゲート41を通過し、且つ、その所定期間内(例えば、0.2秒以内)に第2始動入賞口に進入した場合であっても、前述した[通過時演出用LED38a及び38bを点灯状態から消灯状態に切り換える制御]及び[通過時演出用LED38cを点灯状態から点滅状態に切り換える制御]の、いずれの制御も実行しない。即ち、点灯状態となっている通過時演出用LED38a〜38cを、いずれも点灯状態のまま維持する。
このように、遊技球が通過ゲート41を通過しても普通図柄の変動表示が実行されない場合、遊技球が第2始動入賞口に進入しても特別図柄の変動表示が実行されない場合には、前述した[通過時演出用LED38a及び38bを点灯状態から消灯状態に切り換える制御]及び[通過時演出用LED38cを点灯状態から点滅状態に切り換える制御]のいずれの制御も実行しないことにより、遊技者が、普通図柄の変動表示が実行されると誤解してしまうことや、特別図柄の変動表示が実行されると誤解してしまうことを防止することができる。
ここで、演出制御用CPU120は、普通入賞口がロング開放されている期間内に遊技球が第2始動入賞口に進入したことに応じて、点灯状態にある開放報知用LED36の発光色を、青色から赤色に変更する。遊技者は、開放報知用LED36が点灯状態にあることで、普通入賞口がロング開放されていることを認識し易く、また、発光色が青色から赤色に変化したことで、遊技球が第2始動入賞口に進入したことを把握することができる。
本実施例では、普通入賞口のロング開放期間において、遊技球が通過ゲート41を通過し、第2始動入賞口に進入した場合、前述した[通過時演出用LED38a及び38bを点灯状態から消灯状態に切り換える制御]及び[通過時演出用LED38cを点灯状態から点滅状態に切り換える制御]のいずれの制御も実行しないが、これらの制御に代わり、点灯状態にある開放報知用LED36の発光態様を変化させる演出を実行することで、第2始動入賞口への入賞を報知すると共に、興趣の低下を防止するようにしている。
なお、普通入賞口がロング開放されている期間内に遊技球が第2始動入賞口に進入した場合に限らず、普通入賞口がロング開放されている期間内に所定の条件が成立した場合(例えば、所定の領域を遊技球が通過した場合等)に開放報知用LED36の発光態様を変化させるようにすると良い。例えば、普通入賞口がロング開放されている期間内に遊技球が通過ゲート41を通過したことに応じて、開放報知用LED36の発光色を変更するようにしても良く、普通入賞口がロング開放されている期間内に遊技球が通過ゲート41を通過し、且つその所定期間内(例えば、0.2秒以内)に第2始動入賞口に進入したことに応じて、開放報知用LED36の発光色を変更するようにしても良い。また、普通入賞口がロング開放されている期間内に、遊技球が普通入賞口に所定数(例えば5)以上進入したことに応じて、開放報知用LED36の発光色を変更するようにしても良い。
次いで、図53のT11に示すタイミングで、普通入賞口のロング開放期間が終了して、普電が閉鎖されたものとする(図58(11)を参照)。これに伴い、演出制御用CPU120は、開放報知用LED36を点灯状態から消灯状態に切り換える。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、特図当り種別が確変Eの特図当り(ラッシュ継続)に当選していたことに応じて、図53のT11aに示すタイミングで、遊技状態を低ベース状態から高ベース状態に移行させ、有利区間を継続させるものとする。このとき演出制御用CPU120は、有利区間が継続すること(第1遊技状態(低確低ベース)に転落しないこと)に応じて、有利区間賞球数カウンタの値(本例では50)を玉数報知用LED39及び演出表示装置5に継続して表示している。
次いで、第5遊技状態が継続したことにより、遊技者が右打ち遊技を継続し、図53に示すT12のタイミングで、右遊技領域に発射された遊技球が通過ゲート41を通過し、ほぼ同時に第2始動入賞口を通過したものとする。ここで、T12のタイミングでは、普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄通常処理に対応した値となっており且つ変動待機タイマがタイムアウトしているため、通過ゲート41を遊技球が通過したことに基づいて普通図柄の変動表示が開始される(即ち通過が有効となる)。また、T12のタイミングでは、特別図柄プロセスフラグの値が特別図柄通常処理に対応した値となっており且つ第1特図保留記憶数が0であるため、第2始動入賞口への遊技球の進入に基づいて第2特別図柄の変動表示が実行される(即ち進入が有効となる)。なお、ここでは、特図当り種別が確変Eの特図当り(ラッシュ継続)に当選し、また、特別図柄の変動パターンとして、普電開放用の変動パターンが選択され、かつ、普電ロング開放用の変動パターンが選択されたものとする。
このとき、普通図柄表示器20における普通図柄の変動表示と第2特別図柄表示器4Bにおける第2特別図柄の変動表示とが見た目上ほぼ同時に開始され、これに伴い、演出表示装置5では、特別図柄や普通図柄の変動表示に連動して第2演出図柄の変動表示が実行される(図58(12)を参照)。また、演出制御用CPU120は、高ベース状態において、遊技球が通過ゲート41を通過し、且つ、その所定期間内(例えば、0.2秒以内)に第2始動入賞口に進入したこと(所定期間内に普通図柄の変動表示の始動条件と特別図柄の変動表示の始動条件が成立したこと)に基づいて、前述したように、通過時演出用LED38a〜38cのうち、通過ゲート41よりも上方の通過時演出用LED38a及び38bを、いずれも点灯状態から消灯状態に切り換えると共に、通過ゲート41と第2普通入賞球装置6Bとの間の通過時演出用LED38cを、点灯状態から点滅状態に切り換える。
ここで、通過時演出用LED38a及び38bが消灯状態となっているときにも、玉数報知用LED39には、有利区間賞球数カウンタの値(本例では50)が継続して表示されている。このように、通過時演出用LED38a及び38bによる発光演出の視認性を低下させる一方で、遊技者が興味のある情報の視認性は低下させないようにすることで、興趣が低下しないようにしている。
次いで、演出制御用CPU120は、通過時演出用LED38a及び38bが消灯状態、通過時演出用LED38cが点滅状態にそれぞれ切り替わってから所定時間(本実施例では400ms)経過した図53のT12aのタイミングで、通過時演出用LED38a〜38cを全て点灯状態に戻す再点灯制御を実行する。
ここで、演出制御用CPU120は、第2特別図柄の変動パターンとして長変動パターンが決定されていることに基づいて、図53に示すT13のタイミングで、第2演出図柄の停止図柄(本例では三三三)を仮停止表示する(図59(13)を参照)。このとき、ロング開放パターンに基づく普通可変入賞球装置27の開放制御が実行されることに応じて、開放報知用LED36を青色で点灯させる。
次いで、演出制御用CPU120は、第2特別図柄が確定停止した図53に示すT13aのタイミングで、第2演出図柄の停止図柄(本例では三三三)を停止表示(確定停止)する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100が、特図当り遊技状態に制御するタイミングで、遊技状態を高ベース状態から低ベース状態に移行させる。ここで、右遊技領域に発射された遊技球7個が、ロング開放されている普通入賞口にT14のタイミングで入賞したものとする(図59(14)を参照)。このとき、演出制御用CPU120は、普通電動役物入賞指定コマンド(コマンドC600H)の受信(7回)に応じて、有利区間賞球数カウンタの値に70を加算すると共に、更新後の値(本例では120)を玉数報知用LED39に表示する。また、演出制御用CPU120は、演出表示装置5に、今回のロング開放期間に払い出された賞球数(本例では「+70」)と、更新後の有利区間賞球数カウンタの値(本例では「total120」)を表示する。このようにして、有利区間の継続に応じて、有利区間賞球数を累積的に集計することが可能である。
次いで、図53のT14aに示すタイミングで、普通入賞口のロング開放期間が終了して、普電が閉鎖されたものとする。これに伴い、演出制御用CPU120は、開放報知用LED36を点灯状態から消灯状態に切り換える。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、特図当り種別が確変Eの特図当り(ラッシュ継続)に当選していたことに応じて、図53のT14bのタイミングで、遊技状態を低ベース状態から高ベース状態に移行させ、有利区間を継続させるものとする。このとき演出制御用CPU120は、有利区間が継続すること(第1遊技状態(低確低ベース)に転落しないこと)に応じて、有利区間賞球数カウンタの値(本例では120)を玉数報知用LED39及び演出表示装置5に継続して表示している。
次いで、第5遊技状態が継続したことにより、遊技者が右打ち遊技を継続し、図54に示すT15のタイミングで、右遊技領域に発射された遊技球が通過ゲート41を通過し、ほぼ同時に第2始動入賞口を通過したものとする。ここで、T15のタイミングでは、普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄通常処理に対応した値となっており且つ変動待機タイマがタイムアウトしているため、通過ゲート41を遊技球が通過したことに基づいて普通図柄の変動表示が開始される(即ち通過が有効となる)。また、T15のタイミングでは、特別図柄プロセスフラグの値が特別図柄通常処理に対応した値となっており且つ第1特図保留記憶数が0であるため、第2始動入賞口への遊技球の進入に基づいて第2特別図柄の変動表示が実行される(即ち進入が有効となる)。なお、ここでは、特図当り種別が非確変Eの特図当り(低確低ベース転落)に当選し、また、特別図柄の変動パターンとして、普電開放用以外の変動パターン(即ち図49に示す(D)の演出発展を経て(F)の敗北演出となるパターン)が選択されたものとする。
このとき、普通図柄表示器20における普通図柄の変動表示と第2特別図柄表示器4Bにおける第2特別図柄の変動表示とが見た目上ほぼ同時に開始され、これに伴い、特別図柄の変動パターンが普電開放用以外の変動パターン(TPB5−1〜3)である場合の、第5遊技状態が維持されるか、第4遊技状態へ昇格するか、第1遊技状態に転落するかを示唆する演出が実行される(図59(15)を参照)。
また、演出制御用CPU120は、高ベース状態において、遊技球が通過ゲート41を通過し、且つ、その所定期間内(例えば、0.2秒以内)に第2始動入賞口に進入したこと(所定期間内に普通図柄の変動表示の始動条件と特別図柄の変動表示の始動条件が成立したこと)に基づいて、前述したように、通過時演出用LED38a〜38cのうち、通過ゲート41よりも上方の通過時演出用LED38a及び38bを、いずれも点灯状態から消灯状態に切り換えると共に、通過ゲート41と第2普通入賞球装置6Bとの間の通過時演出用LED38cを、点灯状態から点滅状態に切り換える。
次いで、演出制御用CPU120は、通過時演出用LED38a及び38bが消灯状態、通過時演出用LED38cが点滅状態にそれぞれ切り替わってから所定時間(本実施例では400ms)経過した図54のT15aのタイミングで、通過時演出用LED38a〜38cを全て点灯状態に戻す再点灯制御を実行する。
ここで、前述したT15のタイミングでは、特別図柄の変動表示と共に普通図柄の変動表示が開始されており、特別図柄の変動パターンが普電開放用以外の変動パターン(TPB5−1〜3)である(いずれも特図変動時間が20秒である)ため、特図当り遊技状態に制御されるT16のタイミングよりも前に、普通入賞口がロング開放される期間が存在する(図54に示すロング開放期間X)。演出制御用CPU120は、前述したように、普通入賞口のロング開放が開始されたタイミングで、開放報知用LED36を消灯状態から青色での点灯状態に切り換え、ロング開放中に第2始動入賞口に遊技球が進入した場合には、開放報知用LED36を青色での点灯状態から赤色での点灯状態に切り換えるものとする。また、演出制御用CPU120は、このロング開放中(ロング開放期間X)に普通入賞口に遊技球が進入した場合も、有利区間賞球数カウンタの値を更新し(1回の進入につき+10)、更新後の値を玉数報知用LED39に表示させることが可能である。なお、このケースでは、演出表示装置5において、特別図柄の変動パターンが普電開放用以外の変動パターン(TPB5−1〜3)であることに応じた演出が実行されているので、演出表示装置5に有利区間賞球数カウンタの値を表示させないようにしても良い。
また、本実施例では、ロング開放期間Xが経過した後でも、T15で開始された特別図柄の変動表示(TPB5−1〜3)が実行されている期間は高ベース状態が継続しているため、さらに通過ゲート41を遊技球が通過したことに基づいて普通図柄の変動表示が実行されて、T16のタイミングよりも前に普通入賞口がロング開放される場合がある。演出制御用CPU120は、このロング開放中に普通入賞口に遊技球が進入した場合も、有利区間賞球数カウンタの値を更新し、更新後の値を玉数報知用LED39に表示させることが可能である。
そして、演出制御用CPU120は、特別図柄の変動表示結果が非確変Eの特図当りである場合、特図当り遊技状態が開始される(低ベース状態へ移行する)T16のタイミングで、バトルに敗北したような演出画像を表示する敗北演出を実行する(図60(16)を参照)。
ここで、特図当りが発生したことにより、遊技制御用マイクロコンピュータ100からは、特図当り開始指定コマンドの他、大入賞口開放中指定コマンド(コマンドA1XXH)、大入賞口開放後指定コマンド(コマンドA2XXH)、及び、特図当り終了指定コマンド(コマンドA3XXH)が送信され、各コマンドに応じた演出(ファンファーレ演出、ラウンド演出、エンディング演出)が実行可能となっている。しかしながら、図54及び図60(16)の例では、演出制御用CPU120は、特図当り開始指定コマンドの受信に応じて、特図当り遊技状態の開始から終了までの期間に亘る敗北演出を実行するようにしており、大入賞口開放中指定コマンド、大入賞口開放後指定コマンド、及び、特図当り終了指定コマンドを受信しても、敗北演出を中断せずに継続させるものとする。即ち、本実施例のラッシュ突入演出とは、ファンファーレ演出、ラウンド演出、及びエンディング演出に相当する演出を含む演出であり、演出制御用CPU120は、例えば、図54に示すT16aのタイミングで、特図当り終了指定コマンドを受信しているものとする。
次いで、図54に示すT17のタイミングで特図当り遊技状態が終了し、特図当り遊技状態の終了後に低ベース状態(本例では低確低ベース状態)に制御されることに応じて、遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御用CPU120に対して右打ち点灯終了指定コマンド(コマンド9C00H)が送信されたものとする。右打ち点灯終了指定コマンドを受信した演出制御用CPU120は、右打ち報知用LED37を点灯状態から消灯状態に切り換える(図60(17)を参照)。
ここで、演出制御用CPU120は、右打ち報知用LED37を点灯状態から消灯状態に切り換えること(右打ち点灯終了指定コマンドを受信したこと)に応じて、左遊技領域に向けて遊技球を発射するよう促す画像(例えば「左打ちに戻せ!」という文字の画像)を演出表示装置5に表示させたり、左遊技領域に向けて遊技球を発射するよう促す音声(例えば「左打ちに戻せ!」という音声)をスピーカ8L、8Rから出力させる左打ち促進のための報知を実行する。
また、演出制御用CPU120は、右打ち報知用LED37が消灯状態にあるとき、即ち左打ち遊技を行うべき期間に、ゲート通過指定コマンドを受信した場合や、第2始動口入賞指定コマンドを受信した場合等、遊技者が右打ち遊技を行っていることを特定可能なコマンドを受信した場合には、上記左打ち促進のための報知を実行する。
なお、右打ち報知用LED37と同様に、左遊技領域に向けて遊技球を発射するように促すための左打ち報知用LEDが設けられており、左打ち報知用LEDが点灯状態となることにより、左遊技領域に遊技球を発射するよう促す発射促進報知が行われる構成としても良い。このような構成の遊技機において、演出制御用CPU120は、右打ち点灯開始指定コマンドを受信したことに応じて、左打ち報知用LEDを点灯状態から消灯状態に切り換え、右打ち点灯終了指定コマンドを受信したことに応じて、左打ち報知用LEDを消灯状態から点灯状態に切り換えるようにしても良い。また、左打ち報知用LEDの点灯/消灯を制御するための専用のコマンドを設けるようにしても良く、演出制御用CPU120は、左打ち点灯開始指定コマンド(例えば、右打ち点灯終了指定コマンドとセットで送信される)を受信したことに応じて、左打ち報知用LEDを消灯状態から点灯状態に切り換え、左打ち点灯終了指定コマンド(例えば、右打ち点灯開始指定コマンドとセットで送信される)を受信したことに応じて、左打ち報知用LEDを点灯状態から消灯状態に切り換えるようにしても良い。
また、演出制御用CPU120は、右打ち点灯終了指定コマンドの受信に応じて、有利区間賞球数カウンタの更新を停止し(集計終了)、これ以降は、普通電動役物入賞指定コマンドを受信しても、有利区間賞球数カウンタの値を増加させない。そして、右打ち点灯終了指定コマンドを受信したときの有利区間賞球数カウンタの値(本例では120)を、演出表示装置5及び玉数報知用LED39に所定期間(図54に示すT17〜T18の期間)表示させる。このとき、演出表示装置5には、有利区間が終了したことを遊技者が認識可能な情報(本例では「ラッシュ終了」)も表示される。
なお、演出制御用CPU120は、遊技状態が特図当り遊技状態ではなく且つ低ベース状態であることに応じて、枠LED9の点灯色を赤色から黄色に変化させると共に、通過時演出用LED38a〜38cを点灯状態から消灯状態に切り換える。これらの演出用LEDの発光態様の変化によって、遊技者は右打ち遊技を終了させるべきことを把握する。
このように、右打ち報知用LED37が点灯状態となっている期間、即ち、右打ち促進のための演出が実行されている期間において払い出される玉数を累積的に集計して、集計された払出玉数を、有利区間において遊技者が獲得した有利区間賞球数として演出表示装置5や玉数報知用LED39に表示することにより、右打ち促進報知を行う遊技機において適切に遊技価値の集計を行い、集計結果を遊技者に提示可能となる。
また、本実施例では、右打ち報知用LEDの点灯及び消灯を制御するための専用のコマンドとして、右打ち点灯開始指定コマンド(コマンド9C01H)及び右打ち点灯終了指定コマンド(コマンド9C00H)が設けられているため、演出制御用CPU120はこれらの専用コマンドの受信に基づいて、有利区間(右打ち促進期間)に遊技者に付与された賞球数を適切に集計可能である。
また、本実施例では、右打ち報知用LEDを点灯制御するための専用のコマンドである右打ち点灯開始指定コマンド(コマンド9C01H)の受信に応じて、有利区間賞球数の集計を開始し、右打ち報知用LEDを消灯制御するための専用のコマンドである右打ち点灯終了指定コマンド(コマンド9C00H)の受信に応じて、有利区間賞球数の集計を終了して集計結果を表示させれば良いため、演出制御用CPU120において集計期間を容易に特定可能となっている。
なお、本実施例のように、右打ち報知用LED37を点灯/消灯制御するためのコマンド等を用いることなく、有利区間賞球数を集計しようとする場合、特図当り遊技状態終了後に有利区間が継続するか又は第1遊技状態に移行するかを演出制御用CPU120側で特定する必要がある。例えば、遊技状態指定コマンドが、特別図柄の変動表示が実行される毎に演出表示装置5に表示される遊技状態に応じた背景画像を指定するコマンドである場合、演出制御用CPU120は、特別図柄の変動表示が開始されるときの遊技状態を把握可能であるが、有利区間が終了して第1遊技状態(低確低ベース状態)に移行した際に、第1遊技状態において第1始動入賞口に遊技球が進入して第1特別図柄の変動表示が開始されるまでは、演出制御用CPU120は第1遊技状態に移行したことを把握できず、有利区間賞球数の集計を継続してしまう。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100が、特図当りの発生に応じて特図当り種別を指定するコマンドを送信したとしても、本実施例のように、変動表示結果が「特図当り」となることなく所定回数(例えば、第4遊技状態では100回)の特図の変動表示が実行されると、高ベース状態が終了して低ベース状態に移行するような遊技機では、演出制御用CPU120は、遊技状態を把握するために各遊技状態において実行された特別図柄の変動表示回数を把握しておかなければならない。これに対して本実施例では、右打ち促進を行う装置(右打ち報知用LED37)を制御するためのコマンドを利用して遊技状態を把握可能であるため、有利区間賞球数を容易且つ適切に集計することが可能である。
また、この例では、第5遊技状態(高確高ベース状態)で非確変Eの特図当りが発生したことによって、演出制御用CPU120が右打ち点灯終了指定コマンド(コマンド9C00H)を受信して有利区間賞球数の集計を終了させたが、仮に、第5遊技状態で非確変Fの特図当りが発生して第4遊技状態に移行し、該第4遊技状態において変動表示結果が「特図当り」となることなく所定回数(例えば、第4遊技状態では100回)の特図の変動表示が実行された場合でも、同様に、演出制御用CPU120が右打ち点灯終了指定コマンド(コマンド9C00H)を受信して有利区間賞球数の集計を終了させる。
なお、本実施例では、演出制御用CPU120が、有利区間において普通入賞口に遊技球が進入したときに遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された普通電動役物入賞指定コマンドを受信したことに応じて、普通入賞口に対応した賞球数(本例では10)を有利区間賞球数カウンタの値に加算する(これに応じて玉数報知用LED39に表示される玉数も変化する)例について説明したが、有利区間において他の入賞口への遊技球の進入に応じて付与された賞球数を有利区間賞球数カウンタの値に加算するようにしても良い。例えば、第2始動入賞口に遊技球が進入したときに遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された第2始動口入賞指定コマンドを受信したことに応じて、第2始動入賞口に対応した賞球数を有利区間賞球数カウンタの値に加算するようにしても良く、大入賞口に遊技球が進入したときに遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された大入賞口入賞指定コマンドを受信したことに応じて、大入賞口に対応した賞球数を有利区間賞球数カウンタの値に加算するようにしても良い。また、可変入賞球装置により構成されておらず(大入賞口や普通入賞口には該当せず)且つ遊技球が進入することにより普通図柄の変動表示や特別図柄の変動表示が実行されない一般入賞口に遊技球が進入したときに、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された一般入賞口入賞指定コマンドを受信したことに応じて、一般入賞口に対応した賞球数を有利区間賞球数カウンタの値に加算するようにしても良い。また、遊技球が進入した入賞口にかかわらず、有利区間において付与された賞球数を有利区間賞球数カウンタの値に加算するようにしても良い。
次いで、演出制御用CPU120は、有利区間賞球数カウンタの値を、演出表示装置5及び玉数報知用LED39に、一定時間(T17〜T18)表示させた後、演出表示装置5に、左打ち遊技に戻すように促す画像を表示させると共に、玉数報知用LED39の全ての桁の7セグメントを消灯状態とする(図60(18)を参照)。
ここで、演出制御用CPU120は、有利区間終了後の第1遊技状態(低確低ベース状態)に制御されている期間は、有利区間賞球数カウンタの値(本例では120)を消去することなく継続して記憶しておく。そして、有利区間終了後の第1遊技状態(低確低ベース状態)に制御されている期間は、有利区間賞球数カウンタの値の更新が行われないため、仮にいずれかの入賞口(普通入賞口を含む)に遊技球が進入して賞球が付与された場合であっても、有利区間賞球数カウンタの値は更新されず、また、有利区間賞球数カウンタの値は玉数報知用LED39に表示されない。なお、演出制御用CPU120は、有利区間終了後の第1遊技状態(低確低ベース状態)から、有利区間以外の遊技状態(第2遊技状態又は第3遊技状態)に移行したとき、即ち確変A又は非確変Bの特図当りが発生した場合には、有利区間賞球数カウンタの値を消去する(0にリセットする)。
次いで、遊技状態が第1遊技状態(低確低ベース状態)に移行した後、第2遊技状態及び第3遊技状態のいずれにも移行することなく、図54のT19に示すタイミングで第1始動入賞口に遊技球が進入したことに基づいて、第1特別図柄の変動表示が開始されたものとする(図61(19)を参照)。
次いで、T20のタイミングでは、第1特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄として、特定の特別図柄(特図当り図柄)が停止表示されることに伴い、演出表示装置5において、図柄揃いの第1演出図柄の停止図柄(例えば、777など)が停止表示される(図61(20)を参照)。ここで、発生した特図当りの特図当り種別が確変Bであるものとする。このとき、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、同じ演出図柄が揃う図柄揃い状態となったことに応じて、枠LED9の点灯色が黄色から青色に変化すると共に、通過時演出用LED38a、38b、38cが、いずれも消灯状態から点灯状態に切り替わる。
第1特別図柄表示器4Aに特図当り図柄が停止表示されると、予め定められた図柄確定停止期間を経過したT21のタイミングで、特図当り遊技状態が開始される。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、特図当り遊技状態の開始に伴い、特図当り開始指定コマンド(コマンドA0XXH)と右打ち点灯開始指定コマンド(コマンド9C01H)とを出力する。演出制御用CPU120は、特図当り開始指定コマンド(コマンドA0XXH)を受信したこと、及び、発生した特図当りの特図当り種別が確変Bであることに応じて、第5遊技状態に移行することを報知するラッシュ突入演出を実行する(図61(21)を参照)。
また、演出制御用CPU120は、右打ち点灯開始指定コマンド(コマンド9C01H)を受信したことに応じて、右打ち報知用LED37を、消灯状態から点灯状態に切り換える。また、演出制御用CPU120は、右打ち点灯開始指定コマンド(コマンド9C01H)を受信したこと、及び、有利区間(第4遊技状態又は第5遊技状態)に移行する確変Bの特図当りが発生したことに応じて、RAM122に記憶されている有利区間賞球数カウンタの値(本例では120)を、玉数報知用LED39に表示させる(即ち1桁目の7セグメントに0、2桁目の7セグメントに2、3桁目の7セグメントに1を点灯させる)と共に、一旦は停止していた有利区間賞球数カウンタの更新を再開する(集計再開)。
このように、有利区間の終了に伴い第1遊技状態(低確低ベース状態)に制御されたとき、当該第1遊技状態において再度有利区間に移行する特図当り種別(確変B)の特図当りが発生した場合には、演出制御用CPU120は、当該第1遊技状態に移行した際に消去せずに保持していた有利区間賞球数カウンタの値(本例では120)を再度玉数報知用LED39に表示させることが可能である。そして、特図当り遊技状態の終了後に第5遊技状態(高確高ベース状態)に制御されたとき、そのときの有利区間賞球数カウンタの値(本例では120)から集計を再開することが可能となる。
仮に、有利区間終了後の第1遊技状態において、第2遊技状態に移行する特図当り種別(確変A)又は第3遊技状態に移行する特図当り種別(非確変B)の特図当りが発生した場合には、前述したように有利区間賞球数カウンタの値が0にクリアされるため、その後に第2遊技状態又は第3遊技状態を経て再度有利区間に移行したとしても、そのとき玉数報知用LED39に表示される値は0となる。
このように、有利区間が終了して第1遊技状態となった後も、有利区間において集計された有利区間賞球数を保持しておくことが可能であり、このような構成とすることにより、第1遊技状態から再度有利区間に移行したときに、保持していた有利区間賞球数から集計を再開させることが可能となる。そのため、遊技者は、第1遊技状態において、再度有利区間に移行させる特図当り種別(確変B)の特図当りを発生させるべく継続して遊技を行うこととなり、有利区間が終了したことによる興趣の低下を抑制することができる。
なお、本実施例では、右打ち点灯終了指定コマンドの受信(例えばT17のタイミング)から、第1遊技状態となって右打ち点灯開始指定コマンドを受信するまで(例えばT21のタイミングまで)の期間は、演出制御用CPU120が、RAM122に記憶させている有利区間賞球数カウンタの値を更新せず、また有利区間賞球数カウンタの値を演出表示装置5や玉数報知用LED39に表示させないようにしたが、このような形態に限らず、右打ち点灯終了指定コマンドの受信(T17)以降は、RAM122に記憶させている有利区間賞球数カウンタの値を、普通入賞口を含む各入賞口への遊技球の進入に応じて更新させる一方、更新後の有利区間賞球数カウンタの値は演出表示装置5や玉数報知用LED39に表示させない(更新後のカウンタ値を表示に反映させない)ようにしても良い。そして、右打ち点灯開始指定コマンドを受信したときに(T21)、更新後の有利区間賞球数カウンタの値を、演出表示装置5や玉数報知用LED39に表示させる(更新後のカウンタ値を表示に反映させる)ようにしても良い。
また、図52〜図61に示した例では、第1遊技状態で確変Bの特図当りが発生したことにより遊技制御用マイクロコンピュータ100が、右打ち点灯開始指定コマンドを出力し、その後に有利区間(第5遊技状態)に制御されて、有利区間(第5遊技状態)で非確変Eの特図当りが発生したことにより遊技制御用マイクロコンピュータ100が、右打ち点灯終了指定コマンドを出力した例を説明した関係上、演出制御用CPU120が、右打ち点灯開始指定コマンドを受信してから右打ち点灯終了指定コマンドを受信するまでの期間に付与された賞球数を、有利区間賞球数と称して説明した。しかし、本実施例では、低ベース状態で非確変Bの特図当りが発生した場合、時短1回の低確高ベース状態である第3遊技状態(チャンスゾーン)に移行し、該第3遊技状態で非確変C又は確変Cの特図当りが発生した場合には、有利区間(第4遊技状態又は第5遊技状態)に移行することになる。このとき、非確変Bの特図当り遊技状態に制御されるタイミングで遊技制御用マイクロコンピュータ100が右打ち点灯開始指定コマンドを出力するため、演出制御用CPU120は、非確変Bの特図当り遊技状態に制御されてから有利区間に移行するまでの賞球数と、有利区間に移行してからの賞球数との合算値を集計することになる。この場合に、演出制御用CP120は、合算値(即ち、低ベース状態で発生した「高ベース状態に移行する特図当りの特図当り遊技状態」の開始から、「低ベース状態に移行する特図当りの特図当り遊技状態」の終了までの期間に付与された賞球数)を、演出表示装置5や玉数報知用LED39に表示させるようにしても良く、有利区間に移行してからの賞球数のみを、演出表示装置5や玉数報知用LED39に表示させるようにしても良い。
上記の実施例では、遊技制御用マイクロコンピュータ100が、特図当り遊技状態を開始するタイミング(特図当り開始指定コマンドを送信するタイミング)で、右打ち点灯開始指定コマンドを送信する例について説明したが、このタイミングに限らず、特図当り遊技状態に制御している期間に(例えば、大入賞口開放中指定コマンドを送信するタイミングや、大入賞口開放後指定コマンドを送信するタイミングで)、右打ち点灯開始指定コマンドを送信するようにしても良く、特図当り終了指定コマンドを送信するタイミングで右打ち点灯開始指定コマンドを送信するようにしても良く、特図当り遊技状態が終了するタイミング(演出制御基板側で特図当り終了演出が終了するタイミング)で右打ち点灯開始指定コマンドを送信するようにしても良い。
上記の実施例では、遊技制御用マイクロコンピュータ100が、非確変Eの特図当り遊技状態が終了するタイミング(演出制御基板側で特図当り終了演出が終了するタイミング)で右打ち点灯終了指定コマンドを送信する例について説明したが、このタイミングに限らず、非確変Eの特図当り遊技状態を開始するタイミング(特図当り開始指定コマンドを送信するタイミング)で、右打ち点灯終了指定コマンドを送信するようにしても良く、非確変Eの特図当り遊技状態に制御している期間に(例えば、大入賞口開放中指定コマンドを送信するタイミングや、大入賞口開放後指定コマンドを送信するタイミングで)、右打ち点灯終了指定コマンドを送信するようにしても良く、特図当り終了指定コマンドを送信するタイミングで右打ち点灯終了指定コマンドを送信するようにしても良い。
上記の実施例では、右打ち報知用LED37の点灯/消灯を制御するための専用の演出制御コマンド(右打ち点灯開始指定コマンド及び右打ち点灯終了指定コマンド)が設けられた例について説明したが、このような専用コマンドを設ける形態に限らず、右打ち報知用LED37の点灯/消灯を他のコマンドの受信に基づいて制御するようにしても良い。例えば、演出制御用CPU120は、確変Bや非確変Bの特図当り開始指定コマンドを受信したことに応じて、右打ち報知用LED37を点灯させるようにしても良く、非確変Eの特図当り遊技状態に制御されたときに特図当り終了指定コマンドを受信したことに応じて、右打ち報知用LED37を消灯させるようにしても良い。
上記の実施例では、右打ち促進を行う演出装置が右打ち報知用LED37である例について説明したが、これに限らず、右打ち促進を行う演出装置が、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータからの演出制御コマンドに応じたモータの制御によって第1形態から第2形態、第2形態から第1形態に変形可能な可動役物であっても良く、左打ち遊技を促す場合には可動役物が第1形態となり、右打ち遊技を促す場合には可動役物が第1形態から第2形態に変化するものであっても良い。また、右打ち促進を行う演出装置が、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータからの演出制御コマンドに応じたモータの制御によって第1位置から第2位置、第2位置から第1位置に移動可能な可動役物であっても良く、左打ち遊技を促す場合には可動役物が第1位置にあり、右打ち遊技を促す場合には可動役物が第1位置から第2位置に移動するものであっても良い。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
また、前記実施例では、演出制御用CPU120は、特別図柄の変動表示が開始されたことに基づいて第2演出図柄の変動表示を開始する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、普通図柄の変動表示の開始に基づいて第2演出図柄の変動表示を開始するようにしてもよい。
また、前記実施例では、演出制御用CPU120は、特別図柄の変動表示が終了したことに基づいて第2演出図柄の変動表示を終了する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、普通図柄の変動表示の終了に基づいて第2演出図柄の変動表示を終了するようにしてもよい。
また、前記実施例では、高ベース状態においてショート開放パターンに基づいて普通可変入賞球装置27の開放制御が実行される場合、演出制御用CPU120は、第2演出図柄を不揃い図柄で停止表示する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2演出図柄を、ロング開放パターンに基づいて普通可変入賞球装置27の開放制御が実行される場合に導出される揃い図柄とは異なる揃い図柄で停止表示するようにしてもよい。この場合、例えば、ロング開放パターンに基づいて普通可変入賞球装置27の開放制御が実行される場合は第2図柄を奇数の揃い図柄とし、ショート開放パターンに基づいて普通可変入賞球装置27の開放制御が実行される場合は第2図柄を偶数の揃い図柄としてもよいし、ショート開放とロング開放とで停止表示する図柄の種別や表示態様を異ならせてもよい。
また、前記実施例では、演出制御用CPU120は、S801の第2図柄変動開始処理におけるS826において特別図柄変動パターンが普電ロング開放用の変動パターンであるか否かにより、第2演出図柄の停止図柄を揃い図柄にするか不揃い図柄にするかを決定する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第2演出図柄を停止表示するときにロング開放パターンに基づく普通可変入賞球装置27の開放制御が実行されるか否かによって第2演出図柄の停止図柄の種別を決定するようにしてもよい。
また、前記実施例では、高ベース状態においてロング開放パターンに基づいて普通可変入賞球装置27の開放制御が実行される場合、特別図柄の変動表示が終了する前に普通図柄の変動表示が終了した場合、特別図柄の変動表示が終了するまで、第2演出図柄を揃い図柄で仮停止表示する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、普通図柄の変動表示が終了した時点で第2演出図柄を仮停止表示せずに変動表示させておいてもよい。
また、前記実施例では、低ベース状態においては、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示に伴い第1演出図柄の変動表示が実行され、第5遊技状態において特別図柄変動パターンとして普電開放用の変動パターンが選択された場合において、第2特別図柄と普通図柄の変動表示に応じて第2演出図柄の変動表示が実行される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第3遊技状態や第4遊技状態などの高ベース状態においても第2演出図柄の変動表示を実行するようにしてもよい。また、第2演出図柄の変動表示の実行とともに、第2特別図柄の変動表示に対応して第1演出図柄の変動表示(例えば、縮小表示など)を実行するようにしてもよい。
また、前記実施例では、高ベース状態において普通図柄は250/250の確率で普図当りとなる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、高ベース状態において普通図柄は当りとなるよりも低い確率で普図はずれとなるようにしてもよい。また、普図はずれとなる場合に第2演出図柄の変動表示を実行するときには、普通可変入賞球装置27の開放制御は実行されないので、第2演出図柄の表示結果として不揃い(はずれ)図柄を停止表示することが好ましい。
また、前記実施例では、普通図柄の変動パターンとして、普図当り変動パターン及びはずれ変動パターンの各々について変動表示時間が同一の変動パターンのみを用意し、特別図柄の変動パターンとして、普通図柄の変動パターンよりも変動表示時間が短い普電ショート開放用の変動パターンと、普通図柄の変動パターンよりも変動表示時間が長いロング開放用の変動パターンとのいずれに決定するかによって普通可変入賞球装置27の開放期間が決定される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特別図柄の変動パターンとして変動表示時間が同一の変動パターンのみを用意し、普通図柄の変動パターンとして、特別図柄の変動パターンよりも変動表示時間が短い普電ショート開放用の変動パターンと、特別図柄の変動パターンよりも変動表示時間が長い普電ロング開放用の変動パターンとのいずれに決定するかによって、普通可変入賞球装置27の開放制御の実行期間が決定されるようにしてもよい。
また、前記実施例では、高ベース状態において、普通図柄の変動表示結果が普図当りになる場合、普通図柄の変動表示が終了した時点で特別図柄の変動表示が停止しているか否かによって、普通可変入賞球装置27をショート開放パターンまたはロング開放パターンのいずれに基づいて開放制御するかを決定する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、普通図柄の変動表示が終了した時点で低ベース状態である場合において、開放期間が異なる複数種類のショート開放パターンのうちからいずれかに基づいて開放制御を実行してもよいし、普通図柄の変動表示が終了した時点で高ベース状態である場合において、開放期間が異なる複数種類のロング開放パターンのうちからいずれかに基づいて開放制御を実行してもよい。
また、このようにショート開放パターンやロング開放パターンとして開放期間が異なる複数種類の開放パターンを用意する場合、例えば、普通図柄の変動表示の終了時点と特別図柄の変動表示の終了時点とのずれの期間に応じて開放期間が異なるようにしてもよい。
また、前記実施例では、CPU103は、S103の普通図柄停止処理におけるS155において、高ベースフラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合は高ベース状態であるとしてロング開放用の第2電動役物動作時間をセットし(S156b)、セットされていない場合は低ベース状態であるとしてショート開放用の第1電動役物動作時間をセットする(S156a)形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、S103の普通図柄停止処理におけるS154において普図当りフラグがセットされている場合に、特別図柄の変動表示中か否か、特図当り遊技状態であるか否か、特別図柄の変動パターン(変動表示時間)等を判定することにより、ロング開放用の第2電動役物動作時間とショート開放用の第1電動役物動作時間のいずれをセットするかを決定するようにしてもよい。
また、前記実施例では、CPU103は、高ベース状態において特図当りが発生して特図当り遊技状態に制御する場合、特図当り遊技状態に制御している期間は低ベース状態に制御する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、高ベース状態において特図当りとは異なる小当りが発生して小当り遊技状態に制御する場合、小当り遊技状態に制御している期間は低ベース状態に制御するようにしてもよい。
また、前記実施例では、遊技球が通過ゲート41を通過したが第2始動入賞しない状態が所定回数である5回連続して発生した場合に異常と判定する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、所定回数は5回以外にも設定可能である。
また、前記実施例では、遊技球が通過ゲート41を通過したが第2始動入賞しない状態が所定回数連続して発生した場合に異常と判定する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、異常な状態が所定回数連続しないまでも、所定期間内に所定回数以上発生したことに基づいて異常と判定するようにしてもよい。具体的には、所定時間(例えば、2分など)以内に異常な状態が所定回(例えば、3回など)発生したことや、所定数(例えば、100球)の遊技球が通過ゲート41または第2始動入賞口に進入する間に異常な状態が所定回(例えば、3回など)発生したことに基づいて異常と判定するようにしてもよい。
また、前記実施例では、高ベース状態として、種類が異なる3つの遊技状態(第3遊技状態、第4遊技状態、第5遊技状態)を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、高ベース状態として一の遊技状態だけ有していてもよいし、4以上の遊技状態を有していてもよい。
また、前記実施例では、高ベース状態と低ベース状態とで異なる種類の演出図柄(例えば、漢数字からなる第2演出図柄とアラビア数字からなる第1演出図柄)を表示する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出制御用CPU120が少なくとも高ベース状態であるときと低ベース状態であるときとで演出図柄の組合せの決定処理方法が異なっていれば(例えば、低ベース状態では、演出図柄の変動表示結果として特別図柄の表示結果に応じた演出図柄の組合せを決定する一方で、高ベース状態では、演出図柄の変動表示結果として、普通図柄の変動表示状態と特別図柄の変動表示状態とに基づく態様を導出表示可能であれば)、高ベース状態と低ベース状態とで共通の演出図柄を表示するようにしてもよい。
また、前記実施例では、普通可変装置の一例として、入賞に応じて遊技球(賞球)を付与する普通入賞口を開閉可能な普通可変入賞球装置27を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、普通可変装置の他の例として、遊技球が進入したことに基づいて特別始動条件(例えば、第2特別始動条件)が成立可能となる特別始動領域としての始動入賞口(例えば、第2始動入賞口)を開閉可能な可変入賞球装置を適用してもよい。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
また、前記実施例では、特別図柄を、第1特図と第2特図の2つとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、特別図柄を1または3以上としても良い。
遊技者にとって有利な状態とは、遊技者が多くの遊技媒体を獲得できる遊技者にとって有利な特定遊技状態(特図当り等)や、獲得できる遊技媒体の期待値が異なる複数種類の特定遊技状態(ラウンド数が異なる特図当り等)や、通常遊技状態よりも賞球払出の条件が成立しやすくなる高ベース状態や、特別リーチ状態(例えば、スーパーリーチ等)、当該変動パターンが特図当り変動パターンに基づく変動パターンである状態等が含まれる。