JP5788303B2 - IgG抗体を含有する動物腹水のスクリーニング方法 - Google Patents

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本発明は、免疫学的検出試薬に適用するIgG抗体を含有する腹水のスクリーニング方法に関する。さらに詳しくは、動物の腹水からIgG抗体を精製するに際して、原料となる腹水の段階で適切なロットをスクリーニングする方法に関する。
近年、迅速性、簡便性に優れているという観点から、簡易検査キットが迅速診断試薬として急速に広まってきている。
簡易検査法としては、ニトロセルロース等のメンブレンを用いたイムノクロマトグラフィーが知られている。イムノクロマトグラフィーは、被検出物に特異的に結合するメンブレン固相物質、被検出物、被検出物に特異的に結合する標識物の複合体をメンブレン上に形成させて被検出物を測定する方法である。標識物は、被検出物と特異的に結合する抗体に、アルカリフォスファターゼのような酵素、金コロイドのような金属コロイド、着色ラテックス粒子等で標識したものが一般的であり、特に金コロイド粒子や着色ラテックス粒子を用いる場合が多い。着色ラテックス粒子の場合、色、粒子径、官能基等様々な種類のものが製造可能であり、選択性に優れている。また複数の色調のラテックス粒子を用いて、複数の被検出物を検出する方法も提案されている。
これらの簡易検査法では、被検出物との特異的な結合以外で生じる偽陽性反応が検出されることがある。偽陽性反応の原因の一つとして、被検体に含まれるなんらかの成分がメンブレン固相物質に非特異的にトラップされることが考えられる。この様な問題を解決するために、イムノクロマトグラフィーによるインフルエンザウイルスの検査用検体の前処理液であって、少なくとも非イオン性界面活性剤及びアルカリ金属イオンを含む検体前処理液を用いる方法(特許文献1)、等が提案されている。
また、偽陽性反応の原因が、被検体ではなく、検出するための抗体側に存在する場合も考えられる。抗体は動物の腹水から複数段階の精製を経て得られることが多い。腹水中には、目的とする抗体以外の抗体も含まれている可能性が高いが、この目的外の抗体が偽陽性反応の原因であるとすれば、なるべく精製工程の初期の段階で原因を除去することが望ましい。
ところで、IgG抗体は、一般に次のような工程を経て得られる。
(1)マウスなどの動物を免疫し、目的とする抗体を産生するハイブリドーマを選択す る工程
ハイブリドーマの作製はKohlerとMilsteinの方法(Nature、第256巻495頁(1975
年)参照)に準じ、免疫した動物の脾臓細胞と同種のミエローマ細胞(骨髄腫細
胞)とを細胞融合して作製する。
(2)ハイブリドーマを限界希釈法にてクローニングする工程
(3)IgG抗体含有腹水を採取する工程
マウスなどの動物の腹腔内に、ハイブリドーマの一定の細胞数を投与し、投与後1 週間目から1日おきに腹水を採取し、遠心処理して上清を得る。
(4)培養上清を精製する工程
上清をプロテインAカラムに通し、抗体をカラムに吸着させ、緩衝液(pH3.0)で 溶出し、中和後、透析を行い、目的とする精製抗体(IgG抗体)を取得する。
特開2005−24323号公報
本発明は、動物の腹水からIgG抗体を取得するに際して、腹水の段階で、抗体を製造するのに適した腹水かどうかを判定する方法、すなわち、腹水中に偽陽性反応原因成分が存在するか否かを判定する方法を提供することを課題とする。また、当該判定方法を利用して、偽陽性反応原因成分を有さないIgG抗体を製造する方法の提供を課題とする。さらにまた、特定の精製条件による偽陽性反応原因成分を含まないIgG抗体の精製方法の提供も課題とする。
偽陽性反応の原因としては様々なものが考えられるが、本発明者らは、IgG抗体の由来であるマウスなどの動物の腹水を調べたところ、腹水のロットの違いによって、その後に精製したIgG抗体を使用したイムノクロマトグラフィーでの偽陽性反応の発生に違いがあることを発見した。すなわち、イムノクロマトグラフィーによるアッセイの結果において偽陽性反応を生じた抗体の由来を調べたところ、特定の腹水ロットを由来とするものにのみ偽陽性反応が現れていることがわかった。したがって、抗体の取得工程において、腹水の段階で偽陽性反応の原因となる成分(以下、単に偽陽性反応原因成分ということがある)を有する腹水か否かを判定することができれば、その後の精製工程を無駄にすることなく、腹水から効率的にIgG抗体を精製、取得することできることを見出した。また、偽陽性反応原因成分を特定し、この影響を排除できるような精製方法が見つかれば腹水から効率的にIgG抗体を精製、取得することできることを見出した。
上記課題を解決するために、本発明者らは、鋭意研究した結果、IgG抗体の由来となる動物の腹水中の偽陽性反応原因成分が何であるかを突き止めることに成功した。本発明は、当該偽陽性反応原因成分の量が所定値以下であるか否かを基準としたIgG抗体含有腹水のスクリーニング方法を提供する。また、当該スクリーニング方法により選ばれた腹水を精製することにより偽陽性反応を生じないIgG抗体を製造する方法を提供する。さらにまた、腹水中に偽陽性反応原因成分が存在したとしても当該偽陽性反応原因成分の影響を排除し、当該成分を含まないIgG抗体の製造方法を提供する。
すなわち、本発明は以下の構成を有する。
〔1〕IgG抗体を含有するヒト以外の動物腹水のスクリーニング方法であって、以下の工程を含む方法。
(a)IgG抗体を含有するヒト以外の動物腹水中における、IgG2bに活性を有するIgM抗体量、を測定する工程
(b)(a)の測定値が所定値以下の場合に、IgG抗体を精製する腹水として適切と判断する工程
〔2〕動物がマウスである前記〔1〕に記載の方法。
〔3〕工程(b)の判断を、腹水のロット単位で行う前記〔1〕にまたは〔2〕に記載の方法。
〔4〕IgG抗体の製造方法であって、以下の工程を含む製造方法。
(a)IgG抗体を含有するヒト以外の動物腹水中における、IgG2bに活性を有するIgM抗体量、を測定する工程
(b)(a)の測定値が所定値以下の場合に、IgG抗体を精製する腹水として適切と判断する工程
(c)(b)の工程で適切であると判断された腹水をプロテインAカラムにより精製し、IgG抗体を取得する工程
〔5〕IgG抗体の製造方法であって、以下の工程を含む製造方法。
(a)IgG抗体を含有するヒト以外の動物腹水をプロテインAカラムに通過させる工程
(b)プロテインAカラムにpH4以上の溶出液を通過させてIgG抗体を溶出させてIgGを取得する工程
本発明によれば、動物の腹水を精製する前に、腹水中の偽陽性反応原因成分の有無をあらかじめ判定することができるため、効率的に抗体を精製することができる。また、このようにして得られるIgG抗体は偽陽性反応原因成分を含まないため、イムノクロマトグラフィーに利用した場合に、偽陽性反応を生じることがなく、抗原の検出、定量の正確性が向上し、ひいては正確な診断、判定をすることができる。
本発明で得られたIgG抗体を用いたイムノクロマトグラフィー用テストストリップの構成模式図である。 プロテインAカラムによる精製条件(A〜D)における腹水の溶出パターンを示す図である。A:溶出液pH3.0 B:初回溶出液pH4.0、再溶出液pH3.0 C:初回溶出液pH4.5、再溶出液pH3.0 D:初回溶出液pH5.0、再溶出液pH3.0 プロテインAカラムによる精製条件の異なる溶出液((i)から(vii))の電気泳動パターンを示す図である。A:SDS−PAGE(非還元条件下) B:SDS−PAGE(還元条件下) C:等電点電気泳動 抗A型インフルエンザ抗体含有腹水のウェスタンブロット分析結果を示す図である。A:抗マウスIgG抗体による染色 B:抗マウスIgM抗体による染色 A型インフルエンザ抗体含有腹水中のIgGに活性を有するIgM型抗体量の測定結果を示す図である(ELISA法)。
本発明の1つの実施態様は、IgG抗体を含有するヒト以外の動物腹水のスクリーニング方法である。本発明のスクリーニング方法は、以下の工程(a)および(b)を含む。
(a)IgG抗体を含有するヒト以外の動物腹水中における、IgG2bに活性を有するIgM抗体量、を測定する工程
(b)(a)の測定値が所定値以下の場合に、IgG抗体を精製する腹水として適切と判断する工程
本発明のスクリーニングの対象となる動物腹水は、目的とするIgG抗体が産生されている腹水であって、ヒト以外の動物の腹水であればいずれでもよい。ヒト以外の動物としては、抗体産生用の動物として一般に使用される動物があげられ、魚類、爬虫類、鳥類、両生類、ヒト以外の哺乳動物等が挙げられ、具体的にはマウス、ラット、ウサギ等があげられる。
本発明の目的とするIgG抗体が産生されている腹水は、以下の工程(1)−(3)により得ることができる。本発明は、(3)の腹水、またはそれを遠心処理した上清、その他プロテインAカラムによる精製を行う前までの状態の腹水のいずれにも適用することができる。
(1)マウスなどの動物を免疫し、目的とする抗体を産生するハイブリドーマを選択する工程
ハイブリドーマの作製はKohlerとMilsteinの方法(Nature、第256巻495頁(1975年)参照)に準じ、免疫した動物の脾臓細胞と同種のミエローマ細胞(骨髄腫細胞)とを細胞融合して作製する。
(2)ハイブリドーマを限界希釈法にてクローニングする工程
(3)IgG抗体含有腹水を採取する工程
マウスなどの動物の腹腔内に、ハイブリドーマの一定の細胞数を投与し、投与後1週間目から1日おきに腹水を採取し、遠心処理して上清を得る。
本発明においてスクリーニングされる腹水の単位としては、ハイブリドーマを腹腔内に投与された動物毎に得られる腹水であってもよいし、同一の動物から腹水が複数回にわたって採取される場合は、1回分の腹水であってもよいし、1回に複数本のロットに分注される場合には、1ロット分の腹水であってもよい。本発明のスクリーニング方法は、前記いずれの単位の腹水であっても適用することができ、採取した動物腹水中のIgG2bに活性を有するIgM抗体量を測定し、当該IgM抗体の量が所定値以下であった場合に、不要な偽陽性反応原因成分を含まず、IgG抗体を精製するのに適切な腹水であると判断する方法である。所定の値は、得られるIgG抗体の使用目的の妨げとならないような数値をあらかじめ求めておき、この値に設定することができる。たとえば、得られるIgG抗体を診断薬としてのイムノクロマトグラフィー用テストデバイスに供する場合、当該診断薬の判定において偽陽性反応が生じず、かつ、目的とする検出感度が得られるような抗体である必要がある。したがって、あらかじめ当該テストデバイスに抗原を含まない検体をアプライして、偽陽性を生じる場合と生じない場合の抗体の由来である腹水のIgM抗体量を求めておき、偽陽性を生じない場合の最大の数値を基準(所定値)とすることなどにより目的のIgG抗体を得ることができる。IgMの抗体量は、腹水における所定値の範囲内かどうかを調べるためのものであるから、絶対量として求めても、濃度として求めてもよく、また測定は周知の測定方法を採用すればよく、後述する実施例に示すようにIgG2b抗体を固相化した抗体固定化ELISA法により測定することもできる。
また、本発明の別の実施態様は、IgG抗体の製造方法である。本発明のIgG抗体の製造方法は以下の工程を含む。
(a)IgG抗体を含有するヒト以外の動物腹水中における、IgG2bに活性を有するIgM抗体量、を測定する工程
(b)(a)の測定値が所定値以下の場合に、IgG抗体を精製する腹水として適切と判断する工程
(c)(b)の工程で適切であると判断された腹水をプロテインAカラムにより精製し、IgG抗体を取得する工程
本製造方法によれば、(b)の工程で適切であると判断された腹水のみをプロテインAカラムにより精製するため、偽陽性反応を生じないIgG抗体を得るのに不適切な腹水を精製するという無駄な工程を排除することができる。ここで、工程(b)で不適切と判断される腹水には、目的とするIgG抗体とは違うIgM抗体であって、IgG2bに活性を有するものが多く含まれていることになる。通常、IgM抗体はプロテインAカラムによる吸着工程および溶出工程を通じて、カラムに吸着されずに排出される。しかし、IgG2bに活性を有するIgM抗体の場合、IgG2bがカラムに吸着されるため、当該IgM抗体がIgG2bを介して複合体を形成してカラムに吸着されることになり、その後の溶出工程で遊離されて目的とするIgG抗体とともに溶出され、偽陽性反応の原因となる。したがって、IgG2bに活性を有するIgM抗体を所定量より多く含む腹水を排除して、所定量以下の腹水のみをプロテインAカラムによる精製工程に供すれば、無駄な精製工程を経ることなく、所望の水準のIgG抗体を得ることができる。
さらにまた、IgG2bに活性を有するIgM抗体を所定量より多く含む腹水であっても、精製工程において当該IgM抗体を排除することができれば、当該IgM抗体の含有量が所定値以下の腹水を用いて精製するのと同様に、所望の水準のIgG抗体を得ることができる。
すなわち、本発明のまた別の実施態様は、IgG抗体の製造方法であって、以下の工程を含む。
(a)IgG抗体を含有するヒト以外の動物腹水をプロテインAカラムに通過させる工程
(b)プロテインAカラムにpH4以上の溶出液を通過させてIgG抗体を溶出させ、IgG抗体を取得する工程
プロテインAカラムによるIgG抗体の精製は、通常、腹水を遠心分離した上清を吸着用緩衝液と混和後、ろ過したろ液を吸着用緩衝液で平衡化したプロテインAカラムに通し、目的とする抗体であるIgG抗体をカラムに吸着させ、次に、溶出用緩衝液でカラムからIgG抗体溶出することにより行われる。ここで、本発明のIgG抗体の製造方法では、プロテインAカラムによる精製において溶出用緩衝液(溶出液)のpHを4以上とすることが望ましい。pHを4以上とすれば、IgG抗体はプロテインAカラムから溶出されるが、IgG2bに結合して複合体を形成したIgM抗体は、プロテインAカラム内に吸着されたまま留まるからである。pHが4未満の場合、IgM抗体は目的とするIgG抗体とともに溶出され、偽陽性反応の原因成分となる。
本発明により提供されるIgG抗体はいずれの用途にも使用することができる。当該抗体をイムノアッセイに用いた場合、各種の試料、たとえば生体試料中の抗原の濃度を高感度で、かつ、正確に検出することができる。イムノアッセイのうちでも、特にイムノクロマトグラフィーを利用したアッセイは、近年、検体の抽出液に増感剤を添加して高感度測定を行う傾向があり、この場合、抗原が含まれないブランク測定であってもあたかも抗原が含まれているかのような偽陽性反応を生じる場合があった。しかし、本発明の腹水のスクリーニング方法を利用した抗体の製造方法によれば、偽陽性反応原因成分であるIgG2bに活性のあるIgM抗体を含有する腹水をあらかじめ選別、排除することができるため、そのような偽陽性反応原因成分を含まない腹水のみを精製し、偽陽性反応を生じない検出を可能とするIgG抗体を取得することができる。また、本発明の別の製造方法によっても、あらかじめ偽陽性反応原因成分を含有する腹水のプロテインAカラムによる精製工程において、当該成分を溶出しないように精製するため、当該偽陽性反応を生じない検出を可能とするIgG抗体を取得することができる。
〔試験例1〕モノクローナル抗体含有腹水の作製方法
1.免疫及びハイブリドーマの作製方法
免疫用抗原(rFluA抗原, Panama/2007/99)25μgを雌(6週齢)のBALB/cマウスに皮内免疫した。この操作(免疫)を2週間毎に2回繰り返した。免疫開始5週間後、試験採血にて高い抗体価が確認されたマウスから脾臓を抽出し、50%-PEG1450(Sigma社製)を用いて常法により細胞融合を行った。ミエローマ細胞はSP2/0を用いた。得られた融合細胞は、脾臓細胞として2.5×106個/mLになるようにHAT、15%ウシ胎児血清及び10%のBM-Condimed H1 Hybridoma Cloning Supplement (Roche社製)を含むRPMI1640倍地に懸濁し、96穴培養プレートに0.2mLずつ分注した。これを5%CO2インキュベーター中で37℃にて培養した。
2.抗A型インフルエンザ抗体産生ハイブリドーマのスクリーニング
細胞融合7日後に1次スクリーニングとして、培養上清を用いて後記抗原固相化ELISA法を行い、A型インフルエンザに対し高い反応性を示したwellを1次陽性wellとして選別した。該1次陽性well中の細胞は、24穴プレートにおいて継代した。継代2日後、2次スクリーニングとして、培養上清を用いて後記競合ELISA法を行い、A型インフルエンザに対し高い反応性を示すwellを2次陽性wellとして選択した。
3−1.抗原固相化ELISA用プレートの作製
150mM塩化ナトリウムを含む10mMリン酸緩衝液(pH7.2;以下、PBSという)で1μg/mLの濃度に調製したrFluA抗原(Panama/2007/99)を、50μL/wellずつ96穴プレートに固相化し、4℃で一晩静置した。0.05%Tween(登録商標) 20を含むPBS溶液(以下、PBSTという) 300μL/wellで3回洗浄後、1%BSAを含むPBST(以下、BSA-PBSTという)を100μL/wellずつ分注し、室温で1時間静置してブロッキングを行い、ELISA用プレートを作成した。該ELISA用プレートは、PBSTで3回洗浄後、各試薬を添加して試験例記載の各ELISA法に用いた。
3−2.抗原固相化ELISA法(一次スクリーニング)
(i)上記3−1.で作製した ELISA用プレートに、BSA-PBSTにより段階希釈した融合細胞の培養上清を50μL/wellずつ分注し、室温で1時間静置した。
(ii) PBSTで3回洗浄後、HRP−Goat-Anti-Mouse IgG(BIOSOURCE社製)をBSA-PBSTで5000倍希釈した溶液を50μL/wellずつ分注し、室温で1時間静置した。
(iii) PBSTで3回洗浄後、0.02%過酸化水素水を含む0.2Mクエン酸緩衝液(以下基質溶解液という)にOPD(東京化成工業社製)を2mg/mLにて溶解し、50μl/wellずつ添加して室温で10分間反応させた。
(iv) 1mM EDTAを含む1.5N硫酸(以下反応停止液という)を50μL/wellずつ添加し、マルチスキャンプレートリーダー(タイターテック社製)を用いて波長492nmにて吸光度を測定した。
3−3. 競合ELISA用プレートの作製
ELISA用プレートに、PBSで5μg/mLに希釈したヤギ抗マウスIgG、Fcγ(Jackson Immuno Research社製)を50μl/wellずつ分注し、室温で2時間静置した。PBST 300μL/wellで3回洗浄後、1%BSAを含むPBST(以下、BSA-PBSTという)を300μL/wellずつ分注し、室温で1時間静置してブロッキングを行い、ELISA用プレートを作成した。該ELISA用プレートは、PBSTで3回洗浄後、各試薬を添加して実施例記載の各ELISA法試験に用いた。
3−4. 競合ELISA法 (二次スクリーニング)
(i) ELISA用プレートに、BSA-PBSTにより段階希釈した融合細胞の培養上清を50μl/wellずつ分注し、室温で1時間静置した。
(ii) PBSTで3回洗浄後、100ng/mLのFluA抗原21種(NIBC, National Institute forBiological Standards and Control製)を50μL/wellずつ分注し、室温で1時間静置した。
(iii) PBSTで3回洗浄後、2mODのビオチン化ポリクローナルFluA抗体(Caprocorn社製)を50μL/wellずつ分注し、室温で1時間静置した。
(iv) PBSTで3回洗浄後、1μg/mLのHRP-Streptavidin(PIERCE社製)を50μL/wellずつ分注し、室温で10分間静置した。
(v) PBSTで3回洗浄後、OPD発色液を50μL/wellずつ分注し、室温で10分間静置した。
(vi)反応停止液を50μL/wellずつ添加し、マルチスキャンプレートリーダー(タイターテック社製)を用いて波長492nmにて吸光度を測定した。
4.クローニング及びモノクローナル抗体含有腹水・モノクローナル抗体の採取
上記のスクリーニングで選択したハイブリドーマを限界希釈法にてクローニングした。次いで各ハイブリドーマが産生するモノクローナル抗体を採取するため、2週間前にプリスタン0.5mLを腹腔内に注射しておいた8週齢の雄BALB/cマウスに、ハイブリドーマを細胞数0.4〜1.3×106個の量で腹腔内に投与した。投与後1週間目から1日おきに腹水を採取し、遠心処理して上清を得た(ここで得られるモノクローナル抗体含有マウス腹水の上清を以下、単に腹水ロットということがある)。各腹水ロットの溶液を50%硫酸アンモニウムで塩析し、TBSで溶解後、同液で透析した。これを等量の吸着用緩衝液(3M NaCl、1.5M Glycine-NaOH 緩衝液、pH8.5)と混和後、ろ過した。該ろ液を、吸着用緩衝液で平衡化したプロテインAセファロースカラムに通し、ろ液中の抗体をカラムに吸着させた後、0.1Mクエン酸緩衝液(pH3.0)で溶出させた。各溶出液を、1M Tris-HCl緩衝液(pH9.0)で中和後、20mM TBSで透析を行ったもの(ここで得られる腹水ロットの溶出液を以下、単に精製ロットということがある)を精製抗A型インフルエンザ抗体とした。
〔試験例2〕イムノクロマトグラフィー用テストデバイスの作製
1.金コロイド標識抗A型インフルエンザ抗体(コンジュゲート)の作製
2mM ホウ酸 pH8.0で71.4μg/mLに希釈調整したF(ab')2化抗A型インフルエンザ抗体(#622212A)1mLを1OD/mLの金コロイド(粒径50nm)溶液20mLに添加し、室温で10分間攪拌した。該金コロイド-F(ab')2化抗A型インフルエンザ抗体混合液に対し、10%ウシ血清アルブミン(BSA)水溶液を1.5mL添加し、さらに5分間攪拌後、10℃にて、10,000rpmで45分間遠心し、沈渣(コンジュゲート)を得た。得られたコンジュゲートに対し、Conjugate Dilution Buffer (Scripps社製)を0.3mL添加しコンジュゲートを懸濁させ50℃で24時間静置した。懸濁液をろ過後、各コンジュゲートの極大吸収波長における吸光度を測定した。
2.コンジュゲートパッドの作製
上記1.で調製したコンジュゲートを吸光度が12.6ODになるようConjugate dilution bufferで調整してコンジュゲート溶液とし、コンジュゲート溶液:casein buffer (1.33%カゼイン、4%スクロース溶液(pH7.5)):10%マリアリム溶液(日油社)=600:992:8 (容量比) になるようコンジュゲート塗布液を調整した。調整したコンジュゲート塗布液(f)をイムノクロマト用ディスペンサー Bio Dot Inc. XYZ 3000を用いて、13.0mm×254mm (幅×長さ)のグラスファイバー製パッド(日本ポール社、No.8964)の端から15mm の位置に塗布した。ドライオーブン内で70℃、30min乾燥し、コンジュゲートパッドとした。
3.抗A型インフルエンザ抗体固相化メンブレンの作製
25.0mm×254mm (幅×長さ)のニトロセルロースメンブレン(Sartorius社、No.CN 140)の短辺の一端の内側11mmの位置に、Sucroseを2.5%含むように20mMTBSで1mg/mLに調整した上記抗A型インフルエンザ抗体を1.0μL/cm幅でライン状に塗布した。ドライオーブン内で70℃、45min乾燥し、抗A型インフルエンザ抗体固相化メンブレンとした。
4.テストストリップの作製
プラスチック製粘着シート(a)に上記抗A型インフルエンザ抗体固相化メンブレン(b)を貼り、該メンブレンの抗A型インフルエンザ抗体(c)を塗布部の展開上流部側に上記2)で作製したコンジュゲートパッド(d)を配置装着し、反対側の端には吸収パッド(e)(Whatman社、CF6)を配置装着した。このように各構成要素を重ね合わせた構造物を7.11mm幅に切断してテストストリップを作製した。該ストリップの外寸は7.11mm×42.0mm(幅×長さ)である。該テストストリップは、アッセイの際、プラスチック性の専用のハウジングに格納・搭載され、イムノクロマトグラフィー用テストデバイスを構成する。図1にイムノクロマトグラフィー用テストストリップの構造模式図を示した。このようにして作製されたイムノクロマトテストデバイスは各試験例のイムノアッセイに用いられた。
〔試験例3〕イムノクロマトグラフィーにおけるモノクローナル抗体含有腹水のロット間差の検討
1.試験方法
上記試験例1の4.において製造した腹水ロット3種を由来とする精製ロット5種を用いてイムノクロマトテストデバイスを作製した。サンプルは抗原を含まない下記2種類の検体希釈液115μLを当該デバイスのサンプル滴下窓部に添加し、15分後のテストデバイスの検出窓部におけるラインの発色強度を検出した(いわゆるBlank測定に相当する)。
(i)精製抗体
以下の5種類を用いた。( )内は由来とする腹水ロットの番号である。また抗体の番号は同番号の精製ロットから得られた抗体であることを意味する。
#100218(MM44131)、#100731(MM46123)、#101113(MM44131)、#101115(MM46123)、#101119(MM46081)
(ii)検体希釈液
現行処方:積水メディカル株式会社製ラピッドテスタFLUII付属品
改良処方:積水メディカル株式会社製ラピッドテスタFLUII付属品に増感効果の認められ
るポリビニルピロリドンを添加したもの
2.試験結果
結果を表1に示す。本結果によれば、現行処方の抗体希釈液を用いた場合は全てのマウス腹水ロットでラインは検出されなかったのに対し、改良処方の抗体希釈液を用いた場合には、抗原を含まないにもかかわらず、腹水ロットMM46123由来の精製ロットである100731および101115を用いたアッセイで偽陽性反応が検出された。このことから偽陽性反応原因成分は、同一の腹水ロット(MM46123)に含まれている可能性が示唆された。
〔試験例4〕モノクローナル抗体含有腹水のプロテインAカラムによる精製条件の検討
1.試験方法
上記の偽陽性反応が認められなかったマウス腹水ロットMM46081の上清を50%硫酸アンモニウムで塩析し、TBSで溶解後、同液で透析した。これを等量の吸着用緩衝液(3M NaCl、1.5M Glycine-NaOH 緩衝液、pH8.5)と混和後、ろ過した。該ろ液を、吸着用緩衝液で平衡化したプロテインAセファロースカラムに通し、0.1Mクエン酸緩衝液(pH3.0、pH4.0、pH4.5、pH5.0)の4条件で溶出させ(初回溶出)、該溶出液を、1M Tris-HCl緩衝液(pH9.0)で中和後、20mM TBSで透析を行った。尚、pH4.0以上の0.1Mクエン酸緩衝液を用いた条件では、各pHの0.1Mクエン酸緩衝液で溶出後のカラム残存物をpH3.0の0.1Mクエン酸緩衝液で溶出を試みた(再溶出)。各溶出物についてフラクションごとに吸光度を測定し、また、各溶出物についてSDS-PAGE(還元、非還元条件)及び等電点電気泳動で精製度を確認した。
2.試験結果
初回溶出物のフラクションの吸光度は、図2の (i)、(ii)、(iii)、(iv)に示され、再溶出フラクションの吸光度は図2の (v)、(vi)、(vii)に示されるとおりである。
また、SDS-PAGEおよび等電点電気泳動の結果を図3に示す。非還元条件下でのSDS-PAGEにおいて、初回溶出物のレーン((i)−(iv))では分子量 約170kDaの位置に目的抗体となるIgGのバンドが検出されたのに対し、再溶出物のレーン((v)−(vii))では目的抗体のバンド以外にそれよりも高分子量の位置でバンドが検出された(図3Aの横長丸で囲んだ部分)。
また、還元状態のSDS-PAGEにおいても、再溶出物のレーン((v)−(vii))では80kDa付近に目的物以外のバンドが確認された(図3Bの横長丸で囲んだ部分)。また、(i)−(iv)と(v)−(vii)では、低分子量のバンドの位置も少しずれている(矢印位置)。このことから、プロテインAカラムによる精製において、必要としているIgG抗体は初回溶出でほぼ回収出来ており、カラム内に残存しているIgGはマウス由来の別抗体(IgG2b)であると考えられる。
さらに、等電点電気泳動の結果においては、目的抗体のバンドと同位置にはバンドは検出されず、pI9.5付近でスメア状にバンドが検出された(図3C)。
〔試験例5〕
1.試験方法
上記試験例4の溶出物(i)−(vii)の7種の精製抗体液を用いてイムノクロマトテストデバイスを作製した。検体希釈液には試験例3の改良処方を用いた。Blank測定に加え、A型インフルエンザウイルス株(A/Kitakyushyu/159/93、H3N2)を検体希釈液で6.7×104TCID50/mL、3.3×104TCID50/mLに希釈した後、115μLをサンプル滴下窓に添加し、15分後のテストデバイスの検出窓部におけるラインの発色強度を確認した。
2.試験結果
初回溶出物(i)−(iv)を精製抗体としたアッセイでは、Blank測定における偽陽性反応は検出されず、感度も全条件で同等の結果が得られた。一方、再溶出物(v)−(vii)を精製抗体としたアッセイでは強い偽陽性反応が確認され、抗原に対する活性も認められなかった(表2)。また偽陽性反応は還元状態のSDS-PAGEで確認された80kDa付近のバンドの濃淡に比例して高いことを確認した。
〔試験例6〕ウェスタンブロットによる偽陽性誘発物質の同定
1.試験方法
試験例4で得られた再溶出物(v)(pH4.0の0.1Mクエン酸緩衝液を用いて溶出後、pH3.0の0.1Mクエン酸緩衝液で溶出)について、ウェスタンブロットによって、SDS-PAGE (還元状態)で80kDa付近に存在したバンド(図3Bの(v)のレーン)の同定を行った。該精製物をSDS電気泳動後、PVDF膜に転写した。この転写膜に1% BSA-PBST(1%BSA, 0.05% Tween-20 in PBS, pH8.0)を添加してブロッキングした後、1μg/mLのビオチン標識抗マウスIgM抗体(Biolegend社製)を反応させ、1% BSA-PBSTで洗浄後、1μg/mLのImmuno pure strept avidin HRP(PIERCE社製)を反応させた。1% BSA-PBSTで洗浄後、DAB溶液で発光させた。対照染色として抗マウスIgG抗体を用いて染色した。
2.試験結果
結果を図4に示す。還元状態で80kDa付近に検出されたバンドは抗マウスIgM抗体のみに反応していることからマウスIgMであることがわかった。また、非還元状態の場合、泳動開始点付近のバンドが抗IgG抗体および抗IgM抗体のいずれとも反応していることから、当該バンド(偽陽性誘発物質)は、IgGとIgMとの複合体である可能性が示唆された。
〔実施例1〕腹水ロットのスクリーニング方法
IgGに活性を有するIgM型抗体量を測定することにより、腹水ロットのスクリーニングを行った。
1.試験方法
ELISAプレートに固相化したIgG2b抗体(#A239(抗A型インフルエンザ抗体, DEAE精製品))に、0、10、100μg/mLに希釈した腹水ロット3種(MM44131, MM46031, MM46123)を反応させ、20%Blocking One(nacalai tesque社製)にてブロッキングした後、ビオチン標識した抗マウスIgM抗体(Biolegend社製)を反応させた。発光にはImmuno pure strept avidin HRP(PIERCE社製)を用い、TMB(3, 3', 5, 5'-tetramethylbenzidine)により発光させ450nmの吸光度を測定することで、反応性を確認した。
2.試験結果
結果を図5に示す。本結果より、試験例3の改良処方の検体希釈液を用いた場合にA型偽陽性反応が検出された腹水ロットMM46123に強い活性がみられ、当該ロットに高濃度のIgMが含まれていることがわかった。また、試験例3の改良処方の検体希釈液を用いた場合にA型偽陽性反応が検出されなかった腹水ロットMM46131、MM46081については腹水ロットMM46123より弱い活性しかみられず、これらのロット間にはIgM量に差があることが明らかとなった。
以上の結果から、腹水ロットによって、IgG2bに活性のあるIgM量に違いがあり、当該IgM量が多いと当該腹水を精製した得られた抗体にもIgMが含まれ、この精製抗体をイムノアッセイに用いた場合に、A型偽陽性反応が発生することがわかった。
したがって、IgG2bに活性のあるIgM量の腹水ロット中での基準値を設定し、当該基準値以下の腹水を選択することにより、偽陽性反応を発生しない精製抗体の由来となる腹水を選択することができる。また、当該基準値以下となるような精製条件を採用することにより、偽陽性反応を生じない精製抗体を取得することができる。
スクリーニング基準の設定としては、例えば偽陽性反応が検出されていない精製ロットの由来である腹水ロットのうち、IgM含量が最も高かったロット(本実施例ではMM46081)を基準ロットとする方法等が挙げられる。当該方法によれば、スクリーニング対象の腹水ロットのIgM量を測定し、基準ロットよりもIgM量が低いロットをスクリーニングできる。その後、該IgM量が低いロットを精製することで偽陽性反応成分の少ない精製抗体を提供することができる。
〔実施例2〕モノクローナル抗体含有腹水のプロテインAカラムによる精製条件の検討
1.試験方法
上記の偽陽性反応が認められたマウス腹水ロットMM46123の上清を50%硫酸アンモニウムで塩析し、TBSで溶解後、同液で透析した。これを等量の吸着用緩衝液(3M NaCl、1.5M Glycine-NaOH 緩衝液、pH8.5)と混和後、ろ過した。該ろ液を、吸着用緩衝液で平衡化したプロテインAセファロースカラムに通し、ろ液中の抗体をカラムに吸着させた後、0.1Mクエン酸緩衝液(pH3.0、pH4.0、pH5.0、pH6.0)の4条件で溶出させた。該溶出液を、1M Tris-HCl緩衝液(pH9.0)で中和後、20mM TBSで透析を行い精製抗体液を得た。この4種の精製抗体液を用いてイムノクロマトテストデバイスを作製した。検体希釈液には試験例3の改良処方を用いた。Blank測定に加え、A型インフルエンザウイルス株(A/Kitakyushyu/159/93、H3N2)を検体希釈液で6.7×104TCID50/mL、3.3×104TCID50/mLに希釈した後、115μLをサンプル滴下窓に添加し、15分後のテストデバイスの検出窓部におけるラインの発色強度を確認した。
2.試験結果
結果を表3に示す。pH3.0の0.1Mクエン酸緩衝液で溶出した精製抗体液を用いたアッセイでは偽陽性反応が検出されたのに対し、pH4以上の0.1Mクエン酸緩衝液で溶出した精製抗体を用いたアッセイでは偽陽性反応が検出されなかった(表3)。本試験により、モノクローナル抗体含有腹水をプロテインAセファロースカラムで精製する場合、溶出液のpHを4以上にコントロールすることで偽陽性反応原因成分であるIgGに活性のあるIgMのカラムからの溶出を抑え、偽陽性反応原因成分の少ない精製ロットを得ることが可能であることがわかった。
(a)プラスチック製粘着シート
(b)抗A型インフルエンザ抗体固相化メンブレン
(c)抗A型インフルエンザ抗体
(d)コンジュゲートパッド
(e)吸収パッド
(f)コンジュゲート塗布液
本発明によれば、偽陽性反応を生じる原因となる腹水をあらかじめ判定することができるため、精製度の高いIgG抗体を効率的に製造することができる。また、このようにして得られるIgG抗体は偽陽性反応原因成分を含まないため、イムノクロマトグラフィーに利用したアッセイにおいて、偽陽性反応を生じることなく、正確な検出、測定につながり、ひいては正確な診断、判定をすることができる。

Claims (4)

  1. IgG抗体を含有するヒト以外の動物腹水のスクリーニング方法であって、以下の工程を含む方法。
    (a)IgG抗体を含有するヒト以外の動物腹水中における、IgG2bに活性を有するIgM抗体量、を測定する工程
    (b)(a)の測定値が所定値以下の場合に、IgG抗体を精製する腹水として適切と判断する工程
  2. 動物がマウスである請求項1に記載の方法。
  3. 工程(b)の判断を、腹水のロット単位で行う請求項1または2に記載の方法。
  4. IgG抗体の製造方法であって、以下の工程を含む製造方法。
    (a)IgG抗体を含有するヒト以外の動物腹水中における、IgG2bに活性を有するIgM抗体量、を測定する工程
    (b)(a)の測定値が所定値以下の場合に、IgG抗体を精製する腹水として適切と判断する工程
    (c)(b)の工程で適切であると判断された腹水をプロテインAカラムにより精製し、IgG抗体を取得する工程
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