JP5789434B2 - 高減衰組成物 - Google Patents
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Description
前記高減衰部材は、種々のベースポリマを含む高減衰組成物によって形成される。
特に重合体ブロック(S)と重合体ブロック(IB)とを1ブロックずつ繋いだ構造を有するS−IBジブロック共重合体は、減衰性能に優れている。しかしS−IBジブロック共重合体を単独でベースポリマとして使用した場合には高減衰組成物の成形加工性が低いという問題がある。
そこで、成形加工性に優れるとともに切断時伸びが大きい上、前記S−IBジブロック共重合体との相溶性に優れた他のポリマを、前記S−IBジブロック共重合体とともに、高減衰組成物のベースポリマとして併用することが検討されている(例えば特許文献1〜3等参照)。
しかし、単に両者を併用して配合割合を調整しただけでは、例えば建築物の制震用ダンパ等として十分に使用できるだけの高い減衰性能や大きな切断時伸びを高減衰部材に付与することはできない。
その結果、前記2種のブロック共重合体の併用系において、炭酸カルシウム以外の他の充填剤を配合した場合には、切断時伸びが小さくなる傾向があるのに対し、充填剤として炭酸カルシウムを配合した場合には、切断時伸びが小さくなるのを防止しつつ、充填剤を全く配合しない場合に比べて、高減衰部材の減衰性能を特異的、かつ大幅に向上できることを見出し、本発明を完成するに至った。
(1) 芳香族ビニル系化合物を構成単量体とする重合体ブロック(S)と、イソブチレンを構成単量体とする重合体ブロック(IB)とのS−IBジブロック共重合体、および
(2) 前記重合体ブロック(S)と重合体ブロック(IB)とのS−IB−Sトリブロック共重合体、
の2種のブロック共重合体を、前記両ブロック共重合体の総量100質量部あたりのS−IB−Sトリブロック共重合体の質量部で表して10質量部以上、65質量部以下の割合で併用した高減衰組成物であって、さらに前記2種のブロック共重合体の総量100質量部に対して10質量部以上、120質量部以下の炭酸カルシウムを配合したことを特徴とするものである。
本発明は、ベースポリマとして、
(1) 芳香族ビニル系化合物を構成単量体とする重合体ブロック(S)と、イソブチレンを構成単量体とする重合体ブロック(IB)とのS−IBジブロック共重合体、および
(2) 前記重合体ブロック(S)と重合体ブロック(IB)とのS−IB−Sトリブロック共重合体、
の2種のブロック共重合体を、前記両ブロック共重合体の総量100質量部あたりのS−IB−Sトリブロック共重合体の質量部で表して10質量部以上、65質量部以下の割合で併用した高減衰組成物であって、さらに前記2種のブロック共重合体の総量100質量部に対して10質量部以上、120質量部以下の炭酸カルシウムを配合したことを特徴とするものである。
ベースポリマとしては、前記のようにS−IBジブロック共重合体、およびS−IB−Sトリブロック共重合体の2種のブロック共重合体を併用する。
両ブロック共重合体の配合割合は、前記のように両ブロック共重合体の総量100質量部あたりの、S−IB−Sトリブロック共重合体の質量部で表して10質量部以上、65質量部以下である必要があり、中でも20質量部以上であるのが好ましく、50質量部以下、特に40質量部以下であるのが好ましい。
一方、前記範囲よりS−IB−Sトリブロック共重合体が多い場合には、相対的にS−IBジブロック共重合体の量が少なくなって、前記S−IBジブロック共重合体による、高減衰部材に良好な減衰性能を付与する効果が十分に得られないおそれがある。
かかる他の単量体としては、例えばイソブチレン、脂肪族オレフィン類、ジエン類、ビニルエーテル類、β−ピネン等の1種または2種以上が挙げられる。
重合体ブロック(S)が他の単量体を含む場合、前記重合体ブロック(S)を構成する全ての単量体の総量中に占める芳香族ビニル系化合物の割合は60質量%以上、特に80質量%以上であるのが好ましい。
かかる他の単量体としては、例えば前記芳香族ビニル系化合物、脂肪族オレフィン類、ジエン類、ビニルエーテル類、β−ピネン等の1種または2種以上が挙げられる。
重合体ブロック(IB)が他の単量体を含む場合、前記重合体ブロック(IB)を構成する全ての単量体の総量中に占めるイソブチレンの割合は60質量%以上、特に80質量%以上であるのが好ましい。
ジエン類としては、例えばブタジエン、イソプレン、ヘキサジエン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、ジビニルベンゼン、およびエチリデンノルボルネン等の1種または2種以上が挙げられる。
S−IBジブロック共重合体は、前記重合体ブロック(S)と、重合体ブロック(IB)とを1ブロックずつ繋いだ構造を有している。
前記S−IBジブロック共重合体における、両重合体ブロック(S)(IB)の共重合比率は、前記両重合体ブロック(S)(IB)の総量中に占める重合体ブロック(S)の割合で表して2質量%以上、中でも5質量%以上、特に15質量%以上であるのが好ましく、80質量%以下、中でも60質量%以下、特に40質量%以下であるのが好ましい。
S−IBジブロック共重合体の分子量は、数平均分子量で表して3,000以上、中でも30,000以上、特に50,000以上であるのが好ましく、1,000,000以下、中でも500,000以下、特に400,000以下であるのが好ましい。
前記S−IBジブロック共重合体は、例えば前記特許文献1、2に記載の合成方法等によって製造することができる。
S−IB−Sトリブロック共重合体は、1つの重合体ブロック(IB)を2つの重合体ブロック(S)で挟んだ構造を有している。
前記S−IB−Sトリブロック共重合体における、両重合体ブロック(S)(IB)の共重合比率は、前記両重合体ブロック(S)(IB)の総量中に占める重合体ブロック(S)の割合で表して2質量%以上、中でも5質量%以上、特に15質量%以上であるのが好ましく、80質量%以下、中でも60質量%以下、特に40質量%以下であるのが好ましい。
数平均分子量が前記範囲未満では、ポリマとしての機械的強度等の物性を十分に発現させることができないおそれがある。また前記範囲を超える場合には、高減衰組成物の成形加工性が低下するおそれがある。
〈炭酸カルシウム〉
炭酸カルシウムとしては、例えば製造方法によって分類される、種々の粒子径を有する合成炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウムや、あるいはこれらの表面を脂肪酸、4級アンモニウム塩、ロジン酸、おおびリグニン等の1種または2種以上で表面処理した表面処理炭酸カルシウム等の1種または2種以上が挙げられる。
配合割合が前記範囲未満では、充填剤として炭酸カルシウムを配合することによる、高減衰部材の減衰性能を向上する効果が十分に得られないおそれがある。
〈粘着付与剤〉
先に説明したように、本発明の高減衰組成物には、必要に応じて、さらに粘着付与剤を配合することもできる。粘着付与剤を配合することで、炭酸カルシウムを配合したことによる効果を補助して、高減衰部材の減衰性能をさらに向上することができる。その上、前記減衰性能の温度依存性を小さくするとともに、高減衰部材の切断時伸びを大きくすることもできる。
また平均粒径は、顕微FTIRイメージング装置を用いて、内部標準ピーク(トータルCH2、1450cm−1)に対するポリマ成分のピーク(イソブチレン、1230cm−1)の相対強度を描写し、ポリマ成分に由来する強度が弱い部分のドメインの大きさの平均値でもって表すこととする。
粘着付与剤の配合割合は、ベースポリマ、すなわち前記2種のブロック共重合体の総量100質量部に対して5質量部以上、150質量部以下である必要がある。
例えば、後述する減衰性能評価によって求められる等価減衰定数Heqが0.38以上、0.80未満程度の減衰性能を高減衰部材に付与するためには、粘着付与剤の配合割合を、前記範囲内でも10質量部以上、特に20質量部以上とするのが好ましく、80質量部未満、中でも50質量部以下、特に40質量部以下とするのが好ましい。
さらに、前記等価減衰定数Heqが0.80以上という極めて高度な減衰性能を、高減衰部材に付与することも可能である。その場合は、粘着付与剤の配合割合を、前記範囲内でも80質量部以上、特に100質量部以上とするのが好ましく、120質量部以下とするのが好ましい。
〈減衰性能の温度依存性評価〉
適度の減衰性能を維持しながら、前記減衰性能の温度依存性をできるだけ小さくするため、高減衰組成物は、周波数0.1Hzでのせん断モードの動的粘弾性率測定において、下記(I)(II)の特性をいずれも満足していることが好ましい。
(II) 0〜40℃の範囲内で、損失正接tanδがいずれも0.4以上。
(I)の条件を満足しない場合は減衰性能の温度依存性が大きくなる傾向があり、(II)の条件を満足しない場合は減衰性能が低下するおそれがある。
本発明の高減衰組成物を用いて形成できる高減衰部材としては、例えばビル等の建造物の基礎に組み込まれる免震用のダンパ、建築物の構造中に組み込まれる制震(制振)用のダンパ、吊橋や斜張橋等のケーブルの制振部材、産業機械や航空機、自動車、鉄道車両等の防振部材、コンピュータやその周辺機器類、あるいは家庭用電機機器類等の防振部材、さらには自動車用タイヤのトレッド等が挙げられる。
特に本発明の高減衰組成物を用いて建築物の構造中に組み込まれる制震用ダンパを形成した場合には、前記高減衰部材が減衰性能に優れるため、1つの建築物中に組み込む前記制震用ダンパの数量を減らすことができる。また、特に粘着付与剤を配合した高減衰組成物を用いて制震用ダンパを形成した場合には、前記制震用ダンパの制震性能の温度依存性が小さいことから、例えば温度差の大きい建築物の外壁付近にも前記制震用ダンパを設置することができる。
《比較試験1》
〈サンプル1−1〉
ベースポリマとして、S−IBジブロック共重合体〔(株)カネカ製の商品名シブスター042D〕80質量部、およびS−IB−Sトリブロック共重合体〔(株)カネカ製の商品名シブスター062T〕20質量部を配合し、前記両者の総量100質量部に対して、さらに表面処理炭酸カルシウム〔白石カルシウム(株)製の白艶華(登録商標)DD、合成炭酸カルシウムをロジン酸で表面処理したもの、一次粒子径50nm〕100質量部を配合し、密閉式混練機を用いて混練して高減衰組成物を調製した。
S−IBジブロック共重合体の量を60質量部、S−IB−Sトリブロック共重合体の量を40質量部としたこと以外はサンプル1−1と同様にして、高減衰組成物を調製した。
〈サンプル1−3〉
S−IBジブロック共重合体の量を40質量部、S−IB−Sトリブロック共重合体の量を60質量部としたこと以外はサンプル1−1と同様にして、高減衰組成物を調製した。
表面処理炭酸カルシウムに代えてシリカ〔東ソー・シリカ(株)製のNipsil(登録商標)ER〕30質量部を配合したこと以外はサンプル1−1と同様にして、高減衰組成物を調製した。
〈サンプル1−5〉
表面処理炭酸カルシウムを配合しなかったこと以外はサンプル1−1と同様にして、高減衰組成物を調製した。
S−IBジブロック共重合体のみを単独で、高減衰組成物とした。
〈サンプル1−7〉
S−IB−Sトリブロック共重合体のみを単独で、高減衰組成物とした。
前記各サンプルで調製した高減衰組成物について、下記の評価を実施して、その特性を評価した。
(試験体の作製)
前記各サンプルで調製した高減衰組成物をシート状に押出成形したのち打ち抜いて、図1に示すように円板1(厚み5mm×直径25mm)を作製し、前記円板1の表裏両面に、それぞれシアノアクリレート系接着剤を介して厚み6mm×縦44mm×横44mmの矩形平板状の鋼板2を重ねて積層方向に加圧することで、前記円板1を2枚の鋼板2と接着させて、高減衰部材のモデルとしての減衰性能評価用の試験体3を作製した。
図2(a)に示すように前記試験体3を2個用意し、前記2個の試験体3を、一方の鋼板2を介して1枚の中央固定治具4にボルトで固定するとともに、それぞれの試験体3の他方の鋼板2に、1枚ずつの左右固定治具5をボルトで固定した。そして中央固定治具4を、図示しない試験機の上側の固定アーム6に、ジョイント7を介してボルトで固定し、かつ2枚の左右固定治具5を、前記試験機の下側の可動盤8に、ジョイント9を介してボルトで固定した。
次いで、前記測定により求めた図3に示すヒステリシスループHのうち最大変位点と最小変位点とを結ぶ、図中に太線の実線で示す直線L1の傾きKeq(N/mm)を求め、前記傾きKeq(N/mm)と、円板1の厚みT(mm)と、円板1の断面積A(mm2)とから、式(1):
また図3中に斜線を付して示した、ヒステリシスループHの全表面積で表される吸収エネルギー量ΔWと、同図中に網線を付して示した、前記直線L1と、グラフの横軸と、直線L1とヒステリシスループHとの交点から前記横軸におろした垂線L2とで囲まれた領域の表面積で表される弾性歪みエネルギーWとから、式(2):
かかる等価減衰定数Heqが大きいほど、該当サンプルの高減衰組成物を用いて形成される高減衰部材(試験体3)は減衰性能に優れていると判定できる。比較試験1では、等価減衰定数Heqが0.38以上であるものを良好と評価した。
〈引張特性評価〉
前記各サンプルで調製した高減衰組成物を用いて、日本工業規格JIS K6251:2010「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に規定されたダンベル状1号形試験片を作製し、前記試験片を用いて、同規格に規定された試験方法に則って試験速度300mm/minの条件で引張試験を実施して、切断時伸びEb(%)を求めた。
以上の結果を表1、表2に示す。
またサンプル1−5の結果より、前記両ブロック共重合体を併用した場合には、ある程度の減衰性能を確保しつつ切断時伸びEbを大きくできるものの、前記減衰性能がいまだ十分でないことが判った。
これに対し、表1のサンプル1−1〜1−3の結果より、両ブロック共重合体に、充填剤として炭酸カルシウムを配合することで、切断時伸びEbが小さくなるのを防止しながら、減衰性能を大きく向上できることが判った。
《比較試験2》
〈サンプル2−1〉
ベースポリマとして、S−IBジブロック共重合体〔(株)カネカ製の商品名シブスター042D〕80質量部、およびS−IB−Sトリブロック共重合体〔(株)カネカ製の商品名シブスター062T〕20質量部を配合し、前記両者の総量100質量部に対して、さらに表面処理炭酸カルシウム〔白石カルシウム(株)製の白艶華(登録商標)DD、合成炭酸カルシウムをロジン酸で表面処理したもの、一次粒子径50nm〕100質量部、および粘着付与剤としての水素化石油樹脂〔荒川化学工業(株)製のアルコン(登録商標)P−100、軟化点:100±5℃〕20質量部を配合し、密閉式混練機を用いて混練して高減衰組成物を調製した。
水素化石油樹脂の量を40質量部としたこと以外はサンプル2−1と同様にして、高減衰組成物を調製した。
〈サンプル2−3〉
炭酸カルシウムを配合せず、かつ水素化石油樹脂の量を40質量部としたこと以外はサンプル2−1と同様にして、高減衰組成物を調製した。
結果を、先のサンプル1−1の結果と併せて表3に示す。
これに対し、サンプル2−1、2−2の結果より、炭酸カルシウム、および水素化石油樹脂の両方を配合することで、減衰性能をさらに向上するとともに、切断時伸びEbをより一層大きくできることが判った。
《比較試験3》
〈サンプル3−1〉
ベースポリマとして、S−IBジブロック共重合体〔(株)カネカ製の商品名シブスター042D〕80質量部、およびS−IB−Sトリブロック共重合体〔(株)カネカ製の商品名シブスター062T〕20質量部を配合し、前記両者の総量100質量部に対して、さらに表面処理炭酸カルシウム〔白石カルシウム(株)製の白艶華(登録商標)DD、合成炭酸カルシウムをロジン酸で表面処理したもの、一次粒子径50nm〕50質量部、および粘着付与剤としての水素化石油樹脂〔荒川化学工業(株)製のアルコン(登録商標)P−90、軟化点:90±5℃〕10質量部を配合し、密閉式混練機を用いて混練して高減衰組成物を調製した。
水素化石油樹脂の量を20質量部としたこと以外はサンプル3−1と同様にして、高減衰組成物を調製した。
〈サンプル3−3〉
水素化石油樹脂の量を30質量部としたこと以外はサンプル3−1と同様にして、高減衰組成物を調製した。
水素化石油樹脂の量を40質量部としたこと以外はサンプル3−1と同様にして、高減衰組成物を調製した。
〈サンプル3−5〉
水素化石油樹脂として、軟化点が115±5℃であるもの〔荒川化学工業(株)製のアルコン(登録商標)P−115、軟化点:115±5℃〕を同量配合したこと以外はサンプル3−2と同様にして、高減衰組成物を調製した。
水素化石油樹脂として、軟化点が125±5℃であるもの〔荒川化学工業(株)製のアルコン(登録商標)P−125、軟化点:125±5℃〕を同量配合したこと以外はサンプル3−2と同様にして、高減衰組成物を調製した。
〈減衰性能の温度依存性評価〉
前出のTA Instruments(ティー・エイ・インスツルメント)社製のARES(Advanced Rheometric Expansion System)−G2レオメータを用いて、せん断変形率40%、周波数0.1Hz、温度0℃、20℃、および40℃の条件で、せん断貯蔵弾性率G′(MPa)、および損失正接tanδを測定した。また、0℃でのせん断貯蔵弾性率G′0(MPa)と、40℃でのせん断貯蔵弾性率G′40(MPa)との比G′0/G′40を求めた。
結果を表4、表5に示す。
またサンプル3−2、3−5、および3−6の結果より、水素化石油樹脂としては、軟化点が125℃未満であるものを用いるのが好ましいことが判った。
〈サンプル4−1〉
ベースポリマとして、S−IBジブロック共重合体〔(株)カネカ製の商品名シブスター042D〕80質量部、およびS−IB−Sトリブロック共重合体〔(株)カネカ製の商品名シブスター062T〕20質量部を配合し、前記両者の総量100質量部に対して、さらに表面処理炭酸カルシウム〔白石カルシウム(株)製の白艶華(登録商標)DD、合成炭酸カルシウムをロジン酸で表面処理したもの、一次粒子径50nm〕100質量部、および粘着付与剤としての水素化石油樹脂〔荒川化学工業(株)製のアルコン(登録商標)P−100、軟化点:100±5℃〕100質量部を配合し、密閉式混練機を用いて混練して高減衰組成物を調製した。
水素化石油樹脂の量を120質量部としたこと以外はサンプル4−1と同様にして、高減衰組成物を調製した。
前記両サンプルで調製した高減衰組成物について、前記の減衰性能評価、および引張特性評価を実施して、その特性を評価した。なお比較試験4では、等価減衰定数Heqが0.80以上であるものを良好と評価した。また切断時伸びEbが400%以上であるものを良好と評価した。
2 鋼板
3 試験体
4 中央固定治具
5 左右固定治具
6 固定アーム
7 ジョイント
8 可動盤
9 ジョイント
Claims (4)
- ベースポリマとして、
(1) 芳香族ビニル系化合物を構成単量体とする重合体ブロック(S)と、イソブチレンを構成単量体とする重合体ブロック(IB)とのS−IBジブロック共重合体、および
(2) 前記重合体ブロック(S)と重合体ブロック(IB)とのS−IB−Sトリブロック共重合体、
の2種のブロック共重合体を、前記両ブロック共重合体の総量100質量部あたりのS−IB−Sトリブロック共重合体の質量部で表して10質量部以上、65質量部以下の割合で併用した高減衰組成物であって、さらに前記2種のブロック共重合体の総量100質量部に対して10質量部以上、120質量部以下の炭酸カルシウムを配合したことを特徴とする高減衰組成物。 - さらに前記2種のブロック共重合体の総量100質量部に対して5質量部以上、150質量部以下の粘着付与剤をも配合した請求項1に記載の高減衰組成物。
- 粘着付与剤は、軟化点が125℃未満の水素化石油樹脂である請求項1または2に記載の高減衰組成物。
- 建築物の制震用ダンパの形成材料として用いる請求項1ないし3のいずれか1項に記載の高減衰組成物。
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