JP5798855B2 - 燃料電池システム - Google Patents
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Description
この回収した凝縮水は、燃料ガスの改質用などに再利用されるが、凝縮水に含まれる鉄等の酸化物などからなる汚損物(異物)が、水質の低下や水を輸送するポンプを傷つける原因となっていた。
具体的には、この燃料電池システムにおいては、図9に示す様に、燃料電池P1を有する発電モジュールP2、排熱回収用熱交換器P3、上水用フィルタP4、排熱回収用水ポンプP5、水タンクP6、液面高さ検出器P7を備えるとともに、改質水ラインP8には、水改質用ポンプP9、異物除去用フィルタクP10、イオン交換樹脂フィルタP11、水流検出器P12等を備えており、改質水ラインP8に配置された異物除去用フィルタP10にて異物を除去するように構成されている。
つまり、フィルタの外側の水位が、過度に低くなった(第1の閾値以下)場合には、フィルタの内側に水道水を供給するので、常にフィルタ内(従って水タンク内)に、十分な水を確保することができる。
従って、フィルタによって濾過された水を、例えば改質水として燃料電池に供給する場合には、供給する改質水が不足することはない。
なお、ここで、水道水とは、本燃料電池システムにて回収される凝縮水以外の外部から供給される水(以下上水と記することもある)のことである。
なお、内側検出手段及び外側検出手段としては、抵抗式センサ、超音波式センサ、静電容量式センサなどの各種の液面の高さを検出する水位センサ(液面センサ)を採用できる。
(2)本発明では、第2態様として、前記外側検出手段によって検出された前記フィルタの外側の水位が、前記第1の閾値(例えばTH1)を上回る第2の閾値(例えばTH2)以上になった場合には、前記水道水供給手段による前記フィルタの内側への水道水の供給を停止することを特徴とする。
本第2態様では、フィルタの外側の水位が、過度に高く(第1の閾値を上回る第2の閾値以上)なった場合には、フィルタの内側の水位も過度に高くなったとみなして、フィルタの内側への水道水の供給を停止するので、フィルタ内の凝縮水等が(浄化されずに)フィルタ上部からフィルタ外に溢れることがない。
従って、水タンクからは、常に、フィルタにて浄化された浄水を燃料電池に供給することができる。
(3)本発明では、第3態様として、前記内側検出手段によって検出された前記フィルタの内側の水位が、前記第2の閾値(例えばTH2)を上回る第3の閾値(例えばTH3)以上となった場合には、前記水道水供給手段による前記フィルタの内側への水道水の供給を停止することを特徴とする。
本第3態様では、フィルタの内側の水位が、過度に高く(第2の閾値を上回る第3の閾値以上)なった場合には、フィルタの内側への水道水の供給を停止するので、フィルタ内の凝縮水等が(浄化されずに)フィルタ上部からフィルタ外に溢れることがない。
従って、水タンクからは、常に、フィルタにて浄化された浄水を燃料電池に供給することができる。
(6)本発明では、第6態様として、前記水位差監視手段は、警報を発信する警報発信手段を備えることを特徴とする。
本第7態様では、ガイドによって、フィルタの位置決めを確実に行うことができる。
ここでは、フィルタの好適な構造を例示している。
ここでは、フィルタの好適な構造を例示している。つまり、透孔の径が10μm以下の場合には、凝縮水中のほぼ全ての異物を好適に除去することができる。
(10)本発明では、第10態様として、前記フィルタの材質は、金属又はセラミックであることを特徴とする。
図1に模式的に示す様に、本実施例の燃料電池システム1は、周知の固体酸化物形燃料電池(SOFC)である燃料電池3のシステムであり、燃料ガス(アノード燃料:例えば都市ガス)と酸化剤ガス(カソードエア:例えば空気)との供給を受けて発電を行う燃料電池3と、燃料電池3に供給する燃料ガスを水素リッチのガスに改質する改質器5などを備えており、それらは、断熱容器7に収納されている。
また、発電モジュール9の外部には、基本的な構成として、空気を燃料電池3の図示しない空気極側に送る空気供給ライン11と、燃料ガスを燃料電池3の図示しない燃料極側に送る燃料供給ライン13とを備えるとともに、排ガスから水分を凝縮して回収する排熱回収用熱交換器15と、凝縮水を溜める水タンク(改質水タンク)17と、水タンク17内に配置された異物除去用フィルタ19と、発電モジュール9(即ち燃料電池3)から排出される排ガス(オフガス)を熱交換器15に導く第1排ガスライン21と、熱交換器15によって回収された凝縮水(改質水)等を水タンク17に導く導入管路23と、凝縮水を改質水として水タンク17から改質器5に送る改質水ライン25とを備えている。
前記燃料電池3は、図示しないが、固体酸化物形燃料電池の発電単位である板状の燃料電池セルが複数個積層されたスタックである。この燃料電池セルは、いわゆる燃料極支持膜形タイプの燃料電池セルであり、周知の(燃料流路に接する様に配置された)燃料極と、固体電解質体と、(空気流路に接する様に配置された)空気極とを備えている。
前記熱交換器15は、燃料電池3から排出される(発電後の)排ガスを冷却し、その排ガス中から水分を凝縮して回収する装置であり、排ガスの冷却のために、外部から冷却水として(例えば水道水や井戸水等の)上水が導入される。
また、前記第1上水ライン27には、周知の上水用フィルタ43、排熱回収用水ポンプ45が配置され、第2上水ライン29には、上水の供給を調節する(例えば電磁弁である)給水弁47が配置されている。
更に、本実施例では、フィルタ19の内側の水位を検出するために、蓋49に内側水位センサ51が配置されている。この内側水位センサ51は、フィルタ19の内部の液面を検知する検知部53を備えている。
b)次に、燃料電池システム1の要部である水タンク17等の構成について説明する。
具体的には、フィルタ19の高さであるフィルタ高さH2、フィルタ19内の凝縮水の高さの上限である満水時高さH1(=第3の閾値TH3)が設定されている。なお、H2>H1である。
c)次に、燃料電池システム1の動作と電子制御装置59にて行われる処理について説明する。
本処理は、フィルタ19の内側と外側の液面高さの差(水位差Δh=h2−h1)が、所定の水位差の閾値ΔhTHに達した場合には、目詰まり等によるフィルタ交換時期であるとして、警報を発生する処理である。
続くステップ110では、内側水位センサ51によって、フィルタ内液面高さh2を検出する。
本処理は、フィルタ外液面高さh1が、第1の閾値TH1に達した場合には、貯水量不足として、フィルタ19内に上水を供給し、また、フィルタ外液面高さh1が、第2の閾値TH2に達した場合には、貯水量過剰として、フィルタ19内への上水の供給を停止する処理である。
続くステップ210にて、フィルタ外液面高さh1の高さの判定を行う。具体的には、フィルタ外液面高さh1の高さが、「h1≦第1の閾値TH1」か、「第1の閾値TH1<h1<第2の閾値TH2」か、「第2の閾値TH2≦h1」かを判定する。そして、「h1≦第1の閾値TH1」の場合はステップ220に進み、「第1の閾値TH1<h1<第2の閾値TH2」の場合はステップ230に進み、「第2の閾値TH2≦h1」の場合はステップ240に進む。
ステップ240では、フィルタ19の外側の水位が過度に上昇した(上限に達した)として、給水弁47を閉じ、上水のフィルタ19の内側への供給を停止する。
上水供給時に、フィルタ19を通過する水流量が、フィルタ19内に供給される上水の供給量より少ないと、フィルタ19の内側の水位が上昇し、フィルタ19の上面から(未浄化の)水が溢れる恐れがある。そこで、本処理では、フィルタ内液面高さh2が、第3の閾値TH3に達した場合には、フィルタ19内への上水の供給を停止する。なお、本処理は、上水が供給されている場合の処理である。
続くステップ310にて、フィルタ内液面高さh2が第3の閾値TH3以上か否かを判定する。ここで肯定判断されるとステップ320に進み、一方否定判断されるとステップ300に進む。
d)次に、本実施例の効果を説明する。
更に、本実施例では、フィルタ19の材質が金属又はセラミックであるので、微生物が発生することがなく、フィルタ自体が新たな異物の発生源になりにくいという利点がある。
図6に示す様に、まず、ステップ400にて、外側水位センサ55によって、フィルタ外液面高さ(タンク内液面高さ)h1を検出する。
続くステップ420では、フィルタ内液面高さh2からフィルタ外液面高さh1を引いて、その水位差Δh(=h2−h1)を求める。
ステップ450では、超過時間が大きいで、目詰まり等の程度が大きく、フィルタ19の交換時期(或いは清掃時期)であるとみなして、その旨の警報を出し、一旦本処理を終了する。
本実施例の燃料電池システムでは、水タンクの構成に特徴があるので、水タンクの構成について説明する。
また、本実施例では、水タンク77の蓋91を開けて、フィルタ79を着脱可能に交換できるので、メンテナンスが容易である。
その上、下パイプ99の下端は、フィルタ79の上端より下方に位置しているので、熱交換器73から供給される凝縮水を確実にフィルタ79内に供給することができる。
本実施例の燃料電池システムでは、水タンクの構成に特徴があるので、水タンクの構成について説明する。
更に、前記実施例2と同様に、水タンク117の側壁121の上部には、環状のリング部材123と円盤状の蓋125とが、環状のシール部材127を介して、図示しないネジ部材によって一体に固定されている。
なお、導入管路115は、蓋125を貫通してフィルタ119内に到るように構成されており、第2排ガスライン131も、蓋125を貫通してフィルタ119内に到るように構成されている。
また、本実施例では、蓋125を閉めることにより、フィルタ119を固定できるので、固定作業が容易であるという利点がある。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
3…燃料電池
5…改質器
15、73、113…熱交換器
17、77、117…水タンク
19、79、119…フィルタ
21、75、115…導入管路
25…改質水ライン
47…給水弁
51…内側水位センサ
55…外側水位センサ
59…電子制御装置(コントローラ)
83…ガイド
Claims (10)
- 酸化剤ガスと燃料ガスとを用いて発電を行う燃料電池と、
前記燃料電池から排出される排ガスから凝縮水を取り出す熱交換器と、
前記凝縮水を含む水を貯める水タンクと、
前記水タンクに貯められた水を前記燃料電池に供給するポンプと、
を備えた燃料電池システムにおいて、
前記水タンク内に配置され、内側に前記凝縮水を一旦収容し、底面または側面を濾過面として前記収容された水を前記水タンク内に濾過して排出する有底筒状のフィルタと、
前記フィルタの内側に前記熱交換器から前記凝縮水を導入する導入管路と、
前記フィルタの内側の水位を検出する内側検出手段と、
前記フィルタの外側の水位を検出する外側検出手段と、
を備えており、
前記内側検出手段によって検出された内側の水位と、前記外側検出手段によって検出された外側の水位とに基づき、前記フィルタの前記内側と前記外側の水位差が検知されるものであり、
さらに、前記フィルタの内側に水道水を供給する水道水供給手段を備え、
前記外側検出手段によって検出された前記フィルタの外側の水位が、第1の閾値以下になった場合には、前記水道水供給手段によって、前記フィルタの内側に水道水を供給することを特徴とする燃料電池システム。 - 前記外側検出手段によって検出された前記フィルタの外側の水位が、前記第1の閾値を上回る第2の閾値以上になった場合には、前記水道水供給手段による前記フィルタの内側への水道水の供給を停止することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
- 前記内側検出手段によって検出された前記フィルタの内側の水位が、前記第2の閾値を上回る第3の閾値以上となった場合には、前記水道水供給手段による前記フィルタの内側への水道水の供給を停止することを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
- さらに、前記内側の水位と前記外側の水位とを比較し、前記内側と前記外側の水位差が所定閾値を超えるか否かを監視する水位差監視手段を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
- 前記水位差監視手段は、
前記内側と前記外側の水位差が前記所定閾値を超えた場合に、前記水位差が前記所定閾値を超過する超過時間が所定時間閾値を超えるか否かを監視する時間監視手段を、更に備えることを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システム。 - 前記水位差監視手段は、警報を発信する警報発信手段を備えることを特徴とする請求項4又は5に記載の燃料電池システム。
- 前記水タンクの内部には、前記フィルタを位置決めするガイドを備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
- 前記フィルタは、多孔質体又は網状体の構造を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
- 前記フィルタの多孔質体又は網状体の部分において、前記凝縮水を含む水が透過する透孔の径は、10μm以下であることを特徴とする請求項8に記載の燃料電池システム。
- 前記フィルタの材質は、金属又はセラミックであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
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