以下、本発明の第1から第8実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各部材等を認識可能な程度の大きさにするため、各部材等の尺度を実際とは異ならせて示している。
(第1実施形態)
まず、シート製造装置の構成について説明する。シート製造装置は、例えば、純パルプシートや古紙などの原料(被解繊物)Puを新たなシートPrに形成する技術に基づくものである。本実施形態にかかるシート製造装置は、繊維を含む材料を堆積し、加熱加圧してシートを製造するシート製造装置であって、繊維が流れる量に関する情報を取得し、シート製造装置内の少なくとも一部に付着した繊維を清掃させる制御部を備えるものである。また、本実施形態にかかるシート製造方法は、繊維を含む材料を堆積し、加熱加圧してシートを製造するシート製造方法であって、繊維が流れる量に関する情報を取得し、シート製造装置内の少なくとも一部に付着した繊維を清掃させるものである。以下、具体的にシート製造装置の構成について説明する。
図1は、本実施形態にかかるシート製造装置の構成を示す概略図である。図1に示すように、本実施形態のシート製造装置1は、給紙部10と、粗砕部20と、解繊部30と、分級部40と、選別部50と、添加物供給部60と、堆積部70と、加熱加圧部120等を備えている。また、これらの各部には必要に応じて各部に付着した繊維を清掃する清掃手段が備えられている。そして、シート製造装置1では、制御部2によって各部等が制御される。
給紙部10は、粗砕部20に原料としての古紙Pu等を供給するものである。給紙部10は、例えば、複数枚の古紙Puを重ねて貯めておくトレー11と、トレー11中の古紙Puを粗砕部20に連続して投入可能な自動送り機構12等を備えている。シート製造装置1に供給する古紙Puとしては、例えば、オフィスで現在主流となっているA4サイズの用紙等である。
粗砕部20は、供給された古紙Puを数センチメートル角の紙片に裁断するものである。粗砕部20では、粗砕刃21を備え、通常のシュレッダーの刃の切断幅を広げたような装置を構成している。これにより、供給された古紙Puを容易に紙片に裁断することができる。そして、分断された粗砕紙は、配管201を介して解繊部30に供給される。
解繊部30は、繊維を含む材料を空気中で繊維状に解繊するものである。具体的には、解繊部30は、回転する回転刃(図示せず)を備え、粗砕部20から供給された粗砕紙を繊維状に解きほぐす解繊を行うものである。本願においては、解繊部30で解繊されるものを被解繊物と言い、解繊部30を通過したものを解繊物と言う。なお、本実施形態の解繊部30は、空気中で乾式で解繊を行うものである。解繊部30の解繊処理により、印刷されたインクやトナー、にじみ防止材等の紙への塗工材料等は、数十μm以下の粒(以下、「インク粒」という)となって繊維と分離する。したがって、解繊部30から出る解繊物は、紙片の解繊により得られる繊維とインク粒である。そして、解繊物は配管202を介して分級部40に搬送される。なお、本実施形態では、配管202に分級部40に向けて気流を発生させるブロワー等の気流発生装置301が配置されている。従って、解繊物は気流発生装置301による気流に乗って空気中で分級部40に搬送される。
分級部40は、導入された導入物を気流により分級するものである。本実施形態では、導入物としての解繊物をインク粒と繊維とに分級する。分級部40は、例えば、サイクロンを適用することにより、搬送された解繊物をインク粒と繊維とに気流分級することができる。これにより、比較的小さく密度の低いインク粒と、インク粒より大きく密度の高い繊維とに分けられる。
本実施形態の分級部40は接線入力方式のサイクロンであり、解繊部30から導入物が導入される導入口40aと、導入口40aが接線方向についた筒部41と、筒部41の下部に続く円錐部42と、円錐部42の下部に設けられる下部取出口40bと、筒部41の上部中央に設けられる微粉排出のための上部排気口40cとから構成される。円錐部42は鉛直方向下方にむかって径が小さくなる。
分級処理において、分級部40の導入口40aから導入された解繊物をのせた気流は、筒部41、円錐部42で円周運動に変わり、遠心力がかかり分級される。そして、インク粒より大きく密度の高い繊維は下部取出口40bへ移動し、比較的小さく密度の低いインク粒は空気とともに微粉として上部排気口40cへ導出される。そして、分級部40の上部排気口40cからインク粒が排出される。そして、排出されたインク粒は、分級部40の上部排気口40cに接続された配管206を介して受け部80に回収される。一方、分級部40の下部取出口40bから配管203を介して分級された繊維を含む分級物が選別部50に向けて空気中で搬送される。分級部40から選別部50へは、分級される際の気流によって搬送されてもよいし、上方にある分級部40から重力で下方にある選別部50に搬送されてもよい。なお、分級部40の上部排気口40cや配管206等に、上部排気口40cから短繊維混合物を効率よく吸引するための吸引部等を配置してもよい。分級は、あるサイズや密度を境にして正確に分けられるものではない。また、繊維とインク粒とに正確に分けられるものでもない。繊維の中でも比較的短い繊維はインク粒と共に上部排気口40cから排出される。インク粒の中でも比較的大きいものは繊維とともに下部取出口40bから排出される。
選別部50は、分級部40により分級された繊維を含む分級物(解繊物)を複数の開口を有するふるい部51から通過させて選別するものである。さらに、具体的には、分級部40により分級された繊維を含む分級物を、ふるい部51の開口を通過する通過物と、ふるい部51の開口を通過しない残留物と、に選別するものである。本実施形態の選別部50では、分級物を回転運動により空気中で分散させる機構を備えている。そして、選別部50の選別により開口を通過した通過物は、通過物搬送部52から配管204を介して堆積部70側に搬送される。一方、選別部50の選別により開口を通過しなかった残留物は、配管205を介して再び被解繊物として解繊部30に戻される。これにより、残留物は廃棄されずに再使用(再利用)される。なお、本実施形態では、配管204には堆積部70に向けて気流を発生させるブロワー等の気流発生装置302が配置されている。従って、通過物は気流発生装置302による気流に乗って空気中で堆積部70側に搬送される。
また、配管204における選別部50と堆積部70との間には、搬送される通過物に対して結着樹脂(例えば、熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂)等の添加物を添加する添加物供給部60が設けられている。なお、添加物としては、結着樹脂の他、例えば、難燃剤、白色度向上剤、シート力増強剤やサイズ剤、吸収調整剤、芳香剤、脱臭剤等を投入することも可能である。これらの添加物は、添加物貯留部61に貯留され、添加物貯留部61に貯留された添加物は、スクリューフィーダー62の回転によって投入口63から配管204に投入される。なお、添加物はシート製造装置1に供給される材料に対して一定量となるように供給される。
堆積部70は、繊維を含む材料を堆積可能にするものであり、解繊部30で解繊された解繊物の少なくとも一部を空気中で堆積するものである。具体的には、堆積部70は、配管204から投入された繊維や結着樹脂を含む材料を用いて堆積させてウエブWを形成するものであり、繊維を空気中に均一に分散させる機構を備えている。また、堆積部70は、移動しながら解繊物を堆積物(ウエブW)として堆積する移動部を有している。なお、本実施形態の移動部は、張架ローラー72と、張架ローラー72によって張架されるメッシュが形成されているエンドレスのメッシュベルト73とで構成されている。そして、張架ローラー72のうちの少なくとも1つが自転することで、このメッシュベルト73が一方向に回転(移動)するようになっている。なお、本実施形態にかかるウエブWとは、繊維と結着樹脂とを含む物体の構成形態を言う。従って、ウエブの加熱時や加圧時や切断時や搬送時等において寸法等の形態が変化した場合であってもウエブとして示している。
まず、繊維を空気中に均一に分散させる機構として、堆積部70には、繊維及び結着樹脂が内部に投入されるフォーミングドラム71が配置されている。そして、フォーミングドラム71を回転駆動させることにより通過物(繊維)中に結着樹脂(添加物)を均一に混ぜることができる。フォーミングドラム71には複数の小孔を有するスクリーンが設けられている。そして、フォーミングドラム71を回転駆動させて、通過物(繊維)中に結着樹脂(添加物)を均一に混ぜるとともに、小孔を通過した繊維や繊維と結着樹脂の混合物を空気中に均一に分散させることができる。
フォーミングドラム71の下方には、メッシュベルト73が配されている。また、フォーミングドラム71の鉛直下方には、メッシュベルト73を介して、鉛直下方に向けた気流を発生させる吸引部としてのサクション装置75が設けられている。サクション装置75によって、空気中に分散された繊維をメッシュベルト73上に吸引することができる。
そして、フォーミングドラム71の小孔スクリーンを通過した繊維等は、サクション装置75による吸引力によって、メッシュベルト73上に堆積される。このとき、メッシュベルト73を一方向に移動させることにより、繊維と結着樹脂を含み長尺状に堆積させたウエブWを形成することができる。フォーミングドラム71からの分散とメッシュベルト73の移動を連続的に行うことで、帯状の連続したウエブWが成形される。なお、メッシュベルト73は金属製でも、樹脂製でも、不織布でもよく、繊維が堆積でき、気流を通過させることができれば、どのようなものであってもよい。なお、メッシュベルト73のメッシュの穴径が大きすぎるとメッシュの間に繊維が入り込み、ウエブW(シート)を成形したときの凸凹になり、一方、メッシュの穴径が小さすぎると、サクション装置75による安定した気流を形成しづらい。このため、メッシュの穴径は適宜調整することが好ましい。サクション装置75はメッシュベルト73の下に所望のサイズの窓を開けた密閉箱を形成し、窓以外から空気を吸引し箱内を外気より負圧にすることで構成できる。
メッシュベルト73上に成形されたウエブWは、メッシュベルト73の回転移動により、搬送方向(図中の白抜き矢印)に従って搬送される。メッシュベルト73の上側には剥離部としての中間搬送部90が配置される。ウエブWは中間搬送部90によりメッシュベルト73上から剥離されて、加圧部110側に搬送される。中間搬送部90は、鉛直上方(ウエブWがメッシュベルト73から離間する方向)にウエブWを吸引しながらウエブWを搬送可能に構成されている。中間搬送部90は、メッシュベルト73から鉛直上方(ウエブWの表面に対して垂直な方向)に離間して配置され、且つ、ウエブWの搬送方向においてメッシュベルト73と一部が下流側にずれて配置されている。そして、中間搬送部90の搬送区間は、メッシュベルト73の下流側の張架ローラー72aから加圧部110までの区間となる。
また、本実施形態では、メッシュベルト73に付着した繊維を清掃するための清掃部400が備えられている。清掃部400は、メッシュベルト73の繊維が堆積される面に対向して配置されるブラシ400aと、当該ブラシ400aが固定される駆動部400bとを備えている。本実施形態の清掃部400はメッシュベルト73の下側に配置されている。駆動部400bは、制御部2によって上下方向に移動可能に制御される。そして、メッシュベルト73に付着した繊維等を清掃する場合には、清掃部400を上方に移動させブラシ400aの先端部をメッシュベルト73に当接させる。これにより、ブラシ400aがメッシュベルト73を擦ってメッシュベルト73に付着した繊維を除去することができる。
中間搬送部90は、搬送ベルト91と、複数の張架ローラー92と、吸引室93と、を有する。搬送ベルト91は、張架ローラー92によって張架されるメッシュが形成されているエンドレスのメッシュベルトである。そして、複数の張架ローラー92のうちの少なくとも1つが自転することで、搬送ベルト91が一方向に回転(移動)するようになっている。
吸引室93は、搬送ベルト91の内側に配置され、上面と当該上面に接する4つの側面とを有する中空の箱型形状をしており、底面(下方に位置する搬送ベルト91と対向する面)が開口している。また、吸引室93は、吸引室93内に気流(吸引力)を発生させる吸引部を備えている。そして、吸引部を駆動させることにより吸引室93の内部空間が吸引されて、吸引室93の底面から空気が流れ込む。これにより吸引室93の上方に向けた気流が発生し、ウエブWをウエブWの上方から吸引して搬送ベルト91にウエブWを吸着させることができる。そして、搬送ベルト91は、張架ローラー92が自転することによって移動(周回)し、ウエブWを加圧部110に向けて搬送することができる。また、吸引室93は、上方から見て、メッシュベルト73と一部が重なり、また、サクション装置75と重ならない下流側の位置に配置されるため、メッシュベルト73上のウエブWは、吸引室93と対向する位置においてメッシュベルト73から剥離させて搬送ベルト91に吸着させることができる。張架ローラー92は、搬送ベルト91がメッシュベルト73と同速度で移動するように自転する。メッシュベルト73と搬送ベルト91の速度に差があると、ウエブWが引っ張られて破断したり座屈したりすることを、同速度にすることで防止できる。
ウエブWの搬送方向における中間搬送部90の下流側に加圧部110が配置されている。加圧部110は、一対の加圧ローラー111,112で構成され、搬送されるウエブWを加圧する。例えば、加圧部110により、堆積部70で形成されたウエブWの厚みに対しておよそ1/5から1/30の厚みのウエブWとなるように加圧する。これにより、ウエブWの強度を向上させることができる。
ウエブWの搬送方向における加圧部110の下流側に加熱加圧部120が配置されている。加熱加圧部120は、ウエブWに含まれる繊維同士を結着樹脂を介して結着させるものである。本実施形態の加熱加圧部120は、一対の加熱ローラー121,122で構成されている。加熱ローラー121,122の回転軸中心部にはヒーター等の加熱部材が設けられており、当該一対の加熱ローラー121,122間にウエブWを通過させることにより、搬送されるウエブWに対して加熱加圧することができる。そして、ウエブWは一対の加熱ローラー121,122によって加熱加圧されることで、結着樹脂が溶けて繊維と絡みやすくなるとともに繊維間隔が短くなり繊維間の接触点が増加する。
加熱加圧部120の搬送方向の下流側には、ウエブWを切断する切断部130として、ウエブWの搬送方向と交差する方向にウエブWを切断する第1切断部130aと、ウエブWの搬送方向に沿ってウエブWを切断する第2切断部130bが配置されている。第1切断部130aは、カッターを備え、連続状のウエブWを所定の長さに設定された切断位置に従って枚葉状に裁断する。第2切断部130bは、カッターを備え、ウエブWの搬送方向における所定の切断位置に従って裁断する。これにより、所望するサイズのシートPr(ウエブW)が形成される。切断されたシートPrはスタッカー160等に積載される。なお、ウエブWを切断せずに、連続状のまま巻き取りローラーによって巻き取るように構成してもよい。以上により、シート製造装置1においてシートPrを製造することができる。
なお、上記実施形態にかかるシートとは、古紙や純パルプなどの繊維を含むものを原料とし、シート状にしたものを主に言う。しかし、そのようなものに限らず、ボード状やウエブ状(凸凹を有する形状)あってもよい。また、原料としてはセルロースなどの植物繊維やPET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリエステルなどの化学繊維や羊毛、絹などの動物繊維であってもよい。本願においてシートとは、紙と不織布に分かれる。紙は、薄いシート状にした態様などを含み、筆記や印刷を目的とした記録紙や、壁紙、包装紙、色紙、ケント紙などを含む。不織布は紙より厚いものや低強度のもので、不織布、繊維ボード、ティッシュペーパー、キッチンペーパー、クリーナー、フィルター、液体吸収材、吸音体、緩衝材、マットなどを含む。
また、上記本実施形態において古紙とは、主に印刷された紙を指すが、紙として成形されたものを原料とするのであれば使用したか否かに関わらず古紙とみなす。
次に、シート製造装置の制御方法について説明する。図2はシート製造装置の制御方法を示すフローチャートである。本実施形態のシート製造装置の制御方法は、シート製造装置1がシートPr(ウエブW)を製造している時間を累積した累積製造時間を、繊維が流れる量に関する情報として取得し、シート製造装置1内の少なくとも一部に付着した繊維を清掃させるものである。なお、シート製造装置1には、時間を計測するためのタイマー(図示せず)を備えている。
まず、図2に示すように、ステップS111において製造開始指令が発信される。次いで、ステップS112では、製造開始指令に基づいてタイマーをスタート(ON)させる。これにより、シート製造装置1においてシートPrの製造開始時点からの経過時間が計測される。
次いで、ステップS113では、各部を駆動させる。具体的には、給紙部10、解繊部30、分級部40、堆積部70や加熱加圧部120等を駆動させる。これにより、シートPrの製造が開始される。
次いで、ステップS114では、給紙部10の紙は有るか否かを判断する。給紙部10に紙が有る場合(Yes)はステップS117に移行し、給紙部10に紙が無い場合(No)はステップS115に移行する。
ステップS115に移行した場合には、各部の駆動を終了させる。具体的には、給紙部10、解繊部30、分級部40、堆積部70や加熱加圧部120等の駆動を停止させる。これにより、シートPrの製造が停止する。そして、ステップS116に移行し、タイマーをストップさせる。これにより、タイマーはシートPrの製造開始時点からある時間が経過した時点でストップされる。なお、シートPrの製造開始時点からの経過時間は保持された状態で終了となる。
ステップS117に移行した場合には、シート製造中止の指令が有るか否かを判断する。そして、シート製造中止の指令が有る場合(Yes)はステップS115に移行する。なお、ステップS115に移行した場合は上記同様に処理される。シート製造中止の指令が無い場合(NO)はステップS118に移行する。
そして、ステップS118では、タイマーが所定の累積時間を超えたが否かを判断する。本実施形態では、タイマーの累積時間が50時間以上であるか否かを判断する。すなわち、シートPrの製造開始時点からの経過時間(シートPrの製造にかかる累積時間)が50時間以上であるか否かを判断する。50時間未満の場合(No)はステップS114に移行し、50時間以上の場合(Yes)はステップS119に移行する。
ステップS119では、各部の駆動を停止させる。具体的には、給紙部10、解繊部30、分級部40、堆積部70や加熱加圧部120等の駆動を停止させる。これにより、シートPrの製造が停止する。
次いで、ステップS120では、清掃を実施させる。すなわち、シート製造装置1内の少なくとも一部に付着した繊維を清掃させる。具体的な清掃方法としては種々の方法を適用することができる。例えば、配管202に配置された気流発生装置301を用いて通常の気流速度(シートPrを製造する製造条件)よりも速い速度の気流を発生させる。これにより、配管202の内面に付着した繊維が配管202の内面から剥がれて分級部40側に流動され、配管202が清掃される。また、気流発生装置301を用いて通常の気流速度(シートPrを製造する製造条件)よりも速い速度の気流を発生させることにより、分級部40の内部に付着した繊維が剥がれて選別部50側に流動され、分級部40が清掃される。さらに、気流発生装置301を用いて通常の気流速度(シートPrを製造する製造条件)よりも速い速度の気流を発生させることにより、選別部50内に気流が流れ、ふるい部51や選別部50の内部に付着した繊維が剥がれて配管204側に流動され、選別部50が清掃される。
また、配管204に配置された気流発生装置302を用いて通常の気流速度(シートPrを製造する製造条件)よりも速い速度の気流を発生させる。これにより、配管204の内面に付着した繊維が配管204の内面から剥がれて堆積部70側に流動され、配管204が清掃される。また、気流発生装置302を用いて通常の気流速度(シートPrを製造する製造条件)よりも速い速度の気流を発生させることにより、堆積部70のフォーミングドラム71や堆積部70内部に付着した繊維が剥がれてメッシュベルト73側に落下され、堆積部70が清掃される。
次いで、ステップS121ではメッシュベルト73を駆動させる。メッシュベルト73を駆動させ、堆積部70から清掃により落下した繊維等を回収する。また、メッシュベルト73の近傍に配置された清掃部400を駆動させる。具体的には、清掃部400のブラシ400aの先端をメッシュベルト73の表面に当接させる。これにより、メッシュベルト73に付着した繊維がブラシ400aによって剥がれ落ちる。これにより、メッシュベルト73が清掃される。
次いで、ステップS122ではタイマーをストップさせるとともにリセットする。これにより、シートPrの製造にかかる累積時間がリセット(0時間)となる。以上により、シート製造装置1の清掃にかかる制御処理が終了する。
以上、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
シートPrの製造が開始された時点からタイマーをスタートさせ、シートPrの製造にかかる累積時間が計測される。ここで、シートPrの製造にかかる累積時間はシート製造装置1に流れる繊維の量と相関があるため、当該累積製造時間によって定期的に繊維を清掃するタイミングを容易に把握でき、確実に清掃を行うことができる。なお、本実施形態における定期的とは50時間ちょうどではなく、清掃にかかる調整等の時間を含め多少のずれ時間を含むものである。
なお、本実施形態にかかるシートPrの製造にかかる累積製造時間は、シート製造装置1の全体としての製造時間であってもよいし、シート製造装置1の一部の要素、例えば、解繊部30の製造時間(駆動時間)や選別部50の製造時間(駆動時間)であってもよい。また、本実施形態では、累積製造時間を50時間に規定したが、これに限定されない。シート製造装置1の各部に付着する繊維の状況やシートPrの製造状況を考慮し、適宜設定することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。なお、シート製造装置の基本的な構成は第1実施形態の構成と同様なので説明を省略し、シート製造装置の制御方法について説明する。
図3は、シート製造装置の制御方法を示すフローチャートであり、図3(a)は電源ONによる制御方法を示し、図3(b)は電源OFFによる制御方法を示し、図3(c)は製造開始指令による制御方法を示している。本実施形態の制御方法は、シート製造装置1の電源が入っている時間を累積した累積電源時間を、繊維が流れる量に関する情報として取得し、シート製造装置1内の少なくとも一部に付着した繊維を清掃させるものである。なお、シート製造装置1には、時間を計測するためのタイマー(図示せず)を備えている。
まず、図3(a)に示すように、ステップS211においてシート製造装置1の電源がONされると、ステップS212ではタイマーをスタート(ON)させる。これにより、シート製造装置1に電源が入った時点からの時間が計測される。
次いで、ステップS213では、各部の位置調整を実行させる。具体的には、給紙部10、解繊部30、分級部40、堆積部70や加熱加圧部120等を駆動させ、位置調整を行う。
また、図3(b)に示すように、ステップS221においてシート製造装置1の電源がOFFされると、ステップS222ではタイマーをストップさせる。これにより、タイマーはシート製造装置の電源がONしてからある時間が経過した時点でストップされる。そして、シート製造装置1の電源が入っていた(ON状態であった)時間は保持される。
続いて、シート製造装置1にかかるシート製造開始指令による制御方法について説明する。まず、ステップS231において製造開始指令が発信される。次いで、ステップS232では、各部を駆動させる。具体的には、給紙部10、解繊部30、分級部40、堆積部70や加熱加圧部120等を駆動させる。これにより、シートPrの製造が開始される。
次いで、ステップS233では、給紙部10の紙は有るか否かを判断する。給紙部10に紙が有る場合(Yes)はステップS235に移行し、給紙部10に紙が無い場合(No)はステップS234に移行する。
ステップS234に移行した場合には、各部の駆動を終了させる。具体的には、給紙部10、解繊部30、分級部40、堆積部70や加熱加圧部120等の駆動を停止させる。これにより、シートPrの製造が停止する。なお、本実施形態では、シートPrの製造が停止された時点ではタイマーをストップさせない。すなわち、シート製造装置1の電源がOFFとなるまでタイマーの計測は継続される。
ステップS235に移行した場合には、シート製造中止の指令が有るか否かを判断する。そして、シート製造中止の指令が有る場合(Yes)はステップS234に移行する。なお、ステップS234に移行した場合は上記同様に処理される。また、シート製造中止の指令が無い場合(No)はステップS236に移行する。
そして、ステップS236では、タイマーが所定の累積時間を超えたか否かを判断する。本実施形態では、タイマーの累積時間が60時間以上であるか否かを判断する。すなわち、シート製造装置1の電源が入っている(電源ON)状態である累積時間が60時間以上であるか否かを判断する。60時間未満の場合(No)はステップS233に移行し、60時間以上の場合(Yes)はステップS237に移行する。
ステップS237では、各部の駆動を終了させる。具体的には、給紙部10、解繊部30、分級部40、堆積部70や加熱加圧部120等の駆動を停止させる。これにより、シートPrの製造が停止する。
次いで、ステップS238では、清掃を実施させる。すなわち、シート製造装置1内の少なくとも一部に付着した繊維を清掃させる。具体的な清掃方法としては種々の方法を適用することができる。例えば、配管202に配置された気流発生装置301を用いて通常の気流速度(シートPrを製造する製造条件)よりも速い速度の気流を発生させる。これにより、配管202の内面に付着した繊維が配管202の内面から剥がれて分級部40側に流動され、配管202が清掃される。また、気流発生装置301を用いて通常の気流速度(シートPrを製造する製造条件)よりも速い速度の気流を発生させることにより、分級部40の内部に付着した繊維が剥がれて選別部50側に流動され、分級部40が清掃される。さらに、気流発生装置301を用いて通常の気流速度(シートPrを製造する製造条件)よりも速い速度の気流を発生させることにより、選別部50内に気流が流れ、ふるい部51や選別部50の内部に付着した繊維が剥がれて配管204側に流動され、選別部50が清掃される。
また、配管204に配置された気流発生装置302を用いて通常の気流速度(シートPrを製造する製造条件)よりも速い速度の気流を発生させる。これにより、配管204の内面に付着した繊維が配管204の内面から剥がれて堆積部70側に流動され、配管204が清掃される。また、気流発生装置302を用いて通常の気流速度(シートPrを製造する製造条件)よりも速い速度の気流を発生させることにより、堆積部70のフォーミングドラム71や堆積部70内部に付着した繊維が剥がれてメッシュベルト73側に落下され、堆積部70が清掃される。
次いで、ステップS239ではメッシュベルト73を駆動させる。メッシュベルト73を駆動させ、堆積部70から清掃により落下した繊維等を回収する。また、メッシュベルト73の近傍に配置された清掃部400を駆動させる。具体的には、清掃部400のブラシ400aの先端をメッシュベルト73の表面に当接させる。これにより、メッシュベルト73に付着した繊維がブラシ400aによって剥がれ落ちる。これにより、メッシュベルト73が清掃される。
次いで、ステップS240ではタイマーをストップさせるとともにリセットする。これにより、累積時間がリセット(0時間)され、改めて計測が開始される。以上により、シート製造装置1の清掃にかかる制御処理が終了する。
以上、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
シート製造装置1の電源がON状態である間の累積時間が計測される。ここで、シート製造装置1の電源がON状態である間の累積時間はシート製造装置1に流れる繊維の量と相関があるため、当該累積製造時間によって繊維を清掃するタイミングを容易に把握でき、確実に清掃を行うことができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。なお、シート製造装置の基本的な構成は第1実施形態の構成と同様なので説明を省略し、シート製造装置の制御方法について説明する。
図4は、シート製造装置の制御方法を示すフローチャートであり、図4(a)は切断指令による制御方法を示し、図4(b)は製造開始指令による制御方法を示している。本実施形態の制御方法は、シート製造装置1で製造したシートPr(ウエブW)の数量を、繊維が流れる量に関する情報として取得し、シート製造装置1内の少なくとも一部に付着した繊維を清掃させるものである。なお、シート製造装置1の第2切断部130bには、駆動回数を計測するためのカウンター(図示せず)を備えている。
まず、図4(a)に示すように、ステップS311においてシート製造装置1の第2切断部130bに切断指令が送信されると、ステップS312では第2切断部130bがウエブWの切断動作を実行する。そして、ステップS313では製造枚数をカウンターにカウントさせる(回数を計測させる)。すなわち、第2切断部130bの駆動動作(切断回数)をカウンターにカウントさせることにより、製造(切断)されたシートPrの枚数がカウントされる。
なお、カウント方法は製造されるシートPr(ウエブW)の状態(サイズや厚み等)に応じて適宜設定することができる。例えば、製造されるシートPrがA4サイズの通常の厚みである場合には、第2切断部130bの1回の切断動作につきカウント数を「1」とし、製造されるシートPrがA4サイズの倍の大きさとなるA3である場合には、第2切断部130bの1回の切断動作につきカウント数を「2」とし、製造されるシートPrがA4サイズの厚紙である場合には、第2切断部130bの1回の切断動作につきカウント数を「3」等と設定することができる。
続いて、シート製造装置1にかかるシート製造開始指令による制御方法について説明する。まず、ステップS321において製造開始指令が発信される。次いで、ステップS322では、各部を駆動させる。具体的には、給紙部10、解繊部30、分級部40、堆積部70や加熱加圧部120等を駆動させる。これにより、シートPrの製造が開始される。
次いで、ステップS323では、給紙部10の紙は有るか否かを判断する。給紙部10に紙が有る場合(Yes)はステップS325に移行し、給紙部10に紙が無い場合(No)はステップS324に移行する。
ステップS324に移行した場合には、各部の駆動を終了させる。具体的には、給紙部10、解繊部30、分級部40、堆積部70や加熱加圧部120等の駆動を停止させる。
ステップS325に移行した場合には、シート製造中止の指令が有るか否かを判断する。そして、シート製造中止の指令が有る場合(Yes)はステップS324に移行する。なお、ステップS324に移行した場合は上記同様に処理される。また、シート製造中止の指令が無い場合(No)はステップS326に移行する。
そして、ステップS326では、カウンターによるカウントが所定の回数を超えたか否かを判断する。本実施形態では、カウンターの回数が30000以上であるか否かを判断する。すなわち、シート製造装置1の第2切断部130bが30000回分の駆動を実行したか否かを判断する。30000回分未満の場合(No)はステップS323に移行し、30000回分以上の場合(Yes)はステップS327に移行する。
ステップS327では、各部の駆動を終了させる。具体的には、給紙部10、解繊部30、分級部40、堆積部70や加熱加圧部120等の駆動を停止させる。これにより、シートPrの製造が停止する。
次いで、ステップS328では、清掃を実施させる。すなわち、シート製造装置1内の少なくとも一部に付着した繊維を清掃させる。具体的な清掃方法としては種々の方法を適用することができる。例えば、配管202に配置された気流発生装置301を用いて通常の気流速度(シートPrを製造する製造条件)よりも速い速度の気流を発生させる。これにより、配管202の内面に付着した繊維が配管202の内面から剥がれて分級部40側に流動され、配管202が清掃される。また、気流発生装置301を用いて通常の気流速度(シートPrを製造する製造条件)よりも速い速度の気流を発生させることにより、分級部40の内部に付着した繊維が剥がれて選別部50側に流動され、分級部40が清掃される。さらに、気流発生装置301を用いて通常の気流速度(シートPrを製造する製造条件)よりも速い速度の気流を発生させることにより、選別部50内に気流が流れ、ふるい部51や選別部50の内部に付着した繊維が剥がれて配管204側に流動され、選別部50が清掃される。
また、配管204に配置された気流発生装置302を用いて通常の気流速度(シートPrを製造する製造条件)よりも速い速度の気流を発生させる。これにより、配管204の内面に付着した繊維が配管204の内面から剥がれて堆積部70側に流動され、配管204が清掃される。また、気流発生装置302を用いて通常の気流速度(シートPrを製造する製造条件)よりも速い速度の気流を発生させることにより、堆積部70のフォーミングドラム71や堆積部70内部に付着した繊維が剥がれてメッシュベルト73側に落下され、堆積部70が清掃される。
次いで、ステップS329ではメッシュベルト73を駆動させる。メッシュベルト73を駆動させ、堆積部70から清掃により落下した繊維等を回収する。また、メッシュベルト73の近傍に配置された清掃部400を駆動させる。具体的には、清掃部400のブラシ400aの先端をメッシュベルト73の表面に当接させる。これにより、メッシュベルト73に付着した繊維がブラシ400aによって剥がれ落ちる。これにより、メッシュベルト73が清掃される。
次いで、ステップS330ではカウンターのカウントをリセットする。これにより、累積回数がリセット(0回)され、改めて回数の計測が開始される。以上により、シート製造装置1の清掃にかかる制御処理が終了する。
以上、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
シート製造装置1の第2切断部130bでの切断回数がカウントされる。ここで、シート製造装置1における切断回数はシート製造装置1に流れる繊維の量と相関があるため、当該切断回数によって繊維を清掃するタイミングを容易に把握でき、確実に清掃を行うことができる。
なお、本実施形態では、第2切断部130bにカウンターを配置したが、これに限定されない。例えば、スタッカー160に収容されるシートPrの枚数をカウントさせる構成であってもよい。また、スタッカー160に収容されるシートPrの重量を計測してもよい。また、本実施形態では、枚葉式(シート状)のシートPrを製造する装置構成について説明したが、これに限定されず、ロール状のシートPrを製造する場合であっても適用可能である。この場合、シートPr(ロール)の長さや重さを計測すればよい。このようにしても、シートPrの製造量に応じて、清掃のタイミングを把握することができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。なお、シート製造装置の基本的な構成は第1実施形態の構成と同様なので説明を省略し、シート製造装置の制御方法について説明する。
図5は、シート製造装置の制御方法を示すフローチャートであり、図5(a)は給紙指令による制御方法を示し、図5(b)は製造開始指令による制御方法を示している。本実施形態の制御方法は、給紙された前記古紙の数量を、繊維が流れる量に関する情報として取得し、シート製造装置1内の少なくとも一部に付着した繊維を清掃させるものである。なお、シート製造装置1の給紙部10には、給紙枚数を計測するためのカウンター(図示せず)を備えている。
まず、図5(a)に示すように、ステップS411においてシート製造装置1の給紙部10に給紙指令が送信されると、ステップS412では給紙部10が給紙動作を実行する。そして、ステップS413では給紙枚数をカウンターにカウントさせる。
なお、カウント方法は給紙される古紙Puの状態(サイズや厚み等)に応じて適宜設定することができる。例えば、給紙される古紙PuがA4サイズの通常の厚みである場合には、給紙枚数のカウント数を「1」とし、給紙される古紙PuがA4サイズの倍の大きさとなるA3である場合には、給紙枚数のカウント数を「2」とし、給紙される古紙PuがA4サイズの厚紙である場合には、給紙枚数のカウント数を「3」等と設定することができる。
続いて、シート製造装置1にかかるシート製造開始指令による制御方法について説明する。まず、ステップS421において製造開始指令が発信される。次いで、ステップS422では、各部を駆動させる。具体的には、給紙部10、解繊部30、分級部40、堆積部70や加熱加圧部120等を駆動させる。これにより、シートPrの製造が開始される。
次いで、ステップS423では、給紙部10の紙は有るか否かを判断する。給紙部10に紙が有る場合(Yes)はステップS425に移行し、給紙部10に紙が無い場合(No)はステップS424に移行する。
ステップS424に移行した場合には、各部の駆動を終了させる。具体的には、給紙部10、解繊部30、分級部40、堆積部70や加熱加圧部120等の駆動を停止させる。
ステップS425に移行した場合には、シート製造中止の指令が有るか否かを判断する。そして、シート製造中止の指令が有る場合(Yes)はステップS424に移行する。なお、ステップS424に移行した場合は上記同様に処理される。また、シート製造中止の指令が無い場合(No)はステップS426に移行する。
そして、ステップS426では、カウンターによるカウントが所定の回数を超えたか否かを判断する。本実施形態では、カウンターの回数が30000以上であるか否かを判断する。すなわち、給紙された古紙Puの枚数が30000枚分以上であるか否かを判断する。30000枚分未満の場合(No)はステップS423に移行し、30000枚分以上の場合(Yes)はステップS427に移行する。
ステップS427では、各部の駆動を終了させる。具体的には、給紙部10、解繊部30、分級部40、堆積部70や加熱加圧部120等の駆動を停止させる。これにより、シートPrの製造が停止する。
次いで、ステップS428では、清掃を実施させる。すなわち、シート製造装置1内の少なくとも一部に付着した繊維を清掃させる。具体的な清掃方法としては種々の方法を適用することができる。例えば、配管202に配置された気流発生装置301を用いて通常の気流速度(シートPrを製造する製造条件)よりも速い速度の気流を発生させる。これにより、配管202の内面に付着した繊維が配管202の内面から剥がれて分級部40側に流動され、配管202が清掃される。また、気流発生装置301を用いて通常の気流速度(シートPrを製造する製造条件)よりも速い速度の気流を発生させることにより、分級部40の内部に付着した繊維が剥がれて選別部50側に流動され、分級部40が清掃される。さらに、気流発生装置301を用いて通常の気流速度(シートPrを製造する製造条件)よりも速い速度の気流を発生させることにより、選別部50内に気流が流れ、ふるい部51や選別部50の内部に付着した繊維が剥がれて配管204側に流動され、選別部50が清掃される。
また、配管204に配置された気流発生装置302を用いて通常の気流速度(シートPrを製造する製造条件)よりも速い速度の気流を発生させる。これにより、配管204の内面に付着した繊維が配管204の内面から剥がれて堆積部70側に流動され、配管204が清掃される。また、気流発生装置302を用いて通常の気流速度(シートPrを製造する製造条件)よりも速い速度の気流を発生させることにより、堆積部70のフォーミングドラム71や堆積部70内部に付着した繊維が剥がれてメッシュベルト73側に落下され、堆積部70が清掃される。
次いで、ステップS429ではメッシュベルト73を駆動させる。メッシュベルト73を駆動させ、堆積部70から清掃により落下した繊維等を回収する。また、メッシュベルト73の近傍に配置された清掃部400を駆動させる。具体的には、清掃部400のブラシ400aの先端をメッシュベルト73の表面に当接させる。これにより、メッシュベルト73に付着した繊維がブラシ400aによって剥がれ落ちる。これにより、メッシュベルト73が清掃される。
次いで、ステップS430ではカウンターのカウントをリセットする。これにより、累積枚数がリセット(0枚)され、改めて枚数の計測が開始される。以上により、シート製造装置1の清掃にかかる制御処理が終了する。
以上、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
シート製造装置1の給紙部10における古紙Puの供給枚数がカウントされる。ここで、シート製造装置1における古紙Puの供給枚数はシート製造装置1に流れる繊維の量と相関があるため、当該供給枚数によって繊維を清掃するタイミングを容易に把握でき、確実に清掃を行うことができる。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について説明する。なお、シート製造装置の基本的な構成は第1実施形態の構成と同様なので説明を省略し、シート製造装置の制御方法について説明する。
図6は、シート製造装置の制御方法を示すフローチャートであり、図6(a)は添加物供給部の駆動指令による制御方法を示し、図6(b)は製造開始指令による制御方法を示している。本実施形態の制御方法は、供給された添加剤の量を、繊維が流れる量に関する情報として取得し、シート製造装置1内の少なくとも一部に付着した繊維を清掃させるものである。なお、シート製造装置1では、添加物供給部60のスクリューフィーダー62の回転数を計測するためのカウンター(図示せず)を備えている。
まず、図6(a)に示すように、ステップS511においてシート製造装置1の添加物供給部60に駆動指令が送信されると、ステップS512では添加物供給部60のスクリューフィーダー62が回転駆動して添加物を配管204に向けて供給する。そして、ステップS513ではスクリューフィーダー62の回転回数をカウンターにカウントさせる。なお、カウンターには、例えば、スクリューフィーダー62が1回転につきカウント数「1」としてカウントさせてもよいし、スクリューフィーダー62が10回転につきカウント数「1」等としてカウントさせてもよい。
次いで、ステップS514では、添加物供給部60の駆動停止指令が有るか否かを判断する。添加物供給部60の駆動停止指令が有る場合(YES)は終了し、添加物供給部60の駆動停止指令が無い場合(NO)はステップS513に移行する。
続いて、シート製造装置1にかかるシート製造開始による制御方法について説明する。まず、ステップS521において製造開始指令が発信される。次いで、ステップS522では、各部を駆動させる。具体的には、給紙部10、解繊部30、分級部40、堆積部70や加熱加圧部120等を駆動させる。これにより、シートPrの製造が開始される。
次いで、ステップS523では、給紙部10の紙は有るか否かを判断する。給紙部10に紙が有る場合(Yes)はステップS525に移行し、給紙部10に紙が無い場合(No)はステップS524に移行する。
ステップS524に移行した場合には、各部の駆動を終了させる。具体的には、給紙部10、解繊部30、分級部40、堆積部70や加熱加圧部120等の駆動を停止させる。
ステップS525に移行した場合には、シート製造中止の指令が有るか否かを判断する。そして、シート製造中止の指令が有る場合(Yes)はステップS524に移行する。なお、ステップS524に移行した場合は上記同様に処理される。また、シート製造中止の指令が無い場合(No)はステップS526に移行する。
そして、ステップS526では、カウンターによるカウントが所定の回数を超えたが否かを判断する。本実施形態では、カウンターの回数が30000以上であるか否かを判断する。すなわち、スクリューフィーダー62の回転回数が30000回転分以上であるか否かを判断する。30000回転未満の場合(No)はステップS523に移行し、30000回転以上の場合(Yes)はステップS527に移行する。
ステップS527では、各部の駆動を終了させる。具体的には、給紙部10、解繊部30、分級部40、堆積部70や加熱加圧部120等の駆動を停止させる。これにより、シートPrの製造が停止する。
次いで、ステップS528では、清掃を実施させる。すなわち、シート製造装置1内の少なくとも一部に付着した繊維を清掃させる。具体的な清掃方法としては種々の方法を適用することができる。例えば、配管202に配置された気流発生装置301を用いて通常の気流速度(シートPrを製造する製造条件)よりも速い速度の気流を発生させる。これにより、配管202の内面に付着した繊維が配管202の内面から剥がれて分級部40側に流動され、配管202が清掃される。また、気流発生装置301を用いて通常の気流速度(シートPrを製造する製造条件)よりも速い速度の気流を発生させることにより、分級部40の内部に付着した繊維が剥がれて選別部50側に流動され、分級部40が清掃される。さらに、気流発生装置301を用いて通常の気流速度(シートPrを製造する製造条件)よりも速い速度の気流を発生させることにより、選別部50内に気流が流れ、ふるい部51や選別部50の内部に付着した繊維が剥がれて配管204側に流動され、選別部50が清掃される。
また、配管204に配置された気流発生装置302を用いて通常の気流速度(シートPrを製造する製造条件)よりも速い速度の気流を発生させる。これにより、配管204の内面に付着した繊維が配管204の内面から剥がれて堆積部70側に流動され、配管204が清掃される。また、気流発生装置302を用いて通常の気流速度(シートPrを製造する製造条件)よりも速い速度の気流を発生させることにより、堆積部70のフォーミングドラム71や堆積部70内部に付着した繊維が剥がれてメッシュベルト73側に落下され、堆積部70が清掃される。
次いで、ステップS529ではメッシュベルト73を駆動させる。メッシュベルト73を駆動させ、堆積部70から清掃により落下した繊維等を回収する。また、メッシュベルト73の近傍に配置された清掃部400を駆動させる。具体的には、清掃部400のブラシ400aの先端をメッシュベルト73の表面に当接させる。これにより、メッシュベルト73に付着した繊維がブラシ400aによって剥がれ落ちる。これにより、メッシュベルト73が清掃される。
次いで、ステップS530ではカウンターのカウントをリセットする。これにより、累積回転回数がリセット(0回)され、改めて回転回数の計測が開始される。以上により、シート製造装置1の清掃にかかる制御処理が終了する。
以上、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
シート製造装置1の添加物供給部60におけるスクリューフィーダー62の回転回数がカウントされる。ここで、スクリューフィーダー62の回転回数に伴って供給される添加剤量はシート製造装置1に流れる繊維の量と相関があるため、当該供給枚数によって繊維を清掃するタイミングを容易に把握でき、確実に清掃を行うことができる。
なお、本実施形態では、スクリューフィーダー62の回転回数のカウントに応じて清掃を行ったが、これに限定されず、添加物貯留部61に貯留された添加剤の残量を光学式検出器等で検出し、当該残量に応じて清掃を行わせてもよい。また、添加物が貯留された添加物貯留部61の重量を検出し、当該重量に応じて清掃を行わせてもよい。このようにしても、上記効果と同様の効果を得ることができる。
(第6実施形態)
次に、第6実施形態について説明する。なお、シート製造装置の基本的な構成は第1実施形態の構成と同様なので説明を省略し、シート製造装置の制御方法について説明する。
図7は、シート製造装置の制御方法を示すフローチャートであり、図7(a)はシート製造装置1の一部における駆動指令による制御方法を示し、図7(b)は製造開始指令による制御方法を示している。本実施形態の制御方法は、シート製造装置1の一部が駆動している駆動回数を、繊維が流れる量に関する情報として取得し、シート製造装置1内の少なくとも一部に付着した繊維を清掃させるものである。なお、本実施形態では、シート製造装置1の一部としての解繊部30の回転刃が回転駆動する駆動回数(モーター回転数)を計測するためのカウンター(図示せず)を備えた場合について説明する。
まず、図7(a)に示すように、ステップS611においてシート製造装置1の解繊部30に駆動指令が送信されると、ステップS612では解繊部30のモーターが駆動して回転刃が回転する。そして、ステップS613ではモーターの回転回数をカウンターにカウントさせる。なお、カウンターには、例えば、モーターが1回転につきカウント数「1」としてカウントさせてもよいし、モーター10回転につきカウント数「1」等としてカウントさせてもよい。
次いで、ステップS614では、解繊部30の駆動停止指令が有るか否かを判断する。解繊部30の駆動停止指令が有る場合(Yes)は終了し、解繊部30の駆動停止指令が無い場合(No)はステップS613に移行する。
続いて、シート製造装置1にかかるシート製造開始指令による制御方法について説明する。まず、ステップS621において製造開始指令が発信される。次いで、ステップS622では、各部を駆動させる。具体的には、給紙部10、解繊部30、分級部40、堆積部70や加熱加圧部120等を駆動させる。これにより、シートPrの製造が開始される。
次いで、ステップS623では、給紙部10の紙は有るか否かを判断する。給紙部10に紙が有る場合(Yes)はステップS625に移行し、給紙部10に紙が無い場合(No)はステップS624に移行する。
ステップS624に移行した場合には、各部の駆動を終了させる。具体的には、給紙部10、解繊部30、分級部40、堆積部70や加熱加圧部120等の駆動を停止させる。
ステップS625に移行した場合には、シート製造中止の指令が有るか否かを判断する。そして、シート製造中止の指令が有る場合(Yes)はステップS624に移行する。なお、ステップS624に移行した場合は上記同様に処理される。また、シート製造中止の指令が無い場合(No)はステップS626に移行する。
そして、ステップS626では、カウンターによるカウントが所定の回数を超えたか否かを判断する。本実施形態では、カウンターの回数が30000以上であるか否かを判断する。すなわち、モーターの回転回数が30000回転分以上であるか否かを判断する。30000回転未満の場合(No)はステップS623に移行し、30000回転以上の場合(Yes)はステップS627に移行する。
ステップS627では、各部の駆動を終了させる。具体的には、給紙部10、解繊部30、分級部40、堆積部70や加熱加圧部120等の駆動を停止させる。これにより、シートPrの製造が停止する。
次いで、ステップS628では、清掃を実施させる。すなわち、シート製造装置1内の少なくとも一部に付着した繊維を清掃させる。具体的な清掃方法としては種々の方法を適用することができる。例えば、配管202に配置された気流発生装置301を用いて通常の気流速度(シートPrを製造する製造条件)よりも速い速度の気流を発生させる。これにより、配管202の内面に付着した繊維が配管202の内面から剥がれて分級部40側に流動され、配管202が清掃される。また、気流発生装置301を用いて通常の気流速度(シートPrを製造する製造条件)よりも速い速度の気流を発生させることにより、分級部40の内部に付着した繊維が剥がれて選別部50側に流動され、分級部40が清掃される。さらに、気流発生装置301を用いて通常の気流速度(シートPrを製造する製造条件)よりも速い速度の気流を発生させることにより、選別部50内に気流が流れ、ふるい部51や選別部50の内部に付着した繊維が剥がれて配管204側に流動され、選別部50が清掃される。
また、配管204に配置された気流発生装置302を用いて通常の気流速度(シートPrを製造する製造条件)よりも速い速度の気流を発生させる。これにより、配管204の内面に付着した繊維が配管204の内面から剥がれて堆積部70側に流動され、配管204が清掃される。また、気流発生装置302を用いて通常の気流速度(シートPrを製造する製造条件)よりも速い速度の気流を発生させることにより、堆積部70のフォーミングドラム71や堆積部70内部に付着した繊維が剥がれてメッシュベルト73側に落下され、堆積部70が清掃される。
次いで、ステップS629ではメッシュベルト73を駆動させる。メッシュベルト73を駆動させ、堆積部70から清掃により落下した繊維等を回収する。また、メッシュベルト73の近傍に配置された清掃部400を駆動させる。具体的には、清掃部400のブラシ400aの先端をメッシュベルト73の表面に当接させる。これにより、メッシュベルト73に付着した繊維がブラシ400aによって剥がれ落ちる。これにより、メッシュベルト73が清掃される。
次いで、ステップS630ではカウンターのカウントをリセットする。これにより、累積回転回数がリセット(0回)され、改めて回転回数の計測が開始される。以上により、シート製造装置1の清掃にかかる制御処理が終了する。
以上、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
シート製造装置1の一部の解繊部30におけるモーターの回転回数がカウントされる。ここで、解繊部30のモーターの回転回数はシート製造装置1に流れる繊維の量と相関があるため、当該回転回数によって繊維を清掃するタイミングを容易に把握でき、確実に清掃を行うことができる。
なお、本実施形態では、シート製造装置1の一部として解繊部30のモーターの駆動回数をカウントしたが、この構成に限定されない。例えば、選別部50のふるい部51の駆動回転数や堆積部70のフォーミングドラム71の駆動回転数をカウントし、当該駆動回転数に応じて清掃を行わせてもよい。このようにしても、上記効果と同様の効果を得ることができる。
(第7実施形態)
次に、第7実施形態について説明する。本実施形態のシート製造装置は、繊維を含む材料を堆積し、加熱加圧してシートを製造するシート製造装置であって、シート製造装置の電源投入時及び電源遮断時の少なくとも一方において、シート製造装置内の少なくとも一部に付着した繊維を清掃させる制御部を備えるものである。また、本実施形態のシート製造方法は、繊維を含む材料を堆積し、加熱加圧してシートを製造するシート製造方法であって、シート製造装置の電源投入時及び電源遮断時の少なくとも一方において、シート製造装置内の少なくとも一部に付着した繊維を清掃させるものである。なお、本実施形態にかかるシート製造装置の基本的な構成は第1実施形態の構成と同様なので説明を省略し、シート製造装置の制御方法について説明する。
図8は、シート製造装置の制御方法を示すフローチャートであり、図8(a)は電源ONによる制御方法を示し、図8(b)は電源OFFによる制御方法を示している。本実施形態の制御方法では、シート製造装置1の電源投入時及び電源遮断時の少なくとも一方において、シート製造装置1内の少なくとも一部に付着した繊維を清掃させるものである。
まず、シート製造装置1の電源投入時において、シート製造装置1内の少なくとも一部に付着した繊維を清掃させる場合について説明する。
まず、図8(a)に示すように、ステップS711においてシート製造装置1の電源がON(投入)されると、ステップS712では、各部の位置調整を実行させる。具体的には、給紙部10、解繊部30、分級部40、堆積部70や加熱加圧部120等を駆動させ、位置調整を行う。
次いで、ステップS713では、清掃を実施させる。すなわち、シート製造装置1内の少なくとも一部に付着した繊維を清掃させる。具体的な清掃方法としては種々の方法を適用することができる。例えば、配管202に配置された気流発生装置301を用いて通常の気流速度(シートPrを製造する製造条件)よりも速い速度の気流を発生させる。これにより、配管202の内面に付着した繊維が配管202の内面から剥がれて分級部40側に流動され、配管202が清掃される。また、気流発生装置301を用いて通常の気流速度(シートPrを製造する製造条件)よりも速い速度の気流を発生させることにより、分級部40の内部に付着した繊維が剥がれて選別部50側に流動され、分級部40が清掃される。さらに、気流発生装置301を用いて通常の気流速度(シートPrを製造する製造条件)よりも速い速度の気流を発生させることにより、選別部50内に気流が流れ、ふるい部51や選別部50の内部に付着した繊維が剥がれて配管204側に流動され、選別部50が清掃される。
また、配管204に配置された気流発生装置302を用いて通常の気流速度(シートPrを製造する製造条件)よりも速い速度の気流を発生させる。これにより、配管204の内面に付着した繊維が配管204の内面から剥がれて堆積部70側に流動され、配管204が清掃される。また、気流発生装置302を用いて通常の気流速度(シートPrを製造する製造条件)よりも速い速度の気流を発生させることにより、堆積部70のフォーミングドラム71や堆積部70内部に付着した繊維が剥がれてメッシュベルト73側に落下され、堆積部70が清掃される。
次いで、ステップS714ではメッシュベルト73を駆動させる。メッシュベルト73を駆動させ、堆積部70から清掃により落下した繊維等を回収する。また、メッシュベルト73の近傍に配置された清掃部400を駆動させる。具体的には、清掃部400のブラシ400aの先端をメッシュベルト73の表面に当接させる。これにより、メッシュベルト73に付着した繊維がブラシ400aによって剥がれ落ちる。これにより、メッシュベルト73が清掃され、終了する。
次に、シート製造装置1の電源遮断時において、シート製造装置1内の少なくとも一部に付着した繊維を清掃させる場合について説明する。
図8(b)に示すように、ステップS721においてシート製造装置1の電源がOFF(遮断)されると、ステップS722において、清掃を実施させる。すなわち、シート製造装置1内の少なくとも一部に付着した繊維を清掃させる。具体的な清掃方法としては種々の方法を適用することができる。例えば、配管202に配置された気流発生装置301を用いて通常の気流速度(シートPrを製造する製造条件)よりも速い速度の気流を発生させる。これにより、配管202の内面に付着した繊維が配管202の内面から剥がれて分級部40側に流動され、配管202が清掃される。また、気流発生装置301を用いて通常の気流速度(シートPrを製造する製造条件)よりも速い速度の気流を発生させることにより、分級部40の内部に付着した繊維が剥がれて選別部50側に流動され、分級部40が清掃される。さらに、気流発生装置301を用いて通常の気流速度(シートPrを製造する製造条件)よりも速い速度の気流を発生させることにより、選別部50内に気流が流れ、ふるい部51や選別部50の内部に付着した繊維が剥がれて配管204側に流動され、選別部50が清掃される。
また、配管204に配置された気流発生装置302を用いて通常の気流速度(シートPrを製造する製造条件)よりも速い速度の気流を発生させる。これにより、配管204の内面に付着した繊維が配管204の内面から剥がれて堆積部70側に流動され、配管204が清掃される。また、気流発生装置302を用いて通常の気流速度(シートPrを製造する製造条件)よりも速い速度の気流を発生させることにより、堆積部70のフォーミングドラム71や堆積部70内部に付着した繊維が剥がれてメッシュベルト73側に落下され、堆積部70が清掃される。
次いで、ステップS723ではメッシュベルト73を駆動させる。メッシュベルト73を駆動させ、堆積部70から清掃により落下した繊維等を回収する。また、メッシュベルト73の近傍に配置された清掃部400を駆動させる。具体的には、清掃部400のブラシ400aの先端をメッシュベルト73の表面に当接させる。これにより、メッシュベルト73に付着した繊維がブラシ400aによって剥がれ落ちる。これにより、メッシュベルト73が清掃され、終了する。
なお、上記図8(a),(b)に示すように、シート製造装置1内の清掃の実施のタイミングは、シート製造装置1の電源投入(ON)時または電源遮断(OFF)時のいずれか適宜選択することができる。
以上、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
シート製造装置1の電源がON状態となると、清掃が行われる。すなわち、シートPr(ウエブW)を製造する前に清掃が実行されるので、シート製造装置1内に繊維が付着していない状態でシートPr(ウエブW)を製造することができる。また、シート製造装置1の電源がOFF状態となると、清掃が行われる。すなわち、シートPr(ウエブW)を製造後に清掃が実行される。これにより、シートPr(ウエブW)を製造開始時はシート製造装置1内に繊維が付着していない状態でシートPr(ウエブW)を製造することができる。
(第8実施形態)
次に、第8実施形態について説明する。なお、シート製造装置の基本的な構成は第1実施形態の構成と同様なので説明を省略し、シート製造装置の制御方法について説明する。
図9は、シート製造装置の制御方法を示すフローチャートであり、図9(a)は製造開始指令による制御方法を示し、図9(b)は電源OFFによる制御方法を示している。本実施形態の制御方法では、電源投入時及び電源遮断時の少なくとも一方において、繊維が流れる量に関する情報を取得し、清掃させる。なお、本実施形態では、シート製造装置1がシートPr(ウエブW)を製造している時間を累積した累積製造時間を、繊維が流れる量に関する情報として取得する場合について説明する。なお、シート製造装置1には、時間を計測するためのタイマー(図示せず)を備えている。
まず、図9(a)に示すように、ステップS811において製造開始指令が発信される。次いで、ステップS812では、製造開始指令に基づいてタイマーをスタート(ON)させる。これにより、シート製造装置1においてシートPrの製造開始時点からの経過時間が計測される。
次いで、ステップS813では、各部を駆動させる。具体的には、給紙部10、解繊部30、分級部40、堆積部70や加熱加圧部120等を駆動させる。これにより、シートPrの製造が開始される。
次いで、ステップS814では、給紙部10の紙は有るか否かを判断する。給紙部10に紙が有る場合(Yes)はステップS817に移行し、給紙部10に紙が無い場合(No)はステップS815に移行する。
ステップS815に移行した場合には、各部の駆動を終了させる。具体的には、給紙部10、解繊部30、分級部40、堆積部70や加熱加圧部120等の駆動を停止させる。これにより、シートPrの製造が停止される。そして、ステップS816に移行し、タイマーをストップさせる。これにより、タイマーはシートPrの製造開始時点からある時間が経過した時点でストップされる。そして、シートPrの製造開始時点からの経過時間は保持された状態で終了となる。
ステップS817に移行した場合には、シート製造中止の指令が有るか否かを判断する。そして、シート製造中止の指令が有る場合(Yes)はステップS815に移行する。なお、ステップS815に移行した場合は上記同様に処理される。また、シート製造中止の命令が無い場合(No)はステップS818に移行する。
そして、ステップS818では、タイマーが所定の累積時間を超えたか否かを判断する。本実施形態では、タイマーの累積時間が50時間以上であるか否かを判断する。すなわち、シートPrの製造開始時点からの経過時間(シートPrの製造にかかる累積時間)が50時間以上であるか否かを判断する。50時間未満の場合(NO)はステップS814に移行し、50時間以上の場合(YES)はステップS819に移行する。
ステップS819では、各部の駆動を停止させる。具体的には、給紙部10、解繊部30、分級部40、堆積部70や加熱加圧部120等の駆動を停止させる。これにより、シートPrの製造が停止する。
次いで、ステップS820では、清掃を実施させる。すなわち、シート製造装置1内の少なくとも一部に付着した繊維を清掃させる。具体的な清掃方法としては種々の方法を適用することができる。例えば、配管202に配置された気流発生装置301を用いて通常の気流速度(シートPrを製造する製造条件)よりも速い速度の気流を発生させる。これにより、配管202の内面に付着した繊維が配管202の内面から剥がれて分級部40側に流動され、配管202が清掃される。また、気流発生装置301を用いて通常の気流速度(シートPrを製造する製造条件)よりも速い速度の気流を発生させることにより、分級部40の内部に付着した繊維が剥がれて選別部50側に流動され、分級部40が清掃される。さらに、気流発生装置301を用いて通常の気流速度(シートPrを製造する製造条件)よりも速い速度の気流を発生させることにより、選別部50内に気流が流れ、ふるい部51や選別部50の内部に付着した繊維が剥がれて配管204側に流動され、選別部50が清掃される。
また、配管204に配置された気流発生装置302を用いて通常の気流速度(シートPrを製造する製造条件)よりも速い速度の気流を発生させる。これにより、配管204の内面に付着した繊維が配管204の内面から剥がれて堆積部70側に流動され、配管204が清掃される。また、気流発生装置302を用いて通常の気流速度(シートPrを製造する製造条件)よりも速い速度の気流を発生させることにより、堆積部70のフォーミングドラム71や堆積部70内部に付着した繊維が剥がれてメッシュベルト73側に落下され、堆積部70が清掃される。
次いで、ステップS821ではメッシュベルト73を駆動させる。メッシュベルト73を駆動させ、堆積部70から清掃により落下した繊維等を回収する。また、メッシュベルト73の近傍に配置された清掃部400を駆動させる。具体的には、清掃部400のブラシ400aの先端をメッシュベルト73の表面に当接させる。これにより、メッシュベルト73に付着した繊維がブラシ400aによって剥がれ落ちる。これにより、メッシュベルト73が清掃される。
次いで、ステップS822ではタイマーをストップさせるとともにリセットする。これにより、シートPrの製造にかかる累積時間がリセット(0時間)となる。以上により、シート製造装置1の清掃にかかる制御処理が終了する。
また、図9(b)に示すように、ステップS831においてシート製造装置1の電源がOFFされると、ステップS832ではタイマーが所定の累積時間を超えたが否かを判断する。本実施形態では、タイマーの累積時間が44時間以上であるか否かを判断する。そして、44時間未満の場合(No)は終了し、44時間以上の場合(Yes)はステップS833に移行し、清掃を実行させる。すなわち、シートPrの製造にかかる累積時間が50時間未満であっても、電源OFF時にタイマーが44時間以上であれば清掃が実行される。なお、ステップS833における清掃はステップS820における清掃内容と同様なので説明を省略する。
次いで、ステップS834ではメッシュベルト73を駆動させる。なお、メッシュベルト73の駆動及びメッシュベルト73の清掃はステップS831と同様なので説明を省略する。
次いで、ステップS835ではタイマーをストップさせるとともにリセットする。これにより、シートPrの製造にかかる累積時間がリセット(0時間)となる。以上により、シート製造装置1の清掃にかかる制御処理が終了する。
以上、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
シートPrの製造にかかる累積製造時間と電源OFF時における累積製造時間とを組み合わせて清掃を実行させる。これにより、例えば、電源OFF時の累積時間に応じて清掃を行った場合には、次回のシート製造時間中に清掃処理を実行することがなくなり、シート製造を止める必要が無くなる。このため、効率よくシートPrを製造することができる。
なお、本実施形態では、シート製造装置1の電源遮断時(電源OFF時)に対応してタイマーの累積時間を制御したが、これに限定されない。例えば、シート製造装置1の電源投入時(電源ON時)に対応してタイマーの累積時間を制御してもよい。すなわち、電源投入後の数時間後(例えば4時間後)にタイマーの累積時間(例えば50時間)による清掃を行うタイミングとなる場合には、電源投入時に清掃を実行させることにより、シートの製造を中断して清掃を行う必要がなくなる。このようにしても、電源ONの情報により効率よく清掃を実行することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。変形例を組み合わせてもよい。
(変形例1)上記実施形態では、選別部50のふるい部51や堆積部70のフォーミングドラム71の清掃手段として気流を用いたが、これに限定されない。例えば、これらに当接するブラシ等を配置し、清掃時にはブラシをふるい部51やフォーミングドラム71に擦らせて繊維を取り除いてもよい。このようにしても、上記同様に清掃を実行させることができる。
(変形例2)上記実施形態では、乾式によるシート製造装置を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、湿式のシート製造装置にも適用することができる。なお、清掃手段は必要に応じて水流の発生制御やブラシの駆動制御を備える。このようにしても、上記効果と同様の効果を得ることができる。
(変形例3)上記各実施形態及び上記各変形例を適宜組み合わせてもよい。このようにしても、上記効果と同様の効果を得ることができる。