JP5798501B2 - 防振材およびその製法 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等の車両用の防振ゴムブッシュ(スタビライザブッシュ、サスペンションブッシュ等)等に使用される、防振材およびその製法に関するものである。
従来より、自動車等の車両には、スタビライザブッシュやサスペンションブッシュ等の防振ゴムブッシュが使用されている。そして、この防振ゴムブッシュ等の防振材には、天然ゴム材料が使用されてきた。ところが、近年、上記防振材の低コスト化を目的に、天然ゴム材料に代えて、熱可塑性エラストマー等の熱可塑性材料の使用が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
特開平11−257424号公報 特開2000−109713号公報
しかしながら、上記熱可塑性エラストマー等の熱可塑性材料は、ゴムと樹脂との中間の性質を有するため、熱可塑性材料を用いた防振材は、従来の天然ゴム材料を用いた防振材に比べて、耐久性が劣るという難点がある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、耐久性に優れた防振材およびその製法の提供をその目的とする。
本発明者らは、耐久性に優れた防振材を得るため、鋭意研究を重ねた。そして、熱可塑性エラストマーのなかでも、天然ゴムの特性(引張、静特性、動特性)に類似する特性を備えるという点から、特に熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)に着目した。そして、研究を続けたところ、熱可塑性ポリウレタンエラストマーのハードセグメント中にカーボンブラックが存在すると、カーボンブラックの回りに、ハードセグメント中のイソシアネート結合鎖等がまとわりついて、熱可塑性ポリウレタンエラストマーの結晶性が低下するため、防振材の耐久性が劣るということを突き止めた。そこで、実験を重ねた結果、エステル系やエーテル系の熱可塑性ポリウレタンエラストマーと、カーボンブラックとを、従来の混練温度(155〜205℃)よりも低温(3080℃)で混練すると、上記カーボンブラックが上記熱可塑性ポリウレタンエラストマーのソフトセグメント中にのみ分散することを見いだした。その結果、カーボンブラックの回りに、ソフトセグメントのポリマー鎖がまとわりついて、いわゆる擬似架橋点が形成され、これによりソフトメグメントのポリマー鎖同士が擬似架橋するため、防振材の耐久性が向上することを見いだし、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、熱可塑性ポリウレタンエラストマーを主成分とし、カーボンブラックを含有する防振材であって、上記熱可塑性ポリウレタンエラストマーが、エステル系熱可塑性ポリウレタンエラストマーおよびエーテル系熱可塑性ポリウレタンエラストマーの少なくとも一方であるとともに、ハードセグメント(硬質相)とソフトセグメント(軟質相)とからなり、上記カーボンブラックの含有量が熱可塑性ポリウレタンエラストマー100重量部に対して5〜50重量部であり、上記カーボンブラックが上記熱可塑性ポリウレタンエラストマーのソフトセグメント中にのみ分散している防振材を第1の要旨とする。
また、本発明は、上記防振材の製法であって、熱可塑性ポリウレタンエラストマーとカーボンブラックとを3080℃の温度で混練する防振材の製法を第2の要旨とする。
以上のように、本発明の防振材は、エステル系やエーテル系の熱可塑性ポリウレタンエラストマーを主成分とし、カーボンブラックを含有する防振材であって、上記カーボンブラックが上記熱可塑性ポリウレタンエラストマーのソフトセグメント中にのみ均一に分散している。そのため、カーボンブラックの回りにソフトセグメントのポリマー鎖がまとわりついたバウンドポリマーが擬似架橋点となって、ソフトメグメントのポリマー鎖同士が擬似架橋するようになり、防振材の耐久性が向上する。
また、カーボンブラックの含有量が、熱可塑性ポリウレタンエラストマー100重量部に対して5〜50重量部であることから、耐久性がさらに向上するようになる。
熱可塑性ポリウレタンエラストマーと、カーボンブラックとを、高温(150〜205℃)で混練すると、TPUが完全溶融状態となり、ハードセグメント中にカーボンブラックが入って、TPUの結晶性が低下し、耐久性が劣る。本発明の製法によると、エステル系やエーテル系の熱可塑性ポリウレタンエラストマーと、カーボンブラックとを、低温(3080℃)で混練するため、TPUが完全溶融状態とはならず、半溶融状態(完全に溶融する少し手前の餅のような状態)になり、この半溶融状態の粘性によって、カーボンブラックの凝集がほぐされる。このため、カーボンブラックがソフトグメント中にのみ均一に分散するようになり、耐久性が向上する。
つぎに、本発明の実施の形態について詳しく説明する。ただし、本発明は、この実施の形態に限られるものではない。
本発明の防振材は、熱可塑性ポリウレタンエラストマーを主成分とし、カーボンブラックを含有するものである。さらに、上記熱可塑性ポリウレタンエラストマーが、エステル系熱可塑性ポリウレタンエラストマーおよびエーテル系熱可塑性ポリウレタンエラストマーの少なくとも一方であるとともに、ハードセグメント(硬質相)とソフトセグメント(軟質相)とからなり、上記カーボンブラックの含有量が熱可塑性ポリウレタンエラストマー100重量部に対して5〜50重量部である。そして、本発明においては、上記カーボンブラックが上記熱可塑性ポリウレタンエラストマーのソフトセグメント中にのみ分散していることが最大の特徴である。
本発明において、上記カーボンブラックが上記熱可塑性ポリウレタンエラストマーのソフトセグメント中にのみ分散するとは、上記カーボンブラックが、上記熱可塑性ポリウレタンエラストマーのハードセグメント中には略分散していないことを意味する。
なお、上記カーボンブラックの熱可塑性ポリウレタンエラストマー中における分散状態は、例えば、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope;TEM)、走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope;SEM)、マイクロスコープ等により観察することができる。
まず、本発明の防振材の各成分について説明する。
《熱可塑性ポリウレタンエラストマー》
本発明の防振材は、熱可塑性ポリウレタンエラストマーを主成分とするものである。
本発明において、主成分とは、防振材の特性に大きな影響を与える成分の意味であり、その成分の含有量は、通常、防振材全体の50重量%以上である。
上記熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)は、硬質相(ハードセグメント、拘束相)と、軟質ゴムの軟質相(ソフトセグメント)とからなり、常温でゴムとしての性質を示すが、高温で熱可塑性を示すポリマーである。上記熱可塑性ポリウレタンエラストマーは、ポリイソシアネートと、ポリオールとを用いて得られる。
上記ポリイソシアネートとしては、例えば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、3,3′−ビトリレン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートウレチジンジオン(2,4−TDIの二量体)、1,5−ナフチレンジイソシアネート、メタフェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、カルボジイミド変性MDI、オルトトルイジンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートメチルエステル等のジイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4′,4″−トリイソシアネート等のトリイソシアネート、ポリメリックMDI等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなかでも、汎用性の点から、MDIが好適に用いられる。
上記ポリイソシアネートとともに用いられるポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールがあげられ、単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
〈ポリエステルポリオール〉
上記ポリエステルポリオールとしては、例えば、多価アルコールと多価カルボン酸とを固体酸触媒の存在下で縮合反応してエステル結合を有したものが使用され、ポリエーテルエステルポリオール、ポリカーボネートポリエステルポリオール等も含まれる。
上記多価アルコールとしては、好ましくは主鎖炭素数2〜15の直鎖グリコール、具体的にはエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,5−ペンタメチルグリコール、1,6−ヘキサメチレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼンもしくはp−キシレングリコール等のグリコール類の炭化水素を主鎖にするものがあげられる。炭素原子総数が好ましくは3〜34、より好ましくは3〜17のもので、例えば1,2−プロピレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ジ−1,2−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,3,5−ペンタントリオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロパネート、ネオペンチルグリコール、2−ノルマルブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−エチル−1,5−ペンタンジオール、3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、3−オクチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、3−ミリスチル−1,5−ペンタンジオール、3−ステアリル−1,5−ペンタンジオール、3−フェニル1,5−ペンタンジオール、3−(4−ノニルフェニル)−1,5−ペンタンジオール、3,3−ビス(4−ノニルフェニル)−1,5−ペンタンジオール、1,2−ビス(ヒドロキシメチル)シクロプロパン、1,3−ビス(ヒドロキシエチル)シクロブタン、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)シクロペンタン、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシエチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシプロピル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシエチル)シクロヘブタン、1,4−ビス(ヒドロキシメトキシ)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4′−ヒドロキシメトキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4′−ヒドロキシエドキシシクロヘキシル)プロパン、トリメチロールプロパン等があげられ、これらを単独もしくは2種以上併せて用いることができる。
なお、上記多価アルコールには、水酸基数3以上の化合物を併用しても差し支えない。併用し得る化合物としては、一般にポリエステルポリオールに使用されるものであればよく、例えば、グリセリン、ヘキサントリオール、トリエタノールアミン、ペンタエリスリトール、エチレンジアミン等の多官能ポリヒドロキシ化合物があげられる。
上記多価カルボン酸としては、例えばコハク酸、マレイン酸、アジピン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナメチレンジカルボン酸、1,10−デカメチレンジカルボン酸、1,11−ウンデカメチレンジカルボン酸、1,12−ドデカメチレンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸や、芳香族系ジカルボン酸(例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸またはこれらの無水物等)等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。工業的見地からは主にアジピン酸が使用される。また、トール油脂肪酸の重合によって得られるダイマー酸等も使用できる。トール油脂肪酸としては、例えば、オレイン酸、リノール酸等の不飽和酸と、パルチミン酸,ステアリン酸等との混合物があげられる。
〈ポリエーテルポリオール〉
上記ポリエーテルポリオールとしては、活性水素を2個以上、好ましくは2〜6個有する化合物、例えば、前記多価アルコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等にアルキレンオキサイドに対し、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等を単独または2種以上、好ましくは2〜9モル付加重合して得られるポリオールがあげられる。
《カーボンブラック》
上記カーボンブラックとしては、例えば、SAF級,ISAF級,HAF級,MAF級,FEF級,GPF級,SRF級,FT級,MT級等の種々のグレードのカーボンブラックがあげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記カーボンブラックの平均粒径は、18〜122nmが好ましく、特に好ましくは20〜40nmである。
本発明においては、カーボンブラックの混練中にカーボンブラックがほぐされて、小さい粒径でTPUのソフトセグメント中に均一に分散することが特徴である。TPUのソフトセグメント中に分散しているカーボンブラックの分散径は、70μm以下が好ましく、特に好ましくは50μm以下である。
上記カーボンブラックの含有量は、上記熱可塑性ポリウレタンエラストマー100重量部に対して5〜50重量部であり、好ましくは10〜40重量部である。上記カーボンブラックの含有量が多すぎると、硬くなりすぎて、振動吸収性能が低下する傾向がみられ、少なすぎると、耐久性が劣る傾向がみられる。
なお、本発明の防振材を形成する材料には、上記ポリイソシアネート、ポリオールおよびカーボンブラック以外に、発泡剤、界面活性剤、難燃剤、着色剤、充填剤、可塑剤、安定剤、離型剤、酸化防止剤等を適宜配合して用いることも可能である。
本発明の防振材は、例えば、上記熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)と、カーボンブラックとを、3080℃の低温(TPUが可塑化する下限近傍の温度)で3〜15分間、好ましくは30〜80℃で5〜10分間、混練した後、押出成形、インジェクション成形等により、所望の形状の防振材に成形することができる。混練時の温度(混練温度)が高すぎると、TPUが完全溶融状態になるため、TPUのハードセグメント中にカーボンブラックが入って、TPUの結晶性が低下し、耐久性が低下する傾向がみられ、混練温度が低すぎると、混練ができない傾向がみられる。
なお、本発明において、混練時の温度(混練温度)は、2軸混練機のシリンダー温度を意味し、2軸混練機のダイス温度を意味するものではない。ダイス温度は、押出成形性等を考慮し、通常150〜200℃である。
本発明の防振材の硬さは、50〜85(JIS A)が好ましく、特に好ましくは60〜70(JIS A)である。
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中、「部」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
まず、実施例および比較例に先立ち、下記に示す材料を準備した。
〔エステル系TPU〕
クラレ社製、クラミロン8165
〔エーテル系TPU〕
クラレ社製、クラミロン9185
〔カーボンブラック(i)〕
東海カーボン社製、シーストSO
〔カーボンブラック(ii)〕
昭和キャボット社製、ショウブラックN330
〔カーボンブラック(iii) 〕
東海カーボン社製、シーストV
〔実施例1〕
エステル系TPU(クラレ社製、クラミロン8165)100部と、カーボンブラック(i)(東海カーボン社製、シーストSO)5部とを、2軸混練機(JSW社製、Tex30α)を用いて、混練温度(30℃;設定できるシリンダー温度)(なお、押出し成形性を考慮して、ダイス温度は200℃とした。)で10分間混練することにより、防振ゴム組成物を調製した。
〔実施例2〜8、比較例1〜6〕
各成分の種類や配合割合、混練条件(混練温度、混練時間)等を下記の表1および表2に示すように変更する以外は、実施例1に準じて、防振ゴム組成物を調製した。
Figure 0005798501
Figure 0005798501
このようにして得られた実施例品および比較例品を用い、下記の基準に従って、各特性の評価を行った。その結果を、上記表1および表2に併せて示した。
〔引張破断強度、引張破断伸び〕
各防振ゴム組成物を用い、JIS K 6251に準じて、引張破断強度および引張破断伸びを測定した。
〔耐久性〕
予め準備した2枚の鉄製金具(厚み:6mm、大きさ:45mm×45mm)間に、各防振ゴム組成物をインジェクション成形して試験片(厚み:32mm、大きさ:36mm×40mm)を作製した。ただし、鉄製金具と防振ゴム組成物との接触部分には、インジェクション成形前に接着剤(ロードファーイーストコーポレイナッド社製、ケムロックC210)を塗布した。そして、この試験片を用いて、耐久性の評価(負荷荷重:0±4000N、雰囲気温度:室温、速度:3Hz)を行った。評価は、試験片に亀裂が生じるまでの回数が、2万回未満のものを×、2万回以上10万回未満のものを△、10万回以上のものを○とした。
〔カーボンブラックの分散、カーボンブラックの粒子径〕
各防振ゴム組成物をインジェクション成形してシート(厚み:2mm)を作製した。つぎに、シートをLEIKA RM 2155で切断した断面について、ブルカー社製のMMAFM−8型SPMを用いて、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)中のカーボンブラックの分散状態を観察した。評価は、カーボンブラックが、ソフトセグメント中にのみ分散しているものを○、ハードセグメントにも分散しているもの×とした。
また、上記TPU中に分散しているカーボンブラックの粒子径を測定した。測定方法は、KEYENCE社製、VHX-1000を用いて原寸の175倍で観察し、観察できるカーボンブラックを任意に100個抽出してその粒子径を測定した。評価は、粒子径を計測したカーボンブラックの中で最大径が70μm以下で分散しているものを○、70μmより大きい径で分散しているものを×とした。
上記結果から、すべての実施例品は、カーボンブラックがTPUのソフトセクメント中にのみ存在し、ハードセグメント中には分散していないため、引張破断強度および引張破断伸びが良好で、耐久性に優れていた。
これに対して、比較例1,2品は、カーボンブラックを含有しないため、耐久性が劣っていた。
比較例3品は、カーボンブラックの配合量が多く、カーボンブラックがTPUのハードセグメント中にも分散しているため、引張破断強度、引張破断伸びおよび耐久性が何れも劣っていた。
TPUとカーボンブラックとを高温で混練してなる比較例4品〜6品は、TPUが完全溶融状態となって、カーボンブラックがTPUのハードセグメント中にも分散しているため、耐久性が劣っていた。
本発明の防振材は、例えば、自動車等の車両用の防振ゴムブッシュ(スタビライザブッシュ、サスペンションブッシュ等)等に好ましく使用することができるが、これに限定されず、ロボットの関節部材等にも使用することができる。

Claims (3)

  1. 熱可塑性ポリウレタンエラストマーを主成分とし、カーボンブラックを含有する防振材であって、上記熱可塑性ポリウレタンエラストマーが、エステル系熱可塑性ポリウレタンエラストマーおよびエーテル系熱可塑性ポリウレタンエラストマーの少なくとも一方であるとともに、ハードセグメント(硬質相)とソフトセグメント(軟質相)とからなり、上記カーボンブラックの含有量が熱可塑性ポリウレタンエラストマー100重量部に対して5〜50重量部であり、上記カーボンブラックが上記熱可塑性ポリウレタンエラストマーのソフトセグメント中にのみ分散していることを特徴とする防振材。
  2. 上記ソフトセグメント中に分散するカーボンブラックの分散径が、70μm以下である請求項1記載の防振材。
  3. 請求項1または2記載の防振材の製法であって、熱可塑性ポリウレタンエラストマーとカーボンブラックとを3080℃の温度で混練することを特徴とする防振材の製法。
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