図1は、本発明の静電脱イオン装置の一実施の形態を示す図である。
図1に示すように、本発明の静電脱イオン装置1は、本発明の脱イオンユニットである上流側第1静電脱イオン装置(第1CDT)2aと、上流側第2静電脱イオン装置(第2CDT)2bと、下流側第1静電脱イオン装置(第1CDT)3aと、下流側第2静電脱イオン装置(第2CDT)3bと、上記各脱イオンユニットの脱塩処理と再生処理とを繰り返し制御する制御手段である制御装置4とを備えている。
上記各脱イオンユニットでは、通液中に存在させた電極間に直流電圧を印加することにより、通液中のイオン成分を上記両電極に吸着し除去する脱イオン処理としての脱塩処理と、上記両電極間に脱塩処理時に印加された直流電圧を解除するか陽極側と陰極側とを短絡させるか、あるいは逆接続することにより両電極に吸着されたイオン成分を通液中に放出する再生処理とが行なわれる。
上記上流側第1CDT2aと上流側第2CDT2bは、並列状に配置され、通液中のイオン成分を一次脱イオン処理するようになっている。上記下流側第1CDT3aと下流側第2CDT3bは、並列状に配置され、上流側第1CDT2aまたは上流側第2CDT2bで一次脱イオン処理された通液を二次脱イオン処理するようになっている。
より詳しく説明すると、上記上流側第1CDT2aと上流側第2CDT2bは、それぞれの原水(未処理水)の流入口が、導入管5が2つに分岐した分岐管5aと接続され、上記導入管5から分岐管5aを通して原水が導入される。そして、上記導入管5から導入された原水を脱塩処理して各種イオンが除去された処理水を生成し、下流側第1CDT3aおよび下流側第2CDT3bに排出するようになっている。なお、この処理水は、各種イオンが極めて微量に含まれている浄水や純水を含む趣旨である。
また、上記上流側第1CDT2aと上流側第2CDT2bは、上記再生処理することで両電極に吸着されたイオン成分を通液中に放出するようになっている。このように、再生処理で放出されたイオン成分は、通液に回収され、イオン成分を多量に含む濃縮水として排出される。
上記上流側第1CDT2aは、その処理水出口が上記上流側第1CDT2aから処理水や濃縮水を排出する第1連通管6aと接続され、上流側第2CDT2bは、その処理水出口が上記上流側第2CDT2bから処理水や濃縮水を排出する第2連通管6bと接続されている。
上記第1連通管6aの先端部は、下流側第1CDT3aの流入口と接続されている。上記第2連通管6bの先端部は、下流側第2CDT3bの流入口と接続されている。上記第1連通管6aと第2連通管6bは、接続管17によって接続されている。これにより、上記上流側第1CDT2aから排出された処理水は、下流側第1CDT3aと下流側第2CDT3bのいずれにも導入されうるようになっている。また、上記上流側第2CDT2bから排出された処理水も、下流側第1CDT3aと下流側第2CDT3bのいずれにも導入されうるようになっている。
また、上記第1連通管6aおよび第2連通管6bからは、それぞれ濃縮水を排出する濃縮水排出路8が分岐している。なお、上記濃縮水排出路8の先端は、上記導入管5と合流していてもよい。この場合、上記濃縮水排出路8の先端が上記濃縮水中のイオン成分を鉄系吸着材に吸着するイオン成分吸着装置の流入口と接続され、上記イオン成分吸着装置の排出口と上記導入管5とが接続される。これにより、排出された濃縮水は、上記イオン成分で上記濃縮水中のイオン成分が除去され、上記導入管5に戻される。
上記イオン成分吸着装置には、イオン成分を吸着する鉄系吸着材が収容されている。このイオン成分吸着装置では、それに収容された鉄系吸着材に濃縮水を接触させ、その濃縮水中のイオン成分を上記鉄系吸着材に吸着させるようになっている。鉄系吸着材によるイオン成分の吸着は、鉄系吸着材との反応(基本的にはフェライト化反応と、金属鉄による酸化・還元反応、カルシウムによる不溶化反応が並行的に進行する反応)により実現される。
上記鉄系吸着材は、金属鉄と、酸化鉄と、カルシウム化合物とを含む微粉状の金属鉄粉を採用している。上記濃縮水が高濃度のイオン成分等を含有する場合や、重金属等を含む排水が多量の場合には、必要に応じて、従来のフェライト化処理で用いる硫酸鉄や、塩化鉄、硝酸鉄等の可溶性の鉄塩を添加する方法を採ることで効果的にイオン成分を除去することができる。さらに、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリおよび/またはアルカリ土類の水酸化物を添加し、60℃以上に加熱してもよい。鉄イオンや、水酸イオンが十分に供給されるので、高濃度のイオン成分はそれらと反応してフェライトを生成し、イオンの状態で排出されることを防止することができる。
上記下流側第1CDT3aは、上流側第1CDT2aや上流側第2CDT2bから排出された処理水や濃縮水が上記第1連通管6aを通して導入される。上記下流側第2CDT3bは、上流側第1CDT2aや上流側第2CDT2bから排出された処理水や濃縮水が上記第2連通管6bを通して導入される。上記下流側第1CDT3aと下流側第2CDT3bは、それぞれの処理水の流入口から導入された通液を脱塩処理して各種イオンが除去された処理水を生成して排出するようになっている。なお、この処理水も、各種イオンが極めて微量に含まれている浄水や純水を含む趣旨である。
また、上記下流側第1CDT3aと下流側第2CDT3bは、上記再生処理することで両電極に吸着されたイオン成分を通液中に放出するようになっている。このように、再生処理で放出されたイオン成分は、通液に回収され、イオン成分を多量に含む濃縮水として排出される。
上記下流側第1CDT3aは、その処理水出口が上記下流側第1CDT3aから処理水や濃縮水を排出する第3連通管9aと接続され、下流側第2CDT3bは、その処理水出口が上記下流側第2CDT3bから処理水や濃縮水を排出する第4連通管9bと接続されている。
上記第3連通管9aと第4連通管9bの先端部は、処理水を排出する処理水排出路10と合流している。また、上記第3連通管9aおよび第4連通管9bからは、上記濃縮水排出路8が分岐している。
上記上流側第1CDT2a側においては、上記第1連通管6aには、脱塩後の処理水や再生処理で放出されたイオン分を含む濃縮水の排出を開閉制御する上流第1CDT側第1開閉弁7aが設けられ、上記濃縮水排出路8には、濃縮水の排出を開閉制御する上流第1CDT側第2開閉弁7bが設けられている。
一方、上記上流第2CDT2b側においては、上記第2連通管6bには、脱塩後の処理水や濃縮水の排出を開閉制御する上流第2CDT側第1開閉弁11aが設けられ、上記濃縮水排出路8には、濃縮水の排出を開閉制御する上流第2CDT側第2開閉弁11bが設けられている。
上記下流側第1CDT3a側においては、上記第3連通管9aには、脱塩後の処理水の排出を開閉制御する下流第1CDT側第1開閉弁13aが設けられ、上記濃縮水排出路8には、濃縮水の排出を開閉制御する下流第1CDT側第2開閉弁13bが設けられている。
一方、上記下流側第2CDT3b側においては、上記第4連通管9bには、脱塩後の処理水の排出を開閉制御する下流第2CDT側第1開閉弁15aが設けられ、上記濃縮水排出路8には、濃縮水の排出を開閉制御する下流第2CDT側第2開閉弁15bが設けられている。
すなわち、上記各脱イオンユニットは、脱塩処理後の処理水や濃縮水を排出する処理水排出路を開閉する第1開閉弁と、再生処理で放出されたイオン成分を含む濃縮水を排出する濃縮水排出路を開閉する第2開閉弁とを備える。
このように、上記各脱イオンユニットに上記第1開閉弁と上記第2開閉弁を設けることで、上記濃縮水と処理水の排出方向を分けることができる。なお、再生処理による濃縮水を各脱イオンユニットに戻して再度脱イオン処理するようにしてもよい。このようにすることにより、濃縮水のたれ流しを防止するとともに、脱塩処理による処理水を得ることができる。また、濃縮水は一定サイクルごとに廃棄されてもよい。
なお、上記第1開閉弁と上記第2開閉弁は、一体化していてもよい。この場合、例えば上流側の各脱イオンユニットに、脱塩処理後の処理水や濃縮水を排出する連通管を開閉し、再生処理で放出されたイオン成分を含む濃縮水を排出する濃縮水排出路を開閉する3方切替弁を設けてもよい。また、下流側の各脱イオンユニットに、脱塩処理後の処理水を排出する処理水排出路を開閉し、再生処理で放出されたイオン成分を含む濃縮水を排出する濃縮水排出路を開閉する2方切替弁を設けてもよい。また、図示していないが、各脱イオンユニット、制御装置4等の各装置には、所定の電圧が供給される。また、第1,第2開閉弁として、いわゆる電磁弁や空気制御弁を用いてもよい。
後で図7を参照して詳しく説明するが、上記制御装置4は、いずれかの下流側ユニットで二次脱イオン処理を行なう間に、複数の上流側ユニットで順次一次脱イオン処理が行なわれるよう、複数の上流側ユニットにおける脱イオン処理と再生処理を制御する。上記のような制御により、後述の工程A〜工程Dが行なわれ、効率よく浄水を得ることができるようになっている。上記一次脱イオン処理は、上流側ユニットで行なわれる脱塩処理であり、上記二次脱イオン処理は、下流側ユニットで行なわれる脱塩処理である。
すなわち、静電脱イオン装置1は、通液中に存在させた電極間に直流電圧を印加して通液中のイオン成分を吸着する脱イオン処理と、上記両電極に吸着されたイオン成分を通液中に放出する再生処理とが繰り返し行なわれる脱イオンユニット(上流側第1CDT2a、上流側第2CDT2b、下流側第1CDT3a、下流側第2CDT3b)を備える。上記脱イオンユニットは、通液中のイオン成分を一次脱イオン処理する上流側ユニット(上流側第1CDT2aと上流側第2CDT2b)が並列状に複数配置されるとともに、上記上流側ユニットで一次脱イオン処理された通液を二次脱イオン処理する下流側ユニット(下流側第1CDT3aと下流側第2CDT3b)が並列状に複数配置される。
また、上記制御装置4は、いずれかの下流側ユニットで二次脱イオン処理を行なう間に、複数の上流側ユニットで順次一次脱イオン処理が行なわれるよう、複数の上流側ユニットにおける脱イオン処理と再生処理を制御する。
なお、図2に示すように、上記各脱イオンユニットは、1つの静電脱イオン装置で構成されているものに限定されず、複数の静電脱イオン装置21を含んで構成されていてもよい。この場合、これらの静電脱イオン装置21は、並列状に配置され、それぞれ他の静電脱イオン装置21と同期して動作するようにしてもよい。ここで静電脱イオン装置21は、1個以上の脱イオンユニットを直列に配置しているものである。このように、脱イオンユニットが複数の静電脱イオン装置21を含んで構成されることで、使用者が大量の浄水を容易に得ることができるとともに、イオン成分の除去率を高めることができる。
つぎに、図3を参照して、各脱イオンユニットの脱塩処理および再生処理について説明する。図3(a)は、上記脱塩処理を示し、図3(b)は、上記再生処理を示す。
図3(a)に示すように、電圧印加時において、流入水中(脱イオンユニット内を通液中)のナトリウムイオンは陰極側の集電極34に接する活性炭層33に電気的に吸着され、塩素イオンは陽極側の集電極34に接する活性炭層33に電気的に吸着される。このため、出口から得られる処理水は、その塩化ナトリウム濃度が著しく低下したものとなる。
また、通水を長時間続けると、活性炭層33に対するイオンの吸着が飽和に近づくため、出口から得られる処理水の塩化ナトリウム濃度が高くなる。そこで、吸着飽和に達する前に陽極側と陰極側とを短絡(ショート)させるか、陽極側と陰極側の両電極間に脱塩処理時に印加された直流電圧を解除するか、あるいは逆接続(逆電圧を印加)すれば、図3(b)に示すように活性炭層33に吸着されていたナトリウムイオンおよび塩素イオンが脱離し、流入水中の塩化ナトリウム濃度よりはるかに高濃度の塩化ナトリウムを含む流出水(濃縮水)が通液中に放出され出口より排出される。このときの流速を遅くすれば、少ない流水量で活性炭層に吸着された塩化ナトリウムを排出できるので好ましい。
本発明の静電脱イオン装置に用いる脱イオンユニットに特に制限はないが、例えば次の二種類のものを代表例として挙げることができる。上記脱イオンユニットとして、電気絶縁性多孔質通液性シートからなるセパレータを挟んで、高比表面積導電体として高比表面積活性炭を主材とする活性炭層を配置し、その活性炭層の外側に集電極を配置し、さらにその集電極の外側に押え板を配置した構成を有する平板形状のものが挙げられる。フラットな活性炭層を用い、各部材を配置して圧締した平板形状の構造とすることにより、活性炭層を均等に圧縮でき、通液時の液の偏流を効果的に防止することができる。そのため、イオン性物質の除去率の安定化が図られ、しかもその除去率を極限にまで高めることができる。
図4は、かかる平板型の脱イオンユニット(これを「平板型電気式脱イオン装置31」という)の分解図の一例を示したものであり、図5は、その組み立て図を示したものである。なお、図4と図5において、図3と共通する部品は同一符号を付して図示する。この平板型電気式脱イオン装置31のセパレータ32としては、ろ紙、多孔質高分子膜、織布、不織布など、液体の通過が容易でかつ電気絶縁性を有する有機質または無機質のシートからなるものが用いられる。セパレータ32の厚さは、0.01〜0.5mm程度、殊に0.02〜0.3mm程度が好ましい。
上記活性炭層33としては、高比表面積活性炭を主材とする層が用いられる。高比表面積活性炭とは、BET比表面積が好ましくは1000m2/g以上、より好ましくは1500m2/g以上、さらに好ましくは2000〜2500m2/gの活性炭を言う。BET比表面積が余りに小さいときは、イオン性物質を含む液体を通したときのイオン性物質の除去率が低下し易くなる。なおBET比表面積が余りに大きくなるとイオン性物質の除去率がかえって低下する傾向があるので、BET比表面積を必要以上に大きくするには及ばない。使用する活性炭の形状は、粉粒状、繊維状など任意である。粉粒状の場合には平板状またはシート状に成形して用い、繊維状の場合には布状に加工して用いることが好ましい。粉粒状活性炭を平板状またはシート状に成形して用いることは、繊維状の活性炭を布状に加工して用いる場合に比べて、コストの点からは格段に有利である。平板状またはシート状への成形は、たとえば、粉粒状活性炭をバインダ成分(ポリテトラフルオロエチレン、フェノール樹脂、カーボンブラック等)および/または分散媒(溶媒等)と混合して板状に成形してから、適宜熱処理することにより得られる。活性炭層33として平板状またはシート状のものを用いる場合は、必要に応じこれに穿孔加工を施しておくこともできる。なお、活性炭層33の厚さは、0.1〜3mm程度、殊に0.5〜2mm程度とすることが好ましいが、必ずしもこの範囲内に限られるものではない。
上記集電極34等の電極としては、銅板、アルミニウム板、カーボン板、フォイル状グラファイトなどの電気良導体であって、活性炭層33との緊密な接触が可能なものが好ましい。集電極34の厚さに特に限定はないが、0.1〜0.5mm程度のものが好ましい。印加を容易にするため、集電極34には端子(リード)34aを設けるのが通常である。
上記押え板36としては、プラスチックス板などの電気絶縁性材料からできた変形しにくい平板が用いられる。この押え板36には、液入口37、液出口38、固定用ボルト孔39などを適宜設けることができる。集電極34と押え板36との間には、枠状のガスケット35を介在させることが望ましい。そのようなガスケット35を独立に設ける代りに、押え板36側にシール機能を有する部材を設けておくこともできる。上記の部材を用いて、図4に示すように、押え板36/(ガスケット35/)集電極34/活性炭層33/セパレータ32/活性炭層33/集電極34/(ガスケット35/)押え板36の構成を有する平板型電気式脱イオン装置31が組み立てられる。
また、図6を参照して、電気式脱イオン装置の一例として、多処理室型の電気式脱イオン装置(これを「多処理室型電気式脱イオン装置50」という)について模式的拡大断面図を用いて説明する。
この多処理室型電気式脱イオン装置50は、反対側に離間して設けられた二つの末端プレート51、52と、絶縁層53、54を挟んでそれぞれ隣接した、二つの片面末端電極55、56とを有している。それぞれの片面末端電極55、56は、チタンシートからなる集電極の片面に導電性エポキシ等のバインダで高比表面積の導電体の活性炭層64からなるシートが接合されている。二つの片面末端電極55、56の間に両面中間電極57〜63が、相互に等距離だけ離間して配設されている。それぞれの両面電極(例えば57)は、チタンシートからなる集電極の両側に活性炭層64として活性炭シートを接合したものである。この中間電極の数は限定されず、必要な容量が得られる表面積となるよう適宜調節する(図6は7つの両面中間電極57〜63だけが図示されている)。
このような構成の多処理室型電気式脱イオン装置50の各電極を交互にアノード、カソードとする。すなわち、例えば片面末端電極55、中間電極58,60,63をアノードとし、中間電極57,59,61,62および片面末端電極56をカソードとする。すると、それぞれ隣接した電極対(アノードおよびカソード)は、独立した処理室を形成する。
したがって、この多処理室型電気式脱イオン装置50に原水を導入すると、まず、矢印Aで示すように、第1の処理室81を通る原水が、電極表面に対してほぼ平行に流れる。すると、両側の電極が分極されていることにより、イオンは原水中から静電的に除去され、電極55および57の活性炭層64の表面に形成された電気二重層に保持される。
上記原水は、続いて、矢印Bで示すように孔80を通って次の処理室82の中に流れる。ここでは、中間電極57および58によって形成される処理室の分極により、原水中のイオンがさらに除去される。そして、原水は、矢印C〜Gに示すように残りの各処理室を連続的に通過させられ、イオンが除去される。その後、矢印Hで示すように、処理水は、片面末端電極56、絶縁層54等を通過し、導出口を介して多処理室型電気式脱イオン装置50から導出される。
このように、多処理室型電気式脱イオン装置50においても、上記平板型電気式脱イオン装置31と同様に、カルシウムやマグネシウム等の金属イオンをはじめとして各種のイオンを原水から除去することができる。そして、継続運転により、各種イオンが多孔性の炭素エアロゲルシートの如き活性炭層64の表面に蓄積され、脱塩処理のための脱塩吸着能が飽和し、原水に含有する各種イオンの除去が不可能となる。そこで、適当な時期をみて、[アノード]−[カソード]の各電極対をショートさせるか、これらの両電極間に脱塩処理時に印加された直流電圧を解除するか、あるいは電極対に脱塩処理時とは逆電圧を印加して、多孔性の活性炭層64の表面に蓄積された各種イオンを脱離させて再生する。そして、再生後、再度脱塩処理に運転される。以後、引き続き各電極に印加する通電操作を繰り返して、脱塩処理−再生処理を繰り返し行なって、継続運転するものである。
かくして、上記した如き電気式脱イオン装置に原水を通液して、集電極に通電することにより、原水中のイオンを高比表面積の活性炭層に捕獲し、処理水として採取するものである。この間高比表面積活性炭や多孔性の炭素エアロゲル複合体等の活性炭層にはイオンが蓄積されてきて、脱塩吸着能が飽和してくるので、適宜上記集電極間をショートさせたり、印加された直流電圧を解除したり、逆電圧を印加して、高比表面積の活性炭層から、これに蓄積されたイオンを脱離させて装置外に排除させる再生処理をする。これらの操作を繰り返すことにより、継続して処理水を得るものである。
なお、上記電極として、いわゆるカーボンエアロゲルを用いてもよい。また、上記活性炭層としてカーボンエアロゲル層を用いてもよい。これらを用いることにより、イオン成分の吸着面積を大きくとることができ、電極が通液中に溶けることがない、また、再生処理によりガスが発生してもそのガスを吸着しないため、吸着能が低下しない等のメリットがある。
つぎに、図7を参照して、工程A〜工程Dについて説明する。
図7(a)は工程Aを示し、図7(b)は工程Bを示し、図7(c)は工程Cを示し、図7(d)は工程Dを示す。
各工程は、それぞれ制御装置4の制御例を示し、本実施例では、工程A、工程B、工程C、工程Dに示す順に各脱イオンユニットや開閉弁が制御装置4によって制御されるようになっている。
図7(a)に示す工程Aでは、上記制御装置4は、上流側第1CDT2aの一次脱イオン処理(脱塩処理)を制御しながら、上流第1CDT側第1開閉弁7aを開状態にし、上流第1CDT側第2開閉弁7bを閉状態にし、その通液が下流側第1CDT3aと下流側第2CDT3bへ流れる状態にする制御を行なっている。
また、上記制御装置4は、上流側第2CDT2bの一次再生処理(再生処理)を制御しながら、上流第2CDT側第1開閉弁11aを閉状態にし、上流第2CDT側第2開閉弁11bを開状態にし、その通液が濃縮水排出路8へ流れる状態にする制御を行なっている。上記一次再生処理は、上流側ユニットで行なわれる再生処理である。
下流側においては、上記制御装置4は、下流側第1CDT3aの二次脱イオン処理(脱塩処理)を制御しながら、下流第1CDT側第1開閉弁13aを開状態にし、下流第1CDT側第2開閉弁13bを閉状態にし、その通液が処理水排出路10へ流れる状態にする制御を行なっている。
また、上記制御装置4は、下流側第2CDT3bの二次再生処理(再生処理)を制御しながら、下流第2CDT側第1開閉弁15aを閉状態にし、下流第2CDT側第2開閉弁15bを開状態にし、その通液が濃縮水排出路8へ流れる状態にする制御を行なっている。上記二次再生処理は、下流側ユニットで行なわれる再生処理である。
これにより、図8に示すように、工程Aにおいては、原水は、上流側第1CDT2aによって一次脱イオン処理(脱塩処理)され、この後、さらに下流側第1CDT3aによって二次脱イオン処理(脱塩処理)され浄水として排出される。また、上流側第1CDT2aによって一次脱イオン処理(脱塩処理)された処理水は、下流側第2CDT3bの二次再生処理(再生処理)により濃縮水として排出される。このように、下流側ユニットが再生処理を行なうための通液は、上流側ユニットの脱塩処理後の通液であることが好ましい。
また、原水は、上流側第2CDT2bの一次再生処理(再生処理)により濃縮水として排出される。
図7(b)に示す工程Bでは、上記制御装置4は、上流側第1CDT2aの一次再生処理(再生処理)を制御しながら、上流第1CDT側第1開閉弁7aを閉状態にし、上流第1CDT側第2開閉弁7bを開状態にし、その通液が濃縮水排出路8へ流れる状態にする制御を行なっている。
また、上記制御装置4は、上流側第2CDT2bの一次脱イオン処理(脱塩処理)を制御しながら、上流第2CDT側第1開閉弁11aを開状態にし、上流第2CDT側第2開閉弁11bを閉状態にし、その通液が下流側第1CDT3aと下流側第2CDT3bへ流れる状態にする制御を行なっている。
下流側においては、上記制御装置4は、下流側第1CDT3aの二次脱イオン処理(脱塩処理)を制御しながら、下流第1CDT側第1開閉弁13aを開状態にし、下流第1CDT側第2開閉弁13bを閉状態にし、その通液が処理水排出路10へ流れる状態にする制御を行なっている。
また、上記制御装置4は、下流側第2CDT3bの二次再生処理(再生処理)を制御しながら、下流第2CDT側第1開閉弁15aを閉状態にし、下流第2CDT側第2開閉弁15bを開状態にし、その通液が濃縮水排出路8へ流れる状態にする制御を行なっている。
これにより、図8に示すように、工程Bにおいては、原水は、上流側第2CDT2bによって一次脱イオン処理(脱塩処理)され、この後、さらに下流側第1CDT3aによって二次脱イオン処理(脱塩処理)され浄水として排出される。また、上流側第2CDT2bによって一次脱イオン処理(脱塩処理)された処理水は、下流側第2CDT3bの二次再生処理(再生処理)により濃縮水として排出される。
また、原水は、上流側第1CDT2aの一次再生処理(再生処理)により濃縮水として排出される。
すなわち、上記制御装置4は、図7(a)および図7(b)に示すように、1つの上流側ユニット(ここでは、上流側第1CDT2a)の一次脱イオン処理よりも1つの下流側ユニット(ここでは、下流側第1CDT3a)の二次脱イオン処理が長時間となるよう制御するようになっている。
このようにすることにより、下流側第1CDT3aにおいて両電極に付着するイオン成分を十分に飽和させてから再生処理を行なうことができ、下流側ユニットの性能を十分に発揮させることができる。すなわち、下流側ユニットは、上記上流側ユニットで一次脱イオン処理された通液を二次脱イオン処理するため、多くの場合、上流側ユニットの脱塩処理において多くのイオン成分が吸着された通液を脱塩処理することになる。したがって、下流側第1CDT3aの両電極に付着するイオン成分が飽和するまでの時間は、上流側第1CDT2aの両電極に付着するイオン成分が飽和するまでの時間より長くなる。このため、上記のように、上流側第1CDT2aの一次脱イオン処理よりも下流側第1CDT3aの二次脱イオン処理が長時間となるよう制御することで、下流側第1CDT3aは、両電極に付着するイオン成分が十分に飽和されてから再生処理が行なわれるため、下流側第1CDT3aにおいて効率よく脱イオン処理と再生処理を繰り返し行なうことができる。
図7(c)に示す工程Cでは、上記制御装置4は、上流側第1CDT2aの一次脱イオン処理(脱塩処理)を制御しながら、上流第1CDT側第1開閉弁7aを開状態にし、上流第1CDT側第2開閉弁7bを閉状態にし、その通液が下流側第1CDT3aと下流側第2CDT3bへ流れる状態にする制御を行なっている。
また、上記制御装置4は、上流側第2CDT2bの一次再生処理(再生処理)を制御しながら、上流第2CDT側第1開閉弁11aを閉状態にし、上流第2CDT側第2開閉弁11bを開状態にし、その通液が濃縮水排出路8へ流れる状態にする制御を行なっている。
下流側においては、上記制御装置4は、下流側第1CDT3aの二次再生処理(再生処理)を制御しながら、下流第1CDT側第1開閉弁13aを閉状態にし、下流第1CDT側第2開閉弁13bを開状態にし、その通液が濃縮水排出路8へ流れる状態にする制御を行なっている。
また、上記制御装置4は、下流側第2CDT3bの二次脱イオン処理(脱塩処理)を制御しながら、下流第2CDT側第1開閉弁15aを開状態にし、下流第2CDT側第2開閉弁15bを閉状態にし、その通液が処理水排出路10へ流れる状態にする制御を行なっている。
これにより、図8に示すように、工程Cにおいては、原水は、上流側第1CDT2aによって一次脱イオン処理(脱塩処理)され、この後、さらに下流側第2CDT3bによって二次脱イオン処理(脱塩処理)され浄水として排出される。また、上流側第1CDT2aによって一次脱イオン処理(脱塩処理)された処理水は、下流側第1CDT3aの二次再生処理(再生処理)により濃縮水として排出される。
また、原水は、上流側第2CDT2bの一次再生処理(再生処理)により濃縮水として排出される。
すなわち、上記制御装置4は、図7(b)に示す二次脱イオン処理を行なっている下流側第1CDT3aを、図7(c)に示すように二次脱イオン処理から再生処理に切り換えるのと同時もしくはそれよりも早いタイミングで、当該下流側ユニットとは別の下流側ユニット(下流側第2CDT3b)において二次脱イオン処理を開始するよう制御するようになっている。
このようにすることにより、いずれかの下流側ユニット(本実施例では、下流側第1CDT3a)において二次脱イオン処理を行なうことにより両電極に付着したイオン成分が飽和し、吸着能の低下を防止する必要性から当該下流側ユニットにおいて再生処理を行なう場合、当該下流側ユニットとは別の下流側ユニット(本実施例では、下流側第2CDT3b)が二次脱イオン処理を開始する。このように、下流側ユニットについても順次再生処理が行なわれ、途切れることなく二次脱イオン処理が行なわれる。そして、一次脱イオン処理された通液は、常に、いずれかの下流側ユニットによって二次脱イオン処理されるため、装置全体として脱イオン処理が途切れることなく行なわれ、コンスタントに通液中のイオン成分を除去し続けることができるとともに、通液中のイオン成分の濃度がばらつくことを防止することができる。
図7(d)に示す工程Dでは、上記制御装置4は、上流側第1CDT2aの一次再生処理(再生処理)を制御しながら、上流第1CDT側第1開閉弁7aを閉状態にし、上流第1CDT側第2開閉弁7bを開状態にし、その通液が濃縮水排出路8へ流れる状態にする制御を行なっている。
また、上記制御装置4は、上流側第2CDT2bの一次脱イオン処理(脱塩処理)を制御しながら、上流第2CDT側第1開閉弁11aを開状態にし、上流第2CDT側第2開閉弁11bを閉状態にし、その通液が下流側第1CDT3aと下流側第2CDT3bへ流れる状態にする制御を行なっている。
下流側においては、上記制御装置4は、下流側第1CDT3aの二次再生処理(再生処理)を制御しながら、下流第1CDT側第1開閉弁13aを閉状態にし、下流第1CDT側第2開閉弁13bを開状態にし、その通液が濃縮水排出路8へ流れる状態にする制御を行なっている。
また、上記制御装置4は、下流側第2CDT3bの二次脱イオン処理(脱塩処理)を制御しながら、下流第2CDT側第1開閉弁15aを開状態にし、下流第2CDT側第2開閉弁15bを閉状態にし、その通液が処理水排出路10へ流れる状態にする制御を行なっている。
これにより、図8に示すように、工程Dにおいては、原水は、上流側第2CDT2bによって一次脱イオン処理(脱塩処理)され、さらに下流側第2CDT3bによって二次脱イオン処理(脱塩処理)され浄水として排出される。また、上流側第2CDT2bによって一次脱イオン処理(脱塩処理)された処理水は、下流側第1CDT3aの二次再生処理(再生処理)により濃縮水として排出される。
また、原水は、上流側第1CDT2aの一次再生処理(再生処理)により濃縮水として排出される。
ここで、上記工程A〜工程Dに示すように、下流側ユニットにおいて、上流側ユニットで一次脱イオン処理された通液で再生処理を行なうことにより、下流側ユニット内の通液をイオン成分の濃度が低い状態で保つことができ、浄水に含まれるイオン成分の濃度をさらに安定させることができる。また、上記全ての工程において、処理水排出路10へ流れる処理水の流入量が一定であるため、使用者は、安定した流量で浄水を得ることができる。
すなわち、本発明の静電脱イオン方法は、通液中に存在させた電極間に直流電圧を印加して通液中のイオン成分を吸着する脱イオン処理と、上記両電極に吸着されたイオン成分を通液中に放出する再生処理とが繰り返し行なわれる脱イオンユニット(上流側第1CDT2a、上流側第2CDT2b、下流側第1CDT3a、下流側第2CDT3b)を備える。そして、上記脱イオンユニットを、通液中のイオン成分を一次脱イオン処理する上流側ユニット(上流側第1CDT2aと上流側第2CDT2b)を並列状に複数配置するとともに、上記上流側ユニットで一次脱イオン処理された通液を二次脱イオン処理する下流側ユニット(下流側第1CDT3aと下流側第2CDT3b)を並列状に複数配置する。
そして、いずれかの下流側ユニット(下流側第1CDT3aや下流側第2CDT3b)で二次脱イオン処理を行なう間に、複数の上流側ユニットで順次一次脱イオン処理が行なわれるよう、複数の上流側ユニット(上流側第1CDT2aまたは上流側第2CDT2b)における脱イオン処理と再生処理を制御する制御装置4をさらに備える。
このようにすることで、静電脱イオン装置1および静電脱イオン方法によれば、上流側第1CDT2aや上流側第2CDT2bは、通液中のイオン成分を一次脱イオン処理し、下流側第1CDT3aや下流側第2CDT3bは、上流側第1CDT2aや上流側第2CDT2bで一次脱イオン処理された通液を二次脱イオン処理する。上記制御装置4は、下流側第1CDT3aまたは下流側第2CDT3bで二次脱イオン処理を行なう間に、上流側第1CDT2aや上流側第2CDT2bで順次一次脱イオン処理が行なわれるよう、上流側第1CDT2aや上流側第2CDT2bにおける脱イオン処理と再生処理を制御する。
したがって、上流側第1CDT2aや上流側第2CDT2bにおいて一次脱イオン処理を行なうことにより両電極に付着したイオン成分が飽和し、吸着能の低下を防止する必要性から当該上流側ユニットにおいて再生処理を行なう場合、当該上流側ユニットとは別の上流側ユニットが一次脱イオン処理を開始する。このように、特に処理負荷が高く飽和までの時間が短い上流側ユニットについて、順次再生処理が行なわれ、途切れることなく一次脱イオン処理が行なわれる。そして、一次脱イオン処理された通液は、常に、下流側第1CDT3aや下流側第2CDT3bによって二次脱イオン処理されるため、静電脱イオン装置1全体として脱イオン処理が途切れることなく行なわれ、コンスタントに通液中のイオン成分を除去し続けることができる。また、本方法によれば、再生に供する水の濃度が常に一定、例えば上流側ユニットは原水を用いて再生し、下流側ユニットは上流側ユニットから排出される一次脱イオン処理水で再生するため再生終了時に得られる取水濃度が一定している。このため、通液中のイオン成分の濃度がばらつくことを防止することができる。しかも、上流側第1CDT2aや上流側第2CDT2bで一次脱イオン処理された通液は、下流側第1CDT3aや下流側第2CDT3bによってさらに二次脱イオン処理されるため、より純度の高い処理水を得ることができる。
上記実施例では、上流側ユニットと下流側ユニットは、並列状に2つずつ配置されているが、これに限定されるものではない。上流側ユニットと下流側ユニットを並列状に3つずつ配置されてもよい。
この場合、例えば、図9に示すように、上流側ユニットとして上流側第3CDT2cが配置され、下流側ユニットとして下流側第3CDT3cが配置され、それに伴い、上流側第3CDT2cや下流側第3CDT3c側においても、前述の第1,第2開閉弁(図示していない)を設けてもよい。このようにすることにより、図9、図10に示す工程A〜工程Iが行なわれるようにしてもよい。
つぎに、図9を参照して、工程A〜工程Cについて説明する。
図9(a)は工程Aを示し、図9(b)は工程Bを示し、図9(c)は工程Cを示す。
図9(a)に示す工程Aでは、上記制御装置4は、上流側第1CDT2aの一次脱イオン処理(脱塩処理)を制御しながら、その通液が下流側第1CDT3a、下流側第2CDT3b、および下流側第3CDT3cへ流れる状態にする制御を行なっている。
また、上記制御装置4は、上流側第2CDT2bと上流側第3CDT2cの一次再生処理(再生処理)を制御しながら、それらの通液が濃縮水排出路8へ流れる状態にする制御を行なっている。
下流側においては、上記制御装置4は、下流側第1CDT3aの二次脱イオン処理(脱塩処理)を制御しながら、その通液が処理水排出路10へ流れる状態にする制御を行なっている。
また、上記制御装置4は、下流側第2CDT3bと下流側第3CDT3cの二次再生処理(再生処理)を制御しながら、それらの通液が濃縮水排出路8へ流れる状態にする制御を行なっている。
これにより、図10(a)に示すように、工程Aにおいては、原水は、上流側第1CDT2aによって一次脱イオン処理(脱塩処理)され、この後、さらに下流側第1CDT3aによって二次脱イオン処理(脱塩処理)され浄水として排出される。また、上流側第1CDT2aによって一次脱イオン処理(脱塩処理)された処理水は、下流側第2CDT3bと下流側第3CDT3cの二次再生処理(再生処理)により濃縮水として排出される。
また、原水は、上流側第2CDT2bと上流側第3CDT2cの一次再生処理(再生処理)により濃縮水として排出される。
図9(b)に示す工程Bでは、上記制御装置4は、上流側第1CDT2aの一次再生処理(再生処理)を制御しながら、その通液が濃縮水排出路8へ流れる状態にする制御を行なっている。
また、上記制御装置4は、上流側第2CDT2bの一次脱イオン処理(脱塩処理)を制御しながら、その通液が下流側第1CDT3a、下流側第2CDT3b、および下流側第3CDT3cへ流れる状態にする制御を行なっている。
また、上記制御装置4は、上流側第3CDT2cの一次再生処理(再生処理)を制御しながら、その通液が濃縮水排出路8へ流れる状態にする制御を行なっている。
下流側においては、上記制御装置4は、下流側第1CDT3aの二次脱イオン処理(脱塩処理)を制御しながら、その通液が処理水排出路10へ流れる状態にする制御を行なっている。
また、上記制御装置4は、下流側第2CDT3bと下流側第3CDT3cの二次再生処理(再生処理)を制御しながら、それらの通液が濃縮水排出路8へ流れる状態にする制御を行なっている。
これにより、図10(a)に示すように、工程Bにおいては、原水は、上流側第2CDT2bによって一次脱イオン処理(脱塩処理)され、この後、さらに下流側第1CDT3aによって二次脱イオン処理(脱塩処理)され浄水として排出される。また、上流側第2CDT2bによって一次脱イオン処理(脱塩処理)された処理水は、下流側第2CDT3bと下流側第3CDT3cの二次再生処理(再生処理)により濃縮水として排出される。
また、原水は、上流側第1CDT2aと上流側第3CDT2cの一次再生処理(再生処理)により濃縮水として排出される。
図9(c)に示す工程Cでは、上記制御装置4は、上流側第1CDT2aと上流側第2CDT2bの一次再生処理(再生処理)を制御しながら、その通液が濃縮水排出路8へ流れる状態にする制御を行なっている。
また、上記制御装置4は、上流側第3CDT2cの一次脱イオン処理(脱塩処理)を制御しながら、その通液が下流側第1CDT3a、下流側第2CDT3b、および下流側第3CDT3cへ流れる状態にする制御を行なっている。
下流側においては、上記制御装置4は、下流側第1CDT3aの脱イオン処理(脱塩処理)を制御しながら、その通液が処理水排出路10へ流れる状態にする制御を行なっている。
また、上記制御装置4は、下流側第2CDT3bと下流側第3CDT3cの二次再生処理(再生処理)を制御しながら、その通液が濃縮水排出路8へ流れる状態にする制御を行なっている。
これにより、図10(a)に示すように、工程Cにおいては、原水は、上流側第3CDT2cによって一次脱イオン処理(脱塩処理)され、この後、さらに下流側第1CDT3aによって二次脱イオン処理(脱塩処理)され浄水として排出される。また、上流側第3CDT2cによって一次脱イオン処理(脱塩処理)された処理水は、下流側第2CDT3bと下流側第3CDT3cの二次再生処理(再生処理)により濃縮水として排出される。
また、原水は、上流側第1CDT2aと上流側第2CDT2bの一次再生処理(再生処理)により濃縮水として排出される。
図9および図10(a)に示す工程A〜工程Cは、下流側第1CDT3aから浄水を排出する例を示しているが、図10(b)に示すように、下流側第2CDT3bから浄水を排出するようにしてもよいし、図10(c)に示すように、下流側第3CDT3cから浄水を排出するようにしてもよい。
図10(b)に示す工程D〜工程Fでは、上流側の脱イオンユニットは、それぞれ工程A〜工程C(図9)と同様な制御が行なわれる。そして、下流側第2CDT3bは、二次脱イオン処理(脱塩処理)し、下流側第1CDT3aと下流側第3CDT3cはそれぞれ二次再生処理(再生処理)するように制御されている。
図10(c)に示す工程G〜工程Iでは、上流側の脱イオンユニットは、それぞれ工程A〜工程C(図9)と同様な制御が行なわれる。そして、下流側第3CDT3cは、二次脱イオン処理(脱塩処理)し、下流側第1CDT3aと下流側第2CDT3bは、それぞれ二次再生処理(再生処理)するように制御されている。
このように、工程A〜工程Iの順に本発明の静電脱イオン装置を動作させることにより、1つの下流側ユニットが二次脱イオン処理を行なっている間、3つの上流側ユニットが順次一次脱イオン処理を行なう。したがって、上記実施例の作用効果に加えて、処理負荷が高く飽和までの時間が短い上流側ユニットにおいては、順次再生処理を行なうことができ、処理負荷が低く飽和までの時間が長い下流側ユニットにおいては、吸着能を十分に発揮してから再生処理が行なわれるようにすることができる。これにより、上流側ユニットと下流側ユニットの処理負荷のバランスを均等に保つことができる。
図9および図10に示すように、上記実施例では、1つの下流側ユニットが二次脱イオン処理を行なっている間、3つの上流側ユニットが順次一次脱イオン処理を行なうようになっているが、これに限定されるものではなく、1つの下流側ユニットが二次脱イオン処理を行なっている間、2つの上流側ユニットが順次一次脱イオン処理を行なうようにしてもよい。この場合、図10に示す工程A,工程B,工程F,工程D,工程H,工程Iの順に本発明の静電脱イオン装置を動作させてもよい。このようにすることにより、上記実施例の作用効果に加えて、下流側ユニットは、早めに再生処理を行なうことができる。したがって、下流側ユニットの処理負荷が高い場合に対応することができる。
また、図9および図10に示すように、上記実施例では、1つの下流側ユニットは、1つの上流側ユニットで一次脱イオン処理された通液を二次脱イオン処理するようになっているが、これに限定されるものではない。複数の上流側ユニットで順次一次脱イオン処理された通液を複数の下流側ユニットが二次脱イオン処理するようにしてもよいし、複数の上流側ユニットで一次脱イオン処理された通液を1つの下流側ユニットが二次脱イオン処理するようにしてもよいし、1つの上流側ユニットで一次脱イオン処理された通液を複数の下流側ユニットが二次脱イオン処理するようにしてもよい。
例えば、複数の上流側ユニットで一次脱イオン処理された通液を1つの下流側ユニットが二次脱イオン処理するようにした場合は、図11および図12に示す工程A〜工程Iを行なうようにしてもよい。
つぎに、図11を参照して、工程A〜工程Cについて説明する。
図11(a)に示す工程Aでは、上記制御装置4は、上流側第1CDT2aと上流側第2CDT2bの一次脱イオン処理(脱塩処理)をそれぞれ制御しながら、それらの通液が下流側第1CDT3a、下流側第2CDT3b、および下流側第3CDT3cへ流れる状態にする制御を行なっている。また、上記制御装置4は、上流側第3CDT2cの一次再生処理(再生処理)を制御しながら、その通液が濃縮水排出路8へ流れる状態にする制御を行なっている。
下流側においては、上記制御装置4は、下流側第1CDT3aの二次脱イオン処理(脱塩処理)を制御しながら、その通液が処理水排出路10へ流れる状態にする制御を行なっている。また、上記制御装置4は、下流側第2CDT3bと下流側第3CDT3cの二次再生処理(再生処理)をそれぞれ制御しながら、それらの通液が濃縮水排出路8へ流れる状態にする制御を行なっている。
これにより、図12(a)に示すように、工程Aにおいては、原水は、上流側第1CDT2aと上流側第2CDT2bによって一次脱イオン処理(脱塩処理)され、この後、さらに下流側第1CDT3aによって二次脱イオン処理(脱塩処理)され浄水として排出される。また、上流側第1CDT2aと上流側第2CDT2bによって一次脱イオン処理(脱塩処理)された処理水は、下流側第2CDT3bと下流側第3CDT3cの二次再生処理(再生処理)により濃縮水として排出される。また、原水は、上流側第3CDT2cの一次再生処理(再生処理)により濃縮水として排出される。
図11(b)に示す工程Bでは、上記制御装置4は、上流側第2CDT2bと上流側第3CDT2cの一次脱イオン処理(脱塩処理)をそれぞれ制御しながら、それらの通液が下流側第1CDT3a、下流側第2CDT3b、および下流側第3CDT3cへ流れる状態にする制御を行なっている。また、上記制御装置4は、上流側第1CDT2aの一次再生処理(再生処理)を制御しながら、その通液が濃縮水排出路8へ流れる状態にする制御を行なっている。
下流側においては、上記制御装置4は、下流側第1CDT3aの二次脱イオン処理(脱塩処理)を制御しながら、その通液が処理水排出路10へ流れる状態にする制御を行なっている。また、上記制御装置4は、下流側第2CDT3bと下流側第3CDT3cの二次再生処理(再生処理)をそれぞれ制御しながら、それらの通液が濃縮水排出路8へ流れる状態にする制御を行なっている。
これにより、図12(a)に示すように、工程Bにおいては、原水は、上流側第2CDT2bと上流側第3CDT2cによって一次脱イオン処理(脱塩処理)され、この後、さらに下流側第1CDT3aによって二次脱イオン処理(脱塩処理)され浄水として排出される。また、上流側第2CDT2bと上流側第3CDT2cによって一次脱イオン処理(脱塩処理)された処理水は、下流側第2CDT3bと下流側第3CDT3cの二次再生処理(再生処理)により濃縮水として排出される。また、原水は、上流側第1CDT2aの一次再生処理(再生処理)により濃縮水として排出される。
図11(c)に示す工程Cでは、上記制御装置4は、上流側第1CDT2aと上流側第3CDT2cの一次脱イオン処理(脱塩処理)をそれぞれ制御しながら、それらの通液が下流側第1CDT3a、下流側第2CDT3b、および下流側第3CDT3cへ流れる状態にする制御を行なっている。また、上記制御装置4は、上流側第2CDT2bの一次再生処理(再生処理)を制御しながら、その通液が濃縮水排出路8へ流れる状態にする制御を行なっている。
下流側においては、上記制御装置4は、下流側第1CDT3aの二次脱イオン処理(脱塩処理)を制御しながら、その通液が処理水排出路10へ流れる状態にする制御を行なっている。また、上記制御装置4は、下流側第2CDT3bと下流側第3CDT3cの二次再生処理(再生処理)をそれぞれ制御しながら、それらの通液が濃縮水排出路8へ流れる状態にする制御を行なっている。
これにより、図12(a)に示すように、工程Cにおいては、原水は、上流側第1CDT2aと上流側第3CDT2cによって一次脱イオン処理(脱塩処理)され、この後、さらに下流側第1CDT3aによって二次脱イオン処理(脱塩処理)され浄水として排出される。また、上流側第1CDT2aと上流側第3CDT2cによって一次脱イオン処理(脱塩処理)された処理水は、下流側第2CDT3bと下流側第3CDT3cの二次再生処理(再生処理)により濃縮水として排出される。また、原水は、上流側第2CDT2bの一次再生処理(再生処理)により濃縮水として排出される。
図11および図12(a)に示す工程A〜工程Cは、下流側第1CDT3aから浄水を排出する例を示しているが、図12(b)に示すように、下流側第2CDT3bから浄水を排出するようにしてもよいし、図12(c)に示すように、下流側第3CDT3cから浄水を排出するようにしてもよい。
図12(b)に示す工程D〜工程Fでは、上流側の脱イオンユニットは、それぞれ工程A〜工程C(図12)と同様な制御が行なわれる。そして、下流側第2CDT3bは、二次脱イオン処理(脱塩処理)し、下流側第1CDT3aと下流側第3CDT3cは、二次再生処理(再生処理)するように制御されている。
図12(c)に示す工程G〜工程Iでは、上流側の脱イオンユニットは、それぞれ工程A〜工程C(図12)と同様な制御が行なわれる。そして、下流側第3CDT3cは、二次脱イオン処理(脱塩処理)し、下流側第1CDT3aと下流側第2CDT3bは、二次再生処理(再生処理)するように制御されている。
このように、工程A〜工程I(図12)の順に本発明の静電脱イオン装置を動作させることにより、1つの下流側ユニットが複数の上流側ユニットで一次脱イオン処理された通液を二次脱イオン処理するようにすることで、二次脱イオン処理を行なう下流側ユニットから排出される浄水の量を多くすることができる。
なお、工程A〜工程I(図12)の順に限られず、本発明の静電脱イオン装置を工程A、工程B、工程F、工程D、工程H、工程Cの順番で繰り返し動作させてもよい。
上記各実施例では、制御装置4は、いずれかの下流側ユニット(1つの下流側ユニット)で二次脱イオン処理を行なう間に、複数の上流側ユニットで順次一次脱イオン処理が行なわれるよう、複数の上流側ユニットにおける脱イオン処理と再生処理を制御しているが、これに限定されるものではなく、いずれかの下流側ユニット(複数の下流側ユニット)で二次脱イオン処理を行なう間に、複数の上流側ユニットで順次一次脱イオン処理が行なわれるよう、複数の上流側ユニットにおける脱イオン処理と再生処理を制御してもよい。この場合、後述の工程A〜I(図13、図14)が行なわれるようにしてもよい。
つぎに、図13、図14を参照して、工程A〜工程Iについて説明する。
図13(a)は工程Aを示し、図13(b)は工程Bを示し、図13(c)は工程Cを示す。
図13(a)に示す工程Aでは、上記制御装置4は、上流側第1CDT2aの一次脱イオン処理(脱塩処理)を制御しながら、その通液が下流側第1CDT3a、下流側第2CDT3b、および下流側第3CDT3cへ流れる状態にする制御を行なっている。
また、上記制御装置4は、上流側第2CDT2bと上流側第3CDT2cの一次再生処理(再生処理)をそれぞれ制御しながら、それらの通液が濃縮水排出路8へ流れる状態にする制御を行なっている。
下流側においては、上記制御装置4は、下流側第1CDT3aと下流側第2CDT3bの二次脱イオン処理(脱塩処理)をそれぞれ制御しながら、それらの通液が処理水排出路10へ流れる状態にする制御を行なっている。
また、上記制御装置4は、下流側第3CDT3cの二次再生処理(再生処理)を制御しながら、その通液が濃縮水排出路8へ流れる状態にする制御を行なっている。
これにより、図14(a)に示すように、工程Aにおいては、原水は、上流側第1CDT2aによって一次脱イオン処理(脱塩処理)され、この後、さらに下流側第1CDT3aと下流側第2CDT3bによってそれぞれ二次脱イオン処理(脱塩処理)され浄水として排出される。また、上流側第1CDT2aによって一次脱イオン処理(脱塩処理)された処理水は、下流側第3CDT3cの二次再生処理(再生処理)により濃縮水として排出される。
また、原水は、上流側第2CDT2bと上流側第3CDT2cの一次再生処理(再生処理)により濃縮水として排出される。
すなわち、上記制御装置4は、下流側第1CDT3a、下流側第2CDT3b、および下流側第3CDT3cのうち少なくとも2つの下流側ユニットで脱イオン処理を行なっている間、他の下流側ユニットにおいて再生処理を行なうように制御するようになっている。このようにすることにより、上記2つの下流側ユニット(下流側第1CDT3aと下流側第2CDT3b)において二次脱イオン処理を行なうことにより両電極に付着したイオン成分が飽和し、吸着能の低下を防止する必要性から当該下流側ユニットにおいて再生処理を行なう場合、他の下流側ユニット下流側第3CDT3cにおいて脱イオン処理を開始できる準備をすることができる。このように、下流側ユニットにおいて順次再生処理を行なうことで、下流側ユニットを一層効率よく動作させることができるとともに、二次脱イオン処理を行なう下流側ユニットにおいてイオン成分が飽和し吸着能が低下する前に、他の下流側ユニットにおいて脱イオン処理を開始することができるため、複数の下流側ユニット全体として脱イオン処理を途切れることなく行なうことができる。
図13(b)に示す工程Bでは、上記制御装置4は、上流側第1CDT2aと上流側第3CDT2cの一次再生処理(再生処理)をそれぞれ制御しながら、それらの通液が濃縮水排出路8へ流れる状態にする制御を行なっている。
また、上記制御装置4は、上流側第2CDT2bの一次脱イオン処理(脱塩処理)を制御しながら、その通液が下流側第1CDT3a、下流側第2CDT3b、および下流側第3CDT3cへ流れる状態にする制御を行なっている。
下流側においては、上記制御装置4は、下流側第1CDT3aと下流側第2CDT3bの二次脱イオン処理(脱塩処理)をそれぞれ制御しながら、それらの通液が処理水排出路10へ流れる状態にする制御を行なっている。
また、上記制御装置4は、下流側第3CDT3cの二次再生処理(再生処理)を制御しながら、その通液が濃縮水排出路8へ流れる状態にする制御を行なっている。
これにより、図13(a)に示すように、工程Bにおいては、原水は、上流側第2CDT2bによって一次脱イオン処理(脱塩処理)され、この後、さらに下流側第1CDT3aと下流側第2CDT3bによってそれぞれ二次脱イオン処理(脱塩処理)され浄水として排出される。また、上流側第2CDT2bによって一次脱イオン処理(脱塩処理)された処理水は、下流側第3CDT3cの二次再生処理(再生処理)により濃縮水として排出される。
また、原水は、上流側第1CDT2aと上流側第3CDT2cの一次再生処理(再生処理)により濃縮水として排出される。
図13(c)に示す工程Cでは、上記制御装置4は、上流側第1CDT2aと上流側第2CDT2bの一次再生処理(再生処理)をそれぞれ制御しながら、それらの通液が濃縮水排出路8へ流れる状態にする制御を行なっている。
また、上記制御装置4は、上流側第3CDT2cの一次脱イオン処理(脱塩処理)を制御しながら、その通液が下流側第1CDT3a、下流側第2CDT3b、および下流側第3CDT3cへ流れる状態にする制御を行なっている。
下流側においては、上記制御装置4は、下流側第1CDT3aと下流側第2CDT3bの二次脱イオン処理(脱塩処理)をそれぞれ制御しながら、それらの通液が処理水排出路10へ流れる状態にする制御を行なっている。
また、上記制御装置4は、下流側第3CDT3cの二次再生処理(再生処理)を制御しながら、その通液が濃縮水排出路8へ流れる状態にする制御を行なっている。
これにより、図14(a)に示すように、工程Cにおいては、原水は、上流側第2CDT2bによって一次脱イオン処理(脱塩処理)され、この後、さらに下流側第1CDT3aと下流側第2CDT3bによってそれぞれ二次脱イオン処理(脱塩処理)され浄水として排出される。また、上流側第2CDT2bによって一次脱イオン処理(脱塩処理)された処理水は、下流側第3CDT3cの二次再生処理(再生処理)により濃縮水として排出される。
また、原水は、上流側第1CDT2aと上流側第3CDT2cの一次再生処理(再生処理)により濃縮水として排出される。
図14(b)に示す工程D〜工程Fでは、上流側の脱イオンユニットは、それぞれ工程A〜工程C(図13)と同様な制御が行なわれる。そして、下流側第2CDT3bと下流側第3CDT3cは、二次脱イオン処理(脱塩処理)し、下流側第1CDT3aは、二次再生処理(再生処理)するように制御されている。
図14(c)に示す工程G〜工程Iでは、上流側の脱イオンユニットは、それぞれ工程A〜工程C(図13)と同様な制御が行なわれる。そして、下流側第1CDT3aと下流側第3CDT3cは、二次脱イオン処理(脱塩処理)し、下流側第2CDT3bは、二次再生処理(再生処理)するように制御されている。
このように、工程A〜工程I(図14)の順に本発明の静電脱イオン装置を動作させることにより、下流側ユニット内を通流する通液の流速が遅くなり、使用者はより一層イオン成分の除去率の高い浄水を得やすくなる。
また、工程A〜工程I(図14)の順に限られず、本発明の静電脱イオン装置を工程A、工程E、工程Iの順番で繰り返し動作させてもよい。このようにすることにより、全吸着量(CDTが許容可能なイオン成分の吸着量)を100とし、1つの工程で吸着量(イオン成分の吸着量)が50に上がる場合、工程Aの終了時には、下流側第1CDT3aと下流側第2CDT3bの吸着量は50に上がり、下流側第3CDT3cの吸着量は0のままである。そして、工程Eの終了時には、下流側第1CDT3aの吸着量は0に下がり、下流側第2CDT3bの吸着量は100に上がり、下流側第3CDT3cの吸着量は50に上がる。
ついで、工程Iの終了時には、下流側第1CDT3aの吸着量は50に上がり、下流側第2CDT3bの吸着量は0に下がり、下流側第3CDT3cの吸着量は100に上がる。そして、再び工程Aの終了時には、下流側第1CDT3aの吸着量は100に上がり、下流側第2CDT3bの吸着量は50に上がり、下流側第3CDT3cの吸着量は0に下がる。このように、下流側ユニットにおいて順次再生処理を行なうことで、下流側ユニットを一層効率よく動作させることができる。
上記各実施例では、上流側ユニットと下流側ユニットが同じ数だけ配置されているが、これに限定されるものではない。例えば、上記下流側ユニットの数を上流側ユニットの数より少なくしてもよい。
例えば、図15に示すように、上流側ユニットを5つ配置して、下流側ユニットを2つ配置してもよい。この場合、上流側ユニットとして上流側第4CDT2dと上流側第5CDT2eをさらに配置し、下流側ユニットを下流側第1CDT3aと下流側第2CDT3bの2つしてもよい。このように各脱イオンユニットを配置した場合は、図15に示す工程Aを行なうようにしてもよい。
つぎに、図15を参照して、工程Aについて説明する。
図15に示す工程Aでは、上記制御装置4は、上流側第1CDT2a、上流側第2CDT2b、および上流側第3CDT2cの一次脱イオン処理(脱塩処理)をそれぞれ制御し、上流側第4CDT2dと上流側第5CDT2eの一次再生処理(再生処理)をそれぞれ制御するようになっている。また、上記制御装置4は、下流側第1CDT3aの二次脱イオン処理(脱塩処理)を制御し、下流側第2CDT3bの二次再生処理(再生処理)を制御するようになっている。
下流側第1CDT3aは、上流側第1CDT2a、上流側第2CDT2b、および上流側第3CDT2cで一次脱イオン処理(脱塩処理)された処理水をさらに二次脱イオン処理(脱塩処理)して浄水として排出する。
ここで、上記制御装置4は、下流側第1CDT3aで二次脱イオン処理を行なう間に、例えば上流側第4CDT2dと上流側第5CDT2eで一次脱イオン処理が行なわれるよう、複数の上流側ユニットにおける脱イオン処理と再生処理を制御する。
また、上記制御装置4は、1つの上流側ユニットの一次脱イオン処理よりも1つの下流側ユニットの二次脱イオン処理が長時間となるよう制御するとともに、二次脱イオン処理を行なっている下流側第1CDT3aを二次脱イオン処理から再生処理に切り換える場合には、下流側第1CDT3aを二次脱イオン処理から再生処理に切り換えるのと同時もしくはそれよりも早いタイミングで、下流側第2CDT3bにおいて二次脱イオン処理を開始するよう制御するようになっている。
上記のように、上記下流側ユニットの数は、上流側ユニットの数より少ないため、上流側ユニットと下流側ユニットの設備能力バランスを適度に保ち、設備的な無駄をなくすことができる。すなわち、上述したように、下流側ユニットは、上流側ユニットで一次脱イオン処理された通液を二次脱イオン処理することから、飽和までの時間が上流側ユニットよりもかなり長くなる。したがって、1つの下流側ユニットに対して複数の上流側ユニットを対応させて一次脱イオン処理と二次脱イオン処理を行なったとしても、上流側ユニットと下流側ユニットの能力バランスが保て、不必要な脱イオンユニットが余剰することが防止できるのである。