JP5798201B2 - 通液型キャパシタ、脱イオン液製造装置、及び脱イオン液の製造方法 - Google Patents

通液型キャパシタ、脱イオン液製造装置、及び脱イオン液の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、液中のイオンを吸着除去して脱塩するための通液型キャパシタ、脱イオン液製造装置、及び脱イオン液の製造方法に関する。
液中のイオンを静電力を利用して除去するための通液型キャパシタが知られている。通液型キャパシタを用いた脱塩方法は、イオンの吸着時に供給した電気エネルギーをキャパシタに蓄電し、イオンの脱離時に電気エネルギーを回収できるためにエネルギー効率に優れた脱塩方法である。また、通液型キャパシタは、低い電圧でも運転が可能である。さらに、通液型キャパシタにおいては、イオンの吸着時と脱離時とで極性が転換されるために、装置内部にスケールが発生しにくい。これらの点から、通液型キャパシタは設備メリットの高い脱塩方法である。
例えば、下記特許文献1は、少なくとも一方のイオン吸着用電極が、多孔性金属箔であることを特徴とする通液型キャパシタを開示する。また、下記特許文献2は、多孔質材料を含み、反対電荷のイオンを吸着するように構成された充電可能な電極と、充電可能な電極の多孔質材料と接触しているイオン交換材料とを含む電極アセンブリを開示する。そして、この電極アセンブリにおいては、イオン交換材料が充電可能な電極と同一に充電され、また、イオン交換材料は反対電荷のイオンに対して透過性でありかつ同一電荷のイオンに対して少なくとも部分的に不透過性であることを開示する。
特開2011−167643号公報 特表2010−513018号公報
図9及び図10を参照して、通液型キャパシタ110の構成を説明する。図9は通液型キャパシタ110のセル構造を説明するための部分分解模式図である。図10は通液型キャパシタ110の各セルを組み立てたときの図9のX−X´断面の模式図である。図9及び図10に示すように、通液型キャパシタ110は、液中のイオンを吸着するための2つの電極101,102と、電極101と電極102との間に介在するセパレータ3とを備えるセル120を複数セル重ねるようにして構成されている。各電極101はそれぞれ集電体1a(1a´)と、集電体1a(1a´)にそれぞれ積層された多孔質炭素シート1b(1b´)と、を備える。各電極102はそれぞれ集電体2aと、集電体2aにそれぞれ積層された多孔質炭素シート2bと、を備える。各電極101,102は、互いに対極である。そして、セル120を複数セル重ねて形成された積層体は、例えば、金属製の締結ボルト5a,5bで締結されている。締結ボルト5aは各セル120において、多孔質炭素シート1b(1b´)と対向しないように集電体1aにそれぞれ設けられたタブ部1dを電気的に接続する。同様に、締結ボルト5bは各セル120において、多孔質炭素シート2bと対向しないように集電体2aに設けられたタブ部2dを電気的に接続する。そして、締結ボルト5aまたは締結ボルト5bで締結された、タブ部1dまたはタブ部2dにより、複数の集電体1a同士または複数の集電体2a同士はそれぞれ電気的に接続される。
通液型キャパシタ110においては、例えば、被処理液が図9の白抜矢印で示されるような方向に通液される。図略の外部電源により電極101と電極102との間に電圧を印加しながら電極101と電極102とにより形成されるキャパシタ間に通液した場合、通液された液中のイオンが多孔質炭素シート1b(1b´),多孔質炭素シート2bに吸着される。そして、キャパシタによりイオンが吸着除去された後の処理液は各セルの中央部に設けられた通液孔8に達し、通液孔8を通じて外部に排出される。
上述のように、通液型キャパシタ110においては、同極の集電体1a同士及び集電体2a同士は、それらのタブ部1d同士またはタブ部2d同士を金属製の締結ボルト5a,5bで締結することにより電気的に接続されていた。このような締結ボルトによる締結だけでは、被処理液中に高濃度のイオンが含まれていたり、被処理液を高流量で処理したりする場合には、導電性が不足して、イオンの除去率が低下することがあった。特に、集電体として、黒鉛(グラファイト)シートのように電気伝導度がシートの面方向には高く、垂直方向には低いような、電気伝導度の異方性の高い材料を用いた場合には、垂直方向の導電性の不足によりイオンの除去率が低下する場合があった。
本発明の一局面は、複数のセルが積層されて形成された通液型キャパシタであって、セルは、第1電極と第2電極と第1電極と第2電極とに介在するセパレータとを備え、第1電極は、黒鉛シートからなる第1集電体シートと、第1集電体シートに積層された多孔質炭素粒子を含む第1多孔質炭素シートと、第1多孔質炭素シートに積層されたカチオン交換膜とを備え、第2電極は、黒鉛シートからなる第2集電体シートと、第2集電体シートに積層された多孔質炭素粒子を含む第2多孔質炭素シートと、第2多孔質炭素シートに積層されたアニオン交換膜とを備え、カチオン交換膜とアニオン交換膜とはセパレータを介して対向するように配置されており、第1集電体シート及び第2集電体シートの少なくとも一方は、各多孔質炭素シートと対向しないタブ部を有し、少なくとも2つ以上のタブ部同士は、該タブ部の表面に接触するように配された導電性シートで電気的に接続されている通液型キャパシタである。
また、本発明の他の一局面は、上述したような通液型キャパシタと、直流電源と、通液型キャパシタを収容する容器と、を備え、直流電源は正極側及び負極側の極性を互いに交換可能に、第1電極及び第2電極に接続されており、容器は、通液型キャパシタにイオン性物質を含有する液体を供給するための給液口、及び通液型キャパシタから処理された液体を排出するための排液口を備える脱イオン液製造装置である。
さらに、他の一局面は、上述したような脱イオン液製造装置を用いる脱イオン液の製造方法であって、直流電源により第1電極及び第2電極に電圧を印加しながら給液口からイオン性物質を含有する被処理液を供給することにより、各電極表面にイオン性物質に由来するイオンを吸着させ、排液口からイオン性物質が除去された処理液を排出する第1の工程と、各電極の正極と負極との極性を第1の工程とは逆にして電圧を印加しながら、給液口からイオン性物質を含有する被処理液を供給することにより、各電極表面に付着したイオンを脱離させ、排液口からイオンを含むイオン濃縮液を排出する第2の工程と、を備え
る脱イオン液の製造方法である。
本発明の目的、特徴、局面、及び利点は、以下の詳細な説明及び添付する図面により、より明白となる。
本発明によれば、従来の通液型キャパシタに比べて、イオン性物質の除去能力が高い、通液型キャパシタ、脱イオン液の製造方法、及び脱イオン液製造装置を提供することができる。
第1実施形態の通液型キャパシタ100の構成の要部を説明するための部分分解斜視模式図である。 図2Aは通液型キャパシタ100の上面模式図である。 図2Bは通液型キャパシタ100の正面模式図である。 図3Aは通液型キャパシタの導電性シートの配置パターンの例を説明するための模式図である。 図3Bは通液型キャパシタの導電性シートの配置パターンの例を説明するための模式図である。 図4は第1実施形態の通液型キャパシタ100を備えた脱イオン液製造装置200の構成を説明するための模式説明図である。 図5Aは通液型キャパシタ100におけるキャパシタ構造の作用の第1段階を説明するための説明図である。 図5Bは通液型キャパシタ100におけるキャパシタ構造の作用の第2段階を説明するための説明図である。 図5Cは通液型キャパシタ100におけるキャパシタ構造の作用の第3段階を説明するための説明図である。 実施例1の通液型キャパシタの運転時の時間(秒)に対する電流及び電圧の変化をプロットしたグラフである。 実施例1の通液型キャパシタの運転時の時間(秒)に対する電気伝導度の変化をプロットしたグラフである。 実施例及び比較例の通液型キャパシタを運転したときの、水の流量割合に対する平均除去率をプロットしたグラフである。 従来の通液型キャパシタのセル構造を説明するための模式分解図である。 図10は図9のX−X´断面付近の模式図である。
本発明に係る実施形態の通液型キャパシタの構成について説明する。
図1は、本実施形態の通液型キャパシタ100の構成の要部を説明するための部分分解斜視模式図、図2Aは通液型キャパシタ100の上面模式図、図2Bはその正面模式図である。
本実施形態の通液型キャパシタ100は、図1に示すように、複数のセル10が積層されて形成されたキャパシタ構造を有する。各セル10は、第1電極1と、第2電極2と、第1電極1と第2電極2に介在するセパレータ3とを備える。なお、図1においては、説明の便宜上、層の一部分について、積層構造を展開するように分解したときの様子を模式的に図示している。
第1電極1は、第1集電体シート1aまたは第1集電体シート1a´と、第1集電体シート1a(1a´)に積層された第1多孔質炭素シート1b(1b´)と、第1多孔質炭素シート1b(1b´)に積層されたカチオン交換膜1c(1c´)と、を備える。第2電極2は、第2集電体シート2aと、第2集電体シート2aに積層された第2多孔質炭素シート2bと、第2多孔質炭素シート2bに積層されたアニオン交換膜2cとを備える。カチオン交換膜1c(1c´)とアニオン交換膜2cとはセパレータ3を介して対向するように配置されている。なお、第1集電体シート1a及び第1多孔質炭素シート1b、第2集電体シート2a及び第2多孔質炭素シート2b、カチオン交換膜1c及びアニオン交換膜2cは略中央部にキャパシタ構造のセル10により脱イオンされた液を通液するための通液孔8を有する。一方、第1集電体シート1a´及び第1多孔質炭素シート1b´カチオン交換膜1c´は通液方向を規制するために通液孔8を有さず、最上層のセルを形成する。
第1集電体シート1a,1a´は、第1多孔質炭素シート1b,1b´と対向しないタブ部1dを有し、第2集電体シート2aは、第2多孔質炭素シート2bと対向しないタブ部2dを有する。複数のタブ部1d同士、及び複数のタブ部2d同士はそれぞれ、導電性の締結ボルト5a,5bで締結されている。このような締結ボルト5a,5bは、複数のタブ部1d同士または複数のタブ部2d同士をそれらを互いに表面で接触させることにより電気的に接続する。複数のタブ部1d同士を締結する締結ボルト5a及び複数のタブ部2d同士を締結する締結ボルト5bは、後述するように、直流電源の一方の電極側及び他方の電極側にそれぞれ接続される。そして、複数の第1集電体シート1a同士または複数の第2集電体シート2a同士を等電位にする。
通液型キャパシタ100においては、図1、図2A及び図2Bに示すように、複数のタブ部1d同士は各タブ部1dの表面に接触するように配された1枚の導電性シート6aで電気的に接続されている。同様に、複数のタブ部2d同士は、各タブ部2dの表面に接触するように配された1枚の導電性シート6bで電気的に接続されている。このように、複数のタブ部1d同士または複数のタブ部2d同士を導電性シート6aまたは導電性シート6bを介して接続することにより、複数の第1集電体シート1a同士または複数の第2集電体シート2a同士はシート面に対して平行方向に電気的に接続される。このようなシート面に対する平行方向の接続によれば、例えば、第1集電体シートまたは第2集電体シートとして、黒鉛(グラファイト)シートのように電気伝導度がシートの面方向には高く、垂直方向には低いような、電気伝導度の異方性の高いシート材料を用いた場合でも、充分な導電性を得ることができる。それにより、処理される液中に高濃度のイオン性物質が含まれていたり、液を高流量で処理したりする場合にも、高いイオン除去率を維持することができる。
なお、図1、図2A及び図2Bに示した集電体シートにおいては、1枚の集電体シートの一辺に2箇所のタブ部を設けているが、1枚の集電体シートのタブ部の数は特に限られず、1箇所のみであっても、3箇所以上であってもよい。また、導電性シートは同極の複数の集電体シートのタブ部同士を互いに導通させるように、タブ部に直接接触するように配置することが好ましい。図3A及び図3Bに導電性シートの配置パターンの一例を示す。配置パターンとしては、図3Aに示す配置パターンのように、タブ部Dの一層ずつを縫うように導電性シートCを配置しても、図3Bに示すように、複数層のタブ部Dの積層体を縫うように導電性シートCを配置してもよい。
導電性シートとしては、耐腐食性の高い導電性のシートであれば特に限定なく用いられうる。このような導電性シートの具体例としては、例えば、チタンまたはチタン合金からなるチタン系金属,金,白金,銀,またはこれらの複合材料等からなる金属箔や、黒鉛シート等が挙げられる。これらの中では、耐腐食性と導電性と低コスト性とのバランスに優れる点からチタン系金属から形成されたチタン箔が好ましく用いられる。
導電性シートの厚みとしては、20〜200μm、さらには30〜100μmであることが高い導電性を維持しながら、過大なスペースを確保する必要がない点から好ましい。
また、締結ボルトとしては、金属ボルト等の導電性ボルト及びナットを用いたボルト・ナット構造の締結手段を用いるものが好ましい。なお、通液型キャパシタは被処理液の脱塩に用いられるために、チタンまたはチタン合金からなるチタンボルトのような耐腐食性の高い金属ボルトを用いることが特に好ましい。また、締結手段としては、ボルト構造に限られず、クリップ状の構造体で挟み込む等の手段を用いてもよい。
また、締結ボルトで締結するとき、その締結圧により集電体シートや導電性シートが破損されることがある。このような破損を防ぐために、締結ボルトのボルトヘッドと導電性シートとの間には、図1に示すようなチタン板等の耐腐食性及び導電性に優れた金属板4を介在させて締結圧を分散させることが好ましい。このような金属板4の厚みは特に限定されないが0.5〜5mm程度であることが好ましい。この場合、金属板と締結ボルトと集電体シートと導電性シートとが導通することにより、これらが電気的に接続される。
なお、1つのセルはセパレータを挟んだ2つの電極から構成される。セル数はセパレータの数にほぼ一致する。本実施形態の通液型キャパシタのセル数は特に限定されないが、具体的には、例えば3〜100、さらには5〜50程度であることが好ましい。
次に、通液型キャパシタ100を構成する他の要素について、詳しく説明する。
第1集電体シート及び第2集電体シートとしては、黒鉛シートが用いられる。黒鉛シートの具体例としては、膨張黒鉛を成形した黒鉛シート等が挙げられる。黒鉛シートは、耐腐食性と高導電性と低コスト性とのバランスに優れている。一方、黒鉛シートは、電気伝導性がシートの面方向に比べて、厚み方向の方が低いという特徴を有する。このような電気伝導性の異方性を有する黒鉛シートを集電体として用いてタブ部を締結ボルト等により締結した場合、厚み方向の導電性が低く、シートの面方向で高くなる傾向がある。本実施形態の通液型キャパシタにおいては、導電性シートを黒鉛シートのタブ部に接触するように配置して、複数のタブ部同士を電気的に接続することにより、黒鉛シートの面方向の高導電性を充分に活かすことができる。黒鉛シートの厚みとしては100〜500μmであることが好ましい。
第1多孔質炭素シート及び第2多孔質炭素シートとしては、例えば、活性炭粒子のような多孔質炭素粒子をバインダで結着させて得られる成形シートが挙げられる。
活性炭粒子の具体例としては、例えば、木材,鋸屑,木炭,ヤシ殻やクルミ殻などの果実殻,果実種子,パルプ製造副生物,リグニン,廃糖蜜などの植物系活性炭粒子;泥炭,草炭,亜炭,褐炭,レキ青炭,無煙炭,コークス,コールタール,石炭ピッチ,石油蒸留残査,石油ピッチなどを炭化及び賦活化して得られる鉱物系活性炭粒子;フェノール,サラン,アクリル樹脂などを炭化及び賦活化して得られる合成樹脂系活性炭粒子;再生繊維(レーヨン)などを炭化及び賦活化して得られる天然繊維系活性炭粒子;等が挙げられる。これらの中では、吸着性能に優れている点からヤシ殻活性炭粒子が特に好ましい。
活性炭粒子の中心粒子径としては1〜100μm、さらには2〜50μm、とくには3〜30μmであることが好ましい。ここで中心粒子径とは、粒度分布において、全粒子の質量の積算値が50%になるときの粒子径である。このような中心粒子径は、例えば、日機装(株)製マイクロトラック粒度分布測定装置(MT3300)を用いて測定することができる。活性炭粒子の中心粒子径が小さすぎる場合には、使用するバインダ量が多くなり、活性炭の占める割合が少なくなるために、イオンの捕捉能力が低下する傾向がある。また、活性炭粒子の中心粒子径が大きすぎる場合には、得られる活性炭シートの表面均一性が悪くなり、イオンの捕捉能力が低下する傾向がある。
また、活性炭粒子の比表面積は、700〜2500m2/g、さらには1500〜2000m2/gであることが好ましい。比表面積が小さすぎる場合には、脱イオン能力が低くなるとともに、電極の極性を逆極性にして活性炭シートの表面に吸着したイオンを脱離させるときに、イオンが脱離しにくくなる傾向がある。また、比表面積が大きすぎる場合には体積あたりの性能が低下するだけでなく、使用するバインダ量が多くなり、活性炭の占める割合が少なくなるため、イオン捕捉能力が低下する傾向がある。比表面積は、例えば、次の方法で測定することができる。活性炭の77Kにおける窒素吸着等温線を日本ベル(株)製のBELSORP-mini等を使用して測定する。そして、得られた窒素吸着等温線からBETの式により多点法による解析を行い、得られた曲線の相対圧p/p0=0.01〜0.1の領域での直線から比表面積を算出できる。
また、活性炭粒子の細孔容積は0.5〜1.2mL/g、さらには0.7〜1.0mL/gであることが好ましい。細孔容積が小さすぎる場合には、電極の極性を逆にして活性炭シートの表面に吸着したイオンを脱離させるときにイオンが脱離しにくくなる傾向がある。また、細孔容積が大きすぎる場合には、体積あたりの性能が低下する傾向がある。細孔容積は、例えば、次の方法で測定することができる。活性炭の77Kにおける窒素吸着等温線をBELSORP-mini等を使用して測定する。そして、相対圧p/p0=0.99における標準状態での窒素吸着体積(mL/g)から以下の式により細孔容積を算出できる。
細孔容積=(p/p0=0.99における標準状態での窒素吸着体積)×28/22400/0.808
また、活性炭粒子の平均細孔径は1.5〜2.4nm、さらには1.6〜2.2nmであることが好ましい。平均細孔径が小さすぎる場合には、電極の極性を逆にして活性炭シートの表面に吸着したイオンを脱離させるときにイオンが脱離しにくくなる傾向がある。また、平均細孔径が大きすぎる場合には、体積あたりの性能が低下する傾向がある。平均細孔径は上述のように求められた比表面積と細孔容積から以下の式により算出できる。
平均細孔径=細孔容積×4000/比表面積
また、活性炭粒子の表面官能基量は0.1〜0.8meq/g、さらには0.2〜0.5meq/gであることが好ましい。表面官能基量が少なすぎる場合には、活性炭粒子の表面電荷の影響からシート成形が困難になる傾向がある。また、表面官能基量が多すぎる場合には,性能の耐久性が低下する傾向がある。表面官能基量は、例えば、次の方法で測定することができる。120℃に調節した恒温乾燥器で8〜10時間真空乾燥した後、乾燥剤としてシリカゲルを入れたデシケータ中で放冷する。そして、100mLの共栓三角フラスコに放冷された活性炭1gを0.1mgの単位まで正確に量り取る。そして、活性炭が量り取られた共栓三角フラスコに、N/10ナトリウムエトキシドエタノール溶液を50mL加え、160rpm、25℃で24時間振盪する。そして、振盪後、遠心分離により上澄みと沈殿を分離し、上澄み液20mLを100mL三角フラスコに正確に量り採り、pH4.0となる点を滴定終点としてN/10塩酸で滴定して、試料滴定量を求める。一方、試料を含まない溶液で空試験を行い、空試験滴定量も求める。そして、次式により表面官能基量を算出する。
表面官能基量=((空試験滴定量)−(試料滴定量))×0.1×f(塩酸ファクタ)×50/20
活性炭シートは活性炭粒子とバインダとを含む混合物をシート状に成形することにより得られる。なお、バインダとしては、浄水用に使用される場合には、生体為害性のないバインダを用いることが好ましい。活性炭シート中に含まれる活性炭粒子の割合は、50〜99質量%、さらには80〜95質量%であることが好ましい。活性炭シート中に含まれる活性炭粒子の割合が低すぎる場合には性能が低下する傾向がある。
バインダの具体例としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、フルオロエチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリアミド等が挙げられる。これらの中ではポリテトラフルオロエチレンが結着性や安定性等の観点から好ましい。
活性炭シートはさらに導電材を含有してもよい。導電材を配合することにより、活性炭シートに優れた導電性を付与することができる。このような導電材の具体例としては、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、黒鉛等の炭素系材料;金,白金,銀などの貴金属;窒化チタン,チタンシリコンカーバイド,炭化チタン,硼化チタン,硼化ジルコニウム等の高導電性セラミックス;などが挙げられる。これらの中では、炭素系材料がコストや加工性に優れている点から好ましい。
活性炭シートの厚みは特に限定されないが、200〜500μm程度であることが電気抵抗が高くなり過ぎない点から好ましい。
セパレータの具体例としては、例えば、合成繊維の樹脂ネット、織物、紙状の集合体、合成繊維または再生繊維を集積させた不織布等が挙げられる。これらの中では、樹脂ネットや不織布、特には樹脂ネットが、通液性及び経済性に優れている点から好ましい。
セパレータの材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられる。これらの中では、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、特には、ポリエチレンテレフタレートが低コスト性や加工性に優れている点から好ましい。
セパレータの厚みは50〜250μm、さらには70〜150μmであることが好ましい。セパレータの厚みが厚すぎる場合には通電時にセル間の電気抵抗が高くなることによりイオンの捕捉能力が低下する傾向がある。また、薄すぎる場合には、通液抵抗が大きくなる傾向がある。
また、セパレータの開孔率は20〜80%、さらには30〜70%であることが好ましい。セパレータの開孔率が小さすぎる場合には、通液抵抗が大きくなりすぎて通液が困難となることがある。また、大きすぎる場合には、開孔部で内部短絡して通液型キャパシタとしての性能を発現できなくなるおそれがある。
アニオン交換膜も特に限定はされないが、具体的には、例えば、4級アミノ基等のアニオン交換基を有する、スチレン系樹脂,アクリル系樹脂,フッ素系樹脂等のイオン交換樹脂を含む膜が挙げられる。また、カチオン交換膜も特に限定されないが、具体的には、例えば、スルホン基,カルボキシル基等のカチオン交換基を有するスチレン系樹脂,アクリル系樹脂,フッ素系樹脂等のイオン交換樹脂を含む膜が挙げられる。
図4は第1実施形態の通液型キャパシタ100を備えた脱イオン液製造装置200の構成を説明するための模式説明図である。通液型キャパシタ100を備えた脱イオン液製造装置200の動作について図4を参照しながら説明する。脱イオン液製造装置200は、通液型キャパシタ100と、直流電源20と、通液型キャパシタ100を収容する容器30とを備える。直流電源20は正極側及び負極側を互いに交換可能に、通液型キャパシタ100の第1電極1または第2電極2を締結する締結ボルト5a,5bに配線20a,20bで接続されている。容器30は、通液型キャパシタ100にイオン性物質を含有する被処理液を供給するための給液口31、及び通液型キャパシタ100により処理された処理液を排出するための排液口32を備える。また、容器30は締結ボルト5a,5bに通電するための端子15a,15bを備えている。
脱イオン液製造装置200によりイオン性物質を含有する被処理液の脱イオン処理をするためには、はじめに、給液口31から容器30内にイオン性物質を含有する水等の被処理液W1を給液する。被処理液W1は、容器30内で、図4中に矢印で示された流路に沿って通液される。そして、被処理液W1は、通液型キャパシタ100の中央部に設けられた通液孔8を経て、排液口32から排出される。被処理液W1を給液しながら直流電源20から締結ボルト5a,5bにそれぞれ接続された端子15a,15bを介して通液型キャパシタ100に電圧を印加する。そして、電圧を印加しながら、容器30の排液口32から脱イオン液を排出する。
被処理液W1に含まれているイオンは第1電極1と第2電極2との間を通過するときに、第1多孔質炭素シート1b及び第2多孔質炭素シート2bに静電的に吸着されて捕捉される。そして、第1多孔質炭素シート1bまたは第2多孔質炭素シート2bの表面に多量のイオンが吸着された場合には、バルブV1を開け、バルブV2を閉じることによりイオン濃縮液回収経路に切り替える。そして、電極の極性を逆にすることにより、濃縮されたイオンを回収することができる。このようにして、第1多孔質炭素シート及び第2多孔質炭素シートの吸着能力を再生させることができる。
電極を切り替えるサイクルは特に限定されないが、吸着の工程と脱離の工程とを、吸着の工程の時間/脱離の工程の時間が1〜5、さらには1.5〜4.5になるように繰り返し切り替えることが好ましい。
通液型キャパシタ100のセル10の各キャパシタの作用について説明する。
図5Aに示すように、通液型キャパシタ100に電圧が印加される前には、各セル10に被処理液W1を通液しても液中のアニオン(−)及びカチオン(+)は第1電極1及び第2電極2に捕捉されず、両電極間を素通りする。図5Bに示すように、第1電極1に直流電源の負極側、第2電極2に直流電源の正極側を接続することにより両極間に電圧を印加した場合、カチオンは第1電極1の表面に配されたカチオン交換膜1cを通過可能であるために第1電極1の第1多孔質炭素シート1bに吸着され、一方、アニオンは第2電極2の表面に配されたアニオン交換膜2cを通過可能であるために第2電極2の第2多孔質炭素シート2bに吸着される。そして、通液量が増加するにつれて、徐々に、第1電極1及び第2電極2のイオン吸着量が増加して、イオン補足能が徐々に低下していく。そして、図5Cに示すように、第1電極1に直流電源の正極側、第2電極2に直流電源の負極側を接続して両極間に吸着時とは逆の電圧を印加する。この場合、第1電極1に吸着されたカチオン及び第2電極2に吸着されたアニオンが脱離して、通液される液中に放出される。このとき、放出されたカチオンは第2電極2の表面に配されたアニオン交換膜2cを通過することができないために、第2電極2に吸着されない。同様に、放出されたアニオンは第1電極1の表面に配されたカチオン交換膜1cを通過することができないために、第1電極1に吸着されない。このように、第1電極1及び第2電極2にイオンが再吸着されることが抑制されるために、このとき通液された液には高濃度のイオンが含有される。従って、この高濃度のイオンを含有する液を定期的に排出することにより、液中のイオンを効率的に除去することができる。
通液型キャパシタ100を用いて液中のイオン除去を行うための通液方式としては、被処理液の原液を全量濾過する全濾過方式を採用しても、循環濾過方式を採用してもよい。通液条件は特に限定されないが、5〜100hr-1の空間速度(SV)で行うことが圧力損失が高くなり過ぎない点から好ましい。
なお、排出された液の電気伝導度と、通液開始から流した通液量との関係を2次元的にプロットすることにより、イオン除去能力の状態をモニターすることができる。また、液中のイオン濃度は水の電気伝導度と相関があるために、脱イオン処理前と脱イオン処理後の液の電気伝導度を測定することにより、イオン除去率を計算することができる。また、液中のイオン濃度は、例えばイオンクロマトグラフィ等の方法により測定することもできる。
脱イオン液製造装置200に電力を供給する直流電源20の種類は、特に限定されない。100Vの家庭用電源から電圧を調整し、直流化して使用してもよいし、電池、蓄電池を使用して電力を供給してもよい。また、屋外で用いる場合には、太陽電池、風力発電機、燃料電池、コジェネレータなどの独立電源を用いてもよい。また、通液型キャパシタ自身が蓄電能力を有するために、複数の通液型キャパシタを接続し、互いに蓄電された電力を交互に電源として用いてもよい。直流電源の電圧は特に限定されないが、本実施形態の通液型キャパシタ100を用いた場合には、1.5〜2Vのような低い電圧でも運転可能である。
以上説明した本発明の通液型キャパシタ及び脱イオン液製造装置は、単独で、イオン性物質を含有する水等の脱イオン処理に用いても、その他の公知の浄水手段等の水処理手段と組み合わせて用いてもよい。公知の水処理手段の具体例としては、例えば、不織布フィルター、セラミックフィルター、活性炭等の各種吸着材、ミネラル添加材、セラミック濾過材、中空糸膜濾過材、イオン吸着材などを含む水処理手段が挙げられる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。なお、本発明の範囲は以下の実施例の内容により何ら限定されるものではない。
[実施例1]
多孔質炭素シートとして、中心粒子径6μm、比表面積1700m2/g、細孔容積0.73mL/g、平均細孔径1.7nm、表面官能基量0.33meq/gの活性炭粒子(ヤシ殻を原料とする活性炭粒子、クラレケミカル(株)製GW−H) 100質量部に対して、ポリテトラフルオロエチレンバインダ 10質量部を含有する活性炭シートA1を用いた。活性炭シートA1は、厚み250μmであり、縦60mm,横60mmに裁断したものを用いた。
集電体シートとして、膨張黒鉛を圧縮成形して形成された厚み250μmの黒鉛シート(SGLカーボンジャパン(株)製のSIGRAFLEX S GRAFHITE FOIL)を縦60mm、横60mmで、さらに、一つの辺の中央に対して均等に、縦50mm、横20mmのタブ部を2つ有する形状に裁断したものを用いた。さらに、タブ部には中央部に、積層体を締結するためのボルトを通過させる直径6.5mmの孔を設けた。
また、セパレータとして、厚み90μm、線径62μm、目開き80μm、開孔率32%のポリエステル製樹脂ネット(Sefar AG製のPETEX07-80/32)を縦68mm、横68mmに裁断したものを用いた。
さらに、アニオン交換膜として、厚み130μmの旭硝子(株)製のセレミオンAMV、カチオン交換膜として、厚み130μmの旭硝子(株)製のセレミオンCMVを縦64mm、横64mmに裁断したものを用いた。
上述した活性炭シート、集電体シート、セパレータ、アニオン交換膜、及びカチオン交換膜を積層して積層体を形成した。具体的には、集電体シート、活性炭シート、カチオン交換膜、セパレータ、アニオン交換膜、活性炭シート、集電体シート、活性炭シート、アニオン交換膜・・・カチオン交換膜、活性炭シート、集電体の順に積層し、10セルのキャパシタ構造を有する積層体を形成した。なお、積層体は各構成要素の縦60mm、横60mmの領域が重なり、各集電体シートのタブ部はセパレータを挟んだ最近層のタブ部同士が互いに逆方向を向くように配置した。また、最上層を除いた各層を形成する、集電体シート、セパレータ、アニオン交換膜、及びカチオン交換膜のそれぞれの中央部には、脱イオンされた被処理液を通液するための直径9mmの通液孔を形成していた。
そして、図2A及び図2Bに示したように、積層体の各方向で重なっている複数のタブ同士をそれぞれ2本のチタン製のボルト(合計で4本)及びナットで締結することにより積層体を固定した。このとき、同方向のタブ部間には、幅20mm、厚み100μmの1枚の帯状のチタン箔を図1に示したようにシート面に重ねるようにして、タブ部を介して折りたたまれるように、配置した。また、ボルトの締結時に締結圧で集電体が破損されることを防ぐために、積層体の最上層及び最下層とボルトのヘッドとの間にはそれぞれ、厚み2mm、幅15mmのチタン板を配置した。このようにして、通液型キャパシタである積層体が締結固定された。
そして、得られた通液型キャパシタを樹脂製の容器に収容した。なお、容器は、内形が、縦170mm、横70mm、高さ50mmの略直方体の形状であり、直径9mmの給液路及び直径9mmの排液路を備えていた。また、容器の頂面には容器に収容された通液型キャパシタのチタン製ボルトと電気的に接続された2つの電極の端子が配されていた。容器内に通液型キャパシタを密閉収容することにより、脱イオン液製造装置を製造した。そして、外部に露出した各端子に直流電源の負極側と正極側をそれぞれ接続した。
そして、得られた脱イオン液製造装置に約1000μS/cmの食塩水を100ml/分の流量で通水した。そして、各電極の端子に直流電源から電力を供給した。なお、電力供給は、電圧上限1.5V、電流上限20Aの定電流定電圧制御(CC-CV)で行った。なお、活性炭シートを再生させるために、端子に接続した直流電源の極性を定期的に逆にした。具体的には吸着時180秒−脱離時60秒のサイクルを1サイクルとして極性を逆転させ、このサイクルを複数サイクル繰り返す運転を行った。時間(秒)に対してプロットした電流及び電圧の変化を図6のグラフに示す。
所定の通水量ごとに、脱イオン液製造装置から排出された処理水の電気伝導度を測定し、原水の食塩水の電気伝導度と処理水の電気伝導度とからイオンの除去率を算出した。具体的には、脱イオン液製造装置に供給される水の電気伝導度(μS/cm)及び脱イオン液製造装置から排出される水の電気伝導度(μS/cm)を測定し、下記式によりイオン除去率を算出した。
イオン除去率(%)=(供給水の電気伝導度−排出水の電気伝導度)/排出水の電気伝導度×100
なお、吸着時には排出される水の電気伝導度が低下し、脱離時には排出される水の電気伝導度が増加する。吸着量は1サイクル目で最大となり、サイクルを重ねる毎に徐々に低下する。吸着と脱離のバランスが安定した10サイクル目の吸着量をセルの吸着量として扱った。時間(秒)に対してプロットした電気伝導度の変化を図7のグラフに示す。平均除去率を算出したところ、84%であった。結果を表1に示す。
[実施例2〜4]
100ml/分の流量で通水する代わりに、250ml/分、400ml/分、または1000ml/分の流量で通水した以外は実施例1と同様にして脱イオン液製造装置の特性を評価した。結果を表1に示す。
[実施例5〜8]
10セルのキャパシタ構造を有する積層体を形成する代わりに、同様の順で各層を積層した20セルのキャパシタ構造を有する積層体を形成し、通液型キャパシタ及び脱イオン液製造装置を作成した以外は、実施例1〜4と同様にして脱イオン液製造装置の特性を評価した。結果を表1に示す。
[比較例1〜8]
タブ部間にチタン箔を配置せずに通液型キャパシタ及び脱イオン液製造装置を作成した以外は、実施例1〜8と同様にして脱イオン液製造装置の特性を評価した。結果を表1に示す。
実施例1〜4と比較例1〜4との比較、及び実施例5〜8と比較例5〜8の結果をプロットした図8から、同じセル数の通液型キャパシタを同じ通水流量で運転した場合、タブ部にチタン箔を配した実施例は比較例よりも顕著にイオンの平均除去率が高くなっていることがわかる。また、特に、通水流量が400mL/分以下の場合においては、通水量が増加すればするほど、チタン箔を配することによるイオンの平均除去率の向上が顕著になっていることがわかる。このような平均除去率の向上は、チタン箔を配することにより、集電体がシート面に対して平行方向に接続されて電気伝導度が向上したためであると考えられる。
本発明の通液型キャパシタ及び脱イオン液製造装置は脱塩処理が求められる各種用途に用いられる。具体的には、例えば、水道水や工業用水の脱塩処理や、海水淡水化装置、地下水の飲料適用水装置等、幅広い用途に適用しうる。とくに、本発明の通液型キャパシタ及び脱イオン水製造装置はイオン吸着能力が高いために、少ない電力で運転可能である。従って、例えば、家庭用の水道からの水を処理する各種浄水装置、さらに具体的には、家庭用浄水器や軟水器、トイレの便座等に備えられる局部洗浄装置等に備えられる洗浄水の脱塩装置として好ましく用いられうる。
1,101 第1電極
1a,1a´ 第1集電体シート
1b,1b´ 第1多孔質炭素シート
1c カチオン交換膜
1d,2d,D タブ部
2,102 第2電極
2a 第2集電体シート
2b 第2多孔質炭素シート
2c アニオン交換膜
3 セパレータ
4 金属板
5a,5b 締結ボルト
6a,6b,C 導電性シート
8 通液孔
10,120 セル
15a,15b 端子
20 直流電源
30 容器
31 給液口
32 排液口
100,110 通液型キャパシタ
200 脱イオン液製造装置
W1 被処理液
V1,V2 バルブ

Claims (9)

  1. 複数のセルが積層されて形成された通液型キャパシタであって、
    前記セルは、第1電極と第2電極と前記第1電極と前記第2電極に介在するセパレータとを備え、
    前記第1電極は、黒鉛シートからなる第1集電体シートと、該第1集電体シートに積層された多孔質炭素粒子を含む第1多孔質炭素シートと、該第1多孔質炭素シートに積層されたカチオン交換膜とを備え、
    前記第2電極は、黒鉛シートからなる第2集電体シートと、該2集電体シートに積層された多孔質炭素粒子を含む第2多孔質炭素シートと、該第2多孔質炭素シートに積層されたアニオン交換膜とを備え、
    前記カチオン交換膜と前記アニオン交換膜とは前記セパレータを介して対向するように配置されており、
    前記第1集電体シート及び前記第2集電体シートの少なくとも一方は、前記各多孔質炭素シートと対向しないタブ部を有し、
    少なくとも2つ以上の前記タブ部同士は、該タブ部に接触するように配された導電性シートで電気的に接続されていることを特徴とする通液型キャパシタ。
  2. 前記導電性シートはチタン箔またはチタン合金箔である請求項1に記載の通液型キャパシタ。
  3. 複数の前記タブ部同士は、少なくとも1個の金属ボルトにより締結されている請求項1または2に記載の通液型キャパシタ。
  4. 前記金属ボルトはチタンまたはチタン合金から形成されたボルトである請求項3に記載の通液型キャパシタ。
  5. 前記金属ボルトはボルトヘッドを有し、前記ボルトヘッドと前記導電性シートの間にはチタンまたはチタン合金から形成された金属板が介在している請求項3または4に記載の通液型キャパシタ。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載の通液型キャパシタと、直流電源と、前記通液型キャパシタを収容する容器と、を備え、
    前記直流電源は正極側及び負極側の極性を互いに交換可能に、前記第1電極及び前記第2電極に接続されており、
    前記容器は、前記通液型キャパシタにイオン性物質を含有する液体を供給するための給液口、及び前記通液型キャパシタから処理された液体を排出するための排液口を備えることを特徴とする脱イオン液製造装置。
  7. 前記直流電源の電圧が1.5〜2Vの範囲である請求項6に記載の脱イオン液製造装置。
  8. 請求項6または7に記載の脱イオン液製造装置を用いる脱イオン液の製造方法であって、
    前記直流電源により前記第1電極及び第2電極に電圧を印加しながら前記給液口からイオン性物質を含有する被処理液を供給することにより、各電極表面に前記イオン性物質に由来するイオンを吸着させ、前記排液口から前記イオン性物質が除去された処理液を排出する第1の工程と、
    前記各電極の正極と負極との極性を前記第1の工程とは逆にして電圧を印加しながら、前記給液口からイオン性物質を含有する被処理液を供給することにより、各電極表面に付着した前記イオンを脱離させ、前記排液口から前記イオンを含むイオン濃縮液を排出する第2の工程と、を備えることを特徴とする脱イオン液の製造方法。
  9. 前記第1の工程と前記第2の工程とを、前記第1の工程の時間/前記第2の工程の時間の比が1〜5になるように交互に行う請求項8に記載の脱イオン液の製造方法。
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