JP5801515B1 - トマト含有飲食品 - Google Patents

トマト含有飲食品 Download PDF

Info

Publication number
JP5801515B1
JP5801515B1 JP2015521908A JP2015521908A JP5801515B1 JP 5801515 B1 JP5801515 B1 JP 5801515B1 JP 2015521908 A JP2015521908 A JP 2015521908A JP 2015521908 A JP2015521908 A JP 2015521908A JP 5801515 B1 JP5801515 B1 JP 5801515B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tomato
water
food
alanine
concentration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015521908A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2015170605A1 (ja
Inventor
大嶋 俊二
俊二 大嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Group Holdings Ltd
Original Assignee
Asahi Group Holdings Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Group Holdings Ltd filed Critical Asahi Group Holdings Ltd
Priority to JP2015521908A priority Critical patent/JP5801515B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5801515B1 publication Critical patent/JP5801515B1/ja
Publication of JPWO2015170605A1 publication Critical patent/JPWO2015170605A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/185Acids; Anhydrides, halides or salts thereof, e.g. sulfur acids, imidic, hydrazonic or hydroximic acids
    • A61K31/19Carboxylic acids, e.g. valproic acid
    • A61K31/195Carboxylic acids, e.g. valproic acid having an amino group
    • A61K31/197Carboxylic acids, e.g. valproic acid having an amino group the amino and the carboxyl groups being attached to the same acyclic carbon chain, e.g. gamma-aminobutyric acid [GABA], beta-alanine, epsilon-aminocaproic acid, pantothenic acid
    • A61K31/198Alpha-aminoacids, e.g. alanine, edetic acids [EDTA]
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23LFOODS, FOODSTUFFS, OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES, NOT COVERED BY SUBCLASSES A21D OR A23B-A23J; THEIR PREPARATION OR TREATMENT, e.g. COOKING, MODIFICATION OF NUTRITIVE QUALITIES, PHYSICAL TREATMENT; PRESERVATION OF FOODS OR FOODSTUFFS, IN GENERAL
    • A23L2/00Non-alcoholic beverages; Dry compositions or concentrates therefor; Their preparation
    • A23L2/02Non-alcoholic beverages; Dry compositions or concentrates therefor; Their preparation containing fruit or vegetable juices
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23LFOODS, FOODSTUFFS, OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES, NOT COVERED BY SUBCLASSES A21D OR A23B-A23J; THEIR PREPARATION OR TREATMENT, e.g. COOKING, MODIFICATION OF NUTRITIVE QUALITIES, PHYSICAL TREATMENT; PRESERVATION OF FOODS OR FOODSTUFFS, IN GENERAL
    • A23L33/00Modifying nutritive qualities of foods; Dietetic products; Preparation or treatment thereof
    • A23L33/10Modifying nutritive qualities of foods; Dietetic products; Preparation or treatment thereof using additives
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23LFOODS, FOODSTUFFS, OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES, NOT COVERED BY SUBCLASSES A21D OR A23B-A23J; THEIR PREPARATION OR TREATMENT, e.g. COOKING, MODIFICATION OF NUTRITIVE QUALITIES, PHYSICAL TREATMENT; PRESERVATION OF FOODS OR FOODSTUFFS, IN GENERAL
    • A23L33/00Modifying nutritive qualities of foods; Dietetic products; Preparation or treatment thereof
    • A23L33/10Modifying nutritive qualities of foods; Dietetic products; Preparation or treatment thereof using additives
    • A23L33/17Amino acids, peptides or proteins
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K36/00Medicinal preparations of undetermined constitution containing material from algae, lichens, fungi or plants, or derivatives thereof, e.g. traditional herbal medicines
    • A61K36/18Magnoliophyta (angiosperms)
    • A61K36/185Magnoliopsida (dicotyledons)
    • A61K36/81Solanaceae (Potato family), e.g. tobacco, nightshade, tomato, belladonna, capsicum or jimsonweed

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Natural Medicines & Medicinal Plants (AREA)
  • Nutrition Science (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Mycology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Botany (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Alternative & Traditional Medicine (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
  • Non-Alcoholic Beverages (AREA)
  • General Preparation And Processing Of Foods (AREA)

Abstract

発明の課題は、飲酒後の血中アルコール濃度を低減させる飲食品を提供することである。課題の解決手段は、トマト果実由来の非水溶性成分及びアラニンを含有する飲食品である。

Description

本発明は飲酒後の血中アルコール濃度を低減させるトマト含有飲食品に関する。
飲酒により体内に摂取されたアルコールは肝細胞内のミトコンドリアにより代謝され、肝毒性の強いアセトアルデヒドに分解され、次いでアセトアルデヒドは速やかに酢酸に分解される。酢酸は、肝臓から血中に放出され、末梢組織のエネルギー源としてTCA回路に入り、最終的には、二酸化炭素と水に分解される。
アルコールが吸収されることによる生体への影響に対して、これまでに軽減効果が期待される物質が多数報告されている。例えば、特許文献1には、デキストリン類を有効成分とする血中アルコール濃度抑制剤が開示されている。
特許文献2には、アラニンとグルタミンとを1:0.001以上のモル濃度比で併用する抗アルコール症組成物が記載されている。ラットを用いた実験において、アラニン及びグルタミン(モル比5:1)を摂取させることにより、アルコール摂取後のマウスの血中アルコール濃度が低下したことが記載されている(実施例III、表4)。
しかしながら、特許文献2には、アラニンに対するグルタミンの併用比率について、1/1000倍を下回ると、ほとんどその効果は期待できなくなる、と記載されている(第2頁右上欄第8〜11行)。この記載は、アラニンを単独で使用したのでは、血中アルコール濃度低下効果等が得られないことを意味している。
非特許文献1には、トマトジュース缶3本(約160ml×3本)と焼酎甲類(ストレート約100ml)の同時摂取により、水と焼酎甲類を摂取した場合と比較して、血液中のアルコール濃度が最高血中濃度として約3割低下したことが記載されており(研究1)、トマトの摂取が急激なアルコール濃度の上昇を抑えることで酔いの回りを緩やかにすることが示唆されている(結論1)。
また、非特許文献1には、トマトとアルコールを一緒に摂ることで血中のアルコール濃度が低下するメカニズムを検討するために、ラットにトマトの水溶性成分を摂取させ、その後アルコールを投与し、肝臓中のアルコール代謝に関連する酵素の活性を測定する実験が行われ(研究2)、その結果、アルコールおよびアセトアルデヒドを代謝する酵素の活性を高める傾向が見られ、さらにLDH(アルコールの代謝を促進する上で重要な酵素)の活性が有意に高まったことが記載されている(図2)。
しかしながら、非特許文献1には、トマト果実由来の非水溶性成分の機能作用については記載されていない。
血中アルコール濃度低下効率がトマトジュース等より高く、安全性にも優れた食品素材が求められている。
特開2013−124243号公報 特開昭63−54320号公報
「トマトが飲酒後の血中アルコール濃度を低下させることをヒトで確認」http://www.kagome.co.jp/company/news/2012/05/001371.html
本願発明者は鋭意研究の結果、トマト果実に含まれる非水溶性成分を飲酒前に摂取すると、飲酒による酩酊又は泥酔度合いが軽減されることを見出した。そして、トマトに含まれる非水溶性成分を酒酔い軽減剤として使用する発明に係る特許出願を行った(PCT/JP2013/079581)。
本発明は、上記従来の問題を解決するものであり、その目的とするところは、効率的な血中アルコール濃度低下効率を示し、安全性にも優れた飲食品を提供することにある。
本発明は、トマト果実由来の非水溶性成分及び3g/100ml以上の濃度でアラニンを含有する飲食品を提供する。
ある一形態においては、前記アラニンの含有量が、トマト果実由来の非水溶性成分を基準にした重量比として、0.7〜21.4である。
ある一形態においては、前記非水溶性成分が0.45g/100ml以上の濃度を有する。
ある一形態においては、前記非水溶性成分が非水溶性食物繊維を含む。
ある一形態においては、前記飲食品はトマト果汁、トマトペースト又はトマトの絞り粕を含む。
ある一形態においては、前記飲食品は濃縮されたトマト果汁又は希釈されたトマトペーストを含む。
ある一形態においては、前記トマト果汁はトマト果実を搾汁した際に得られる液体成分である。
また、本発明は、血中アルコール濃度低減剤として使用される前記いずれかの飲食品を提供する。
また、本発明は、酒酔い軽減剤として使用される前記いずれかの飲食品を提供する。
また、本発明は、トマト果実由来の非水溶性成分及び3g/100ml以上の濃度でアラニンを含有する血中アルコール濃度低減剤を提供する。
また、本発明は、トマト果実由来の非水溶性成分及び3g/100ml以上の濃度でアラニンを含有する酒酔い軽減剤を提供する。
本発明は、飲酒後の血中アルコール濃度を低減させる飲食品を提供する。本発明の飲食品は、飲酒後の血中アルコール濃度を低減させる結果、大量に飲酒した場合の酩酊又は泥酔度合いを軽減することができる。また、本発明の飲食品はトマト果実及びアラニンを原料とする。トマト果実は可食物であり、アラニンは食品添加物として広く使用されている。従って、本発明の飲食品は、日常的に容易にそして安全に摂取できる。
エタノール、トマト果実由来成分及びアラニンをラットに摂取させた後におけるラットの体重の経時変化を示したグラフである。 エタノール、トマト果実由来成分及びアラニンをラットに摂取させた後におけるラットの血中アルコール濃度を示したグラフである。 エタノール、トマト果実由来成分及びアラニンをラットに摂取させた後におけるラットの積算運動量を示したグラフである。 エタノール、トマト果実由来成分及びアラニンをラットに摂取させた後におけるラットの血中アルコール濃度を示したグラフである。 エタノール、トマト果実由来成分及びアラニンをラットに摂取させた後におけるラットの体重の経時変化を示したグラフである。 エタノール、トマト果実由来成分及びアラニンをラットに摂取させた後におけるラットの体重の経時変化を示したグラフである。 エタノール、トマト果実由来成分及びアラニンをラットに摂取させた後におけるラットの血中アルコール濃度を示したグラフである。 トマト非水溶性成分濃度と血中アルコール濃度低下効果の関係を示したグラフである。 トマト非水溶性成分及びアラニンによる血中アルコール濃度の低下を示したグラフである。 アラニンによるトマト非水溶性成分のアルコール保持能力の増強を示したグラフである。 胃内でのアラニンによるトマトの非水溶性成分のアルコール保持能力の増強を示したグラフである。
本発明でいうトマトは、従来から食用に用いられる品種のトマトである。トマトには、例えば、いわゆるピンク系トマト及び赤系トマトが含まれる。トマトは生食可能になった状態の果実をいう。生食可能になった状態のトマトの果実は、好ましくは完熟期の果実である。トマトの果実とは、可食部をいう。例えば、トマトの蔕及び茎は可食部ではなく、トマトの果実に含まれない。他方、トマトの種及び皮は可食部であり、トマトの果実に含まれる。
トマトの品種としては、例えば、「桃太郎」(商品名)、ファーストトマト、ミニトマト、プラムトマト、「絹子姫」(商品名)、シンディースイート、シンディオレンジ、ごほうび、サンロード、秀麗、パルト、マイロック、りんか409、ルネッサンス、麗夏、麗容及びろくさんまる等の生食用トマト、サンマルツァーノ、チコー3号、くりこま、ふりこま、ハイピール、カゴメ77、KGM952及びKGM993等の加工用トマト、愛知トマト、ジューンピンク及びポンテローザ等の生食加工兼用トマト等が挙げられる。
非水溶性とは水に溶解しないことを意味する。非水溶性成分には非水溶性固形分及び非水溶性食物繊維等が含まれる。食物繊維とは、食物の成分のうち、人の体内で消化酵素によって消化されない難消化性成分をいう。非水溶性食物繊維には、セルロース、ヘミセルロース、リグニン等が含まれることが知られている(Herranz J et al. Journal of Food Sciences, 46, p1927-1981)。
トマト果実由来の非水溶性成分は、具体的には、トマト原料から水溶性成分を除去して得られる固形分である。トマト原料としては、トマト果実、トマト果汁、トマトペースト、乾燥トマト粉末、トマトの絞り粕等が挙げられる。トマト果実は加熱した後のものであってもよい。
トマト原料から水溶性成分を除去する工程は、例えば、必要に応じて破砕したトマト原料を水に投入して撹拌し、次いで水溶性成分を含んだ液部を固体部から分離することにより行う。液部と固体部との分離は、ろ過及び遠心分離等の通常使用される方法を用いて行う。
本発明でいう飲食品は、動物、好ましくは人間が摂取する用途に使用される物品をいう。飲食品の種類としては、飲料、例えば、ドリンク剤、清涼飲料、アルコール飲料等、及び食品、例えば、サプリメント等が挙げられる。
本発明の飲食品は非水溶性成分を含むトマト果実を含有する。より具体的には、本発明の飲食品は、トマト果実由来の非水溶性成分を含有する。機構は明確ではないが、トマト果実由来の非水溶性成分或いはトマト果実由来の非水溶性食物繊維は、生体内環境においてエタノールを吸収し、保持する能力に優れる。そのため、飲酒時に体内にトマト果実由来の非水溶性成分が存在すると、トマト果実由来の非水溶性成分が優先的にエタノールを吸収し、体に吸収されるエタノール量が減少し、血中アルコール濃度が低減する。
本発明の飲食品中のトマト果実由来の非水溶性成分の含有量は、流動性を持つ飲料である場合は、重量/体積濃度として、0.45g/100ml以上であり、0.5g/100ml以上であることが好ましく、0.7g/100ml以上であることがより好ましい。飲食品に含まれるトマト果実由来の非水溶性成分の濃度が0.45g/100ml未満であると飲酒後の血中アルコール濃度低下効率が不十分になる可能性がある。本発明の飲食品はトマト果実由来の非水溶性成分を含む液体又はペーストであってよく、乾燥したトマト果実由来の非水溶性成分を含む粉末等の固体であってもよい。
本発明の飲食品が飲料である場合は、トマト果実由来の非水溶性成分の濃度の上限は4.0g/100mlにすることが好ましい。該濃度が4.0g/100mlを超えるとペースト状になり飲料として成立し難くなる。本発明の飲食品が飲料である場合は、本発明の飲料に含まれるトマト果実由来の非水溶性成分の濃度は、好ましくは0.9〜3.5g/100ml、より好ましくは1.1〜3.0g/100mlである。
別の一形態においては、本発明の飲料に含まれるトマト果実由来の非水溶性成分の濃度は、好ましくは0.5〜3.5g/100ml、より好ましくは0.7〜3.0g/100mlである。
本発明の飲食品が流動性を持たない形態であっても、上記飲料100mlに含まれるトマト果実由来の非水溶性成分の含有量が同等以上であれば、摂取した場合に飲料と同様の効果が得られる。トマト果実由来の非水溶性成分の一回当たりの摂取量は、例えば、0.3g以上、好ましくは0.45g以上、より好ましくは0.7g以上である。
本明細書の実施例に示した飲料の中には、100mlの重量が103gのものがある。そうすると、本発明の飲食品のトマト果実由来の非水溶性成分の含有量は、例えば、0.3g/103g以上、好ましくは0.45g/103g以上、より好ましくは0.7g/103g以上である。
本発明の飲食品は、アラニンを含有する。アラニンは、たん白質を構成する中性のアミノ酸の一つである。アラニンは自然界に広く存在しており、例えば、魚介類に多く含まれている。また、アラニンは、食品衛生法(昭和22年法律第233号)第11条第3項の規定に基づき、人の健康を損なうおそれのないことが明らかであるものとして厚生労働大臣が定める物質であり、食品添加物として広く使用されている。本発明の飲食品で使用するアラニンは市販されているものでよく、ラセミ体でもD体でもL体でもよい。
本発明の飲食品中のアラニンの含有量は、トマト果実由来の非水溶性成分を基準にした重量比として、0.7〜21.4、好ましくは3.3〜14.2、より好ましくは4.3〜11.1である。トマト果実由来の非水溶性成分に対するアラニンの重量比が上記範囲内にあることで、飲酒後の血中アルコール濃度を低減させる効果が向上する。
本発明の飲食品中のアラニンの含有量は、流動性を持つ飲料である場合は、重量/体積濃度として、例えば、1g/100ml以上、好ましくは2g/100ml以上、より好ましくは3g/100ml以上である。飲食品に含まれるアラニンの濃度が1g/100ml未満であると飲酒後の血中アルコール濃度低下効率が不十分になる可能性がある。本発明の飲食品に含まれるアラニンの濃度は、例えば、3g〜25g/100ml、好ましくは4g〜15g/100ml、より好ましくは5g〜10g/100mlである。本発明の飲食品に含まれるアラニンの濃度が15g/100mlを超えると溶解し難くなる。
本発明の飲食品が流動性を持たない形態であっても、上記飲料100mlに含まれるアラニン含有量が同等以上であれば、摂取した場合に飲料と同様の効果が得られる。アラニンの一回当たりの摂取量は、例えば、2g以上、好ましくは3g以上、より好ましくは4g以上、更に好ましくは5g以上である。
本明細書の実施例に示した飲料の中には、100mlの重量が103gのものがある。そうすると、本発明の飲食品のアラニンの含有量は2g/103g以上、好ましくは3g/103g以上、より好ましくは4g/103g以上、更に好ましくは5g/103g以上である。
本発明の飲食品は、トマト果実由来の非水溶性成分とアラニンとを組み合わせることにより製造される。トマト果実由来の非水溶性成分の形状は特定されず、例えば、液媒体を含まない固体、少量の液媒体に分散された半固体又はペースト、液媒体中に分散された液体であってよい。
本発明で使用するトマト果実由来の非水溶性成分を乾燥する場合は、好ましくは80℃より低い温度、より好ましくは60℃より低い温度で行う。トマト果実由来の非水溶性成分を乾燥する方法としては、フリーズドライ、減圧平衡発熱乾燥等が挙げられる。
トマト果実由来の非水溶性成分とアラニンを混合することで本発明の飲食品が得られる。トマト果実由来の非水溶性成分及びアラニンの混合物は、用途に応じて、飲用水又は飲料に添加してもよい。
飲食品を製造する場合、甘味料、香料、ビタミン及び着色料等の添加物や従来から飲食品に用いられる成分(例えば、肝臓エキス、胡麻抽出物が挙げられる)を組み合わせて、錠剤、散剤又はドリンク剤等の形態に調製するのが一般的である。清涼飲料又はアルコール飲料にトマト果実由来の非水溶性成分及びアラニンの混合物を含有させてもよい。これらの飲食品は、慣用された方法により製造すればよい。
ある一形態において、流動性を持つ本発明の飲食品を固形化することができる。固形化の手段としては、乾燥及び凍結等が挙げられる。本発明の飲食品が固形物である場合、非水溶性成分及びアミノ酸等の成分含有率は液体よりも高くなってよい。
本発明の飲食品を乾燥する場合は、好ましくは80℃より低い温度、より好ましくは60℃より低い温度で行う。本発明の飲食品を乾燥する方法としては、フリーズドライ、減圧平衡発熱乾燥等が挙げられる。
本発明の飲食品が乾燥した形態である場合、トマト果実由来の非水溶性成分の含有量は、例えば、0.3〜59重量%、好ましくは4〜25重量%、より好ましくは5〜19重量%である。
本発明の飲食品が乾燥した形態である場合、アラニンの含有量は、例えば、0.2〜95.5重量%、好ましくは7〜65重量%、より好ましくは25〜55重量%である。
本発明の飲食品の形態は特に限定されないが、容器詰飲食品であってよい。容器詰飲食品とは、包装容器に充填された飲食品をいう。容器詰飲食品の具体例としては、びん詰飲食品、缶詰飲食品、プラスチックボトル詰飲食品、真空パック詰飲食品、レトルト飲食品等が挙げられる。
トマト果実由来の非水溶性成分が液媒体中に分散された液体として、トマト果汁、トマトペーストなどを使用することができる。トマト果汁とはトマト果実を搾汁した際に得られる液体成分をいう。搾汁はトマト果実から液体成分を搾って分離する操作をいう。搾汁を行うことでトマト果実中の固体の構成要素が除去されて、得られる飲料は飲み易くなる。例えば、トマト果実を適当な大きさに破砕し、トマト果実の破砕物を搾汁することにより、トマト果汁が得られる。トマト果汁は、市販されているトマトジュースを使用してもよい。
トマト果実の搾汁は、破砕したトマト果実から果皮、種子、芯、へたの除去やパルプ粒子の調整などを行うことができる通常の搾汁機を用いて常法により行うことができ、例えば、ブラウン型(パドル型)又はバタフライ型のパルパーフィニッシャーなどを用いて行うことができる。
トマト果汁は非水溶性成分を含有する。水等の揮発成分をトマト果汁から蒸発させて濃縮することにより、トマト果汁の非水溶性成分の濃度を上記所定の範囲に調節することができる。トマトペーストとはトマト果汁をペースト状になるまで濃縮したものをいう。トマトペーストは、これに水等の溶媒を添加して希釈することにより、非水溶性成分の濃度を上記所定の範囲に調節することができる。
驚くべきことに、本発明の飲食品の血中アルコール濃度の低減効率は、トマト果実由来の非水溶性成分の濃度に対して特異的な依存性を示す。つまり、水分以外のトマト果実由来成分の摂取量を同一にして比較すると、トマト果実由来の非水溶性成分の濃度が高い場合ほど血中アルコール濃度の低減効率が高くなる。この特性を利用すると、トマト果実由来成分の摂取量を増大させなくても、非水溶性成分の濃度を高めることで血中アルコール濃度を低減する効果を増強することができる。つまり、トマト原料の使用量を増やすことなく効率的に血中アルコール濃度の低減効果を得ることができる。
トマト果汁又はトマトペーストの非水溶性成分濃度を調節する際に、トマト果実から分離した非水溶性成分を添加してもよい。但し、飲食品が飲料である場合は、該非水溶性成分の添加量は飲食品としての飲み易さを損なわない範囲に制限される。
トマト果実由来の非水溶性成分の一例としては、トマトの絞り粕が挙げられる。トマトの絞り粕とは、ジュースなどの製造工程で副生するものであり、トマトを搾汁した後、果汁等の液体成分をろ過して取り除いた残渣である。
トマトの絞り粕はジュースなどの製造工程で大量に発生し、入手が容易である。そして、トマトの絞り粕は食品の製造副産物であるため、原料段階での品質検査および製造工程管理が厳しく行なわれていることから衛生品質に優れ安全である。
トマト果実由来の非水溶性成分の原料であるトマト果実は、必要に応じて、洗浄、破砕及び搾汁して、できるだけ液体成分を除去する。但し、液体成分を完全に除去する必要はない。一般に、トマトを破砕する方法には二種類ある。一つは100℃の温度でつぶすホットブレイク法である。もう一つは80℃前後の温度でつぶすコールドブレイク法である。
その後、液体成分が除去されたトマト原料は、水溶性成分を除去する工程及び要すれば脂溶性成分を除去する工程に供される。水溶性成分を除去する工程及び脂溶性成分を除去する工程はどちらを先に行ってもよい。しかし、作業効率の観点からは、水溶性成分を除去する工程を先に行うことが好ましい。
トマト原料から脂溶性成分を取り除く工程は、例えば、トマトの絞り粕又は乾燥トマト等の液体成分ができるだけ除去されたトマト原料を上記有機溶媒に投入して撹拌し、脂溶性成分を含んだ液部を固体部から分離することにより行う。液部と固体部との分離は、ろ過及び遠心分離等の通常使用される方法を用いて行う。
ここでいう有機溶媒はトマトに含まれる脂溶性成分を溶解することができる有機溶媒を意味する。有機溶媒の具体例には、アルコール系溶媒として、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール等、エステル系溶媒として、酢酸エチル、アセト酢酸エチル、ギ酸イソアミル、ケイ皮酸メチル等、ケトン系溶媒として、アセトフェノン、イオノン、メチル‐β‐ナフチルケトン、ケトン類等、エーテル系溶媒として、1,8‐シネオール、エチルパニリン、バニリン、エーテル類、フェノールエーテル類等が挙げられる。好ましい有機溶媒はエタノール、酢酸エチルである。
本発明の飲食品は飲酒後の血中アルコール濃度低減剤、又は酒酔い防止剤として使用することができる。トマト果実は食品であり、トマト果実由来の非水溶性成分は無害である。また、アラニンは、摂取してもヒトの健康を損なうおそれのないことが確認されている物質である。従って、本発明の飲食品をヒトに摂取させる場合、摂取量は目的に応じて適量を決定すればよい。
本発明の飲食品は飲酒前、飲酒中又は飲酒後に摂取して良い。本発明の飲食品は血中アルコール濃度を低減する効率が高く、飲酒後に摂取した場合でも血中アルコール濃度低減効果を発揮するのが特徴である。
以下の実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1
トマトペースト(カゴメ社製「CBトマトペースト」、Brix:28)5.0gに蒸留水約50mlを加えてボルテックスにて2分間激しく攪拌し、遠心処理(3000rpm、10分)し、上清の水性画分と残渣を分離した。これを3回繰り返し行ない、水溶性成分が完全に取り除かれた残渣を得た。得た残渣を水分含量計で加熱することで水分を完全に除去することでトマトペーストに含まれる非水溶性成分を得た。これを秤量したところ、0.18gであった。つまり、トマトペーストに含まれる非水溶性成分の濃度は3.6g/100g(3.3g/100ml)であった。
上記トマトペースト25gに水を加えて体積が100mlになるまで希釈して、非水溶性成分濃度0.9g/100ml(0.9w/v%)のトマトペースト果汁を得た。このトマトペースト果汁を5分割し、その中の4画分に、アラニン濃度が1、2、3及び5g/100ml(1、2、3及び5w/v%)になる量でアラニン(味の素ヘルシーサプライ社製「DL−アラニン」)を溶解させた。また、濃度5g/100ml(5w/v%)のアラニン水溶液を調製した。被験液は次の通り採用した。
Figure 0005801515
<体重>
6週齢以上の雄性F344ラット各4匹を7時間絶食させ、上記被験液を、20ml/kg体重の量で強制胃内投与した。その30分後と1時間後に大量のアルコール、すなわち2.0g/kg体重でそれぞれ投与した(トータルでのアルコール投与量は4.0g/kg体重)。これらのラットについて、投与開始直前から投与後5時間にわたって経時的に体重変動率(%)をモニタリングした。4匹の値を平均した結果を表2及び図1に示す。
Figure 0005801515
大量にアルコールを摂取すると、アルコールの利尿作用により、体内の水分が減少することは広く知られている。この利尿作用には抗利尿ホルモンであるバソプレシンが関与しており、バソプレシンの変動が大量飲酒による二日酔い症状と関係している(Linkola J et al., Acta physiol scand., 1978, Gill GV et al., British Medical Journal, 1982)。ラットに多量のアルコールを投与した場合においても図1のように体重の減少が生じる。よって、この体重の減少を緩和にすることは、アルコールがもたらす身体への影響を緩和することを意味する。
表2及び図1の結果により、トマトペースト果汁は尿量増加に伴う体重減少を軽減した。一方、アラニンは5%濃度で投与しても全く体重減少を軽減しなかった。しかしながら、このトマトペースト果汁にアラニンを段階的に加えていくと、アラニンを3%加えることでトマトペースト果汁よりも有意に強い体重減少軽減効果を示し、5%にするとさらに効果が高まった。
<血中アルコール濃度>
また、アルコール投与終了5時間後に尾静脈から50μl採血し、血中アルコール濃度(mg/ml)をヘッドスペースGC−MSにて測定した。4匹の値を平均した結果を表3及び図2に示す。
Figure 0005801515
この結果に示される通り、トマトペースト果汁にアラニンを3%以上加えた被験液は、トマトペースト果汁に比べて血中アルコール濃度を有意に低下させた。
<自発運動量>
更に、被験液1、2、3及び7については、6時間後までのラットの自発運動量を測定した。アルコール投与によるラットの自発運動量は、適度なアルコール量では増加し、多量になってくると量依存的に抑制されることが知られている(伊豆ら、動物心理学研究、58(1)、2008)。自発運動量の測定は、軽度の酔いから酩酊、泥酔状態に至るまでのあらゆる酔いの状態を調べることができる自発運動量測定システム(スーパーメックス(PAT.P)、室町機械株式会社製)を使用して測定した。結果を表4及び図3に示す。
Figure 0005801515
この結果に示される通り、自発運動量においてもトマトペースト果汁へのアラニンの添加は有意な上昇効果を示した。
実施例2
実施例1と同じトマトペースト20gに水を加えて体積が100mlになるまで希釈して、非水溶性成分濃度0.72g/100ml(0.72w/v%)のトマトペースト果汁を得た。このトマトペースト果汁に、アラニン濃度が5g/100ml(5w/v%)になる量でアラニン(味の素ヘルシーサプライ社製「DL−アラニン」)を溶解させた。また、濃度5g/100ml(5w/v%)のアラニン水溶液を調製した。被験液は次の通り採用した。
Figure 0005801515
<血中アルコール濃度>
6週齢以上の雄性F344ラット各4匹を7時間絶食させ、上記被験液を、20ml/kg体重の量で強制胃内投与した。その30分後と1時間後に大量のアルコール、すなわち2.0g/kg体重でそれぞれ投与した(トータルでのアルコール投与量は4.0g/kg体重)。これらのラットについて、アルコール投与終了5時間後に尾静脈から50μl採血し、血中アルコール濃度(mg/ml)をヘッドスペースGC−MSにて測定した。値を平均した結果を表6及び図4に示す。
Figure 0005801515
この結果に示される通り、さらに希釈したトマトペースト果汁でもアラニンを5%加えた被験液は、トマトペースト果汁に比べて血中アルコール濃度を有意に低下させた。
<体重>
また、これらのラットについて、投与開始直前から投与後5時間にわたって経時的に体重変動率(%)をモニタリングした。4匹の値を平均した結果を表7及び図5に示す。
Figure 0005801515
図5の結果により、トマトペースト果汁は尿量増加に伴う体重減少を軽減した。一方、アラニンは5%濃度で投与しても全く体重減少を軽減しなかった。しかしながら、このトマトペースト果汁にアラニンを5%加えることでトマトペースト果汁よりも強い体重減少軽減効果を示した。
実施例3
生食用トマト(「四銃士トマト」(商品名))の果実2,926gを水洗浄した後、ミキサーにて粉砕し、粉砕物を40メッシュ金網にて固形物を除くことで、生トマト果汁2,590gを得た(Brix:4.7)。
この生トマト果汁50mlを遠心処理(3000rpm、10分)し、上清の水性画分と残渣を分離した。残渣を一晩乾燥し、生トマト果汁に含まれる非水溶性成分を得た。これを秤量したところ、0.23gであった。つまり、生トマト果汁に含まれる非水溶性成分の濃度は0.46g/100mlであった。
ロータリーエバポレータを使用して、生トマト果汁を濃縮し、非水溶性成分の濃度を0.9g/100mlに調節した。この生トマト果汁を4分割し、その中の3画分に、アラニン濃度が1、3及び5g/100ml(1、3及び5w/v%)になる量でアラニン(味の素ヘルシーサプライ社製「DL−アラニン」)を、溶解させた。被験液は次の通り採用した。
Figure 0005801515
上記被験液及び各6匹のラットを使用すること以外は実施例1と同様にして、ラットの体重変動率及び血中アルコール濃度を測定した。結果をそれぞれ表9、図6、表10及び図7に示す。
Figure 0005801515
Figure 0005801515
本検討結果により、生トマト果汁においても、トマトペースト果汁同様に、アラニンを3%以上加えることで尿量増加に伴う体重減少及び血中アルコール濃度を軽減することが確認された。
実施例4
トマトペーストの使用量を変更すること以外は実施例2と同様にして、非水溶性成分濃度が異なるトマトペースト果汁を調製した。トマトペーストの使用量(g)及び非水溶性成分濃度(g/100ml(w/v%))を表8に示す。
Figure 0005801515
トマトペースト果汁1〜3のそれぞれを2分割し、一方の画分に、アラニン濃度が5g/100ml(5w/v%)になる量でアラニンを溶解させた。また、トマトペースト果汁4を2分割し、一方の画分に、アラニン濃度が3g/100ml(3w/v%)になる量でアラニンを溶解させた。被験液は次の通り採用した。
Figure 0005801515
<血中アルコール濃度>
実施例2と同様の方法で、6週齢以上の雄性F344ラット各4匹に上記被験液を、20ml/kg体重の量で強制胃内投与した。その30分後と1時間後に大量のアルコール、すなわち2.0g/kg体重でそれぞれ投与した(トータルでのアルコール投与量は4.0g/kg体重)。これらのラットについて、アルコール投与終了5時間後に尾静脈から50μl採血し、血中アルコール濃度(mg/ml)をヘッドスペースGC−MSにて測定した。4匹の測定値を平均した結果を表13に示す。
Figure 0005801515
実施例5
トマトペースト(カゴメ社製「CBトマトペースト」、Brix:28)400.0g、アラニン50.0gに水を加えて1000.0gになるまで希釈し、よく混合した。この混合液をパックトレー120(キューブタイプ)に充填し、乾燥棚温度50℃で真空凍結乾燥処理を行い、120個のフリーズドライトマトキューブを得た。フリーズドライトマトキューブ1個あたり重量は1.1gであった。また、フリーズドライトマトキューブの非水溶性成分含有率は8.5重量%、アラニン含有率は26.7重量%であった。
参考例1
トマト非水溶性成分濃度と血中アルコール濃度低下効果の関係
実施例1のトマトペースト35g及び70gを秤量し、それぞれに水を加えて体積が100mlになるまで希釈して、2種類の被験液を調製した。6週齢以上の雄性F344ラットに被験液を、トマトペーストとしての投与量はすべて同じになるよう10、20ml/kg体重の量で強制胃内投与した。投与量はトマト非水溶性成分として0.25g/kg体重、トマトペーストとして7.0g/kg体重である。その30分後と1時間後にアルコールを2.0g/kg体重でそれぞれ投与し(トータルでのアルコール投与量は4.0g/kg体重)、その4時間後に尾静脈から50μl採血し、血中アルコール濃度(mg/ml)をヘッドスペースGC−MS法にて測定した。被験液の投与から測定までの操作はラット6匹に対して行い、平均値を算出した。投与条件及び測定結果を表14に示す。また、測定結果を図8に示す。
Figure 0005801515
表14及び図8に示す結果から、トマト由来の非水溶性成分は、被験液の水分含量が減り、濃度が高くなるほど強い血中アルコール濃度低下効果を示すことが確認された。
参考例2
トマト非水溶性成分及びアラニンによる血中アルコール濃度の低下
(パートA)被験液として、水(対照)、実施例1で使用したトマトペーストに水を加えて20%(w/v)にしたトマトジュース、5%(w/v)アラニン水溶液、及びアラニン5%(w/v)含有トマトジュースを調製した。
6週齢以上の雄性F344ラット各4匹を7時間絶食させ、上記被験液を、20ml/kg体重の量で強制胃内投与した。その30分後と1時間後に30%(v/v)アルコール水溶液を8.45ml/kg(アルコールとして2g/kg)で強制胃内投与し(総アルコール投与量として4g/kg)、4時間後に尾静脈から50μl採血し、血中アルコール濃度(mg/ml)をヘッドスペースGC−MSにて測定した。4匹の値を平均した結果を表15及び図9に示す。
(パートB)上記トマトジュース100mlを3000rpm、10分間の遠心処理にて上清(水溶性成分)、下層(非水溶性成分)に分けた。上清(水溶性成分)及び下層(非水溶性成分)それぞれを100mlになるよう水でメスアップした。それらの一部にアラニンを5%になるよう加えて、上清(アラニン添加・非添加)、下層(アラニン添加・非添加)の4種類の被験液を得た。
6週齢以上の雄性F344ラット各4匹を7時間絶食させ、上記被験液を、20ml/kg体重の量で強制胃内投与した。その30分後と1時間後に大量のアルコール、すなわち2.0g/kg体重でそれぞれ投与した(トータルでのアルコール投与量は4.0g/kg体重)。これらのラットについて、4時間後に尾静脈から50μl採血し、血中アルコール濃度(mg/ml)をヘッドスペースGC−MSにて測定した。4匹の値を平均した結果を表15及び図9に示す。
Figure 0005801515
図9のグラフBの項目「トマト上清」、「トマト上清+アラニン5%」を参照して、トマトジュースの水溶性成分を投与した場合は、アラニンの有無にかかわらず、血中アルコール濃度はグラフAの項目「対照」、「アラニン5%」と同等であり、血中アルコール濃度は低下しなかった。これに対し、グラフBの項目「トマト下層」、「トマト下層+アラニン5%」を参照して、トマトジュースの非水溶性成分を投与した場合は、血中アルコール濃度はグラフAの項目「トマト」と同等に低下し、トマトジュースの非水溶性成分及びアラニンを投与した場合は、血中アルコール濃度はグラフAの項目「トマト+アラニン5%」と同等に低下した。
この実験結果から、飲酒によって上昇した血中アルコール濃度を効率的に低下させる効果は、トマトに含まれる栄養素の中でも非水溶性成分の機能作用によること、及びトマト非水溶性成分と高濃度のアラニンを併用することでその機能作用が相乗的に高まることが裏付けられる。
参考例3
アラニンによるトマト非水溶性成分のアルコール保持能力の増強
乾燥したトマト非水溶性成分を0.5%、アラニンを5%、その両方を含有する15%アルコール水溶液をそれぞれ10ml調製した。その10mlを濾紙(ADVANTEC 131 110mm)にてろ過し、5、10、20分後のろ過量(ml)を経時的に測定した。この場合、アルコール保持効果の高い素材ほどろ過量が少なくなる。測定は3個のサンプルについて行い、平均値を算出した。結果を表16及び図10に示す。
Figure 0005801515
この実験結果から、高濃度のアラニンが、トマトの非水溶性成分が有するアルコール保持能力を増強することが裏付けられる。
参考例4
胃内でのアラニンによるトマトの非水溶性成分のアルコール保持能力の増強
被験液として、水(対照)、実施例1で使用したトマトペーストに水を加えて20%(w/v)にしたトマトジュース、5%(w/v)アラニン水溶液、及びアラニン5%(w/v)含有トマトジュースを調製した。
6週齢以上の雄性F344ラット各3匹を7時間絶食させ、上記被験液を、20ml/kg体重の量で強制胃内投与した。その30分後と1時間後に30%(v/v)アルコール水溶液を8.45ml/kg(アルコールとして2g/kg)で強制胃内投与した(総アルコール投与量として4g/kg)。
1時間後に胃を摘出し、50mlチューブ内に入れ細かく細断した後、生理食塩水で50mlにメスアップし、そのアルコール濃度をヘッドスペースGC−MSにて測定した。測定された濃度に50を乗じて投与量で除することで、投与量に対するアルコール残存率(%)として算出した。3匹の値を平均した結果を表17及び図11に示す。
Figure 0005801515
表17及び図11を参照して、対照では36.4%のアルコールが胃内に残っていた。5%アラニンの投与では胃内のアルコール残存量は対照と比べてほとんど変わらなかった。一方、トマトジュースを投与したラットでは59.3%と著明に残存量が増えた。さらに、トマトジュースにアラニンを5%になるよう加えて投与すると、さらに胃内の残存量が65.2%まで増加した。この結果は、上述のアルコール保持効果が胃内で確実に発揮されていることを裏付けるものである。

Claims (11)

  1. 0.5g/100ml以上の濃度でトマト果実由来の非水溶性成分を含有し、5g/100ml以上の濃度でアラニンを含有する飲食品。
  2. アラニンの含有量が、トマト果実由来の非水溶性成分を基準にした重量比として、0.7〜21.4である請求項1に記載の飲食品。
  3. 前記非水溶性成分が非水溶性食物繊維を含む請求項1又は2に記載の飲食品。
  4. トマト果汁、トマトペースト又はトマトの絞り粕を含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の飲食品。
  5. 濃縮されたトマト果汁又は希釈されたトマトペーストを含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の飲食品。
  6. 前記トマト果汁はトマト果実を搾汁した際に得られる液体成分である請求項4又は5に記載の飲食品。
  7. 前記トマト果実由来の非水溶性成分は80℃以上の温度に加熱乾燥されていないものである請求項1〜6のいずれか一項に記載の飲食品。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の飲食品の血中アルコール濃度低減剤としての使用。
  9. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の飲食品の酒酔い軽減剤としての使用。
  10. 0.5g/100ml以上の濃度でトマト果実由来の非水溶性成分を含有し、5g/100ml以上の濃度でアラニンを含有する血中アルコール濃度低減剤。
  11. 0.5g/100ml以上の濃度でトマト果実由来の非水溶性成分を含有し、5g/100ml以上の濃度でアラニンを含有する酒酔い軽減剤。
JP2015521908A 2014-05-08 2015-04-23 トマト含有飲食品 Active JP5801515B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015521908A JP5801515B1 (ja) 2014-05-08 2015-04-23 トマト含有飲食品

Applications Claiming Priority (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014096713 2014-05-08
JP2014096713 2014-05-08
JP2014082092 2014-12-04
JPPCT/JP2014/082092 2014-12-04
PCT/JP2015/062445 WO2015170605A1 (ja) 2014-05-08 2015-04-23 トマト含有飲食品
JP2015521908A JP5801515B1 (ja) 2014-05-08 2015-04-23 トマト含有飲食品

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015136456A Division JP2015226538A (ja) 2014-05-08 2015-07-07 トマト含有飲食品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5801515B1 true JP5801515B1 (ja) 2015-10-28
JPWO2015170605A1 JPWO2015170605A1 (ja) 2017-04-20

Family

ID=54392458

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015521908A Active JP5801515B1 (ja) 2014-05-08 2015-04-23 トマト含有飲食品
JP2015136456A Pending JP2015226538A (ja) 2014-05-08 2015-07-07 トマト含有飲食品

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015136456A Pending JP2015226538A (ja) 2014-05-08 2015-07-07 トマト含有飲食品

Country Status (3)

Country Link
JP (2) JP5801515B1 (ja)
TW (1) TW201545659A (ja)
WO (1) WO2015170605A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016084290A1 (ja) * 2014-11-25 2016-06-02 アサヒグループホールディングス株式会社 果物由来成分含有飲食品

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6240258A (ja) * 1985-08-13 1987-02-21 Showa Denko Kk 豆乳、野菜ジユ−ス類の臭気のマスキング方法
JPS6354320A (ja) * 1986-08-26 1988-03-08 Ajinomoto Co Inc 抗アルコ−ル症組成物
WO2014010656A1 (ja) * 2012-07-11 2014-01-16 興和株式会社 優れた血中アルコール濃度低下促進剤
JP2014039478A (ja) * 2010-11-15 2014-03-06 Musashino Chemical Laboratory Ltd アラニン含有食品

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6240258A (ja) * 1985-08-13 1987-02-21 Showa Denko Kk 豆乳、野菜ジユ−ス類の臭気のマスキング方法
JPS6354320A (ja) * 1986-08-26 1988-03-08 Ajinomoto Co Inc 抗アルコ−ル症組成物
JP2014039478A (ja) * 2010-11-15 2014-03-06 Musashino Chemical Laboratory Ltd アラニン含有食品
WO2014010656A1 (ja) * 2012-07-11 2014-01-16 興和株式会社 優れた血中アルコール濃度低下促進剤

Non-Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6013061785; 'アサヒグループ、カゴメ共同研究 トマトが飲酒後の血中アルコール濃度を低下させることをヒトで確認 〜酔' カゴメ株式会社ニュースリリース , 20120525 *
JPN6015005153; 香川芳子監修: 食品成分表2014 本表編 初版, 20140210, p.66-69, 234-235, 女子栄養大学出版部 *
JPN6015005159; '〜アミノ酸アラニン配合。しじみ600粒相当のパワー〜 飲み速攻レスキュー「ノ・ミカタ」100ml缶(' 味の素株式会社 NEWS RELEASE , 20091203 *
JPN7015000371; Real Ukon, Coca-Cola, Japan: Turmeric carbonated soft drink. Datasheet. , 201211 *
JPN7015000372; Topvalu, Aeon, Japan: Turmeric drink. Datasheet. , 201401 *
JPN7015001588; Lifeplus International: プロステートフォーミュラ , 2009 *
JPN7015001589; シナジーワールドワイド・ジャパン: サイナープロティン ココア , 2015 *
JPN7015001590; シナジーワールドワイド・ジャパン: シナジーサロンでお取扱いしているNSPJ製品 , 20130206 *

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015226538A (ja) 2015-12-17
TW201545659A (zh) 2015-12-16
JPWO2015170605A1 (ja) 2017-04-20
WO2015170605A1 (ja) 2015-11-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3983107A1 (en) Water-soluble and water-insoluble propolis products with high antioxidant capacity and their production methods
JP2013202005A (ja) クルクミン類含有油脂およびその製造方法
JP2008255040A (ja) アディポネクチン産生促進剤
JP6440962B2 (ja) 青汁食品及びその製造方法
JP2008214191A (ja) 肝中脂質蓄積抑制剤
JP2009011186A (ja) アーティチョーク含有機能性改善食品
JP5801515B1 (ja) トマト含有飲食品
JP6161438B2 (ja) 脂肪蓄積抑制及び/又は脂肪蓄積量低減剤
JP6573756B2 (ja) トマト含有飲食品
JP2012121840A (ja) 血中中性脂肪上昇抑制剤
JP2018154576A (ja) アスパラガス抽出物の製造方法及びアスパラガス抽出物
JP5543655B1 (ja) ウコン中の有用成分を安定的に含有する飲料
JP6689752B2 (ja) 果物由来成分含有飲食品
JP6012415B2 (ja) 酒酔い軽減剤
JP2013199447A (ja) 肝機能保護又は改善剤
JP7016810B2 (ja) 液体油および粉末原料の混合可食性組成物、並びにその製造方法
JP2007045751A (ja) 肝機能賦活剤
JP2020176093A (ja) 桑の葉加工物を含む血中中性脂肪上昇抑制剤
JP7026899B2 (ja) 脂肪肝抑制剤
JP2016086715A (ja) ニンジン由来成分含有飲食品
JP2012206964A (ja) PPAR−α活性調節剤
JP2016119880A (ja) 野菜由来成分含有飲食品
JP2015213440A (ja) トマト果実含有飲料
JP6241631B2 (ja) 経口用組成物
RU2616795C1 (ru) Кондитерские сухие духи

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150818

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150826

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5801515

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250