JP5804980B2 - 排ガス処理用脱硝触媒および排ガス処理方法 - Google Patents

排ガス処理用脱硝触媒および排ガス処理方法 Download PDF

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本発明は、排ガス処理用脱硝触媒及び該排ガス処理用脱硝触媒を用いた排ガス処理方法に関し、更に詳しくは、ボイラ等の排ガス中に含まれる窒素酸化物(以下、NOxという)を除去することができるとともに、三酸化硫黄(SO)の増加を抑制することができる排ガス処理用脱硝触媒に関する。
ボイラ、ガスタービンおよび燃焼炉等から排出される排ガス中の窒素酸化物(NO)を除去する方法として、窒素酸化物除去触媒(以下「脱硝触媒」と略す)の存在下で、アンモニア(NH)を還元剤としNOを無害な窒素および水に分解するアンモニア接触還元法が実用化されている。
上述したボイラ等では、硫黄分の高い石炭あるいはC重油などを燃料として利用するものがある。これらの燃料を燃焼させて生じる排ガスには高濃度の二酸化硫黄(SO)およびSOが存在する。
このような排ガスを上述したアンモニア接触還元法を用いて処理すると、NOを還元して除去するNO還元除去反応と同時に、SOからSOへの酸化反応が生じて、排ガス中のSOが増加する。このSOと、前記NOx還元除去反応にて還元剤として使用され未反応分のNHとが、低温領域で容易に結合して、酸性硫酸アンモニウム等の化合物が生成する。この酸性硫酸アンモニウム等の化合物およびSOにより、後流に配置されている熱交換器等の各種装置の内部や配管が腐食して、目詰まりや一部閉塞等が生じ圧力損失を上昇させてしまう。
そのため、上述した排ガスを処理する場合には、優れた脱硝性能と、SOからSOへの酸化反応が生じにくい低SO酸化能とを有する脱硝触媒として、チタニア−バナジウム−タングステン触媒などが既に実用化されている。しかし、チタニア−バナジウム−タングステン触媒を用いた場合であっても、SOからSOへの酸化は、0.1%オーダで生ずる場合がある。
排ガス中のSO濃度を低減する技術も提案されている。特許文献1は、窒素酸化物及びSOを含有する排ガスにアンモニアを添加した後、排ガスを、SO還元触媒及び脱硝触媒と接触させて、排ガス中の窒素酸化物及びSOを還元する技術を開示している。しかし、これを用いた場合、装置全体容積が大きくなるといった問題があり、また、さらなるSOの発生の抑制が望まれる。
いっぽう、特許文献2には、イオン交換により変成したセピオライトを用いた排煙脱硝用触媒が開示されている。しかし、この触媒は、セピオライトの骨格マグネシウムがバナジウム金属で置換されたソリッド型の触媒であり、SOからSOへの酸化を抑制することが十分にできない点で問題があった。
特開平11−267459号公報 特開平4−77310号公報
十分な脱硝性能を有し、かつ、SOからSOへの酸化反応を十分に低減することができる排ガス処理用脱硝触媒およびこれを用いた排ガス処理方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、脱硝性能を保持しつつ、SOからSOへの酸化反応を進行させないための触媒構成を鋭意検討した結果、コート型触媒において、不活性担体を構成するハニカム基材に、排ガス中に含まれる、バナジウム、ナトリウムとともにSOを浸透させることにより、SOの酸化率を低減させることができることを見出した。従来から、一般的に使用される排ガス処理用脱硝触媒の概念図を図2に示す。図2に示す従来型の排ガス処理用脱硝触媒2は、ムライトハニカム基材22に、脱硝触媒コート層21を被覆してなる。この従来型の排ガス処理用脱硝触媒2においては、排ガス中に含まれる、バナジウム、ナトリウムは、脱硝触媒コート層のみ堆積し、不活性担体に浸透することがない。本発明者らは、これらの堆積が、SOの酸化率を上昇させる原因になると考えた。そして、バナジウム、ナトリウムを浸透させるために、不活性担体の中でも、比表面積が大きいセピオライトを用いてウォッシュコート型の触媒を調製することとし、本発明を完成するに至った。セピオライトは、その内部に、バナジウム、ナトリウムに加えて、SOの発生原因となりうるSOをも浸透させる一方、SOをSOにする酸化反応を進行させることがない。このようなセピオライトの機能により、本発明の課題の解決が達成される。
本発明は、一実施の形態によれば、排ガス処理用脱硝触媒であって、セピオライトハニカム基材に、脱硝触媒をコートしてなる排ガス処理用脱硝触媒を提供する。
ある実施形態によれば、前記排ガス処理用脱硝触媒において、前記セピオライトハニカム基材が、硫酸処理されたセピオライトハニカム基材であることが好ましい。
別の実施形態によれば、前記排ガス処理用脱硝触媒において、前記脱硝触媒が、酸化チタン担体に、少なくともバナジウムを担持させてなる、V/TiO系脱硝触媒であることが好ましい。
本発明は、別の局面によれば、排ガス処理方法であって、窒素酸化物および硫黄酸化物を含む排ガスにアンモニアを添加する工程と、上記のいずれかに記載の排ガス処理用脱硝触媒に、前記アンモニアを添加した排ガスを供する工程とを含む方法である。
本発明に係る排ガス処理用脱硝触媒は、SOからSOへの酸化反応を有意に低減することができる。その結果として、酸性硫酸アンモニウム等の生成を防止し、ボイラ等、脱硝装置が組み込まれているプラントの後流での腐食を避け、プラントの耐久性が向上するといった効果を得ることができる。本発明に係る排ガス処理用脱硝触媒は、アルミナを含むゼオライトを用いたものと異なり、硫黄酸化物(以下、SOという)による被毒のおそれもない。また、特に、セピオライトハニカム基材を硫酸処理して用いる実施形態によれば、セピオライトに含まれるMgが、SOと硫酸塩を生成することを防止し、長期耐久性に優れるといった効果につながる。
本発明に係る排ガス処理用脱硝触媒を示す模式図である。 従来技術に係る排ガス処理用脱硝触媒を示す模式図である。
以下に、本発明の実施の形態を説明する。もっとも、本発明は、以下に説明する実施の形態によって、限定されるものではない。
[第1実施形態]
本発明は、第1実施形態によれば、排ガス処理用脱硝触媒である。図1に、第1実施形態に係る排ガス処理用脱硝触媒1を示す。排ガス処理用脱硝触媒1は、セピオライトハニカム基材12を、脱硝触媒コート層11により被覆してなる。
セピオライトハニカム基材は、SOの酸化反応や、脱硝反応に対し不活性であり、かつ比表面積が、約130g/m以上の、高比表面積不活性担体である。
セピオライトは、含水マグネシウム珪酸塩を主成分とする粘土鉱物であって、その化学組成は、MgSi1230(OH(OH)6〜8HOで表される。本実施形態においては、セピオライトであれば、種類を問わず使用することができる。セピオライトは、通常、粉末状態で製品として販売されているものを用いることができる。
セピオライトハニカム基材は、セピオライト粉末から調製することができる。具体的には、セピオライト粉末に、バインダと、有機可塑剤と、アンモニア水とを添加し、混練し、押出成型したのち、乾燥、焼成することにより、セピオライトハニカム基材を調製することができる。このとき、バインダとしては、グラスファイバ、カオリン、粘土といったものから、1種または2種以上を選択して用いることができる。バインダまたは複数のバインダの添加量は、セピオライト粉末100重量部に対し、10〜20重量部とすることが好ましい。有機可塑剤としては、酢酸セルロース、メチルセルロースといったものを用いることができる。有機可塑剤の添加量は、セピオライト粉末100重量部に対し、5〜10質量部とすることが好ましい。アンモニア水は、濃度が、5〜15体積%の水溶液を調製し、その添加量は、粘土中のpHが6〜8となるようにすることが好ましい。
これらの材料の混練は、ニーダーなどの装置を用いて実施することができる。その後、押出機を用いて所望のハニカム形状に加工する。押出機は、ハニカム押出ノズルを備えたスクリュー付き真空押出機などを用いることができる。押出成型されたセピオライトハニカム基材を、次いで、乾燥する。乾燥は、乾燥器を用いて、80〜110℃にて、60〜300分にわたって実施することが好ましい。乾燥後、オーブン等を用いて、セピオライトハニカム基材を焼成する。焼成は、約400〜600℃にて、4〜8時間にわたって行うことが好ましい。
ここでは、セピオライトハニカム基材の調製方法を、一例を挙げて説明したが、本発明のハニカム基材はこの調製方法によって得られたものに限定されるものではない。当業者が通常行う、そのほかの調製方法にしたがって調製することもできる。また、セピオライトハニカム基材の構成成分には、その機能を害しない限り、上記以外の成分が含まれていてもよい。さらには、本実施形態においては、市販されているセピオライトハニカム基材を用いることもできる。本発明においては、不活性ハニカム基材として、ムライト、コージェライト等の耐熱性は有するが比表面積の低い材料は使用しない。ムライト、コージェライト等の低比表面積ハニカム基材は、排ガス中に含まれるバナジウムやナトリウムがコート層のみに蓄積し、不活性担体の内部には浸透しないため、脱硝触媒コート層において、SOからSOへの酸化反応を、むしろ促進するおそれがあるためである。
脱硝触媒は、アンモニア(NH)を還元剤としNOを無害な窒素および水に分解するアンモニア接触還元法を実施するために使用するものである。NOの還元反応を十分に触媒することができるものであれば、任意の脱硝触媒を使用することができる。たとえば、V/TiO系脱硝触媒、V―W/TiO系脱硝触媒、V−Mo/TiO系脱硝触媒などを使用することができるが、これらには限定されない。
一例として、V/TiO系脱硝触媒について説明する。V/TiO系脱硝触媒は、酸化チタンを担体とし、バナジウムを担持させ、さらに、タングステン、モリブデンを担持させもよい触媒である。さらに具体的には、アナターゼ型構造の酸化チタンを担体とし、酸化バナジウム微粒子又は酸化バナジウムにモリブデン及び/又はタングステンを固溶させた酸化バナジウム固溶体微粒子を活性体として共沈法により3〜30重量%担持させた比表面積が100m/g以上である脱硝触媒(特開平11−165068号公報)、酸化チタンを担体として、担体上にV、W、及びMoからなる群より選ばれる少なくとも1種類の酸化物を活性成分として担持し、かつBi及びP、並びにBi及び/又はPを含む化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種類を助触媒成分として担持させた触媒(特開2009−202084号公報)などを用いることができるが、これらには限定されない。
本実施形態で好ましく使用することができる、V/TiO系脱硝触媒は、100重量部のTiOに対し、0.1〜3重量部の五酸化バナジウムとなるよう、メタバナジン酸アンモニウムを添加し、メチルアミン水溶液で溶解後、TiO上で蒸発乾固して調製する。そのほかの成分、たとえば、タングステンが含まれる場合には、これらをパラタングステン酸アンモニウムの形態で添加して調製することもできる。
本実施形態にかかる排ガス処理用脱硝触媒の製造方法は、セピオライトハニカム基材を製造する工程と、セピオライトハニカム基材に脱硝触媒をコートする工程と、セピオライトハニカム基材に脱硝触媒をコートして得られた排ガス処理用脱硝触媒を乾燥、焼成する工程とを含む。
セピオライトハニカム基材を製造する工程は、上記のとおりである。また、この工程を省略して、かわりに市販されているセピオライトハニカム基材を使用することもできる。セピオライトハニカム基材に脱硝触媒をコートする工程では、上記のような、たとえば、V/TiO系脱硝触媒のスラリーを、セピオライトハニカム基材にウォッシュコートする。担持量は、排ガス処理用脱硝触媒の用途などにもよるが、通常、50〜150g/m(乾燥重量)とすることができる。ウォッシュコートした触媒を、80〜120℃で、0.5〜6時間にわたって乾燥することにより、本実施形態による排ガス処理用脱硝触媒を得ることができる。
次に、本実施形態に係る排ガス処理用脱硝触媒を用いた排ガス処理方法について説明する。排ガス処理方法は、窒素酸化物および硫黄酸化物を含む排ガスにアンモニアを添加する工程と、本実施形態による排ガス処理用脱硝触媒に、アンモニアを添加した前記排ガスを供する工程とを含む。
窒素酸化物および硫黄酸化物を含む排ガスにアンモニアを添加する工程は、従来技術に従って、排ガスに通常の量でアンモニアを添加することができる。例えば、排ガス中の窒素酸化物(NO)濃度に対し90%といった量で添加することができるが、この添加量には限定されない。排ガス処理用脱硝触媒に、アンモニアを添加した前記排ガスを供する工程では、本実施形態に係る排ガス処理用脱硝触媒に排ガスを接触させて、窒素酸化物の還元反応を行うとともに、排ガス中のバナジウム、Na、SOを、セピオライトハニカム基材に浸透させる。このとき、窒素酸化物の還元反応は、排ガス処理用脱硝触媒1の脱硝触媒コート層11の表面で以下の反応式(1)にしたがって生じ、その結果として、毒性のない窒素と水が生じる。
NO+NH+1/4O → N+HO (1)
いっぽう、SOの酸化反応も、従来であれば、脱硝触媒コート層11において、以下の反応式(2)に従って進行していた。しかし、本実施形態による方法によれば、反応式(2)の反応が生じる前に、SOがセピオライトハニカム基材12に浸透する。そのため、セピオライトハニカム基材12では反応式(2)の反応は進行しないため、SOが生ずることはほとんどない。
SO+1/2O → SO (2)
本発明の第1実施形態によれば、排ガス中のSOの濃度を増加させることなく、排ガス中のNOxを除去することができる、排ガス処理用脱硝触媒を提供する。SOの発生量は、従来技術であるチタニア−バナジウム−タングステン触媒を使用した時の約1/5とすることができ、その結果、脱硝装置を組み込んだプラントなどにおいて、後流に設置された装置の腐食等を防止することができる。
[第2実施形態]
本発明は、第2実施形態によれば、排ガス処理用脱硝触媒であって、硫酸処理されたセピオライトハニカム基材に、脱硝触媒をウォッシュコートしてなる。
第2実施形態による排ガス処理用脱硝触媒は、セピオライトハニカム基材を硫酸処理し、安定化させたこと以外は、すべて第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
第2実施形態における、硫酸処理されたセピオライトハニカム基材とは、第1実施形態において詳述したセピオライトハニカム基材を硫酸に浸漬して得られるセピオライトハニカム基材である。硫酸処理されたセピオライトハニカム基材においては、セピオライト骨格を構成するマグネシウムを、硫酸マグネシウムの塩にして、安定化したものである。化学組成では、一般的にMgSOと表すことができる。なお、処理の条件によっては、すべてのマグネシウムが、硫酸マグネシウムの塩を形成していない場合もある。
硫酸による安定化処理方法は、セピオライトハニカム基材を約20〜60秒にわたって、0.5〜2規定の硫酸水溶液に浸漬する工程と、硫酸水溶液から取り出したセピオライトハニカム基材を、80〜150℃の乾燥器で、約10〜300分にわたって乾燥する工程とにより実施することができる。硫酸水溶液に浸漬する際、硫酸水溶液/ハニカム基材の体積比は、2.5〜5とすることが好ましい。また、乾燥後に、さらなる熱処理を行ってもよく、この場合、硫酸処理されたセピオライトハニカム基材は、400〜500℃で4〜5時間、昇温速度100℃/h、といった条件で処理することもできる。
このようにして得られた硫酸処理されたセピオライトハニカム基材に、第1の実施形態と同様に、所望の脱硝触媒をウォッシュコートすることで、第2実施形態における排ガス処理用脱硝触媒を得ることができる。
第2実施形態における排ガス処理用脱硝触媒は、特に、Mgを予め硫酸で処理して、硫酸マグネシウム塩を形成しておくことで、排ガス中の硫黄酸化物(SOx)と顕著に反応するといった現象が起きず、その結果、長期間使用によるハニカム形状保型性に優れるといった有利な効果を奏する。
以下、本発明を、実施例を用いてさらに詳細に説明する。以下の実施例は本発明を限定するものではない。
[実施例1]
(1−1)セピオライトハニカムの製造
セピオライト粉末(株式会社セピオジャパン製ミラクレーP−150):100重量部に対して、バインダとして、グラスファイバを3重量部、カオリンを8重量部、さらに有機可塑剤として酢酸セルロースを7重量部と、10体積%のアンモニア水を添加して混練を行った。この混練物を押し出し成形し、7.0mm ピッチ(壁厚1.0mm)の一体型ハニカム成形物を得た。この成形物を乾燥させ、500℃で、5時間焼成して有機可塑剤を除去することにより、ハニカム触媒1を得た。
(1−2)浸透速度試験方法
(i)バナジウム
板状に切断したハニカム触媒(50mm)を5%硫酸溶液中に1分間浸漬し、触媒を乾燥(80℃)した。乾燥後触媒上に硫酸バナジル(VOSO)を約1g乗せ、恒温恒湿槽内に以下の条件で所定期間処理した後、触媒層及び基材に浸透(蓄積)したバナジウムを分析した。
<試験条件>
触媒に浸漬する硫酸濃度:5%
恒温恒湿槽条件:温度20℃、相対湿度80%
恒温恒湿槽運転時間(サンプリング時間):100時間
(ii) ナトリウム
板状に切断したハニカム触媒上(50mm)に,ナトリウム化合物であるNaSO(試薬)を1g乗せ、恒温恒湿槽内に以下の条件で所定期間処理した。その後、触媒層及び基材に浸透(蓄積)したナトリウムを分析した。
<試験条件>
恒温恒湿槽条件:温度20℃、相対湿度80%
恒温恒湿槽運転時間(サンプリング時間):24時間
(iii)結果
セピオライトハニカム基材の浸透試験を実施した結果、ムライト基材と比べて、バナジウム、ナトリウムとも、約3倍の浸透速度を有することが分かった。
(1−3)触媒性能の評価
脱硝触媒を150g/mとなるように、上記(1)で製造したセピオライトハニカム基材にウォッシュコートし、乾燥、焼成して、本発明にかかる排ガス処理用脱硝触媒を製造した。ここで用いた脱硝触媒の組成は、V−W/TiOであり、乾燥時間は、約1時間、焼成時間は、約5時間、500℃であった。
この排ガス処理用脱硝触媒を用いて、触媒性能の評価を実施した。評価対象の排ガスは、重油燃焼排ガスであった。上記排ガス処理用脱硝触媒に、触媒単位体積当たりの処理ガス容積を16(Nm/m・h)で、24時間にわたって、この排ガスを供した。触媒性能は、触媒出入口NO濃度をケミルミ方式の連続分析計で評価するといった方法で評価した。その結果、380℃において、ソリッド型脱硝触媒と遜色のない脱硝率(89.7%)及びSO酸化率(0.02%)であることを確認した。
[実施例2]
(2−1)セピオライトハニカム基材の事前硫酸処理方法
セピオライト粉末(株式会社セピオジャパン製ミラクレーP−150):100重量部に対して、バインダとしてグラスファイバを3重量部、カオリンを8重量部、さらに有機可塑剤として酢酸セルロースを7重量部とアンモニア水を添加して混練を行った。この混練物を押し出し成形し、7.0mmピッチ(壁厚1.0mm)の一体型ハニカム成形物を得た。この成形物を乾燥させ、500℃、5時間焼成して有機可塑剤を除去することにより、ハニカム触媒1を得た。
次いで、上記ハニカム触媒を,1規定の硫酸水溶液に、約30秒浸漬した。この際、硫酸水溶液/ハニカム基材の体積比は、3とした。その後、110℃の乾燥器で乾燥することにより、硫酸処理されたセピオライトハニカム基材を得た。
(2−2)触媒性能の評価
事前硫酸処理を実施したセピオライトハニカム基材に、上記(1−3)と同様の脱硝触媒をウォッシュコートして、本発明に係る別の排ガス処理用脱硝触媒を製造した。この排ガス処理用脱硝触媒に対しても、上記(1−3)と同様の方法で、触媒性能を評価したところ、同等の脱硝性能、SO酸化率が得られた。事前硫酸処理を実施したセピオライトハニカム基材を用いた場合には、さらに、耐久性の点において、長期保型性に優れるといった効果が得られた。
本発明による排ガス処理用脱硝触媒は、硫黄分の高い石炭あるいは重油等を燃料として燃焼させる事業用・産業用ボイラ、あるいは、ディーゼル機関、加熱炉、焼鈍炉、ガスタービンにおける脱硝装置に組み込んで、好ましく用いることができる。
1 :排ガス処理用脱硝触媒
11:脱硝触媒コート層
12:セピオライトハニカム基材
2 :従来型の排ガス処理用脱硝触媒
21:脱硝触媒コート層
22:ムライトハニカム基材

Claims (3)

  1. 硫酸処理されたセピオライトハニカム基材に、脱硝触媒コート層を被覆してなる、排ガス処理用脱硝触媒。
  2. 前記脱硝触媒が、酸化チタン担体に、少なくともバナジウムを担持させてなる、V/TiO系脱硝触媒である、請求項1に記載の排ガス処理用脱硝触媒。
  3. 窒素酸化物および硫黄酸化物を含む排ガスにアンモニアを添加する工程と、
    請求項1または2のいずれかに記載の排ガス処理用脱硝触媒に、前記アンモニアが添加された排ガスを供する工程と
    を含む、排ガス処理方法。
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