JP5315271B2 - 基板処理方法および基板処理装置 - Google Patents

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この発明は、半導体ウエハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、光ディスク用基板などの各種基板表面に付着したパーティクル等の汚染物質を除去するための基板処理方法および基板処理装置に関するものである。
従来より、基板表面に付着したパーティクル等の汚染物質を除去するための処理の1つとして凍結洗浄技術が知られている。この技術では、基板表面に形成した液膜を凍結させ、この凍結膜を除去することにより基板表面からパーティクル等を凍結膜とともに除去している。例えば、特許文献1に記載の技術においては、洗浄液としてのDIW(脱イオン水)を基板表面に供給して液膜を形成した後、冷却ガスを吐出するノズルを基板表面近傍でスキャンさせることにより液膜を凍結させ、再度DIWを供給して凍結膜を除去することによって、基板表面からのパーティクルの除去を行っている。
特開2008−071875号公報(図5)
本願発明者らは、種々の実験の結果、凍結膜の温度とパーティクル除去率との間に一定の相関性があることを見出した。具体的には、単に液膜を凍結させるだけでなく、凍結膜の温度をさらに低下させることによってパーティクル除去率をより向上させることが可能である。上記した従来技術の凍結洗浄技術は、凍結膜の温度を十分に低下させるためには冷却ガスのスキャンを何度も繰り返す必要があり、処理時間が長くなったりガスの使用量が多くなるなどの問題があり、この点においてさらなる改良の余地が残されていた。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、基板表面に付着したパーティクル等の汚染物質を除去するための基板処理方法および基板処理装置において、高いスループットを得られ、しかもパーティクル等を効果的に除去することのできる技術を提供することを目的とする。
この発明にかかる基板洗浄方法は、上記目的を達成するため、略水平姿勢に保持した基板の上面に液膜を形成する液膜形成工程と、前記液膜に対し該液膜を構成する液体の凝固点よりも低温の凍結ガスを供給して前記液膜を凍結させる凍結工程と、前記液膜が凍結してなる凝固体の温度を、冷却用流体によって低下させる冷却工程と、前記基板から前記凝固体を除去する除去工程とを備えることを特徴としている。ここで、冷却用流体は、凍結ガスよりも低温の流体、または、凍結ガス以下の温度で凍結ガスよりも大流量のガスである。
このように構成された発明では、基板上面に形成した液膜を凍結させ、液膜が凍結してなる凝固体を基板から除去することによって、パーティクル等に対する優れた除去効果を得ることができる。ここで、基板上面の液膜を凍結ガスによって凍結させた後、より冷却能力の高い冷却用流体によって液膜が凍結してなる凝固体を冷却する。このように液膜の凍結およびさらなる冷却を二段階で行うことにより、次のような効果が得られる。
第1に、処理時間の短縮および凍結ガスの使用量の削減を図ることができる。液膜の凍結後にも凍結ガスを基板に供給し続けることによっても凝固体の温度は低下するが、凍結ガスの冷却能力、つまり単位時間当たりに液膜から奪う熱量をあまり高くすることはできない。というのは、凍結ガスは基板上面に形成された液膜に対して供給されるものであり、液膜に溶解して基板を汚染するおそれのない物質である必要があり、また凍結前の液膜を吹き飛ばして基板を露出させることがないように、その流量を抑える必要があるからである。このため、凍結ガスを供給し続けることで凝固体を冷却するには時間がかかり、また凍結ガスの消費量も多くなってしまう。この発明では、液膜の凍結後、より冷却能力の高い冷却用流体によって凝固体を冷却するので、より短時間で凝固体を冷却することができ、凍結ガスの使用量も少なくて済む。
第2に、液膜を凍結させるための処理条件と、液膜が凍結してなる凝固体を冷却するための処理条件とを個別に最適化することができる。すなわち、液膜が凍結するまでに求められる処理条件と液膜の凍結後に求められる処理条件とは異なっている。例えば、液膜を凍結させる凍結ガスについては、上記したように液膜を吹き飛ばさないこと、液膜に溶解して基板を汚染する成分を含まないことが必要とされる。一方、液膜の凍結後はそのような制約はないがより短時間で凝固体を冷却することが求められる。単一の処理態様でこれらを両立させることは困難である。そこで、液膜を凍結させる工程と凍結した凝固体をさらに冷却する工程とを分けることで、それぞれにおける処理条件を個別に設定することができ、処理に要する時間やコストを目的に応じて最適化することができる。
このように、この発明によれば、液膜が凍結してなる凝固体の温度を短時間で所望の温度にまで冷却することができるので、高いスループットを得られ、しかもパーティクル等を基板表面から効果的に除去することができる。
ここで、凍結ガスよりも冷却能力の高い冷却用流体としては、例えば凍結ガスよりも低温の流体を用いることができる。この流体としては、気体、液体およびそれらの混合物のいずれであってもよい。凍結ガスと同一組成のものであってもよい。また、凍結ガスよりも冷却能力の高い冷却用流体の他の態様としては、例えば凍結ガス以下の温度で凍結ガスよりも大流量のガスを用いることができる。大流量のガスを冷却用流体として供給することによって、短時間で凝固体を所望の温度に到達させることができる。これらの場合において、冷却用流体は基板上面の凝固体に対して供給されてもよく、また凝固体が形成される面とは反対側の基板の下面に対して供給され基板を介して凝固体を冷却するものであってもよい。
また、液膜を構成する液体が水である場合には、冷却工程では凝固体を摂氏マイナス3度以下に冷却することが望ましい。本願発明者らの知見では、液膜が水である場合、摂氏マイナス3度以下まで冷却したときにパーティクル等の除去効率が大きく向上することが判っている。これは、水が凍結してなる氷においてはその結晶構造が摂氏マイナス3度前後で変化することに起因するものと考えられる。
また、この発明にかかる基板洗浄装置は、上記目的を達成するため、基板を水平状態に保持する基板保持手段と、前記基板に液体を供給して前記基板の上面に液膜を形成する液膜形成手段と、前記液膜に対し該液膜を構成する液体の凝固点よりも低温の凍結ガスを供給して、前記液膜を凍結させる凍結ガス供給手段と、前記基板に対し冷却用流体を供給して、前記液膜が凍結してなる凝固体の温度を低下させる冷却用流体供給手段とを備えることを特徴としている。ここで、冷却用流体は、凍結ガスよりも低温の流体、または、凍結ガス以下の温度で凍結ガスよりも大流量のガスである。
このように構成された発明では、上記した基板処理方法の発明と同様に、基板上面に形成した液膜を凍結してなる凝固体の温度を短時間で所望の温度にまで冷却することにより、高いスループットで、しかも優れた除去効率で、パーティクル等を基板表面から除去することができる。
ここで、凍結ガス供給手段は、例えば基板の上面に対し局部的に凍結ガスを吐出する吐出部と、該吐出部を基板の上面に対して相対移動させる移動部とを有する構成としてもよい。こうすることで、基板上の必要な場所にのみ凍結ガスを供給することができ、ガスの使用量を抑えることができる。また、冷却用流体供給手段についても同様である。すなわち、冷却用流体供給手段は、例えば基板の上面に対し局部的に冷却用流体を吐出する第2吐出部と、第2吐出部を基板の上面に対して相対移動させる第2移動部とを有する構成としてもよい。こうすることで、基板上の必要な場所にのみ冷却用流体を供給することができる。
また、例えば、冷却用流体供給手段は、基板の下面に対し冷却用流体を供給する下面吐出部を備えるようにしてもよい。こうすることで、基板の下面に冷却用流体を供給することで、基板を介して凝固体を冷却することができる。
また、この発明にかかる基板洗浄装置の他の態様は、上記目的を達成するため、基板を水平状態に保持する基板保持手段と、前記基板に液体を供給して前記基板の上面に液膜を形成する液膜形成手段と、前記液膜を構成する液体の凝固点よりも低温の凍結ガスと、冷却用流体とを選択的に前記基板に供給する供給手段と、前記基板の上面に形成された液膜に対し前記供給手段から前記凍結ガスを供給させて前記液膜を凍結させた後、前記液膜が凍結してなる凝固体に対し前記供給手段から前記冷却用流体を供給させる制御手段とを備えることを特徴としている。ここで、冷却用流体は、凍結ガスよりも低温の流体、または、凍結ガス以下の温度で凍結ガスよりも大流量のガスである。
このように構成された発明では、上記した各発明と同様に、液膜が凍結した後の凝固体を短時間で所望の温度まで冷却することができるので、高いスループットで、しかも優れた除去効率でパーティクル等を基板表面から除去することができる。
これらの発明においては、上記した基板処理方法と同様に、冷却用流体として凍結ガスよりも低温の流体、または凍結ガス以下の温度で凍結ガスよりも大流量のガスを用いることができる。
この発明にかかる基板処理装置において、基板保持手段は、基板を水平状態に保持しながら鉛直軸回りに回転させるようにしてもよい。こうすることで、基板および基板上に形成された液膜に対して冷却用流体等の流体を遠心力によって均等に行き渡らせることが容易となり、基板面内において均一な処理を施すことが可能となる。
この発明によれば、基板上面に形成した液膜を凍結ガスによって凍結させた後、より冷却能力の高い流体によって液膜が凍結してなる凝固体を冷却するので、高いスループットで、しかも高い洗浄効果で基板表面に付着したパーティクル等を除去することができる。
この発明にかかる基板処理装置の一実施形態を示す図である。 図1の基板処理装置の制御構成を示すブロック図である。 この実施形態における凍結洗浄処理の概念を示す図である。 凍結洗浄処理の第1の態様を示すフローチャートである。 図4の処理における動作を模式的に示す図である。 凍結洗浄処理の第2の態様を示すフローチャートである。 図6の処理における動作を模式的に示す図である。 凍結洗浄の2つの態様における使用流体の例を示す図である。
図1はこの発明にかかる基板処理装置の一実施形態を示す図である。また、図2は図1の基板処理装置の制御構成を示すブロック図である。この基板処理装置は半導体ウエハ等の基板Wの表面Wfに付着しているパーティクル等の汚染物質を除去するための基板洗浄処理を実行可能な枚葉式の基板洗浄装置としての基板処理装置である。
この基板処理装置は、基板Wに対して洗浄処理を施す処理空間をその内部に有する処理チャンバー1を備え、処理チャンバー1内に基板表面Wfを上方に向けた状態で基板Wを略水平姿勢に保持して回転させるスピンチャック2と、スピンチャック2に保持された基板Wの表面Wfに向けて液膜を凍結させるための凍結ガスを吐出する凍結用ノズル3aと、こうして基板Wの表面に形成された液膜の凝固体をさらに低温にまで冷却するための冷却用流体を吐出する冷却用ノズル3bと、基板表面Wfに処理液の液滴を供給する二流体ノズル5と、スピンチャック2に保持された基板Wの表面Wfに向けて薬液を吐出する薬液吐出ノズル6と、スピンチャック2に保持された基板Wの表面Wfに対向配置された遮断部材9が設けられている。処理液としては、薬液または純水やDIW(deionized water;脱イオン水)等の洗浄液などが用いられる。
スピンチャック2は、回転支軸21がモータを含むチャック回転機構22の回転軸に連結されており、チャック回転機構22の駆動により回転中心A0を中心に回転可能となっている。回転支軸21の上端部には、円盤状のスピンベース23が一体的にネジなどの締結部品によって連結されている。したがって、装置全体を制御する制御ユニット4(図2)からの動作指令に応じてチャック回転機構22を駆動させることによりスピンベース23が回転中心A0を中心に回転する。
スピンベース23の周縁部付近には、基板Wの周縁部を把持するための複数個のチャックピン24が立設されている。チャックピン24は、円形の基板Wを確実に保持するために3個以上設けてあればよく、スピンベース23の周縁部に沿って等角度間隔で配置されている。チャックピン24のそれぞれは、基板Wの周縁部を下方から支持する基板支持部と、基板支持部に支持された基板Wの外周端面を押圧して基板Wを保持する基板保持部とを備えている。各チャックピン24は、基板保持部が基板Wの外周端面を押圧する押圧状態と、基板保持部が基板Wの外周端面から離れる解放状態との間を切り替え可能に構成されている。
そして、スピンベース23に対して基板Wが受渡しされる際には、複数個のチャックピン24を解放状態とし、基板Wに対して洗浄処理を行う際には、複数個のチャックピン24を押圧状態とする。押圧状態とすることによって、複数個のチャックピン24は基板Wの周縁部を把持してその基板Wをスピンベース23から所定間隔を隔てて略水平姿勢に保持することができる。これにより、基板Wはその表面(パターン形成面)Wfを上方に向け、裏面Wbを下方に向けた状態で保持される。
スピンチャック2の外方には、第1の回動モータ31が設けられている。第1の回動モータ31には、第1の回動軸33が接続されている。また、第1の回動軸33には、第1のアーム35が水平方向に延びるように連結され、第1のアーム35の先端に凍結用ノズル3aが取り付けられている。そして、制御ユニット4からの動作指令に応じて第1の回動モータ31が駆動されることで、第1のアーム35を第1の回動軸33回りに揺動させることができる。
凍結用ノズル3aはガス供給部64(図2)と接続されており、制御ユニット4からの動作指令に応じてガス供給部64から凍結ガスが凍結用ノズル3aに供給される。より具体的には、ガス供給部64に設けられた窒素ガス貯留部641から供給される窒素ガスが熱交換器642によりDIWの凝固点よりも低い温度まで冷やされ、こうして冷やされた窒素ガスが凍結ガスとして凍結用ノズル3aに供給される。凍結用ノズル3aが基板表面Wfに対向配置されると、凍結用ノズル3aから基板表面Wfに向けて局部的に凍結ガスが吐出される。凍結用ノズル3aから凍結ガスを吐出させた状態で、制御ユニット4が基板Wを回転させながら該凍結用ノズル3aを基板の回転中心から外周部に向けて移動させることで、凍結ガスを基板表面Wfの全面にわたって供給できる。このとき、後述するように基板表面WfにDIWによる液膜が予め形成されていると、該液膜の全体を凍結させて基板表面Wfの全面にDIWの凍結膜を生成可能となっている。
また、スピンチャック2の外方には、さらに第2の回動モータ36が設けられている。第2の回動モータ36には、第2の回動軸37が接続されている。また、第2の回動軸37には、第2のアーム38が水平方向に延びるように連結され、第2のアーム38の先端に冷却用ノズル3bが取り付けられている。制御ユニット4からの動作指令に応じて第2の回動モータ36が駆動されることで、第2のアーム38を第2の回動軸37回りに揺動させることができる。
そして、ガス供給部64に設けられた窒素ガス貯留部641から供給される窒素ガスが熱交換器643により前述の凍結用ガスよりも低い温度まで冷やされ、こうして冷やされた窒素ガスが冷却ガスとして冷却用ノズル3bに供給される。冷却用ノズル3bが基板表面Wfに対向配置されると、冷却用ノズル3bから基板表面Wfに向けて局部的に冷却ガスが吐出される。冷却用ノズル3bから冷却ガスを吐出させた状態で、制御ユニット4が基板Wを回転させながら該冷却用ノズル3bを基板の回転中心から外周部に向けて移動させることで、冷却ガスを基板表面Wfの全面にわたって供給できる。これにより、基板表面Wfの液膜が凍結してなる凝固体はさらなる低温にまで冷却される。
また、スピンチャック2の外方に第3の回動モータ51が設けられている。第3の回動モータ51には、第3の回動軸53が接続され、第3の回動軸53には、第3のアーム55が連結されている。また、第3のアーム55の先端に二流体ノズル5が取り付けられている。そして、制御ユニット4からの動作指令に応じて第3の回動モータ51が駆動されることで、二流体ノズル5を第3の回動軸53回りに揺動させることができる。この二流体ノズルは、処理液としてのDIWと窒素ガスとを空中(ノズル外部)で衝突させてDIWの液滴を生成する、いわゆる外部混合型の二流体ノズルである。
また、スピンチャック2の外方には、第4の回動モータ67が設けられている。第4の回動モータ67には、第4の回動軸68が接続されている。また、第4の回動軸68には、第4のアーム69が水平方向に延びるように連結され、第4のアーム69の先端に薬液吐出ノズル6が取り付けられている。そして、制御ユニット4からの動作指令に応じて第4の回動モータ67が駆動されることで、薬液吐出ノズル6を基板Wの回転中心A0の上方の吐出位置と吐出位置から側方に退避した待機位置との間で往復移動させることができる。薬液吐出ノズル6は薬液供給部61と接続されており、制御ユニット4からの動作指令に応じてSC1溶液(アンモニア水と過酸化水素水との混合水溶液)等の薬液が薬液吐出ノズル6に圧送される。
なお、凍結用ノズル3a、二流体ノズル5および薬液吐出ノズル6ならびにこれらに付随するアームやその回動機構としては、例えば前記した特許文献1(特開2008−071875号公報)に記載されたものと同一構造のものを用いることができる。また、冷却用ノズル3bの構造は凍結用ノズル3aの構造と基本的に同じである。そこで、本明細書ではこれらの構成についてのより詳しい説明は省略する。
スピンチャック2の上方には、中心部に開口を有する円盤状の遮断部材9が設けられている。遮断部材9は、その下面(底面)が基板表面Wfと略平行に対向する基板対向面となっており、その平面サイズは基板Wの直径と同等以上の大きさに形成されている。遮断部材9は略円筒形状を有する支持軸91の下端部に略水平に取り付けられ、支持軸91は水平方向に延びるアーム92により基板Wの中心を通る鉛直軸回りに回転可能に保持されている。また、アーム92には、遮断部材回転機構93と遮断部材昇降機構94が接続されている。
遮断部材回転機構93は、制御ユニット4からの動作指令に応じて支持軸91を基板Wの中心を通る鉛直軸回りに回転させる。また、遮断部材回転機構93は、スピンチャック2に保持された基板Wの回転に応じて基板Wと同じ回転方向でかつ略同じ回転速度で遮断部材9を回転させるように構成されている。
また、遮断部材昇降機構94は、制御ユニット4からの動作指令に応じて、遮断部材9をスピンベース23に近接して対向させたり、逆に離間させることが可能となっている。具体的には、制御ユニット4は遮断部材昇降機構94を作動させることで、基板処理装置に対して基板Wを搬入出させる際には、スピンチャック2の上方の離間位置(図1に示す位置)に遮断部材9を上昇させる。その一方で、基板Wに対して所定の処理を施す際には、スピンチャック2に保持された基板Wの表面Wfのごく近傍に設定された対向位置まで遮断部材9を下降させる。
支持軸91は中空に仕上げられ、その内部に遮断部材9の開口に連通したガス供給路95が挿通されている。ガス供給路95は、ガス供給部64と接続されており、窒素ガス貯留部641から熱交換器を通さずに供給される窒素ガスが乾燥ガスとして供給される。この実施形態では、基板Wに対する洗浄処理後の乾燥処理時に、ガス供給路95から遮断部材9と基板表面Wfとの間に形成される空間に窒素ガスを供給する。また、ガス供給路95の内部には、遮断部材9の開口に連通した液供給管96が挿通されており、液供給管96の下端にノズル97が結合されている。液供給管96には適宜の処理液が通送されて、基板Wの裏面Wbに処理液を供給する。
DIW供給部62はDIW貯留部621および熱交換器622を有しており、熱交換器622はDIW貯留部621から供給されるDIWをその凝固点近傍温度まで冷却する。すなわち、DIW供給部62はDIW貯留部621から供給される常温のDIW、または熱交換器622により凝固点近傍温度まで冷却された低温のDIWを供給可能となっている。
スピンチャック2の回転支軸21は中空軸からなる。回転支軸21の内部には、基板Wの裏面Wbに処理液を供給するための処理液供給管25が挿通されている。そして、回転支軸21の内壁面と処理液供給管25の外壁面の隙間は、円筒状のガス供給路29を形成している。処理液供給管25およびガス供給路29は、スピンチャック2に保持された基板Wの下面(裏面Wb)に近接する位置まで延びており、その先端には基板Wの下面中央部に向けて処理液およびガスを吐出する下面ノズル27が設けられている。
処理液供給管25は薬液供給部61およびDIW供給部62と接続されており、薬液供給部61から供給されるSC1溶液等の薬液またはDIW供給部62から供給されるDIWなどの各種の液体が選択的に供給される。一方、ガス供給路29はガス供給部64と接続されており、スピンベース23と基板裏面Wbとの間に形成される空間にガス供給部64からの窒素ガスを供給することができる。
上記のように構成された基板処理装置では、処理チャンバー1内に搬入された基板Wがスピンチャック2によって保持され、必要に応じて所定の薬液処理が実行される。また、基板Wに対して、その表面Wfに液膜を形成してこれを凍結させた後、凍結膜とともに付着物を除去する凍結洗浄処理が行われる。上記構成の装置における凍結洗浄処理の基本的な動作については特許文献1(特開2008−071875号公報)に記載されているので詳しい説明は省略し、ここでは本実施形態における凍結洗浄処理と特許文献1に記載の処理との相違点について主に説明する。
図3はこの実施形態における凍結洗浄処理の概念を示す図である。より具体的には、図3(a)は液膜温度とパーティクル除去効率との関係を示す図であり、図3(b)は処理過程における液膜温度の変化の態様を示す図である。なお、ここでは、凍結前の液膜の温度および該液膜が凍結してなる凝固体の温度を総称して「液膜温度」と称している。従来の凍結洗浄技術では液膜を凍結させているものの、凍結後の液膜温度についてはあまり考慮されていなかった。しかしながら、DIWによる液膜を用いた本願発明者らの実験によれば、図3(a)に示すように、単に液膜を凍結させるだけではなく、凍結後の液膜の到達温度が低くなるほどパーティクル除去効率が高まることが明らかとなった。このような傾向は特に、液膜温度が約マイナス3℃以下のときに顕著であった。これは、約マイナス3℃を境にして、氷の結晶構造が変化するためと考えられる。
そこで、この実施形態では、凍結ガスによって基板上のDIW液膜を凍結させた後、液膜が凍結してなる凝固体をさらに冷却することで、洗浄効果を高めている。以下、その具体的な方法について説明する。
凍結洗浄処理の過程においては、図3(b)に示すように、液膜を形成された基板に凍結ガスを供給開始すると、液膜温度は次第に低下し始める。そして、液膜温度が0℃に達すると液膜の凍結が始まり、液膜全体が凍結するまでは液膜温度はほぼ0℃に保たれる。液膜全体が凍結した後も凍結ガスの供給を続ければ、液膜温度はさらに低下するが、符号Aを付した破線で示すように、凍結ガスによる液膜温度の低下は比較的緩やかである。というのは、凍結ガスは未凍結の液膜に対して供給されるものであるため、液膜を吹き飛ばしたり基板表面を露出させることがないように流量を抑える必要があり、結果として冷却能力が制限されてしまうからである。また、凍結ガスのガス種として、液膜に溶け込んで基板を汚染することのないものを選定する必要があり、その自由度は高くない。これらのことに起因して、凍結ガスの供給を継続することによる基板のさらなる冷却は、凍結した液膜が所望の温度まで冷却されるのには時間がかかり、また凍結ガスの消費量も多くなってしまうという問題を含んでいる。
ここで、液膜全体が凍結した後においては、液膜が吹き飛ばされるおそれも少なく、また基板表面が液膜が凍結してなる凝固体で覆われて汚染されにくくなっているため、上記のような制約は少なくなっている。このことから、液膜が完全に凍結した後においてはより冷却能力の高い流体を用いることで、図3(b)に符号Bで示すように、より短時間で液膜温度を低下させることが可能となる。図1に示す基板処理装置を以下のように動作させることにより、このような目的を達成することが可能である。
図4はこの実施形態における凍結洗浄処理の第1の態様を示すフローチャートである。また、図5は図4の処理における動作を模式的に示す図である。この装置では、未処理の基板Wが装置内に搬入されると、制御ユニット4が装置各部を制御して該基板Wに対して一連の洗浄処理が実行される。ここでは、予め基板Wが表面Wfを上方に向けた状態で基板Wが処理チャンバー1内に搬入されてスピンチャック2に保持され、遮断部材9がその下面を基板上面に近接対向配置されているものとする。
制御ユニット4はチャック回転機構22を駆動させてスピンチャック2を回転させるとともに、ノズル97から常温のDIWを基板表面Wfに供給する。基板表面に供給されたDIWには、基板Wの回転に伴う遠心力が作用し、基板Wの径方向外向きに均一に広げられ、その一部が基板外に振り切られる。これによって、基板表面Wfの全面にわたって液膜の厚みを均一にコントロールして、基板表面Wfの全体に所定の厚みを有する液膜(水膜)が形成される(ステップS101)。なお、液膜形成に際して、上記のように基板表面Wfに供給されたDIWの一部を振り切ることは必須の要件ではない。例えば、基板Wの回転を停止させた状態あるいは基板Wを比較的低速で回転させた状態で基板WからDIWを振り切ることなく基板表面Wfに液膜を形成してもよい。
この状態では、図5(a)に示すように、基板Wの表面Wfに所定厚さのパドル状液膜LPが形成されている。こうして、液膜形成が終了すると、制御ユニット4は遮断部材9を離間位置に退避させる。ここで、パドル状の液膜LPは、例えば薬液吐出ノズル6から供給されるSC1液によって形成されてもよい。
続いて、凍結用ノズル3aを待機位置から基板の回転中心の上方に移動させる(ステップS102)。そして、図5(b)に示すように、回転する基板Wの表面Wfに向けて凍結用ノズル3aから凍結ガスを吐出させながら、凍結用ノズル3aを徐々に基板Wの端縁位置に向けて移動させていく(ステップS103)。これにより、基板表面Wfの表面領域に形成された液膜LPが冷やされて部分的に凍結し、図5(c)に示すように、凍結した領域(凍結領域FR)が基板表面Wfの中央部に形成される。そして、方向Dn1へのノズル3aのスキャンによって凍結領域FRは基板表面Wfの中央部から周縁部へと広げられ、図5(d)に示すように、最終的には基板表面Wfの液膜全面が凍結する。液膜全体が凍結すると、凍結用ノズル3aを退避させるとともに、代わって冷却用ノズル3bを基板の回転中心の上方に移動させる(ステップS104)。そして、図5(e)に示すように、冷却用ノズル3bから凍結ガスよりも低温の冷却ガスを吐出しながらノズル3bを基板上で方向Dn2にスキャンさせることにより(ステップS105)、凍結した液膜LPを所定の温度までさらに冷却する。
ここで、凍結ガスとしては、例えば−150℃、50L/minの窒素ガスを用いることができる。また、冷却ガスとしては、例えば−170℃、100L/minの窒素ガスを用いることができる。また、凍結後の液膜の目標到達温度としては、例えば−30℃とすることができる。冷却ガスのスキャンが終了すると、遮断部材9を再び基板表面Wfに近接配置し(ステップS106)、さらに遮断部材9に設けられたノズル97から基板表面Wfの凍結した液膜に向けて常温のDIWを供給してリンス処理を行う(ステップS107)。
ここまでの処理が実行された時点では、基板Wが遮断部材9とスピンベース23との間に挟まれながら回転する状態で、基板Wの表面にDIWが供給されている。ここで、基板表面Wfに常温のDIWを供給するのに代えて、二流体ノズル5からDIWの液滴を供給するようにしてもよい。続いて基板へのDIWの供給を停止し、基板を高速回転により乾燥させるスピン乾燥処理を行う(ステップS108)。すなわち、遮断部材9に設けられたノズル97およびスピンベース23に設けられた下面ノズル27から窒素ガスを吐出させながら基板Wを高速度で回転させることにより、基板Wに残留するDIWを振り切り基板Wを乾燥させる。このときに供給される窒素ガスは乾燥ガスとしての作用をするものであり、熱交換器を通さない常温のガスである。こうして乾燥処理が終了すると、処理済みの基板Wを搬出することによって1枚の基板に対する処理が完了する。
上記処理によって得られる洗浄効果について説明する。上記のようにして液膜を凍結させると、基板表面Wfとパーティクルの間に入り込んだ液膜の体積が増加(摂氏0℃の水が摂氏0℃の氷になると、その体積はおよそ1.1倍に増加する)し、パーティクルが微小距離だけ基板表面Wfから離れる。その結果、基板表面Wfとパーティクルとの間の付着力が低減され、さらにはパーティクルが基板表面Wfから脱離することとなる。このとき、基板表面Wfに微細パターンが形成されている場合であっても、液膜の体積膨張によってパターンに加わる圧力はあらゆる方向に等しく、つまりパターンに加えられる力が相殺される。そのため、パターンの剥離や倒壊を防止しながら、パーティクルのみを基板表面Wfから剥離させることができる。そして、新たに供給するDIWによって凍結した液膜を除去することにより、パーティクル等についても基板表面Wfから取り除くことができる。また、前記したように、凍結後の液膜の到達温度をさらに低くすることによってパーティクルの除去効率を高めることができる。
なお、ここでは冷却ガスを凍結ガスと同じ窒素ガスとする一方、そのガス温度を凍結ガスよりも低温とすることによって、凍結ガスよりも冷却能力の高い、つまり単位時間当たりに液膜から奪う熱量の大きい冷却ガスを得ている。これに代えて、冷却ガスの流量を凍結ガスよりも大きくすることによって、冷却ガスの冷却能力を高めるようにしてもよい。前記したように、凍結ガスの流量については基板上の液膜を吹き飛ばさない程度に抑えることが必要であるが、冷却ガスについてはこのような問題がないのでより流量を多くすることが可能であり、これにより冷却能力を高めることができる。
また、液膜の凍結後においては基板表面Wfが凍結した液膜によって覆われており、また凍結した液膜に対しては不純物等が混入するおそれが少ないので、冷却ガスの代わりに低温の液体を液膜に供給するようにしてもよい。すなわち、凍結した液膜をさらに冷却するための冷却用流体はガスに限定されない。例えば液体窒素を直接液膜に供給して液膜を冷却するように構成してもよい。こうすることで、ガスよりもさらに高い冷却能力を得られるので、より短時間で液膜の温度を下げることができる。
また、この実施形態では、凍結ガスを吐出する凍結用ノズル3aと冷却ガスを吐出する冷却用ノズル3bとを個別に設けているが、例えば制御ユニット4からの制御指令によって1つのノズル(例えば凍結用ノズル3a)から吐出するガスの温度または流量を変更可能な構成として、凍結用ノズルの機能と冷却用ノズルの機能とを1つのノズルに兼ねさせるようにしてもよい。
より具体的な2つの例を挙げて説明する。ここでは、凍結用ノズルの機能と冷却用ノズルの機能とをいずれも凍結用ノズル3aによって実現する場合を考える。この場合、図1の構成のうち冷却用ノズル3bおよびそれに付随する動作機構などの構成は省略することができる。
第1の例では、凍結用ノズル3aに対して、ガス供給部64の熱交換器642から供給される凍結ガスと、熱交換器643から供給されるより低温の冷却ガスとが図示しない切替バルブによって選択的に供給される。これにより、凍結用ノズル3aは温度の異なる2種類の窒素ガス(凍結ガスおよび冷却ガス)を選択的に吐出可能とされる。凍結洗浄処理の基本的な流れは図4のフローチャートに示す通りであるが、ステップS104では、凍結用ノズル3aが再び基板Wの上方に配置され、凍結用ノズル3aからは熱交換器643より供給される冷却ガスが吐出される。こうして凍結用ノズル3aが熱交換器643から供給される冷却ガスを吐出しながら基板W上をスキャンすることで、凍結した液膜LPの温度をさらに低下させる。
第2の例では、ガスの流量を変えることで、同じ温度のガスを凍結ガス、冷却ガスとして使い分ける。この例ではガス供給部64の熱交換器643を省くことができる一方、熱交換器642から凍結用ノズル3aの吐出口に至るガス供給経路上に、ガスの流量を変化させることのできる流量調整機構(図示省略)が設けられる。この場合の凍結洗浄処理の基本的な流れも図4のフローチャートに示す通りであるが、ステップS103では比較的流量の少ないガスを凍結ガスとして基板Wに供給する一方、ステップS105では同じ温度のガスをより流量を多くすることで冷却能力を高め冷却ガスとする。
これら2つの例では、単一のノズルから吐出されるガスの温度または流量を変えることで凍結ガスと冷却ガスとを切り替えることができ、いずれの例でも上記実施形態と同様に、凍結した液膜を短時間で所望の温度まで冷却することができ、高いパーティクル除去効果を得ることができる。なお、ガスの温度と流量とを共に変化させてもよい。
図6はこの実施形態における凍結洗浄処理の第2の態様を示すフローチャートである。また、図7は図6の処理における動作を模式的に示す図である。この第2の態様では、第1の態様と同様にして基板W上に液膜LPを形成し凍結させた後、基板Wの下方から裏面Wbに低温の冷却用流体を供給し、基板Wを介して凍結した液膜を冷却する。したがって冷却用ノズル3bおよびこれに付随する構成を省略することができる。
この態様において、基板上に液膜を形成し(ステップS201、図7(a))、凍結用ノズル3aを基板の回転中心からスキャンして液膜を凍結させるまでは(ステップS202,S203、図7(b)および図7(c))、上記した第1の態様と同じである。こうして液膜全体が凍結した後(図7(d))、続いて図7(e)に示すように、下面ノズル27から低温の冷却用流体を吐出させて基板裏面Wbに供給する(ステップS204)。これにより凍結した液膜が基板Wを介して冷却される。このとき、冷却用流体が基板裏面Wbに沿って流れるように、ガス供給路29には低温の窒素ガス(凍結ガスまたは冷却ガス)を通送しておくことが望ましい。その後、リンス処理およびスピン乾燥処理を行う点については(ステップS206,S207)、第1の態様と同じである。
図8は凍結洗浄の2つの態様における使用流体の例を示す図である。上記した本実施形態の2つの態様の凍結洗浄処理においては、基板Wの表面Wfに形成された液膜LPを凍結させるための凍結ガスと、凍結した液膜をさらに冷却するための冷却用流体を使用する。図8はこれらに使用可能な流体の例を示したものである。まず、液膜を凍結させるためには、液膜への混合を避けるためにガス状とする必要があり、図8に示すように、窒素ガス、酸素ガス、アルゴンガスおよび空気等を用いることができる。酸素ガスや空気は基板を酸化させる可能性があるが、このような用途では基板Wの上面が液膜で覆われているので使用可能である。これらが液中へ溶け込むのを抑制するためにも、液膜の温度をできるだけ低くしておくことが望ましい。
また、液膜の凍結後に用いる冷却用流体としてはガス、液体いずれも使用可能であり、該流体は基板の上面、下面のいずれに対して供給されてもよい。このようなガスとしては凍結ガスと同じものであってより低温またはより流量の大きいものを用いることができる。また、液体としては、液膜を構成する液体(本実施形態ではDIW)よりも十分に凝固点が低い各種の液体を用いることができ、例えば液体窒素、エチレングリコールやプロピレングリコールなどの多価アルコールを含む各種アルコール類、ヒドロフルオロエーテル(HFE)類などを好適に使用することができる。
以上のように、この実施形態では、基板の上面に形成した液膜に低温のガスを供給して液膜を凍結させた後、より冷却能力の高い冷却用流体を供給することによって凝固した液膜の温度をさらに低下させる。そして、こうして冷却された液膜の凝固体をリンス液(DIW)とともに除去することによって、この実施形態では、高いパーティクル除去効率で基板の洗浄を行うことができる。また、冷却能力の高い冷却用流体によって凍結した液膜を冷却することで液膜の温度を短時間で所定温度まで低下させることができ、処理時間を短縮して、高いスループットで処理を行うことができる。
以上説明したように、この実施形態においては、スピンチャック2が本発明の「基板保持手段」として機能しており、遮断部材9に設けられたノズル97が本発明の「液膜形成手段」として機能している。また、この実施形態では、凍結用ノズル3aおよびガス供給部64が一体として本発明の「凍結ガス供給手段」として機能しており、凍結洗浄処理の第1の態様においては冷却用ノズル3bが「冷却用流体供給手段」として機能している。また、凍結用ノズル3aおよび冷却用ノズル3bはそれぞれ本発明の「吐出部」および「第2吐出部」としての機能も有しており、これらをスキャンさせる回動モータ31,36がそれぞれ本発明の「移動部」および「第2移動部」として機能している。また、この実施形態の凍結洗浄処理の第2の態様においては、下面ノズル27が本発明の「冷却用流体供給手段」および「下面吐出部」として機能している。
また、ガス供給部64から送出され凍結用ノズル3aから吐出される窒素ガスの温度または流量を制御ユニット4によって変更することで凍結用ガスと冷却用ガスとを単一のノズルから吐出するようにした構成においては、凍結用ノズル3aおよびガス供給部64が本発明の「供給手段」に相当し、制御ユニット4が本発明の「制御手段」に相当することになる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば上記実施形態では、DIWによって本発明の「液膜」を形成しているが、液膜を構成する液体はこれに限定されない。例えば、炭酸水、水素水、希薄濃度(例えば1ppm程度)のアンモニア水、希薄濃度の塩酸などを用いたり、DIWに少量の界面活性剤を加えたものを用いてもよい。
また、上記実施形態では、凍結ガスおよび冷却ガスとして同一の窒素ガス貯留部から供給されて互いに温度を異ならせた窒素ガスを用いているが、これらは窒素ガスに限定されない。例えば、凍結ガスと冷却ガスとを異なるガス種としてもよく、図8に記載されたものを適宜組み合わせてもよい。
また、上記実施形態の基板処理装置は、DIW貯留部621および窒素ガス貯留部641をいずれも装置内部に内蔵しているが、処理液およびガスの供給源については装置の外部に設けられてもよく、例えば工場内に既設の処理液やガスの供給源を利用するようにしてもよい。また、これらを冷却するための既設設備がある場合には、該設備によって冷却された液体やガスを利用するようにしてもよい。
また、上記実施形態の基板処理装置は、基板Wの上方に近接配置される遮断部材9を有するものであるが、本発明は遮断部材を有しない装置にも適用可能である。また、この実施形態の装置は基板Wをその周縁部に当接するチャックピン24によって保持するものであるが、基板の保持方法はこれに限定されるものではなく、他の方法で基板を保持する装置にも、本発明を適用することが可能である。
この発明は、半導体ウエハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板などを含む基板全般の表面に形成された液膜を凍結させる基板処理装置および基板処理方法に適用することができる。
2 スピンチャック(基板保持手段)
3a 凍結用ノズル(凍結ガス供給手段、吐出部、供給手段)
3b 冷却用ノズル(冷却用流体供給手段、第2吐出部)
4 制御ユニット(制御手段)
31 回動モータ(移動部)
36 回動モータ(第2移動部)
27 下面ノズル(冷却用流体供給手段、下面吐出部)
64 ガス供給部(凍結ガス供給手段、供給手段)
97 ノズル(液膜形成手段)
W…基板
Wf…基板表面(パターン形成面)
Wb…基板裏面

Claims (13)

  1. 略水平姿勢に保持した基板の上面に液膜を形成する液膜形成工程と、
    前記液膜に対し該液膜を構成する液体の凝固点よりも低温の凍結ガスを供給して前記液膜を凍結させる凍結工程と、
    前記液膜が凍結してなる凝固体の温度を、前記凍結ガスよりも低温の流体である冷却用流体によって低下させる冷却工程と、
    前記基板から前記凝固体を除去する除去工程と
    を備えることを特徴とする基板処理方法。
  2. 略水平姿勢に保持した基板の上面に液膜を形成する液膜形成工程と、
    前記液膜に対し該液膜を構成する液体の凝固点よりも低温の凍結ガスを供給して前記液膜を凍結させる凍結工程と、
    前記液膜が凍結してなる凝固体の温度を、前記凍結ガス以下の温度で前記凍結ガスよりも大流量のガスである冷却用流体によって低下させる冷却工程と、
    前記基板から前記凝固体を除去する除去工程と
    を備えることを特徴とする基板処理方法。
  3. 前記冷却工程では、前記冷却用流体を前記凝固体に供給する請求項1または2に記載の基板処理方法。
  4. 前記冷却工程では、前記冷却用流体を前記基板の下面に供給する請求項1または2に記載の基板処理方法。
  5. 前記液膜を構成する液体が水であり、前記冷却工程では前記凝固体を摂氏マイナス3度以下に冷却する請求項1ないしのいずれかに記載の基板処理方法。
  6. 基板を水平状態に保持する基板保持手段と、
    前記基板に液体を供給して前記基板の上面に液膜を形成する液膜形成手段と、
    前記液膜に対し該液膜を構成する液体の凝固点よりも低温の凍結ガスを供給して、前記液膜を凍結させる凍結ガス供給手段と、
    前記基板に対し前記凍結ガスよりも低温の流体である冷却用流体を供給して、前記液膜が凍結してなる凝固体の温度を低下させる冷却用流体供給手段と
    を備えることを特徴とする基板処理装置。
  7. 基板を水平状態に保持する基板保持手段と、
    前記基板に液体を供給して前記基板の上面に液膜を形成する液膜形成手段と、
    前記液膜に対し該液膜を構成する液体の凝固点よりも低温の凍結ガスを供給して、前記液膜を凍結させる凍結ガス供給手段と、
    前記基板に対し前記凍結ガス以下の温度で前記凍結ガスよりも大流量のガスである冷却用流体を供給して、前記液膜が凍結してなる凝固体の温度を低下させる冷却用流体供給手段と
    を備えることを特徴とする基板処理装置。
  8. 前記凍結ガス供給手段は、前記基板の上面に対し局部的に前記凍結ガスを吐出する吐出部と、前記吐出部を前記基板の上面に対して相対移動させる移動部とを有する請求項6または7に記載の基板処理装置。
  9. 前記冷却用流体供給手段は、前記基板の上面に対し局部的に前記冷却用流体を吐出する第2吐出部と、前記第2吐出部を前記基板の上面に対して相対移動させる第2移動部とを有する請求項6ないしのいずれかに記載の基板処理装置。
  10. 前記冷却用流体供給手段は、前記基板の下面に対し前記冷却用流体を供給する下面吐出部を備える請求項6ないしのいずれかに記載の基板処理装置。
  11. 基板を水平状態に保持する基板保持手段と、
    前記基板に液体を供給して前記基板の上面に液膜を形成する液膜形成手段と、
    前記液膜を構成する液体の凝固点よりも低温の凍結ガスと、前記凍結ガスよりも低温の流体である冷却用流体とを選択的に前記基板に供給する供給手段と、
    前記基板の上面に形成された液膜に対し前記供給手段から前記凍結ガスを供給させて前記液膜を凍結させた後、前記液膜が凍結してなる凝固体に対し前記供給手段から前記冷却用流体を供給させる制御手段と
    を備えることを特徴とする基板処理装置。
  12. 基板を水平状態に保持する基板保持手段と、
    前記基板に液体を供給して前記基板の上面に液膜を形成する液膜形成手段と、
    前記液膜を構成する液体の凝固点よりも低温の凍結ガスと、前記凍結ガス以下の温度で前記凍結ガスよりも大流量のガスである冷却用流体とを選択的に前記基板に供給する供給手段と、
    前記基板の上面に形成された液膜に対し前記供給手段から前記凍結ガスを供給させて前記液膜を凍結させた後、前記液膜が凍結してなる凝固体に対し前記供給手段から前記冷却用流体を供給させる制御手段と
    を備えることを特徴とする基板処理装置。
  13. 前記基板保持手段は、前記基板を水平状態に保持しながら鉛直軸回りに回転させる請求項ないし1のいずれかに記載の基板処理装置。
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