JP5806302B2 - 交流損失を低減したマルチフィラメント超伝導体とその形成方法 - Google Patents

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Description

連邦政府支援の研究または開発に関する陳述
該当なし。
背景
発明の分野
本発明は高温超伝導体(HTS)に関し、より具体的にはマルチフィラメントをもつ交流に耐え得る超伝導体とその形成方法に関する。
発明の背景
高温超伝導(HTS)には電気エネルギーを効率的に伝送、生成、変換、使用、保存する可能性が認識されている。具体的にいえば、高効率な電力システムは高効率な配線技術に依存している。これまでの進歩によって、脆いHTS材料でキロメートルオーダーの長さの線材を形成し、同じ物理的寸法を有する従来の銅やアルミニウムといった導体よりも約200倍の電流を伝送することができるようになった。HTS材料における最近の研究によって、このような材料を発電、送電、配電、蓄電など電力業界にける経済的に実現可能な用途への可能性がもたらされている。HTSデバイスを電力業界において使用できれば、従来の技術に比べて電力機器のサイズ(すなわちフットプリント)の大幅な削減、環境負荷の低減、安全性の向上、容量の増加につながるだろう。
これまでには2つの世代のHTS線材が開拓されてきた。第1世代(以下1G)のHTS線材は、一般的に貴金属(Agなど)のマトリックスに埋め込まれるBSCCO高Tc超伝導体の利用を含んでいる。限定はしないが、1G線材は熱機械的プロセスによって製造することができ、銀のビレットに超伝導粉末を詰めて、抽き出し、圧延、熱処理して線材を形成する。1G線材には、材料(Agなど)のコストが高く、処理操作が複雑で、高磁場・高温中では一般的に臨界電流性能が乏しいといった欠点があり、線材の長さが制限される。
第2世代(以下2G)のHTS線材処理は、ニッケル合金テープ材に多層に薄膜を蒸着する工程を伴う。臨界電流、すなわち超伝導体の最大電流を大きくするために酸化物バッファ層に単結晶状に超伝導膜をエピタキシャル成長させるが、多結晶の金属基板に蒸着する場合であっても単結晶状のテンプレートが得られる。特定の場合として、2GのHTSテープ材はYBCO被覆導体を採用することができる。
最近のHTS産業の焦点は、電流容量、線材製造の処理量を増加させ、製造コストを減少させることに当てられてきた。課題は、電力業界に利用して送電線や変圧器など送電網のための装置を構築することのできる、商業的に実現可能な高性能のHTS線材を製造することである。最近の試作によれば、HTS線材が電力目的において大きな可能性をもつことが確認できただけでなく、広く実施するにあたってリスクをもたらす欠点に焦点が当てられてきている。
超伝導体は直流電流に対しては抵抗ゼロであるが、被覆導体の構造は、モーター、発電機、変圧器などの交流への応用向けに最適化されていない。超伝導体のヒステリシス損失は交流損失の主たる成分であってフィラメントの幅と反比例する。特に超伝導線材の幅対厚み比は大きいため、HTS被覆導体が非常に大きなヒステリシス損失を示すこととなる。損失の大きさは交流電場の振幅と周波数によって変化するため応用目的によって異なる。銅安定剤を入れた典型的な2GのHTS線材は、60Hz、100mTの垂直磁場中において10km以上にわたって交流損失が100kWの大きさとなることがある。
変圧器、発電機、モーターなどの交流電力への応用目的で使用するには、HTS線材のヒステリシス損失を大幅に削減することが前提条件である。実際には交流損失によって極低温での負担が増加する結果となり、発電システムに対してリスクをもたらす。このリスクを軽減するためには冷却能力を高めたり無駄な冷却装置を用いたりする必要があり、このことは大幅にシステム全体のコストを増加させるとともに、この未成熟の技術を導入することに対して見逃すことのできない妨げとなっている。これらの理由から、商業的に実現可能な高性能で交流に耐え得るHTS線材を開発することができれば、超伝導製品を電力システムに応用する道を開く革新的な解決手段となるだろう。
超伝導層を、非超伝導性の電気抵抗をもった障壁によって隔離された多くのフィラメント状の超伝導構造体に分割すると、ヒステリシス損失を低減させることができることが知られている。従って、交流ヒステリシス損失を最小限に抑えるためには、テープ材の通電HTS層を細長い線状の縞ないしフィラメントに細分化したマルチフィラメント導体を形成することが望ましい。このマルチフィラメント導体はヒステリシス損失を大幅に低減することが示されているが、マルチフィラメントを有する2GのHTS線材を工業生産にまで拡張するには多くの障壁をはらんでおり、HTS線材の完全商業化までには開発上および製造上の課題が多く残されている。
交流損失の小さい2GのHTS線材の製造方法は、まず超伝導層を蒸着し、次にその超伝導層を(物理的または化学的手法により)エッチングして線条ないし連続フィラメントを作成することにより、超伝導材料と絶縁材料を複数のフィラメントに分割することである。エッチング液を使用すると、エッジが波打ったり、アンダーカットしたり、フィラメントが壊れたりして、必然的に超伝導材料の損傷につながる。フィラメント間の隙間が狭くなるとフィラメントの損傷が顕著になる。具体的にはフィラメントの損傷によってHTS線材の電流容量が大幅に減少する。また、フィラメントの損傷を避けるべくエッチングプロセスを変更すれば、フィラメント同士の分離が不完全な架橋部等が残ってフィラメント同士が結合する結果となって交流損失の低減が打ち消されることがある。実際に、エッチング後の隙間に少しでも超伝導体の残渣が残るとフィラメント同士が結合する可能性がある。この問題を回避するため隙間を広げると、それ以上に超伝導材料が除去されることとなって線材の電流容量が大幅に減少する。メートルオーダーなどの短い長さであってもこのようなマルチフィラメントを有する2GのHTS線材にはここで説明したような欠陥が含まれる。このように、連続的な超伝導の平行線を成す細いフィラメントが端から端までにわたっているようなキロメートルオーダーの2GのHTS線材を生産することが、超伝導線材の用途を電力システムにまで拡張するにあたり技術的な障壁となっている。
このように、商業的に実現可能な方法は、マルチフィラメントを有するHTSの層を製造するためのエッチングを用いないプロセスによる交流に耐え得るHTS線材を製造するために存在していない。エッチングを用いない技術はいくつか提案されており、超伝導体を成長させる前に基板に傷を付ける方法(Foltynらの米国特許出願公開第2007/0191202号)や、超伝導フィラメントをインクジェット印刷する方法(R. C. Duckworth, M. P. Paranthaman, M.S. Bhuiyan, F. A. List, and M. J. Gouge, IEEE Trans. Appl. Supercond. 17, 3159 (2007))や、超伝導材料を滴下蒸着する方法(Rupichらの米国特許出願公開第2006/0040829号)がある。しかし、これらの技術ではフィラメント同士の意図しない結合が起き、交流損失の低減が貧弱で一貫せず、テープ材はメートルオーダーであっても利用することができず、キロメートルオーダーではなおさらである。このことは、マルチフィラメントを有するHTS線材を製造するための高度な精度および制御を提供することに加えて、エッチングを用いない技術を現在のHTS導体の製造技術と両立させる必要があり、これがHTSテープ材内の磁束や電流の分布を制御するためにも不可欠であることを強調している。
簡単な概要
本発明の第1の態様によれば高温超伝導構造体が得られ、この構造体は、少なくとも1つのバッファ層が蒸着された基板を備えており、この基板はある長さと幅を有しその長さは少なくとも約100mであり、この基板はまた寸法比が約103以上であり、この構造体はまた、前記の少なくとも1つのバッファ層上に超伝導層を備えており、この超伝導層は前記の基板の長さ方向に延びる少なくとも2つのほぼ平行な超伝導フィラメントを形成する超伝導材料を有しており、前記の少なくとも2つの超伝導フィラメントは互いに反対側を向いた第1表面と第2表面を有する少なくとも1つの絶縁体ストリップによって互いに分離されており、前記の第1表面はバッファ層に重なっており、前記の第2表面には前記の超伝導材料が実質的に無く、前記の少なくとも1つの絶縁体ストリップは前記基板の長さ方向に連続して延びており抵抗率が約1mΩcmより大きい絶縁材料を含んでいる。
本発明の他の態様によれば高温超伝導構造体の製造方法が得られ、この方法は、基板と少なくとも1つのバッファ層とを含むバッファ付き基板を得るステップと、バッファ付き基板の長さ方向に連続的に延び、抵抗が約1mΩcm超える絶縁材料を含んだ少なくとも1つの絶縁体ストリップを前記のバッファ付き基板上に蒸着させるステップとを含み、この少なくとも1つの絶縁体ストリップが互いに反対向きの第1表面と第2表面を有しその第1表面がバッファ付き基板に隣接するようにするこの方法はまた、前記のバッファ付き基板に超伝導材料を蒸着させて、前記基板の長さ方向に連続して延び、少なくとも1つの絶縁体ストリップによって互いに分離され、実質的に平行な少なくとも2つの超伝導フィラメントを有する超伝導層を形成するステップを含み、前記の絶縁体ストリップの前記の第2表面が前記の超伝導材料を実質的に含んでいない方法。
本発明は添付した図面を参照することによって良く理解することができる。
図1は本発明に係るマルチフィラメントを有するHTS構造体の例を示している。 図2は本発明の実施例の断面図を示している。 図3は、本発明の実施例による超伝導フィラメントと絶縁体ストリップを交互に含んだ超伝導構造体の斜視図を示す。 図4A〜Eは、本発明のひとつの実施形態によるマルチフィラメントを有するHTS構造体を製造するエッチングを用いない方法の手順を示す説明図である。 図5は、本発明のひとつの実施形態を本明細書で説明した通りに製造するプロセスを構成するステップの流れ図を示す。 図6A〜Bは、本発明のひとつの実施形態によって、絶縁体ストリップと隣接する超伝導材料の両端コーティング材料とで差をつけた蒸着の写真を示す。 図7A〜Bは、を垂直に貫通して流れる電流に対する絶縁体ストリップの抵抗をテストするために使用した本発明のひとつの実施形態、およびそこから生成された抵抗データを示す。 図8A〜Bは、本発明のひとつの実施形態に係る銀キャッピング層の電着に影響を与える絶縁材料の微細構造を示す。 図9A〜Bは、本発明の範囲外の材料、および絶縁材料の微細構造が本発明のひとつの実施形態に係る銀キャッピング層の電着に如何に影響を与えるを示している。 図10は、本発明のひとつの実施形態に係る、絶縁体ストリップからなるテープ材および金属基板にコーティングされた材料の断面を示している。
同じ参照符号が、図面の複数の部分や、異なる図面や、異なる実施形態で使用されているときは、本明細書に説明している類似ないし同一の項目を示す。図面を見ると分かるように、概して図は一定の縮尺で描かれておらず、また本発明の具体的な実施形態を説明するためのものであって本発明の範囲を限定することを意図していないものと理解されたい。
詳細な説明
概要
本発明は、マルチフィラメントを有する2GのHTS線材を製造するために遍く使用されてきたフィラメント状のエッチングプロセスを排除する。具体的には、本発明は、マルチフィラメントを有するHTS被覆導体およびエッチングを用いずにこれを作製する方法を対象としている。本発明のひとつの実施形態によれば、マルチフィラメントで交流に耐え得る超伝導体のエッチングを用いない作製方法は、超伝導材料を蒸着するステップの前に、少なくとも1本の絶縁フィラメントを蒸着するステップを含む。本発明の別の実施形態によれば、マルチフィラメントで交流に耐え得る超伝導体のエッチングを用いない作製方法は、少なくとも1本の絶縁フィラメントを蒸着するステップとその後の熱処理するステップとの前に、超伝導材料を蒸着するステップを含む。
マルチフィラメントHTS
図1は本発明の実施例によるマルチフィラメントを有するHTS構造体を示している。図1に示す実施形態では、超伝導フィラメント91を絶縁体ストリップ20と交互に備えたHTS導体200を示している。図1に示す実施例では、「線材」ないし「テープ材」に沿う電流の流れ300の方向と平行に超伝導フィラメント91と絶縁体ストリップ20が延びているのが示されている。何ら特定の理論によって制限を加えるものではないが、典型的なHTS導体200は、HTS「線材ないしテープ材」の電流容量を増大させ、交流抵抗損失を低減するために有用であるかもしれない。
本明細書において「線材」および「テープ材」という用語は互換性をもって使用しており、ケーブル、変圧器、発電機、送電網や、ある場所から別の場所に電力を送り、配電等の方法で複数の場所や機器に電力を供給する手段等の、超伝導デバイスの作製に有利な属性を持つHTS導体を意味する。例えば、テープ材や線材の幅は一般的に約0.01cmから約20cmまで、あるいは0.1cmから約15cmまでのオーダーとすることができ、特定の場合としてテープ材や線材の幅は約0.4cmから約10cmまでの間とすることもでき、テープ材の長さは典型的には少なくとも約100m、より典型的には少なくとも約500mとし、約1km以上のオーダーの長さとしてもよい。「テープ」や「テープ状」という用語は、長さ対幅比などの寸法比が大きく、約102以上、あるいは103以上のオーダーであるような物品を指す。テープ材や線材はまた、寸法比が約104を超えるものとしてもよく、さらなる例として寸法比を約105以上としてもよい。本明細書において「寸法比」という用語は、物品の最も長い寸法の、その次に長い寸法に対する比、例えば長さと幅の比を示すために使用する。
さらに、この物品は幅対厚さ比を10以上、あるいは102以上、さらには約103を超えるものとしてもよく、特定の場合としてテープ材や線材の物品は幅対厚さ比を約105以上としてもよい。理論的に制限を加えるものではないが、本明細書で用いられる場合、寸法比が大きく(例えば102より大きく)、幅対厚さ比が大きい(例えば10より大きい)ものが「テープ材」ないし「テープ状」であると考えてもよい。
図2は本発明のひとつの実施形態に係る多層構成を有するHTS導体200の断面図である。図2にはまた、基板60の表面61のうち超伝導層90間の位置に乗っている複数本の絶縁体ストリップ20が示されている。本発明によればHTS導体200は概して基板60と、基板60の表面61に重ねられた少なくとも1つのバッファ層50と、少なくとも1つのバッファ層50の表面51に重ねられた超伝導層90とを備えている。超伝導層90は第1安定化層またはキャッピング層70がその上に蒸着している。本発明の他の実施例によれば、第2安定化層80は、超伝導層90に重なるように組み込んでもよいし、特にキャッピング層70に重ねて接するように組み込んでも良い。場合によっては、第2スタビライザー層80はキャップ層70と直接接触させてもよい。
図3に示すように、本発明によれば、HTS導体200は、少なくとも1本の絶縁体ストリップ20をさらに備えており、あるいはHTS導体200は複数本の絶縁体ストリップ20を備えている。絶縁体ストリップ20は、前述の通りHTS導体200の長さ方向に連続的に延びるフィラメント状構造や他の構造であってもよい。絶縁体ストリップ20は互いにほぼ平行に配置され、HTS導体200内の電流の流れ300とほぼ平行に配置されている。
少なくとも1本の絶縁体ストリップ20はHTS導体200の長さ方向に延びていることが好ましい。例えば絶縁体ストリップ20の長さは少なくとも約100mあるいは約500mとすることができ、特定の場合として絶縁体ストリップ20の長さは約1km以上の長さとしてもよい。何ら理論によって制限を加えるものではないが、絶縁体ストリップ20は凡そHTS導体200の長さに対応するものと理解できる。代替的な実施形態としては、絶縁体ストリップ20を導体200の長さ未満とする。絶縁体ストリップ20の幅は約1μmから約250μmの範囲内、あるいは絶縁体ストリップの幅は約10μmから約200μmの間であり、特定の場合として約15μmから約100μmとする。さらに、特定の場合として、絶縁体ストリップ20の幅は交流損失を最小限に抑えながら臨界電流密度を最適化するように選択される。
図1から図3までに示すように、実施例として、絶縁体ストリップ20は少なくとも1つのバッファ層50の表面51に蒸着される。場合によっては、絶縁体ストリップは20は超伝導層90を複数の超伝導フィラメント91に分割して超伝導フィラメントの並びを形成するようになっている。超伝導フィラメント91は、超伝導材料と共に、絶縁体ストリップ20と同様にHTS導体200の長さ方向にほぼ平行に連続的に延びる超伝導フィラメント91とを備えている。フィラメント91の幅は限定されないが、当業者であれば理解できるように、交流損失を最小限に抑えつつ臨界電流密度を最適化するように選択できる。
絶縁体ストリップ20の示す超伝導性は十分に低下しているかあるいはゼロであり、超伝導フィラメント91を分離して交流損失を低減するようになっている。場合によっては、絶縁体ストリップ20によって超伝導フィラメント91同士の電気的結合が防止される。少なくとも1本の絶縁体ストリップ20は電流に対して高い抵抗率を示す絶縁材料を含むものとし、超伝導フィラメント同士を非結合状態に維持する。適切な絶縁材料は限定しないが、例としてはマグネシウム系、亜鉛系、鉄系、モリブデン系材料が含まれる。本発明のひとつの実施例として、絶縁材料の抵抗率は約1ミリオーム・センチメートル(mΩ・cm)を超えるものとする。また、当業者であれば理解できることだが、用途に適した抵抗率であればいかなるものも制限なく本発明の範囲内にある。特定の場合として、絶縁体ストリップ20の絶縁材料は、超伝導膜のコーティング処理を施した際に超伝導性物質を形成しないような酸化物としてもよい。非限定的な例として、絶縁材料は、酸化マグネシウムなどのセラミック酸化物や、用途に適した他の酸化物を含むものとしてもよい。さらに別の実施形態として、絶縁材料は、非超伝導性で、低伝導性の導体で、超伝導膜のコーティング処理を施した際に超伝導材料を形成しないような非セラミック材料としてもよい。
本発明の実施形態として、HTS導体200は特定の性能パラメータを有する。実施例によっては、HTS導体は、77ケルビン(K)において、少なくとも10メートルの長さにわたり、臨界電流が少なくとも200A/cmとする。また、HTS導体200は、100mTの交流磁界と60Hzの周波数を導体200の表面に垂直に印加して77Kで測定したとき、約1W/m未満の交流損失を示すものとする。
図4Aから図4Eまでは、本発明に従ってマルチフィラメント交流に耐え得る導体を製造するための連続したステップを示す説明図である。材料およびこれを蒸着させるための方法の非限定的な例を以下に説明する。図4Aを見ると分かるように、HTS導体200を作製するには、まず基板60にバッファ50を蒸着させてバッファ付き基板100を形成する。本明細書ではこの予備的なステップを詳細に説明しているが、これは限定的なものではなく、当該技術分野で、あるいは当業者に一般的に知られているバッファ付き基板100の製造方法を用いることができるものと理解されたい。さらに本発明は、本明細書で説明した特定の実施形態のバッファ付き基板100に限定されない。基板60はHTS導体200の支持体となる。基板60は、金属、多結晶セラミックス、合金あるいはこれらの改変物、またはこれらを組み合わせたものとしてもよい。ひとつの実施例として基板60を金属とし、特定の場合として基板60を少なくとも2金属の合金、例えばNi系合金とすることができるが、これに限定しない。当業者であれば理解できることだが、基板材料は超伝導物品の使用目的によって異なるため、本発明にとっては重要ではないであろう。基板60の作製は、例えばリール・ツー・リール法等、任意の適当な移送プロセスを用いて行うことができるが、これに限定しない。
以上に開示したように、基板60の厚さは用途に応じて異なる。しかし基板60は典型的にはテープ形状であり寸法比が大きい。基板60は、HTSテープ材の構成層をその後に蒸着するのに望ましい表面特性を有するように処理することができる。例えば、所望の平面度と表面粗さとなるまで表面を軽く研磨してもよい。さらに、前記基板は二軸配向するように処理することができる。二軸配向基板を形成するためのひとつのプロセスの例として、当業者であれば理解していることだが、RABiTS法、すなわち圧延による二軸配向基板法がある。
バッファ層50は基板6の表面61に配置されている。バッファ層50は単層であってもよく、あるいは少なくとも1枚の追加の薄膜を用いて作ることもできる。場合によってバッファ層50にはその後のHTS層の形成に適した任意の二軸配向薄膜が含まれる。特定の場合として、バッファ層50は、優れた超伝導特性を得るべく望ましい結晶方位を持つようにHTS層を支持している。このような二軸配向組織化がイオンビームアシスト蒸着法(IBAD)によって達成できることは当該分野で理解されており、米国特許第6190752号で定義および説明されている通りであるので、この文献を本明細書にあらゆる目的で文献援用する。何ら理論によって制限を加えるものではないが、MgOはIBAD膜を形成するためのひとつの材料である。特定の実施形態として、バッファ層50は、例えばIBAD薄膜からなるものとすることができるがこれに限定されず、そのオーダーは約50オングストロームから約500オングストロームとすることができ、あるいは約50オングストロームから200オングストローム、さらに場合によっては約50オングストロームから約100オングストロームとすることができる。具体的には示さないが、バッファ層50にはまた追加のフィルムを含めることで、エピタキシャル膜から基板60を分離したり、HTS層とエピタキシャル膜との間の格子定数のミスマッチを減らしたりしてもよい。特定の場合として、基板60が二軸配向面を有する場合、バッファ層50を配向基板60にエピタキシャル成長させて、バッファ層50の二軸配向性が維持されるようにしてもよいが、これに限定しない。
図4Bを見ると分かるように、バッファ付き基板100の表面に絶縁体ストリップ20が蒸着されている。本発明に従って、絶縁体ストリップ20は、静止または移動するバッファ付き基板100にマスク110を介して、化学的蒸着法または物理的蒸着法のいずれかによって蒸着させることができ、あるいはインジェクト印刷、スクリーン印刷などの印刷技術によって蒸着させることができる。理論的に制限を加えるものではないが、絶縁体ストリップ20は以上に説明した任意のものとしてよく、当業者に公知の任意の方法によって形成することができる。
本発明の実施例として、絶縁体ストリップを蒸着するためのひとつの方法として、マスク110を使用してもよい。バッファ付き基板100の表面に少なくとも1本の絶縁体ストリップ20を蒸着させるため、バッファ付き基板100をマスク110の下で移動させながら、マスク110の開口部を通して絶縁材料を蒸着させる。マスク110はバッファ付き基板100の表面に接触させるのではなく、表面に近接させた状態とするのが好ましい。絶縁材料は、蒸着技術として例えば磁気スパッタリングを利用して、マスク110を通して蒸着ゾーンに蒸着される。この技術を使用すると、約1ミリトル(約0.13Pa)未満の作動圧力で絶縁材料を蒸着させることができる。何ら理論によって制限を加えるものではないが、可能な限り低い作動圧力を用いることでエッジが明瞭で鋭い絶縁体ストリップ20を得ることができる。マスク110を介した絶縁体ストリップの蒸着も限定はしないが、当業者に知られている他の蒸着法を用いて行うことができる。
絶縁材料を蒸着する前にマスク110をバッファ付き基板100の表面に物理的に取り付ける技術を使用することもでき、その後は絶縁体ストリップ20の蒸着が完了したときにマスク110を表面から持ち上げるステップを行う。さらに特定の場合として、絶縁体ストリップ20は一般的に厚さを約0.5から約30μmまでの範囲内とし、最も典型的には約2から約20μmまで、好ましくは本明細書で以前に開示したように約1から約10μmまでの範囲内とする。以上のことから、図4Cはマスク110を除去した後の絶縁体ストリップ20を備えたバッファ付き基板100を示しているものと理解できる。
次に、図4Dに示すように、バッファ付き基板100に材料を蒸着して超伝導層90を形成する。本発明によれば、超伝導層90を蒸着する際、材料はバッファ付き基板100の表面51の露出している部分のみに重なる。絶縁体ストリップ20に重なった材料は抵抗が大きく超伝導特性を全く持たないものとなる。絶縁体ストリップ20間で基板の表面51にある材料のみが超伝導体であり、結果としてHTS導体200のフィラメント化を制御して次の図4Eに符号91で示すような超伝導フィラメントを作ることができる。絶縁体ストリップ20間にある表面51に超伝導材料が蒸着するることで、超伝導フィラメント91同士が電気的に結合するのを防ぐことができる。マルチフィラメント超伝導体200の利点を得るためには、本発明において超伝導フィラメント91同士が結合していない、すなわち電気的に絶縁されていることが好ましい。
本発明の方法は任意の既知のHTS材料を用いて実施することができる。本発明の実施に重要ではないが、超伝導層90の厚さは一般的に約1から約30μmまでの範囲内、最も典型的には約2から約20μmまでの範囲内、好ましくは約2から約10μmまでの範囲内とすることにより、望ましい定格電流を得ることができる。超伝導層90は、液体窒素温度77Kを超える温度で超伝導特性を示す高温超伝導材料のいずれかを選択することができ、好ましくは酸化物超伝導体とする。ひとつの材料群としてREBa2Cu37-xとその関連化合物が含まれ、ここでREは例えばYのような希土類元素とする。このような材料はまた、例えばBi2Sr2Ca2Cu310+y、Ti2Ba2Ca2Cu310+y、HgBa2Ca2Cu38+yを含んでもよい。このうち、YBa2Cu37-xは一般的にYBCOとも呼ばれ、特定の場合として利用することができる。また、超伝導層90の蒸着は当業者に知られている用途に適した任意の蒸着プロセスを用いて行うことができ、限定はしないが、例えば厚膜・薄膜成形技術の両方を採用することができる。
何ら理論によって制限を加えるものではないが、超伝導材料は絶縁体ストリップ20ではなくバッファ付き基板100の表面51に優先的に連続的にコーティングされることから、本作製技術によれば一定の利点が得られ、長尺に拡張することが容易になる。すなわち、超伝導材料は絶縁体ストリップ20を連続的な膜でコーティングしないため、ここで説明した通り、研磨・エッチングにより絶縁体ストリップ20の表面から超伝導材料を除去するという前記の作製方法にあったようなステップを導入する必要はない。もし必要であるにもかかわらずそれが成されなかったとすれば、結果として超伝導フィラメント91同士が結合し、本明細書に開示するマルチフィラメントHTS導体200を作製する利点が打ち消されることとなるだろう。
図4Eに示すように、本分野で公知の電着技術を使用して超伝導フィラメント91を表面に第1安定化層ないしキャッピング層70を蒸着することができ、続いて第2安定化層80を電着する。キャッピング層70および第2安定化層80は一般に電気的な安定化のために施されている。具体的には、冷却が上手くいかなかったり臨界電流密度を超えたりして超伝導フィラメント91が超伝導状態から脱して抵抗を持つようになった場合に、キャッピング層70と第2安定化層80の両方によって電荷がHTS導体200を継続的に流れる助けをする。
本発明において、超伝導フィラメント91の抵抗率は絶縁体ストリップ20よりも桁違いに小さい。したがって、超伝導フィラメントと絶縁体ストリップとを交互に有するHTSテープ材200の構造は、キャッピング層70と安定化層80を超伝導フィラメント91のみに優先的に電着させるための予備的な手段となっている。このようにして、本発明によれば超伝導フィラメント同士が如何様に結合するのも回避でき、交流損失が小さいというフィラメント化の利点が維持される。理解できるように、キャッピング層70に貴金属を利用することで安定化層80とHTS層91とが不必要に相互作用するのを防ぐことができる。典型的な貴金属としては、これらに限定はしないが、金、銀、白金、パラジウム、およびこれらを組み合わせたものが含まれる。特定の場合として銀を使用することで、コストを削減するとともに一般への入手可能性を向上させることができる。キャッピング層70は、コスト上の理由から薄く、しかも安定化層80の成分が不必要にHTS層91へと拡散するのを防ぐのに十分な厚さとするのが好ましい。キャッピング層70の厚さは限定しないが、典型的には約0.1μmから約100μmの範囲内とし、場合によっては約0.1μmから約10μmの範囲内とし、特定の場合としては約1.5μmから約3.0μmとする。
再び図4Eを見て分かるように、第2安定化層80を蒸着することもできる。第2安定化層80は銅が好ましく、厚い安定剤として機能する。本発明によれば、このような電気めっきなどの電気化学的蒸着技術を使用し、適当な安定剤で導体200を完全にコーティングして包み込むことで、キャッピング層70の露出した領域に第2安定化層80を形成することができる。安定化層内に十分な電流容量を得るためには、第2安定化層80の厚さは典型的には約1から約1,000μmの範囲内であり、最も典型的には約10から約400μmの範囲内であり、例えば約10から約200μmとする。特定の実施形態では公称厚さが約20μmから約50μmの範囲内であったが、これに限定はしない。
ひとつの実施形態の特定の特徴によれば、米国出願公開第2006/0079403号(シリアル番号11/130,349)で定義および説明されている電気めっき技術を用いて安定化層80を形成することができ、これを本明細書に文献援用する。キャッピング層70は導電性をもつため、この技術によれば、電気めっきを速い蒸着速度で、典型的には毎分1μm以上の速度で行って、厚い安定化層80を素早く超伝導テープ材に作り上げることができる。具体的には、キャッピング層70は、その上に銅や他の金属を蒸着するためのシード層として機能する。以上では概して銅について述べたが、アルミニウム、銀、金など熱的・電気的伝導性を有するもの等の金属を、安定化層80を形成するための二次安定剤としても利用できることに留意されたい。しかし一般的には、非貴金属を利用することで超伝導テープ材の形成にかかる全体的な材料コストを低減するのが望ましい。ここで開示した特定の場合としては標準的な電気めっき技術に触れたが、利用の電気化学蒸着法については特に制限はない。本発明によれば、安定化層80を基板両側の2つの最大面の一方に重ねたり、最大面の両方に重ねたり、基板とバッファ層と超伝導層とを完全に包み込んだりしてもよい。しかし、絶縁体ストリップ20は抵抗が高いことに起因して安定化層でコーティングされない。絶縁体ストリップ20をコーティングされないように残すことによって、超伝導フィラメント同士の結合が妨げられる。

上述のように、完全にエッチングを用いないプロセスは、堅牢かつ高収率で長く拡張することができるマルチフィラメントを有する2GのHTS線材を作製することが可能である。本発明の具体的な実施形態によれば、HTSテープ材200には幅400μmの超伝導フィラメント91と幅100μmの絶縁体ストリップ20が設けられている。この実施形態では超伝導体断面の約20%が電流を流すために使用できない。電流容量を最大にするためには、絶縁体ストリップ20の幅を最小にすればよい。このことから、本発明の好ましい実施形態としてHTSテープ材200は幅10μmの絶縁体ストリップ20で区切られた幅100μmの超伝導フィラメント91を備えており、結果として交流損失低減係数が40であって臨界電流が10%しか減少しない。本発明のさらなる実施形態として、交流損失をさらに低減した超伝導構造体を作製できる。例えば、ひとつの実施形態として、絶縁体ストリップ20に強磁性材料を組み込むことにより交流損失をさらに低減する。上述のようなエッチングを用いない新しい作製プロセスのひとつの実施形態を構成する個々のステップのフローチャートを図5に示す。
図6Aおよび図6Bに本発明の実施形態のミクロ構造の写真を示す。具体的には、図6Aは、本発明の実施形態の一部を500倍に拡大したものを示しており、具体的には絶縁体ストリップ20とその両側の超伝導層90および関連する遷移層10を示している。図6Bは、同じ材料を3500X倍に拡大したものを示しており、超伝導層90と絶縁体ストリップ20およびこれらの間の遷移部10のミクロ構造の詳細を示している。超伝導体を蒸着した後のコーティング材料の差別化された組織がはっきりと示されている。
図7Aおよび図7Bにテープ材201本発明のひとつの実施形態の抵抗率試験の結果を示す。具体的には、図7Aには開示すなわち、絶縁体ストリップ20と超伝導フィラメント91を交互にのテープ材201の交互繊維状構造を示している。現在300が流れていない時に、フィラメント91が延びる方向と動作時の電流の流れ300の方向とに垂直に、電圧を変化させながら、テープ材201の両面に、つまりテープ材201を貫くように印加した。電流の結果は、図7Aの矢印で示す電流の流れ600の方向で、例えば、開示線材やテープ材201の両端で測定した。図7Bは、抵抗率のデータのプロットを示しており、絶縁材料20には超伝導材料が含まれておらず、電流が流れたとしても10nA程度であろうということが判明したことを示しており、テープ材201は約54mΩの抵抗を有していた。
図8Aおよび図8Bは、本発明の範囲内でコーティングされた材料の微細構造と、この構造がその後に銀を材料に電着することに対していかにして影響を及ぼすかを示している。図8Aは酸化マグネシウムからなる絶縁体ストリップにコーティングされた材料の微細構造を、図8Bはその材料に銀を電着した結果を示している。銀は、材料の超伝導部分91に強く付着している一方で、絶縁体ストリップ20にコーティングされた抵抗の大きい材料に付着しなかったことが明らかに確認できる。
図9Aおよび図9Bは、コーティングされた材料の微細構造と、この構造がその後に銀を材料に電着することに対していかにして影響を及ぼすかを示している。具体的には、図9Aはイットリアからなる絶縁体ストリップ20にコーティングされた材料の微細構造を、図9Bはその材料に銀を電着した結果を示している。図8Bに示す材料と比べて、銀は材料の全体にわたってはるかに自由に付着していることが明らかである。イットリアでコーティングされた材料は抵抗が小さいため、銀が材料の超伝導領域91・絶縁領域20の両方に付着して超伝導フィラメント同士を結合させてしまい、フィラメント構造が交流損失低減に役立たない。
図10は、酸化マグネシウムからなる絶縁体ストリップ20と金属基板60にコーティングされた材料とからなるテープ材の断面を示している。絶縁体ストリップ20に隣接する遷移領域10も示されている。
図11を見て分かるように、本発明の別の実施例として、絶縁体ストリップ20は、バッファ50でコーティングされた基板60にではなく、超伝導層90にコーティングされていることが理解できる。超伝導層90には、本明細書に開示したバッファ付き基板上の絶縁体ストリップ20に使用されるものと同じ材料をコーティングすることができるが、これに限定しない。この別の実施例では、超伝導層90に絶縁体ストリップ20を蒸着した後に、テープ材400に熱処理を施して、絶縁層20の構成成分が直下の超伝導層90に拡散するのを促進する。このような熱処理の温度は、約300℃から約900℃、あるいは約400℃から約700℃の範囲とすることができる。特定の場合として、この熱処理の時間は約10分から約20時間の範囲とすることができる。当業者によって理解されるように、熱処理時間は、絶縁材料と、超伝導材料と、熱処理温度に達するまでの温度変化の速度制御とに、少なくとも部分的に依存する。何ら理論によって制限を加えるものではないが、この熱処理の間に絶縁体ストリップの下に超伝導膜があることは有害な影響を及ぼし、非超伝導性の材料190へと変化することとなる。
ここで説明した代替的な方法によれば、図11に示したHTS線材あるいはテープ構造体400を製造するための追加の方法が得られる。超伝導フィラメント90は本発明に従って非超伝導材料190で区切られている。熱処理の後、安定化層70は、本明細書で前に説明した通り、電着などのプロセスによってテープ材に蒸着される。非超伝導材料190の頂上の絶縁体ストリップ20は抵抗が大きいため、銀は超伝導フィラメント90にのみコーティングされ絶縁体ストリップ20にはコーティングされない。次に用いる安定化被覆80は、厚い銅に限らず、本明細書で前に説明した通り、電着などのプロセスによってテープ材400に蒸着させることができる。繰り返すが、非超伝導材料190の頂上の絶縁体ストリップ20は抵抗が大きいため、銅は銀が重ねられた超伝導フィラメント90にのみコーティングされ、絶縁体ストリップ20にはコーティングされない。したがって、この代替的な実施形態よってもまた、いかなるエッチングを用いることなく完全に縞状の安定化層とマルチフィラメント超伝導体400を作製することができる。
このように、何ら理論によって制限を加えるものではないが、前記の構造体は図11に示すように一連の層を含んでもよい。再び図11を見て分かるように、多層構成を有するHTS導体400の断面図。場合によって、超伝導層90は少なくとも1つのバッファ層50に蒸着される。本明細書に説明したように、絶縁体ストリップ20は熱処理する前に超伝導層90に蒸着させることができる。熱処理した後では、非超伝導材料190が超伝導層90の中に形成されている。このように、本発明によれば、概してHTS導体400は、基板60と、この基板60の表面61に重ねられた少なくとも1つのバッファ層50と、この少なくとも1つのバッファ層50の表面51に重ねられた超伝導層90とを備えている。超伝導層90は、第1安定化層ないしキャッピング層70がその上に蒸着している。前に説明した本発明の別の実施形態によれば、第2安定化層80を組み込んで超伝導層90に重ねてもよく、特にキャッピング層70に重ねて接触させてもよい。場合によっては、第2安定化層80はキャッピング層70と直接接触している。
本明細書に開示された実施形態の利点はエッチングを用いないことによって得られるのではあるが、エッチングのステップを少なくとも1回利用することで、絶縁マイクロフィラメントや超伝導マイクロフィラメントの欠陥、成膜の欠陥、汚染を除去し、そして一般的に本発明で開示されたマルチフィラメント構造とその作製方法を改善できることは当業者であれば理解できるであろう。このようなエッチングのステップは、これらに限定するわけではないが、例えばHTS導体200の品質管理、形成後の修理、改装の手段として本発明の範囲内に含めることができることは当業者であれば認識することができる。さらにHTS導体200は、これらに限定するわけではないが、例えば電力ケーブル、変圧器、発電機、送電網などの商用電力機器に組み込んで、様々な応用目的で用いることができることは当業者であれば容易に理解できるであろう。
少なくとも1つの実施形態を開示したが、当該分野の通常の技術を有する者が、この実施形態や実施形態の特徴を変形したり、組み合わせたり、修正を添加したりすることは、本発明の範囲内にある。実施形態の特徴を組み合わせたり、統合したり、省略したりして得られる別の実施形態もまた、本発明の範囲内にある。数値の範囲ないし限定が明示的に記載されている箇所では、そうした明示的な範囲ないし限定にはこの明示的に記載された範囲ないし限定内に収まる均等な大きさの範囲ないし限定が反復して含まれる(例えば、約1から約10までには2、3、4等が含まれ、0.1より大きいものには0.11、0.12、0.13等が含まれる)ものと理解されたい。例えば、下限Rlと上限Ruを有する数値的な範囲が開示されているときは常に、その範囲内に入る任意の数がその特別な場合として開示されていることとする。具体的にはその範囲内にある以下の数Rが特別な場合として開示されていることとする。ここで、R=Rl+k×(Ru−Rl)で、kは1パーセントの増分で1パーセントから100パーセントまでをわたる変数、すなわち1パーセント、2パーセント、3パーセント、4パーセント、5パーセント、・・・、50パーセント、51パーセント、52パーセント、・・・、95パーセント、96パーセント、97パーセント、98パーセント、99パーセント、100パーセントである。さらに、上で定義した数Rを2つ用いて境界を定めた任意の数値範囲も、その特別な場合として開示されていることとする。請求項の任意の構成要素について使用している「必要に応じて(optionally)」という用語は、その要素が必要であったり必要ではなかったりすることを意味しており、このいずれもが請求項の範囲に含まれることを意味している。「備える、含む、有する(comprises, includes, having)」等の広義の用語の使用は、「〜からなる(consisting of)」、「本質的に〜からなる(consisting essentially of)」、「実質的に〜から構成されている(comprised substantially of)」、等の狭義の用語をサポートしていると理解されたい。したがって、保護の範囲は前述の説明によって制限されず、後記の特許請求の範囲によってのみ定まり、この範囲は特許請求の範囲の対象事項のすべての均等物を含む。いかなる請求項もさらなる開示として本明細書中に援用し、特許請求の範囲は本発明の実施形態とする。本明細書中での参考文献の議論は、特に本願の優先日以降の刊行日を有する参考文献について、それが先行技術であると認めるわけではない。本明細書に引用したすべての特許、特許出願、および出版物は、本発明を補足する例示的、手続的その他の詳細となる範囲で参照して援用する。

Claims (22)

  1. ある長さと幅を有しその寸法比が約102以上である基板に少なくとも1つのバッファ層が蒸着されており、
    この少なくとも1つのバッファ層上に前記の基板の長さ方向に延びる少なくとも2本のほぼ平行な超伝導フィラメントを成す超伝導材料で構成された超伝導層があり、
    この超伝導層の少なくとも2本の超伝導フィラメントの間に非超伝導領域があって、この非超伝導領域に抵抗率が約1mΩcmより大きい絶縁材料を含む少なくとも1本の絶縁体ストリップが蒸着により形成されて基板の長さ方向に連続して延びており
    超伝導層に貴金属を含んだ第1安定化層が重ねられて、さらにこの第1安定化層に第2安定化層が重ねられていることを特徴とする超伝導構造体。
  2. 前記の少なくとも1本の絶縁体ストリップが互いに反対側を向いた第1表面と第2表面を有し、その第1表面が前記のバッファ層に重なり、第2表面に前記の超伝導材料が実質的に存在せず、前記の少なくとも2本の超伝導フィラメントが前記の少なくとも1本の絶縁体ストリップで分断されている請求項1に記載の超伝導構造体。
  3. 前記の少なくとも2本の超伝導フィラメントが熱処理による材料の拡散によって切り離されており、少なくとも長さ10メートルにわたって臨界電流が少なくとも200/cmであるか、幅が少なくとも約50μmであるか、長さが少なくとも約100mであるかのいずれかの性質を有する請求項1に記載の超伝導構造体。
  4. 前記の絶縁材料が、強磁性材料を含んでおり、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化モリブデン、酸化亜鉛、およびこれらの組み合わせからなる群から選択したセラミック酸化物を含んでいる請求項1に記載の超伝導構造体。
  5. 前記の絶縁体ストリップの厚さが約0.5から約30μmまでの範囲内であり、幅が約1μmから約250μmまでの範囲内である請求項1に記載の超伝導構造体。
  6. 前記の第1安定化層が貴金属を含んでおり、この第1安定化層の厚さが約0.1μmから約10.0μmまでの範囲内であり、前記の構造体を包み込む第1側面と第2側面を形成するように延びている請求項1に記載の超伝導構造体。
  7. 前記第2安定化層が銅、アルミニウムおよびこれらの合金を含む群から選択される電気めっきされた非貴金属を含んでおり、厚さが約1μmから約1000μmまでの範囲内である請求項に記載の超伝導構造体。
  8. 60Hzの周波数で100mTの交流磁界を前記の構造体の表面に垂直に印加し77Kで測定した交流損失が1W/m未満である請求項に記載の超伝導構造体。
  9. 前記のマルチフィラメント超伝導層が、臨界温度Tcが約77K以上である高温超伝導材料を含む請求項1に記載の超伝導構造体。
  10. 前記のマルチフィラメント超伝導層がREを希土類元素とするREBa2Cu37-xを含む請求項1に記載の超伝導構造体。
  11. 前記のマルチフィラメント超伝導層が、YBa2Cu37-x、Bi2Sr2Ca2Cu310+y、Ti2Ba2Ca2Cu310+y、HgBa2Ca2Cu38+yおよびこれらの組み合わせを含む群から選択される請求項10に記載の超伝導構造体。
  12. 前記のバッファ層が、薄膜の面内方向と面外方向の両方にほぼ配向した結晶を有する二軸配向結晶薄膜を含む請求項1に記載の超伝導構造体。
  13. 前記の少なくとも1本の絶縁体ストリップが、マスクを介した蒸着、インクジェット印刷、スクリーン印刷、スタンピング、パターニングおよびこれらの組み合わせからなる群から選択されるプロセスによって前記の超伝導層に蒸着される請求項1に記載の超伝導構造体。
  14. 前記のマスクを介して蒸着するためのプロセスが、スパッタリング法、化学蒸着法、ゾルゲルコーティング法、真空蒸着法、レーザーアブレーション蒸着法からなる群から選択される請求項13に記載の超伝導構造体。
  15. 前記の超伝導層が、真空蒸着法、スパッタリング法、化学蒸着法、スピンコーティング法、ベーキング法、パルスレーザー蒸着法、陰極アーク蒸着法、プラズマ化学気相蒸着法、分子線エピタキシー法、ゾルゲル法、液相エピタキシー法およびこれらの組み合わせからなる群から選択したプロセスによって蒸着される請求項1に記載の超伝導構造体。
  16. 基板と少なくとも1つのバッファ層とを含むバッファ付き基板を設けるステップと、
    このバッファ付き基板の長さ方向に連続的に延び抵抗率が約1mΩcm超える絶縁材料を含んだ少なくとも1本の絶縁体ストリップを前記のバッファ付き基板上に蒸着して、その少なくとも1本の絶縁体ストリップが互いに反対側を向いた第1表面と第2表面を有しその第1表面が前記のバッファ付き基板に面するようにするステップと、
    前記のバッファ付き基板に超伝導材料を蒸着させて、前記基板の長さ方向に連続して延び前記の少なくとも1本の絶縁体ストリップで互いから分断された実質的に平行な少なくとも2本の超伝導フィラメントを有する超伝導層を形成し、前記の絶縁体ストリップの第2表面に超伝導材料が実質的に存在しないようにするステップと、
    少なくとも1本の絶縁体ストリップを蒸着する前にバッファ付き基板に超伝導材料を蒸着し、この超伝導材料で超伝導層を形成するステップと、
    バッファ付き基板上の超伝導材料上にある少なくとも1本の絶縁体ストリップを熱処理してその絶縁体ストリップの下に非超伝導材料を設け、形成された少なくとも2本の超伝導フィラメントが少なくとも1つの非超伝導領域で互いから分断されるようにするステップを有することを特徴とする超伝導構造体を製造する方法。
  17. 前記の高温超伝導体が、60Hzの周波数で100mTの交流磁界を前記の構造体の表面に垂直に印加して77Kで測定して1W/m未満の交流損失で動作が可能である請求項16に記載の方法。
  18. バッファ付き基板に超伝導材料を蒸着させて超伝導層を形成する前記のステップが、REを希土類元素とするREBa2Cu37-xの層を蒸着するステップを含む請求項16に記載の方法。
  19. 前記の超伝導層が、YBa2Cu37-x、Bi2Sr2Ca2Cu310+y、Ti2Ba2Ca2Cu310+y、HgBa2Ca2Cu38+yおよびこれらの組み合わせを含む群から選択される請求項18に記載の方法。
  20. 前記の少なくとも1本の絶縁体ストリップが、マスクを介した蒸着、インクジェット印刷、スクリーン印刷、スタンピング、パターニングおよびこれらの組み合わせからなる群から選択したプロセスによって蒸着される請求項16記載の方法。
  21. マスクを介して蒸着するための前記のプロセスが、スパッタリング法、化学蒸着法、ゾルゲルコーティング法、真空蒸着法、レーザーアブレーション蒸着法からなる群から選択される請求項20に記載の方法。
  22. 前記の超伝導層が、真空蒸着法、スパッタリング法、化学蒸着法、スピンコーティング法、ベーキング法、パルスレーザー蒸着法、陰極アーク蒸着法、プラズマ化学気相蒸着法、分子線エピタキシー法、ゾルゲル法、液相エピタキシー法およびこれらの組み合わせからなる群から選択したプロセスによって蒸着される請求項16に記載の方法。
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