JP2014001323A - 高減衰組成物および制震用ダンパ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】高減衰組成物は、ベースポリマとして、S−EPジブロック共重合体とS−IB−Sトリブロック共重合体とを、両ブロック共重合体の総量中に占めるS−IB−Sトリブロック共重合体の割合が10〜40質量%となるように併用するとともに、ポリイソブチレン、ポリブテン、および水素添加液状ポイリイソプレンからなる群より選ばれた少なくとも1種の非アロマ系可塑剤を配合した。制震用ダンパは、前記高減衰組成物からなる高減衰部材と、鋼製部材とを組み合わせた。
【選択図】なし
Description
前記高減衰部材は、種々のベースポリマを含む高減衰組成物によって形成される。
特に重合体ブロック(S)と重合体ブロック(IB)とを1ブロックずつ繋いだ構造を有するS−IBジブロック共重合体は、減衰性能に優れている。しかし、前記S−IBジブロック共重合体を単独でベースポリマとして用いた場合には、高減衰組成物の成形加工性が低いという問題がある。
そこで、成形加工性に優れるとともに切断時伸びが大きい上、前記S−IBジブロック共重合体との相溶性に優れた他のポリマを、前記S−IBジブロック共重合体とともに、高減衰組成物のベースポリマとして併用することが検討されている(例えば特許文献1〜3等参照)。
しかし、単に両者を併用して配合割合を調整しただけでは、例えば建築物の制震用ダンパ等として十分に使用できるだけの高い減衰性能を、高減衰部材に付与することはできない。また前記併用系では、前記減衰性能が温度によって変化する、いわゆる温度依存性が大きいという問題もある。そこで発明者は、ブロック共重合体の種類と組み合わせについてさらに検討した。
本発明の目的は、建築物の制震用ダンパ等として十分に使用できるだけの高い減衰性能を備えるとともに、当該減衰性能の温度依存性が小さい上、地震等によって大変形が繰り返された際の耐久性にも優れた高減衰部材を形成できる高減衰組成物と、前記高減衰組成物からなる高減衰部材を備えた、建築物等の制震用ダンパを提供することにある。
(1) 芳香族ビニル系化合物を構成単量体とする重合体ブロック(S)と、エチレン/プロピレンを構成単位とする重合体ブロック(EP)とのS−EPジブロック共重合体、および
(2) 前記重合体ブロック(S)と、イソブチレンを構成単位とする重合体ブロック(IB)とのS−IB−Sトリブロック共重合体、
の2種のブロック共重合体を、前記両ブロック共重合体の総量中に占めるS−IB−Sトリブロック共重合体の割合が15質量%以上、40質量%以下となるように併用するとともに、
ポリイソブチレン、ポリブテン、および水素添加液状ポイリイソプレンからなる群より選ばれた少なくとも1種の非アロマ系可塑剤を配合したことを特徴とする高減衰組成物である。
重量平均分子量Mwが前記範囲未満では、高減衰部材の切断時伸びが小さくなって、例えば制震用ダンパ等としての使用に適さなくなるおそれがある。また前記範囲を超える場合には、高減衰組成物の成形加工性が低下するおそれがある。
かかる制震用ダンパは、前記のように高減衰部材が減衰性能に優れるため、小型化したり、1つの建築物に組み込む数を減らしたりできる上、地震の発生によって繰り返し大変形が加えられても減衰性能が大きく低下しないため、当該地震やその後に発生する余震のエネルギーが建築物に伝わるのを確実に防止することができる。
本発明は、ベースポリマとして、
(1) 芳香族ビニル系化合物を構成単量体とする重合体ブロック(S)と、エチレン/プロピレンを構成単位とする重合体ブロック(EP)とのS−EPジブロック共重合体、および
(2) 前記重合体ブロック(S)と、イソブチレンを構成単位とする重合体ブロック(IB)とのS−IB−Sトリブロック共重合体、
の2種のブロック共重合体を、前記両ブロック共重合体の総量中に占めるS−IB−Sトリブロック共重合体の割合が15質量%以上、40質量%以下となるように併用するとともに、
ポリイソブチレン、ポリブテン、および水素添加液状ポイリイソプレンからなる群より選ばれた少なくとも1種の非アロマ系可塑剤を配合したことを特徴とする高減衰組成物である。
ベースポリマとしては、前記のように(1) S−EPジブロック共重合体、および(2) S−IB−Sトリブロック共重合体の2種のブロック共重合体を併用する。
前記両ブロック共重合体において、重合体ブロック(S)のもとになる芳香族ビニル系化合物としては、例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、2,6−ジメチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、α−メチル−o−メチルスチレン、α−メチル−m−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、β−メチル−o−メチルスチレン、β−メチル−m−メチルスチレン、β−メチル−p−メチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、α−メチル−2,6−ジメチルスチレン、α−メチル−2,4−ジメチルスチレン、β−メチル−2,6−ジメチルスチレン、β−メチル−2,4−ジメチルスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、2,6−ジクロロスチレン、2,4−ジクロロスチレン、α−クロロ−o−クロロスチレン、α−クロロ−m−クロロスチレン、α−クロロ−p−クロロスチレン、β−クロロ−o−クロロスチレン、β−クロロ−m−クロロスチレン、β−クロロ−p−クロロスチレン、2,4,6−トリクロロスチレン、α−クロロ−2,6−ジクロロスチレン、α−クロロ−2,4−ジクロロスチレン、β−クロロ−2,6−ジクロロスチレン、β−クロロ−2,4−ジクロロスチレン、o−t−ブチルスチレン、m−t−ブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、o−クロロメチルスチレン、m−クロロメチルスチレン、p−クロロメチルスチレン、o−ブロモメチルスチレン、m−ブロモメチルスチレン、p−ブロモメチルスチレン、シリル基で置換されたスチレン誘導体、インデン、およびビニルナフタレン等の1種または2種以上が挙げられる。特にスチレンが好ましい。
かかる他の単量体としては、例えばイソブチレン、脂肪族オレフィン類、ジエン類、ビニルエーテル類、β−ピネン等の1種または2種以上が挙げられる。
重合体ブロック(S)が他の単量体を含む場合、前記重合体ブロック(S)を構成する全ての単量体の総量中に占める芳香族ビニル系化合物の割合は60質量%以上、特に80質量%以上であるのが好ましい。
かかる他の単量体としては、例えば前記芳香族ビニル系化合物、脂肪族オレフィン類、ジエン類、ビニルエーテル類、β−ピネン等の1種または2種以上が挙げられる。
また重合体ブロック(EP)が他の単量体を含む場合、前記重合体ブロック(EP)を構成する全ての単量体の総量中に占めるエチレン/プロピレンの割合は60質量%以上、特に80質量%以上であるのが好ましい。
ジエン類としては、例えばブタジエン、イソプレン、ヘキサジエン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、ジビニルベンゼン、およびエチリデンノルボルネン等の1種または2種以上が挙げられる。
S−EPジブロック共重合体は、前記重合体ブロック(S)と、重合体ブロック(EP)とを1ブロックずつ繋いだ構造を有している。
前記S−EPジブロック共重合体における、両重合体ブロック(S)(EP)の共重合比率は、前記両重合体ブロック(S)(EP)の総量中に占める重合体ブロック(S)の割合で表して2質量%以上、中でも5質量%以上、特に15質量%以上であるのが好ましく、80質量%以下、中でも60質量%以下、特に40質量%以下であるのが好ましい。
なお重合体ブロック(EP)におけるエチレンとプロピレンの割合は、特に限定されないが、50:50程度であるのが好ましい。例えば下記クレイトンポリマーズ社製のS−EPジブロック共重合体中の重合体ブロック(EP)はイソプレンを水添して構成されるため、エチレンとプロピレンの割合は50:50程度である。
S−IB−Sトリブロック共重合体は、1つの重合体ブロック(IB)を2つの重合体ブロック(S)で挟んだ構造を有している。
前記S−IB−Sトリブロック共重合体における、両重合体ブロック(S)(IB)の共重合比率は、前記両重合体ブロック(S)(IB)の総量中に占める重合体ブロック(S)の割合で表して2質量%以上、中でも5質量%以上、特に15質量%以上であるのが好ましく、80質量%以下、中でも60質量%以下、特に40質量%以下であるのが好ましい。
重量平均分子量Mwが前記範囲未満では、高減衰部材の切断時伸びが小さくなって、例えば制震用ダンパ等としての使用に適さなくなるおそれがある。また前記範囲を超える場合には、高減衰組成物の成形加工性が低下するおそれがある。
前記S−IB−Sトリブロック共重合体としては、これに限定されないが、例えば(株)カネカ製の、スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体であるSIBSTAR(登録商標)062T、072T、102T等が挙げられる。
前記2種のブロック共重合体の配合割合が、当該2種のブロック共重合体の総量中に占めるS−IB−Sトリブロック共重合体の割合で表して15質量%以上、40質量%以下に限定されるのは、下記の理由による。
すなわち、前記範囲よりS−IB−Sトリブロック共重合体が少ない場合には、高減衰組成物に良好な成形加工性を付与する効果や、高減衰部材の切断時伸びを大きくする効果が十分に得られない。一方、前記範囲よりS−IB−Sトリブロック共重合体が多い場合には、高減衰部材に良好な減衰性能を付与する効果が得られない。また、相対的にS−EPジブロック共重合体の割合が少なくなって、減衰性能の温度依存性を小さくする効果も得られない。
〈非アロマ系可塑剤〉
非アロマ系可塑剤とは、NMR測定の結果から算出される芳香族化合物由来の成分の質量比率が35質量%以下の可塑剤を指し、本発明では、かかる非アロマ系可塑剤のうちポリイソブチレン、ポリブテン、および水素添加液状ポイリイソプレンからなる群より選ばれた少なくとも1種が選択して使用される。これらの可塑剤は、いずれも出発原料および生成物中に芳香族化合物を含まないため、芳香族化合物由来の成分の質量比率が35質量%以下である。
これに対し、前記質量比率が35質量%を超える非アロマ系以外の可塑剤(アロマ系可塑剤)を配合しても、同じ効果を奏することはできない。すなわち切断時伸びEbが400%未満となって耐久性を向上する効果が得られない。
なお芳香族化合物由来の成分の質量比率は、例えば対象化合物を環分析(n−d−M法)して%CA、%CP、および%CNを算出し、かかる3成分の合計100%中に占める、芳香族化合物由来の成分を示す%CAの割合でもって求めることができる。
またポリブテンとしては、例えばJX日鉱日石エネルギー(株)製の日石ポリブテン グレードLV−7、グレードLV−50、グレードLV−100、グレードHV−15、グレードHV−35、グレードHV−50、グレードHV−100、グレードHV−300、グレードHV−1900、グレードSV−7000等の1種または2種以上が挙げられる。
非アロマ系可塑剤の配合割合は、前記2種のブロック共重合体の総量100質量部あたり10質量部以上、中でも20質量部以上、特に25質量部以上であるのが好ましく、80質量部以下、中でも50質量部以下、特に45質量部以下であるのが好ましい。
一方、配合割合が前記範囲を超える場合には、過剰の非アロマ系可塑剤が高減衰部材の表面にブリードして、例えば前記高減衰部材を、当該高減衰部材と共に制震用ダンパを構成する鋼製部材等と接着する際に接着不良等を生じて、前記高減衰部材と鋼製部材等とが強固に接着、一体化された制震用ダンパ等を構成できないという問題を生じるおそれがある。
〈その他〉
本発明の高減衰組成物には、さらに必要に応じて粘着付与剤、充填剤を配合してもよい。
前記粘着付与剤の配合割合は、高減衰部材の温度依存性等を損なわない範囲で適宜設定できるが、特に前記2種のブロック共重合体の総量100質量部あたり5質量部以上、中でも10質量部以上、特に15質量部以上であるのが好ましく、60質量部以下、中でも40質量部以下、特に35質量部以下であるのが好ましい。
前記充填剤の配合割合は、高減衰部材の耐久性や温度依存性等を損なわない範囲で適宜設定できるが、特に前記2種のブロック共重合体の総量100質量部あたり5質量部以上、中でも10質量部以上、特に15質量部以上であるのが好ましく、60質量部以下、中でも45質量部以下、特に40質量部以下であるのが好ましい。
高減衰部材の減衰性能は、下記の測定方法によって求める等価減衰定数Heqの大小で評価することとする。すなわち等価減衰定数Heqが大きいほど、高減衰部材は減衰性能に優れていると判定できる。特に、等価減衰定数Heqは0.20以上であるのが好ましい。
特性を評価する高減衰組成物をシート状に押出成形したのち打ち抜いて、図1に示すように円板1(厚み5mm×直径25mm)を作製し、前記円板1の表裏両面に、それぞれシアノアクリレート系接着剤を介して厚み6mm×縦44mm×横44mmの矩形平板状の鋼板2を重ねて積層方向に加圧することで、前記円板1を2枚の鋼板2と接着させて、高減衰部材のモデルとしての減衰性能評価用の試験体3を作製する。
図2(a)に示すように前記試験体3を2個用意し、前記2個の試験体3を、一方の鋼板2を介して1枚の中央固定治具4にボルトで固定するとともに、それぞれの試験体3の他方の鋼板2に、1枚ずつの左右固定治具5をボルトで固定する。そして中央固定治具4を、図示しない試験機の上側の固定アーム6に、ジョイント7を介してボルトで固定し、かつ2枚の左右固定治具5を、前記試験機の下側の可動盤8に、ジョイント9を介してボルトで固定する。
次いで、前記測定により求めた図3に示すヒステリシスループHのうち最大変位点と最小変位点とを結ぶ、図中に太線の実線で示す直線L1の傾きKeq(N/mm)を求め、前記傾きKeq(N/mm)と、円板1の厚みT(mm)と、円板1の断面積A(mm2)とから、式(1):
また図3中に斜線を付して示した、ヒステリシスループHの全表面積で表される吸収エネルギー量ΔWと、同図中に網線を付して示した、前記直線L1と、グラフの横軸と、直線L1とヒステリシスループHとの交点から前記横軸におろした垂線L2とで囲まれた領域の表面積で表される弾性歪みエネルギーWとから、式(2):
〈減衰性能の温度依存性評価〉
減衰性能の温度依存性は、前記と同じ変位試験を温度0℃の環境下で実施して求める等価せん断弾性率Geq0(N/mm2)と、前記温度20℃の環境下での等価せん断弾性率Geq20(N/mm2)との比Geq0/Geq20の大小で評価することとする。
〈引張特性評価〉
温度20℃の環境下、高減衰組成物を用いて、日本工業規格JIS K6251:2010「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に規定されたダンベル状1号形試験片を作製し、前記試験片を用いて、同規格に規定された試験方法に則って試験速度300mm/minの条件で引張試験を実施して、切断時伸びEb(%)を求める。
《高減衰部材》
本発明の高減衰組成物を用いて形成できる高減衰部材としては、例えばビル等の建造物の基礎に組み込まれる免震用のダンパ、建築物の構造中に組み込まれる制震(制振)用のダンパ、吊橋や斜張橋等のケーブルの制振部材、産業機械や航空機、自動車、鉄道車両等の防振部材、コンピュータやその周辺機器類、あるいは家庭用電機機器類等の防振部材、さらには自動車用タイヤのトレッド等が挙げられる。
〈制震用ダンパ〉
特に本発明の高減衰組成物からなる高減衰部材と、鋼板や鋼管等の鋼製部材とを組み合わせて建築物の構造中に組み込まれる制震用ダンパを形成した場合には、前記のように高減衰部材が減衰性能に優れるため、当該制震用ダンパを小型化したり、1つの建築物に組み込む数を減らしたりできる上、地震の発生によって繰り返し大変形が加えられても減衰性能が大きく低下しないため、当該地震やその後に発生する余震のエネルギーが建築物に伝わるのを確実に防止することができる。
ベースポリマとしてのS−EPジブロック共重合体〔前出のクレイトンポリマーズ社製のクレイトン(登録商標)G1701E〕80質量部、S−IB−Sトリブロック共重合体〔前出の(株)カネカ製のSIBSTAR(登録商標)102T、重量平均分子量Mw:120,000〕20質量部、および非アロマ系可塑剤としてのポリイソブチレン〔前出のJX日鉱日石エネルギー(株)製のテトラックス(登録商標)グレード3T、芳香族化合物由来の成分の質量比率:0質量%〕20質量部を配合し、密閉式混練機を用いて混練して高減衰組成物を調製した。
〈実施例2〉
前記S−EPジブロック共重合体の量を65質量部、S−IB−Sトリブロック共重合体の量を35質量部とし、かつ非アロマ系可塑剤として、前記ポリイソブチレンに代えて、ポリブテン〔前出のJX日鉱日石エネルギー(株)製の日石ポリブテン グレードHV−300、芳香族化合物由来の成分の質量比率:0質量%〕20質量部を配合したこと以外は実施例1と同様にして高減衰組成物を調製した。
〈実施例3〉
非アロマ系可塑剤として、前記ポリイソブチレンに代えて、水素添加液状ポリイソプレン〔前出の(株)クラレ製のクラプレン(登録商標) LIR−290、芳香族化合物由来の成分の質量比率:0質量%〕20質量部を配合したこと以外は実施例1と同様にして高減衰組成物を調製した。
〈比較例1〉
非アロマ系可塑剤を配合しなかったこと以外は実施例1と同様にして高減衰組成物を調製した。
〈比較例2〉
非アロマ系可塑剤としての前記ポイリイソブチレンに代えて、芳香族化合物由来の成分の質量比率が35質量%を超えるアロマ系可塑剤であるスチレン系オリゴマ〔理化ハーキュレス(株)製のピコラスチックA−5〕20質量部を配合したこと以外は実施例1と同様にして高減衰組成物を調製した。
〈実施例4〉
前記S−EPジブロック共重合体の量を65質量部、S−IB−Sトリブロック共重合体の量を35質量部とし、かつポリイソブチレンの量を40質量部としたこと以外は実施例1と同様にして高減衰組成物を調製した。
〈実施例5〉
前記S−EPジブロック共重合体の量を65質量部、S−IB−Sトリブロック共重合体の量を35質量部とし、かつポリイソブチレンの量を70質量部としたこと以外は実施例1と同様にして高減衰組成物を調製した。
〈比較例3〉
前記S−EPジブロック共重合体の量を40質量部、S−IB−Sトリブロック共重合体の量を60質量部としたこと以外は実施例1と同様にして高減衰組成物を調製した。
〈実施例6〉
前記S−EPジブロック共重合体の量を85質量部、S−IB−Sトリブロック共重合体の量を15質量部としたこと以外は実施例1と同様にして高減衰組成物を調製した。
〈比較例4〉
前記S−EPジブロック共重合体の量を90質量部、S−IB−Sトリブロック共重合体の量を10質量部としたこと以外は実施例1と同様にして高減衰組成物を調製した。
前記実施例、比較例で調製した高減衰組成物について、先に説明した減衰性能評価、減衰性能の温度依存性評価、および引張特性評価を実施して、その特性を評価した。
減衰性能は、等価減衰定数Heqが0.20以上のものを良好、0.20未満のものを不良と評価した。減衰性能の温度依存性は、比Geq0/Geq20が2.5以下のものを良好、2.5を超えるものを不良と評価した。また引張特性は、切断時伸びEbが400%以上のものを良好、400%未満のものを不良と評価した。
また実施例1〜6、比較例2の結果より、前記3種の非アロマ系可塑剤に代えてアロマ系可塑剤を配合した場合には、前記本発明の効果が得られないだけでなく、温度依存性が大きくなってしまうことが判った。
2 鋼板
3 試験体
4 中央固定治具
5 左右固定治具
6 固定アーム
7 ジョイント
8 可動盤
9 ジョイント
H ヒステリシスループ
L1 直線
L2 垂線
W エネルギー
ΔW 吸収エネルギー量
Claims (3)
- ベースポリマとして、
(1) 芳香族ビニル系化合物を構成単量体とする重合体ブロック(S)と、エチレン/プロピレンを構成単位とする重合体ブロック(EP)とのS−EPジブロック共重合体、および
(2) 前記重合体ブロック(S)と、イソブチレンを構成単位とする重合体ブロック(IB)とのS−IB−Sトリブロック共重合体、
の2種のブロック共重合体を、前記両ブロック共重合体の総量中に占めるS−IB−Sトリブロック共重合体の割合が15質量%以上、40質量%以下となるように併用するとともに、
ポリイソブチレン、ポリブテン、および水素添加液状ポイリイソプレンからなる群より選ばれた少なくとも1種の非アロマ系可塑剤を配合したことを特徴とする高減衰組成物。 - 前記S−IB−Sトリブロック共重合体は、重量平均分子量Mwが50,000以上、10,000,000以下である請求項1に記載の高減衰組成物。
- 前記請求項1または2に記載の高減衰組成物からなる高減衰部材と、鋼製部材とからなることを特徴とする制震用ダンパ。
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