JPH08127695A - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents
熱可塑性エラストマー組成物Info
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- JPH08127695A JPH08127695A JP29241294A JP29241294A JPH08127695A JP H08127695 A JPH08127695 A JP H08127695A JP 29241294 A JP29241294 A JP 29241294A JP 29241294 A JP29241294 A JP 29241294A JP H08127695 A JPH08127695 A JP H08127695A
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- JP
- Japan
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- nitrile rubber
- carboxyl group
- weight
- thermoplastic elastomer
- crystalline polyester
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- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 カルボキシル基含有ニトリルゴムが配合さ
れていない従来の熱可塑性エラストマー組成物に比べて
相溶性が改善されて強伸度特性が向上し、しかも耐薬品
性、耐油性および耐熱性等に優れている。 【構成】 融点が100〜240℃の結晶性ポリエス
テル10〜80重量%とニトリルゴム90〜20重量%
とからなり、該ニトリルゴムの少なくとも15重量%が
カルボキシル基含有ニトリルゴムであり、このカルボキ
シル基含有ニトリルゴムにおけるα,β不飽和カルボン
酸含有量が1.0〜10重量%である。
れていない従来の熱可塑性エラストマー組成物に比べて
相溶性が改善されて強伸度特性が向上し、しかも耐薬品
性、耐油性および耐熱性等に優れている。 【構成】 融点が100〜240℃の結晶性ポリエス
テル10〜80重量%とニトリルゴム90〜20重量%
とからなり、該ニトリルゴムの少なくとも15重量%が
カルボキシル基含有ニトリルゴムであり、このカルボキ
シル基含有ニトリルゴムにおけるα,β不飽和カルボン
酸含有量が1.0〜10重量%である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、機械的特性に優れ、
かつ耐薬品性、耐油性および耐熱性の良好な熱可塑性エ
ラストマー組成物に関するものである。詳しくは、結晶
性ポリエステルとニトリルゴムのブレンド組成物の物性
を向上するため、上記のニトリルゴムにカルボキシル基
含有ニトリルゴムを配合したものである。
かつ耐薬品性、耐油性および耐熱性の良好な熱可塑性エ
ラストマー組成物に関するものである。詳しくは、結晶
性ポリエステルとニトリルゴムのブレンド組成物の物性
を向上するため、上記のニトリルゴムにカルボキシル基
含有ニトリルゴムを配合したものである。
【0002】
【従来の技術】結晶性ポリエステルおよびニトリルゴム
を高剪断速度で混練しながら加硫剤で加硫する、いわゆ
る動的加硫によって熱可塑性エラストマー組成物を製造
することが特公昭55−14099号公報によって知ら
れている。しかしながら、本来非相溶性の結晶性ポリエ
ステルとニトリルゴムとを機械的混練のみによって均一
で安定な微細構造の組成物とすることは極めて難しく、
かつ得られた組成物は、その機械的性質が不十分で、近
年になって特に高性能化を求める自動車用途等の市場の
要求を満たし得ないという問題があった。
を高剪断速度で混練しながら加硫剤で加硫する、いわゆ
る動的加硫によって熱可塑性エラストマー組成物を製造
することが特公昭55−14099号公報によって知ら
れている。しかしながら、本来非相溶性の結晶性ポリエ
ステルとニトリルゴムとを機械的混練のみによって均一
で安定な微細構造の組成物とすることは極めて難しく、
かつ得られた組成物は、その機械的性質が不十分で、近
年になって特に高性能化を求める自動車用途等の市場の
要求を満たし得ないという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記公知
の熱可塑性エラストマー組成物の改良を目的とする研究
の結果なされたものであり、ニトリルゴムとしてカルボ
キシル基含有ニトリルゴムを使用することによって結晶
性ポリエステルとニトリルゴムの相溶性を改良し、しか
も結晶性ポリエステルの優れた耐薬品性、耐油性および
耐熱性を保持したまま柔軟性を増大し、機械的特性を向
上するものである。
の熱可塑性エラストマー組成物の改良を目的とする研究
の結果なされたものであり、ニトリルゴムとしてカルボ
キシル基含有ニトリルゴムを使用することによって結晶
性ポリエステルとニトリルゴムの相溶性を改良し、しか
も結晶性ポリエステルの優れた耐薬品性、耐油性および
耐熱性を保持したまま柔軟性を増大し、機械的特性を向
上するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明の熱可塑性エラ
ストマー組成物は、融点が100〜240℃の結晶性ポ
リエステル10〜80重量%とニトリルゴム90〜20
重量%とからなり、該ニトリルゴムの少なくとも15重
量%がカルボキシル基含有ニトリルゴムであり、このカ
ルボキシル基含有ニトリルゴムにおけるα,β不飽和カ
ルボン酸基含有量が1.0〜10重量%であることを特
徴とする。
ストマー組成物は、融点が100〜240℃の結晶性ポ
リエステル10〜80重量%とニトリルゴム90〜20
重量%とからなり、該ニトリルゴムの少なくとも15重
量%がカルボキシル基含有ニトリルゴムであり、このカ
ルボキシル基含有ニトリルゴムにおけるα,β不飽和カ
ルボン酸基含有量が1.0〜10重量%であることを特
徴とする。
【0005】この発明の結晶性ポリエステルは、テレフ
タル酸、イソフタール酸、ナフタレンジカルボン酸等の
芳香族ジカルボン酸とエチレングリコール、1,4−ブ
タンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プ
ロパンジオール、ヘキサンジオール等のグリコールとか
ら縮重合された融点100〜240℃の重合体または共
重合体である。特に、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト等の芳香族ポリエステルをハードセグメントとし、数
平均分子量400〜3000のポリ(エチレンオキシ
ド)グリコール、ポリ(1,2−プロピレンオキシド)
グリコール、ポリ(1,3−プロピレンオキシド)グリ
コール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール等
の脂肪族ポリエーテルまたは数平均分子量400〜30
00のポリエチレングリコール、ポタエチレンアジペー
ト、ポリエチレンセバケートおよびポリ−ε−カプロラ
クトン等の脂肪族ポリエステルをソフトセグメントとす
るポリエステルブロック共重合体が好適である。
タル酸、イソフタール酸、ナフタレンジカルボン酸等の
芳香族ジカルボン酸とエチレングリコール、1,4−ブ
タンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プ
ロパンジオール、ヘキサンジオール等のグリコールとか
ら縮重合された融点100〜240℃の重合体または共
重合体である。特に、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト等の芳香族ポリエステルをハードセグメントとし、数
平均分子量400〜3000のポリ(エチレンオキシ
ド)グリコール、ポリ(1,2−プロピレンオキシド)
グリコール、ポリ(1,3−プロピレンオキシド)グリ
コール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール等
の脂肪族ポリエーテルまたは数平均分子量400〜30
00のポリエチレングリコール、ポタエチレンアジペー
ト、ポリエチレンセバケートおよびポリ−ε−カプロラ
クトン等の脂肪族ポリエステルをソフトセグメントとす
るポリエステルブロック共重合体が好適である。
【0006】この発明に使用されるニトリルゴムは、約
20〜約50重量%のアクリルニトリルと残余のブタジ
エンとからなる合成ゴムである。また、この発明に使用
されるカルボキシル基含有ニトリルゴムは、約20〜約
45重量%のアクリルニトリルと約1.0〜約10重量
%のアクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸
およびイタコン酸から選ばれた一種または二種以上の
α,β不飽和カルボン酸および残余のブタジエンから合
成された三元共重合体の合成ゴムである。このカルボキ
シル基含有ニトリルゴムにおけるα,β不飽和カルボン
酸量が1.0重量%未満では所期の効果が得られず、反
対に10重量%を超えると、物性が飽和に達して向上し
なくなり、かつニトリルゴムの合成コストが著しく高く
なる。
20〜約50重量%のアクリルニトリルと残余のブタジ
エンとからなる合成ゴムである。また、この発明に使用
されるカルボキシル基含有ニトリルゴムは、約20〜約
45重量%のアクリルニトリルと約1.0〜約10重量
%のアクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸
およびイタコン酸から選ばれた一種または二種以上の
α,β不飽和カルボン酸および残余のブタジエンから合
成された三元共重合体の合成ゴムである。このカルボキ
シル基含有ニトリルゴムにおけるα,β不飽和カルボン
酸量が1.0重量%未満では所期の効果が得られず、反
対に10重量%を超えると、物性が飽和に達して向上し
なくなり、かつニトリルゴムの合成コストが著しく高く
なる。
【0007】この発明では、上記の結晶性ポリエステル
10〜80重量%およびニトリルゴム90〜20重量%
が混合される。結晶性ポリエステルの配合割合が10重
量%未満では、熱可塑性として成形加工が困難であり、
反対に80重量%超では成形品の硬度が高くなり、エラ
ストマーとしての柔軟性が消失する。そして、上記のニ
トリルゴム全量のうちカルボキシル基含有ニトリルゴム
の配合割合は、15%以上が必要であり、このカルボキ
シル基含有ニトリルゴムの配合割合が全ニトリルゴムの
15%未満では、結晶性ポリエステル/ニトリルゴム系
組成物の相溶性を改善することができず、かつ物性の向
上が得られない。
10〜80重量%およびニトリルゴム90〜20重量%
が混合される。結晶性ポリエステルの配合割合が10重
量%未満では、熱可塑性として成形加工が困難であり、
反対に80重量%超では成形品の硬度が高くなり、エラ
ストマーとしての柔軟性が消失する。そして、上記のニ
トリルゴム全量のうちカルボキシル基含有ニトリルゴム
の配合割合は、15%以上が必要であり、このカルボキ
シル基含有ニトリルゴムの配合割合が全ニトリルゴムの
15%未満では、結晶性ポリエステル/ニトリルゴム系
組成物の相溶性を改善することができず、かつ物性の向
上が得られない。
【0008】この発明の組成物は、加硫剤による加硫を
必ずしも必要としないが、硫黄、硫黄含有化合物または
有機過酸化物を用いて加硫することにより、強度を更に
向上することができる。硫黄含有化合物としては、ベン
ゾチアジルジサルファイド、メルカプトベンゾチアゾー
ル、スルフェンアミド、チウラムモノサルファイド、チ
ウラムジサルファイド、チウラムテトラサルファイド等
の周知の加硫促進剤が例示される。また、有機過酸化物
としては、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオ
キサイド、パーオキシエステル等の周知の有機過酸化物
が使用可能である。
必ずしも必要としないが、硫黄、硫黄含有化合物または
有機過酸化物を用いて加硫することにより、強度を更に
向上することができる。硫黄含有化合物としては、ベン
ゾチアジルジサルファイド、メルカプトベンゾチアゾー
ル、スルフェンアミド、チウラムモノサルファイド、チ
ウラムジサルファイド、チウラムテトラサルファイド等
の周知の加硫促進剤が例示される。また、有機過酸化物
としては、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオ
キサイド、パーオキシエステル等の周知の有機過酸化物
が使用可能である。
【0009】上記の加硫剤は、結晶性ポリエステルにニ
トリルゴムおよびカルボキシル基含有ニトリルゴムを、
またはカルボキシル基含有ニトリルゴムのみを加えて十
分に混練し、これらが均一に分散された後に配合し、更
に混練することが好ましく、これによって優れた物性の
組成物が得られる。なお、この発明の組成物には、酸化
防止剤、可塑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、
発泡剤等を必要に応じて適宜に添加することができる。
トリルゴムおよびカルボキシル基含有ニトリルゴムを、
またはカルボキシル基含有ニトリルゴムのみを加えて十
分に混練し、これらが均一に分散された後に配合し、更
に混練することが好ましく、これによって優れた物性の
組成物が得られる。なお、この発明の組成物には、酸化
防止剤、可塑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、
発泡剤等を必要に応じて適宜に添加することができる。
【0010】この発明の組成物を製造するには、前記の
結晶性ポリエステル、ニトリルゴムおよびカルボキシル
基含有ニトリルゴムの三者を、または結晶性ポリエステ
ルおよびカルボキシル基含有ニトリルゴムの二者を結晶
性ポリエステルの融点よりも5℃ないし30℃高い温度
で混練する。混練機としては、可能な限り高剪断速度の
加わる装置が好ましく、例えば2軸押出機、ブラベンダ
ー、バンバリーミキサー等の通常の混練機で混練するこ
とができる。加硫剤は、上記の3成分または2成分が均
一に混練された後に添加するのが好ましい。また、酸化
防止剤、可塑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、
発泡剤等は、適宜に配合、添加することができる。そし
て、得られた組成物は、加圧成形、射出成形、押出成
形、カレンダー成形等の通常の方法で成形され、製品化
することができる。
結晶性ポリエステル、ニトリルゴムおよびカルボキシル
基含有ニトリルゴムの三者を、または結晶性ポリエステ
ルおよびカルボキシル基含有ニトリルゴムの二者を結晶
性ポリエステルの融点よりも5℃ないし30℃高い温度
で混練する。混練機としては、可能な限り高剪断速度の
加わる装置が好ましく、例えば2軸押出機、ブラベンダ
ー、バンバリーミキサー等の通常の混練機で混練するこ
とができる。加硫剤は、上記の3成分または2成分が均
一に混練された後に添加するのが好ましい。また、酸化
防止剤、可塑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、
発泡剤等は、適宜に配合、添加することができる。そし
て、得られた組成物は、加圧成形、射出成形、押出成
形、カレンダー成形等の通常の方法で成形され、製品化
することができる。
【0011】
【作用】この発明の組成物には、カルボキシル基含有ニ
トリルゴムが配合されているため、結晶性ポリエステル
およびニトリルゴムの相溶性が向上し、混練によって上
記の結晶性ポリエステル、ニトリルゴムおよびカルボキ
シル基含有ニトリルゴムが均一に混合され、安定した微
細構造の組成物となり、引張強さ、破断伸び等の機械的
特性が向上し、しかも結晶性ポリエステルの有する優れ
た耐薬品性、耐油性および耐熱性が失われることは無
く、強さ、柔軟性、耐油性および耐熱性等のバランスが
良好になる。
トリルゴムが配合されているため、結晶性ポリエステル
およびニトリルゴムの相溶性が向上し、混練によって上
記の結晶性ポリエステル、ニトリルゴムおよびカルボキ
シル基含有ニトリルゴムが均一に混合され、安定した微
細構造の組成物となり、引張強さ、破断伸び等の機械的
特性が向上し、しかも結晶性ポリエステルの有する優れ
た耐薬品性、耐油性および耐熱性が失われることは無
く、強さ、柔軟性、耐油性および耐熱性等のバランスが
良好になる。
【0012】そして、上記の結晶性ポリエステルとし
て、芳香族ポリエステルをハードセグメントとし、脂肪
族ポリエーテルまたは脂肪族ポリエステルをソフトセグ
メントとするブロック共重合体を使用した場合は、特に
柔軟性およびタフネス等の物性が向上する。また、上記
の組成物に硫黄または有機物過酸化剤を添加して加硫し
た場合は、引張強さが更に向上する。
て、芳香族ポリエステルをハードセグメントとし、脂肪
族ポリエーテルまたは脂肪族ポリエステルをソフトセグ
メントとするブロック共重合体を使用した場合は、特に
柔軟性およびタフネス等の物性が向上する。また、上記
の組成物に硫黄または有機物過酸化剤を添加して加硫し
た場合は、引張強さが更に向上する。
【0013】
実施例1、2および比較例1 結晶性ポリエステルとしてポリブチレンテレフタレート
とポリテトラメチレングリコールのブロック共重合体P
EL−A(東洋紡績株式会社製、商品名「ペルプレンP
−40H」、融点172℃)を、ニトリルゴムとして一
般タイプのニトリルゴムNBR−A(日本ゼオン株式会
社製、商品名「ニッポール1042」、アクリルニトリ
ル含有量33.5重量%)を、またカルボキシル基含有
ニトリルゴムとしてα,β不飽和カルボン酸含有量約5
重量%のNBR−CA(日本ゼオン株式会社製、商品名
「ニッポール1072J」、アクリルニトリル含有量2
7重量%)をそれぞれ使用し、実施例1、実施例2およ
び比較例1のシートを成形した。
とポリテトラメチレングリコールのブロック共重合体P
EL−A(東洋紡績株式会社製、商品名「ペルプレンP
−40H」、融点172℃)を、ニトリルゴムとして一
般タイプのニトリルゴムNBR−A(日本ゼオン株式会
社製、商品名「ニッポール1042」、アクリルニトリ
ル含有量33.5重量%)を、またカルボキシル基含有
ニトリルゴムとしてα,β不飽和カルボン酸含有量約5
重量%のNBR−CA(日本ゼオン株式会社製、商品名
「ニッポール1072J」、アクリルニトリル含有量2
7重量%)をそれぞれ使用し、実施例1、実施例2およ
び比較例1のシートを成形した。
【0014】混練にはラボプラントミル(東洋精機株式
会社製、商品名「R−500」)を使用し、上記の結晶
性ポリエステル、ニトリルゴムおよびカルボキシル基含
有ニトリルゴムをほぼ同時に投入し、温度185〜23
0℃で約3分間混練し、次いで温度185〜230℃の
加圧プレスを用いて厚み2mmのシートを成形し、各種の
物性を測定した。その結果を配合量と共に下記の表1に
示す。ただし、物性の測定は、JIS K−6251、
JIS K−6262(25℃、100%伸長、24時
間の永久伸び)に準拠して行った。また、耐油性は、J
IS−3号油に30℃で70時間浸漬した後の膨潤率
(重量%)で比較した。なお、表中のカルボン酸は、
α,β不飽和カルボン酸を意味する。
会社製、商品名「R−500」)を使用し、上記の結晶
性ポリエステル、ニトリルゴムおよびカルボキシル基含
有ニトリルゴムをほぼ同時に投入し、温度185〜23
0℃で約3分間混練し、次いで温度185〜230℃の
加圧プレスを用いて厚み2mmのシートを成形し、各種の
物性を測定した。その結果を配合量と共に下記の表1に
示す。ただし、物性の測定は、JIS K−6251、
JIS K−6262(25℃、100%伸長、24時
間の永久伸び)に準拠して行った。また、耐油性は、J
IS−3号油に30℃で70時間浸漬した後の膨潤率
(重量%)で比較した。なお、表中のカルボン酸は、
α,β不飽和カルボン酸を意味する。
【0015】 表 1 実施例1 実施例2 比較例1 PEL−A配合量(重量%) 50 50 50 NBR−A配合量(重量%) 0 35 50 NBR−CA配合量(重量%) 50 15 0 カルボン酸/NBR(重量%) 5 1.5 0 引張強さ(kg/cm2 ) 84.3 50.2 38.1 破断伸び(%) 1500以上 700 500 100%モジュラス(kg/cm2 ) 28 28.5 27.7 硬度(JIS−A) 70 69 66 永久伸び(%) 25.3 − 44.6 耐油性(膨潤率%) 22 − −
【0016】上記の表1から明らかなように、カルボキ
シル基含有ニトリルゴムNBR−CAの配合量がニトリ
ルゴムの全量である実施例1および30重量%(組成物
全量の15重量%)である実施例2は、いずれも上記配
合量がゼロの比較例1に比べて強伸度特性が著しく高
い。また、エラストマー的特性の代表的メジャーである
永久伸びにおいても、実施例1が比較例1に比べて優れ
ている。
シル基含有ニトリルゴムNBR−CAの配合量がニトリ
ルゴムの全量である実施例1および30重量%(組成物
全量の15重量%)である実施例2は、いずれも上記配
合量がゼロの比較例1に比べて強伸度特性が著しく高
い。また、エラストマー的特性の代表的メジャーである
永久伸びにおいても、実施例1が比較例1に比べて優れ
ている。
【0017】実施例3および比較例2 ニトリルゴムとして実施例2および比較例1の一般タイ
プのニトリルゴムNBR−Aに代えて部分架橋ニトリル
ゴムNBR−B(日本ゼオン株式会社製、商品名「ニッ
ポールDN−214」、アクリルニトリル含有量33.
5重量%)を使用し、かつカルボキシル基含有ニトリル
ゴムNBR−CAの配合量を変更する以外は、実施例2
および比較例1と同様にして実施例3および比較例2の
組成物を製造し、前記同様に試験した。その結果を下記
の表2に示す。
プのニトリルゴムNBR−Aに代えて部分架橋ニトリル
ゴムNBR−B(日本ゼオン株式会社製、商品名「ニッ
ポールDN−214」、アクリルニトリル含有量33.
5重量%)を使用し、かつカルボキシル基含有ニトリル
ゴムNBR−CAの配合量を変更する以外は、実施例2
および比較例1と同様にして実施例3および比較例2の
組成物を製造し、前記同様に試験した。その結果を下記
の表2に示す。
【0018】 表 2 実施例3 比較例2 PEL−A配合量(重量%) 50 50 NBR−B配合量(重量%) 27 50 NBR−CA配合量(重量%) 23 0 カルボン酸/NBR(重量%) 2.3 0 引張強さ(kg/cm2 ) 60.3 40.3 破断伸び(%) 700 300 100%モジュラス(kg/cm2 ) 28.7 30 硬度(JIS−A) 72 68 永久伸び(%) 31.1 − 耐油性(膨潤率%) 21 −
【0019】上記の表2から明らかなように、カルボキ
シル基含有ニトリルゴムNBR−CAの配合量がニトリ
ルゴム全量の46重量%(組成物全体の23重量%)で
ある実施例3は、上記配合量がゼロの比較例2に比べて
強伸度特性が大幅に向上している。
シル基含有ニトリルゴムNBR−CAの配合量がニトリ
ルゴム全量の46重量%(組成物全体の23重量%)で
ある実施例3は、上記配合量がゼロの比較例2に比べて
強伸度特性が大幅に向上している。
【0020】実施例4および比較例3 結晶性ポリエステルとして、ポリブチレンテレフタレー
トとポリテトラメチレングリコールのブロック共重合体
PEL−B(東洋紡績株式会社製、商品名「ペルプレン
P−150B」、融点212℃)を使用する以外は、前
記の実施例1および比較例1と同様にして実施例4およ
び比較例3のシートを製造し、前記同様に試験した。そ
の結果を下記の表3に示す。
トとポリテトラメチレングリコールのブロック共重合体
PEL−B(東洋紡績株式会社製、商品名「ペルプレン
P−150B」、融点212℃)を使用する以外は、前
記の実施例1および比較例1と同様にして実施例4およ
び比較例3のシートを製造し、前記同様に試験した。そ
の結果を下記の表3に示す。
【0021】 表 3 実施例4 比較例3 PEL−B配合量(重量%) 50 50 NBR−A配合量(重量%) 0 50 NBR−CA配合量(重量%) 50 0 カルボン酸/NBR(重量%) 5 0 引張強さ(kg/cm2 ) 143.5 42.6 破断伸び(%) 500 50以下 100%モジュラス(kg/cm2 ) 33.0 − 硬度(JIS−A) 86 82 永久伸び(%) − − 耐油性(膨潤率%) 3 −
【0022】上記の表3から明らかなように、実施例4
は、比較的高融点の結晶性ポリエステルを使用している
が、カルボキシル基含有ニトリルゴムを使用しているた
め、系の相溶性が向上し、強伸度特性が優れている。こ
れに対して比較例3は、カルボキシル基含有ニトリルゴ
ムを配合してないため、系の相溶性が劣り、強伸度特性
が著しく低く、実用に耐えない。
は、比較的高融点の結晶性ポリエステルを使用している
が、カルボキシル基含有ニトリルゴムを使用しているた
め、系の相溶性が向上し、強伸度特性が優れている。こ
れに対して比較例3は、カルボキシル基含有ニトリルゴ
ムを配合してないため、系の相溶性が劣り、強伸度特性
が著しく低く、実用に耐えない。
【0023】実施例5、6 実施例1の配合において、カルボキシル基含有ニトリル
ゴム100部に付き酸化亜鉛5部、ステアリン酸1部、
硫黄0.5部、加硫促進剤TT(テトラメチルチウラム
ジサルファイド)1部および加硫促進剤CZ(N−シク
ロヘキシル−2−ベンゾチアゾールサルファアミド)2
部を添加し、硫黄加硫を行って実施例5のシートを製造
し、また同じく実施例1の配合において、有機過酸化物
としてジメチル,ターシャルブチルパーオキシヘキサン
(日本油脂株式会社製、商品名「パーヘキシン25
B」)を2部添加し、過酸化物加硫を行って実施例6の
シートを製造し、前記同様に試験した。その結果を下記
の表4に示す。
ゴム100部に付き酸化亜鉛5部、ステアリン酸1部、
硫黄0.5部、加硫促進剤TT(テトラメチルチウラム
ジサルファイド)1部および加硫促進剤CZ(N−シク
ロヘキシル−2−ベンゾチアゾールサルファアミド)2
部を添加し、硫黄加硫を行って実施例5のシートを製造
し、また同じく実施例1の配合において、有機過酸化物
としてジメチル,ターシャルブチルパーオキシヘキサン
(日本油脂株式会社製、商品名「パーヘキシン25
B」)を2部添加し、過酸化物加硫を行って実施例6の
シートを製造し、前記同様に試験した。その結果を下記
の表4に示す。
【0024】 表 4 実施例5 実施例6 PEL−A配合量(重量%) 50 50 NBR−CA配合量(重量%) 50 50 カルボン酸/NBR(重量%) 5 5 加硫剤 硫黄 過酸化物 引張強さ(kg/cm2 ) 121.2 92.0 破断伸び(%) 400 400 100%モジュラス(kg/cm2 ) 28 37.8 硬度(JIS−A) 77 75 永久伸び(%) 22.7 19.5 耐油性(膨潤率%) − 18
【0025】表4から明らかなように、加硫した実施例
5、6は、加硫されない前記実施例1に比べて引張強さ
が向上し、かつ永久伸びが改善されている。
5、6は、加硫されない前記実施例1に比べて引張強さ
が向上し、かつ永久伸びが改善されている。
【0026】実施例7、比較例4 実施例1のα,β不飽和カルボン酸含有量約5重量%の
ニトリルゴムNBR−CAの一部または全部をそれぞれ
α,β不飽和カルボン酸含有量約0.7重量%のNBR
−CB(日本ゼオン株式会社製、商品名「ニッポールD
N−631」、アクリルニトリル含有量33.5重量
%)に置換し、他は前記同様にして実施例7および比較
例4のシートを製造し、前記同様に試験した。その結果
を下記の表5に示す。
ニトリルゴムNBR−CAの一部または全部をそれぞれ
α,β不飽和カルボン酸含有量約0.7重量%のNBR
−CB(日本ゼオン株式会社製、商品名「ニッポールD
N−631」、アクリルニトリル含有量33.5重量
%)に置換し、他は前記同様にして実施例7および比較
例4のシートを製造し、前記同様に試験した。その結果
を下記の表5に示す。
【0027】 表 5 実施例7 比較例4 PEL−A配合量(重量%) 50 50 NBR−CA配合量(重量%) 25 0 NBR−CB配合量(重量%) 25 50 カルボン酸/NBR(重量%) 2.8 0.7 引張強さ(kg/cm2 ) 60.5 38.8 破断伸び(%) 800 500 100%モジュラス(kg/cm2 ) 28 27 硬度(JIS−A) 70 70
【0028】上記の表5から明らかなように、比較例4
は、α,β不飽和カルボン酸含有量が少ないニトリルゴ
ムを使用したので、引張強さの向上が認められなかっ
た。
は、α,β不飽和カルボン酸含有量が少ないニトリルゴ
ムを使用したので、引張強さの向上が認められなかっ
た。
【0029】
【発明の効果】請求項1に記載した発明は、融点が10
0〜240℃の結晶性ポリエステル10〜80重量%と
ニトリルゴム90〜20重量%とからなり、該ニトリル
ゴムの少なくとも15重量%がカルボキシル基含有ニト
リルゴムであり、このカルボキシル基含有ニトリルゴム
におけるα,β不飽和カルボン酸含有量が1.0〜10
重量%であることを特徴とする熱可塑性エラストマー組
成物であるから、カルボキシル基含有ニトリルゴムが配
合されていない従来の熱可塑性エラストマー組成物に比
べて相溶性が改善されて強伸度特性が向上し、しかも耐
薬品性、耐油性および耐熱性等に優れている。
0〜240℃の結晶性ポリエステル10〜80重量%と
ニトリルゴム90〜20重量%とからなり、該ニトリル
ゴムの少なくとも15重量%がカルボキシル基含有ニト
リルゴムであり、このカルボキシル基含有ニトリルゴム
におけるα,β不飽和カルボン酸含有量が1.0〜10
重量%であることを特徴とする熱可塑性エラストマー組
成物であるから、カルボキシル基含有ニトリルゴムが配
合されていない従来の熱可塑性エラストマー組成物に比
べて相溶性が改善されて強伸度特性が向上し、しかも耐
薬品性、耐油性および耐熱性等に優れている。
【0030】請求項2に記載した発明は、請求項1に記
載された発明において、その結晶性ポリエステルが芳香
族ポリエステルをハードセグメントとし、脂肪族ポリエ
ーテルまたは脂肪族ポリエステルをソフトセグメントと
するブロック共重合体からなるものであるから、柔軟性
が一段と改善され、硬度、機械的特性、耐薬品性、耐油
性および耐熱性の優れた安価な熱可塑性エラストマー組
成物が得られる。
載された発明において、その結晶性ポリエステルが芳香
族ポリエステルをハードセグメントとし、脂肪族ポリエ
ーテルまたは脂肪族ポリエステルをソフトセグメントと
するブロック共重合体からなるものであるから、柔軟性
が一段と改善され、硬度、機械的特性、耐薬品性、耐油
性および耐熱性の優れた安価な熱可塑性エラストマー組
成物が得られる。
【0031】請求項3に記載した発明は、上記の請求項
1または2に記載した発明において、そのニトリルゴム
が硫黄または過酸化物で加硫されたものであるから、熱
可塑性エラストマー組成物の強度が一層向上する。
1または2に記載した発明において、そのニトリルゴム
が硫黄または過酸化物で加硫されたものであるから、熱
可塑性エラストマー組成物の強度が一層向上する。
Claims (3)
- 【請求項1】 融点が100〜240℃の結晶性ポリエ
ステル10〜80重量%とニトリルゴム90〜20重量
%とからなり、該ニトリルゴムの少なくとも15重量%
がカルボキシル基含有ニトリルゴムであり、このカルボ
キシル基含有ニトリルゴムにおけるα,β不飽和カルボ
ン酸含有量が1.0〜10重量%であることを特徴とす
る熱可塑性エラストマー組成物。 - 【請求項2】 結晶性ポリエステルが芳香族ポリエステ
ルをハードセグメントとし、脂肪族ポリエーテルまたは
脂肪族ポリエステルをソフトセグメントとするブロック
共重合体からなる請求項1記載の熱可塑性エラストマー
組成物。 - 【請求項3】 ニトリルゴムが硫黄または過酸化物で加
硫されている請求項1または2に記載の熱可塑性エラス
トマー組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29241294A JPH08127695A (ja) | 1994-10-31 | 1994-10-31 | 熱可塑性エラストマー組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29241294A JPH08127695A (ja) | 1994-10-31 | 1994-10-31 | 熱可塑性エラストマー組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08127695A true JPH08127695A (ja) | 1996-05-21 |
Family
ID=17781458
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29241294A Pending JPH08127695A (ja) | 1994-10-31 | 1994-10-31 | 熱可塑性エラストマー組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08127695A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011213949A (ja) * | 2010-04-01 | 2011-10-27 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | 耐空気透過性フィルムおよび空気入りタイヤ |
-
1994
- 1994-10-31 JP JP29241294A patent/JPH08127695A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011213949A (ja) * | 2010-04-01 | 2011-10-27 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | 耐空気透過性フィルムおよび空気入りタイヤ |
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