JP2015117293A - 熱拡散材および電子部品 - Google Patents
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Abstract
【課題】筐体表面の温度上昇およびホットスポットの発生を抑制することができ、さらに、筐体への取り付け作業がきわめて容易で、かつ、筐体への密着性に優れる、熱拡散材を提供する。さらに、そのような熱拡散材を有する、放熱性や組み立て作業性に優れた電子部品を提供する。【解決手段】本発明の熱拡散材は、熱伝導抑制層と高熱伝導層とを有し、該熱伝導抑制層は、定常法により測定される熱伝導率が0.07W/m・K以下の粘着剤組成物を含み、該粘着剤組成物は、粘着剤と、中空部分と表面層を含む中空微粒子を含み、該表面層が樹脂成分を主成分として含み、該高熱伝導層は、厚みが30μm以上で、且つ、定常法により測定される熱伝導率が300W/m・K以上の銅箔を含み、該高熱伝導層の総厚みが60μm以上である。【選択図】図1
Description
本発明は、熱拡散材および電子部品に関する。
近年、パーソナルコンピューター、タブレットPC、PDA、携帯電話、デジタルカメラ等の電子機器の小型化、薄型化および高性能化に伴い、それらの電子機器の内部に配置されたCPU、LSI、通信チップ等の電子部品の高密度化および高集積化、および、当該電子部品のプリント配線基板への高密度実装化が進んでいる。当該電子機器の薄型化により、電子部品と筐体との距離が非常に小さくなり、その結果、電子部品から筐体へ放射される熱により、筐体表面にホットスポット(部分的に温度が高いエリア)が発生するという問題、および、筐体表面の温度上昇に伴って使用者が低温火傷を起こすという問題が生じる。さらに、上記電子部品の高密度化および高集積化に伴い、当該電子部品の発熱量が大きくなっており、冷却を効率よく行わなければ、電子機器が熱暴走により誤動作してしまうという問題が生じる。
従来、電子部品から発生した熱を外部に効率よく放出する手段として、熱伝導性充填剤を充填したシリコーングリースやシリコーンゴムを、電子部品とヒートシンクとの間に設置することにより、接触熱抵抗を小さくして、熱伝導によって熱をヒートシンクに導き、ヒートシンクから空気中に放熱する手段がある。また、ヒートシンクの代わりに合金製のヒートパイプを設置し、ヒートパイプ内の熱伝導によって熱を冷却ファンに導き、当該冷却ファンから筐体外部に放熱する手段がある。これらの手段に用いられるヒートシンクおよびヒートパイプはいずれも、熱伝導率の高い物質を用いて形成されている。したがって、ヒートシンクまたはヒートパイプの筐体内における放熱により、電子部品周辺の筐体表面温度が上昇する。すなわち、これらの手段によっては、上記のホットスポットの問題および使用者の低温火傷の問題は十分に解決されない。
上記のような問題を解決するために、熱拡散材に関していくつかの技術が提案されている。特許文献1では、装置内部の発熱部と筐体との間に放熱板と真空断熱材とを重ねて配置した放熱構造が提案されている。特許文献2では、断熱シートと電子部品に密着可能な柔軟な材料で形成された熱伝導シートとを有する複合シートを、熱伝導シートが電子部品側となり、かつ、電子部品と筐体内面の両方に接触した状態で配置した放熱構造が提案されている。特許文献3では、電子部品と対向するよう筐体内面上に配置された押当部材と、当該押当部材を介して一部が電子部品に押し当てられ、かつ、他の部分が筐体内面に固着された熱拡散シートとを有する冷却構造が提案されている。特許文献4では、接着層と断熱シートとグラファイトシートと保護層とからなる熱遮断シートが、発熱部品と対向する位置の筐体の内部に該接着層を介して接着され、該熱遮断シートと該発熱部品が空間を隔てて対峙している放熱構造が提案されている。
しかし、上記特許文献に記載のいずれの技術によっても、筐体表面温度の上昇およびホットスポットの問題を十分に解決することはできない。また、上記特許文献に記載のいずれの技術においても、熱拡散材の筐体への密着性が低く、例えば、特許文献4では接着剤を用いないと筐体に固定できない。
本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、筐体表面の温度上昇およびホットスポットの発生を抑制することができ、さらに、筐体への取り付け作業がきわめて容易で、かつ、筐体への密着性に優れる、熱拡散材を提供することにある。さらに、そのような熱拡散材を有する、放熱性や組み立て作業性に優れた電子部品を提供することにある。
本発明の熱拡散材は、
熱伝導抑制層と高熱伝導層とを有し、
該熱伝導抑制層は、定常法により測定される熱伝導率が0.07W/m・K以下の粘着剤組成物を含み、
該粘着剤組成物は、粘着剤と、中空部分と表面層を含む中空微粒子を含み、
該表面層が樹脂成分を主成分として含み、
該高熱伝導層は、厚みが30μm以上で、且つ、定常法により測定される熱伝導率が300W/m・K以上の銅箔を含み、
該高熱伝導層の総厚みが60μm以上である。
熱伝導抑制層と高熱伝導層とを有し、
該熱伝導抑制層は、定常法により測定される熱伝導率が0.07W/m・K以下の粘着剤組成物を含み、
該粘着剤組成物は、粘着剤と、中空部分と表面層を含む中空微粒子を含み、
該表面層が樹脂成分を主成分として含み、
該高熱伝導層は、厚みが30μm以上で、且つ、定常法により測定される熱伝導率が300W/m・K以上の銅箔を含み、
該高熱伝導層の総厚みが60μm以上である。
好ましい実施形態としては、上記中空微粒子の平均粒子径が50μm未満である。
好ましい実施形態としては、上記中空微粒子に含まれる表面層がアクリロニトリル系共重合体を主成分とする。
好ましい実施形態としては、本発明の熱拡散材は、上記熱伝導抑制層のステンレス板に対する180度引き剥がし接着力が5N/20mm以上である。
好ましい実施形態としては、上記粘着剤が、アクリル系粘着剤、エポキシ系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤から選ばれる少なくとも1種を含む。
本発明の電子部品は、
本発明の熱拡散材を有する電子部品であって、
該電子部品は、内部に発熱体が配置された筐体を有し、
該熱拡散材が、該発熱体の放熱面と対峙する位置で該熱伝導抑制層側が該筐体に固定されている。
本発明の熱拡散材を有する電子部品であって、
該電子部品は、内部に発熱体が配置された筐体を有し、
該熱拡散材が、該発熱体の放熱面と対峙する位置で該熱伝導抑制層側が該筐体に固定されている。
好ましい実施形態としては、上記熱拡散材が上記発熱体に密着することなく、該発熱体の放熱面と対峙する位置で上記熱伝導抑制層側が前記筐体に固定されている。
好ましい実施形態としては、上記熱拡散材の上記発熱体の放熱面と対峙する側の面の面積が、該発熱体の放熱面の面積の4倍以上である。
本発明によれば、特定の熱伝導率を有する熱伝導抑制層と、特定の総厚みを有し、且つ、特定の厚みおよび熱伝導率を有する銅箔を含む高熱伝導層とを備える熱拡散材を、筐体内に配置された発熱体の放熱面と対峙する位置で該熱伝導抑制層側が該筐体に固定することにより、発熱体からの輻射熱を該高熱伝導層で効率良く反射するとともに、対流によって該高熱伝導層に伝達した熱を、該高熱伝導層の面方向に効率良く熱拡散し、かつ、該熱伝導抑制層を通じて熱拡散材の厚さ方向に徐々に伝導しながら、筐体に放熱することが可能となる。したがって、小型電子機器のような非常に狭小な空間内であっても、発熱体からの熱を非常に効率的に放熱することができ、結果として、筐体表面の温度上昇およびホットスポットの発生を良好に抑制することができる。したがって、放熱性に非常に優れた電子部品を提供することもできる。
また、本発明によれば、高熱伝導層を発熱体に接触させる必要がないので、高熱伝導層の輻射熱反射機能を有効に利用することができる。その結果、発熱体の発熱量が同等である場合には、発熱体と接触させて熱拡散のみで放熱する場合に比べて、高熱伝導層から熱伝導抑制層へ伝導される熱量を少なくすることができるので、熱伝導抑制層から筐体に放熱される熱量もまた少なくすることができ、筐体表面の過大な温度上昇を回避することができる。さらに、熱拡散材を発熱体と非接触で用いることにより、該熱拡散材を発熱体の形状に追従させる必要がない。その結果、発熱体の高さにバラツキがあっても、熱拡散材を発熱体の形状に合わせて変形させて密着させる必要がないので、発熱体(あるいは、それを含む電子部品)の公差による寸法バラツキを吸収することができ、製造効率およびコストにおいても有利である。
さらに、本発明によれば、熱拡散材の熱伝導抑制層が、その特異な構造によって、十分な粘着力を有するので、粘着剤や接着剤を用いることなく、熱伝導抑制層を介して筐体に取り付けることができ、また、筐体への取り付け作業がきわめて容易である。
A.熱拡散材の概略
本発明の熱拡散材は、熱伝導抑制層と高熱伝導層とを有する。
本発明の熱拡散材は、熱伝導抑制層と高熱伝導層とを有する。
本発明の熱拡散材の代表的な構造としては、大きさが実質的に等しい熱伝導抑制層2と高熱伝導層3からなる熱拡散材10(図1)が挙げられる。なお、大きさが異なる熱伝導抑制層2と高熱伝導層3からなる熱拡散材としても良い。また、本発明の熱拡散材は、粘着剤層および/または接着剤層を有していても良い。そのような構成の代表例としては、熱伝導抑制層2と高熱伝導層3との間に接着剤層4を有する熱拡散材11(図2)が挙げられる。さらに、本発明の熱拡散材は、発熱体との短絡防止等を目的として、絶縁層を有していても良い。そのような構成の代表例としては、熱伝導抑制層2と高熱伝導層3とが積層され、さらに高熱伝導層3の外側に絶縁層5を有する熱拡散材12(図3)が挙げられる。さらに、本発明の熱拡散材は、図1に示すような熱伝導抑制層2と高熱伝導層3からなる熱拡散材が複数重なった構造であってもよい。そのような構成の代表例としては、熱伝導抑制層2と高熱伝導層3からなる部材が2つ重なった熱拡散材13(図4)が挙げられる。
本発明の熱拡散材は、熱伝導抑制層が、後述するように、その特異な構造によって、十分な粘着力を有するので、粘着剤や接着剤を用いることなく、熱伝導抑制層を介して筐体に取り付けることができる。このため、本発明の熱拡散材は、熱伝導抑制層が最外層に位置していることが好ましい。
なお、図1〜図4において例示した熱拡散材の代表的な形態は、適宜組み合わせても良く、変更を加えても良い。例えば、本発明の熱拡散材における熱伝導抑制層は、後述するように、その特異な構造によって、十分な粘着力を有するので、粘着剤や接着剤を用いることなく、熱伝導抑制層を介して筐体に取り付けることができるが、より確実な固定のために、熱伝導抑制層の外側面にさらに粘着剤層および/または接着剤層を有していても良い。
本発明の熱拡散材は、任意の適切な形状を採り得る。本発明の熱拡散材における、厚さ、長辺および短辺等の長さは、任意の適切な値を採り得る。
本発明の熱拡散材は、熱伝導抑制層のステンレス板に対する180度引き剥がし接着力が、好ましくは5N/20mm以上であり、より好ましくは5.5N/20mm以上であり、さらに好ましくは6.0N/20mm以上であり、特に好ましくは6.5N/20mm以上であり、最も好ましくは7.0N/20mm以上である。上記接着力の上限値は、現実的には、好ましくは100N/20mm以下であり、より好ましくは50N/20mm以下であり、さらに好ましくは30N/20mm以下であり、特に好ましくは20N/20mm以下である。本発明の熱伝導抑制層のステンレス板に対する180度引き剥がし接着力を上記範囲内に調整することにより、例えば、筐体への取り付け作業がきわめて容易で、かつ、筐体への密着性に優れる熱拡散材を提供することができる。
B.熱伝導抑制層
本発明の熱拡散材においては、熱伝導抑制層の熱伝導率を小さくすることで、発熱体から対流によって高熱伝導層に伝達した熱を、該高熱伝導層の面方向に効率良く拡散することができる。その結果、高熱伝導層に伝達した熱を、熱伝導抑制層を通じて熱拡散材の厚さ方向に徐々に伝導しながら、筐体に放熱することができる。このような熱伝導抑制層は、高熱伝導層が等方的な熱伝導率を有する(方向によって熱伝導率に差が見られない)場合に、特に有効である。
本発明の熱拡散材においては、熱伝導抑制層の熱伝導率を小さくすることで、発熱体から対流によって高熱伝導層に伝達した熱を、該高熱伝導層の面方向に効率良く拡散することができる。その結果、高熱伝導層に伝達した熱を、熱伝導抑制層を通じて熱拡散材の厚さ方向に徐々に伝導しながら、筐体に放熱することができる。このような熱伝導抑制層は、高熱伝導層が等方的な熱伝導率を有する(方向によって熱伝導率に差が見られない)場合に、特に有効である。
熱伝導抑制層は、定常法により測定される熱伝導率が0.07W/m・K以下の粘着剤組成物を含む。熱伝導抑制層中の粘着剤組成物の含有割合は、好ましくは50重量%以上であり、より好ましくは70重量%以上であり、さらに好ましくは90重量%以上であり、特に好ましくは95重量%であり、最も好ましくは実質的に100重量%である。
本発明における粘着剤組成物は、十分な粘着力を有するとともに、特定の構成成分を有することによって熱伝導率が小さいため、受け取った熱が厚さ方向に直ちに伝導することを抑制することができ、その結果、例えば、内部に発熱体を有する筐体の該発熱体の放熱面と対峙する位置に貼り付けた場合に、厚さ方向に徐々に伝導しながら筐体に放熱することができる。
定常法により測定される粘着剤組成物の熱伝導率は0.07W/m・K以下であり、好ましくは0.065W/m・K以下であり、より好ましくは0.06W/m・K以下であり、さらに好ましくは0.055W/m・K以下であり、特に好ましくは0.05W/m・K以下である。粘着剤組成物の定常法により測定される熱伝導率が0.07W/m・Kより大きいと、受け取った熱が厚さ方向に直ちに伝導するので、例えば、内部に発熱体を有する筐体の該発熱体の放熱面と対峙する位置に貼り付けた場合に、筐体表面の温度上昇の抑制効果およびホットスポット抑制効果が低下するおそれがある。
粘着剤組成物は、中空部分と表面層を含む中空微粒子を含む。具体的には、本発明における中空微粒子の形状は、中空部分が表面層(シェル層ともいうことがある)によって覆われた形状であり、コアシェル形状のコア部分が中空になっている形状である。粘着剤組成物がこのような中空微粒子を含むことにより、十分な粘着力を有するとともに、受け取った熱が厚さ方向に直ちに伝導することを抑制することができ、その結果、例えば、内部に発熱体を有する筐体の該発熱体の放熱面と対峙する位置に貼り付けた場合に、厚さ方向に徐々に伝導しながら筐体に放熱することができる、熱伝導率の小さい粘着剤組成物を提供することができる。
中空微粒子の表面層は、樹脂成分を主成分として含む。中空微粒子の表面層中の樹脂成分の含有割合は、好ましくは50重量%以上であり、より好ましくは60重量%以上であり、さらに好ましくは70重量%であり、さらに好ましくは80重量%以上であり、特に好ましくは90重量%以上であり、最も好ましくは実質的に100重量%である。中空微粒子の表面層が樹脂成分を主成分として含むことにより、十分な粘着力を有するとともに、受け取った熱が厚さ方向に直ちに伝導することを抑制することができ、その結果、例えば、内部に発熱体を有する筐体の該発熱体の放熱面と対峙する位置に貼り付けた場合に、厚さ方向に徐々に伝導しながら筐体に放熱することができる、熱伝導率の小さい粘着剤組成物を提供することができる。
中空微粒子の表面層に含まれる樹脂成分としては、本発明の効果が発現できる範囲内で、任意の適切な樹脂成分を採用し得る。このような樹脂成分としては、例えば、アクリル系共重合体、アクリロニトリル系共重合体、塩化ビニリデン系共重合体などが挙げられる。これらの中でも、アクリロニトリル系共重合体が好ましい。すなわち、中空微粒子に含まれる表面層がアクリロニトリル系共重合体を主成分とすることが好ましい。中空微粒子に含まれる表面層がアクリロニトリル系共重合体を主成分とすることにより、十分な粘着力を有するとともに、受け取った熱が厚さ方向に直ちに伝導することを抑制することができ、その結果、例えば、内部に発熱体を有する筐体の該発熱体の放熱面と対峙する位置に貼り付けた場合に、厚さ方向に徐々に伝導しながら筐体に放熱することができる、熱伝導率の小さい粘着剤組成物を提供することができる。
中空微粒子の平均粒子径は、好ましくは50μm未満であり、より好ましくは45μm以下であり、さらに好ましくは40μm以下であり、特に好ましくは35μm以下であり、最も好ましくは30μm以下である。中空微粒子の平均粒子径を上記範囲内に調整することにより、十分な粘着力を有するとともに、受け取った熱が厚さ方向に直ちに伝導することを抑制することができ、その結果、例えば、内部に発熱体を有する筐体の該発熱体の放熱面と対峙する位置に貼り付けた場合に、厚さ方向に徐々に伝導しながら筐体に放熱することができる、熱伝導率の小さい粘着剤組成物を提供することができる。
中空微粒子の比重は、好ましくは0.01g/cm3〜0.8g/cm3であり、より好ましくは0.01g/cm3〜0.7g/cm3であり、さらに好ましくは0.01g/cm3〜0.6g/cm3であり、特に好ましくは0.01g/cm3〜0.5g/cm3である。中空微粒子の比重を上記範囲内に調整することにより、十分な粘着力を有するとともに、受け取った熱を面方向に一層効率良く拡散することができ、その結果、例えば、内部に発熱体を有する筐体の該発熱体の放熱面と対峙する位置に貼り付けた場合に、厚さ方向に徐々に伝導しながら筐体に放熱することができる、熱伝導率の小さい粘着剤組成物を提供することができる。中空微粒子の比重が0.01g/cm3よりも小さいと、中空微粒子を粘着剤組成物の構成母材(後述する)中に配合して混合や保存を行う際に、中空微粒子の浮き上がりが大きくなってしまい、均一に分散することが困難になるおそれや、分散状態を維持することが困難になるおそれがある。また、中空微粒子の比重が0.8g/cm3よりも大きいと、目的の熱伝導率を達成するために必要な添加量が増加してしまい、コストが高くなってしまうおそれや、中空微粒子を粘着剤組成物の構成母材(後述する)中に配合して混合や保存を行う際に高粘度となって均一に分散できなくなるおそれがある。
中空微粒子の表面層は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な大きさの貫通孔を有していても良い。
粘着剤組成物中における中空微粒子の含有割合は、体積占有率として、好ましくは20体積%以上であり、より好ましくは30体積%以上であり、さらに好ましくは40体積%以上であり、特に好ましくは50体積%以上である。熱伝導抑制層中における中空微粒子の含有割合の上限値は、好ましくは80体積%以下であり、より好ましくは70体積%以下である。粘着剤組成物中における中空微粒子の含有割合を上記範囲内に調整することにより、十分な粘着力を有するとともに、受け取った熱が厚さ方向に直ちに伝導することを抑制することができ、その結果、例えば、内部に発熱体を有する筐体の該発熱体の放熱面と対峙する位置に貼り付けた場合に、厚さ方向に徐々に伝導しながら筐体に放熱することができる、熱伝導率の小さい粘着剤組成物を提供することができる。
粘着剤組成物は、構成母材として、好ましくは、粘着剤を含む。粘着剤としては、好ましくは、アクリル系粘着剤、エポキシ系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤から選ばれる少なくとも1種を含む。
このような粘着剤の構成としては、当業界で通常用いられている構成を採用することができる。このような粘着剤としては、より好ましくは、アクリル系粘着剤である。
以下、粘着剤がアクリル系粘着剤である場合を代表例として、粘着剤組成物の製造方法について説明する。
粘着剤組成物は、任意の適切な方法で製造され得る。このような製造方法としては、例えば、構成母材としての粘着剤の原料と中空微粒子を含む混合物を賦形および重合することによって製造され得る。好ましくは、構成母材としての粘着剤の原料と中空微粒子を含む活性エネルギー線重合型粘着剤組成物を賦形および重合することによって製造され得る。より詳細には、粘着剤組成物は、上記のような活性エネルギー線重合型粘着剤組成物(モノマー組成物)を基材の一面に塗工した後に、活性エネルギー線重合により該モノマー組成物を重合することにより形成される。活性エネルギー線重合を用いることにより、用いる活性エネルギー線の照射強度や照射時間等を制御することで、所望の特性を有する粘着剤組成物を形成することができ、かつ、初期にゲル化率が飽和するため、架橋のための養生時間を必要としないので、製造効率上も有利である。さらに、モノマー以外は、有機溶剤などの環境負荷物質を使用しなくても良いので、環境面からも好ましい方法である。
活性エネルギー線としては、例えば、紫外線、可視光線、電子線などが挙げられる。これらの中でも、好ましくは、紫外線、可視光線であり、より好ましくは、波長が200nm〜800nmの可視光線〜紫外線であり、さらに好ましくは紫外線である。
このような重合方法においては、例えば、モノマー成分と中空微粒子と光重合開始剤と架橋剤とを含む紫外線重合型粘着剤組成物を基材の一面に直接塗工し、不活性ガス雰囲気下あるいはシリコーン等の剥離剤をコートした紫外線透過性フィルムによる被覆で酸素が遮断された状態で紫外線を照射することにより、粘着剤組成物を得ることができる。
モノマー成分は、好ましくは、エチレン性不飽和モノマーを含む。エチレン性不飽和モノマーとしては、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーであれば、任意の適切なモノマーを採用することができる。1つの実施形態においては、モノマー成分の実質的にすべてが、エチレン性不飽和モノマーで構成され得る。エチレン性不飽和モノマーは、1種のみでも良く、2種以上でも良い。
エチレン性不飽和モノマーは、好ましくは(メタ)アクリル酸エステルを含む。エチレン性不飽和モノマー中の(メタ)アクリル酸エステルの含有割合は、好ましくは80重量%以上であり、より好ましくは85重量%以上である。(メタ)アクリル酸エステルの含有割合の上限値は、好ましくは、100重量%以下であり、より好ましくは98重量%以下である。(メタ)アクリル酸エステルは、1種のみでも良く、2種以上でも良い。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、好ましくは、炭素数が1個〜20個のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートである。上記アルキル基の炭素数は、より好ましくは1個〜18個であり、さらに好ましくは4個〜18個であり、特に好ましくは4個〜14個である。なお、本明細書において、アルキル基という概念には、通常のアルキル基以外に、シクロアルキル基、アルキル(シクロアルキル)基、(シクロアルキル)アルキル基をも含む。また、(メタ)アクリルとは、アクリルおよび/またはメタクリルの意味であり、(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよび/またはメタクリレートの意味である。
炭素数が1個〜20個のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、へキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、n−トリデシル(メタ)アクリレート、n−テトラデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ノナデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの中でも、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートが好ましい。
エチレン性不飽和モノマーは、好ましくは、(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な極性モノマーをさらに含む。当該極性モノマーを含むことにより、本発明の効果がより顕著となる粘着剤層を得ることができる。エチレン性不飽和モノマー中の極性モノマーの含有割合は、好ましくは0重量%を超えており、より好ましくは1重量%以上であり、さらに好ましくは2重量%以上である。極性モノマーの含有割合の上限値は、好ましくは20重量%以下であり、より好ましくは15重量%以下である。極性モノマーは、1種のみでも良く、2種以上でも良い。
極性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸などのカルボキシル基含有モノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水物モノマー;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリル、(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシル基含有モノマー;N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有モノマー;などが挙げられる。
活性エネルギー線重合型粘着剤組成物には、好ましくは、光重合開始剤が含まれる。光重合開始剤としては、例えば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(例として、BASF製、商品名;ダロキュア−2959)、α−ヒドロキシ−α,α’−ジメチルアセトフェノン(例として、BASF製、商品名;ダロキュア−1173)、メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(例として、BASF製、商品名;イルガキュア−651)、2−ヒドロキシ−2−シクロヘキシルアセトフェノン(例として、BASF製、商品名;イルガキュア−184)などのアセトフェノン系光重合開始剤;ベンジルジメチルケタールなどのケタール系光重合開始剤;その他のハロゲン化ケトン;アシルフォスフィンオキサイド(例として、BASF製、商品名;イルガキュア−819);などを挙げることができる。光重合開始剤は、1種のみでも良く、2種以上でも良い。
光重合開始剤の含有割合は、活性エネルギー線重合型粘着剤組成物全体に対し、好ましくは0.05重量%以上であり、より好ましくは0.1重量%以上である。光重合開始剤の含有割合の上限値は、好ましくは5.0重量%以下であり、より好ましくは1.0重量%以下である。光重合開始剤の含有割合が0.05重量%未満の場合には、未反応のモノマー成分が多くなり、得られる粘着剤組成物の残存モノマー量が増加するおそれがある。重合開始剤の含有割合が5.0重量%を超える場合には、得られる粘着剤組成物のゲル分率が低下するおそれがある。
なお、光重合開始剤によるラジカル発生量は、照射する光の種類、強度、照射時間、モノマー混合物中の溶存酸素量などによって変化し得る。また、溶存酸素が多い場合には、光重合開始剤によるラジカル発生量が抑制され、重合が十分に進行せず、未反応物が多くなることがある。したがって、光照射の前に、反応系中に窒素等の不活性ガスを吹き込み、酸素を不活性ガスで置換、または、減圧処理によって脱気しておくことが好ましい。
活性エネルギー線重合型粘着剤組成物には、好ましくは、架橋剤が含まれる。架橋剤は、代表的には、ポリマー鎖同士を連結して三次元的な分子構造を構築するために用いられる。架橋剤の種類と含有量の選択は、得られる粘着剤組成物に所望される構造的特性、機械的特性、および流体処理特性に応じて決定され得る。架橋剤の具体的な種類および含有量の選択は、粘着剤組成物の構造的特性、機械的特性、および流体処理特性の望ましい組み合わせを実現する上で重要となる。架橋剤は、1種のみでも良く、2種以上でも良い。
粘着剤組成物の形成においては、好ましくは、架橋剤として、多官能(メタ)アクリレートおよび多官能(メタ)アクリルアミドから選ばれる1種以上が使用され得る。ここで、多官能(メタ)アクリレートとは、1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和基を有する(メタ)アクリレートであり、多官能(メタ)アクリルアミドとは、1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和基を有する(メタ)アクリルアミドである。
架橋剤として、重量平均分子量の異なる少なくとも2種類の架橋剤を用いても良い。
多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジアクリレート類、トリアクリレート類、テトラアクリレート類、ジメタクリレート類、トリメタクリレート類、テトラメタクリレート類などが挙げられる。
多官能(メタ)アクリレートは、例えば、ジオール類、トリオール類、テトラオール類、ビスフェノールA類などから誘導できる。具体的には、例えば、1,10−デカンジオール、1,8−オクタンジオール、1,6ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4ブタン−2−エンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ヒドロキノン、カテコール、レゾルシノール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールAプロピレンオキサイド変性物などから誘導できる。
多官能(メタ)アクリルアミドとしては、例えば、ジアクリルアミド類、トリアクリルアミド類、テトラアクリルアミド類、ジメタクリルアミド類、トリメタクリルアミド類、テトラメタクリルアミド類などが挙げられる。
多官能(メタ)アクリルアミドは、例えば、対応するジアミン類、トリアミン類、テトラアミン類などから誘導できる。
架橋剤の使用量は、活性エネルギー線重合型粘着剤組成物中のエチレン性不飽和モノマーの合計量100重量部に対して、好ましくは0.05重量部以上であり、より好ましくは0.08重量部以上である。架橋剤の使用量の上限値は、好ましくは2重量部以下であり、より好ましくは1.5重量部以下である。架橋剤の使用量が、活性エネルギー線重合型粘着剤組成物中のエチレン性不飽和モノマーの合計量100重量部に対して0.05重量部未満の場合、耐熱性が低下してしまうおそれがある。架橋剤の使用量が、活性エネルギー線重合型粘着剤組成物中のエチレン性不飽和モノマーの合計量100重量部に対して2重量部を超える場合、得られる粘着剤組成物の粘着力が低下してしまうおそれがある。
活性エネルギー線重合型粘着剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な添加剤が含まれ得る。このような添加剤としては、例えば、粘着付与樹脂;タルク;炭酸カルシウム、ケイ酸やその塩類、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、水酸化アルミニウム、クレー、雲母粉、亜鉛華、ベントナイン、カーボンブラック、シリカ、アセチレンブラックなどの充填剤;顔料;染料;などが挙げられる。このような添加剤は、1種のみであっても良く、2種以上であっても良い。
活性エネルギー線重合型粘着剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なその他の成分が含まれ得る。このようなその他の成分としては、代表的には、酸化防止剤、光安定剤などが挙げられる。その他の成分は、1種のみであってもよく、2種以上であってもよい。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤、リン系酸化防止剤などが挙げられる。酸化防止剤の含有割合は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な含有割合を採用し得る。酸化防止剤は、1種のみであってもよく、2種以上であってもよい。
活性エネルギー線の照射による重合を用いた熱伝導抑制層の製造方法においては、上記のとおり、活性エネルギー線は、好ましくは波長が200nm〜800nmの可視光線〜紫外線であり、より好ましくは紫外線である。200nm〜800nmの波長で活性化できる光重合開始剤は入手しやすく、光源も入手しやすい。活性エネルギー線の波長は、より好ましくは300nm以上である。活性エネルギー線の波長の上限値は、より好ましくは450nm以下である。
活性エネルギー線の照射に用いられる代表的な装置としては、例えば、紫外線照射を行うことができる紫外線ランプとして、波長300nm〜400nm領域にスペクトル分布を持つ装置が挙げられ、その例としては、ケミカルランプ、ブラックライト(東芝ライテック(株)製)、メタルハライドランプ、LEDランプなどが挙げられる。
活性エネルギー線の照射を行う際の照度は、照射装置から被照射物までの距離や電圧の調節によって、任意の適切な照度に設定され得る。例えば、特開2003−13015号公報に開示された方法によって、各工程における紫外線照射をそれぞれ複数段階に分割して行い、それにより重合反応を精密に調節することができる。
紫外線照射は、重合禁止作用のある酸素が及ぼす悪影響を防ぐために、例えば、熱可塑性樹脂フィルム等の基材の一面に活性エネルギー線重合型粘着剤組成物を塗工して賦形した後に不活性ガス雰囲気下で行うことや、熱可塑性樹脂フィルム等の基材の一面に活性エネルギー線重合型粘着剤組成物を塗工して賦形した後にシリコーン等の剥離剤をコートしたポリエチレンテレフタレート等の紫外線は通過するが酸素を遮断するフィルムを被覆させて行うことが好ましい。
熱可塑性樹脂フィルムとしては、一面に活性エネルギー線重合型粘着剤組成物を塗工して賦形できるものであれば、任意の適切な熱可塑性樹脂フィルムを採用し得る。熱可塑性樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステル、オレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルなどのプラスチックフィルムやシートが挙げられる。また、該フィルムは、一方またはその両面に剥離処理されていてもよい。
不活性ガス雰囲気とは、光照射ゾーン中の酸素を不活性ガスにより置換した雰囲気をいう。したがって、不活性ガス雰囲気においては、できるだけ酸素が存在しないことが好ましく、酸素濃度で5000ppm以下であることが好ましい。
熱伝導抑制層の厚みは、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な厚みを採用し得る。本発明の熱拡散材を電子部品の内部に固定して用いることを考慮する場合、熱伝導抑制層の厚みは、例えば、好ましくは1μm〜1000μmであり、より好ましくは5μm〜500μmであり、さらに好ましくは10μm〜100μmである。
C.高熱伝導層
本発明の熱拡散材は高熱伝導層を有し、該高熱伝導層は、厚みが30μm以上で、且つ、定常法により測定される熱伝導率が300W/m・K以上の銅箔を含み、該高熱伝導層の総厚みが60μm以上である。本発明の熱拡散材が、このような、特定の総厚みを有し、且つ、特定の厚みおよび熱伝導率を有する銅箔を含む高熱伝導層を備えることにより、発熱体からの輻射伝熱を抑制することができ、かつ、発熱体からの対流による熱伝達に起因する発熱体の温度上昇を抑制することができるとともに、高熱伝導層内での面方向の熱拡散によって、筐体表面の温度上昇およびホットスポットを抑制することが可能になる。また、本発明の熱拡散材においては、高熱伝導層を発熱体に接触させる必要がないので、高熱伝導層の輻射熱反射機能を有効に利用することができる。その結果、発熱体の発熱量が同等である場合には、発熱体と接触させて熱拡散のみで放熱する場合に比べて、高熱伝導層から熱伝導抑制層へ伝導される熱量を少なくすることができるので、熱伝導抑制層から筐体に放熱される熱量もまた少なくすることができ、筐体表面の過大な温度上昇を回避することができる。さらに、本発明の熱拡散材は、特定の総厚みを有し、且つ、特定の厚みおよび熱伝導率を有する銅箔を含む高熱伝導層が備えられることにより、熱拡散材をロール形状の養生状態から巻き戻した際のカール変形が少ないため、加工作業性に非常に優れる。したがって、本発明の熱拡散材を電子部品に実装する際の、加工作業性、実装作業性に非常に優れる。
本発明の熱拡散材は高熱伝導層を有し、該高熱伝導層は、厚みが30μm以上で、且つ、定常法により測定される熱伝導率が300W/m・K以上の銅箔を含み、該高熱伝導層の総厚みが60μm以上である。本発明の熱拡散材が、このような、特定の総厚みを有し、且つ、特定の厚みおよび熱伝導率を有する銅箔を含む高熱伝導層を備えることにより、発熱体からの輻射伝熱を抑制することができ、かつ、発熱体からの対流による熱伝達に起因する発熱体の温度上昇を抑制することができるとともに、高熱伝導層内での面方向の熱拡散によって、筐体表面の温度上昇およびホットスポットを抑制することが可能になる。また、本発明の熱拡散材においては、高熱伝導層を発熱体に接触させる必要がないので、高熱伝導層の輻射熱反射機能を有効に利用することができる。その結果、発熱体の発熱量が同等である場合には、発熱体と接触させて熱拡散のみで放熱する場合に比べて、高熱伝導層から熱伝導抑制層へ伝導される熱量を少なくすることができるので、熱伝導抑制層から筐体に放熱される熱量もまた少なくすることができ、筐体表面の過大な温度上昇を回避することができる。さらに、本発明の熱拡散材は、特定の総厚みを有し、且つ、特定の厚みおよび熱伝導率を有する銅箔を含む高熱伝導層が備えられることにより、熱拡散材をロール形状の養生状態から巻き戻した際のカール変形が少ないため、加工作業性に非常に優れる。したがって、本発明の熱拡散材を電子部品に実装する際の、加工作業性、実装作業性に非常に優れる。
高熱伝導層に含まれる銅箔は、厚みが30μm以上で、且つ、定常法により測定される熱伝導率が300W/m・K以上である。高熱伝導層には、このような銅箔が1枚のみ含まれていても良いし、2枚以上含まれていても良い。
高熱伝導層に含まれる銅箔の厚みは、1枚当たりの厚みが30μm以上であれば、目的に応じて、任意の適切な厚みに調整し得る。高熱伝導層に含まれる銅箔の厚みが30μm未満の場合、筐体表面温度の上昇およびホットスポットの問題を十分に解決することができないおそれがあり、また、得られる熱拡散材を製造後にロール形状によって養生した後にロール形状から巻き戻すと、カール変形が生じてしまい、加工作業性に非常に劣ってしまうおそれがある。
高熱伝導層の総厚みが60μm以上であるため、例えば、銅箔が1枚の場合は、その1枚当たりの厚みは、好ましくは60μm以上であり、より好ましくは65μm以上であり、さらに好ましくは70μm以上である。銅箔が1枚の場合のその1枚当たりの厚みの上限については、好ましくは1000μm以下であり、より好ましくは500μmであり、さらに好ましくは300μm以下である。また、例えば、銅箔が2枚の場合は、その1枚当たりの厚みは、好ましくは30μm以上であり、より好ましくは32.5μm以上であり、さらに好ましくは35μm以上である。銅箔が2枚の場合のその1枚当たりの厚みの上限については、好ましくは500μm以下であり、より好ましくは250μmであり、さらに好ましくは150μm以下である。
高熱伝導層に含まれる銅箔の定常法により測定される熱伝導率は300W/m・K以上であり、より好ましくは350W/m・K以上であり、さらに好ましくは400W/m・K以上である。高熱伝導層に含まれる銅箔の定常法により測定される熱伝導率が300W/m・Kより小さいと、熱伝導抑制層からの固体熱伝導性が低下するため、発熱体から放出される遠赤外線を熱伝導抑制層が効率よく吸収することができなくなり、発熱体の温度上昇を抑制することができなくなるおそれがある。なお、熱伝導率の実用的な上限は、例えば、1500W/m・K以下である。
高熱伝導層の総厚みは60μm以上であり、好ましくは65μm以上であり、より好ましくは70μm以上である。高熱伝導層の総厚みの上限は、目的に応じて、任意の適切な厚みに調整し得る。高熱伝導層の総厚みの上限は、例えば、好ましくは1000μm以下であり、より好ましくは500μmであり、さらに好ましくは300μm以下である。高熱伝導層の総厚みが60μm未満の場合、筐体表面温度の上昇およびホットスポットの問題を十分に解決することができないおそれがあり、また、得られる熱拡散材を製造後にロール形状によって養生した後にロール形状から巻き戻すと、カール変形が生じてしまい、加工作業性に非常に劣ってしまうおそれがある。
高熱伝導層には、銅箔以外の任意の適切な熱伝導層が含まれていても良い。しかしながら、本発明の効果をより一層発現させるためには、高熱伝導層は1枚の銅箔または2枚以上の銅箔の積層体からなることが好ましい。
D.粘着剤層
粘着剤層としては、任意の適切な粘着剤で形成された粘着剤層を採用することができる。用いられる粘着剤の具体例としては、アクリル系粘着剤、エポキシ系粘着剤、シリコーン系粘着剤が挙げられる。
粘着剤層としては、任意の適切な粘着剤で形成された粘着剤層を採用することができる。用いられる粘着剤の具体例としては、アクリル系粘着剤、エポキシ系粘着剤、シリコーン系粘着剤が挙げられる。
粘着剤層の厚みは、好ましくは0.01mm〜0.05mmであり、より好ましくは0.01mm〜0.03mmである。粘着剤層の厚みが0.01mmより小さいと、粘着面に対する追従性に劣り、これによって剥離が生じた場合には、固体熱伝導性が低下する場合が多い。一方、粘着剤層の厚みが0.1mmを超えると、薄型化が進む電子機器に対し、非接触条件での熱拡散材の導入が困難となるおそれがある。
E.接着剤層
接着剤層としては、任意の適切な接着剤で形成された粘着剤層を採用することができる。用いられる粘着剤の具体例としては、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、シリコーン系接着剤が挙げられる。
接着剤層としては、任意の適切な接着剤で形成された粘着剤層を採用することができる。用いられる粘着剤の具体例としては、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、シリコーン系接着剤が挙げられる。
接着剤層の厚みは、好ましくは0.01mm〜0.05mmであり、より好ましくは0.01mm〜0.03mmである。粘着剤層の厚みが0.01mmより小さいと、接着面に対する追従性に劣り、これによって剥離が生じた場合には、固体熱伝導性が低下する場合が多い。一方、粘着剤層の厚さが0.1mmを超えると、薄型化が進む電子機器に対し、非接触条件での熱拡散材の導入が困難となるおそれがある。
F.絶縁層
絶縁層としては、任意の適切な絶縁性材料によって形成された絶縁層を採用することができる。用いられる絶縁層の具体例としては、例えば、ポリエステル層などの絶縁性樹脂の層が挙げられる。
絶縁層としては、任意の適切な絶縁性材料によって形成された絶縁層を採用することができる。用いられる絶縁層の具体例としては、例えば、ポリエステル層などの絶縁性樹脂の層が挙げられる。
G.熱拡散材の用途
本発明の熱拡散材は、内部に発熱体を有する筐体に固定して用いられ、高熱伝導層が該発熱体の放熱面と対峙する位置で熱伝導抑制層側が該筐体に固定される。このようにして得られる熱拡散材付筐体は、発熱体の温度上昇が抑制され、筐体表面にホットスポットが発生し難く、筐体表面の温度上昇も抑制される。さらに、本発明の熱拡散材は、熱伝導抑制層が非常に優れた粘着性を有するので、筐体への取り付け作業がきわめて容易で、かつ、筐体への密着性に優れる。
本発明の熱拡散材は、内部に発熱体を有する筐体に固定して用いられ、高熱伝導層が該発熱体の放熱面と対峙する位置で熱伝導抑制層側が該筐体に固定される。このようにして得られる熱拡散材付筐体は、発熱体の温度上昇が抑制され、筐体表面にホットスポットが発生し難く、筐体表面の温度上昇も抑制される。さらに、本発明の熱拡散材は、熱伝導抑制層が非常に優れた粘着性を有するので、筐体への取り付け作業がきわめて容易で、かつ、筐体への密着性に優れる。
H.電子部品
本発明の電子部品は、本発明の熱拡散材を有する電子部品であって、該電子部品は、内部に発熱体が配置された筐体を有し、該熱拡散材が、該発熱体の放熱面と対峙する位置で該熱伝導抑制層側が該筐体に固定されている。
本発明の電子部品は、本発明の熱拡散材を有する電子部品であって、該電子部品は、内部に発熱体が配置された筐体を有し、該熱拡散材が、該発熱体の放熱面と対峙する位置で該熱伝導抑制層側が該筐体に固定されている。
図5は、本発明の電子部品の1つの実施形態を示した概略断面図である。図5に示す電子部品は、内部に発熱体20が配置された筐体30を有し、熱伝導抑制層2と高熱伝導層3からなる熱拡散材10が、発熱体20の放熱面と対峙する位置で熱伝導抑制層2側が筐体30に固定されている。
図5に示すように、本発明の電子部品においては、好ましくは、熱伝導抑制層2が筐体30に直接に固定される。これは、熱伝導抑制層2が、その特異な構造によって、十分な粘着力を有するので、粘着剤や接着剤を用いることなく、直接に筐体30に取り付けることができるからである。
図5に示すように、本発明の電子部品においては、好ましくは、熱拡散材10が発熱体20に密着することなく、発熱体20の放熱面と対峙する位置で熱伝導抑制層2が筐体30に固定されている。しかしながら、電子部品のサイズによっては、熱拡散材10と発熱体20とが密着する状態でそれぞれが筐体30に固定されざるをえない場合もあり得る。このような場合には、例えば、熱拡散材10と発熱体20との間に絶縁層を存在させ、短絡を防止することが好ましい。この絶縁層は、好ましくは、熱拡散材10の熱伝導抑制層2における発熱体20の放熱面と対峙する側に設けられる。
本発明の電子部品においては、図5に示すように、熱拡散材10の発熱体20の放熱面と対峙する側の面の面積が、発熱体10の放熱面の面積の4倍以上であることが好ましく、5倍以上であることがより好ましく、8倍以上であることがさらに好ましく、10倍以上であることが特に好ましい。上記面積倍率の上限は、電子部品のサイズによって任意の適切な値を採り得るが、現実的には、好ましくは100倍以下であり、より好ましくは50倍以下であり、さらに好ましくは30倍以下である。熱拡散材10の発熱体20の放熱面と対峙する側の面の面積が、発熱体10の放熱面の面積の4倍以上であることにより、放熱性に非常に優れた電子部品を提供することができる。このような構成であれば、発熱体で生じた熱を、高熱伝導層を介して面方向に効率的に拡散することができ、高熱伝導層で拡散された熱が熱伝導抑制層を介して筐体表面に徐々に伝導するので、筐体表面の局所的な温度上昇を防ぐことが可能となる。熱拡散材10の発熱体20の放熱面と対峙する側の面の面積が、発熱体10の放熱面の面積の4倍未満の場合には、高熱伝導層内での面方向の熱拡散性が不十分となり、筐体表面のホットスポット発生の抑制効果が不十分となるおそれがある。
〔分子量の測定〕
GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)により重量平均分子量を求めた。
装置:東ソー(株)製「HLC−8020」
カラム:東ソー(株)製「TSKgel GMHHR−H(20)」
溶媒:テトラヒドロフラン
標準物質:ポリスチレン
GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)により重量平均分子量を求めた。
装置:東ソー(株)製「HLC−8020」
カラム:東ソー(株)製「TSKgel GMHHR−H(20)」
溶媒:テトラヒドロフラン
標準物質:ポリスチレン
〔粘着剤組成物中の中空微粒子の体積占有率の算出〕
各種中空微粒子の比重(または密度)を、カタログ値等を参考にして把握し、粘着剤組成物の比重を1として、粘着剤組成物中の中空微粒子の体積占有率を下記式に従って算出した。
粘着剤組成物中の中空微粒子の体積占有率
=[(中空微粒子の重量×中空微粒子の比重)×100]/[(中空微粒子の重量×中空微粒子の比重)+粘着剤組成物の重量]
各種中空微粒子の比重(または密度)を、カタログ値等を参考にして把握し、粘着剤組成物の比重を1として、粘着剤組成物中の中空微粒子の体積占有率を下記式に従って算出した。
粘着剤組成物中の中空微粒子の体積占有率
=[(中空微粒子の重量×中空微粒子の比重)×100]/[(中空微粒子の重量×中空微粒子の比重)+粘着剤組成物の重量]
〔熱伝導抑制層のステンレス板に対する180度引き剥がし接着力の測定〕
熱伝導抑制層をポリエステル粘着テープ(商品名「No.31B」、日東電工(株)製、厚み50μm)にハンドローラーを使用して裏打ちし、基材付きの熱伝導抑制シートを得た。これを90mm×20mmの試験片サイズにカットした。被着体として30mm×100mm×厚さ2mmのステンレス板(SUS304)を使用した。被着体に試験片を2kgローラーで1往復して貼り合せ、23℃で30分放置後、ステンレス板に対する180度引き剥がし接着力を測定した。引張速度は300mm/minとした。
熱伝導抑制層をポリエステル粘着テープ(商品名「No.31B」、日東電工(株)製、厚み50μm)にハンドローラーを使用して裏打ちし、基材付きの熱伝導抑制シートを得た。これを90mm×20mmの試験片サイズにカットした。被着体として30mm×100mm×厚さ2mmのステンレス板(SUS304)を使用した。被着体に試験片を2kgローラーで1往復して貼り合せ、23℃で30分放置後、ステンレス板に対する180度引き剥がし接着力を測定した。引張速度は300mm/minとした。
〔熱伝導率の測定〕
熱伝導率は、図6に示す測定装置によって測定した。
(i)測定装置の構成
1辺が20mmの立方体となるように形成されたアルミニウム製(A5052、熱伝導率:140W/m・K)の一対のロッドL間に、試験片(20mm×20mm)を挟み込む。次いで、一対のロッドが上下となるように発熱体(ヒーターブロック)Hと放熱体(冷却水が内部を循環するように構成された冷却ベース板)Cとの間に配置する。より具体的には、上側のロッドL上に発熱体Hを配置し、下側にロッドLの下に放熱体Cを配置する。
ここで、一対のロッドLは、発熱体および放熱体を貫通する一対の圧力調整用ネジTの間に位置している。なお、圧力調整用ネジTと発熱体Hとの間にはロードセルRが配置されており、圧力調整用ネジTを締めこんだ際の圧力が測定されるように構成されており、かかる圧力を試験片に加わる圧力とする。
さらに、下側のロッドLおよび試験片を放熱体C側から貫通するように接触式変位計の3本のプローブP(直径1mm)を設置する。この際、プローブPの上端部は、上側のロッドLの下面に接触した状態になっており、上下のロッドL間の間隔(試験片の厚み)を測定可能に構成されている。
発熱体Hおよび上下のロッドLには温度センサーDを取り付ける。具体的には、発熱体Hの1箇所、各ロッドLの上下方向に5mm間隔で5箇所、温度センサーDを取り付ける。
(ii)測定
測定は、まず初めに、圧力調整用ネジTを締めこんで、試験片に圧力を加え、発熱体Hの温度を80℃に設定するともに、放熱体Cに20℃の冷却水を循環させた。
次いで、発熱体Hおよび上下のロッドLの温度が安定した後、上下のロッドLの温度を各温度センサーDで測定し、上下のロッドLの熱伝導率と温度勾配から試験片を通過する熱流束を算出するとともに、上下のロッドLの試験片との界面の温度を算出した。これらを用いて当該圧縮率における熱伝導率(W/m・K)を算出した。
熱伝導率は、図6に示す測定装置によって測定した。
(i)測定装置の構成
1辺が20mmの立方体となるように形成されたアルミニウム製(A5052、熱伝導率:140W/m・K)の一対のロッドL間に、試験片(20mm×20mm)を挟み込む。次いで、一対のロッドが上下となるように発熱体(ヒーターブロック)Hと放熱体(冷却水が内部を循環するように構成された冷却ベース板)Cとの間に配置する。より具体的には、上側のロッドL上に発熱体Hを配置し、下側にロッドLの下に放熱体Cを配置する。
ここで、一対のロッドLは、発熱体および放熱体を貫通する一対の圧力調整用ネジTの間に位置している。なお、圧力調整用ネジTと発熱体Hとの間にはロードセルRが配置されており、圧力調整用ネジTを締めこんだ際の圧力が測定されるように構成されており、かかる圧力を試験片に加わる圧力とする。
さらに、下側のロッドLおよび試験片を放熱体C側から貫通するように接触式変位計の3本のプローブP(直径1mm)を設置する。この際、プローブPの上端部は、上側のロッドLの下面に接触した状態になっており、上下のロッドL間の間隔(試験片の厚み)を測定可能に構成されている。
発熱体Hおよび上下のロッドLには温度センサーDを取り付ける。具体的には、発熱体Hの1箇所、各ロッドLの上下方向に5mm間隔で5箇所、温度センサーDを取り付ける。
(ii)測定
測定は、まず初めに、圧力調整用ネジTを締めこんで、試験片に圧力を加え、発熱体Hの温度を80℃に設定するともに、放熱体Cに20℃の冷却水を循環させた。
次いで、発熱体Hおよび上下のロッドLの温度が安定した後、上下のロッドLの温度を各温度センサーDで測定し、上下のロッドLの熱伝導率と温度勾配から試験片を通過する熱流束を算出するとともに、上下のロッドLの試験片との界面の温度を算出した。これらを用いて当該圧縮率における熱伝導率(W/m・K)を算出した。
〔固定性の評価〕
(1)熱伝導抑制層のせん断保持特性
得られた熱伝導抑制層を20mm×20mmに切断し、該熱伝導抑制層の両面にそれぞれ銅箔(厚み=105μm)とベークライト板を貼り付けて測定試料とした。水平に置いた測定試料に2kgローラーを一往復させて圧着した。圧着後、60℃雰囲気下で30分間放置し、該温度環境下で、測定資料が垂直になるようにテープクリープ試験機((株)今田製作所製、「TG83−001」)に固定し、1kg荷重をかけ、保持時間を測定した。測定試料はn=3で測定し、その平均値をせん断保持力とした。評価は下記の基準で行った。
◎:保持時間の平均が2時間以上。
○:保持時間の平均が1時間以上2時間未満。
×:保持時間の平均が1時間未満。
(2)貼り付け保存性
得られた多孔質体を切断し、多孔質体の片側の面に銅箔(JX日鉱金属株式会社製、電解銅箔、厚み=105μm)を直接貼り合せ、70mm×70mmに切断した後、もう一方の面をPC板に貼り付けて測定試料とした。水平に置いた測定試料に2kgローラーを一往復させて圧着した。圧着後、試験片が垂直になるようホルダーに設置し、常温または80℃または60℃/90%RH、または−40℃雰囲気下で240時間放置した。240時間放置後のPC板からの試料の浮きや剥がれの様子を、初期接着面積に対する試験終了後の接着面積の比率で評価した。評価は下記の基準で行った。
◎:初期接着面積に対する試験終了後の接着面積の比率が95%以上。
○:初期接着面積に対する試験終了後の接着面積の比率が90%以上95%未満。
△:初期接着面積に対する試験終了後の接着面積の比率が80%以上90%未満。
×:初期接着面積に対する試験終了後の接着面積の比率が80%未満。
(1)熱伝導抑制層のせん断保持特性
得られた熱伝導抑制層を20mm×20mmに切断し、該熱伝導抑制層の両面にそれぞれ銅箔(厚み=105μm)とベークライト板を貼り付けて測定試料とした。水平に置いた測定試料に2kgローラーを一往復させて圧着した。圧着後、60℃雰囲気下で30分間放置し、該温度環境下で、測定資料が垂直になるようにテープクリープ試験機((株)今田製作所製、「TG83−001」)に固定し、1kg荷重をかけ、保持時間を測定した。測定試料はn=3で測定し、その平均値をせん断保持力とした。評価は下記の基準で行った。
◎:保持時間の平均が2時間以上。
○:保持時間の平均が1時間以上2時間未満。
×:保持時間の平均が1時間未満。
(2)貼り付け保存性
得られた多孔質体を切断し、多孔質体の片側の面に銅箔(JX日鉱金属株式会社製、電解銅箔、厚み=105μm)を直接貼り合せ、70mm×70mmに切断した後、もう一方の面をPC板に貼り付けて測定試料とした。水平に置いた測定試料に2kgローラーを一往復させて圧着した。圧着後、試験片が垂直になるようホルダーに設置し、常温または80℃または60℃/90%RH、または−40℃雰囲気下で240時間放置した。240時間放置後のPC板からの試料の浮きや剥がれの様子を、初期接着面積に対する試験終了後の接着面積の比率で評価した。評価は下記の基準で行った。
◎:初期接着面積に対する試験終了後の接着面積の比率が95%以上。
○:初期接着面積に対する試験終了後の接着面積の比率が90%以上95%未満。
△:初期接着面積に対する試験終了後の接着面積の比率が80%以上90%未満。
×:初期接着面積に対する試験終了後の接着面積の比率が80%未満。
〔加工作業性の評価〕
得られた熱拡散材(210mm幅×5m長)を、熱伝導抑制層を内側にしてポリエチレン製の巻き芯(外径3インチ)に巻き付けた養生品を作製し、常温雰囲気下で3日間静置保存した。保存後、養生品の最も内側にある熱拡散材から210mm×300mmのサイズを切り出し、試験片とした。試験片の熱伝導抑制層側を上向きにして作業台に置き、作業台から試験片の四隅の距離を測定して、試験片のカール変形の様子を評価した。評価は下記の基準で行った。
◎:10mm未満。
○:10mm以上20mm未満。
△:20mm以上50mm未満。
×:50mm以上。
得られた熱拡散材(210mm幅×5m長)を、熱伝導抑制層を内側にしてポリエチレン製の巻き芯(外径3インチ)に巻き付けた養生品を作製し、常温雰囲気下で3日間静置保存した。保存後、養生品の最も内側にある熱拡散材から210mm×300mmのサイズを切り出し、試験片とした。試験片の熱伝導抑制層側を上向きにして作業台に置き、作業台から試験片の四隅の距離を測定して、試験片のカール変形の様子を評価した。評価は下記の基準で行った。
◎:10mm未満。
○:10mm以上20mm未満。
△:20mm以上50mm未満。
×:50mm以上。
〔熱対策効果の評価〕
図7に示すように、厚さ2mmのポリカーボネート(PC)板より形成したステージに熱電対を備えたセラミックヒーター(25mm角)を設置し、電力量を1.24Wとした。実施例・比較例で得られた粘着テープを70mm角に切断して伝熱試験片とし、基材層を発熱部品に密着させることなく、発熱部品の放熱面と向かいあう位置になるよう、筐体とするPC板(160mm×160mm×2mm)に熱伝導抑制層側を固定し、上記ステージに組み付けた。
セラミックヒーターの温度を熱電対で測定し、筐体表面温度をサーモグラフィー(NEC Avio Intrared Technologied Co.,Ltd.製 TYOE H2640)で測定し、両者の温度が定常状態になったときの各温度を発熱体温度および筐体表面温度とした。
熱対策効果の評価の指標は、上記伝熱試験片を実装しない状態で測定した発熱体温度との差ΔThを発熱体の除熱効果の指標とし、上記伝熱試験片を実装しない状態で測定した筐体表面温度との差ΔTsをホットスポット抑制効果の指標とした。
なお、この熱対策効果の評価における装置は、電子部品の一つの実施形態に該当するものである。
図7に示すように、厚さ2mmのポリカーボネート(PC)板より形成したステージに熱電対を備えたセラミックヒーター(25mm角)を設置し、電力量を1.24Wとした。実施例・比較例で得られた粘着テープを70mm角に切断して伝熱試験片とし、基材層を発熱部品に密着させることなく、発熱部品の放熱面と向かいあう位置になるよう、筐体とするPC板(160mm×160mm×2mm)に熱伝導抑制層側を固定し、上記ステージに組み付けた。
セラミックヒーターの温度を熱電対で測定し、筐体表面温度をサーモグラフィー(NEC Avio Intrared Technologied Co.,Ltd.製 TYOE H2640)で測定し、両者の温度が定常状態になったときの各温度を発熱体温度および筐体表面温度とした。
熱対策効果の評価の指標は、上記伝熱試験片を実装しない状態で測定した発熱体温度との差ΔThを発熱体の除熱効果の指標とし、上記伝熱試験片を実装しない状態で測定した筐体表面温度との差ΔTsをホットスポット抑制効果の指標とした。
なお、この熱対策効果の評価における装置は、電子部品の一つの実施形態に該当するものである。
〔製造例1〕:シロップ1の調製
2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)94重量部と極性基を有するビニルモノマーとしてのアクリル酸(AA)6重量部とからなる混合モノマーに、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(BASF製、商品名「IRGACURE651」)0.05重量部、1−ヒドロキシシクロヘキシル フェニル ケトン(BASF製、商品名「IRGACURE184」)0.05重量部を加えた溶液を4つ口フラスコに投入し、窒素雰囲気下、紫外線に曝露して部分的に光重合(重合率7%)させることによって、Mwが約500万のプレポリマーを含むシロップ1を得た。
2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)94重量部と極性基を有するビニルモノマーとしてのアクリル酸(AA)6重量部とからなる混合モノマーに、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(BASF製、商品名「IRGACURE651」)0.05重量部、1−ヒドロキシシクロヘキシル フェニル ケトン(BASF製、商品名「IRGACURE184」)0.05重量部を加えた溶液を4つ口フラスコに投入し、窒素雰囲気下、紫外線に曝露して部分的に光重合(重合率7%)させることによって、Mwが約500万のプレポリマーを含むシロップ1を得た。
〔製造例2〕:シロップ2の調製
製造例1において得られたシロップ1の100重量部に対し、2EHAを70.5重量部、AAを4.5重量部追加し、攪拌機にて十分攪拌することによって、プレポリマー濃度が4%のシロップ2を得た。シロップ2中の2EHAとAAとの重量比率は、94:6であった。
製造例1において得られたシロップ1の100重量部に対し、2EHAを70.5重量部、AAを4.5重量部追加し、攪拌機にて十分攪拌することによって、プレポリマー濃度が4%のシロップ2を得た。シロップ2中の2EHAとAAとの重量比率は、94:6であった。
〔実施例1〕
製造例2で得られたシロップ2を100重量部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(新中村化学工業社製、商品名「NKエステルA−HD−N」)を0.08重量部、IRGACURE651を0.05重量部、IRGACURE184を0.05重量部加えて均一に混合した混合シロップの100重量部に対し、中空微粒子としてマツモトマイクロスフェアー(松本油脂製薬(株)製、商品名「FN−80SDE」、既膨張ドライタイプ、真比重0.025)を3重量部加え、攪拌機にて均一混合し、脱泡処理を行い、紫外線重合型粘着剤組成物を調製した。
得られた紫外線重合型粘着剤組成物を光照射後の厚さが所定の厚みとなるように、剥離処理された基材上に塗布し、さらにその上に厚さ38μmの離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムを被せた。このシートに、ブラックライト(15W/cm)を用いて光照度5mW/cm2(ピーク感度最大波350nmのトプコンUVR−T1で測定)の紫外線を、重合率98.9%に達するまでに必要な時間だけ照射し、厚みが44μm、中空微粒子の体積占有率が54.5%の熱伝導抑制層1を得た。得られた熱伝導抑制層1の厚さ方向の熱伝導率は0.054W/m・Kであった。
次に、得られた熱伝導抑制層1と高熱伝導層として銅箔(JX日鉱金属株式会社製、電解銅箔、厚み=105μm、熱伝導率=390W/m・K)とを直接積層し、熱伝導抑制層(厚み44μm)/銅箔(厚み105μm)からなる、総厚が149μmの熱拡散材1を得た。得られた熱拡散材1の固定性、熱源温度の低減効果、およびホットスポット抑制効果の評価を行い、筐体表面温度の最大値と発熱体の最大値を観察した。結果を表1に示した。
製造例2で得られたシロップ2を100重量部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(新中村化学工業社製、商品名「NKエステルA−HD−N」)を0.08重量部、IRGACURE651を0.05重量部、IRGACURE184を0.05重量部加えて均一に混合した混合シロップの100重量部に対し、中空微粒子としてマツモトマイクロスフェアー(松本油脂製薬(株)製、商品名「FN−80SDE」、既膨張ドライタイプ、真比重0.025)を3重量部加え、攪拌機にて均一混合し、脱泡処理を行い、紫外線重合型粘着剤組成物を調製した。
得られた紫外線重合型粘着剤組成物を光照射後の厚さが所定の厚みとなるように、剥離処理された基材上に塗布し、さらにその上に厚さ38μmの離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムを被せた。このシートに、ブラックライト(15W/cm)を用いて光照度5mW/cm2(ピーク感度最大波350nmのトプコンUVR−T1で測定)の紫外線を、重合率98.9%に達するまでに必要な時間だけ照射し、厚みが44μm、中空微粒子の体積占有率が54.5%の熱伝導抑制層1を得た。得られた熱伝導抑制層1の厚さ方向の熱伝導率は0.054W/m・Kであった。
次に、得られた熱伝導抑制層1と高熱伝導層として銅箔(JX日鉱金属株式会社製、電解銅箔、厚み=105μm、熱伝導率=390W/m・K)とを直接積層し、熱伝導抑制層(厚み44μm)/銅箔(厚み105μm)からなる、総厚が149μmの熱拡散材1を得た。得られた熱拡散材1の固定性、熱源温度の低減効果、およびホットスポット抑制効果の評価を行い、筐体表面温度の最大値と発熱体の最大値を観察した。結果を表1に示した。
〔実施例2〕
実施例1において、高熱伝導層として、銅箔(JX日鉱金属株式会社製、電解銅箔、厚み=105μm、熱伝導率=390W/m・K)の代わりに、銅箔(JX日鉱金属株式会社製、電解銅箔、厚み=70μm、熱伝導率=390W/m・K)を用いた以外は、実施例1と同様に行い、熱伝導抑制層(厚み44μm)/銅箔(厚み70μm)からなる、総厚が114μmの熱拡散材2を得た。得られた熱拡散材2の固定性、熱源温度の低減効果、およびホットスポット抑制効果の評価を行い、筐体表面温度の最大値と発熱体の最大値を観察した。結果を表1に示した。
実施例1において、高熱伝導層として、銅箔(JX日鉱金属株式会社製、電解銅箔、厚み=105μm、熱伝導率=390W/m・K)の代わりに、銅箔(JX日鉱金属株式会社製、電解銅箔、厚み=70μm、熱伝導率=390W/m・K)を用いた以外は、実施例1と同様に行い、熱伝導抑制層(厚み44μm)/銅箔(厚み70μm)からなる、総厚が114μmの熱拡散材2を得た。得られた熱拡散材2の固定性、熱源温度の低減効果、およびホットスポット抑制効果の評価を行い、筐体表面温度の最大値と発熱体の最大値を観察した。結果を表1に示した。
〔実施例3〕
実施例1において、高熱伝導層として、銅箔(JX日鉱金属株式会社製、電解銅箔、厚み=105μm、熱伝導率=390W/m・K)の代わりに、銅箔(JX日鉱金属株式会社製、圧延銅箔、厚み=35μm、熱伝導率=390W/m・K)を用い、熱伝導抑制層/銅箔/熱伝導抑制層/銅箔の順に貼り合わせた以外は、実施例1と同様に行い、熱伝導抑制層(厚み44μm)/銅箔(厚み35μm)/熱伝導抑制層(厚み44μm)/銅箔(厚み35μm)からなる、総厚が158μmの熱拡散材3を得た。得られた熱拡散材3の固定性、熱源温度の低減効果、およびホットスポット抑制効果の評価を行い、筐体表面温度の最大値と発熱体の最大値を観察した。結果を表1に示した。
実施例1において、高熱伝導層として、銅箔(JX日鉱金属株式会社製、電解銅箔、厚み=105μm、熱伝導率=390W/m・K)の代わりに、銅箔(JX日鉱金属株式会社製、圧延銅箔、厚み=35μm、熱伝導率=390W/m・K)を用い、熱伝導抑制層/銅箔/熱伝導抑制層/銅箔の順に貼り合わせた以外は、実施例1と同様に行い、熱伝導抑制層(厚み44μm)/銅箔(厚み35μm)/熱伝導抑制層(厚み44μm)/銅箔(厚み35μm)からなる、総厚が158μmの熱拡散材3を得た。得られた熱拡散材3の固定性、熱源温度の低減効果、およびホットスポット抑制効果の評価を行い、筐体表面温度の最大値と発熱体の最大値を観察した。結果を表1に示した。
〔比較例1〕
実施例1において、高熱伝導層として、銅箔(JX日鉱金属株式会社製、電解銅箔、厚み=105μm、熱伝導率=390W/m・K)の代わりに、アルミニウム箔(住軽アルミ箔(株)製、アルミニウムはく100μm、厚み:100μm)を用いた以外は、実施例1と同様に行い、熱伝導抑制層(厚み44μm)/アルミニウム箔(厚み100μm)からなる、総厚が144μmの熱拡散材C1を得た。得られた熱拡散材C1の固定性、熱源温度の低減効果、およびホットスポット抑制効果の評価を行い、筐体表面温度の最大値と発熱体の最大値を観察した。結果を表1に示した。
実施例1において、高熱伝導層として、銅箔(JX日鉱金属株式会社製、電解銅箔、厚み=105μm、熱伝導率=390W/m・K)の代わりに、アルミニウム箔(住軽アルミ箔(株)製、アルミニウムはく100μm、厚み:100μm)を用いた以外は、実施例1と同様に行い、熱伝導抑制層(厚み44μm)/アルミニウム箔(厚み100μm)からなる、総厚が144μmの熱拡散材C1を得た。得られた熱拡散材C1の固定性、熱源温度の低減効果、およびホットスポット抑制効果の評価を行い、筐体表面温度の最大値と発熱体の最大値を観察した。結果を表1に示した。
〔比較例2〕
実施例1において、高熱伝導層として、銅箔(JX日鉱金属株式会社製、電解銅箔、厚み=105μm、熱伝導率=390W/m・K)の代わりに、銅箔(JX日鉱金属株式会社製、圧延銅箔、厚み=35μm、熱伝導率=390W/m・K)を用いた以外は、実施例1と同様に行い、熱伝導抑制層(厚み44μm)/銅箔(厚み35μm)からなる、総厚が79μmの熱拡散材C2を得た。得られた熱拡散材C2の固定性、熱源温度の低減効果、およびホットスポット抑制効果の評価を行い、筐体表面温度の最大値と発熱体の最大値を観察した。結果を表1に示した。
実施例1において、高熱伝導層として、銅箔(JX日鉱金属株式会社製、電解銅箔、厚み=105μm、熱伝導率=390W/m・K)の代わりに、銅箔(JX日鉱金属株式会社製、圧延銅箔、厚み=35μm、熱伝導率=390W/m・K)を用いた以外は、実施例1と同様に行い、熱伝導抑制層(厚み44μm)/銅箔(厚み35μm)からなる、総厚が79μmの熱拡散材C2を得た。得られた熱拡散材C2の固定性、熱源温度の低減効果、およびホットスポット抑制効果の評価を行い、筐体表面温度の最大値と発熱体の最大値を観察した。結果を表1に示した。
〔比較例3〕
実施例1で得られた熱拡散材1を実装しないで、熱対策効果の評価を行った。結果を表1に示した。
実施例1で得られた熱拡散材1を実装しないで、熱対策効果の評価を行った。結果を表1に示した。
本発明の熱拡散材は、例えば、電子機器等に搭載される電子部品等の発熱体を囲う製品筐体等に接着して用いることができる。取り付け箇所の例としては、パーソナルコンピューター、タブレットPC、PDA、携帯電話、デジタルカメラ等の電子機器や、印字印刷装置、複写機、プロジェクター等の情報機器、ジャーポットや電子レンジ、給湯器などの調理家電等の遮熱が必要な部位が挙げられる。
2 熱伝導抑制層
3 高熱伝導層
4 接着剤層
5 絶縁層
10 熱拡散材
11 熱拡散材
12 熱拡散材
13 熱拡散材
20 発熱体
30 筐体
3 高熱伝導層
4 接着剤層
5 絶縁層
10 熱拡散材
11 熱拡散材
12 熱拡散材
13 熱拡散材
20 発熱体
30 筐体
Claims (8)
- 熱伝導抑制層と高熱伝導層とを有し、
該熱伝導抑制層は、定常法により測定される熱伝導率が0.07W/m・K以下の粘着剤組成物を含み、
該粘着剤組成物は、粘着剤と、中空部分と表面層を含む中空微粒子を含み、
該表面層が樹脂成分を主成分として含み、
該高熱伝導層は、厚みが30μm以上で、且つ、定常法により測定される熱伝導率が300W/m・K以上の銅箔を含み、
該高熱伝導層の総厚みが60μm以上である、
熱拡散材。 - 前記中空微粒子の平均粒子径が50μm未満である、請求項1に記載の熱拡散材。
- 前記中空微粒子に含まれる表面層がアクリロニトリル系共重合体を主成分とする、請求項1または2に記載の熱拡散材。
- 前記熱伝導抑制層のステンレス板に対する180度引き剥がし接着力が5N/20mm以上である、請求項1から3までのいずれかに記載の熱拡散材。
- 前記粘着剤が、アクリル系粘着剤、エポキシ系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1から4までのいずれかに記載の粘着剤組成物。
- 請求項1から5までのいずれかに記載の熱拡散材を有する電子部品であって、
該電子部品は、内部に発熱体が配置された筐体を有し、
該熱拡散材が、該発熱体の放熱面と対峙する位置で該熱伝導抑制層側が該筐体に固定されている、
電子部品。 - 前記熱拡散材が前記発熱体に密着することなく、該発熱体の放熱面と対峙する位置で前記熱伝導抑制層側が前記筐体に固定されている、請求項6に記載の電子部品。
- 前記熱拡散材の前記発熱体の放熱面と対峙する側の面の面積が、該発熱体の放熱面の面積の4倍以上である、請求項6または7に記載の電子部品。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN107922798A (zh) * | 2015-09-01 | 2018-04-17 | 琳得科株式会社 | 粘合片 |
CN115605009A (zh) * | 2022-12-14 | 2023-01-13 | 荣耀终端有限公司(Cn) | 一种中框、电子设备以及中框的制备方法 |
WO2024095322A1 (ja) * | 2022-10-31 | 2024-05-10 | 株式会社寺岡製作所 | 粘着剤組成物及び該粘着剤組成物から形成された粘着シート、並びに、該粘着シートが用いられた物品 |
-
2013
- 2013-12-18 JP JP2013260862A patent/JP2015117293A/ja active Pending
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CN107922798A (zh) * | 2015-09-01 | 2018-04-17 | 琳得科株式会社 | 粘合片 |
WO2024095322A1 (ja) * | 2022-10-31 | 2024-05-10 | 株式会社寺岡製作所 | 粘着剤組成物及び該粘着剤組成物から形成された粘着シート、並びに、該粘着シートが用いられた物品 |
CN115605009A (zh) * | 2022-12-14 | 2023-01-13 | 荣耀终端有限公司(Cn) | 一种中框、电子设备以及中框的制备方法 |
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