JP5801262B2 - デジタル放送受信装置 - Google Patents
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例えば、受信エリア内において、建物などの影響で放送電波が遮断されたスポットを通過した時に視聴不可が一時的に発生してチャンネルサーチが開始された場合、スポットを抜けて電波状況が回復しても、チャンネルサーチが終了するまでの間、もとの放送番組を視聴することができない。一方、実際に受信エリアを移動したことにより視聴不可が発生した場合、即座にチャンネルサーチを実施すれば中継局や同一系列局の放送番組をいち早く視聴することができる。これら様々な状況を考慮して、視聴不能時間を短くするようチャンネルサーチの開始タイミングを設定する方法は、これまで考慮されていなかった。
本発明の目的は、移動体に搭載されて移動する際の放送番組の視聴不能時間を短縮したデジタル放送受信装置を提供することにある。
本願に係る発明は上記目的を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、デジタル放送信号を受信するデジタル放送受信装置であって、受信した前記デジタル放送信号から特定の物理チャンネルのデジタル放送信号を抽出する選局部と、当該選局部が抽出したデジタル放送信号が供給され当該デジタル放送信号が含む映像信号を表示するための処理を行う信号処理部と、前記デジタル放送受信装置の位置に係る位置情報を検出する位置検出部と、前記位置情報が示す位置における道路の制限速度情報に係る情報を格納する記憶部と、前記位置検出部が検出した位置情報と前記記憶部が格納する情報が供給されて前記デジタル放送受信装置の位置における道路の制限速度情報を取得し、前記信号処理部における映像信号が視聴不可となった場合には、前記制限速度情報に基づきタイミングを決定して前記選局部にチャンネルサーチを開始させるよう制御する制御部を有することを特徴としている。
本発明の実施の形態におけるデジタル放送受信装置では、日本の地上デジタル放送の伝送方式であるISDB−T(Integrated Services Digital Broadcasting for Terrestrial)による放送信号を受信し、MPEG2−TS(Transport Stream)(以下、TS信号)形式の映像・音声信号をデコードすることができる。ISDB−Tでは、1チャンネルの伝送帯域を13個のセグメントに分割し、それぞれのセグメントを組み合わせて、最大3階層までの階層伝送を行うことができる。
図1の10はアンテナ部を示し、放送電波を受信し選局部11に供給する。選局部11は、供給された放送電波より所望の物理チャンネルを抽出・周波数変換し、復調部12に供給する。復調部12は、入力された所望のチャンネル信号に対してOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調処理や誤り訂正処理などを行い、生成されたTS信号を復号部13に供給する。復調部12はまた、OFDM復調処理における同期状態やCNR(Carrier to Noise Ratio)、誤り訂正処理におけるビットエラーレート(以下、BER:Bit Error Rate)やパケットエラーレート(以下、PER:Packet Error Rate)などの受信信号の品質を示す情報(以下、信号品質値)を抽出し、制御部15に供給することができる。CNR、BER、PERの各信号品質値は、12セグ放送とワンセグ放送のそれぞれについて取得することができる。
なお、以下の記載では、復調部12と復号部13を併せて信号処理部と呼ぶことがある。
制御部15は、デジタル放送受信装置に含まれる各機能ブロックの動作制御を行う。その詳細は後述する。
位置検出部16は、衛星を利用した測位システムを備えており、車両の位置情報を特定することができる。衛星を利用した測位システムには、米国で開発されたGPS(Global Positioning System)のほか、ロシアのGLONASS(Global Navigation Satellite System)、欧州のGalileo、日本の準天頂衛星システムといった衛星測位システムの運用が予定されている。また、位置検出部16は、図示していないが車両の角速度に関する情報を取得できるジャイロセンサや、車両の加速度に関する情報を取得できる加速度センサなどを利用して車両の速度や進行方向を算出し、衛星測位システムの信号が受信できない環境においても、車両の位置情報を推定することができる。
記憶部18は、図2に示す車速とカウント時間との対応関係を示す情報、図3に示す受信チャンネルに関する情報、図6に示す放送局データベースに関する情報などを格納している。記憶部18は、制御部15からの指示により、これらの情報を読み取ったり、書き換えたりすることができる。また、記憶部18は、ナビゲーション処理に使用する地図情報を記憶している。
タイマ部19は、制御部15からの指示により、所定のタイマ時間を設定し、タイマのカウントダウン、ストップ、リセットなどの処理を行うことができる。
料金収受部20は、高速道路の入口料金所や出口料金所に設置される無線装置との間で認証処理を行い、通行料金の収受などに用いられる装置である。料金収受システムとして、例えば、5.8GHzの電波を用いたDSRC(Dedicated Short Range Communications:狭域通信)によって情報伝達を行うETC(Electronic Toll Collection自動料金収受システム(登録商標))がある。
図4のデジタル放送受信装置において、アンテナ部10はデジタル放送信号を受信し、選局部11は所望のチャンネルを選局し、復調部12は所望のチャンネル信号のOFDM復調及び誤り訂正処理を行ってTS信号を生成し、復号部13はTS信号から映像・音声信号のデコード処理を行って制御部15からの指示に従い12セグ放送又はワンセグ放送のどちらか一方の映像・音声信号を表示部14に供給する。
制御部15における12セグ放送とワンセグ放送の選択方法に関して述べる。例えば、制御部15は、復調部12より信号品質値を定期的に取得し、信号品質値が所定の閾値よりも良好である場合は12セグ放送、信号品質値が所定の閾値よりも不良である場合はワンセグ放送を選択する。所定の閾値とは、例えば、12セグ放送の受信映像にブロックノイズが発生する信号品質値、或いは12セグ放送の受信映像が正常にデコードできない信号品質値とする。また、走行中は受信した放送電波の時間変動が大きいため、複数の信号品質値が連続して所定の閾値よりも不良となった場合は12セグ放送からワンセグ放送に切り替え、複数の信号品質値が所定の閾値よりも良好となった場合はワンセグ放送から12セグ放送に切り替えることにより、12セグ放送とワンセグ放送の頻繁な切り替えの発生を低減し、ユーザの不快感を軽減することができる。
制御部15は、ステップS100で視聴不可が発生したと判断した場合は、例えば、図5Aに示すように、ディスプレイ画面50に、「受信できません」などのメッセージ51を表示し、ユーザに対して電波状態が悪いために放送番組を視聴できない旨を提示する。
その後、ステップS103において、制御部15は、ステップS102で決定したカウント時間をタイマ部19に設定し、タイマのカウントダウンを開始する。
ステップS104において、視聴不可が続いていると判断した場合は、ステップS105に進み、制御部15は、タイマ部19より現在のカウントダウン状況を取得し、カウントダウンが終了(すなわち0秒)したか否かを判断する。カウントダウンがまだ終了していない場合はステップS104に戻り、カウントダウンが終了した場合はステップS106に移行してチャンネルサーチを実行する。チャンネルサーチを実行中は、例えば、図5Bに示すように、ディスプレイ画面50に、「チャンネルサーチ中」などのメッセージ52を表示し、ユーザに対してチャンネルサーチを実行中である旨を提示する。
図7は、本実施形態に係るデジタル放送受信装置で実行されるチャンネルサーチ処理の一例を示すフローチャートであり、図4で示したチャンネルサーチ処理と比較して、ステップS201〜S204が新規で追加された構成である。
ステップS201において、車両がトンネル内と判断された場合、ステップS202に進み、制御部15は、タイマ部19に対して、タイマのカウントダウンを停止する。
ステップS203では、制御部15は、車両がトンネル内から抜け出したか否かを判断し、車両がトンネル内から抜け出した場合はステップS204に進み、車両がまだトンネル内の場合はステップS104に戻る。車両がトンネル内から抜け出したか否かの判断方法は、例えば、制御部15は、記憶部18に記憶されているナビゲーション処理に使用する地図情報を参照し、位置検出部16より取得した車両の位置情報を地図情報にマッピングし、この時の車両位置がトンネル外部を走行中であった場合、車両はトンネル内から抜け出したと判断することができる。あるいは、制御部15は、位置検出部16において衛星測位システムの信号が受信できない状態から受信可能となった場合に、車両はトンネル内から抜け出したと判断しても良い。
以上のように、本実施形態によれば、トンネルなど放送電波が届かない場所を走行する場合は、放送番組が視聴不可となってもチャンネルサーチを行わないため、トンネル内から抜け出した時にトンネルに入る前の放送番組を即座に視聴することができる。
図11のステップS100では、制御部15は、放送番組が視聴不可となると、ステップS301に移行する。ステップS301では、制御部15は、位置検出部16より取得した車両の位置情報を、記憶部18の地図情報にマッピングし、現在走行中の道路名に関する情報を取得する。そして、制御部15は、記憶部18に記憶されている図9に示した道路名と制限速度の対応関係を参照し、車両が走行中の道路の制限速度情報を取得する。図9の一例では、走行中の道路が「△△バイパス」の場合は、制限速度は60km/hである。
その後、ステップS103において、制御部15は、ステップS302で決定したカウント時間をタイマ部19に設定し、タイマのカウントダウンを開始する。以降の処理は、図4で示した第1の実施形態のフローチャート、或いは図7で示した第2の実施形態のフローチャートに従って実施される。
本実施形態では、記憶部18は、図9に示した道路名と制限速度の対応関係を記憶する必要があったが、これを記憶しなくとも、例えば、制御部15は、位置検出部16より取得した車両の位置情報を記憶部18に記憶した地図情報にマッピングし、予め指定した道路(例えば、制限速度が80km/h以上の高速道路)を車両が走行中の場合はカウント時間を小さく(例えば、5秒)設定し、車両がそれ以外の道路を走行中の場合はカウント時間を大きく(例えば、60秒)設定するようにしても良い。また、高速道路を走行中であるか否かの判断は、例えば、制御部15は、料金収受部20において高速道路への入退場時に発生する料金収受などの情報処理を検出することで判断することもできる。
図12は、出力部14のディスプレイ画面50に表示されるチャンネルサーチに関する設定メニューの一例である。放送番組が視聴不可となった場合に、自動的にチャンネルサーチが実行されるON(速度優先)設定53、自動的にチャンネルサーチが実行されるON(時間優先)設定54、及び放送番組が視聴不可となってもチャンネルサーチを実行しないOFF設定55より、ユーザが希望の設定を選択することができる。
図13のステップS100において、制御部15は、放送番組が視聴不可となると、ステップS401に移行する。ステップS401では、制御部15は、ユーザの選択がON(速度優先)設定53であるかON(時間優先)設定54であるかを判断し、ON(速度優先)設定53の場合はステップS101に移行し、ON(時間優先)設定54の場合はステップS402に移行する。
図13のその他の処理については、前述までの実施形態におけるチャンネルサーチ処理に従って実施される。
以上のように、本実施形態によれば、車両の速度情報に基づいてチャンネルサーチ処理の開始タイミングを決定するか否かの選択手段を設けたことにより、ユーザの利便性を向上することができる。
図15において、第1のアンテナ部10aは、放送電波を受信して第1の選局部11aに供給する。第1の選局部11aは、供給された放送電波から所望の物理チャンネルを抽出・周波数変換し、復調・合成部21に供給する。また、10b〜10dは第2〜第4のアンテナ部、11b〜11dは第2〜第4の選局部を示し、それぞれアンテナ部10a、選局部11aと同様の構成である。
また、復調・合成部21は、OFDM復調した4つの復調信号を任意の2組に分け(2つの復調信号と2つの復調信号に分割、又は3つの復調信号と1つの復調信号に分割)し、それぞれの組に対してダイバーシティ合成(復調信号が1つの場合は除く)及び誤り訂正処理を行い、生成された2つのTS信号のうち一方を復号部13に供給し、他方を解析部22に供給することもできる。
その他の構成は、図1で示したデジタル放送受信装置の構成と同様であり、説明を省略する。
本実施形態に係るデジタル放送受信装置におけるチャンネルサーチ処理は、図4で示したフローチャートに従って実行され、ステップS106の処理のみが異なる。
まず、制御部15は、放送番組が視聴可能な通常の受信時においては、4つのアンテナ部10a〜10dと選局部11a〜11dを用いて所望の放送番組を受信し、また、復調・合成部21は、4つの復調信号をダイバーシティ合成及び誤り訂正処理し、生成されたTS信号を復号部13に供給する。復号部13は、映像・音声信号が含まれるTS信号のデコード処理を行って出力部14に供給し、出力部14は映像・音声信号を出力する。
制御部15は、受信している放送番組の中継局の物理チャンネルを選局部11a〜11dに対して順に選局し、実施例1の処理と同様に、ネットワーク識別が同一の物理チャンネルが見つかった場合はこの物理チャンネルを受信し、チャンネルサーチを終了する。該当する物理チャンネルが存在しなかった場合は、系列識別が同一の物理チャンネルを探索する。
以上のように、本実施形態によれば、複数のアンテナを用いて放送電波を受信するダイバーシティ受信方式を用いた場合においても、他の実施例と同様に、車両の移動速度に応じてチャンネルサーチ処理の開始タイミングを変化させることができる。
ここまで示した実施形態は一例であって本発明を限定するものではない。本発明の趣旨に基づきながら異なる実施形態を考えられるが、いずれも本発明の範疇にある。
Claims (5)
- デジタル放送信号を受信するデジタル放送受信装置であって、
受信した前記デジタル放送信号から特定の物理チャンネルのデジタル放送信号を抽出する選局部と、
当該選局部が抽出したデジタル放送信号が供給され当該デジタル放送信号が含む映像信号を表示するための処理を行う信号処理部と、
前記デジタル放送受信装置の位置に係る位置情報を検出する位置検出部と、
前記位置情報が示す位置における道路の制限速度情報に係る情報を格納する記憶部と、
前記位置検出部が検出した位置情報と前記記憶部が格納する情報が供給されて前記デジタル放送受信装置の位置における道路の制限速度情報を取得し、前記信号処理部における映像信号が視聴不可となった場合には、前記制限速度情報に基づきタイミングを決定して前記選局部にチャンネルサーチを開始させるよう制御する制御部
を有することを特徴とするデジタル放送受信装置。 - デジタル放送信号を受信するデジタル放送受信装置であって、
受信した前記デジタル放送信号から特定の物理チャンネルのデジタル放送信号を抽出する選局部と、
当該選局部が抽出したデジタル放送信号が供給され当該デジタル放送信号が含む映像信号を表示するための処理を行う信号処理部と、
前記デジタル放送受信装置の位置に係る位置情報を検出する位置検出部と、
所定の道路の制限速度情報に係る情報を格納する記憶部と、
前記位置検出部が検出した位置情報と前記記憶部が格納する情報が供給され、前記デジタル放送受信装置の位置が前記所定の道路にある際に前記信号処理部における映像信号が視聴不可となった場合には、前記制限速度情報に基づきタイミングを決定して前記選局部にチャンネルサーチを開始させるよう制御する制御部
を有することを特徴とするデジタル放送受信装置。 - デジタル放送信号を受信するデジタル放送受信装置であって、
受信した前記デジタル放送信号から特定の物理チャンネルのデジタル放送信号を抽出する選局部と、
当該選局部が抽出したデジタル放送信号が供給され当該デジタル放送信号が含む映像信号を表示するための処理を行う信号処理部と、
前記デジタル放送受信装置が所定の道路へ入場又は所定の道路から出場したことを検出して通行料金を精算するための料金収受部と、
当該料金収受部が検出した前記所定の道路への入場又は所定の道路からの出場に係る入出場情報が供給され、前記信号処理部における映像信号が視聴不可となった場合には、前記入出場情報に基づきタイミングを決定して前記選局部にチャンネルサーチを開始させるよう制御する制御部
を有することを特徴とするデジタル放送受信装置。 - 請求項1または2のいずれか1項に記載のデジタル放送受信装置において、
前記位置検出部は、衛星測位システム(GPS)が供給する信号を受信して当該信号に基づき前記デジタル放送受信装置の位置に係る位置情報を検出する手段を備え、
前記制御部は、前記信号処理部における映像信号が視聴不可となった際に、前記位置検出部が前記衛星測位システムより供給される信号を検出できない場合には、前記選局部がチャンネルサーチを行わないように制御することを特徴とするデジタル放送受信装置。 - 請求項1または2のいずれか1項に記載のデジタル放送受信装置において、
前記デジタル放送受信装置は、更に、トンネル情報を格納した記憶部を備え、
前記制御部は、前記位置検出部で検出された位置情報と前記記憶部のトンネル情報を元に前記デジタル放送受信装置の位置がトンネル内であるか否かを判定し、前記信号処理部における映像信号が視聴不可となった際に、前記デジタル放送受信装置の位置がトンネル内と判定された場合には、前記選局部がチャンネルサーチを行わないように制御することを特徴とするデジタル放送受信装置。
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