JP5788281B2 - 金属複合超微粒子の製造方法 - Google Patents
金属複合超微粒子の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5788281B2 JP5788281B2 JP2011214654A JP2011214654A JP5788281B2 JP 5788281 B2 JP5788281 B2 JP 5788281B2 JP 2011214654 A JP2011214654 A JP 2011214654A JP 2011214654 A JP2011214654 A JP 2011214654A JP 5788281 B2 JP5788281 B2 JP 5788281B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- reaction
- metal composite
- ultrafine particles
- composite ultrafine
- higher alcohol
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)
- Powder Metallurgy (AREA)
Description
以下、本発明について詳細に説明する。
また、本発明の金属複合超微粒子の製造工程の概要を、図1の製造フローチャート図に代表例として示す。
本発明は、無機金属塩と高級アルコールとを加熱反応させることにより、金属複合超微粒子を製造するものであるが、この金属複合超微粒子は、無機金属塩が反応分解して生じた金属を中心とし周囲に上記高級アルコール由来の有機残基により被覆された金属複合超微粒子である。
本発明の原料となる無機金属塩としては、通常、銀、銅等の遷移金属や錫等の炭酸塩、塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩等があげられる。具体的には、炭酸銀、塩酸銀、硝酸銀、硫酸銀炭酸銅、塩酸銅、硝酸銅、硫酸銅、炭酸錫、塩酸錫、硝酸錫、硫酸錫等があげられる。本発明においては、上記無機金属塩の中でも、非水系溶媒となじみやすいという点から、金属炭酸塩が好ましく、特には炭酸銀または炭酸銅が好ましい。なお、上記無機金属塩は、通常、常温で固体粉状のものである。
本発明において無機金属塩とともに用いられる高級アルコールとしては、通常、炭素数6〜22、好ましくは8〜18、更に好ましくは10〜16の脂肪族アルコールがあげられる。具体的には、デシルアルコール、ドデシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、セトステアリルアルコール等があげられる。炭素数が少なすぎると安定な被覆層が得られがたくなる傾向があり、多すぎると金属含有率が低くなる傾向がある。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これら高級アルコールの中でも、安定かつ高金属含有率になるという点から、好ましくはデシルアルコール、ミリスチルアルコールが用いられる。これら高級アルコールは、通常、固体状のものである。
本発明の反応においては、上述のように通常、過剰量の高級アルコールを用い、これを溶媒を兼ねて反応を進行させることが好ましいが、必要に応じて、不活性な溶媒の存在下で反応を行なってもよい。例えば、その際に用いる溶媒としては、反応条件に近い沸点を持ち、非極性の溶媒であればよく、例えば、1,3,5−トリメチルベンゼン(メシチレン)、1,2,4−トリメチルベンゼン(プソイドクメン)、イソプロピルベンゼン(クメン)、ジエチレングリコールジベンゾエート、ジプロピレングリコールジベンゾエート等があげられる。
本発明の反応においては、原料となる上記無機金属塩および高級アルコール以外に、反応収率の向上を目的に発泡抑制剤を用いてもよい。例えば、無機金属塩が炭酸塩系のような場合、炭酸ガスが発生し、それにより発生する泡が反応阻害要因となることがある。そのような場合、発泡抑制剤の添加が有効である。上記炭酸塩系以外にも反応の過程で発生ガスに起因する泡が生じるような場合に効果がある。
本発明では、上述の無機金属塩と高級アルコールとを加熱反応させるが、通常、固体状である高級アルコールを加熱溶融し、これに粉状の無機金属塩を供給して反応を開始することが好ましい。
本発明における2段階の反応条件としては、まず、40〜70℃、特には50〜65℃で、20〜120分間、特には25〜90分間、殊には30〜60分間、加熱反応を行なう。次いで、130〜200℃、特には140〜180℃、殊には150〜170℃で、20〜300分間、特には30〜240分間、殊には30〜180分間、加熱反応を行なう。
上記の反応によって、金属を中心とし周囲に高級アルコール由来の有機残基により被覆された金属複合超微粒子を含む反応混合物が得られるが、これを低級アルコールで洗浄することが好ましい。この低級アルコールとしては、通常、炭素数1〜3の脂肪族アルコールであり、中でもエタノールが好適である。
例えば、反応混合物に低級アルコールを添加し、撹拌混合した後、静置し、その後沈降した金属複合超微粒子を分離するデカンテーション操作を繰り返すことにより実施される。この際の低級アルコールの反応混合物への添加は、混合物温度が50℃以下、好ましくは40℃以下となった以降であれば任意の時点で添加しても差し支えない。
洗浄後の金属複合超微粒子は、通常、乾燥処理を行なう。乾燥温度は、通常、20〜80℃程度で行なわれる。また、乾燥後の固形物は、凝集している場合でも、摩砕等により容易に粉末状とすることができる。
得られた金属複合超微粒子は、上記無機金属塩が反応分解して生じた金属を中心とし、その周囲に上記高級アルコール由来の有機残基により被覆された構成からなる超微粒子(ナノ粒子)である。
還流凝縮器および2段翼撹拌機を備えた1リットル反応器(ガラス製反応器)に、まず、60℃に加温し溶融したミリスチルアルコール(和光純薬工業社製)600gを供給した。つぎに、上記反応器に、粉状炭酸銀(鶯色)(日進化学社製)300gを添加した。
上記の前段反応において、混合物の色調は茶褐色に変化し、また、後段反応においては、青紫色に変化した。
上記乾燥し粉砕することにより得られた金属複合超微粒子粉末に関して、下記の装置を用いて熱重量分析(TG)測定および赤外吸収分析(IR)測定を行なった。これら測定の結果、得られた金属複合超微粒子は、上記炭酸銀が反応分解して生じた銀を中心とした周囲に上記ミリスチルアルコール由来の有機残基(主にC14H29COO−とC13H27COO−)により被覆された金属複合超微粒子であることが確認された。なお、未反応炭酸銀由来のピークは検出されなかった。さらに、得られた金属複合超微粒子の平均粒子径について、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて測定した結果、4〜8nmであり、非常に粒径分布の小さい超微粒子が得られたことが確認された。
測定機器:Perkin Elmer社製、「Thermal Analysis TG−7」
《赤外吸収分析(IR)測定》
測定機器:Nicolet社製、「Avatar360」
《平均粒子径の測定》
測定機器:日立製作所社製、「透過型電子顕微鏡 H−7100FA型」
実施例1において、ミリスチルアルコールと粉状炭酸銀との反応を、還流状態を120分間継続しながら行なった。それ以外は、実施例1と同様にして、サンプルである金属複合超微粒子粉末を製造した。得られたサンプルについて、実施例1と同様にして同定、平均粒子径を測定した。
還流凝縮器および2段翼撹拌機を備えた1リットル反応器(ガラス製反応器)に、デシルアルコール(和光純薬工業社製)500gを供給した。つぎに、上記反応器に、粉状炭酸銀(鶯色)(日進化学社製)280gを添加した。
上記の前段反応において、混合物の色調は茶褐色に変化し、また、後段反応においては、青紫色に変化した。
上記で得られた金属複合超微粒子粉末に関して、実施例1と同様にして熱重量分析(TG)測定および赤外吸収分析(IR)測定を行なった。これら測定の結果、得られた金属複合超微粒子は、上記炭酸銀が反応分解して生じた銀を中心とした周囲に上記デシルアルコール由来の有機残基(主にC10H21COO−)により被覆された金属複合超微粒子であることが確認された。なお、未反応炭酸銀由来のピークは検出されなかった。さらに、得られた金属複合超微粒子の平均粒子径について、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて測定した結果、8〜15nmであり、粒径分布の非常に小さい超微粒子が得られたことが確認された。
実施例2において、デシルアルコールと粉状炭酸銀との反応を、還流状態を継続しながら20分間行なった。それ以外は、実施例1と同様にして、サンプルである金属複合超微粒子粉末を製造した。得られたサンプルについて、実施例1と同様にして同定、平均粒子径を測定した。
Claims (6)
- 無機金属塩と高級アルコールとを加熱して反応させることにより、金属複合超微粒子を製造する方法において、上記無機金属塩と高級アルコールの加熱反応を前段と後段の2段階にて行ない、かつ前段反応を40〜70℃の加熱反応にて行ない、後段反応を130〜200℃の加熱反応にて行ない、上記無機金属塩および高級アルコールの加熱反応中に副生する水分を留去しながら反応させることを特徴とする金属複合超微粒子の製造方法。
- 無機金属塩および高級アルコールの加熱反応中に副生する水分を留去しながら反応させる工程が、無機金属塩と高級アルコールを還流下にて加熱反応させた後、上記還流状態を解除することにより副生する水分を留去することを特徴とする請求項1記載の金属複合超微粒子の製造方法。
- 無機金属塩が金属炭酸塩であることを特徴とする請求項1または2記載の金属複合超微粒子の製造方法。
- 高級アルコールが、炭素数6〜22のアルコールであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の金属複合超微粒子の製造方法。
- 高級アルコールの使用割合が、無機金属塩100重量部に対して40〜500重量部であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の金属複合超微粒子の製造方法。
- 生成した金属複合超微粒子が、金属を中心とし周囲に高級アルコール由来の有機残基により被覆されたものであり、平均粒子径が1〜100nmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の金属複合超微粒子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011214654A JP5788281B2 (ja) | 2011-09-29 | 2011-09-29 | 金属複合超微粒子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011214654A JP5788281B2 (ja) | 2011-09-29 | 2011-09-29 | 金属複合超微粒子の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013072136A JP2013072136A (ja) | 2013-04-22 |
JP5788281B2 true JP5788281B2 (ja) | 2015-09-30 |
Family
ID=48476882
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011214654A Expired - Fee Related JP5788281B2 (ja) | 2011-09-29 | 2011-09-29 | 金属複合超微粒子の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5788281B2 (ja) |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6743395B2 (en) * | 2000-03-22 | 2004-06-01 | Ebara Corporation | Composite metallic ultrafine particles and process for producing the same |
JP4020948B2 (ja) * | 2004-02-04 | 2007-12-12 | 株式会社荏原製作所 | 複合型ナノ粒子の製造方法 |
JP2007126691A (ja) * | 2005-11-01 | 2007-05-24 | Ebara Corp | 複合型無機金属化合物ナノ粒子及びその製造方法 |
JP2008037895A (ja) * | 2006-08-01 | 2008-02-21 | Toyobo Co Ltd | イオン性基含有ポリマーの製造方法、該方法によって得られるイオン性基含有ポリマー及び該イオン性基含有ポリマーを含む高分子電解質膜などへの用途 |
WO2009090748A1 (ja) * | 2008-01-17 | 2009-07-23 | Applied Nanoparticle Laboratory Corporation | 複合銀ナノ粒子、その製法及び製造装置 |
JP2009263694A (ja) * | 2008-04-23 | 2009-11-12 | Ebara Corp | 微粒子及びその製造方法 |
JP2013036053A (ja) * | 2011-08-03 | 2013-02-21 | Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The | 金属複合超微粒子の製造方法 |
-
2011
- 2011-09-29 JP JP2011214654A patent/JP5788281B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2013072136A (ja) | 2013-04-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN108161027B (zh) | 被覆铜颗粒 | |
CN1950162A (zh) | 片状铜粉及其制造方法和导电性膏 | |
JP5785023B2 (ja) | 銀粒子分散体組成物、これを用いた導電性回路および導電性回路の形成方法 | |
JP6033485B2 (ja) | 被覆銅粒子 | |
JP5213592B2 (ja) | 銅微粉およびその分散液並びに銅微粉製造法 | |
JP5924481B2 (ja) | 銀微粒子の製造法及び該銀微粒子の製造法によって得られた銀微粒子並びに該銀微粒子を含有する導電性ペースト | |
JP2008143737A (ja) | 酸化第二銅粉末およびその製造方法 | |
JP4897624B2 (ja) | 低温焼結性銀微粉および銀塗料ならびにそれらの製造法 | |
JP2009221505A (ja) | 没食子酸またはその誘導体に被覆された銀ナノ粒子 | |
KR101494340B1 (ko) | 타이타늄 카바이드 분말의 제조방법 | |
KR20180090288A (ko) | 도전성 페이스트의 제조 방법 | |
JP5788281B2 (ja) | 金属複合超微粒子の製造方法 | |
JP2013036053A (ja) | 金属複合超微粒子の製造方法 | |
US20150211090A1 (en) | Low-Temperature Dispersion-Based Syntheses of Silver and Silver Products Produced Thereby | |
JP2009102716A (ja) | 銀ナノ粒子の製造方法 | |
JP2013044016A (ja) | 金属複合超微粒子の製造方法 | |
JP5777981B2 (ja) | 金属複合超微粒子の製造方法 | |
JP2016196705A (ja) | 酸化物被覆銅微粒子及びその製造方法 | |
JP2009215502A (ja) | 脂環式・芳香族炭化水素を溶媒とする銀インク | |
JP2013087330A (ja) | 金属複合超微粒子の製造方法 | |
JP2013079431A (ja) | 金属複合超微粒子の製造方法 | |
JP2013079430A (ja) | 金属複合超微粒子の製造方法 | |
JP2013087303A (ja) | 金属複合超微粒子の製造方法 | |
JP2014148750A (ja) | 金属複合超微粒子およびその製造方法 | |
JP5852377B2 (ja) | アルミニウムアルコキサイドの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140723 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20150413 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150421 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150611 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20150611 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20150728 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20150729 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5788281 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |