JP2008184543A - 熱可塑性エラストマー製品の製法およびそれによって得られた熱可塑性エラストマー製品 - Google Patents

熱可塑性エラストマー製品の製法およびそれによって得られた熱可塑性エラストマー製品 Download PDF

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Abstract

【課題】常温時のエラストマー特性に優れた、環境対応型の熱可塑性エラストマー製品の製法を提供する。
【解決手段】下記の(A)を主成分とし、下記の(B)を含有する熱可塑性エラストマー組成物を、動的架橋することにより、下記(β)の溶融物からなる海相1中に、下記(α)からなる島相2を固定化した熱可塑性エラストマー製品の製法である。
(A)下記の(α)と(β)とからなり、両者の重量混合比が、(α)/(β)=55/45〜95/5の範囲である熱可塑性エラストマー。
(α)天然ゴム。
(β)植物由来の樹脂。
(B)架橋剤。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱可塑性エラストマー製品の製法およびそれによって得られた熱可塑性エラストマー製品に関するものであり、詳しくは、防振ゴム,ホース,電子写真機器(OA)用ロール,吸音材,クッション材,自動車用内装材等に用いられる、熱可塑性エラストマー製品の製法およびそれによって得られた熱可塑性エラストマー製品に関するものである。
従来、エラストマー特性が必要な製品は、天然ゴムあるいは合成ゴムを用い、これを加硫することにより製品化されている。しかし、この加硫工程は、大量の熱量を必要とし、二酸化炭素が発生する等の環境面への悪影響が懸念されている。一方、樹脂材料は高温で軟化するため、成形の際に加硫工程が不要であるという利点を有しているが、柔軟性や耐熱性等の面で、ゴム材料と比較して劣っているという問題がある。また、ゴムと樹脂の特性を両立するために開発された熱可塑性エラストマー(ゴムと樹脂とのブレンド品)は、常温(使用温度)ではエラストマー特性を示し、高温では樹脂が溶融して樹脂特性(熱可塑性)を示すため、加硫工程が不要である。ただし、市販されている熱可塑性エラストマーは、用いられている材料が石油系のゴムあるいは樹脂であり、またエラストマー特性(柔軟性等)もゴム単体と比較して劣っている。
ところで、近年、地球規模での温暖化ガスの増加や、原油価格の高騰が、非常に大きな問題となっている。これらに対応するために、石油系の樹脂に代えて、植物油由来の樹脂(例えば、ポリ乳酸)を用いることが提案されている(例えば、特許文献1,2)。そして、上記特許文献1には、天然ゴムおよび合成ゴムの少なくとも一方と、ポリ乳酸とを含むポリマーブレンド材料の製法が記載されている。
特開2004−143315号公報 特開2003−183488号公報
上記特許文献1に記載のポリマーブレンド材料の製法では、100質量部のポリ乳酸に対して、5〜100質量部(好ましくは、40〜80質量部)の天然ゴム等をブレンドしており、ポリ乳酸からなる連続相(海相)と、天然ゴム等からなる分散相(島相)が形成されたポリマーブレンド材料が得られる。しかしながら、この製法により得られるポリマーブレンド材料は、ポリ乳酸の比率に比べて、天然ゴム等の比率が少ないため、天然ゴム等からなる分散相(島相)の特性、すなわちエラストマー特性が劣るという難点がある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、常温時のエラストマー特性に優れた、環境対応型の熱可塑性エラストマー製品の製法およびそれによって得られた熱可塑性エラストマー製品の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、下記の(A)を主成分とし、下記の(B)を含有する熱可塑性エラストマー組成物を、動的架橋することにより、下記(β)の溶融物からなる海相中に、下記(α)からなる島相を固定化した熱可塑性エラストマー製品の製法を第1の要旨とする。また、本発明は、上記熱可塑性エラストマー製品の製法により得られる熱可塑性エラストマー製品を第2の要旨とする。
(A)下記の(α)と(β)とからなり、両者の重量混合比が、(α)/(β)=55/45〜95/5の範囲である熱可塑性エラストマー。
(α)天然ゴム。
(β)植物由来の樹脂。
(B)架橋剤。
すなわち、本発明者らは、常温時のエラストマー特性に優れた、環境対応型の熱可塑性エラストマー製品を得るため、鋭意研究を重ねた。一般に、ゴムと樹脂とをブレンドして熱可塑性エラストマーを得る場合、ゴムと樹脂とを単純にブレンドすると、海島相は添加比率に依存するため、添加比率の多い方が海相(マトリックス)となり、添加比率の少ない方が島相(分散相)となる。従来の熱可塑性エラストマーは、動的架橋や、もしくは樹脂の添加比率を増やすことにより、樹脂を海相として、樹脂特性(熱可塑性)を得ているが、それでは、ゴムの比率が少ないため、ゴム単体と比較してエラストマー特性が劣っている。そこで、エラストマー特性を向上させるためには、ゴムの比率を増やす必要があるが、そうすると、ゴムが海相となるため、樹脂特性(熱可塑性)を得ることが困難となる。この相反する問題を解決するため、本発明者らは、ゴムと樹脂との好ましい組み合わせ、両者のブレンド比等について研究を重ねた結果、非石油系ゴムである天然ゴム(α)と、植物由来の樹脂(β)とを用い、両者の重量混合比が、(α)/(β)=55/45〜95/5の範囲である熱可塑性エラストマーを、架橋剤により動的架橋することを想起した。これによれば、前記技術常識に反して、添加比率の少ない樹脂(β)が海相(マトリックス)となり、添加比率の多い天然ゴム(α)が島相として固定化され、樹脂(β)による樹脂特性(熱可塑性)と、天然ゴム(α)によるエラストマー特性とを有する熱可塑性エラストマー製品が得られるようになる。この理由は、天然ゴム(α)が動的架橋により固まりとなり、その周りを樹脂(β)が溶融して取りまき、樹脂(β)の溶融物からなる海相(マトリックス)中に、天然ゴム(α)が島相として固定化されるためと考えられる。
このように、本発明の製法により得られる熱可塑性エラストマー製品は、天然ゴム(α)の比率が多いため、常温(使用温度)時は優れたエラストマー特性(柔軟性等)が得られる。また、天然ゴム(α)の比率が多いにも関わらず、海相(マトリックス)が特定の樹脂(β)からなるため、優れた熱可塑性も有する。また、本発明によると、天然ゴムおよび植物由来の樹脂からなる熱可塑性エラストマーを主成分とするため、天然由来成分からなり、しかも環境対応型の製品を得ることができる。
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の熱可塑性エラストマー製品の製法は、下記の(A)を主成分とし、下記の(B)を含有する熱可塑性エラストマー組成物を、動的架橋することにより、下記(β)の溶融物からなる海相中に、下記(α)からなる島相を固定化した熱可塑性エラストマー製品を得る方法である。
(A)下記の(α)と(β)とからなり、両者の重量混合比が、(α)/(β)=55/45〜95/5の範囲である熱可塑性エラストマー。
(α)天然ゴム。
(β)植物由来の樹脂。
(B)架橋剤。
ここで、本発明において動的架橋とは、熱可塑性エラストマー組成物を、混練機中で混合攪拌する際に行う架橋をいい、通常の金型を用いて行う型架橋と区別して一般に「動的架橋(動的加硫)」と呼ばれているものと同義である。
なお、本発明において、特定の熱可塑性エラストマー(A成分)を主成分とするとは、熱可塑性エラストマー組成物において、特定の熱可塑性エラストマー(A成分)が主要な成分をなす意味であり、熱可塑性エラストマー組成物全体の50重量%以上、好ましくは70〜90重量%を占めるものをいう。
また、本発明において、島相を固定化とは、上記(β)の溶融物からなる海相(マトリックス)中に、上記(α)からなる島相が分散していれば良く、通常の海島構造と同様の意味である。
本発明に用いる特定の熱可塑性エラストマー(A成分)は、先に述べたように、天然ゴム(α)と、植物由来の樹脂(β)とからなり、両者の重量混合比が、特定の範囲のものである。
上記天然ゴム(α)としては、動的架橋するものであれば、特に限定するものではなく、例えば、天然ゴム(RSS♯3)等があげられる。
つぎに、上記天然ゴム(α)とともに用いられる植物由来の樹脂(β)としては、特に限定はなく、例えば、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリ(カプロラクトン/ブチレンサクシネート)、ポリブチレンサクシネート、ポリ(ブチレンサクシネート/アジペート)、ポリ(ブチレンサクシネート/カーボネート)、ポリ(エチレンテレフタレート/サクシネート)、ポリ(ブチレンアジペート/テレフタレート)、ポリ(テトラメチレンアジペート/テレフタレート)、ポリ(ブチレンアジペート/テレフタレート)、ポリエチレンサクシネート、ポリビニルアルコール、ポリグリコール酸等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。これらのなかでも、比較的高い融点を持ち、高透明性、高剛性で加工性に優れるという点で、ポリ乳酸が好適に用いられる。
上記ポリ乳酸は、トウモロコシデンプンの発酵等によって得られる乳酸を重合して得られるポリエステル系の樹脂として知られている材料である。なお、上記ポリ乳酸は、ポリ−D−乳酸、ポリ−L−乳酸、あるいはその複合体のいずれであっても差し支えない。
上記特定の熱可塑性エラストマー(A成分)において、天然ゴム(α)と植物由来の樹脂(β)との重量混合比は、(α)/(β)=55/45〜95/5の範囲でなければならず、好ましくは(α)/(β)=70/30〜90/10の範囲である。すなわち、天然ゴム(α)の混合比が下限未満〔植物由来の樹脂(β)が上限を超える〕であると、エラストマー特性が劣り、柔軟性が悪化してしまい、逆に天然ゴム(α)の混合比が上限を超える〔植物由来の樹脂(β)が下限未満である〕と、熱可塑性を有さず、高温下での溶融成型が困難となるからである。
つぎに、上記特定の熱可塑性エラストマー(A成分)とともに用いられる架橋剤(B成分)としては、天然ゴム(α)を架橋(加硫)し得るものであれば特に限定するものではなく、例えば、硫黄(粉末硫黄,沈降硫黄,不溶性硫黄)、過酸化物、キノイド、マレイミド、樹脂架橋剤等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。これらのなかでも、架橋速度の調整が容易という点で、硫黄が好適に用いられる。
上記架橋剤(B成分)の配合量は、上記天然ゴム(α)100重量部(以下「部」と略す)に対して0.5〜5部の範囲が好ましく、特に好ましくは1.0〜2.5部の範囲である。すなわち、上記架橋剤(B成分)の配合量が少なすぎると、架橋密度が低くなり、エラストマー特性が劣ってしまい、逆に架橋剤(B成分)の配合量が多すぎると、架橋密度が高くなりすぎ、柔軟性が劣る傾向がみられるからである。
なお、本発明に用いる熱可塑性エラストマー組成物は、特定の熱可塑性エラストマー(A成分)および架橋剤(B成分)に加えて、加硫促進剤、加硫助剤、老化防止剤、プロセスオイル、植物油、可塑剤、カーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、クレー等を必要に応じて、単独でもしくは併用して配合しても差し支えない。
上記加硫促進剤としては、特に限定はなく、例えば、チアゾール系,スルフェンアミド系,チウラム系,アルデヒドアンモニア系,アルデヒドアミン系,グアニジン系,チオウレア系等の加硫促進剤があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。これらのなかでも、加硫速度および加硫密度の点で、スルフェンアミド系加硫促進剤が好ましい。
上記チアゾール系加硫促進剤としては、例えば、ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)、2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、2−メルカプトベンゾチアゾールナトリウム塩(NaMBT)、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛塩(ZnMBT)等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
上記スルフェンアミド系加硫促進剤としては、例えば、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(NOBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾイルスルフェンアミド(BBS)、N,N′−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾイルスルフェンアミド等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
上記チウラム系加硫促進剤としては、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)、テトラブチルチウラムジスルフィド(TBTD)、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)等があげられる。これらは単独でもしくは二種以上併せて用いられる。
上記加硫促進剤の配合量は、上記天然ゴム(α)100部に対して0.1〜4.0部の範囲が好ましく、特に好ましくは0.5〜1.0部の範囲である。
上記加硫助剤としては、特に限定はなく、例えば、亜鉛華(ZnO)、ステアリン酸、酸化マグネシウム等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
また、上記加硫助剤の配合量は、上記天然ゴム(α)100部に対して、1〜25部の範囲が好ましく、特に好ましくは3〜10部の範囲である。
上記老化防止剤としては、例えば、カルバメート系老化防止剤、フェニレンジアミン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤、ジフェニルアミン系老化防止剤、キノリン系老化防止剤、イミダゾール系老化防止剤、ワックス類等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
また、上記老化防止剤の配合量は、上記天然ゴム(α)100部に対して、1〜10部の範囲が好ましく、特に好ましくは2〜5部の範囲である。
上記プロセスオイルとしては、例えば、ナフテン系オイル、パラフィン系オイル、アロマ系オイル等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
また、上記プロセスオイルの配合量は、上記天然ゴム(α)100部に対して、1〜50部の範囲が好ましく、特に好ましくは3〜30部の範囲である。
つぎに、本発明の熱可塑性エラストマー製品は、例えば、つぎのようにして得ることができる。すなわち、まず、植物由来の樹脂(β)の融点以上の温度に調節した混練機(ミル、ミキサー等)を準備する。つぎに、天然ゴム(α)と、植物由来の樹脂(β)〔例えば、ポリ乳酸のペレット〕と、必要に応じて加硫促進剤等を所定の配合割合にて、上記混練機中に投入し、所定時間(通常、1〜30分間、好ましくは5分間程度)混練して動的架橋する。これにより、目的とする熱可塑性エラストマー製品を得ることができる。本発明の製法によると、植物由来の樹脂(β)の融点以上の温度で混練して動的架橋しているため、植物由来の樹脂(β)の溶融物からなる海相(マトリックス)中に、天然ゴム(α)からなる島相を固定化することができる。そのため、優れたエラストマー特性を得ることができる。
上記混練機の温度は、植物由来の樹脂(β)の融点よりも1〜70℃高い温度に調節することが好ましく、特に好ましくは特定の樹脂(β)の融点よりも10〜30℃高い温度である。なお、上記植物由来の樹脂(β)として好適に用いられるポリ乳酸の融点は、通常、140〜170℃程度である。
本発明の製法により得られる熱可塑性エラストマー製品は、例えば、図1に示すように、植物由来の樹脂(β)の溶融物からなる海相(マトリックス)1中に、天然ゴム(α)からなる島相2が固定化されている。
上記島相2の平均直径は、0.1〜10μmの範囲が好ましく、特に好ましくは、0.1〜1.0μmの範囲である。なお、上記島相2の平均直径は、例えば、SPM(Scanning Probe Microscope)による測定および画像解析にて、測定することができる。
本発明により得られる熱可塑性エラストマー製品は、常温時にはエラストマー特性を有するため、通常、エラストマーが使用されている製品に使用することが可能である。上記熱可塑性エラストマー製品は、例えば、防振ゴム、ホース、電子写真機器(OA)用ロール、吸音材、クッション材、自動車用内装材等に用いることができる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
まず、180±10℃に温度調節された混練機(ラボプラストミル)を準備した。つぎに、天然ゴムと、ポリ乳酸(三井化学社製、レイシアH−400、融点:166℃)のペレットと、加硫促進剤としてN−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CZ)(大内新興化学工業社製、ノクセラーCZ−G)と、酸化亜鉛(加硫促進助剤)と、ステアリン酸(加硫促進助剤)と、硫黄(加硫剤)とを、後記の表1に示す配合割合にて、上記混練機(ラボプラストミル)中に投入し、5分間混練して動的架橋することにより、熱可塑性エラストマー製品を得た。
〔実施例2〜7、比較例3〕
下記の表1および表2に示すように、各成分の配合量等を変更する以外は、実施例1に準じて、熱可塑性エラストマー製品を得た。
〔比較例1〕
まず、180±10℃に温度調節された混練機(ラボプラストミル)を準備した。つぎに、天然ゴムと、ポリ乳酸(三井化学社製、レイシアH−400、融点:166℃)のペレットとを、後記の表2に示す配合割合にて、上記混練機(ラボプラストミル)中に投入し、5分間混練することにより、熱可塑性エラストマー製品を得た。
〔比較例2〕
下記の表2に示すように、各成分の配合量等を変更する以外は、比較例1に準じて、熱可塑性エラストマー製品を得た。
Figure 2008184543
Figure 2008184543
このようにして得られた実施例および比較例の熱可塑性エラストマー製品を用い、下記の基準に従って、各特性の評価を行った。その結果を、上記の表1および表2に併せて示した。
〔海島構造の観察〕
得られた各熱可塑性エラストマー製品について、SPM(Scanning Probe Microscope)を用いて、海相(マトリックス)と島相との構造を観察した。
〔柔軟性(エラストマー特性)〕
得られた各熱可塑性エラストマー製品を用い、柔軟性の評価を行った。評価は、高温圧縮成型により容易にシート化でき、そのJIS−A硬度が80以下となるものを○、高温圧縮成型によりシート化でき、そのJIS−A硬度が80を超えるものを×とした。
上記表の結果から、すべての実施例品は、ポリ乳酸の融点以上の温度で混練して動的架橋しているため、ポリ乳酸の溶融物からなる海相(マトリックス)中に、天然ゴムからなる島相が固定化されていた。そのため、すべての実施例品は、高温圧縮時の成型性に優れることから、柔軟性(エラストマー特性)が優れていた。
これに対して、比較例1品は、ポリ乳酸と比較して天然ゴムの比率が多く、単純にブレンドして混練するのみで動的架橋していないため、比率の多い天然ゴムが海相(マトリックス)となった。そのため、比較例1品は、高温圧縮時の成型性が悪いことから、柔軟性(エラストマー特性)に劣っていた。また、比較例2品は、ポリ乳酸と天然ゴムの比率が同じであるか、単純にブレンドして混練するのみで動的架橋していないため、天然ゴムが海相(マトリックス)となった。そのため、比較例2品は、高温圧縮時の成型性が悪いことから、柔軟性(エラストマー特性)に劣っていた。また、比較例3品は、動的架橋しているが、天然ゴムの比率が上限を超えているため、マトリックス(島相)となるべきポリ乳酸が天然ゴムを覆うことができず、海島構造を形成しなかった。そのため、高温圧縮成型によりシート化できず、JIS−A硬度の測定ができなかった。
本発明の製法により得られる熱可塑性エラストマー製品は、常温時にはエラストマー特性を有するため、通常、エラストマーが使用されている製品に使用することが可能であり、例えば、防振ゴム、ホース、電子写真機器(OA)用ロール、吸音材、クッション材、自動車用内装材等に用いられる。
本発明の製法により得られた熱可塑性エラストマー製品を部分的に拡大した模式図である。
符号の説明
1 海相
2 島相

Claims (4)

  1. 下記の(A)を主成分とし、下記の(B)を含有する熱可塑性エラストマー組成物を、動的架橋することにより、下記(β)の溶融物からなる海相中に、下記(α)からなる島相を固定化したことを特徴とする熱可塑性エラストマー製品の製法。
    (A)下記の(α)と(β)とからなり、両者の重量混合比が、(α)/(β)=55/45〜95/5の範囲である熱可塑性エラストマー。
    (α)天然ゴム。
    (β)植物由来の樹脂。
    (B)架橋剤。
  2. 上記(β)が、ポリ乳酸である請求項1記載の熱可塑性エラストマー製品の製法。
  3. 上記(B)成分の配合量が、上記(α)100重量部に対して0.5〜5重量部の範囲である請求項1または2記載の熱可塑性エラストマー製品の製法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー製品の製法により得られることを特徴とする熱可塑性エラストマー製品。
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