JP5791324B2 - ビニルアルコール樹脂水溶液の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ビニルエステル樹脂を原料として水溶媒系で簡単にけん化して、アルカリ金属を含まず、着色のない、高重合度のビニルアルコール樹脂の水溶液を製造できるビニルアルコール樹脂水溶液の製造方法に関する。
ポリビニルアルコール等のビニルアルコール樹脂は、数少ない結晶性の水溶性高分子として、優れた造膜性、透明性、強度特性及び界面活性を有する。ビニルアルコール樹脂は、紙用コーティング剤、紙用内添剤等の紙用改質剤や、紙、木材、無機物等の接着剤や、経糸糊剤や、乳化重合、懸濁重合用の安定剤や、各種バインダー等に幅広く利用されている。更に、ビニルアルコール樹脂フィルムやビニルアルコール樹脂繊維の原料としても重要な地位を占めている。
ビニルアルコール樹脂は、通常、ビニルエステル樹脂を原料として、塩基性触媒を含むメタノール溶媒中でけん化して製造されている。
例えば、特許文献1には、濃度24〜40重量%のビニルエステル樹脂のメタノール溶液と苛性ソーダのメタノール溶液との混合物を、沸点以下の温度で連続的にベルトコンベア上に供給し、ビニルエステル樹脂のけん化反応により生成するゲル状物を得て、該ゲル状物を粉砕及び乾燥してビニルアルコール樹脂を製造する方法が開示されている。
また、例えば、特許文献2、3には、アルカリ触媒の存在下、重合体の濃度が1%以下になるように連続的に供給して行うけん化方法により、まずビニルエステル樹脂をメタノール溶液中で10〜40モル%のけん化度までけん化し、次いで更に97〜98.5モル%にまでけん化した後、反応生成物を抜き取り、脱液及び乾燥してビニルアルコール樹脂を得る方法が開示されている。
ビニルエステル樹脂は水に不溶であるため、けん化を水系媒体中で行っても進行しない。従って、特許文献1〜3に記載された方法では、けん化はメタノール溶液中で行われ、メタノール中に析出した固体のビニルアルコール樹脂を回収している。ここで、コーティング剤や接着剤等のビニルアルコール樹脂の主要な用途では、ビニルアルコール樹脂は、水に溶解した水溶液の状態で用いられる。このため、いったん生成した固体のビニルアルコール樹脂を水に溶解して水溶液を調製する必要があった。しかしながら、ビニルアルコール樹脂は結晶性が高く、水への溶解に長時間を要するという問題があった。
また、アルカリ触媒を用いてけん化を行った場合、得られるビニルアルコール樹脂にはアルカリ金属が取り込まれるため、水に溶解して水溶液を調製したときに、水溶液中にアルカリ金属が残留してしまうという問題もあった。
これに対して特許文献4には、ビニルエステル樹脂を高温高圧の水と接触させてけん化し、ビニルアルコール樹脂を製造する方法が記載されている。この方法によれば、アルカリ触媒を用いることなく、直接、ビニルアルコール樹脂を製造することができる。
しかしながら、特許文献4に記載された方法によりビニルアルコール樹脂を製造すると、得られるビニルアルコール樹脂が着色したり、重合度が低い樹脂しか得られなかったりすることがあるという問題があった。
米国特許第2642419号公報 特公昭45−33191号公報 特公昭46−9826号公報 特開2001−114821号公報
本発明は、ビニルエステル樹脂を原料として水溶媒系で簡単にけん化して、アルカリ金属を含まず、着色のない、高重合度のビニルアルコール樹脂の水溶液を製造できるビニルアルコール樹脂水溶液の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、ビニルエステル樹脂を、アミン化合物を含む温度100〜250℃、圧力0.2〜40MPaの高温高圧水と接触させてけん化するビニルアルコール樹脂水溶液の製造方法である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者は、特許文献4に記載された方法によりビニルアルコール樹脂を製造したときに、得られるビニルアルコール樹脂が着色したり、重合度が低い樹脂しか得られなかったりする理由を検討した。その結果、特許文献4に記載された方法で確実にけん化を行うためには、高温高圧水の温度をビニルアルコール樹脂の分解温度以上にする必要があるために、得られたビニルアルコール樹脂が劣化してしまうことが原因であることを見出した。
本発明者は、更に鋭意検討の結果、高温高圧水にアミン化合物を含有させることにより、ビニルアルコール樹脂の分解温度未満の温度でも確実にけん化してビニルアルコール樹脂の水溶液が得られることを見出し、本発明を完成した。
本発明のビニルアルコール樹脂水溶液の製造方法は、ビニルエステル樹脂を原料とする。
上記ビニルエステル樹脂は特に限定されず、従来公知のビニルエステル樹脂を用いることができる。具体的には例えば、ビニルエステル系単量体を従来公知の方法を用いて重合して得たビニルエステル樹脂を用いることができる。
上記ビニルエステル系単量体としては、例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリン酸ビニル、オレイン酸ビニル、安息香酸ビニル等が挙げられる。なかでも、工業的実施の点からは酢酸ビニルが好適である。
上記ビニルエステル樹脂は、本発明の主旨を損なわない範囲であれば上記ビニルエステル系単量体と、上記ビニルエステル系単量体と共重合可能な他の単量体との共重合体であってもよい。
上記ビニルエステル系単量体と共重合可能な他の単量体は、例えば、エチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブチレン等のα−オレフィンや、アクリル酸又はその塩、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシル等のアクリル酸エステル類や、メタクリル酸及びその塩、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシル等のメタクリル酸エステル類や、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミドプロパンスルホン酸及びその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミン又はその塩又はその4級塩、N−メチロールアクリルアミド及びその誘導体等のアクリルアミド誘導体や、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、メタクリルアミドプロパンスルホン酸及びその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミン又はその塩又はその4級塩、N−メチロールメタクリルアミド又はその誘導体等のメタクリルアミド誘導体や、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル等のビニルエーテル類や、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル類や、塩化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニルや、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデンや、酢酸アリル、塩化アリル等のアリル化合物や、マレイン酸及びその塩又はそのエステル又はその無水物や、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシリル化合物や、酢酸イソプロペニル等が挙げられる。
上記ビニルエステル樹脂が上記ビニルエステル系単量体と、上記ビニルエステル系単量体と共重合可能な他の単量体との共重合体である場合、該共重合体における上記ビニルエステル系単量体と共重合可能な他の単量体に由来するセグメントの含有量の好ましい上限は20モル%である。上記ビニルエステル系単量体と共重合可能な他の単量体に由来するセグメントの含有量が20モル%を超えると、水への溶解性が低くなり水溶液が得られなくなる。
上記ビニルエステル樹脂は、2−メルカプトエタノール、n−ドデシルメルカプタン、3−メルカプトプロピオン酸等のチオール化合物の存在下で、酢酸ビニル等のビニルエステル単量体を重合することによって得られた末端変性物であってもよい。
上記ビニルエステル樹脂の重合度は、目的とするビニルアセタール樹脂の用途によって適宜選択すればよく特に限定れさないが、好ましい下限は100、好ましい上限は10000である。重合度が100未満の場合にはPVAの機械的強度が小さく、PVA系重合体の特徴である皮膜の強度、伸度が小さくなったり、バインダー力が小さくなったりしてPVA系重合体本来の特徴が損なわれる傾向がある。重合度が10000を越えると、得られるPVA系水溶液の粘度が高くなり、作業性に難があるため好ましくない。
上記ビニルエステル系単量体を重合してビニルエステル樹脂を製造する方法は特に限定されず、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の従来公知の方法を用いることができる。なかでも、比較的高い重合度が得られ、重合熱の除去が容易であり、反応系の粘度を低く保持できることから、溶液重合法が好適である。
上記溶液重合法により上記ビニルエステル樹脂を重合する際に用いられる溶媒は、例えば、メタノール、エタノール、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸、アセトン等が挙げられる。これらの溶媒は、溶液重合法によりビニルエステル樹脂を得た後、そのまま本発明に供する原料混合物中に含有されてもよい。
上記ビニルエステル樹脂を重合する際に用いられる重合開始剤は、採用される重合方法に応じて、アゾ系開始剤、過酸化物系開始剤、レドックス系開始剤等が適宜選択される。
本発明のビニルアルコール樹脂水溶液の製造方法では、上記ビニルエステル樹脂を、アミン化合物を含む高温高圧水と接触させてけん化する。アミン化合物を含有することにより、高温高圧水の温度をビニルアルコール樹脂の分解温度未満の温度としても、確実にビニルエステル樹脂をけん化することができる。
上記アミン化合物は特に限定されず、例えば、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン等が挙げられる。これらのアミンは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、高温高圧水中でも分解せずに安定に存在することから、アンモニアが好適である。
上記高温高圧水中における上記アミン化合物の含有量は特に限定されないが、ビニルエステル樹脂のエステル基に対する好ましい下限が等倍モル、好ましい上限が50倍モルである。上記アミン化合物の含有量がビニルエステル樹脂のエステル基に対して等倍モル未満であると、けん化が充分に進まず、充分なけん化度を有するビニルアルコール樹脂水溶液が得られないことがあり、50倍モルを超えると、得られるビニルアルコール樹脂水溶液中からアミン化合物を除去することが困難となり、残留するアミン化合物が悪影響を引き起こすことがある。ビニルエステル樹脂のエステル基に対するより好ましい下限は2倍モル、より好ましい上限は20倍モルである。
上記高温高圧水は、本発明の効果を阻害しない範囲で、更に他の化合物を含有してもよい。
上記他の化合物としては特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類や、二酸化炭素、エタン、ブタン等の炭化水素類が挙げられる。
上記アルコール類は、ビニルエステル樹脂の水への溶解性を向上させる性質を有し、高温高圧の水と混和し、水酸基の酸素以外の炭素―酸素結合や電子求引基を有さず、得られたビニルアルコール樹脂水溶液から分離しやすい沸点を有する。
上記炭化水素類は、ビニルエステル樹脂の膨潤性を向上させる性質を有する。
上記高温高圧水の温度の下限は100℃、上限は250℃である。上記高温高圧水の温度が100℃未満であると、ビニルエステル樹脂のけん化が充分に進まず、充分なけん化度を有するビニルアルコール樹脂の水溶液が得られない。上記高温高圧水の温度が250℃を超えると、原料となるビニルエステル樹脂や得られるビニルアルコール樹脂の主鎖の切断、分解やけん化以外の副反応等が起こり、樹脂の劣化によって得られるビニルアルコール樹脂の重合度が大幅に低下したり、副反応による樹脂のゲル化や着色等が生じたりする。上記高温高圧水の温度の好ましい上限は200℃、より好ましい上限は180℃である。
上記高温高圧水の圧力の下限は0.2MPa、上限は100MPaである。上記高温高圧水の圧力が0.2MPa未満であると、ビニルエステル樹脂の溶解が不充分となり、けん化が進まない。上記高温高圧水の圧力が100MPaを超えると、製造装置に要するコストアップ要因となり、経済的でない。上記高温高圧水の圧力のより好ましい上限は40MPaである。
本発明のビニルアルコール樹脂水溶液の製造方法は、上記原料となるビニルエステルを上記アミン化合物を含む高温高圧水中で反応させるための耐圧性の容器、冷却器、及び、これらに付随する各種の機器から構成される反応装置を用いて行うことができる。
上記反応装置の形式は特に限定されず、例えば、流通方式の連続反応装置、一つの反応容器に原料をためて反応を行う回分式の反応装置、反応容器を直列につないで一定の反応率まで進むと次の反応容器へと順次送っていくセミフロー方式の反応装置等が挙げられる。
本発明によれば、ビニルエステル樹脂を原料として水溶媒系で簡単にけん化して、アルカリ金属を含まず、着色のない、高重合度のビニルアルコール樹脂の水溶液を製造できるビニルアルコール樹脂水溶液の製造方法を提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
(1)酢酸ビニル樹脂の調製
酢酸ビニルモノマー70重量部、メタノール30重量部、触媒としてアゾビスイソブチロニトリル0.07重量部をセパラブルフラスコに入れ、60℃で3時間重合反応を行った。次いで、この溶液を乾燥、粉砕して、酢酸ビニル樹脂の粉末を得た。
得られた酢酸ビニル樹脂の重合度を固有粘度法にて求めたところ2500であった。
(2)ビニルアルコール樹脂水溶液の製造
内容積100mLのリーク弁付きの回分式耐圧容器に、得られた酢酸ビニル樹脂4g、水62g、28%アンモニア水14.2gを仕込み、弁を閉めた密閉系にて攪拌しながら200℃まで加熱した。このとき圧力は2.5MPaとなった。このまま90分攪拌させた後、温度を80℃にまで下げてからリーク弁を開放してアンモニアガスを飛ばして、ビニルアルコール樹脂水溶液を得た。
(実施例2)
内容積100mLのリーク弁付きの回分式耐圧容器に、実施例1で得られた酢酸ビニル樹脂4g、水62g、28%アンモニア水14.2gを仕込み、弁を閉めた密閉系にて攪拌しながら150℃まで加熱した。このとき圧力は1.2MPaとなった。このまま90分攪拌させた後、温度を80℃にまで下げてからリーク弁を開放してアンモニアガスを飛ばして、ビニルアルコール樹脂水溶液を得た。
(実施例3)
内容積100mLのリーク弁付きの回分式耐圧容器に、実施例1で得られた酢酸ビニル樹脂4g、水62g、28%アンモニア水14.2gを仕込み、弁を閉めた密閉系にて攪拌しながら100℃まで加熱した。このとき圧力は0.5MPaとなった。このまま180分攪拌させた後、温度を80℃にまで下げてからリーク弁を開放してアンモニアガスを飛ばして、ビニルアルコール樹脂水溶液を得た。
(実施例4)
内容積100mLのリーク弁付きの回分式耐圧容器に、実施例1で得られた酢酸ビニル樹脂4g、水62g、28%アンモニア水14.2gを仕込み、弁を閉めた密閉系にて攪拌しながら250℃まで加熱した。このとき圧力は3.5MPaとなった。このまま60分攪拌させた後、温度を80℃にまで下げてからリーク弁を開放してアンモニアガスを飛ばして、ビニルアルコール樹脂水溶液を得た。
(実施例5)
内容積100mLのリーク弁付きの回分式耐圧容器に、実施例1で得られた酢酸ビニル樹脂4g、水55g、50%ジメチルアミン水溶液21gを仕込み、弁を閉めた密閉系にて攪拌しながら150℃まで加熱した。このとき圧力は1.2MPaとなった。このまま60分攪拌させた後、温度を80℃にまで下げてからリーク弁を開放してジメチルアミンを飛ばして、ビニルアルコール樹脂水溶液を得た。
(実施例6)
内容積100mLのリーク弁付きの回分式耐圧容器に、実施例1で得られた酢酸ビニル樹脂4g、水30g、30%トリメチルアミン46gを仕込み、弁を閉めた密閉系にて攪拌しながら200℃まで加熱した。このとき圧力は2.5MPaとなった。このまま90分攪拌させた後、温度を80℃にまで下げてからリーク弁を開放してトリメチルアミンを飛ばして、ビニルアルコール樹脂水溶液を得た。
(実施例7)
内容積100mLのリーク弁付きの回分式耐圧容器に、実施例1で得られた酢酸ビニル樹脂4g、水61g、70%エチルアミン水溶液15gを仕込み、弁を閉めた密閉系にて攪拌しながら200℃まで加熱した。このとき圧力は2.5MPaとなった。このまま90分攪拌させた後、温度を80℃にまで下げてからリーク弁を開放してエチルアミンを飛ばして、ビニルアルコール樹脂水溶液を得た。
(実施例8)
(1)ピバリン酸ビニル樹脂の調製
ピバリン酸ビニルモノマー50重量部、メタノール50重量部、触媒としてアゾビスイソブチロニトリル0.025重量部をセパラブルフラスコに入れ、60℃で3時間重合反応を行った。次いで、この溶液を乾燥、粉砕してピバリン酸ビニル樹脂の粉末を得た。
得られたピバリン酸ビニル樹脂の重合度を固有粘度法にて求めたところ2100であった。
(2)ビニルアルコール樹脂水溶液の製造
内容積100mLのリーク弁付きの回分式耐圧容器に、得られたピバリン酸ビニル樹脂4g、水66.5g、28%アンモニア水9.5gを仕込み、弁を閉めた密閉系にて攪拌しながら200℃まで加熱した。このとき圧力は2.5MPaとなった。このまま90分攪拌させた後、温度を80℃にまで下げてからリーク弁を開放してアンモニアガスを飛ばして、ビニルアルコール樹脂水溶液を得た。
(比較例1)
内容積100mLのリーク弁付きの回分式耐圧容器に、実施例1で得られた酢酸ビニル樹脂4g、水76gを仕込み、弁を閉めた密閉系にて攪拌しながら200℃まで加熱した。このとき圧力は2.5MPaとなった。このまま90分攪拌させた後内容物を取り出すと、固体状の樹脂と水とが分離して得られた。
(比較例2)
内容積100mLのリーク弁付きの回分式耐圧容器に、実施例1で得られた酢酸ビニル樹脂4g、水62g、28%アンモニア水14.2gを仕込み、弁を閉めた密閉系にて攪拌しながら80℃まで加熱した。このとき圧力は0.2MPaとなった。このまま180分攪拌させた後、リーク弁を開放してアンモニアガスを飛ばし、内容物を取り出すと、固体状の樹脂と水とが分離して得られた。
(比較例3)
内容積100mLのリーク弁付きの回分式耐圧容器に、実施例1で得られた酢酸ビニル樹脂4g、水62g、28%アンモニア水14.2gを仕込み、弁を閉めた密閉系にて攪拌しながら300℃まで加熱した。このとき圧力は4.5MPaとなった。このまま60分攪拌させた後、リーク弁を開放してアンモニアガスを飛ばし、内容物を取り出すと、固体状の樹脂と茶色に着色した液体とが得られた。
(比較例4)
内容積100mLのリーク弁付きの回分式耐圧容器に、実施例1で得られた酢酸ビニル樹脂4g、水76gを仕込み、弁を閉めた密閉系にて攪拌しながら300℃まで加熱した。このとき圧力は4.5MPaとなった。このまま90分攪拌させ、冷却後弁を開放しビニルアルコール樹脂水溶液を得た。
(評価)
実施例及び比較例で得られたビニルアルコール樹脂水溶液の一部をサンプリングし、乾燥させて得たビニルアルコール樹脂について、H−NMRにてけん化度を測定し、固有粘度法にて重合度を測定した。更に、得られた樹脂について、目視により着色を評価した。
ただし、比較例3では、得られた樹脂の一部をサンプリングし、乾燥させて得た樹脂について、H−NMRや固有粘度法を試みようとしたが、樹脂を溶媒に溶解できず測定不能であった。
結果を表1に示した。
Figure 0005791324
本発明によれば、ビニルエステル樹脂を原料として水溶媒系で簡単にけん化して、アルカリ金属を含まず、着色のない、高重合度のビニルアルコール樹脂の水溶液を製造できるビニルアルコール樹脂水溶液の製造方法を提供することができる。

Claims (2)

  1. ニルエステル樹脂を、アミン化合物を含む温度100〜250℃、圧力0.2〜40MPaの高温高圧水と接触させてけん化することを特徴とするビニルアルコール樹脂水溶液の製造方法。
  2. 高温高圧水は、ビニルエステル樹脂のエステル基に対して等倍〜50倍モル以上のアミン化合物を含有することを特徴とする請求項1記載のビニルアルコール樹脂水溶液の製造方法。
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