JP5806518B2 - ズームレンズ及びそれを備えた撮像装置 - Google Patents
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Description
最近では、ズームレンズの十分な変倍比の確保のほかに、室内などの明るさが少ない環境での撮影に対しても撮影画像のノイズ低減に有利なFナンバーが小さい明るいズームレンズが求められている。
例えば、特許文献1には明るい高変倍比のズームレンズを用いた撮像装置が開示されている。
一方、特許文献2,3には軸上色収差や像面湾曲を電気的に補正する撮像装置が開示されている。
特許文献4には画像回復フィルターを用いて電気的に画像情報を補正する撮像装置が開示されている。
特に、ズームレンズの望遠端で大口径を維持しようとすると、軸上色収差補正のためのレンズ材料選択が制限されることによるコスト高や、特許文献1のごとく最も物体側のレンズ群の構成レンズ枚数の増加による大型化につながる。
一方、特許文献2,3には、軸上色収差を電気的に補正する際の好ましいレンズ系の具体的な開示は見当たらない。
特許文献4には、レンズ系のデータが示されているが、変倍比の確保と望遠端での明るさの確保の両立が求められる。
もしくは、画像信号処理による画質向上を行いやすいズームレンズを提供することを目的とする。
ズームレンズと、ズームレンズの像側に配置され、ズームレンズによる像を電気信号に変換する撮像面をもつ撮像素子を有する撮像装置において、
ズームレンズは、
物体側から像側に順に、正の屈折力の第1レンズ群と、負の屈折力の第2レンズ群と、複数のレンズ群を持ち全体で正の屈折力を持つリアレンズ群グループからなり、
広角端から望遠端へのズーミングに際して各レンズ群の間隔が変化し、
第1レンズ群中のレンズの総数は3以下であり、
リアレンズ群グループ中の何れかのレンズ群がフォーカシングのために移動するフォーカシングレンズ群であり、
フォーカシングレンズ群は、フォーカシングレンズ群の位置を違えた少なくとも3つのフォーカシング状態にて連続撮影可能に光軸方向に移動し、
少なくとも3つのフォーカシング状態にて得られた複数の撮影画像情報から、それぞれ異なる色成分に対応する画像情報を取得して、軸上色収差が補正された完成画像情報を生成する画像情報補正回路を備え、
以下の条件式を満足することを特徴とする撮像装置を提供できる。
3.5<ft(d)/fw(d)<35 (1)
0.8<ft(d)/(fw(d)・Ftmin(d)2)<2.0 (2)
0.05<|ΔC−gaxist/ft(d)|×102<3.0 (3)
0≦|Δd sat/ΔC−gaxist|<0.8 (4A)
0≦|Δg sat/ΔC−gaxist|≦0.62 (4B’)
0≦|ΔC sat/ΔC−gaxist|<0.8 (4C)
0.1<|Pimg/ΔC−gaxist|<0.75 (5)
3≦|Ntake|≦100 (6)
ただし、
ft(d)は、ズームレンズの望遠端、d線における無限遠合焦時のd線での焦点距離、
fw(d)は、ズームレンズの広角端、d線における無限遠合焦時のd線での焦点距離、
Ftmin(d)は、ズームレンズの望遠端、d線における無限遠合焦時のd線での最小F値、
ΔC−gaxistは、ズームレンズの望遠端、d線における無限遠合焦時のC線の焦点とg線の焦点との差、
Δd satは、ズームレンズの望遠端、d線における無限遠合焦時、最小F値時のd線の軸上での球面収差の最大値と最小値の差、
Δg satは、ズームレンズの望遠端、d線における無限遠合焦時、最小F値時のg線の軸上での球面収差の最大値と最小値の差、
ΔC satは、ズームレンズの望遠端、d線における無限遠合焦時、最小F値時のC線の軸上での球面収差の最大値と最小値の差、
Pimgは、ズームレンズの望遠端、無限遠合焦時、最小F値時におけるフォーカシングレンズ群を駆動しての連続撮影される画像のうち完成画像情報に使用する画像を得る際の光軸方向の像面移動ピッチの平均値、
Ntakeは、連続撮影時の撮影回数、
である。
なお、無限遠の物体の場合、「焦点」が合焦位置となる。
ここで、第1レンズ群中のレンズの総数を3以下とすることで、第1レンズ群の径方向、厚さ方向の小型化に有利となる。
また、フォーカシングはリアレンズ群グループ中のレンズ群で行うことが好ましい。
第1レンズ群でもフォーカシングは可能であるが、重量が大きくなりやすいので、連続撮影するための制御が難しくなる。
第2レンズ群でもフォーカシングは可能であるが、フォーカシング時の像のサイズの変化が大きくなりやすい。
画像信号補正回路は、フォーカシングレンズ群の位置が異なる少なくとも3つのフォーカシング状態にて得られた複数の撮影画像情報から、それぞれ異なる色成分に対応する画像情報を取得して、軸上色収差が補正された完成画像情報を生成する。
なお、あるフォーカシング状態にて撮影画像のエリアにより完成画像を生成するために使用する色情報が変わるようにしてもかまわない。完成画像情報の生成に使用しないエリアがあってもかまわない。連続撮影において完成画像情報の生成に使用しない撮影コマがあっても構わない。
条件式(1)の下限値を下回らないようにして変倍比を確保することで、画角変化の自由度が確保され、種々の撮影シーンに対応できる。
条件式(1)の上限値を上回ると、ズームレンズの大型化や撮影時のカメラブレの影響が生じやすくなる。
条件式(2)の下限値を下回らないように明るさを確保することで、撮影画像のノイズの低減に有利となる。また、被写界深度を小さくでき、印象的な画像撮影を行い易くなる。
条件式(2)の上限値を上回らないようにすることで、信号処理による収差補正が行い難いコマ収差や非点隔差の過大を抑えやすくなる。その作用により、ズームレンズの高コスト化(例えば、レンズ枚数の増大、硝材コストの上昇、製造精度の厳密化等)の低減に有利となる。
条件式(3)下限値を下回らないようにして軸上色収差量を許容することで大口径、高変倍比のズームレンズ設計が行い易くなる。
条件式(3)上限値を上回って軸上色収差量が過大になると、連続撮影時のフォーカシングレンズ群の移動量も大きくなりやすく、駆動制御が難しくなる。画像合成を行った場合でも軸上色収差の影響が無視できなくなってくる。
条件式(4A)、(4B)、(4C)の下限値を下回ることはない。
条件式(4A)、(4B)、(4C)の上限値を上回らないようにすることで、各色の球面収差の画像処理による補正(例えばウィナーフィルタによる画像回復処理)の省略もしくは簡略化が可能となり、画質向上のための計算量を少なくできる。
条件式(5)の下限値を下回ると、軸上色収差補正のための撮影コマ数が増大しやすくなり、撮影画像情報を一時的又は永久に保存するメモリー容量が必要になり撮像装置のコストが大きくなる。
条件式(5)の上限値を上回ると、画像合成による軸上色収差補正効果が小さくなる。
条件式(6)の下限値を下回ると画像合成による軸上色収差補正効果が小さくなる。
条件式(6)の上限値を上回ると撮影画像情報を一時的又は永久に保存するメモリー容量が必要になり撮像装置のコストが大きくなる。
上述の発明において、更には以下のように構成することがより好ましい。
0≦|ΔdS-M0.7t/ΔC−gaxist|<0.5 (7)
0.3<|ΔdAS0.7t/ΔC−gaxist|<3 (8)
ただし、
ΔdS-M0.7tは、ズームレンズの望遠端、d線における無限遠合焦時の最大像高の0.7倍の位置におけるd線でのサジタル像面とメリディオナル像面との差、
ΔdAS0.7tは、ズームレンズの望遠端、d線における無限遠合焦時の最大像高の0.7倍の位置におけるd線でのサジタル像面の近軸像面からの偏倚量、
である。
条件式(7)の下限値を下回ることはない。
非点隔差は画像処理にて補正することが難しいため、上限値を上回らないように非点隔差を低減することが好ましい。
画像合成上は像面湾曲が補正されているほうが後の画像処理の負担が軽減できる。しかしながら、球面収差と像面湾曲を共に良好に補正することは光学設計上難しい。
条件式(8)の下限値を下回らないように像面湾曲を許容することで画像合成処理も含めた全体最適化に有利となる。
条件式(8)の上限値を上回らないように像面湾曲の過大を抑えることで、連続撮影における撮影数を低減させやすくなる。
正屈折力の第3レンズ群を備え、
フォーカシングレンズ群は第3レンズ群よりも像側に配置され、
広角端での位置よりも望遠端にて第3レンズ群は物体側に位置し、且つ、第3レンズ群とフォーカシングレンズ群との距離は変化することが望ましい。
フォーカシングレンズ群がズームレンズ中の像側よりに位置するように構成でき、フォーカシング時の倍率の変化を抑えやすくなる。
また、以下のように構成できる。
第4レンズ群がフォーカシングレンズ群であることが望ましい。
第3レンズ群は複数の正レンズと少なくとも1つの負レンズを有し、
第2レンズ群と第3レンズ群のそれぞれが少なくとも4つのレンズを含み、
第4レンズ群は1つのレンズからなることが望ましい。
第4レンズ群を1つのレンズとすることでフォーカシングのためのレンズ群移動の負荷を軽減でき、フォーカシングや連射の高速化に有利となる。
また、以下のように構成できる。
第4レンズ群がフォーカシングレンズ群であることが望ましい。
第3レンズ群は複数の正レンズと少なくとも1つの負レンズを有し、
第4レンズ群は1つのレンズからなることが望ましい。
第4レンズ群を1つのレンズとすることでフォーカシングのためのレンズ群移動の負荷を軽減でき、フォーカシングや連射の高速化に有利となる。
また、画像処理による収差補正が可能である点を考慮すると、以下のズームレンズとすることが好ましい。
広角端から望遠端へのズーミングに際して各レンズ群の間隔が変化し、
第1レンズ群中のレンズの総数は3以下であり、
リアレンズ群グループ中の何れかのレンズ群がフォーカシングのために移動するフォーカシングレンズ群であり、
以下の条件式を満足することを特徴とする。
3.5<ft(d)/fw(d)<35 (1)
0.8<ft(d)/(fw(d)・Ftmin(d)2)<2.0 (2)
ただし、
ft(d)は、ズームレンズの望遠端、d線における無限遠合焦時のd線での焦点距離、
fw(d)は、ズームレンズの広角端、d線における無限遠合焦時のd線での焦点距離、
Ftmin(d)は、ズームレンズの望遠端、d線における無限遠合焦時のd線での最小F値、
である。
0.05<|ΔC−gaxist/ft(d)|×102<3.0 (3)
0≦|Δd sat/ΔC−gaxist|<0.8 (4A)
0≦|Δg sat/ΔC−gaxist|<0.8 (4B)
0≦|ΔC sat/ΔC−gaxist|<0.8 (4C)
ただし、
ΔC−gaxistは、ズームレンズの望遠端、d線における無限遠合焦時のC線の焦点とg線の焦点との差、
Δd satは、ズームレンズの望遠端、d線における無限遠合焦時、最小F値時のd線の軸上での球面収差の最大値と最小値の差、
Δg satは、ズームレンズの望遠端、d線における無限遠合焦時、最小F値時のg線の軸上での球面収差の最大値と最小値の差、
ΔC satは、ズームレンズの望遠端、d線における無限遠合焦時、最小F値時のC線の軸上での球面収差の最大値と最小値の差、
である。
0≦|ΔdS-M0.7t/ΔC−gaxist|<0.5 (7)
0.3<|ΔdAS0.7t/ΔC−gaxist|<3 (8)
ただし、
ΔdS-M0.7tは望遠端、d線における無限遠合焦時の最大像高の0.7倍の位置におけるd線でのサジタル像面とメリディオナル像面との差、
ΔdAS0.7tは望遠端、d線における無限遠合焦時の最大像高の0.7倍の位置におけるd線でのサジタル像面の近軸像面からの偏倚量、
である。
正屈折力の第3レンズ群を備え、
フォーカシングレンズ群は第3レンズ群よりも像側に配置され、
広角端での位置よりも望遠端にて第3レンズ群は像側に位置し、且つ、第3レンズ群とフォーカシングレンズ群との距離は変化することが望ましい。
第4レンズ群がフォーカシングレンズ群であることが望ましい。
第3レンズ群は複数の正レンズと少なくとも1つの負レンズを有し、
第2レンズ群と第3レンズ群のそれぞれが少なくとも4つのレンズを含み、
第4レンズ群は1つのレンズからなることが望ましい。
第4レンズ群がフォーカシングレンズ群であることが望ましい。
第3レンズ群は複数の正レンズと少なくとも1つの負レンズを有し、
第4レンズ群は1つのレンズからなることが望ましい。
像面湾曲が生じる場合は、複数コマの画像情報を用いて赤のモノトーン画像情報を生成し、赤のモノトーン画像情報に用いる複数コマの画像情報とは異なる組み合わせの複数コマの画像情報を用いて緑のモノトーン画像を生成し、さらに、赤および緑のモノトーン画像情報に用いる複数コマの画像情報とは異なる組み合わせの複数コマの画像情報を用いて青のモノトーン画像を生成するようにしてもよい。
複数コマからひとつのモノトーン画像情報を得る場合、画像の継ぎ目を補間する情報処理を行うことが好ましい。
画像回復処理としては、例えば特許文献4にて紹介されているようなウィナーフィルタによる画像回復、一般的な逆フィルタ(インバースフィルタ)による画像回復、最大エントロピー法(Maximum entropy method)、Tikhonov-Miller 法、Richardson-Lucy 法、Van Cittert 法、Landweber 法等による画像回復処理を用いることが可能である。
また、各条件式について、以下のようにすることで、効果をいっそう確実にでき好ましい。
変倍比が大きいほど色補正による画質向上の効果が得られる。下限値は7.0、更には9.0、更には15.0、更には17.0とすることがより好ましい。
上限値を25、更には20とすることがより好ましい。
下限値を0.85とすることがより好ましい。
上限値を1.5、更には1.3とすることがより好ましい。
下限値を0.07、更には0.085とすることがより好ましい。
上限値を2.0、更には1.5とすることがより好ましい。
下限値を0.01として球面収差を許容することで他の収差補正に有利となり好ましい。
条件式(4A)、(4C)について、
C線とd線は人間にとって認識しやすい波長であるので、上限値を0.4としてC線とd線の球面収差を補正することで完成画像の画質向上につながる。
更には上限値を、0.3、0.2、0.1とすることがより好ましい。
下限値を0.2、更には0.3とすることがより好ましい。
上限値を0.7、更には0.65とすることがより好ましい。
下限値を4、更には5とすることで像面湾曲を許容しやすくなり好ましい。
上限値を20、更は10とすることがより好ましい。
もしくは、画像処理により画質向上を行いやすいズームレンズを提供することができる。
実施例1、2の無限遠物点合焦時の広角端(a)、第2の中間焦点距離状態(b)、望遠端(c)のレンズ断面図をそれぞれ図1〜図2に示す。図1〜図2中、第1レンズ群はG1、第2レンズ群はG2、明るさ(開口)絞りはS、第3レンズ群はG3、第4レンズ群はG4、赤外光を制限する波長域制限コートを施したローパスフィルタを構成する平行平板はF、電子撮像素子のカバーガラスの平行平板はC、像面はIで示してある。なお、カバーガラスCの表面に波長域制限用の多層膜を施してもよい。また、そのカバーガラスCにローパスフィルタ作用を持たせるようにしてもよい。平行平板Fは、ローバスフィルターの機能を持たないようにしてもよい。
さらに、ズームデータは広角端(WE)、第1の中間焦点距離状態(ST1)、第2の中間焦点距離状態(ST2)、第3の中間焦点距離状態(ST3)、望遠端(TE)での値である。
なお、実施例2のr13の面は、フルアパーチャ時に光量が飽和しないようにNDフィルタを挿脱する場合に、適正な位置である。
+A4 y4 +A6 y6 +A8 y8 +A10y10+A12y12
ただし、rは近軸曲率半径、Kは円錐係数、A4 、A6 、A8 、A10、A12はそれぞれ4次、6次、8次、10次、12次の非球面係数である。また、非球面係数において、「E−n」(nは整数)は、「10−n」を示している。
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1 ∞ 1.35
2 29.689 0.83 1.80100 34.97
3 17.924 0.01 1.56384 60.67
4 17.924 3.00 1.49700 81.54
5 235.371 0.15
6 19.084 2.23 1.49700 81.54
7 135.690 0.60
8 ∞ 可変
9 -248.257 0.40 1.88300 40.76
10 6.347 2.48
11 -11.865 0.40 1.72916 54.68
12 24.830 0.50
13 ∞ -0.30
14 15.534 1.13 1.94595 17.98
15 -241.099 可変
16(絞り) ∞ 0.66
17* 6.390 1.98 1.58313 59.38
18* -17.590 1.10
19 24.987 0.40 1.90366 31.31
20 5.010 2.46 1.51633 64.14
21 -8.754 可変
22 -24.613 0.40 1.51633 64.14
23 5.957 可変
24 23.136 2.03 1.53071 55.60
25* -11.859 可変
26 ∞ 0.30 1.51633 64.14
27 ∞ 0.40
28 ∞ 0.50 1.51633 64.14
29 ∞ 0.53
像面(撮像面) ∞
非球面データ
第17面
k=0.000
A4=-4.06725e-04,A6=9.30636e-07,A8=-5.54087e-08
第18面
k=0.000
A4=6.84350e-04,A6=-1.58461e-06,A8=4.14283e-08
第25面
k=0.000
A4=1.13168e-04,A6=5.08826e-06,A8=-2.60893e-07
ズームデータ
WE ST2 TE ST1 ST3
焦点距離 4.40 13.66 67.53 7.41 28.78
FNO. 2.35 3.50 4.18 2.87 4.71
画角2ω 72.25 28.08 5.21 46.74 12.26
fb(in air) 6.09 4.02 2.88 4.97 1.91
全長(in air) 46.57 50.32 57.92 46.35 53.71
d8 -0.14 8.05 19.89 2.66 12.48
d15 16.57 7.34 0.54 10.97 3.73
d21 1.68 3.73 3.53 2.78 5.16
d23 1.90 6.73 10.63 4.52 9.98
d25 4.59 2.90 1.30 3.93 1.38
像高 3.83
群焦点距離
f1=33.35 f2=-5.80 f3=7.95 f4=-9.25 f5=15.08
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1 34.841 1.00 1.94595 17.98
2 26.844 0.01 1.56384 60.67
3 26.844 3.90 1.77250 49.60
4* 2462.339 可変
5 51.853 0.90 1.88300 40.76
6 7.998 4.46
7* -18.408 1.94 1.86400 40.58
8 -25.340 0.01 1.56384 60.67
9 -25.340 2.24 1.92286 18.90
10 -14.042 0.72
11* -10.644 1.64 1.74320 49.34
12* -16.970 可変
13 ∞ 0.00
14* 11.287 2.27 1.58313 59.38
15* 30.495 1.40
16(絞り) ∞ 0.91
17 18.327 1.47 1.77019 46.94
18 32.800 0.10
19 9.006 1.76 1.43875 94.93
20 8.969 0.01 1.56384 60.67
21 8.969 0.94 1.92286 18.90
22 5.940 0.01 1.56384 60.67
23 5.940 2.13 1.59201 67.02
24* 8.993 可変
25* 12.164 1.97 1.59201 67.02
26 101.810 可変
27 ∞ 0.50 1.54771 62.84
28 ∞ 0.50
29 ∞ 0.50 1.51633 64.14
30 ∞ 0.50
像面(撮像面) ∞
非球面データ
第4面
k=0.000
A4=3.87653e-07
第7面
k=0.000
A4=7.98273e-05,A6=-3.30264e-07,A8=1.44643e-08,A10=-1.38365e-10
第11面
k=0.000
A4=-4.61272e-05
第12面
k=1.809
A4=-1.73152e-05
第14面
k=-1.002
A4=-5.22258e-05,A6=-1.85991e-07
第15面
k=0.000
A4=-1.51340e-04,A6=2.93047e-07
第24面
k=0.000
A4=4.38041e-04,A6=2.88402e-06,A8=4.78058e-08
第25面
k=0.000
A4=-1.30283e-04,A6=5.99394e-08,A8=-2.57719e-08
ズームデータ
WE ST2 TE ST1 ST3
焦点距離 6.12 12.76 23.75 8.10 20.28
FNO. 1.42 1.66 1.84 1.51 1.82
画角2ω 73.96 38.16 20.82 58.43 24.52
fb (in air) 7.30 10.24 11.52 8.56 11.76
全長 (in air) 64.16 60.51 66.25 59.90 63.74
d4 0.30 8.38 17.26 2.42 14.38
d12 22.17 6.84 0.30 14.43 1.20
d24 4.60 5.27 7.38 4.69 6.61
d26 5.58 8.65 10.13 6.88 10.40
像高 4.60
群焦点距離
f1=48.82 f2=-11.62 f3=16.88 f5=23.15
実施例1 実施例2
条件式(1) 15.34 3.88
条件式(2) 0.88 1.15
条件式(3) 0.09 1.32
条件式(4A) 0.02 0.03
条件式(4B) 0.62 0.02
条件式(4C) 0.02 0.08
条件式(5) 0.33 0.64
条件式(6) 5.85 8.5
条件式(7) 0.392 -0.0025
条件式(8) -1.015 -0.4145
実施例1 実施例2
(1)fw(d) 4.40 6.12
(2)ft(d) 67.53 23.75
(3)Ftmin(d) 4.18 1.84
(4)ΔC−gaxist 0.0610 0.3140
(5)ΔC sat 0.0015 0.0259
(6)Δd sat -0.0010 0.0099
(7)Δg sat 0.0376 0.0068
(8)Pimg 0.0200 0.2000
(9)ΔdS-M0.7t 0.0239 -0.0008
(10)ΔdAS0.7t -0.0619 -0.0253
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
ここでは、本発明を、デジタルスチルカメラに適用した例について説明する。
図5のブロック図に示すように、本実施形態に係るデジタルスチルカメラ1(収差補正撮像装置)は、図示せぬ筐体内に、撮像光学系2と、撮像光学系2が結んだ像を画像情報として取得する撮像機能部3と、撮像機能部3が取得した画像情報等の各種画像情報を表示する画像情報表示パネルとを設けた構成とされている。
また、画像情報表示パネルとしては、例えばLCD(Liquid Crystal Display)パネルや、有機または無機EL(electroluminescence)ディスプレイパネル等、任意の構成のものを用いることができる。本実施形態では、画像情報表示パネルとして、LCDパネル4が用いられている。
フォーカシング駆動装置5Bは、フォーカシングレンズ群を駆動させることにより、光軸O方向における像面とイメージセンサ21との相対距離(相対的位置関係)を変化させるものである。駆動装置5は、例えばねじ送り機構やシリンダ機構の他、ピエゾ素子またはMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を用いたアクチュエータ等、任意の機構によって構成することができる。
撮像機能部3は、デジタルスチルカメラ1を構成する各装置に電力を供給する電源部PWと、CPU(Central Processing Unit)等から構成されてデジタルスチルカメラ1の各部の制御を行うシステムコントローラ20(制御装置)と、システムコントローラ20の動作を制御する制御用シーケンスのプログラムや制御用の各種パラメータ等が予め格納されたROM20aと、システムコントローラ20による各種シーケンスの遂行に必要なデータを一時的に格納するワークエリアとして用いられるRAM20bとを有している。
システムコントローラ20は、撮像装置本体2の電源状態がONとなると、ROM20aからプログラム,パラメータ等を読み出して所定の処理を行う。これにより、デジタルスチルカメラ1のシステムが起動し、電気的に撮影可能な状態となる。
イメージセンサ21としては、CCD(Charge Coupled Devices)を用いたものや、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)を用いたものなど、任意のものを用いることができる。また、グローバルシャッタ方式の高速CMOSセンサや、シングルスロープ型A/D変換器を各画素列ごとに集積して高速化した高速CMOSセンサ等を用いることができる。本実施形態では、イメージセンサ21として、CCDを用いたイメージセンサを用いている。
撮像装置本体2には、イメージセンサ21が出力する撮像信号を増幅するアンプ23と、アンプ23の出力をデジタル変換するA/D変換器24が設けられている。
撮像装置本体2には、システムコントローラ20と他の機器との間でのデータのやり取りを行うためのI/Oポート31が設けられている。I/Oポート31には、使用者の入力を受け付ける入力部32と、外部の機器が接続される外部接続端子群33が接続されている。
[第一基準領域への移動動作]
システムコントローラ20は、入力部32を介して使用者から撮影指令が入力されると、任意のズームポジションにある撮像光学系2に対して、不図示のレンズ駆動装置を操作して、像面とイメージセンサ21との相対距離を調整する(ステップSA1)。具体的には、フォーカシングレンズ群を駆動させて、相対的にイメージセンサ21の受光面を、撮像光学系2の光軸O方向に沿って順次設定された複数の基準領域A1,A2,…、ANのうちのいずれかの領域内に位置させる。
ここで、厳密に言うと、フォーカシングレンズ群の移動により、倍率が変化する。実際は、一定収差域内の微小変化となるので、この倍率変化は無視することができる。または、倍率変化を考慮した信号変換や補間による変換を行うこともできる。
本実施形態では、システムコントローラ20は、相対的にイメージセンサ21の受光面を第一基準領域A1内に位置させる。
図7に簡略化して示すように、鏡筒100内の撮像光学系2の結像面Fは、像面湾曲収差の影響により、曲面となっている(具体的には各収差図を参照)。本実施形態では、撮像光学系2の光軸O方向におけるイメージセンサ21の相対的な移動範囲のうち、イメージセンサ21が取得する画像情報のうち受光面の中心部に対応する領域でピントが合う範囲を第一基準領域A1とし、イメージセンサ21が取得する画像情報のうちの受光面の周縁部に対応する領域でピントが合う範囲を第二基準領域A2としている。
次に、撮像光学系2のズームポジションの検出が行われる(ステップSA2)。そして検出されたズームポジション及び撮像光学系2のレンズ構成から、予め算出される像面の湾曲状態に合わせて最適な被写体像が得られる各色に対する撮影回数(2回からn回)が決定されるとともに、フォーカシングレンズ群の移動方向及び作動量が決定される(ステップSA3)。
実際の第一画像情報取得動作では、後述するように、複数の単色の画像情報に基づいて、第一基準領域A1に対応する多色の画像情報GC1を得る。
このようにイメージセンサ21の受光面を第一基準領域A1内に位置させた状態で、システムコントローラ20は、CCDドライバ22に動作指令を出して、後述する所定の撮影動作を行わせて、第一回目の画像情報を取得する(ステップSA4)。
この状態では、受光エリア上の被写体Pの少なくとも一部でピントが合った画像情報が得られる。
システムコントローラ20は、第一回の画像情報の取得が終了すると、駆動装置5を操作して、イメージセンサ21の受光エリア上の被写体Pが含まれる領域のうち、以前の画像情報取得時に得た画像情報とは異なる領域でピントが合うように、撮像光学系2とイメージセンサ21との相対距離を変更する(ステップSA5)。具体的には、フォーカシングレンズ群の位置を調整して、イメージセンサ21の受光面を、第二基準領域A2内に位置させる。
この状態で、システムコントローラ20は、CCDドライバ22に動作指令を出して、所定の撮影動作を行わせて、第二回目の画像情報を取得する(ステップSA6)。
この状態では、受光エリア上の被写体Pのうち、第一回画像情報取得時に得た画像情報とは異なる領域でピントが合った色の画像情報が得られる。
この場合には、第一画像情報取得動作において、図8に示すように、例えば像面とイメージセンサ21との相対距離を変更することで、図9に示すように、受光エリア上の被写体Pが含まれる領域の中心部P1のみピントがあっている画像情報GC1が得られる。
また、第二画像情報取得動作において、図10に示すように、例えば像面とイメージセンサ21との位置関係を調整することで、図11に示すように、受光エリア上の被写体Pが含まれる領域の周縁部P2のみピントがあっている第二の画像情報G2が得られる。なお、実際の第二画像情報取得動作では、後述するように、複数の単色の画像情報に基づいて、第二基準領域A2に対応する多色の画像情報GC2を得る。
また、一度の画像情報取得動作で得られる画像情報のうち、ピントの合っている領域は、撮像光学系2の像面歪曲の状況により、画面中心から画面周縁部にかけて同心状に区画される領域のうちの一つである場合もあるが、画面中心から画面周縁部にかけて同心状に区画される領域のうちの複数領域でピントが合う場合もある。このように複数領域でピントが合う場合には、ピントの合っている領域のそれぞれについて画像情報中から切り出して、それぞれを部分画像情報とすることができる。
システムコントローラ20は、この情報に基づいて、各回の画像情報取得工程で得た画像情報のうち、ピントの合っている領域を特定して、データ処理回路25に部分画像情報を生成させる。
なお、各部分画像情報は、合成処理の都合上、隣接する領域の部分画像情報と、領域の境界部分の情報が一部重複させられる。そして、各部分画像情報を合成するにあたっては、隣接する領域の部分画像情報において、重複する部分同士が混合される。具体的には、各部分画像情報において、隣接する領域との境界近傍では、隣接する領域に近い部分ほど当該部分画像情報の使用比率が低くなり、境界上では各部分画像の使用比率は半々となるように設定される。これにより、隣接する領域の境界部分における画像情報の継ぎ目が目立たなくなる。
これにより、このデジタルスチルカメラ1によれば、撮像光学系2の構成を簡略化して製造コストを抑えながら、撮像光学系2の像面歪曲収差を良好に補正して、被写体の中心から周縁部まで、全体にわたって鮮明な画像情報を取得することができる。
[第一回フォーカシングレンズ群位置調整]
システムコントローラ20は、各基準領域における画像情報の取得にあたって、駆動装置5を操作して、像面とイメージセンサ21との相対距離を変化させるようにフォーカシングレンズ群の位置を微調整する(ステップSB1)。具体的には、デジタルスチルカメラ1によって取得する画像情報に含めたい光の波長域のうちの一部の波長域に対する撮像光学系2の合焦位置をイメージセンサ21に一致させる。
この状態で、システムコントローラ20は、CCDドライバ22に動作指令を出して、第一回目の撮影を行う(ステップSB2)。
本実施形態では、イメージセンサ21の各受光素子から各マイクロフィルタに対応する色ごとにシリアルに出力される撮影信号に基づいて例えば赤色、緑色、青色のうちの一色について画像データが取得される。
この状態では、デジタルスチルカメラ1によって取得する画像情報に含めたい光の波長域のうちの一部の波長域に対応する単色の画像情報が得られる。
システムコントローラ20は、第一回撮影が終了すると、駆動装置5を操作して、像面とイメージセンサ21との相対距離を変化させるようにフォーカシングレンズ群の位置を変更する(ステップSB3)。具体的には、撮像光学系2の光軸O方向での撮像光学系2とイメージセンサ21との相対距離を、デジタルスチルカメラ1によって取得する画像情報に含めたい光の波長域のうち、第一回フォーカシングレンズ群位置調整時とは異なる別のRGBの中の一色に対応する波長域の光に対する撮像光学系2の合焦位置をイメージセンサ21に一致させる。
この状態で、システムコントローラ20は、CCDドライバ22に動作指令を出して、第二回目の撮影を行う(ステップSB4)。
この状態では、デジタルスチルカメラ1によって取得する画像情報に含めたい光の波長域のうち、第一回撮影時に得た画像情報とは異なる一部の波長域に対応する単色の画像情報が得られる。
このように単色の光について個別に画像情報の取得を行うことで、軸上色収差による影響を最小とした、鮮明な単色の画像情報が得られる。
ここで、撮像光学系2による各波長の光の結像位置は、撮像光学系2のレンズ構成や、ズームポジションによって変わる。これら各波長の光の結像位置は、撮像光学系2のレンズ構成等の特性データから予め算出することができる。
撮影動作に要する時間を最小限にするために、撮影に当たっては、撮影時におけるイメージセンサ21の移動量が最小となるように、各波長の光の画像取得順序を決定することが好ましい。
図14に、画像取得順序の一例を示す。ここで、図14に示す例では、撮像光学系2の光軸O上に、物体側からB,G,Rの順に各色ごとの像が結像している(具体的には収差図を参照)。図14において、Bの像が結像される位置からGの像が結像される位置までの距離をD1、Gの像が結像される位置からRの像が結像される位置までの距離をD2とし、イメージセンサ21の受光面からGの像が結像される位置までの距離をαとする。
また、D2>D1であり、α<D2であり、D2−D1>2αである。
この条件下では、相対的にイメージセンサ21の受光面を、第一回目の撮像の際にはGの像が結像される位置に移動させ、第二回目の撮像の際にはBの像が結像される位置に移動させ、第三回目の撮像の際にはRの像が結像される位置に移動させることで、撮影時におけるイメージセンサ21の移動量が最小となる。
具体的には、第一回フォーカシングレンズ群位置調整では、図15に示すように、赤色光に対する撮像光学系2の合焦位置をイメージセンサ21に一致させる。この状態では、イメージセンサ21の受光面と撮像光学系2による赤色光の結像面が一致するので、受光面には、赤色光のみによる像が鮮明に結像される。
第一回撮影では、システムコントローラ20は、データ処理回路25の動作を制御して、A/D変換器24からデータ処理回路25に出力される画像データのうち、赤色の画像データのみ抽出させる。これにより、赤色光に対応する単色の画像情報が得られる。
第二回撮影では、システムコントローラ20は、データ処理回路25の動作を制御して、A/D変換器24からデータ処理回路25に出力される画像データのうち、緑色の画像データのみ抽出させる。これにより、緑色光に対応する単色の画像情報が得られる。
第三回撮影では、システムコントローラ20は、データ処理回路25の動作を制御して、A/D変換器24からデータ処理回路25に出力される画像データのうち、青色の画像データのみ抽出させる。これにより、青色光に対応する単色の画像情報が得られる。
上記のように、各回の撮影では、軸上色収差による影響を最小とした、鮮明な画像情報が得られる。このような鮮明な単色の画像情報を合成することで、軸上色収差による影響を最小とした、鮮明な多色の画像情報が得られる。
これにより、このデジタルスチルカメラ1によれば、撮像光学系2の構成を簡略化して製造コストを抑えながら、撮像光学系2の像面歪曲収差及び軸上色収差を良好に補正して、鮮明な完成画像情報(多色の画像情報)を取得することができる。
次に、合焦位置を、第一基準領域A1’内のGの像が結像される位置G1に移動させることにより、Gの波長について、被写体が含まれる領域の中心部P1’にピントが合った画像情報が得られる。
次に、合焦位置を、第一基準領域A1’内のRの像が結像される位置R1に移動させることにより、Rの波長について、被写体が含まれる領域の中心部P1’にピントが合った画像情報が得られる。
次に、合焦位置を、光軸O上の第二基準領域A2’内のGの像が結像される位置G2に移動させることにより、Gの波長について、被写体が含まれる領域の中間部P2’にピントが合った画像情報が得られる。
次に、合焦位置を、光軸O上の第二基準領域A2’内のRの像が結像される位置R2に移動させることにより、Rの波長について、被写体が含まれる領域の中間部P2’にピントが合った画像情報が得られる。
本発明は、これに限られることなく、合焦位置とイメージセンサ21との位置関係を変えてイメージセンサ21によって取得された複数の画像情報から、それぞれの相対的位置関係に応じて設定される領域を切り出した部分画像情報を複数得るとともに、少なくとも一の部分画像情報を取得する相対的位置関係に合焦位置とイメージセンサ21とを位置させた状態で、複数の波長の画像情報を得て、これら部分画像情報を組み合わせて多色の完成画像情報を生成することができる。
具体的には、図18において、合焦位置を光軸O上のB1点に位置させることにより、中心部P1’のB波長の画像と、中間部P2’のR波長の画像データとを一括して取得することが可能である。
このように構成することにより、合焦位置の移動量を最小限として、高速で多色の完成画像を得ることが可能となる。
本発明は、これに限られることなく、隣接する基準領域のうちの一方の基準領域については一部の単色の画像情報の取得を行わず、データ処理回路25が、この一方の基準領域に対応する多色の画像情報の生成にあたって、取得されていない色の画像情報の代わりに、隣接する基準領域で取得された単色の画像情報のうち、一方の基準領域で取得されていない色に対応する単色の画像情報を用いる構成とされていてもよい。
このように、基準領域に対応する多色の画像情報を生成する際に、隣接する基準領域に対応する1つ以上の単色の画像情報を流用することで、各基準領域についてそれぞれ単色の画像情報の生成及び多色の画像情報の生成を行う場合に比べて、取得する画像情報の数を低減することができる。このため、撮像を開始してから完成画像情報を生成するまでに要する時間を短縮することができる。
また、上記実施形態では、本発明を、デジタルスチルカメラに適用した例について説明した。しかし、これに限られることなく、本発明は、ビデオカメラ等、画像データを電子的に扱う各種のカメラに適用してもよい。
また、本発明による軸上色収差の補正処理は、R、G,Bの三色に限られるものではなく、二色以上(例えば四色や六色)について補正処理が行われてもよい。また、撮像光学系2の倍率色収差を、倍率色収差補正用のレンズによって補正した上で、本発明による軸上色収差の補正処理を行ってもよい。
また、合焦位置とイメージセンサとの相対的位置関係を調整するときに、d線の近軸像面を基準としてその前後に像面移動ピッチは等間隔にしている。
ところで、本発明のズームレンズを用いたときに、像の歪曲は電気的にデジタル補正する。そのため、広角端付近での像高IHを小さくし、広角端付近での有効撮像領域をたる型にしている。
以下に、像の歪曲をデジタル補正するための基本的概念について説明する。
r'(ω)=α・f・tanω (0≦α≦1)
ただし、
ωは被写体半画角、fは結像光学系(本発明では、ズームレンズ)の焦点距離、
αは0以上1以下である。
α=R/Y=R/(f・tanω)
となる。
ただし、Lsは有効撮像面の短辺の長さである。
0.3Ls≦R≦0.6Ls
さらには、半径Rは、略有効撮像面の短辺方向の内接円の半径に一致させるのが最も有利である。なお、半径R=0の近傍、すなわち、軸上近傍において倍率を固定した補正の場合は、画質の面で若干の不利があるが、広画角化しても小型化にするための効果は確保できる。
r’(ω)=α・f・tanω
を満足する補正結果が得られる場合と同じ補正量で補正してもよい。
r’(ω)=α・f・tanω
を満足する補正結果が得られる場合の補正量を算出し、この補正量に対して焦点距離毎に係数を一律に掛けて最終的な補正量にしてもよい。
f=y/tanω
が成立する。
ただし、yは像点の光軸からの高さ(像高)、fは結像系(本発明ではズームレンズ)の焦点距離、ωは撮像面上の中心からyの位置に結ぶ像点に対応する物点方向の光軸に対する角度(被写体半画角)である。
f>y/tanω
となる。つまり、結像系の焦点距離fと、像高yとを一定とすると、ωの値は大きくなる。
G2…第2レンズ群
G3…第3レンズ群
G4…第4レンズ群
S…明るさ絞り
F…ローパスフィルタ
C…カバーガラス
I…像面
1 デジタルスチルカメラ(収差補正撮像装置)
3 撮像光学系
5A ズーミング駆動装置
5B フォーカシング駆動装置
20 システムコントローラ(制御装置)
21 イメージセンサ(撮像素子)
25 データ処理回路(画像処理装置)
Claims (8)
- ズームレンズと、前記ズームレンズの像側に配置され、前記ズームレンズによる像を電気信号に変換する撮像面をもつ撮像素子を有する撮像装置において、
前記ズームレンズは、
物体側から像側に順に、正の屈折力の第1レンズ群と、負の屈折力の第2レンズ群と、複数のレンズ群を持ち全体で正の屈折力を持つリアレンズ群グループからなり、
広角端から望遠端へのズーミングに際して前記各レンズ群の間隔が変化し、
前記第1レンズ群中のレンズの総数は3以下であり、
前記リアレンズ群グループ中の何れかのレンズ群がフォーカシングのために移動するフォーカシングレンズ群であり、
前記フォーカシングレンズ群は、フォーカシングレンズ群の位置を違えた少なくとも3つのフォーカシング状態にて連続撮影可能に光軸方向に移動し、
前記少なくとも3つのフォーカシング状態にて得られた複数の撮影画像情報から、それぞれ異なる色成分に対応する画像情報を取得して、軸上色収差が補正された完成画像情報を生成する画像情報補正回路を備え、
以下の条件式を満足することを特徴とする撮像装置。
3.5<ft(d)/fw(d)<35 (1)
0.8<ft(d)/(fw(d)・Ftmin(d)2)<2.0 (2)
0.05<|ΔC−gaxist/ft(d)|×102<3.0 (3)
0≦|Δd sat/ΔC−gaxist|<0.8 (4A)
0≦|Δg sat/ΔC−gaxist|≦0.62 (4B’)
0≦|ΔC sat/ΔC−gaxist|<0.8 (4C)
0.1<|Pimg/ΔC−gaxist|<0.75 (5)
3≦|Ntake|≦100 (6)
ただし、
ft(d)は、前記ズームレンズの望遠端、d線における無限遠合焦時のd線での焦点距離、
fw(d)は、前記ズームレンズの広角端、d線における無限遠合焦時のd線での焦点距離、
Ftmin(d)は、前記ズームレンズの望遠端、d線における無限遠合焦時のd線での最小F値、
ΔC−gaxistは、前記ズームレンズの望遠端、d線における無限遠合焦時のC線の焦点とg線の焦点との差、
Δd satは、前記ズームレンズの望遠端、d線における無限遠合焦時、最小F値時のd線の軸上での球面収差の最大値と最小値の差、
Δg satは、前記ズームレンズの望遠端、d線における無限遠合焦時、最小F値時のg線の軸上での球面収差の最大値と最小値の差、
ΔC satは、前記ズームレンズの望遠端、d線における無限遠合焦時、最小F値時のC線の軸上での球面収差の最大値と最小値の差、
Pimgは、前記ズームレンズの望遠端、無限遠合焦時、最小F値時における前記フォーカシングレンズ群を駆動しての前記連続撮影される画像のうち前記完成画像情報に使用する画像を得る際の光軸方向の像面移動ピッチの平均値、
Ntakeは、前記連続撮影時の撮影回数、
である。 - 以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
0≦|ΔdS-M0.7t/ΔC−gaxist|<0.5 (7)
0.3<|ΔdAS0.7t/ΔC−gaxist|<3 (8)
ただし、
ΔdS-M0.7tは、前記ズームレンズの望遠端、d線における無限遠合焦時の最大像高の0.7倍の位置におけるd線でのサジタル像面とメリディオナル像面との差、
ΔdAS0.7tは、前記ズームレンズの望遠端、d線における無限遠合焦時の最大像高の0.7倍の位置におけるd線でのサジタル像面の近軸像面からの偏倚量、
である。 - 前記第1レンズ群は、広角端での位置に対して望遠端において物体側に位置することを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
- 前記リアレンズ群グループは、
正屈折力の第3レンズ群を備え、
前記フォーカシングレンズ群は前記第3レンズ群よりも像側に配置され、
広角端での位置よりも望遠端にて前記第3レンズ群は物体側に位置し、且つ、前記第3レンズ群と前記フォーカシングレンズ群との距離は変化することを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の撮像装置。 - 前記リアレンズ群グループは、前記正屈折力の第3レンズ群、前記第3レンズ群よりも像側の正屈折力の第4レンズ群の2つのレンズ群からなり、
前記第4レンズ群が前記フォーカシングレンズ群であることを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。 - 前記第2レンズ群は複数の負レンズと少なくとも1つの正レンズを有し、
前記第3レンズ群は複数の正レンズと少なくとも1つの負レンズを有し、
前記第2レンズ群と前記第3レンズ群のそれぞれが少なくとも4つのレンズを含み、
前記第4レンズ群は1つのレンズからなることを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。 - 前記リアレンズ群グループが前記正屈折力の第3レンズ群、前記第3レンズ群よりも像側の負屈折力の第4レンズ群、前記第4レンズ群よりも像側の正屈折力の第5レンズ群からなり、
前記第4レンズ群が前記フォーカシングレンズ群であることを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。 - 前記第2レンズ群は複数の負レンズと少なくとも1つの正レンズを有し、
前記第3レンズ群は複数の正レンズと少なくとも1つの負レンズを有し、
前記第4レンズ群は1つのレンズからなることを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
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