JP5798828B2 - 基板処理装置および基板処理方法 - Google Patents

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Description

この発明は、基板に形成した液膜を冷却し凝固させるプロセスを含む処理を実行する基板処理装置および基板処理方法に関するものである。
従来より、例えば基板表面に付着したパーティクル等の汚染物質を除去する目的で、基板表面に液膜を形成しこれを冷却して凝固させる技術がある。例えば本願出願人が先に開示した特許文献1に記載の技術においては、基板表面に形成した液膜に対し、低温の冷却ガスを吐出するノズルを走査移動させることで該液膜を凍結させ、これをリンス液で洗い流すことによって、凍結膜とともに基板に付着したパーティクル等の汚染物質を除去している。
特開2008−071875号公報(例えば、図7)
この種の技術においては、基板から離れた退避位置に冷却ガス吐出ノズルを待機させておき、液膜を凍結させる処理を実行する際に、これを基板上方へ移動させてくる。このとき、待機中にノズルに付着した霜が基板上に落下してウォーターマークを生じさせたり、霜に含まれる汚染物質により基板が汚染されたりすることがあった。霜の発生は主に、低温のガスに触れて冷やされたノズル内部に高湿度の周囲雰囲気が入り込むことが原因となっている。従来の技術においては、このような問題に関しては十分な考慮がなされていなかった。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、基板に形成した液膜を冷却し凝固させる基板処理装置および基板処理方法において、ノズルに霜が付着するのを抑制し、霜に起因する基板の汚染を防止することのできる技術を提供することを目的とする。
この発明にかかる基板処理装置は、上記目的を達成するため、表面に液膜が形成された基板を略水平に保持する基板保持手段と、前記液膜を構成する液体の凝固点よりも低温にした冷却ガスを、下向きに開口するガス吐出口から吐出する冷却ガス吐出ノズルと、前記冷却ガス吐出ノズルを前記基板保持手段に保持された前記基板に対して相対移動させることにより、前記冷却ガス吐出ノズルを前記基板の表面に沿って走査移動させるとともに、前記冷却ガス吐出ノズルを前記基板の上方から外れた退避位置に位置決め可能な移動手段と、前記退避位置に位置決めされた前記冷却ガス吐出ノズルの前記ガス吐出口の下方に配置され、上面が前記ガス吐出口の開口よりも大きなノズル対向面となった整流部材とを備え、前記冷却ガス吐出ノズルが前記退避位置に位置決めされた状態で、前記ガス吐出口から所定量の前記冷却ガスを吐出させるとともに、前記整流部材の前記ノズル対向面を前記ガス吐出口に臨ませて近接配置することを特徴としている。
また、この発明にかかる基板処理方法は、上記目的を達成するため、基板の表面に液膜を形成する工程と、下向きに開口するガス吐出口を有する冷却ガス吐出ノズルを、前記基板の上方から外れた退避位置から前記液膜が形成された前記基板の上方まで移動させる工程と、前記冷却ガス吐出ノズルを前記基板表面に沿って相対的に走査移動させながら、前記ガス吐出口から前記液膜を構成する液体の凝固点よりも低温にした冷却ガスを供給して前記液膜を凝固させる工程と、凝固した前記液膜の凝固体を融解して除去する工程とを備え、前記ガス吐出ノズルを前記基板の上方に移動させる前に、前記ガス吐出口から前記冷却ガスを吐出させながら、上面が前記ガス吐出口の開口よりも大きなノズル対向面となった整流部材の前記ノズル対向面を前記退避位置にある前記冷却ガス吐出ノズルの前記ガス吐出口に臨ませて近接配置することを特徴としている。
本願発明者らの知見によれば、ガス吐出口から吐出された低温の冷却ガスは、比重が大きいため、鉛直下方へ向かう下降気流を形成する。これに伴ってガス吐出口の周囲で気流の渦が生じて周囲の雰囲気を巻き込むことで、冷却ガス吐出ノズルの内部に霜が生じる。特に冷却ガスの流量が小さい場合にこの傾向が顕著である。また、冷却ガスの吐出が完全に停止された場合でも、ノズル周辺の冷やされた気体が下降気流を形成するため、同じような問題を生じる。
そこで、上記のように構成された発明では、退避位置においては冷却ガス吐出ノズルのガス吐出口に整流部材が近接対向配置され、この状態でガス吐出口からは冷却ガスが吐出される。こうすることで、次のような作用効果を得られる。すなわち、冷却ガス吐出ノズルが退避位置にあるときにもある程度の冷却ガスを吐出させておくことで、ノズル内から外へ向かう気流を生成させ、これにより外部からの雰囲気の侵入を規制することができる。このとき、下向きに開口するガス吐出口の下方に該開口よりも大きな整流部材のノズル対向面が対向配置されることで、ガス吐出口から下方へ向かう気流は、ガス吐出口の周縁とノズル対向面との隙間から周囲へ広がる外向きの方向に変更される。そして、ガス吐出口の下方はノズル対向面によって覆われる。
このように、ガス吐出口の周縁から外向きに吹き出す気流を形成することにより、周囲の高湿度雰囲気がガス吐出口から冷却ガス吐出ノズルの内部に入り込むことが抑制される。これによって、ノズル内での霜の発生を防止することができる。特に、ノズル対向面をガス吐出口に近接させた状態で冷却ガスを吐出させることで、ノズル内の気圧が上昇するとともに隙間から吹き出すガスの流速が高まり、ノズル内部への周囲雰囲気の侵入防止効果をより高めることが可能となる。
すなわち、本発明の構成によれば、高湿度の周囲雰囲気が冷却ガス吐出ノズルの内部へ侵入するのを効果的に抑制することでノズル内部への霜の付着を防止し、処理対象となる基板に霜が落下して基板を汚染するのを未然に防止することが可能である。
この発明にかかる基板処理装置では、例えば、退避位置に位置決めされた冷却ガス吐出ノズルのガス吐出口とノズル対向面との間隔が、基板表面に対し走査移動される冷却ガス吐出ノズルのガス吐出口と基板表面との間隔よりも小さくなるようにしてもよい。あるいは例えば、退避位置に位置決めされた冷却ガス吐出ノズルのガス吐出口の周縁部とノズル対向面とで形成されるスリット状の開口の面積が、ガス吐出口の開口面積よりも小さくなるようにしてもよい。これらの構成によれば、走査移動時と同等のガス流量であっても退避位置にある冷却ガス吐出ノズルのガス吐出口からのガス流速は走査移動時と同等以上である。このため、ノズル内への周囲雰囲気の侵入を確実に防止し、ノズル内への霜の付着を防止することができる。また、走査移動時と同じガス流速を得るのに必要なガス流量が少なくなるため、ノズル内への周囲雰囲気の侵入を防止するのに必要なガス使用量を低減することができる。
この発明においては例えば、冷却ガス吐出ノズルが退避位置に位置決めされた状態におけるガス吐出口からの冷却ガスの吐出量が、基板表面に対し走査移動される冷却ガス吐出ノズルのガス吐出口からの冷却ガスの吐出量よりも少なくなるようにしてもよく、こうすることで、ノズル内への周囲雰囲気の侵入を防止しつつガスの消費量を抑えることができる。
これらの基板処理装置においては、例えば、ガス吐出口の開口面およびノズル対向面がいずれも水平な平面であるようにしてもよい。前記のように低温のガスは下降気流を生じさせるが、ガス吐出口の開口面およびノズル対向面がいずれも水平面であれば、これらの隙間から吹き出されるガスの方向が水平方向に等方的となり、周囲雰囲気の遮断効果も等方的に生じるので、ノズル内への周囲雰囲気の侵入を確実に防止することができる。
また、例えば、冷却ガス吐出ノズルの下端外周部が外側に延伸されてガス吐出口を取り囲むフランジ部となっており、整流部材のノズル対向面がフランジ部の平面サイズよりも大きくなるようにしてもよい。このように冷却ガス吐出ノズルの下端を外側に延びるフランジ状とすることで、基板上でガス吐出口から吐出された冷却ガスは、フランジ部下面と基板表面との間隙空間に沿って流れる。これにより、冷却ガスを散逸させることなく長時間にわたり基板表面に触れさせることができる。また、狭い間隙空間に冷却ガスを流すことにより、ガスの流速を高めることができる。これらにより、冷却ガスから基板上の液膜への熱伝達率を高くすることができ、基板および液膜をより短時間で効率よく低温まで冷却することができる。
このとき、冷却ガス吐出ノズルが退避位置にある状態で整流部材のノズル対向面をフランジ部の下面に対向させておくことによってフランジ部が予め冷やされるので、冷却ガス吐出ノズルが基板上に配置されると直ちに基板上の液膜を冷却することができる。
この発明によれば、退避位置にある冷却ガス吐出ノズルのガス吐出口から冷却ガスを吐出させるとともに、ガス吐出口の下方に整流部材を近接対向配置することで、気流の方向をガス吐出口から外側へ向かう方向に制御することができる。ガス吐出口の下方には整流部材が配置されるので、ガス吐出口の周囲および下方からノズル内に周囲雰囲気が侵入することが抑制され、ノズル内への霜の付着およびこれに起因する基板の汚染を確実に防止することができる。
この発明にかかる基板処理装置の第1実施形態を示す図である。 図1の基板処理装置の制御構成を示すブロック図である。 冷却ガスノズルおよび整流部材の詳細構造を示す図である。 この実施形態における凍結洗浄処理の態様を示すフローチャートである。 図4の処理における動作を模式的に示す図である。 この凍結洗浄処理における装置各部の動作を示すタイミングチャートである。 この発明にかかる基板処理装置の第2実施形態の主要部を示す図である。
<第1実施形態>
図1はこの発明にかかる基板処理装置の第1実施形態を示す図である。また、図2は図1の基板処理装置の制御構成を示すブロック図である。この基板処理装置は半導体ウエハ等の基板Wの表面Wfに付着しているパーティクル等の汚染物質を除去するための基板洗浄処理を実行可能な枚葉式の基板洗浄装置としての基板処理装置である。
この基板処理装置は、基板Wに対して洗浄処理を施す処理空間をその内部に有する処理チャンバー1を備え、処理チャンバー1内の処理空間SPに、基板表面Wfを上方に向けた状態で基板Wを略水平姿勢に保持して回転させるスピンチャック2と、スピンチャック2に保持された基板Wの表面Wfに向けて液膜を冷却し凍結させるための冷却ガスを吐出する冷却ガスノズル3と、基板表面Wfに処理液の液滴を供給する二流体ノズル5と、スピンチャック2に保持された基板Wの表面Wfに向けて薬液を吐出する薬液吐出ノズル6と、スピンチャック2に保持された基板Wの表面Wfに対向配置された遮断部材9とが設けられている。処理液としては、薬液または純水やDIW(deionized water;脱イオン水)等の洗浄液などが用いられる。
スピンチャック2は、回転支軸21がモータを含むチャック回転機構22の回転軸に連結されており、チャック回転機構22の駆動により回転中心A0を中心に回転可能となっている。回転支軸21の上端部には、円盤状のスピンベース23が一体的にネジなどの締結部品によって連結されている。したがって、装置全体を制御する制御ユニット4(図2)からの動作指令に応じてチャック回転機構22を駆動させることによりスピンベース23が回転中心A0を中心に回転する。
スピンベース23の周縁部付近には、基板Wの周縁部を把持するための複数個のチャックピン24が立設されている。チャックピン24は、円形の基板Wを確実に保持するために3個以上設けてあればよく、スピンベース23の周縁部に沿って等角度間隔で配置されている。チャックピン24のそれぞれは、基板Wの周縁部を下方から支持する基板支持部と、基板支持部に支持された基板Wの外周端面を押圧して基板Wを保持する基板保持部とを備えている。各チャックピン24は、基板保持部が基板Wの外周端面を押圧する押圧状態と、基板保持部が基板Wの外周端面から離れる解放状態との間を切り替え可能に構成されている。
そして、スピンベース23に対して基板Wが受渡しされる際には、複数個のチャックピン24を解放状態とし、基板Wに対して洗浄処理を行う際には、複数個のチャックピン24を押圧状態とする。押圧状態とすることによって、複数個のチャックピン24は基板Wの周縁部を把持してその基板Wをスピンベース23から所定間隔を隔てて略水平姿勢に保持することができる。これにより、基板Wはその表面(パターン形成面)Wfを上方に向け、裏面Wbを下方に向けた状態で保持される。
スピンチャック2の外方には、第1の回動モータ31が設けられている。第1の回動モータ31には、第1の回動軸33が接続されている。また、第1の回動軸33には、第1のアーム35が水平方向に延びるように連結され、第1のアーム35の先端に冷却ガスノズル3が取り付けられている。そして、制御ユニット4からの動作指令に応じて第1の回動モータ31が駆動されることで、第1のアーム35を第1の回動軸33回りに揺動させることができる。
冷却ガスノズル3はガス供給部64(図2)と接続されており、制御ユニット4からの動作指令に応じてガス供給部64から冷却ガスが冷却ガスノズル3に供給される。より具体的には、ガス供給部64に設けられた窒素ガス貯留部641から供給される窒素ガスが熱交換器642によりDIWの凝固点よりも低い温度まで冷やされる。こうして冷やされた窒素ガスが冷却ガスとして、熱交換器642から第1のアーム35内を経て冷却ガスノズル3まで配設された供給経路643に沿って冷却ガスノズル3に供給される。冷却ガスノズル3が基板表面Wfに対向配置されると、冷却ガスノズル3下面に設けられた吐出口30から基板表面Wfに向けて局部的に冷却ガスが吐出される。冷却ガスノズル3から冷却ガスを吐出させた状態で、制御ユニット4が基板Wを回転させながら該冷却ガスノズル3を基板の回転中心から外周部に向けて移動させることで、冷却ガスを基板表面Wfの全面にわたって供給できる。このとき、後述するように基板表面WfにDIWによる液膜が予め形成されていると、該液膜の全体を凍結させて基板表面Wfの全面にDIWの凍結膜を生成可能となっている。
第1の回動モータ31は、図1に点線で示すように、冷却ガスノズル3を基板Wの上方よりも外側に設定された退避位置へ位置決めすることができる。退避位置に位置決めされる冷却ガスノズル3の直下には、上面が水平な平面となった整流部材37が設けられている。冷却ガスノズル3および整流部材37の構造とその機能については後に詳述する。
また、スピンチャック2の外方に第2の回動モータ51が設けられている。第2の回動モータ51には、第2の回動軸53が接続され、第2の回動軸53には、第2のアーム55が連結されている。また、第2のアーム55の先端に二流体ノズル5が取り付けられている。そして、制御ユニット4からの動作指令に応じて第2の回動モータ51が駆動されることで、二流体ノズル5を第2の回動軸53回りに揺動させることができる。この二流体ノズルは、処理液としてのDIWと窒素ガスとを空中(ノズル外部)で衝突させてDIWの液滴を生成する、いわゆる外部混合型の二流体ノズルである。
また、スピンチャック2の外方には、第3の回動モータ67が設けられている。第3の回動モータ67には、第3の回動軸68が接続されている。また、第3の回動軸68には、第3のアーム69が水平方向に延びるように連結され、第3のアーム69の先端に薬液吐出ノズル6が取り付けられている。そして、制御ユニット4からの動作指令に応じて第3の回動モータ67が駆動されることで、薬液吐出ノズル6を基板Wの回転中心A0の上方の吐出位置と吐出位置から側方に退避した待機位置との間で往復移動させることができる。薬液吐出ノズル6は薬液供給部61と接続されており、制御ユニット4からの動作指令に応じてSC1溶液(アンモニア水と過酸化水素水との混合水溶液)等の薬液が薬液吐出ノズル6に圧送される。
なお、冷却ガスノズル3、二流体ノズル5および薬液吐出ノズル6ならびにこれらに付随するアームやその回動機構としては、例えば前記した特許文献1(特開2008−071875号公報)に記載されたものと同一構造のものを用いることができる。そこで、本明細書ではこれらの構成についてのより詳しい説明は省略する。
スピンチャック2の上方には、中心部に開口を有する円盤状の遮断部材9が設けられている。遮断部材9は、その下面(底面)が基板表面Wfと略平行に対向する基板対向面となっており、その平面サイズは基板Wの直径と同等以上の大きさに形成されている。遮断部材9は略円筒形状を有する支持軸91の下端部に略水平に取り付けられ、支持軸91は水平方向に延びるアーム92により基板Wの中心を通る鉛直軸回りに回転可能に保持されている。また、アーム92には、遮断部材回転機構93と遮断部材昇降機構94が接続されている。
遮断部材回転機構93は、制御ユニット4からの動作指令に応じて支持軸91を基板Wの中心を通る鉛直軸回りに回転させる。また、遮断部材回転機構93は、スピンチャック2に保持された基板Wの回転に応じて基板Wと同じ回転方向でかつ略同じ回転速度で遮断部材9を回転させるように構成されている。
また、遮断部材昇降機構94は、制御ユニット4からの動作指令に応じて、遮断部材9をスピンベース23に近接して対向させたり、逆に離間させることが可能となっている。具体的には、制御ユニット4は遮断部材昇降機構94を作動させることで、基板処理装置に対して基板Wを搬入出させる際には、スピンチャック2の上方の離間位置(図1に示す位置)に遮断部材9を上昇させる。その一方で、基板Wに対して所定の処理を施す際には、スピンチャック2に保持された基板Wの表面Wfのごく近傍に設定された対向位置まで遮断部材9を下降させる。
支持軸91は中空に仕上げられ、その内部に遮断部材9の開口に連通したガス供給路95が挿通されている。ガス供給路95は、ガス供給部64と接続されており、窒素ガス貯留部641から熱交換器を通さずに供給される窒素ガスが乾燥ガスとして供給される。この実施形態では、基板Wに対する洗浄処理後の乾燥処理時に、ガス供給路95から遮断部材9と基板表面Wfとの間に形成される空間に窒素ガスを供給する。また、ガス供給路95の内部には、遮断部材9の開口に連通した液供給管96が挿通されており、液供給管96の下端にノズル97が結合されている。液供給管96には適宜の処理液が通送されて、基板Wの表面Wfに処理液を供給する。
DIW供給部62はDIW貯留部621を有しており、熱交換器622はDIW貯留部621から供給されるDIWをその凝固点近傍温度まで冷却する。すなわち、DIW供給部62はDIW貯留部621から供給される常温のDIW、または熱交換器622により凝固点近傍温度まで冷却された低温のDIWを供給可能となっている。
スピンチャック2の回転支軸21は中空軸からなる。回転支軸21の内部には、基板Wの裏面Wbに処理液を供給するための処理液供給管25が挿通されている。そして、回転支軸21の内壁面と処理液供給管25の外壁面の隙間は、円筒状のガス供給路29を形成している。処理液供給管25およびガス供給路29は、スピンチャック2に保持された基板Wの下面(裏面Wb)に近接する位置まで延びており、その先端には基板Wの下面中央部に向けて処理液およびガスを吐出する下面ノズル27が設けられている。
処理液供給管25は薬液供給部61およびDIW供給部62と接続されており、薬液供給部61から供給されるSC1溶液等の薬液またはDIW供給部62から供給されるDIWなどの各種の液体が選択的に供給される。一方、ガス供給路29はガス供給部64と接続されており、スピンベース23と基板裏面Wbとの間に形成される空間にガス供給部64からの窒素ガスを供給することができる。
また、スピンチャック2の周囲を取り囲むようにスプラッシュガード20が設けられており、スピンベース23の回転により回転する基板から飛散する処理液を受け止めて図示しない排液回収部へ案内する。
図3は冷却ガスノズルおよび整流部材の詳細構造を示す図である。より具体的には、図3(a)は退避位置における冷却ガスノズル3と整流部材37との外観および配置を示す図であり、図3(b)は冷却ガスノズル3の内部構造を示す断面図である。また、図3(c)は退避位置における冷却ガスノズル3と整流部材37とを下方から見た図であり、図3(d)は比較例として示す、整流部材を設けない構成を示す断面図である。
図3(a)および図3(b)に示すように、冷却ガスノズル3のノズル筐体301および第1のアーム35の内部は中空となっており、筒状の中空部分が冷却ガスを通送させるガス供給経路643として機能している。ノズル筐体301の下部においてガス供給経路643は拡径され、通送されてきた冷却ガスの流速を低下させるバッファ空間304がノズル筐体301内に形成されている。ノズル筐体301の下面にはガス吐出口30が下向きに開口しており、バッファ空間304と連通している。
第1のアーム35から冷却ガスノズル3に通送されてきた冷却ガスは、ノズル筐体301下端のガス吐出口30から吐出される。詳しくは後述するが、冷却ガスノズル3が基板上部に配置された状態では、吐出された冷却ガスは基板表面の液膜に向けて供給される。このとき、冷却ガスがいったんバッファ空間304に案内されることにより、冷却ガスが勢いよく噴射されて基板表面Wfに形成された液膜を吹き飛ばすという問題が回避される。
一方、基板上方から側方へ外れた退避位置では、図3(b)に示すように、ガス吐出口30の直下に、該ガス吐出口30の開口を下方から覆うべく上面(ノズル対向面)37aが平面となった整流部材37が近接配置されている。図3(c)に示すように、整流部材37はガス吐出口30の開口の平面サイズより大きく作られており、水平方向には該開口の全体を覆うように、かつ鉛直方向には微小な隙間を空けてガス吐出口30の直下に配置される。
退避位置においても所定量の冷却ガスがアイドリング用としてガス吐出口30から吐出されており、不使用時の供給経路643およびノズル内部の温度上昇を抑制して、必要時には速やかに低温の冷却ガスを吐出できるようにしている。このとき、図3(b)に実線矢印で示すように、ガス吐出口30から下向きに吐出された冷却ガスは整流部材37のノズル対向面37aに当たってその方向が変えられ、ノズル下端とノズル対向面37aとで形成されるスリット状の隙間を通って外側へ流れる。この隙間の開口面積を小さくすることによりガスの流速が高くなり、ガスはより勢いよく隙間から吹き出すことになる。
処理液を使用する処理チャンバー1内の雰囲気は高湿度であり、冷却ガスノズル3の周囲雰囲気には符号Vで模式的に示すように水蒸気やそれが凝結してなるミストが多く含まれる。このような水蒸気等Vがノズル内に入り込むと、冷却ガスに触れて、あるいは冷却ガスにより冷やされたノズル内壁に触れて凍結し霜となってノズル内に付着する場合がある。このような霜が、冷却ガスノズル3が基板W上に移動されたときに基板上に落下することがあり、特に霜がパーティクル等の汚染物質を含んでいた場合、基板を汚染してしまう。
上記したように、この実施形態では、退避位置にある冷却ガスノズル3のガス吐出口30を覆うように整流部材37を近接配置した状態で、冷却ガスの吐出を行う。これによりガス吐出口30と整流部材37との隙間から外向きに吹き出す気流が形成されるため、高湿度の周囲雰囲気がノズル内に侵入して霜を発生させることが防止される。
これに対し、整流部材を設けない図3(d)に示す比較例では、吐出される冷却ガスの比重が大きいためダウンフローとなり、しかも冷却ガスが自由空間に放出されて周囲雰囲気と混じり合う際に渦が生じるため、同図に破線矢印で示したように、特にガス吐出口30の側方から水蒸気等Vを含んだ周囲雰囲気がノズル内に入り込み、ノズル内で霜を生じて上記のような問題を引き起こすおそれがある。退避位置で冷却ガスを停止させる場合にも、ノズル周辺で冷やされた周囲雰囲気によるダウンフローが生じるため同様の問題が起こり得る。本実施形態の構成ではこのような問題が回避されている。
なお、ガス吐出口30から下向きに吐出された冷却ガスが整流部材37によってその方向を変更され、整流部材37の上面に沿って放射状に等方的に流れるためには、ガス吐出口30の開口面を含む平面、および整流部材37の上面(ノズル対向面37a)を含む平面がそれぞれ水平面であることが好ましい。
上記のように構成された基板処理装置では、処理チャンバー1内の処理空間SPに搬入された基板Wがスピンチャック2によって保持され、必要に応じて所定の薬液処理が実行される。また、基板Wに対して、その表面Wfに液膜を形成してこれを凍結させた後、凍結膜とともに付着物を除去する凍結洗浄処理が行われる。上記構成の装置における凍結洗浄処理の基本的な原理については特許文献1(特開2008−071875号公報)に記載されているので詳しい説明は省略する。
図4はこの実施形態における凍結洗浄処理の態様を示すフローチャートである。また、図5は図4の処理における動作を模式的に示す図である。この装置では、未処理の基板Wが装置内に搬入されると、制御ユニット4が装置各部を制御して該基板Wに対して一連の洗浄処理が実行される。ここでは、予め基板Wが表面Wfを上方に向けた状態で処理チャンバー1内に搬入されてスピンチャック2に保持され、遮断部材9がその下面を基板上面に近接対向配置されているものとする。
このとき、退避位置に位置決めした冷却ガスノズル3から予め少量の冷却ガスを吐出させてアイドリングを行っておく(ステップS101)。これにより、待機状態のガス供給経路の温度上昇を最小限に抑えることができる。なお、アイドリング時の冷却ガスは供給経路の温度維持を目的とするので、このとき吐出口から吐出されるガスの温度が、液膜を構成する液体の凝固点以下である必要は必ずしもない。また、本実施形態では退避位置の冷却ガスノズル3に整流部材37を近接配置することでノズル内への周囲雰囲気の侵入が抑制されているので、ガス流量も比較的少なくて済み、処理全体におけるガス使用量を低減することができる。
続いて、制御ユニット4がチャック回転機構22を駆動させてスピンチャック2を回転させるとともに、ノズル97から常温のDIWを基板表面Wfに供給する。基板表面に供給されたDIWには、基板Wの回転に伴う遠心力が作用し、基板Wの径方向外向きに均一に広げられ、その一部が基板外に振り切られる。これによって、基板表面Wfの全面にわたって液膜の厚みを均一にコントロールして、基板表面Wfの全体に所定の厚みを有する液膜(水膜)が形成される(ステップS102)。なお、液膜形成に際して、上記のように基板表面Wfに供給されたDIWの一部を振り切ることは必須の要件ではない。例えば、基板Wの回転を停止させた状態あるいは基板Wを比較的低速で回転させた状態で基板WからDIWを振り切ることなく基板表面Wfに液膜を形成してもよい。
液膜形成が終了すると、制御ユニット4は遮断部材9を離間位置に退避させる。この状態では、図5(a)に示すように、基板Wの表面Wfに所定厚さのパドル状液膜LPが形成されている。ここで、パドル状の液膜LPは、例えば薬液吐出ノズル6から供給されるSC1液によって形成されてもよい。前記したように、このとき冷却ガスノズル3は基板上方から側方へ離間した退避位置(図5(a)に示す位置)でアイドリング状態にあり、吐出口30から吐出される少量の冷却ガスは整流部材37との隙間から側方へ流れている。
続いて、冷却ガスノズル3を退避位置から基板の回転中心AOの上方に移動させる(ステップS103)。そして、図5(b)に示すように、回転する基板Wの表面Wfに向けて冷却ガスノズル3からアイドリング時よりも多量の冷却ガスを吐出させながら、冷却ガスノズル3を徐々に基板Wの端縁位置に向けてスキャン移動させていく(ステップS104)。
これにより、基板表面Wfの表面領域に形成された液膜LPが冷やされて部分的に凍結し、図5(c)に示すように、凍結した領域(凍結領域FR)が基板表面Wfの中央部に形成される。そして、方向Dn1へのノズル3のスキャンによって凍結領域FRは基板表面Wfの中央部から周縁部へと広げられ、図5(d)に示すように、最終的には基板表面Wfの液膜全面が凍結する。液膜全体が凍結すると、冷却ガスノズル3を退避位置まで退避させる。このとき冷却ガスノズル3からの冷却ガス吐出量を低下させてアイドリング状態に戻しておく(ステップS105)。
ここで、基板に供給する冷却ガスとしては、例えば−150℃、50L/minの窒素ガスを用いることができる。また、凍結後の液膜の目標到達温度としては、例えば−30℃とすることができる。冷却ガスのスキャンが終了すると、遮断部材9を再び基板表面Wfに近接配置し(ステップS106)、さらに遮断部材9に設けられたノズル97から基板表面Wfの凍結した液膜に向けて常温のDIWを供給してリンス処理を行う(ステップS107)。
ここまでの処理が実行された時点では、基板Wが遮断部材9とスピンベース23との間に挟まれながら回転する状態で、基板Wの表面にDIWが供給されている。ここで、基板表面Wfに常温のDIWを供給するのに代えて、二流体ノズル5からDIWの液滴を供給するようにしてもよい。続いて基板へのDIWの供給を停止し、基板を高速回転により乾燥させるスピン乾燥処理を行う(ステップS108)。すなわち、遮断部材9に設けられたノズル97およびスピンベース23に設けられた下面ノズル27から窒素ガスを吐出させながら基板Wを高速度で回転させることにより、基板Wに残留するDIWを振り切り基板Wを乾燥させる。このときに供給される窒素ガスは乾燥ガスとしての作用をするものであり、熱交換器を通さない常温のガスである。こうして乾燥処理が終了すると、処理済みの基板Wを搬出することによって1枚の基板に対する処理が完了する。
上記処理によって得られる洗浄効果について説明する。上記のようにして液膜を凍結させると、基板表面Wfとパーティクルの間に入り込んだ液膜の体積が増加(摂氏0℃の水が摂氏0℃の氷になると、その体積はおよそ1.1倍に増加する)し、パーティクルが微小距離だけ基板表面Wfから離れる。その結果、基板表面Wfとパーティクルとの間の付着力が低減され、さらにはパーティクルが基板表面Wfから脱離することとなる。このとき、基板表面Wfに微細パターンが形成されている場合であっても、液膜の体積膨張によってパターンに加わる圧力はあらゆる方向に等しく、つまりパターンに加えられる力が相殺される。そのため、パターンの剥離や倒壊を防止しながら、パーティクルのみを基板表面Wfから剥離させることができる。そして、新たに供給するDIWによって凍結した液膜を除去することにより、パーティクル等についても基板表面Wfから取り除くことができる。
図6はこの凍結洗浄処理における装置各部の動作を示すタイミングチャートである。処理開始当初においては、冷却ガスノズル3は供給経路643を低温に維持できる程度の低流量で冷却ガスを吐出しており、その位置は退避位置である。冷却ガスノズル3から吐出される低流量の冷却ガスはガス吐出口30と整流部材37との隙間から処理空間SPへ放出されている。この状態が保たれた図6において符号Aで示す期間中に、外部から基板Wが搬入されスピンベース23に保持させる。
その後の時刻T1からT2までの期間Bにおいて、基板表面Wfに液膜が形成される。このとき、冷却ガスノズル3からの冷却ガスの流量を増大させておく。冷却ガス流量を増大させておくことで、後のスキャン動作において十分に低温が維持された冷却ガスを吐出させることができる。
時刻T2に冷却ガスノズル3の移動が開始され、時刻T3までの期間Cにおいて、冷却ガスノズル3は退避位置から基板Wの回転中心AOの上方まで移送される。そして、基板中心から周縁に向けた冷却ガスノズル3のスキャンが行われる(期間D)。時刻T4において冷却ガスノズル3が基板周縁の上方に達すると、冷却ガスの流量は再び低流量とされ、冷却ガスノズル3は退避位置に戻される(期間E)。またこの期間に遮断部材9の基板近接位置への下降が行われる。
ノズル移動が終了する時刻T5から続くT6までの期間Fにおいてリンス処理が行われるとともに、時刻T7までの期間Gにスピン乾燥処理が行われる。その後の期間Hにおいて、処理後の基板の搬出が行われる。これらの期間中、退避位置に位置決めした冷却ガスノズル3から少量の冷却ガスを吐出しアイドリング状態としておくことで、ガス供給経路の温度上昇を抑制することができる。
なお、ガス吐出口30と整流部材37のノズル対向面37aとの隙間から吹き出されるガスの流速を高めるためには、ノズル内と自由空間とを連通させるスリット状の隙間の開口面積を小さくすることが望ましい。本実施形態においてこの開口面積は、ガス吐出口30の周長に、ガス吐出口30とこれに対向する面との間隔を乗じたものとして定義することができる。
例えば、冷却ガスノズル3が基板上に配置された状態におけるガス吐出口30と基板表面Wf(より厳密にはその上の液膜LPの表面)との隙間の開口面積よりも、退避位置におけるガス吐出口30と整流部材37との隙間の開口面積の方が小さくなるようにすれば、同じガス流速を得るのに必要なガス流量は待機状態の方が少なくて済む。これにより、装置全体としてのガス消費量を抑えることができる。
具体的には、図5(a)において符号G1で示す、冷却ガスノズル3下端と整流部材37上面との間隔が、図5(b)において符号G2で示す、基板上における冷却ガスノズル3下端と液膜LP上面との間隔よりも小さくなるようにすればよいこととなる。
以上のように、この実施形態では、退避位置に位置決めした冷却ガスノズル3のガス吐出口30から所定量の冷却ガスを吐出させるアイドリングを行うことにより、待機状態における冷却ガスノズル3およびガス供給経路643の温度上昇を抑制している。これにより、基板W上へ移動された冷却ガスノズル3から十分に冷やされた冷却ガスを直ちに吐出させることができ、基板上の液膜LPの凍結を短時間にて行うことができる。
このとき、単にガス吐出口30から処理空間SP内にガスを放出させるのではなく、ガス吐出口30に整流部材37を近接配置させ、ガス吐出口30と整流部材37との隙間から側方へ吹き出す気流を生じさせる。こうすることによって、低ガス流量であっても、高湿度の周囲雰囲気がノズル内に入り込むのを効果的に阻止することができ、ノズル内に霜が生じるのを未然に防止することができる。これにより、基板上への霜の落下による基板の汚染を防止することが可能である。
以上説明したように、この実施形態においては、スピンチャック2が本発明の「基板保持手段」として機能しており、冷却ガスノズル3が本発明の「冷却ガス吐出ノズル」として機能している。そのうち吐出口30が本発明の「ガス吐出口」に相当している。また、整流部材37が本発明の「整流部材」として機能している。また、この実施形態では、冷却ガスノズル3を装着したアーム35を回動させる第1の回動モータ31が、本発明の「移動手段」として機能している。
<第2実施形態>
図7はこの発明にかかる基板処理装置の第2実施形態の主要部を示す図である。より具体的には、図7(a)は第2実施形態の冷却ガスノズル32の外観を示す図であり、図7(b)はその内部構造を示す縦断面図である。なお、この実施形態にかかる基板処理装置の基本的な構成は第1実施形態と同様であるので、ここでは相違する部分について主に説明する。また、第1実施形態と同一の構成には同一符号を付して説明を省略する。これらの図に示すように、この実施形態では、冷却ガスノズル32のノズル筐体321の外周部はその下端部が外方向に大きく延伸されて、基板対向部として機能する平板状のフランジ322となっている。ガス吐出口320はフランジ下面322aの略中央部に開口している。
この実施形態においても、退避位置にある冷却ガスノズル32の下方に整流部材38が配置されアイドリングが行われる。整流部材38は、冷却ガスノズル32のフランジ322よりも大きな平面サイズを有し、フランジ322の下面322aのほぼ全体を下方から覆うように、冷却ガスノズル32に対し近接対向配置される。
したがって、図7(b)に点線矢印で示すように、冷却ガスノズル32を支持するアーム35内から冷却ガスノズル32に連通して設けられたガス供給経路643を通送される冷却ガスはガス吐出口320から吐出された後、フランジ下面322aと整流部材38の上面38aとの間隙空間を通って外部へ放出される。このような構成によれば、第1実施形態と同様に、高湿度の周囲雰囲気がノズル内へ侵入することで生じる霜の発生を防止し、霜に起因する基板の汚染を防止することができる。
ここで、単にノズル内への周囲雰囲気の侵入を防止するという観点からは、整流部材38はガス吐出口320よりも大きく形成されてガス吐出口320を覆うように設けられればよい。一方、この実施形態では、整流部材38はさらに大きく、冷却ガスノズル32下端のフランジ322と同等またはこれより大きく作られて、フランジ下面322a全体を覆うように構成されている。そのため、アイドリング時においては、ガス吐出口320から吐出された冷却ガスはフランジ下面322aに触れることでこれを冷却しつつ外部へ向けて流れることになる。
一方、冷却ガスノズル32が基板Wの上部に配置されると、フランジ322の下面322aが、スピンチャック2に保持された基板表面と近接対向する基板対向面となる。ガス吐出口320から吐出された冷却ガスは基板対向面322aと基板表面(より厳密には、基板表面に形成された液膜の表面)とで挟まれた間隙空間を基板表面に沿って流通することになる。このため、吐出された冷却ガスは比較的長い時間にわたって基板上の液膜と触れることになる。また、基板対向面322aと基板表面とが近接対向しているため、基板表面に沿って流れる冷却ガスの流速が比較的高くなる。さらに、間隙空間に冷却ガスよりも高温の外部雰囲気が入り込んでくることが抑制され、冷却ガスと周囲雰囲気との混合に起因するガス温度の上昇が抑えられている。
これらのことから、本実施形態の構成では、冷却ガスから基板表面に形成された液膜への熱伝達率がより高くなり、基板および液膜をより短時間で効率よく冷却することができる。すなわち、冷却ガスの流量や処理時間が同じであれば基板および液膜をより低温まで冷却することができ、基板および液膜の到達温度が同じであれば冷却ガスの流量や処理時間をより少なくすることが可能である。
そして、この実施形態では、アイドリング時においてガス吐出口320から吐出される冷却ガスによりフランジ322を予め冷却している。このため、フランジ322の基板対向面322aと液膜表面とで挟まれた間隙空間に供給された冷却ガスの熱がフランジ322に奪われることが抑制されており、冷却ガスにより基板および液膜を効率よく短時間で冷却することが可能である。
フランジ322のサイズについて、液膜の冷却効率の点からは大きい方がよいが、これに伴い処理チャンバー1や装置全体のサイズも大きくなってしまうので、例えば基板の表面積の1/2程度の面積とすることが好ましい。例えば直径300mmの基板Wを処理する系においては、フランジ32の1辺を150mmないし200mm程度とすることができる。なお、この実施形態では、供給経路643の断面形状およびガス吐出口320の開口形状が矩形であり、これに伴ってフランジ322の形状も矩形であるが、これらの形状は矩形のものに限定されず、例えば円形、長円形や他の多角形であってもよい。また、これらの形状が互いに異なっていても何ら問題ない。
<その他>
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば上記実施形態では、DIWによって本発明の「液膜」を形成しているが、液膜を構成する液体はこれに限定されない。例えば、炭酸水、水素水、希薄濃度(例えば1ppm程度)のアンモニア水、希薄濃度の塩酸などを用いたり、DIWに少量の界面活性剤を加えたものを用いてもよい。
また、上記実施形態では、冷却ガスノズルが退避位置にあるときにはアイドリングを行うようにしているが、処理時間を短縮するためにノズルを予め冷却しておくという観点からは、少なくとも基板上の液膜の凍結を開始する直前の一定期間アイドリングを行っておけばよく、常時アイドリングを行うことを必須とするものではない。
また、上記実施形態では、冷却ガスとして液膜を構成する液体(DIW)の凝固点よりも低温にした窒素ガスを用いているが、冷却ガスは窒素ガスに限定されない。例えば、アルゴンガスのような希ガスや他の不活性ガス、乾燥空気等を用いてもよい。
また、上記実施形態の基板処理装置は、DIW貯留部621および窒素ガス貯留部641をいずれも装置内部に内蔵しているが、処理液およびガスの供給源については装置の外部に設けられてもよく、例えば工場内に既設の処理液やガスの供給源を利用するようにしてもよい。また、これらを冷却するための既設設備がある場合には、該設備によって冷却された液体やガスを利用するようにしてもよい。
また、上記実施形態の基板処理装置は、基板Wの上方に近接配置される遮断部材9を有するものであるが、本発明は遮断部材を有しない装置にも適用可能である。また、この実施形態の装置は基板Wをその周縁部に当接するチャックピン24によって保持するものであるが、基板の保持方法はこれに限定されるものではなく、他の方法で基板を保持する装置にも、本発明を適用することが可能である。
この発明は、半導体ウエハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板などを含む基板全般の表面に形成された液膜を凍結させる基板処理装置および基板処理方法に適用することができる。
2 スピンチャック(基板保持手段)
3,32 冷却ガスノズル(冷却ガス吐出ノズル)
30,320 ガス吐出口
31 第1の回動モータ(移動手段)
37,38 整流部材
W 基板

Claims (7)

  1. 表面に液膜が形成された基板を略水平に保持する基板保持手段と、
    前記液膜を構成する液体の凝固点よりも低温にした冷却ガスを、下向きに開口するガス吐出口から吐出する冷却ガス吐出ノズルと、
    前記冷却ガス吐出ノズルを前記基板保持手段に保持された前記基板に対して相対移動させることにより、前記冷却ガス吐出ノズルを前記基板の表面に沿って走査移動させるとともに、前記冷却ガス吐出ノズルを前記基板の上方から外れた退避位置に位置決め可能な移動手段と、
    前記退避位置に位置決めされた前記冷却ガス吐出ノズルの前記ガス吐出口の下方に配置され、上面が前記ガス吐出口の開口よりも大きなノズル対向面となった整流部材と
    を備え、
    前記冷却ガス吐出ノズルが前記退避位置に位置決めされた状態で、前記ガス吐出口から所定量の前記冷却ガスを吐出させるとともに、前記整流部材の前記ノズル対向面を前記ガス吐出口に臨ませて近接配置する
    ことを特徴とする基板処理装置。
  2. 前記退避位置に位置決めされた前記冷却ガス吐出ノズルの前記ガス吐出口と前記ノズル対向面との間隔が、前記基板表面に対し走査移動される前記冷却ガス吐出ノズルの前記ガス吐出口と前記基板表面との間隔よりも小さい請求項1に記載の基板処理装置。
  3. 前記退避位置に位置決めされた前記冷却ガス吐出ノズルの前記ガス吐出口の周縁部と前記ノズル対向面とで形成されるスリット状の開口の面積が、前記ガス吐出口の開口面積よりも小さい請求項1または2に記載の基板処理装置。
  4. 前記冷却ガス吐出ノズルが前記退避位置に位置決めされた状態における前記ガス吐出口からの前記冷却ガスの吐出量が、前記基板表面に対し走査移動される前記冷却ガス吐出ノズルの前記ガス吐出口からの前記冷却ガスの吐出量よりも少ない請求項1ないし3のいずれかに記載の基板処理装置。
  5. 前記ガス吐出口の開口面および前記ノズル対向面がいずれも水平な平面である請求項1ないし4のいずれかに記載の基板処理装置。
  6. 前記冷却ガス吐出ノズルの下端外周部が外側に延伸されて前記ガス吐出口を取り囲むフランジ部となっており、前記整流部材の前記ノズル対向面が前記フランジ部の平面サイズよりも大きい請求項1ないし5のいずれかに記載の基板処理装置。
  7. 基板の表面に液膜を形成する工程と、
    下向きに開口するガス吐出口を有する冷却ガス吐出ノズルを、前記基板の上方から外れた退避位置から前記液膜が形成された前記基板の上方まで移動させる工程と、
    前記冷却ガス吐出ノズルを前記基板表面に沿って相対的に走査移動させながら、前記ガス吐出口から前記液膜を構成する液体の凝固点よりも低温にした冷却ガスを供給して前記液膜を凝固させる工程と、
    凝固した前記液膜の凝固体を融解して除去する工程と
    を備え、
    前記ガス吐出ノズルを前記基板の上方に移動させる前に、前記ガス吐出口から前記冷却ガスを吐出させながら、上面が前記ガス吐出口の開口よりも大きなノズル対向面となった整流部材の前記ノズル対向面を前記退避位置にある前記冷却ガス吐出ノズルの前記ガス吐出口に臨ませて近接配置する
    ことを特徴とする基板処理方法。
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