JP5801819B2 - リン酸の生成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、リン鉱石を硫酸によって分解(attaque)することにより、リン酸を生成するための方法に関する。
従来のこの種の方法は、硫酸カルシウム二水和物すなわち石膏(CaSO.2HO)の結晶化が起きる条件下で、リン鉱石を硫酸と反応させることからなる。第1の反応器内で得られた石膏スラリーは、その後、第2の反応器中で形成された硫酸塩粒子を拡大し、これによりろ過性の向上を可能とする熟成を受けることができる。続いて、熟成したスラリーをろ過すると、25〜35重量%程度の遊離P含量を有するリン酸が得られる。得られた石膏は、分解を受けていない、又は共結晶化した、すなわち石膏の結晶格子内に固定されている、十分なPを依然として含有する。これにより、リン酸塩中に含有されているPの抽出収率が制限され、石膏は特定の用途には適さなくなる。
硫酸による分解によってリン酸を生成する方法であって、P濃度及び/又はSO濃度並びに温度をより高くして、半水和物(CaSO.1/2HO)又は無水物の形態で硫酸カルシウムスラリーを生じさせる方法も公知である。この方法では、一般に、濃リン酸及び良好なろ過性の硫酸塩が生じるが、この方法のP抽出収率は、従来方法より低い。場合によっては、上記の分解後さらに、得られた硫酸カルシウム半水和物の硫酸カルシウム二水和物への転換に進む(Schrodterら,Phosphoric Acid and Phosphates,Ullman’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,2008,8及び9頁を参照されたい)。
硫酸カルシウムの3回の結晶化を含む方法も公知であり、この方法では、最初に半水和物に、続いて二水和物に、最後に再び半水和物に結晶化させる(US−A−4,588,570を参照されたい)。
従来方法の結果を改善するため、生成リン酸を石膏スラリーから分離した後には、後者の残りを濃硫酸と混合し任意にその全量を加熱して、石膏を硫酸カルシウム半水和物に転換する。これにより形成された第2のスラリーは、続いてろ過され、その酸性ろ液は、分解ステップに再循環される(FR1485940を参照されたい)。この方法により、Pの抽出収率は、明らかに高くなる。実際、分解の間に石膏中に共結晶化したPは、石膏結晶の可溶化中に放出される。それと共に半水和物として再結晶した硫酸カルシウムは、非常に純粋であり、極めて良くろ過できる。しかし、この方法には、2回のろ過、すなわち、2個のろ過器が必要になり、このため、工業規模では巨大な設備である。
この方法の一代替法によれば、石膏スラリーを形成するための従来方法の条件を適用した後に、上記後者を硫酸と直接混合し、任意に加熱し、したがって、生成リン酸を予め分離しない。得られた半水和物スラリーをろ過すると、非常に純粋な半水和物ケーキが生じるが、リン酸と硫酸の混合物により形成されたろ液も生じる。高品質の生成リン酸を得るためには、この混合物を次いで、硫酸除去設備にかけねばならず、したがって、嵩ばりの課題は解決されない。前述の方法に非常に類似し、二水和物の半水和物への転換を含む、リン酸を生成するための他の方法も公知であり、同じ欠点を有する(GB−1,164,836、US−A−3,984,525)。
最後に、生じた石膏がろ過可能な粒度を有する第1のスラリーを得るため、リン鉱石を従来方法の分解条件に再度さらす方法が公知である。その後、この第1のスラリーの一部を採取し、石膏が半水和物に転換する条件とし、これにより、第2のスラリーが形成される。次に、第1のスラリーの残りを第2のスラリーと混合し、その全量をろ過する(WO2005/118470を参照されたい)。
本発明の目的は、生成リン酸の品質及びリン鉱石からのPの抽出収率を改善する方法であって、リン鉱石を硫酸によって分解することによりリン酸を生成する方法を開発することである。本方法はさらに、既存の従来設備内に容易に適用できるべきであり、したがって、費用が高く、経済性の観点から容認できない変換を必要とすべきではない。
上述の課題を解決するために、本発明によれば、リン酸を生成するための方法であって、
70から90℃の間に含まれる第1の温度において、リン鉱石を硫酸によって水性媒体中で分解するステップであって、38から50重量%の間に含まれる遊離P含量と、0.5重量%未満であり且つ0.05重量%を超える遊離SO含量とを有する酸性水相中に、懸濁した硫酸カルシウム二水和物結晶の第1のスラリーを形成するステップ、
この第1のスラリーを転換するステップであって、90℃を超える温度まで加熱して、硫酸カルシウム二水和物結晶を可溶化し、可溶化した硫酸カルシウムを再結晶させて、リン酸による水相中に懸濁した、硫酸カルシウム半水和物結晶から形成された、第2のスラリーを生じるステップ、及び
2重量%未満であり且つ0.05重量%を超える遊離SO含量を有する生成リン酸と、硫酸カルシウム半水和物を主体としたろ過ケーキとに、第2のスラリーを分離するステップを含む方法が提供される。
本特許出願では、遊離リン酸含量と遊離硫酸含量は、遊離Pと遊離SOで表されると理解されたい。
当業者ならば半水和物の形成を予想しようが、全く予想外なことに本発明は、後で説明するように、分解ステップ中に特定の条件下で、二水和物結晶スラリーを生じる。二水和物の結晶化は最適なものではなく、この結晶は微小であり、d50が20μm未満の粒度を有する。このようなスラリーは、非常に低いろ過係数を有すると思われるため、そのろ過が必要になるプロセスには、工業的に利用できないであろう。しかし、この第1のスラリーは、ろ過することを意図していないので、この点は、本発明によれば重要ではない。
分解条件は、導入した硫酸と、主に炭酸カルシウム及びリン酸カルシウムの形態でリン鉱石中に含有されているカルシウムとの、実質的に化学量論的な反応を起こすような条件である。分解によって生じる、この第1のスラリーの酸性水相は、遊離硫酸を含有しない、又は極めてわずかにしか含有せず、その遊離P含量は非常に高い。
分解温度は、有利には70から80℃の間に含まれ得る。
より好ましくは、分解ステップから生じる遊離P濃度は、40から45重量%までであり得る。
第1のスラリーの酸性水相の遊離SO濃度は、0.1から0.4重量%までであり得る。
次に、この第1のスラリーの全量に対して直接、90℃を超える温度、好ましくは90から105℃の間に含まれる温度まで該スラリーを加熱することからなる転換ステップを施す。公知なように、この加熱により、石膏結晶が可溶化し、分解ステップの間に石膏中に共結晶化したPが放出され、硫酸カルシウムが半水和物の形態で再結晶する。
この結果、第2のスラリーは、簡単且つ容易に得られ、このとき、半水和物結晶は、球形且つ一般的なサイズ、例えば、d50が60μmのものであり、これにより、優れたろ過係数を有するろ過ケーキが生じる。
生成酸の遊離SO含量は、極めて低く、有利には、0.05重量%〜1重量%未満程度であり、このため、該生成酸は、高品質のリン酸となっている。有利には、35から45重量%までの遊離P含量を有する生成リン酸を得ることができる。
本発明の一実施形態によれば、第1のスラリーを加熱するステップは、硫酸の添加を全く含まない。しかし、本方法は、第1のスラリーを転換するステップ中に、上記第1のスラリーへの硫酸を添加してもよい。しかし、硫酸の添加量は、第2のスラリーをろ過した後の生成リン酸が、2重量%未満、好ましくは0.05〜1.5重量%程度、特に、0.05〜1重量%未満程度の遊離SO含量を含有するように厳密に計量すべきである。硫酸により、上記生成リン酸が、リン酸としての使用に適さなくなり、硫酸除去ステップが必要にならないように、リン酸を硫酸によって汚染しないようにこの含量を超えないことが重要である。
本発明の好ましい一実施形態によれば、本方法は、第1の反応器内での分解ステップと、第1の反応器から、転換ステップが実施され第2のスラリーが形成される第2の反応器への第1のスラリーの移送を、分離ステップはろ過器上で実施される。この方法の利点は、硫酸による従来の分解によってリン酸を生成するための既存の設備内で使用できることである。第1の反応器は、従来設備の分解用反応器であり、この中では、様々な分解条件が適用される。第2の反応器は、従来設備の熟成用反応器である。本発明によれば、分解によって生じる石膏粒子を大きくすることは必要ではないので、この熟成用反応器を転換用反応器として使用してもよい。最後に、従来設備のろ過器を、石膏の代わりに半水和物をろ過するのに使用してもよい。このろ過器は、公知の適切な任意のろ過装置、例えば、帯状ろ過器、特に、カルーセル(carrousel)のように配置されたろ過用セルを有する装置である。
本発明による方法は、有利には、連続的に実施される。好ましくは、第1の反応器内での滞留時間は2から4時間までであり、第2の反応器内での滞留時間は0.5から1.5時間までである。これらの滞留時間は、従来設備の分解用反応器及び熟成用反応器内での滞留時間に対応する。
本発明の他の実施形態は、添付の特許請求の範囲において示されている。
本発明の他の詳細及び細目は、添付図面を参照することにより、以下の記載から限定を加えることなく明らかとなろう。
本発明による方法を適用する設備の一例を示す、流れ図である。 温度、P濃度、及びSO濃度に対する、二水和物と半水和物の形成領域を示すグラフである。 硫酸による分解によってリン酸を生成するために施した、様々なプロセスを示すグラフである。
図1に図示した設備は、分解用反応器1を備えており、この中に、粉砕したリン鉱石を2から、硫酸、例えば、濃度が98〜99重量%の硫酸を3から導入する。本方法によって生じるリン酸水溶液は、有利には、4から反応器1内に再循環することができる。
この反応器内に適用する操作条件は、下記
温度 70〜80℃
遊離Pの%:38〜50重量%
遊離SOの%:0.05重量%〜<0.5重量%
滞留時間 2〜4時間
である。
当業者の予想とは異なり、二水和物結晶が得られる。
実際に、図2をここで参照することができる。図示したグラフは、A.V.Slack,Phosphoric Acid,Vol.1,Part I,ed.Marcel Dekker Inc.,1968,New Yorkから抜粋している。温度は縦軸に、P及びSOの濃度は横軸に示している。各曲線は、二水和物と半水和物の平衡を表す。これらの曲線より下に位置するグラフの領域は、二水和物の形成条件に対応し、これらの曲線より上に位置するグラフの領域は、半水和物の形成条件に対応する。斜線を細かく入れた楕円は、本発明の分解の好ましい条件を満たす区域を表す。このグラフを検討した時点での予測とは異なり、半水和物結晶ではなく、二水和物結晶の安定なスラリーが、本発明によって得られた。
同じ結論は、P.Becker,Phosphates and Phosphoric Acid.2nded.,Marcel Dekker Inc.,1989,New York−Baselから抜粋したグラフを検討したときにも導き出すことができる。このグラフでは、温度は縦軸に、P濃度は横軸に示されている。グラフの左下の隅には、二水和物の形成領域が見出され、右上の隅には、無水石膏の形成領域が見出され、これら2つの間には、半水和物の形成領域が見出される。区域Aは、石膏が形成される従来方法の条件に対応する。矢印でつながった区域BとC、及び矢印でつながった区域DとEは、最初に半水和物を形成し、続いて上記後者を二水和物に転換する、2つの方法の条件に対応する。矢印でつながった区域FとGは、最初に二水和物を形成し、続いて上記後者を半水和物に転換する方法の条件を表す。
アスタリスクが1個付いた楕円は、本発明による分解条件を満たし、この第1の楕円に矢印でつながった、アスタリスクが2個付いた楕円は、本発明による転換条件を満たす。
したがって、当業者の一般的知識によれば、半水和物の形成は、これらの2つの楕円に対応した両方の区域内に予想され得るが、そのようにはならず、このこと自体がすでに驚くべきことである。
次に、上記反応器1内で得られた石膏スラリーのすべてを、それ自体は公知の移送手段を備えた導管6の中を通して、転換用反応器7まで移送する。この反応器内には、下記の操作条件
温度:90〜105℃
の%:35〜45重量%
SOの%:0.1重量%〜<1.0重量%
滞留時間:0.5〜1.5時間
を適用する。
この反応器を加熱するためには、一般的な手段、例えば、直接加熱、転換媒体への蒸気の注入、又はこれら両方の組合せを適用できる。当然ながら、他の適切な任意の熱源を、この目的のために使用してもよい。加熱の影響により、石膏結晶が可溶化し、共結晶化していたPが放出され、硫酸カルシウムが、比較的純粋な半水和物結晶として再結晶する。
一代替方法によれば、石膏の半水和物への転換をさらに改善するために、計量した少量の硫酸を転換用反応器7内に添加することができる。しかし、この量は、生成酸中の遊離SO含量が、2重量%未満、好ましくは1重量%になるようにすべきである。生成酸は、この硫酸の添加によっては汚染され得ない。
図示した方法は、反応器7のスラリーを導管9の中を通して、一般的なろ過器10まで移送することを含む。
ろ過器の第1の区画内では、生成リン酸であるろ液、及びろ過ケーキが、11から得られる。
図示した方法は、ケーキを洗浄するための2つのステップを含む。2回目の洗浄は、12から供給する洗浄液、好ましくは水によって実施する。
この洗浄により13から得られた生成物は、14から第1の洗浄ステップに供給する洗浄液として使用される、高いリン酸含量を有する水溶液である。この第1の洗浄によって15から得られる生成物は、再循環用導管16を介して、4から分解用反応器1に再循環することができるリン酸水溶液である。
いわゆる従来方法に比べると、本発明による方法が提供する利点は、抽出収率の改善、再結晶化、及び、従来方法によって得られる25〜30重量%ではなく、35重量%を超える、高いP含量を有する酸の生成収率である。この乾燥半水和物ケーキは、工業的に非常に有用である。水又は湿気の存在下で半水和物は石膏に再転換し、その貯蔵特性は非常に良好である。これらの改善は、既存の設備内で、その大きさを増大させることなく、簡単に達成することができる。
本発明による方法を、限定を加えるものではない例示的な実施形態により、以下により詳しく説明する。
(例1)
パイロット試験を、29.5%のP、45.3%のCaO、3.2%のF、3.8%のCOを含有した中東産のリン酸塩堆積物に対して実施した。
粉砕した上記鉱石の粒度分布は、リン酸工場内で一般に使用されるものに近かった(500μmで1.1%が通過、150μmで48.8%が通過、及び75μmで70%が通過)。
このリン酸塩を、供給スクリューにより、容積が30リットルの分解用反応器内に導入し、流速(3.2kg/h)を重量低減装置によって制御する。2個の計量ポンプにより、硫酸(2.5kg/h)と、ろ過ケーキの洗浄から再循環した酸(9.2kg/h)とが注入される。温度は、加熱装置により、必要な値に一定に維持される。
硫酸によるリン酸塩への分解は、下記の条件下で実施した。
含量:38.2重量%
SO過剰量:0.45重量%
温度:76℃
固形分:33重量%
分解パルプの出力流速は、約9l/hである。したがって、分解反応器内での平均滞留時間(反応器の容積と二水和物スラリーの出力流速との比として計算)は、約30l/9l/h=3.3時間である。これらの条件下では、微小なサイズの二水和物結晶(20μm未満のd50)の安定なスラリーが得られる。これらは、主に、孤立した結晶であるが、十字形や星形の結晶も認められる。これらの結晶は、非常に低いろ過性を有すると思われ、ろ過されない。
次に、この第1のステップ中に得られた石膏スラリーを、第2の反応器内で95℃まで加熱する。硫酸を少量(約300g/h)、通常のリン酸(1.3重量%)の遊離SO含量を得るために添加する。上記の条件下では、石膏の半水和物への再結晶化は、非常に容易だった。球形で通常サイズ(d50=60μm)の結晶が得られた。
ろ過係数を決定するために、ろ過試験と洗浄試験を半水和物スラリーに対して実施した。得られた係数は、非常に良好である(日/m当たり11.3トンのP)。
生成したリン酸は、35.3重量%のP及び1.3重量%の遊離SOを含有する。得られたろ過半水和物ケーキは、0.53重量%の合計P含量を有し、これは、97.9重量%の合計P抽出収率(分解及びろ過)に相当する。半水和物ケーキは、遊離水分が22.5%であり、結晶水が6.3%であり、これにより、半水和物であることが実際に確認される。再水和後には、遊離水分は、約9.5%に低下する。
(例2)
硫酸カルシウムとリン酸から、Pが50%、SOが0.15%の重量力価で形成されたスラリーを、北アフリカ産リン酸塩(30%のP、50.1%のCaO、3.6%のF)を分解することによって得る。
これは、温度が72℃のときに二水和物として安定である。
次に、これを、1℃/5分で加熱する。温度が100℃に達したとき、温度のわずかな低下(吸熱プロセス)を特徴とする、二水和物/半水和物の転換の開始が認められる。
温度が102℃に達したとき、転換は終了し、このときの硫酸カルシウム半水和物は、安定な形態である。転換は、顕微鏡下で結晶を観察することによって確認する。得られたリン酸は、48.2%のP及び0.14%のSOを含有する。
(例3)
硫酸カルシウムとリン酸から、Pが41.6%、SOが0.4%、Alが0.24%、Fが0.99%の重量力価で形成されたスラリーを、北アフリカ産リン酸塩を分解することによって得る。
これは、温度が78℃のとき、少なくとも8時間は二水和物として安定である。
次に、これに、0.2%刻みで硫酸を添加する。液相中のSO含量が0.6%のとき、両方の相(二水和物及び半水和物)は安定であり、共存する。液相中のSO含量がSOの0.8%であるとき、半水和物への転換は完了であり、このときの半水和物相は、安定な形態である。転換は、顕微鏡下での結晶の観察、結晶水(6.18%)の測定、及びX線回折(XRD:X−ray diffraction)によって確認する。
本発明は、上述した実施形態に限定されることは決してなく、添付の特許請求の範囲内で多数の変更を加えることができると理解されたい。

Claims (10)

  1. 70から90℃の間に含まれる第1の温度において、リン鉱石を硫酸によって水性媒体中で分解するステップであって、38から50重量%の間に含まれる遊離P含量と、0.5重量%未満であり且つ0.05重量%を超える遊離SO含量とを有する酸性水相中に、懸濁した硫酸カルシウム二水和物結晶の第1のスラリーを形成するステップ、
    前記第1のスラリーを転換するステップであって、90℃を超える温度まで加熱して、硫酸カルシウム二水和物結晶を可溶化し、可溶化した硫酸カルシウムを再結晶させて、リン酸による水相中に懸濁した、半水和物硫酸カルシウム結晶から形成された第2のスラリーを生じるステップ、及び
    2重量%未満であり且つ0.05重量%を超える遊離SO含量を有する生成リン酸と、硫酸カルシウム半水和物を主体としたろ過ケーキとに、第2のスラリーを分離するステップ
    を含む、リン酸を生成するための方法。
  2. 得られた生成リン酸が、35から45重量%までのP含量を有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 第1のスラリーを転換するステップ中に、硫酸の第1のスラリーへの導入を含むことを特徴とする、請求項1及び2のいずれか一項に記載の方法。
  4. 第1のスラリーを加熱するステップが、硫酸の添加を全く含まないことを特徴とする、請求項1及び2のいずれか一項に記載の方法。
  5. 第1の反応器内での分解ステップと、転換ステップを実施して第2のスラリーを形成することになる第2の反応器に、第1の反応器の第1のスラリーを移送するステップとを含み、分離ステップが、ろ過器上で実施されることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか一項に記載の方法。
  6. 加熱ステップが、第2の反応器の加熱、第2のスラリーへの蒸気の注入、又はこれらのプロセス両方の同時実施により行われることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
  7. 第1の反応器内での滞留時間が、2から4時間までであり、第2の反応器内での滞留時間が、0.5から1.5時間までであることを特徴とする、請求項5及び6のいずれか一項に記載の方法。
  8. ろ過ケーキを洗浄液によって洗浄し、リン酸洗浄生成物を得るための少なくとも1つのステップをさらに含むことを特徴とする、請求項1から7までのいずれか一項に記載の方法。
  9. 少なくとも1つの前記洗浄ステップから生じたリン酸洗浄生成物を、分解ステップに再循環するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  10. 連続的に実施されることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか一項に記載の方法。
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