JP5796868B2 - 塗装鋼板 - Google Patents
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Description
本発明で用いる鋼板としては、電子・電気機器の筺体に一般的に用いられる鋼板であれば特に限定されず、これらに単一金属または各種合金のめっきを施しためっき鋼板等であってもよい。具体的には、例えば、熱延鋼板、冷延鋼板、ステンレス鋼板等の鋼板;溶融亜鉛めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、電気Zn−Ni合金めっき鋼板等のめっき鋼板が挙げられる。
本発明の塗装鋼板が有する樹脂塗膜は、その表面粗さ(平均)を1.0μm以上とする。かかる構成の塗装鋼板を用いて電気・電子機器の筺体を形成することにより、機器表面(筺体)に触れた際の体感温度を十分に低減できる。樹脂塗膜の表面粗さは、1.5μm以上が好ましく、2.0μm以上がより好ましい。
樹脂塗膜を構成する樹脂(バインダー樹脂)としては、特に限定されず、例えば、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、エポキシ樹脂、およびこれら樹脂の混合物または変性した樹脂等が挙げられる。硬度、耐磨耗性、防汚性等を考慮すると、有機溶剤可溶型(非晶性)のポリエステル系樹脂が好ましい。
本発明で用いる中空粒子や中実粒子としては、樹脂塗膜の表面粗さを上記範囲内に調整できるものであれば、特に限定されない。
樹脂塗膜の厚み、及び中空粒子や中実粒子の粒径の範囲は、樹脂塗膜の平均表面粗さが上記範囲内になれば特に限定されず、下記式(1)を指標として設計すればよい。
本発明の塗装鋼板の樹脂塗膜を有する面は、0.8以上(より好ましくは0.83以上)の赤外線放射率を示すのが好ましい。表面が0.8以上の赤外線放射率を示す塗装鋼板を用いて電気・電子機器の筺体を形成すれば、電気・電子機器の内部で発生した熱を筺体(塗装鋼板)が吸収しても、この熱を筺体(塗装鋼板)内から速やかに取り除くことができる。
鋼板表面に樹脂塗膜を形成する方法は、特に限定されず、上記樹脂に、中空粒子や中実粒子、あるいは必要に応じて架橋剤や放熱性付与剤を添加した樹脂組成物を、水あるいは有機溶剤で希釈して塗工に適した粘度に調整した後、バーコーター法、ロールコーター法、スプレー法、カーテンフローコーター法等で、鋼板表面上に塗工し、次いで乾燥する方法が挙げられる。
本発明の樹脂塗膜は、鋼板表面に化成処理を施して化成処理層を形成した後、当該化成処理層上に形成するのが好ましい。かかる構成により、鋼板と樹脂塗膜との密着性を向上できる。化成処理方法は特に限定されず、後述する方法が適用できる。化成処理層の付着量は、0.02g/m2〜0.4g/m2(より好ましくは、0.05g/m2〜0.2g/m2)とするのが好ましい。
本発明の塗装鋼板は、上記樹脂塗膜を有する面と反対側の面の赤外線放射率を、0.3以下(より好ましくは0.2以下、さらに好ましくは0.1以下)にしている。0.3以下の赤外線放射率を示す面を有する塗装鋼板を用いて電気・電子機器の筺体を形成すれば、電気・電子機器の内部で発生した熱を筺体(塗装鋼板)が吸収するのを抑制でき、筺体(塗装鋼板)が熱くなるのを防ぐことができる。
JIS B0601に準拠し、表面粗さ形状測定機(東京精密社製、SURFCOM)を用いて測定した。測定長さは10mm、カットオフ波長は0.08mmとした。
樹脂塗膜を有する面、及び表面処理膜を有する面の赤外線放射率を、下記装置を用い、その裏面側の赤外線波長域(4.5〜15.4μm)における分光放射強度(実測値)を測定して求めた。
装置:日本電子(株)製「JIR−5500型フーリエ変換赤外分光光度計」および放射測定ユニット「IRR−200」
測定波長範囲:4.5〜15.4μm
測定温度:試料の加熱温度を100℃に設定する
積算回数:200回
分解能:16cm-1
図1に示すように、熱板コントローラの熱板の上に、放熱性鋼板(コーベホーネツ(登録商標)、厚み0.8mm)を載置した。次いで、放熱性鋼板の上に、断熱材として、セラミックファイバー製の棒状の角材(100mm×15mm×20mm)を二本、平行に並べて試験装置を準備した。
製造例で製造した塗装鋼板から100mm×50mmの試験片を切り出し、試験片のほぼ中央にて表面処理膜側に二つ折りした(R=5mm)。
装置:アイデックス(株)製 振動試験機(BF−UC)
荷重:200gf
周波数:35Hz
試験時間:3時間
製造例で製造した塗装鋼板を、樹脂塗膜を上側にして熱板(50℃設定)に載せ十分に加温した後、4人のパネラーが樹脂塗膜表面を人差し指で約10秒間触って体感温度を評価した。評価方法は、パネラーのいずれもが熱く感じなかった場合を○、パネラーのいずれか一人でも熱く感じた場合を×とした。
1.下塗り樹脂層形成用の樹脂溶液の調製
バインダー樹脂としてポリエステル樹脂(バイロン(登録商標)29XS、東洋紡績社製)100質量部に、メラミン樹脂(長春メラミン樹脂M−40ST、長春人造樹脂廠股▲分▼有限公司製)を20質量部加えた後、固形分が50質量%となるようにキシレンとシクロヘキサンノンの混合溶媒(質量比50/50)で希釈して、下塗り樹脂層形成用の樹脂溶液を調製した。
バインダー樹脂としてポリエステル樹脂(バイロン29XS)100質量部に、メラミン樹脂(長春メラミン樹脂M−40ST)を20質量部加えた後、各種中空粒子あるいは中実粒子、及び放熱性付与剤としてカーボンブラック(MA100、三菱化学社製)を、樹脂成分100質量部に対して所定量添加した。次いで、固形分が50質量%となるように、キシレンとシクロヘキサンノンの混合溶媒(質量比50/50)で希釈して、樹脂組成物を調製した。
厚みが0.8mmの電気亜鉛めっき鋼板の両面に、日本パーカライジング株式会社製パルコート(登録商標)E203をバーコーター(バー#4)で塗布し、鋼板の最高到達温度が100℃となるように焼付け炉で60秒間焼付けて、化成処理層(付着量0.1g/m2)を形成した。
化成処理層を有する鋼板の一方の面に、バーコーターで下塗り樹脂層形成用の樹脂溶液を塗布し、鋼板の最高到達温度が230℃となるように焼付け炉で60秒間焼付けた(下塗り樹脂付着量9g/m2)。次いで、下塗り樹脂層の上に、樹脂組成物を塗布して、鋼板の最高到達温度が230℃となるように焼付け炉で60秒間焼付けて、所定付着量の上塗り樹脂層を形成し、塗装鋼板1〜11を作製した。樹脂及び架橋剤の合計100質量部に対する粒子の添加量、及び、樹脂塗膜全体100質量%中の放熱性付与剤の含有率を表1に示す。
製造例6及び製造例9で作製した塗装鋼板6及び9については、化成処理層上に、先に調製した下塗り樹脂層形成用の樹脂溶液をバーコーターで塗布した後、鋼板の最高到達温度が230℃となるように焼付け炉で60秒間焼付けて、所定の付着量の樹脂層をさらに形成した。
Claims (3)
- 鋼板の一方の面に、中空粒子および中実粒子の少なくとも一方を含む樹脂塗膜を有し、他方の面に、少なくとも化成処理層を含む表面処理膜を有する塗装鋼板であって、前記樹脂塗膜の表面粗さが1.0μm以上3.5μm以下であり、前記表面処理膜を有する面の赤外線放射率が0.1以下であり、前記樹脂塗膜を有する面の赤外線放射率が0.8以上であり、
前記樹脂塗膜は、下塗り樹脂層と、中空粒子又は中実粒子の少なくとも一方を含む上塗り樹脂層とを含む
ことを特徴とする塗装鋼板。 - 前記中空粒子が、前記樹脂塗膜の樹脂成分100質量部に対し、0.25質量部〜10質量部含まれる請求項1に記載の塗装鋼板。
- 前記中実粒子が、前記樹脂塗膜の樹脂成分100質量部に対し、0.5質量部〜40質量部含まれる請求項1または2に記載の塗装鋼板。
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