JP5803771B2 - 不溶性電極構造体、及び、不溶性電極構造体の補修方法 - Google Patents

不溶性電極構造体、及び、不溶性電極構造体の補修方法 Download PDF

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Description

本発明は、不溶性電極構造体、及び、不溶性電極構造体の補修方法に関する。
従来、鋼板の亜鉛めっきや錫めっきに代表される連続高速電気めっき装置や、銅箔の電解製造に代表される金属箔連続電解製造装置においては、陽極として、鉛や鉛合金製の不溶性陽極電極が使用されていた。
また、近年では、高電流密度での電極からの鉛、鉛合金等の溶出を抑制すべく、チタンやチタン合金板を、ルテニウム、イリジウム等の貴金属酸化物で被覆した電極が使用されている。
チタンやチタン合金板をルテニウム、イリジウム等の貴金属酸化物で被覆した電極は、鉛合金電極に比べて補修や再生が困難である。そこで、従来、電極を、電極板とこの電極板を着脱可能に支持するバックプレートとから構成される不溶性電極構造体とすることが提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。このような不溶性電極構造体であれば、電極板のみをバックプレートから取り外して交換することができる。
電極板のバックプレートへの固定方法としては、従来、バックプレートへ電極板を溶接する方法や、バックプレートに電極板をネジ止めする方法が提案されている。ネジ止めによる方法によれば、通常、溶接に比べて簡便に電極板を交換することができる。
バックプレートと電極板とをネジ止めする方法としては、例えば、以下のような方法が挙げられる。
(a)電極板とバックプレートとにそれぞれ貫通孔を形成しておき、これらを連通するように電極板側からボルトを通し、バックプレートの背面側からナットで固定する方法。
(b)バックプレートの表面(電極板側の面)に雌ネジを設けるとともに、この雌ネジに連通させるための貫通孔を電極板に形成しておき、電極板の表面側(バックプレートとは反対側の面側)からボルト(雄ネジ)を通してバックプレートの雌ネジに固定する方法。
(c)電極板の裏面(バックプレート側の面)に雌ネジを設けるとともに、この雌ネジに連通させるための貫通孔をバックプレートに形成しておき、バックプレートの裏面側からボルト(雄ネジ)を通して電極板の雌ネジに固定する方法。
特開平8−35098号公報 特開平5−202498号公報 特開平5−171486号公報 登録実用新案第3001844号公報
上記(a)〜(c)のようなネジ止め方法においては、充分な締め付け圧力にて固定されるが、長期間にわたって不溶性電極構造体を使用すると、電極板やバックプレートに形成した雌ネジが損傷する場合や、締め込みにより加圧される接触部が腐食等により損傷する場合が発生する。そして、このような損傷が発生すると電気的接触が不良となり、均一な電流の分布が阻害され、めっきや金属箔の厚みに斑が生じることとなる。
バックプレートの表面に雌ネジを設ける構成を採用した場合(上記(b)の場合)、雌ネジが損傷すると、一般的には、当該雌ネジ部分に対してヘリサートコイルを挿入して補修する。しかしながら、ヘリサートコイルを用いた補修では、同じネジ径の再生を繰り返すことは困難である。
また、上記(a)〜(c)のいずれのネジ止め方法を採用した場合であっても、長期間の使用により接触部(ネジの締め込みにより加圧される部分)は損傷することとなる。この場合、接触部を含むように損傷箇所を切削した後、肉盛溶接を行い、機械加工により接触面を仕上げることは一応可能である。しかしながら、比較的軽微な損傷の適用に限られる。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、不溶性電極構造体を繰り返し補修しても、補修前後で同じ雌ネジ径とすることが容易であり、ネジ止めにより加圧された部分の損傷が大きい場合でも、簡便に当該箇所を補修することが可能な不溶性電極構造体、及び、当該不溶性電極構造体の補修方法を提供することにある。
本願発明者等は、下記の構成を採用することにより、前記の課題を解決できることを見出して本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下のようなものを提供する。
(1)内周に溝を有する補修用部材と、挿入部を有し、該挿入部に前記補修用部材が挿入されているバックプレートと、前記補修用部材に対してネジ止めされることにより前記バックプレート上に固定された電極板とを有することを特徴とする不溶性電極構造体。
(1)の構成によれば、内周に溝を有する補修用部材が、バックプレートの挿入部に挿入されている。そして、電極板が前記補修用部材に対してネジ止めされることにより前記バックプレート上に固定されている。従って、前記補修用部材の溝(雌ネジ)が損傷した場合には、バックプレートに挿入さている当該補修用部材を交換すればよい。これにより、簡便に溝(雌ネジ)を補修することができる。また、繰り返しの補修を行なっても、補修前後で同じ雌ネジ径とすることが容易となる。また、バックプレートには補修用部材が挿入されており、当該補修用部材がネジ止めにより加圧されることになる。従って、加圧された部分が損傷した場合にも、バックプレートに挿入さている当該補修用部材を交換すればよい。これにより、簡便に、加圧により損傷した部分を補修することができる。また、加圧された部分の損傷が大きい場合でも、簡便に当該箇所を補修することができる。
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(2)前記補修用部材は、溶接により前記バックプレートに固定されていることを特徴とする上記(1)に記載の不溶性電極構造体。
(2)の構成によれば、前記補修用部材が、溶接により前記バックプレートに固定されているため、前記補修用部材は、強固に前記バックプレートに固定される。一方、補修の際には、溶接部分を切削すれば簡便に前記補修用部材を交換することができる。
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(3)バックプレート上に電極板が直接ネジ止めされた不溶性電極構造体から電極板を取り外す工程と、前記バックプレートにおけるネジ穴部及び締め込みにより加圧される接触部を少なくとも含むように前記バックプレートを切削し、挿入部を形成する工程と、内周に溝を有する補修用部材を前記挿入部に挿入する工程と、前記補修用部材に対してネジ止めすることにより前記バックプレート上に電極板を固定する工程とを含むことを特徴とする不溶性電極構造体の補修方法。
(3)の構成によれば、バックプレート上に電極板が直接ネジ止めされた不溶性電極構造体において、バックプレートにおけるネジ穴部(雌ネジ)が損傷した場合には、ネジ穴部及び接触部を含めて切削し、補修用部材を挿入することにより、補修用部材が備える溝を、電極板固定用の雌ネジとすることができる。さらに、その後の使用により、補修用部材が備える前記溝が損傷した場合には、バックプレートに挿入さている当該補修用部材を交換すればよい。これにより、簡便に溝(雌ネジ)を補修することができる。また、繰り返しの補修を行なっても、補修前後で同じ雌ネジ径とすることが容易となる。また、バックプレート上に電極板が直接ネジ止めされた不溶性電極構造体において、バックプレートにおける接触部が損傷した場合にも、ネジ穴部及び接触部を含めて切削し、補修用部材を挿入することにより、接触部の損傷を補修することができる。さらに、その後の使用により、補修用部材のネジ止めにより加圧される部分が損傷した場合には、バックプレートに挿入さている当該補修用部材を交換すればよい。これにより、簡便に、加圧により損傷した部分を補修することができる。また、加圧された部分の損傷が大きい場合でも、簡便に当該箇所を補修することができる。
さらに、本発明は、以下のようなものを提供する。
(4)上記(1)又は上記(2)に記載の不溶性電極構造体の補修方法であって、前記不溶性電極構造体から電極板を取り外す工程と、前記補修用部材を前記バックプレートから取り外す工程と、前記バックプレートに取り外した補修用部材とは別の補修用部材を挿入する工程と、前記別の補修用部材に対してネジ止めすることにより前記バックプレート上に電極板を固定する工程とを含むことを特徴とする不溶性電極構造体の補修方法。
(4)の構成によれば、上記(1)又は上記(2)に記載の不溶性電極構造体において、前記補修用部材の溝(雌ネジ)が損傷した場合には、バックプレートに挿入さている当該補修用部材を交換すればよい。これにより、簡便に溝(雌ネジ)を補修することができる。また、繰り返しの補修を行なっても、補修前後で同じ雌ネジ径とすることが容易となる。また、上記(1)又は上記(2)に記載の不溶性電極構造体において、補修用部材のネジ止めにより加圧された部分が損傷した場合にも、当該補修用部材を交換すればよい。これにより、簡便に、加圧により損傷した部分を補修することができる。また、加圧された部分の損傷が大きい場合でも、簡便に当該箇所を補修することができる。
本発明によれば、不溶性電極構造体を繰り返し補修しても、補修前後で同じ雌ネジ径とすることが容易であり、ネジ止めにより加圧された部分の損傷が大きい場合でも、簡便に当該箇所を補修することができる。
本実施形態に係る不溶性電極構造体の一例を模式的に示す斜視図である。 図1に示した不溶性電極構造体の部分断面図である。 本実施形態に係る不溶性電極構造体が備える補修用部材を模式的に示す斜視図である。 本実施形態に係る不溶性電極構造体の補修方法を説明するための図である。 本実施形態に係る不溶性電極構造体の補修方法を説明するための図である。 本実施形態に係る不溶性電極構造体の補修方法を説明するための図である。 本実施形態に係る不溶性電極構造体の補修方法を説明するための図である。 本実施形態に係る不溶性電極構造体の補修方法を説明するための図である。 本実施形態に係る不溶性電極構造体の補修方法を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態に係る不溶性電極構造体の一例を模式的に示す斜視図である。図2は、図1に示した不溶性電極構造体の部分断面図である。
図1に示すように、不溶性電極構造体10は、曲面板状のバックプレート20と、バックプレート20上に固定された複数の電極板40とを有する。
バックプレート20は、電極板40を支持するための強度を有しており、且つ、ある程度の通電性を有していればよい。このようなバックプレート20の構成材料としては、バルブ金属、すなわち具体的にはタンタル、ニオブ、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、タングステン、ビスマス、アンチモンやそれらの合金を挙げることができる。なかでも、耐食性、加工性、汎用性、価格の観点から、チタン、チタン合金が好ましい。バックプレート20の厚さとしては、特に限定されないが、一般的には、5mm〜30mm程度である。
バックプレート20には、貫通孔からなる挿入部22(図6ご参照)が一定の間隔で設けられており、挿入部22には補修用部材24が挿入されている。挿入部22同士の間隔や個数は、固定される電極板40の材質、厚み等に応じて適宜選択することができる。補修用部材24は、さらに、バックプレート20に溶接され、バックプレート20に固定されている。本実施形態では、溶接は、バックプレート20の裏面側(電極板40とは反対側の面側)から行なわれて溶接部70が形成されるとともに、バックプレート20の表面側(電極板40側の面側)から行なわれて溶接部72が形成されている。溶接は、平面視でバックプレート20と補修用部材24との境界部分を全て覆うように円周状に行なわれている。補修用部材24が、溶接によりバックプレート20に固定されているため、補修用部材24は、強固にバックプレート20に固定される。一方、補修の際(補修用部材24の交換の際)には、溶接部分を切削すれば簡便に補修用部材24を交換することができる。
図3は、本実施形態に係る不溶性電極構造体が備える補修部材を模式的に示す斜視図である。補修用部材24は、中空円筒形状を有しており、内周面の上部にはテーパ26が形成されるとともに、内周面のテーパ26よりも下部には溝28(雌ネジ)が形成されている。詳細は後に説明するが、テーパ26は、ネジ60を用いて電極板40をバックプレート20(補修用部材24)に固定する際に、ネジ60の頭と電極板40とを面一とするために設けられたものである。ただし、テーパ26は、形成されていなくてもよく、例えば、めっきや金属箔の厚みムラに影響しない構造である場合には、形成されていなくてもよい。
また、補修用部材24の外周面下部には、テーパ30が設けられている。テーパ30が設けられているため、補修用部材24を挿入部22に挿入する際にスムーズに挿入することができる。また、テーパ30が設けられているため、補修用部材24を挿入部22に挿入した後、この部分を用いてバックプレート20に仮止めすることができる。仮止めは、例えば点付け溶接、すなわちTIG溶接やスポット溶接により行なうことができる。
補修用部材24の構成材料としては、充分な強度を有していればよく、その構成材料としては、バルブ金属、すなわち具体的にはタンタル、ニオブ、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、タングステン、ビスマス、アンチモンやそれらの合金を挙げることができる。なかでも、バックプレートの材質と同一の材料が好ましい。
電極板40を予めバックプレート20の形状に追従できるように曲面板状に成型する場合、電極板40の厚さは、特に限定されないが、一般的には、0.3mm〜30mm程度である。また、電極板40をバックプレート20の形状に追従できるような成形をしない場合(例えば、平面板状に成形する場合)、電極板40の厚さは、特に限定されないが、バックプレート20に固定した際に、しなってバックプレート20の曲面に追従する程度であることが好ましく、一般的には、0.3mm〜3mm程度である。
電極板40としては、電極として機能するものであれば特に限定されず、バルブ金属、すなわち具体的にはタンタル、ニオブ、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、タングステン、ビスマス、アンチモンやそれらの合金板を白金族金属もしくは白金族金属の酸化物で被覆したものを挙げることができる。被覆する白金族金属もしくは白金族金属の酸化物は、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、白金、イリジウムなどを単独で用いても、合金として用いてもよく、さらにチタン、錫、タンタルなどの金属を含んでもよい。なかでも、被覆した白金族金属もしくは白金族金属の酸化物(酸化膜)の溶出量が極めて少なく、長期間安定して使用することができるという観点から、チタン板又はチタン合金板をルテニウム、イリジウム等の酸化物で被覆したものが好ましい。
電極板40には、バックプレート20に形成された挿入部22に対応するように、一定の間隔で貫通孔42が形成されている。電極板40は、ネジ60が電極板40の表面(バックプレート20とは反対側の面)から挿入され、補修用部材24の溝28に対してネジ止めされることにより、バックプレート20に固定されている。
ネジ60は、補修用部材24の溝28、及び、テーパ26に対応する形状を有する。ネジ60としては、皿ボルト、六角ボルト等を用いることができる。なお、ネジ60の形状は、補修用部材24の溝28やテーパ26の形状、固定する電極板40の材質、厚み等に応じて適宜選択することができる。
ネジ60の材質としては、特に限定されないが、バルブ金属と呼ばれる金属、すなわち具体的にはタンタル、ニオブ、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、タングステン、ビスマス、アンチモンやそれらの合金を挙げることができる。なかでも、耐食性、加工性、汎用性の観点から、チタン、チタン合金が好ましい。
以上、本実施形態に係る不溶性電極構造体10によれば、内周に溝28を有する補修用部材24が、バックプレート20の挿入部22に挿入されている。そして、補修用部材24に対してネジ止めされることにより、電極板40がバックプレート20上に固定されている。従って、補修用部材24の溝28が損傷した場合には、バックプレート20に挿入さている当該補修用部材24を交換すればよい。これにより、簡便に溝28(雌ネジ)を補修することができる。また、バックプレート20には補修用部材24が挿入されており、当該補修用部材24がネジ止めにより加圧されることになる。従って、加圧された部分が損傷した場合にも、バックプレート20に挿入さている当該補修用部材24を交換すればよい。これにより、簡便に、加圧や腐食により損傷した部分を補修することができる。
上述した実施形態では、バックプレート20に設けられた挿入部22が貫通孔である場合について説明したが、本発明において、バックプレートが有する挿入部は、補修用部材を挿入することが可能であれば、貫通孔に限定されず、例えば、凹部であってもよい。
上述した実施形態では、補修用部材24を溶接によりバックプレート20に固定する場合について説明した。しかしながら、本発明において、補修用部材のバックプレートへの固定方法は、この例に限定されない。例えば、充分に固定されるのであれば、挿入のみとしてもよい。また、例えば、バックプレートの挿入部の内壁に溝(雌ネジ)を形成しておき、この溝にかみ合う雄ネジを外周面に有する補修用部材を用いてねじ込むことにより固定してもよい。また、バックプレートの挿入部の内壁に溝を形成して補修用部材をネジ止めするとともに溶接することとしてもよい。この構成の場合、より強固に固定できる点で優れる。
上述した実施形態では、補修用部材24が内周面上部にテーパ26、外周面下部にテーパ30が設けられている場合について説明した。しかしながら、本発明の補修用部材は、この例に限定されず、電極板をバックプレートに固定するためのネジの締め込みにより加圧される部分があればよい。すなわち、バックプレートがネジの締め込みにより加圧されるのではなく、補修用部材が加圧されるように構成されていればよい。このように構成されていれば、加圧された部分が損傷した場合、当該補修用部材を交換すればよく、バックプレート自体を補修する必要はなくなるため、簡便に、加圧により損傷した部分を補修することができる。このような補修用部材の形状としては、内周面上部や外周面下部にテーパがなく、内周面に溝が形成された中空円筒形状のものが挙げられる。また、補修用部材の形状としては、内周面に溝が形成されていれば、外周の形状は平面視で円形でなくてもよく、矩形(例えば、正方形)であってもよい。
次に、本実施形態に係る不溶性電極構造体の補修方法について説明する。図4〜図9は、本実施形態に係る不溶性電極構造体の補修方法を説明するための図であり、不溶性電極構造体の部分断面を示している。
図4に示すように、補修前の不溶性電極構造体80は、バックプレート20と、ネジ60によりバックプレート20上に直接ネジ止めされた電極板40とを有する。このような不溶性電極構造体80では、ネジ60に遊びができた場合、バックプレート20と電極板40との電気接触が不良になり、焼けて電圧上昇を起こすことがある。
本実施形態に係る不溶性電極構造体の補修方法においては、まず、すべてのネジ60を外し、不溶性電極構造体80(バックプレート20)から電極板40を取り外す(図5参照)。
次に、バックプレート20における、ネジ60を取り外した後のネジ穴部32と、ネジの締め込みにより加圧される接触部34とを少なくとも含むように切削し、バックプレート20に挿入部22を形成する(図6参照)。接触部34は、具体的には、少なくともネジ60の頭部62と電極板40を介して対向する部分を含む。本実施形態では、挿入部22は、ネジ穴部32が中心となるように、平面視で円形状の貫通孔として形成する。挿入部22の径は、補修用部材24の外径に対応したものとすることができる。挿入部22は、複数あるすべてのネジ穴部32に対して形成してもよく、一部のネジ穴部32に対してだけ形成してもよい。例えば、一定の間隔で形成されているすべてのネジ穴部32のうち、半分のネジ穴部32(例えば、1つおきのネジ穴部32)に対してだけ挿入部22を形成してもよい。
次に、補修用部材24を挿入部22に挿入する(図7参照)。次に、一旦、ネジ60を用いて電極板40を補修用部材24に固定する。この状態で補修用部材24の位置決めを行い、補修用部材24をバックプレート20に点付け溶接して仮止めする。点付け溶接は各補修用部材24に対して2点以上行なうことが好ましい。
次に、電極板40を外し、補修用部材24をバックプレート20に本溶接する(図8参照)。本溶接は、バックプレート20の裏面側(電極板40とは反対側の面側)から行なうとともに、バックプレート20の表面側(電極板40側の面側)から行なう。バックプレート20の裏面側からの溶接によりバックプレート20と補修用部材24は、溶接部70を介して固定されるとともに、バックプレート20の表面側からの溶接によりバックプレート20と補修用部材24は、溶接部72を介して固定される。この際、挿入部22に補修用部材24を挿入することで、溶接による熱歪を最小限に抑えることが可能となり、補修用部材24の溶接によるバックプレート20の歪みを抑制することができる。
最後に、ネジ60を用いて電極板40をバックプレート20(補修用部材24)に固定する(図9参照)。以上より、補修前の不溶性電極構造体80の補修が完了する。補修完了後の不溶性電極構造体10は、補修用部材24と、補修用部材24が挿入部22に挿入されているバックプレートと、補修用部材24に対してネジ止めされることによりバックプレート20上に固定された電極板40とを有する不溶性電極構造体となる。
以上、本実施形態に係る不溶性電極構造体の補修方法によれば、バックプレート20上に電極板40が直接ネジ止めされた不溶性電極構造体80において、バックプレート20におけるネジ穴部32(雌ネジ)が損傷した場合には、ネジ穴部32及び接触部34を含めて切削し、補修用部材24を挿入することにより、補修用部材24が備える溝28を雌ネジとすることができる。さらに、その後の使用により、補修用部材24が備える溝28が損傷した場合には、バックプレート20に挿入さている当該補修用部材24を交換すればよい。これにより、簡便に溝(雌ネジ)を補修することができる。また、バックプレート20上に電極板40が直接ネジ止めされた不溶性電極構造体80において、バックプレート20における接触部34が損傷した場合にも、ネジ穴部32及び接触部34を含めて切削し、補修用部材24を挿入することにより、接触部34の損傷を補修することができる。さらに、その後の使用により、補修用部材24のネジ止めにより加圧される部分が損傷した場合には、バックプレート20に挿入さている当該補修用部材24を交換すればよい。これにより、簡便に、加圧により損傷した部分を補修することができる。
上述した実施形態では、補修用部材24をバックプレート20に本溶接する際、バックプレート20の裏面側とバックプレート20の表面側との両方から行なう場合について説明した。しかしながら、本発明において、補修用部材とバックプレートとの本溶接は、バックプレートの裏面側からのみであってもよく、バックプレートの表面側からのみであってもよい。補修用部材とバックプレートとの本溶接を、バックプレートの裏面側からのみとする場合、補修用部材をバックプレートに点付け溶接して仮止めした後、電極板を外すことなく、本溶接してもよい。また、補修用部材とバックプレートとの本溶接を、バックプレートの裏面側からのみとする場合、補修用部材をバックプレートに仮止めすることなく、直接、本溶接してもよい。
次に、補修用部材を備える不溶性電極構造体の補修方法(以下、「他の実施形態に係る不溶性電極構造体の補修方法」ともいう)について説明する。不溶性電極構造体10(図1、図2参照)において、ネジ60に遊びができた場合、バックプレート20と電極板40との電気接触が不良になり、焼けて電圧上昇を起こすことがある。
他の実施形態に係る不溶性電極構造体の補修方法においては、まず、不溶性電極構造体10のすべてのネジ60を外し、不溶性電極構造体10(バックプレート20)から電極板40を取り外す。
次に、溶接部70及び溶接部72を切削し、補修用部材24をバックプレート20の挿入部22から取り外す。
次に、補修用部材24を取り外した箇所に新たな補修用部材24(本発明の「別の補修用部材」に相当)を挿入部22に挿入する。
以降、不溶性電極構造体80の補修方法と同様である。簡単に説明すると、次に、一旦、ネジ60を用いて電極板40を補修用部材24に固定する。この状態で補修用部材24の位置決めを行い、補修用部材24をバックプレート20にスポット溶接して仮止めする。
次に、電極板40を外し、補修用部材24をバックプレート20に本溶接する。
最後に、ネジ60を用いて電極板40をバックプレート20(補修用部材24)に固定する。以上より、不溶性電極構造体10の補修が完了する。
以上、他の実施形態に係る不溶性電極構造体の補修方法によれば、補修用部材24を備える不溶性電極構造体10において、補修用部材24の溝28(雌ネジ)が損傷した場合には、バックプレート20に挿入さている当該補修用部材24を交換すればよい。これにより、簡便に溝(雌ネジ)を補修することができる。また、補修用部材24を備える不溶性電極構造体10において、補修用部材24のネジ止めにより加圧された部分が損傷した場合にも、当該補修用部材24を交換すればよい。これにより、簡便に、加圧により損傷した部分を補修することができる。
本発明の不溶性電極構造体の用途は特に限定されないが、電気めっき装置用や、銅箔等の金属箔電解製造装置用の電極(特に、陽極電極)として好適に使用することができる。また、本発明のバックプレートや不溶性電極構造体は、曲面板状に限定されず、用途に応じた形状とすることができ、例えば、平面板状であってもよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
10 不溶性電極構造体
20 バックプレート
22 挿入部
24 補修用部材
26 (挿入用部材の内周面上部の)テーパ
28 溝(雌ネジ)
30 (挿入用部材の外周面下部の)テーパ
40 電極板
42 貫通孔
60 ネジ
62 ネジの頭部
70 バックプレートの裏面側の溶接部
72 バックプレートの表面側の溶接部
80 (補修前の)不溶性電極構造体

Claims (5)

  1. 内周に溝を有する補修用部材と、
    挿入部を有し、該挿入部に前記補修用部材が挿入されているバックプレートと、
    前記補修用部材に対してネジ止めされることにより前記バックプレート上に固定された電極板とを有し、
    前記補修用部材は、溶接により前記バックプレートに固定され、
    前記溶接は、溶接部分を切削すれば前記補修用部材が交換できる態様での溶接であることを特徴とする不溶性電極構造体。
  2. 前記補修用部材の外周面が平らな曲面であることを特徴とする請求項1に記載の不溶性電極構造体。
  3. バックプレート上に電極板が直接ネジ止めされた不溶性電極構造体から電極板を取り外す工程と、
    前記バックプレートにおけるネジ穴部及び締め込みにより加圧される接触部を少なくとも含むように前記バックプレートを切削し、挿入部を形成する工程と、
    内周に溝を有する補修用部材を前記挿入部に挿入する工程と、
    前記補修用部材に対してネジ止めすることにより前記バックプレート上に電極板を固定する工程とを含むことを特徴とする不溶性電極構造体の補修方法。
  4. 内周に溝を有する補修用部材と、
    挿入部を有し、該挿入部に前記補修用部材が挿入されているバックプレートと、
    前記補修用部材に対してネジ止めされることにより前記バックプレート上に固定された電極板とを有する不溶性電極構造体の補修方法であって、
    前記不溶性電極構造体から電極板を取り外す工程と、
    前記補修用部材を前記バックプレートから取り外す工程と、
    前記バックプレートに取り外した補修用部材とは別の補修用部材を挿入する工程と、
    前記別の補修用部材に対してネジ止めすることにより前記バックプレート上に電極板を固定する工程とを含むことを特徴とする不溶性電極構造体の補修方法。
  5. 前記補修用部材は、溶接により前記バックプレートに固定されていることを特徴とする請求項4に記載の不溶性電極構造体の補修方法。
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