以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
[検体分析装置の構成]
本実施の形態に係る検体分析装置は、血液などの検体を用いてB型肝炎、C型肝炎、腫瘍マーカ及び甲状腺ホルモンなど種々の項目の検査を行う免疫分析装置である。本実施の形態に係る検体分析装置では、測定対象である血液などの検体に含まれる抗原に結合した捕捉抗体(R1試薬)に磁性粒子(R2試薬)を結合させた後に、結合(Bound)した抗原、捕捉抗体及び磁性粒子を1次BF(Bound Free)分離部11(図1及び図2参照)の磁石に引き寄せることにより、未反応(Free)の捕捉抗体を含むR1試薬を除去する。そして、磁性粒子が結合した抗原と標識抗体(R3試薬)とを結合させた後に、結合(Bound)した磁性粒子、抗原及び標識抗体を2次BF分離部12の磁石に引き寄せることにより、未反応(Free)の標識抗体を含むR3試薬を除去する。さらに、分散液(R4試薬)、及び、標識抗体との反応過程で発光する発光基質(R5試薬)を添加した後、標識抗体と発光基質との反応によって生じる発光量を測定する。このような過程を経て、標識抗体に結合する検体に含まれる抗原を定量的に測定している。
以下、本実施の形態に係る検体分析装置について、図面を参照して説明する。
図1は、検体分析装置1の全体構成を示す斜視図である。
本実施の形態に係る検体分析装置1は、測定機構部2と、測定機構部2に隣接するように配置された検体搬送部(サンプラ)3と、測定機構部2に電気的に接続された情報処理装置4とを備えている。
検体搬送部3は、検体を収容した複数の試験管が載置されたラックを搬送可能に構成されている。情報処理装置4は、本体400(図5参照)と、入力部410と、表示部420から構成されている。
図2は、測定機構部2を上側から見た場合の構成を示す平面図である。
測定機構部2は、検体分注アーム5と、R1試薬分注アーム6と、R2試薬分注アーム7と、R3試薬分注アーム8と、反応部9と、キュベット供給部10と、1次BF分離部11と、2次BF分離部12と、ピペットチップ供給部13と、検出部14と、R4/R5試薬供給部15と、試薬設置部16から構成されている。
キュベット供給部10は、複数のキュベットを収納可能に構成されており、検体分注アーム5による検体吐出位置1bにキュベットを1つずつ順次供給する。
R1試薬分注アーム6には、図示の如く、R1試薬の吸引及び吐出を行うためのピペット6aが取り付けられている。R1試薬分注アーム6は、ピペット6aを用いて、試薬設置部16に設置されたR1試薬を吸引し、吸引したR1試薬を検体吐出位置1bに載置されたキュベットに分注(吐出)する。
ピペットチップ供給部13は、複数のピペットチップを収容可能である。かかるピペットチップ供給部13は、投入された複数のピペットチップを1つずつ検体分注アーム5によるチップ装着位置まで搬送する。しかる後、ピペットチップは、チップ装着位置において、検体分注アーム5のピペット先端に取り付けられる。
検体分注アーム5は、チップ装着位置においてピペットチップを装着した後、検体搬送部3により検体吸引位置1aに搬送された試験管内の検体を、検体搬送部3の搬送路を覆う天板31に形成された孔31aを介して吸引し、R1試薬分注アーム6によりR1試薬が分注された検体吐出位置1bのキュベットに検体を分注(吐出)する。かかるキュベットは、R1試薬分注アーム6の図示しないキャッチャにより、反応部9に移送される。
R2試薬分注アーム7には、図示の如く、R2試薬の吸引及び吐出を行うためのピペット7aが取り付けられている。R2試薬分注アーム7は、ピペット7aを用いて、試薬設置部16に設置されたR2試薬を吸引し、吸引したR2試薬を、R1試薬及び検体を収容するキュベットに分注(吐出)する。
反応部9は、図示の如く、円形形状を有する試薬設置部16の周囲を取り囲むように円環状に形成されている。また、反応部9は、外形に沿って所定間隔に配置された複数のキュベット設置部9aを有する。キュベット設置部9aは、キュベットを挿入可能なように円形形状で凹状に形成されており、キュベット設置部9aにセットされたキュベットを約42℃に加温する機能を有している。これにより、キュベットに収容された試料は、キュベット設置部9aにおいて約42℃に加温され、キュベット内の検体と各種試薬との反応が促進される。また、反応部9は、時計回り方向(矢印A1方向)に回転可能に構成されており、キュベット設置部9aにセットされたキュベットを、各種処理(試薬の分注など)が行われるそれぞれの処理位置まで移動させる。
検体、R1試薬及びR2試薬を収容するキュベットが、図示しないキャッチャにより反応部9から1次BF分離部11に移送されると、1次BF分離部11は、キュベット内の試料から未反応のR1試薬(不要成分)と磁性粒子とを分離(B/F分離)する。
R3試薬分注アーム8には、図示の如く、R3試薬の吸引及び吐出を行うためのピペット8aが取り付けられている。R3試薬分注アーム8は、ピペット8aを用いて、試薬設置部16に設置されたR3試薬を吸引する。また、R3試薬分注アーム8は、ピペット8aを用いて、吸引したR3試薬を1次BF分離部11から反応部9に移送されたキュベットに分注(吐出)する。
1次BF分離部11によるB/F分離後の試料及びR3試薬を収容するキュベットが、図示しないキャッチャにより反応部9から2次BF分離部12に移送されると、2次BF分離部12は、キュベット内の試料から未反応のR3試薬(不要成分)と磁性粒子とを分離(B/F分離)する。
R4/R5試薬供給部15は、図示しないチューブにより、2次BF分離部12によるB/F分離後の試料を収容するキュベットに、R4試薬及びR5試薬を順に分注する。
検出部14は、所定の処理が行なわれた検体の抗原に結合する標識抗体と発光基質との反応過程で生じる光を、光電子増倍管(Photo Multiplier Tube)で取得することにより、その検体に含まれる抗原の量を測定する。
試薬設置部16の上面には、試薬設置部16及び反応部9の両方を覆うように、円形状のカバー部161が配置されている。カバー部161の所定の箇所には、R1〜R3試薬分注アームが試薬を吸引するための開口部と、R1〜R3試薬分注アームがキュベットの移動や分注処理を行うための開口部が形成されている。
図3は、試薬設置部16からカバー部161を除いた場合の斜視図である。試薬設置部16は、上側から見て円環状の内側テーブル162と外側テーブル163を含んでいる。
内側テーブル162には、R1試薬が収容されるR1試薬容器100を保持可能な複数の保持部と、R3試薬が収容されるR3試薬容器120を保持可能な複数の保持部が形成されている。かかる保持部により、内側テーブル162上の複数のR1試薬容器100は、図示の如く、円周状に配列されたR3試薬容器120の外側を取り囲むように円環状に保持される。また、内側テーブル162上の複数のR1試薬容器100は、後述するように、径方向にR3試薬容器120と隣接した状態で保持される。
また、内側テーブル162は、時計回り方向(矢印A1方向)及び反時計回り方向(矢印A2方向)に水平に回転可能に構成されている。具体的には、内側テーブル162は、第1ステッピングモータ162a(図4参照)によって回転されるように構成されている。内側テーブル162が回転(回動)されると、R1試薬容器100とR3試薬容器120は、互いに同方向に同角度回転(回動)される。
外側テーブル163には、R2試薬が収容されるR2試薬容器110を保持可能な複数の保持部が形成されている。かかる保持部により、外側テーブル163上のR2試薬容器110は、図示の如く、円周状に配列されたR1試薬容器100の外側を取り囲むように円環状に保持される。
また、外側テーブル163は、時計回り方向(矢印A1方向)及び反時計回り方向(矢印A2方向)に水平に回転可能に構成されている。具体的には、外側テーブル163は、第2ステッピングモータ163a(図4参照)によって回転されるように構成されている。また、外側テーブル163は、内側テーブル162とは独立して回転可能である。また、外側テーブル163は、保持するR2試薬容器110に収容されたR2試薬を攪拌しながら回転(回動)する機能を有している。
試薬設置部16に設置される試薬容器には、RFIDタグが取り付けられている。RFIDタグには、試薬を管理するための試薬管理情報が格納される。この試薬管理情報には、測定項目、ロット番号、シリアル番号、試薬種別、保存期限、充填量、残量等の情報が含まれる。
測定項目は、このRFIDタグが貼付されている試薬容器に収容されている試薬により行われる測定項目を示す。測定項目と、ロット番号と、シリアル番号により、R1/R3試薬容器とR2試薬容器110は一意に識別される。また、シリアル番号は、同一の測定項目と同一のロット番号の範囲内で、一意に試薬容器を識別可能な番号であり、R1/R3試薬容器とR2試薬容器110は、同一の測定項目と同一のロット番号を有しているもの同士が同梱されて、ユーザに提供されている。また、R1/R3試薬容器とR2試薬容器110は、使用の性質上、測定項目とロット番号が同じもの同士がペアとして使用される。
試薬種別は、このRFIDタグが貼付されている試薬容器が、R1/R3試薬容器であるか、R2試薬容器110であるかを示す。保存期限は、この試薬が保存可能な期限を示す。充填量は、この試薬により行うことのできるテスト数(測定回数)を示す。残量は、この試薬により行うことのできる残りテスト数(残り測定可能)回数を示す。使用期限は、この試薬が使用可能な期限を示す。使用期限は、この試薬が使用され始めたときに設定される。
また、上述した試薬設置部16には、RFIDタグに記憶されている試薬管理情報を読み書きするためのアンテナ162b、163b(図4参照)が設置されている。
図4は、測定機構部2の回路構成を示す模式図である。
測定機構部2は、制御部200と、第1ステッピングモータ162aと、第2ステッピングモータ163aと、アンテナ162b、163bと、機構部213とを含んでいる。制御部200は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、通信インターフェース204と、I/Oインターフェース205とを含んでいる。
CPU201は、ROM202に記憶されているコンピュータプログラム及びRAM203にロードされたコンピュータプログラムを実行する。RAM203は、ROM202に記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられると共に、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU201の作業領域としても利用される。
通信インターフェース204は、検体搬送部3と情報処理装置4に接続されている。CPU201は、通信インターフェース204を介して、検体の光学的な情報(標識抗体と発光基質との反応によって生じる発光量のデータ)を情報処理装置4に送信するとともに、情報処理装置4からの信号を受信する。また、CPU201は、通信インターフェース204を介して、検体搬送部3に対して駆動指示のための信号を送信する。
また、CPU201は、I/Oインターフェース205を介して、第1ステッピングモータ162aと、第2ステッピングモータ163aと、アンテナ162b、163bと、機構部213とに接続されている。
第1ステッピングモータ162aと第2ステッピングモータ163aは、CPU201の制御により、独立して駆動される。アンテナ162b、163bは、CPU201の制御により、それぞれ、RFIDタグの試薬管理情報を読み取る。また、アンテナ162b、163bにより読み取られた試薬管理情報は、I/Oインターフェース205を介してCPU201に出力され、RAM203に記憶される。機構部213は、測定機構部2のその他の機構を含んでおり、CPU201の制御により駆動される。
図5は、情報処理装置4の回路構成を示す模式図である。
情報処理装置4は、パーソナルコンピュータからなり、本体400と、入力部410と、表示部420から構成されている。本体400は、CPU401と、ROM402と、RAM403と、ハードディスク404と、読出装置405と、入出力インターフェース406と、画像出力インターフェース407と、通信インターフェース408とを有する。
CPU401は、ROM402に記憶されているコンピュータプログラム及びRAM403にロードされたコンピュータプログラムを実行する。RAM403は、ROM402及びハードディスク404に記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、RAM403は、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU401の作業領域としても利用される。
ハードディスク404には、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラムなど、CPU401に実行させるための種々のコンピュータプログラム及びコンピュータプログラムの実行に用いるデータがインストールされている。すなわち、測定機構部2から送信される試薬DBに基づいて表示部420に表示等を行うプログラム、及び入力部410を介してユーザから受け付けた指示に基づいて測定機構部2に指示を送信するプログラム等がインストールされている。
ハードディスク404には、試薬使用履歴データベースDB200が設けられている。この試薬使用履歴データベースDB200には、測定項目毎に試薬の使用履歴が記録される。図10は、試薬使用履歴データベースDB200の構造を示す模式図である。試薬使用履歴データベースDB200は、月曜日から日曜日までの各曜日に項目分けされている。試薬使用履歴データベースDB200の各セルは1日に対応しており、それぞれのセルには対応する日付における試薬の使用量が格納される。なお「試薬の使用量」として、その試薬を用いて行われたテスト数(測定回数)が格納される。図において、最も下方のセルが最近の日付に対応しており、上に向かうにしたがって過去に遡るようになっている。このような試薬使用履歴が、測定項目別に設けられている。
また、ハードディスク404には、稼働日テーブルが記憶されている。図13は、稼働日テーブルの構造を示す模式図である。稼働日テーブルOPTには、各日付に対応するセルが設けられている。各セルには、“0”又は“1”のデータが格納される。ここで“0”は「稼働日」に対応しており、“0”が格納されているセルに対応する日付は「稼働日」であることを示す。一方、“1”は稼働日ではない「休業日」に対応しており、“1”が格納されているセルに対応する日付は「休業日」であることを示す。ここで、「休業日」とは、検体分析装置1が設置されている施設において週単位で定められた「定休日」と、祝祭日といった週単位では定められていない「不定期の休日」とを含む。「不定期の休日」には、祝祭日の他にも、例えば1年に一度定められた施設の休日(例えば、創業記念日)が含まれる。土曜日及び日曜日は「定休日」であるため、図13に示すように、土曜日及び日曜日のセルに全て“1”が格納されている。祝祭日、創業記念日等の休日情報を含むカレンダー情報が予めハードディスク404に格納されており、このカレンダー情報に基づいて、稼働日テーブルOPTの各セルに“0”又は“1”のデータが格納される。なお、ユーザは、入力部410を介して稼働日テーブルOPTの各セルに“0”又は“1”のデータを任意に格納することができる。これにより、当初予定していなかった臨時の休日にも容易に対応することができる。
なお、土曜日及び日曜日が「定休日」であるとの設定情報はハードディスク404に格納されている。
また、ハードディスク404には、内側テーブル162と外側テーブル163の各保持部に対応付けて、保持されている試薬容器の固有情報と試薬管理情報に関するデータベース(以下、「試薬DB」という)も構築される。
また、ハードディスク404には、検体分析装置1を使用するユーザの情報を格納するためのユーザデータベースが設けられている。ユーザデータベースには、ユーザ名、パスワード、ユーザグループ(ユーザの権限を規定するグループ。「管理者」、「一般ユーザ」等。)、及びユーザ毎の設定値等が対応付けて記憶される。この設定値には、ログオン直後にユーザが操作可能な画面として最初に表示される初期画面の設定値(メニュー画面又は保守状況確認画面)が含まれる。
また、ハードディスク404には、日付毎に保守作業の予定及び実績を記憶するためのデータベース(以下、「保守情報DB」という)が設けられている。保守情報DBは、カレンダー形式でこれからの保守作業の予定及びこれまでの保守作業の実績を日付毎に記憶する。
また、ハードディスク404には、ユーザ間の情報交換に使用される掲示板のデータベース(以下、「掲示板DB」という)が設けられている。この掲示板DBには、掲示板にメッセージを投稿したユーザ(以下、「投稿者」という。)のユーザ名、及び投稿されたメッセージの内容が対応付けて記憶される。
読出装置405は、CDドライブ又はDVDドライブ等によって構成されており、記録媒体に記録されたコンピュータプログラム及びデータを読み出すことができる。入出力インターフェース406には、マウスやキーボードからなる入力部410が接続されており、操作者が入力部410を使用することにより、情報処理装置4にデータが入力される。画像出力インターフェース407は、ディスプレイ等で構成された表示部420に接続されており、画像データに応じた映像信号を、表示部420に出力する。表示部420は、入力された映像信号をもとに、画像を表示する。また、通信インターフェース408により、測定機構部2に対してデータの送受信が可能となる。
[検体分析装置の動作]
図6は、検体分析装置1の動作を示すフローチャートである。検体分析装置1の電源がユーザにより投入されると、検体分析装置1は、測定準備動作を行う(ステップS101)。具体的には、CPU401は、アンテナ162b,163bによってR1/R3試薬容器のRFIDタグと、R2試薬容器110のRFIDタグとから読み出された試薬管理情報を取得し、試薬管理情報をハードディスク404に設けられた試薬DBに格納する。以下、測定準備動作について詳細に説明する。
図7A及び図7Bは、検体分析装置1の測定準備動作の手順を示すフローチャートである。検体分析装置1の測定準備動作とは、検体分析装置1が起動された直後に実行され、検体分析装置1が停止している状態から検体の分析を実行可能な状態(測定スタンバイ状態)に移行させるための処理である。検体分析装置1が起動されるときには、測定ユニット2及び情報処理ユニット4の電源が投入される。まず、測定ユニット2の動作について説明する。検体分析装置1が起動されるとき、測定ユニット2の試薬設置部16には、当日使用されるR1/R3試薬及びR2試薬がセットされている。検体分析装置1の電源がユーザにより投入されると、測定ユニット2のCPU201は、試薬設置部16に設置されているR1/R3試薬容器のRFIDタグと、R2試薬容器110のRFIDタグとのそれぞれから、アンテナ162b,163bに試薬管理情報を読み出させる(ステップS111)。また、CPU201は、取得した試薬管理情報を情報処理ユニット4へ送信し(ステップS112)、処理を終了する。
次に、情報処理ユニットの動作について説明する。情報処理ユニット4のCPU401は、ハードウェア、ソフトウェアの初期化を行い(ステップS113)、測定ユニット2から送信された試薬管理情報を受信したか否かを判別する(ステップS114)。試薬管理情報を受信していない場合には(ステップS114においてNO)、CPU401はステップS114の処理を繰り返し実行し、試薬管理情報が受信されるまで待機する。情報処理ユニット4が試薬管理情報を受信すると(ステップS114においてYES)、CPU401は、試薬DBに試薬管理情報を登録する(ステップS115)。
なお、試薬DB内では、R1試薬容器100とR3試薬容器120の残量(残りテスト数)は、それぞれ別に記憶される。すなわち、ステップS115において読み出されたR1/R3試薬容器の試薬管理情報の残量は、試薬DB内でR1試薬容器100の残量とR3試薬容器120の残量としてそれぞれ記憶される。
さらに、CPU401は、ログオン画面を表示部420に表示させる(ステップS116)。ログオン画面には、ユーザ名(ユーザID)及びパスワードのそれぞれを入力するための入力ボックスが設けられている。ユーザは、これらの入力ボックスにユーザ名及びパスワードを入力し、ログオン処理の実行を指示する。CPU401は、ログオン処理の実行指示を受け付けたか否かを判別し(ステップS117)、ログオン処理の実行指示を受け付けていない場合には(ステップS117においてNO)、ステップS117の処理を繰り返し、ログオン処理の実行指示を待機する。CPU401は、ログオン処理の実行指示を受け付けると(ステップS117においてYES)、ログオン処理を実行する(ステップS118)。ログオン処理では、ログオン画面において入力されたユーザ名及びパスワードと、ハードディスク404に設けられたユーザデータベースに登録されているユーザ名及びパスワードとを照合するログオン認証が行われる。ログオン認証に失敗した場合には(ステップS119においてNO)、CPU401は、ログオン認証に失敗した旨をユーザに通知するメッセージを含むログオン画面を表示部420に表示する(ステップS116)。
ログオン認証に成功した場合(ステップS119においてYES)、CPU401は、ログオンしたユーザの設定値をユーザデータベースDB600から取得し、ログオン直後に表示する初期画面が、メニュー画面に設定されているか、保守状況確認画面に設定されているかを判別する(ステップS120)。この初期画面の設定値は、保守状況確認画面がデフォルト値とされている。
初期画面がメニュー画面に設定されている場合には(ステップS120において「メニュー画面」)、CPU401は、表示部420にメニュー画面を表示させ(ステップS121)、測定準備動作を終了する。ここで、メニュー画面とは、検体分析装置1の様々な機能を呼び出すことが可能な画面であり、各機能に対応するアイコン(例えば、検体分析装置1の動作設定を行うための設定画面を呼び出す設定アイコン、検体分析装置1の過去の測定結果を表示するための記憶検体アイコン、検体分析装置1に測定オーダを登録するためのオーダ登録画面を呼び出すオーダ登録アイコン等)が設けられた画面である。なお、ここでいう「アイコン」とは、特定の機能が割り当てられ、当該機能を象徴的に表すようにデザインされた画像をいい、ウィンドウ内において表示されるものを含む。
初期画面が保守状況確認画面に設定されている場合には(ステップS120において「保守状況確認画面」)、CPU401は、試薬使用量予測処理を実行する(ステップS122)。ステップS122の試薬使用量予測処理においては、当日の試薬使用量が予測される。当日の「試薬使用量」としては、当日にその試薬を用いて行われるテスト数(測定回数)が予測される。試薬使用量予測処理については後述する。
続いてCPU401は、保守状況確認画面表示処理を実行し(ステップS123)、保守状況確認画面を表示部420に表示させる。保守状況確認画面表示処理の詳細は後述する。これにより、測定準備動作が終了し、検体分析装置1は検体の測定を実行することが可能な測定スタンバイ状態となる。
上述した測定準備動作を実行した後、CPU401は、ユーザから測定開始の指示を受け付けたか否かを判別する(ステップS103)。測定開始の指示を受け付けていない場合には(ステップS103においてNO)、CPU401はステップS108へ処理を移す。一方、ユーザから検体の測定の指示が行われると、この指示をCPU401が受け付け(ステップS103においてYES)、CPU401は測定機構部2に検体の測定動作を実行させる(ステップS104)。この測定動作では、検体吸引位置1aに位置付けられた試験管内の通常検体が吸引され、この検体とR1〜R3試薬が混和されて、検出部14により測定が行われる。また、CPU401は、検体の測定によって吸引が行われた試薬容器について、試薬DB内のR1〜R3の残量を、吸引量に応じて更新する(減少させる)(ステップS105)。この場合、試薬の吸引が行われる度に、試薬DB内の残量は更新される。
また、CPU401は、更新された試薬の残量に基づいて、試薬の予測使用量を更新する(ステップS106)。つまり、1回の測定によって試薬が消費されると、その消費分だけ予測使用量が減少される。例えば、ある測定項目の試薬の予測使用量(予測テスト数)が200であった場合において、当該測定項目について検体測定が1回実行されると、この測定項目の試薬の予測使用量が1減少する。よって、この場合には、試薬の予測使用量(予測テスト数)が199へと更新される。
CPU401は、測定対象となっている検体が存在するか否かを判別し(ステップS107)、測定対象の検体が存在する場合には(ステップS107においてNO)、ステップS104へ処理を戻し、引き続き検体の測定を実行する(ステップS104)。一方、全ての検体について測定が終了した場合には(ステップS107においてNO)、ユーザは、検体分析装置1にシャットダウン処理の指示を行う。CPU401は、シャットダウンの指示を受け付けると(ステップS108においてYES)、シャットダウン処理を実行し(ステップS109)、検体分析装置1の動作が終了する。一方、シャットダウンの指示を受け付けていない場合には(ステップS108においてNO)、CPU401はステップS103へ処理を戻す。
次に、ステップS122の試薬使用量予測処理について説明する。図8は、試薬使用量予測処理の流れを示すフローチャートである。ここでは当日を試薬使用量の予測対象日とした場合について説明する。
図8を参照して、試薬使用量予測処理の概要について説明する。この試薬使用量予測処理では、まず、ステップS201の閾値算出処理において、試薬使用量の予測に使用するデータを決定するための閾値が算出される。この閾値算出処理では、例えば予測対象日が月曜日である場合、試薬使用履歴データベースDB200に格納された月曜日のデータのうち、稼働日の試薬使用量のみを抽出するための閾値が算出される。この処理により、休日となっている月曜日のデータが予測使用量に反映されないため、稼働日である予測対象日の試薬使用量をより正確に予測することが可能となる。
次に、ステップS202の平均試薬使用量算出処理においては、ステップS201の閾値算出処理で算出された閾値により抽出されたデータを用いて、予測対象日と同一曜日の一日あたりの平均試薬使用量が算出される。例えば予測対象日が月曜日である場合には、試薬使用履歴データベースDB200に格納された月曜日のデータのうち稼働日の試薬使用量のみに基づいて、過去の月曜日の一日あたりの平均試薬使用量が算出される。
次に、ステップS203の第1連続休日日数算出処理において、予測対象日の前日に連続している「不定期の休日」の日数が決定される。続いて、ステップS204の加算成分決定処理においては、ステップS203の第1連続休日日数算出処理で決定された日数に応じて加算成分が決定される。この加算成分は、ステップS202の平均試薬使用量算出処理で算出された平均試薬使用量に加算される試薬使用量を指す。そして、ステップS205の予測使用量算出処理においては、ステップS203で算出された平均試薬使用量に、ステップS204の加算成分決定処理で決定された使用量を加算することにより、予測対象日の試薬使用量を算出する。
上記の処理を経て、予測対象日の試薬使用量が予測される。次に、各処理の詳細について説明する。
ステップS201の閾値算出処理では、上述した試薬使用履歴データベースDB200に記録されたデータのうち「定休日」である土曜日及び日曜日のデータを除くデータを用いて、試薬使用量の予測に使用するデータを決定するための第1閾値及び第2閾値が算出される。
図9は、閾値算出処理の流れを示すフローチャートである。まずCPU401は、閾値を算出する対象の曜日である対象曜日を予測対象日と同一の曜日に設定し、閾値を算出する対象の測定項目である対象測定項目を初期値に設定する(ステップS301)。この初期値は、予め検体分析装置1において定められている(例えば「HBsAg」が対象測定項目の初期値とされる。)。
CPU401は、上述した試薬使用履歴データベースDB200から、対象測定項目のカレンダーの対象曜日の使用量情報を読み出し、読み出された各使用量情報を大、中、小の3つのグループに振り分ける(ステップS302)。
ステップS302の処理について説明する。使用量情報を測定項目及び曜日別に集計すると、大きく3つのグループに分かれる。施設が休日である場合には、緊急に検査結果が必要となる検体を除いて基本的に検体検査は行われない。したがって、施設が休日である日の使用量情報は、最も使用量が少ないグループ(以下、「小グループ」という。)に属する。一方、施設が休日でない日の場合には、多くの検体検査が実施されるため、試薬の使用量は多くなる。この中でも、前日が不定期の休日となっている場合(前日が定休日である場合にはその前日が不定期の休日となっている場合)には特に検体検査の数が多くなる。不定期の休日には検体検査を実施することができないため、多くの検体がその次の稼働日に検査されることになるからである。したがって、前日が不定期の休日である稼働日の使用量情報は、最も使用量が多いグループ(以下、「大グループ」という。)に属する。また、前日が不定期の休日でない稼動日には、標準的な量の検体検査が実施されることになる。このため、前日が不定期の休日でない稼動日の使用量情報は、中程度の使用量のグループ(以下、「中グループ」という。)に属する。例えば、図10の火曜日の使用量情報では、“160”,“170”,“181”,“178”,“175”,“169”,“170”,“179”,“168”が中グループに属し、“5”,“34”,“4”,“6”が小グループに属し、“210”が大グループに属している。ステップS302の処理では、読み出された使用量情報を数値が大きい順に並び替えた後、隣り合う使用量情報同士の差分が演算され、特に差分が大きい2箇所において、大グループと中グループ、及び中グループと小グループが分類される。
ステップS302の処理が終了すると、CPU401は、各グループの上限を算出する(ステップS303)。この処理では、各グループの使用量情報の平均値+3SDのそれぞれが各グループの上限値とされる。つまり、大グループの上限値は、大グループに属する使用量情報の平均値+3SDとされ、中グループの上限値は、中グループに属する使用量情報の平均値+3SDとされ、小グループの上限値は、小グループに属する使用量情報の平均値+3SDとされる。
次にCPU401は、各グループの下限を算出する(ステップS304)。この処理では、各グループの使用量情報の平均値−3SDのそれぞれが各グループの下限値とされる。
次にCPU401は、算出した小グループの上限値が、中グループの下限値よりも大きいか否かを判別する(ステップS305)。この処理について以下に説明する。図11Aは、中グループの下限値と小グループの上限値との関係の一例を示す模式図である。図11Aに示す例では、中グループの下限値LLMが小グループの上限値ULSよりも大きい。この場合、中グループと小グループとは明確に分かれている。このように小グループの上限値が中グループの下限値以下の場合には(ステップS305においてNO)、CPU401は、中グループの下限値及び小グループの下限値の中間値を、試薬使用量の予測に使用するデータを決定するための第1閾値として決定する(ステップS306)。この後、CPU401はステップS308へ処理を移す。
図11Bは、中グループの下限値と小グループの上限値との関係の他の例を示す模式図である。図11Bに示す例では、中グループの下限値LLMが小グループの上限値ULSよりも小さい。この場合、中グループと小グループとは明確に分かれていない。このように小グループの上限値が中グループの下限値よりも大きい場合には(ステップS305においてYES)、CPU401は、対象測定項目の対象曜日についての使用量情報のうちの最小値を、試薬使用量の予測に使用するデータを決定するための第1閾値として決定する(ステップS307)。この後、CPU401はステップS308へ処理を移す。
ステップS308において、CPU401は、算出した中グループの上限値が、大グループの下限値よりも大きいか否かを判別する(ステップS308)。大グループの下限値が中グループの上限値よりも大きい場合、大グループと中グループとは明確に分かれている。このように中グループの上限値が大グループの下限値以下の場合には(ステップS308においてNO)、CPU401は、大グループの下限値及び中グループの下限値の中間値を、試薬使用量の予測に使用するデータを決定するための第2閾値として決定する(ステップS309)。この後、CPU401は、ステップS311へ処理を移す。
また、大グループの下限値が中グループの上限値よりも小さい場合、大グループと中グループとは明確に分かれていない。このように中グループの上限値が大グループの下限値よりも大きい場合には(ステップS308においてYES)、CPU401は、対象測定項目の対象曜日についての使用量情報のうちの最大値を、試薬使用量の予測に使用するデータを決定するための第2閾値として決定する(ステップS310)。この後、CPU401は、ステップS311へ処理を移す。
ステップS311において、CPU401は、対象測定項目として全ての測定項目を既に設定したか否かを判別する(ステップS311)。対象測定項目として設定していない測定項目が残っている場合には(ステップS311においてNO)、CPU401は、残りの測定項目の1つを対象測定項目に設定し(ステップS312)、ステップS302へ処理を戻す。
一方、ステップS311において、対象測定項目として全測定項目を設定済みの場合には(ステップS311においてYES)、CPU401は、試薬使用量予測処理における閾値算出処理の呼び出しアドレスへ処理をリターンする。
上記のような閾値算出処理を終了した後、CPU401は、平均試薬使用量算出処理を実行する(ステップS202)。図12は、平均試薬使用量算出処理の流れを示すフローチャートである。まずCPU401は、平均試薬使用量を算出する対象の測定項目である対象測定項目を初期値に設定する(ステップS401)。この初期値は、ステップS301の測定項目の初期値と同じものである。
次にCPU401は、平均試薬使用量の演算に使用するパラメータである加算テスト数及び加算日数を初期値“0”に設定する(ステップS402)。
次いでCPU401は、予測対象日が稼働日であるか否かを判定する(ステップS403)。この処理について以下説明する。
ステップS403の処理では、上記の稼働日テーブルOPTを参照することにより、予測対象日が稼働日であるか否かが判別される。つまり、CPU401は、稼働日テーブルOPTの予測対象日に対応するセルの内容を確認し、“0”が格納されていれば「稼働日」と判断し、“1”が格納されていれば「非稼働日」(定休日又は不定期の休日)と判断する。
ステップS403において、予測対象日が「稼働日」である場合には(ステップS403においてYES)、CPU401は、予測対象日と同一の曜日のうち、当日から遡って最初の日付を演算対象日として選択する(ステップS404)。例えば、予測対象日が月曜日の場合には、先週の月曜日が演算対象日として選択される。
次にCPU401は、演算対象日の試薬使用量が第1閾値より大きいか否かを判別する(ステップS405)。この第1閾値は、過去の試薬使用量のうち、平均試薬使用量の算出に使用する試薬使用量として選出するための下限値である。したがって、試薬使用量が第1閾値以下の場合には(ステップS405においてNO)、CPU401は、ステップS408へ処理を移し、当該試薬使用量は平均試薬使用量の算出には使用されない。
一方、ステップS405において演算対象日の試薬使用量が第1閾値より大きい場合には(ステップS405においてYES)、CPU401は、演算対象日の試薬使用量が第2閾値より小さいか否かを判別する(ステップS406)。この第2閾値は、過去の試薬使用量のうち、平均試薬使用量の算出に使用する試薬使用量として選出するための上限値である。したがって、試薬使用量が第2閾値以上の場合には(ステップS406においてNO)、CPU401は、ステップS408へ処理を移し、当該試薬使用量は平均試薬使用量の算出には使用されない。
ステップS406において、演算対象日の試薬使用量が第2閾値より小さい場合には(ステップS406においてYES)、当該試薬使用量は平均試薬使用量の算出に使用される対象となる。この場合、CPU401は、加算テスト数に演算対象日の試薬使用量(テスト数)を加算した結果を新たな加算テスト数とするとともに、加算日数を1だけインクリメントし(ステップS407)、ステップS408へ処理を移す。
ステップS408において、CPU401は、終了条件を満たしているか否かを判別する(ステップS408)。ここで終了条件は、加算日数が10より大きいか、又は演算対象日以前の試薬使用量が試薬使用履歴データベースDB200に登録されていないことである。ここで、加算日数が10より大きい、又は演算対象日以前の試薬使用量が試薬使用履歴データベースDB200に登録されていない場合には(ステップS408においてYES)、CPU401は、加算テスト数を加算日数で除した結果を平均試薬使用量(平均テスト数)として設定し(ステップS409)、対象測定項目として全ての測定項目を既に設定したか否かを判別する(ステップS410)。対象測定項目として設定していない測定項目が残っている場合には(ステップS410においてNO)、CPU401は、残りの測定項目の1つを対象測定項目に設定し(ステップS411)、ステップS402へ処理を戻す。
一方、ステップS411において対象測定項目として全測定項目を設定済みの場合には(ステップS410においてYES)、CPU401は、試薬使用量予測処理における平均試薬使用量算出処理の呼び出しアドレスへ処理をリターンする。
ステップS408において、終了条件を満たしていない場合、即ち、加算日数が10より小さく、且つ、演算対象日以前の試薬使用量が試薬使用履歴データベースDB200に登録されている場合には(ステップS408においてNO)、CPU401は、演算対象日の前週の同一曜日を新たな演算対象日として選択し(ステップS412)、ステップS405へ処理を戻す。
次にステップS403において予測対象日が「非稼働日」である場合について説明する。ステップS403において、予測対象日が「非稼働日」である場合には(ステップS403においてNO)、非稼働日における試薬使用量である平均試薬使用量が以下の手順により算出される。まず、CPU401は、予測対象日と同一の曜日のうち、当日から遡って最初の日付を演算対象日として選択する(ステップS413)。
次にCPU401は、稼働日テーブルにおいて演算対象日が非稼働日に設定されているか否か、及び、演算対象日の試薬使用量が第1閾値以下であるか否かを判別する(ステップS414)。この処理では、演算対象日が非稼働日に相当するかが判断される。つまり、稼働日テーブルOPTにおいて演算対象日に“1”がセットされている場合には、当該演算対象日は非稼働日と判断することができる。また、本実施形態では、稼働日テーブルOPTに正確に非稼働日の情報が設定されていない場合も考えられるため、試薬使用履歴データベースDB200における演算対象日の試薬使用量が第1閾値以下である場合には、当該演算対象日の試薬使用量が極めて少ないことから、非稼働日であると推定する。
ステップS414において、稼働日テーブルにおいて演算対象日が非稼働日に設定されている、又は、演算対象日の試薬使用量が第1閾値以下である場合には(ステップS414においてYES)、演算対象日が非稼働日に相当すると判断され、CPU401は、加算テスト数に演算対象日の試薬使用量を加算した結果を新たな加算テスト数とするとともに、加算日数を1だけインクリメントし(ステップS415)、ステップS416へ処理を移す。
一方、ステップS414において、稼働日テーブルにおいて演算対象日が非稼働日に設定されておらず(つまり、演算対象日に“0”がセットされており)、且つ、演算対象日の試薬使用量が第1閾値より大きい場合には(ステップS414においてNO)、演算対象日が非稼働日に相当しないと判断される。この場合、CPU401は、ステップS416へ処理を移す。
ステップS416において、CPU401は、終了条件を満たしているか否かを判別する(ステップS416)。当該終了条件は、ステップS408の終了条件と同一とされる。つまり、加算日数が10より大きい、又は演算対象日以前の試薬使用量が試薬使用履歴データベースDB200に登録されていない場合には(ステップS416においてYES)、CPU401は、加算テスト数を加算日数で除した結果を平均試薬使用量として設定し(ステップS409)、対象測定項目として全ての測定項目を既に設定したか否かを判別する(ステップS410)。対象測定項目として設定していない測定項目が残っている場合には(ステップS410においてNO)、CPU401は、残りの測定項目の1つを対象測定項目に設定し(ステップS411)、ステップS402へ処理を戻す。
ステップS410において、対象測定項目として全測定項目を設定済みの場合には(ステップS410においてYES)、CPU401は、試薬使用量予測処理における平均試薬使用量算出処理の呼び出しアドレスへ処理をリターンする。
ステップS416において、終了条件を満たしていない場合、即ち、加算日数が10より小さく、且つ、演算対象日以前の試薬使用量が試薬使用履歴データベースDB200に登録されている場合には(ステップS416においてNO)、CPU401は、演算対象日の前週の同一曜日を新たな演算対象日として選択し(ステップS417)、ステップS414へ処理を戻す。
上記のような平均試薬使用量算出処理を終了した後、CPU401は、第1連続休日日数算出処理を実行する(ステップS203)。図14は、第1連続休日日数算出処理の流れを示すフローチャートである。前日(前日が定休日である場合にはその前日)が不定期の休日の稼働日は、不定期の休日に検体検査を実施できなかったために検体検査数が通常の稼働日(前日が不定期の休日ではない稼働日)よりも一般的に多くなる。また、不定期の休日が連続した後の稼働日は、さらに検体検査を行えなかった日数が多いため、不定期の休日の連続数に応じて検体検査数が多くなる傾向がある。したがって、正確な試薬使用量を予測するためには、予測対象日の直前に何日間不定期の休日が連続していたかに応じて試薬使用量を予測する必要がある。つまり、不定期の休日の連続数に応じて平均試薬使用量を補正することで、正確な試薬使用量の予測が可能となる。この第1連続休日日数算出処理では、予測対象日の直前の不定期の休日の連続数が求められる。
まずCPU401は、パラメータ「第1連続休日日数」を初期値“0”に設定し(ステップS501)、予測対象日を処理対象日として選択する(ステップS502)。
次にCPU401は、処理対象日の前日が土曜日又は日曜日であるか否かを判別する(ステップS503)。第1連続休日日数算出処理は、不定期の休日の連続数を算出する処理であり、施設の定休日は当該連続数に含まれない。ステップS503では、処理対象日の前日が土曜日又は日曜日であるか否かが判別される。この処理は、次のような理由により設けられている。施設の定休日も非稼働日であるため、検体検査数は極端に少なくなるのが一般的である。しかし、予測対象日と同一の曜日の平均試薬使用量に基づいて試薬使用量が予測されるため、予測対象日が(定休日の直後の)月曜日の場合には、過去の月曜日の平均試薬使用量が使用されることとなり、毎月曜日の前日及び前々日は定休日であることから、前日及び前々日が定休日であることが平均試薬使用量に反映されている。したがって、前日が定休日の予測対象日について試薬使用量を予測する場合に、前日が定休日であることをもって平均試薬使用量を補正する必要はない。一方、予測対象日の前日が定休日であり、しかも定休日の直前が不定期の休日である場合(例えば、金曜日が休日の場合の月曜日)には、前日のみが定休日の通常の稼働日(定休日の直前が休日でない場合。例えば、金曜日が休日でない場合の月曜日。)に比べて、検体検査が多くなる。したがって、この場合には、定休日の前日が休日である分、平均試薬使用量を補正する必要がある。
ステップS503において、処理対象日の前日が土曜日又は日曜日である場合には(ステップS503においてYES)、CPU401は、処理対象日の前日を新たな処理対象日として選択し(ステップS504)、ステップS503へ処理を戻す。
ステップS503において、処理対象日の前日が土曜日及び日曜日の何れにも該当しない場合には(ステップS503においてNO)、CPU401は、処理対象日の前日が不定期の休日であるか否かを判別する(ステップS505)。処理対象日の前日が不定期の休日である場合には(ステップS505においてYES)、CPU401は、パラメータ「第1連続休日日数」を1だけインクリメントし(ステップS506)、処理対象日の前日を新たな処理対象日として選択し(ステップS507)、ステップS503へ処理を戻す。
一方、ステップS505において、処理対象日の前日が不定期の休日でない場合には(ステップS505においてNO)、CPU401は、試薬使用量予測処理における第1連続休日日数算出処理の呼び出しアドレスへ処理をリターンする。
上記のような第1連続休日日数算出処理を終了した後、CPU401は、加算成分決定処理を実行する(ステップS204)。図15は、加算成分決定処理の流れを示すフローチャートである。上述したように、本実施の形態においては、予測対象日の直前に不定期の休日が存在する場合に、平均試薬使用量を補正することで試薬の予測使用量を求める。加算成分決定処理では、平均試薬使用量の補正に用いられる加算成分が決定される。
まずCPU401は、加算成分を算出する対象の測定項目である対象測定項目を初期値に設定する(ステップS601)。この初期値は、ステップS301及びS401の測定項目の初期値と同じものである。
次にCPU401は、加算成分の演算に使用するパラメータである加算成分、仮加算成分、加算日数、及び演算実行フラグを初期値“0”に設定する(ステップS602)。
次いでCPU401は、予測対象日が稼働日であるか否かを判定する(ステップS603)。この処理は、ステップS403と同様の処理であり、稼働日テーブルOPTが用いられる。
予測対象日が稼働日である場合(ステップS603においてYES)、CPU401は、予測対象日と同一の曜日のうち、当日から遡って最初の日付を演算対象日として選択する(ステップS604)。例えば、月曜日である当日が予測対象日の場合には、先週の月曜日が演算対象日として選択される。
次にCPU401は、演算対象日の試薬使用量が第1閾値よりも大きいか否かを判別する(ステップS605)。この処理では、予測対象日が属する曜日において、稼働日であるか非稼働日であるかを判別するために第1閾値が使用される。つまり、試薬使用量が第1閾値よりも大きい日は稼働日であり、試薬使用量が第1閾値以下の日は非稼働日であると判断される。
ステップS605において、演算対象日の試薬使用量が第1閾値よりも大きい場合には(ステップS605においてYES)、演算対象日が稼働日であることから、比較的大きい試薬使用量が見込まれる。そこでかかる場合には、後述する第2連続休日日数算出処理及び加算成分演算処理を実行することにより、加算成分の決定に用いられるデータが求められる。
ステップS605において、演算対象日の試薬使用量が第1閾値よりも大きい場合(ステップS605においてYES)、まずCPU401は、第2連続休日日数算出処理を実行する(ステップS606)。図16は、第2連続休日日数算出処理の流れを示すフローチャートである。この処理では、演算対象日の前に何日不定期の休日が連続していたかを示す「第2連続休日日数」の値が算出される。
まずCPU401は、パラメータ「第2連続休日日数」を初期値“0”に設定し(ステップS621)、演算対象日を処理対象日として選択する(ステップS622)。
次にCPU401は、処理対象日の前日が土曜日又は日曜日であるか否かを判別する(ステップS623)。ステップS623において、処理対象日の前日が土曜日又は日曜日である場合には(ステップS623においてYES)、CPU401は、処理対象日の前日を新たな処理対象日として選択し(ステップS624)、ステップS623へ処理を戻す。
ステップS623において、処理対象日の前日が土曜日及び日曜日の何れにも該当しない場合には(ステップS623においてNO)、CPU401は、処理対象日の前日が不定期の休日であるか否かを判別する(ステップS625)。処理対象日の前日が不定期の休日である場合には(ステップS625においてYES)、CPU401は、パラメータ「第2連続休日日数」を1だけインクリメントし(ステップS626)、処理対象日の前日を新たな処理対象日として選択し(ステップS627)、ステップS623へ処理を戻す。
一方、ステップS625において、処理対象日の前日が不定期の休日でない場合には(ステップS625においてNO)、CPU401は、加算成分決定処理における第2連続休日日数算出処理の呼び出しアドレスへ処理をリターンする。
上記のような第2連続休日日数算出処理が終了すると、CPU401は、加算成分演算処理を実行する(ステップS607)。図17は、加算成分演算処理の流れを示すフローチャートである。この処理では、加算成分を決定するための演算が行われる。
まずCPU401は、第2連続休日日数が“0”より大きいか否か、即ち、演算対象日の前に不定期の休日があるか否かを判別する(ステップS631)。第2連続休日日数が“0”より大きい場合、即ち、演算対象日の前に不定期の休日が存在する場合には(ステップS631においてYES)、CPU401は、演算実行フラグを“1”に設定する(ステップS632)。この演算実行フラグは、加算成分の演算処理が1度でも実行されたか否かを示す情報であり、“0”がセットされている場合には、一度も加算成分の演算が行われていないことを示し、“1”がセットされている場合には一度以上加算成分の演算が実行されていることを示す。つまり、第2連続休日日数が“0”より大きい場合には、加算成分の演算処理を行うことから、演算実行フラグが“1”に設定される。
次にCPU401は、演算対象日の試薬使用量から平均試薬使用量を差し引いた差分を求め、当該差分を第2連続休日日数で除した結果を仮加算成分として設定する(ステップS633)。例えば、演算対象日の前日が不定期の休日であり、演算対象日における試薬使用量が通常の同一曜日の稼働日よりも多い場合には、演算対象日における試薬使用量は平均試薬使用量を上回ると考えられる。この場合において、演算対象日における試薬使用量と平均試薬使用量との差分は、演算対象日における試薬使用量のうち、前日が不定期の休日であることによる増加分と考えることができる。また、上述したように、演算対象日の前に不定期の休日が複数連続していた場合には、不定期の休日の連続数に応じて演算対象日における試薬使用量は増加する。本実施の形態では、不定期の休日の連続数に比例して演算対象日における試薬使用量が増加すると考え、演算対象日における試薬使用量と平均試薬使用量との差分(試薬使用量の増加分)を第2連続休日日数(演算対象日の前の不定期の休日の連続数)で除し、これを仮加算成分としている。つまり、仮加算成分は、不定期の休日1日あたりの試薬使用量の増加分に相当する。
次にCPU401は、加算成分が“0”より大きいか否かを判別する(ステップS634)。加算成分の初期値は“0”であるため、加算成分が“0”より大きい場合とは、加算成分が少なくとも初期値から変更されていることを意味する。このように加算成分が“0”より大きい場合には(ステップS634においてYES)、CPU401は、加算成分と仮加算成分との和を2で除した結果、即ち、加算成分と仮加算成分との平均値を、新たな加算成分として設定する(ステップS635)。一方、加算成分が“0”以下である場合には(ステップS634においてNO)、CPU401は、仮加算成分の値を加算成分として設定する(ステップS636)。ステップS635又はS636において加算成分を設定した後、CPU401は、加算成分決定処理における加算成分演算処理の呼び出しアドレスへ処理をリターンする。
また、ステップS631において、第2連続休日日数が“0”以下の場合、即ち、演算対象日の前に不定期の休日が存在しない場合には(ステップS631においてNO)、CPU401は、加算成分の演算を行わずに、加算成分決定処理における加算成分演算処理の呼び出しアドレスへ処理をリターンする。このとき、加算成分の演算が実質的に行われていないため、演算実行フラグの値は変更されない。つまり、演算実行フラグが“0”の場合には“0”が維持され、演算実行フラグが“1”の場合には“1”が維持される。
上記のような加算成分演算処理が終了すると、CPU401は、パラメータ「加算日数」を1だけインクリメントする(ステップS608)。さらにCPU401は、所定の終了条件が満たされているか否かを判別する(ステップS609)。ここでの終了条件は、加算日数が50より大きいか、又は演算対象日以前の試薬使用量が試薬使用履歴データベースDB200に登録されていないことである。ここで、終了条件を満たしていない場合、即ち、加算日数が50より小さく、且つ、演算対象日以前の試薬使用量が試薬使用履歴データベースDB200に登録されている場合には(ステップS609においてNO)、CPU401は、演算対象日の前週の同一曜日を新たな演算対象日として選択し(ステップS610)、ステップS605へ処理を戻す。
一方、ステップS608において、前記終了条件が満たされている、即ち、加算日数が50より大きい、又は演算対象日以前の試薬使用量が試薬使用履歴データベースDB200に登録されていない場合には(ステップS609においてYES)、CPU401は、加算成分成形処理を実行する(ステップS611)。
図18は、加算成分成形処理の流れを示すフローチャートである。まずCPU401は、予測対象日が稼働日であるか否かを判定する(ステップS641)。この処理は、ステップS403と同様の処理であり、稼働日テーブルOPTが用いられる。
ステップS641において予測対象日が稼働日である場合(ステップS641においてYES)、CPU401は、演算実行フラグが“0”に設定されているか否か、即ち、演算が一度も行われなかったかどうかを判定する(ステップS642)。演算実行フラグが“0”に設定されている場合(ステップS642においてYES)、予測対象日が稼働日であるが、加算成分演算処理により加算成分は一度も演算されなかったことになる(つまり、パラメータ「加算成分」の値は“0”である。)。この場合、CPU401は、パラメータ「加算成分」を、平均試薬使用量に0.1を乗じた結果、即ち、平均試薬使用量の1割の値に設定し(ステップS643)、試薬使用量予測処理における加算成分成形処理の呼び出しアドレスへ処理をリターンする。
一方、ステップ641において予測対象日が非稼働日である場合(ステップS641においてNO)、又は、ステップS642において演算実行フラグが“1”に設定されている(つまり、少なくとも一度加算成分の演算が実行された)場合(ステップS642においてNO)、CPU401は、パラメータ「加算成分」の値が0未満であるか否かを判別する(ステップS644)。パラメータ「加算成分」の値が0未満、つまり、負の数である場合には(ステップS644においてYES)、加算成分の値が不適当であるとして、CPU401はパラメータ「加算成分」を0に設定する(ステップS645)。この後、CPU401は、試薬使用量予測処理における加算成分成形処理の呼び出しアドレスへ処理をリターンする。
ステップS644において、パラメータ「加算成分」の値が0以上である場合には(ステップS644においてNO)、CPU401は、パラメータ「加算成分」の値を変更することなく、試薬使用量予測処理における加算成分成形処理の呼び出しアドレスへ処理をリターンする。
上記のような加算成分成形処理が終了すると、CPU401は、対象測定項目として全ての測定項目を既に設定したか否かを判別する(ステップS612)。対象測定項目として設定していない測定項目が残っている場合には(ステップS612においてNO)、CPU401は、残りの測定項目の1つを対象測定項目に設定し(ステップS613)、ステップS602へ処理を戻す。
一方、ステップS612において対象測定項目として全測定項目を設定済みの場合には(ステップS612においてYES)、CPU401は、試薬使用量予測処理における加算成分決定処理の呼び出しアドレスへ処理をリターンする。
上記のような加算成分決定処理を終了した後、CPU401は、予測使用量算出処理を実行する(ステップS205)。図19は、予測使用量算出処理の流れを示すフローチャートである。
まずCPU401は、加算成分を算出する対象の測定項目である対象測定項目を初期値に設定する(ステップS701)。この初期値は、ステップS301、S401、及びS601の測定項目の初期値と同じものである。
次にCPU401は、加算成分を第1連続休日日数、即ち、予測対象日の直前の不定期の休日の連続数を乗じた結果と、平均試薬使用量との和を求め、この和を試薬の予測使用量として設定する(ステップS702)。換言すれば、この処理では、平均試薬使用量を予測対象日の直前の不定期の休日の連続数に応じて補正することで、試薬の予測使用量を算出している。
次にCPU401は、予測使用量が所定の予測上限値以上であるか否かを判定する(ステップS703)。予測上限値は、予め与えられた数値であり、試薬使用量の予測値の上限を示している。ステップS703において予測使用量が予測上限値以上である場合には(ステップS703においてYES)、CPU401は、予測使用量を予測上限値に設定する(ステップS704)。これにより、予測使用量が過大な場合に、当該予測使用量が予測上限値に修正される。この後、CPU401は、処理をステップS705へと移す。
ステップS703において予測使用量が予測上限値未満である場合には(ステップS703においてNO)、CPU401は、予測使用量を修正することなく、ステップS705へと処理を移す。
ステップS705において、CPU401は、対象測定項目として全ての測定項目を既に設定したか否かを判別する(ステップS705)。対象測定項目として設定していない測定項目が残っている場合には(ステップS705においてNO)、CPU401は、残りの測定項目の1つを対象測定項目に設定し(ステップS706)、ステップS702へ処理を戻す。
ステップS705において、対象測定項目として全測定項目を設定済みの場合には(ステップS705においてYES)、CPU401は、試薬使用量予測処理における予測使用量算出処理の呼び出しアドレスへ処理をリターンする。
上記のような予測使用量算出処理を終了した後、CPU401は、メインルーチンにおける試薬使用量予測処理の呼び出しアドレスへ処理をリターンする。
上記のような試薬使用量の予測は、検体分析装置1を起動した直後は、当日を予測対象日として実行される。かかる検体分析装置1を設置している施設によっては、例えば夜間に検体分析装置1を動作させる場合等、日付の変更を跨いで検体分析装置1を動作させ続けることがある。この場合には、日付の変更に伴い、試薬使用量の予測が再度実行される。
図20は、日付変更に伴う試薬使用量の予測に係る検体分析装置1の動作の流れを示すフローチャートである。情報処理装置4のCPU401は、日付が変更されたか否かを判定する(ステップS801)。日付は午前0時に変更されるため、通常は午前0時に到達した場合に、日付が変更されたと判断される。また、施設によっては午前0時以外の時刻に日付を変更するルールを採用している場合がある。この場合には、当該施設(検体分析装置1が設置されている施設)における日付変更の時刻に到達したか否かが判断されることにより、日付が変更されたか否かが判断される。日付が変更されるまで、CPU401はステップS801の処理を繰り返し実行する(ステップS801においてNO)。
ステップS801において日付が変更されたと判断された場合には(ステップS801においてYES)、CPU201は、日付変更後の当日について、試薬使用量予測処理を実行する(ステップS802)。つまり、CPU401は、予測対象日を日付変更後の当日として、上述した試薬使用量予測処理を再度実行する。試薬使用量予測処理が終了すると、CPU401は、処理をステップS801へと戻す。
このようにすることにより、試薬の予測使用量が一旦算出された後、日付が変更された場合に、日付変更後の当日の予測使用量に更新され、昨日の予測使用量が日付変更後にも使用され続けることがない。
また、かかる検体分析装置1においては、試薬使用量の予測結果を表示させることができる。試薬使用量の予測結果は、保守状況確認画面において表示される。この保守状況確認画面は、上述したようにログオン後の初期画面として表示される他、以下に説明するようにユーザの操作によって他画面から呼び出されることで表示される。
図21は、試薬使用量の予測結果の表示に係る検体分析装置の動作の流れを示すフローチャートである。ユーザは、入力部410を操作することによって、情報処理装置4に保守状況確認画面の表示の指示を与えることが可能である。CPU401は、当該保守状況確認画面の表示指示を受け付けたか否かを判別し(ステップS901)、保守状況確認画面の表示指示を受け付けていない場合には(ステップS901においてNO)、処理を終了する。
一方、ステップS901において保守状況確認画面の表示指示をCPU401が受け付けた場合には(ステップS901においてYES)、CPU401は、保守状況確認画面表示処理を実行する(ステップS902)。
図22は、保守状況確認画面表示処理の手順を示すフローチャートである。保守状況確認画面表示処理において、まずCPU401は、試薬情報を取得する(ステップS911)。この処理では、試薬DBから試薬管理情報が読み出され、また上述した試薬使用量予測処理による予測結果がハードディスク404又はRAM403から読み出される。
次にCPU401は、保守情報DBから保守情報を読み出す(ステップS912)。ここで読み出される保守情報は、当日(指定された対象日)において実施予定の保守作業の情報である。
次に、CPU401は、掲示板DBから掲示板情報(投稿者のユーザ名及びメッセージ)を取得する(ステップS913)。
続いてCPU401は、ステップS912において読み出した試薬情報に基づいて、各測定項目の試薬残量に関するグラフを作成する(ステップS914)。この処理についてさらに詳しく説明する。後述するように、保守状況確認画面においては、測定項目毎に、試薬残量に関するグラフが表示される。試薬残量に関するグラフには、試薬の残量を示すグラフ(バー)と、試薬の予測使用量を示す棒グラフ(バー)と、試薬の不足量を示す棒グラフ(バー)とが含まれる。ステップS914において、CPU401は、これらのグラフを測定項目毎に作成する。
各測定項目のグラフを作成した後、CPU401は、保守状況確認画面を表示部420に表示させ(ステップS915)、メインルーチンにおける保守状況確認画面表示処理の呼出アドレスに処理を戻す。
図23は、保守状況確認画面の一例を示す図である。かかる保守状況確認画面DPには、試薬使用量の予測結果を表示する試薬情報領域A100が設けられている。試薬情報領域A100には、測定項目毎に試薬の残量、予測使用量、及び過不足量の情報が表示される。試薬情報領域A100は、複数の行で構成されたテーブル状の領域であり、各行が1つずつ測定項目に対応している。試薬情報領域A100は、2つのカラムに分けられており、左側カラムには、測定項目の名称が各行に表示される。また、右側カラムには、試薬の残量の数値情報C101と、試薬の過不足量の数値情報C102と、試薬の残量、予測使用量、過不足量の関係を模式的に図示したグラフィック情報G103とが表示される。グラフィック情報G103には、試薬残量を示す横長のバーG104が含まれる。当該バーG104は、緑色で表示され、残量の多さが長さに対応している。つまり、残量が多いほどバーG104の長さが長く、残量が少ないほどバーG104の長さが短くなる。また、バーG104は左端(以下、「基準位置」という。)を起点として右方に延びるように表示される。つまり、バーG104が表示可能な領域の基準位置は試薬の残量が“0”の状態に対応しており、当該領域の右端の位置(以下、「上限位置」という。)は試薬が満杯の状態に対応している。試薬残量が“0”の場合には、バーG104は表示されず、試薬が満杯の場合には前記領域の基準位置から上限位置に至る範囲でバーG104が表示される。また、例えば試薬の残量が70%の場合は、前記基準位置から上限位置に至るまでの長さの70%の長さのバーG104が、前記基準位置から右方へ延びるように表示される。このようにすることにより、ユーザがバーG104の長さを確認するだけで、おおよその試薬残量を直感的に把握することが可能となる。
また、バーG104の上下両側には、試薬の予測使用量を示すバーG105がバーG104と平行に表示される。バーG105は灰色であり、バーG104より幅が狭くなっている。図24は、数値情報C101、バーG104及びバーG105の大きさを説明するための図である。具体的には、バーG104の太さaと1本のバーG105の太さbとの比は約4:1である。また、バーG104を挟む2本のバーG105の太さは同一である。かかるバーG105は、基準位置から上限位置までの範囲において表示可能であり、予測使用量の多さが長さに対応している。つまり、予測使用量が多いほどバーG105の長さが長く、予測使用量が少ないほどバーG105の長さが短くなる。また、バーG105は基準位置を起点として右方に延びるように表示される。つまり、予測使用量が“0”の場合には、バーG105は表示されず、予測使用量が試薬容器の満杯分であるときには前記領域の基準位置から上限位置に至る範囲でバーG105が表示される。また、例えば試薬の予測使用量が試薬容器満杯分に対して70%の場合は、前記基準位置から上限位置に至るまでの長さの70%の長さのバーG105が、前記基準位置から右方へ延びるように表示される。このようにすることにより、ユーザがバーG105の長さを確認するだけで、おおよその試薬の予測使用量を直感的に把握することが可能となる。
また、バーG104とG105とを隣接するように平行に表示し、しかも同一の基準位置から容量に応じて右方へ延びるように表示しているので、ユーザは現在の試薬残量と予測使用量とを容易に対比することができる。これに加えて、バーG104の太さに比べて、バーG105は細くなっている。さらに、バーG104は有彩色の緑色であり、バーG105は無彩色の灰色である。このため、ユーザは容易にバーG104とバーG105とを区別することが可能である。また、バーG104をバーG105よりも太くすることで、バーG105よりもバーG104を目立たせることができる。さらに、鮮やかな目立つ色でバーG104(試薬の残量)を表示し、くすんだ色でバーG105(試薬の予測使用量)を表示している。このため、より重要な情報である試薬の残量を、試薬の予測使用量に比べて目立たせることができる。
試薬残量と予測使用量との差分は過不足量C102として表示される。具体的には、試薬残量が予測使用量を上回るとき、試薬の過剰量、即ち、予測使用量を全て消費したときにおける試薬残量が過不足量C102として表示される。この場合、試薬残量のバーG104が予測使用量のバーG105よりも長く、バーG105の右端よりも右方にバーG104が突出する。この突出量が、試薬の過剰量に相当する。一方、予測使用量が試薬残量を上回るとき、試薬の不足量、即ち、試薬残量を全て消費したとき、さらにその日に必要となる試薬量が過不足量C102として表示される。この場合、予測使用量のバーG105が試薬残量のバーG104よりも長く、バーG104の右端よりも右方にバーG105が突出する。この突出量が、試薬の不足量に相当する。かかる不足量は、赤色のバーG106によって表示される。つまり、不足量のバーG106は、試薬残量のバーG104の右端から、予測使用量のバーG105の右端の範囲において、試薬残量のバーG104の右方に隣接するように表示される。例えば、試薬残量が試薬容器の60%であって、予測使用量が試薬容器の全容量の場合、基準位置から上限位置までの長さの60%の長さのバーG104が基準位置から右方へ延びるように表示され、また、基準位置から上限位置に至る範囲でバーG105が表示される。このとき、バーG106は、バーG104の右端からバーG105の右端までの範囲で表示される(図23における測定項目“HBsAb”参照)。また、試薬残量が“0”であって、予測使用量が試薬容器の全容量の場合、基準位置から上限位置の全範囲において不足量のバーG106が表示される(図23における測定項目“FT3”参照)。さらに、試薬残量が“0”であって、予測使用量が試薬容器の容量の5%の場合、基準位置から上限位置に至るまで長さの5%の長さのバーG106が、前記基準位置から右方へ延びるように表示される(図23における測定項目“TestA”参照)。このようにすることで、試薬残量と予測使用量の関係、例えば、試薬残量が予測使用量を上回っているか、下回っているか、或いは、試薬の過不足量が大まかにはどの程度か等を容易に把握することができる。
また、バーG104は緑色であり、バーG106は赤色である。このように試薬残量を示すバーG104と、試薬の不足量を示すバーG106とを互いに色相が異なる色で表示することとしているため、ユーザは容易にバーG104とバーG106とを区別することが可能である。また、試薬の残量を示すバーG104を信号機において「通行可能」を示す緑色とし、試薬の不足量を示すバーG106を信号機において「停止(通行不可)」を示す赤色としている。バーG104は、試薬の残量を示しており、その残量分だけ検体の測定が可能であることを示している。信号機において通行可能を意味する緑色でバーG104を表示することで、バーG104で示される分量だけ検体の測定が可能であることをユーザに想起させることができる。一方、バーG106は、試薬の不足量を示しており、その不足量分は検体の測定が不可能であることを示している。信号機において通行不可を意味する赤色でバーG106を表示することで、バーG106により示される分量だけ検体の測定が不可能であることをユーザに想起させることができる。
また、バーG106の太さは、バーG104と同一である。したがって、バーG105の太さに比べて、バーG106は太くなっている。これに加えて、バーG106は有彩色の赤色であり、バーG105は無彩色の灰色である。このため、ユーザは容易にバーG106とバーG105とを区別することが可能である。また、バーG106をバーG105よりも太くすることで、バーG105よりもバーG106を目立たせることができる。さらに、鮮やかな目立つ色でバーG106(試薬の不足量)を表示し、くすんだ色でバーG105(試薬の予測使用量)を表示している。このため、より重要な情報である試薬の不足量を、試薬の予測使用量に比べて目立たせることができる。
また、2本のバーG105が、バーG104及びバーG106を挟むように配置されている。2本のバーG105それぞれの右端の位置が、試薬の予測使用量を表している。バーG104がバーG105よりも短い場合には、バーG105の右端がバーG106の右端と一致しており、バーG105の右端の位置、即ち試薬の予測使用量は容易に把握される。一方、バーG104がバーG105よりも長い場合には、バーG105の右端を超えてバーG104が右方に突出する。このような場合においても、試薬の予測使用量を表すバーG105を2本平行に設けたことにより、2本のバーG105は互いに離隔しているにもかかわらず、グラフィック情報G103を観察するユーザには、2本のバーG105それぞれの右端の間を接続する仮想線が想起される。このため、かかる仮想線により試薬の予測使用量が容易に把握されることとなる。
また、試薬情報領域A100は、複数の行が設けられており、各行に試薬の情報が表示されるようになっている。1行には、測定項目の名称、試薬の残量の数値情報C101、グラフィック情報G103、及び試薬の過不足量の数値情報C102が表示されている。測定項目の名称、並びに、数値情報C101及びC102はテキスト情報(文字情報)であり、上下に複数段に分けて表記されるのではなく、一段に表記されている。また、バーG104及びG106の太さaは、テキスト情報の文字の高さcに対して若干大きくなっている。具体的には、図24に示すように、バーG104の太さaと、数値情報C101の文字高さcとの比は、約10:9である。また、バーG104と2本のバーG105とを合わせた太さ(つまり、グラフィック情報G103全体の太さ)a+2bは、テキスト情報の文字の高さcに対して若干大きくなっている。具体的には、a+2bとcとの比は、約5:3である。なお、試薬情報領域A100に示される測定項目の名称及び数値情報C101,C102の文字サイズは全て同一の10ポイントである。
このように、試薬情報領域A100において、1行当たりの文字情報は全て一段で表記され、且つ、グラフィック情報G103の太さ(高さ)は、文字情報の文字高さの2倍よりも小さい。つまり、文字高さcよりも若干大きい高さ(a+2b)の領域、即ち、テキスト情報1行分よりも大きく、2行分よりも小さい領域に、1つの測定項目の試薬の残量に関する情報(測定項目の名称、試薬の残量の数値情報C101、グラフィック情報G103、及び試薬の過不足量の数値情報C102)が全て収められている。また、テキスト情報を1行に表示するためには、上下にマージン領域を設ける必要があり、文字高さの約半分〜1行分の高さのマージン領域が確保されるのが一般的である。上述したように、グラフィック情報G103の高さa+2bと、文字情報C101,C102の高さcとの比は約5:3であり、グラフィック情報G103の高さは、テキスト情報1行分と、一般的なマージン領域とを合わせた高さと一致している。したがって、テキスト情報1行分を表示することができる領域に、測定項目の名称、試薬の残量の数値情報C101、及び試薬の過不足量の数値情報C102だけでなく、グラフィック情報G103も表示することができる。このように、グラフィック情報G103の高さをテキスト情報の文字高さの2倍より小さくしているため、グラフィック情報G103を表示することによってテキスト情報2行分以上の高さを必要とせず、試薬情報領域A100において、テキスト情報1行分の領域に1つの測定項目の試薬の残量に関する情報(測定項目の名称、試薬の残量の数値情報C101、グラフィック情報G103、及び試薬の過不足量の数値情報C102)が全て収められる。このため、多くの測定項目の試薬残量に関する情報を試薬情報領域A100に表示することができる。
また、本実施の形態において、テキスト情報の文字高さcは10ポイントであり、これは標準的な画面の解像度96dpiの場合に13.33ピクセル(ドット)に相当する。バーG104及びG106の太さaは、テキスト情報の文字高さcよりも若干大きく、上記の解像度において約15ピクセルに相当する。このため、ユーザは画面上のバーG104及びG106を十分に視認することが可能である。また、一本のバーG105の太さは約3〜4ピクセルである。3〜4ピクセルの線であれば、容易に視認することが可能であることから、バーG105についても十分な視認性が確保されている。
試薬情報領域A100の上方には、日付指定アイコンB200が表示される。日付指定アイコンB200は、マウス操作等により選択可能なグラフィカルオブジェクト(コントロール)であり、選択されることで日付指定用のカレンダーが表示される。このカレンダーの中から所望の日付をユーザが選択することにより、当該日付を予測対象日として指定可能となっている。ただし、このカレンダーにおいて予測対象日を指定できる範囲は、当日から5日後までとされる。
試薬情報領域A100の左方には、試薬以外の消耗品情報を表示するための消耗品情報領域A300が設けられている。消耗品情報領域A300には、キュベット供給部10におけるキュベットの残量情報、及びピペットチップ供給部13におけるピペットチップの残量情報が表示される。キュベットの残量情報は、アイコンB301として表示され、ピペットチップの残量情報は、アイコンB302として表示される。つまり、キュベットの残量が十分の場合には、アイコンB301が緑色に表示され、キュベットの残量が不十分の場合には、アイコンB301が赤色に表示される。同じく、ピペットチップの残量が十分の場合には、アイコンB302が緑色に表示され、ピペットチップの残量が不十分の場合には、アイコンB302が赤色に表示される。
消耗品情報領域A300の左方には、当日行うべき作業の一覧を表示するための作業情報領域A400が設けられている。作業情報領域A400には、ユーザが当日行うべき作業(ToDo)の名称がリスト表示される。この作業情報は、他の設定画面においてユーザにより設定可能である。また、既に実行された作業の横には、チェックマークアイコンB401が表示される。さらに、作業名の右方には、その作業を実行したユーザ名(検体分析装置1によって自動的に実行された場合には「自動」)が表示され、さらにその右方には、作業の実行時刻が表示される。まだ実行されていない作業については、ユーザ名は表示されない。また、未実行の作業については、作業実行時刻は通常表示されないが、所定時刻に自動実行が予約されている作業については、予定時刻が括弧付きで表示される。これにより、ユーザが、当日行うべき作業、それらの作業のうちどの作業が既に終わっているか、誰が作業を行ったのか、作業がいつ行われたのかを容易に確認することができる。
作業情報領域A400の下方には、ユーザ間での連絡事項を表示するための掲示板領域A500が設けられている。掲示板領域A500には、他のユーザからの連絡事項がリスト形式で表示される。この連絡事項は、他の入力画面においてユーザにより入力可能である。また、連絡事項の右方には、当該連絡事項を入力したユーザのユーザ名、及び入力時刻が表示される。これにより、直接ユーザ同士が会話をしなくても、ユーザ間のコミュニケーションを容易に取ることができる。また、ユーザが掲示板領域A500のコンテンツを確認するだけで、誰からいつどのような連絡事項が入力されたのかを容易に知ることができる。
上記のような保守状況確認画面DPは、通常、検体分析装置1が起動した後、ユーザが一日の作業を開始する前に表示される。この保守状況確認画面DPには、当日の試薬の予測使用量だけでなく、ユーザが一日の作業を開始するために準備をすべき事項の全てが表示されている。したがって、ユーザは保守状況確認画面DPを確認するだけで、円滑に作業開始の準備を行うことができる。また、かかる保守状況確認画面DPには、予測使用量及び当該予測使用量に基づく試薬の過不足量の情報が表示されるため、不足することが予想される試薬を容易に確認することができ、これらの試薬の追加、交換、又は発注を行うことで、その日の作業を円滑に行うことができる。
図21に戻り、試薬使用量の予測結果の表示動作について説明する。ユーザは上記のように、日付指定アイコンB200を操作することで、当日以外の予測対象日を指定することが可能である。CPU401は、予測対象日の指定を受け付けたか否かを判別し(ステップS903)、予測対象日の指定を受け付けた場合には(ステップS903においてYES)、CPU401は、指定された予測対象日について、上述した試薬使用量予測処理を実行する(ステップS904)。試薬使用量予測処理を終了すると、CPU401は、得られた試薬の使用量予測結果に基づいて、保守状況確認画面表示処理を実行する(ステップS905)。これにより、保守状況確認画面が更新される。
ステップS903において予測対象日の指定を受け付けていない場合(ステップS903においてNO)、又はステップS905において保守状況確認画面の更新が行われた場合には、CPU401は、検体分析装置1による検体の測定が実行中であるか否かを判別する(ステップS906)。検体測定が行われていない場合には(ステップS906においてNO)、CPU401は、処理をステップS909へ移す。一方、検体分析装置1による検体の測定が実行中の場合には(ステップS906においてYES)、CPU401は、検体測定に試薬が使用されたことにより、試薬DBにおいて試薬残量が更新されたか否かを判別する(ステップS907)。試薬残量が更新されていない場合には(ステップS907においてNO)、CPU401は処理をステップS909へ移す。一方、試薬DBの試薬残量が更新された場合には(ステップS907においてYES)、これに伴って試薬の予測使用量も更新されている(図6のステップS106参照)。この場合、CPU401は、更新された試薬残量及び試薬の予測使用量に基づいて、保守状況確認画面表示処理を実行する(ステップS908)これにより、保守状況確認画面が更新される。
ユーザは、入力部420を操作することで、検体分析装置1に対して、保守状況確認画面から他の画面へ表示の切り替えを指示することが可能である。他の画面に表示が遷移することで、保守状況確認画面の表示が終了する。ステップS909において、CPU401は、保守状況確認画面の表示終了指示(即ち、他の画面への表示切替指示)を受け付けたか否かを判別し(ステップ909)、保守状況確認画面の表示終了指示を受け付けていない場合には(ステップS909においてNO)、処理をステップS903へ戻す。一方、保守状況確認画面の表示終了指示を受け付けた場合には(ステップS909においてYES)、CPU401は、処理を終了する。
上記のように、本実施の形態にかかる検体分析装置1においては、試薬残量と試薬の予測使用量とが棒グラフによってグラフィカルに表示されるため、ユーザは直感的に試薬残量と予測使用量とを把握することができる。また、試薬残量の数値と予測使用量の数値も併せて表示されるため、ユーザは、容易に試薬の補充必要量を把握することが可能となる。
また、本実施の形態にかかる検体分析装置1においては、バーG104の幅とバーG105の幅とが異なるため、ユーザがバーG104とバーG105とを容易に区別することができる。したがって、ユーザは、容易に試薬の補充必要量を把握することが可能となる。
また、本実施の形態にかかる検体分析装置1においては、バーG104の終端に繋がるようにバーG106が表示されるため、バーG104及びバーG106の表示に必要な幅(高さ)が少なくて済み、効率的に多くの情報を表示することができる。
また、本実施の形態にかかる検体分析装置1においては、過去の日付が休日であるか否かの判別結果に基づいて、試薬使用履歴データベースDB200に記憶されている使用量情報のうち演算に使用する使用量情報を決定し、当該使用量情報に基づいて試薬使用量を予測する構成としたため、従来に比して正確に予測対象日の試薬使用量を予測することが可能となる。例えば、予測対象日が月曜日である場合に、試薬使用履歴データベースDB200の月曜日のデータのうち稼働日の試薬使用量のみを抽出して予測使用量を算出することができる。これにより例えば祝日となっていた月曜日のデータが予測使用量に反映されないため、より正確に予測対象日の試薬使用量を予測することが可能となる。
また、本実施の形態にかかる検体分析装置1においては、予測対象日の前日が休日である場合には、それに応じて予測対象日の試薬使用量に加算成分を加えるので、予測対象日が休日の翌日であることを加味して、より正確に予測対象日の試薬使用量を予測することができる。
(その他の実施の形態)
上記の実施の形態においては、消耗品として試薬の使用量の予測を行う構成について述べたが、これに限定されるものではない。検体分析に使用される消耗品であれば、試薬以外の消耗品の使用量を予測する構成としてもよい。例えば、キュベットの使用量を予測する構成としてもよいし、ピペットチップの使用量を予測する構成としてもよい。これらのキュベット及びピペットチップのように、検体の測定1回につき1個を消費する消耗品の場合、試薬と同じく消費量は測定数と一致する。したがって、上記の試薬の消費量予測と同様の処理により、消耗品の予測使用量を算出することが可能である。
また、上記の実施の形態においては、保守状況確認画面における試薬残量を示すグラフであるバーG104と試薬の予測使用量を示すグラフであるバーG105との太さ(高さ)の比を4:1とし、2本のバーG105をバーG104の上下に隣接させる構成について述べたが、これに限定されるものではない。一本のバーG105がバーG104よりも細ければ、上記のサイズでなくてもよい。例えば、バーG104及びバーG105の太さの比を2:1としてもよいし、5:3としてもよい。かかる場合、2本のバーG105の合計の太さが、バーG104の太さ以上になるが、このような構成を排除するものではない。また、バーG104とバーG105とが隣り合っていれば、両者が離れていてもよい。
また、上記の実施の形態においては、バーG104を緑色とし、バーG105を灰色とし、バーG106を赤色としたが、これに限定されるものではない。背景の色と異なる色であれば、バーG105を無彩色の白色又は黒色とすることも可能である。また、バーG105を有彩色にしてもよい。この場合、バーG104よりもバーG105の彩度を低くすれば、バーG104をバーG105に比べて目立たせることができる。同様に、バーG106よりもバーG105の彩度を低くすることにより、バーG106をバーG105に比べて目立たせることができる。
また、バーG104を緑色以外の有彩色とし、バーG106を赤色以外の有彩色とすることもできる。但し、バーG104とバーG106とを互いに異なる色とすることが必要である。
また、上記の実施の形態においては、測定項目の名称、試薬残量の数値情報C101、及び試薬の過不足量の数値情報C102の文字高さcと、グラフィック情報G103の高さa+2bとの比を約5:3としたが、これに限定するものではない。テキスト情報の文字高さとグラフィック情報の高さとの関係は任意に設定することができるが、グラフィック情報の高さは、テキスト情報の文字高さよりも大きく、当該文字高さの2倍よりも小さくすることが好ましい。このようにすれば、テキスト情報2行分未満の領域に、グラフィック情報を含む試薬の残量に関する情報を全て収めることができる。また、テキスト情報の文字サイズは、10ポイントでなくてもよい。かかるテキスト情報の文字サイズとしては、標準的な画面表示に用いられるサイズである9ポイント〜15ポイントが好ましい。
また、試薬の予測使用量を示すグラフが1つの測定項目につき1つであってもよい。図25Aは、他の実施形態に係るグラフィック情報の表示例を示す模式図である。図に示す実施形態では、試薬の予測使用量を示すグラフであるバーG205が1つだけ設けられている。また、バーG205は、試薬の残量を示すグラフであるバーG204よりも細くなっている。さらに、バーG204とバーG205とは互い平行に、隣接して設けられている。このような構成であっても、試薬残量を示すバーG204を、試薬の予測使用量を示すバーG205に比べて目立たせることができる。また、この実施の形態では、試薬の不足量を示すグラフが設けられていない。このように試薬の不足量を示すグラフがなくても、試薬の予測使用量が試薬の残量を上回っている場合には、バーG205がバーG204よりも長くなり、バーG205がバーG204よりも右方に突出した長さが試薬の不足量に相当することになる。このため、ユーザはバーG205の右方への突出量を確認することで、試薬の不足量を把握することができる。
また、本実施形態では、試薬の残量を示すバーG104よりも、試薬の予測使用量を示すバーG105の幅を細くしているが、バーG104の幅とバーG105の幅を同じにしてもよい。なお、試薬の補充必要量をより容易に把握するという観点では、バーG104の幅とバーG105の幅を異ならせ、バーG104の幅を太くする方が好ましい。
図25Bは、さらに他の実施形態に係るグラフィック情報の表示例を示す模式図である。図に示す実施形態では、試薬の予測使用量を示すグラフである2つのバーG305a、G305bが、試薬の残量を示すグラフであるバーG304を挟むように設けられている。バーG305bの高さb2は、バーG305aの高さb1よりも小さくなっている。また、バーG305aの高さb1及びG305bの高さb2のそれぞれは、バーG304の高さa3よりも小さくなっている。さらに、バーG304及びバーG305a,G305bは互い平行に、隣接して設けられている。このような構成であっても、試薬残量を示すバーG304を、試薬の予測使用量を示すバーG305a、305bに比べて目立たせることができる。また、太さは異なるが、2本のバーG305a,305bを設けることで、それぞれのバー305a,305bの右端を接続する仮想線が想起され、ユーザは試薬の予測使用量を明確に把握することができる。
図25Cは、さらに他の実施形態に係るグラフィック情報の表示例を示す模式図である。図に示す実施形態では、試薬の予測使用量を示すグラフである1つのバーG405の上に重なるように、試薬の残量を示すグラフであるバーG404が設けられている。この実施の形態では、バーG405の高さb41の方が、バーG404の高さa4よりも大きくなっている。また、バーG405は、バーG404の上下両側にはみ出すように配置されている。したがって、バーG404とバーG405とを含む全体の高さは、バーG405の高さb41よりも大きくならない。また、バーG405のうち、バーG404の上側にはみ出る部分の高さb42は、バーG404の高さa4よりも小さい。バーG405のうち、バーG404の下側にはみ出る部分の高さb43も、バーG404の高さa4よりも小さい。高さb42と高さb43は同一である。このような構成であっても、バーG405のうち、バーG404の上下からはみ出て視認可能な部分の高さは、バーG404の高さよりも小さいため、試薬残量を示すバーG404を、試薬の予測使用量を示すバーG405に比べて目立たせることができる。また、試薬の予測使用量(G405)が試薬の残量(G404)よりも少ないときには、バーG405の方がバーG404よりも短くなる。この場合は、上記の実施の形態と同様に、バーG404の上下両側に、試薬の予測使用量を示す2本のグラフがあたかも配置されているように見える。したがってこの場合には、試薬の予測使用量を示す2本のグラフそれぞれの右端を接続する仮想線が想起され、ユーザは試薬の予測使用量を明確に把握することができる。また、試薬の予測使用量(G405)が試薬の残量(G404)よりも多いときには、バーG405の方がバーG404よりも長くなる。この場合には、図に示すように、試薬の不足量に相当する分だけ、バーG405がバーG404の右方に突出する。このため、ユーザはバーG405の右方への突出量を確認することで、試薬の不足量を把握することができる。
また、上記の図25Cのように、高さ方向において試薬の残量を示すバーG404の全てを、試薬の予測使用量を示すバーG405に重ねる構成ではなく、高さ方向において、試薬の残量を示すバーG404の一部を、試薬の予測使用量を示すバーG405に重ねる構成とすることもできる。また、高さ方向において試薬の残量を示すバーG404の全てを、試薬の予測使用量を示すバーG405に重ねる構成であっても、試薬の予測使用量のバーG405が試薬の残量のバーG404の上方にはみ出る部分の高さを、試薬の残量のバーG404の下方にはみ出る部分の高さと異ならせてもよい。
図25Dは、さらに他の実施形態に係るグラフィック情報の表示例を示す模式図である。この実施の形態においては、試薬の予測使用量を示すグラフが表示されず、試薬の不足量を示すグラフが表示される。試薬の不足量を示すグラフであるバーG506は、試薬の残量を示すグラフであるバーG504の右側に連結された状態で表示される。つまり、バーG506は、バーG504の右端から右方へ延びるように表示される。このように、試薬の予測使用量を示すグラフが表示されなくても、バーG506を表示することでより重要な情報である試薬の不足量を示すことが可能となる。また、試薬の不足量を示すバーG506が表示されている場合(つまり、試薬が不足すると予測される場合)、バーG504とバーG506とを合わせた全体の長さが、試薬の予測使用量に相当する。したがって、ユーザは、バーG504とバーG506とを合わせた全体の長さを確認することで、試薬の予測使用量を把握することが可能となる。また、試薬の予測使用量が試薬の残量以下の場合には、試薬の残量を示すバーG504が試薬の予測使用量に相当するとは限らず、ユーザは試薬の予測使用量を把握することができない。しかしながら、試薬の残量が試薬の予測使用量以上である場合には、試薬が不足する可能性は低く、試薬の予測使用量を把握する必要性は低い。したがって、試薬の予測使用量を示すグラフが表示されなくても、試薬の不足量を示すグラフが表示されている場合には、検体測定を実施するために最低限必要な試薬の不足量を把握することができるため、ユーザは検体測定を支障なく実施することができる。また、この実施形態では、グラフィック情報の高さが、バーG504の高さa5と一致している。したがって、バーG504の高さを、テキスト情報の文字高さの90%〜110%程度とすることで、グラフィック情報の表示領域をよりコンパクトにすることが可能となり、この結果、試薬の残量に関する情報(測定項目の名称、試薬の残量の数値情報、グラフィック情報、及び試薬の過不足量の数値情報)を所定の表示面積により効率よく表示させることができる。
また、テキスト情報として測定項目の名称、試薬の残量の数値情報、及び試薬の過不足量の数値情報を表示する構成について述べたが、これに限定されるものではない。試薬の残量の数値情報及び試薬の過不足量の数値情報の何れか一方又は両方を表示しない構成としてもよい。また、試薬の予測使用量の数値情報を表示する構成としてもよい。
また、上述した実施の形態においては、試薬残量を示すグラフであるバーG104と、試薬の予測使用量を示すグラフであるバーG105とを、同じ基準位置から右方へ延びるように平行に配置する構成について述べたが、これに限定されるものではない。バーG104と、バーG105とが平行であり、且つ、隣り合うように配置されているのであれば、異なる基準位置からバーG104及びG105のそれぞれが右方に延びるように構成されていてもよい。
また、本実施の形態においては、予測対象日の前日が休日である場合に、加算成分に連続休日日数を乗じた結果を平均試薬使用量に加算することで予測使用量を算出する構成について述べたが、これに限定されるものではない。休日1日当たりの使用量の増加率を求め、平均試薬使用量を連続休日日数分だけ当該増加率で増加させることで予測使用量を算出する構成としてもよい。
また、上述した実施の形態においては、予測対象日が休日の場合には、過去の休日における試薬使用量から平均試薬使用量を算出し、この平均試薬使用量に基づいて試薬の予測使用量を決定する構成について述べたが、これに限定されるものではない。予測対象日が休日の場合に、過去の稼働日における試薬使用量に基づいて、予測対象日における試薬の予測使用量を決定する構成としてもよい。
また、上述した実施の形態においては、予測対象日の同一の曜日の過去の日付における試薬使用量を用いて、予測対象日における試薬使用量を予測する構成について述べたが、これに限定されるものではない。予測対象日が稼働日である場合には、過去の稼働日(曜日を問わない)における試薬使用量から平均試薬使用量を算出し、この平均試薬使用量から予測使用量を決定することも可能であるし、予測対象日が非稼働日である場合には、過去の非稼働日(定休日、不定期の休日を問わない)における試薬使用量から平均試薬使用量を算出し、この平均試薬使用量から予測使用量を決定することも可能である。
また、上述した実施の形態においては、予測対象日の前日が定休日のときであって、定休日の前日が不定期の休日でない場合には、平均試薬使用量を補正することなく、試薬の予測使用量を算出する構成について述べたが、これに限定されるものではない。予測対象日の前日が定休日のときに、定休日の連続日数に応じて平均試薬使用量を補正し、試薬の予測使用量を算出する構成としてもよい。この場合、予測対象日の直前の不定期の休日と定休日とを含む非稼働日の連続日数を求め、平均試薬使用量を非稼働日の連続日数に応じて補正し、試薬の予測使用量を算出する構成とすることもできる。
また、上述した実施の形態においては、検体分析装置1を免疫分析装置とする構成について述べたが、これに限定されるものではない。検体分析装置を、生化学分析装置、血球計数装置、血液凝固測定装置、尿中有形成分分析装置、又は尿定性分析装置のような血液凝固測定装置以外の検体分析装置とし、情報処理装置3によってその検体分析装置の消耗品の使用量を予測する構成とすることもできる。また、検体分析装置1とは別個に設けられた装置(例えば、コンピュータ)によって、検体分析装置1の試薬の使用量を予測する構成とすることもできる。
また、上述した実施の形態においては、当日から5日後までの将来において予測対象日を指定可能とし、指定された予測対象日についての試薬の使用量を予測する構成について述べたが、これに限定されるものではない。当日から5日以降の将来についても試薬の使用量を予測可能な構成としてもよい。
また、上述した実施の形態においては、ハードディスク404に、試薬使用履歴データベースDB200とは別に、稼働日テーブルOPTが記憶されているが、試薬使用履歴データベースDB200の情報と稼働日テーブルOPTの情報とを一つのデータベースに格納してもよい。例えば、試薬使用履歴データベースDB200に、試薬の使用量を格納するためのフィールドと、休業日であるか否かを示すデータを格納するためのフィールドとを設けてもよい。
また、上述した実施形態では、検体分析装置1に設けられたハードディスク404に試薬使用履歴データベースDB200及び稼働日テーブルOPTを格納しているが、検体分析装置1の外部の記憶装置に試薬使用履歴データベースDB200及び稼働日テーブルOPTを格納しておき、図23に示す保守状況確認画面を表示する際に、外部の記憶装置から試薬使用履歴データベースDB200及び稼働日テーブルOPTのデータを検体分析装置が受信してRAM403に記憶し、RAM403に記憶されたデータを用いて試薬の予測を行ってもよい。また、予測対象日の試薬使用量の演算に必要なデータだけを検体分析装置1が外部の記憶装置から受信し、受信したデータを用いて試薬の予測を行ってもよい。例えば、図23に示す保守状況確認画面が表示される際に、当日の試薬使用量の予測に必要なデータだけを外部の記憶装置から受信して演算を実行し、ユーザが日付指定アイコンB200を操作して予測対象日の日付を変更する度に、演算に必要なデータを外部の記憶装置から新たに受信してもよい。