JP5796715B2 - 環状部材の締結構造及び締結方法 - Google Patents

環状部材の締結構造及び締結方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5796715B2
JP5796715B2 JP2012054415A JP2012054415A JP5796715B2 JP 5796715 B2 JP5796715 B2 JP 5796715B2 JP 2012054415 A JP2012054415 A JP 2012054415A JP 2012054415 A JP2012054415 A JP 2012054415A JP 5796715 B2 JP5796715 B2 JP 5796715B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
annular member
fastened
press
axial direction
end surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012054415A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013189991A (ja
Inventor
谷口 真
真 谷口
塩入 広行
広行 塩入
祐樹 黒崎
祐樹 黒崎
潤 神岳
潤 神岳
定 茅花
定 茅花
修平 山口
修平 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2012054415A priority Critical patent/JP5796715B2/ja
Publication of JP2013189991A publication Critical patent/JP2013189991A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5796715B2 publication Critical patent/JP5796715B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Retarders (AREA)

Description

本発明は、環状部材の締結構造及び締結方法に関するものである。
従来から、環状部材を別体の被締結部材に圧入して、一体の部品を構成する手法が広く用いられており、その一例として、自動車の駆動系の構成要素であるデファレンシャルの、デフケースアッセンブリーの組付構造が挙げられる。図2(a)に示されるデフケースアッセンブリー10は、デファレンシャルケース(デフケース)12と、リングギヤ14とを締結することにより構成されている。そして、図2(b)のごとく、デフケース12の筒状の外周面12aとリングギヤ14の内周面14aとが、相互の圧入面となり、デフケース12に対してリングギヤ14を軸方向に圧入することにより、両者は一体化されるものである。この状態で、デフケース12の外周面12a、及び、リングギヤ14の内周面14aは、圧入代による半径方向の反力Pが、図2(c)にも示されるように全周に渡って均等に生じ、それによる軸方向の摩擦力F=μP(μ:摩擦係数)によって、両者の位置が固定されるものである。
又、デフケース12に対するリングギヤ14の軸方向の位置決めをより確実にするために、デフケース12の軸方向の基端側(図2(b)では右側)には、半径方向に環状に突出するストッパー部12bが形成されており、このストッパー部12bにリングギヤ14の一方の側面14bが当接している。更に、デフケース12の鍔部12cの軸方向先端部(図2では左側端部)をかしめて、リングギヤ14の他方の側面14cに形成されたノッチ14dに食い込ませている(例えば、特許文献1参照)。このノッチ14dは、図3に示されるように、リングギヤ14の内周面14aと他方の側面14cとが交差する角部に、周方向に等間隔に形成されたV字状の凹形状部である。従って、デフケース12に圧入されたリングギヤ14は、その一方の側面14bがデフケース12のストッパー部12bに当接することにより、かつ、他方の側面14cがデフケース12の鍔部12cをかしめることにより、軸方向及び周方向の位置が規制され、デフケース12とリングギヤ14との、相互の位置決めがなされている。
欧州特許出願公開第0647789号明細書
しかしながら、自動車の運転中に、デフケースアッセンブリー10に作用する力によって、デフケース12とリングギヤ14とに負荷が加わると、図2(d)に示されるように、噛合い反力Tによりリングギヤ14に弾性変形を来たし、半径方向の反力Pが全周に渡って不均一な状態となる。そして、微少ながら半径方向の反力Pの面圧抜けが局地的に生じ、デフケース12とリングギヤ14との締結強度を低下させることになる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、デフケースアッセンブリーを一例とする、環状部材と被締結部材とを圧入により締結してなる一体製品に、力が作用して、環状部材と被締結部材とにズレを生じる事態をより確実に防ぎ、この一体製品の信頼性の更なる向上を図ることにある。
(発明の態様)
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
(1)環状部材と、該環状部材を圧入する被締結部材とを含み、該被締結部材は、前記環状部材を圧入するための鍔部と、該鍔部の軸方向の基端側で前記環状部材の軸方向の一端面を受けるストッパー部とを備え、前記被締結部材の前記鍔部先端が、前記環状部材の軸方向の他端面に設けられた凹形状部にかしめられてなる締結構造であって、前記環状部材の軸方向の一端面から、前記被締結部材との圧入面に対し半径方向へと離間する態様で軸方向に延伸する凹部が形成され、該凹部に倣った形状を有する凸係合部が、前記被締結部材のストッパー部に形成されている環状部材の締結構造(請求項1)。
本項に記載の環状部材の締結構造は、被締結部材の鍔部先端が、環状部材の軸方向の他端面に設けられた凹形状部にかしめられて締結された状態で、なおかつ、環状部材の軸方向の一端面に形成された凹部に、被締結部材のストッパー部の凸係合部が係合するものである。しかも、凹部が、被締結部材との圧入面に対し、半径方向へ離間する態様で軸方向に延伸するように形成されており、この凹部に倣った形状を有する、被締結部材のストッパー部の凸係合部が凹部に係合する。これによって、環状部材に外力が作用しても、環状部材と被締結部材との圧入面の、面圧抜けを招く環状部材の変形を防ぐものとなる。
(2)上記(1)項において、前記環状部材の、前記被締結部材との圧入面と、前記軸方向の一端面とが交差する角部に、前記凹部の一側面を構成面に含むエッジ部が形成され、該エッジ部によって、前記被締結部材の前記ストッパー部から前記環状部材の凹部への素材流動が促され、前記凸係合部が形成されたものである環状部材の締結構造(請求項2)。
本項に記載の環状部材の締結構造は、環状部材の、被締結部材との圧入面と、軸方向の一端面とが交差する角部に形成されたエッジ部が、被締結部材に環状部材を圧入する際に、被締結部材のストッパー部に圧接する。そして、エッジ部によって被締結部材のストッパー部の一部に塑性変形を促す。このエッジ部は、軸方向の一端面に形成された凹部の一側面を構成面とすることから、ストッパー部の一部が塑性変形して環状部材の凹部に素材流入し、環状部材の一端面に形成された凹部に倣った形状を有する凸係合部が形成される。しかも、環状部材の一端面の凹部と、被締結部材のストッパー部の凸係合部との間に接触面圧が作用し、両者の接触面に摩擦力が生じて、強固に結合されるものとなる。
(3)上記(1)(2)項において、前記環状部材の軸方向の一端面から、前記被締結部材との圧入面に対し半径方向へと離間する態様で軸方向に延伸する凹部の、前記延伸方向と直交する方向の幅が一定に形成されている環状部材の締結構造(請求項3)。
本項に記載の環状部材の締結構造は、環状部材の凹部の、延伸方向と直交する方向の幅が、一定に形成されている。これにより、環状部材の一端面の凹部と、被締結部材のストッパー部の凸係合部との、半径方向内側及び外側の双方の接触面に作用する接触面圧が、いずれも、環状部材の凹部の延伸方向と直交する方向、すなわち、環状部材の凹部からストッパー部の凸係合部が抜ける方向と直交する方向に作用する。従って、環状部材の一端面の凹部と、被締結部材のストッパー部の凸係合部との、半径方向内側及び外側の双方の接触面に発生する摩擦力により、強固に結合されるものとなる。
(4)上記(1)から(3)項において、前記環状部材がリングギヤであり、前記被締結部材がデファレンシャルケースである環状部材の締結構造(請求項4)。
本項に記載の環状部材は、リングギヤとデファレンシャルケースとからなるデフケースアッセンブリーを構成するものである。すなわち、デファレンシャルケースと、該デファレンシャルケースを圧入するリングギヤとを含み、前記デファレンシャルケースは、前記リングギヤを圧入するための鍔部と、該鍔部の軸方向の基端側で前記リングギヤの軸方向の一端面を受けるストッパー部とを備え、前記デファレンシャルケースの鍔部先端が、前記リングギヤの軸方向の他端面に設けられた凹部にかしめられてなるデフケースアッセンブリーであって、前記リングギヤの軸方向の一端面から、前記デファレンシャルケースとの圧入面に対し半径方向へ離間する態様で軸方向に延伸する凹部が形成され、該凹部に倣った形状を有する凸係合部が、前記デファレンシャルケースのストッパー部に形成されていることを特徴とするデフケースアッセンブリーである。
そして、デフケースアッセンブリーは、デファレンシャルケースの鍔部先端が、リングギヤの軸方向の他端面に設けられた凹部にかしめられて締結された状態で、リングギヤの軸方向の一端面に形成された凹部に、デファレンシャルケースのストッパーの凸係合部が係合する。しかも、凹部が、デファレンシャルケースとの圧入面に対し半径方向へ離間する態様で延伸するように形成され、これに倣った形状を有するデファレンシャルケースのストッパーの凸係合部が係合することで、リングギヤに噛合い反力が生じても、両者の圧入面の面圧抜けを招くリングギヤの変形を防ぐものとなる。
又、前記リングギヤの、前記デファレンシャルケースとの圧入面と、前記軸方向の一端面とが交差する角部に、前記凹部の一側面を構成面とするエッジ部が形成され、該エッジ部によって、前記デファレンシャルケースの前記ストッパー部から前記リングギヤの凹部への素材流入が促され、前記凸係合部が形成されたデフケースアッセンブリーである。
そして、リングギヤの、デファレンシャルケースとの圧入面と、軸方向の一端面とが交差する角部に形成されたエッジ部が、デファレンシャルケースにリングギヤを圧入する際に、デファレンシャルケースのストッパーに圧接する。そして、エッジ部によって前記デファレンシャルケースの前記ストッパーの一部に塑性変形を促す。このエッジ部は、軸方向の一端面に形成された凹部の一側面を構成面とすることから、ストッパーの一部が塑性変形してリングギヤの凹部に素材流入し、リングギヤの一端面に形成された凹部に倣った形状を有する凸係合部が形成される。しかも、リングギヤの一端面の凹部と、デファレンシャルケースのストッパーの凸係合部との間に接触面圧が作用し、両者の接触面に摩擦力が生じて、強固に結合されるものとなる。
しかも、リングギヤの凹部の、延伸方向と直交する方向の幅が一定に形成されていることから、リングギヤの一端面の凹部と、デファレンシャルケースのストッパー部の凸係合部との、半径方向内側及び外側の双方の接触面に作用する接触面圧が、いずれも、リングギヤの凹部の延伸方向と直交する方向、すなわち、リングギヤの凹部からストッパー部の凸係合部が抜ける方向と直交する方向に作用する。従って、リングギヤの一端面の凹部と、デファレンシャルケースのストッパー部の凸係合部との、半径方向内側及び外側の双方の接触面に発生する摩擦力により、両者が強固に固定されるものとなる。
(5)環状部材と、該環状部材を圧入するための鍔部を備える被締結部材との締結方法であって、前記環状部材の軸方向の一端面から、前記被締結部材との圧入面に対し半径方向へと離間する態様で軸方向に延伸する凹部を形成し、前記被締結部材の鍔部に前記環状部材を圧入し、前記鍔部の軸方向の基端側に形成されたストッパー部に、前記環状部材の軸方向の一端面を当接させ、前記環状部材の凹部に倣う凸係合部を、前記被締結部材のストッパー部に形成し、前記被締結部材の前記鍔部先端を、前記環状部材の軸方向の他端面に設けられた凹形状部にかしめることを特徴とする環状部材の締結方法。(請求項5)。
本項に記載の環状部材の締結方法は、被締結部材の鍔部先端が、環状部材の軸方向の他端面に設けられた凹形状部にかしめられて締結した状態で、かつ、環状部材の軸方向の一端面に形成した凹部に、被締結部材のストッパー部の凸係合部を係合させるものである。しかも、凹部を、被締結部材との圧入面に対し、半径方向へ離間する態様で軸方向に延伸するように形成し、この凹部に倣った形状を有する被締結部材のストッパー部の凸係合部を、凹部に係合させることで、環状部材に外力が作用しても、環状部材と被締結部材との圧入面の、面圧抜けを招く環状部材の変形を防ぐものとなる。
(6)上記(5)項において、前記環状部材の、前記被締結部材との圧入面と、前記軸方向の一端面とが交差する角部に、前記凹部の一側面を構成面に含むエッジ部を形成し、前記被締結部材の前記鍔部に前記環状部材を圧入する際に、前記環状部材の前記エッジ部を、前記被締結部材の前記ストッパー部に圧接する環状部材の締結方法(請求項6)。
本項に記載の環状部材の締結方法は、環状部材の、被締結部材との圧入面と、軸方向の一端面とが交差する角部に形成したエッジ部を、被締結部材の鍔部に環状部材を圧入する際に、被締結部材のストッパー部に圧接させる。そして、エッジ部によって被締結部材のストッパー部の一部に塑性変形を促す。このエッジ部は、軸方向の一端面に形成された凹部の一側面を構成面とすることから、ストッパー部の一部が塑性変形して環状部材の凹部に素材流入し、環状部材の一端面に形成された凹部に倣った形状を有する凸係合部を形成する。しかも、環状部材の一端面の凹部と、被締結部材のストッパー部の凸係合部との間に接触面圧が作用し、両者の接触面に摩擦力が生じて、強固に結合されるものとなる。
(7)上記(5)(6)項において、前記環状部材の軸方向の一端面から、前記被締結部材との圧入面に対し半径方向へと離間する態様で軸方向に延伸する凹部の、前記延伸方向と直交する方向の幅を一定に形成する締結方法(請求項7)。
本項に記載の環状部材の締結方法は、環状部材の凹部の、延伸方向と直交する方向の幅を一定に形成するものである。これにより、環状部材の一端面の凹部と、被締結部材のストッパー部の凸係合部との、半径方向内側及び外側の双方の接触面に作用する接触面圧が、いずれも、環状部材の凹部の延伸方向と直交する方向、すなわち、環状部材の凹部からストッパー部の凸係合部が抜ける方向と直交する方向に作用する。従って、環状部材の一端面の凹部と、被締結部材のストッパー部の凸係合部との、半径方向内側及び外側の双方の接触面に発生する摩擦力により、両者を強固に固定するものとなる。
(8)上記(5)から(7)項において、前記環状部材がリングギヤであり、前記被締結部材がデファレンシャルケースである締結方法(請求項8)。
本項に記載の勘定部材の締結方法は、リングギヤとデファレンシャルケースとからなるデフケースアッセンブリーを構成するものである。そして、このデフケースアッセンブリーにおいて、上記(5)から(7)項記載の所定の作用効果を奏するものとなる。
本発明はこのように構成したので、デフケースアッセンブリーを一例とする、環状部材と被締結部材とを圧入により締結してなる一体製品に、力が作用して、環状部材と被締結部材とにズレを生じる事態をより確実に防ぎ、この一体製品の信頼性の更なる向上を図ることが可能となる。
本発明の実施の形態に係るデフケースアッセンブリーにおける、リングギヤ締結手順を示す要部断面図であり、(a)はリングギヤ単体を、(b)は締結初期を、(c)締結中期を、(d)は締結後期を、(e)は締結完了時を示すものである。 (a)はデフケースアッセンブリーを示す模式図であり、(b)はデファレンシャルケースとリングギヤとの圧入部分を示す断面図、(c)は(a)の無負荷状態における正面図、(d)は(a)の負荷状態における正面図である。 図2に示されるリングギヤを部分的に示すものであり、(a)はノッチを示す斜視図、(b)はノッチの正面図、(c)は(b)のA−A断面図、(d)は(c)のB−B断面図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて説明する。なお、以下の説明において、従来技術と同一部分、若しくは相当する部分については、同一の符号を付して、詳しい説明を省略する。
図1には、本発明の第1の実施の形態に係る環状部材の締結構造を、デフケースアッセンブリー10(図2(a)参照)に採用した場合の、デフケース12とリングギヤ14との締結手順を示している。本例においても、デフケース12の筒状の外周面12aとリングギヤ14の内周面14aとが相互の圧入面となり、デフケース12に対してリングギヤ14を軸方向に圧入することにより、両者は一体化されるものである。
又、デフケース12は、リングギヤ14を圧入するための環状の鍔部12cと、鍔部12cの軸方向の基端側でリングギヤ12の軸方向の一端面14bを受けるストッパー部12bとを備えている。そして、図1(a)に示されるように、リングギヤ14の軸方向の一端面14bには、凹部14gが形成されている。この凹部14gは、図1(a)に示されるように、リングギヤ14の軸方向の一端面14bから、デフケース12との圧入面14aに対し、半径方向へ離間する態様で、軸方向に延伸するように形成されている。換言すれば、凹部14gは、リングギヤ14の軸方向(図の左右方向)に対して、半径方向外側(図の上方向)に角度θを有する逆テーパ状に形成されているものである。
しかも、図示の例では、凹部14gの、延伸方向と直交する方向の幅t(図1(d)の要部拡大図を参照)が、一定となるように形成されている。この凹部14gは、旋盤加工により、リングギヤ14の圧入面14aに沿って、環状に形成することが可能である。又、必要に応じ、凹部14gを周方向に断続する態様で構成することとしても良い。
更に、リングギヤ14の、デフケース12との圧入面14aと、軸方向の一端面14bとが交差する角部に、凹部14gの一側面(図1(a)の例では、半径方向の内側の円筒面)を構成面とする、エッジ部14hが形成されている。このエッジ部14hは、図示の例では、リングギヤ14の圧入面14aに沿って環状に形成され、かつ、必要に応じ、エッジ部14hがその先端に向けて尖るように、デフケース12の外周面12aとの対向面がテーパ面となっている。
一方、デフケース12のストッパー部12bには、リングギヤ14の凹部14gに倣った形状を有する凸係合部12dが形成されている。凸係合部12dは、後述するように、リングギヤ14のエッジ部14hによって、デフケース12のストッパー部12bからリングギヤ14の凹部14gへの素材流入が促されることで形成されるものである。なお、エッジ部14hの、デフケース12の外周面12aと対向するテーパ面の角度は、デフケース12のストッパー部12bからリングギヤ14の凹部14gへの素材流入を促す機能の確保と、エッジ部14hの強度とを考慮して、適宜設定されるものである。
続いて、図1(b)〜(e)を参照しながら、デフケース12にリングギヤ14を締結する手順を説明する。
先ず、デフケース12を治具等に固定し、図1(b)に示されるように、リングギヤ14の圧入面14aをデフケース12の圧入面12aに一致させて、プレスマシン等によってリングギヤ14の側面14cに圧力を付与する。そして、図1(c)に示されるように、リングギヤ14の一方の側面14bをストッパー部12bに当接させ、更に、リングギヤ14のエッジ部14hを、デフケース12のストッパー部12bに圧接する。そして、リングギヤ14のエッジ部14hが、デフケース12のストッパー部12bに食い込み、デフケース12のストッパー部12bからリングギヤ14の凹部14gへの素材流入が促される。この圧接作業は、リングギヤ14の凹部14gに対する、デフケース12のストッパー部12bの凸係合部12dの食込み深さが、必要十分となるまで続けられる(図1(d)参照)。最後に、図1(e)に示されるように、デフケース12の鍔部12cの軸方向先端部をかしめて、楔部材16の側面14cに形成された凹形状部であるノッチ14dに食い込ませることで、組付作業を完了する。
さて、上記構成をなす、本発明の実施の形態によれば、次のような作用効果を得ることが可能である。すなわち、図1(e)に示されるように、デフケース12の鍔部12cの先端が、リングギヤ14の軸方向の他端面に設けられたノッチ14dにかしめられて締結された状態で、なおかつ、リングギヤ14の軸方向の一端面14bに形成された凹部14gに、デフケース12のストッパー12bの凸係合部12dが係合するものである。しかも、リングギヤ14の凹部14gが、デフケース12との圧入面14aに対し半径方向へ離間する態様で延伸するように形成され、これに倣った形状を有するデフケース12のストッパー12bの凸係合部12dが、リングギヤ14の凹部14gに係合することで、リングギヤ14に噛合い反力が生じても、両者の圧入面12a、14aの面圧抜けを招くリングギヤ14の変形を、効果的に防ぐことが可能となる。
又、デフケース12にリングギヤ14を圧入する際に、リングギヤ14の、デフケース12との圧入面14aと、軸方向の一端面14bとが交差する角部に形成されたエッジ部14hが、デフケース12のストッパー12bに圧接するものである。そして、リングギヤ14のエッジ部14hによって、デフケース12のストッパー12bの一部に塑性変形を促すこととなる。このエッジ部14hは、リングギヤ14の軸方向の一端面14bに形成された凹部14gの一側面を構成面とすることから、デフケース12のストッパー12bの一部が塑性変形してリングギヤ14の凹部14gに素材流入し、リングギヤ14の一端面14bに形成された凹部14gに倣った形状を有する凸係合部12dが形成されるものである。しかも、リングギヤ14の一端面14bの凹部14gと、デフケース12のストッパー12bの凸係合部12dとの間に、図1(d)に示される接触面圧PIが作用し、両者の接触面に摩擦力F=μPIが生じて、リングギヤ14の一端面14bの凹部14gと、デフケース12のストッパー12bの凸係合部12dとが、強固に結合されるものとなる。
しかも、リングギヤ14の凹部14gの、延伸方向と直交する方向の幅t(図1(d)参照)が一定に形成されていることから、リングギヤ14の一端面14bの凹部14gと、デフケース12のストッパー部12bの凸係合部12dとの、半径方向内側及び外側の双方の接触面に作用する接触面圧PI(図1(d)参照)が、いずれも、リングギヤ14の凹部14gの延伸方向と直交する方向、すなわち、リングギヤ14の凹部14gから、デフケース12のストッパー部12bの凸係合部12dが抜ける方向と直交する方向に作用する。従って、リングギヤ14の一端面14bの凹部14gと、デフケース12のストッパー部12bの凸係合部12dとの、半径方向内側及び外側の双方の接触面に発生する摩擦力Fは、何れも最大となる。よって、リングギヤ14の凹部14gから、デフケース12のストッパー部12bの凸係合部12dとは、強固に結合されるものとなる。
さて、以上説明したように、本発明の実施の形態では、環状部材と、環状部材を圧入する被締結部材とを含む締結構造の一例として、デフケースアッセンブリー10を例に挙げた。しかしながら、本発明の適用対象がこれに限定されるものではなく、例えば、内歯を有する環状部材を円筒状の被締結部材の内側面に圧入するような場合であっても、同様の作用効果が得られることは、理解されるであろう。
10:デフケースアッセンブリー、12:デフケース、12a:外周面(圧入面)、12b:ストッパー部、12c:鍔部、12d:凸係合部、14:リングギヤ、14a:内周面(圧入面)、14b:一方の側面、14c:他方の側面、14d:ノッチ、14g:凹部、14h:エッジ部、PI:接触面圧

Claims (8)

  1. 環状部材と、該環状部材を圧入する被締結部材とを含み、該被締結部材は、前記環状部材を圧入するための鍔部と、該鍔部の軸方向の基端側で前記環状部材の軸方向の一端面を受けるストッパー部とを備え、前記被締結部材の前記鍔部先端が、前記環状部材の軸方向の他端面に設けられた凹形状部にかしめられてなる締結構造であって、
    前記環状部材の軸方向の一端面から、前記被締結部材との圧入面に対し半径方向へと離間する態様で軸方向に延伸する凹部が形成され、
    該凹部に倣った形状を有する凸係合部が、前記被締結部材のストッパー部に形成されていることを特徴とする環状部材の締結構造。
  2. 前記環状部材の、前記被締結部材との圧入面と、前記軸方向の一端面とが交差する角部に、前記凹部の一側面を構成面に含むエッジ部が形成され、
    該エッジ部によって、前記被締結部材の前記ストッパー部から前記環状部材の凹部への素材流動が促され、前記凸係合部が形成されたものであることを特徴とする請求項1記載の環状部材の締結構造。
  3. 前記環状部材の軸方向の一端面から、前記被締結部材との圧入面に対し半径方向へと離間する態様で軸方向に延伸する凹部の、前記延伸方向と直交する方向の幅が一定に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の環状部材の締結構造。
  4. 前記環状部材がリングギヤであり、前記被締結部材がデファレンシャルケースであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の環状部材の締結構造。
  5. 環状部材と、該環状部材を圧入するための鍔部を備える被締結部材との締結方法であって、前記環状部材の軸方向の一端面から、前記被締結部材との圧入面に対し半径方向へと離間する態様で軸方向に延伸する凹部を形成し、
    前記被締結部材の鍔部に前記環状部材を圧入し、前記鍔部の軸方向の基端側に形成されたストッパー部に、前記環状部材の軸方向の一端面を当接させ、
    前記環状部材の凹部に倣う凸係合部を、前記被締結部材のストッパー部に形成し、
    前記被締結部材の前記鍔部先端を、前記環状部材の軸方向の他端面に設けられた凹形状部にかしめることを特徴とする環状部材の締結方法。
  6. 前記環状部材の、前記被締結部材との圧入面と、前記軸方向の一端面とが交差する角部に、前記凹部の一側面を構成面に含むエッジ部を形成し、
    前記被締結部材の前記鍔部に前記環状部材を圧入する際に、前記環状部材の前記エッジ部を、前記被締結部材の前記ストッパー部に圧接することを特徴とする請求項5記載の環状部材の締結方法。
  7. 前記環状部材の軸方向の一端面から、前記被締結部材との圧入面に対し半径方向へと離間する態様で軸方向に延伸する凹部の、前記延伸方向と直交する方向の幅を一定に形成することを特徴とする請求項5又は6記載の環状部材の締結方法。
  8. 前記環状部材がリングギヤであり、前記被締結部材がデファレンシャルケースであることを特徴とする請求項5から7のいずれか1項記載の環状部材の締結方法。
JP2012054415A 2012-03-12 2012-03-12 環状部材の締結構造及び締結方法 Expired - Fee Related JP5796715B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012054415A JP5796715B2 (ja) 2012-03-12 2012-03-12 環状部材の締結構造及び締結方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012054415A JP5796715B2 (ja) 2012-03-12 2012-03-12 環状部材の締結構造及び締結方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013189991A JP2013189991A (ja) 2013-09-26
JP5796715B2 true JP5796715B2 (ja) 2015-10-21

Family

ID=49390473

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012054415A Expired - Fee Related JP5796715B2 (ja) 2012-03-12 2012-03-12 環状部材の締結構造及び締結方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5796715B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102019203340A1 (de) * 2019-03-12 2020-09-17 Robert Bosch Gmbh Differential- oder Verteilergetriebe

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013189991A (ja) 2013-09-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5403154B2 (ja) リングギヤの締結構造
JPH0623579B2 (ja) ワンウエイクラッチ
US10711844B2 (en) Assembly of shaft and yoke
US20160017937A1 (en) Rocker one-way clutch
JP5796715B2 (ja) 環状部材の締結構造及び締結方法
US20040074730A1 (en) One-way clutch
JP2006052838A (ja) クラッチユニット
JP4453740B2 (ja) ベルト式無段変速機のシャフト、無段変速機用固定側シーブ、その製造方法及び無段変速機
US8016511B2 (en) Metallic structural part joined from at least two components
JP2009299845A (ja) 円すいころ軸受
JP2014062573A (ja) テーパスナップリング
JP2012255522A (ja) 等速自在継手用外側継手部材
JP2009079697A (ja) 樹脂プーリ付き軸受
JP6519165B2 (ja) 転がり軸受用密封装置、及び密封形転がり軸受
JP2013238290A (ja) 環状部材の締結構造及び締結方法
JP4006638B2 (ja) 2部材の塑性結合方法及び塑性結合用治具
JP2013238265A (ja) 環状部材の締結構造及び締結方法
JP2003028150A (ja) 軸受装置
JP2020189335A5 (ja)
JP6706468B2 (ja) 密封装置
JP5039197B2 (ja) ボールジョイントのハウジングを取付孔に固着したロアアーム
JP2013181546A (ja) 環状部材の締結構造及び締結方法
JP2009204059A (ja) ホース締結装置及びそのスリーブのかしめ方法並びにかしめ装置
JP5958281B2 (ja) ギヤの締結構造
JP2019163856A (ja) プーリーの固定構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140717

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150326

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150401

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150512

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150722

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150804

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5796715

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees