JP5803046B2 - 薬剤ディスペンサ - Google Patents

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Description

本発明は、ポンプ作動により、内部に貯留された液体状態の薬剤を、一定量ずつ液滴状に吐出する薬剤ディスペンサに関する。
一般に、ディスペンサは、密閉容器内に充填された気体や液体、又はゲルタイプの内容物を、押圧により一定量ずつ排出するポンプ装置である。
近年、ディスペンサは、化粧品や、香水、洗剤、医薬品、食品などを貯留する容器として使われている。
従来のディスペンサは、容器の上端に装着され、ポンプ部と、ボタン部と、ノズルとからなり、ボタン部を押すと、バネの弾性力に抗してシャフトが下降し、筐体中に充填されている内容物が、筒孔、シャフトの中空部、及び連結管を介して、ノズルに吐出される。この際、ボールは、筐体内部流体の下降圧力によって、筐体下端の係止鍔に当接することになる。
ボタン部から手を離すと、バネの弾性力でシャフトが上昇することにより、筒孔が閉鎖して、内容物の吐出が遮断され、筐体内に真空が形成されることにより、容器に充填された内容物がボールを上昇させながら、バルブを開放して筐体中に満たされることになる。
ボタン部を繰り返して押すと、前記の動作が繰り返して行われる。
しかし、従来のディスペンサは、金属材質のボールを備えることにより、製作コストが上昇し、ボールを含むバルブ構造が設けられることにより、更なる後工程を行わなければならないため、製造過程が煩わしく、製造作業の作業性が低下するという問題があった。
また、従来のディスペンサは、ノズルに内容物が残留し、残留した内容物が空気と接触し、水分が蒸発して凝固されることにより、内容物が変質し、ノズルが閉塞するという問題があった。
このような問題点を解決するための技術の一例が、下記の特許文献1に開示されている。
特許文献1には、操作部が押圧された場合、外部に排出されることなく、噴出孔に残留した内容物が、操作部が原位置に戻るとき、筐体内に吸入されるように、流路内部に真空圧を発生するバルブを備えることにより、内容物が噴出孔内に残留して変質するか、残留した内容物により噴出孔が閉塞するということを防止する構成が開示されている。
一方、近年には、鼻腔スプレーのように、容器に貯留されている医薬品を一定量ずつ吐出する流体ディスペンサが使われている。
また、特許文献2には、鼻に薬剤をスプレーする流体ディスペンサの構成が記載されている。
更に、特許文献3には、定量ポンプと、入口弁と、出口弁とを含む流体ディスペンサの構成が記載されている。
大韓民国特許登録番号第10-0889050号 大韓民国特許公開番号第10-2010-0038328号 米国特許登録番号 US 7249693
しかし、特許文献1に記載したディスペンサポンプは、噴出孔内に残留した内容物を完全に吸入することができず、内容物の変質、及び噴出孔閉塞の防止には、限界があった。
また、特許文献2に記載した流体ディスペンサは、内部に前方シール要素、後方シール要素のような更なる部品を用いてシールするため、製品の構造が複雑で、製作コストが上昇するという不具合があった。
それで、ディスペンサを用いて薬剤を吐出する場合、特許文献1及び特許文献2を含む従来のディスペンサは、ノズルに残留した内容物が、外部の細菌や汚染物質の浸透で汚染するため、薬剤に防腐剤処理をしなければならないという不具合があった。
特許文献3に記載した流体ディスペンサは、無菌流体用として使うため、入口弁、出口弁、 バルブボールと共に、汚染除去手段を備えることに伴い、製作コストが嵩むという不具合があった。
一方、人体の眼球のように、薬剤を噴射する代りに、液滴状に吐出可能な薬剤ディスペンサの開発が望まれている。
本発明の目的は、前記のような問題点を解決するためになされたものであり、眼球に一定量の液体状態の薬剤を液滴状に吐出可能な薬剤ディスペンサを提供することにある。
本発明の他の目的は、薬剤の吐出過程において、外部の塵埃や異物、細菌が内部に流入されることを遮断して、薬剤の汚染を防止する薬剤ディスペンサを提供することにある。
前記のような目的を達成するために、本発明による薬剤ディスペンサは、内部に貯留された薬剤に、外部の塵埃や異物、又は細菌が流入されることを遮断する薬剤ディスペンサであって、容器の上部に結合され、容器内に貯留された液体状態の薬剤を吸入する吸入部と、 前記吸入部の一側に結合され、薬剤を所定の量ずつ吐出するようにポンプ動作するポンプ部と、前記ポンプ部の上端に設置され、先端に薬剤を液滴状に吐出する吐出孔が形成される吐出部とを含むことを特徴とする。
前記ポンプ部は、前記吐出部の昇降動作により昇降動作するピストンと、前記ピストンの下端に連結されるバルブステムと、前記バルブステムの外側に結合され、前記吐出部に復元力を与える弾性部材とを含み、前記ピストンは、前記吐出部の下降動作において、前記バルブステムの内部に形成された流路を介して伝達される薬剤を所定の量分ほど前記吐出孔側に伝達するように上昇動作した後、薬剤の移動を遮断するように下降動作することを特徴とする。
前記吐出部は、上端に吐出孔が形成されるヘッドベースと、前記ヘッドベース内に形成された吐出通路に設置され、前記ピストンの昇降動作によりポンプされた薬剤を前記吐出孔側へ伝達するライナーと、前記ライナーとピストンとの間に設置され、ピストンに弾性力を与えるバネと、前記吐出孔に伝達される薬剤を液滴状に吐出するように、液滴を形成する液滴形成手段を含む。
前記液滴形成手段は、前記ヘッドベースの上部下面とライナーの上部との間に設置される汚染防止部材と、前記ヘッドベースの上部下面に形成される液滴形成溝とを備え、前記汚染防止部材は、前記ヘッドベース内の上部に残っている薬剤の汚染を防止するように、消毒機能を有する材質の材料からなり、前記ライナーの上端には、1回吐出に際して、所定の量分の薬剤を液滴状に吐出するように、吐出される薬剤の量を調節する複数の調節突部が形成される。
前記ヘッドベースの下部には、ユーザにより押圧操作されるフランジと、前記吸入部の上端外側をカバーする垂直部とが形成され、前記ヘッドベースの内部には、前記吐出通路を形成するガイドと、前記ガイドを支持する支持部材とが形成される。
前記ライナーの外周面には、前記ライナーとヘッドベースとの組立において、前記ライナーがヘッドベースのガイド内に圧入されるように、多数の結合リブが突設される。
前記吸入部は、容器の上端に結合される結合筒体と、前記結合筒体の下部に結合され、下部に、容器に貯留された薬剤が流入される流入口が形成される筐体と、前記筐体の下部に設置され、前記流入口を開閉する逆止弁とを含み、前記筐体の内面には、筐体内に流入される薬剤の量を調節する第1及び第2の調節溝が形成される。
前記筐体の一側には、所定の設定量を超えた薬剤を容器に回収するように、前記筐体の外部へ排出する回収口が形成される。
前記結合筒体の内部には、前記バルブステムの下端部が結合されるガイド部材が設けられ、前記ガイド部材は、前記バルブステムの下端部が結合される第1の結合ガイドと、前記第1の結合ガイドの上部に連結形成される第2の結合ガイドと、前記第2の結合ガイドと結合筒体とを連結する連結部材とを含み、前記連結部材と第2の結合ガイドとの間の空間には、前記筐体の上端が結合される。
前記バルブステムの下部には、下端に行くほど直径が大きくなるテーパ部が形成され、前記テーパ部は、前記バルブステムの上昇動作の際に薬剤の移動を防止するように、前記第1の結合ガイドの内周面に密着される。
前記ライナーの外周面には、ポンプ部のポンプ動作により伝達される薬剤を吐出孔側に移動させる移動流路と、前記移動流路を介して移動する薬剤を、前記ライナーの外周面に沿って回転させた後、前記吐出孔側へ伝達する回転流路とが形成され、前記ポンプ部と回転流路とは、内部に貯留された薬剤に、外部の塵埃や異物、又は細菌が流入されることを遮断する。
本発明による薬剤ディスペンサによると、容器に貯留された液体状態の薬剤を所定の量ずつ液滴状に吐出し、外部の塵埃や異物、細菌が、薬剤ディスペンサ内に貯留された薬剤への流入を遮断することができる。
そこで、本発明による薬剤ディスペンサによると、容器及び薬剤ディスペンサ内に貯留した薬剤の汚染を完全に遮断することにより、薬品の汚染及び腐敗を防止する防腐剤が配合されていない薬剤を、貯留及び噴射することができる。
これにより、本発明による薬剤ディスペンサによると、薬剤の製造過程において防腐剤の添加が不要であるため、薬品の製造過程で要する手間、コストを節減し、防腐剤の添加による人体への悪影響を未然に防止することができるという効果が得られる。
また、本発明による薬剤ディスペンサによると、吐出通路の上に汚染防止部材を設けることにより、ヘッドベース内の上部に残っている薬剤の汚染を防止することができる。
更に、本発明による薬剤ディスペンサによると、ヘッドベースの上端に液滴形成溝を形成することにより、薬剤の吐出に際して、所定の量ずつ液滴状に吐出することができるという効果が得られる。
また、本発明による薬剤ディスペンサによると、ライナーを吐出通路の径に対応する外径を持つように形成し、ライナーの外周面に複数の結合リブを突設することにより、ライナーとヘッドベースの組立において容易に結合することができ、薬剤ディスペンサの薬剤吐出動作の過程において、薬剤の圧力変化による結合ガイドの口開き現象を防止することができるという効果が得られる。
図1は、本発明の望ましい実施例による薬剤ディスペンサの斜視図である。 図2は、同上の断面図である。 図3は、同上の分解斜視図である。 図4は、逆止弁の拡大斜視図である。 図5は、図3におけるA-A′線に沿う断面図である。 図6は、図3におけるライナーを他の角度で示す拡大斜視図である。 図7は、図2における薬剤ディスペンサのヘッドベースが下降動作した状態を示す動作状態図である。 図8は、図3におけるライナーの他の実施例の外観斜視図である。
以下、本発明の望ましい実施例による薬剤ディスペンサを、添付の図面を参照して詳述することにする。
図1は、本発明の望ましい実施例による薬剤ディスペンサの斜視図であり、図2は、同じく薬剤ディスペンサの断面図であり、図3は、同じく薬剤ディスペンサの分解斜視図である。
本発明の望ましい実施例による薬剤ディスペンサは、図1及び図2に示しているように、容器(図示せず)の上部に結合されて、容器内に貯留された薬剤を吸入する吸入部10と、吸入部10の一側に結合され、薬剤を所定の量ずつ液滴状に吐出するようにポンプ動作するポンプ部20と、ポンプ部20の上端に設けられ、先端に吐出孔312が形成される吐出部30とを含む。
吸入部10は、図2及び図3に示しているように、容器の上端に結合される結合筒体11と、結合筒体11の下部に結合される筐体12と、筐体12の下部に設けられ、筐体12内に薬剤が流入される流入口121を開閉する逆止弁13とを含む。
結合筒体11は、略円筒状に形成され、結合筒体11の内部には、後述するように、ポンプ部20に設けられるバルブステム22の昇降動作をガイドするガイド部材14が設けられる。
ガイド部材14は、上下面が開口した略円筒状に形成され、バルブステム22の下端部が結合される第1の結合ガイド141と、第1の結合ガイド141の上部に連結形成される第2の結合ガイド142と、第2の結合ガイド142と結合筒体11とを連結する連結部材143とを含む。
第1の結合ガイド141は、内部に結合されるバルブステム22の昇降動作をガイドする。これにより、第1の結合ガイド141は、バルブステム22の下部直径に対応する直径に形成されることができる。
例えば、第1の結合ガイド141は、下端に行くほど直径が大きくなるように、外側下方に向かって傾いて形成される。
一方、第1の結合ガイド141の内周面には、結合筒体11の外側及び上部空間の塵埃や異物、細菌などが第1の結合ガイド141の下部空間に伝達されることを遮断するため、少なくとも1以上の環状ガイド145が形成される。
第2の結合ガイド142は、上下面が開口した略円筒状に形成され、第1の結合ガイド141の直径よりも大きい直径を有するように形成されることができる。
第2の結合ガイド142の上端は、後述するポンプ部20の弾性部材23の下端に挿入されて、弾性部材23の直径方向の流動、及び弾性部材23が任意に分離されることを防止する。
連結部材143は、下面が開口した円筒状に形成される。
連結部材143と第2の結合ガイド142との間の空間には、筐体12の上端が結合される。連結部材143の内周面には、筐体12の上端を固定する固定鍔144が形成される。
一方、ガイド部材14は、結合筒体11の上部空間と下部空間との間を区切ることにより、結合筒体11の下部空間の薬剤が上部空間へ任意に伝達されることを遮断することができる。
また、ガイド部材14の下には、結合筒体11内に筐体12の上端を固定すると共に、容器と結合筒体11の上部空間との間をシールするガスケット15が設けられる。
筐体12は、上部に行くほど直径が増加するパイプ状に形成される。
筐体12の下部には、容器に貯留された薬剤が流入される流入口121が形成され、筐体12の下端には、容器内に設けられ、容器に貯留された薬剤を吸入するチューブ(図示せず)が連結されることができる。
筐体12内には、逆止弁13が設置される設置空間122と、容器から流入された薬剤が仮貯留される貯留空間123とが設けられる。
排出部30から排出される薬剤の量は、貯留空間123の体積により決められる。
筐体12の内周面には、所定の設定量を超えた薬剤が貯留空間123に流入された場合、逆止弁13の下降動作に際して、逆止弁13の外側上部に移動して容器に回収される薬剤の量を調節する第1の調節溝124と、逆止弁13の内側上部に移動する薬剤の量を調節する第2の調節溝125とが形成される。
第1の調節溝124は、図3に示しているように、筐体12の内周面に一定の間隔離隔して複数形成され、第2の調節溝125は、第1の調節溝124の上に形成される。
このように、本発明は、筐体内に流入される薬剤の量を2回にわたって調節することで、液滴を形成することにおいて、薬剤を噴射する場合と比較して、吐出される薬剤の量を低減することができる。
一方、図3において、第1の調節溝124は、4つ形成され、第2の調節溝125は、2つ形成されることと示されているが、本発明は、これに限らず、吐出しようとする薬剤の吐出量により、第1及び第2の調節溝124、125の数、大きさ、及び形状を様々に変形・変更することができる
筐体12の上部には、所定の設定量を超えた薬剤が貯留空間123に流入された場合、設定量を超えた薬剤を筐体12外へ排出して、容器に回収する回収口126が形成される。
図4は、逆止弁の拡大斜視図である。
図3及び図4に示しているように、逆止弁13は、略上面が開口したフラットの円筒状に形成され、逆止弁13の下部には、流入口121を開放又は閉鎖するバルブシート131が設けられる。
逆止弁13の内側上面には、バルブステム22の昇降動作で逆止弁13がスムーズに昇降動作するように、外側から中心に向かって屈曲形成された複数の屈曲リブ132が設けられる。
図4において、屈曲リブ132は、3つ形成されることと示されているが、本発明は、これに限らず、1又は2以上に形成してもよく、形状も様々に変更することができる。
ポンプ部20は、内部に貯留された薬剤に、外部の塵埃や異物、又は細菌が流入されることを遮断する。
これにより、ポンプ部20は、図2及び図3に示しているように、吐出部30の昇降動作により昇降動作するピストン21と、ピストン21の下端に連結されるバルブステム22と、バルブステム22の外側に結合されて、吐出部30に復元力を与える弾性部材23とを含む。
ピストン21は、略円筒状に形成され、後述するように、吐出部30に設けられるライナー32の昇降空間321に位置し、ライナー32の下端に接触され、吐出部30の昇降動作により昇降動作して、バルブステム22に形成される流路221を開閉する。
ピストン21は、軟質の合成樹脂材質の材料で成形されることができる。
ピストン21には、吐出部30のバネ34が挿入される挿入溝211が形成される。挿入溝211は、ピストン21の上面から下方に一定の深さ分、凹入形成される。
ピストン21の下部には、バルブステム22の流路221の上端を閉鎖する開閉突部213が形成される。
開閉突部213は、上端部の直径が流路221の直径よりも大きく形成され、下端に行くほど直径が小くなるテーパ状に形成される。
これにより、開閉突部213は、バルブステム22の流路221の閉鎖に際して、固有の弾性力により弾性変形し、流路221の開放に際しては、元の形状に復元することができる。
ピストン21の外周面には、吐出通路311と密着するように、一定の間隔で3つの環状突部212が形成される。
ピストン21の外周面の上部及び中央部に設けられた環状突部212は、ピストン21の下部に伝達される薬剤が、ピストン21の上部に設けられる昇降空間321に流入されることを遮断する機能を果たし、ピストン21の外周面の下部に設けられた環状突部212は、ピストン21の下降動作に際して、後述するように、ライナー32の排出孔323を遮断する機能を果たす。
このように、本発明は、ピストンの外周面に複数の環状突部を形成することで、ピストンとライナーとの間の空間をシールすると共に、ピストンをスムーズに昇降動作させることができる。
一方、本発明は、環状突部の代りに、ピストンの外周面に環状溝を形成し、環状溝にOーリングを結合するように変更してもよい。
バルブステム22は、円柱状に形成され、ピストン21の昇降動作により昇降動作しながら、筐体12の貯留空間123に仮貯留された薬剤をポンプして、吐出部30に伝達する機能を果たす。
これにより、バルブステム22の内部には、貯留空間123から吐出部30に薬剤を伝達する流路221が形成される。
バルブステム22の上部は、吐出部30の吐出通路311内に位置し、バルブステム22の下部は、結合筒体11の第1の結合ガイド141に結合される。
バルブステム22の上部の外周面には、バルブステム22とガイド314との間の結合力を向上できるように、環状の結合突部が少なくとも1以上形成される。
バルブステム22の下部には、下端に行くほど直径が大きくなるテーパ部222が設けられる。
テーパ部222は、バルブステム22の上昇動作に際して、第1の結合ガイド141の内周面に密着して、薬剤の移動を防止する機能を果たす。
弾性部材23は、吐出部30の下降動作に際して弾性変形して、後述するように、吐出部30に設けられるヘッドベース31に復元力を与える機能を果たす。
これにより、弾性部材23の下端は、結合筒体11の連結部材143の上面に支持され、弾性部材23の上端は、ヘッドベース31の支持部材316の下面に支持される。
吐出部30は、図2及び図3に示しているように、外形を形成し、ユーザの操作で昇降動作するヘッドベース31と、ヘッドベース31の内部に形成された吐出通路311に設けられ、ピストン21の昇降動作によりポンプされた薬剤を、ヘッドベース31の吐出孔312側に伝達するライナー32と、ライナー32とピストン21との間に設けられるバネ34と、吐出孔312に伝達される薬剤を液滴状に吐出するように液滴を形成する液滴形成手段とを含む。
ヘッドベース31は、人体の眼球などに薬剤を吐出するために、上端に行くほど、直径が小くなるように形成される。
ヘッドベース31の上端には、薬剤を所定の量ずつ吐出する吐出孔312が形成され、ヘッドベース31の下部には、ユーザが押圧操作するフランジ部313と、結合筒体11の上端外側をカバーする垂直部315とが形成される。
吐出孔312の直径は、所定量の薬剤を吐出するように、実験値によって設定されることができる。
本実施例において、1回の吐出の際に吐出される薬剤の量は、約0.02〜0.05ml、望ましくは、約0.03mlに設定される。
そして、吐出孔312の径は、約1.5〜2.0mm、望ましくは、約1.7mmに設定される。
フランジ部313の下面と結合筒体11の上端との間の距離は、ヘッドベース31及びベルブステム22の昇降動作における作動距離とになる。つまり、結合筒体11の上端は、ストッパの機能を果たすことになる。
ヘッドベース31の内部には、吐出通路311を形成するガイド314と、ガイド314を支える支持部材316とが形成され、ガイド314の内部には、ライナー32及びバルブステム22の上部が配置される。
一方、図5は、図3におけるA-A'線に沿う断面図である。
ヘッドベース31の上端内面には、図5に示しているように、吐出孔312を介して薬剤を所定の量ずつ液滴状に吐出するように、吐出速度及び吐出圧力を低めて液滴を形成する液滴形成溝317が形成される。
すなわち、前記液滴形成手段は、ヘッドベース31の上部下面とライナー32の上部との間に設けられる汚染防止部材33と、液滴形成溝317とからなることができる。
例えば、液滴形成溝317は、吐出孔312に連通して形成される複数の溝からなる。
図5には、3つの液滴形成溝317が示されているが、本発明は、これに限らず、液滴形成溝317の数、形状、及び大きさを様々に変更・変形することもできる。
吐出通路311は、吐出孔312に連通して形成され、吐出孔312は、ヘッドベース31の下降動作に際して、ピストン21の上昇動作により伝達される薬剤を液滴状に吐出する。
図6は、図3におけるライナーを他の角度で示した拡大斜視図である。
ライナー32は、図2、図3、及び図6に示しているように、略円筒状に形成され、ライナー32の内部には、ピストン21が挿入されて昇降動作する昇降空間321と、昇降空間321の上部にバネ34の上部が結合される結合溝322とが形成される。
ライナー32の一側には、ヘッドベース31の下降動作の際にピストン21が上昇動作することにより、バルブステム22内の流路221を介して伝達された薬剤を、ライナー32の外へ排出する排出孔323が形成される。
そして、ライナー32の外周面には、排出孔323を介して排出された薬剤を、吐出孔312側に移動させる移動流路324が形成される。
ライナー32の上部は、下部の直径に比べて小径に段差をつけて形成され、ライナー32の上端には、1回吐出の際に、予め設定された量分の薬剤を液滴状に吐出するように、吐出される薬剤の量を調節する複数の調節突部325が形成される。
各調節突部325は、ライナー32の上端から吐出孔312に向かって突設されることにより、各調節突部325の間には、薬剤を吐出孔312へ伝達する空間が形成される。
これと共に、ライナー32の外周面には、上下方向に沿って、多数の結合リブ326が突設されることができる。
結合リブ326は、ライナー32とヘッドベース31との組立において、ライナー32がヘッドベース31のガイド314内に圧入されるようにして、ライナー32とガイド314との間の結合力を向上させる機能を果たす。
もし、ライナー32の外径が吐出通路311の直径より大きいと、ライナー32とヘッドベース31との組立に多大な力を加えなければならなく、組立過程において、ライナー32やガイド314が破損するか、損傷する問題が発生し得る。
そこで、本発明は、ライナーを吐出通路の直径に対応する外径を有するように形成し、ライナーの外周面に多数の結合リブを突設することにより、ライナーとヘッドベースの組立の際に容易に結合することができ、薬剤ディスペンサの薬剤吐出動作の過程において、薬剤の圧力変化による結合ガイドの口開き現象を防止することができる。
汚染防止部材33の上端及び下端は、それぞれ、ライナー32上の段差面と、ヘッドベース31の内部下面にそれぞれ支持される。
汚染防止部材33は、ライナー32の移動流路324に沿って、吐出通路311の上部に移動した薬剤を吐出孔312側に移動させながら、渦流を形成することができる。
バネ34の上部及び下部は、それぞれ、ライナー32の結合溝322と、ピストン21の挿入溝211とに挿入して設置される。
バネ34は、ライナー32の昇降空間321で昇降動作するピストン21に弾性力を与える。
これにより、ピストン21は、ヘッドベース31にユーザの操作が行われる以前であり、且つ、操作力が解除されると、バルブステム22に形成された流路221の上端を閉鎖する。
一方、ヘッドベース31の上部には、吐出孔312辺りの汚染を防止するため、カバー(図示せず)が結合されることができる。
本発明の望ましい実施例による薬剤ディスペンサの結合関係について、詳述する。
まず、ライナー32内に、バネ34と、ピストン21とを順次結合し、ヘッドベース31内の吐出通路311に、汚染防止部材33とライナー32とを結合する。
この際、ライナー32の外周面に形成された多数の結合リブ326により、ライナー32は、ヘッドベース31のガイド314内に圧入される。
結合筒体11の下部にバルブステム22を位置させた状態で、第1の結合ガイド141を貫通して結合し、バルブステム22の外側に弾性部材23を設置した後、吐出通路311にバルブステム22の上部を結合する。
ここで、弾性部材23の上端は、ヘッドベース31の支持部材316の下面に支持され、弾性部材23の下端は、結合筒体11の連結部材143の上面に支持され、第2の結合ガイド142の上端に係止される。
これにより、弾性部材23は、第2の結合ガイド142により安定的に固定でき、ヘッドベース31の下降動作に際して弾性変形して、ヘッドベース31に復元力を与えることができる。
ついで、筐体12の設置空間122に逆止弁13を設置し、筐体12の上端を結合筒体11の第2の結合ガイド12と連結部材143との間の空間に結合した後、ガスケット15を結合して、筐体12と結合筒体11とを強固に固定する。
このように組み立てされた薬剤ディスペンサの下端にチューブを結合し、結合筒体11を容器の上端に結合して、組立を完了する。
次に、図2及び図7を参照して、本発明の望ましい実施例による薬剤ディスペンサの作動方法について、詳述する。
図7は、図2における薬剤ディスペンサのヘッドベースが下降動作した状態を示す動作状態図である。
まず、ユーザが押圧する前に、ピストン21は、図2に示しているように、バネ34の弾性力により下降動作状態を維持して、ライナー32の一側に形成された排出孔323と、バルブステム22に形成された流路221の上端を閉鎖する。
そして、バルブステム22のテーパ部222は、結合筒体11の第1の結合ガイド141の内面及び筐体12の内面と密着して、薬剤が結合筒体11の上部空間に移動するか、外部の塵埃や異物、細菌が筐体12内へ流入されることを遮断する。
このように、本発明は、薬剤ディスペンサ内に貯留された薬剤の汚染を完全に遮断することで、薬品の汚染及び腐敗を防止するための防腐剤を添加していない薬剤のディスペンサとして使用されることができる。
これにより、本発明は、薬剤の製造過程で防腐剤を添加する必要がないため、薬品の製造過程で要する手間、コストを節減し、防腐剤の添加による人体への悪影響を未然に予防することができる。
ユーザがヘッドベース31のフランジ313部を押圧して、ヘッドベース31が下降動作すると、図7に示しているように、バルブステム22が下降動作しながら発生する圧力によって、逆止弁13は下方に移動して、筐体12の流入口121を閉鎖する。
これにより、筐体12の貯留空間123に貯留された薬剤が、バルブステム22に形成された流路221に沿って、吐出部30側に移動する。
このように、バルブステム22の流路221に沿って移動する薬剤の圧力でピストン21が上昇動作することにより、 薬剤は、ライナー32の排出孔323及び移動流路324を介して、吐出通路311の上部に移動し、汚染防止部材33、ライナー32の調節突部325間の空間、及び液滴形成溝317に沿って移動し、吐出孔312を介して液滴状に吐出される。
ここで、ヘッドベース31の1回の下降動作により吐出される薬剤の量は、筐体12に形成された貯留空間123と第1及び第2の調節溝124、125の体積、ライナー32に形成された排出孔323の直径及び移動流路324の断面積、調節突部325間の空間の大きさ及び吐出孔312の直径などにより、調節される。
このように、本発明は、吐出通路内に汚染防止部材を設けることにより、ヘッドベース内の上部に残っている薬剤の汚染を防止することができる。
そして、本発明は、薬剤を噴射する場合に比べて、吐出孔の直径を大きく形成し、ヘッドベースの上端に液滴形成溝を形成することにより、薬剤の吐出量を低減し、吐出圧力及び吐出速度を低めて液滴状に吐出することができる。
薬剤の吐出により、吐出通路311の上部の圧力が下降すると、再度、バネ34の弾性力によりピストン21が下降動作しながら、バルブステム22の流路221の上端を閉鎖する。
そして、フランジ313に加わる操作力が解除されると、ヘッドベース31が弾性部材23の復元力により上昇動作することにより、バルブステム22も上昇動作する。
この際、筐体12内の貯留空間123には吸入力が発生することに伴い、逆止弁13が上昇動作して流入口121を開放し、容器に貯留された薬剤は、チューブ及び流入口121を介して、筐体12内に流入貯留される。
一方、筐体12内に流入された薬剤が、所定の設定量を超えて流入されると、設定量を超えた薬剤は、筐体12の第1の調節溝124及び回収口126を介して、容器に回収される。
ついで、ユーザは、薬剤を吐出しようとする回数分だけ、フランジ313を押圧し、薬剤ディスペンサは、前述した過程を繰返し行って、薬剤を吐出する。
上記のような過程を介して、本発明は、容器に貯留された液体状態の薬剤を、所定の量ずづ液滴状に吐出し、外部の塵埃や異物、細菌が、薬剤ディスペンサ内に貯留された薬剤に流入されることを遮断することができる。
次に、本発明の他の実施例を、図8により説明する。
図8は、図3におけるライナーの他の実施例の外観斜視図である。
図8は、図6におけるライナーの外観斜視図の他の構造であり、同一の構成要素には同一符号を付け、重複する説明は、省略することにする。
図8において、ライナー32の上部に形成された移動流路324には、移動流路324を介して排出される薬剤を、ライナー32の外周面に沿って回転させた後、吐出312側に伝達する回転流路327が形成される。
前記回転流路327は、外部から侵透する塵埃や異物、又は細菌が吐出312を介して流入されても、容器まで移動する移動経路の長さを増加させ、回転流路327により回転する過程において、移動速度を急激に減少させる機能を果たす。
これにより、本発明の他の実施例によると、薬剤ディスペンサの外部から侵透する塵埃や異物、細菌が、薬剤ディスペンサ内に貯留された薬剤に流入されることを完全に遮断することができる。
以上、本発明者によりなされた発明を前記実施例により具体的に説明したが、本発明は、前記実施例に限らず、その要旨を逸脱しない範囲で様々に変更可能なことは勿論のことである。
つまり、本実施例では、薬剤をもって説明したが、本発明は、ここに限られるものではない。
例えば、本発明は、医薬品だけではなく、食品や化粧品のように、容器に貯留された液体状態の流体を液滴状に吐出する、様々な形状及び用途の流体ディスペンサに適用することができる。
以上、本発明者によりなされた発明を前記実施例により具体的に説明したが、本発明は、前記実施例に限らず、その要旨を逸脱しない範囲で様々に変更可能なことは勿論である。
本発明は、容器に貯留された液体状態の薬剤を所定の量ずつ液滴状に吐出し、外部の塵埃や異物、細菌が薬剤ディスペンサ内に貯留された薬剤へ流入されることを遮断する薬剤ディスペンサに適用される。
10: 吸入部
11: 結合筒体
12: 筐体
121: 流入口
122: 設置空間
123: 貯留空間
124: 調節溝
126: 回収口
13: 逆止弁
131: バルブシート
132: 屈曲リブ
14: ガイド部材
141: 第1の結合ガイド
142: 第2の結合ガイド
143: 連結部材
144: 固定鍔
145: 環状ガイド
15: ガスケット
20: ポンプ部
21: ピストン
211: 挿入溝
212: 環状突部
213: 開閉突部
22: バルブステム
221: 流路
222: テーパ部
23: 弾性部材
30: 吐出部
31: ヘッドベース
311: 吐出通路
312: 吐出孔
313: フランジ部
314: ガイド
315: 垂直部
316: 支持部材
317: 液滴形成溝
32: ライナー
321: 昇降空間
322: 結合溝
323: 排出孔
324: 移動流路
325: 調節突部
326: 結合リブ
327: 回転流路
33: 汚染防止部材
34: バネ

Claims (9)

  1. 内部に貯留された薬剤に、外部の塵埃や異物、又は細菌が流入されることを遮断する薬剤ディスペンサであって、
    容器の上部に結合され、容器内に貯留された液体状態の薬剤を吸入する吸入部と、
    前記吸入部の一側に結合され、薬剤を所定の量ずつ吐出するようにポンプ動作するポンプ部と、
    前記ポンプ部の上端に設置され、先端に薬剤を液滴状に吐出する吐出孔が形成される吐出部とを含み、
    前記ポンプ部は、
    前記吐出部の昇降動作により昇降動作するピストンと、
    前記ピストンの下端に連結されるバルブステムと、
    前記バルブステムの外側に結合され、前記吐出部に復元力を与える弾性部材とを含み、
    前記ピストンは、前記吐出部の下降動作において、前記バルブステムの内部に形成された流路を介して伝達される薬剤を所定の量分ほど前記吐出孔側に伝達するように上昇動作した後、薬剤の移動を遮断するように下降動作し、
    前記吸入部は、
    容器の上端に結合される結合筒体と、
    前記結合筒体の下部に結合され、下部に、容器に貯留された薬剤が流入される流入口が形成される筐体と、
    前記筐体の下部に設置され、前記流入口を開閉する逆止弁とを含み、
    前記筐体の内面には、筐体内に流入される薬剤の量を調節する第1及び第2の調節溝が形成されることを特徴とする薬剤ディスペンサ。
  2. 前記吐出部は、
    上端に吐出孔が形成されるヘッドベースと、
    前記ヘッドベース内に形成された吐出通路に設置され、前記ピストンの昇降動作によりポンプされた薬剤を前記吐出孔側へ伝達するライナーと、
    前記ライナーとピストンとの間に設置され、ピストンに弾性力を与えるバネと、
    前記吐出孔に伝達される薬剤を液滴状に吐出するように、液滴を形成する液滴形成手段とを含むことを特徴とする請求項に記載の薬剤ディスペンサ。
  3. 前記液滴形成手段は、前記ヘッドベースの上部下面とライナーの上部との間に設置される汚染防止部材と、前記ヘッドベースの上部下面に形成される液滴形成溝とを備え、
    前記汚染防止部材は、前記ヘッドベース内の上部に残っている薬剤の汚染を防止するように、消毒機能を有する材質の材料からなり、
    前記ライナーの上端には、1回吐出に際して、所定の量分の薬剤を液滴状に吐出するように、吐出される薬剤の量を調節する複数の調節突部が形成されることを特徴とする請求項に記載の薬剤ディスペンサ。
  4. 前記ヘッドベースの下部には、ユーザにより押圧操作されるフランジと、前記吸入部の上端外側をカバーする垂直部とが形成され、
    前記ヘッドベースの内部には、前記吐出通路を形成するガイドと、前記ガイドを支持する支持部材とが形成されることを特徴とする請求項に記載の薬剤ディスペンサ。
  5. 前記ライナーの外周面には、前記ライナーとヘッドベースとの組立において、前記ライナーがヘッドベースのガイド内に圧入されるように、多数の結合リブが突設されることを特徴とする請求項に記載の薬剤ディスペンサ。
  6. 前記筐体の一側には、所定の設定量を超えた薬剤を容器に回収するように、前記筐体の外部へ排出する回収口が形成されることを特徴とする請求項に記載の薬剤ディスペンサ。
  7. 前記結合筒体の内部には、前記バルブステムの下端部が結合されるガイド部材が設けられ、
    前記ガイド部材は、
    前記バルブステムの下端部が結合される第1の結合ガイドと、
    前記第1の結合ガイドの上部に連結形成される第2の結合ガイドと、
    前記第2の結合ガイドと結合筒体とを連結する連結部材とを含み、
    前記連結部材と第2の結合ガイドとの間の空間には、前記筐体の上端が結合されることを特徴とする請求項に記載の薬剤ディスペンサ。
  8. 前記バルブステムの下部には、下端に行くほど直径が大きくなるテーパ部が形成され、
    前記テーパ部は、前記バルブステムの上昇動作の際に薬剤の移動を防止するように、前記第1の結合ガイドの内周面に密着されることを特徴とする請求項に記載の薬剤ディスペンサ。
  9. 前記ライナーの外周面には、ポンプ部のポンプ動作により伝達される薬剤を吐出孔側に移動させる移動流路と、前記移動流路を介して移動する薬剤を、前記ライナーの外周面に沿って回転させた後、前記吐出孔側へ伝達する回転流路とが形成され、
    前記ポンプ部と回転流路とは、内部に貯留された薬剤に、外部の塵埃や異物、又は細菌が流入されることを遮断することを特徴とする請求項に記載の薬剤ディスペンサ。
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