JP5786237B1 - 結束注入管および地盤注入工法 - Google Patents

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【課題】各注入細管の吐出口から削孔内に吐出した注入材が削孔内で混合したり地上に流出したりするのを防止して、孔壁内の各ステージに浸透注入させるようにした結束注入管および地盤注入工法を提供する。【解決手段】下端部に吐出口4aを有する複数の注入管4を各注入管4の吐出口4aが管軸方向の異なる位置にくるように互いに添い合わせる。添い合わせた複数の注入管4,4を複数の透過性セパレーター5によって各注入管4と注入管4との間に削孔2内に充填されたシールグラウト3が充填可能な隙間を有するように形成する。【選択図】図1

Description

本発明は、下端部に吐出口を有する複数の注入管を各注入管の吐出口が管軸方向の異なる位置にくるように互いに添い合わせ結束することにより構成された結束注入管および当該結束注入管を用いた地盤注入工法に関し、複数の注入管どうしを簡単かつ強固に結束することができ、また結束注入管を通して孔壁周囲の地盤中に注入材を注入する際に注入管どうしの間にシールグラウトが流入固結可能なように構成して、各注入管の吐出口から吐出された注入材が注入管と注入管との間隙を管軸方向に逸走して各ステージに注入された注入材が互いに混ざり合ってしまったり、あるいは地上に溢れ出してしまう事態を防止して、孔壁周囲の各ステージに最適量の注入材を確実にかつ効率的に浸透注入できるようにしたものである。
出願人は先に、下端部に吐出口を有する複数の注入管を各注入管の吐出口が管軸方向の異なる位置にくるように互いに添い合わせ結束することにより構成され結束注入管と、当該結束注入管を削孔内に設置し、その周にシールグラウトを充填して結束注入管と孔壁間の隙間をシールした後、各注入管を通して削孔内に注入材を送液することにより、孔壁の各ステージ(地層)に注入材をステージ毎に浸透注入させて地盤の強化や浄化等を行う地盤注入工法を開発している(特許文献1)。
当該結束注入管および地盤注入工法によると、孔壁周囲の各ステージ内に最適量の注入材を注入することができ、また各ステージに同時に、あるいは間隔をおいて注入することもでき、さらにステージ毎に異なる注入材を注入することもできる等のメリットがある。
また、複数の結束注入管を複数の注入地点に間隔をおいて設置して注入することにより、宅地造成地などの広大な面積の地盤に対しても、複数地点に同時にまたは順番に、あるいは各注入地点毎に異なる注入材を注入することができ、きわめて効率的に地盤改良や地盤浄化等を実施することができる。
実施に際しては、ボーリング等で形成した削孔内に結束注入管を挿入し、その周囲にセメントベントナイトスラリーや低アルカリのカルシウムシリケートスラリー等の低強度の固化材(以下「シール材」)を充填して孔壁と結束注入管との間隙をシールする。そして、各注入管を通して削孔内に注入材を注入する。
そうすると、各注入管の吐出口から孔壁内の各ステージに注入材が吐出し、注入材はその吐出圧で吐出口周辺の固化したシール材を砕いて孔壁側に流れ、孔壁より孔壁周囲の各ステージ内に浸透注入する。
たとえば、特許文献1(図12参照)、特許文献2(図11参照)、特許文献3(図11,図12参照)には、上記した結束注入管をボーリング等によって形成された削孔内に挿入し、その周囲に低強度のセメントベントナイトスラリー等からなるシール材を充填して孔壁と結束注入管との間隙をシールし、そして各注入管を通して孔壁周囲の各ステージ内に必要量の注入材を浸透注入する方法が開示されている。
特許第3724644号公報 特許第4848553号公報 特許第5569618号公報
しかし、従来の結束注入管では、例えば図7に図示するように、結束注入管1と孔壁間の間隙はセメントスラリー等からなるシール材3を充填することによりほぼ完璧にシールできるものの、結束注入管を構成する注入管4と注入管4との間隙には懸濁液が浸入し得ないので完全にシルールすることは困難であった。
このため、各注入管の吐出口から吐出した注入材は、注入管と注入管との間隙を管軸方向に流れて地上に流出してしまうことがあった。また、ステージごとに最適量の注入材、あるいは異なる種類の注入材を注入したつもりでも、地上に溢れ出さないまでも削孔内で互いに混ざり合ってしまい、ステージごとに最適量の注入材、異なる種類の注入材を確実に注入できないという課題があった。
特に、マイクロバブル液や空気の注入による不飽和化注入や土壌浄化法(特許文献3)のように非固結性の注入液を注入する場合、シリカ溶液のようなゲル化を伴わない注入液は透過性がきわめて高いので、注入細管どうしの隙間から上方に逸出しやすい。
このため、特許文献3の図11,図12に図示する方法が提案されているが、図11に図示するように盤状の拘束型の非透過性セパレーター30を用いる方法は、シールグラウトの管軸方向への移動を拘束するのでシールグラウトが注入管どうしの軸方向への隙間を充填するのが難しく、かつ削孔径が大きくなるという問題がある。また図11に図示するように袋体9を用いる方法は、作製が面倒になりかつ削孔径が大きくなる等の問題があった。
特に、結束注入管が注入細管からなっている場合、複数の注入細管どうしの隙間にシールグラウトが浸入し得ず、そこが注入液の流路となって地表面に逸出してしまうという問題があった。
本発明は、以上の課題を解決するためになされたもので、削孔内に挿入された結束注入管の各注入管の吐出口から削孔内に吐出した注入材が、注入管と注入管との間隙に沿って管軸方向に流れて互いに混ざり合ってしまつたり、あるいは地上に溢れ出してしまう事態を防止し、簡便な構造でかつ施工条件、地盤条件に容易に順応できる結束注入管を用いて孔壁周囲の各ステージに確実に浸透注入できるようにした結束注入管および地盤注入工法を提供することを的とするものである。
従来工法が特許文献3、図11のように注入細管どうしの隙間を遮断する不透過性セパレーターによって注入細管どうしの隙間から注入液が上方に行かないように拘束する構造、或いは図12のように結束注入細管に袋をかぶせて注入液が注入管の隙間に入らないような構成からなっており、いずれも従来方法は注入管どうしの隙間に広範囲に地盤に透過する浸透性の良い注入材が入り込まないように遮断するということを目的にしたものであるが、本発明者は発想を逆転して透過性セパレーターを注入管どうしの間に設けてシール材が管軸方向に充填しやすくすることによって、注入管どうしの隙間をシールグラウトで充填して注入液が入り込まないようにして問題を解決したものである。
本発明は、地盤に形成した削孔内に設置して孔壁周囲の地盤中にステージ(地層)ごとに最適量の注入材を注入して、地盤強化、液状化防止、地盤の洗浄化等を行うための透過性セパレーターを用いた結束注入管およびそれを用いた注入工法の発明であり、下端部に吐出口を有する複数の注入管を各注入管の吐出口が管軸方向の異なる位置にくるように互いに添い合わせ、透過性セパレーターで注入管どうしに隙間をつくって結束することにより構成され、特に透過性セパレーターを各注入管と注入管との間に削孔内に充填されたシールグラウトが充填可能な隙間を有するように設置して、結束注入管が形成されてなることを特徴とするものである。
シールグラウトとして懸濁液を用いるが、懸濁液は注入管と注入管との隙間に浸入しにくいため、各注入管の吐出口から吐出した注入材が隙間に沿って他のステージに混ざり込んだり地上に逸出して、各ステージに十分な注入できないおそれがあった。
従来それを防ぐために注入管どうしを隙間ができないように互いに密着させ強く結束したり、遮閉性のセパレーターを設けたり、袋体で覆ったりして注入材の逸出を防いでいたが、本発明はむしろ注入管と注入管との間にシールグラウトが充填されやすいように注入管と注入管との間に隙間をあけることに着目したものである。
本発明によれば、注入管と注入管との間にシールグラウトが充填可能な隙間が設けられていることにより、削孔内に充填されたシールグラウトは各注入管と孔壁間の隙間はもとより、各注入管と注入管との間にも確実に充填されて固化するため、各注入管の吐出口から吐出した注入材が注入管と注入管との隙間を上昇して地上に流出したり、あるいは各ステージに注入された注入材が互いに混ざり合うのを防止することができ、孔壁周囲の地盤中にステージごとに最適量の注入材を確実に浸透注入させることができる。
シール材としてはセメントグラウトやセメントベントナイト、スラグ系珪酸カルシウム系の低アルカリ懸濁液、或いは可塑性グラウト、その他懸濁液を任意の強度に配合したものを用いることができる。また、浸透性注入材を注入するにあたって、シール材の強度が固くて割れにくい場合は、あらかじめ水等を圧入してシール材を割裂してから浸透性注入材を注入してもよい。
また、注入材にはマイクロバブル液、空気などの不飽和地盤を形成するための非固結性注入材、地盤浄化材などの非固結性注入材、或いはシリカ系固結材、CB等の懸濁性固結材、地盤浄化材やマイクロバブル液などの非固結性注入材とシリカ系固結材を併用したもの等を使用することができる。さらには、可塑状グラウト等も利用することができる。
注入管にはポリエチレンやポリエステル等の変形自在な軟質性のチューブや生分解性注入管、塩ビ管などの硬質樹脂パイプ等が適し、また鉄筋や塩ビ棒などの硬質樹脂製の棒状材からなる芯材を抱き合わせて形状を保持することにより削孔内に容易に挿入することができ、また曲線状に形成された削孔内にも容易に挿入することができる(図6参照)。
また、芯材に孔開きパイプを用いることにより湾曲部、或いは所定の位置から一次注入材を注入したりシール材を追加注入することもできる。
さらに、注入管および芯材を共に自然環境の中で水と炭酸ガスに分解する生分解質樹脂製のチューブや棒状材を利用することにより施工後数年内に或いは所定の期間内に分解せしめることができる。
また、注入圧力を高くする必要がある場合は、ナイロン等の強度の高い素材を用いてもよい。結束注入管を軟質材料で形成する利点は、工場から現場への運搬に際して丸めて現場に搬入し、現場で削孔径が大きくても小さくても任意にその湾曲を調節できるので、削孔径を小さくできるし、また湾曲部の長さも任意に調整できる。
結束注入管の透過性セパレーターは、平面に見てI型、Y型、X型、十字型または放射型などに形成してあればよく、或いは棒状、線状の部材を結束注入細管どうしに隙間ができるような形状なら有効である。また透過性セパレーターは結束具本体として各フランジの先端部などに形成することもできる。
なお、I型、Y型、X型、十字型または放射型などに形成された透過性セパレーターの各フランジの先端部に、注入管の嵌合可能な把持部または凹部を設けることにより注入管の設置が容易になる(図1(b),図2(a),(b)参照)。
また、透過性セパレーターを平面に見て円形または矩形、あるいは多角形の環状に形成し、外周部に注入管を一定の間隔を開けて形成した結束注入管でもよい。
なお、透過性セパレーターの外周部に注入管の嵌合可能な把持部または凹部を透過性セパレーターの周方向に間隔を開けて複数設けることにより注入管の位置決めと固定が容易になる(図2(c),(d)参照)。
さらに、把持部または凹部を透過性セパレーターの周方向に波形状に連続して形成し、その中の選択したいずれかの把持部または凹部に注入管を設置するようにすることで、地盤の性状に応じて注入管の数量と設置間隔を適切に設定することができる。
また、注入管および結束注入管の吐出口を有する位置は先端部でもよいし、管軸方向の一定範囲にわたって透水性シートや孔開きシート、麻布、マット、メッシュ材あるいはスポンジ、ジオテキスタイル等の透水性の被覆材によって被覆することにより、吐出口より削孔内に吐出した注入材を透水性被覆材を介して縦方向に拡がり、ついで水平方向に全被覆材の表面から広い範囲の孔壁周囲の地盤中に均等に浸透注入させるようにしてもよい(図1(c)参照)。
各注入管の吐出口を有する部分に透水性被覆部材を吐出口を有する部分を含む管軸方向の一定範囲を被覆するように取り付けて柱状浸透源とすることにより、低圧力の下でも孔壁周囲の広いステージ内に大きな吐出量で均等に浸透注入させることができる。
また、注入管先端部の吐出口部分は、柱状浸透するように複数の吐出口から同時に注入できる構造にしてもよい。
結束注入管を用いる場合、1削孔あたりに設置する注入管の本数をできるだけ少なくするのが好ましい。本数が多くなるとそれだけ削孔径を大きくする必要がある。このため、1削孔当りの深度方向の受け持ちステージが長くできる長尺浸透源を有する注入管を用いるのが好ましい。このためには長い1注入ステージにて軸方向に設けた複数の吐出口から同時に注入液が吐出できるのが好ましい(図1、図3)。
本発明によれば、各注入管の吐出口から吐出した注入材が注入管の外周面のみならず、注入管どうしの隙間に沿って上昇することはないので、各ステージに吐出された注入材が混ざり合ってしまったり、地上に逸出するのを確実に防止することができ、これにより各注入管を通して孔壁周囲の各ステージに最適量の注入材を無駄なく確実に浸透注入させることができる。また削孔径を小さくすることができるので経済性施工が可能となる。
地盤の削孔内に設置された結束注入管を示し、図1(a)は側面図、図1(b)は横断面図、図1(c)は吐出口を有する部分の拡大断面図である。 地盤の削孔内に設置された結束注入管を示し、図2(a),(b),(c),(d)は横断面図である。 地盤の削孔内に設置された結束注入管を示し、図3(a)は側面図、図3(b)は横断面図である。 本発明の結束注入管を備えた地盤注入装置よび本装置による地盤注入工法の説明図である。 本発明の結束注入管を備えた地盤注入装置よび本装置による地盤注入工法の説明図である。 本発明の結束注入管を備えた地盤注入装置よび本装置による地盤注入工法を示し、図6(a)は正面図、図6(b)は平面図である。 従来の注入管の実施上の課題を示す説明図である。
図1,2は、本発明の結束注入管と注入管結束具の一実施形態を図示したものであり、結束注入管1は削孔2内に立て込まれている。また、削孔2内にシールグラウト3を充填することにより孔壁と結束注入細管1との間隙および結束注入管1の各注入管4,4間の間隙がシールされている。
結束注入管1は、複数の注入管4と当該複数の注入管4,4どうしを結束する複数の注入管結束具5より構成されている。注入管結束部は設けないで長い一本の注入管を結束部材で複数本束ねても良い。把持部は任意の場所に設けても良い。
注入管4はビニールチューブ等の変形自在な合成樹脂製のチューブまたは塩化ビニール管などの硬質樹脂製のパイプから形成され、各注入管4の下端部に一または複数の注入材の吐出口4aがそれぞれ形成されている。
また、各注入管4は、下端部の吐出口4aが一個所に集中しないように管軸方向に一定長ずつずらした状態で添い合わせられ、かつ複数の注入管結束具5によって管軸方向の複数箇所が結束されている。
これにより、各注入管4の吐出口4aは管軸方向に一定間隔おきに設けられ、結果として各注入細管4を通して孔壁周囲の複数のステージ(地層)に注入材を浸透注入させることができる。
透過性セパレーター5は、各注入管4,4間に間隙を確保するように、アルミ等の軽金属または硬質合成樹脂、或いは針金や棒状の木材などから形成されている。
透過性セパレーター5は、注入細管4の側部に簡単に嵌合することができ、かつ嵌合後は注入管4を把持して簡単に離脱しないような円弧状に形成してもよい。
透過性セパレーター5は、各注入管4,4間にシールグラウトが入り込む隙間を確保できる形状であれば特に限定されるものではなく、例えば平面に見てI型状、十字型状、X型状、Y型状または放射状などに形成され(図2(a),(b))、シールグラウトが充填可能な隙間を形成することができる。
なお、I型、Y型、X型、十字型または放射型などに形成された透過性セパレーター5の各フランジの先端部に、注入管の嵌合可能な把持部または凹部5aを形成することにより注入管4の設置が容易になり、各注入管4の設置と同時に注入管4どうしを透過性セパレーター5によって結束することができるようにしてもよい(図1(b),図2(a),(b)参照)。
また、透過性セパレーター5は平面に見て円形、矩形または多角形のリング状に形成され、外周部に周方向に一定の間隔をおいて複数形成されていてもよい(図2(c),(d))。
なお、円形または矩形、あるいは多角形の環状に形成された透過性セパレーター5の外周部に、注入管4の嵌合可能な把持部または凹部5aを透過性セパレーター5の周方向に間隔を開けて複数設けることにより注入管4の設置が容易になり、また各注入管4の設置と同時に注入管4どうしを透過性セパレーター5によって結束するようにしてもよい(図2(c),(d)参照)。
このような構成において、結束注入管1の各注入管4,4間に透過性セパレーター5によってシールグラウトが入り込む隙間が管軸方向に確保されている。また注入管先端部の注入口毎に透過性セパレーターで他の注入管または芯材の間に隙間をつくってもよい。
これにより、削孔2内に充填されたシールグラウト3は、固化するまでの間に各注入管4と孔壁との隙間はもとより、各注入管4,4間の隙間を確実にシールすることができる。
このため、各注入管4の吐出口4aより削孔2内に吐出した注入材は、各注入管4の外周面を上昇して他のステージに逸走したり、或は地上に溢れ出したりするような事態はおこらず、各ステージの孔壁周囲の地盤中に確実に浸透注入させることができる。
また特に、図1(c)に図示するように結束注入管1の外周に透水性被覆部材6が各吐出口4aを有する部分を含む管軸方向の一定範囲を被覆するように取り付けることもできる。
透水性被覆部材6は透水性シート、孔開きシート、スポジ、メッシュ材、麻布、金網類、あるいはジオテキスタイル等から形成され、結束注入管1の外周に巻き付ける等の方法によって取り付けられている。
この結束注入管1によると、吐出口4aから吐出された注入材は、透水性被覆材6において広く分散されることにより広い範囲の孔壁周囲の地盤中にきわめて効率的に浸透注入させることができる。
図3(a),(b)は、鉄筋や塩ビ棒などの硬質樹脂製の棒状材からなる芯材を抱き合わせて形状を保持するようにした結束注入管を図示したものであり、削孔内に容易に挿入することができ、また曲線状に形成された削孔内にも容易に挿入することができる。
図4は、本発明の結束注入管を備えた地盤注入装置を図示したものであり、当該地盤注入装置によれば、広大な面積を有する地盤の地盤改良や地盤浄化をきわめて効率的にしかも短期間で行うことができる。
具体的に説明すると、所定領域の地盤に間隔をおいて形成された複数の削孔2内に上記した結束注入管1がそれぞれ立て込まれている。また、各結束注入管1に注入材製造プラント7から延びる送液管8がそれぞれ接続され、送液管8には注入材製造プラント7から各注入地点の結束注入管1に注入材を送液するための送液ポンプ9、各結束注入管1に送液される注入材の流量と圧力を計測するための流量・圧力計10、各結束注入管1への送液の開始と停止を切り替える流路切替バルブ11、さらに各結束注入管1において各注入細管への流量を調整する送液バルブ12等がそれぞれ接続されている。
送液バルブ12は、単なる送液バルブでもオリフィスでもよいし、または開度を調整できるしぼり部でもよい。オリフィスやしぼり部などの細孔を設けた場合、送液ポンプ9の送液圧力と細孔の面積に対応した一定の吐出量が得られるため、一台の送液ポンプ9により多数の送液バルブ12から複数の注入管1に同時に注入することができる。
さらに送液ポンプ9、各送液バルブ12および各流路切替バルブ11にはこれらの機器を適切な状態に制御するためのコントローラ13が接続されている。
このような構成において、送液ポンプ9、流量・圧力計10、流路切替バルブ11および流量調節をコントローラ13によって適切に制御することにより、各注入地点に同一流量の注入材を送液すると共に、各注入地点において孔壁周囲の各ステージ内に同一流量の注入材を注入することができる。
また、流路切替バルブ11を操作することにより一または複数地点への注入を停止または再開したり或いは流量を調節したりすることができる。
さらに、各注入地点の送液バルブ12を操作することにより各ステージへの注入材の流量を調節したり、注入を停止および再開したりすることもできる。
図5は、同じく本発明の他の実施形態を図示したものであり、特に送液ポンプ9、流量・圧力計10および送液バルブ12は、結束注入管1ごとに注入材製造プラント7から延びる送液管8に接続されている。
これにより、各結束注入管1がそれぞれ独立した地盤注入装置を構成し、また各結束注入管1,1どうしが共通の送液管8によって接続され、かつ各結束注入管1との接続部に流路切替バルブ11が接続されていることにより、かりに一部の地盤注入装置が送液ポンプ9や送液バルブ12等の故障やメンテナンス等で停止した場合においても、送液管8を介して停止中の結束注入管1に注入材を送液することにより継続して地盤注入を行うことができるようになっている。
図6(a),(b)は、同じく図4、図5で説明した地盤注入装置を住宅地などの既存建物の建つ地盤の液状化対策に適用した例を図示したものである。説明すると、結束注入管1は既存建物14の近傍より既存建物14の真下に向かって曲線状に削孔された複数の削孔2内にそれぞれ挿入されている。
また、各結束注入管1に注入材製造プラント7から個々に延びる送液管8がそれぞれ接続され、各送液管8に送液ポンプ9、流量・圧力計10、流路切替バルブ11、さらに送液バルブ12がそれぞれ接続されている。
また特に、各流路切替バルブ11,11は共通の送液管8aによって互いに接続されている。そして、送液ポンプ9、流量・圧力計10、各流路切替バルブ11および各送液バルブ12にコントローラ13が接続されている。
このような構成において、送液ポンプ9、流量・圧力計10、流路切替バルブ11および送液バルブ12をコントローラ13によって適切に制御することにより、各注入地点に同一流量の注入材を送液し、各注入地点においては孔壁周囲の各区間の地盤中に同一流量の注入材を注入することができる。また、流路切替バルブ11を操作することにより一または複数地点への送液を停止または再開したり或いは流量を調節したりすることもできる。
さらに、各注入地点においては送液バルブ12を操作することにより各ステージへの注入材の流量を調節したり、注入を停止することもできる。
またかりに、ある結束注入管1の送液管8に接続された送液ポンプ9やバルブ等の故障やメンテナンス等で停止した場合においても、送液管8を通して停止中の結束注入管1に注入材を迂回して送液することにより注入を継続することができる。
注入材には、マイクロバブル液、空気などの不飽和地盤を形成するための非固結性注入材、地盤浄化材などの非固結性注入材、或いはシリカ系固結材、懸濁型注入材、可塑状グラウト等の固結性グラウト、或いは地盤浄化材などの非固結性注入材とシリカ系固結材を併用したもの等を使用することができる。
本発明は、複数の注入管どうしを簡単かつ強固に結束することができ、また結束注入管を通して孔壁周囲の地盤中に注入材を注入する際に、各注入管の吐出口から吐出された注入材が注入管と注入管との間隙を管軸方向に逸走して各ステージに注入された注入材が互いに混ざり合ってしまったり、あるいは地上に溢れ出してしまう事態を防止して、孔壁周囲の各ステージに最適量の注入材を確実にかつ効率的に浸透注入できる。
1 結束注入管
2 削孔
3 シールグラウト
4 注入管
4a 吐出口
5 透過性セパレーター
5a 把持部または凹部
6 透水性被覆部材
7 注入材製造プラント
8 送液管
9 送液ポンプ
10 流量・圧力計
11 流路切替バルブ
12 送液バルブ
13 コントローラー
14 芯材

Claims (4)

  1. 下端部に吐出口を有する複数の注入管を各注入管の吐出口が管軸方向の異なる位置にくるように互いに添い合わせて削孔内に設置してなる結束注入管において、前記複数の注入管は各注入管と注入管との間に削孔内に充填されたシールグラウトが流入固結可能な隙間を有するように透過性セパレーターを設けてなり、前記透過性セパレーターは、棒状または線状の部材より平面に見てI型、Y型、X型、十字型または放射型に形成され、かつ当該透過性セパレーターによって前記各注入管と注入管との間に隙間が形成され、該隙間を通して、前記シールグラウトが透過性セパレーターの上下に流入固結可能に形成されていることを特徴とする結束注入管。
  2. 請求項記載の結束注入管において、注入管の吐出口を有する部分を含む管軸方向の一定範囲を被覆するように透水性被覆部材が取り付けられていることを特徴とする結束注入管。
  3. 請求項1または2記載の結束注入管において、管軸方向に連続する棒状の芯材が添い合わせてあることを特徴とする結束注入管。
  4. 削孔内に請求項1〜3のいずれかひとつの結束注入管を設置し、次に前記削孔内にシールグラウトを充填して隣接する各注入細管の隙間をシールし、次に各注入管を通して孔壁周囲の地盤中に注入材を注入することを特徴とする地盤注入工法。
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