JP5799119B2 - 軸物ワークの加工装置 - Google Patents
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Description
熱処理を施すと、不可避的に熱処理歪が発生し、僅かではあるが、ワーク(11)が変形する。この変形を是正し、製品寸法を維持するために、仕上げ加工を施す。
本発明では、先ず傾いたセンター穴に対して、拡径しつつ傾きだけを修正する。
熱処理前の半製品における中心軸と、熱処理品における中心軸は同じではない。熱処理歪で僅かではあるがオフセットしている。このオフセットを解消するにはセンター穴を開け直することが理想である。
仮に、熱処理品にセンター穴を開け直すとすれば、中心軸を改めて決める工程と、センター穴開け直し工程が必要となり、工数が嵩む。
すなわち、センター穴が修正されているため、第2次機械加工工程で、削り代は少なくて済む。
よって、本発明によれば、軸物ワークに熱処理を施しても、材料歩留まりを上げることができる。
半製品を熱処理炉に入れて、浸炭焼き入れなどの熱処理を施す(ST04)。これで熱処理品が得られる。なお、熱処理は、窒化、ガス軟窒化、真空浸炭の何れでもよい。熱処理により、表面の硬度が高まる。
修正されたセンター穴を用いて、修正品に仕上げ加工としての第2次機械加工を施す(ST06(第2次機械加工工程))。この第2次機械加工工程では、スプライン加工、ねじ加工、シーブ面の仕上げなどを行う。これで、完成品が得られる。
図2に示すように、完成品は、CVTシャフト10である。CVTシャフト10は、センター穴11、12を有する軸部13と、この軸部13の途中から軸直角方向へ鍔状に張り出す円盤部14とからなる。円盤部14の一面にテーパ状のシーブ面15が備えられる。
図3(a)に示す熱処理品21は、熱処理歪みのため全体的に湾曲し、結果、センター穴12Aの中心軸22が、水平軸23に対してθだけ傾斜している。このままではすりこぎ運動と称する回転振れが発生する。
前記センター穴修正工程(図1、ST05)では、前記熱処理品における前記センター穴を拡径しつつ前記センター穴の傾きだけを修正することを特徴とする。
仮に、熱処理品にセンター穴を開け直すとすれば、中心軸を改めて決める工程と、センター穴開け直し工程が必要となり、工数が嵩む。
傾きを修正したセンター穴を用いて、修正品に機械加工を施して得られた完成品であっても、要求される品質が確保できた。すなわち、センター穴が修正されているため、第2次機械加工工程で、削り代は少なくて済む。
よって、本発明によれば、軸物ワークに熱処理を施しても、材料歩留まりを上げることができる。
図4に示すように、軸物ワークの加工装置30は、搬入されてきた熱処理品21を受け取るプレ・ステージ31と、このプレ・ステージ31の隣に設けられセンター穴に修正を施す修正加工ステージ32と、この修正加工ステージ32の隣に設けられ修正品の良否を判定する検査ステージ33と、プレ・ステージ31から修正加工ステージ32へ熱処理品を移動し修正加工ステージ32から検査ステージ33と修正品を移動するワーク移動手段34とを備えている。
なお、ポスト45は、ベース44ではなく、インデックスモータ機構46の出力軸に取付けてもよい。
テーブル47が図面時計回りに90°ずつ回転するため、粗加工ステージ32Aでセンター穴が粗加工され、仕上げ加工ステージ32Bでセンター穴が仕上げ加工され、検査ステージ33で検査され、プレ・ステージ31で修正品がロボット36で排出される。
第2工具67は、想像線で示すように、ワーク支持機構60内へ収まっている。図では、第2工具67を見せるために、第3スライダ65を分離して、ワーク支持機構60より上に示した。
また、第1〜第3移動機構55、59、66は、エアシリンダが好適である。
図7に示すように、ワーク支持機構60は、第2スライダ58の水平部58aから下へ延びている支持筒72と、この支持筒72内に第1軸受73、73を介して回転可能に取付けられる内筒74と、この内筒74の下部から下へ延びる支持ピン75、75と、これらの支持ピン75、75で支持され水平に延びるロック爪76、76と、支持筒72外に第2軸受77、77を介して回転可能に取付けられる外筒78と、外筒78の下部から下へ延びる駆動ピン79、79とからなる。
電動モータ81を駆動源として、外筒78が低速で正転される。支持筒72は回転しない。内筒74は、回転可能であるが、駆動源を有していない。
ロック爪76は、熱処理品の中間部24に接する先端部がカム形状をなし、ワークを良好にチャックできる。
ロック爪76の先端がカム形状であるため、ロック爪76の傾きを変えることで、異なる径の中間部に先端部を当てることができる。結果、サイズ違いの軸物ワーク(熱処理品)をチャックすることができ、生産性の多様化を図ることができる。
結果、図3で説明したように、センター穴12Aが修正され修正されたセンター穴12となる。
第2工具67、第2ブラシ69、第2給液手段88についても同様であるため、説明を省略する。
図11に示すように、検査ステージ33には、センター穴が修正された修正品89を支える下部センター軸91と上部センター軸92と径測定具93とシーブ面測定具94とが備えられている。
下部センター軸91に回転手段が設けられており、修正品89を所定回転速度で回す。白抜き矢印のように移動した外径測定具93で例えば中間部24の半径R1を測定する。また、白抜き矢印のように移動したシーブ面測定具94でシーブ面15の座標を測定する。座標からシーブ面15のテーパ角度を幾何学的に算出する。
バーコード97をイメージセンサ(カメラ)で読み取り、画像を解析して判読することは差し支えないが、イメージセンサ及び画像処理装置が高価である。
この点、バーコードリーダ95及びバーコード有無検知センサ96は、共に単機能品であるため、極めて安価である。
バーコードリーダ95でワークを個別識別し、検査結果をデータサーバーに累積(蓄積)し、製造履歴を監視し、最終製品の品質向上に役立てている。
Claims (13)
- センター穴を有する軸物ワークに機械加工を施して半製品を得る第1次機械加工工程と、前記半製品に熱処理を施し熱処理品を得る熱処理工程と、前記熱処理品における前記センター穴を修正して修正品を得るセンター穴修正工程と、修正された修正済センター穴を用いて前記修正品に機械加工を施して完成品を得る第2次機械加工工程とからなり、前記センター穴修正工程では、前記熱処理品における前記センター穴を拡径しつつ前記センター穴の傾きだけを修正する軸物ワークの製造方法におけるセンター穴修正工程を実施する軸物ワークの加工装置であって、
搬入されてきた前記熱処理品を受け取るプレ・ステージと、
前記プレ・ステージの隣に設けられ、前記センター穴に修正を施す修正加工ステージと、
前記修正加工ステージの隣に設けられ前記修正品の良否を判定する検査ステージと、
前記プレ・ステージから前記修正加工ステージへ前記熱処理品を移動し、前記修正加工ステージから前記検査ステージへ前記修正品を移動するワーク移動手段とを備えている、
ことを特徴とする軸物ワークの加工装置。 - 前記プレ・ステージに対して前記熱処理品を搬入・搬出するロボットを前記プレ・ステージ近傍に備えていることを特徴とする請求項1記載の軸物ワークの加工装置。
- 前記修正加工ステージは、前記ワーク移動手段から移載された前記熱処理品を軸回りに回転可能に支持するワーク支持機構と、支持された前記熱処理品を低速で正転させるワーク回転機構と、前記熱処理品の一端に有する前記センター穴に挿入される第1工具と、この第1工具を前記低速よりも高速で逆転させる第1工具回転機構と、前記熱処理品の他端に有する前記センター穴に挿入される第2工具と、この第2工具を前記低速よりも高速で逆転させる第2工具回転機構とを備え、
前記第2工具は、前記第1工具と同軸に配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の軸物ワークの加工装置。 - 前記第1工具及び前記第2工具は、ドリル、エンドミル又は砥石であることを特徴とする請求項3記載の軸物ワークの加工装置。
- 前記第1工具及び前記第2工具は、円錐面を有する砥石であることを特徴とする請求項4記載の軸物ワークの加工装置。
- 前記修正加工ステージは、前記熱処理品に粗加工を施す粗加工ステージと、粗加工された前記熱処理品に仕上げ加工を施す仕上げ加工ステージとからなることを特徴とする請求項1記載又は請求項2記載の軸物ワークの加工装置。
- 前記熱処理品を低速で正転させる前記ワーク回転機構は、電動モータと、この電動モータが発生する回転力を前記第1・第2工具へ伝える伝動手段とを備えていることを特徴とする請求項3記載の軸物ワークの加工装置。
- 前記修正加工ステージは、前記第1・第2工具を清掃する第1・第2ブラシを更に備えていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項記載の軸物ワークの加工装置。
- 前記修正加工ステージは、前記第1・第2ブラシに切削液を供給する給液手段を更に備えていることを特徴とする請求項8記載の軸物ワークの加工装置。
- 前記検査ステージに、この検査ステージで良と判断された良品を良品排出部へ排出し、否と判断された不良品を不良品排出部へ排出するように前記ロボットを制御するロボット制御部が更に備えられていることを特徴とする請求項2記載の軸物ワークの加工装置。
- 前記ロボット制御部は、前記検査ステージで否と判定されたときに警報を発する警報発生部を備えていることを特徴とする請求項10記載の軸物ワークの加工装置。
- 前記第1工具の上方に前記第2工具が配置され、回転軸が鉛直軸であることを特徴とする請求項3記載の軸物ワークの加工装置。
- 前記完成品は、CVTシャフトであることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項記載の軸物ワークの加工装置。
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