JP5802237B2 - 磁性粒子及びその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の磁性粒子(E)は、非磁性金属酸化物(D)マトリックス中に平均粒子径が1〜15nmで超常磁性を有する超常磁性金属酸化物粒子(C)を含有してなり、好ましくは(D)を(C)中に分散させてなる。磁性粒子(E)の平均粒子径が1〜5μmであり、かつ形状係数SF1が101〜200であり、かつ形状係数SF2が110〜220である粒子である。
(C)の平均粒子径は、後述の(C)作製時の金属イオン濃度を調節することにより制御することができる。また、通常の分級等の方法によっても超常磁性金属酸化物の平均粒子径を所望の値にすることができる。
(C)の平均粒子径が1nm未満の場合は合成が困難であり、平均粒子径が15nmを超える場合は得られた磁性粒子(E)の磁気特性が強磁性となり、実際の用途面において磁場を取り除いても磁性体自身が一時的な磁場を示し粒子同士が自己会合し、洗浄性が悪い及び/又は免疫反応等に悪影響を及ぼすという問題がある。
(E)の平均粒子径は、後述の水中油型エマルションを作製する際の混合条件(せん断力等)を調節して水中油型エマルションの粒子径を調整することにより制御することができる。また、(E)製造時の水洗工程の条件変更や通常の分級等の方法によっても平均粒子径を所望の値とすることができる。
磁性粒子(E)は、表面が凹凸状であるため真球とはならず、SF1は101以上となる。形状係数SF1が200を超える粒子は、形状が不定形になり、免疫測定精度が悪くなる。形状係数SF2が110未満の場合、表面積が小さくなり、生体物質の結合量が少なくなる。形状係数SF2が220を超える場合表面の凹凸が微細すぎて、凹凸に生体物質が入り込み、反応性が低下する。
SF1={(最長径)2/(AREA)}×(100π/4)(1)
SF1の値が100の場合、磁性粒子の形状は真球であり、SF1の値が大きくなるほど、粒子は不定形になる。
SF2={(PERI)2/(AREA)}×(100/4π)(2)
SF2の値が100の場合磁性粒子表面に凹凸が存在しなくなり、SF2の値が大きくなるほど磁性粒子表面の凹凸が顕著になる。
形状係数SF1及びSF2の測定は、走査型電子顕微鏡(例えばS−800:日立製作所製)、マイクロスコープ(USBデジタルスケール:スカラ(株)製)等で磁性粒子の写真を撮り、これを画像解析装置(例えばMac−VIEW:マウンテック社製)に導入して解析する方法、フロー式粒子像分析装置(例えばFPIA−3000:マルバーン社製)を用いて測定する方法などが挙げられる。
本発明の磁性粒子(E)の製造方法は、平均粒子径が1〜15nmの超常磁性金属酸化物粒子(C)、(C)の重量に基づいて30〜1500重量%の金属アルコキシド(N)及び分散剤(K)を含有する分散液(A)と、水、非イオン性界面活性剤(P)及び金属アルコキシドの加水分解用触媒(Q)を含有する溶液(B)とを混合して水中油型エマルションを形成する工程を含むことを特徴とする。
得られた磁性粒子(E)の水性分散体を遠心分離及び/又は集磁により固液分離し、水で洗浄して乾燥することにより磁性粒子(E)が得られる。
(A)は、超常磁性金属酸化物粒子(C)を分散剤(K)を用いて、金属アルコキシド(N)中に分散させた分散液(A)である。上記分散剤(K)としては、分子内に1個のカルボキシル基を有する有機化合物等が挙げられる。具体的には、以下に例示する有機化合物等が挙げられ、これらは1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
炭素数10〜30の脂肪族飽和モノカルボン酸(ラウリル酸、ミリスチン酸、ステアリン酸及びベヘニン酸等)、炭素数10〜30の脂肪族不飽和モノカルボン酸(オレイン酸、ステアリン酸等)、炭素数10〜30のヒドロキシ脂肪族モノカルボン酸、炭素数10〜30の脂環式モノカルボン酸、炭素数10〜30の芳香族モノカルボン酸、炭素数10〜20のヒドロキシ芳香族モノカルボン酸及び炭素数10〜20のパーフルオロカルボン酸。
R1 mM(OR2)n (1)
一般式(1)中、R1及びR2は、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、メルカプト基又はグリシジルオキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜10の1価の炭化水素基を表す。
Mの価数が4の場合、mは0〜3の整数、nは1〜4の整数、m+nが4である。
価数が3の場合、mは0〜2の整数、nは1〜3の整数、m+nが3である。
金属元素MがSiの場合、金属アルコキシドの具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロピルシラン及びテトラブトキシシラン等のアルコキシシラン;メチルトリメトキシシラン及びメチルトリエトキシシラン等のアルキルアルコキシシラン;3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルエトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン及びN−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基で置換されたアルキル基を有するアルキルアルコキシシラン;7−カルボキシ−ヘプチルトリエトキシシラン及び5−カルボキシ−ペンチルトリエトキシシラン等のカルボキシル基で置換されたアルキル基を有するアルキルアルコキシシラン;3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン及び3−ヒドロキシプロピルエトキシシラン等の水酸基で置換されたアルキル基を有するアルキルアルコキシシラン;3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン及び3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプト基で置換されたアルキル基を有するアルキルアルコキシシラン;3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン及び3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン等のグリシジルオキシ基で置換されたアルキル基を有するアルキルアルコキシシラン等が挙げられる。
金属元素MがAl、Zr、Ca、Y及びTaの場合、金属アルコキシドの具体例としては、トリメトキシアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリ−n−プロポキシアルミニウム、トリイソプロポキシアルミニウム、トリ−n−ブトキシアルミニウム、トリイソブトキシアルミニウム、トリ−sec−ブトキシアルミニウム及びトリ−tert−ブトキシアルミニウム等のアルミニウムアルコキシド;ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトラプロポキシド及びジルコニウムテトラブトキシド等のジルコニウムアルコキシド;カルシウムメトキシド、カルシウムエトキシド、カルシウムプロポキシド及びカルシウム イソプロポキシド等のカルシウムアルコキシド、イットリウムトリエトキシド、イットリウムトリイソプロポキシドシド及びイットリウムトリメトキシエトキシドシド等のイットリウムアルコキシド;タンタルペンタメトキシド、タンタルペンタエトキシド、タンタルペンタイソプロポキシド及びタンタルペンタブトキシド等のタンタルアルコキシドが挙げられる。
金属アルコキシド(N)は、1種類を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
溶液(B)は、非イオン性界面活性剤(P)及び金属アルコキシドの加水分解用触媒(Q)を水に溶解させたものである。
加水分解用触媒の使用量は、金属アルコキシド(N)の重量に対して、0.01〜500重量%、特に0.5〜300重量%が好ましい。
(B)の使用量は、(A)に対して、2〜350重量%が好ましい。この範囲であると、エマルションが安定し、生成する粒子の粒度分布が狭くなり好ましい。
アルデヒド基を有するグルタルアルデヒド及びカルボキシル基を有するビオチンは、アミノ基を有する金属アルコキシドが表面に結合した(E)と反応させることで、(E)の表面に結合させることができる。また、アミノ基を有するアルブミン及びストレプトアビジン並びにカルボジイミド基を有するカルボジイミドは、カルボキシル基を有する金属アルコキシドが表面に結合した(E)と反応させることで、(E)の表面に結合させることができる。
セトステアリルアルコール(花王株式会社製「カルコール 6850」、セチルアルコールとステアリルアルコールからなる油脂原料)252部(1モル部)、水酸化カリウム0.5部を加圧反応容器に投入して密閉、窒素置換した後、130℃で脱水する。次いで、エチレンオキシド1848部(42モル部)を130℃で付加反応させ、80℃に冷却して酢酸0.5部で水酸化カリウムを中和して、セトステアリルアルコールのエチレンオキサイド付加物(付加モル数42)である非イオン性界面活性剤(P−1)を調製した。
反応容器に塩化鉄(III)6水和物2.7部、塩化鉄(II)4水和物1.0部及び水375部を仕込んで溶解させて50℃に昇温し、撹拌下温度を50〜55℃の保持しながら、25%アンモニア水3.8部と水100部を混合した溶液を1時間かけて滴下し、滴下後1時間撹拌し、水中にマグネタイト粒子である超常磁性金属酸化物粒子(C−1)を得た。得られた(C−1)にオレイン酸である分散剤(K−1)10.5部加え、2時間撹拌を継続した。室温に冷却後、デカンテーションにより固液分離して得られたオレイン酸が吸着したマグネタイト粒子を水50部で洗浄する操作を3回行った。得られたオレイン酸が吸着したマグネタイト粒子を容器に仕込み、テトラエトキシシランである金属アルコキシド(N−1)6.0部を加えて混合し、分散液(A−1)を調製した。
乳化反応後、2,000rpmで5分間遠心分離して微粒子の存在する上清を除いた。得られた固相に水50部を加えて粒子を分散させて1,000rpmで10分間遠心分離後、微粒子の存在する上清を除く操作を10回行った。続いて、得られた固相に水50部を加えて粒子を分散させて500rpmで5分間遠心分離することにより、大きな粒子径の粒子を沈降させて目的とする粒子径を有する粒子を含有する上清(1)を回収した。残った固相に水50部を加えて500rpmで5分間遠心分離後、上清(2)を回収する操作を2回行い、固相中に存在する目的とする粒子径を有する粒子を回収した。次に、上清(1)及び(2)について、磁石を用いて粒子を集磁し、集磁された粒子を80℃で8時間乾燥させて本発明の磁性粒子(E−1)を得た。
実施例1において、マグネタイト粒子作製時における25%アンモニア水3.8部と混合する水の量を100部から75部に代えた以外は、実施例1と同様にして超常磁性金属酸化物粒子(C−2)を得た。また(C−2)を用いて実施例1と同様にして磁性粒子(E−2)を得た。
実施例1において、マグネタイト粒子作製時における25%アンモニア水3.8部と混合する水の量を100部から33.8部に代えた以外は、実施例1と同様にして超常磁性金属酸化物粒子(C−3)を得た。また(C−3)を用いて乳化の際のヒストコロンの回転数を15,000rpmから10,000rpmに代えた以外は、実施例1と同様にして磁性粒子(E−3)を得た。
実施例1において、乳化の際のヒストコロンの回転数を15,000rpmから10,000rpmに代えた以外は、実施例1と同様にして磁性粒子(E−4)を得た。
乳化の際のヒストコロンの回転数を15,000rpmから10,000rpmに代え、テトラエトキシシランの仕込量を6.0部から2.0部に代えた以外は、実施例1と同様にして磁性粒子(E−5)を得た。
実施例3と同様にして超常磁性金属酸化物粒子(C−3)を得た。実施例1において、(C−1)の代わりに(C−3)を用い、テトラエトキシシランの仕込量を6.0部から2.0部に代え、乳化の際のヒストコロンの回転数を15,000rpmから10,000に代えた以外は、実施例1と同様にして磁性粒子(E−6)を得た。
実施例3と同様にして超常磁性金属酸化物粒子(C−3)を得た。実施例1において、(C−1)の代わりに(C−3)を用いて、乳化の際のヒストコロンの回転数を15,000rpmから10,000rpmに代え、非イオン性界面活性剤(P−1)1.3部、非イオン性界面活性剤(P−2)1.3部を(P−2)2.6部に代えた以外は、実施例1と同様にして磁性粒子(E−7)を得た。
実施例2と同様にして超常磁性金属酸化物粒子(C−2)を得た。実施例1において、(C−1)の代わりに(C−2)を用いて、乳化の際のヒストコロンの回転数を15,000rpmから10,000rpmに代えた以外は、実施例1と同様にして磁性粒子(E−8)を得た。
実施例2と同様にして超常磁性金属酸化物粒子(C−2)を得た。実施例1において、(C−1)の代わりに(C−2)を用いて、乳化の際のヒストコロンの回転数を15,000rpmから10,000rpmに代え、非イオン性界面活性剤(P−1)1.3部、非イオン性界面活性剤(P−2)1.3部を、(P−1)1.7部、(P−2)0.9部に代えた以外は、実施例1と同様にして磁性粒子(E−9)を得た。
実施例9において、非イオン界面活性剤(P−1)1.7部、非イオン界面活性剤(P−2)0.9部を、(P−1)2.1部、(P−2)0.5部に代えた以外は、実施例9と同様にして磁性粒子(E−10)を得た。
実施例1において金属アルコキシド(N−1)6.0部をテトラエトキシチタン[和光純薬工業(株)製]である金属アルコキシド(N−2)6.0部に代える以外は、実施例1と同様にして磁性粒子(E−11)を得た。
実施例1において、金属アルコキシド(N−1)6.0部を、テトラエトキシシラン4.8部及びテトラエトキシチタン1.2部の混合物である金属アルコキシド(N−3)に代える以外は、実施例1と同様にして磁性粒子(E−12)を得た。
実施例3と同様にして超常磁性金属酸化物粒子(C−3)を得た。実施例1において、(C−1)の代わりに(C−3)を用い、(C−3)と混合するテトラエトキシシラン6.0部をアルミニウムエトキシド[和光純薬工業(株)製]である金属アルコキシド(N−4)6.0部に代え、乳化の際のヒストコロンの回転数を15,000rpmから10,000に代える以外は、実施例1と同様にして磁性粒子(E−13)を得た。
反応容器に塩化鉄(III)6水和物2.7部、塩化鉄(II)4水和物1.0部及び水375部を仕込んで溶解させて50℃に昇温し、撹拌下温度を50〜55℃に保持しながら、25%アンモニア水3.8部と水100部を混合した溶液を1時間かけて滴下し、滴下後1時間撹拌し、水中にマグネタイト粒子(C−1’)を得た。得られたマグネタイト粒子(C−1’)に分散剤(K−1)であるオレイン酸10.5部加え、2時間撹拌を継続した。室温に冷却後、デカンテーションにより固液分離して得られたオレイン酸が吸着したマグネタイト粒子を水50部で洗浄する操作を3回行った。得られたオレイン酸が吸着したマグネタイト粒子を容器に仕込み、デカン5.7部及びテトラエトキシシラン(N−1)2.2部を加えて混合し、分散液(A−1’)を調製した。
反応容器にアンモニア(Q−1)25%水溶液39.0部、イソプロパノール55.4部、ソルビタンモノオレエート2.9部(三洋化成工業株式会社製「イオネットS−80」)(P−1’)及びポリオキシエチレン(付加モル数20モル)アルキルエーテル(三洋化成工業株式会社「エマルミン200」)(P−2’)2.0部を加えてヒストコロンを用いて混合し、50℃に昇温後、ヒストコロンの回転数6,000rpmで攪拌しながら、上記分散液(A−1’)を1時間かけて滴下後、50℃で1時間乳化反応させた。反応後、2,000rpmで5分間遠心分離して微粒子の存在する上清を除いた。得られた固相に水50部を加えて粒子を分散させて1,000rpmで10分間遠心分離後、微粒子の存在する上清を除く操作を10回行った。続いて、得られた固相に水50部を加えて粒子を分散させて500rpmで5分間遠心分離することにより、大きな粒子径の粒子を沈降させて目的とする粒子径を有する粒子を含有する上清(1)を回収した。残った固相に水50部を加えて500rpmで5分間遠心分離後、上清(2)を回収する操作を2回行い、固相中に存在する目的とする粒子径を有する粒子を回収した。次に、上清(1)及び(2)について、磁石を用いて粒子を集磁し、集磁された粒子を80℃で8時間乾燥させて比較磁性粒子(E−1’)を得た。
実施例1において、テトラエトキシシランの仕込量を6.0部から24.0部に代えた以外は、実施例1と同様にして比較磁性粒子(E−2’)を得た。
実施例1において、テトラエトキシシランの仕込量を6.0部から2.0部に代え、乳化の際のヒストコロンの回転数を15,000rpmから10,000rpmに代えた以外は、実施例1と同様にして比較磁性粒子(E−3’)を得た。
実施例1において、乳化の際のヒストコロンの回転数を15,000rpmから4,000rpmに代えた以外は、実施例1と同様にして比較磁性粒子(E−4’)を得た。
100部の硫酸第一鉄を1,000部の水に溶解し、撹拌下、水500部に水酸化ナトリウム28.8部を溶解した水溶液を1時間かけて滴下後、撹拌しながら、85℃まで昇温して空気を懸濁液に吹き込み8時間酸化し、遠心分離することにより得られたマグネタイト粒子(C−2‘)を得た。マグネタイト粒子(C−2‘)2.2部をテトラエトキシシラン6.0部と混合して分散液(R−1)を得た。分散液(A−1)を分散液(R−1)に代える以外は、実施例1と同様にして比較磁性粒子(E−5’)を得た。
任意の200個の超常磁性金属酸化物について、走査型電子顕微鏡(型番JSM−7000F、メーカー名日本電子株式会社)で観察して粒子径を測定し、その平均値を平均粒子径とした。
任意の200個の磁性粒子(E)について、査型電子顕微鏡(型番JSM−7000F、メーカー名日本電子株式会社)で観察して粒子径を測定し、その平均値を平均粒子径とした。
任意の20個の磁性粒子(E)について、上記走査型電子顕微鏡で観察し、エネルギー分散型X線分光装置(型番INCA Wave/Energy、メーカー名オックスフォード)により超常磁性金属酸化物の含有量を測定してその平均値を含有量とした。
形状係数SF1、SF2の測定は、走査型電子顕微鏡で、5,000〜20,000倍で撮影し、得られた画像から50個の粒子を無作為に選択し、これを画像解析装置(Mac−VIEWメーカー名マウンテック)に導入して解析を行い、平均のSF1、SF2の値を算出した。
1.0mgの磁性粒子(E)を2mLのイオン交換水に分散させ、口内径×胴径×全高=φ10.3mm×φ12.0mm×35mmのガラス容器に入れ、1cm×1cm×1cmのネオジウム磁石を側面につけ、紫外可視分光光度計(装置型番UV−1800、メーカー名株式会社島津製作所)を使用して、初期吸光度が20%となるまでの時間を測定した。この時間が短いほど集磁性が良好である。
1重量%γ−アミノプロピルトリエトキシシラン含有アセトン溶液40mLの入った蓋付きポリエチレン瓶またはポリスチレン瓶に、磁性粒子(E)40mgを加え、25℃で1時間反応させ、磁石で粒子を集磁後、液をアスピレーターで吸引除去した。次いで脱イオン水40mLを加えて蓋をし、当該瓶をゆっくりと2回倒置撹拌した後、磁石で粒子を集磁後、液をアスピレーターで吸引除去して磁性粒子(E)を洗浄した。この洗浄操作を3回行った。次いで、この洗浄後の磁性粒子(E)を2重量%グルタルアルデヒド含有水溶液40mLの入った蓋付きポリエチレン瓶またはポリスチレン瓶に加え、25℃で1時間反応させた。そして、脱イオン水40mLを加えて蓋をし、当該瓶をゆっくりと2回倒置撹拌したのち、磁石で粒子を集磁後、液をアスピレーターで吸引除去して磁性粒子(E)を洗浄した。この洗浄操作を3回行った。更にこの洗浄後の磁性粒子(E)を抗AFPモノクローナル抗体(ダコジャパン社より購入)80μg/mLの濃度で含む0.02Mリン酸緩衝液(pH8.7)40mLの入った蓋付きポリエチレン瓶またはポリスチレン瓶に加え、25℃で1時間反応させた。反応後、抗AFP抗体含有リン酸緩衝液を除去し、抗AFP抗体結合磁性粒子(E)を作製した。これを0.1%の牛血清アルブミン含有の0.02Mリン酸緩衝液(pH7.2)40mLに浸漬し5℃で保存した。
抗AFPポリクローナル抗体(ダコジャパン社より購入)、西洋ワサビ由来ペルオキシダーゼ(東洋紡製、以下PODと略記する)を用い、文献(エス・ヨシタケ、エム・イマガワ、イー・イシカワ、エトール;J.Biochem.,Vol.92,1982,1413−1424)に記載の方法でPOD標識抗AFP抗体を調製し、−30℃で冷凍保存した。
磁性粒子(E)表面にAFP抗体を固定化させ、以下に示す免疫測定を行い、洗浄性について以下の基準で判定した。
0.1%牛血清アルブミン含有リン酸緩衝液中の抗AFP抗体結合磁性粒子(E)を磁石で集磁後、液をアスピレーターで除去し、抗AFP抗体結合磁性粒子(E)に生理食塩水0.5mLを加えて粒子の集磁後液をアスピレーターで除去する洗浄操作を3回行った。該磁性粒子(E)と、1重量%の牛血清アルブミンを含有したリン酸緩衝液で調製したAFP濃度が0ng/mLの標準溶液0.025mLと免疫反応用緩衝液[0.1重量%の牛血清アルブミン、0.85重量%の塩化ナトリウム及び0.5重量%のポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(界面活性剤)を含有する0.02Mリン酸緩衝液(pH7.2)]0.025mLを試験管に入れ、試験管中で37℃、3分間反応させた。反応後、試験管の外側から磁石で粒子を10秒間集め、試験管中の液をアスピレーターで除き、次いで生理食塩水0.5mLを加えて粒子を分散させて集磁後、さらにアスピレーターで液を除く洗浄操作を3回行った。続いて、洗浄した磁性粒子(E)に、POD標識抗AFP抗体を200nM含有する免疫反応緩衝液0.025mLを試験管に注入し、試験管中で37℃、3分間反応させた。反応後、該試験管の外側から磁石で粒子を10秒間集め、試験管中の液をアスピレーターで除き、生理食塩水0.5mLを加えて粒子を分散させて集磁後、アスピレーターで液を除く洗浄操作を2回行った。
最後に、洗浄した磁性粒子(E)に、発光試薬A[0.18g/Lのルミノールと0.1g/Lの4−(シアノメチルチオ)フェノールとを含有する0.1Mトリス/塩酸緩衝液(pH9.0)]0.07mLと0.01%過酸化水素水0.07mLとを同時に加え、37℃で43秒間発光反応させ、発光試薬を添加後43〜45秒の平均発光量を発光検出器[BLR−201(アロカ社製):光電子倍増管を使用]で測定した。この平均発光量を測定し、洗浄性を平均発光量(単位cps)で示した。発光量が小さいほど洗浄性が良好である。
抗AFP抗体結合磁性粒子(E)を25μg含有する上記牛血清アルブミン含有リン酸緩衝液中の粒子を磁石で集磁後、液をアスピレーターで除去し、生理食塩水0.5mLを加えて粒子を集磁後液をアスピレーターで除去する洗浄操作を3回行った後、該磁性粒子(E)と、1重量%の牛血清アルブミンを含有したリン酸緩衝液で調製したAFP濃度が2ng/mLの標準AFP液0.025mLと免疫反応用緩衝液[0.1%の牛血清アルブミン、0.85%の塩化ナトリウム及び0.5%のポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(界面活性剤)を含有する0.02Mリン酸緩衝液(pH7.2)]0.025mLを試験管に入れ、試験管中で37℃、3分間反応させ、粒子/AFP複合体を形成させた。反応後、試験管の外側から磁石で粒子を10秒間集め、試験管中の液をアスピレーターで除き、生理食塩水0.5mLを加えて粒子を分散させて集磁後、アスピレーターで液を除く洗浄操作を3回行った。
免疫測定感度については、AFP濃度が0ng/mLと2ng/mLの標準溶液を用いた免疫測定を行った場合の発光量の差を求めた。発光量の差が大きいほど感度が高い。
磁性粒子(E)表面にAFP抗体を固定化し、反応後の反応液を以下に示すように液体クロマトグラフィーを用いてピーク面積解析を行い、反応前後でのピーク面積の差算出し、磁性粒子(E)に結合した抗体量とした。差が大きいほど抗体の固定化量が多い。
AFP免疫測定法と同様に抗体結合粒子を作製する。
磁性粒子(E)を抗AFPモノクローナル抗体を80μg/mLの濃度で含む0.02Mリン酸緩衝液(pH8.7)40mLの入った蓋付きポリエチレン瓶に加え、25℃で1時間反応させた。反応後、抗AFP抗体含有リン酸緩衝液を回収し、回収溶液と反応前の溶液について液体クロマトグラフで解析(型番CLASS−VP、メーカー名島津製作所)を行った。得られたピークの面積の差から磁性粒子(E)に結合した抗体量を算出し、磁性粒子(E)1mg当たりの固定化抗体量(単位μg)とした。
Claims (10)
- 平均粒子径が1〜15nmの超常磁性金属酸化物粒子(C)を非磁性金属酸化物(D)中に含有し、(C)と(D)の合計重量に対して(C)を60〜95重量%含有してなる磁性粒子であって、該磁性粒子の平均粒子径が1〜5μmであり、かつ形状係数SF1が101〜200であり、かつ形状係数SF2が110〜220である磁性粒子。
- 前記非磁性金属酸化物(D)が、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化イットリウムおよび酸化タンタルからなる群から選ばれる少なくとも1種の非磁性金属酸化物である請求項1に記載の磁性粒子。
- 前記超常磁性金属酸化物粒子(C)が酸化鉄(F)を含有してなる請求項1または2に記載の磁性粒子。
- 表面にグルタルアルデヒド、アルブミン、カルボジイミド、ストレプトアビジン、ビオチンおよび官能基を有する非磁性金属アルコキシド(N)からなる群から選ばれる少なくとも1種の有機化合物を結合させてなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の磁性粒子。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の磁性粒子からなる生体物質結合用磁性担体。
- 生体物質(J)が固定化されてなる請求項5に記載の磁性担体。
- 前記生体物質(J)が、相互に特異的結合を有する抗体もしくは抗原のいずれか一方、又は生体レセプターもしくはリガンドのいずれか一方である請求項6に記載の磁性担体。
- 平均粒子径が1〜15nmの超常磁性金属酸化物粒子(C)、(C)の重量に基づいて30〜1500重量%の非磁性金属アルコキシド(N)、および分散剤(K)を含有する分散液(A)と、水(L)、非イオン性界面活性剤(P)及び金属アルコキシドの加水分解用触媒(Q)を含有する溶液(B)とを混合して水中油型エマルションを形成する工程を含み、かつ全工程中で有機溶剤を用いない請求項1〜4のいずれか1項に記載の磁性粒子の製造方法。
- 前記分散剤(K)が、分子内にカルボキシル基を1個有する炭素数10〜30の有機化合物である請求項8に記載の製造方法。
- 前記非イオン性界面活性剤(P)が、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、及び高級アルコールエチレンオキサイド付加物からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項8または9に記載の製造方法。
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