JP2003200168A - 通液型電気二重層コンデンサ脱塩装置の運転方法 - Google Patents

通液型電気二重層コンデンサ脱塩装置の運転方法

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JP2003200168A
JP2003200168A JP2002002624A JP2002002624A JP2003200168A JP 2003200168 A JP2003200168 A JP 2003200168A JP 2002002624 A JP2002002624 A JP 2002002624A JP 2002002624 A JP2002002624 A JP 2002002624A JP 2003200168 A JP2003200168 A JP 2003200168A
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desalting
electric double
desalination
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Makoto Nomura
誠 埜村
Nobuhiro Oda
信博 織田
Nobuhiro Matsushita
聿宏 松下
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Kurita Water Industries Ltd
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Kurita Water Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 通液型電気二重層コンデンサ脱塩装置の脱塩
率の低下を防ぎ、装置の寿命を、従来より長くする運転
方法を提供する。 【解決手段】 通液型電気二重層コンデンサ脱塩装置に
被処理水を通水し、直流電流を通電して脱塩水を得る脱
塩工程と、通電を停止して塩類を排出する脱離工程とを
有する通液型電気二重層コンデンサ脱塩装置の運転方法
において、次のAステップと、Bステップとを繰り返し
て脱塩装置の脱塩性能を回復する回復工程を行う。A:
被処理水より低い塩類濃度を有する水を通液型電気二重
層コンデンサ脱塩装置に供給しながら直流電流を通電す
るステップ;B:通電を30分以上停止するステップ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発電所や諸工場の
ボイラ給水や冷凍機、冷却塔用水の製造、半導体製造工
場,医薬・製薬工場,飲料水製造工場,食料品製造加工
工場,病院,大学,各種研究施設,及び燃料電池発電設
備等で用いられる、製造プロセス並びにユーティリティ
ー用水としての脱塩水や純水,超純水の製造、並びに、
半導体製造工場,医薬・製薬工場,飲料水製造工場,食
料品製造加工工場,病院,大学,及び各研究施設,燃料
電池発電設備から排出される水の浄化処理、発電所や諸
工場のボイラの復水の浄化処理や、冷却塔で循環再利用
される水の浄化処理に適用される、通液型電気二重層コ
ンデンサ脱塩装置の運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】通液型電気二重層コンデンサ脱塩装置で
は、対となる電極間に電圧を印加することによって、被
処理水中のナトリウムイオンやカルシウムイオンなどの
陽イオンが陰極に、塩素イオンや硫酸イオンなどの陰イ
オンが陽極に引き寄せられ、電極表面に電気的に吸着す
る(脱塩工程)。イオンの吸着が飽和に近づいた際に
は、電圧印加を停止し、更には電極間を短絡することに
よりイオンを脱離させることができる(脱離工程)。こ
れら脱塩および脱離工程を繰り返し行うことにより、脱
塩水を製造することができる。
【0003】しかしながら、運転が長期にわたると、脱
塩率(脱離工程終了直後の脱塩率)が徐々に低下し、所
望の脱塩性能が得られなくなることがある。これは、一
般的な充電電池にも見られるメモリー効果であることが
分かっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この問題を解決するた
めに、本発明者らは通液型電気二重層コンデンサ脱塩装
置の運転期間中、通常の脱離工程における通電停止期間
より長い期間通電を停止することを考えた。ところが、
該脱塩装置を用いてより高度な処理水を得るために、脱
塩率が高い通水初期の性能だけを使用していると、すな
わち脱塩装置の吸着能力が飽和する前に脱離工程を行う
場合には、上記通電停止を行う運転方法を実施しても十
分な性能の回復が行えないということが分かった。本発
明の目的は、通液型電気二重層コンデンサ脱塩装置の脱
塩率や脱塩容量の低下を防止して、その寿命をより長く
する方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】通液型電気二重層コンデ
ンサ脱塩装置における脱塩水製造機構は、充電電池の充
電/放電の機構と類似している。即ち、脱塩工程は充電
電池における充電に相当し、脱離工程は充電電池におけ
る放電に相当する。本発明の意図するところは脱塩効率
を高めることにあり、そのためにはイオン脱離(電池に
おける放電)を限りなく100%に近く行ない、蓄積し
たイオン(電池における電子)を排出することにある。
【0006】本発明の通液型電気二重層コンデンサ脱塩
装置の運転方法は、通液型電気二重層コンデンサ脱塩装
置に被処理水を通水し、直流電流を通電して脱塩水を得
る脱塩工程と、通電を停止して塩類を排出する脱離工程
とを有する通液型電気二重層コンデンサ脱塩装置の運転
方法において、次に示すAステップとBステップとによ
って前記脱塩装置の脱塩性能を回復させる回復工程を行
うことを特徴とする。 A:被処理水より低い塩類濃度を有する水を通液型電気
二重層コンデンサ脱塩装置に供給しながら直流電流を通
電するステップ、 B:通電を30分以上停止するステップ。
【0007】Aステップでは、被処理水より低い塩類濃
度を有する水を用いるため、イオンが電極の特定部位に
偏らず、電極表面全体に均一にイオンが吸着される。こ
のため、イオンの吸着を十分に行うことができる。Aス
テップにおいて用いられる、被処理水より低い塩類濃度
を有する水の電気伝導度は、被処理水の電気伝導度の1
/3〜1/30であることが好ましい。Aステップで
は、前記脱塩装置の吸着可能容量の100〜150%に
相当する負荷を与えることによって、電極へのイオンの
吸着を十分に行うことができる。
【0008】Bステップでは、通電を30分以上停止し
て電極表面のイオンを脱離させる。Bステップにおいて
は、対電極間を短絡することが好ましい。これによっ
て、イオンの脱離をより確実にすることができる。
【0009】通液型電気二重層コンデンサ脱塩装置の電
極には、表面積が広いもの、例えば活性炭が多く用いら
れる。活性炭は、表面に細孔を有するため、酸素ガスや
窒素ガスのような気体がこの細孔に入り込みやすい。酸
素ガスが細孔に入り込むと、活性炭表面が酸化により劣
化して、脱塩性能を低下させてしまう。窒素ガスが細孔
に入り込むと、吸着サイトを減少させることになり、脱
塩性能が低下してしまうことがある。このため、Aステ
ップにおいて、被処理水より低い塩類濃度を有する水
は、予め脱気装置により脱気処理された水であることが
好ましい。前記脱気装置としては、膜脱気装置を用いる
のが好ましい。
【0010】本発明の運転方法では、上記2つのステッ
プ(AステップおよびBステップ)からなるサイクルを
2回以上実施するのが好ましい。これによって、電極表
面に、イオンをいっそう偏りなく吸着させ、偏りなく脱
離することができる。特に、転極を行なう場合、すなわ
ち脱塩工程毎に陰極と陽極が切り替わる運転方法をとる
場合には、上記サイクルを2回以上行うことが望まし
い。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明をより詳細に説明す
る。本発明においては、通液型電気二重層コンデンサ脱
塩装置として、図1及び図2に示すような基本構造を有
するものが好ましく用いられる。図1に示す通液型電気
二重層コンデンサ100a(特願2001−86188
参照)は、電気絶縁性で透水性のスペーサ105aを挟
んで、導電体である多孔質体103a、104aを配置
し、これら多孔質体103a、104aの外側に給電用
電極101a、102aを配置してなるものである。
【0012】給電用電極101a、102aは、銅、ア
ルミニウム、カーボン、グラファイト等の電気良導体か
らなるものである。多孔質体103a、104aとして
は、どのような導電体も使用可能であるが、好ましくは
活性炭が用いられる。スペーサ105aは、被処理水が
流過する通液路となるもので、ろ紙、多孔質高分子膜、
織布、不織布等の、透水性であり且つ電気絶縁性を有す
る有機質又は無機質のシートからなるものである。
【0013】図1に示すように、給電用電極101a、
102aと多孔質体103a、104aとは緊密に接し
ており、給電時には、陽極側の電極101aに接する多
孔質体103aの表面はプラスに荷電し、陰極側の電極
102aに接する多孔質体104aの表面はマイナスに
荷電する。このとき、多孔質体103a、104aの表
面に対して、陽極側ではアニオンが吸着し、陰極側では
カチオンが吸着する。
【0014】また、本発明においては、図2に示すよう
な基本構造を有する通液型電気二重層コンデンサ(特願
2001−228654参照)を用いてもよい。通液型
電気二重層コンデンサ100bは、電気絶縁性で透水性
のスペーサ105bを挟んで、高比表面積の多孔質体1
03b、104bを配置し、これら多孔質体103b、
104bの外側に給電用電極101b、102bを配置
してなるものである。ここでは、給電用電極101b、
102bと多孔質体103b、104bとの間にさらに
透水性絶縁体106、107が介在している。多孔質体
103b、104bとしては誘電体を用いる。
【0015】誘電体は、電場をかけたときに分極するこ
とができるものであれば導電性、非導電性を問わない。
具体的には、金属、セラミック、活性炭、ポリ塩化ビニ
ル、PVDF等の合成樹脂、パラフィン、酸化チタン等
を挙げることができる。活性炭は導電体にも誘電体にも
なり、また比表面積も大きいので、本発明において好ま
しく用いられる。
【0016】給電時には、陽極側の電極101bの側に
配置された多孔質体103bの表面は、スペーサ105
b側がプラスに、電極101b側がマイナスに荷電し、
陰極側の電極102bの側に配置された多孔質体104
bの表面は、スペーサ105b側がマイナスに、電極1
01b側がプラスに荷電する。これに被処理水を通水す
ると、図1に示す通液型電気二重層コンデンサ100a
と同様の反応により、イオンが吸着除去される。
【0017】図3は、本発明の運転方法の一実施形態を
適用可能な通液型電気二重層コンデンサ脱塩装置の分解
組み立て図である。ここに示す脱塩装置1は、図1に示
す脱塩装置の基本構造を有する。この図において、通液
型電気二重層コンデンサ脱塩装置1は、電気絶縁性多孔
質通液性シートからなるスペーサ5を挟んで高比表面積
活性炭を主材とする導電体層である活性炭層6、6を配
置し、これら活性炭層6、6の外側に集電極(給電用電
極)7、7を配置し、更に、これら集電極7、7の外側
にガスケット8、8を介して押え板9、9を配置してな
る平板形状のものである。
【0018】活性炭層6を構成する活性炭の形状として
は、粉粒状、繊維状など任意のものが使用可能である。
粉粒状の場合には平板状又はシート状に成形して用い、
繊維状の場合には織布あるいは不織布に加工して用いる
ことができる。
【0019】集電極7については、電圧の印加を容易に
するため、集電極7にはそれぞれ端子(リード)7aが
設けられている。集電極7と活性炭層6によって陽極及
び陰極が構成される。
【0020】押え板9としては、樹脂などの電気絶縁性
で変形しにくい材料からなる平板が用いられている。こ
れら押え板9、9のうちの一方には流入水が導入される
液入口10が設けられ、他方には処理水が導出される液
出口11が形成されている。また、両方の押え板9、9
には多数の固定用ボルト孔12…が形成されており、こ
れらボルト孔12、12にはボルト13が挿通されナッ
ト14によって締結されている。このような構成により
通液型電気二重層コンデンサ脱塩装置1は、各部材が押
え板9、9によって圧締された平板形状の構造のものと
なっている。
【0021】以下、図3に示す脱塩装置1を用いた場合
を例として、本発明の運転方法の一実施形態を説明す
る。 (1)脱塩工程 通液型電気二重層コンデンサ脱塩装置1においては、以
下に示す処理過程を経て被処理水中のイオンが除去され
る。電圧印加時において、被処理水中の陽イオンは、陰
極側の集電極7に接する活性炭層6に電気的に吸着さ
れ、陰イオンは陽極側の集電極7に接する活性炭層6に
電気的に吸着され、塩濃度が低い処理水が得られる。以
下、被処理水から塩を吸着除去する工程を脱塩工程とい
う。この工程では、転極、すなわち陰極側の集電極7と
陽極側の集電極7とが脱塩工程毎に切り替わる運転方法
をとることができる。
【0022】(2)脱離工程 脱塩工程を長時間続けると、活性炭層6,6に対するイ
オンの吸着が飽和に近づくため、処理水の塩濃度が高く
なる。そこで、吸着飽和に達する前に陽極側および陰極
側の電極7、7への通電を停止するか、陽極側と陰極側
とを短絡(ショート)させるか、或いはこれらを逆接続
する。これによって、活性炭層6,6に吸着されていた
陽イオン及び陰イオンが脱離し、被処理水の塩濃度より
高濃度の塩を含む流出水が排出される。以下、電極への
給電停止、又は電極を短絡若しくは逆接続させることに
より塩を脱離する工程を脱離工程という。脱離工程の時
間は、脱塩工程の1/10〜1/2とするのが好まし
い。
【0023】上記脱塩および脱離工程を繰り返す運転が
長期にわたると、脱塩率(脱離工程終了直後の脱塩率)
が徐々に低下し、所望の脱塩性能が得られなくなること
がある。
【0024】(3)回復工程 本実施形態の運転方法では、上記脱塩および脱離工程と
は別に、以下に示す2つのステップからなる回復工程を
行うことによって、脱塩率の回復を図ることができる。 A:被処理水より低い塩類濃度を有する水(以下低塩濃
度水という)を通液型電気二重層コンデンサ脱塩装置に
供給しながら直流電流を通電するステップ、 B:通電を30分以上停止するステップ。
【0025】この回復工程は、脱塩および脱離工程を複
数回行った後に行うのが好ましい。回復工程は、脱離工
程直後の脱塩率((被処理水の電気伝導度−処理水の電
気伝導度)/被処理水の電気伝導度×100%)が低下
したときに実施してもよいし、定期的に実施してもよ
い。定期的に実施する場合には、脱塩および脱離工程か
らなるサイクルを所定回数行うたびに回復工程を行う方
法をとることができる。回復工程は、例えば数日から数
十日ごとに実施することができる。
【0026】回復工程は脱塩工程に続いて実施してもよ
いし、脱離工程に続いて実施してもよい。また、回復工
程は、脱離工程に代えて実施してもよい。
【0027】以下、各ステップについて詳しく説明す
る。Aステップでは、低塩濃度水を脱塩装置1に供給し
ながら、集電極7、7に直流電流を通電する。低塩濃度
水中のイオンは、活性炭層6、6に吸着される。低塩濃
度水は被処理水よりも塩類濃度が低いため、活性炭層6
に吸着されるイオンが特定部位(特に脱塩装置1の入口
側)に集中せず、入口側から出口側にかけての広い範囲
に吸着することになる。この操作によって、活性炭層6
の表面全体に、偏りなく均一にイオンが吸着される。
【0028】低塩濃度水としては、特に、被処理水の電
気伝導度の1/3〜1/30の電気伝導度を有する水を
用いるのが好ましい。低塩濃度水の電気伝導度が、被処
理水の電気伝導度の1/30未満では、Aステップに長
時間を要することになり、被処理水の電気伝導度の1/
3を超えると、活性炭層6へのイオン吸着に偏りが生じ
やすくなる。この低塩濃度水としては、予め被処理水を
前記脱塩装置、又は他の脱塩手段によって製造されたも
のを使用してよい。
【0029】低塩濃度水の電気伝導度は、0.5〜10
mS/m(好ましくは1〜5mS/m)とするのが好まし
い。低塩濃度水の電気伝導度が、上記範囲未満では、A
ステップに長時間を要することになり、上記範囲を超え
ると、活性炭層6へのイオン吸着に偏りが生じやすくな
る。
【0030】低塩濃度水の酸素濃度が高いと、酸化によ
り活性炭層6が劣化し、脱塩性能を低下させることにな
る。一方、低塩濃度水中に窒素ガスが多量に溶存してい
ると、窒素ガスが活性炭層6に吸着され、イオンが吸着
可能な表面積が小さくなってしまう。このため、Aステ
ップにおいて用いる低塩濃度水としては、予め脱気処理
により酸素や窒素が除去されたものを用いるのが好まし
い。
【0031】この脱気処理は、脱気膜を利用した膜脱気
装置を用いると、酸素ガス、窒素ガスだけでなく炭酸ガ
スを低減することができるため好ましい。脱気膜として
は、中空糸型、スパイラル型などの構造を有するものが
好適である。中空糸型の脱気膜に用いられる材料として
は、ポリオレフィン系(ポリエチレン、ポリプロピレン
など)、ポリテトラフルオロエチレン系、ポリフッ化ビ
ニリデン系等が好ましい。
【0032】Aステップにおいては、脱塩装置1の吸着
可能容量の100〜150%のイオン量に相当する負荷
を与えることが好ましい。この負荷が100%未満では
均一なイオン吸着が不十分となり易く、150%を超え
る負荷を与える場合には、この工程に長時間を要する。
【0033】Bステップでは、集電極7、7への通電を
30分以上停止する。これによって、活性炭層6に吸着
したイオンを脱離させる。通電停止時間がこの範囲未満
となると、イオン脱離が不十分となる。Bステップにお
いては、電極7、7間を短絡することが好ましい。これ
によって、イオンの脱離をより確実にすることができ
る。Bステップでは、洗浄水を脱塩装置1に供給し、脱
離したイオンを排出するのが好ましい。
【0034】この運転方法では、上記2つのステップ
(AステップおよびBステップ)からなるサイクルを2
回以上実施するのが好ましい。これによって、活性炭層
6表面全体に、いっそう偏りなくイオンを吸着させるこ
とができる。特に、転極を行なう場合、すなわち脱塩工
程毎に陰極と陽極が切り替わる運転方法をとる場合に
は、上記サイクルを2回以上行うことが望ましい。
【0035】本実施形態の運転方法では、上記Aステッ
プとBステップとによって脱塩装置1の脱塩性能を回復
させる回復工程を行う。Aステップにおいては、低塩濃
度水を供給しつつ通電することによって、活性炭層6の
表面に偏りなく均一にイオンが吸着され、Bステップに
おいては、30分以上の通電停止時によって、Aステッ
プで吸着したイオンが放出される。このように、活性炭
層6全体に十分量のイオンを吸着させた後、吸着したイ
オンを、長時間の通電停止時により十分に放出させる操
作を行うことによって、活性炭層6からイオンを完全に
脱離させることができる。このため、脱塩装置1の脱塩
率や脱塩容量の低下を防止し、長期にわたり安定した脱
塩率で脱塩装置1を運転することができる。従って、脱
塩装置1の寿命をより長くすることができる。
【0036】本発明では、通液型電気二重層コンデンサ
脱塩装置として、図4に示すものを用いることもでき
る。ここに示す脱塩装置は、末端プレート231、23
2と、絶縁層235、236と、片面末端電極233、
234と、両面中間電極237〜243とを有する。こ
れら片面末端電極及び両面中間電極では、集電極70と
活性炭層60が陽極及び陰極を構成する。片面末端電極
233、234、両面中間電極237〜243は、チタ
ンシートからなる集電極の片面または両面に導電性エポ
キシなどのバインダで導電体(活性炭等)シートが接合
されて形成されている。この脱塩装置を使用する際に
は、これら電極を、配列方向に交互に陰極および陽極と
し、被処理水を、孔261、262を通して第1の処理
室250に流入させ(矢印A)、イオン性物質を電極2
33、237に吸着させ、次いで処理室250からの導
出水を電極237の孔263を通して下方に隣接する処
理室に導入し(矢印B)、以下、矢印C〜Gに示すよう
に各処理室を連続的に通過させ、処理水を孔264、2
65、266を通して導出する(矢印H)。
【0037】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれによって限定されるものではない。 (1)通液型電気二重層コンデンサ脱塩装置 図4に示すものを使用した。 電極:面積900cm2正方形平板×100枚(陽極、陰
極がそれぞれ50枚ずつ) (2)通液型電気二重層コンデンサ脱塩装置の脱塩条件 通水速度=10L/hr 脱塩工程=1時間,脱離工程=30分 印加電圧=1.2V(DC) (3)被処理水 予め活性炭処理し、続いて膜脱気装置によって溶存酸素
濃度及び溶存窒素濃度を低減させた水を用いた。 電気伝導度:17.2〜18.7mS/m 溶存酸素濃度:0.05〜0.1mg/L
【0038】(実施例1)上記脱塩条件で30日間の運
転(脱塩および脱離工程)を行った後、次に示す回復工
程を実施した。 A:電気伝導度が3.5mS/mの低塩濃度水を脱塩装
置に供給した(9時間)。通水条件および印加電圧は脱
塩工程と同様とした。 B:通電を40分停止した。これらAステップおよびB
ステップからなるサイクルを3回実施した。これら脱塩
工程、脱離工程、回復工程からなる運転を180日間行
なった。このときの脱塩率の変化を図5に示す。なお低
塩濃度水は、脱塩装置の処理水と被処理水とを混合して
調製した。
【0039】(比較例1)回復工程を行わないこと以外
は実施例1と同様の運転を行なった。脱塩率の変化を図
5に示す。
【0040】図5より、回復工程を実施しない比較例1
では、脱離工程直後の脱塩率が運転開始時の98.2%
まで低下したのに対し、回復工程を実施した実施例1で
は、脱離工程直後の脱塩率は運転開始時の99.5%と
なったことがわかる。
【0041】
【発明の効果】本発明の運転方法では、上記Aステップ
とBステップとによって脱塩装置の脱塩性能を回復させ
る回復工程を行う。Aステップにおいては、低塩濃度水
を供給しつつ通電することによって、電極表面に偏りな
く均一にイオンが吸着され、Bステップにおいては、3
0分以上の通電停止時によって、Aステップで吸着した
イオンが放出される。このように、電極全体に十分量の
イオンを吸着させた後、吸着したイオンを長時間の通電
停止時により十分に放出させる操作を行うことによっ
て、電極からイオンを完全に脱離させることができる。
このため、脱塩装置の脱塩率や脱塩容量の低下を防止
し、長期にわたり安定した脱塩率で脱塩装置を運転する
ことができる。従って、脱塩装置の寿命をより長くする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の運転方法を適用可能な通液型電気二
重層コンデンサ脱塩装置の基本構造の一例の概略構成図
である。
【図2】 本発明の運転方法を適用可能な通液型電気二
重層コンデンサ脱塩装置の基本構造の他の例の概略構成
図である。
【図3】 本発明の運転方法を適用可能な通液型電気二
重層コンデンサ脱塩装置のさらに他の例の概略構成を示
す図であり、(a)は分解斜視図、(b)は側面図であ
る。
【図4】 本発明の運転方法を適用可能な通液型二重層
コンデンサ脱塩装置のさらに他の例を示す概略構成図で
ある。
【図5】 実施例および比較例の脱塩率の変化を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
1…通液型二重層コンデンサ脱塩装置、6,60…活性
炭層、7,70…集電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松下 聿宏 東京都新宿区西新宿三丁目4番7号 栗田 工業株式会社内 Fターム(参考) 4D061 DA04 DB13 EA02 EB01 EB05 EB12 EB17 EB27 EB29 EB39 FA06 GC15 GC16

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通液型電気二重層コンデンサ脱塩装置に
    被処理水を通水し、直流電流を通電して脱塩水を得る脱
    塩工程と、通電を停止して塩類を排出する脱離工程とを
    有する通液型電気二重層コンデンサ脱塩装置の運転方法
    において、 次に示すAステップとBステップとによって前記脱塩装
    置の脱塩性能を回復させる回復工程を行うことを特徴と
    する通液型電気二重層コンデンサ脱塩装置の運転方法。 A:被処理水より低い塩類濃度を有する水を通液型電気
    二重層コンデンサ脱塩装置に供給しながら直流電流を通
    電するステップ、 B:通電を30分以上停止するステップ。
  2. 【請求項2】 前記Aステップにおいて、前記被処理水
    より低い塩類濃度を有する水の電気伝導度が、被処理水
    の電気伝導度の1/3〜1/30であることを特徴とす
    る請求項1に記載の通液型電気二重層コンデンサ脱塩装
    置の運転方法。
  3. 【請求項3】 前記Aステップにおいて、前記脱塩装置
    の吸着可能容量の100〜150%に相当する負荷を与
    えることを特徴とする請求項1又は2に記載の通液型電
    気二重層コンデンサ脱塩装置の運転方法。
  4. 【請求項4】 前記Bステップにおいて、脱塩装置の対
    電極間を短絡することを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかに記載の通液型電気二重層コンデンサ脱塩装置の運
    転方法。
  5. 【請求項5】 前記Aステップにおいて、被処理水より
    低い塩類濃度を有する水が、予め脱気装置により脱気処
    理された水であることを特徴とする請求項1〜4のいず
    れかに記載の通液型電気二重層コンデンサ脱塩装置の運
    転方法。
  6. 【請求項6】 前記脱気装置が、膜脱気装置であること
    を特徴とする請求項5に記載の通液型電気二重層コンデ
    ンサ脱塩装置の運転方法。
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