JP5804546B2 - Pgmを含有する被処理部材からのpgmの回収方法 - Google Patents

Pgmを含有する被処理部材からのpgmの回収方法 Download PDF

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Description

本発明は,白金族元素を含有する各種の部材、例えば、使用済みの自動車排ガス浄化用触媒、使用済みの電子基板やリードフレーム、使用済みの石油化学系触媒というPGMを含有する被処理部材からのPGMの回収方法関する。
例えば、使用済みの自動車排ガス浄化用触媒のように、白金族元素を含有する各種の部材から白金族元素(本発明において「PGM」と記載する場合がある。)を、効率的に回収する方法として、本発明者らは、PGMを含有する被処理部材を銅源材料と共に加熱溶融して溶融メタル中にPGMを吸収させるPGMの乾式回収法にについて開示し、さらに、操業性とPGMの回収率改善方法について開示した(特許文献1参照)。
特許文献1は、PGMを含有する被処理部材と、酸化銅を含有する銅源材料とを、フラックス成分および還元剤と共に密閉型電気炉に装填して還元溶錬し、酸化物主体の溶融スラグ層の下方に金属銅主体の溶融メタルを沈降させ、当該下方に沈降した溶融メタル中にPGMを濃縮させること、当該PGMが濃縮した溶融メタルを、溶融スラグから分別して別の炉に溶融状態のまま移し替え、当該別の炉において当該溶融メタルを酸化溶錬することにより酸化物主体のスラグ層とPGMがさらに濃縮した溶融メタル層に層分離するPGMの乾式回収法において、銅の含有量が3.0質量%以下にまで低下した溶融スラグ層を該電気炉から排出すること、当該別の炉で生成した溶融スラグを高温状態から水冷することにより径が0.1mm以上10mm以下の粒状物からなる前記の酸化銅を含有する銅源材料を得るという、PGMの回収法(本発明において「ROSEプロセス」と記載する場合がある。)を開示している。
特開2009−24263号公報
本発明者らは、上述の成果に満足することなく、PGMを含有する被処理部材からの、さらに効率的なPGM回収方法について研究を行った。
その結果、上述の酸化溶錬の際におけるCuO−溶銅間のPGM(白金、ロジウム、パラジウム)の分配比は、還元溶錬の際のCaO−SiO−Al系スラグ−溶銅間の分配比の値に比べ100倍程度大きな値を示すことから、銅中のPGMを濃縮する酸化溶錬過程で発生する酸化炉のCuOスラグ中へ、相当量のPGMが分配されてしまうことを知見した。そして、相当量のPGMが酸化炉のCuOスラグ中に分配されてしまう為、Cu−PGM合金としてのPGMの回収率は抑制され、CuOスラグ中へ分配されたPGMは、ROSEプロセスの系内を循環することになっていたのである。
上述の知見より本発明者らは、酸化溶錬においてCuOスラグへのPGMの分配を抑制することが出来れば、ROSEプロセスの系内を循環するPGM量を抑制し、PGMの回収率の向上と回収までの時間の短縮を図ることが可能なことに想到した。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、PGMを含有する被処理部材からのPGMの回収方法における酸化溶錬工程において、CuOスラグへのPGMの分配を抑制する方法を提供することである。
ここで本発明者らは、前記酸化溶錬の際に、PGMを含有する銅中へ酸化物(例えば、SiO)を添加することで、CuOスラグへのPGMの分配を抑制することが可能であること、そして、銅中に含有されるPGMもCuOスラグへのPGMの分配を抑制する効果を有しているとの知見を得て、本発明を完成したものである。
すなわち、上述の課題を解決するための第1の発明は、
PGMを含有する被処理部材と、Cuおよび/またはCuOと、フラックスとを還元溶錬し、溶融スラグと、PGMを含有するCu合金とを生成させる還元溶錬工程と、
PGMが0超〜75質量%以下含有される前記Cu合金を酸化溶融し、当該溶融したCu合金へSiO を添加してPGMを含有するCuOスラグと、前記PGMを含有するCu合金よりPGM濃度が濃縮したCu合金とを生成させる酸化溶錬工程と、を有するPGMの回収方法であって、
前記酸化溶錬工程において、前記CuOスラグ質量に対しSiO を0超〜16.0質量%以下添加することを特徴とするPGMを含有する被処理部材からのPGMの回収方法である。
第2の発明は、
前記溶融したCu合金に対しSiO を添加した後、前記溶融したCu合金を撹拌し、その後、前記溶融したCu合金を静置して1200〜1450℃まで昇温することを特徴とする第1の発明に記載のPGMを含有する被処理部材からのPGMの回収方法である。
第3の発明は
前記酸化溶錬工程で生成したPGMを含有するCuOスラグを、以降の前記還元溶錬工程へ繰り返して投入することを特徴とする第1または第2の発明のいずれかに記載のPGMを含有する被処理部材からのPGMの回収方法である。
本発明によれば、酸化溶錬において、PGMがCuOスラグへ分配されるのを抑制し、PGM回収の生産性を上げることが出来た。
本発明に係るPGM回収の工程フロー図である。 従来の技術の係るPGM回収の工程フロー図である。 CuO−SiO系スラグと溶銅間のPtの分配比を示すグラフである。 CuO−SiO系スラグと溶銅間のPdの分配比を示すグラフである。 CuO−SiO系スラグと溶銅間のRhの分配比を示すグラフである。 CuO−SiO系スラグと溶銅間のPtの分配比を示すグラフである。 CuO−SiO系スラグと溶銅間のPdの分配比を示すグラフである。 CuO−SiO系スラグと溶銅間のRhの分配比を示すグラフである。
まず、図面を参照しながら従来の技術に係るROSEプロセスについて、簡単に説明する。
図2は、従来の技術に係るROSEプロセスのフロー図である。
PGMを含有する被処理部材(例えば、セラミックス製自動車触媒(2))と、抽出剤であるCu(3)と、フラックス(CaO、SiO(1))、そして還元剤であるC含有材料(4)とを、還元炉に装入して還元溶錬(5)する。すると、酸化物主体の溶融スラグ(CaO−SiO−Alスラグ(7))層の下方にCu合金(6)の溶融メタルが沈降し、当該下方に沈降したCu合金(6)中にPGMが濃縮する。一方、Cu含有量が3.0質量%以下にまで低下したCaO−SiO−Alスラグ(7)は当該電気炉から排出する。
このPGMが濃縮したCu合金(6)を溶融状態のまま酸化炉に移し替え酸化溶錬(9)することにより、酸化物主体のCuOスラグ(11)層とPGMがさらに濃縮した溶融メタル(Cu−PGM合金(10))層とに層分離させる。
湯面上に生成した酸化物主体のCuOスラグ(11)層は炉外に排出し、酸化炉において酸化処理と酸化物層の排出処理を繰り返すことにより、PGMがさらに濃縮した溶融メタル(Cu−PGM合金(10))層中のPGM含有量を0〜75%まで濃縮させる。
しかしながら、上述したように、酸化溶錬(9)におけるCuOスラグ(11)−Cu−PGM合金(10)間の白金、ロジウム、パラジウムの分配比は、還元溶錬(5)におけるCaO−SiO−Alスラグ(7)−Cu合金(6)間の分配比の値に比べ100倍程度大きな値を示す。この為、Cu合金(6)中のPGMを濃縮する過程で発生するCuOスラグ(11)中へ、相当量のPGMが分配されてしまう。結局、当初の被処理部材(例えば、セラミックス製自動車触媒(2))に含まれる相当量のPGMは、酸化溶錬(9)で発生するCuOスラグ(11)中に分配されてしまう。CuOスラグ(11)は還元溶錬(5)へ戻される為、Cu−PGM合金(10)としてのPGMの回収率は抑制され、CuOスラグ(11)中へ分配されたPGMは、ROSEプロセスの系内を循環することになっていた。
本発明者らは、酸化溶錬(9)の際、酸化物を添加することで、発生するCuOスラグ(11)へのPGMの分配を低減することが可能ではないかとの着想を得た。
そこで、まず予備的な試験として、CuOスラグに酸化物として塩基性酸化物であるCaO、NaO、又は酸性酸化物であるSiOを添加し、CuO融体と溶銅間のPt、Rh、Pdの分配を1250℃で測定した。
測定試験方法について説明する。
〈試料の調製〉
金属Cu5gと、スラグと見立てたCuO5gを秤量した。そして、当該スラグと見立てたCuOの質量に対して、CaO、SiO、NaO含有量が、0〜16質量%となるようにCaO、SiO、または、NaCOを秤量した。次に、金属Cu5gと、スラグと見立てたCuO5gの合計10gに対し、1質量%である100mgのPt、Rh、Pdを秤量した。
そして、金属CuとCuOとを混合した試料中へ、酸化剤として秤量された各々のCaO、SiOまたはNaCOを加え、得られた各々の試料へ、さらに、秤量した各々のPt、Rh、Pdを加えて最終の試料とした。
〈試料の溶融〉
最終の試料を、各々マグネシアルツボに装填し、1250℃で1時間、溶融保持した。
溶融保持が完了し、冷却して得られた試料は、金属銅相とスラグ相とに分離していた。
溶融後の試料における金属銅相とスラグ相との組成分析について、NaOについては原子吸光法を用いて定量し、その他の元素についてはICP−AES法にて定量分析した。
〈測定結果〉
PGMを含有する試料に対し、酸化物としてCaO、SiOまたはNaCOを添加した場合におけるCuOスラグとCu合金との間のPt、Rh、Pdの分配比を、Ptの場合は図3、Pdの場合は図4、Rhの場合は図5に示す。
図3は縦軸にLs/Cu の対数値をとり、横軸にCuOスラグ中の酸化物の濃度を質量%でとり、CaOを○でプロットし太破線で結び、SiOを▲でプロットし細実線で結び、NaOを△でプロットし細破線で結んだグラフである。さらに、図3〜5において、酸化物を添加しない場合を、CuOのみの添加として●でプロットした。
尚、Ls/Cu は、CuO系スラグと溶銅間のPGM分配比であって、(式1)で定義されるものである。
s/Cu
=(スラグ相中におけるXの質量%)/[溶銅相中におけるXの質量%]・・・(式1)
但し、X:Ptであり、()はスラグ相に関する値を、[]は溶銅相に関する値を示す。
図4は、図3と同様に縦軸にLs/Cu の対数値をとり、横軸にCuOスラグ中の酸化物の濃度を質量%でとり、CaOを○でプロットし太破線で結び、SiOを▲でプロットし細実線で結び、NaOを△でプロットし細破線で結んだグラフである。
但し、X:Pdである。
図5は、図3、4と同様に縦軸にLs/Cu の対数値をとり、横軸にCuOスラグ中の酸化物の濃度を質量%でとり、CaOを○でプロットし太破線で結び、SiOを▲でプロットし細実線で結び、NaOを△でプロットし細破線で結んだグラフである。
但し、X:Rhである。
図3〜5より、Pt、Rh、Pdの分配比は、酸化溶錬工程への酸化物添加濃度の増加に伴い減少することが判明した。酸化物を3〜4質量%含むCuOスラグのPt、Rh、Pdの分配比は、純粋なCuOスラグと比較して1/3〜1/2の値になり、10量%以上からは安定した。さらに、当該分配比の減少傾向は、酸化物がSiOの場合16質量%まで確認された。
このことから、酸化溶錬工程での、CuOスラグ質量に対する酸化物添加は、0超〜16.0質量%とする。好ましくは2.0〜10.0質量%、より好ましくは3.0〜5.0質量%の範囲で調整することがよい。これにより、CuOスラグに分配されるPGM量を抑制し、PGMの回収効率が高められる。
以上の試験結果から、酸化溶錬の際、酸化物として酸性酸化物であるSiOまたは塩基性酸化物であるCaO、NaOを添加することで、CuOスラグとCu合金との間のPGMの分配比が当該酸化物を加えない場合に比べて小さくなること、CuOスラグ中のPGM濃度を低減出来ることが判明した。
ここで、酸化物を添加したCuOスラグにおいて、CuOスラグと溶銅間のPGMの分配比が減少した理由についての考察について、簡単に説明する。
Al−CaO−SiO系スラグとCu合金との間におけるPGMの分配比は、酸素分圧の減少に伴い小さくなる。これは、酸素分圧の減少によりPGMの酸化物が生成し難くなるということ、および、スラグ中の銅溶解度が小さくなることに起因していると考えている。PGMの溶融CuOスラグに対する溶解度は、Al−CaO−SiOスラグなどに比べ大きく、PGMとCuOスラグの間には、抽象的な表現ではあるが引力が働いていると考えられる。
一方、CaO、NaOは塩基性酸化物であり、SiOは酸性酸化物である。またCuOは中性酸化物(両性酸化物)であることが知られている。両性酸化物のCuOへ、強塩基性のCaO、NaOや強酸性のSiOを添加されたことでCuOスラグの性質が変化し、当該CuOと、CaO、NaOまたはSiOとの間で中和反応による結合力が発生したために、相対的に当該CuOと、PGMとの間の引き合う力が弱まったのではないかと考えられる。そして、CuOと、PGMとの間の引き合う力が弱まったため、PGMがCuOスラグへ分配され難くなったと考えられる。
次に、本発明者らは、酸化溶錬(9)の際、Cu合金(6)に含有されるPGMの濃度が、発生するCuOスラグ(11)へのPGMの分配へ与える影響について検討した。
そこで、まず予備的な試験として、所定量のPGMを含有するCu合金と、所定量の酸化物とCu合金を混合して調製し、Cu合金(6)と酸化物(8)に見立てた。
測定試験方法について説明する。
〈試料の調製〉
所定量のPGMを含有する銅合金試料1gとCuO5g、および生成するスラグ質量に対して2〜5質量%になるように秤量したSiOをマグネシアルツボに装填した。当該所定量のPGMを含有する銅合金試料のPGM濃度を表1に掲げる。尚、当該所定量のPGMを含有する銅合金試料は、予め乾式法にて作製したものである。
Figure 0005804546
さらに、従来の技術に係る実操業ラインからCu合金試料として採取し、当該実操業ライン試料中のPGM濃度を測定した。そして当該実操業ライン試料とCuO5g、および生成するスラグ質量に対して2〜5質量%になるように秤量したSiOをマグネシアルツボに装填した。
上述の試料を1250℃で1時間、溶融保持し、CuO融体と溶銅間のPt、Rh、Pdの分配を測定した。得られた試料は、金属銅相とスラグ相に分離し、SiOについては重量法、その他の元素についてはICP−AES法にて定量分析した。
尚、分配比,Ls/CuXを次式で定義する。
s/CuX=(スラグ中におけるXの質量%)/[Cu合金中におけるXの質量%]
但し、X:Pt、Rh、Pd、()はスラグ相に関する値を、[]は溶銅相に関する値を示す。
当該結果を図6〜8に示す。
図6は、PGMがPtのときの結果であって、縦軸にLs/Cu Ptの対数値をとり、横軸にCu合金中のPtの濃度を質量%でとり、SiO2質量%の試料を×でプロットし、3質量%の試料を●でプロットし、5質量%の試料を*でプロットし、これらのプロット点を実線で結んだグラフである。
次に、当該実操業ライン試料もPtの含有量に合わせ、SiO3質量%の試料を■でプロットし、5質量%の試料を◆でプロットした。
さらに、図6〜8において、酸化物を添加しない場合を、CuOのみの添加として□でプロットした。
図6に示されるように、Ptの分配比は銅合金中のPt濃度の増加に伴い、減少することが判明した。このことは、酸化溶錬において溶銅中のPt濃度が高くなると、PtはCu−PGM合金へ分配され易くなり、CuOスラグへは分配され難くなるということが判明した。
また、実操業ライン試料のプロットも、図4のライン上に近いことから、上述の傾向は実操業ライン試料でも成立していると考えられる。
図7は、PGMがPdのときの結果であって、縦軸にLs/Cu Pdの対数値をとり、横軸にCu合金中のPdの濃度を質量%でとり、SiO含有量が2質量%の試料を×でプロットし、3質量%の試料を●でプロットし、5質量%の試料を*でプロットし、これらのプロット点を実線で結んだグラフである。
次に、当該実操業ライン試料もPdの含有量に合わせ、SiO含有量が3質量%の試料を■でプロットし、5質量%の試料を◆でプロットした。
図7に示されるように、Pdの分配比は銅合金中のPd濃度の増加に拘わらず、ほぼ一定であることが判明した。このことは、酸化溶錬において溶銅中のPd濃度が高くなっても、PdのCu−PGM合金へ分配は、殆ど影響を受けないことが判明した。
また、実操業ライン試料のプロットも、図7のライン上に近いことから、上述の傾向は実操業ライン試料でも成立していると考えられる。
図8は、PGMがRhのときの結果であって、縦軸にLs/Cu Rhの対数値をとり、横軸にCu合金中のRhの濃度を質量%でとり、SiO含有量が2質量%の試料を×でプロットし、3質量%の試料を●でプロットし、5質量%の試料を*でプロットし、これらのプロット点を実線で結んだグラフである。
次に、当該実操業ライン試料もRhの含有量に合わせ、SiO含有量が3質量%の試料を■でプロットし、5質量%の試料を◆でプロットした。
図8に示されるように、Rhの分配比は銅合金中のRh濃度の増加に拘わらず、ほぼ一定であることが判明した。このことは、酸化溶錬において溶銅中のRh濃度が高くなっても、RhのCu−PGM合金へ分配は、殆ど影響を受けないことが判明した。
また、実操業ライン試料のプロットも、図8のライン上に近いことから、上述の傾向は実操業ライン試料でも成立していると考えられる。
以上より、酸化溶錬で生成するCuO−SiOスラグを以降の還元溶錬工程へ繰り返して投入することで、Cu合金中のPGM濃度が高まっても、PGMの回収率には悪影響を与えないことが判明した。
ここで、図面を参照しながら本発明に係るROSEプロセスについて説明する。
図1は、本発明に係るROSEプロセスのフロー図である。
PGMを含有する被処理部材(例えば、セラミックス製自動車触媒(2))と、抽出剤であるCu(3)と、フラックス(CaO、SiO(1))、そして還元剤であるC含有材料(4)とを、還元炉に装入して還元溶錬(5)する。酸化物主体の溶融スラグ(CaO−SiO−Alスラグ(7))層の下方にCu合金(6)の溶融メタルを沈降させ,当該下方に沈降したCu合金(6)中に白金族元素を濃縮させる。一方、Cu含有量が3.0質量%以下にまで低下したCaO−SiO−Alスラグ(7)は当該電気炉から排出する工程までは、上述した従来の技術に係るROSEプロセスと同様である。
このPGMが濃縮したCu合金(6)を溶融状態のまま酸化炉に移し替え、溶融したCu合金(6)を酸化溶錬(9)する際、上述した酸化物(8)としてSiOまたはCaO、NaOを添加する。Cu−PGM合金(10)へSiO等の酸化物(8)を添加する際は、添加量の全量を一挙に添加するのではなく、少量ずつ添加することが好ましい。これはCu−PGM合金(10)へ、酸化物(8)の添加量の全量を一挙に添加すると、溶融しているCu−PGM合金(10)の溶体温度が低下し、添加された酸化物(8)が溶解できなくなってしまう為である。従って、酸化物(8)の添加時間は、溶融しているCu−PGM合金(10)量にも依るが、20分間以上かけて添加することが好ましい。
酸化物(8)添加後にCu−PGM合金(10)を撹拌し、酸化物(8)を溶解させるが、溶体の撹拌方法としてはエアレーションが好ましい。
酸化物(8)が溶解後、溶体を静置し1200〜1450℃まで昇温する。そして、層分離した、酸化物主体のCuOスラグ(11)層と、PGMがさらに濃縮した溶融メタル(Cu−PGM合金(10))層とを得る。
CuOスラグ(11)は、以降に実施される還元溶錬(5)へ繰り返される。
ここで、酸化物(8)の添加およびCu合金(6)中に濃縮したPGMにより、CuOスラグ(11)とCu−PGM合金(10)間のPGMの分配比が小さくなるため、CuOスラグ(11)中のPGM濃度を低減出来た。この結果、ROSEプロセス内を循環するPGM量も削減出来た。
(実施例1)
実施例1に係る実操業のマスフローを表2に示す。
表2に示すように、還元溶錬工程においては、還元炉中へCaO、SiO、セラミック製自動車触媒、コークス、前回工程から繰り返されたCuOスラグを投入した。尚、前回工程から繰り返されたCuOスラグにより、Cu量が充当されたので、金属Cuは投入しなかった。
生成したCu合金は酸化炉へ投入し、CaO−SiO−Alスラグは排出した。さらに酸化炉へCuOスラグ質量に対して5質量%のSiOを添加した。このとき溶体の急激な降温を回避する為、SiOは全量を一挙に投入するのではなく、20分間かけて除々に添加した。
SiOの投入完了後、溶体を2時間エアレーションして撹拌し、SiOを溶体に溶解させた。エアレーションには空気と酸素の混合気体を使用し、酸素濃度は20質量%で50Nm/hで吹込みした。
エアレーション終了後、溶体を静置して1200℃まで昇温し、生成したCu−PGM合金を回収し、CuOスラグを採取した。採取されたCuOスラグは、次回工程の還元溶錬へ繰り返される。
採取したCuOスラグ中のPGM濃度をICPにて定量分析した。分析結果からCu−PGM合金濃度は61.89%であり、酸化溶錬において生成されるCu−PGM合金とCuOスラグとのPGMの分配比は、Ptが0.000417、Pdが0.00509、Rhが0.00613と、非常に小さい値であることが判明した。
Figure 0005804546
Figure 0005804546
(比較例1)
比較例1に係る実操業のマスフローを表3に示す。
表4に示すように、酸化溶錬工程においてSiOを添加しない以外は、実施例1と同様の操作をおこなって、生成したCu−PGM合金を回収し、CuOスラグを採取した。採取されたCuOスラグは、次回工程の還元溶錬へ繰り返される。
採取したCuOスラグ中のPGM濃度をICPにて定量分析した。分析結果からCu−PGM合金濃度58.72%であり、酸化溶錬において生成されるCu−PGM合金とCuOスラグとのPGMの分配比は、Ptが0.00121、Pdが0.00885、Rhが0.00863と、実施例1より大きな値であることが判明した。
Figure 0005804546
Figure 0005804546
(まとめ)
表2〜5の結果より、当該酸化溶錬工程において、酸化炉へ5質量%のSiOを添加することでPGMのCuOスラグへの分配比を低減できることが判明した。

Claims (3)

  1. PGMを含有する被処理部材と、Cuおよび/またはCuOと、フラックスとを還元溶錬し、溶融スラグと、PGMを含有するCu合金とを生成させる還元溶錬工程と、
    PGMが0超〜75質量%以下含有される前記Cu合金を酸化溶融し、当該溶融したCu合金へSiO を添加してPGMを含有するCuOスラグと、前記PGMを含有するCu合金よりPGM濃度が濃縮したCu合金とを生成させる酸化溶錬工程と、を有するPGMの回収方法であって、
    前記酸化溶錬工程において、前記CuOスラグ質量に対しSiO を0超〜16.0質量%以下添加することを特徴とするPGMを含有する被処理部材からのPGMの回収方法。
  2. 前記溶融したCu合金に対しSiO を添加した後、前記溶融したCu合金を撹拌し、その後、前記溶融したCu合金を静置して1200〜1450℃まで昇温することを特徴とする請求項1に記載のPGMを含有する被処理部材からのPGMの回収方法。
  3. 前記酸化溶錬工程で生成したPGMを含有するCuOスラグを、以降の前記還元溶錬工程へ繰り返して投入することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のPGMを含有する被処理部材からのPGMの回収方法。
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