JP5793748B2 - 古紙処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は古紙処理装置に関するものである。
従来、古紙を離解して古紙パルプを調製し、得られた古紙パルプ液を抄き網で抄紙することにより再生紙を製造する技術が知られている。下記特許文献1には、古紙の裁断紙片を離解して古紙パルプ液を調製する古紙パルプ製造部と、古紙パルプ液を漂白する脱墨部と、脱墨後の古紙パルプ液を抄き網により抄紙し、乾燥して再生紙を調製する抄紙部を一体的に備えた古紙処理装置が開示されている。
特開2009−299228号公報
上記特許文献1に示される古紙処理装置では、消費する電力の電気料金が非常に高くなるおそれがあった。
本発明は上記した課題を解決するものであり、古紙処理に要する電気料金を安く抑えることの可能な古紙処理装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る古紙処理装置は、古紙に加水し攪拌処理する攪拌槽及び前記攪拌槽で得られた古紙の含水攪拌物を後処理する後処理部を設けてなる古紙処理部と、前記古紙処理部の動作を制御する制御部とを備えた古紙処理装置であって、少なくとも前記古紙処理部に電力を供給する商用電源の電気料金の単価が、電力会社との契約により期間及び/または時間帯によって異なる場合に、単価の安い期間及び/または時間帯の順に優先順位を付与する優先順位設定部と、古紙処理部の運転を停止する少なくとも期間、曜日、日付または時間帯のいずれかを設定する停止条件設定部を備え、制御部は、停止条件設定部で設定された停止条件に応じて古紙処理部の運転を停止するとともに、古紙を処理する稼動時間を、優先順位設定部で優先順位が高く設定された期間及び/または時間帯から順に割り振って古紙処理部を稼動する。
また、前記構成において、所定期間における古紙の処理量を設定する処理量設定部を備え、制御部は、処理量設定部で設定された古紙の処理量に基づいて稼動時間を設定する
本発明にかかる古紙処理装置は、優先順位設定部において、電気料金の単価の安い期間及び/または時間帯の順に優先順位を付与するとともに、停止条件設定部は、古紙処理部の運転を停止する少なくとも期間、曜日、日付または時間帯のいずれかを設定し、制御部は、停止条件設定部で設定された停止条件に応じて古紙処理部の運転を停止するとともに、古紙を処理する稼動時間を、優先順位設定部で優先順位が高く設定された期間及び/または時間帯から順に割り振って古紙処理部を稼動するので、ユーザが自由に設定した古紙処理部の運転を停止する条件に応じて古紙処理部の運転を停止することができる。また、優先順位を高く設定した電気料金の単価が安い期間及び/または時間帯では、古紙処理部の稼働時間を長くし、一方、優先順位を低く設定した電気料金の単価が高い期間及び/または時間帯では、古紙処理部の稼動時間を短くすることができる。よって、古紙処理に要する電気料金を抑制することができる。
また、制御部は、処理量設定部において設定された紙の処理量に基づいて稼動時間を設定する場合には、目標とする処理量の古紙を処理するために必要となる電気料金を安く抑えることが可能である。
本発明の一実施形態に係る古紙処理装置の構成概略図である。 前記古紙処理装置の古紙供給部の構成概略図である。 前記古紙処理装置の古紙供給部の一部及び古紙パルプ製造部の構成概略図である。 前記古紙処理装置の脱墨部の平面図である。 前記古紙処理装置の抄紙部の構成概略図である。 前記古紙処理装置の制御部のブロック図である。 前記制御部のフローチャートである。 本発明の他の実施形態に係る古紙処理装置の制御部のブロック図である。 前記制御部のフローチャートである。 本発明の更に他の実施形態に係る古紙処理装置の制御部のブロック図である。 前記制御部のフローチャートである。 参考例として示す古紙処理装置の制御部のブロック図である。 前記制御部のフローチャートである。 他の参考例として示古紙処理装置の制御部のブロック図である。 前記制御部のフローチャートである。 更に他の参考例として示す古紙処理装置の制御部のブロック図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明にかかる古紙処理装置の構成概略図である。図1において、古紙処理装置1は、古紙処理部15及び制御部8を備えている。古紙処理部15は、古紙供給部2、古紙パルプ製造部3、貯留部4、脱墨部5、抄紙部6、仕上げ部7を備えている。貯留部4、脱墨部5、抄紙部6及び仕上げ部7は、古紙パルプ製造部3の攪拌槽32で得られた古紙の含水攪拌物を後処理する後処理部9を構成する。
(古紙供給部)
図2は、古紙供給部2の構成概略図である。古紙供給部2は、分離搬送部21、細断部22、細断屑貯留部23及び細断屑搬送部24を備えている。分離搬送部21は、載置台211を備えており、この載置台211上に載置された古紙10のうち最上位の古紙10を分離し、細断部22に搬送する。細断部22は、一対の細断刃221を備えている。細断屑貯留部23は、生成した細断屑11を貯留する。細断屑搬送部24は、細断屑貯留部23の下部より下方に排出された細断屑11を空気流によって古紙パルプ製造部3へ搬送する。細断屑搬送部24は、送風機241、搬送用ダクト242、及び図3に示す細断屑11の放出用サイクロン243を備えている。
(古紙パルプ製造部)
図3は、古紙パルプ製造部3の構成概略図である。古紙パルプ製造部3は、計量部31、攪拌槽32を備えている。計量部31は、細断屑搬送部24により搬送された細断屑11の重量を計測する。攪拌槽32は、古紙10に加水し攪拌処理するものである。この攪拌槽32は、計量後の細断屑11が投入され、図示しない給水部から水が供給される。攪拌槽32の下部には細断屑11と水とを攪拌する攪拌手段34と、攪拌手段34の攪拌によって製造された含水攪拌物としての古紙パルプ液を取り出す取出部35とを備えている。
(貯留部)
図1に示す貯留部4は、古紙パルプ製造部3から送られた古紙パルプ液を一旦貯留するとともに、下流側の脱墨部5へ供給するものであり、図示しない貯留タンクを備えている。
(脱墨部)
図4に脱墨部5の平面図を示す。脱墨部5は、脱墨槽51、ブレード53及び受泡槽55を備えている。脱墨槽51は、トナー成分等を古紙パルプ液から分離して脱墨処理を行うものであり、古紙パルプ液を流通させる。ブレード53は、脱墨槽51の上部を浮遊する泡沫を、脱墨槽51の周壁から溢流させ掃き出す。受泡槽55は、脱墨槽51の外周を取り囲んで設けられる。受泡槽51は、ブレード53により掃き出された泡沫を受け止める。そして、脱墨槽51の底部には、古紙パルプ製造部3から送られた古紙パルプ液を脱墨槽51内へ流入させる流入部56と、脱墨処理後の古紙パルプ液を流出させる流出部57とを設けている。
(抄紙部)
図5は抄紙部6の構成概略図である。抄紙部6は、ヘッドボックス61、ワイヤー部62、脱水部63、乾燥部64を備えている。ヘッドボックス61は、箱状の貯留部611と、貯留部611の下部に配管613が接続されてなる古紙パルプ液の流入部614と、古紙パルプ液を貯留部611から溢流させ、ワイヤー部62へ流出させる流出部615とを備えている。
ワイヤー部62は、抄き網621を備えている。抄き網621は、無端状のメッシュベルトにより構成され、複数のローラ622に掛け渡される。図5において、右側のローラ622aは、ワイヤー駆動部623に連結され、ワイヤー駆動部623の駆動により抄き網621が周回走行する。
抄き網621の上面に、ヘッドボックス61の流出部615から古紙パルプ液を流出させ、抄き網621で水切りして繊維の層をなす湿紙12を形成する。抄き網621の内方には、上側を走行する抄き網621の網目から流下する水を受ける受水部624を設けている。受水部624は図示しない白水タンクに接続され、受水した水を白水タンクへ導くようになっている。
脱水部63は、吸水ベルト631を有する。吸水ベルト631は、フェルト等により構成され、複数のローラ632及びプレスローラ634bに掛け渡されている。この吸水ベルト631は、抄き網621から転移させた湿紙12を搬送するとともに、湿紙12から水分を吸収し、脱水する。
乾燥部64は、乾燥ベルト641、カンバス642、乾燥ローラ643を有する。乾燥ベルト641は、吸水ベルト631から転移された湿紙12を搬送する。この乾燥ベルト641は、ローラ645、プレスローラ634a及び乾燥ローラ643に掛け渡されている。
吸水ベルト631と乾燥ベルト641との接触部分に、脱水手段633を設けている。脱水手段633は一対のプレスローラ634a,634bからなり、該一対のプレスローラ634a,634bで、吸水ベルト631と乾燥ベルト641との間に挟んだ湿紙12を押圧して脱水する。脱水手段633を通過した湿紙12は、吸水ベルト631から乾燥ベルト641に転移される。
図5において、上側のプレスローラ634aは、プレス駆動部637に連結され、プレス駆動部637の駆動により回転し、下側のプレスローラ634bは上側のプレスローラ634aの回転に伴って従動回転する。そして、両プレスローラ634a,634bの回転に伴って、吸水ベルト631及び乾燥ベルト641を走行させる。
カンバス642は、網状をなす樹脂製であり、複数のローラ646に掛け渡され、展張されている。カンバス642は、乾燥ベルト641との間で湿紙12を挟持して搬送し、乾燥ベルト641を介して乾燥ローラ643に湿紙12を圧接させて乾燥させる。図5において、右側の上のローラ646aは、カンバス駆動部647に連結され、カンバス駆動部647の駆動によりカンバス642が周回走行する。
乾燥ローラ643は複数の支持軸650により回転自在に支持される。乾燥ローラ643の内部には加熱手段648を備えている。加熱手段648としては電熱ヒータ等を用いることができる。また、乾燥ローラ643には、接触式の温度センサ649を設けており、この温度センサ649により乾燥ローラ643の表面温度を検出する。
(仕上げ部)
図1に示す仕上げ部7は、図示しないカレンダー部及びカット部を有しており、カレンダー部は紙の平坦度を上げるための複数のプレスローラを備え、カット部は紙を所定のシートサイズにカットする裁断刃(図示省略)を備えている。
図6は古紙処理装置1の制御部8のブロック図を示す。古紙処理装置1には、ユーザからの古紙処理装置1の運転開始及び停止を含む各種の入力操作を受け付け、制御部8へ送る操作部71を設けている。操作部71は、表示部72を兼ねたタッチパネル方式の液晶表示器、テンキー、各種ボタン、スイッチ等を備えている。
制御部8は、稼動制御部81、内部時計82、稼動条件設定部83、稼動演算部84、記憶部85を備えている。稼動制御部81は、古紙供給部2、古紙パルプ製造部3、貯留部4、脱墨部5、抄紙部6、仕上げ部7からなる古紙処理部15全体の動作を制御する。稼動制御部81は、古紙10に加水し、攪拌処理し、得られた古紙の含水攪拌物を後処理して再生紙13を製造する再生紙製造制御部811と、各部の洗浄処理を行う洗浄制御部812とを備えている。
内部時計82は、運転開始時刻及び運転停止時刻に達したときに指示信号を稼動制御部81に入力するものである。この内部時計82に替えて、制御部8の外部に配設する外部時計が所定時刻に達したときに発する指示信号または外部機器から発する指示信号を入力ポートより入力する構成としても構わない。
稼動条件設定部83は、古紙処理部15の稼動条件を設定するものであり、ユーザが操作部71より入力した稼動条件に関する情報を設定する。稼動条件設定部83は、停止条件設定部830、処理量設定部834、節約設定部835を備えている。
停止条件設定部830は、古紙処理部15の運転を停止する少なくとも期間、日付または時間帯のいずれかを設定する。この停止条件設定部830は停止日設定部831を備えており、停止日設定部831は、企業の休業日である等の理由により、古紙処理部15の運転を停止する曜日や日付を設定するものである。停止日設定部831は、土曜や日曜といった一週間のうちのある決まった曜日を停止日として設定する曜日設定部832と、祝日や祭日、夏季や年末年始の長期休暇等の特定の日付を停止日として設定する日付設定部833とを備えている。
処理量設定部834は、所定期間における古紙10の処理量を設定する。処理量の設定方法としては、一年や一ヶ月といった所定期間について、A4等の古紙10のサイズ及び処理すべき枚数を処理量として設定する方法や、古紙10の重量を処理量として設定する方法等が挙げられる。
節約設定部835は、古紙10の処理に要する電気料金を、通常運転時より安くするための条件を設定する。節約設定部835は優先順位設定部836を備えている。この優先順位設定部836では、古紙処理部15に電力を供給する商用電源の電気料金の単価が、電力会社との契約により期間及び/または時間帯によって異なる場合に、単価の安い期間及び/または時間帯の順に優先順位を付与する。電気料金の単価は、例えば、季節別には7月から9月までの夏季期間と夏季以外の期間とでそれぞれ異なる金額とされる場合があり、この場合、電力需要が高まる夏季期間中は夏季以外の期間より単価が高額とされる。このため、優先順位設定部836は、一年を複数の期間に区分し、区分された期間に優先的順位を付与する期間設定部837を備えている。
下記表1は、期間設定部837において、10月1日から6月30日までの夏季以外の期間を優先順位1位に、7月1日から9月30日までの夏季期間を優先順位2位とする2つの期間を設定する場合を示す。
Figure 0005793748
稼動演算部84は、優先順位設定部836で付与された優先順位に基づいて古紙処理部15を稼動するための演算を行う。具体的には、処理量設定部834において設定された量の古紙10を処理するために必要となる稼動時間を演算し、得られた稼動時間を、優先順位設定部836で優先順位が高く設定された期間から順に割り振るよう演算を行う。そして、稼動演算部84で得られた演算結果に応じて、稼動制御部81により古紙処理部15を稼動する。
図7は、稼動演算部84が、稼動条件設定部83の設定に基づき古紙処理部15の稼動時間を割り振るためのフローの一例を示す。まず、S1で、停止日設定部831において設定された曜日及び日付を基に、毎月の稼動日数を演算する。この結果、例えば、4月1日から3月31日までの一年間で、表1において優先順位が1位である4月1日から6月30日までと10月1日から3月31日までの期間の月毎の稼動日数が、下記表2のようになったとする。
Figure 0005793748
次に、S2で、稼動時間を演算する。その際、例えば、処理量設定部834において一年間で100万枚を処理するよう設定したとし、また、再生紙製造制御部811によって古紙処理部15を8時間稼動することで2,500枚の古紙10を処理可能であったとする。そして、洗浄制御部812は、配管やポンプ等における古紙パルプの詰まり防止のため、古紙処理部15の洗浄処理を、8時間稼動毎に1時間かけて行うこととする。これより、洗浄処理を含めた9時間の間に、古紙10を2,500枚処理できる能力を有するとする。
処理量設定部834において設定した100万枚を4月1日より3月31日までの一年間に処理するためには、2,500枚の処理を行う9時間を1セットとして演算した場合に1,000,000枚/2,500枚×9時間=3,600時間、即ち、一年間の稼動時間は3,600時間となる。
S3で、一年間の稼動時間として演算された3,600時間を、期間設定部837で設定された優先順位に従って割り振る。一日は24時間であるので、3,600時間の稼動に必要となる日数は、3,600時間/24時間=150日となる。表2より、4月、5月、6月及び10月、11月、12月、1月の6ヶ月間の稼動日数の合計は、140日となる。150日から140日を差引くと10日となる。
よって、期間設定部837で優先順位が1位に設定された期間のうち、4月、5月、6月及び10月、11月、12月、1月で稼動日とされた全ての日に稼動し、更に2月中に10日間を稼動することで、処理量設定部834において設定した処理量を達成することができる。この条件では、期間設定部837で優先順位が2位に設定された期間には、古紙処理を行わないこととなる。
ここで、優先順位が2位の7月1日から9月30日までの夏季期間中は運転を長期間中断する。もし、古紙処理部15の内部に液体を貯留させたまま放置する場合には、古紙パルプ液や白水の腐敗、古紙パルプの乾燥による配管やポンプの詰まりといった問題が生じる恐れがある。
そこで、6月の最終稼働日の15時以降に行った洗浄制御部812による洗浄処理の後は、再生紙製造制御部811によって新たな古紙処理を行わないこととする。更に、洗浄制御部812による洗浄工程で各部の洗浄処理に用いた洗浄液も全て廃棄しておくことが好ましい。この6月30日の15時以降の洗浄制御部812による洗浄処理が完了する時刻の演算方法を説明する。まず、6月の最終稼動日は、4月の運転開始日から61日目にあたる。6月の最終稼動日の夜24時に稼動終了すると仮定した場合に、4月からの累積稼動時間が、24時間×61日=1,464時間となる。次に、8時間毎の洗浄処理が完了する時刻は、1,464時間/9時間=162セットあまり6時間となるため、24時−6時間=18時、即ち6月の最終稼動日の18時に洗浄処理が完了することが分かる。
よって、6月の最終稼動日には、稼動制御部81による古紙処理部15の運転を18時に停止する。そして、10月の最初の稼動日に運転を再開する。6月の最終稼動日に未処理となった6時間分の古紙10については、2月の稼動日を一日増やして11日間とし、この11日目に6時間稼動し、運転を停止することになる。
装置内部での紙詰まりや載置台211上に載置される古紙10が不足していた場合等何らかの理由により、稼動制御部81による運転が中断した場合には、制御部8は、停止時刻及び再開時刻を記憶部85に記憶し、稼動演算部84は、記憶部85に記憶した情報を基に中断した時間を演算し、古紙処理が中断した時間分を、2月の稼動時間に追加するようにしてもよい。これにより、エラー発生時においても処理量設定部834の設定処理量の処理を達成することができる。
以下、上記構成の作用を説明する。古紙処理装置1の運転に際してユーザは、操作部71より、古紙処理部15の稼動条件を入力する。ここで、ユーザが稼動条件の入力を行わなかった場合には、制御部8は、稼動条件設定部83の設定に基づいた運転を行うことなく、ユーザによる運転開始ボタンの押圧後、直ぐに古紙処理部15の運転を開始し、載置台211上に載置された全ての古紙10を処理し終わった後、また必要により、洗浄処理を行った後、運転を停止する。
稼動条件が設定された場合、制御部8は稼動条件設定部83の設定に基づいて古紙処理部15を稼動する。具体的には、稼動演算部84で演算した結果得られた稼動日に、古紙処理部15を稼動する。その際、再生紙製造制御部811は、図2に示す載置台211に載置された古紙10のうち最上の古紙10を一枚ずつ分離搬送部21により分離し細断部22へ搬送し、一対の細断刃221により細断する。生成した細断屑11を、細断屑貯留部23に貯留した後、送風機241を駆動することで、細断屑搬送部24により、図3に示す古紙パルプ製造部3の計量部31へ搬送する。
計量部31では、細断屑搬送部24により搬送され、放出用サイクロン243から放出された細断屑11の重量を計測し、細断屑11の重量が所定量に達した時点で、送風機241を止めて細断屑11の搬送を一旦停止する。そして、計量後の細断屑11を攪拌槽32へ投入する。その後、給水部から攪拌槽32へ給水を行い、攪拌手段34を作動することで、離解処理を行って古紙の含水攪拌物としての古紙パルプ液を調製する。
調製された古紙パルプ液は、取出部35から取出され、貯留部4へ送られる。空になった攪拌槽32へは、新たに細断屑11が投入され、2回目のバッチ式離解処理が開始される。
図1に示す貯留部4では、古紙パルプ液を一旦貯留し、後段の脱墨部5に所定流量で連続的に供給する。その際、制御部8は、貯留タンク内に貯留する1回目の離解処理により得られた古紙パルプ液が全て脱墨部5へ供給され、貯留部4内の古紙パルプ液がなくなる前に、古紙パルプ製造部3において、2回目の離解処理で得られた古紙パルプ液を、貯留タンクへ流入させるよう制御する。これにより、貯留タンクに、古紙パルプ液を途切れることなく継続して貯留し、脱墨部5に連続的に供給することができる。
貯留部4より脱墨部5に送られた古紙パルプ液は、図4に示す脱墨槽51内を流通され、脱墨処理が行われた後、図5に示す抄紙部6に送られる。抄紙部6では、脱墨後の古紙パルプ液をヘッドボックス61へ流入させ、流出部615から抄き網621上面へ供給し、均一な繊維の層である湿紙12を形成する。抄き網621から流下した水は、受水部624に受け止められ、白水タンクに収容される。
白水タンク内の白水は、必要により、フィルターによる異物の除去、インク、トナー等の分離、薬剤の添加、中和処理等が施された後、図1に示すように、古紙パルプ製造部3の給水部へ循環され、再度利用される。
図5に示す抄き網621上に形成された湿紙12は、抄き網621と吸水ベルト631との当接部分で吸水ベルト631へ転移され、吸水ベルト631により湿紙12に含まれる水分が吸収されて脱水される。湿紙12が脱水手段633の設置箇所に至ると、吸水ベルト631と乾燥ベルト641との間に該湿紙12が挟まれた状態で、一対のプレスローラ634a,634bにより両側より押圧され脱水されるとともに、吸水ベルト631から乾燥ベルト641へ転移される。
乾燥ベルト641に転移された湿紙12は、カンバス642との間に挟まれ、この状態で乾燥ローラ643に乾燥ベルト641を介して圧接され、乾燥される。このとき、温度センサ649によって乾燥ローラ643の表面温度が検出される。制御部8は、温度センサ649から送られる乾燥ローラ643の表面温度と、予め設定した温度との比較を行って、乾燥ローラ643の表面温度を予め設定した温度に維持するよう制御する。
乾燥部64を出た仕上げ前の再生紙13は図示しない複数のプレスローラの間に通され、これにより、仕上げ前の再生紙13の平坦度を向上させ、更に、裁断刃で所定のシートサイズに裁断して再生紙13が完成する。
裁断刃により裁断された再生紙13の端材は、図1に示すように細断屑貯留部23に戻され、再度再生紙13の製造に利用される。
洗浄制御部812は、古紙パルプ液を貯留または流通した攪拌槽32、貯留タンク、脱墨槽51、受泡槽55、ヘッドボックス61及びこれらを接続する配管、ポンプ、弁等に、洗浄水を流通させ、外部に排出することで、古紙処理部15の洗浄処理を行う。洗浄水としては、白水タンク内の白水または水道水等の上水を用いる。
以上より、優先順位設定部836において、電気料金の単価の安い期間及び/または時間帯の順に優先順位を付与し、制御部8は、優先順位設定部836で付与された優先順位に基づいて古紙処理部15を稼動する。これにより、優先順位を高く設定した電気料金の単価が安い期間中は、古紙処理部15の運転時間を長くし、一方、優先順位を低く設定した夏季等の電気料金の単価が他の期間より高い期間中は、古紙処理部15の稼動時間を他の期間より短くすることができる。よって、古紙処理に要する電気料金を安く抑えることができる。
また、制御部8は、ユーザが操作部71より入力し、処理量設定部834において設定された量の古紙10を処理するために必要とされる稼動時間について、優先順位設定部836の期間設定部837で、優先順位が高く設定された期間から順に割り振って古紙処理部15を稼動するので、古紙処理に要する電気料金を安く抑えつつ目標とする量の古紙を処理することができる。
(第2の実施形態)
本発明に係る古紙処理装置の第2の実施形態を以下に説明する。上記第1の実施形態では、停止条件設定部830に停止日設定部831を備えたが、本第2の実施形態では、これに加え、図8に示すように、一日のうちで運転を停止する時間帯を設定する停止時刻設定部838を備えている。停止時刻設定部838を加えた以外の他の構成については、上記第1の実施形態と同様である。
停止時刻設定部838は、営業時間外等に古紙処理装置1の運転を停止する時間帯を設定するものである。操作部71のテンキー等を用いてユーザにより入力された停止時刻及び再開時刻が停止時刻設定部838に設定される。
図9は、本第2の実施形態において、稼動演算部84が稼動時間を割り振る際のフローの一例を示す。稼動演算部84は、まず、S11で、停止時刻設定部838の設定に基づき、一日の稼動時間を演算する。例えば停止時刻設定部838で、夜の0時から朝の6時まで古紙処理部15を停止する設定がされた場合、一日の稼動時間は、6時から24時までの18時間となる。
次に、S12で、停止日設定部831において設定された曜日及び日付を基に、毎月の稼動日数を演算し、稼動日が表2のようになったとする。S13で、一年間の稼動時間を演算する。その際、上記第1の実施形態と同様に、処理量設定部834において一年間で100万枚を処理するよう設定したと仮定し、古紙処理部15が洗浄処理時間を含め9時間で2,500枚の古紙10を処理可能であるとすると、一年間の稼動時間は3,600時間となる。
そして、S14で、この3,600時間を、期間設定部837で設定された優先順位に従って割り振る。期間設定部837で優先順位が1位に設定された4月、5月、6月及び10月、11月、12月、1月、2月、3月の9ヶ月間の稼動日数は、表2より合計181日となり、S11の結果より、一日の稼動時間は18時間なので、優先順位1位の稼動時間は18時間×181日=3,258時間となる。因みに、この優先順位が1位の期間中に処理できる古紙10の量は、2,500枚/8時間×16時間×181日=905,000枚となる。
1年間の稼動時間から優先順位が1位の期間の稼動時間を差し引くと、3,600時間−3,258時間=342時間となる。古紙10の量にして1,000,000枚−905,000枚=95,000枚となる。稼動時間で342時間分の古紙10が、優先順位1位の期間の稼動では処理できないため、優先順位が2位以下に設定された期間に処理するよう割り振りする。優先順位2位の期間の稼動日数は、342時間/18時間=19日となる。
これより、一日18時間の稼動を、優先順位1位の期間の全ての稼動日に加え、2位の期間に19日間行うことで、処理量設定部834において設定した量の古紙10を処理することができる。よって、例えば7月中に19日間稼動し、8月及び9月には全く稼動しないようにする。また、この7月のみの稼動に替えて、優先順位が2位の3ヶ月間で、均等に割り振って稼動する場合には、19日/3ヶ月=6日あまり1日となり、例えば、7月中に7日間、8月及び9月はともに6日間稼動するなどとする。
(第3の実施形態)
本発明に係る古紙処理装置の第3の実施形態を以下に説明する。上記第1、2の実施形態では、優先順位設定部836に期間設定部837を備え、この期間設定部837の設定に基づいて、一年間で電力料金が安い期間から優先的に古紙処理部15を稼動する構成とした。これに対し、本第3の実施形態では、この期間設定部837に替えて、図10に示すように、優先順位設定部836に一日を電気料金の単価が異なる時間帯に区分し、区分された複数の時間帯のうち電気料金の単価の安い時間帯の順に優先順位を付与する時間帯設定部839を備えている。期間設定部837を時間帯設定部839とした以外の他の構成は、上記第2の実施形態と同様の構成を全て備える。
電力会社との契約内容によっては、電気料金の単価が時間帯に応じて、例えば、8時から22時までの昼間時間帯と、22時から翌日8時までの夜間時間帯で異なる場合がある。更に夏季のみは、昼間時間帯のうち電力負荷の高い10時から17時までの重負荷時間帯が更に高額な別の単価が設定される場合がある。このように、季節別と時間帯別の両方について異なる単価が設定させている場合に、時間帯設定部839は、季節別及び時間帯別の両方を考慮して区分を行い、電気料金が安い期間及び時間帯から順に優先順位を付与する。下記の表3は、時間帯設定部839の設定方法の一例を示す。
Figure 0005793748
表3では、夜の22時から翌日の朝8時までの時間帯は1年間を通して優先順位1位に設定される。8時から22時までの時間帯は、10月1日から6月30日までの期間について優先順位2位に設定される。そして、7月1日から9月30日までの夏季の期間について、8時から10時まで、17時から22時まで、及び昼間の10時から17時までの時間帯が順に優先順位3位、4位及び5位にそれぞれ設定される。
本第3の実施形態では、処理量設定部834に、上記第1,2の実施形態の一年間の処理量に替えて、一ヶ月間の古紙10の処理量を設定することとし、例えば、6月の古紙10の処理量を、A4サイズ10万枚と処理量設定部834に設定したと仮定する。
稼動演算部84は、処理量設定部834の設定に基づき、必要となる稼動時間を演算し、得られた稼動時間を、時間帯設定部839の設定で優先順位の高い順に割り振って、稼動日及び稼動時間帯を演算し、得られた演算結果に応じて、稼動制御部81が古紙処理部15を稼動する。
図11は、第3の実施形態に係る稼動演算部84の演算方法のフローを示す。同図に示すように、まず、S21で、一日の稼動時間を演算する。停止時刻設定部838において第2の実施形態と同様に、古紙処理部15を夜の0時から朝の6時まで停止するよう設定する場合、稼動時間は6時から24時の18時間となる。
次に、S22で、一ヶ月の稼動日数を演算する。第1の実施形態と同様に、停止日設定部831の設定に基づいて稼動日を演算し、例えば、表2で6月は一ヶ月の稼動日数が22日となっている。そして、S23で、稼動時間の割り振りを行う。その際、一日の稼動時間である6時から24時のうち、表3において優先順位が1位の時間帯である22時から翌日の朝8時までに属する6時から8時までと、22時から24時までの時間帯は、S22で求めた稼動日には必ず稼動することとする。
この優先順位1位の時間帯の合計4時間に、一ヶ月の稼動日数である22日を掛け合わせると、4時間×22日=88時間となる。洗浄時間を除き8時間稼動して2,500枚処理可能である古紙処理部15の場合、1時間当たりの処理量は2,500枚/8時間=312.5枚/時、即ち1時間当たり312.5枚処理可能である。優先順位1位の時間帯で一ヶ月に処理可能な量は、312.5×88=27,500枚となる。
残る処理枚数は、100,000枚−27,500枚=72,500枚である。表3において、時間帯設定部839で優先順位が2位以降に設定された時間帯のうち、6月は優先順位が2位に設定され、その時間帯は、8時から22時までの14時間である。優先順位1位の時間帯は稼動日に必ず稼動するようすでに決定したので、優先順位2位の時間帯に稼動する場合には、優先順位1位及び2位の双方の時間帯に稼動することとなる。この場合、一日の稼動時間は6時から24時までの18時間となり、その間に、1時間ずつ2回の洗浄処理を行うとし、この2時間を優先順位2位の時間帯である14時間から差し引く。
この結果、優先順位2位の時間帯で一日12時間の稼動により処理することのできる古紙10の量は、312.5枚/時×12時間=3,750枚である。優先順位2位の時間帯について稼動日数を演算する。優先順位2位の時間帯の処理量は、72,500枚なので、72,500枚/3,750枚/時=19日あまり1,250枚となる。即ち、19日間稼動し、20日目は、1,250枚/312.5枚/時=4時間、即ち優先順位2位の時間帯に4時間処理することとなる。
よって、6月は、1日目から19日目までを6時から24時まで稼動し、20日目は、6時から12時まで稼動し、12時に一旦中断し、22時に再開し、24時に終了する。21日と22日目は6時から8時と、22時から24時までの4時間だけ稼動する。
この場合、20日から22日までの処理時間の合計は16時間である。しかし、これには洗浄処理時間を含んでいない。そこで、例えば、20日目の運転開始から8時間後と、最終日の22日の終了1時間前との2回の洗浄処理を行うことにする。この洗浄処理の2時間分を、例えば、20日目の稼動時間に追加すると、20日目は、朝の6時に古紙処理部15の運転開始した後、12時に中断するところを14時まで稼動するなどとしてもよい。
処理量設定部834に古紙10の処理量を設定する月が、6月でなく、7月である場合にも、上記した6月の場合と同様に、優先順位1位の時間帯には全ての稼動日に稼動し、この稼動による処理量を除いた残りの量を、優先順位3位以下の時間帯に順番に割り振って稼動時間を演算し、演算結果に基づいて稼動制御部81が古紙処理部15を稼動する。
(参考例1)
紙処理装置の参考例を以下に説明する。図12は、参考例1にかかる古紙処理装置のブロック図を示す。参考例1は、古紙処理装置1に電力計測部73を備えている。そして、上記第2の実施形態における処理量設定部834に替えて上限額設定部841を、期間設定部837に替えて期間単価設定部842をそれぞれ備えている。
電力計測部73は、古紙処理部15及び制御部8に商用電源から供給される電力を計測するものである。電力計測部73は、市販品が用いられる。但し、市販品に替えて、古紙処理部15に電流計と電圧計を設置しこれらの計測値を基に電力量を演算することとしてもよい。
上限額設定部841は、少なくとも古紙処理部15に電力を供給する商用電源の電気料金について、所定期間において消費する電力の許容電気料金額を設定する。所定期間とは、一年間や一ヶ月といったある一定の期間である。消費する電力の許容電気料金額は、ユーザにより操作部71を用いて入力される。そして、制御部8の稼動演算部84は、上限額設定部841において設定された金額の範囲内で、より多くの古紙10を処理するように古紙処理部15を稼動するための演算を行う。稼動制御部81は、得られた演算結果に基づいて古紙処理部15を稼動する。
期間単価設定部842は、優先順位設定部836に設けられる。この期間単価設定部842では、電気料金の単価が、電力会社との契約により期間によって異なる場合に、単価の安い期間の順に優先順位を付与する。この期間単価設定部842は、第1の実施形態における期間設定部837で優先順位を付与したそれぞれの期間に、更に、電気料金の単価額を設定することと同じになる。
よって、例えば、上記第1の実施形態において表1に示した優先的順位を付与したそれぞれの期間に、電力会社との契約により設定されている1kWh当たりの電気料金を設定すればよい。下記表4は期間単価設定部842において、優先順位1位の10月1日から6月30日までの期間に11円と設定し、優先順位2位の7月1日から9月30日までの夏季期間に12円と設定する場合を示す。
Figure 0005793748
そして、制御部8の稼動演算部84は、優先順位設定部836で付与された優先順位に基づいて古紙処理部15を稼動するための演算を行い、稼動制御部81は、得られた演算結果に基づいて古紙処理部15を稼動する。
参考例1の記憶部85には、再生紙製造制御部811が古紙処理を行う際及び洗浄制御部812が洗浄処理を行う際にそれぞれ必要となる電力を、予め記憶している。例えば、再生紙製造制御部811による古紙10の再生処理に4kWh、また、洗浄制御部812による洗浄処理に1kWhなどと記憶している。
図13に、稼動演算部84における演算方法のフローの一例を示す。まず、S31で、一日の稼動時間Tを演算する。上記第2の実施形態と同様に、停止時刻設定部838で夜の0時から朝の6時まで古紙処理部15を停止する設定を行った場合、一日の稼動時間Tは18時間となる。洗浄処理時間を含め9時間で2,500枚の古紙10を処理可能な古紙処理装置では、一日に18時間稼動することで5,000枚の古紙10が処理可能となる。
次に、S32で、上限額設定部841で設定された上限金額を残高Mとする。仮に、上限額設定部841において、4月の電気料金の上限額を、例えば、1万円に設定したとすると、M=10,000円となる。
そして、S33で、期間単価を取得する。期間単価は、期間単価設定部842で期間毎に設定された1kWhあたりの電気料金の金額である。例えば、4月についていえば、表4より優先順位1位となるので、1kWhあたりの電気料金が11円となる。
S34に進み、n=1とする。nは、稼動時間Tから差し引く時間の数である。S35で、Tn−1から(n−1)を差し引いた値をTとする。S34でn=1とした直後のTn−1はS31で設定したT即ち18時間となり、T=18−(1−1)=18となる。S36に進み、T>0を満たすかどうか確認し、T>0を満たすとき、S37に進む。
S37で、試算額mを演算する。試算額mは、古紙処理部15の所定時間の稼動により消費する電力と、電気料金の単価とから、古紙処理部15の稼動に必要となる電気料金の金額として算出される。所定時間はS35で演算したTである。試算額mは、仮に洗浄処理を行うことなく、所定時間Tを全て古紙10の再生処理に費やしたとして演算を行う。1日目の試算額mは、11円×18時間×4kWh=762円となる。S38で、残高Mと得られた試算額mとを比較し、M>mを満たせば、所定時間Tの稼動が決定され、S39に進む。S38でM>mを満たさなければ、S42に進む。
S42で、n=n+1とし、Tから差し引く時間数を1加算し、S35に戻り、S38でM>mを満たすまでS35,S36,S37,S42の流れを繰り返す。これにより、一日の稼動時間について、所定時間Tから1時間ずつ短くして古紙処理部15を稼動するための演算を行う。
S39で、稼動制御部81により古紙処理部15を所定時間T稼動する。S40で、電気料金を演算する。S40において演算する電気料金は、古紙処理部15及び制御部8の所定時間Tの稼動により実際に消費した電力と、電気料金の単価とから算出される実際に消費した電力の電気料金である。ここでは、1日目の18時間の稼動によりかかった金額となる。
実際に消費した電力は、電力計測部73の計測値より得られる。電気料金の単価は、期間単価設定部842で設定された単価である。電気料金は、これらを掛け算することにより演算する。S37における試算額mの演算の際には、所定時間T全てを再生紙製造制御部811によって古紙10の再生処理を行ったと仮定し、電力を4kWhとした。しかし、実際には、所定時間Tの稼動中、洗浄処理を一回につき1時間かけて行い、18時間稼動した場合にはこの洗浄処理を2回行うため、この間1kWhの電力しか消費しない。従って、実際にかかった電気料金は試算mよりも安い金額となる。
S41で、残高Mの更新を行う。残高Mは、S40で演算した実際の消費電力の電気料金を、S32で設定した残高Mから差し引き、新たな残高Mとすることで更新される。そして、S33に戻り、2日目の期間単価を取得する。その後、S33からS42までの流れを繰り返し行い、S36でT>0を満たさなくなったとき稼動時間が0となり終了する。
優先順位が2位の7月から9月までの期間については、試算額の演算の際、1kWhあたりの料金を12円として上記と同様に、試算額を演算し、稼動日及び稼動時間を演算する。
このように、制御部8は、上限額設定部841において設定された金額の範囲内で古紙処理部15を稼動するので、古紙10の再生処理に要する費用の管理を容易に行うことができる。また、制御部8は、古紙処理部15の所定時間Tの稼動により実際に消費した電力と、電気料金の単価とから、実際に消費した電力の電気料金を演算し、演算の結果得られた金額に基づいて古紙処理部15を稼動するので、稼動した結果、消費電力の料金が上限額設定部841において設定された金額を越えるかどうかをより正確に見極めることができる。
また、稼動演算部84は、古紙処理部15の所定時間の稼動により消費する電力と、電気料金の単価とから、古紙処理部15の稼動に必要となる電気料金を試算し、得られた試算額mに基づいて古紙処理部15を稼動するので、古紙処理部15を稼動することで、上限額設定部841において設定された金額を越えるかどうかの判断を容易に行うことができる。
参考例2
参考例2を以下に説明する。図14は、参考例2のブロック図を示す。参考例2では、上記参考例1における期間単価設定部842に替えて時間帯単価設定部843を備えている。時間帯単価設定部843以外は、上記参考例1と同一の構成を備える。
時間帯単価設定部843は、優先順位設定部836に設けられる。この時間帯単価設定部843は、電気料金の単価が、電力会社との契約により期間及び時間帯の双方に対応して異なる場合に、単価の安い期間及び時間帯の順に優先順位を付与するとともに単価を設定する。この時間帯単価設定部843は、第3の実施形態における時間帯設定部839で優先順位を付与した各区分に、更に、電気料金の単価額を設定することと同じである。例えば、下記表5に示すように、優先順位を付与された期間及び時間帯の区分に、電力会社との契約による1kWh当たりの電気料金を設定する。
Figure 0005793748
表5では、優先順位1位の22時から翌日の8時までの時間帯は1年間を通して8円に設定される。優先順位2位の8時から22時までの時間帯は10月1日から6月30日までの夏季以外の期間について12円に設定される。そして、7月1日から9月30日までの夏季の期間について、優先順位が3位及び4位とされた8時から10時までと、17時から22時までの単価は12円に、優先順位が5位とされた10時から17時までの時間帯の単価は最も高い17円に設定される。表2では、優先順位2位、3位、4位の単価がいずれも12円で同額となっている。
制御部8の稼動演算部84は、上限額設定部841で設定された範囲内で、より多くの古紙10を処理するよう稼動時間の割り振りを演算する。演算方法の一例を図15に示す。まず、同図のS61で、上限額設定部841で設定された上限額を残高Mとする。例えば、4月の電気料金の上限額を1万円に設定したとすると、M=10,000円となる。次に、S62で、優先順位1位の時間帯における単価を取得する。4月は、表5より22時から翌日8時までが優先順位1位の時間帯となり、1kWhあたりの電気料金は8円である。
S63で、優先順位1位の時間帯の試算額m1を演算する。停止時刻設定部838で、古紙処理部15を夜の0時から朝の6時まで停止するよう設定した場合、この0時から6時を除いた6時から24時の時間帯のうち、表5において優先順位が1位の時間帯である22時から翌日8時までに属する時間帯は、6時から8時までと、22時から24時までの合計4時間である。
S63における試算額m1の演算では、優先優位1の時間帯について、4月の残り全ての稼動日に稼動したとし、この場合に必要となる電気料金を演算する。4月の稼動日は、表1より20日であるとし、試算額m1は、この20日間は優先順位1位の時間帯である4時間を全て再生紙製造制御部811により古紙10の再生処理を行ったとして、8円×4kWh×4時間×20日=2,560円、即ち、試算額m1=2,560円となる。S64で、得られた電気料金の試算額m1と残高Mとを比較し、M>m1を満たせば、優先順位1位の稼動が決定し、S65に進む。
S65で、表5より、時間帯単価設定部843で優先順位2位に設定された時間帯の電気料金の単価12円を取得する。そして、S66で、n=1とし、S67で、Tn−1からn−1を差し引いた値をTとする。尚、この場合S67のTは優先順位2位の時間帯の稼動時間である8時から22時の14時間になる。S68で、T>0を満たすかどうか確認し、T>0を満たすとき、S69に進む。S69で、優先順位2位の時間帯に古紙処理部15を稼動した場合の試算額m2を演算する。優先順位2位の時間帯の稼動時間は、8時から22時の14時間であり、試算額m2は、再生紙製造制御部811により14時間を全て古紙10の再生処理を行ったとして、12円×4kWh×14時間=672円となる。
S70で、S63で演算した優先順位1位の1ヶ月分試算額m1と、S69で演算した優先順位2位の一日分の試算額m2を加えると、試算額m=m1+m2=2,560+672円=3,232円となり、S71で、残高MとS70で演算した試算額mとを比較する。
S71で、M>mを満たさない場合には、優先順位2位の稼動時間を14時間より短くして古紙処理部15を稼動するためS75に進み、n=n+1とし、Tから差し引く時間数を1加算し、S67に戻る。そして、S67,S68,S69,S70,S71,S75の流れを繰り返し行う。S71でM>mを満たすとき優先順位1位及び2位の時間帯の双方の時間帯に稼動することを決定する。S68でT>0を満たさないときには、優先順位2位の時間帯には古紙処理部15を稼動せず、S64で稼動が決定した優先順位1位の時間帯のみの稼動を決定する。そして、S72へ進み、古紙処理部15を稼動制御部81によって稼動する。
その後、S73に進み、1日目の稼動により実際にかかった電気料金を演算する。S74に進み、この実際にかかった電気料金を残高Mから差し引いて新たな残高Mとする。これにより、残高の更新を行う。そして、S62に戻り、2日目以降についても1日目と同様に、S62乃至S75までの流れから稼動時間を演算し、演算結果を基に稼動制御部81によって古紙処理部15を稼動する動作を繰り返す。S64でM>m1を満たさなくなったとき、終了する。
上限額設定部841に上限額を設定する月が、4月でなく、7月から9月までの夏季期間のいずれかの月である場合にも、上記した4月の場合と同様に、優先順位設定部836の設定に基づいて、稼動演算部84が上限額の範囲内で稼動時間を割り振るよう演算する。その際優先順位3位以下の時間帯については、S65からS71までの流れと同様のフローで演算する。そして、得られた演算結果に基づいて古紙処理部15を稼動する。S
参考例2では、優先順位設定部836で、期間及び時間帯の双方を考慮して、単価の最も安い順に優先順位を付与し、上限額設定部841で設定された上限額の範囲内でより多くの古紙10を処理するよう稼動演算部84で稼動時間を割り振る。よって、古紙10の再生処理に要する費用を管理しつつ、効率よく古紙10を処理することが可能である。
(参考例3)
参考例3を以下に説明する。図16は、参考例3のブロック図を示す。図16に示すように、参考例3では、第1の実施形態の各構成に加え、温度検出部74と、温度設定部844を備えている。温度検出部74は、古紙処理部15の雰囲気温度を検出する。温度設定部844は、制御部8の稼動条件設定部83に設けられ、ユーザが、古紙処理部15を稼動するかどうかの判断の基準となる温度範囲として操作部71より入力した温度範囲を設定する。
制御部8の稼動演算部84は、温度検出部74の検出温度と、温度設定部844の設定温度範囲とに基づいて古紙処理部15を稼動する。例えば、温度設定部844で、古紙処理部15の稼動温度を30℃以上としたとする。制御部8は、温度検出部74で検出される古紙処理部15の雰囲気温度が30℃以上になったときに古紙処理部15を稼動するよう制御する。
これにより、気温が高く湿紙12の乾燥効率が良好な状態でのみ、古紙10の処理を行うようにすることができ、消費する電力に対する古紙10の処理量を増大させることができる。
尚、上記各実施形態では、後処理部9を、貯留部4、脱墨部5、抄紙部6及び仕上げ部7により構成したが、本発明に係る古紙処理装置は、これに限定されず、古紙の含水攪拌物を、圧縮し、乾燥したり、成形する等古紙を処理可能な他の構成としても構わない。また、古紙10を処理することで再生紙13を製造したが、これに限定されず、古紙処理の結果得られる古紙処理物が、嵩張りの小さい廃棄物であってもよく、有益な古紙の再利用製品であってもよい。また、優先順位設定部836は、単価の安い期間のみ、または期間及び時間帯の双方に応じて優先順位を付与したが、時間帯のみに応じて優先順位を付与してもよい。
また、制御部8は、処理量設定部834を備えたが、必ずしも備えなくてもよい。参考例1、2では、制御部8は、上限額設定部841において設定された金額の範囲内で、より多くの古紙10を処理するように古紙処理部15を稼動するための演算を行ったが、設定された上限額を僅かに上回ったところを限度として古紙処理部15の稼動することとしてもよい。また、制御部8は、上限額設定部841の設定範囲内で古紙処理部15を稼動する際、電気料金の試算額mに基づいて古紙処理部15を稼動したが、これに限定されず、例えば、上限額を単価で割り算し、得られた稼働時間だけ稼動したり、また、電力計測部によって常時電力を計測し、得られた電力に単価を掛け合わせることで、リアルタイムで料金を加算していき、上限額に達したところで運転を停止するなど、試算額mを演算することなく、稼動を判断する構成としてもよい。
また、参考例1では、制御部8は、実際に消費した電力の電気料金に基づいて古紙処理部15を稼動したが、これに限定されず、実際の消費電力に関わらず試算額のみに基づき稼動を判断してもよい。また、上限額設定部841の設定範囲内で古紙処理部15を稼動する際、制御部8は、優先順位設定部836の設定に基づいて古紙処理部15の稼動を判断したが、優先順位に関わらず、電気料金の単価とは無関係に稼動を判断してもよい。
た、停止条件設定部830を、曜日や日付、時間帯に替えて、期間について古紙処理部の運転停止を設定可能としてもよい。また、処理量設定手段834は、処理量を設定する期間を4月から3月までの一年間、または一ヶ月間としたが、これに限定されず、例えば5月の20日から翌年の5月19日までといった年や月の初日または最終日以外の日を基準としてもよい。
1 古紙処理装置
8 制御部
9 後処理部
15 古紙処理部
32 攪拌槽
74 温度検出部
834 処理量設定部
836 優先順位設定部

Claims (2)

  1. 古紙に加水し攪拌処理する攪拌槽及び前記攪拌槽で得られた古紙の含水攪拌物を後処理する後処理部を設けてなる古紙処理部と、前記古紙処理部の動作を制御する制御部とを備えた古紙処理装置であって、
    少なくとも前記古紙処理部に電力を供給する商用電源の電気料金の単価が、電力会社との契約により期間及び/または時間帯によって異なる場合に、単価の安い期間及び/または時間帯の順に優先順位を付与する優先順位設定部と、古紙処理部の運転を停止する少なくとも期間、曜日、日付または時間帯のいずれかを設定する停止条件設定部を備え、
    制御部は、停止条件設定部で設定された停止条件に応じて古紙処理部の運転を停止するとともに、古紙を処理する稼動時間を、優先順位設定部で優先順位が高く設定された期間及び/または時間帯から順に割り振って古紙処理部を稼動することを特徴とする古紙処理装置。
  2. 所定期間における古紙の処理量を設定する処理量設定部を備え、
    制御部は、処理量設定部で設定された古紙の処理量に基づいて稼動時間を設定することを特徴とする請求項1に記載の古紙処理装置。
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