JP5790327B2 - 液体吐出装置 - Google Patents
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Description
特許文献1によると、複数のヘッド(ヘッドユニット34Y,34M,34C,34B)のそれぞれに対してカバー(キャップ37Y,37M,37C,37B)が設けられている。複数のカバーは、対応するヘッドの吐出面を覆わない退避位置から、対応するヘッドの吐出面を覆う保護位置に向けて、同期して移動する。
一方、カバーが遅く保護位置に到達すると、ヘッド(特に回動軸から遠い側のヘッド)の吐出面にユーザの手が触れるという問題が生じ得る。当該問題を抑制するためには、カバーが保護位置に到達するタイミングをある程度早くする必要がある。
特許文献1によると、複数のカバーが同期して移動するため、上記の2つの問題を共に抑制することは困難である。
移動機構として電気的な機構を用いた場合、移動機構の構成が複雑になる、電源を投入しないと動作しない等の問題が生じ得る。これに対し、移動機構として上記のような機械的な機構を用いた場合、移動機構の構成が簡素化しつつ、回動軸から遠い側のヘッドと回動軸に近い側のヘッドとにおいて、カバーの移動を上記のように異ならせることができる。
この場合、回動軸から遠い側のヘッドの吐出面にユーザの手が触れることを、カバーによって抑制することができる。
上記のように、第1筐体が近接位置から離隔位置に移動を開始した直後は、第1段階において、近側カバーを比較的小さな移動量で移動させることにより、近側カバーが搬送経路に詰まった記録媒体を挟み込むという問題をより確実に抑制することができる。その後、第2段階において、近側カバーを比較的大きな移動量で迅速に移動させ、保護位置に到達させる。これにより、回動軸に近い側のヘッドの吐出面にユーザの手が触れるという問題をより確実に抑制することができる。
上記のように、第1筐体が近接位置から離隔位置に移動する際、遠側カバーを近側カバーよりも大きな移動量で移動させることにより、第1筐体と第2筐体との間の空間を遠側カバーで速やかに塞ぐようにしている。これにより、ヘッドの吐出面にユーザの手が触れることを、遠側カバーによって抑制することができる。そして、遠側カバーを保護位置に到達させることにより、回動軸から遠い側のヘッドの吐出面にユーザの手が触れるという問題をより確実に抑制することができる。
この場合、ヘッド間の距離を短くすることができる。ヘッド間の距離が長い場合、特に記録媒体の搬送方向下流側にあるヘッドから吐出される液体の記録媒体に対する着弾位置がずれ、画質が低下し易くなる。上記構成によると、ヘッド間の距離を短くすることができるため、この問題を抑制することができる。
本実施形態において、近接位置は水平面に沿った位置、離隔位置は水平面に対して略29°傾斜した位置である。
コントローラ1pは、演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)に加え、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory:不揮発性RAMを含む)、I/F(Interface)等を有する。ROMには、CPUが実行するプログラム、各種固定データ等が記憶されている。RAMには、プログラム実行時に必要なデータ(画像データ等)が一時的に記憶される。コントローラ1pは、I/Fを介して、外部装置とのデータ送受信等を行う。
第1筐体1aは、ユーザにより持ち上げられることで、近接位置(図2参照)から離隔位置(図1参照)に移動する。このとき、支持体1a1は第1筐体1aと共に移動する。
カバー11aは角度θが10°のときに保護位置に到達するのに対し、カバー11bは角度θが15°のときに保護位置に到達する。
角度θに対するカバー11a,11bの回動角度の変化量(図6のグラフの傾き)は、カバー11bでは、角度θが0°〜13°でV1、角度θが13°〜15°でV2(>V1)、角度θが15°を超えると0である。カバー11aでは、角度θが0°〜10°でV3(>V1)、角度θが10°を超えると0である。
回動軸となるヒンジ部1hから遠い側のヘッド10aとヒンジ部1hに近い側のヘッド10bとにおいて、カバー11a,11bの移動を上記のように異ならせることで、カバー11a,11b(特にヒンジ部1hに近い側のヘッド10bに対応するカバー11b)が搬送経路に詰まった用紙Pを挟み込む問題、及び、ヘッド10a,10b(特にヒンジ部1hから遠い側のヘッド10a)の吐出面10xにユーザの手が触れるという問題を、共に抑制することができる。
移動機構として電気的な機構を用いた場合、移動機構の構成が複雑になる、電源を投入しないと動作しない等の問題が生じ得る。これに対し、移動機構として本実施形態のような機械的な機構を用いた場合、移動機構の構成が簡素化し、電源を投入しなくても動作するという効果が得られる。
この場合、ヘッド10aの吐出面10xにユーザの手が触れることを、カバー11aによって抑制することができる。
このように、第1筐体1aが近接位置から離隔位置に移動を開始した直後は、カバー11bを比較的小さな移動量V1で移動させることにより、カバー11bが搬送経路に詰まった用紙Pを挟み込むという問題をより確実に抑制することができる。その後、カバー11bを比較的大きな移動量V2(>V1)で迅速に移動させ、保護位置に到達させる。これにより、ヒンジ部1hに近い側のヘッド10bの吐出面10xにユーザの手が触れるという問題をより確実に抑制することができる。
このように、第1筐体1aが近接位置から離隔位置に移動する際、カバー11aをカバー11bよりも大きな移動量で移動させることにより、第1筐体1aと第2筐体1bとの間の空間をカバー11aで速やかに塞ぐようにしている。これにより、ヘッド10a,10bの吐出面10xにユーザの手が触れることを、カバー11aによって抑制することができる。そして、カバー11aを保護位置に到達させることにより、ヒンジ部1hから遠い側のヘッド10aの吐出面10xにユーザの手が触れるという問題をより確実に抑制することができる。
これにより、ヘッド10a,10b間の距離を短くすることができる。ヘッド10a,10b間の距離が長い場合、特に用紙Pの搬送方向下流側にあるヘッド10bから吐出される液体の用紙Pに対する着弾位置がずれ、画質が低下し易くなる。本実施形態によると、ヘッド10a,10b間の距離を短くすることができるため、この問題を抑制することができる。
より具体的には、ヘッド10a,10b間の空間をカバー11a,11bの退避位置として確保する必要がないため、当該空間にローラ対24を配置することができ、これにより搬送精度を高めることができる。仮に、ローラ対24を省略した場合、用紙Pは、ヘッド10a,10bよりも搬送方向上流側に配置されたローラ対23及び/又はヘッド10a,10bよりも搬送方向下流側に配置されたローラ対25によって搬送されつつ、ヘッド10a,10bの吐出面10xと対向する位置(記録位置)を通ることとなる。ヘッド10a,10b間にローラ対24がないと、ローラ対23,25間の距離が大きくなる。すると、ローラ対23だけに挟持され片持ち状態となった用紙Pにおけるローラ対23よりも搬送方向下流側の部分の長さが長くなり、当該部分が上方に浮く問題、さらに当該部分が上方に浮くことによりヘッド10a,10bの吐出面10xに接触する問題が生じ得る。また、ローラ対25だけに挟持され片持ち状態となった用紙Pにおけるローラ対25よりも搬送方向上流側の部分においても、上記問題が生じ得る。しかし本実施形態では、ヘッド10a,10b間にローラ対24が配置されている。そのため、ローラ対23に挟持された用紙Pにおけるローラ対23よりも搬送方向下流側の部分が、ローラ対24に挟持される。また、ローラ対25に挟持された用紙Pにおけるローラ対25よりも搬送方向上流側の部分が、ローラ対24に挟持される。これにより、記録位置を通る用紙Pが挟持され得るローラ対間の距離を短くすることができるため、上記問題が抑制され、ひいては搬送精度が向上する。なお、当該問題は、本実施形態のようなローラ搬送の構成において、特に吐出面10xの搬送方向の長さが長いライン型のヘッドを搬送方向に複数個並設した場合に、顕著になり得る。吐出面10xの搬送方向の長さは、ヘッドの小型化のためには短い方が好ましいが、画質向上の目的で吐出口の数を増加させた場合に、長くなる傾向にある。
しかも、ローラ対24の上側ローラ24aが第1筐体1aに取り付けられているので、第1筐体1aが近接位置から離隔位置に移動する際に、上側ローラ24aも第1筐体1aと共に移動する。これにより、搬送経路が露出され、ジャム処理作業を容易に行うことができる。
・カバーの吐出面と対向する部分に、液体を吸収するスポンジ等を設けてよい。この場合、吐出口から漏出した液体の液体吐出装置内への飛散を抑制することができる。
・カバーは、吐出面の全体を覆ってもよいし、吐出面の一部を覆ってもよい。
・カバーの退避位置は、対応するヘッドに対してどの方向にあってもよい。
・移動機構は、上述の実施形態ではサイドプレート12a,12b、中間部材13a,13b、ねじりコイルばね13a4,13b4、及びガイド部14a,14bを例示したが、その他様々な機構であってよい。サイドプレート12a,12b、中間部材13a,13b、ねじりコイルばね13a4,13b4、及びガイド部14a,14bの形状等を任意に変更してよい。例えば、中間部材13a,13bを省略し、サイドプレート12a,12bを中間部材として機能させてよい(即ち、サイドプレート12a,12bがガイド部14a,14bと直接当接し、これらの当接状態に応じてカバー11a,11bが移動する構成であってもよい)。また、移動機構は、機械的な機構に限定されず、電気的な機構であってもよい。
・カバーの回動角度は、上述の実施形態では100°としているが、特に限定されない。また、2つのカバーの回動角度が互いに異なってもよい。
・カバーが保護位置に到達するときの第1筐体と第2筐体とのなす角度が、カバー毎に異なってもよいし同じであってもよい。
・第1筐体が近接位置から離隔位置に向けて回動する際に、第1筐体と第2筐体とのなす角度に対するカバーの移動量が、段階的に変化せず、一定であってもよい。
・移動機構は、カバーを回動させることに限定されず、カバーを一方向(例えば鉛直方向又は水平方向)に沿って移動させてもよい。
・第1筐体は、ユーザの手動によらず、コントローラが機械的な機構を制御することで、近接位置と離隔位置との間を移動してもよい。
・ヘッド間に配置されたローラ対の両方のローラを第2筐体に取り付けてもよい。
・ヘッド間に配置されたローラ対を省略してもよい。
・中間ローラ21を省略してもよい。
・記録直後の記録媒体の記録面に接触し得るローラを拍車ローラとしなくてもよい。
・上述の実施形態のようなローラ搬送方式に限定されず、ベルト搬送方式等であってもよい。
ヘッドは、ライン型に限定されない(例えば、シリアル型であってもよい)。
液体吐出装置は、3以上のヘッドを有してもよい。この場合、3以上のヘッドのそれぞれに対してカバーを設けてよい。
1a 第1筐体
1b 第2筐体
1h ヒンジ部(回転軸)
10a,10b ヘッド
10x 吐出面
11a カバー(遠側カバー)
11b カバー(近側カバー)
12a,12b サイドプレート(移動機構)
13a,13b 中間部材(移動機構)
13a4,13b4 ねじりコイルばね(付勢部,移動機構)
14a,14b ガイド部(移動機構)
P 用紙(記録媒体)
Claims (6)
- 第1筐体と、
第2筐体と、を備え、
前記第1筐体は、回動軸を中心として前記第2筐体に対して回動可能であり、当該回動によって前記第2筐体に近接した近接位置と前記近接位置のときよりも前記第2筐体から離隔した離隔位置とを取り得ると共に、記録媒体に対して液体を吐出する複数の吐出口が開口した吐出面をそれぞれ有し且つ前記回動軸と直交する方向に並んで配置された複数のヘッドを収容し、
前記複数のヘッドのそれぞれに対して移動可能であり、当該移動によって対応する前記ヘッドの前記吐出面を覆う保護位置と前記吐出面を覆わない退避位置とを取り得る複数のカバーと、
前記第1筐体が前記近接位置にあるとき前記複数のカバーがそれぞれ前記退避位置を取り、前記第1筐体が前記離隔位置にあるとき前記複数のカバーがそれぞれ前記保護位置を取るように、前記第1筐体の回動に応じて前記複数のカバーをそれぞれ移動させる移動機構と、をさらに備え、
前記移動機構は、前記第1筐体が前記近接位置から前記離隔位置に向けて回動する際、前記複数のカバーのうちの前記回動軸から遠い側のヘッドに対応する遠側カバーが前記保護位置に到達するときの前記第1筐体と前記第2筐体とのなす角度が、前記複数のカバーのうちの前記回動軸に近い側のヘッドに対応する近側カバーが前記保護位置に到達するときの前記第1筐体と前記第2筐体とのなす角度よりも小さくなるように、前記複数のカバーをそれぞれ移動させることを特徴とする、液体吐出装置。 - 前記移動機構は、前記複数のヘッドのそれぞれに対応して前記第2筐体に形成された複数のガイド部と、前記第1筐体に支持されており、前記複数のガイド部のそれぞれと当接可能であり且つ前記複数のカバーのそれぞれと係合する複数の中間部材と、前記複数の中間部材のそれぞれに取り付けられており、前記複数のカバーのそれぞれを前記退避位置から前記保護位置に向けて付勢する複数の付勢部と、を備え、
前記複数の中間部材は、前記第1筐体が前記近接位置にあるときに、それぞれ前記複数のガイド部と当接することにより前記複数のカバーを前記退避位置に位置させ、且つ前記第1筐体が前記離隔位置にあるときに、それぞれ前記複数のガイド部から離隔することにより前記複数のカバーを前記保護位置に位置させ、
前記移動機構は、前記第1筐体が前記近接位置から前記離隔位置に向けて回動する際、前記複数の中間部材のうちの前記遠側カバーと係合した中間部材が前記複数のガイド部のうちの対応するガイド部から離隔するときの前記第1筐体と前記第2筐体とのなす角度が、前記複数の中間部材のうちの前記近側カバーと係合した中間部材が前記複数のガイド部のうちの対応するガイド部から離隔するときの前記第1筐体と前記第2筐体とのなす角度よりも小さくなるように、前記複数のカバーをそれぞれ移動させることを特徴とする、請求項1に記載の液体吐出装置。 - 前記遠側カバーの前記退避位置が、当該ヘッドの、前記回動軸から遠い側の側方にあることを特徴とする、請求項1又は2に記載の液体吐出装置。
- 前記移動機構は、前記第1筐体が前記近接位置から前記離隔位置に向けて回動する際、前記第1筐体と前記第2筐体とのなす角度に対する前記近側カバーの移動量が、第1移動量である第1段階と、前記第1段階の後の、前記第1移動量よりも大きな第2移動量である第2段階と、が順次出現するように、前記近側カバーを移動させることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
- 前記移動機構は、前記第1筐体が前記近接位置から前記離隔位置に向けて回動する際、前記第1筐体と前記第2筐体とのなす角度に対する前記遠側カバーの移動量が、前記第1移動量よりも大きい第3移動量となるように、前記遠側カバーを移動させることを特徴とする、請求項4に記載の液体吐出装置。
- 2つの前記ヘッドを備え、
前記カバーの前記退避位置が、対応する前記ヘッドの、当該ヘッドとは別のヘッドから遠い側の側方にあることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
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