JP5803393B2 - 絶縁被覆導電粒子及び異方導電性接着フィルム - Google Patents

絶縁被覆導電粒子及び異方導電性接着フィルム Download PDF

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本発明は、絶縁被覆導電粒子及び異方導電性接着フィルムに関する。更に詳細には、本発明は、回路電極を有する回路部材同士を接続する回路接続材料として用いられる異方導電性接着フィルムに関する。
液晶表示用ガラスパネルに液晶駆動用ICを実装する方式は、COG(Chip−on−Glass)実装とCOF(Chip−on−Flex)の2種類に大別することができる。COG実装では、導電粒子を含む異方導電性接着剤組成物を用いて液晶用ICを直接ガラスパネルに接合する。一方、COF実装では、金属配線を有するフレキシブルテープに液晶駆動用ICを接合し、導電粒子を含む異方導電性接着剤組成物を用いてそれらをガラスパネルに接合する。なお、ここでいう異方導電性とは、加圧方向に導通性を有しつつ非加圧方向には絶縁性を保つという意味である。
近年、このような技術分野においては、液晶表示の高精細化に伴って、液晶駆動用ICの回路電極である金バンプに対して狭ピッチ化、狭面積化が要求されている状況にある。かかる状況において、異方導電性接着剤組成物の導電粒子が、隣接する回路電極間に流出してショートを発生させることが問題となっている。また、隣接する回路電極間に導電粒子が流出することにより、金バンプとガラスパネルとの間に捕捉される導電粒子の数が減少して、対向する回路電極間の接続抵抗が上昇し、接続不良が発生することも問題となっている。
そこで、これらの問題を解決する方法として、導電粒子の全表面を絶縁性の被膜で被覆する方法(特許文献1参照)、および絶縁微粒子を導電粒子表面に被覆させる方法(特許文献2及び特許文献3参照)が提案されている。導電粒子の表面を被覆する絶縁微粒子を有する絶縁被覆導電粒子によれば、隣接する回路電極間のショートを減少させることができる等、良好な接続特性が得られることが期待される。
絶縁被覆導電粒子の絶縁微粒子は、外部からの衝撃に対して脱落しない程度に、導電粒子に対する高い吸着強度を有していることが望ましい。そのため、絶縁微粒子の表面に反応性の官能基を導入して導電粒子表面と反応させる方法が提案されている(特許文献4、5)。
特許第2794009号公報 特許第2748705号公報 特開2009−259804号公報 国際公開第2003/025955号 特開2005−171096号公報
しかし、従来の異方導電性接着剤を用いて低圧条件で回路部材を接続すると、加圧方向における十分な導通特性が得られないことがある。近年のパネルの薄型化に伴って、より低圧条件で回路部材が実装される傾向が大きくなっていることから、導通特性の改善が求められている。
導電粒子を被覆する絶縁微粒子の硬度が高いと、加熱及び加圧による絶縁微粒子の偏平が少ないために、絶縁微粒子に起因する導通阻害が発生してしまう可能性がある。そのため、導通特性の改良のためには、絶縁微粒子の硬度の低下が有効である。
ところが、絶縁微粒子の硬度が低くなると、導電粒子同士が凝集し易く、絶縁被覆導電粒子の分散性が低下する傾向があった。凝集が発生した場合、導電粒子を再分散させても、絶縁微粒子の被覆に偏りが生じ、被覆ばらつきが大きくなってしまう可能性がある。絶縁被覆導電粒子の良好な分散性は、例えば、絶縁被覆導電粒子を絶縁性接着剤中に分散させて得られる異方導電性接着フィルムの絶縁特性を向上させるために、非常に重要である。絶縁被覆導電粒子の接着剤中での分散性を向上させるために、配合時に樹脂にせん断力を与える混錬方法や、超音波照射にて分散性を向上させる方法が検討されているが、これら方法だけでは、必ずしも十分な分散性は得られていない。
そこで、本発明の目的は、異方導電性接着フィルムの導電性材料として用いられたときに良好な導電特性が得られ、しかも、優れた分散性を有する粒子材料を提供することにある。
本発明は、導電性の表面を有する導電粒子と、導電粒子の表面の少なくとも一部を被覆する絶縁微粒子と、を備える絶縁被覆導電粒子に関する。当該絶縁被覆導電粒子の絶縁微粒子は、有機ポリマーを含むコア微粒子と、コア微粒子の表面の少なくとも一部を被覆するシェル層と、を有する。シェル層は、加水分解性基を4個有する4官能シラン化合物と、加水分解性基を3個有する3官能シラン化合物及び/又は加水分解性基を2個有する2官能シラン化合物と、を含む加水分解性シランから形成された架橋ポリシロキサンを含む。4官能シラン化合物は、好ましくはテトラエトキシシランを含む。
上記本発明に係る絶縁被覆導電粒子は、異方導電性接着フィルムの導電性材料として用いられたときに、良好な導電特性が得られる。しかも、この絶縁被覆導電粒子は、優れた分散性を有しており、例えば、絶縁性接着剤中に高い単分散率で分散させることができる。
絶縁微粒子の平均一次粒子径は、好ましくは250〜350nmである。
前記絶縁微粒子による前記導電粒子の表面の被覆率は、好ましくは20〜50%である。この被覆率のCV値は、好ましくは40%以下である。被覆率は、導電粒子の表面のうち絶縁微粒子によって被覆されている部分の面積の割合である。
導電粒子は、有機ポリマーを含むコア粒子と、コア粒子を被覆する金属層と、を有していてもよい。この場合、金属層は、好ましくは、ニッケル層及び/又はパラジウム層を有する。
別の側面において、本発明は、絶縁性の接着剤と、接着剤中に分散された上記絶縁被覆導電粒子と、を含有する異方導電性接着フィルムに関する。
本発明に係る絶縁被覆導電粒子は、異方導電性接着フィルムの導電性材料として用いられたときに、良好な導電特性に寄与する。さらに、本発明に係る絶縁被覆導電粒子は、優れた分散性を有する。このような絶縁被覆導電粒子を絶縁性接着剤中に分散させることによって、回路接続時に隣り合う回路電極間の絶縁性及び対向する回路電極間の導通性に優れる異方導電性接着フィルム等の異方導電性接着剤組成物を得ることができる。
本発明に係る異方導電性接着フィルムは、回路電極を有する回路部材同士を接続するために好適に用いられる。本発明に係る異方導電性接着フィルムは、特に、COG実装及びCOF実装にような方法により回路接続構造体を製造するために好適に用いられる。
異方導電性接着フィルムの一実施形態を示す断面図である。 異方性導電接着剤による回路接続方法の一実施形態を示す断面図である。 回路接続構造体の一実施形態を示す断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
図1は、異方導電性接着フィルムの一実施形態を示す断面図である。図1に示す異方導電性接着フィルム10は、フィルム状の絶縁性接着剤層7と、絶縁性接着剤層7内に分散した複数の絶縁被覆導電粒子5とを含有する。
絶縁被覆導電粒子5は、導電性の金属表面を有する導電粒子3と、導電粒子3を被覆する絶縁微粒子1とを有する。
導電粒子3は、有機ポリマーを含むコア粒子と、コア粒子を被覆する金属層と、を有していてもよい。金属層は、好ましくは、ニッケル層及び/又はパラジウム層を有する。
導電粒子3を構成するコア粒子は、例えば、アクリル粒子及びポリスチレン粒子から選ばれる。コア粒子を被覆するニッケル層及びパラジウム層は、好ましくはめっきにより形成される。
絶縁微粒子1は、有機ポリマーを含むコア微粒子と、コア微粒子の表面の少なくとも一部を被覆するシェル層とから構成されるコアシェル型の粒子である。
絶縁微粒子1のコア微粒子は、例えば、メタクリル酸グリシジル、スチレン及びジビニルベンゼンの共重合体等から形成される有機ポリマー粒子である。
絶縁微粒子1のシェル層は、例えば、加水分解性基を4個有する4官能シラン化合物と、加水分解性基を3個有する3官能シラン化合物及び/又は加水分解性基を2個有する2官能シラン化合物と、を含む加水分解性シランから形成された架橋ポリシロキサンから形成される。コア粒子が柔軟な有機ポリマーを含むことから、低圧実装時に絶縁微粒子が十分に扁平し、導通抵抗の上昇を抑えることができる。架橋ポリシロキサンから形成されたシェル層が設けられていることから、絶縁微粒子は高い耐溶剤性を有する。その結果、異方導電性接着フィルムを形成する際に、容剤への溶解等に起因する凝集が抑制されるため、良好な分散性が得られる。また、架橋ポリシロキサンのシェル層が存在することにより、例えば、絶縁微粒子の表面にグリシジル基を有するシリコーンオリゴマーを吸着させて、絶縁微粒子を導電粒子に吸着させることが容易になる。
加水分解性シランとして用いられる4官能シラン化合物は、アルコキシ基等の加水分解性基を4個有する。4官能シラン化合物は、例えば、テトラメトキシシラン及びテトラエトキシシランから選ばれる。高い反応性を維持する観点から、4官能シラン化合物の分子量は、テトラエトキシシランの分子量以下であることが好ましい。
4官能シラン化合物のみを用いると、微粒子表面に存在する水酸基の量が多いために、絶縁微粒子が吸湿して、絶縁特性の低下を招く可能性がある。そのため、好適な一態様において、4官能シラン化合物が、2官能シラン化合物及び/又は3官能シラン化合物と組み合わせられる。2官能又は3官能のシラン化合物の分子量は、反応性の点から1000以下であることが好ましく、500以下がより好ましく、250以下であることが更に好ましい。2官能又は3官能のシラン化合物は、疎水性の官能基を有していることが好ましい。疎水性の官能基は、例えば、メチル基、フェニル基、グリシジル基及びアルキル基から選ばれる。2官能シラン化合物としては、ジメチルジメトキシシラン等が挙げられる。3官能シラン化合物としては、メチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
絶縁微粒子を形成する際、コア粒子にシラン化合物(シランカップリング剤)を2段階で滴下しているが、シラン化合物それぞれの反応率は、滴下量に対して50%程度であることが、残モノマの分析より明らかとなっている。
上記のようなコアシェル構造を有する絶縁微粒子は、通常、有機溶媒に不溶ではなく、後述の実施例において示されるように有機溶媒に対する溶解試験における1質量%以下の溶解量を示す。一般に、異方導電性接着フィルムを作成する際、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン等の有機溶剤が用いられている。絶縁微粒子が有機溶剤にわずかに溶解することにより、絶縁微粒子の絶縁性接着剤との相溶性が向上すると考えられる。そのため、回路接続の際にバンプ間の導電粒子が流動しやすく、しかも、バンプ間での導電粒子の凝集が発生しにくい。このことは、絶縁特性の向上に繋がる。
絶縁微粒子1の平均一次粒子径は、好ましくは250〜350nmである。絶縁微粒子による導電粒子の表面の被覆率は、好ましくは20〜50%である。この被覆率は、導電粒子の表面のうち絶縁微粒子によって被覆されている部分の面積の割合である。この被覆率のCV値は、好ましくは40%以下である。
絶縁微粒子1は、例えば、交互積層法により導電粒子3に付着される。交互積層法は、例えば、導電粒子の表面に表面官能基を導入する工程と、表面官能基を有する導電粒子にアミノ基を有するアミノ化合物を付着させる工程と、アミノ化合物が付着した導電粒子に絶縁微粒子を付着させる工程とを含む。絶縁微粒子は、好ましくはグリシジル基を表面官能基として有する。
このような方法により得られる絶縁被覆導電粒子は、被覆の欠陥が少なく、被覆ばらつき(被覆率のばらつき)が少ない。表面官能基を有する導電粒子、及び水酸基等を表面に有する絶縁微粒子の表面電位(ゼータ電位)は、pHが中性領域であれば通常双方とも負電荷である。導電粒子の表面に正電荷の表面電位をもたらすアミノ化合物が吸着されており、これがグリシジル基を有する絶縁微粒子と化学結合することから、絶縁微粒子の導電粒子からの剥離が起こりにくい。
導電粒子に導入される表面官能基は、好ましくは、水酸基、カルボキシル基、アルコキシル基及びアルコキシカルボニル基から選ばれる。これら表面官能基は、例えば、メルカプト基、スルフィド基及びジスルフィド基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を有する化合物を導電粒子と接触させることにより、導電粒子の表面に導入される。導電粒子の表面がニッケルめっきの場合は、防錆剤であるカルボキシベンゾトリアゾールをニッケル表面に吸着させた後、上記の化合物を吸着させることが好ましい。
上記アミノ化合物は、アミノ基が多いほど絶縁微粒子と導電粒子の吸着強度が高くなることから、2以上のアミノ基を有することが好ましい。低分子量のアミノ化合物は、導電粒子から脱落しやすい傾向があることから、絶縁被覆導電粒子を接着剤と混合した後に、アミノ化合物の溶出が問題となる可能性がある。係る観点から、アミノ化合物の分子量は、100以上が好ましく、1000以上がより好ましく、10000以上が更に好ましい。分子量が高くなるに従い、導電粒子への吸着箇所が増加し、絶縁微粒子の脱落および、アミノ化合物自体の脱落が減少すると考えられる。
アミノ基は、導電粒子の表面に結合しやすいだけではなく、カルボキシル基等の表面官能基との高い反応性も有する。導電粒子の表面官能基と絶縁微粒子の表面にあるグリシジル基との間に化学結合が形成されると、導電粒子と絶縁微粒子との結合が強固になる。また、絶縁微粒子による被覆の均一性が高くなる。
上記アミノ化合物は。ポリエチレンイミンであることが好ましい。ポリエチレンイミンは、アミノ化合物の中でも最も高い電荷密度を有するため、強固に導電粒子表面と結合することができる。したがって、導電粒子と絶縁微粒子との結合を、より一層強固にすることができると考えられる。
絶縁性接着剤層7を形成する絶縁性接着剤は、例えば、熱反応性樹脂と硬化剤とを含む。好ましくは、絶縁性接着剤は、エポキシ樹脂と、潜在性硬化剤とを含む。潜在性硬化剤としては、例えば、イミダゾール系、ヒドラジド系、三フッ化ホウ素−アミン錯体、スルホニウム塩、アミンイミド、ポリアミンの塩、及びジシアンジアミド等が挙げられる。あるいは、絶縁性接着剤は、ラジカル反応性樹脂と有機過酸化物との混合物であってもよいし、エネルギー線硬化性(例えば、紫外線硬化性)樹脂であってもよい。
上記エポキシ樹脂としては、例えば、エピクロルヒドリンとビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD等とから誘導されるビスフェノール型エポキシ樹脂、エピクロルヒドリンとフェノールノボラック又はクレゾールノボラックとから誘導されるエポキシノボラック樹脂、ナフタレン環を含んだ骨格を有するナフタレン系エポキシ樹脂、グリシジルアミン、グリシジルエーテル、ビフェニル、脂環式等の1分子内に2個以上のグリシジル基を有する各種のエポキシ化合物などが挙げられる。これらは単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。これらのエポキシ樹脂は、エレクトロマイグレーション防止の観点から、不純物イオン(Na、Cl等)や、加水分解性塩素等を300ppm以下に低減した高純度品であることが好ましい。
絶縁性接着剤は、接着後の応力を低減するため、又は接着性を向上するために、上述の成分に加えてブタジエンゴム、アクリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、シリコーンゴム等のゴム成分を含むこともできる。充填材、軟化剤、促進剤、老化防止剤、着色剤、難燃化剤、チキソトロピック剤、カップリング剤、フェノール樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート類等を絶縁性接着剤が含むこともできる。
フィルム形成性の観点からは、絶縁性接着剤は、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂(フィルム形成性高分子)を含むことが好ましい。これらのフィルム形成性高分子を配合することにより、反応性樹脂の硬化時の応力を緩和できる。
異方導電性フィルム10は、例えば、絶縁性接着剤と、絶縁被覆導電粒子と、これらを溶解又は分散する有機溶剤とを含有する液状組成物を剥離性基材に塗布する工程と、塗布された液状組成物から硬化剤の活性温度以下の温度で有機溶剤を除去する工程とを含む方法により得ることができる。
別の実施形態として、絶縁性接着剤及び絶縁被覆導電粒子5を含有するペースト状の異方性導電接着剤も、回路接続のために好適に用いることができる。
図2は、異方導電性接着フィルムによる回路接続方法の一実施形態を示す断面図である。図2に示されるように、基板21及び該基板上に設けられた電極22を有する第一の回路部材20と、基板31及び基板31上に設けられた電極32を有する第二の回路部材30とを、電極22及び電極32が向き合うように対向配置し、第一の回路部材20と第二の回路部材30との間に異方性導電接着フィルム10を配置する。この状態で全体を加熱及び加圧することにより、図3の断面図に示されるように、第一の回路部材20と第二の回路部材30とが回路接続された接続構造体100が得られる。
これら回路部材としては、ガラス基板やポリイミド等のテープ基板、ドライバーIC等のベアチップ、リジット型のパッケージ基板等が挙げられる。
得られた接続構造体100において、絶縁被覆導電粒子5の電極との接触部分では絶縁性微粒子1が剥離して、対向する電極同士は導通する。一方、同一基板上で隣り合う電極間は絶縁微粒子1が介在することで絶縁性が維持される。
以下、実施例を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(絶縁微粒子1)
メタクリル酸グリシジル2mmol、スチレン18mmol、ジビニルベンゼン0.6mmol、及び2,2’−アゾビス{2−[N−(2−カルボキシエチル)アミノ]ジプロパン}0.1mmolをイオン交換水に加え、これらの合計の濃度がイオン交換水に対して50質量%である反応液を三口フラスコ中に調製した。窒素(100mL/分)により1時間かけてフラスコ内の溶存酸素を置換した後、反応液を70℃に加熱して6時間重合を進行させて、一次粒子径245nmの絶縁微粒子(コア微粒子)を生成させた。
生成した絶縁微粒子を5質量%含む分散液20gと、エタノール20gと、トリエチルアミン0.4gとを三ツ口フラスコに入れ、そこに、スリーワンモーターにより200r.p.mで攪拌しながら、30mLのエタノールに溶解させたテトラエトキシシラン4.0gを30mL/時間の速度で滴下し、その後更に、エタノール30mLに溶解させたメチルトリメトキシシラン4.0gを30mL/時間の速度で滴下し、35℃で6時間反応させた。その後、遠心分離により未反応モノマ−を除去し、メタノールによる洗浄を3回行って、テトラエトキシシラン及びメチルトリメトキシシランから生成した架橋ポリシロキサンを含むシェル層を有する絶縁微粒子(一次粒子径350nm)のメタノール分散液を得た。そこにグリシジル基含有シランカップリング剤を5g添加し、分散液を攪拌して、表面にグリシジル基を有する絶縁微粒子1を得た。
(絶縁微粒子2)
テトラエトキシシランの量を2.5gに、メチルトリメトキシシランの量を2.5gに変更したこと以外は絶縁微粒子1と同様の方法により、絶縁微粒子2(一次粒子径280nm)を作成した。
(絶縁微粒子3)
テトラエトキシシランの量を1.0gに、メチルトリメトキシシランの量を1.0gに変更したこと以外は絶縁微粒子1と同様の方法により、絶縁微粒子3(一次粒子径250nm)を作成した。
(絶縁微粒子4)
メチルトリメトキシシランに代えて、ジメチルジメトキシシランを2.5g用いたこと以外は絶縁微粒子1と同様の方法により、絶縁微粒子4(一次粒子径290nm)を作成した。
(絶縁微粒子5)
テトラエトキシシランの量を6.0gに、メチルトリメトキシシランの量を6.0gに変更したこと以外は絶縁微粒子1と同様の方法により、絶縁微粒子5(一次粒子径400nm)を作成した。
(絶縁微粒子6)
メタクリル酸グリシジル2mmol、スチレン18mmol、ジビニルベンゼン0.6mmol、及び2,2’−アゾビス{2−[N−(2−カルボキシエチル)アミノ]ジプロパン}0.1mmolをイオン交換水に加え、これらの合計の濃度がイオン交換水に対して60質量%である反応液を三口フラスコ中に調製した。窒素(100mL/分)により1時間かけてフラスコ内の溶存酸素を置換した後、反応液を70℃に加熱して6時間重合を進行させて、一次粒子径200nmの絶縁微粒子を生成させた。
生成した絶縁微粒子を5質量%含む分散液20gと、エタノール20gと、トリエチルアミン0.4gとを三ツ口フラスコに入れ、そこに、スリーワンモーターにより200r.p.mで攪拌しながら、30mLのエタノールに溶解させたテトラエトキシシラン2.5gを30mL/時間の速度で滴下し、その後更に、エタノール30mLに溶解させたメチルトリメトキシシラン2.5gを30mL/時間の速度で滴下し、35℃で6時間反応させた。その後、遠心分離により未反応モノマ−を除去し、メタノールによる洗浄を3回行って、テトラエトキシシラン及びメチルトリメトキシシランから生成した架橋重合体を含む絶縁微粒子(一次粒子径235nm)のメタノール分散液を得た。そこにグリシジル基含有シランカップリング剤を5g添加し、分散液を攪拌して、表面にグリシジル基を有する絶縁微粒子6を得た。
(絶縁微粒子7)
メチルトリメトキシシラン溶液を滴下しなかったこと以外は絶縁微粒子1と同様の方法により、絶縁微粒子7(一次粒子径245nm)を作成した。
(絶縁微粒子8)
メタクリル酸グリシジル2mmol、スチレン18mmol、ジビニルベンゼン0.6mmol、及び2,2’−アゾビス{2−[N−(2−カルボキシエチル)アミノ]ジプロパン}0.1mmolをイオン交換水に加え、これらの合計の濃度がイオン交換水に対して50質量%である反応液を三口フラスコ中に調製した。窒素(100mL/分)により1時間かけてフラスコ内の溶存酸素を置換した後、反応液を70℃に加熱して6時間重合を進行させて、一次粒子径245nmの絶縁微粒子8を生成させた。遠心分離により未反応モノマーを除去した後、メタノールによる洗浄を3回行い、最終的に5質量%の絶縁微粒子を含むメタノール分散液を得た。
(絶縁被覆導電粒子1)
コア微粒子
架橋度を調整したジビニルベンゼンとアクリル酸との共重合体からなる平均粒径2.6μmのプラスチックコア微粒子10gを準備した。このプラスチックコア微粒子はその表面にカルボキシル基を有する。プラスチックコア微粒子の硬さ(200℃において粒子直径が20%変位したときの圧縮弾性率、20%K値)は280kgf/mmであった。
突起を形成するニッケルめっき層を有する導電粒子
分子量70000の30質量%ポリエチレンイミン水溶液(和光純薬社製)を、超純水で0.3質量%まで希釈した。得られた0.3質量%ポリエチレンイミン水溶液300mLに上記プラスチックコア微粒子10gを加え、室温で15分攪拌して、プラスチックコア微粒子にポリエチレンイミンを吸着させた。φ3μmのメンブレンフィルタ(ミリポア社製)を用いた濾過により取り出されたプラスチックコア微粒子を超純水300gに入れ、室温で5分攪拌した。次いでφ3μmのメンブレンフィルタ(ミリポア社製)を用いた濾過によりプラスチックコア微粒子を取り出し、メンブレンフィルタ上のプラスチックコア微粒子を200gの超純水で2回洗浄し、吸着していないポリエチレンイミンを除去して、ポリエチレンイミンが吸着したプラスチックコア微粒子を得た。
平均粒子径100nmのコロイダルシリカ分散液を超純水で希釈して、0.33質量%シリカ粒子分散液(シリカ総量:1g)を得た。そこにポリエチレンイミンが吸着した上記プラスチックコア微粒子を入れ、室温で15分攪拌した。その後φ3μmのメンブレンフィルタ(ミリポア社製)を用いた濾過によりプラスチックコア微粒子を取り出した。濾液からシリカは抽出されなかったことから、実質的に全てのシリカ粒子がプラスチックコア微粒子に吸着したことが確認された。シリカ粒子が吸着したプラスチックコア微粒子を超純水200gに入れて室温で5分攪拌した。その後、φ3μmのメンブレンフィルタ(ミリポア社製)を用いた濾過によりプラスチックコア微粒子を取り出し、メンブレンフィルタ上のプラスチックコア微粒子を200gの超純水で2回洗浄した。洗浄後のプラスチックコア微粒子を80℃で30分、120℃で1時間の順に加熱することにより乾燥して、プラスチックコア微粒子及びその表面に吸着したシリカ粒子から構成される複合粒子を得た。
この複合粒子を1g分取し、共振周波数28kHz、出力100Wの超音波を15分間照射した後、パラジウム触媒であるアトテックネネオガント834(アトテックジャパン株式会社製)を8質量%含有するパラジウム触媒化液100mLに添加して、超音波を照射しながら30r.p.mで30分攪拌した。その後、φ3μmのメンブレンフィルタ(ミリポア社製)を用いた濾過により複合粒子を取出し、取り出された複合粒子を水洗した。水洗後の複合粒子を、pH6.0に調整された0.5質量%ジメチルアミンボラン液に添加し、表面が活性化された複合粒子を得た。
表面が活性化された複合粒子を蒸留水に浸漬し、超音波分散して、懸濁液を得た。この懸濁液に、50℃で攪拌しながら、硫酸ニッケル6水和物50g/L、次亜リン酸ナトリウム一水和物20g/L、ジメチルアミンボラン2.5g/L及びクエン酸50g/Lを混合しpHを7.5に調整して得た無電解めっき液Aを徐々に添加し、複合粒子上に無電解ニッケルめっき層を形成させた。ニッケルめっき層中の含リン率は約7%であった。サンプリングと原子吸光によって、ニッケルめっき層の膜厚を調整し、ニッケルめっき層の膜厚が750Åになった時点で無電解めっき液Aの添加を中止した。濾過後、100mLの純水を用いた洗浄を60秒行い、表面に突起を有するニッケル膜を有する導電粒子1を得た。ニッケル膜の突起の高さをSEMで観測したところ、プラスチックコア微粒子に吸着したシリカ粒子の粒径とほぼ同じ100nmであった。突起の被覆率をSEM像の画像解析により測定した結果、約40%であった。また、理研電子製BHV−525と比重計を用いて単位体積あたりの飽和磁化を測定したところ、0.5emu/cmであった。
表面官能基形成
ニッケルめっき層を有する上記導電粒子10gを、2質量%のカルボキシベンゾトリアゾールのメタノール溶液300gに加え、超音波照射しながら、1時間、スリーワンモーター(新東科学株式会社製、商品名:BL3000)を用いて室温(25℃)にて600r.p.mで攪拌を行った。そこに、メルカプト酢酸7.5gを添加してから、さらに1時間攪拌し、φ3μmのメンブレンフィルタ(ミリポア社製 :コーテッドタイプメンブレンフィルター)で濾過して、表面に結合した表面官能基としてカルボキシル基を有する導電粒子10gを得た。
高分子電解質(アミノ化合物)の吸着
重量平均分子量70000の30質量%ポリエチレンイミン水溶液(和光純薬工業株式会社製、商品名:30%ポリエチレンイミン P−70溶液)を超純水で希釈して0.3質量%ポリエチレンイミン水溶液を得た。この0.3質量%ポリエチレンイミン水溶液に上記の官能基含有導電粒子10gを加えて室温(25℃)で15分間攪拌し、φ3μmのメンブレンフィルタで濾過して、高分子電解質が表面に吸着した導電粒子を得た。この粒子を、超純水200gに混合して室温(25℃)で5分攪拌し、濾過を行った。濾過して得られた粒子を該メンブレンフィルタ上で200gの超純水で2回洗浄して、粒子に吸着していない高分子電解質を除去した。
絶縁微粒子による被覆
高分子電解質が吸着した導電粒子10gに対して、絶縁微粒子1を2−プロパノールに加えて調製した2質量%の絶縁微粒子分散液50gを滴下しながら、室温(25℃)で30分間攪拌した。その後、絶縁微粒子が吸着した導電粒子を濾過により回収した。回収した絶縁被覆導電粒子を、重量平均分子量1000のシリコーンオリゴマ(日立化成コーテッドサンド株式会社製:SC−6000)50gとメタノール150gの混合液に加え、室温(25℃)で1時間攪拌してから、粒子を濾過により回収した。最後に、粒子を2−プロパノール中で5分攪拌し、濾過により回収した。
得られた絶縁被覆導電粒子を100℃、1時間の条件で真空乾燥した。その後、旋回気流式ふるい分け分級機(株式会社セイシン企業)を用いて凝集物を取り除いた。
(絶縁被覆導電粒子2)
絶縁微粒子1に代えて絶縁微粒子2を用いたこと以外は絶縁被覆導電粒子1と同様の操作により、絶縁被覆導電粒子2を作成した。
(絶縁被覆導電粒子3)
絶縁微粒子1に代えて絶縁微粒子3を用いたこと以外は絶縁被覆導電粒子1と同様の操作により、絶縁被覆導電粒子3を作成した。
(絶縁被覆導電粒子4)
絶縁微粒子1に代えて絶縁微粒子4を用いたこと以外は絶縁被覆導電粒子1と同様の操作により、絶縁被覆導電粒子4を作成した。
(絶縁被覆導電粒子5)
絶縁微粒子により導電粒子を被覆する工程において、絶縁微粒子1の分散液50gに代えて、絶縁微粒子2を2−プロパノールに加えて調製した2質量%の分散液33gを導電粒子に対して滴下した。これ以外は絶縁被覆導電粒子1と同様の操作により、被覆率20%の絶縁被覆導電粒子5作成した。
(絶縁被覆導電粒子6)
絶縁微粒子により導電粒子を被覆する工程において、絶縁微粒子1の分散液50gに代えて、絶縁微粒子2を2−プロパノールに加えて調製した2質量%の分散液83gを導電粒子に対して滴下した。これ以外は絶縁被覆導電粒子1と同様の操作により、被覆率51%の絶縁被覆導電粒子6を作成した。
(絶縁被覆導電粒子7)
絶縁微粒子1に代えて絶縁微粒子5を用いたこと以外は絶縁被覆導電粒子1と同様の操作により、絶縁被覆導電粒子7を作成した。
(絶縁被覆導電粒子8)
絶縁微粒子1に代えて絶縁微粒子6を用いたこと以外は絶縁被覆導電粒子1と同様の操作により、絶縁被覆導電粒子9を作成した。
(絶縁被覆導電粒子9)
絶縁微粒子1に代えて絶縁微粒子7を用いたこと以外は絶縁被覆導電粒子1と同様の操作により、絶縁被覆導電粒子11を作成した。
(絶縁被覆導電粒子10)
絶縁微粒子1に代えて絶縁微粒子8を用いたこと以外は絶縁被覆導電粒子1と同様の操作により、絶縁被覆導電粒子11を作成した。
(絶縁被覆導電粒子11)
(パラジウム粒子)
平均粒径3.0μmの架橋ポリスチレン粒子(コア粒子)3gをアルカリ脱脂し、酸で中和した。その後、架橋ポリスチレン粒子をpH6.0に調整したカチオン性高分子液100mLに添加し、60℃で1時間攪拌した後、直径3μmのメンブレンフィルタ(ミリポア社製)で濾過し、水洗を行った。水洗後の架橋ポリスチレン粒子を、パラジウム触媒であるアトテックネオガント834(アトテックジャパン(株)製、商品名)を8質量%含有するパラジウム触媒化液100mLに添加し、35℃で30分攪拌した。次いで濾過により粒子を回収し、水洗を行った。
続いて、架橋ポリスチレン粒子を3g/Lの次亜リン酸ナトリウム液に添加し、粒子の表面を活性化させた。
活性化された架橋ポリスチレン粒子、水1000mL、及びリンゴ酸ナトリウム20g/Lを2000mLのガラスビーカーに投入し、粒子を超音波分散させてから、分散液をフッ素製攪拌羽根により攪拌(600rpm)しながら、pHを5.5以下に調整し、80℃に加温した。そこに、無電解ニッケルめっき液であるSEK670(日本カニゼン株式会社 製品名)を(SEK670−0)/(SEK670−1)=1.8の割合で混合して得た初期薄膜めっき液を、定量ポンプを用いて7mL/分の割合で添加したところ、約30秒後に還元反応が開始し、浴中から気泡が発生して浴全体が灰色から黒色に変化した。初期薄膜めっきの形成を終了した後、間をあけずに硫酸ニッケル224g/Lとリンゴ酸ナトリウム305g/Lとを混合して得た厚付けめっき液(a)と、次亜リン酸ナトリウム534g/Lと水酸化ナトリウム34g/Lとを混合して得た厚付けめっき液(b)を、13mL/分の割合で2液同時に添加した。その後、気泡の発生が停止するまで攪拌を行ったところ、浴全体が黒色から灰色に変化した。以上の操作により、ニッケルめっき層を有する導電粒子が形成された。
次に、無電解パラジウムめっき液であるパレット(小島化学薬品株式会社)を建浴し、フッ素製攪拌羽根で攪拌しながら70℃に加温した。そこへ、ニッケルめっき層を有する上記導電粒子を投入し、5分間めっきを実施した後、濾過と水洗を3回繰り返した。40℃の真空乾燥機で7時間乾燥した後、粒子を解砕して凝集を解し、ニッケルめっき層及びパラジウムめっき層を有する導電粒子を得た。
表面官能基形成
得られたパラジウム表面を有する導電粒子10gを、メルカプト酢酸(和光純薬工業株式会社製)8mmolをメタノール200mlに溶解して調製した溶液に加え、直径45mmの攪拌羽を取り付けたスリーワンモーター(新東科学株式会社製、商品名:BL3000)を用いて室温(25℃)で2時間攪拌し、メタノールで洗浄したφ3μmのメンブレンフィルタ(ミリポア社製 :コーテッドタイプメンブレンフィルター)で濾過して、表面にカルボキシル基を有する導電粒子10gを得た。
このカルボキシル基を有する導電粒子を用い、高分子電解質の吸着以降の操作は絶縁被覆導電粒子1と同様にして、絶縁被覆導電粒子11を得た。
(絶縁被覆導電粒子12)
絶縁微粒子により導電粒子を被覆する工程において、絶縁微粒子1の分散液50gに代えて、絶縁微粒子2を2−プロパノールに加えて調製した2質量%の分散液83gを、パラジウムめっき層を最外層として有する上記導電粒子に対して滴下した。これ以外は絶縁被覆導電粒子1と同様の操作により、被覆率20%の絶縁被覆導電粒子13を作成した。
(異方導電フィルム及び実装サンプル)
実施例1
フェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド社製品名PKHC)30gと、アクリルゴム(ブチルアクリレート40質量部、エチルアクリレート30質量部、アクリロニトリル30質量部、及びグリシジルメタクリレート3質量部の共重合体、重量平均分子量:85万)15gとを酢酸エチル20gに溶解し、ポリマー濃度が30質量%の溶液を得た。この溶液に、マイクロカプセル型潜在性硬化剤を含有する液状エポキシ(エポキシ当量185、旭化成エポキシ株式会社製品名ノバキュアHX−3941)30gを加えて撹拌し、接着剤溶液を作製した。そこにシリカフィラー(日本アエロジル社製:Aerosil R805)の酢酸エチル分散液10質量部を35g添加し、攪拌した。更にそこに、15gの絶縁被覆導電粒子1を添加して、攪拌して、回路接続材料を形成するための塗工液を得た。
この塗工液を、シリコーン処理したポリエチレンテレフタレートフイルムであるセパレータ(厚み40μm)上にロールコータで塗布した。塗膜を80℃で5分間乾燥して、厚み23μmのフィルム状回路接続材料(異方導電性接着フィルム)を形成させた。
作製したフィルム状回路接続材料を用いて、金バンプ(面積:30μm×90μm、スペース10μm、高さ:15μm、バンプ数:362)付きチップ(1.7mm×17mm、厚み:0.5mm)とITO回路付きガラス基板(ジオマテック製、厚み:0.7mm)との接続を、以下の通り行った。
フィルム状回路接続材料を、2mm×19mmのサイズに切断し、セパレータとは反対側の面をITO回路付きガラス基板のITO回路が形成された面に向けて、ITO回路付きガラス基板の表面に80℃、0.98MPa(10kgf/cm)で貼り付け、セパレータを剥離した。続いて、フィルム状回路接続材料を介してチップの金バンプとITO回路付きガラス基板との位置合わせを行ってから、チップの金バンプが設けられた面をフィルム状回路接続材料の面に向け、190℃、40g/バンプ、10秒間の条件の加熱及び加圧により、本接続を行った。この操作により、ITO回路付きガラス基板及びこれに実装されたチップを有する実装サンプルを得た。
実施例2
絶縁被覆導電粒子1に代えて絶縁被覆導電粒子2を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実装サンプルを作成した。
実施例3
絶縁被覆導電粒子1に代えて絶縁被覆導電粒子3を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実装サンプルを作成した。
実施例4
絶縁被覆導電粒子1に代えて絶縁被覆導電粒子4を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実装サンプルを作成した。
実施例5
絶縁被覆導電粒子1に代えて絶縁被覆導電粒子5を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実装サンプルを作成した。
実施例6
絶縁被覆導電粒子1に代えて絶縁被覆導電粒子6を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実装サンプルを作成した。
実施例7
絶縁被覆導電粒子1に代えて絶縁被覆導電粒子11を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実装サンプルを作成した。
実施例8
絶縁被覆導電粒子1に代えて絶縁被覆導電粒子12を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実装サンプルを作成した。
実施例9
絶縁被覆導電粒子1に代えて絶縁被覆導電粒子7を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実装サンプルを作成した。
実施例10
絶縁被覆導電粒子1に代えて絶縁被覆導電粒子8を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実装サンプルを作成した。
比較例1
絶縁被覆導電粒子1に代えて絶縁被覆導電粒子9を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実装サンプルを作成した。
比較例2
絶縁被覆導電粒子1に代えて絶縁被覆導電粒子10を用いたこと以外は実施例1と同様にして、実装サンプルを作成した。
(絶縁被覆導電粒子の被覆率とそのCV値)
絶縁被覆導電粒子をSEM試料台に乗せ、25枚撮像を行った。導電粒子の中心から投影面積の60%までの同心円内に存在する絶縁微粒子の面積を測定し、その面積の導電粒子の投影面積の60%に対する割合を、被覆率とした。複数の粒子について被覆率を測定し、そのばらつきをCV値で表した。
(水中での単分散率)
絶縁被覆導電粒子0.05gを電解水に分散させ、界面活性剤を添加し、超音波分散を5分間行った。得られた分散液をCOULER MULTISIZER II(ベックマン・コールター株式会社製)の試料カップに注入し、導電粒子50000個当りの平均粒径及び単分散率を測定した。
単分散率(%)=(first peak粒子数(個)/全粒子数(個))×100
(フィルム中での粒子分散性)
導電粒子を含まない接着剤層と、絶縁被覆導電粒子を含むフィルム状回路接続材料とをラミネートした積層体を準備し、これを1mm角に切断した。また、導電粒子を含まない3mm角の接着剤層も準備した。これらをそれぞれカバーガラスに乗せて、互いに貼り合わせた。その状態で、(株)東レエンジニアリング製高精細自動ボンダ(FC-1200)を用いて80℃で40秒圧延し、さらに200℃で20秒間、加熱及び加圧した。続いて、キーエンス製光学顕微鏡(VH-Z450)を用いて1000倍にて撮像して、フィルム中での絶縁被覆導電粒子の単分散率を測定した。
(粒子の一次粒子径測定)
メタノールに分散させた粒子を1質量%になるように希釈した。ゼータサイザーナノ(シスメックス社製)を用い、動的光散乱法により、各粒子の平均の一次粒子径を測定した。
(導通特性の評価)
実装サンプルの接続抵抗を、4端子法により測定した。定電流電源装置として(株)アドバンテスト製R-6145を用い、一定電流(1mA)をチップ電極−基板電極間に印加し、そのときの接続部分の電位差を(株)アドバンテスト製デジタルマルチメーター(R-6557)を用いて測定し、抵抗値に換算した。
(絶縁特性の評価)
回路の接続部に、直流(DC)50Vの電圧を30秒間印加し、印加後の絶縁抵抗を,2端子測定法により、マルチメータを用いて測定した。測定機器として、(株)アドバンテスト製絶縁抵抗測定機TR8611Aを用いた。各電極間スペースにおける複数回路分を一括して測定した。その後、実装サンプルを60℃、90%RHの高温高湿層へ投入し、取り出したサンプルについて、印加電圧15Vの条件下で絶縁抵抗を測定して、信頼性を評価した。
(溶解試験)
絶縁被覆導電粒子0.5gをトルエン10g中に2時間浸漬し、浸漬後のトルエンに含まれる抽出物の量Aを求めた。また、絶縁微粒子により被覆する前の導電粒子0.5gをトルエン10g中に浸漬し、浸漬後のトルエンに含まれる抽出物の量Bを求めた。A−B(mg)の値を算出し、これを絶縁微粒子からの抽出物の量とみなした。算出された量(A−B)の導電粒子の質量に対する割合(%)により、下記の基準で絶縁微粒子の溶解性を評価した。
AA:0〜0.5%
A:0.5〜1.0%
B:1.0〜1.5%
C:1.5%以上
各実施例及び比較例で用いられた絶縁被覆導電粒子、及び絶縁微粒子の内容を表1に示す。
Figure 0005803393
Figure 0005803393
表2に示される評価結果から、4官能シラン化合物と、3官能シラン化合物及び/又は2官能シラン化合物とから形成されたシェル層を有する絶縁微粒子を有する絶縁被覆微粒子によれば、良好な導電特性が発揮されるとともに、優れた分散性(高い単分散率)も示された。

Claims (7)

  1. 導電性の表面を有する導電粒子と、
    前記導電粒子の表面の少なくとも一部を被覆する絶縁微粒子と、
    を備え、
    前記絶縁微粒子が、有機ポリマーを含むコア微粒子と、前記コア微粒子の表面の少なくとも一部を被覆するシェル層と、を有し、
    前記シェル層が、加水分解性基を4個有する4官能シラン化合物と、加水分解性基を3個有する3官能シラン化合物及び/又は加水分解性基を2個有する2官能シラン化合物と、を含む加水分解性シランから形成された架橋ポリシロキサンを含む、
    絶縁被覆導電粒子。
  2. 前記4官能シラン化合物がテトラエトキシシランを含む、請求項1に記載の絶縁被覆導電粒子。
  3. 前記絶縁微粒子の平均一次粒子径が250〜350nmである、請求項1又は2に記載の絶縁被覆導電粒子。
  4. 前記絶縁微粒子による前記導電粒子の表面の被覆率が20〜50%であり、前記被覆率が、前記導電粒子の表面のうち前記絶縁微粒子によって被覆されている部分の面積の割合である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の絶縁被覆導電粒子。
  5. 前記絶縁微粒子による前記導電粒子の表面の被覆率のCV値が40%以下であり、前記被覆率が、前記導電粒子の表面のうち前記絶縁微粒子によって被覆されている部分の面積の割合である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の絶縁被覆導電粒子。
  6. 前記導電粒子が、有機ポリマーを含むコア粒子と、前記コア粒子を被覆する金属層と、を有し、前記金属層が、ニッケル層及び/又はパラジウム層を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の絶縁被覆導電粒子。
  7. 絶縁性の接着剤と、前記接着剤中に分散された請求項1〜6のいずれか一項に記載の絶縁被覆導電粒子と、を含有する、異方導電性接着フィルム。
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