まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えばセグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示)される。以下では、第1特別図柄表示器4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示、後述する普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄(飾り図柄とも言う)が変動表示される。
一例として、演出表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rが配置されている。そして、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図の変動、普通図柄表示器20による普通図柄の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて演出図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームまたは普図ゲームにおける変動表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、演出図柄の変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた変動表示、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた変動表示、普通図柄表示器20における普図を用いて変動表示と同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。尚、例えば特別図柄や演出図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、演出図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して変動表示を終了させることである。これに対して、演出図柄の変動表示を開始してから変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでの変動表示中には、演出図柄の変動速度が「0」となって、演出図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、変動表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による演出図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。尚、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、演出図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される演出図柄には、例えば9種類の図柄(英数字「1」〜「9」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する9個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「9」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「9」の図柄番号が付されている。尚、演出図柄は9種類に限定されず、大当り組合せやはずれとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば8種類や10種類など)。尚、詳細は後述するが、本実施例の演出図柄としては、特別図柄の変動表示に連動して変動表示が実行される第1演出図柄(英数字「1」〜「9」の演出図柄)と、普通図柄の変動表示に連動して変動表示が実行される第2演出図柄(漢数字「一」〜「九」)とが予め用意されている。
演出図柄の変動表示が開始された後、変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「9」)である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である演出図柄が表示される。あるいは、演出図柄表示エリア5L,5C,5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の演出図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である演出図柄が表示されるようにしてもよい。
演出表示装置5の表示領域には、第1保留記憶表示エリア5Hが配置されている。第1保留記憶表示エリア5Hでは、第1特別図柄に対応した変動表示の保留数(第1特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、第1特別図柄に対応した変動表示の保留は、後述する普通入賞球装置6A,6A’が形成する第1始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特別図柄や演出図柄の変動表示を実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示が実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示の開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件(第1始動入賞口への入賞)に対応する変動表示の保留が行われる。
本実施例では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示(第1保留記憶表示エリア5Hに表示される保留記憶表示)とする。尚、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示の表示態様は、丸型の白色表示以外の表示態様であってもよい。
演出表示装置5の上方には、カウントダウン表示装置400が設けられている。一例として、カウントダウン表示装置400は、7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成されており、後述する高ベース状態において、第1特別図柄の変動表示の開始時から高ベース終了時演出開始タイミング1(図56(B)参照)までの残り期間を表示可能となっている。
また、演出表示装置5の上方には、演出保留表示ユニット30が配置されている。演出保留表示ユニット30は、第1特別図柄に対応した変動表示の保留数(第1特図保留記憶数)を特定可能に表示する演出表示装置5とは別体に設けられており、第2特別図柄に対応した変動表示の保留数(第2特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、第2特別図柄に対応した変動表示の保留は、後述する普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特別図柄や演出図柄の変動表示を実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示が実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示の開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件(第2始動入賞口への入賞)に対応する変動表示の保留が行われる。
詳細は後述するが、本実施例における第1特別図柄の変動表示は、変動表示結果が「大当り」または「はずれ」となる一方で、第2特別図柄の変動表示は、変動表示結果が「大当り」または「小当り」となる。第2特別図柄の変動表示結果が「小当り」となった場合は、V入賞が発生する(遊技球が第3カウントスイッチ24Bにて検出される)ことによって大当り遊技が実行される。つまり、本実施例における演出保留表示ユニット30は、第2特別図柄の変動表示にもとづいて大当り遊技が実行される回数を報知するための表示装置(表示ユニット)である。
演出保留表示ユニット30は、「1」、「2」、「3」、「4」と記された計4つのLEDを備えている。本実施例では、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を、演出保留表示ユニット30に備えられた各LEDを発光させることで表示する。具体的には、第2特図保留記憶数が1個の場合は「1」のLEDを発光させ、第2特図保留記憶数が2個の場合は「1」と「2」のLEDを発光させ、第2特図保留記憶数が3個の場合は「1」〜「3」のLEDを発光させ、第2特図保留記憶数が4個の場合は「1」〜「4」のLEDを発光させる。
図1に示す例では、第1保留記憶表示エリア5H及び演出保留表示ユニット30とともに、第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた変動表示の実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた変動表示の実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した変動表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aが設けられており、演出表示装置5の右方(右遊技領域)には、普通入賞球装置6A’が設けられている。これら普通入賞球装置6A,6A’は、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。また、普通入賞球装置6A’には、普通可変入賞球装置6Bが設けられている。また、右遊技領域である普通入賞球装置6A’の右方には、通過ゲート41が設けられており、該通過ゲート41の下方には、普通可変入賞球装置6Bが設けられている。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、開放状態と閉鎖状態とに変化するための板体60(図3参照)を有する普通電動役物を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに板体60が遊技盤2の正面側に突出することにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)し難い閉鎖状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに板体60が遊技盤2の正面側から退避(遊技盤2の背面側に移動)することにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)し易い開放状態となる。尚、普通可変入賞球装置6Bは、閉鎖状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、閉鎖状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない閉鎖状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す始動口スイッチA22Aによって検出され、普通入賞球装置6A’に形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す始動口スイッチB22Bによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す始動口スイッチC22Cによって検出される。始動口スイッチA22Aや始動口スイッチB22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。始動口スイッチC22Cによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。尚、始動口スイッチA22Aや始動口スイッチB22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、始動口スイッチC22Cによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。尚、通過ゲート41内には、後述するゲートスイッチ21が内蔵されている。
また、普通入賞球装置6A’、通過ゲート41及び普通可変入賞球装置6Bの上方には、遊技球を普通入賞球装置6A’と通過ゲート41及び普通可変入賞球装置6Bとに振り分けるための振分装置300が設けられている。
図3に示すように、振分装置300は、所定形状の筐体部材300Kと、その内部に設けられた左右に移動可能な可動部材300Aなどから構成されている。筐体部材300Kによって、入口300Nと、出口300Rと、出口300Lと、入口300Nから出口300Rに達する第1通路300Pと、入口300Nから出口300Lに達する第2通路300Qと、が形成されている。可動部材300Aは、ソレノイド84の駆動によって左右方向に移動可能となっている。尚、ソレノイド84は、該ソレノイド84を駆動させるためのコントローラ90に接続されている。コントローラ90は、パチンコ遊技機1の起動時に出力回路111を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100から起動信号を受信することでソレノイド84の駆動制御を開始するようになっている。コントローラ90がソレノイド84を駆動することにより、可動部材300Aは、遊技状態にかかわらず左右方向の移動を繰り返す。
右遊技領域を流下する遊技球は、入口300Nから振分装置300の内部に進入し得る。可動部材300Aが右に位置するときには、第1通路300Pが当該可動部材300Aによって塞がれ、第2通路300Qが開放されるので、振分装置300の内部に進入した遊技球は、第1通路300Pを通過不能である一方で、第2通路300Qを通り、出口300Lから排出される(図3(A)参照)。つまり、遊技球は出口300L(または、出口300L外部の左側領域)に振り分けられる。ここで、図3(A)に示すように、普通入賞球装置6A’は出口300Lの下方に設けられているため、出口300Lに振り分けられた遊技球は高確率で普通入賞球装置6A’が形成する第1始動入賞口に入賞可能となっている。
また、可動部材300Aが左に位置するときには、第2通路300Qが当該可動部材300Aによって塞がれ、第1通路300Pが開放されるので、振分装置300の内部に進入した遊技球は、第2通路300Qを通過不能である一方で、第1通路300Pを通り、出口300Rから排出される(図3(B)参照)。つまり、遊技球は出口300R(又は、出口300R外部の右側領域)に振り分けられる。ここで、図3(B)に示すように、通過ゲート41は出口300Rの下方に設けられているため、出口300Rから排出された遊技球は高確率で通過ゲート41を通過可能となっている。更に、通過ゲート41の下方には普通可変入賞球装置6Bが設けられているので、通過ゲート41を通過した遊技球は、普通可変入賞球装置6Bが開放状態であれば該普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に進入可能となっており、普通可変入賞球装置6Bが閉鎖状態であれば該普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に進入不能となっている。
可動部材300Aは、第1期間に亘って右側に位置し、該第1期間の経過後は、ソレノイド84の駆動によって左側に移動する。そして、第1期間よりも長期間に亘って左側に位置し、該第2期間の経過後は、ソレノイド84の駆動によって再び右側に移動する。尚、第1期間と第2期間との長さが5対95の割合となっている。このため、可動部材300Aは、振分装置300内に進入した遊技球を出口300R側(通過ゲート41及び普通可変入賞球装置6B側)に振り分け易くなっており(振分率95%)、出口300L側(普通入賞球装置6A’側)には振り分け難くなっている(振分率5%)。このように、右遊技領域を流下する遊技球が振分装置300内に進入した場合は、該遊技球が出口300L側に振り分けらえる確率が低く設定されているため、左遊技領域を流下する遊技球が第1始動入賞口(普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口)に入賞する割合は、右遊技領域を流下する遊技球が第1始動入賞口(普通入賞球装置6A’が形成する第1始動入賞口)に入賞する割合よりも高くなっている。
普通入賞球装置6Aの右側方には、第1特別可変入賞球装置7A及び第2特別可変入賞球装置7Bが一体化された特別可変入賞球ユニット7が設けられている。ここで、特別可変入賞球ユニット7の構成について説明する。尚、以下の説明では、パチンコ遊技機1を正面からみたときの上下左右方向を基準として説明する。
図1に示すように、特別可変入賞球ユニット7は、左部側が第1特別可変入賞球装置7Aを構成し、右部側が第2特別可変入賞球装置7Bを構成している。また、特別可変入賞球ユニット7の正面側には透光性を有する合成樹脂材にて構成された図示しないカバー体が取り付けられており、遊技者は該カバー体を介して特別可変入賞球ユニット7内、特に第2特別可変入賞球装置7B内を流下する遊技球を視認できるようになっている。
第1特別可変入賞球装置7Aは、ソレノイド82(図2参照)によって開閉駆動される第1大入賞口扉701を備え、該第1大入賞口扉701によって開放状態と閉鎖状態とに変化する第1大入賞口を形成する。第1大入賞口は、特別可変入賞球ユニット7の左部において、上向きに開放するように形成されている。尚、第1大入賞口扉701は、ソレノイド82の駆動によって第1大入賞口を閉鎖する閉鎖位置と、第1大入賞口を開放する開放位置との間で前後方向にスライド移動可能となっている。
第1特別可変入賞球装置7Aでは、ソレノイド82がオン状態であるときに第1大入賞口扉701が第1大入賞口を開放状態として、遊技球が第1大入賞口を通過(進入)し易くする。その一方で、ソレノイド82がオフ状態であるときに第1大入賞口扉701が第1大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が第1大入賞口を通過(進入)できなくする。このように第1大入賞口は、遊技球が通過(進入)し易い遊技者とって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が第1大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が第1大入賞口を通過(進入)し難い一部開放状態を設けてもよい。
第1大入賞口を通過(進入)した遊技球は、第1大入賞口内に設けられた第1カウントスイッチ23(図2参照)を通過することで、該第1カウントスイッチ23によって検出される。第1カウントスイッチ23を通過した遊技球は、遊技盤2に形成された図示しない貫通孔を介して遊技盤2の背面側に誘導される。第1カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、第1特別可変入賞球装置7Aにおいて開放状態となった第1大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、第1特別可変入賞球装置7Aにおいて第1大入賞口が開放状態となれば、その第1大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、第1特別可変入賞球装置7Aにおいて第1大入賞口が閉鎖状態となれば、第1大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤における普通入賞球装置6Aと特別可変入賞球ユニット7との間には、図示しない複数の障害釘が設けられている。左遊技領域に打ち出された遊技球は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に入賞可能である一方でこれら障害釘に阻まれることによって第1大入賞口や第2大入賞口712に入賞不能となっており、右遊技領域に打ち出された遊技球は、これら障害釘に阻まれることによって普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に入賞不能である一方で第1大入賞口や第2大入賞口712に入賞可能となっている。
また、第1大入賞口に進入することなく流下した遊技球の大半は、図示しない障害釘等により後述のアウト口に誘導される。
図11に示す第2特別可変入賞球装置7Bは、第1特別可変入賞球装置7Aよりも上方に向けて突出して形成されており、ソレノイド83(図2参照)によって開閉駆動される第2大入賞口扉711を備え、該第2大入賞口扉711によって開放状態と閉鎖状態とに変化する第2大入賞口712を形成する。第2大入賞口712は、第2特別可変入賞球装置7Bの上端部において上向きに開放するように形成されている。第2大入賞口扉711は、ソレノイド83の駆動によって第2大入賞口712を開放する第1状態(開放状態)と、第2大入賞口712を閉鎖する第2状態(閉鎖状態)との間で前後方向にスライド移動可能に設けられている。
第2特別可変入賞球装置7Bでは、第2大入賞口扉711用のソレノイド83がオン状態であるときに第2大入賞口扉711が第2大入賞口712を開放状態として、遊技球が第2大入賞口712を通過(進入)し易くする。その一方で、第2大入賞口扉711用のソレノイド83がオフ状態であるときに第2大入賞口扉711が第2大入賞口712を閉鎖状態として、遊技球が第2大入賞口712を通過(進入)できなくする。このように第2大入賞口712は、遊技球が通過(進入)し易く遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が第2大入賞口712を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が第2大入賞口712を通過(進入)し難い一部開放状態を設けてもよい。尚、本実施例の第2大入賞口扉711は、第2大入賞口712を開放状態とする期間が合計で10秒となるように複数回に亘って第2大入賞口712の開放と閉鎖を繰り返す。
第2大入賞口712を通過(進入)する遊技球は、図11に示す第2大入賞口712内に設置された第2カウントスイッチ24Aを通過することで、該第2カウントスイッチ24A内によって検出される。第2カウントスイッチ24Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、第2特別可変入賞球装置7Bにおいて開放状態となった第2大入賞口712を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の普通入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、第2特別可変入賞球装置7Bにおいて第2大入賞口712が開放状態となれば、該第2大入賞口712に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、第2特別可変入賞球装置7Bにおいて第2大入賞口712が閉鎖状態となれば、第2大入賞口712に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
図11に示すように、第2特別可変入賞球装置7B内には、第2大入賞口712を通過した遊技球が流下可能な遊技球流路750が形成されている。遊技球流路750は、第2大入賞口712を通過した遊技球が通過可能な主経路740(図11中実線に沿う領域)と該主経路740から分岐する分岐路741(図11中点線に沿う領域)とを有する。主経路740と分岐路741との間には後述する保持部材730が配設されている。また、主経路740における保持部材730の上流側には、主経路740から分岐路741が分岐する第1分岐部742が設けられており、主経路740における保持部材730の下流側には、主経路740から分岐路741が分岐する第2分岐部743が設けられている。つまり、主経路740を流下する遊技球は、第1分岐部742または第2分岐部743から分岐路741側に移動可能とされている。
主経路740の最下流部には、遊技球が通過可能な第3カウントスイッチ24Bが設置されており、遊技球は、該第3カウントスイッチ24Bを通過することで、該第3カウントスイッチ24Bによって検出される。第3カウントスイッチ24Bを通過した遊技球は、遊技盤2に形成された図示しない貫通孔を介して遊技盤2の背面側に誘導される。また、分岐路741の最下流部に到達した遊技球は、遊技盤2に形成された図示しない貫通孔を介して遊技盤2の背面側に誘導され、第4カウントスイッチ24Cを通過することで、該第4カウントスイッチ24Cによって検出される。
尚、本実施例では、後述する小当り遊技中に第3カウントスイッチ24Bによって遊技球が検出されたことに基づき、小当り遊技終了後の遊技状態を大当り遊技状態に制御するようになっている。
主経路740における第1分岐部742の下流側には、遊技球の第3カウントスイッチ24Bへ向けての流下を規制及び許容する規制部材721が設けられている。規制部材721は、ソレノイド85(図2参照)の駆動によって主経路740内に突出することで、遊技球の主経路740での第3カウントスイッチ24Bへ向けての流下を規制する規制状態と、主経路740内から退避することで遊技球の主経路740での第3カウントスイッチ24Bへ向けての流下を許容する許容状態と、の間で前後方向にスライド可能に設けられている。
尚、規制部材721の上部は平坦面に形成されているとともに、該平坦面は、正面視で分岐路741側に向けて下方に所定角度の傾斜を成すように主経路740に設けられている。このため、規制部材721が規制状態であるときに主経路740を遊技球が流下してくると、該遊技球は規制部材721の上部に形成された平坦面に沿って第2分岐部743を経由して分岐路741に向けて流下するように誘導される。
主経路740と分岐路741との間には、前後方向を向く枢軸によって保持部材730が回動可能に枢支されている。保持部材730は、ソレノイド86(図2参照)の駆動によって枢軸を中心に規制部材721に近接する第1位置(図11に示す実線部分)と規制部材721から分岐路741側に離間する第2位置(図11に示す一点鎖線部分)との間で揺動可能となっている。
尚、規制部材721は、CPU103が後述のV入賞用ソレノイド駆動処理(図29参照)を実行することで、小当り遊技の開始時から3秒後に主経路740内に突出し(規制状態に制御され)、所定時間経過後(例えば規制部材721が主経路740内に突出してから5秒経過後)に主経路740内から退避する(許容状態に制御される)。また、保持部材730は、CPU103が後述のV入賞用ソレノイド駆動処理(図29参照)を実行することで、小当り遊技の開始時から3秒後に第1位置に移動され、所定時間経過後(例えば保持部材730が第1位置に移動してから5秒経過後)に第2位置に移動する。つまり、本実施例では、小当り遊技開始時から3秒後に規制部材721が規制状態に制御され、且つ、保持部材730が第1位置に移動することで、これら規制部材721と保持部材730によって主経路740を流下してきた遊技球が分岐路741側に流下することなく規制部材721上に保持される。そして、該保持された遊技球は、規制部材721が許容状態に制御されるとともに、保持部材730が第2位置に移動することによって規制部材721上から落下し、確実に第3カウントスイッチ24Bを通過するようになっている。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び各大入賞口702、712とは異なる入賞口として、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果LED9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A,6A’、普通可変入賞球装置6B、振分装置300、特別可変入賞球ユニット7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する下皿部材には、例えば下皿本体の上面における前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。上皿を形成する上皿部材には、例えば上皿本体の上面における前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。
本実施例では、遊技領域は、該遊技領域の略中央位置に配設された演出表示装置5の周囲を囲うセンター飾り枠の左側の左遊技領域と右側の右遊技領域とに分かれており、打球操作ハンドルにて弱めに打ち出された(左打ち)遊技球は左遊技領域を流下し、打球操作ハンドルにより強めに打ち出された(右打ち)遊技球は右遊技領域を流下するようになっている。
また、左遊技領域を流下した遊技球は、普通入賞球装置6Aに入賞可能となり、右遊技領域を流下した遊技球は、普通入賞球装置6A’、普通可変入賞球装置6B、第1特別可変入賞球装置7A及び第2特別可変入賞球装置7Bに入賞可能、かつ、通過ゲート41を通過可能となるように多数の障害釘が配設されている。つまり、左打ちの場合は第1特別可変入賞球装置7A及び第2特別可変入賞球装置7Bに入賞不能、かつ、通過ゲート41を通過不能である。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図の変動表示が終了したことといった、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図の変動表示が開始される。
この普図の変動表示では、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「当り(普図当り)」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「はずれ(普図はずれ)」となる。普通図柄の変動表示結果が「当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する板体60の開放制御が行われ、所定時間が経過すると閉鎖制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す始動口スイッチA22Aによって検出されたことや、普通入賞球装置6A’に形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す始動口スイッチB22Bによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器4Aによる特図の変動表示が開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す始動口スイッチC22Cによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図の変動表示や大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器4Bによる特図の変動表示が開始される。
第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図の変動表示では、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(変動表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「はずれ」となる。
特図の変動表示での変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特図の変動表示での変動表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。
この実施例におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をはずれ図柄としている。尚、第1特別図柄表示器4Aによる特図の変動表示における大当り図柄や小当り図柄、はずれ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示器4Bによる特図の変動表示における各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図の変動表示において共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、はずれ図柄となるようにしてもよい。
特図の変動表示における確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、第1特別可変入賞球装置7Aの第1大入賞口扉701が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて、第1大入賞口を開放状態とする。これにより、第1特別可変入賞球装置7Aを遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
第1大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」や「7」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。尚、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば第1大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
また、特図の変動表示における確定特別図柄として小当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「小当り」となった後、小当り遊技状態において、第2特別可変入賞球装置7Bの第2大入賞口扉711が開放状態に制御される時間が所定の合計時間(例えば10秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて、第2大入賞口712を繰り返し開放状態とする。これにより、第2特別可変入賞球装置7Bは遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)となる。
尚、本実施例では、小当り遊技状態において第2大入賞口扉711が開放状態に制御される時間が所定の合計時間(例えば10秒)が経過するまで、複数回に亘って第2大入賞口扉711を繰り返し開放状態とする形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、小当り遊技状態においては、第2大入賞口扉711を1回のみ開放状態に制御するようにしてもよい。
小当り遊技状態において、第2大入賞口712に入賞した遊技球が第2特別可変入賞球装置7B内に設けられた第3カウントスイッチ24Bを通過すると、該遊技球の第3カウントスイッチ24Bの通過に基づく「大当り」となる(V入賞大当り)。つまり、CPU103は、該遊技球の第3カウントスイッチ24Bの通過を検出したことに基づき、遊技状態を大当り遊技状態に制御する。一方、小当り遊技状態において第2大入賞口712に入賞した遊技球が第2特別可変入賞球装置7B内に設けられた第4カウントスイッチ24Cを通過した場合は、「大当り」とはならない。つまり、CPU103は、該遊技球の第4カウントスイッチ24Cの通過を検出したことに基づき、遊技状態を大当り遊技状態には制御しない。尚、本実施例における小当りでは、前述したように第2大入賞口712に遊技球が10球入賞可能であるとともに、これら第2大入賞口712に入賞した遊技球のいずれかは保持部材730と規制部材721によって分岐路741側(第4カウントスイッチ24C側)に流下しないよう保持された後、規制部材721が主経路740内から退避することによって必ず第3カウントスイッチ24Bを通過するようになっているので、小当りが発生した場合は、第2大入賞口712に遊技球を入賞させつづけることによりほぼ必ずV入賞大当りが発生するようになっている(図11参照)。
そして、遊技球の第3カウントスイッチ24Bの通過に基づいて大当り遊技状態に制御されると、第1大入賞口扉701が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて、第1大入賞口702を開放状態とする。これにより、第1特別可変入賞球装置7Aを遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンド遊技が実行される。
尚、本実施例における大当り遊技状態の終了後は、所定の変動回数の範囲(例えば、1回)において高ベース制御(時短制御)が行われる高ベース状態(時短状態)と、高ベース制御が行われない通常状態とのいずれかに制御される。本実施例では、高ベース制御が行われることにより、第1特図の変動表示における変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて伸長される。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。高ベース制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば、1回)の特図の変動表示が実行されることと、変動表示結果が「大当り」となること、小当り遊技状態において遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過すること、のうちいずれかの条件が先に成立したときに終了すればよい。
高ベース制御が行われるときには、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図の変動表示における変動時間(特図変動時間)を通常状態のときよりも短くする或いは長くする制御や、普通図柄表示器20による普図の変動表示の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図の変動表示での変動表示結果が「当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける板体60の開放制御を行う開放制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その開放回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、高ベース制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御(全てを含む)が組合せられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図の変動表示が頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」または「小当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、高ベース制御が行われる期間と同一であればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、LED制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81〜86に伝送する出力回路111などが搭載されている。尚、出力回路111は、前述したようにソレノイド84を駆動させるためのコントローラ90にも接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば演出表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果LED9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるLED制御コマンドが含まれている。
図4(A)は、本実施例で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。尚、図4(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図4(A)に示す例において、コマンド70XXHは、普通図柄の変動パターン(変動表示時間)を指定する普通図柄変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。尚、普通図柄変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。コマンド7CXXHは、普通図柄の変動表示結果を指定する普通図柄変動表示結果指定コマンドである。普通図柄変動表示結果指定コマンドでは、例えば図4(B)に示すように、変動表示結果が「はずれ」であるか「当り」であるかの決定結果(事前決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド7D00Hは、普通図柄の変動表示を停止することを通知する普通図柄確定コマンドである。コマンド7E00Hは、普通電動役物の開放終了を指定する普通電動役物開放終了指定コマンドである。
コマンド8001Hは、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1特別図柄変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2特別図柄変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rで変動表示される演出図柄などの変動パターン(変動時間)を指定する特別図柄変動パターン指定コマンドである。
コマンド8CXXHは、特別図柄変動表示結果通知コマンドであり、特別図柄や演出図柄などの変動表示結果を指定する演出制御コマンドである。変動表示結果通知コマンドでは、例えば図4(C)に示すように、変動表示結果が「はずれ」であるか「大当り」であるか「小当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、変動表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。
特別図柄変動表示結果通知コマンドでは、例えば図4(C)に示すように、コマンド8C00Hは、変動表示結果が「はずれ」となる旨の事前決定結果を示す第1特別図柄変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C01Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「大当りA」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第2特別図柄変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C02Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「大当りB」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3特別図柄変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C03Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「大当りC」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第4特別図柄変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C04Hは、変動表示結果が「小当りA」となる旨の事前決定結果を通知する第5特別図柄変動表示結果指定コマンドである。コマンド8C05Hは、変動表示結果が「小当りB」となる旨の事前決定結果を通知する第6特別図柄変動表示結果指定コマンドである。
コマンド8F00Hは、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rで演出図柄の変動停止(確定)を指定する特別図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを高ベース制御が行われない遊技状態(低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを高ベース制御が行われる遊技状態(高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば変動表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、変動表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、大当り遊技状態または小当り遊技状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置6A,6A’が形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が始動口スイッチA22Aまたは始動口スイッチB22Bにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が始動口スイッチC22Cにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、第1保留記憶表示エリア5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、演出保留表示ユニット30にて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したとき(保留記憶数が減少したとき)に、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
コマンドC4XXH及びコマンドC6XXHは、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XXHは、入賞時判定結果として、変動表示結果が「大当り」となるか否か及び大当り種別(大当りA〜大当りC)の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC6XXHは、入賞時判定結果として、変動パターン判定用の乱数値MR3が、「非リーチ」、「スーパーリーチ」、「その他」のいずれの変動パターンとなるかの判定結果を示す変動カテゴリコマンドである。
コマンドD100は、V入賞したこと、つまり、遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過したことで第3カウントスイッチ24Bがオンとなったことを通知するV入賞通知指定コマンドである。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図6は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図6に示すように、この実施例では、主基板11の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1の他、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3、普図表示結果判定用の乱数値MR4、MR4の初期値決定用の乱数値MR5、普図(普通図柄)変動パターン判定用の乱数値ME6のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。尚、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。これらの乱数値MR1〜MR6は、CPU103にて、異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによる更新によってカウントするようにしてもよいし、乱数回路104によって更新されてもよい。乱数回路104は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100とは異なる乱数回路チップとして構成されるものであってもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
図9は、本実施例における普通図柄の変動パターンを示している。本実施例では、遊技状態が通常状態である場合において変動表示結果が「はずれ」となる場合と「当り(普図当り)」となる場合に対応して複数の普通図柄変動パターンが予め容易されている。また、遊技状態が高ベース状態である場合において変動表示結果が「はずれ」となる場合のうち、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「当り」となる場合に対応して、複数の普通図柄変動パターンが予め容易されている。尚、遊技状態が高ベース状態である場合において変動表示結果が「はずれ」で演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、普図非リーチ変動パターン(「普図非リーチはずれ変動パターン」ともいう)と称され、変動表示結果が「はずれ」で演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、普図リーチ変動パターン(「普図リーチはずれ変動パターン」ともいう)と称される。また、普図非リーチ変動パターンと普図リーチ変動パターンは、変動表示結果が「はずれ」となる場合に対応したはずれ変動パターンに含まれる。変動表示結果が「当り」である場合に対応した変動パターンは、普図当り変動パターンと称される。
遊技状態が高ベース状態である場合の普図当り変動パターンや普図リーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行される普図ノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチのリーチ演出が実行される普図スーパーリーチ変動パターンとがある。尚、本実施例では、普図ノーマルリーチ変動パターンと普図スーパーリーチ変動パターンを1種類のみしか設けていないが、本発明はこれに限定されるものではなく、ノーマルリーチα、ノーマルリーチβやスーパーリーチα、スーパーリーチβ…のように、複数の普図ノーマルリーチ変動パターンや普図スーパーリーチ変動パターンを設けても良い。
図9に示すように、高ベース状態においてノーマルリーチのリーチ演出が実行される普図ノーマルリーチ変動パターンの普図変動時間については、普図スーパーリーチ変動パターンよりも短く設定されている。尚、本実施例では、スーパーリーチ、ノーマルリーチの順に普通図柄の変動表示結果が「当り」となる当り期待度が高くなるように設定されているため、普図ノーマルリーチ変動パターン及び普図スーパーリーチ変動パターンにおいては変動時間が長いほど当り期待度が高くなっている。
図10(A)は、本実施例における第1特別図柄の変動パターンを示している。本実施例では、遊技状態が通常状態である場合において、第1特別図柄の変動表示結果が「はずれ」となる場合のうち、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。尚、変動表示結果が「はずれ」で演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、特図非リーチ変動パターン(「特図非リーチはずれ変動パターン」ともいう)と称され、変動表示結果が「はずれ」で演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、特図リーチ変動パターン(「特図リーチはずれ変動パターン」ともいう)と称される。また、特図非リーチ変動パターンと特図リーチ変動パターンは、第1特別図柄の変動表示結果が「はずれ」となる場合に対応したはずれ変動パターンに含まれる。変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、特図大当り変動パターンと称される。
特図大当り変動パターンや特図リーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行される特図ノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行される特図スーパーリーチ変動パターンとがある。尚、本実施例では、特図ノーマルリーチ変動パターンを1種類のみしか設けていないが、本発明はこれに限定されるものではなく、スーパーリーチと同様に、ノーマルリーチα、ノーマルリーチβ、…のように、複数の特図ノーマルリーチ変動パターンを設けても良い。また、特図スーパーリーチ変動パターンでも、スーパーリーチαやスーパーリーチβに加えてスーパーリーチγ…といった3以上の特図スーパーリーチ変動パターンを設けても良い。
図10(A)に示すように、第1特別図柄の変動表示におけるノーマルリーチのリーチ演出が実行される特図ノーマルリーチ変動パターンの特図変動時間については、特図スーパーリーチ変動パターンであるスーパーリーチα、スーパーリーチβよりも短く設定されている。また、本実施例におけるスーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行される特図スーパーリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチβのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンの方が、スーパーリーチαのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンよりも特図変動時間が長く設定されている。
尚、遊技状態が通常状態である場合の第1特別図柄の変動表示では、スーパーリーチβ、スーパーリーチα、ノーマルリーチの順に特別図柄の変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高くなるように設定されているため、ノーマルリーチ変動パターン及びスーパーリーチ変動パターンにおいては変動時間が長いほど大当り期待度が高くなっている。
また、図10(A)に示すように、本実施例の第1特別図柄の変動パターンとしては、遊技状態が高ベース状態である場合において特別図柄の変動表示結果が「はずれ」となる場合と「大当り」となる場合のそれぞれに対応して複数の変動パターンが予め用意されている。
これら遊技状態が高ベース状態である場合において特別図柄の変動表示結果が「はずれ」となる場合の特別図柄変動パターンとしては、特図変動時間が100秒(100000ms)である特図非リーチ変動パターン(TPA1−4)、特図変動時間が150秒(150000ms)である特図非リーチ変動パターン(TPA1−5)、特図変動時間が200秒(200000ms)である特図非リーチ変動パターン(TPA1−6)が用意されている。また、これら遊技状態が高ベース状態である場合において特別図柄の変動表示結果が「大当り」となる場合の特別図柄変動パターンとしては、特図変動時間が100秒(100000ms)である特図非リーチ変動パターン(TPB1−1)、特図変動時間が150秒(150000ms)である特図非リーチ変動パターン(TPB1−2)、特図変動時間が200秒(200000ms)である特図非リーチ変動パターン(TPB1−3)が用意されている。尚、遊技状態が高ベース状態である場合の第1特別図柄の変動表示では、変動時間が長いほど大当り期待度が高くなっている。
図10(B)は、本実施例における第2特別図柄の変動パターンを示している。本実施例では、第2特別図柄の変動表示結果が「小当り」となる場合と「大当り」となる場合のそれぞれに対応して1の変動パターンが予め用意されている。変動表示結果が「小当り」である場合に対応した変動パターンは、特図小当り変動パターンと称される。尚、本実施例では、第2特別図柄の変動表示結果が「小当り」となる場合と「大当り」となる場合のそれぞれに対応して1の変動パターンを予め設ける形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2特別図柄の変動表示結果が「小当り」となる場合と「大当り」となる場合のそれぞれに対応して複数の変動パターンを設けてもよい。
尚、本実施例においては、後述するように、これら特別図柄の変動パターンを、例えば、非リーチの種別や、ノーマルリーチの種別や、スーパーリーチの種別等のように、変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンに属する変動パターンから実行する変動パターンを決定するのではなく、これらの種別を決定することなしに変動パターン判定用の乱数値MR3のみを用いて決定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば、変動パターン判定用の乱数値MR3に加えて、変動パターン種別判定用の乱数値を設けて、これら変動パターン種別判定用の乱数値から変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンに属する変動パターンから実行する変動パターンを決定するようにしても良い。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行し、RAM102をワークエリアとして用いることで、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種の処理が実行される。また、CPU103は、乱数生成プログラムを実行することで、主基板11の側において用いられる各種の乱数の全てを生成可能とされている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のテーブルデータなどが記憶されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定を行うために用意された、図7などに示す複数の判定テーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御信号を出力させるために用いられる複数の制御パターンテーブルを構成するテーブルデータや、特別図柄や普通図柄などの変動表示における各図柄の変動態様となる変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルなどが記憶されている。
ROM101が記憶する判定テーブルには、例えば図7(A)に示す特別図柄表示結果判定テーブル、図7(B)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)、図7(C)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)、図7(D)に示す小当り種別判定テーブルの他、大当り変動パターン判定テーブル(図24(D)、図25(B)参照)、はずれ変動パターン判定テーブル(図24(A)〜図24(C)、図25(A)参照)、図8に示す普図表示結果判定テーブル、普通図柄変動パターン判定テーブル(図17(A)〜図17(D)参照)などが含まれている。
図7(A)は、特別図柄表示結果判定テーブルを示す説明図である。特別図柄表示結果判定テーブルとは、ROM101に記憶されているデータの集まりであって、MR1と比較される当り判定値が設定されているテーブルである。特別図柄表示結果判定テーブルは、変動特図指定バッファが1(第1)である、つまり、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と、変動特図指定バッファが2(第2)である、つまり、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合のそれぞれについて、大当りとする判定値と、小当りとする判定値が設定されている。
図7(A)に示すように、変動特図指定バッファが第1である場合には、大当りに対応する判定値が設定されているが、小当りに対応する判定値は設定されておらず、よって、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合には、大当りのみが当選可能とされ、小当りの当選は発生しない。
また、変動特図指定バッファが第2である場合には、大当りに対応する判定値として、変動特図指定バッファが第1である場合と同様の判定値が設定されており、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合にも、第1特別図柄が変動表示の対象とされている場合と同じ確率で大当りが発生するとともに、残りの判定値の全てが小当りに対応する判定値として設定されていることにより、第2特別図柄が変動表示の対象とされている場合には、249/250の確率(割合)で小当りに当選するようになっている。
つまり、CPU103は、MR1の値が図7(A)に示す大当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(大当りA〜大当りC)とすることを決定する。また、MR1が図7(A)に示す小当りに対応するいずれかの当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることを決定する。尚、図7(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)並びに小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に制御するか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器4Aまたは第2特別図柄表示器4Bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に制御するか否か決定するということであるが、第2特別図柄表示器4Bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
尚、本実施例では、CPU103は、図7(A)に示す特別図柄表示結果判定テーブルを用いて大当りまたは小当りとするか否かを判定するようになっているが、大当り判定テーブルと小当り判定テーブルとを別個に設け、大当りの判定は、変動特図指定バッファによらず第1特別図柄の変動表示である場合と第2特別図柄の変動表示である場合とで共通のテーブルを用いて行うようにし、小当りの判定は、変動特図指定バッファが第1である場合と第2である場合とで別個のテーブルを用いて行うようにしてもよい。
また、本実施例では、変動特図指定バッファが第1である場合、つまり、第1特別図柄の変動表示を実行する場合、大当りに対応する判定値以外の判定値が小当りに対応する判定値として設定されていない、つまり、小当りが当選しないようになっているが、大当りに対応する判定値以外の判定値の一部を小当りに対応する判定値として設定し、第1特別図柄の変動表示を実行する場合に第2特別図柄の変動表示を実行する場合よりも低い確率で小当りが当選するようにしてもよい。
図7(B)、(C)は、ROM101に記憶されている大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)を示す説明図である。このうち、図7(B)は、遊技球が第1始動入賞口に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合のテーブルである。また、図7(C)は、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合のテーブルである。
大当り種別判定テーブルは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、当り種別判定用の乱数(MR2)に基づいて、大当りの種別を大当りA〜大当りCのうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。尚、本実施例では、図7(B)、(C)に示すように、大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)には、大当りAと大当りBの2種類の大当りが設けられているのに対し、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)には、大当りCの1種類の大当りのみが設けられている。つまり、第1特別図柄の変動表示が行われるときに発生する大当りとしては、大当りAと大当りBとの2種類の大当りのうちのいずれかとなる一方、第2特別図柄の変動表示が行われるときに発生する大当りとしては、大当りCのみとなる。
図7(D)は、ROM101に記憶されている小当り種別判定テーブルを示す説明図である。小当り種別判定テーブルは、変動表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、当り種別判定用の乱数(MR2)に基づいて、小当りの種別を小当りAまたは小当りBに決定するために参照されるテーブルである。尚、本実施例では、小当りAの小当り遊技中に遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過した場合、すなわちV入賞大当りが発生した場合は、大当り種別が大当りDの大当り遊技が実行されるようになっており、小当りBの小当り遊技中に遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過した場合、すなわちV入賞大当りが発生した場合は、大当り種別が大当りEの大当り遊技が実行されるようになっている。つまり、これら大当りD及び大当りEは、始動入賞時に抽出される当り種別判定用の乱数値MR2によって決定される大当り種別ではなく、小当りAと小当りBのいずれの小当り遊技中に遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過したか否かによって決定される大当り種別である。
尚、本実施例では、小当り種別として、小当り遊技中にV入賞が発生することで異なる大当り種別の大当り遊技が実行される小当りAと小当りBを設ける形態を例示しているが、小当り種別としては、第2大入賞口712の開放期間や開放パターンを異ならせることによって小当り遊技中にV入賞が発生し易い小当りとV入賞が発生しにくい小当りを設けてもよい。更に尚、前述したように第1特別図柄の変動表示を実行する場合に小当りが当選するように特別図柄表示結果判定テーブルを設ける場合は、第1特別図柄の変動表示において、小当り遊技中にV入賞が発生しにくい小当り種別の決定割合を第2特別図柄の変動表示よりも高く設定してもよい。
ここで、本実施例における大当り種別について、図5を用いて説明すると、本実施例では、大当り種別として、大当り遊技の終了後において高ベース制御が実行される大当りA、大当りC〜大当りEと、大当り遊技の終了後において高ベース制御が実行されない大当りBが設定されている。
これら大当りA〜大当りEのうち、大当りAは、第1大入賞口を遊技者にとって有利な第2状態に変化させるラウンドが7回(いわゆる7ラウンド)繰返し実行される大当りである。また、大当りAの大当り遊技の終了後は、1回の特図ゲームにおいて高ベース制御が実行される。
大当りBは、第1大入賞口を遊技者にとって有利な第2状態に変化させるラウンドが7回(いわゆる7ラウンド)、繰返し実行される大当りである。また、大当りBの大当り遊技状態の終了後は高ベース制御が実行されず(低ベース制御)、遊技状態が通常状態に制御される。
大当りCは、第1大入賞口を遊技者にとって有利な第2状態に変化させるラウンドが15回(いわゆる15ラウンド)、繰返し実行される大当りである。また、大当りCの大当り遊技状態の終了後は、1回の特図ゲームにおいて高ベース制御が実行される。
大当りDは、第2特別図柄の変動表示結果として小当りAとなった場合のV入賞を対象とする大当りであって、第1大入賞口を遊技者にとって有利な第2状態に変化させるラウンドが15回(いわゆる15ラウンド)、繰返し実行される大当りである。また、大当りDの大当り遊技状態の終了後は、1回の特図ゲームにおいて高ベース制御が実行される。
大当りEは、第2特別図柄の変動表示結果として小当りAとなった場合のV入賞を対象とする大当りであって、第1大入賞口を遊技者にとって有利な第2状態に変化させるラウンドが7回(いわゆる7ラウンド)、繰返し実行される大当りである。また、大当りEの大当り遊技状態の終了後は、1回の特図ゲームにおいて高ベース制御が実行される。
尚、高ベース状態においては、「普図当り」となる確率が上昇することで通常状態よりも小当りが発生しやすくなる。このため、高ベース状態では、第2特別図柄の変動表示結果として大当りが発生する場合と、遊技球が小当り遊技中にV入賞することにより大当りが発生する場合があるので、大当り遊技状態が通常状態を介すること無く連続的に発生し易い所謂連荘状態となる。
尚、本実施例では大当り種別として大当りA〜大当りEの5種類が設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、大当り種別は6種類以上設けられていても良く、また、4種類以下が設けられていても良い。
図7(B)に示すように、大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)においては、MR2の判定値の範囲0〜299のうち、0〜239までが大当りAに割り当てられており、240〜299までが大当りBに割り当てられている。このため、第1特別図柄の特図ゲームにおいて大当りが発生した場合は、80%の確率で大当り遊技終了後に高ベース制御が実行されるようになっている。
一方で、図7(C)に示すように、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)においては、MR2の判定値の範囲0〜299のうち、全ての範囲(0〜299)が大当りCに割り当てられているため、必ず15ラウンドの大当り遊技が実行され、大当り遊技終了後は必ず高ベース制御が実行されるようになっている。
また、図7(D)に示すように、小当り種別判定テーブルにおいては、MR2の判定値の範囲0〜299のうち、0〜59までが小当りAに割り当てられており、60〜299までが小当りBに割り当てられている。このため、小当り遊技中にV入賞大当りが発生した場合は、20%の確率で15ラウンドの大当り遊技が実行され、大当り遊技終了後は必ず高ベース制御が実行されるようになっている。
また、ROM101には、特別図柄変動パターン判定用の乱数値MR3に基づいて特別図柄変動パターンを決定するための複数の特別図柄変動パターン判定テーブルや、普通図柄変動パターン判定用の乱数値MR6に基づいて普通図柄変動パターンを決定するための普通図柄変動パターン判定テーブルも記憶されている(図24及び図25参照)。特別図柄変動パターンは、変動表示を行う特別図柄や特図保留記憶数、遊技状態、事前決定結果等に応じて異なる特別図柄変動パターン判定テーブルを用いて決定する。普通図柄変動パターンは、遊技状態と事前決定結果等に応じて異なる普通図柄変動パターン判定テーブルを用いて決定する(図17参照)。
図8は、普通図柄表示結果判定テーブルを示す説明図である。普通図柄表示結果判定テーブルとは、ROM101に記憶されているデータの集まりであって、MR4と比較される当り判定値が設定されているテーブルである。本実施例の普通図柄表示結果判定テーブルにおいては、MR4の値が取り得る数の範囲3〜23のうち、「23」が「当り(普図当り)」に割り当てられており、「3」〜「22」の範囲が「はずれ(普図はずれ)」に割り当てられている。つまり、普通図柄の変動表示を実行する場合は、1/21の確率で「当り」に当選するようになっている。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、遊技制御用データ保持エリアが設けられている。遊技制御用データ保持エリアは、第1特図保留記憶部と、第2特図保留記憶部と、普図保留記憶部と、遊技制御フラグ設定部と、遊技制御タイマ設定部と、遊技制御カウンタ設定部と、遊技制御バッファ設定部とを備えている。
第1特図保留記憶部は、普通入賞球装置6A,6A’が形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部は、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された変動表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、特別図柄変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部に記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
第2特図保留記憶部は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部は、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された変動表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、特別図柄変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部に記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
尚、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
普図保留記憶部は、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部は、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果判定用の乱数値MR4、普通図柄変動パターン判定用の乱数値MR6を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するための複数種類のカウンタが設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部には、遊技用乱数の一部または全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
遊技制御カウンタ設定部のランダムカウンタには、乱数回路104で生成されない乱数値、例えば、乱数値MR1〜MR6を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、演出表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、LED制御基板14に対してLEDデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。
尚、演出制御基板12の側においても、主基板11と同様に、例えば、予告演出等の各種の演出の種別を決定するための乱数値(演出用乱数ともいう)が設定されている。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば演出表示装置5やスピーカ8L,8R、遊技効果LED9及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、普図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターン等が、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。普図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、普図ゲームにおいて普通図柄の変動が開始されてから普図表示結果となる確定普通図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出などにおける演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、例えば、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
特図変動時演出制御パターンと普図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、図示しない演出制御用データ保持エリアが設けられている。この演出制御用データ保持エリアは、演出制御フラグ設定部と、演出制御タイマ設定部と、演出制御カウンタ設定部と、演出制御バッファ設定部とを備えている。
演出制御フラグ設定部には、例えば演出表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部には、例えば演出表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
本実施例では、演出制御バッファ設定部の所定領域に、第1保留記憶表示エリア5H及び演出保留表示ユニット30にて保留記憶表示や演出保留表示を行うための始動入賞時受信コマンドバッファが設定されている。始動入賞時受信コマンドバッファには、第1特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応した領域)と、第2特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応した領域)と、が設けられており、各格納領域に、始動入賞の有無を示すデータ(具体的には始動入賞無しを示す「0」と、始動入賞有りを示す「1」)とが記憶されている。第1保留記憶表示エリア5Hでは、第1特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値に対応した格納領域に格納されているデータに基づいて保留記憶表示を行い、演出保留表示ユニット30では、第2特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値に対応した格納領域に格納されているデータに基づいて演出保留表示、すなわち、各LEDの点灯制御を行う。尚、これら始動入賞時受信コマンドバッファのデータは、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドの受信や、第1特別図柄変動開始コマンドや第2特別図柄変動開始コマンドの受信に応じて、後述する演出制御プロセス処理内の第1保留記憶表示更新処理(S712、図32参照)にて更新されるとともに、更新後の始動入賞時受信コマンドバッファのデータに基づいて第1保留記憶表示エリア5Hにおける保留記憶表示や演出保留表示ユニット30における演出保留表示が更新される。
具体的には、第1始動入賞口への始動入賞があったことに基づいて第1始動口入賞指定コマンドを受信したときには、第1保留記憶表示エリア5Hにおける保留記憶表示に、丸型の白色表示が新たに追加される一方、新たに第1特図の変動が開始されたことに基づいて第1特別図柄変動開始コマンドを受信したときには、第1保留記憶表示エリア5Hにおける保留記憶表示のうち、最上位(最も先に始動入賞した保留記憶)の丸型の白色表示が消去されて、その他の丸型の白色表示が、所定方向(例えば、左方向)にシフト(移動)するように、保留記憶表示を更新する。同様に、第2始動入賞口への始動入賞があったことに基づいて第2始動口入賞指定コマンドを受信したときには、演出保留表示ユニット30における演出保留表示として、新たなLEDの点灯を開始する一方、新たに第2特図の変動が開始されたことに基づいて第2特別図柄変動開始コマンドを受信したときには、演出保留表示ユニット30における演出保留表示のうち、最上位(最も先に始動入賞した保留記憶)のLEDが消灯されて、その他のLEDが、所定方向(例えば、左方向)にシフト(移動)するように、演出保留表示を更新する。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。尚、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図12のフローチャートに示すタイマ割込み処理を実行する。タイマ割込処理において、CPU103は、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S11)。電源断信号は、例えば、電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU103は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。
次いで、CPU103は、スイッチ回路110を介して、ゲートスイッチ21、始動口スイッチA22A、始動口スイッチB22B、始動口スイッチC22C、第1カウントスイッチ23、第2カウントスイッチ24A、第3カウントスイッチ24B、第4カウントスイッチ24C等の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:S12)。
次に、CPU103は、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cの表示制御を行う表示制御処理を実行する(S13)。第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cについては、後述するS23,S24で設定される出力バッファの内容に応じて各表示部に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次に、CPU103は、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数MR4等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:S14)。CPU103は、更に、初期値用乱数及び表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S15,S16)。
更に、CPU103は、普通図柄プロセス処理を行う(S17)。普通図柄プロセス処理では、CPU103は、普通図柄表示器20の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU103は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、特別図柄プロセス処理を行う(S18)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B及び大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU103は、演出制御基板12に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:S19)。
更に、CPU103は、例えば、ホールコンピュータ(図示略)に供給される大当り情報、始動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(S20)。
また、CPU103は、始動口スイッチA22A、始動口スイッチB22B、始動口スイッチC22C、第1カウントスイッチ23、第2カウントスイッチ24Aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(S21)。具体的には、始動口スイッチA22A、始動口スイッチB22B、始動口スイッチC22C、第1カウントスイッチ23、第2カウントスイッチ24Aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、図示しない払出制御基板に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置を駆動する。
本実施例では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU103は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S22:出力処理)。
また、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(S23)。CPU103は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU103は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S13において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bにおける第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示を実行する。
更に、CPU103は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(S24)。CPU103は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU103は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S13において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器20における普通図柄の変動表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(S25)、処理を終了する。
図13は、普通図柄プロセス処理として、図12に示すS17にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この普通図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、通過ゲート41に設けられたゲートスイッチ21がオンとなったか否かを判定する(S91)。ゲートスイッチ21がオンとなった場合、つまり、遊技球が通過ゲート41を通過した場合は(S91;Y)、普図ゲート通過時処理(S92)を実行する。普図ゲート通過時処理の実行後、またはゲートスイッチ21がオンとなっていない場合は(S91;N)、普通図柄プロセスフラグの値に応じて、S100〜S104の処理のいずれかを選択して実行する。
S100の普通図柄通常処理では、普図保留記憶部に記憶されている保留データの有無などに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、普通図柄通常処理では、普図表示結果判定用の乱数値MR4を示す数値データに基づき、普通図柄の変動表示結果を「当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。更に、普通図柄通常処理では、普図ゲームにおける普通図柄の変動表示結果に対応して、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける確定普通図柄(当り図柄とはずれ図柄のいずれか)が設定される。普通図柄通常処理では、普通図柄の変動表示結果を事前決定したときに、普図プロセスフラグの値が“普通図柄変動パターン設定処理”に応じた値に更新される。
S101の普通図柄変動パターン設定処理では、普通図柄の変動表示結果を「当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、普通図柄変動パターン判定用の乱数値MR6を示す数値データを用いて普通図柄変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。普通図柄変動パターン設定処理が実行されて普通図柄の変動表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が普通図柄変動処理に応じた値に更新される。
S100の普通図柄通常処理やS101の普通図柄変動パターン設定処理により、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄や普通図柄および演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、普通図柄通常処理や普通図柄変動パターン設定処理は、普図表示結果判定用の乱数値MR4、普通図柄変動パターン判定用の乱数値MR6を用いて、普通図柄や演出図柄の変動表示態様を決定する処理を含んでいる。
S102の普通図柄変動処理では、普通図柄表示器20において普通図柄を変動させるための設定を行う処理や、その普通図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、S102の普通図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部に設けられた普通図柄変動時間タイマにおける格納値である普通図柄変動時間タイマ値を1減算あるいは1加算して、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が普通図柄変動パターンに対応する普図変動時間に達したか否かの判定も行われる。そして、普通図柄の変動を開始してからの経過時間が普図変動時間に達したときには、普図プロセスフラグの値が普通図柄停止処理に応じた値に更新される。
S103の普通図柄停止処理には、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動を停止させ、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部に設けられた普通図柄当りフラグがオンとなっているか否か(セットされているか否か)の判定などが行われ、普通図柄当りフラグがオンである(セットされている)場合には普図プロセスフラグの値が普通電動役物開放中処理に応じた値に更新される。その一方で、普通図柄当りフラグがオフ(セットされていない)場合には、普図プロセスフラグの値が普通図柄通常処理に応じた値に更新される。
S104の普通電動役物開放中処理には、普通図柄の変動表示結果が「当り」となったことなどに基づき、普通可変入賞球装置6Bを開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。そして、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入したか否かの判定や普通可変入賞球装置6Bを閉鎖状態とするか否かの判定などが行われる。普通可変入賞球装置6Bを閉鎖状態とする場合には、普図プロセスフラグの値が普通図柄通常処理に応じた値に更新される。
図14は、普図ゲート通過時処理として、図13に示すS92にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この普図ゲート通過時処理において、CPU103は、先ず、ゲート通過記憶数、すなわち、普図保留記憶数が4であるか否かを判定する(S115)。ゲート通過記憶数が4である場合は普図ゲート通過時処理を終了し、ゲート通過記憶数が3以下である場合は、ゲート通過記憶カウンタを+1、つまり、普図保留記憶数を+1する(S116)。そして、CPU103は、普通図柄当り判定用乱数の乱数値MR4と普通図柄変動パターン判定用乱数の乱数値MR6とを抽出し、普図保留記憶数(ゲート通過記憶数)に応じた保存領域(普図保留記憶部)に保存する(S117)。そして、普図保留表示器25Cの表示を1増加させて普図ゲート通過時処理を終了する。
尚、本実施例における普通図柄通常処理と普通電動役物開放中処理とでは、始動口スイッチB22Bがオンとなったか否か、つまり、第2始動入賞口遊技球が入賞したか否かの判定も行う。
図15は、普通図柄通常処理として、図13に示すS100にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この普通図柄通常処理において、CPU103は、先ず、次の普通図柄の変動表示を開始するまでの待機中であることを示す変動待機タイマがタイムアウトしているか否かを判定する(S120)。変動待機タイマがタイムアウトしている場合はS121に進み、変動待機タイマがタイムアウトしていない場合はS129に進む。
S121においてCPU103は、ゲート通過記憶カウンタの値を参照することでゲート通過記憶数が0、つまり、普図保留記憶数が0であるか否かを判定する。ゲート通過記憶数が0である場合は、普通図柄通常処理を終了し、ゲート通過記憶数が1以上である場合は、S122に進む。
S122においてCPU103は、ゲート通過記憶数=1に対応する保存領域、すなわち、普図保留記憶部の最上位のエントリに保存されている普図表示結果判定用の乱数値MR4を読み出す。そして、ゲート通過記憶数カウンタの値を−1し、保存領域(普図保留記憶部)の内容をシフトする(S123)。更に、CPU103は、普図保留表示器25Cの表示を1減少させる(S124)。
また、CPU103は、S122にて読み出した乱数値MR4の値と図8に示す普通図柄表示結果判定テーブルの当りの判定値とを比較し、該読み出した乱数値MR4の値と普通図柄表示結果判定テーブルの当りの判定値とが一致しているか否か、すなわち、「当り」であるか否かを判定する(S126)。「当り」である場合は、普通図柄当りフラグをセットしてS128aに進み(S127)、「はずれ」である場合は、S127を実行せずにS128a進む。
S128aにおいてCPU103は、普通図柄表示結果が「当り」または「はずれ」であることにもとづいて確定普通図柄を決定する。そして、CPU103は、S128bにおいて、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動パターン設定処理に応じた値に更新して普通図柄通常処理を終了する。
また、CPU103は、S120において変動待機タイマがタイマアウトしていないと判定したことに基づいて、変動待機タイマの値を−1し(S129)、始動口スイッチC22Cがオンとなったか否か、つまり、第2始動入賞口に遊技球が入賞したか否かを判定する(S130a)。始動口スイッチC22Cがオンとなった場合は、S130bに進み、始動口スイッチC22Cがオンとなっていない場合は、普通図柄通常処理を終了する。
CPU103は、S130bにおいて、第2特図保留記憶部を参照することで第2保留記憶数が上限値である4であるか否かを判定する。第2保留記憶数が上限値である4である場合は、普通図柄通常処理を終了し、第2保留記憶数が3以下である場合は、第2保留記憶数に1を加算、つまり、乱数値MR1〜MR3の値を抽出し、これら乱数値MR1〜MR3の値を第2特図保留記憶部の最下位のエントリに追加記憶する。そして、第2始動口入賞指定コマンドと第2保留記憶数値コマンドとの演出制御基板12に対しての送信設定を行い(S130d)、普通図柄通常処理を終了する。尚、S130dにおいて送信設定されたコマンドは、演出制御コマンド制御処理にて演出制御基板12にて送信される。
図16は、普通図柄変動パターン設定処理として、図13に示すS101にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この普通図柄変動パターン設定処理において、CPU103は、先ず、普通図柄当りフラグがセットされているか否かを判定する(S131)。普通図柄当りフラグがセットされている場合はS132に進み、普通図柄当りフラグがセットされていない場合はS133に進む。
S132においてCPU103は、高ベース制御が行われていることを示す高ベースフラグがセットされているか否かを判定する。高ベースフラグがセットされている場合はS134bに進み、高ベースフラグがセットされていない場合は、S134aに進む。
S134aにおいてCPU103は、高ベースフラグがセットされていないことに基づいて図17(B)に示す低ベース当り変動パターン判定テーブルを選択してS136に進む。S134bにおいてCPU103は、高ベースフラグがセットされていることに基づいて、図17(D)に示す高ベース当り変動パターン判定テーブルを選択してS136に進む。
尚、図17(B)に示すように、低ベース当り変動パターン判定テーブルにおいては、乱数値MR6の取り得る範囲である「0」〜「149」のうちの全ての判定値が、普通図柄変動時間が10000msである通常変動の普通図柄変動パターン(FPA2−1)に割り当てられている。つまり、遊技状態が低ベース状態(通常状態)である場合に普通図柄の変動表示結果が「当り」となる場合は、一義的に普通図柄が10000msの期間に亘って変動表示されて当りとなる。
また、図17(D)に示すように、高ベース当り変動パターン判定テーブルにおいては、乱数値MR6の取り得る範囲である「0」〜「149」のうち、「0」〜「89」の範囲の判定値が、普通図柄変動時間が5000msである短縮変動(非リーチ)当りの普通図柄変動パターン(FPA2−2)に割り当てられており、「90」〜「129」の範囲の判定値が、普通図柄変動時間が15000msであるノーマルリーチ当りの普通図柄変動パターン(FPA2−3)に割り当てられており、「130」〜「149」の範囲の判定値が、普通図柄変動時間が20000msであるスーパーリーチ当りの普通図柄変動パターン(FPA2−4)に割り当てられている。
また、S133においてCPU103は、高ベースフラグがセットされているか否かを判定する。高ベースフラグがセットされている場合はS135bに進み、高ベースフラグがセットされていない場合は、S135aに進む。
S135aにおいてCPU103は、高ベースフラグがセットされていないことに基づいて図17(A)に示す低ベースはずれ変動パターン判定テーブルを選択してS136に進む。S135bにおいてCPU103は、高ベースフラグがセットされていることに基づいて、図17(C)に示す高ベースはずれ変動パターン判定テーブルを選択してS136に進む。
尚、図17(A)に示すように、低ベースはずれ変動パターン判定テーブルにおいては、乱数値MR6の取り得る範囲である「0」〜「149」のうちの全ての判定値が、普通図柄変動時間が10000msである通常変動の普通図柄変動パターン(FPA1−1)に割り当てられている。つまり、遊技状態が低ベース状態(通常状態)である場合に普通図柄の変動表示結果が「はずれ」となる場合は、一義的に普通図柄が10000msの期間に亘って変動表示されてはずれとなる。
また、図17(C)に示すように、高ベースはずれ変動パターン判定テーブルにおいては、乱数値MR6の取り得る範囲である「0」〜「149」のうち、「0」〜「119」の範囲の判定値が、普通図柄変動時間が5000msである短縮変動(非リーチ)はずれの普通図柄変動パターン(FPA1−2)に割り当てられており、「120」〜「139」の範囲の判定値が、普通図柄変動時間が15000msであるノーマルリーチはずれの普通図柄変動パターン(FPA1−3)に割り当てられており、「140」〜「149」の範囲の判定値が、普通図柄変動時間が20000msであるスーパーリーチはずれの普通図柄変動パターン(FPA1−4)に割り当てられている。
このように、高ベース制御が実行されている場合に普通図柄の変動表示が実行される場合は、図17(C)及び図17(D)に示すように各変動パターンに判定値が割り当てられていることで、普通図柄の変動表示がスーパーリーチの普通図柄変動パターンにて実行される場合が最も当り期待度が高く、短縮変動の普通図柄変動パターンが最も当り期待度が低くなっている(高ベース中普図当り期待度:スーパーリーチ>ノーマルリーチ>短縮変動)。
次いで、CPU103は、S136において、S134a、S134b、S135a、S135bのいずれかで選択した変動パターン判定テーブルと普通図柄変動パターン判定用乱数MR6の値に基づいて普通図柄変動パターンを決定する。そして、普通図柄変動時間タイマに決定した普通図柄変動パターンの変動時間に応じた値をセットし(S137)、普通図柄変動パターン指定コマンドと普通図柄変動表示結果指定コマンドの送信設定を行う(S138)。尚、S138において送信設定されたコマンドは、演出制御コマンド制御処理にて演出制御基板12にて送信される。S138の実行後。CPU103は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理に応じた値に更新して普通図柄変動パターン設定処理を終了する。
図18は、普通図柄変動処理として、図13に示すS102にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理において、CPS103は、先ず、普通図柄変動時間タイマがタイマアウトしているか否かを判定する(S141)。普通図柄変動時間タイマがタイマアウトしている場合はS143に進み、普通図柄変動時間タイマがタイマアウトしていない場合はS142に進む。
S142においてCPU103は、普通図柄変動時間タイマの値を−1し、普通図柄変動処理を終了する。また、S143においてCPU103は、普通図柄変動時間タイマがタイマアウトしたことに基づいて、普通図柄停止期間タイマに導出表示された普通図柄を停止させる期間を示すに普図停止図柄表示期間に応じた値をする普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理に応じた値に更新して普通図柄変動処理を終了する。
図19は、普通図柄停止処理として、図13に示すS103にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この普通図柄停止処理においてCPU103は、先ず、普通図柄当りフラグがセットされているか否かを判定する。普通図柄当りフラグがセットされている場合、CPU103は、普通図柄表示器20に当りの停止図柄を停止表示させてS152に進み(S151a)、普通図柄当りフラグがセットされていない場合、CPU103は、普通図柄表示器20にはずれの停止図柄を停止表示させてS152に進む(S151b)。
S152においてCPU103は、普通図柄確定コマンドの送信設定を行う。尚、S152において送信設定されたコマンドは、演出制御コマンド制御処理にて演出制御基板12にて送信される。そして、普通図柄停止期間タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S153)。普通図柄停止期間タイマがタイマアウトしている場合はS154に進み、普通図柄停止期間タイマがタイマアウトしていない場合は普通図柄停止期間タイマの値を−1して普通図柄停止処理を終了する。
S154においてCPU103は、普通図柄当りフラグがセットされているか否かを判定する。普通図柄当りフラグがセットされている場合はS155に進み、普通図柄当りフラグがセットされていない場合は、変動待機タイマの次回の普通図柄の変動開始までの待機時間(次回変動待機時間)に応じた値をセットし(S159a)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理に応じた値に更新して普通図柄停止処理を終了する(S159b)。
S155においてCPU103は、高ベースフラグがセットされているか否かを判定する。高ベースフラグがセットされている場合は電動役物動作期間タイマに第2普通電動役物動作時間に応じた値をセットしてS157に進み(S156b)、高ベースフラグがセットされていない場合は電動役物動作期間タイマに第1普通電動役物動作時間に応じた値をセットしてS157に進む(S156a)。尚、第2普通電動役物動作時間は、第1普通電動役物動作時間よりも長時間である。つまり、高ベース制御が実行されているときに普通図柄の変動表示結果が「当り」となる場合は、高ベース制御が実行されていないときに普通図柄の変動表示結果が「当り」となる場合よりも長期間に亘って第2始動入賞口に遊技球が入賞可能となっている。
そして、CPU103は、S157においてソレノイド81を駆動することによって板体60を遊技盤2の正面側から退避させることで普通電動役物の開放を開始し、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物開放中処理に応じた値に更新して普通図柄停止処理を終了する(S158)。
図20は、普通電動役物開放中処理として、図13に示すS104にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この普通電動役物開放中処理において、CPU103は、先ず、電動役物動作期間タイマの値を−1し(S160)、始動口スイッチC22Cがオンとなったか否か、つまり、第2始動入賞口に遊技球が入賞したか否かを判定する(S161)。始動口スイッチC22Cがオンとなった場合は、S162に進み、始動口スイッチC22Cがオンとなっていない場合は、S165に進む。
CPU103は、S162において、第2特図保留記憶部を参照することで第2保留記憶数が上限値である4であるか否かを判定する。第2保留記憶数が上限値である4である場合は、S166に進み、第2保留記憶数が3以下である場合は、第2保留記憶数に1を加算、つまり、乱数値MR1〜MR3の値を抽出し、これら乱数値MR1〜MR3の値を第2特図保留記憶部の最下位のエントリに追加記憶する(S163)。そして、第2始動口入賞指定コマンドと第2保留記憶数値コマンドとの演出制御基板12に対しての送信設定を行い(S164)、S166に進む。尚、S164において送信設定されたコマンドは、演出制御コマンド制御処理にて演出制御基板12にて送信される。
S165においてCPU103は、電動役物動作期間タイマがタイマアウトしているか否かを判定する。電動役物動作期間タイマがタイマアウトしている場合はS166に進み、電動役物動作期間タイマがタイマアウトしていない場合は普通電動役物開放中処理を終了する。
S166においてCPU103は、普通電動役物開放終了指定コマンドの送信設定を行う。また、ソレノイド81を駆動することによって板体60を遊技盤2の正面側に突出させることで普通電動役物の閉鎖を行い(S167)、普通図柄当りフラグをクリアする(S168)。次いで、CPU103は、変動待機タイマに次回変動待機時間に応じた値をセットするとともに(S169)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理に応じた値に更新して普通電動役物開放中処理を終了する。
図21は、特別図柄プロセス処理として、図12に示すS18にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(S31)。該始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、S32〜S41の処理のいずれかを選択して実行する。
S31の始動入賞処理では、始動口スイッチA22Aや始動口スイッチB22Bによる第1始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、特別図柄変動パターン判定用の乱数値MR3を抽出して、第1特図保留記憶部における空きエントリの最上位に格納する。
S32の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その特別図柄や演出図柄の変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示結果に対応して、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、はずれ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
S33の特別図柄変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この特別図柄変動パターン設定処理には、特別図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、特別図柄変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて特別図柄の変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。特別図柄変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の変動表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
S32の特別図柄通常処理やS33の特別図柄変動パターン設定処理により、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄や特別図柄および演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、特別図柄変動パターン判定用の乱数値MR3を用いて、特別図柄や演出図柄の変動表示態様を決定する処理を含んでいる。
S34の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、S24の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、S24の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S35の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、更に遊技制御フラグ設定部に設けられた小当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、小当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。尚、大当りフラグと小当りフラグの両方がオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S36の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、特別図柄の変動表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して第1大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理や、特別図柄の変動表示結果が「小当り」となったことによってV入賞大当りが発生したことに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して第2大入賞口712を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。特別図柄の変動表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して第1大入賞口を開放状態とするための設定としては、例えば大当り種別が「大当りA」、「大当りB」、「大当りC」のいずれであるかに対応して、第1大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別に関係なく、第1大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる第1大入賞口の開放回数を、「大当りA」または「大当りB」であれば「7回」、「大当りC」であれば「15回」にそれぞれ設定することにより、大当り状態とする設定が行われればよい。
また、特別図柄の変動表示結果が「小当り」となったことによってV入賞大当りが発生したことに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して第2大入賞口712を開放状態とするための設定としては、V入賞が発生した小当りの種別が「小当りA」、「小当りB」のいずれであるかに対応して、第2大入賞口712を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別に関係なく、第2大入賞口712を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる第1大入賞口の開放回数を、「小当りA」にてV入賞が発生したことに基づく「大当りD」であれば「15回」、「小当りB」にてV入賞が発生したことに基づく「大当りE」であれば「7回」、にそれぞれ設定することにより、大当り状態とする設定が行われればよい。これら設定の終了後は、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
S37の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、第1大入賞口や第2大入賞口712を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間や第1カウントスイッチ23または第2カウントスイッチ24Aによって検出された遊技球の個数などに基づいて、第1大入賞口または第2大入賞口712を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、第1大入賞口または第2大入賞口712を閉鎖状態に戻すときには、第1大入賞口扉701用のソレノイド82や第2大入賞口扉711用のソレノイド83に対するソレノイド駆動信号の出力を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
S38の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り終了処理には、演出表示装置5やスピーカ8L,8R、遊技効果LED9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して高ベース制御を開始するための各種の設定(高ベースフラグのセット)を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
具体的には、大当り終了処理においては、実行した大当りの種別を特定する。そして、特定した大当り種別が「大当りB」である場合は、高ベースフラグをセットせずに特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。特定した大当り種別が「大当りB」以外である場合は、高ベースフラグをセットするとともにカウント初期値(本実施例では「1」)を高ベース回数カウンタにセットして特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
S39の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この小当り開放前処理には、特別図柄の変動表示結果が「小当り」となったことなどに基づき、小当り遊技状態において第2大入賞口712を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば変動表示結果が「小当り」となったことに基づき、第2大入賞口712を開放状態とする期間の合計期間を「10秒」に設定するとともに、第2大入賞口712を開放状態とする期間が「10秒」に達するまで第2大入賞口712の開放回数を繰り返し行うよう設定することにより、小当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。
S40の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放中処理には、第2大入賞口712を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間や第2カウントスイッチ24Aによって検出された遊技球の個数などに基づいて、第2大入賞口712を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理や小当り遊技状態を終了するための処理などが含まれている。そして、第2大入賞口712を閉鎖状態に戻すときには、第2大入賞口扉711用のソレノイド83に対するソレノイド駆動信号の出力を停止させる処理などを実行する。また、小当り遊技状態を終了するときには、第2大入賞口扉711用のソレノイド83に対するソレノイド駆動信号の出力が停止された後、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。
S41の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り終了処理には、演出表示装置5やスピーカ8L,8R、遊技効果LED9などといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図22は、特別図柄通常処理として、図21のS32にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図22に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S241)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示器4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、S241の処理では、遊技制御カウンタ設定部に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
S241にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(S241;N)、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、特別図柄変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(S242)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
S242の処理に続いて、第2特図保留記憶数カウント値や合計保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数と合計保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部のデータを更新する。具体的には、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(S243)。
その後、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新した後(S244)、S249に移行する。
一方、S241にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(S241;Y)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S245)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示器4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、S245の処理では、遊技制御カウンタ設定部にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、S245の処理は、S241にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
尚、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかを決定できればよい。
S245にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(S245;N)、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、特別図柄変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(S246)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
S246の処理に続いて、第1特図保留記憶数カウント値や合計保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数と合計保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部のデータを更新する。具体的には、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(S247)。
その後、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「1」に更新した後(S248)、S249に移行する。
S249においては、特別図柄の変動表示結果である特図表示結果を「大当り」、「小当り」、「はずれ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、図7(A)に示す特別図柄表示結果判定テーブルを選択してセットする。続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」や「小当り」、「はずれ」の各特図表示結果に割り当てられた判定値と比較して、特図表示結果を「大当り」、「小当り」、「はずれ」のいずれとするかを決定する(S250)。
S250にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(S251)。そして、「大当り」であると判定された場合には(S251;Y)、遊技制御フラグ設定部に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(S252)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り種別判定テーブルを選択してセットする(S253)。このとき、CPU103は、変動特図指定バッファの値が「1」である場合は、図7(B)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルを選択してセットし、変動特図指定バッファの値が「2」である場合は、図7(C)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルを選択してセットすれば良い。こうしてセットされた大当り種別判定テーブルを参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データが、大当り種別判定テーブルにおいて「大当りA」、「大当りB」、「大当りC」の各大当り種別に割り当てられた判定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(S254)。
S254の処理にて大当り種別を決定することにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、高ベース制御が行われる高ベース状態と、高ベース制御が行われない通常状態とのいずれの遊技状態に制御するかが、変動表示結果としての確定特別図柄が導出される以前に決定されることになる。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(S255)、決定された大当り種別を記憶してS261に進む。一例として、大当り種別が「大当りA」であれば大当り種別バッファ値を「0」とし、「大当りB」であれば「1」とし、「大当りC」であれば「2」とすればよい。
一方、S251にて「大当り」ではないと判定された場合には(S251;N)、CPU103は、特図表示結果が「小当り」であるか否かを判定する(S256)。「小当り」でないと判定された場合、すなわち、「はずれ」であると判定された場合は(S256;N)、S261に進み、「小当り」であると判定された場合には(S256;Y)、遊技制御フラグ設定部に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(S257)。このときには、小当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、小当り種別判定テーブル(図7(D)参照)を選択してセットする(S258)。こうしてセットされた小当り種別判定テーブルを参照することにより、変動用乱数バッファに格納された当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データが、小当り種別判定テーブルにおいて「小当りA」、「小当りB」の各小当り種別に割り当てられた判定値のいずれと合致するかに応じて、小当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(S259)。
こうして決定された小当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部に設けられた小当り種別バッファの格納値である小当り種別バッファ値を設定することなどにより(S260)、決定された小当り種別を記憶してS261に進む。一例として、小当り種別が「小当りA」であれば小当り種別バッファ値を「0」とし、「小当りB」であれば「1」とすればよい。
S261においては、大当り遊技状態に制御するか否か(大当りフラグがセットされているか否か)の事前決定結果、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果、更には、小当り遊技状態に制御するか否か(小当りフラグがセットされているか否か)の事前決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する。一例として、特図表示結果を「はずれ」とする旨の事前決定結果に対応して、はずれ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、S251にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、S255における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。即ち、大当り種別を「大当りA」とする決定結果に応じて「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「大当りB」とする決定結果に応じて「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「大当りC」とする決定結果に応じて「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、特図表示結果を「小当り」とする旨の事前決定結果に対応して、小当り図柄となる「2」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
S261にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(S262)、特別図柄通常処理を終了する。
尚、S245にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(S245;Y)、演出表示装置5において所定のデモ表示を実行中であるか否かを判定する(S265)。所定のデモ表示を実行中である場合は特別図柄通常処理を終了し、所定のデモ表示を実行していない場合は、更にゲート通過記憶数が0であるか否か、つまり、普図保留記憶が0であるか否かを判定する(S267)。ゲート通過記憶数が0である場合は、S268に進み、ゲート通過記憶数が1以上である場合は、特別図柄通常処理を終了する。S268においてCPU103は、普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄通常処理に応じた値であるか否かを判定する。普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄通常処理に応じた値である場合は、所定のデモ表示設定(例えば、客待ちデモ指定コマンドの送信設定)を行ってから特別図柄通常処理を終了し(S269)、普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄通常処理以外の処理に応じた値である場合は、S269を実行せずに特別図柄通常処理を終了する。
つまり、本実施例では、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数が存在せずに特別図柄の変動表示が実行されておらず、更に、普図保留記憶数が存在せずに普通図柄の変動表示が実行されていない場合に演出表示装置5において所定のデモ表示を行うようになっている。
図23は、特別図柄変動パターン設定処理として、図21のS33にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄変動パターン設定処理において、CPU103は、先ず、変動特図指定バッファの値を参照し、実行する特別図柄の変動表示が第1特別図柄の変動表示であるか否かを判定する(S271)。実行する特別図柄の変動表示が第1特別図柄の変動表示である場合はS272に進み、実行する特別図柄の変動表示が第2特別図柄の変動表示である場合は、S288に進む。
S272においてCPU103は、大当りフラグがセットされているか否か、つまり、第1特別図柄の変動表示結果が大当りに決定されているか否かを判定する。大当りフラグがセットされている場合はS273に進み、大当りフラグがセットされていない場合はS276に進む。
S273においてCPU103は、大当りフラグがセットされていることに基づいて高ベースフラグがセットされているか否かを判定する。高ベースフラグがセットされていない場合は、図24(D)に示す低ベース大当り用変動パターン判定テーブルを選択してS283に進み(S274)、高ベースフラグがセットされている場合は、図25(B)に示す高ベース大当り変動パターン判定テーブルを選択してS283に進む(S275)。
また、S276においてCPU103は、大当りフラグがセットされていないことに基づいて高ベースフラグがセットされているか否かを判定する。高ベースフラグがセットされている場合は、図25(A)に示す高ベースはずれ用変動パターン判定テーブルを選択してS283に進み(S277)、高ベースフラグがセットされていない場合はS278に進む。
S278においてCPU103は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを判定する。合算保留記憶数が2以下である場合は、図24(A)に示す低ベースはずれ用変動パターン判定テーブルAを選択してS283に進み(S279)、合算保留記憶数が3以上である場合は、更に、合計保留記憶数が4であるか否かを判定する(S280)。合計保留記憶数が3である場合は、図24(B)に示す低ベースはずれ用変動パターン判定テーブルBを選択してS283に進み(S281)、合計保留記憶数が4である場合は、図24(C)に示す低ベースはずれ用変動パターン判定テーブルCを選択してS283に進む(S282)。
ここで、図24(A)に示すように、高ベース制御が行われていない低ベース状態(通常状態)にて特別図柄の合算保留記憶数が2以下である場合に選択される低ベースはずれ用変動パターン判定テーブルAにおいては、乱数値MR3の取り得る範囲である「1」〜「997」のうち「1」〜「699」の範囲の判定値が、特図変動時間が12000msである短縮なしの非リーチはずれの特別図柄変動パターン(TPA1−1)に割り当てられており、「700」〜「849」の範囲の判定値が、特図変動時間が20000msであるノーマルリーチはずれの特別図柄変動パターン(TPA2−1)に割り当てられており、「850」〜「949」の範囲の判定値が、特図変動時間が43000msであるスーパーリーチαはずれの特別図柄変動パターン(TPA2−2)に割り当てられており、「950」〜「997」の範囲の判定値が、特図変動時間が53000msであるスーパーリーチβはずれの特別図柄変動パターン(TPA2−3)に割り当てられている。
また、図24(B)に示すように、高ベース制御が行われていない低ベース状態(通常状態)にて特別図柄の合算保留記憶数が3である場合に選択される低ベースはずれ用変動パターン判定テーブルBにおいては、乱数値MR3の取り得る範囲である「1」〜「997」のうち「1」〜「699」の範囲の判定値が、特図変動時間が5750msである短縮非リーチはずれの特別図柄変動パターン(TPA1−2)に割り当てられており、「700」〜「849」の範囲の判定値が、特図変動時間が20000msであるノーマルリーチはずれの特別図柄変動パターン(TPA2−1)に割り当てられており、「850」〜「949」の範囲の判定値が、特図変動時間が43000msであるスーパーリーチαはずれの特別図柄変動パターン(TPA2−2)に割り当てられており、「950」〜「997」の範囲の判定値が、特図変動時間が53000msであるスーパーリーチβはずれの特別図柄変動パターン(TPA2−3)に割り当てられている。
また、図24(C)に示すように、高ベース制御が行われていない低ベース状態(通常状態)にて特別図柄の合算保留記憶数が4である場合に選択される低ベースはずれ用変動パターン判定テーブルCにおいては、乱数値MR3の取り得る範囲である「1」〜「997」のうち「1」〜「699」の範囲の判定値が、特図変動時間が3750msである短縮非リーチはずれの特別図柄変動パターン(TPA1−3)に割り当てられており、「700」〜「849」の範囲の判定値が、特図変動時間が20000msであるノーマルリーチはずれの特別図柄変動パターン(TPA2−1)に割り当てられており、「850」〜「949」の範囲の判定値が、特図変動時間が43000msであるスーパーリーチαはずれの特別図柄変動パターン(TPA2−2)に割り当てられており、「950」〜「997」の範囲の判定値が、特図変動時間が53000msであるスーパーリーチβはずれの特別図柄変動パターン(TPA2−3)に割り当てられている。
つまり、低ベース状態にて第1特別図柄の変動表示を行う際に第1特図保留記憶数が増加した場合には、変動時間が短い非リーチはずれの変動パターンが決定されることにより、第1特図保留記憶が消化されやすくなって、第1特図保留記憶数が上限数である4に達しているときに始動入賞することで、第1特図保留記憶がなされない無駄な始動入賞が発生し難くなるようになるとともに、第1特図保留記憶数が減少した場合には、変動時間が長い短縮なしの非リーチはずれの変動パターン(TPA1−1)が決定されることによって、特別図柄の変動表示の時間が長くなることにより、特別図柄の変動表示が実行されないことによる遊技の興趣低下を防ぐことができるようになる。
また、図24(D)に示すように、高ベース制御が行われていない低ベース状態(通常状態)にて選択される低ベース大当り用変動パターン判定テーブルにおいては、乱数値MR3の取り得る範囲である「1」〜「997」のうち「1」〜「199」の範囲の判定値が、特図変動時間が20000msであるノーマルリーチ大当りの特別図柄変動パターン(TPB2−1)に割り当てられており、「200」〜「499」の範囲の判定値が、特図変動時間が43000msであるスーパーリーチα大当りの特別図柄変動パターン(TPB2−2)に割り当てられており、「500」〜「997」の範囲の判定値が、特図変動時間が53000msであるスーパーリーチβ大当りの特別図柄変動パターン(TPB2−3)に割り当てられている。
このように図24(A)〜図24(D)に示すように、高ベース制御が行われていない低ベース状態(通常状態)において第1特別図柄の変動表示を実行する場合に選択され得る各変動パターン判定テーブルに判定値が割り当てられていることで、特別図柄の変動表示がスーパーリーチβの変動パターンで実行される場合が最も大当り期待度が高く、次いで特別図柄の変動表示がスーパーリーチαの変動パターンで実行される場合、ノーマルリーチの変動パターンで実行される場合、非リーチの変動パターンで実行される場合の順で大当り期待度が低くなっていくようになっている(低ベース中の第1特別図柄の変動表示における大当り期待度:スーパーリーチβ>スーパーリーチα>ノーマルリーチ>非リーチ)。
また、図25(A)に示すように、高ベース状態にて選択される高ベースはずれ用変動パターン判定テーブルにおいては、乱数値MR3の取り得る範囲である「1」〜「997」のうち「1」〜「499」の範囲の判定値が、特図変動時間が100000msである非リーチはずれの特別図柄変動パターン(TPA1−4)に割り当てられており、「500」〜「799」の範囲の判定値が、特図変動時間が150000msである非リーチはずれの特別図柄変動パターン(TPA1−5)に割り当てられており、「800」〜「997」の範囲の判定値が、特図変動時間が200000msである非リーチはずれの特別図柄変動パターン(TPA2−2)に割り当てられている。
また、図25(B)に示すように、高ベース状態にて選択される高ベース大当り用変動パターン判定テーブルにおいては、乱数値MR3の取り得る範囲である「1」〜「997」のうち「1」〜「199」の範囲の判定値が、特図変動時間が100000msである非リーチ大当りの特別図柄変動パターン(TPB1−1)に割り当てられており、「200」〜「499」の範囲の判定値が、特図変動時間が150000msである非リーチ大当りの特別図柄変動パターン(TPB1−2)に割り当てられており、「500」〜「997」の範囲の判定値が、特図変動時間が200000msである非リーチ大当りの特別図柄変動パターン(TPB1−3)に割り当てられている。
このように図25(A)及び図25(B)に示すように、高ベース状態において第1特別図柄の変動表示を実行する場合に選択され得る各変動パターン判定テーブルに判定値が割り当てられていることで、第1特別図柄の変動パターンを第1特別図柄の変動表示結果が「大当り」となる場合と「はずれ」となる場合とで特図変動時間が異なる複数の特別図柄変動パターンの中から決定可能となっている。更に、特図変動時間が長いほど大当り期待度が高く、特図変動時間が短いほど大当り期待度が低くなっている(高ベース中の第1特別図柄の変動表示における特図変動時間毎の大当り期待度:200000ms>150000ms>100000ms)。
尚、後述するように、高ベース状態における第1特別図柄の変動時間が長い場合(特図変動時間が200000msであるTPA1−6やTPB1−3に決定された場合)は、
第1特別図柄の変動時間が短い場合(例えば、特図変動時間が100000msであるTPA1−4やTPB1−1に決定された場合)よりも高ベース状態に制御されている期間が長くなるので、該高ベース状態中に普通図柄の変動表示が実行されることで「普図当り」が発生し易くなる。すなわち、高ベース状態における第1特別図柄の変動パターンとして変動時間が長い変動パターンが決定された場合は、高ベース状態における第1特別図柄の変動パターンとして変動時間が短い変動パターンが決定された場合よりも「普図当り」が複数回発生し易くなり、第2特図保留記憶数が上限である4に達する場合がおおくなるので、高ベース状態においては、第1特別図柄の変動時間に遊技者を注目させて興趣を向上させることが可能となっている。
そして図23に戻り、S283においてCPU103は、S274、S275、S277、S279、S281、S282のいずれかにて選択した変動パターン判定テーブルと乱数値MR3の値に基づいて特別図柄変動パターンを決定してS284に進む。
また、実行する特別図柄の変動表示が第2特別図柄の変動表示である場合(S271;N)、CPU103は、大当りフラグがセットされているか否かを判定する(S288)。大当りフラグがセットされている場合は、特別図柄変動パターンを図10(B)に示す非リーチ大当りの変動パターン(TPC1−1)に決定してS284に進み、大当りフラグがセットされていない場合は、特別図柄変動パターンを図10(B)に示す非リーチはずれの変動パターン(TPC2−1)に決定してS284に進む。尚、図10(B)に示すように、第2特別図柄の変動表示結果が大当りとなる場合に決定される特別図柄変動パターンであるTPC1−1と、第2特別図柄の変動表示結果が小当りとなる場合に決定される特別図柄変動パターンであるTPC2−1とは、共に特図変動時間が4000msであるが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらTPC1−1とTPC2−1の特図変動時間は異なっていてもよい。また、本実施例では第2特別図柄の変動表示を実行する場合に選択され得る特別図柄変動パターンとしてTPC1−1とTPC2−1の2つを例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2特別図柄の変動表示を実行する場合に選択され得る特別図柄変動パターンとして3以上の変動パターンを設けてもよい。
S284においてCPU103は、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
S284の処理に続いて、特別図柄の変動開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(S285)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド、特別図柄変動パターン指定コマンド、特別図柄変動表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を示す設定データを、遊技制御バッファ設定部に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第2変動開始コマンド、特別図柄変動パターン指定コマンド、特別図柄変動表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。尚、S285において送信設定されたコマンドは、演出制御コマンド制御処理にて演出制御基板12にて送信される。
S285の処理を実行した後、その特別図柄変動パターンの決定結果に応じた特別図柄の変動表示時間である特図変動時間に応じた値を特別図柄変動時間タイマに設定する(S286)。特別図柄の変動表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから変動表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。その後、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(S287)、特別図柄変動パターン設定処理を終了する。
尚、本実施例では、第1特別図柄の変動表示結果が「大当り」となる場合、変動パターンを大当り種別にかかわらず一定の割合でTPB1−1〜TPB1−3の3つの変動パターンから決定する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1特別図柄の変動表示結果が「大当り」となる場合、大当り種別に応じて各変動パターンの決定割合を異ならせてもよい。
また、本実施例では、第2特別図柄の変動表示結果が「大当り」となる場合は、一義的に1の変動パターン(TPC1−1)に決定する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2特別図柄の変動表示結果が「大当り」となる場合、変動パターンを複数の変動パターンから決定してもよい。
また、本実施例では、第2特別図柄の変動表示結果が「小当り」となる場合は、一義的に1の変動パターン(TPC2−1)に決定する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2特別図柄の変動表示結果が「小当り」となる場合、変動パターンを複数の変動パターンから決定してもよい。更に、第2特別図柄の変動表示結果が「小当り」となる場合の変動パターンとして複数の変動パターンを設けている場合は、小当り種別に応じて各変動パターンの決定割合を異ならせてもよい。
図26は、特別図柄停止処理として、図21に示すS35にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄停止処理において、CPU103は、S34の特別図柄変動処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bに停止図柄を導出表示する制御を行う(S291)。尚、変動特図指定バッファ値が第1特図を示す「1」である場合には、第1特別図柄表示器4Aでの第1特別図柄の変動を終了させ、変動特図指定バッファ値が第2特図を示す「2」である場合には、第2特別図柄表示器4Bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御基板12に図柄確定コマンドを送信する制御を行う(S292)。尚、S292において送信設定されたコマンドは、演出制御コマンド制御処理にて演出制御基板12にて送信される。そして、特別図柄停止期間タイマがタイマアウトしているか否かを判定する(S293)。尚、特別図柄停止期間タイマとは、次の特別図柄の変動表示が開始されるまでの待機時間を示すタイマであり、特別図柄変動処理において特図変動時間が経過したと判定された場合にセットされる。特別図柄停止期間タイマがタイマアウトしている場合はS295に進み、特別図柄停止期間タイマがタイマアウトしていない場合は、該特別図柄停止期間タイマの値を−1して特別図柄停止処理を終了する(S294)。
S295においてCPU103は、大当りフラグがセットされているか否かを判定し大当りフラグがセットされていない場合には、S301に進む。一方、大当りフラグがセットされている場合にはS296に進む。
S296においてCPU103は、高ベースフラグがセットされている場合には該高ベースフラグと高ベース回数カウンタをクリアする。そして、CPU103は、大当り種別に応じた当り開始指定コマンドを送信するための設定を行うとともに(S297a)、演出制御基板12に通常状態(低ベース状態)を示す遊技状態指定コマンドを送信するための設定を行う(S297b)。尚、S297a、S297bにおいて送信設定されたコマンドは、演出制御コマンド制御処理にて演出制御基板12にて送信される。
そして、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置5において報知する時間)に相当する値を設定する(S298)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、大当りAと大当りBの場合には7回、大当りCの場合には15回)をセットする(S299)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理(S36)に対応した値である“4”に更新し(S300)、当該特別図柄停止処理を終了する。
一方、S301においてCPU103は、小当りフラグがセットされているか否かを判定する。小当りフラグがセットされていない場合には、S305に移行する。一方、小当りフラグがセットされている場合は、高ベースフラグがセットされている場合には該高ベースフラグと高ベース回数カウンタをクリアする(S302)。そして、CPU103は、小当り種別に応じた当り開始指定コマンドを送信するための設定を行う(S303a)。次いで、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置5において報知する時間)に相当する値を設定する(S303b)。尚、S303a、303bにおいて送信設定されたコマンドは、演出制御コマンド制御処理にて演出制御基板12にて送信される。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(S26)に対応した値である“7”に更新し(S304)、当該特別図柄停止処理を終了する。
一方、S305においてCPU103は、高ベース回数カウンタの値が「1」であるか否かを判定する。高ベース回数カウンタの値が「1」である場合には、高ベース制御を終了させるために、高ベース回数カウンタと高ベースフラグとをクリアするとともに(S306)、低ベース状態(通常状態)に対応した遊技状態指定コマンドを送信するための設定を行ってS308に進む(S307)。尚、S307において送信設定されたコマンドは、演出制御コマンド制御処理にて演出制御基板12にて送信される。高ベース回数カウンタの値が「1」ではない場合は、S306及びS307を実行せずにS308に進む。S196では、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新してから、当該特別図柄停止処理を終了する。
図27は、大当り終了処理として、図21のS38にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU103は、大当り終了表示タイマが動作中、つまりタイマカウント中であるか否かを判定する(S311)。大当り終了表示タイマが動作中でない場合には、大当り終了表示タイマに、演出表示装置5において大当り終了表示を行う時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に応じた値を設定し(S312)、大当り終了処理を終了する。
一方、大当り終了表示タイマが動作中である場合には、大当り終了表示タイマの値を−1する(S313)。そして、CPU103は、大当り終了表示タイマがタイマアップしたか否か、即ち、大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(S314)。大当り終了表示タイマがタイマアップしていなければ大当り終了処理を終了する。大当り終了表示タイマがタイマアップしていれば、CPU103は、大当りフラグをクリアし(S315)、当該大当り遊技の大当り種別に対応する大当り終了指定コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってS317に進む(S316)。尚、S316において送信設定されたコマンドは、演出制御コマンド制御処理にて演出制御基板12にて送信される。
S317においてCPU103は、当該大当り遊技の大当り種別が大当りBであるか否かを判定する。当該大当り遊技の大当り種別が大当りB以外である場合は、高ベースフラグをセットするとともに高ベース回数カウンタに1回の特別図柄の変動表示を高ベース状態に制御することを示す「1」をセットしてS320に進む(S318,S319)。また、当該大当り遊技の大当り種別が大当りBである場合は、S318及びS319を実行せずにS320に進む。そして、高ベースフラグがセットされているか否かに基づいて遊技状態を演出制御基板12に通知するための遊技状態指定コマンドの送信設定を行った後(S320)、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新して大当り終了処理を終了する(S321)。尚、S320において送信設定されたコマンドは、演出制御コマンド制御処理にて演出制御基板12にて送信される。
尚、本実施例では、大当り遊技終了後に遊技状態が高ベース状態に制御される場合は、大当り種別にかかわらず1回の特別図柄の変動表示でのみ高ベース状態に制御される形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、高ベース状態に制御される特別図柄の変動表示回数が2回以上となる大当り種別を設けてもよい。
図28は、小当り開始前処理として、図21のS39にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。小当り開始前処理において、CPU103は、先ず小当り表示時間タイマを−1し(S401)、該小当り表示時間タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S402)。小当り表示時間タイマがタイマアウトしていない場合は小当り開放前処理を終了し、小当り表示時間タイマがタイマアウトした場合は、第2大入賞口712を開放制御するための小当り開放制御パターンのプロセステーブルをセットする(S403)。また、小当り遊技中に第2大入賞口712の開放と閉鎖を繰り返し実行するための小当り開放プロセスタイマをセットする(S404)。そして、第2大入賞口712に入賞する遊技球をカウントするための入賞球数カウンタを「0」にセットし(S405)、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放中処理(S40)に対応した値である“8”に更新して当該小当り開放前処理を終了する(S406)。
図29は、小当り開放中処理として、図21のS40にて実行される処理の一例を示すフローチャートである、小当り開放中処理において、CPU103は、先ず、小当り開放プロセスタイマの値を−1する(S411)。そして、CPU103は、小当り終了タイミングであるか否か、つまり、小当り開放プロセスタイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S412)。
小当り終了タイミングである場合はS426に進む。小当り終了タイミングでない場合は、小当り開放制御パターンのプロセステーブルと小当り開放プロセスタイマの値を参照して第2大入賞口712の開放タイミングであるか否かを判定する(S413)。第2大入賞口712の開放タイミングである場合、CPU103はソレノイド83を駆動させることで第2大入賞口712を開放状態に制御してS415に進む(S414)。また、第2大入賞口712の開放タイミングでない場合は、S414を実行せずにS415に進む。
S415においてCPU103は、小当り開放制御パターンのプロセステーブルと小当り開放プロセスタイマの値を参照して第2大入賞口712の閉鎖タイミングであるか否かを判定する。第2大入賞口712の閉鎖タイミングである場合、CPU103はソレノイド83を駆動させることで第2大入賞口712を閉鎖状態に制御してS417に進む(S416)。また、第2大入賞口712の閉鎖タイミングでない場合は、S416を実行せずにS417に進む。
S417においてCPU103は、第2カウントスイッチ24Aがオンとなったか否か、つまり、第2大入賞口712に遊技球が入賞したか否かを判定する。第2カウントスイッチ24Aがオンとなっていない場合はS420に進み、第2カウントスイッチ24Aがオンとなった場合は、入賞球数カウンタの値を+1して(S418)、当該入賞球数カウンタの値が小当り中における第2大入賞口712への入賞個数である上限値(本実施例では10)に達したか否かを判定する(S419)。入賞球数カウンタの値が上限値(10)に達した場合はS426に進み、入賞球数カウンタの値が上限値(10)に達していない場合はS420に進む。
S420のV入賞用ソレノイド駆動処理においてCPU103は、前述したように、ソレノイド85を駆動させることで、規制部材721を小当り遊技の開始時から3秒後に主経路740内に突出させ、所定時間経過後(例えば規制部材721が主経路740内に突出してから5秒経過後)に主経路740内から退避させる(許容状態に制御される)。また、ソレノイド86を駆動させることで、保持部材730を、小当り遊技の開始時から3秒後に第1位置(図11に示す実線部分)に移動させ、所定時間経過後(例えば保持部材730が第1位置に移動してから5秒経過後)に第2位置(図11に示す一点鎖線部分)に移動させる。
次いで、CPU103は、第3カウントスイッチ24Bがオンとなったか否か、つまり、第2大入賞口712に入賞した遊技球のいずれかが第3カウントスイッチ24Bと通過したことに基づいてV入賞が発生したか否かを判定する(S421)。第3カウントスイッチ24Bがオンとなっていない場合は小当り開放中処理を終了し、第3カウントスイッチ24Bがオンとなった場合は、更に既にV入賞が発生したことを示すV入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S422)。V入賞フラグがセットされている場合は小当り開放中処理を終了し、V入賞フラグがセットされていない場合は小当り種別に対応する大当り種別を特定する(S424)。例えば、当該小当り遊技の小当り種別が「小当りA」である場合は大当り種別を「大当りD」に特定し、当該小当り遊技の小当り種別が「小当りB」である場合は大当り種別を「大当りE」に特定すればよい。
そして、CPU103は、S424において特定した大当り種別に応じたV入賞通知コマンドを演出制御基板12に送信するための設定を行って小当り開放中処理を終了する(S425)。尚、S425において送信設定されたコマンドは、演出制御コマンド制御処理にて演出制御基板12にて送信される。
一方、S426においてCPU103は、CPU103はソレノイド83を駆動させることで第2大入賞口712を閉鎖状態に制御する。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り終了処理(S41)に対応した値である“9”に更新し(S230)、当該小当り開放中処理を終了する(S427)。
図30は、小当り終了処理として、図21のS41にて実行される処理の一例を示すフローチャートである、小当り終了処理において、CPU103は、小当り終了表示タイマが動作中であるか否かを判定する(S431)。小当り終了表示タイマが動作中でない場合は、小当り終了表示タイマに小当り終了表示時間(小当り終了演出の実行時間)に応じた値をセットし(S432)、小当り終了処理を終了する。
一方、小当り終了表示タイマが動作中である場合は、小当り終了表示タイマの値を−1する(S433)。そして、小当り終了表示タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S434)。小当り終了表示タイマがタイマアウトしていない場合はS435に進み、小当り終了表示タイマがタイマアウトしている場合はS440に進む。
S435においてCPU103は第3カウントスイッチ24Bがオンとなったか否かを判定する。第3カウントスイッチ24Bがオンとなっていない場合は、小当り終了処理を終了し、第3カウントスイッチ24Bがオンとなっている場合は、既にV入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S436)。V入賞フラグがセットされている場合は、小当り終了処理を終了し、V入賞フラグがセットされていない場合は、V入賞フラグをセットする(S437)。
そして、CPU103は、小当り種別に対応する大当り種別を特定する(S438)。例えば、当該小当り遊技の小当り種別が「小当りA」である場合は大当り種別を「大当りD」に特定し、当該小当り遊技の小当り種別が「小当りB」である場合は大当り種別を「大当りE」に特定すればよい。そして、CPU103は、S438において特定した大当り種別に応じたV入賞通知コマンドを演出制御基板12に送信するための設定を行って小当り終了処理を終了する(S439)。尚、S439において送信設定されたコマンドは、演出制御コマンド制御処理にて演出制御基板12にて送信される。
S440においてCPU103は、小当りフラグをクリアする。そして、小当りに対応する当り終了指定コマンドを演出制御基板12に送信するための設定を実行する(S441)。尚、S441において送信設定されたコマンドは、演出制御コマンド制御処理にて演出制御基板12にて送信される。
次いで、V入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S442)。V入賞フラグがセットされている場合は該V入賞フラグをクリアするとともに大当りフラグをセットする(S443,S444)。そして、当該小当りの小当り種別に応じた大当り種別バッファを設定する(S445)。例えば、当該小当り種別が「小当りA」であれば大当り種別バッファ値を「大当りD」を示す「3」にセットし、当該小当り種別が「小当りB」であれば大当り種別バッファ値を「大当りE」を示す「4」にセットすればよい。
次いで、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理(S36)に対応した値である“4”に更新し(S446)、小当り終了処理を終了する。
つまり、本実施例では、小当り遊技中だけでなく、小当り遊技終了後の小当り終了表示時間が経過するまでの期間において遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過するようになっているため、小当り遊技終了直前に第2大入賞口712に遊技球が入賞した場合であっても、該遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過することで小当り終了処理の終了後に大当り遊技が実行されるようになっている。
尚、S442においてV入賞フラグがセットされていない場合は、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S32)に対応した値である“0”に更新し(S449)、小当り終了処理を終了する。
次に、演出制御基板12の動作を説明する。図31は、演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S701)。その後、演出制御用CPU120は、大当り図柄判定用乱数などの演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理を実行し(S702)、タイマ割込フラグの監視(S703)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリアし(S704)、以下の処理を実行する。
演出制御用CPU120は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:S705)。このコマンド解析処理において演出制御用CPU120は、受信コマンドバッファに格納されている主基板11から送信されてきたコマンドの内容を確認する。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAM122に形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図4参照)であるのか解析する。
次いで、演出制御用CPU120は、特別図柄演出制御プロセス処理を行う(S706)。特別図柄演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(特別演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置5の表示制御を実行する。
また、演出制御用CPU120は、普通図柄演出制御プロセス処理を行う(S707)。普通図柄演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(普通演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置5の表示制御を実行する。
次いで、特別図柄の変動表示が実行されていない場合に客待ちデモ演出や後述する第1特別図柄変動開始待ち演出を実行可能な特別図柄非変動時演出実行処理(S708)と、遊技状態に応じて演出表示装置5にて表示される背景画像を切り替える背景画像表示処理(S709)を実行し、S702に進む。
図32は、演出制御メイン処理における特別図柄演出制御プロセス処理(S55)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、先ず、演出表示装置5の第1保留記憶表示エリア5Hにおける保留記憶表示を、演出制御バッファ設定部の記憶内容に応じた表示に更新する第1保留記憶表示更新処理を実行する(S712)。
その後、演出制御用CPU120は、第1演出制御プロセスフラグの値に応じてS713〜S722のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
特別図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S713):遊技制御用マイクロコンピュータ100から特別図柄変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理で特別図柄変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。特別図柄変動パターン指定コマンドを受信していれば、第1演出制御プロセスフラグの値を第1演出図柄変動開始処理(S714)に対応した値に変更する。
第1演出図柄変動開始処理(S714):特別図柄の変動表示に連動して第1演出図柄(英数字の演出図柄)の変動が開始されるように制御する。そして、第1演出制御プロセスフラグの値を第1演出図柄変動中処理(S715)に対応した値に更新する。
第1演出図柄変動中処理(S715):特別図柄変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、第1演出制御プロセスフラグの値を第1演出図柄変動停止処理(S716)に対応した値に更新する。
第1演出図柄変動停止処理(S716):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(特別図柄確定コマンド)を受信したことにもとづいて、第1演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、第1演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S717)、小当り表示処理(S720)または特別図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S713)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S717):特別図柄の変動時間の終了後、演出表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、第1演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S718)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S718):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置5におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、第1演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S719)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S719):演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、第1演出制御プロセスフラグの値を特別図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S713)に対応した値に更新する。
小当り表示処理(S720):特別図柄の変動時間の終了後、演出表示装置5に小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、第1演出制御プロセスフラグの値を小当り遊技中処理(S721)に対応した値に更新する。
小当り遊技中処理(S721):小当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置5における小当り遊技中の表示制御等を行う。そして、第1演出制御プロセスフラグの値を小当り終了演出処理(S722)に対応した値に更新する。
小当り終了演出処理(S722):演出表示装置5において、小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、第1演出制御プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S713)または大当り表示処理(S717)に対応した値に更新する。
図33は、特別図柄演出制御プロセス処理における特別図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理を示すフローチャートである。特別図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理では、演出制御用CPU120は、先ず、特別図柄変動パターン指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S911)。特別図柄変動パターン指定コマンド受信フラグがセットされていない場合は特別図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理を終了し、特別図柄変動パターン指定コマンド受信フラグがセットされている場合は、当該特別図柄変動パターン指定コマンド受信フラグをクリアし(S912)、受信した特別図柄変動パターン指定コマンドが示す変動パターンが第2特別図柄の変動パターンであるか否かを判定する(S913)。第2特別図柄の変動パターンである場合はS919に進み、第1特別図柄の変動パターンである場合は、遊技状態が高ベース状態であるか否かを判定する(S914)。遊技状態が高ベース状態でない場合はS919に進み、遊技状態が高ベース状態である場合はカウントダウン表示装置400においてカウントダウン表示を実行するための表示設定を行いS919に進む。
つまり、本実施例では、高ベース状態において第1特別図柄の変動表示を実行する場合は、カウントダウン表示装置400にて該第1特別図柄の残り変動表示時間に基づくカウントダウン(後述する高ベース終了時演出開始タイミング1までの期間)を実行するようになっている。
そして、S919において演出制御用CPU120は、第1演出制御プロセスフラグの値を第1演出図柄変動開始処理に応じた値に更新して特別図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理を終了する。
図34は、特別図柄演出制御プロセス処理における第1演出図柄変動開始処理を示すフローチャートである。第1演出図柄変動開始処理では、演出制御用CPU120は、先ず、第1特別図柄変動開始コマンド受信フラグがセットされているか否か、つまり第1特別図柄変動開始コマンドを受信しているか否かを判定する(S921)。第1特別図柄変動開始コマンド受信フラグがセットされている場合はS922aに進み、第2特別図柄変動開始コマンド受信フラグがセットされている場合はS923aに進む。
S922aにおいて演出制御用CPU120は、第1特別図柄変動開始コマンド受信フラグをクリアする。そして、始動入賞時受信コマンドバッファにおける第1特図保留記憶数をシフトしてS924に進む。また、S923aにおいて演出制御用CPU120は、第2特別図柄変動開始コマンド受信フラグをクリアする。そして、始動入賞時受信コマンドバッファにおける第2特図保留記憶をシフトし(S923b)、該シフトした後の始動入賞時受信コマンドバッファの第2特図保留記憶数に基づいて演出保留表示ユニット30の表示を更新してS924に進む(S923c)。
S924において演出制御用CPU120は、特別図柄変動パターン指定コマンド格納領域から特別図柄変動パターン指定コマンドを読み出す。そして、特別図柄表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータに応じて第1演出図柄の停止図柄を決定する(S925)。
次いで、演出制御用CPU120は、特別図柄変動パターンに応じた図柄変動制御パターン(プロセステーブル)を選択する(S926)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1における第1演出図柄プロセスタイマをスタートさせる(S927)。
次に、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、LED制御実行データ1、音制御実行データ1等)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての遊技効果LED9およびスピーカ8L,8R等)の制御を実行する(S928)。例えば、演出表示装置5において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP等から成る表示制御部123に指令を出力する。また、遊技効果LED9の点灯/消灯制御を行わせるために、LED制御基板14等に対して制御信号を出力する。また、スピーカ8L,8Rからの音声出力を行わせるために、音声制御基板13に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、第1演出図柄変動時間タイマに、特別図柄変動パターン指定コマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S929)、第1演出図柄変動制御タイマに、所定時間に相当する値を設定する(S930)。また、第1演出制御プロセスフラグの値を第1演出図柄変動中処理(S715)に対応した値に更新して第一演出図柄変動開始処理を終了する(S931)。
図35は、特別図柄演出制御プロセス処理における第1演出図柄変動中処理(S715)を示すフローチャートである。第1演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU120は、第1演出図柄プロセスタイマ、第1演出図柄変動時間タイマ、第1演出図柄変動制御タイマのそれぞれの値を−1する(S941,S942,S943)。
そして、演出制御用CPU120は、第1演出図柄プロセスタイマがタイマアウトしたか否か確認する(S944)。第1演出図柄プロセスタイマがタイマアウトしていたら、プロセスデータの切り替えを行う(S945)。即ち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値を第1演出図柄プロセスタイマに設定することによって第1演出図柄プロセスタイマをあらためてスタートさせる(S946)。また、その次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、LED制御実行データ、音制御実行データ等)にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更してS948に進む(S947a)。尚、第1演出図柄プロセスタイマがタイマアウトしていない場合は、設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、LED制御実行データ、音制御実行データ等)にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更してS948に進む(S947b)。
次に、第1演出図柄変動制御タイマがタイマアウトしているか否かを判定する(S948)。第1演出図柄変動制御タイマがタイマアウトしている場合には、演出制御用CPU120は、左中右の第1演出図柄の次表示画面(前回の第1演出図柄の表示切り替え時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(S949)。そのようにして、演出表示装置5において、第1演出図柄の変動制御が実現される。表示制御部123は、設定されている背景画像等の所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を演出表示装置5に出力する。そのようにして、演出表示装置5において、第1演出図柄の変動における背景画像、キャラクタ画像及び演出図柄が表示される。また、第1演出図柄変動制御タイマに所定値を再セットしてS951に進む(S950)。尚、第1演出図柄プロセスタイマがタイマアウトしていない場合はS949〜S950を実行せずにS951に進む。
S951において演出制御用CPU120は、カウントダウン表示装置400におけるカウントダウン表示の設定が有りか否かを判定する。カウントダウン表示の設定が有る場合は、更にカウントダウン表示の更新タイミングであるか否かを判定する(S952)。カウントダウン表示の更新タイミングである場合は、カウントダウン表示装置400におけるカウントダウン表示を更新してS954に進む(S953)。尚、カウントダウン表示設定が無い場合やカウントダウン表示の更新タイミングでない場合は、S953を実行せずにS954に進む。
S954において演出制御用CPU120は、高ベース状態の第1特別図柄の変動表示において高ベース終了時演出を開始するための高ベース終了時演出開始タイミング1であるか否かを判定する。高ベース終了時演出開始タイミング1である場合は、後述する第2演出図柄変動時間タイマを0にセット、つまり、普通図柄の変動表示に連動して変動表示が実行中である第2演出図柄の変動表示を停止させる(S955)。そして、高ベース終了時演出を実行する前の準備期間であることを示す高ベース終了時演出開始準備時間フラグをセットしてS962に進む(S956)。
つまり、図54(A)及び図54(B)に示すように、演出表示装置5において普通図柄に対応する第2演出図柄の変動表示中に高ベース終了時演出開始タイミング1となった場合は、普通図柄の残り変動時間にかかわらずに第2演出図柄の変動表示を終了させる。
また、S954において高ベース終了時演出開始タイミング1でない場合は、高ベース終了時演出を開始するタイミングである高ベース終了時演出開始タイミング2であるか否かを判定する(S957)。高ベース終了時演出開始タイミング2である場合は、高ベース終了演出開始準備期間フラグをクリアするとともに(S960)、高ベース終了時演出実行中フラグをセットしてS962に進む(S961)。尚、S957において高ベース終了時演出開始タイミング2でない場合は、S960及びS961を実行せずにS962に進む。
S962において演出制御用CPU120は、高ベース終了時演出実行中フラグがセットされているか否かを判定する。高ベース終了時演出実行中フラグがセットされていない場合はS966に進み、高ベース終了時演出実行中フラグがセットされている場合は、高ベース終了時演出実行処理を実行する(S963)。そして、後述する高ベース終了時演出期間タイマがタイマアウトしたか否か、つまり、高ベース終了時演出の終了タイミングであるか否かを判定する(S964)。高ベース終了時演出期間タイマがタイマアウトしていない場合はS966に進み、高ベース終了時演出期間タイマがタイマアウトした場合は、高ベース終了時演出実行中フラグをクリアしてS966に進む。
S966において演出制御用CPU120は、第1演出図柄変動時間タイマがタイマアウトしているか否かを判定する。第1演出図柄変動時間タイマがタイマアウトしていれば、第1演出制御プロセスフラグの値を第1演出図柄変動停止処理(S716)に応じた値に更新する(S969)。第1演出図柄変動時間タイマがタイマアウトしていなくても、特別図柄確定指定コマンドを受信したことを示す特別図柄確定コマンド受信フラグがセットされていたら(S967;Y)、特別図柄確定コマンド受信フラグをクリアして(S968)、第1演出制御プロセスフラグの値を第1演出図柄変動停止処理(S716)に応じた値に更新する(S969)。第1演出図柄変動時間タイマがタイマアウトしていなくても特別図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す特別図柄変動パターン指定コマンドを受信したような場合でも、正規の特別図柄の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、第1演出図柄の変動を終了させることができる。
尚、第1演出図柄の変動制御に用いられているプロセステーブルには、第1演出図柄の変動表示中のプロセスデータが設定されている。つまり、プロセステーブルにおけるプロセスデータ1〜nの第1演出図柄プロセスタイマ設定値の和は第1演出図柄の変動時間に相当する。よって、S966の処理において最後のプロセスデータnの第1演出図柄プロセスタイマがタイマアウトしたときには、切り替えるべきプロセスデータ(表示制御実行データやLED制御実行データ等)はなく、プロセステーブルにもとづく第1演出図柄の演出制御は終了する。
図36及び図37は、第1演出図柄変動中処理における高ベース終了時演出実行処理(S963)を示すフローチャートである。高ベース終了時演出実行処理において、演出制御用CPU120は、先ず、高ベース終了時演出期間タイマが動作中であるか否かを判定する(S971)。高ベース終了時演出期間タイマが動作中でない場合はS972に進み、高ベース終了時演出期間タイマが動作中である場合はS981に進む。
S972において演出制御用CPU120は、高ベース終了時演出期間タイマに高ベース終了時演出の演出期間に応じた値をセットする。そして、演出保留表示ユニット30に表示されている保留表示数を特定し(S973)、特定した保留表示数が0であるか否かを判定する(S974)。特定した保留表示数が1以上である場合、演出制御用CPU120は、高ベース状態における第1特別図柄の変動表示の終了後に第2特別図柄の変動表示が開始されることを報知するためのラッシュゾーン準備演出用プロセステーブルを選択する(S975)。そして、選択したラッシュゾーン準備演出用プロセステーブルのプロセスデータ1におけるラッシュゾーン準備演出用プロセスタイマをスタートさせる(S976)。
次に、演出制御用CPU120は、高ベース終了時演出としてのラッシュゾーン準備演出の最初のプロセスデータ(プロセスデータ1)の内容(表示制御実行データ1、LED制御実行データ1、音制御実行データ1等)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての遊技効果LED9およびスピーカ8L,8R等)の制御を実行して高ベース終了時演出実行処理を終了する(S977)。
また、S974において、特定した保留表示数が0である場合、演出制御用CPU120は、高ベース状態における第1特別図柄の変動表示の終了後に第2特別図柄の変動表示が開始されることを示唆するためのバトル演出の前半部分を実行するためのバトル演出前半用プロセステーブルを選択する(S978)そして、選択したバトル演出前半用プロセステーブルのプロセスデータ1におけるバトル演出前半用プロセスタイマをスタートさせる(S979)。尚、バトル演出とは、味方キャラクタと敵キャラクタとが対戦する演出である(図56参照)。
次に、演出制御用CPU120は、高ベース終了時演出としてのバトル演出(前半)の最初のプロセスデータ(プロセスデータ1)の内容(表示制御実行データ1、LED制御実行データ1、音制御実行データ1等)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての遊技効果LED9およびスピーカ8L,8R等)の制御を実行して高ベース終了時演出実行処理を終了する(S980)。
また、S981において演出制御用CPU120は、ラッシュゾーン準備演出用プロセスタイマが動作中であるか否かを判定する。ラッシュゾーン準備演出用プロセスタイマが動作中である場合はS996に進み、ラッシュゾーン準備演出用プロセスタイマが動作中でない場合は、バトル演出の後半部分を実行するためのバトル演出後半用プロセスタイマが動作中であるか否かを判定する(S982)。バトル演出後半用プロセスタイマが動作中である場合はS1007に進み、バトル演出後半用プロセスタイマが動作中でない場合は、バトル演出前半用プロセスタイマの値を−1し(S983)、高ベース終了時演出期間タイマを−1する(S984)。
そして、演出制御用CPU120は、バトル演出前半用プロセスタイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S985)。バトル演出前半用プロセスタイマがタイマアウトした場合は、実行していたプロセスデータが最後のバトル演出前半用のプロセスデータであったか否か、つまり、バトル演出の前半部分が終了したか否かを判定する(S986)。実行していたプロセスデータが最後のバトル演出前半用のプロセスデータであった場合はS990に進み、実行していたプロセスデータが最後のバトル演出前半用のプロセスデータでなかった場合は、バトル演出前半用プロセスデータの切り替えを行う(S987)。即ち、バトル演出前半用プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をバトル演出前半用プロセスタイマに設定することによってバトル演出前半用プロセスタイマをあらためてスタートさせてS989aに進む(S988)。S989では、次に設定されているバトル演出(前半)のプロセスデータ(表示制御実行データ、LED制御実行データ、音制御実行データ等)にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更して高ベース終了時演出実行処理を終了する(S989a)。
尚、バトル演出前半用プロセスタイマがタイマアウトしていない場合は、設定されているバトル演出(前半)のプロセスデータ(表示制御実行データ、LED制御実行データ、音制御実行データ等)にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更して高ベース終了時演出実行処理を終了する(S989b)。
また、S990において演出制御用CPU120は、バトル演出の前半が終了したことに基づいて、始動入賞時受信コマンドバッファを参照し、第2特図保留記憶数を特定する。そして、該特定した第2特図保留記憶数が0であるか否かを判定する(S991)。特定した第2特図保留記憶数が1以上である場合、演出制御用CPU120は、バトル演出の演出結果(バトル演出の後半部分の演出)として味方キャラクタが敵キャラクタに勝利することで高ベース状態における第1特別図柄の変動表示終了後に第2特別図柄の変動表示が開始されることを報知するための第1バトル演出後半用のプロセステーブルを選択してS994に進む(S992)。また、特定した第2特図保留記憶数が0である場合、演出制御用CPU120は、バトル演出の演出結果(バトル演出の後半部分の演出)として味方キャラクタが敵キャラクタに敗北することで高ベース状態における第1特別図柄の変動表示終了後に第2特別図柄の変動表示が開始されないことを報知するための第2バトル演出後半用のプロセステーブルを選択してS994に進む(S993)。
S994において演出制御用CPU120は、選択したバトル演出前後半用プロセステーブルのプロセスデータ1におけるバトル演出後半用プロセスタイマをスタートさせる。
次に、演出制御用CPU120は、バトル演出(後半)の最初のプロセスデータ(プロセスデータ1)の内容(表示制御実行データ1、LED制御実行データ1、音制御実行データ1等)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての遊技効果LED9およびスピーカ8L,8R等)の制御を実行して高ベース終了時演出実行処理を終了する(S995)。
次いで、図37に示すように、S996において演出制御用CPU120は、ラッシュゾーン準備演出用プロセスタイマを−1し、高ベース終了時演出期間タイマを−1する(S997)。そして、高ベース終了時演出期間タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S998)。高ベース終了時演出期間タイマがタイマアウトした場合は高ベース終了時演出実行処理を終了し、高ベース終了時演出期間タイマがタイマアウトしていない場合は、更にラッシュゾーン準備演出用プロセスタイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S999)。ラッシュゾーン準備演出用プロセスタイマがタイマアウトしている場合は、ラッシュゾーン準備演出用プロセスデータの切り替えを行う(S1000)。即ち、ラッシュゾーン準備演出用プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をラッシュゾーン準備演出用プロセスタイマに設定することによってラッシュゾーン準備演出用プロセスタイマをあらためてスタートさせてS1002aに進む(S1001)。
S1002aでは、次に設定されているラッシュゾーン準備演出用のプロセスデータ(表示制御実行データ、LED制御実行データ、音制御実行データ等)にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更してS1003に進む(S1002a)。尚、ラッシュゾーン準備演出用プロセスタイマがタイマアウトしていない場合は、設定されているラッシュゾーン準備演出用のプロセスデータ(表示制御実行データ、LED制御実行データ、音制御実行データ等)にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更してS1003に進む(S1002b)。
S1003において演出制御用CPU120は演出保留表示ユニットの保留表示数の更新タイミングであるか否かを判定する。演出保留表示ユニットの保留表示数の更新タイミングでない場合は高ベース終了時演出実行処理を終了し、演出保留表示ユニット30の保留表示数の更新タイミングである場合は、演出保留表示ユニットに表示されている保留表示数と始動入賞時受信コマンドバッファに記憶されている第2特図保留記憶数を比較し(S1004)、演出保留表示ユニット30に表示されている保留表示数と第2特図保留記憶数とが同数であるか否かを判定する(S1005)。演出保留表示ユニット30に表示されている保留表示数と第2特図保留記憶数とが同数である場合は高ベース終了時演出実行処理を終了し、演出保留表示ユニット30に表示されている保留表示数と第2特図保留記憶数とが異なっている場合は、演出保留表示ユニット30における保留表示数を第2特図保留記憶数に応じて更新表示し、高ベース終了時演出実行処理を終了する(S1006)。
つまり本実施例では、演出保留表示ユニット30に表示されている保留表示数が第2特図保留記憶数と異なっている場合、ラッシュゾーン準備演出中に演出保留表示ユニット30における保留表示数を第2特図保留記憶数に応じて更新することによって、後述する演出保留獲得演出が実行されることなく発生した始動入賞に基づく第2特図保留記憶が有ることを報知するようになっている。
また、S1007において演出制御用CPU120は、バトル演出後半用プロセスタイマを−1し、高ベース終了時演出期間タイマを−1する(S1008)。そして、高ベース終了時演出期間タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S1009)。高ベース終了時演出期間タイマがタイマアウトした場合は高ベース終了時演出実行処理を終了し、高ベース終了時演出期間タイマがタイマアウトしていない場合は、更にバトル演出後半用プロセスタイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S1010)。バトル演出後半用プロセスタイマがタイマアウトしている場合は、バトル演出後半用プロセスデータの切り替えを行う(S1011)。即ち、バトル演出後半用プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をバトル演出後半用プロセスタイマに設定することによってバトル演出後半用プロセスタイマをあらためてスタートさせてS1013aに進む(S1012)。
S1013aでは、次に設定されているバトル演出後半用のプロセスデータ(表示制御実行データ、LED制御実行データ、音制御実行データ等)にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更してS1014に進む。尚、バトル演出後半用プロセスタイマがタイマアウトしていない場合は、設定されているバトル演出後半用のプロセスデータ(表示制御実行データ、LED制御実行データ、音制御実行データ等)にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更してS1014に進む(S1013b)。
S1014において演出制御用CPU120は、第1バトル演出後半用のプロセステーブルが選択されているか否かを判定する。第1バトル演出後半用のプロセステーブルが選択されている場合はS1003に進み、ラッシュゾーン準備演出の実行中と同じくS1003〜S1006の処理を実行する。つまり、バトル演出の演出結果(バトル演出の後半部分の演出)として高ベース状態における第1特別図柄の変動表示終了後に第2特別図柄の変動表示が開始されることを報知する場合は、バトル演出の後半部分の演出中に演出保留表示ユニット30における保留表示数を第2特図保留記憶数に応じて更新することによって、後述する演出保留獲得演出が実行されることなく発生した始動入賞に基づく第2特図保留記憶が有ることを報知するようになっている。
また、高ベース状態における第1特別図柄の変動表示終了後に第2特別図柄の変動表示が開始されないことを報知するための第2バトル演出後半用のプロセステーブルが選択されている場合はS1015に進み、始動入賞時受信コマンドバッファを参照して第2特図保留記憶数を特定する。そして、第2特図保留記憶数が1以上であるか否かを判定する(S1016)。第2特図保留記憶数が0である場合はS1018に進み、第2特図保留記憶数が1以上である場合は、高ベース状態における第1特別図柄の変動表示終了後に第2特別図柄の変動表示が開始されることを報知するための復活用画像の表示を開始してS1018に進む(S1017)。
S1018において演出制御用CPU120は、復活用画像の表示中であるか否かを判定する。復活用画像の表示中でない場合は高ベース終了時演出実行処理を終了し、復活用画像の表示中である場合は、更に復活用画像表示終了タイミングであるか否かを判定する(S1019)。復活用画像表示終了タイミングでない場合は高ベース終了時演出実行処理を終了し、復活用画像表示終了タイミングである場合は、復活用画像の表示を終了して高ベース終了時演出実行処理を終了する。
このように本実施例では、図54(A)に示すように、第2特図保留記憶数が0であることに基づいて、バトル演出の後半部分の演出において高ベース状態における第1特別図柄の変動表示終了後に第2特別図柄の変動表示が開始されないことが報知される場合であっても、該バトル演出の後半部分の演出の実行中に普図当りが発生して第2始動入賞口に遊技球が入賞したことにより第2特別図柄保留記憶が発生することで、高ベース状態における第1特別図柄の変動表示終了後に第2特別図柄の変動表示が開始されることを復活用画像の表示(復活演出の実行)により報知することが可能となっている。尚、図54(B)に示すように、該バトル演出の後半部分の演出の実行中に普図当りが発生しても第2始動入賞口に遊技球が入賞しなければ第2特別図柄の保留記憶が発生しないので、復活画像が表示されることが無い。
また、図55(A)に示すように、高ベース状態の第1特別図柄の変動表示中におけるバトル演出の開始前に第2始動入賞が発生しなかった場合(第2特図保留記憶が発生しなかった場合)は、第2バトル演出後半用のプロセステーブルが選択されていることによって、味方キャラクタが敵キャラクタに敗北する(対戦敗北演出)。また、高ベース状態における第1特別図柄の変動表示終了後に第2特別図柄の変動表示が開始されないことの報知として演出表示装置5に遊技球を左遊技領域に打ち出す旨の指示が表示される(左打ち表示)。そして、第1特別図柄の変動表示が終了することによって遊技状態が低ベース状態(通常状態)に制御されると、背景画像表示処理(S709)が実行されることによって演出表示装置5に表示されている背景画像が低ベース状態を示す画像(例えば、「昼」の画像)に切り替えられる。
また、図55(B)に示すように、高ベース状態の第1特別図柄の変動表示中におけるバトル演出の開始前に第2始動入賞が発生せず、且つバトル演出の前半部分の実行中に普図当りが発生し、該普図当りに基づく普通電動役物(板体60)の開放によって第2始動入賞口に遊技球が入賞した場合は、第1バトル演出後半用のプロセステーブルが選択されることによって、味方キャラクタが敵キャラクタに勝利することで高ベース状態における第1特別図柄の変動表示終了後に第2特別図柄の変動表示が開始されることの報知が行われる(対戦勝利演出)。第1特別図柄の変動表示終了後は、第2特別図柄の変動表示が実行されることに基づいてラッシュゾーン(ラッシュゾーン演出)に突入する。このとき、第2特別図柄の変動表示結果として「小当り」または「大当り」が発生するので、演出表示装置5には遊技球を左遊技領域に打ち出す旨の指示は表示されない。
更に図55(C)に示すように、高ベース状態の第1特別図柄の変動表示中におけるバトル演出の開始前に第2始動入賞が発生せず、且つ対戦敗北演出の実行中に普図当りが発生し、該普図当りに基づく普通電動役物(板体60)の開放によって第2始動入賞口に遊技球が入賞した場合は、既に対戦敗北演出の実行中であるので、復活演出として、該対戦敗北演出の画像の一部である遊技球を左遊技領域に打ち出す旨の指示に重ねて演出表示装置5に復活用画像が表示される(図56(F)参照)。つまり、復活用画像が表示される場合は、該復活用画像によって遊技球を左遊技領域に打ち出す旨の指示の表示が規制される。第1特別図柄の変動表示終了後は、第2特別図柄の変動表示が実行されることに基づいてラッシュゾーン(ラッシュゾーン演出)に突入する。
尚、図55(B)及び図55(C)に示すように、ラッシュゾーンでは、第1特別図柄の変動表示が終了することによって遊技状態が一旦低ベース状態(通常状態)に制御されるが、第2特別図柄の変動表示結果として「小当り」または「大当り」が発生し、大当り遊技(小当り遊技中にV入賞が発生したことに基づく大当り遊技を含む)終了後に再び遊技状態が高ベース状態に制御されるので、演出表示装置5に表示される背景画像は、高ベース状態を示す画像(例えば、「夜」の画像)のまま維持される。
図38は、特別図柄演出制御プロセス処理における第1演出図柄停止処理(S716)を示すフローチャートである。第1演出図柄停止処理において、演出制御用CPU120は、先ず、第1演出図柄停止期間タイマが動作中であるか否かを判定する(S1031)。第1演出図柄停止期間タイマが動作中でない場合、演出制御用CPU120は、予め決定されている第1演出図柄の停止図柄を導出表示し(S1032)、第1演出図柄停止期間タイマに第1演出図柄停止期間に応じた値をセットして第1演出図柄変動停止処理を終了する(S1033)。また、第1演出図柄停止期間タイマが動作中である場合は、第1演出図柄停止期間タイマの値を−1し(S1034)、第1演出図柄停止期間タイマがタイマアップしたか否かを判定する(S1035)。第1演出図柄停止期間タイマがタイマアップしていない場合は第1演出図柄変動停止処理を終了し、第1演出図柄停止期間タイマがタイマアップした場合は、受信している特別図柄変動表示結果指定コマンドを参照して変動表示結果が大当りであるか否かを判定する(S1036)。
変動表示結果が大当りである場合は、第1演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理に応じた値に更新して第1演出図柄変動停止処理を終了する(S1042)。また、変動表示結果が大当りでない場合は、受信している特別図柄変動表示結果指定コマンドを参照して変動表示結果が小当りであるか否かを判定する(S1037)。変動表示結果が小当りである場合は、第1演出制御プロセスフラグの値を小当り表示処理に応じた値に更新して第1演出図柄変動停止処理を終了する(S1038)。
また、変動表示結果が小当りでない、つまり、はずれである場合、演出制御用CPU120は第1演出制御プロセスフラグの値を特別図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理に応じた値に更新する(S1039)。そして、当該変動表示が高ベース中の変動表示であったか否か、つまり、変動パターンが図10(A)に示すTPA1−4〜TPA1−6、TPC1−1、TPC2−1のいずれかであったか否かを判定する(S1040)。当該変動表示が低ベース中の変動表示であった場合は第1演出図柄変動停止処理を終了し、当該変動表示が高ベース中の変動表示で有った場合は第1保留記憶表示エリア5Hを演出表示装置5に表示するための設定を行って第1演出図柄変動停止処理を終了する(S1041)。尚、S1041において第1保留記憶表示エリア5Hの表示設定を行うのは、後述する大当り終了演出処理中において第1保留記憶表示エリア5Hの非表示設定が行われる場合があるからである。
図39及び図40は、特別図柄演出制御プロセス処理における大当り終了演出処理(S719)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、先ず、演出期間計測タイマの値を−1し(S1051)、演出期間計測タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S1052)。尚、演出期間計測タイマは、大当り終了演出の演出期間を計測するためのタイマであり、大当り遊技中処理において大当り遊技の最終ラウンドの終了時にセットされる。演出期間計測タイマがタイマアウトしている場合はS1070に進み、演出期間計測タイマがタイマアウトしていない場合はS1053に進む。
S1053において演出制御用CPU120は、大当り遊技終了後に低ベース状態に制御されることを示す第2大当り終了演出を実行するための第2大当り終了演出用プロセスタイマが動作中であるか否かを判定する(図41参照)。第2大当り終了演出用プロセスタイマが動作中である場合はS1066に進み、第2大当り終了演出用プロセスタイマが動作中でない場合はS1054に進む。
S1054において演出制御用CPU120は、大当り遊技終了後に高ベース状態に制御されることを示す第1大当り終了演出を実行するための第1大当り終了演出用プロセスタイマが動作中であるか否かを判定する(図41参照)。第1大当り終了演出用プロセスタイマが動作中である場合はS1059に進み、第1大当り終了演出用プロセスタイマが動作中でない場合はS1056に進む。
S1056において演出制御用CPU120は、第1大当り終了演出用プロセステーブルを選択する。そして、選択した第1大当り終了演出用プロセステーブルのプロセスデータ1における第1大当り終了演出用プロセスタイマをスタートさせる(S1057)。
次に、演出制御用CPU120は、第1大当り終了演出の最初のプロセスデータ(プロセスデータ1)の内容(表示制御実行データ1、LED制御実行データ1、音制御実行データ1等)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての遊技効果LED9およびスピーカ8L,8R等)の制御を実行して大当り終了演出実行処理を終了する(S1058)。
S1059において演出制御用CPU120は、第2大当り終了演出用プロセステーブルを選択する。そして、選択した第2大当り終了演出用プロセステーブルのプロセスデータ1における第2大当り終了演出用プロセスタイマをスタートさせる(S1060)。
次に、演出制御用CPU120は、第2大当り終了演出の最初のプロセスデータ(プロセスデータ1)の内容(表示制御実行データ1、LED制御実行データ1、音制御実行データ1等)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての遊技効果LED9およびスピーカ8L,8R等)の制御を実行して大当り終了演出実行処理を終了する(S1061)。
S1062において演出制御用CPU120は、第1大当り終了演出用プロセスタイマがタイマアウトしたか否かを判定する。第1大当り終了演出用プロセスタイマがタイマアウトしている場合は、第1大当り終了演出用プロセスデータの切り替えを行う(S1063)。即ち、第1大当り終了演出用プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値を第1大当り終了演出用プロセスタイマに設定することによって第1大当り終了演出用プロセスタイマをあらためてスタートさせてS1065aに進む(S1064)。
S1065aでは、次に設定されている第1大当り終了演出用プロセスデータ(表示制御実行データ、LED制御実行データ、音制御実行データ等)にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更して大当り終了演出実行処理を終了する。尚、第1大当り終了演出用プロセスタイマがタイマアウトしていない場合は、設定されている第1大当り終了演出用プロセスデータ(表示制御実行データ、LED制御実行データ、音制御実行データ等)にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更して大当り終了演出実行処理を終了する(S1065b)。
S1066において演出制御用CPU120は、第2大当り終了演出用プロセスタイマがタイマアウトしたか否かを判定する。第2大当り終了演出用プロセスタイマがタイマアウトしている場合は、第2大当り終了演出用プロセスデータの切り替えを行う(S1067)。即ち、第2大当り終了演出用プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値を第2大当り終了演出用プロセスタイマに設定することによって第2大当り終了演出用プロセスタイマをあらためてスタートさせてS1069aに進む(S1068)。
S1069aでは、次に設定されている第2大当り終了演出用プロセスデータ(表示制御実行データ、LED制御実行データ、音制御実行データ等)にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更して大当り終了演出実行処理を終了する。尚、第2大当り終了演出用プロセスタイマがタイマアウトしていない場合は、設定されている第2大当り終了演出用プロセスデータ(表示制御実行データ、LED制御実行データ、音制御実行データ等)にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更して大当り終了演出実行処理を終了する(S1069b)。
また、S1070において演出制御用CPU120は、当該大当りの種別が大当りBであるか否かを判定する。大当りB以外、つまり、大当りA、大当りC、大当りD、大当りEのいずれかである場合は、演出表示装置5における第1保留記憶表示エリア5Hを非表示ストする設定を行う(S1071)。そして、始動入賞時受信コマンドバッファを参照し、第2特図保留記憶が有るか否かを判定する(S1072)。第2特図保留記憶が有る場合はS1077に進み、第2特図保留記憶が無い場合はS1073に進む。
S1073において演出制御用CPU120は、演出表示装置5における第1演出図柄の縮小表示設定を行う。そして、普通図柄に対応する第2演出図柄の変動表示を演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて行うこと許諾(許可)することを示す第2演出図柄変動許諾フラグをセットし(S1074)、第2演出図柄の初期停止図柄を演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rに表示する(S1075)。つまり、大当り遊技終了後に高ベース状態に制御される大当り遊技の終了後、第2特別図柄の保留記憶が有る場合は、特別図柄に対応する第1演出図柄が演出表示装置5の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rから該演出表示装置5の左下部(図56参照)での縮小表示に切り替えられるとともに、演出図柄表示エリア5L,5C,5Rには、普通図柄に対応する第2演出図柄が表示される。
尚、本実施例では、特別図柄に対応する第1演出図柄を描画するためのレイヤーと、普通図柄に対応する第2演出図柄を描画するレイヤー及び背景画像を描画するためのレイヤーが設けられており、これら各レイヤーを合成することによって各演出図柄を変動表示するためのエリアの切り替えや大きさの変更及び背景画像の表示を実行することが可能となっている。
また、S1070において大当りの種別が大当りBである場合、演出制御用CPU120は、演出表示装置5に第1保留記憶表示エリア5Hを表示するための設定を行ってS1077に進む。
S1077において演出制御用CPU120は、演出表示装置5における第1演出図柄の通常表示設定、つまり、特別図柄に対応する第1演出図柄を演出表示装置5の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rに表示するための設定を行い(S1077)、第2演出図柄変動許諾フラグがセットされていれば、該第2演出図柄変動許諾フラグをクリアする(S1078)。
S1075またはS1078の実行後、演出制御用CPU120は、所定のフラグをクリアし(S1079)、第1演出制御プロセスフラグの値を特別図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理に応じた値に更新して大当り終了演出処理を終了する(S1080)。
図42は、演出制御メイン処理における普通図柄演出制御プロセス処理(S707)を示すフローチャートである。普通図柄演出制御プロセス処理において演出制御用CPU120は、第2演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S806の処理を行う。
普通図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ100から普通図柄変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理で普通図柄変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。普通図柄変動パターン指定コマンドを受信しており、且つ第2演出図柄変動許諾フラグがセットされていれば、第2演出制御プロセスフラグの値を第2演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
第2演出図柄変動開始処理(S801):普通図柄の変動表示に連動して第2演出図柄(漢数字の演出図柄)の変動が開始されるように制御する。そして、第2演出制御プロセスフラグの値を第2演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
第2演出図柄変動中処理(S802):普通図柄変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、第2演出制御プロセスフラグの値を第2演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
第2演出図柄変動停止処理(S803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(普通図柄確定コマンド)を受信したことにもとづいて、第2演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、第2演出制御プロセスフラグの値を普通電動役物開放前処理(S804)または普通図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
普通電動役物開放前処理(S804):普通図柄の変動時間の終了後、演出表示装置5に当り(普図当り)の発生、つまり、普通電動役物の開放制御が行われることを報知するための画面を表示する制御を行う。そして、第2演出制御プロセスフラグの値を普通電動役物開放中処理(S805)に対応した値に更新する。
普通電動役物開放中処理(S805):普通電動役物開放中の制御を行う。例えば、第2始動入賞口入賞指定コマンドを受信したら演出保留表示ユニット30の表示を更新する処理を行う。そして、第2演出制御プロセスフラグの値を普通電動役物開放終了処理(S806)に対応した値に更新する。
普通電動役物開放終了処理(S806):普通電動役物開放中に第2始動入賞口入賞指定コマンドを受信した場合、演出保留表示ユニット30の表示が更新されたことを示す演出保留獲得演出を実行する制御を行う。そして、第2演出制御プロセスフラグの値を普通図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
図43は、普通図柄演出制御プロセス処理における普通図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理を示すフローチャートである。普通図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理では、演出制御用CPU120は、先ず、普通図柄変動パターン指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S811)。普通図柄変動パターン指定コマンド受信フラグがセットされていない場合は普通図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理を終了し、普通図柄変動パターン指定コマンド受信フラグがセットされている場合は、当該普通図柄変動パターン指定コマンド受信フラグをクリアし(S812)、第2演出図柄変動許諾フラグがセットされているか否かを判定する(S813)。第2演出図柄変動許諾フラグがセットされている場合は、第2演出制御プロセスフラグの値を第2演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に更新して普通図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理を終了する(S814)。また、第2演出図柄変動許諾フラグがセットされていない場合は、普通図柄変動表示結果指定コマンド受信フラグをクリアして普通図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理を終了する(S815)。つまり、本実施例では、第2演出図柄変動許諾フラグがセットされていない場合、すなわち、高ベース状態における第1特別図柄の変動表示が実行されていない場合は、演出表示装置5の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて第2演出図柄の変動表示が実行されない。
図44は、普通図柄演出制御プロセス処理における第2演出図柄変動開始処理を示すフローチャートである。第2演出図柄変動開始処理では、演出制御用CPU120は、先ず、普通図柄変動パターン指定コマンド格納領域から普通図柄変動パターン指定コマンドを読み出す(S820)。また、「当り(普図当り)」を示す普通図柄変動表示結果指定コマンドを受信しているか否かを判定する(S821)。「当り(普図当り)」を示す普通図柄変動表示結果指定コマンドを受信している場合はS830aに進み、「はずれ(普図はずれ)」を示す普通図柄変動表示結果指定コマンドを受信している場合はS822に進む。
S822において演出制御用CPU120は、普通図柄変動表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータに応じて第2演出図柄の停止図柄を決定する(S822)。また、普通図柄変動表示結果指定コマンド受信フラグをクリアし(S823)、普通図柄変動パターンに応じた図柄変動制御パターン(プロセステーブル)を選択する(S824)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1における第2演出図柄プロセスタイマをスタートさせる(S825)。
次に、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、LED制御実行データ1、音制御実行データ1等)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての遊技効果LED9およびスピーカ8L,8R等)の制御を実行する(S826)。例えば、演出表示装置5において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP等から成る表示制御部123に指令を出力する。また、遊技効果LED9の点灯/消灯制御を行わせるために、LED制御基板14等に対して制御信号を出力する。また、スピーカ8L,8Rからの音声出力を行わせるために、音声制御基板13に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、第2演出図柄変動時間タイマに、普通図柄変動パターン指定コマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S827)、第2演出図柄変動制御タイマに、所定時間に相当する値を設定する(S828)。また、第2演出制御プロセスフラグの値を第2演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新して第一演出図柄変動開始処理を終了する(S829)。
また、S830aにおいて演出制御用CPU120は、第2特図保留記憶数を特定し、該第2特図保留記憶数が最大数である4であるか否かを判定する(S830b)。第2特図保留記憶数が3以下である場合は、S822〜S829の処理を実行することで「当り(普図当り)」となる第2演出図柄の変動表示を開始する。第2特図保留記憶数が最大数である4である場合は、第2演出図柄の停止図柄を「はずれ(普図はずれ)」を示す組合せに決定する(S831)。
次いで、演出制御用CPU120は、普通図柄変動表示結果指定コマンド受信フラグをクリアし(S832)、普通図柄変動パターンに応じたはずれの図柄変動制御パターン(プロセステーブル)を選択する(S833)。そして、既に演出保留表示ユニット30に表示されている保留表示数が上限である4に達していることを示す保留上限はずれフラグをセットしてS825〜S829の処理を実行することで、「はずれ」を示す組合せで導出表示される第2演出図柄の変動表示を開始する。
図45は、普通図柄演出制御プロセス処理における第2演出図柄変動中処理(S802)を示すフローチャートである。第2演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU120は、先ず、高ベース終了演出開始準備期間フラグがセットされているか否かを判定する(S840A)。高ベース終了演出開始準備期間フラグがセットされている場合はS851に進み、高ベース終了演出開始準備期間フラグがセットされていない場合は、第2演出図柄プロセスタイマ、第2演出図柄変動時間タイマ、第2演出図柄変動制御タイマのそれぞれの値を−1する(S840B,S840C,S840D)。
そして、演出制御用CPU120は、第2演出図柄プロセスタイマがタイマアウトしたか否か確認する(S841)。第2演出図柄プロセスタイマがタイマアウトしていたら、プロセスデータの切り替えを行う(S842)。即ち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値を第2演出図柄プロセスタイマに設定することによって第2演出図柄プロセスタイマをあらためてスタートさせる(S843)。また、その次に設定されている第2演出図柄プロセスデータ(表示制御実行データ、LED制御実行データ、音制御実行データ等)にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更してS846に進む(S844)。尚、第2演出図柄プロセスタイマがタイマアウトしていない場合は、設定されている第2演出図柄プロセスデータ(表示制御実行データ、LED制御実行データ、音制御実行データ等)にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更してS846に進む(S845)。
次に、第2演出図柄変動制御タイマがタイマアウトしているか否かを判定する(S846)。第2演出図柄変動制御タイマがタイマアウトしている場合には、演出制御用CPU120は、左中右の第2演出図柄の次表示画面(前回の第2演出図柄の表示切り替え時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(S847)。そのようにして、演出表示装置5において、第2演出図柄の変動制御が実現される。表示制御部123は、設定されている背景画像等の所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を演出表示装置5に出力する。そのようにして、演出表示装置5において、第2演出図柄の変動における背景画像、キャラクタ画像及び演出図柄が表示される。また、第2演出図柄変動制御タイマに所定値を再セットしてS851に進む(S849)。尚、第2演出図柄プロセスタイマがタイマアウトしていない場合はS847〜S849を実行せずにS851に進む。
S851において演出制御用CPU120は、第2演出図柄変動時間タイマがタイマアウトしているか否かを判定する。第2演出図柄変動時間タイマがタイマアウトしていれば、第2演出制御プロセスフラグの値を第2演出図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新する(S853)。第2演出図柄変動時間タイマがタイマアウトしていなくても、普通図柄確定指定コマンドを受信したことを示す普通図柄確定コマンド受信フラグがセットされていたら(S852;Y)、普通図柄確定コマンド受信フラグをクリアして(S852a)、第2演出制御プロセスフラグの値を第2演出図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新する(S853)。第2演出図柄変動時間タイマがタイマアウトしていなくても普通図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す普通図柄変動パターン指定コマンドを受信したような場合でも、正規の普通図柄の変動時間経過時(普通図柄の変動終了時)に、第2演出図柄の変動を終了させることができる。
尚、第2演出図柄の変動制御に用いられているプロセステーブルには、第2演出図柄の変動表示中のプロセスデータが設定されている。つまり、プロセステーブルにおけるプロセスデータ1〜nの第2演出図柄プロセスタイマ設定値の和は第2演出図柄の変動時間に相当する。よって、S851の処理において最後のプロセスデータnの第2演出図柄プロセスタイマがタイマアウトしたときには、切り替えるべきプロセスデータ(表示制御実行データやLED制御実行データ等)はなく、プロセステーブルにもとづく第2演出図柄の演出制御は終了する。
図46は、普通図柄演出制御プロセス処理における第2演出図柄停止処理(S803)を示すフローチャートである。第2演出図柄停止処理において、演出制御用CPU120は、先ず、第2演出図柄停止期間タイマが動作中であるか否かを判定する(S861)。第2演出図柄停止期間タイマが動作中でない場合、演出制御用CPU120は、予め決定されている第2演出図柄の停止図柄を導出表示し(S862)、第2演出図柄停止期間タイマに第2演出図柄停止期間に応じた値をセットして第2演出図柄変動停止処理を終了する(S863)。また、第2演出図柄停止期間タイマが動作中である場合は、第2演出図柄停止期間タイマの値を−1し(S864)、第2演出図柄停止期間タイマがタイマアップしたか否かを判定する(S865a)。第2演出図柄停止期間タイマがタイマアップしていない場合は第2演出図柄変動停止処理を終了し、第2演出図柄停止期間タイマがタイマアップした場合は、高ベース終了時演出実行中フラグがセットされているか否かを判定する(S965b)。高ベース終了時演出実行中フラグがセットされている場合は第2演出図柄変動許諾フラグをクリアしてS869に進み(S965c)、高ベース終了時演出実行中フラグがセットされていない場合は、受信している普通図柄変動表示結果指定コマンドを参照して変動表示結果が当りであるか否かを判定する(S866)。
変動表示結果が当りである場合は、第2演出制御プロセスフラグの値を普通電動役物開放前処理に応じた値に更新して第2演出図柄変動停止処理を終了する(S868)。また、変動表示結果が当りでない場合は、保留上限はずれフラグがセットされているか否かを判定する(S867)。保留上限はずれフラグがセットされている場合は、第2演出制御プロセスフラグの値を普通電動役物開放前処理に応じた値に更新して第2演出図柄変動停止処理を終了する(S868)。また、保留上限はずれフラグがセットされていない場合は、S869に進む。
そしてS869において演出制御用CPU120は、第2演出制御プロセスフラグの値を普通図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理に応じた値に更新して第2演出図柄変動停止処理を終了する。
図47は、普通図柄演出制御プロセス処理における普通電動役物開放前処理(S804)を示すフローチャートである。普通電動役物開放前処理において、演出制御用CPU120は、先ず、保留上限はずれフラグがセットされているか否かを判定する(S871)。保留上限はずれフラグがセットされていない場合は、開放中演出を実行するためのプロセステーブルとして、第2演出図柄が当りを示す組合せで導出表示されたことにより第2始動入賞口が開放されていることを報知する当り用の開放中演出用プロセステーブルを選択してS875に進む。また、保留上限はずれフラグがセットされている場合は、開放中演出を実行するためのプロセステーブルとして、第2演出図柄がはずれを示す組合せで導出表示されたことにより第2始動入賞口が開放されていることを報知しないはずれ用の開放中演出用プロセステーブルを選択してS875に進む(S874)。
S875において演出制御用CPU120は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1における開放中演出制御プロセスタイマをスタートさせる(S875)。
次に、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、LED制御実行データ1、音制御実行データ1等)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての遊技効果LED9およびスピーカ8L,8R等)の制御を実行する(S876)。例えば、演出表示装置5において画像を表示させるために、VDP等から成る表示制御部123に指令を出力する。また、遊技効果LED9の点灯/消灯制御を行わせるために、LED制御基板14等に対して制御信号を出力する。また、スピーカ8L,8Rからの音声出力を行わせるために、音声制御基板13に対して制御信号(音番号データ)を出力する。そして、第2演出制御プロセスフラグの値を普通電動役物開放中処理(S805)に対応した値に更新して第一演出図柄変動開始処理を終了する(S877)。
図48は、普通図柄演出制御プロセス処理における普通電動役物開放中処理(S805)を示すフローチャートである。普通電動役物開放前処理において、演出制御用CPU120は、先ず、開放中演出制御プロセスタイマを−1し(S881)、開放中演出制御プロセスタイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S882)。開放中演出制御プロセスタイマがタイマアウトした場合、演出制御用CPU120は、タイマアウトした開放中演出制御プロセスタイマが最後の開放中演出制御プロセスタイマであるか否かを判定する(S883)。タイマアウトした開放中演出制御プロセスタイマが最後の開放中演出制御プロセスタイマである場合はS896に進み、タイマアウトした開放中演出制御プロセスタイマが最後の開放中演出制御プロセスタイマでない場合は、プロセスデータの切り替えを行う(S884)。即ち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値を開放中演出制御プロセスタイマに設定することによって開放中演出制御プロセスタイマをあらためてスタートさせる(S885)。また、その次に設定されている開放中演出制御プロセスデータ(表示制御実行データ、LED制御実行データ、音制御実行データ等)にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更してS887に進む(S886a)。尚、開放中演出制御プロセスタイマがタイマアウトしていない場合は、設定されている開放中演出制御プロセスデータ(表示制御実行データ、LED制御実行データ、音制御実行データ等)にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更してS887に進む(S886b)。
S887において演出制御用CPU120は、第2始動入賞口入賞指定コマンド受信フラグがセットされているか否か、つまり、第2始動入賞口入賞指定コマンドを受信しているか否かを判定する。第2始動入賞口入賞指定コマンドを受信している場合はS888aに進み、第2始動入賞口入賞指定コマンドを受信していない場合は普通電動役物開放中処理を終了する。
S888aにおいて演出制御用CPU120は、保留上限はずれフラグがセットされているか否かを判定する。保留上限はずれフラグがセットされている場合は普通電動役物開放中処理を終了し、保留上限はずれフラグがセットされていない場合はS888bに進む。
S888bにおいて演出制御用CPU120は、第2始動入賞口入賞指定コマンド受信フラグをクリアし、受信した第2特図保留記憶数通知コマンドに基づいて始動入賞時受信コマンドバッファにおける第2特図保留記憶を更新する(S889)。また、演出保留表示ユニット30における保留表示数を更新表示する(S890)。
次いで、演出制御用CPU120は、S887において第2始動入賞口入賞指定コマンドを受信したこと、つまり、第2始動入賞口への入賞が発生したことにより演出保留表示が増加した(演出保留表示を獲得した)ことを示す演出保留獲得演出を実行中であることを示す演出保留獲得演出実行中フラグがセットされているか否かを判定する(S891)。演出保留獲得演出実行中フラグがセットされている場合はS893に進み、演出保留獲得演出実行中フラグがセットされていない場合は、演出保留獲得演出実行中フラグをセットしてS893に進む(S892)。
S893において演出制御用CPU120は、普通電動役物開放終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否か、つまり、普通電動役物開放終了指定コマンドを受信したか否かを判定する。普通電動役物開放終了指定コマンド受信フラグがセットされていない場合は普通電動役物開放中処理を終了し、普通電動役物開放終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合は、普通電動役物開放終了指定コマンド受信フラグをクリアし(S894)、実行中の開放中演出の終了設定を行ってS896に進む(S895)。
S896において演出制御用CPU120は、第2演出制御プロセスフラグの値を普通電動役物開放終了処理に応じた値に更新する。また、保留上限はずれフラグがセットされていたら、該保留上限はずれフラグをクリアして普通電動役物開放中処理を終了する(S897)。このように、本実施例における普通電動役物開放中処理では、保留上限はずれフラグがセットされている場合、つまり、すでに第2特図保留記憶数が上限である4に達している場合は、新たに第2始動入賞口に遊技球が入賞しても演出保留獲得演出を実行しないようになっている。
図49は、普通図柄演出制御プロセス処理における普通電動役物開放終了処理(S806)を示すフローチャートである。普通電動役物開放終了処理において、演出制御用CPU120は、先ず、演出保留獲得演出実行中フラグがセットされているか否かを判定する(S901)。演出保留獲得演出実行中フラグがセットされていない場合は普通電動役物開放終了処理を終了し、演出保留獲得演出実行中フラグがセットされている場合は、演出保留獲得演出実行中処理を実行することで演出保留獲得演出を実行する(S902)。
S902の実行後、演出制御用CPU120は、演出保留獲得演出の終了タイミングであるか否かを判定する(S903)。演出保留獲得演出の終了タイミングでない場合は普通電動役物開放終了処理を終了し、演出保留獲得演出の終了タイミングである場合は、演出保留獲得演出実行中フラグをクリアする(S904)。そして、第2演出制御プロセスフラグの値を普通図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理に応じた値に更新して普通電動役物開放終了処理を終了する(S905)。
図50は、演出制御メイン処理における特別図柄非変動時演出処理(S708)を示すフローチャートである。特別図柄非変動時演出処理において、演出制御用CPU120は、先ず、第1演出制御プロセスフラグの値が特別図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理に応じた値であるか否かを判定する(S601)。第1演出制御プロセスフラグの値が特別図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理に応じた値である場合、つまり、大当り遊技中や小当り遊技中ではなく、且つ特別図柄の変動表示が行われていない場合はS602に進み、第1演出制御プロセスフラグの値が特別図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理以外の処理に応じた値である場合、つまり、特別図柄の変動中、大当り遊技中、小当り遊技中のいずれかである場合はS613に進む。
S602において演出制御用CPU120は、前回受信した遊技状態指定コマンドが示す遊技状態を参照する等して遊技状態が高ベース状態であるか否かを判定する。遊技状態が高ベース状態である場合はS608に進み、遊技状態が低ベース状態である場合はS603に進む。S603において演出制御用CPU120は、客待ちデモ演出を実行中であることを示す客待ちデモ演出実行中フラグがセットされているか否かを判定する。客待ちデモ演出実行中フラグがセットされている場合はS607に進み、客待ちデモ演出実行中フラグがセットされていない場合は、更に客待ちデモ指定コマンド受信フラグがセットされているか否か、つまり、客待ちデモ指定コマンドを受信しているか否かを判定する(S604)。客待ちデモ指定コマンド受信フラグがセットされていない場合は特別図柄非変動時演出処理を終了し、客待ちデモ指定コマンド受信フラグがセットされている場合は客待ちデモ指定コマンド受信フラグをクリアする(S605)。そして、客待ちデモ演出を実行中であることを示す客待ちデモ演出実行中フラグをセットしてS607に進む。
S607において演出制御用CPU120は、客待ちデモ演出実行処理を実行することで、客待ちデモ演出を実行し、特別図柄非変動時演出処理を終了する。尚、客待ちデモ演出としては、当該パチンコ遊技機1における演出の紹介や遊技説明等の画像を演出表示装置5において表示すればよい。
S608において演出制御用CPU120は、第1特別図柄変動開始待ち演出を実行中であることを示す第1特別図柄変動開始待ち演出実行中フラグをセットする。第1特別図柄変動開始待ち演出実行中フラグがセットされている場合はS612に進み、第1特別図柄変動開始待ち演出実行中フラグがセットされていない場合はS609に進む。そして、S609において演出制御用CPU120は、始動入賞時受信コマンドバッファに記憶されている第1特図保留記憶と第2特図保留記憶とを参照することで第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを特定し、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とがいずれも0であるか否かを判定する(S610)。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数との少なくともいずれか一方が1以上である場合は特別図柄非片同時演出処理を終了し、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とがいずれも0である場合は第1特別図柄変動開始待ち演出実行中フラグをセットし、S612に進む(S611)。
S612において演出制御用CPU120は、第1特別図柄変動開始待ち演出実行処理を実行することで、未だ第1特別図柄の変動表示が開始されていないことを報知し、特別図柄片同時演出処理を終了する。
また、S613において演出制御用CPU120は、客待ちデモ演出実行中フラグがセットされているか否かを判定する。客待ちデモ演出実行中フラグがセットされていない場合はS616に進む。また、客待ちデモ演出実行中フラグがセットされている場合は、実行中の客待ちデモ演出を終了し(S614)更に客待ちデモ演出実行中フラグをクリアしてS616に進む(S615)。
S616において演出制御用CPU120は、第1特別図柄変動開始待ち演出実行中フラグがセットされているか否かを判定する。第1特別図柄変動開始待ち演出実行中フラグがセットされて以内場合は特別図柄非片同時演出処理を終了し、第1特別図柄変動開始待ち演出実行中フラグがセットされている場合は、第1特別図柄変動開始待ち演出を終了すする(S617)。そして、第1特別図柄変動開始待ち演出実行中フラグをクリアして特別図柄変動時演出処理を終了する(S618)。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の遊技性について図51に基づいて説明する。図51に示すように、本実施例におけるパチンコ遊技機1では、先ず、低ベース状態(通常状態)において遊技球を左遊技領域に打ち出して第1始動入賞口に遊技球を入賞させることにより第1特別図柄の変動表示が実行される。尚、該低ベース状態においては、演出表示装置5の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて第1特別図柄に対応する第1演出図柄の変動表示が実行される。第1特別図柄の変動表示において変動表示結果が「はずれ」となった場合は、更に第1始動入賞口に遊技球を入賞させることによって第1特別図柄と第1演出図柄の変動表示が繰り返し実行される。
そして、第1特別図柄の変動表示結果として「大当り」となり、該「大当り」の大当り種別が「大当りA」であった場合は、大当り遊技終了後に高ベース制御が開始されることによってチャンスタイムに突入する。一方、第1特別図柄の変動表示結果として「大当り」となり、該「大当り」の大当り種別が「大当りB」であった場合は、大当り遊技終了後に遊技状態が低ベース状態に制御されることによって再び第1始動入賞口に遊技球を入賞させることにより第1特別図柄の変動表示が実行される。
チャンスタイムとは、第1特別図柄の変動表示が、遊技状態が低ベース状態である場合よりも特図変動時間が長い変動パターン(ロング変動パターン:図10(A)に示すTPA1−4〜TPA1−6、TPB1−1〜TPB1−3)で1回実行される期間であり、遊技状態が高ベース状態に制御されてから当該第1特別図柄の変動表示の終了時までの期間を指す。
当該高ベース状態では、遊技球を右遊技領域に打ち出す。このとき右遊技領域に打ち出された一部の遊技球は、振分装置300に進入することによって普通入賞球装置6A’(第1始動入賞口)側と通過ゲート41及び普通可変入賞球装置6B(第2始動入賞口)側に振り分けられる。尚、このとき普通入賞球装置6A’に遊技球が進入(第1始動入賞口に入賞)することで第1特図保留記憶が発生するので、第1特図保留記憶が0の状態で高ベース状態に制御された場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行うことができるようになっている。
そして、遊技球が通過ゲート41を通過することによって普通図柄の変動表示が実行される。尚、該高ベース状態においては、演出表示装置5の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて普通図柄に対応する第2演出図柄の変動表示が実行される。普通図柄の変動表示において変動表示結果が「はずれ」となった場合は、更に遊技球が通過ゲート41を通過することによって普通図柄と第2演出図柄の変動表示が繰り返し実行される。
普通図柄の変動表示結果として「当り(普図当り)」となった場合は、板体60が遊技盤の正面側から退避する(普通電動役物が開放される)ことによって第2始動入賞口に遊技球が入賞可能な状態となる。そして、振分装置300によって通過ゲート41及び普通可変入賞球装置6B側に振り分けられた遊技球の一部が第2始動入賞口に入賞した場合は、第2特図保留記憶が発生する。
高ベース状態における第1特別図柄の1回の変動表示が終了した後は、遊技状態が低ベース状態に制御される。そして、チャンスタイム中に発生した第2特図保留記憶数が0であれば再び遊技球を左遊技領域に打ち出すことによって第1特別図柄の変動表示が実行される。また、チャンスタイム中に発生した第2特図保留記憶数が1以上である場合は、チャンスタイム中に発生した第2特図保留記憶数分の第2特別図柄の変動表示が実行されて大当り遊技を繰り返すラッシュゾーンに突入する。
具体的には、第2特別図柄の変動表示が実行されて変動表示結果が「大当り」であり且つ大当り種別が「大当りC」となる場合は、該大当りCの大当り遊技が実行される。また、第2特別図柄の変動表示が実行されて該変動表示結果が「小当り」となる場合は、小当り遊技として第2大入賞口712の開放が繰り返し行われる。この第2大入賞口712の開放中に右遊技領域に遊技球を打ち出すことによって遊技球が第3カウントスイッチ24Bに検出されると、小当り種別に応じた大当り遊技(大当りDまたは大当りEの大当り遊技)が実行される。
大当りC〜大当りEの大当り遊技終了後は必ず高ベース状態に制御されるので、大当り遊技終了後に第2特図保留記憶数が0である場合は、再びチャンスタイムに突入する。以降、チャンスタイム中に第2特図保留記憶数が発生した場合は、チャンスタイムとラッシュゾーンが繰り返し実行される。
尚、図52(A)及び図52(B)に示すように、大当りA、大当りC、大当りD、大当りEの大当り遊技終了時に第1特図保留記憶が有る状態で高ベース状態に制御される(チャンスタイムに突入する)場合は、演出表示装置5の左下部において特別図柄に対応する第1演出図柄の変動表示が開始されるとともに、演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて普通図柄に対応する第2演出図柄の初期停止図柄の表示が開始される。更に、カウントダウン表示装置400において第1特別図柄の特図変動時間に応じた高ベース終了時演出開始タイミング1までのカウントダウンが開始される。
また、図52(C)及び図52(D)に示すように、大当りA、大当りC、大当りD、大当りEの大当り遊技終了時に第1特図保留記憶が無い状態で高ベース状態に制御される(チャンスタイムに突入する)場合は、演出表示装置5の左下部において特別図柄に対応する第1演出図柄の停止図柄が表示されるとともに、演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて普通図柄に対応する第2演出図柄の初期停止図柄の表示が開始される。また、演出表示装置5には未だ高ベース状態における第1特別図柄の変動表示が開始されていない旨(図52(D)に示す「チャンスタイム準備中」)の表示が開始され、カウントダウン表示装置400では、第1特別図柄変動開始待ち演出として全セグメントの点滅が実行される。
尚、このように第1特別図柄保留記憶が無い状態で高ベース状態に制御されてから第1始動入賞口に遊技球が進入した場合は、演出表示装置5の左下部において特別図柄に対応する第1演出図柄の変動表示が開始されるとともに、未だ高ベース状態における第1特別図柄の変動表示が開始されていない旨の表示が終了する。そして、カウントダウン表示装置400において第1特別図柄の特図変動時間に応じた高ベース終了時演出開始タイミング1までのカウントダウンが開始される。
図53(A)に示すように、大当り遊技中においても遊技球の一部は振分装置300によって通過ゲート41に振り分けられるので、該通過ゲート41を遊技球が通過したことに基づいて普通図柄の変動表示が実行されている場合がある。しかしながら本実施例では、大当り遊技が終了した時点では普通図柄の変動表示に応じた第2演出図柄のプロセステーブルが選択されていないため、大当り遊技が終了した時点で普通図柄の変動表示が実行されている場合には、演出表示装置5に第2演出図柄の初期停止図柄が表示される。そして、該第2演出図柄の変動表示は、実行中の普通図柄の変動表示が終了した後、次の普通図柄の変動表示に連動して開始される。
尚、図53(B)に示すように、大当り遊技が終了した時点で変動表示結果が「当り(普図当り)」となる普通図柄の変動表示が実行されている場合は、大当り遊技が終了してから普通電動役物(板体60)の駆動によって第2始動入賞口の開放が終了するまでの期間に亘って演出表示装置5に第2演出図柄の初期停止図柄が表示され、普通図柄の変動表示結果が「当り」となったことや第2始動入賞口が開放されたこと、第2始動入賞口に遊技球が入賞したことが報知されず、第2始動入賞口に遊技球が入賞したことに応じて演出保留表示ユニット30の表示も更新されない。
このため、高ベース状態における第1特別図柄の変動表示中において演出保留表示ユニット30に表示されている演出保留表示数が0であっても、高ベース終了時演出(バトル演出)の演出結果として実行中の第1特別図柄の変動表示の終了後に第2特別図柄の変動表示が開始されることに遊技を注目させることが可能となっている。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1での高ベース状態における演出表示装置5とカウントダウン表示装置400との表示態様について図56に基づいて説明する。
先ず、図56(A)及び図56(B)に示すように、高ベース状態において第2特図保留記憶数が0のまま第1特別図柄の変動表示時間が高ベース終了時演出開始タイミング1に到達すると、残りの普図変動時間にかかわらず第2演出図柄が停止表示される。
第1特別図柄の変動表示時間が高ベース終了時演出開始タイミング2に到達すると、図56(C)及び図56(D)に示すように、高ベース終了時演出としてバトル演出の前半部分の表示が開始される。そして、該バトル演出の前半部分の表示中に第2特図保留記憶数が増加しなかった場合、つまり、普図当りが発生して開放された第2始動入賞口に遊技球が入賞しなかった場合は、図56(E)に示すように、バトル演出の後半部分の表示(対戦敗北演出)が実行される。
該対戦敗北演出中に第2特図保留記憶数が増加しなかった場合は、そのまま第1特別図柄の変動表示が終了(バトル演出が終了)することによって遊技球を左遊技領域に打ち出すことで普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に遊技球を入賞させる低ベース状態に制御される一方で、該対戦敗北演出中に第2特図保留記憶数が増加した場合は、図56(F)に示すように、演出表示装置5に復活演出として復活用画像が表示される。そして、第1特別図柄の変動表示が終了(バトル演出が終了)した後は、第2特別図柄の変動表示が実行されるラッシュゾーンに突入する。
以上、本変形例においては、大当り遊技終了後に高ベース状態に制御される際に第1特図保留記憶が記憶されている場合は、演出表示装置5の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて第2演出図柄の変動表示が開始され、演出表示装置5の左下部において第1演出図柄の変動表示が開始され、カウントダウン表示装置400において高ベース終了時演出開始タイミング1までのカウントダウン表示が開始される。一方で、大当り遊技終了後に高ベース状態に制御される際に第1特図保留記憶が記憶されていない場合は、演出表示装置5に未だ高ベース状態における第1特別図柄の変動表示が開始されていない旨(図52(D)に示す「チャンスタイム準備中」)を表示するとともに、カウントダウン表示装置400の全てのセグメントを点滅させ、遊技者に対して普通入賞球装置6A’が形成する第1始動入賞口に遊技球を入賞させるよう促すことで、遊技興趣を向上できる。
尚、本実施例では、大当り遊技終了後に高ベース状態に制御される際の第1特図保留記憶数の有無に応じて演出表示装置5及びカウントダウン表示装置400に表示される演出が異なる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、大当り遊技終了後に高ベース状態に制御される際に第1特図保留記憶数が記憶されていない場合は、演出表示装置5やカウントダウン表示装置400において何ら演出を実行しないようにしてもよいし、スピーカ8L,8Rから出力される音声や遊技効果LED9の発光態様、演出表示装置5に表示される背景画像等が大当り遊技終了後に高ベース状態に制御される際に第1特図保留記憶数が記憶されている場合と異なっていてもよい。
また、本実施例におけるパチンコ遊技機1においては、図23及び図25に示すように、高ベース状態においては、第1特別図柄の変動パターンを特図変動時間が異なる複数の変動パターンから決定することによって、高ベース状態に制御されている期間、すなわち、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となることで遊技球が第2始動入賞口に第1電動役物作動時間よりも長時間である第2電動役物作動時間に亘って入賞可能となる期間が決定されるので、高ベース状態における第1特別図柄の変動パターンがどの変動パターンに決定されるかに遊技者を注目させることができ、遊技興趣を向上できる。
尚、本実施例では、高ベース状態における第1特別図柄の変動パターンを複数の変動パターンから決定する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、高ベース状態における第1特別図柄の変動パターンは、非抽選で一義的に決定してもよい。このようにすることで、第1特別図柄の変動パターンの特図変動時間内に「普図当り」が発生する回数に遊技者をより注目させることができるので、遊技興趣を向上できる。また、第1特別図柄の変動パターンを決定するための抽選を実行する必要が無いので、演出制御用CPU120が実行する処理を簡略化できる。更には、高ベース状態に制御されている期間を遊技者が把握しやすくなるので、どのタイミングで第1特別図柄の変動表示が終了して低ベース状態に制御されるのかを分かり易くでき、遊技者に安心感を与えることができる。
また、始動入賞時受信コマンドバッファに記憶されている第2特図保留記憶数に応じた演出保留表示を表示可能な演出保留表示ユニット30を設けることで、遊技者が第2特図保留記憶数を把握しやすくなるので、遊技の興趣を向上できる。
尚、本実施例では、始動入賞時受信コマンドバッファに記憶されている第2特図保留記憶数に応じた演出保留表示を演出保留表示ユニット30に表示する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出保留表示ユニット30に替えて、演出表示装置5に第2特図保留記憶数に応じた保留表示を表示可能な第2保留記憶表示エリアを設けてもよい。
また、図44に示すように、高ベース状態において第2特図保留記憶数が上限値である4に達していないときに「普図当り」が発生する場合は、第2演出図柄を「普図当り」の組合せで導出表示し、高ベース状態において第2特図保留記憶数が上限値である4に達しているときに「普図当り」が発生する場合は、第2演出図柄を「普図はずれ」の組合せで導出表示することで、第2演出図柄の変動表示を適切に制御することができる。
また、本実施例では、高ベース状態において第2特図保留記憶数が上限値である4に達しているときに「普図当り」が発生する場合は、第2演出図柄を「普図はずれ」の組合せで導出表示する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、高ベース状態において第2特図保留記憶数が上限値である4に達しているときに「普図当り」が発生する場合は、第2演出図柄変動停止処理を実行せずに次の第2演出図柄の変動表示を開始することで第2演出図柄を「普図当り」を示す組合せで導出表示させないようにしてもよいし、また、第2演出図柄を第2特図保留記憶数が3以下である場合よりも小さく表示することで、遊技者から目立たないように2演出図柄を「普図当り」を示す組合せで導出表示させてもよい。
また、図48に示すように、保留上限はずれフラグがセットされている場合、つまり、既に第2特図保留記憶数が上限である4に達している場合は、新たに第2始動入賞口に遊技球が入賞しても演出保留獲得演出を実行しないようになっているので、第2特図保留記憶数が上限に達しているにもかかわらず演出保留獲得演出が実行されて遊技者に第2特図保留記憶数が更に増加したと誤解を与える、つまり、不自然な演出が実行されることによる遊技興趣の低下を防ぐことができる。
また、図36、図37及び図55に示すように、高ベース終了時演出としてバトル演出を実行する場合、該バトル演出の前半部分の実行中に第2始動入賞口に遊技球が入賞すると、バトル演出の後半部分で対戦勝利演出が実行され、変動表示結果が大当りまたは小当りとなる第2特別図柄の変動表示が実行されることが示唆される一方で、該バトル演出の前半部分の実行中に第2始動入賞口が発生せず、バトル演出の後半部分で対戦敗北演出の実行中に第2始動入賞口に遊技球が入賞すると、該対戦敗北演出に重ねて表示される復活用画像にて変動表示結果が大当りまたは小当りとなる第2特別図柄の変動表示が実行されることが示唆される、つまり、バトル演出の実行中に第2始動入賞口に遊技球が入賞するタイミングに応じて異なる演出態様で変動表示結果が大当りまたは小当りとなる第2特別図柄の変動表示が実行されることが示唆されるので、遊技興趣を向上できる。
尚、本実施例では、高ベース終了時演出としてバトル演出を実行する場合、該バトル演出の実行中に始動入賞口に遊技球が入賞するタイミングに応じて異なる演出態様にて変動表示結果が大当りまたは小当りとなる第2特別図柄の変動表示が実行されることを示唆する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、高ベース終了時演出としてバトル演出を実行する場合は、該バトル演出の実行中に「普図当り」が発生するタイミングに応じて異なる演出態様にて変動表示結果が大当りまたは小当りとなる第2特別図柄の変動表示が実行されることを示唆してもよい。
尚、本実施例では、高ベース終了時演出において、遊技者にとって有利な内容として変動表示結果が大当りまたは小当りとなる第2特別図柄の変動表示が実行されることが示唆を示唆する形態を例示したが、遊技者にとって有利な内容としては、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となること、第2特別図柄の変動表示結果が「大当り」となることを報知してもよい。また、高ベース状態に制御される特別図柄の変動回数が複数回に設定されている場合は、遊技者にとって有利な内容として、実行中の第1特別図柄の変動表示の終了後に高ベース状態が継続すること、高ベース状態に制御されている残り時間、高ベース状態に制御されている残りの特別図柄の変動回数を追加報知してもよい。
また、本実施例では、図53(B)に示すように、大当り遊技が終了した時点で変動表示結果が「当り(普図当り)」となる普通図柄の変動表示が実行されている場合は、大当り遊技が終了してから普通電動役物(板体60)の駆動によって第2始動入賞口の開放が終了するまでの期間に亘って、演出表示装置5に「当り(普図当り)」を示す組合せとは異なる第2演出図柄の初期停止図柄が表示されるので、第2演出図柄の表示を開始した時点から第2演出図柄の変動表示を普通図柄に連動させて途中から実行する等の処理を実行する必要がなく、第2演出図柄の変動表示にかかる制御負荷を低減できる上、第2演出図柄の変動表示を適切に制御することができる。
また、本実施例では、高ベース状態における高ベース終了時演出の開始前においては、第2始動入賞口に遊技球が進入することで演出保留獲得演出が実行されるが、高ベース状態における高ベース終了時演出の開始後は、第2演出図柄変動許諾フラグがクリアされることによって演出保留獲得演出を実行するための普通電動役物開放中処理や普通電動役物開放終了処理が実行されなくなることで、演出保留獲得演出が実行されなくなるので、高ベース終了時演出の実行中に演出保留獲得演出が実行されることによって高ベース終了時演出の演出効果が低下してしまうことを防ぐことができる。
尚、本実施例では、高ベース状態における高ベース終了時演出の開始前は演出保留獲得演出を実行可能とする一方で、高ベース状態における高ベース終了時演出の開始後は演出保留獲得演出を実行しない形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、高ベース状態における高ベース終了時演出の開始前と高ベース終了時演出の開始後とで異なる演出態様にて演出保留獲得演出を実行可能としてもよい。
また、高ベース状態において対戦敗北演出が実行され、遊技球を左遊技領域に打ち出す旨の指示が表示されている状態で第2始動入賞口に遊技球が進入する場合は、復活用画像によって遊技球を左遊技領域に打ち出す旨の指示の表示が規制されるので、不適切に遊技球を左遊技領域に打ち出す旨の指示が表示されることを防ぐことができる。
また、図53(B)に示すように、大当り遊技が終了した時点で普通図柄の変動表示が実行されている場合は、大当り遊技が終了してから次の普通図柄の変動表示が開始されるまでの期間に亘って演出表示装置5に第2演出図柄の初期停止図柄が表示され、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことや「普図はずれ」となったことが第2演出図柄によって報知(導出表示)されないので、第2演出図柄の変動表示を適切に制御することができる。尚、大当り遊技が終了した時点で普通図柄の変動表示が実行されている場合に該普通図柄の変動表示に連動して第2演出図柄の変動表示を実行しない本発明については、本実施例に示す大入賞口(第1大入賞口や第2大入賞口712)に遊技球を入賞させることで主に賞球を得ていく遊技性のパチンコ遊技機に限らず、普通入賞口や始動入賞口(第1始動入賞口や第2始動入賞口)に遊技球を入賞させることで主に賞球を得ていく遊技性のパチンコ遊技機においても適用可能である。
特に、遊技状態が高ベース状態に制御された時点で既に実行されている普通図柄の変動表示については、該普通図柄の変動表示に連動して第2演出図柄の変動表示を実行しないようになっているので、遊技状態が高ベース状態に制御されてから不自然な第2演出図柄の変動表示が実行されてしまうことを防ぐことができる。
また、遊技状態が高ベース状態に制御された時点で既に実行されている普通図柄の変動表示については、該普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったとしても開放中演出及び演出保留獲得演出が実行されないので、第2演出図柄が「普図当り」の組合せで導出表示されていないのに開放中演出や演出保留獲得演出が実行されて、演出が不自然になってしまうことを防ぐことができる。
尚、本実施例では、遊技状態が高ベース状態に制御された時点で既に実行されている普通図柄の変動表示については、該普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったとしても開放中演出及び演出保留獲得演出が実行されない形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技状態が高ベース状態に制御された時点で既に実行されている普通図柄の変動表示については、該普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となった場合には開放中演出及び演出保留獲得演出のどちらか一方のみを実行してもよい。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、図55(C)に示すように、高ベース状態の第1特別図柄の変動表示中におけるバトル演出の開始前に第2始動入賞が発生せず、且つ対戦敗北演出の実行中に普図当りが発生し、該普図当りに基づく普通電動役物(板体60)の開放によって第2始動入賞口に遊技球が入賞した場合は、対戦敗北演出の画像に重ねて演出表示装置5に復活用画像を表示する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、変形例1として図57及び図58に示すように、敗北演出の終了(高ベース状態における第1特別図柄の変動表示の終了)直前に普図当りが発生したことに基づいて該敗北演出の終了直前から遊技状態が低ベース状態に制御された後の期間にかけて普通電動役物(板体60)が開放され、遊技状態が低ベース状態に制御されてから(背景画像表示処理(S709)が実行されることによって演出表示装置5に表示されている背景画像が低ベース状態を示す画像(例えば、「昼」の画像)に切り替えられてから)第2始動入賞口に遊技球が入賞した場合は、該低ベース状態中に第2始動入賞口に遊技球が進入したことに基づいて復活用画像を表示してもよい。尚、復活用画像を表示した際に第1特別図柄の変動表示中である場合は、該第1特別図柄の変動表示の終了後にラッシュゾーンに再突入し、第2特別図柄の変動表示を実行すればよい。このように、バトル演出が終了した後に第2始動入賞口に遊技球が進入した場合に復活用画像を表示することで、大当り遊技終了後に高ベース状態に制御されることが示唆されるので、バトル演出の終了後であっても第2始動入賞口に遊技球が進入するか否かに遊技者を注目させることができ、遊技興趣を向上できる。
尚、本変形例1では、高ベース状態において第1特別図柄の変動表示が終了した後、遊技状態が低ベース状態に制御されてから第2始動入賞口に遊技球が進入したことに基づいて復活用画像を表示する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技状態が低ベース状態に制御されてから普図当りが発生したことに基づいて復活用画像を表示してもよい。
また、前記実施例では、大当りA、大当りC、大当りD、大当りEの大当り遊技終了後は、第1大当り終了演出を実行することで遊技状態が高ベース状態に制御されることを報知する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、変形例2として図59及び図60に示すように、大当りA、大当りC、大当りD、大当りEの大当り遊技終了時に第1特図保留記憶が有る場合と第1特図保留記憶が無い場合とで、異なる演出態様で大当り終了演出を実行してもよい。具体的には、図59(A)及び図59(B)に示すように、大当りA、大当りC、大当りD、大当りEの大当り遊技終了時に第1特図保留記憶が有る場合は、大当り終了演出として、チャンスタイムに突入すること、該チャンスタイムに突入するまでの残り時間、遊技球を右遊技領域に向けて打ち出す旨の指示等を演出表示装置5に表示してもよい。
更に、図60(A)及び図60(B)に示すように、大当りA、大当りC、大当りD、大当りEの大当り遊技終了時に第1特図保留記憶が無い場合は、大当り終了演出として、遊技球を右遊技領域に向けて打ち出す旨の指示を行うことで普通入賞球装置6A’が形成する第1始動入賞口に遊技球を入賞させ、第1特図保留記憶を発生させるよう促す。このように、遊技状態が高ベース状態制御される際に第1特図保留記憶が有るか否かに応じて異なる演出態様で大当り終了演出を実行することにより、第1特図保留記憶が有るか否かに関係なく大当り終了演出が実行されるので、遊技興趣を向上できる。特に、第1特図保留記憶が有る場合の大当りA、大当りC、大当りD、大当りEの大当り遊技終了演出を実行する場合は、第1特図の変動表示期間に対応する高ベース状態において第2特図保留記憶が生じるか否かに遊技者を注目させることができ、遊技興趣を向上できる。
また、大当りA、大当りC、大当りD、大当りEの大当り遊技終了時に第1特図保留記憶が無い状態は、高ベース状態の終了条件となる第1特図の変動表示が実行されていない状態であるため、第1特図保留記憶が無い場合の大当りA、大当りC、大当りD、大当りEの大当り遊技終了演出の演出態様を、第1特図保留記憶が有る場合の大当りA、大当りC、大当りD、大当りEの大当り遊技終了演出の演出態様と異ならせることによって、遊技者に第1特図の変動表示が実行されていないことにより第2特図保留記憶が生じやすいことを示し、遊技者に対して特別感を与えることができる。
尚、本変形例2では、遊技状態が高ベース状態制御される際に第1特図保留記憶が有るか否かに応じて異なる演出態様で大当り終了演出を実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技状態が高ベース状態制御される際の第1特図保留記憶が有る場合と第1特図保留記憶が無い場合のどちらかでは大当り終了演出を実行しないようにしてもよい。
次いで、該大当り終了演出中に普通入賞球装置6A’が形成する第1始動入賞口に遊技球が入賞した場合は、図60(C)に示すように、大当り終了演出の演出態様を大当り終了演出終了後に高ベース状態での第1特別図柄の変動表示が実行される旨(チャンスゾーンに突入する旨)を報知する演出態様に切り替えるようにしてもよい。このように大当り終了演出中に普通入賞球装置6A’が形成する第1始動入賞口に遊技球が入賞した場合は、大当り終了演出の終了後、前記実施例に示すように演出表示装置5における各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて普通図柄の変動表示に対応する第2演出図柄の変動表示が開始され、演出表示装置5の左下部において特別図柄の変動表示に対応する第1演出図柄の変動表示が開始される。更に、カウントダウン表示装置400において、高ベース終了時演出開始タイミング1までのカウントダウン表示も開始される。
また、該大当り終了演出中に普通入賞球装置6A’が形成する第1始動入賞口に遊技球が入賞せずに遊技状態が高ベース状態に制御された場合は、図60(D)に示すように、演出表示装置5に未だ高ベース状態における第1特別図柄の変動表示が開始されていない旨(図60(D)に示す「チャンスタイム準備中」)を表示するとともに、カウントダウン表示装置400の全てのセグメントを点滅させ、遊技者に対して普通入賞球装置6A’が形成する第1始動入賞口に遊技球を入賞させるよう促す。
このように、本変形例2では、高ベース状態に制御される際に第1特図保留記憶が記憶されている場合にのみカウントダウン表示装置400においてカウントダウン表示を実行し、高ベース状態に制御される際に第1特図保留記憶が記憶されていない場合にはカウントダウン表示装置400においてカウントダウン表示を実行しないことで、第1特図保留記憶の記憶状態に合致したカウントダウン表示を実行することができる。
また、本変形例2では、大当り遊技終了後に高ベース状態に制御される際に第1特図保留記憶が記憶されている場合には、第1特別図柄の残り変動表示時間に基づくカウントダウンとして、カウントダウン表示装置400において高ベース終了時演出開始タイミング1までのカウントダウン表示を実行し、大当り遊技終了後に高ベース状態に制御される際に第1特図保留記憶が記憶されていない場合には、カウントダウン表示装置400において高ベース終了時演出開始タイミング1までのカウントダウン表示を実行しない形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、大当り遊技終了後に高ベース状態に制御される際に第1特図保留記憶が記憶されていない場合においても、カウントダウン表示装置400において第1特図保留記憶が記憶されている場合と共通のカウントダウン表示を実行してもよい。
尚、第1特図保留記憶が記憶されていない場合にカウントダウン表示を実行する場合は、カウントダウン表示中に第1始動入賞口に遊技球が入賞することで、該第1始動入賞口に遊技球が入賞したことに基づく第1特別図柄の残り変動表示時間に応じてカウントダウン表示装置400の表示を修正すればよい。このように高ベース状態に制御される際の第1特図保留記憶の有無にかかわらずカウントダウン表示装置400において共通のカウントダウン表示を実行することで、高ベース状態における演出制御用CPU120の処理不可を軽減しつつ、高ベース終了時演出開始タイミング1までカウントダウン表示装置400においてカウントダウン表示を実行することができる。尚、高ベース状態に制御される際の第1特図保留記憶の有無にかかわらずカウントダウン表示装置400においてカウントダウン表示を実行する場合は、該カウントダウン表示が終了すること(カウントダウンの表示が「0」となること)によって、カウントダウン表示装置400の全セグメントを点滅表示させてもよいし、新たにカウントダウン表示を実行してもよい。
また、前記実施例では、大当り遊技中から開始された普通図柄の変動表示において、遊技状態が高ベース状態に制御されてから該普通図柄の変動表示結果として「普図当り」が発生したことに基づいて第2始動入賞口に遊技球が入賞し、第2特図保留記憶が発生した場合、つまり、高ベース状態において最初の第2演出図柄の変動表示が開始される前に「普図当り」となって第2特図保留記憶が発生した場合は、他の高ベース状態(チャンスタイム中)に発生した第2特図保留記憶数に対応して表示されている演出保留表示ユニット30の表示を、高ベース終了時演出(ラッシュゾーン準備演出)中に更新することで、高ベース中に発生した全ての第2特図保留記憶数を報知する形態を例示したが、変形例3として図61に示すように、高ベース状態において最初の第2演出図柄の変動表示が開始される前に「普図当り」となって発生した第2特図保留記憶(図61に示す第2始動入賞(1回目))については、大当り遊技中に演出保留表示ユニット30の表示を更新することで報知してもよい。このように、本変形例3においては、大当り遊技中から実行されていた普通図柄の変動表示結果が高ベース状態に制御されてから「普図当り」として導出表示された場合、該「普図当り」に基づいて発生した第2特図保留記憶については、高ベース状態が終了した後である大当り遊技中に報知されるので、遊技興趣を向上できる。
尚、本変形例3では、実際に高ベース状態中に発生した第2特図保留記憶数を報知する例として大当り遊技中に演出保留表示ユニット30の表示を更新する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出保留表示ユニット30の表示を更新するタイミングは、高ベース状態の第1特別図柄の変動表示の次に実行される第2特別図柄の変動表示中であってもよい。
また、前記実施例では、演出表示装置5やスピーカ8L,8Rにおいて特別図柄や普通図柄の変動表示に応じて複数の演出を実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら演出表示装置5やスピーカ8L,8Rにおける演出としては、特別図柄の変動表示結果が「大当り」となることや、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となることを複数回の変動表示に亘って示唆する先読み予告演出を実行可能としてもよい。
尚、特別図柄を対象とする先読み予告演出は、始動入賞が発生したときに当該始動入賞に基づく変動表示結果が「大当り」となるか否かをCPU103が判定し、該判定結果に応じたコマンド(図4(A)に示す図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンド)を演出制御基板12に送信することで、演出制御用CPU120が背景画像の変化や、スピーカ8L,8Rから特定音の出力、保留記憶表示の表示態様を変化させること等を実行すればよい。更に尚、普通図柄を対象とする先読み予告演出は、遊技球が通過ゲート41を通過したときに当該通過ゲート41の通過に基づく変動表示結果が「普図当り」となるか否かをCPU103が判定し、該判定結果に応じたコマンドを演出制御基板12に送信することで、演出制御用CPU120が背景画像の変化や、スピーカ8L,8Rからの特定音の出力を実行すればよい。
また、このように先読み予告演出を実行する場合は、遊技状態が高ベース状態である場合と低ベース状態である場合とで先読み予告演出の対象を特別図柄と普通図柄とで異ならせてもよい。具体的には、遊技状態が高ベース状態である場合は、普通図柄を対象として先読み予告演出を実行し、遊技状態が低ベース状態である場合は、特別図柄を対象として先読み予告演出を実行すればよい。
また、前記実施例では、高ベース状態の普通図柄の変動表示として、各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて第2演出図柄の変動表示を実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、変形例4として、図9の普通図柄変動パターンのうちリーチの変動パターンにて普通図柄の変動表示(第2演出図柄の変動表示)が実行される場合は、リーチ演出として、前記実施例に示したバトル演出等を実行すればよい。このようなバトル演出を実行する場合は、変動表示結果が「普図当り」となる場合には該バトル演出結果として味方キャラクタが勝利し、変動表示結果が「普図はずれ」となる場合には該バトル演出結果として味方キャラクタが敗北すればよい。更に、このように高ベース状態における第2演出図柄の変動表示中にリーチ演出としてバトル演出を実行可能とする場合は、第2特図保留記憶数が上限である4に達しているときにリーチ演出を実行しないようにすることで、第2特図保留記憶数が上限である4に達して増加しない場合にバトル演出が実行されてしまうことにより、遊技者に第2特図保留記憶数が更に増加すると誤解を与えることによる遊技興趣の低下を防ぐことができる。
また、高ベース状態における普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる場合であっても、第2特図保留記憶数が上限である4に達している場合は、「普図はずれ」に対応するバトル演出(味方キャラクタが敗北する演出)を実行することによって、第2特図保留記憶数が上限である4に達しているにもかかわらず、「普図当り」に対応するバトル演出(味方キャラクタが勝利する演出)が実行されてしまうことにより、遊技者に第2特図保留記憶数が更に増加すると誤解を与える、つまり、不自然な演出が実行されることによる遊技興趣の低下を防ぐようにしてもよい。
尚、本変形例4において第2特図保留記憶数が上限である4に達していることに基づいてリーチ演出(バトル演出)を実行しない場合は、既に発生している第2特図保留記憶に基づく変動表示結果が「大当り」となることを示唆する演出(大当り示唆演出)や、既に発生している第2特図保留記憶に基づく変動表示結果が「小当りA」となることを示唆する演出(小当り示唆演出)等を実行することで遊技興趣が低下することを防いでもよい。尚、これら大当り示唆演出や小当り示唆演出は、普通図柄変動時間に応じて異なる第2特図保留記憶を対象として複数回実行してもよい。
また、前記実施例では、高ベース状態においてバトル演出を実行する場合は、はずれ(普図はずれ)を示す組合せで第2演出図柄を導出表示させた後にバトル演出を実行することで、該バトル演出の実行中は普通図柄の変動表示に連動して第2演出図柄の変動表示を実行しない形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、バトル演出の開示時に演出表示装置5における第2演出図柄の縮小表示設定を行うことで、バトル演出中であっても第2演出図柄の変動表示を実行してもよい。このようにバトル演出中に第2演出図柄の変動表示を縮小表示設定にて実行することによって、遊技者は、該縮小表示設定における第2演出図柄の変動表示を視認することで、バトル演出中における普通図柄の変動状況や、当り(普図当り)が発生したか否かを確認することができる。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
前記遊技者にとって有利な状態とは、遊技者が多くの遊技媒体を獲得できる遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り等)や、獲得できる遊技媒体の期待値が異なる複数種類の特定遊技状態(ラウンド数が異なる大当り等)や、通常遊技状態よりも賞球払出の条件が成立しやすくなる高ベース状態や、特別リーチ状態(例えば、スーパーリーチ等)、当該変動パターンが大当り変動パターンに基づく変動パターンである状態等が含まれる。
以上、本発明の実施例及び変形例等について説明してきたが、これら実施例や変形例は単独で実施してもよいし、複数の実施例や変形例を組合せて実施してもよい。