JP5789434B2 - 高減衰組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、振動エネルギーの伝達を緩和したり吸収したりする高減衰部材のもとになる高減衰組成物に関するものである。
例えばビルや橋梁等の建築物、産業機械、航空機、自動車、鉄道車両、コンピュータやその周辺機器類、家庭用電気機器類、さらには自動車用タイヤ等の幅広い分野において高減衰部材が用いられる。前記高減衰部材を用いることで、振動エネルギーの伝達を緩和したり吸収したりする、すなわち免震、制震、制振、防振等をすることができる。
前記高減衰部材は、種々のベースポリマを含む高減衰組成物によって形成される。
例えば芳香族ビニル系化合物を構成単量体とする重合体ブロック(S)と、イソブチレンを構成単量体とする重合体ブロック(IB)とのブロック共重合体(イソブチレン系ブロック共重合体)は、その構造から減衰性能に優れた高減衰部材を形成できることが期待されるため、前記高減衰組成物のベースポリマとしての実用化が検討されている。
特に重合体ブロック(S)と重合体ブロック(IB)とを1ブロックずつ繋いだ構造を有するS−IBジブロック共重合体は、減衰性能に優れている。しかしS−IBジブロック共重合体を単独でベースポリマとして使用した場合には高減衰組成物の成形加工性が低いという問題がある。
また、前記高減衰組成物を用いて形成した高減衰部材は、引張応力が加わった際に切断に至るまでの伸び量、すなわち切断時伸びが小さいため、特に地震等が発生した際に大きく変形することが求められる制震用ダンパ等としては適さないという問題もある。
そこで、成形加工性に優れるとともに切断時伸びが大きい上、前記S−IBジブロック共重合体との相溶性に優れた他のポリマを、前記S−IBジブロック共重合体とともに、高減衰組成物のベースポリマとして併用することが検討されている(例えば特許文献1〜3等参照)。
前記他のポリマとしては、例えばS−IB−Sトリブロック共重合体〔1つの重合体ブロック(IB)を2つの重合体ブロック(S)で挟んだ構造を有するもの〕等が挙げられる。かかるS−IB−Sトリブロック共重合体は、S−IBジブロック共重合体ほど減衰性能は高くないものの、前記S−IBジブロック共重合体よりも成形加工性に優れるとともに切断時伸びが大きく、しかも同じ重合体ブロック(S)(IB)によって構成されることから、S−IBジブロック共重合体との相溶性に優れている。
WO 01/74964 A1 特開平11−263896号公報 特開2000−119478号公報
前記S−IBジブロック共重合体とS−IB−Sトリブロック共重合体との併用系では、両者の配合割合を調整することで、減衰性能、成形加工性、および切断時伸びのバランスをとることが可能である。
しかし、単に両者を併用して配合割合を調整しただけでは、例えば建築物の制震用ダンパ等として十分に使用できるだけの高い減衰性能や大きな切断時伸びを高減衰部材に付与することはできない。
本発明の目的は、ベースポリマとしてS−IBジブロック共重合体とS−IB−Sトリブロック共重合体とを併用してなり、建築物の制震用ダンパ等として十分に使用できるだけの高い減衰性能や大きな切断時伸びを有する高減衰部材を形成しうる、新規な高減衰組成物を提供することにある。
前記課題を解決するため、発明者は、前記2種のブロック共重合体の併用系に、さらに充填剤を配合することを検討した。充填剤の配合については、既に特許文献1〜3等にも記載されている。しかし発明者は、種々の充填剤についてさらに詳細に検討した。
その結果、前記2種のブロック共重合体の併用系において、炭酸カルシウム以外の他の充填剤を配合した場合には、切断時伸びが小さくなる傾向があるのに対し、充填剤として炭酸カルシウムを配合した場合には、切断時伸びが小さくなるのを防止しつつ、充填剤を全く配合しない場合に比べて、高減衰部材の減衰性能を特異的、かつ大幅に向上できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、ベースポリマとして、
(1) 芳香族ビニル系化合物を構成単量体とする重合体ブロック(S)と、イソブチレンを構成単量体とする重合体ブロック(IB)とのS−IBジブロック共重合体、および
(2) 前記重合体ブロック(S)と重合体ブロック(IB)とのS−IB−Sトリブロック共重合体、
の2種のブロック共重合体を、前記両ブロック共重合体の総量100質量部あたりのS−IB−Sトリブロック共重合体の質量部で表して10質量部以上、65質量部以下の割合で併用した高減衰組成物であって、さらに前記2種のブロック共重合体の総量100質量部に対して10質量部以上、120質量部以下の炭酸カルシウムを配合したことを特徴とするものである。
前記本発明の高減衰組成物においては、炭酸カルシウムの配合割合を増加させるほど、高減衰部材の減衰性能を向上することができる。しかし炭酸カルシウムの配合割合を増加させるほど、高減衰部材の切断時伸びが小さくなる傾向がある。また、環境温度によって高減衰部材の減衰性能が大きく変化する、つまり減衰性能の温度依存性が大きくなる傾向もある。
そこで発明者はさらに検討した結果、前記本発明の高減衰組成物に、さらに前記2種のブロック共重合体の総量100質量部に対して5質量部以上、150質量部以下の粘着付与剤を配合するのが好ましいことを見出した。すなわち粘着付与剤を配合することで、炭酸カルシウムを配合したことによる効果を補助して、高減衰部材の減衰性能をさらに向上することができる。その上、前記減衰性能の温度依存性を小さくするとともに、高減衰部材の切断時伸びを大きくすることもできる。
前記粘着付与剤としては、ベースポリマとしての前記2種のブロック共重合体に対する分散性に優れ、前記ベースポリマ中に微小分散されるため、高減衰部材の減衰性能を向上する効果や、前記減衰性能の温度依存性を小さくする効果、あるいは高減衰部材の切断時伸びを大きくする効果に優れた、軟化点が125℃未満の水素化石油樹脂を用いるのが好ましい。
前記本発明の高減衰組成物は、先に例示した種々の高減衰部材の形成材料として使用することができる。中でも、高減衰部材としての建築物の制震用ダンパを形成した場合には、前記高減衰部材が減衰性能に優れるため、1つの建築物中に組み込む前記制震用ダンパの数量を減らすことができる。また、特に粘着付与剤を配合した高減衰組成物を用いて制震用ダンパを形成した場合には、前記制震用ダンパの制震性能の温度依存性が小さいことから、例えば温度差の大きい建築物の外壁付近にも前記制震用ダンパを設置することができる。
本発明によれば、ベースポリマとしてS−IBジブロック共重合体とS−IB−Sトリブロック共重合体とを併用してなり、建築物の制震用ダンパ等として十分に使用できるだけの高い減衰性能や大きな切断時伸びを有する高減衰部材を形成しうる、新規な高減衰組成物を提供することができる。
本発明の各比較試験において調製した各サンプルの高減衰組成物からなる高減衰部材の減衰性能を評価するために作製する、前記高減衰部材のモデルとしての試験体を分解して示す分解斜視図である。 同図(a)(b)は、前記試験体を変位させて変位量と荷重との関係を求めるための試験機の概略を説明する図である。 前記試験機を用いて試験体を変位させて求められる、変位量と荷重との関係を示すヒステリシスループの一例を示すグラフである。
《高減衰組成物》
本発明は、ベースポリマとして、
(1) 芳香族ビニル系化合物を構成単量体とする重合体ブロック(S)と、イソブチレンを構成単量体とする重合体ブロック(IB)とのS−IBジブロック共重合体、および
(2) 前記重合体ブロック(S)と重合体ブロック(IB)とのS−IB−Sトリブロック共重合体、
の2種のブロック共重合体を、前記両ブロック共重合体の総量100質量部あたりのS−IB−Sトリブロック共重合体の質量部で表して10質量部以上、65質量部以下の割合で併用した高減衰組成物であって、さらに前記2種のブロック共重合体の総量100質量部に対して10質量部以上、120質量部以下の炭酸カルシウムを配合したことを特徴とするものである。
〈ベースポリマ〉
ベースポリマとしては、前記のようにS−IBジブロック共重合体、およびS−IB−Sトリブロック共重合体の2種のブロック共重合体を併用する。
両ブロック共重合体の配合割合は、前記のように両ブロック共重合体の総量100質量部あたりの、S−IB−Sトリブロック共重合体の質量部で表して10質量部以上、65質量部以下である必要があり、中でも20質量部以上であるのが好ましく、50質量部以下、特に40質量部以下であるのが好ましい。
前記範囲よりS−IB−Sトリブロック共重合体が少ない場合には、前記S−IB−Sトリブロック共重合体を併用することによる、高減衰組成物に良好な成形加工性を付与する効果や、高減衰部材の切断時伸びを大きくする効果が十分に得られないおそれがある。
一方、前記範囲よりS−IB−Sトリブロック共重合体が多い場合には、相対的にS−IBジブロック共重合体の量が少なくなって、前記S−IBジブロック共重合体による、高減衰部材に良好な減衰性能を付与する効果が十分に得られないおそれがある。
前記両ブロック共重合体において、重合体ブロック(S)のもとになる芳香族ビニル系化合物としては、例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、2,6−ジメチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、α−メチル−o−メチルスチレン、α−メチル−m−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、β−メチル−o−メチルスチレン、β−メチル−m−メチルスチレン、β−メチル−p−メチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、α−メチル−2,6−ジメチルスチレン、α−メチル−2,4−ジメチルスチレン、β−メチル−2,6−ジメチルスチレン、β−メチル−2,4−ジメチルスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、2,6−ジクロロスチレン、2,4−ジクロロスチレン、α−クロロ−o−クロロスチレン、α−クロロ−m−クロロスチレン、α−クロロ−p−クロロスチレン、β−クロロ−o−クロロスチレン、β−クロロ−m−クロロスチレン、β−クロロ−p−クロロスチレン、2,4,6−トリクロロスチレン、α−クロロ−2,6−ジクロロスチレン、α−クロロ−2,4−ジクロロスチレン、β−クロロ−2,6−ジクロロスチレン、β−クロロ−2,4−ジクロロスチレン、o−t−ブチルスチレン、m−t−ブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、o−クロロメチルスチレン、m−クロロメチルスチレン、p−クロロメチルスチレン、o−ブロモメチルスチレン、m−ブロモメチルスチレン、p−ブロモメチルスチレン、シリル基で置換されたスチレン誘導体、インデン、およびビニルナフタレン等の1種または2種以上が挙げられる。
重合体ブロック(S)は、前記芳香族ビニル系化合物以外の他の単量体を含んでいてもよいし、前記他の単量体を含んでいなくてもよい。
かかる他の単量体としては、例えばイソブチレン、脂肪族オレフィン類、ジエン類、ビニルエーテル類、β−ピネン等の1種または2種以上が挙げられる。
重合体ブロック(S)が他の単量体を含む場合、前記重合体ブロック(S)を構成する全ての単量体の総量中に占める芳香族ビニル系化合物の割合は60質量%以上、特に80質量%以上であるのが好ましい。
また重合体ブロック(IB)は、イソブチレン以外の他の単量体を含んでいてもよいし、前記他の単量体を含んでいなくてもよい。
かかる他の単量体としては、例えば前記芳香族ビニル系化合物、脂肪族オレフィン類、ジエン類、ビニルエーテル類、β−ピネン等の1種または2種以上が挙げられる。
重合体ブロック(IB)が他の単量体を含む場合、前記重合体ブロック(IB)を構成する全ての単量体の総量中に占めるイソブチレンの割合は60質量%以上、特に80質量%以上であるのが好ましい。
脂肪族オレフィン類としては、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、ペンテン、ヘキセン、シクロヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、ビニルシクロヘキサン、オクテン、およびノルボルネン等の1種または2種以上が挙げられる。
ジエン類としては、例えばブタジエン、イソプレン、ヘキサジエン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、ジビニルベンゼン、およびエチリデンノルボルネン等の1種または2種以上が挙げられる。
ビニルエーテル類としては、例えばメチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、sec−ブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、メチルプロペニルエーテル、およびエチルプロペニルエーテル等の1種または2種以上が挙げられる。
(S−IBジブロック共重合体)
S−IBジブロック共重合体は、前記重合体ブロック(S)と、重合体ブロック(IB)とを1ブロックずつ繋いだ構造を有している。
前記S−IBジブロック共重合体における、両重合体ブロック(S)(IB)の共重合比率は、前記両重合体ブロック(S)(IB)の総量中に占める重合体ブロック(S)の割合で表して2質量%以上、中でも5質量%以上、特に15質量%以上であるのが好ましく、80質量%以下、中でも60質量%以下、特に40質量%以下であるのが好ましい。
重合体ブロック(S)の割合を前記範囲内とすることで両重合体ブロック(S)(IB)の鎖長のバランスを取って、S−IBジブロック共重合体としての、高減衰部材に良好な減衰性能を付与する効果を良好に発揮させることができる。
S−IBジブロック共重合体の分子量は、数平均分子量で表して3,000以上、中でも30,000以上、特に50,000以上であるのが好ましく、1,000,000以下、中でも500,000以下、特に400,000以下であるのが好ましい。
数平均分子量が前記範囲未満では、ポリマとしての機械的強度等の物性を十分に発現させることができないおそれがある。また前記範囲を超える場合には、高減衰組成物の成形加工性が低下するおそれがある。
前記S−IBジブロック共重合体は、例えば前記特許文献1、2に記載の合成方法等によって製造することができる。
(S−IB−Sトリブロック共重合体)
S−IB−Sトリブロック共重合体は、1つの重合体ブロック(IB)を2つの重合体ブロック(S)で挟んだ構造を有している。
前記S−IB−Sトリブロック共重合体における、両重合体ブロック(S)(IB)の共重合比率は、前記両重合体ブロック(S)(IB)の総量中に占める重合体ブロック(S)の割合で表して2質量%以上、中でも5質量%以上、特に15質量%以上であるのが好ましく、80質量%以下、中でも60質量%以下、特に40質量%以下であるのが好ましい。
重合体ブロック(S)の割合を前記範囲内とすることで両重合体ブロック(S)(IB)の鎖長のバランスを取って、S−IB−Sトリブロック共重合体としての、高減衰組成物に良好な成形加工性を付与するとともに、高減衰部材の断時伸びを大きくする効果を、いずれも良好に発揮させることができる。またS−IBジブロック共重合体に対する良好な相溶性を付与することもできる。
S−IB−Sトリブロック共重合体の分子量は、数平均分子量で表して3,000以上、中でも30,000以上、特に50,000以上であるのが好ましく、1,000,000以下、中でも500,000以下、特に400,000以下であるのが好ましい。
数平均分子量が前記範囲未満では、ポリマとしての機械的強度等の物性を十分に発現させることができないおそれがある。また前記範囲を超える場合には、高減衰組成物の成形加工性が低下するおそれがある。
前記S−IB−Sトリブロック共重合体も、例えば前記特許文献1、2に記載の合成方法等によって製造することができる。
〈炭酸カルシウム〉
炭酸カルシウムとしては、例えば製造方法によって分類される、種々の粒子径を有する合成炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウムや、あるいはこれらの表面を脂肪酸、4級アンモニウム塩、ロジン酸、おおびリグニン等の1種または2種以上で表面処理した表面処理炭酸カルシウム等の1種または2種以上が挙げられる。
前記炭酸カルシウムの配合割合は、ベースポリマ、すなわち前記2種のブロック共重合体の総量100質量部に対して10質量部以上、120質量部以下である必要があり、中でも50質量部以上であるのが好ましく、100質量部以下であるのが好ましい。
配合割合が前記範囲未満では、充填剤として炭酸カルシウムを配合することによる、高減衰部材の減衰性能を向上する効果が十分に得られないおそれがある。
一方、前記範囲を超える場合には、高減衰部材の切断時伸びが小さくなるおそれがある。また、環境温度によって高減衰部材の減衰性能が大きく変化する、つまり減衰性能の温度依存性が大きくなるおそれもある。
〈粘着付与剤〉
先に説明したように、本発明の高減衰組成物には、必要に応じて、さらに粘着付与剤を配合することもできる。粘着付与剤を配合することで、炭酸カルシウムを配合したことによる効果を補助して、高減衰部材の減衰性能をさらに向上することができる。その上、前記減衰性能の温度依存性を小さくするとともに、高減衰部材の切断時伸びを大きくすることもできる。
前記粘着付与剤としては、例えば石油樹脂、水素化石油樹脂、ロジン誘導体等の1種または2種以上が挙げられる。特に、軟化点が125℃未満の水素化石油樹脂が好ましい。前記の軟化点を有する水素化石油樹脂は、ベースポリマとしての2種のブロック共重合体に対する分散性に優れており、前記ベースポリマ中に、できるだけ小さい分散粒径で分散させることができる。具体的には、平均粒径が20μm以下の微細な状態で分散させることができるため、高減衰部材の減衰性能を向上する効果や、前記減衰性能の温度依存性を小さくする効果、あるいは高減衰部材の切断時伸びを大きくする効果に優れている。
なお軟化点は、日本工業規格JIS K2207−1996「石油アスファルト」所載の軟化点測定方法(環球法)によって測定した値でもって表すこととする。
また平均粒径は、顕微FTIRイメージング装置を用いて、内部標準ピーク(トータルCH、1450cm−1)に対するポリマ成分のピーク(イソブチレン、1230cm−1)の相対強度を描写し、ポリマ成分に由来する強度が弱い部分のドメインの大きさの平均値でもって表すこととする。
前記水素化石油樹脂としては、いずれも荒川化学工業(株)製のアルコン(登録商標)シリーズのうちP−90(軟化点:90±5℃)、P−100(軟化点:100±5℃)、およびP−115(軟化点115±5℃)等の1種または2種以上が挙げられる。
粘着付与剤の配合割合は、ベースポリマ、すなわち前記2種のブロック共重合体の総量100質量部に対して5質量部以上、150質量部以下である必要がある
粘着付与剤の配合割合は、高減衰部材に求められる減衰性能等に応じて、前記範囲内で任意に調整できる。
例えば、後述する減衰性能評価によって求められる等価減衰定数Heqが0.38以上、0.80未満程度の減衰性能を高減衰部材に付与するためには、粘着付与剤の配合割合を、前記範囲内でも10質量部以上、特に20質量部以上とするのが好ましく、80質量部未満、中でも50質量部以下、特に40質量部以下とするのが好ましい。
また、前記減衰性能の温度依存性をできるだけ小さくすることを考慮すると、粘着付与剤の配合割合は、前記範囲内でも10質量部以上、80質量部未満の範囲内でも、特に30質量部以下とするのが好ましい。
さらに、前記等価減衰定数Heqが0.80以上という極めて高度な減衰性能を、高減衰部材に付与することも可能である。その場合は、粘着付与剤の配合割合を、前記範囲内でも80質量部以上、特に100質量部以上とするのが好ましく、120質量部以下とするのが好ましい。
本発明の高減衰組成物は、基本的に前記S−IBジブロック共重合体、S−IB−Sトリブロック共重合体、および炭酸カルシウムの3種の成分、あるいは前記3種の成分に粘着付与剤を加えた4種の成分で構成し、例えばパラフィン系オイル等の他の成分を含まないのが、構成を簡略化する上で好ましい。
〈減衰性能の温度依存性評価〉
適度の減衰性能を維持しながら、前記減衰性能の温度依存性をできるだけ小さくするため、高減衰組成物は、周波数0.1Hzでのせん断モードの動的粘弾性率測定において、下記(I)(II)の特性をいずれも満足していることが好ましい。
(I) 0℃でのせん断貯蔵弾性率G′(MPa)と、40℃でのせん断貯蔵弾性率G′40(MPa)との比G′/G′40が10.0以下。
(II) 0〜40℃の範囲内で、損失正接tanδがいずれも0.4以上。
(I)の条件を満足しない場合は減衰性能の温度依存性が大きくなる傾向があり、(II)の条件を満足しない場合は減衰性能が低下するおそれがある。
なおせん断貯蔵弾性率G′(MPa)、および損失正接tanδは、TA Instruments(ティー・エイ・インスツルメント)社製のARES(Advanced Rheometric Expansion System)−G2レオメータを用いて、せん断変形率40%、周波数0.1Hz、温度0℃、20℃、および40℃の条件で求めた値でもって表すこととする。
《高減衰部材》
本発明の高減衰組成物を用いて形成できる高減衰部材としては、例えばビル等の建造物の基礎に組み込まれる免震用のダンパ、建築物の構造中に組み込まれる制震(制振)用のダンパ、吊橋や斜張橋等のケーブルの制振部材、産業機械や航空機、自動車、鉄道車両等の防振部材、コンピュータやその周辺機器類、あるいは家庭用電機機器類等の防振部材、さらには自動車用タイヤのトレッド等が挙げられる。
本発明によれば、前記S−IBジブロック共重合体、S−IB−Sトリブロック共重合体、炭酸カルシウム、および粘着付与剤の種類とその組み合わせ、および配合割合を前記範囲内で調整することにより、前記それぞれの用途に適した優れた減衰性能を有する高減衰部材を得ることができる。
特に本発明の高減衰組成物を用いて建築物の構造中に組み込まれる制震用ダンパを形成した場合には、前記高減衰部材が減衰性能に優れるため、1つの建築物中に組み込む前記制震用ダンパの数量を減らすことができる。また、特に粘着付与剤を配合した高減衰組成物を用いて制震用ダンパを形成した場合には、前記制震用ダンパの制震性能の温度依存性が小さいことから、例えば温度差の大きい建築物の外壁付近にも前記制震用ダンパを設置することができる。
以下の各比較試験における高減衰組成物の調製、および測定を、特記した以外は温度20℃の環境下で実施した。
《比較試験1》
〈サンプル1−1〉
ベースポリマとして、S−IBジブロック共重合体〔(株)カネカ製の商品名シブスター042D〕80質量部、およびS−IB−Sトリブロック共重合体〔(株)カネカ製の商品名シブスター062T〕20質量部を配合し、前記両者の総量100質量部に対して、さらに表面処理炭酸カルシウム〔白石カルシウム(株)製の白艶華(登録商標)DD、合成炭酸カルシウムをロジン酸で表面処理したもの、一次粒子径50nm〕100質量部を配合し、密閉式混練機を用いて混練して高減衰組成物を調製した。
〈サンプル1−2〉
S−IBジブロック共重合体の量を60質量部、S−IB−Sトリブロック共重合体の量を40質量部としたこと以外はサンプル1−1と同様にして、高減衰組成物を調製した。
〈サンプル1−3〉
S−IBジブロック共重合体の量を40質量部、S−IB−Sトリブロック共重合体の量を60質量部としたこと以外はサンプル1−1と同様にして、高減衰組成物を調製した。
〈サンプル1−4〉
表面処理炭酸カルシウムに代えてシリカ〔東ソー・シリカ(株)製のNipsil(登録商標)ER〕30質量部を配合したこと以外はサンプル1−1と同様にして、高減衰組成物を調製した。
〈サンプル1−5〉
表面処理炭酸カルシウムを配合しなかったこと以外はサンプル1−1と同様にして、高減衰組成物を調製した。
〈サンプル1−6〉
S−IBジブロック共重合体のみを単独で、高減衰組成物とした。
〈サンプル1−7〉
S−IB−Sトリブロック共重合体のみを単独で、高減衰組成物とした。
前記各サンプルで調製した高減衰組成物について、下記の評価を実施して、その特性を評価した。
〈減衰性能評価〉
(試験体の作製)
前記各サンプルで調製した高減衰組成物をシート状に押出成形したのち打ち抜いて、図1に示すように円板1(厚み5mm×直径25mm)を作製し、前記円板1の表裏両面に、それぞれシアノアクリレート系接着剤を介して厚み6mm×縦44mm×横44mmの矩形平板状の鋼板2を重ねて積層方向に加圧することで、前記円板1を2枚の鋼板2と接着させて、高減衰部材のモデルとしての減衰性能評価用の試験体3を作製した。
(変位試験)
図2(a)に示すように前記試験体3を2個用意し、前記2個の試験体3を、一方の鋼板2を介して1枚の中央固定治具4にボルトで固定するとともに、それぞれの試験体3の他方の鋼板2に、1枚ずつの左右固定治具5をボルトで固定した。そして中央固定治具4を、図示しない試験機の上側の固定アーム6に、ジョイント7を介してボルトで固定し、かつ2枚の左右固定治具5を、前記試験機の下側の可動盤8に、ジョイント9を介してボルトで固定した。
次にこの状態で、可動盤8を図中に白抜きの矢印で示すように固定アーム6の方向に押し上げるように変位させて、試験体3のうち円板1を、図2(b)に示すように前記試験体3の積層方向と直交方向に歪み変形させた状態とし、次いでこの状態から、可動盤8を図中に白抜きの矢印で示すように固定アーム6の方向と反対方向に引き下げるように変位させて、前記図2(a)に示す状態に戻す操作を1サイクルとして、前記試験体3のうち円板1を繰り返し歪み変形、すなわち振動させた際の、前記試験体3の積層方向と直交方向への円板1の変位量(mm)と荷重(N)との関係を示すヒステリシスループH(図3参照)を求めた。
測定は、前記操作を3サイクル実施して3回目の値を求めた。また最大変位量は、円板1を挟む2枚の鋼板2の、前記積層方向と直交方向のずれ量が、前記円板1の厚みの100%となるように設定した。
次いで、前記測定により求めた図3に示すヒステリシスループHのうち最大変位点と最小変位点とを結ぶ、図中に太線の実線で示す直線Lの傾きKeq(N/mm)を求め、前記傾きKeq(N/mm)と、円板1の厚みT(mm)と、円板1の断面積A(mm)とから、式(1):
Figure 0005789434
により等価せん断弾性率Geq(N/mm)を求めた。
また図3中に斜線を付して示した、ヒステリシスループHの全表面積で表される吸収エネルギー量ΔWと、同図中に網線を付して示した、前記直線Lと、グラフの横軸と、直線LとヒステリシスループHとの交点から前記横軸におろした垂線Lとで囲まれた領域の表面積で表される弾性歪みエネルギーWとから、式(2):
Figure 0005789434
により等価減衰定数Heqを求めた。
かかる等価減衰定数Heqが大きいほど、該当サンプルの高減衰組成物を用いて形成される高減衰部材(試験体3)は減衰性能に優れていると判定できる。比較試験1では、等価減衰定数Heqが0.38以上であるものを良好と評価した。
〈引張特性評価〉
前記各サンプルで調製した高減衰組成物を用いて、日本工業規格JIS K6251:2010「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に規定されたダンベル状1号形試験片を作製し、前記試験片を用いて、同規格に規定された試験方法に則って試験速度300mm/minの条件で引張試験を実施して、切断時伸びE(%)を求めた。
前記切断時伸びEは、先に説明したように大きいほど好ましい。比較試験1では、切断時伸びEが200%以上であるものを良好と評価した。
以上の結果を表1、表2に示す。
Figure 0005789434
Figure 0005789434
表2のサンプル1−6、1−7の結果より、S−IBジブロック共重合体単独では切断時伸びEが小さく、またS−IB−Sトリブロック共重合体単独では切断時伸びEは大きいものの、十分な減衰性能が得られないことが判った。
またサンプル1−5の結果より、前記両ブロック共重合体を併用した場合には、ある程度の減衰性能を確保しつつ切断時伸びEを大きくできるものの、前記減衰性能がいまだ十分でないことが判った。
さらにサンプル1−4の結果より、前記両ブロック共重合体に、充填剤としてシリカを配合した場合には、減衰性能は改善されるものの、切断時伸びEが小さくなることが判った。
これに対し、表1のサンプル1−1〜1−3の結果より、両ブロック共重合体に、充填剤として炭酸カルシウムを配合することで、切断時伸びEが小さくなるのを防止しながら、減衰性能を大きく向上できることが判った。
またサンプル1−1〜1−3の結果より、S−IB−Sトリブロック共重合体の質量部は、両ブロック共重合体の総量100質量部あたり10質量部以上、特に20質量部以上であるのが好ましく、65質量部以下、中でも50質量部以下、特に40質量部以下であるのが好ましいことが判った。
《比較試験2》
〈サンプル2−1〉
ベースポリマとして、S−IBジブロック共重合体〔(株)カネカ製の商品名シブスター042D〕80質量部、およびS−IB−Sトリブロック共重合体〔(株)カネカ製の商品名シブスター062T〕20質量部を配合し、前記両者の総量100質量部に対して、さらに表面処理炭酸カルシウム〔白石カルシウム(株)製の白艶華(登録商標)DD、合成炭酸カルシウムをロジン酸で表面処理したもの、一次粒子径50nm〕100質量部、および粘着付与剤としての水素化石油樹脂〔荒川化学工業(株)製のアルコン(登録商標)P−100、軟化点:100±5℃〕20質量部を配合し、密閉式混練機を用いて混練して高減衰組成物を調製した。
〈サンプル2−2〉
水素化石油樹脂の量を40質量部としたこと以外はサンプル2−1と同様にして、高減衰組成物を調製した。
〈サンプル2−3〉
炭酸カルシウムを配合せず、かつ水素化石油樹脂の量を40質量部としたこと以外はサンプル2−1と同様にして、高減衰組成物を調製した。
前記各サンプルで調製した高減衰組成物について、前記の減衰性能評価、および引張特性評価を実施して、その特性を評価した。なお比較試験2では、等価減衰定数Heqが0.38以上であるものを良好と評価した。また切断時伸びEが400%以上であるものを良好と評価した。
結果を、先のサンプル1−1の結果と併せて表3に示す。
Figure 0005789434
表3のサンプル2−3の結果より、炭酸カルシウムを配合せずに、粘着付与剤としての水素化石油樹脂のみを配合した場合には、サンプル1−1に比べて、減衰性能を向上し、かつ切断時伸びEを大きくできるものの、その向上効果がいまだ十分でないことが判った。
これに対し、サンプル2−1、2−2の結果より、炭酸カルシウム、および水素化石油樹脂の両方を配合することで、減衰性能をさらに向上するとともに、切断時伸びEをより一層大きくできることが判った。
またサンプル2−1、2−2の結果より、粘着付与剤としての水素化石油樹脂の配合割合は、両ブロック共重合体の総量100質量部あたり10質量部以上、特に20質量部以上であるのが好ましく、80質量部未満、中でも50質量部以下、特に40質量部以下であるのが好ましいことが判った。
《比較試験3》
〈サンプル3−1〉
ベースポリマとして、S−IBジブロック共重合体〔(株)カネカ製の商品名シブスター042D〕80質量部、およびS−IB−Sトリブロック共重合体〔(株)カネカ製の商品名シブスター062T〕20質量部を配合し、前記両者の総量100質量部に対して、さらに表面処理炭酸カルシウム〔白石カルシウム(株)製の白艶華(登録商標)DD、合成炭酸カルシウムをロジン酸で表面処理したもの、一次粒子径50nm〕50質量部、および粘着付与剤としての水素化石油樹脂〔荒川化学工業(株)製のアルコン(登録商標)P−90、軟化点:90±5℃〕10質量部を配合し、密閉式混練機を用いて混練して高減衰組成物を調製した。
〈サンプル3−2〉
水素化石油樹脂の量を20質量部としたこと以外はサンプル3−1と同様にして、高減衰組成物を調製した。
〈サンプル3−3〉
水素化石油樹脂の量を30質量部としたこと以外はサンプル3−1と同様にして、高減衰組成物を調製した。
〈サンプル3−4〉
水素化石油樹脂の量を40質量部としたこと以外はサンプル3−1と同様にして、高減衰組成物を調製した。
〈サンプル3−5〉
水素化石油樹脂として、軟化点が115±5℃であるもの〔荒川化学工業(株)製のアルコン(登録商標)P−115、軟化点:115±5℃〕を同量配合したこと以外はサンプル3−2と同様にして、高減衰組成物を調製した。
〈サンプル3−6〉
水素化石油樹脂として、軟化点が125±5℃であるもの〔荒川化学工業(株)製のアルコン(登録商標)P−125、軟化点:125±5℃〕を同量配合したこと以外はサンプル3−2と同様にして、高減衰組成物を調製した。
〈減衰性能の温度依存性評価〉
前出のTA Instruments(ティー・エイ・インスツルメント)社製のARES(Advanced Rheometric Expansion System)−G2レオメータを用いて、せん断変形率40%、周波数0.1Hz、温度0℃、20℃、および40℃の条件で、せん断貯蔵弾性率G′(MPa)、および損失正接tanδを測定した。また、0℃でのせん断貯蔵弾性率G′(MPa)と、40℃でのせん断貯蔵弾性率G′40(MPa)との比G′/G′40を求めた。
先に説明したように比G′/G′40が10.0以下で、かつ損失正接tanδがいずれの測定温度でも0.4以上であったものを、減衰性能の温度依存性が小さく良好と評価した。
結果を表4、表5に示す。
Figure 0005789434
Figure 0005789434
表4、表5のサンプル3−1〜3−4の結果より、高減衰部材の減衰性能をできるだけ向上するとともに、その温度依存性をできるだけ小さくすることを考慮すると、粘着付与剤としての水素化石油樹脂の配合割合は、両ブロック共重合体の総量100質量部あたり10質量部以上、30質量部以下であるのが好ましいことが判った。
またサンプル3−2、3−5、および3−6の結果より、水素化石油樹脂としては、軟化点が125℃未満であるものを用いるのが好ましいことが判った。
《比較試験4》
〈サンプル4−1〉
ベースポリマとして、S−IBジブロック共重合体〔(株)カネカ製の商品名シブスター042D〕80質量部、およびS−IB−Sトリブロック共重合体〔(株)カネカ製の商品名シブスター062T〕20質量部を配合し、前記両者の総量100質量部に対して、さらに表面処理炭酸カルシウム〔白石カルシウム(株)製の白艶華(登録商標)DD、合成炭酸カルシウムをロジン酸で表面処理したもの、一次粒子径50nm〕100質量部、および粘着付与剤としての水素化石油樹脂〔荒川化学工業(株)製のアルコン(登録商標)P−100、軟化点:100±5℃〕100質量部を配合し、密閉式混練機を用いて混練して高減衰組成物を調製した。
〈サンプル4−2〉
水素化石油樹脂の量を120質量部としたこと以外はサンプル4−1と同様にして、高減衰組成物を調製した。
前記両サンプルで調製した高減衰組成物について、前記の減衰性能評価、および引張特性評価を実施して、その特性を評価した。なお比較試験4では、等価減衰定数Heqが0.80以上であるものを良好と評価した。また切断時伸びEが400%以上であるものを良好と評価した。
結果を、先のサンプル2−1、2−2の結果と併せて表6に示す。
Figure 0005789434
表6のサンプル4−1、4−2の結果より、粘着付与剤としての水素化石油樹脂の配合割合を、両ブロック共重合体の総量100質量部あたり80質量部以上、特に100質量部以上で、かつ120質量部以下とすることにより、高減衰部材に高度な減衰性能を付与できることが判った。
1 円板
2 鋼板
3 試験体
4 中央固定治具
5 左右固定治具
6 固定アーム
7 ジョイント
8 可動盤
9 ジョイント

Claims (4)

  1. ベースポリマとして、
    (1) 芳香族ビニル系化合物を構成単量体とする重合体ブロック(S)と、イソブチレンを構成単量体とする重合体ブロック(IB)とのS−IBジブロック共重合体、および
    (2) 前記重合体ブロック(S)と重合体ブロック(IB)とのS−IB−Sトリブロック共重合体、
    の2種のブロック共重合体を、前記両ブロック共重合体の総量100質量部あたりのS−IB−Sトリブロック共重合体の質量部で表して10質量部以上、65質量部以下の割合で併用した高減衰組成物であって、さらに前記2種のブロック共重合体の総量100質量部に対して10質量部以上、120質量部以下の炭酸カルシウムを配合したことを特徴とする高減衰組成物。
  2. さらに前記2種のブロック共重合体の総量100質量部に対して5質量部以上、150質量部以下の粘着付与剤をも配合した請求項1に記載の高減衰組成物。
  3. 粘着付与剤は、軟化点が125℃未満の水素化石油樹脂である請求項1または2に記載の高減衰組成物。
  4. 建築物の制震用ダンパの形成材料として用いる請求項1ないし3のいずれか1項に記載の高減衰組成物。
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