<第1実施形態>
<全体構成>
図1は本発明の一実施形態に係る遊技台Aの正面図である。遊技台Aはパチンコ機であって、その正面に正面扉10を備える。正面扉10は遊技台Aの内枠(図1において不図示)に対して開閉可能であり、内枠は正面扉10を支持する。正面扉10の略中央には円形の窓部11を形成している。窓部11には透明の部材(ガラス板或いはプラスチック板)を設け、窓部11を介して正面扉10の背後の遊技領域21が見えるように構成している。
遊技領域21は遊技盤20の正面に形成している。遊技領域21には釘22を複数立設しており、釘22は遊技領域21の正面側に突出している。遊技領域21には、また、特図始動入賞口24及び25、普図始動入賞口26、複数の入賞口27、及び、大入賞口28を設けている。本実施形態の場合、普図始動入賞口26はゲート式の入賞口であり、遊技球(パチンコ球)の入球後も遊技領域21を流下する。一方、特図始動入賞口24及び25、大入賞口28、入賞口27はいずれも、遊技球の入球後に遊技領域21からこれを排出する形式の入賞口である。これらの各入賞口にはいずれも遊技球の入球を検出するセンサ(不図示)を設けている。
特図始動入賞口25は、いわゆる電動チューリップ式の可変入賞口であり、入賞口に設けた可動の開閉部材の開閉により、遊技球の入球が規制される規制状態と、規制状態よりも遊技球が入球し易い開放状態と、の間で状態が変化する。特図始動入賞口25が開放状態にある場合には、特図始動入賞口25の開閉部材が遊技球が拾い易くなるため、規制状態よりも遊技球が入球し易くなる。一方、規制状態にある場合には、開閉部材に邪魔をされて遊技球が入球しにくくなる。
大入賞口28も可変入賞口である。大入賞口28には、これを開閉する可動の開閉部材28aを設けている。開閉部材28aは閉鎖位置と、遊技領域21の正面側へ回動した開放位置との間で回動可能である。図1は開閉部材28aが閉鎖位置にある場合を示している。開閉部材28aが閉鎖位置にある場合は大入賞口28が閉鎖されて遊技球は入球不能となり、開閉部材28aが開放位置にある場合は遊技球が大入賞口28に入球可能となる。以下、開閉部材28aが閉鎖位置にある場合を大入賞口28が閉鎖と、開閉部材28aが開放位置にある場合を大入賞口28が開放ともいう。
遊技領域21には、また、アウト口29を設けている。アウト口29は遊技領域21の最下部に位置しており、いずれの入賞口にも入球しなかった遊技球は、このアウト口29に入球し、これにより遊技領域21から排除する。
遊技領域21の下方には、普通図柄表示装置30(以下、普図表示装置ともいう。)、特別図柄表示装置32(以下、特図表示装置ともいう)を設けている。本実施形態の場合、これらはいずれも7セグメントLED表示器である。また、普図表示装置30の近傍には普図抽選保留記憶数表示装置31を、特図表示装置32の近傍には特図抽選保留記憶数表示装置33を、それぞれ設けている。普図抽選保留記憶数表示装置31は当たり判定用の乱数の保留回数を表示し、特図抽選保留記憶数表示装置33は大当たり判定用の乱数の保留回数を表示する。本実施形態の場合、普図抽選保留記憶数表示装置31、特図抽選保留記憶数表示装置33をいずれも複数のLEDで構成し、乱数の保留回数に応じた数のLEDを点灯する。
遊技台Aの下部には、上皿構成部材40と、下皿構成部材41と、を設けており、上皿構成部材40の左上部には払出口42を設けている。上皿構成部材40は払出口43から払い出される遊技球が流れ込む上皿(不図示)を構成する。上皿には遊技球を一定量貯留することができる。下皿構成部材41は不図示のレバーを操作することにより上皿から流れてくる遊技球を一定量貯留する下皿(不図示)を構成する。
発射ハンドル43は遊技者の球発射操作を受け付けるためのハンドルである。遊技台Aは、遊技球発射装置44と、上皿が貯留している遊技球を一球ずつ、遊技球発射装置44の発射位置に供給する球送り装置(図1において不図示)と、を内蔵している。遊技球発射装置44は発射ハンドル43に対する遊技者の操作量に応じた強さで、上述した球送り装置により上皿42から発射位置に供給された遊技球を、その弾発動作により発射する。遊技球は遊技領域21に設けた内レール23aと、外レール23bと、の間の通路を通って遊技領域21の上方へ飛び込むことになる。
遊技領域21の略中央には演出ユニット100を設けている。演出ユニット100は画像表示装置110を備える。画像表示装置110は本実施形態の場合、液晶表示装置であり、以下、LCD110ともいう。なお、画像表示装置110としては他の種類の表示装置も採用可能であり、例えば、セグメントディスプレイ(7セグ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。演出ユニット100の正面側には演出ユニット100を覆うカバー部材50を設けている。カバー部材50は、開口部51を有しており、遊技者からは開口部51により露出する部分だけ演出ユニット100が見えるようになっている。本実施形態の場合、開口部51は、LCD100全体のみが露出する大きさに設定されているが、後述する全開状態にある移動部材が露出する大きさに設定してもよく、また、カバー部材50を設けずに演出ユニット100全体が常時露出するようにすることも可能である。
本実施形態の場合、LCD110の表示画面111は方形をなし、開口部51の背後に位置して開口部51を介してその全体を遊技者が視認可能な画像表示部を構成している。本実施形態の場合、表示画面111は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面111の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面111の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面111が異形に見えるようにすることもできる。表示画面111は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。曲面をなしている場合、その表示画面と平行な面は、表示画面111の方形の周縁を含む面を基準とする。また、画像表示装置110に代えてリール(ドラム)を採用する場合、その表示画面と平行な面は、リールの回転中心を通る平面を基準とする。以下、演出ユニット100について詳述する。
<演出ユニット>
図2は演出ユニット100をその正面側から見た斜視図、図3は演出ユニット100をその背面側から見た斜視図、図4は演出ユニット100の分解斜視図、図5は、演出ユニット100の垂直断面図(LCD110、モータ131L等を除く)である。以下、左、右という場合は、正面視した場合の左、右という。
演出ユニット100は、フレーム101と、上述したLCD110と、駆動用移動部材120R及び120L(以下、総称するときは駆動用移動部材120ともいう)と、従動用移動部材121R及び121L(以下、総称するときは従動用移動部材121ともいう)と、駆動用移動部材120R及び120Lをそれぞれ独立して移動させる駆動ユニット130と、を備える。
また、LCD110の表示画面110の正面側において、表示画面111に近接した位置において駆動用移動部材120及び従動用移動部材121が移動する構成としているが、駆動用移動部材120及び従動用移動部材121は、表示画面111の正面側において、表示画面111から大きく離間した位置(例えば約10cm)において移動するようにしてもよい。
フレーム101の背面にはLCD110が、上部には駆動ユニット130がそれぞれ組み付けられる。フレーム101の中央部には方形の開口部101aが形成され、その背後のLCD110の表示画面111が正面に露出するようにしている。フレーム101の正面上部には、表示画面111と平行で奥行き方向に離間し、左右方向に延びる案内軸103、104が組み付けられている。また、フレーム101の正面下部には、上方に開放した断面コの字状のレール部材102が組みつけられている。
駆動用移動部材120は、板状の本体部と、その上部に一体に形成された筒状の取付部120aと、を備える。本体部は、透明部120CRを有しており、本実施形態の場合、本体部の全体が透明部120CRを構成している。透明部120CRは、無色透明又は有色透明の部材から構成される。後述するように本実施形態では、透明部120CRにシンボルが施される。
本体部の左右方向の幅は、表示画面111の左右方向の幅の略半分とし、本体部の上下方向の幅は、表示画面111の上下方向の幅よりも大きくしている。したがって、駆動用移動部材120は、表示画面111の左右半分を覆うことが可能である。
取付部120aの左右の両端部にはそれぞれメタル軸受120bが装着され、取付部120aには案内軸104が挿通する。しかして、駆動用移動部材120R及び120Lは案内軸104に支持されて左右に並設され、また、案内軸104に案内されて表示画面111と平行な面上を平行移動可能とされている。なお、本実施形態では駆動用移動部材120R及び120Lを共通の案内軸104に案内されて移動可能としたが、互いに平行な案内軸を個別に設け、それぞれの案内軸に案内されて移動する構成でもよい。この場合、駆動用移動部材120R及び120Lは、互いに平行な別の面上を移動することになる。
取付部120aには、駆動ユニット130との連結部120cが形成されている。駆動用移動部材120Rの連結部120cは、取付部120aの上部に形成され、駆動用移動部材120Lの連結部120cは、取付部120aの背部に形成され、フレーム101に形成したスリット101bを通って、フレーム101の背面側に突出する(図3)。
駆動用移動部材120は、また、従動用移動部材121と係合する被係合部120dを有している。被係合部120dは取付部120aから正面側へ突出し、その先端部は円弧状にへこんでいる。
駆動用移動部材120の本体部の下部には、正面側に突出した突出部120eが形成されている。突出部120eの先端は、レール部材102の側壁内面に当接する(図5)。レール部材102は、駆動用移動部材120の下部について、その移動を案内する。
駆動用移動部材120の本体部の下部には、また、背面側に突出した被検知片120fが形成されている。被検知片120fは、フレーム101とレール部材102との間の隙間を通って、フレーム101の背面側に突出する(図3、図5)。フレーム101の背面下部には、透過型の光センサ150R、150Lが取付けられている。光センサ150Rは駆動用移動部材120Rの被検知片120fを検知し、駆動用移動部材120Rが初期位置に位置している場合にこれを検知するように配置されている。また、光センサ150Lは駆動用移動部材120Lの被検知片120fを検知し、駆動用移動部材120Rが初期位置に位置している場合にこれを検知するように配置されている。初期位置については後述する。
駆動ユニット130は、駆動用移動部材120Rを移動させるためのモータ131R、プーリ132R、プーリ133R及び無端ベルト134Rの組と、駆動用移動部材120Lを移動させるためのモータ131L、プーリ132L、プーリ133L及び無端ベルト134Lの組と、を備える。
モータ131R、モータ131Lは本実施形態の場合、ステッピングモータである。モータ131Rはフレーム101の右端部の背面に取付けられ、その出力軸がフレーム101に設けた孔を通って正面側へ突出している。モータ131Lはフレーム101の左端部背面に取付けられているが、その出力軸は、フレーム101の背面側において上方へ突出している。
プーリ132R及び132Lは、それぞれモータ131R、131Lの出力軸に取付けられ、プーリ132Rはフレーム101の正面側に、プーリ132Lはフレーム101の背面側に位置している。プーリ133Rは、フレーム101の左端部の正面に回転自在に取付けられ、プーリ133Lはフレーム101の右端部の背面に回転自在に取付けられている。
無端ベルト134Rは、プーリ132Rとプーリ133Rとの間に巻き回され、駆動用移動部材120Rの連結部120cがこれに固定されている。また、無端ベルト134Lは、プーリ132Lとプーリ133Lとの間に巻き回され、駆動用移動部材120Lの連結部120cがこれに固定されている。
しかして、モータ131Rを回転させると駆動用移動部材120Rが移動し、モータ131Lを回転させると駆動用移動部材120Lが移動することになる。プーリ132R、132Lと、プーリ133R、プーリ133Lとは、表示画面111の横方向の幅よりも広く離間しており、無端ベルト134R、134Lは表示画面111の横方向の幅よりも広い範囲で延在している。このため、駆動用移動部材120は、表示画面111の略全域に渡って移動可能な構成としている。なお、駆動ユニット130の構成はこれに限られず、種々の構成が採用可能である。
従動用移動部材121は、板状の本体部と、その上部に一体に形成された筒状の取付部121aと、を備える。本体部は駆動用移動部材120の本体部と同様に、透明部121CRを有しており、本実施形態の場合、本体部の全体が透明部121CRを構成している。透明部121CRは、無色透明又は有色透明の部材から構成される。後述するように本実施形態では、透明部121CRにシンボルが施される。
本体部の左右方向の幅は、表示画面111の左右方向の幅の略半分とし、本体部の上下方向の幅は、表示画面111の上下方向の幅よりも大きくしている。したがって、従動用移動部材121は、表示画面111の左右半分を覆うことが可能である。
取付部121aの左右の両端部にはそれぞれメタル軸受121bが装着され、取付部121aには案内軸103が挿通する。しかして、従動用移動部材121R及び121Lは案内軸103に支持されて左右に並設され、また、案内軸103に案内されて表示画面111と平行な面上を平行移動可能とされている。
本実施形態の場合、案内軸103は案内軸104よりも正面側に位置している。したがって、駆動用移動部材120と従動用移動部材121とは、表示画面111の法線方向にずれた面上を移動し、かつ、本実施形態の場合、従動用移動部材121は駆動用移動部材120の正面側に位置して移動する。駆動用移動部材120と従動用移動部材121との相対位置により、駆動用移動部材120が従動用移動部材121の背後に隠れる配置関係が形成され、演出効果を高められる。
なお、これとは逆に従動用移動部材121が駆動用移動部材120の背面側に位置して移動するようにしてもよい。また、本実施形態では従動用移動部材121R及び121Lを共通の案内軸103に案内されて移動可能としたが、互いに平行な案内軸を個別に設け、それぞれの案内軸に案内されて移動する構成でもよい。この場合、従動用移動部材121R及び121Lは、互いに平行な別の面上を移動することになる。
従動用移動部材121の本体部の下部には、下方に突出した突出部121dが形成されている。突出部121dの先端は、駆動用移動部材121の突出部120eの端部に当接可能となっており、駆動用移動部材121に対する従動用移動部材121の相対移動範囲を規制するストッパとなっている。これは、従動用移動部材121Lについて言えば、駆動用移動部材120Lと互いの本体部が略完全に重なった状態から更に従動用移動部材121Lが駆動用移動部材120Lよりも右側に移動しないようにするものであり、従動用移動部材121Rについて言えば、駆動用移動部材120Rと互いの本体部が略完全に重なった状態から更に従動用移動部材121Rが駆動用移動部材120Rよりも左側に移動しないようにするものである。
従動用移動部材121は、駆動用移動部材120の被係合部120dと係合する係合部121e、121fを有している。係合部121e、121fは取付部121aから背面側に突出しており、互いに駆動用移動部材120及び従動用移動部材121の移動方向(左右方向)に離間している。被係合部120dと係合部121e又は121fとが係合することで、従動用移動部材121は駆動用移動部材120に従動して移動する。
図6(a)乃至(c)は従動用移動部材121の従動移動の説明図であり、駆動用移動部材120L及び従動用移動部材121Lを上から見た図である。なお、駆動用移動部材120R及び従動用移動部材121Rも同様である。
図6(a)乃至(c)に示すように、被係合部120dは係合部121eと係合部121fとの間に常時位置している。図6(a)は被係合部120dが係合部121fと係合(互いの側面が当接)している状態を示す。この状態から図6(b)に示すように駆動用移動部材120Lを矢印方向に移動すると、被係合部120dは係合部121e、121fとのいずれにも係合せずに、駆動用移動部材120Lは単独で移動し、従動用移動部材121Lは静止したままとなる。図6(c)に示すように駆動用移動部材120Lを矢印方向に更に移動すると、やがて被係合部120dが係合部121eと係合し、駆動用移動部材120Lに従動して従動用移動部材121Lも矢印方向に移動することになる。
なお、明らかなように、図6(c)の状態から駆動用移動部材120Lを矢印と逆方向に移動すると、駆動用移動部材120Lは単独で移動し、従動用移動部材121Lは静止したままとなる。やがて、被係合部120dが係合部121fと係合すると、駆動用移動部材120Lに従動して従動用移動部材121Lも移動し、図6(a)の状態に戻ることになる。
このようにして従動用移動部材121は駆動用移動部材120に従動して移動し、また、駆動用移動部材120は単独で移動もする。駆動用移動部材120が単独移動する範囲は、従動用移動部材121との相対位置関係に依存することになり、つまり、被係合部120d、係合部121e及び121fの配置に依存する。駆動用移動部材120が単独で移動できる距離は、係合部121eと係合部121fとの間隔に移動する。本実施形態の場合、係合部121eと係合部121fとの間隔が、表示画面111の左右方向の幅の略半分に設定されている。
また、従動用移動部材121が従動する際の、駆動用移動部材120と従動用移動部材121との相対位置関係は、被係合部120dと係合部121eとの相対位置、及び、被係合部120dと係合部121fとの相対位置に依存する。本実施形態の場合、被係合部120dが係合部121eと係合している場合は、駆動用移動部材120と従動用移動部材121の互いの本体部が略完全に重なるように、また、被係合部120dが係合部121eと係合している場合は、駆動用移動部材120と従動用移動部材121の互いの本体部が略重ならないように(互いの端部は僅かに重なる)、被係合部120dと係合部121eとの相対位置、及び、被係合部120dと係合部121fとの相対位置が設定されている。
なお、本実施形態では、駆動用移動部材120に1つの被係合部120dを、従動用移動部材121に2つの係合部121e、121fを設けたが、これとは逆に駆動用移動部材120の被係合部を2つとし、従動用移動部材121の係合部を1つとしてもよい。
図2乃至図5を再び参照して従動用移動部材121について更に説明する。従動用移動部材121の取付部121aの上面には、ラック部121cを形成する歯型が形成されている。このラック部121cには、従動用移動部材121の移動に抵抗する抵抗機構140のピニオン141が噛合する。図7は抵抗機構140の分解斜視図である。
抵抗機構140は、フレーム101に固定された軸146と、軸146が挿通するスプリング145、一対のメタルディスク143、及び、一対のフェルトディスク142と、軸146の先端に係合する止め輪144と、を備える。軸146の先端部分はその周面の一部が面加工されており、一対のメタルディスク143は軸146の先端部分の断面形状に合った形状の中心孔が形成されており、軸146回りに回転不能となっている。一方、ピニオン141と一対のフェルトディスク142には円形の中心孔が形成されており、軸146回りに回転可能となっている。
スプリング145は、一方のメタルディスク143とフレーム101の正面との間に介挿され、スプリング145側のメタルディスク143をピニオン141側へ押圧する。これにより、ピニオン141は、メタルディスク143及びフェルトディスク142の間で狭持された状態にあり、回転しにくくなっている。
このため、従動用移動部材121が移動する際、ラック部121cとピニオン141との噛合により、ピニオン141が回転するが、ピニオン141が回転しにくくなっているため、抵抗機構140が従動用移動部材121の移動に抵抗する。フェルトディスク142の側面とピニオン141の側面との間の摩擦力を、ピニオン141の回転トルクが超えるとピニオン141が回転し、超えない場合は回転せず、従動用移動部材121が移動しない。フェルトディスク142はこのように抵抗力を調整するために設けられている。
このような抵抗機構140を設けたことにより、被係合部120dと係合部121e又は121fとが係合する際、駆動用移動部材120の移動の勢いによって、被係合部120dと係合部121e又は121fとが衝突し、従動用移動部材121が跳ね飛ばされるようにして急に移動してしまうことを防止できる。逆に言えば、抵抗機構140による従動用移行部材121の移動に対する抵抗はこの範囲のものであり、従動用移動部材121の円滑な移動を妨げるものではない。
<駆動用移動部材及び従動用移動部材の移動例>
図8乃至図11は駆動用移動部材120及び従動用移動部材121の移動例を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は正面視図である。
図8は、駆動用移動部材120L、従動用移動部材121R及び121Lが初期位置に位置し、駆動用移動部材120Rが表示画面111の略右半分を覆う位置に移動した態様を示す。ここで、本実施形態における初期位置について説明する。
駆動用移動部材120Lの初期位置は、図8に示すように、駆動用移動部材120Lの本体部全体が表示画面111の左側において表示画面111外に位置し、表示画面111と重ならない位置である。駆動用移動部材120Lの右端部120REは表示画面111の左端近傍に位置し、駆動用移動部材120Lが表示画面111を覆っていない。なお、表示画面111外に位置するとは、遊技者が駆動用移動部材120等が表示画面111を覆っていないと把握すれば足りる位置であり、駆動用移動部材120等が僅かに表示画面111と重なっていてもよい。
図8には示されていないが、駆動用移動部材120Rの初期位置も同様であり、駆動用移動部材120Rの本体部全体が表示画面111の右側において表示画面111外に位置し、表示画面111と重ならない位置である。駆動用移動部材120Rの左端部120LEは表示画面111の右端近傍に位置し、駆動用移動部材120Rが表示画面111を覆っていない。
従動用移動部材121Lの初期位置も、図8に示すように、従動用移動部材121Lの本体部全体が表示画面111の左側において表示画面111外に位置し、表示画面111と重ならない位置である。従動用移動部材121Lの右端部121REは表示画面111の左端近傍に位置し、従動用移動部材121Lが表示画面111を覆っていない。
従動用移動部材121Rの初期位置も、従動用移動部材121Rの本体部全体が表示画面111の右側において表示画面111外に位置し、表示画面111と重ならない位置である。従動用移動部材121Rの左端部121LEは表示画面111の左端近傍に位置し、従動用移動部材121Rが表示画面111を覆っていない。
駆動用移動部材120Lと従動用移動部材121Lとが、共に初期位置にある場合、被係合部120dと係合部121fとが係合した状態にあり、互いの本体部が重なり合う。つまり、図6(a)の状態である。駆動用移動部材120Rと従動用移動部材121Rとが、共に初期位置にある場合も同様であり、被係合部120dと係合部121fとが係合した状態にあり、互いの本体部が重なり合う。
なお、初期位置において、駆動用移動部材120と従動用移動部材とが重なり合うことで、これらの占有スペースを小さくすることができる。また、全ての駆動用移動部材120及び従動用移動部材121が初期位置にあることを、表示画面111全体が露出することから全開状態とも呼ぶ。
さて、図8は駆動用移動部材120Rが初期位置からその左端部120LEが表示画面111の中央部に位置するまで左へ移動した状態を示す。上記の通り、本実施形態では従動用移動部材121Rの係合部121eと係合部121fとの間隔が、表示画面111の左右方向の幅の略半分に設定されているため、駆動用移動部材120Rが初期位置から図8の位置まで移動する間、駆動用移動部材120Rは単独で移動し、従動用移動部材121Rはこれに従動せずに初期位置に静止した状態にある(図6(b)の状態と同様。)。図8の位置から駆動用移動部材120Rを初期位置に戻す場合も、駆動用移動部材120Rは単独で移動し、従動用移動部材121Rはこれに従動せずに初期位置に静止した状態にあることは明らかである。
図8の状態は、表示画面111の右半分が駆動用移動部材120Rにより覆われていることから、半閉状態(駆動用右)とも呼ぶ。
図9は、図8の状態から駆動用移動部材120Lが初期位置からその右端部120REが表示画面111の中央部に位置するまで右へ移動した状態を示す。この場合、やはり、駆動用移動部材120Lは単独で移動し、従動用移動部材121Lはこれに従動せずに初期位置に静止した状態にある。図9の位置から駆動用移動部材120Lを初期位置に戻す場合も、駆動用移動部材120Lは単独で移動し、従動用移動部材121Lはこれに従動せずに初期位置に静止した状態にあることは明らかである。
図9の状態では、表示画面111の右半分が駆動用移動部材120Rにより、左半分が駆動用移動部材120Lにより、それぞれ覆われている。表示画面111全体が駆動用移動部材120により覆われることから、全閉状態(駆動用)とも呼ぶ。
また、図9に示すように駆動用移動部材120Lが表示画面111の左半分を覆うが、駆動用移動部材120R及び従動用移動部材121Rが初期位置にある場合を、表示画面111の左半分が駆動用移動部材120Lにより覆われていることから、半閉状態(駆動用左)とも呼ぶ。
図10は、図8の状態から駆動用移動部材120Rが更に移動し、その右端部120REが表示画面111の中央部を超えて、表示画面111の左端まで到達した状態を示す。駆動用移動部材120Rの右端部120REが表示画面111の中央部を超えて左に移動すると、被係合部120dと係合部121eとが係合し、従動用移動部材121Lが駆動用移動部材120Rに従動して左に移動する(図6(c)の状態と同様。)。
図10の状態では、表示画面111の左半分が駆動用移動部材120Rにより、右半分が従動用移動部材121Rにより、それぞれ覆われている。表示画面111全体が駆動用移動部材120R及び駆動用移動部材121Rにより覆われることから、全閉状態(右)とも呼ぶ。
また、図示しないが、駆動用移動部材120R及び従動用移動部材121Rを初期位置に位置させた状態で、駆動用移動部材120Lをその右端部120REが表示画面111の右端まで到達させると、表示画面111の右半分が駆動用移動部材120Lにより、左半分が従動用移動部材121Lにより、それぞれ覆われて表示画面111全体がこれらに覆われる。この状態を全閉状態(左)とも呼ぶ。
図11は、図9の状態が駆動用移動部材120Rが右に移動し、その右端部120REが表示画面111の中央部に位置した状態を示す。つまり、駆動用移動部材120Rは、図8に示した位置にある。図9の位置から図11の位置へ駆動用移動部材120Rが戻る間、被係合部120dは、係合部121e、121fのいずれとも係合せず、戻った後に係合部121fと係合し始める。したがって、駆動用移動部材120Rは単独で移動し、従動用移動部材121Rはこれに従動せずに図9の状態の位置に静止した状態にある。
図11の状態では、駆動用移動部材120Rと従動用移動部材121Lとは、これらが初期位置にある場合と同様に、これらの本体部が互いに重なり、表示画面111の右半分を覆う。この状態を半閉状態(右)とも呼ぶ。半閉状態(右)から駆動用移動部材120Rが初期位置へ移動すると、従動用移動部材121Rもこれに従動して初期位置へ移動することになる。つまり、互いの本体部が重なり合ったまま、初期位置へ戻る。
また、図示しないが、上述した全閉状態(左)から、駆動用移動部材120Lが表示画面111の左半分を覆う位置に戻ったときも、同様に、駆動用移動部材120Rと従動用移動部材121Lとは、これらが初期位置にある場合と同様に、これらの本体部が互いに重なり、表示画面111の左半分を覆う。この状態を半閉状態(左)とも呼ぶ。半閉状態(左)から駆動用移動部材120Lが初期位置へ移動すると、従動用移動部材121Lもこれに従動して初期位置へ移動することになる。つまり、互いの本体部が重なり合ったまま、初期位置へ戻る。
このように本実施形態では、駆動用移動部材120の移動により、駆動用移動部材120及び従動用移動部材121が、全開状態、全閉状態(駆動用)、全閉状態(右)、全閉状態(左)、半閉状態(駆動用右)、半閉状態(駆動用左)、半閉状態(右)、半閉状態(左)並びにこれらの状態の中間の状態になる。
駆動用移動部材120の移動可能範囲について見ると、駆動用移動部材120Rは、駆動用移動部材120Lが初期位置にある場合に、その初期位置からその左端部120LEが表示画面111の左端まで移動可能であり、また、駆動用移動部材120Lは、駆動用移動部材120Rが初期位置にある場合に、その初期位置からその右端部120REが表示画面111の右端まで移動可能である。したがって、駆動用移動部材120Rと駆動用移動部材120Lとの表示画面111上の各移動可能範囲の略全体が重なっている。
移動可能範囲が重なることにより、この重なる範囲において、駆動用移動部材120R及び駆動用移動部材120Lを選択的に用いた演出ができ、駆動用移動部材120と従動用移動部材121とを用いた演出を行うにあたり、より多彩な演出を実現することができる。例えば、表示画面111を全閉するにあたり、全閉状態(駆動用)、全閉状態(右)及び全閉状態(左)の3態様の中からいずれかを選択可能であり、より多彩な演出を実現することができる。また、駆動用移動部材120の移動可能範囲を重ねることで、駆動用移動部材120R、120Lの移動可能範囲をより大きくとることができ、この点でもより多彩な演出を実現することができる。更に、駆動用移動部材120R、120Lの移動可能範囲をより大きくとることができれば、これに従動する従動用移動部材121の移動可能範囲もより大きくなる。この点でもより多彩な演出を実現することができる。
また、本実施形態では、駆動用移動部材120R、120Lが表示画面111の略半分を覆う大きさを有しており、駆動用移動部材120Rは表示画面111の右側をその初期位置とし、駆動用移動部材120Lは表示画面111の左側をその初期位置としている。このため、遊技者には、駆動用移動部材120Rは表示画面111の右半分のみを移動し、駆動用移動部材120Lは表示画面111の左半分のみを移動するという意識が生じ易いところ、本実施形態では駆動用移動部材120Rは表示画面111の左半分の領域にも移動し、また、駆動用移動部材120Lは表示画面111の右半分の領域にも移動するので、遊技者に対して意外性のある演出を提供できる。
なお、本実施形態では各移動可能範囲の略全体が重なるようにしたが、その少なくとも一部が重なる構成でもよい。尤も、略全体が重なる方が、より多彩な演出が実現できることはいうまでもない。
次に、従動用移動部材121の移動可能範囲について見ると、従動用移動部材121Rは初期位置からその左端部121LEが表示画面111の略中央に位置するまで移動可能であり、従動用移動部材121Lは初期位置からその右端部121REが表示画面111の略中央に位置するまで移動可能である。したがって、従動用移動部材121Rと従動用移動部材121Lとの表示画面111上の各移動可能範囲は互いに重ならない。駆動用移動部材120については表示画面111上の移動可能範囲が重なり、従動用移動部材121については表示画面111上の移動可能範囲が重ならないことで、駆動用移動部材120の表示画面111上の移動可能範囲が重なっていることが、より強く認識され、駆動用移動部材120の移動態様に対する遊技者の関心を高めることができる。
次に、駆動用移動部材120と従動用移動部材121との表示画面111上の移動可能範囲について見ると、駆動用移動部材120Rと従動用移動部材121Rとは、表示画面111上の右半分の領域で移動可能範囲が重なり、駆動用移動部材120Lと従動用移動部材121Lとは、表示画面111上の左半分の領域で移動可能範囲が重なっており、それぞれ駆動用移動部材120と従動用移動部材121とで表示画面111上の移動可能範囲が一部重なっている。したがって、例えば、表示画面111の右半分の領域で言えば、駆動用移動部材120Rが出没したり、従動用移動部材121Rが出没するので、同じ領域で異なる移動部材が出没することによる、意外性ある演出が実現できる。
また、本実施形態では、駆動用移動部材120が初期位置から表示画面111上へ移動する際、所定量移動した後、従動用移動部材121が従動して表示画面111上へ移動する構成としたので(上記の全閉状態(右)及び全閉状態(左)等)、従動用移動部材121が突如として移動又は表示画面111上へ出没することを演出でき、演出効果を向上できる。
また、本実施形態では、例えば、初期位置から全閉状態(右)又は全閉状態(左)へ移行する場合、駆動用移動部材120と従動用移動部材121とが略重ならず、これらの本体部の略全体を露出して演出効果を高めることができる。一方、全閉状態(右)又は全閉状態(左)から初期位置へ移行する場合、駆動用移動部材120と従動用移動部材121とが互いに重なり合った状態(特に本実施形態では略全体が重なり合い、駆動用移動部材120が従動用移動部材121の背後に隠れた状態)後に駆動用移動部材120に従動用移動部材121が従動し、重なり合った状態のまま、移動するため、従動用移動部材121が駆動用移動部材120に従動しておらず、単独で移動しているかのように見せることができ、演出効果を高めることができる。
次に、本実施形態では、全開状態⇔全閉状態(駆動用)の変化に際しては、駆動用駆動部材120が単独移動する。このため、従動用移動部材121が負荷とならず、より高速で移動することができる。LCD110の表示内容を急に切り替え、演出内容を急に切り換えたい場合のように、高速性が求められる演出においては、全開状態⇔全閉状態(駆動用)の変化により、可動の部材の高速移動性を確保した演出、特に、表示画面111が全閉、全開となることから、表示画面111の略全域に渡った演出ができる。なお、全開状態⇔半閉状態(駆動用左)や全開状態⇔半閉状態(駆動用右)の場合も駆動用駆動部材120が単独移動し、より高速で移動できる。また、これらの各変化において、相対的に低速で移動する場合も含めることができる。
一方、全閉状態(右)、全閉状態(左)、半閉状態(右)、半閉状態(左)といった状態では、従動用移動部材121が表示画面111上に現れる。この場合、従動用移動部材121が負荷となるため、駆動用駆動部材120が単独移動する場合もよりも移動速度は劣るが、より多彩な演出が実現できる。よって、高速性が求められない演出においては、従動用移動部材121を活用する。
こうして本実施形態では、可動の部材の高速移動性を確保しつつ、駆動用の部材と従動用の部材とを用いた演出を実現することができる。
<制御回路の構成>
次に遊技台Aの制御回路の構成について説明する。図12は主制御基板60及びこれに関連する構成のブロック図である。図13は副制御基板80及びこれに関連する構成のブロック図である。これらの制御回路は遊技盤20の背面側に設けることができる。
<主制御基板>
図12を参照して、主制御基板60は主制御回路61を搭載する。主制御回路61は遊技の進行を制御するCPU61aと、CPU61aが実行するプログラム及びデータを記憶したROM61bと、一時的なデータを記憶するRAM61cと、CPU61aと外部デバイスとの入出力インターフェースであるI/O61dと、を備え、不図示のデータバス、アドレスバスがこれらを電気的に接続している。なお、ROM61b、RAM61cは他の種類の記憶手段を採用してもよい。また、RAM61cの記憶内容は不図示のバックアップ回路により電源断時にも消失しないようにする。
主制御回路61は、また、カウンタタイマ61eを備える。カウンタタイマ61eは割り込み信号を所定周期(例えば2msec毎)で発生する。CPU61aは割り込み信号を受信すると予め定めた割り込み処理を実行する。
主制御基板60は水晶発振器62、カウンタ回路63を搭載する。水晶発振器62はCPU61aのシステムクロックとなるクロック信号を発生する。カウンタ回路63は水晶発振器62が発生するクロック信号を一定の数値範囲で循環的に高速でカウントし、大当たり抽選用の乱数を生成する。なお、本実施形態ではカウンタ回路63が水晶発振器62が発生するクロック信号をカウントする構成としたが、別の水晶発振器を設け、これが定期的に出力する信号を一定の数値範囲で循環的に高速でカウントする構成としてもよい。
センサ回路64aは各種センサ65aからの信号を処理してI/O61dに出力する。CPU61aはI/O61dの入力ポートから各種センサ65aの検出結果を取得することができる。各種センサ65aは、特図始動入賞口24及び25、普図始動入賞口26、入賞口27、大入賞口28にそれぞれ設けた遊技球の入球を検出するセンサ、電源回路68の電源断(電圧降下)を検出するセンサを含む。
駆動回路64b及び64cはI/O61dが出力する制御信号に基づき特図表示装置32、普図表示装置30、の表示制御を行なう。駆動回路64dはI/O61dが出力する制御信号に基づき各種ソレノイド115を駆動制御する。各種ソレノイド115は特図始動入賞口25を開閉するソレノイド、大入賞口28の開閉部材28aを開閉するソレノイドを含む。駆動回路64e及び64fはI/O61dが出力する制御信号に基づき特図抽選保留記憶数表示装置33、普図抽選保留記憶数表示装置31の表示制御を行なう。CPU61aはI/O61dの出力ポートを介してこれらの各デバイスに制御信号を出力して制御することができる。
CPU61aはI/O61dを介して副制御基板80へ制御コマンドを出力する。また、CPU61aは情報出力回路66を介して情報入力回路67へ制御信号を出力する。情報入力回路67は、例えば、遊技台A毎にこれを設置する島に配した表示器の駆動回路である。
CPU61aはI/O61dを介して払出装置制御基板74へ制御信号を出力する。払出装置制御基板74はCPU61aからの制御信号に基づき、払出装置75を制御して、遊技球の払出処理を行なう。払出センサ73は払出装置75が払出した遊技球を検出するセンサであり、払い出す遊技球の数量をカウントする。
払出装置制御基板74は発射装置制御基板71へ遊技球の発射を許可する信号を出力する。発射装置制御基板71は発射ハンドル43に対する操作量を検出するハンドルセンサ69からの信号に応じて、遊技球発射装置44を構成する発射モータ70を駆動する。また、上皿構成部材40が構成する上皿から遊技球発射装置44へ遊技球を導く球送り装置72を制御する。
<副制御基板>
図13を参照して、副制御基板80は副制御回路81を搭載する。副制御回路81は演出内容を制御するCPU81aと、CPU81aが実行するプログラム及びデータを記憶したROM81bと、一時的なデータを記憶するRAM81cと、CPU81aと外部デバイスとの入出力インターフェースであるI/O81dと、を備え、不図示のデータバス、アドレスバスがこれらを電気的に接続している。なお、ROM81b、RAM81cは他の種類の記憶手段を採用してもよい。また、RAM81cの記憶内容は不図示のバックアップ回路により電源断時にも消失しないようにする。
副制御回路81は、また、カウンタタイマ81eを備える。カウンタタイマ81eは割り込み信号を所定周期(例えば2msec毎)で発生する。CPU81aは割り込み信号を受信すると予め定割り込み処理を実行する。副制御基板81は水晶発振器82を搭載する。水晶発振器82はCPU81aのシステムクロックとなるクロック信号を発生する。
音源IC83は、遊技台Aに設けたスピーカ86が出力する音のデータを記憶し、I/O81dが出力する制御信号に基づき、スピーカ86が出力する音を制御する。駆動回路84はI/O81dが出力する制御信号に基づき、遊技台Aに設けた装飾用のLED87の駆動制御を行なう。制御回路基板88は、I/O81dが出力する制御信号に基づき、駆動ユニット130のモータ131R、131Lをそれぞれ制御する。駆動用移動部材120の移動量、移動方向は、モータ131R、131Lに対する駆動パルス数、位相により制御する。また、駆動用移動部材120の移動速度は駆動パルスの周期により制御する。
センサ回路85は各種センサ89からの信号を処理してI/O81dに出力する。各種センサ218は、演出ユニット100の光センサ150R及び150L、電源回路90の電源断(電圧降下)を検出するセンサを含む。光センサ150R、150Lは上記の通り、駆動用移動部材120が初期位置にある場合にこれを検出する。駆動用移動部材120の移動量の制御にあたり、モータ131R、131Lに対する駆動パルス数は光センサ150R、150Lが駆動用移動部材120が初期位置にある毎にリセットすることで、移動量の誤差が蓄積しないようにすることができる。LCD制御基板91は、I/O81dが出力する制御信号に基づきLCD110の表示制御を行なう。
<遊技の概要>
遊技者が発射ハンドル43を操作すると、遊技球発射装置44が遊技球を遊技領域21の上方へ発射する。遊技球は、その後、遊技領域21に立設した複数の釘22と衝突を繰り返しながら遊技領域21の下方に流れ落ちる。遊技領域21の上方から下方へ遊技球が流れ落ちる過程で、特図始動入賞口24及び25、普図始動入賞口26、入賞口27又は大入賞口28に遊技球が入球することで入賞となり、遊技者に対して特典が与えられる。
遊技者に対する特典として、特図始動入賞口24及び25、入賞口27に遊技球が入球した場合は一定数の賞球、例えば3個の遊技球を払出口42から払い出す。大入賞口28に遊技球が入球した場合は一定数の賞球、例えば15個の遊技球を払い出す。普図始動入賞口26に入球した場合は遊技球を払出してもよいが、本実施形態では払い出しはない。
次に、本実施形態では、遊技状態として、通常遊技状態、大当たり状態、確変状態、及び、特殊遊技状態を遊技結果に応じて設定する。まず、通常遊技状態において所定の条件が成立すると、大当たり状態を設定する。大当たり状態が終了した場合には特殊遊技状態を設定する。特殊遊技状態が終了すると通常遊技状態に戻る。また、特殊遊技状態において所定の条件が成立すると、大当たり状態を設定する。大当たり状態を特別大当たりの成立により設定した場合は、確変状態を設定する。確変状態において所定の条件が成立すると大当たり状態を設定し、確変状態は大当たり状態を設定するまで継続する。
<大当たり>
遊技台Aは特図始動入賞口24又は25に遊技球が入球したことを条件として大当たりの抽選を行なう。つまり、遊技者に大当たりという特典を与えるか否かを抽選する。抽選の結果は特図表示装置32が表示する。特図表示装置32は所定時間の間、図柄(特別図柄)を変動表示した後、抽選結果に応じた特別図柄を停止表示する。図14(a)は特図表示装置32が停止表示する特別図柄の例を示す図である。特別図柄は8種類あり、そのうちの6種類が大当たりの成立を示す図柄である。大当たりの成立を示す6種類の図柄のうち、3種類が特別大当たりの成立を示す図柄である。なお、大当たりのうち、特別大当たり以外の大当たりを通常大当たりと称する。
本実施形態では大当たりの抽選は、乱数を取得し、取得した乱数が予め定めた値に該当するか否かを判定(大当たりの判定)することにより行なう。大当たりの当選確率は各抽選毎に例えば1/350である。本実施形態の場合、大当たりの判定は、特別図柄の変動中には行なわない。特別図柄の変動表示中に特図始動入賞口24又は25への遊技球の入球があった場合は、その入球に対応する乱数を保留し、特別図柄の停止表示後に大当たりの判定を行なう。乱数の保留数は例えば最大4つである。従って、最大保留回数を超えて、特図始動入賞口24又は25に入球があった場合、その入球に対応する大当たりの抽選は行なわない。なお、大当たり用の乱数の保留数を「特図抽選保留記憶数」といい、特図抽選保留記憶数表示装置33によりその数を表示する。
大当たりの抽選の結果はLCD110にも表示する。LCD110は、特図始動入賞口24又は25に遊技球が入球したことを条件として、図柄(装飾図柄)の組み合わせ(ここでは3図柄の組み合わせ)を構成する各装飾図柄の変動表示を開始した後、各装飾図柄を停止表示して大当たりの抽選結果に応じた装飾図柄の組合せを表示する。LCD110は、特図表示装置32の特別図柄の変動開始及び変動終了と略同期して装飾図柄の変動表示を開始し、終了する。図14(b)はLCD110が表示する装飾図柄の例及びその組合せの表示例を示す。装飾図柄は8種類ある。また、大当たりの成立を示す装飾図柄の組合せは8種類あり、そのうちの4種類が特別大当たりの成立を示す組み合わせである。
遊技台Aは、大当たりの抽選結果が大当たりであることを条件として、予め定めた条件が成立するまで、遊技状態として大当たり状態を設定する。大当たり状態を設定している間、大入賞口28の開閉部材28aが所定回数(例えば15回)開放し、大入賞口28に遊技球が入球可能となる。1回の開放は大入賞口28に一定数の遊技球の入球(例えば9個)があるか、一定時間の経過(例えば30秒)により終了する。開閉部材28aが開放状態にあることをラウンドという。大入賞口28が上記の所定回数開放すると、つまり、ラウンド数が所定回数に達すると大当たり状態を終了する。
<当たり>
遊技台Aは普図始動入賞口26に遊技球が入球したことを条件として当たりの抽選を行なう。抽選の結果は普図表示装置30が表示する。普図表示装置30は所定時間の間、図柄(普通図柄)を変動表示した後、抽選結果に応じた普通図柄を停止表示する。図14(c)は普図表示装置30が停止表示する普通図柄の例を示す図である。普通図柄は2種類あり、そのうちの1種類が当たりの成立を示す図柄である。
本実施形態では当たりの抽選は、乱数を取得し、取得した乱数が予め定めた値に該当するか否かを判定(当たりの判定)することにより行なう。本実施形態の場合、当たりの判定は、普通図柄の変動中には行なわない。普通図柄の変動中に普図始動入賞口26への遊技球の入球があった場合は、その入球に対応する乱数を保留し、普通図柄の停止表示後に当たりの判定を行なう。乱数の保留数は例えば最大4つである。従って、最大保留回数を超えて、普図始動入賞口26に入球があった場合、その入球に対応する当たりの抽選は行なわない。なお、当たり用の乱数の保留数を「普図抽選保留記憶数」といい、普図抽選保留記憶数表示装置31がその数を表示する。
遊技台Aは、当たりの抽選結果が当たりであることを条件として、特図始動入賞口25を一定時間(例えば0.3秒)開放させる。よって、当たりが成立すると特図始動入賞口25に遊技球が入球し易くなる。
<特殊遊技状態>
遊技台Aは大当たり状態が終了したことを条件として、特殊遊技状態を設定する。特殊遊技状態を設定している間、遊技者には特典を与える。特典の内容としては、例えば、特殊遊技状態においては通常遊技状態よりも当たりの当選確率を高くすることができる。また、特殊遊技状態においては通常遊技状態よりも特図始動入賞口25を開放する時間を長くすることもできる。また、特殊遊技状態を設定している間、普図表示装置30の変動表示時間を短縮してもよい。更に、特殊遊技状態を設定している間、特図表示装置32の変動表示時間を短縮してもよい。
特殊遊技状態の終了条件は、本実施形態の場合、大当たり状態の設定終了から特図表示装置32による特別図柄の停止表示回数が予め定めた回数(例えば60回)に達するまで、又は、大当たり状態が設定されるまで、換言すれば、特図表示装置32が大当たりの成立を示す特別図柄を停止表示するまで、のいずれかが成立した場合である。
<確変状態>
遊技台Aは特別大当たりが成立したことを条件として、確変状態を設定する。確変状態を設定している間、大当たりの当選確率をアップし、大当たりが成立し易くする。確変状態は大当たりが成立したことを条件として終了する。
<遊技の進行の制御処理>
次に、主制御回路61のCPU61aが実行する処理の例について図15乃至図20を参照して説明する。図15(a)はCPU61aが実行するメイン処理の例を示すフローチャート、図15(b)はカウンタタイマ61eからの割り込み信号を契機としてCPU61aが実行するタイマ割り込み処理の例を示すフローチャートである。
<メイン処理>
電源の投入により、CPU61aはS1で初期処理を行なう。ここではRAM61cが記憶しているデータの破損チェック、電源断時にRAM61cに退避したCPU61aのレジスタの記憶内容の復帰処理等を行なう。
S2では乱数カウンタの初期値を更新する処理を行ない、その後、電源断となるまでS2の処理を繰り返す。乱数カウンタはRAM61cの一部の記憶領域にカウント値を記憶することで行なうソフトウエアカウンタであり、その種類として「特図抽選用乱数カウンタ」、「特図変動時間抽選用乱数カウンタ」、「当たり抽選用乱数カウンタ」、「普図変動時間抽選用乱数カウンタ」がある。これらのカウンタは一定の数値範囲で循環的に数値をカウントし、乱数の生成に使用する。初期値とはカウントが一巡したときに、次にカウントを開始する時の値を意味する。例えば、0〜127の数値範囲で数値をカウントする場合であって、初期値が50であった場合、次のカウントは50、51...127、0...49となる。
「特図抽選用乱数カウンタ」は、大当たりの判定結果に基づき、特図表示装置32に表示する特別図柄の種類を、図14(a)に示した、図柄の中から抽選で選択するための乱数を生成するために使用する。「特図変動時間抽選用乱数カウンタ」は、特図表示装置32に表示する特別図柄の変動時間を抽選で選択するための乱数を生成するために使用する。「当たり抽選用乱数カウンタ」は、当たりの判定を行うための乱数を生成するために使用する。本実施形態の場合、図14(c)に示したように、普図表示装置30が表示する普通図柄は当たり図柄と外れ図柄との2種類であるため、この判定結果により、普図表示装置30が表示する普通図柄の種類も定まる。「普図変動時間抽選用乱数カウンタ」は普図表示装置30に表示する普通図柄の変動時間を抽選で選択するための乱数を生成するために使用する。
<タイマ割り込み処理>
S11ではI/O61dの入力ポートから各種センサ65aの検出結果を取得する。S12では乱数カウンタを更新する。乱数カウンタとは上述した、「特図抽選用乱数カウンタ」、「特図変動時間抽選用乱数カウンタ」、「当たり抽選用乱数カウンタ」、「普図変動時間抽選用乱数カウンタ」であり、これらのカウント値を一つ加算する。また、カウントが一巡していた場合には、S2で更新した初期値にカウント値を更新する。
S13では始動入賞判定処理を行なう。ここでは、特図始動入賞口24及び25又は普図始動入賞口26への遊技球の入球の有無に関連する処理を行なう。詳細は後述する。S14では特図関連処理を行なう。ここでは、主として大当たりの判定や大当たり状態設定中の処理を行う。詳細は後述する。S15では普図関連処理を行なう。ここでは、主として当たりの判定に関連する処理を行う。詳細は後述する。
S16ではS13乃至S15での処理結果に応じて副制御基板80へ制御コマンドを送信する。S17ではS13乃至S15での処理結果に応じてI/O61dの出力ポートから各デバイスへ制御信号を出力する。S18ではカウンタ更新処理を行なう。
カウンタ更新処理では時間を計時する各種カウンタのカウント値の更新等を行なう。時間を計時するカウンタの種類には、「特図変動時間カウンタ」、「普図変動時間カウンタ」、「可変入賞口開放時間カウンタ」、「大入賞口開放時間カウンタ」、「大入賞口開放待ちカウンタ」等がある。これらのカウンタは、RAM61cの一部の記憶領域にカウント値を記憶することで行なうソフトウエアカウンタである。
「特図変動時間カウンタ」は特図表示装置32に表示する特別図柄の変動時間を計時するカウンタである。「普図変動時間カウンタ」は普図表示装置30に表示する普通図柄の変動時間を計時するカウンタである。「可変入賞口開放時間カウンタ」は特図始動入賞口25の開放時間を計時するカウンタである。「大入賞口開放時間カウンタ」は大入賞口28の開閉部材28aを開放位置に位置させた状態の時間を計時するカウンタである。「大入賞口開放待ちカウンタ」は大入賞口28の開閉部材28aを開放位置に移動させるまでの待ち時間を計時するカウンタである。待ち時間はLCD110等による演出を行うための時間を確保するために設定される。S18のカウンタ更新処理の詳細は後述する。
S19ではS11で取得したI/O61dの入力ポートのデータのうち、電源断を検出する上記のセンサの検出結果を取得し、電源断か否かを判定する。該当する場合にはS20へ進み、該当しない場合は一単位のタイマ割り込み処理を終了する。S20では電源断時の処理を行なう。ここでは例えばCPU61aのレジスタの記憶内容をRAM61cに退避する処理等を行ない、処理が終了する。
<始動入賞判定処理>
次に、図16を参照してS13の始動入賞判定処理について説明する。図16は始動入賞判定処理のフローチャートである。S31ではS11で取得したI/O61dの入力ポートのデータに基づき、特図始動入賞口24及び25に対する入球を検出したか否かを判定する。該当する場合はS32へ進み、該当しない場合はS36へ進む。
S32では特図抽選保留記憶数が規定数(例えば4)未満か否かを判定する。該当する場合はS33へ進み、該当しない場合はS36へ進む。なお、特図抽選保留記憶数はRAM61cの一部の記憶領域に記憶する。S33では特図抽選保留記憶数を更新する(一つ加算する)。また、更新後の特図抽選保留記憶数に応じて特図抽選保留記憶数表示装置33の表示データをI/O61dにセットする。S34ではカウンタ回路63から大当たり判定用の乱数を取得する。S35では、S34で取得した大当たり判定用の乱数、「特図抽選用乱数カウンタ」及び「特図変動時間抽選用乱数カウンタ」の各乱数(カウント値)を1セットにしてRAM61cの一部の特図乱数記憶領域に特図抽選保留乱数として記憶する。
S36ではS11で取得したI/O61dの入力ポートのデータに基づき、普図始動入賞口26に対する入球が検出されたか否かを判定する。該当する場合はS37へ進み、該当しない場合は一単位の始動入賞判定処理を終了する。
S37では普図抽選保留記憶数が規定数(例えば4)未満か否かを判定する。該当する場合はS38へ進み、該当しない場合は一単位の始動入賞判定処理を終了する。なお、普図抽選保留記憶数はRAM61cの一部の記憶領域に記憶する。S38では普図抽選保留記憶数を更新する(一つ加算する)。また、更新後の普図抽選保留記憶数に応じて普図抽選保留記憶数表示装置31の表示データをI/O61dにセットする。S30では、「当たり抽選用乱数カウンタ」、「普図変動時間抽選用乱数カウンタ」の各乱数(カウント値)を1セットにしてRAM61cの一部の普図乱数記憶領域に普図抽選保留乱数として記憶する。その後、一単位の始動入賞判定処理を終了する。
<特図関連処理>
次に、図17及び図18を参照してS14の特図関連処理について説明する。図17及び図18は特図関連処理のフローチャートである。S41〜S50の処理は、主として大当たり状態を設定している場合の処理である。S41では遊技状態として大当たり状態を設定中か否かを判定する。該当する場合はS42へ進み、該当しない場合はS51へ進む。遊技状態はRAM61cの一部の記憶領域に設定したフラグのON、OFFにより設定する。
S42では大入賞口28を開放中か否かを判定する。該当する場合はS43へ進み、該当しない場合はS49へ進む。大入賞口28が開放中か否かはRAM61cの一部の記憶領域を用いた大入賞口開放中フラグがONかOFFかで判定する。S43では大入賞口入賞数管理処理を行なう。ここでは大入賞口28への遊技球の入球数をカウントする処理を行なう。S44では大入賞口28の閉鎖条件が成立したか否かを判定する。該当する場合はS45へ進み、該当しない場合は一単位の特図関連処理を終了する。S44では、S43の処理の結果、大入賞口28への遊技球の入球数が一定値に達した場合、又は、大入賞口28の開放時間が一定時間に達した場合(「大入賞口開放時間カウンタ」のカウント値が0の場合)に、閉鎖条件成立と判定する。
S45では大入賞口閉鎖処理を行なう。ここでは、大入賞口28を閉鎖すべく、I/O61dにデータをセットするといった処理を行なう。また、大入賞口開放中フラグをOFFにする。S46ではラウンド管理処理を行なう。ここでは大入賞口28の開放回数をカウントする処理、及び、開放回数が所定回数に達したか否かを判定する処理等を行なう。また、大入賞口28の開放回数が所定回数に達していない場合には、「大入賞口開放待ちカウンタ」に初期値を設定する。
S47ではS46の処理結果に応じて大当たり状態を終了するか否かを判定する。大入賞口28の開放回数が所定回数に達した場合に大当たり状態を終了する。該当する場合はS48へ進み、該当しない場合は一単位の特図関連処理を終了する。S48では遊技状態管理処理を行う。ここでは遊技状態として特殊遊技状態を設定する。また、特殊遊技状態の設定に伴う設定を行なう。これには、特殊遊技状態の終了条件となる、特別図柄の停止表示回数の初期値の設定が含まれる。停止表示回数のカウント値はRAM61cの一部の記憶領域を利用した「表示回数カウンタ」により管理する。また、S48では後述するように所定の条件を満たした場合、遊技状態として確変状態も設定する。
S49では「大入賞口開放待ちカウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS50へ進み、該当しない場合は一単位の特図関連処理を終了する。S50では大入賞口開放処理を行なう。ここでは、大入賞口28を開放すべく、I/O61dにデータをセットするといった処理を行なう。また、「大入賞口開放時間カウンタ」に初期値をセットし、大入賞口開放中フラグをONにする。その後、一単位の特図関連処理を終了する。
S51〜S69の処理は、主に、特図の変動、大当たりの抽選に関する処理である。S51では「特図変動時間カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS52へ進み、該当しない場合はS56へ進む。S52では特図表示装置32に特別図柄を停止表示するための表示データをI/O61dにセットする。S56では特図表示装置32に特別図柄を変動表示するための表示データをI/O61dにセットする。
S53ではRAM61cの一部の記憶領域を用いた大当たりフラグがONか否かを判定する。該当する場合はS54へ進み、該当しない場合はS61へ進む。S54では大当たりフラグをOFFにする。S55では遊技状態として大当たり状態を設定する。また、「大入賞口開放待ちカウンタ」に初期値を設定する。
S61では特図抽選保留乱数をRAM61cに記憶しているか否かを判定する。該当する場合はS62へ進み、該当しない場合は一単位の特図関連処理を終了する。S62では、特図抽選乱数保留記憶更新処理を行なう。ここでは最古の特図抽選保留乱数を取得し、特図乱数記憶領域から消去する。また、特図抽選保留記憶数を一つ減算する。更に、更新後の特図抽選保留記憶数に応じて特図抽選保留記憶数表示装置33の表示データをI/O61dにセットする。
S63では大当たりの判定を行う。大当たりの判定は、S62で取得した特図抽選保留乱数の大当たり判定用の乱数と、ROM61bに記憶した大当たり抽選データとに基づき行なう。そして、大当たり判定用の乱数が大当たり抽選データで示された数値の範囲に含まれる場合に大当たり成立と判定する。
図23(a)は大当たり抽選データの例を示す図である。同図の例の場合、大当たり判定用の乱数が0〜65535の中のいずれかの数値をとる場合を想定している。本実施形態では、大当たり抽選データの確立状態を、遊技状態が確変状態か否かで区別しており、確変状態の場合は確変時の抽選データを、確変状態以外の場合は通常時の抽選データを選択する。確変状態の場合の方が大当たりの当選確率を高く設定している。
また、本実施形態では、大当たり抽選データを特図始動入賞が特図始動入賞口24に遊技球が入球して成立した場合と、特図始動入賞口(可変入賞口)25に遊技球が入球して成立した場合とでも区別している。
そして、大当たり判定用の乱数が同図の乱数の範囲に含まれる場合に大当たりと判定する。例えば、大当たり判定用の乱数が6001であり、確率状態が通常時で、かつ、特図始動入賞が特図始動入賞口24に遊技球が入球して成立した場合は大当たりと判定する。
S64ではS63の大当たりの判定の結果、大当たり成立と判定した場合はS65へ進み、そうでない場合はS66へ進む。S65では大当たりフラグをONにする。また、確変フラグがONの場合はOFFにする。確変フラグはRAM61cの一部の記憶領域を用いたフラグであり、遊技状態として確変状態を設定する場合にONとし、終了する場合にOFFとする。
S66では特図抽選を行う。特図抽選は大当たりフラグがONの場合とOFFの場合とで異なる。大当たりフラグがONの場合の特図抽選は、最古の特図抽選保留乱数の「特図抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数と、ROM61bに記憶した大当たり時の特別図柄抽選データとに基づき行なう。
図23(b)は大当たり時の特別図柄抽選データの例を示す図である。同図の例の場合、「特図抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数が0〜255の中のいずれかの数値をとる場合を想定している。そして、「特図抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数が同図の乱数の範囲に含まれる場合に対応する特別図柄を選択する。例えば、乱数が10の場合、特図1(図14(a)参照)を選択する。選択した特別図柄の種類は大当たりが終了するまでRAM10cの一部の記憶領域に記憶し、選択した特別図柄が特別大当たりの特別図柄である場合には、上述したS48にて確変フラグをONにし、遊技状態として確変状態を設定する。
大当たりフラグがOFFの場合の特図抽選は、最古の特図抽選保留乱数の「特図抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数と、ROM10bに記憶した外れ時の特別図柄抽選データとに基づき行なう。図23(c)は外れ時の特別図柄抽選データの例を示す図である。同図の例の場合、「特図抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数が0〜127の中のいずれかの数値をとる場合を想定している。そして、「特図抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数が同図の乱数の範囲に含まれる場合に対応する特別図柄を選択する。例えば、乱数が90の場合、特図7(図14(a)参照)を選択する。
図18に戻り、S67では変動パターン抽選処理を行う。ここでは変動パターンを抽選で選択して決定する。変動パターンはS66で選択した特別図柄の種類と、最古の特図抽選保留乱数の「特図変動時間抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数と、ROM61bに記憶した変動パターン抽選データとに基づき行なう。図24は変動パターン抽選データの例を示す図である。
同図の例の場合、「特図変動時間抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数が0〜65535の中のいずれかの数値をとる場合を想定している。そして、S66で選択した特別図柄の種類に応じて、「特図変動時間抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数が同図の乱数の範囲に含まれる場合に対応する変動パターン(変動パターン番号)を選択する。例えば、特別図柄の種類が特図7で、乱数が60001の場合、変動1の変動パターンを選択する。選択した変動パターンの種類(変動パターン番号)は図15(b)のS16により副制御基板80へ出力することになる。
変動パターンは、LCD110が表示する装飾図柄の変動表示、停止表示、演出画像、扉体61、62の移動態様を規定する。また、変動パターンは特別図柄表示装置32及びLCD110の変動表示の時間(変動時間)を規定する。詳細は後述する。
S68ではS67で選択した変動パターンに規定されている変動時間に応じて「特図変動時間カウンタ」の初期値を設定する。S69では特図表示装置32に特別図柄を変動表示するための表示データをI/O61dにセットする。
S70〜S73の処理は、主として特殊遊技状態の終了に関する処理である。S70では遊技状態として特殊遊技状態を設定中か否かを判定する。該当する場合はS71へ進み、該当しない場合は一単位の特図関連処理を終了する。S71では「表示回数カウンタ」を更新する。ここでは「表示回数カウンタ」のカウント値を一つ減算する(但し、0まで。)。S72では「表示回数カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS73へ進み、該当しない場合は一単位の特図関連処理が終了する。S73では遊技状態管理処理を実行する。ここでは特殊遊技状態の設定を終了する。その後、一単位の特図関連処理が終了する。
<普図関連処理>
次に、図19を参照してS15の普図関連処理について説明する。図19は普図関連処理のフローチャートである。S81では特図始動入賞口(可変入賞口)25が開放状態か否かを判定する。該当する場合はS82へ進み、該当しない場合はS84へ進む。特図始動入賞口25が開放状態か否かは、RAM61cの一部の記憶領域を用いた可変入賞口フラグがONかOFFかで判定する。
S82では「可変入賞口開放時間カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS83へ進み、該当しない場合は一単位の普図関連処理を終了する。S83では可変入賞口閉鎖処理を行なう。ここでは、特図始動入賞口25を規制状態とすべく、I/O61dにデータをセットするといった処理を行なう。また、可変入賞口フラグをOFFにする。
S84では「普図変動時間カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS85へ進み、該当しない場合はS90へ進む。S90では普図表示装置30に普通図柄を変動表示するための表示データをI/O61dにセットし、その後、一単位の普図関連処理を終了する。
S85ではRAM61cの一部の記憶領域を用いた当たりフラグがONか否かを判定する。該当する場合はS86へ進み、該当しない場合はS91へ進む。S86では当たりフラグをOFFにする。S87では「可変入賞口開放時間カウンタ」に初期値を設定する。S88では普図表示装置30に普通図柄を変動表示するための表示データをI/O61dにセットする。S89では可変入賞口開放処理を行う。ここでは、I/O61dの出力ポートに特図始動入賞口25を開放状態に変化させるデータをセットするといった処理を行なう。また、可変入賞口フラグをONにする。
S91では普図抽選保留乱数をRAM61cに記憶しているか否かを判定する。該当する場合はS92へ進み、該当しない場合は一単位の普図関連処理を終了する。S92では普図抽選乱数保留記憶更新処理を行なう。ここでは最古の普図抽選保留乱数を取得し、普図乱数記憶領域から消去する。また、普図抽選保留記憶数を一つ減算する。更に、更新後の普図抽選保留記憶数に応じて普図抽選保留記憶数表示装置31の表示データをI/O61dにセットする。
S93では当たりの判定を行う。当たりの判定は、最古の普図抽選保留乱数の「当たり抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数と、ROM61bに記憶した当たり抽選データとに基づき行なう。抽選の方式は大当たり抽選の場合と同様である。S94ではS93の当たりの判定の結果、当たりと判定した場合はS95へ進み、そうでない場合はS96へ進む。S95では当たりフラグをONにする。
S96では「普図変動時間カウンタ」に初期値を設定する。また、当たりの判定結果及び普図変動時間を示す情報をI/O61dにセットする。これらの情報は、図23(b)のS16により副制御基板80へ出力することになる。S97では普図表示装置30に普通図柄を変動表示するための表示データをI/O61dにセットする。以上により一単位の普図関連処理を終了する。
<カウンタ更新処理>
次に、図20を参照してS18のカウンタ更新処理について説明する。図20はカウンタ更新処理のフローチャートである。S101では「特図変動時間カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS105へ進み、該当しない場合はS102へ進む。
S102では「特図変動時間カウンタ」のカウント値を一つ減算する。S103では「特図変動時間カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS104へ進み、該当しない場合はS105へ進む。S104では副制御基板80へ図柄停止コマンドを送信する。副制御基板80はこのコマンドを受けてLCD110が表示する装飾図柄の変動を停止する。
S105では「普図変動時間カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS107へ進み、該当しない場合はS106へ進む。S106では「普図変動時間カウンタ」のカウント値を一つ減算する。S107では「可変入賞口開放時間カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS109へ進み、該当しない場合はS108へ進む。S168では「可変入賞口開放時間カウンタ」を一つ減算する。
S109では「大入賞口開放時間カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS62へ進み、該当しない場合はS61へ進む。S61では「大入賞口開放時間カウンタ」を一つ減算する。S62では「大入賞口開放待ちカウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合は一単位のカウンタ更新処理を終了し、該当しない場合はS63へ進む。S63では「大入賞口開放待ちカウンタ」を一つ減算する。以上により一単位のカウンタ更新処理を終了する。
<演出の制御処理>
次に、副制御回路81のCPU81aが実行する処理の例について図21を参照して説明する。図21(a)はCPU81aが実行するメイン処理の例を示すフローチャート、図21(b)はカウンタタイマ81eからの割り込み信号を契機としてCPU81aが実行するタイマ割り込み処理の例を示すフローチャートである。
<メイン処理>
電源の投入により、CPU81aはS101で初期処理を行なう。ここではCPU81aのレジスタの初期設定等、副制御回路81全体の各種初期設定を行う。S102では主制御基板60からの制御コマンドに応じた処理を実行する。詳細は後述する。S103ではS102の処理結果に応じてI/O81dの出力ポートから各デバイスへ制御信号を出力する。その後、S102へ戻り、電源断まで同様の処理を繰り返す。
<タイマ割り込み処理>
S111では主制御基板60から制御コマンドを受信したか否かを判定する。該当する場合はS112へ進み、該当しない場合はS113へ進む。S112では受信した制御コマンドをRAM81cに保存する。S113では演出データの更新処理を行なう。ここでは、現在選択されている演出パターンに応じてLCD110の表示内容、駆動用移動部材120の移動態様等を更新する処理を行なう。S114では、LCD110や駆動用移動部材120等の制御信号をI/O81dから出力する。以上により一単位のタイマ割り込み処理が終了する。
<コマンド処理>
図22はS102のコマンド処理の例を示すフローチャートである。S121ではRAM81cにおける制御コマンドの記憶領域を参照して、未処理の主制御基板60からの制御コマンドの有無を判定する。未処理の制御コマンドがある場合は最古の制御コマンドを取得してS122へ進み、ない場合は一単位のコマンド処理を終了する。
S122では制御コマンドが変動パターン番号を示すコマンドか否かを判定する。該当する場合はS123へ進み、該当しない場合はS124へ進む。S123では制御コマンドに示された変動パターン番号に応じて演出パターンを選択する。演出パターンには、LCD110に表示する画像の表示パターン、駆動用移動部材120の移動パターン、スピーカ86の音出力パターンやLED87の発光パターン等が含まれる。ここで、変動パターン番号は特図抽選の結果に基づき(図24)、特図抽選は大当たりの抽選結果に基づいている(図23(b)及び(c))。したがって、演出パターンの選択は、大当たりの抽選結果に基づいていることになる。なお、本実施形態をスロットマシンに適用する場合、演出パターンの選択は、小役、ボーナス等の入賞役の内部当選(内部当たり)の当否の抽選結果に基づいて行うことができる。
S124では制御コマンドが図柄停止コマンドであるか否かを判定する。該当する場合はS125へ進み、該当しない場合はS126へ進む。S125ではLCD110の図柄の変動表示を停止するよう設定し、上述したS103でそのコマンドをLCD制御基板221へ出力することになる。S126では、その他の処理を行なう。ここではその他の種類の制御コマンドに応じた処理を行なう。以上により一単位のコマンド処理が終了する。 <演出例>
次に、遊技台Aが実行可能な演出の例について説明する。まず、装飾図柄の変動表示に関わる演出形態について概説する。
<演出形態の概略>
図25は変動パターン番号毎の演出形態を示す図である。図中、「装飾図柄の組合せ」はLCD110が停止表示する最終的な装飾図柄の組合せを示し、外れ、通常大当たり、特別大当たりの3種類に大別される(図14(b)参照)。「演出形態」は、各変動パターン毎に対応した演出形態の種類を大別して示すものであり、リーチなし、ノーマルリーチ、ノーマル逆転リーチ、ロングリーチ1乃至3の6種類がある。「変動時間」は、特別図柄及び装飾図柄の変動表示開始から全図柄の停止表示までの時間を示す。ノーマル逆転リーチは、大当たりの抽選結果が外れの場合には選択しない。したがって、ノーマル逆転リーチの演出が出現した場合、通常大当たり又は逆転大当たりとなる。なお、ノーマル逆転リーチは、一旦外れの装飾図柄の組合せを仮表示した後、大当たりの装飾図柄の組合せを確定的に表示して、通常大当たり又は特別大当たりとする演出形態である。
図29は各演出形態におけるLCD110の基本的な表示パターンの例を示す図である。同図左上の「変動開始」は、LCD110が装飾図柄の変動表示を開始した状態を模式的に示す。本実施形態では3つの装飾図柄をそれぞれ変動表示し、停止表示することで装飾図柄の組合せを表示する。停止表示は、左→右→中の順で行うものとし、それぞれ第1停止表示、第2停止表示、第3停止表示ともいう。無論、停止表示の形態はこれに限られない。
図29において、「第1停止表示」は左の装飾図柄を停止表示した態様を示す。「第2停止表示」及び「第2停止表示(リーチ)」は右の装飾図柄を停止表示した態様を示す。「第3停止表示」は中の装飾図柄を停止表示した態様を示し、これにより装飾図柄の組合せが確定する。
本実施形態では、このような各装飾図柄を停止表示する過程において、全ての装飾図柄を停止表示する前に、停止表示された装飾図柄により特定の組み合わせとなった場合をリーチ状態と呼ぶ。本実施形態では、図29の「第2停止表示(リーチ)」のように、停止表示された2つの装飾図柄が共通した組合せの場合はリーチ状態である。逆に、図29の「第2停止表示」のように、停止表示された2つの装飾図柄が共通しない組合せの場合はリーチ状態ではない。
リーチ状態となると、リーチ演出を実行して第3停止表示に至る。リーチ演出は、例えば、装飾図柄の背景画像をキャラクタ画像等による演出画像としたもの(ロングリーチ)と、背景画像をシンプルな演出画像としたもの(ノーマルリーチ、ノーマル逆転リーチ)と、に分けることができる。キャラクタ画像等による演出画像とした場合には、図29のロングリーチに示すように、装飾図柄の変動表示の表示部分は縮小して右上に移動させることができる。
<演出パターンの選択>
次に、図22のS123における演出パターンの選択例について説明する。演出パターンはROM81bに記憶した演出パターンテーブルに基づき選択することができる。演出パターンテーブルは、例えば、各変動パターン番号に対応する各演出パターンを示す情報とその抽選データとから構成される。ある演出パターンを選択すると、その演出パターンに対応するデータを読み出し、読み出したデータに基づき各演出デバイスの制御を行う。
図26乃至図28は演出パターンの例を示す図である。図26乃至図28は、演出パターンのうち、特に、装飾図柄の停止表示時の組合せ、駆動用移動部材120の移動パターンを示すものである。演出パターンには、この他に、LCD110が表示する背景画像やその他の演出デバイスを動作させる情報を含む。
演出パターンテーブルは、各変動パターン番号毎に複数の演出パターンを規定している。例えば、図26に示す変動パターン番号が変動1の場合、8種類の演出パターンを規定している。図26は変動パターン番号が変動1〜5の場合、つまり、大当たりの抽選結果が外れの場合の演出パターンを規定する。図27は、変動パターン番号が変動6〜10の場合、つまり、大当たりの抽選結果が大当たりであり、かつ、特図抽選により通常大当たりとなった場合の演出パターンを規定する。図28は、変動パターン番号が変動11〜15の場合、つまり、大当たりの抽選結果が大当たりであり、かつ、特図抽選により特別大当たりとなった場合の演出パターンを規定する。
図26乃至図28中、「選択確率」はある変動パターン番号に対して選択する演出パターンの選択確率を示す。例えば、変動パターン番号が変動1の場合、16/128の確率で、「装飾1」−「装飾7」−「装飾8」の装飾図柄の組合せを停止表示し、また、移動パターン番号1に基づく駆動用移動部材120の移動制御を行う演出パターンを選択する。
「仮停止図柄の組合せ」とは装飾図柄の組合せの変動表示開始後、リーチ状態として、一旦装飾図柄の組合せを仮表示した後、別の装飾図柄の組合せを確定的に表示する場合における、仮表示する装飾図柄の組合せを示し、「停止図柄の組合せ」は確定的に表示する装飾図柄の組合せを示す。
例えば、図27の変動パターン番号:変動6の演出パターンのうち、最上段の演出パターンでは、「装飾2」−「装飾1」−「装飾2」の装飾図柄の組合せを仮に表示し(外れ)、「装飾2」−「装飾2」−「装飾2」の装飾図柄の組合せを確定的に表示する。また、図28の変動パターン番号:変動12の演出パターンのうち、最上段の演出パターンでは、「装飾8」−「装飾8」−「装飾8」の装飾図柄の組合せを仮に表示し(通常大当たり)、「装飾1」−「装飾1」−「装飾1」の装飾図柄の組合せを確定的に表示する(特別大当たり)。「仮停止図柄の組合せ」に装飾図柄の種類が記載していない演出パターンは、仮停止がない演出パターンである。
<移動パターン>
次に、駆動用移動部材120及び従動用移動部材121の移動パターン例について説明する。図26乃至図28に示すように本実施形態では、各演出パターン毎に移動パターンの種類を規定している。図30は移動パターンの内容の例を示す図である。
図30において、「移動態様」は駆動用移動部材120及び従動用移動部材121の移動状態の内容を示す。図30の例では、便宜的に、装飾図柄の変動開始を示す「変動開始」から、全ての装飾図柄の停止表示が完了した「全停止」までの、駆動用移動部材120及び従動用移動部材121の移動制御の内容を示しているが、駆動用移動部材120及び従動用移動部材121の移動態様は、装飾図柄の変動時間の中で時間を軸として駆動用移動部材120の移動を制御することにより変化させる。
また、駆動用移動部材120の移動速度(制御上の目標値)も予め設定され、駆動用移動部材120が単独移動する場合は、従動用移動部材121が従動する場合よりも移動速度が速く設定される。但し、駆動用移動部材120の単独移動と従動用移動部材121の従動とが連続して行われる場合には、移動速度は速く設定しない。単独移動から従動に変化する際に速度変化が生じるためである。
例えば、上述した全開状態⇔全閉状態(駆動用)、全開状態⇔半閉状態(駆動用右)或いは全開状態⇔半閉状態(駆動用左)の変化の場合や、全閉状態(右)⇔半閉状態(右)或いは全閉状態(左)⇔半閉状態(左)の変化の場合は、移動速度を速く設定する。一方、全開状態⇔全閉状態(右)、全開状態⇔全閉状態(右)の変化の場合は、移動速度は速く設定しない。
また、一部の移動パターンにおいては、従動用移動部材121が従動する場合と同じ移動速度を、駆動用移動部材120が単独移動する場合にも設定してもよい。
駆動用移動部材120が単独移動する場合の移動速度や、従動用移動部材121が従動する場合の移動速度は、複数種類設定可能であるが、この場合、駆動用移動部材120が単独移動する場合の最速移動速度は、従動用移動部材121が従動する場合の最速の移動速度よりも速く設定される。
図30において、移動パターン1は、駆動用移動部材120及び従動用移動部材121が常時全開状態である。移動パターン2では、変動開始直後に半閉状態(駆動用右)となり、駆動用移動部材120Rが高速移動して表示画面111の右半分を覆う。その後、全開状態となる。変動開始直後に半閉状態(駆動用右)となることで、何か起こるのではないか(大当たりではないか)との期待感を遊技者に与える演出である。
移動パターン57では、全開状態の後、全閉状態(駆動用)になり再び全開状態となる。この場合、例えば、表示画面111の装飾図柄はリーチ状態となっている。つまり、全閉状態としてリーチ状態を予感させ、全開状態としてリーチ状態となっていることを示す。このような場合、表示画面111の開閉が高速に行われることにより(全閉状態(駆動用))、演出効果が増す。その後、半閉状態(駆動用右)→全開状態→半開状態(駆動用右)→全開状態となって、装飾図柄の組合せが確定的に表示される。この間、駆動用移動部材120Rが表示画面111の右半分を覆う→覆わない、が繰り返されることにより、最終結果に対する遊技者の期待感を向上させることができる。
移動パターン96では、全開状態の後、全閉状態(左)となる。全閉状態(左)となる前に、例えば、表示画面111の装飾図柄はリーチ状態となっている。全閉状態(左)となった後、半閉状態(左)と全開状態(左)とが繰り返される。この間、従動用移動部材120Lは表示画面111の左半分を覆った状態で静止し、駆動用移動部材120Lが表示画面111の右半分を覆う→覆わない、が繰り返されることにより、最終結果に対する遊技者の期待感を向上させることができる。そして、全開状態→全閉状態(駆動用)→全開状態となって、装飾図柄の組合せが確定的に表示される。このような場合、表示画面111の開閉が高速に行われることにより(全閉状態(駆動用))、演出効果が増す。
なお、駆動用移動部材120及び従動用移動部材121の移動態様は例示であり、種々の移動態様を採用可能である。また、駆動用移動部材120及び従動用移動部材121の各移動態様を実行するタイミングも様々に設定でき、例えば、変動開始前、変動開始時、第1停止表示時、第2停止表示時、第3停止表示時、リーチ演出発生直前、リーチ演出発生時、等が挙げられる。
<移動パターンによる示唆>
駆動用移動部材120及び従動用移動部材121のこのような複数種類の移動パターンを選択的に実行することで、LCD110の表示内容との組合せにより、遊技者に対してリーチ状態となること、或いは、大当たりとなること等、遊技の進行内容、遊技結果を示唆する演出が可能となる。
図26乃至図28には、移動パターン番号として、1〜96まで例示したが、これらには同じ移動パターンのものを含めることができる。そして、変動パターン番号毎に、各種の移動パターンの選択確率を偏らせたり、特定の移動パターンを選択肢に含ませたり含ませなかったりすることで、遊技の進行内容、遊技結果を示唆する演出が可能となる。例えば、大当たり時には、特定の移動パターンの選択確率を高くし、外れ時には低くすることで、特定の移動パターンの出現の有無を大当たりと関連付け、遊技の興趣を向上できる。
<移動部材の形態と演出例>
上述したとおり、駆動用移動部材120及び従動用移動部材121の本体部には、シンボルが施される。図31(a)乃至(c)は各駆動用移動部材120及び従動用移動部材121に施されるシンボルの説明図である。
シンボルは、例えば、文字、図形、記号等を示す絵であり、透明部120CR、121CRの表面に、透明の基材上に絵(シンボル)が印刷されたシールを貼り付けることにより形成できる。この場合、この絵(シンボル)を自体が、絵を認識できる程度に透光性を有していてもよい。
また、透明部120CR、121CRの表面に直接絵を印刷してもよく、更に、このような平面的なものの他、透明部120CR、121CRの表面に凹凸を形成して着色することで、立体的に構成してもよい。
また、シンボルの周囲は、透光性を有しておれば、有色としたり、或いは、背景となる模様等が付されていてもよい。
図31(a)は、各駆動用移動部材120及び従動用移動部材121に施されるシンボルの例を示している。駆動用移動部材120Lの透明部120CRには的を模したシンボルLSY1が施され、従動用移動部材121Lの透明部121CRには的を射抜く矢を模したシンボルLSY2が施されている。駆動用移動部材120Rの透明部120CRには家紋の半分を示すシンボルRSY1が施され、従動用移動部材121Rの透明部121CRには家紋の残り半分を示すシンボルRSY2が施されている。
図31(b)は、駆動用移動部材120の正面側に従動用移動部材121が位置したときに、各シンボルから構成される別のシンボル(以下、合成シンボルともいう。)の例を示す図であり、駆動用移動部材120及び従動用移動部材121の移動パターンを例示している。
図31(b)の左側の図は、シンボルLSY1とシンボルLSY2により、的に矢が刺さった状態を模した合成シンボルが構成された例を示している。上記の通り、従動用移動部材121は、駆動用移動部材120の正面側を移動し、かつ、シンボルLSY2は透明部121CRに施されているので、透明部121CRの背後にシンボルLSY1が位置しているとき、シンボルLSY2と、透明部121CRを介して透けて見えるシンボルLSY1とにより、同図に示す合成シンボルが遊技者に見えることになる。同様に、図31(b)の右側の図は、シンボルRSY1とシンボルRSY2により、家紋を示す合成シンボルが構成された例を示している。
このように本実施形態では、駆動用移動部材120と従動用移動部材121との位置により、シンボルLSY1、RSY1と、シンボルLSY2、RSY2とから、それぞれ、合成シンボルが構成される。よって、駆動用移動部材120及び従動用移動部材121の動作に加えて、各シンボルにより演出効果を向上でき、より多彩な演出を実現できる。
図31(c)は、駆動用移動部材120L及び従動用移動部材121Lについて、別の移動パターンを例示しており、シンボルLSY1とシンボルLSY2により、的に矢が刺さった状態を模した別の合成シンボルが構成された例を示している。図31(b)の左側の図と、図31(c)とを比較すると、前者の合成シンボルは、的の中心に矢が刺さっている状態を示しているのに対し、後者の合成シンボルは、的の中心から外れた位置に矢が刺さっている状態を示している。このように、同じシンボル(LSY1、LSY2)から異なるシンボルを表すことができ、これらの移動パターンを用意しておき、選択することで、更に多彩な演出を実現できる。
次に、図32は、図31(a)に示したシンボルによる演出例、つまり、演出パターン(移動パターン)の選択例を示す。ここでは、シンボルLSY1、LSY2による演出例を示す。本実施形態の場合、駆動用移動部材120及び従動用移動部材121の本体部全体が透明部120CR、121CRで形成されている。このため、駆動用移動部材120及び従動用移動部材121が表示画面111を覆っている場合であっても、表示画面111に表示された画像が見え、合成シンボルと表示画面111の画像との連携による演出が可能である。なお、駆動用移動部材120及び従動用移動部材121が表示画面111を覆っている場合であっても、表示画面111に表示された画像が見えることにより、全閉状態等において、表示画面111の隠蔽効果が薄れるが、この場合は、駆動用移動部材120及び従動用移動部材121の背後の領域において、表示画面111の画像を暗くするなど、駆動用移動部材120、従動用移動部材121によって、あたかも表示画面111が隠蔽されたように見せることもできる。
図32(a)は、駆動用移動部材120及び従動用移動部材121が全開状態にあり、表示画面111に表示される装飾図柄はリーチ状態となっている。この状態から、図32(b)の状態に表示画面111の画像が切り替えられ、リーチ演出が開始される。図32(b)の状態では表示画面111には、馬に乗った殿様が流鏑馬をしていることを示す画像が表示されている。
この状態から図32(c)に示すように駆動用移動部材120Lが右に移動し、シンボルLSY1が表示画面111上に出現する。シンボルLSY1は、それ単体で、的の出現という演出効果を奏し、表示画面111の画像との絡みで、殿様が流鏑馬をしていることを遊技者に認識させる。駆動用移動部材120Lは、従動用移動部材121Lを従動して表示画面111の右端まで移動し(全閉状態(左)/不図示)、左へ移動する。その停止位置により、駆動用移動部材120Lと従動用移動部材121Lとの相対位置が異なり、図32(d)又は図32(e)の状態となる。
図32(d)では、シンボルLSY1とLSY2とにより、矢が的の中心に刺さった合成シンボルが構成され、表示画面111には大当たりが成立したことを示す画像が表示されている。また、図32(e)では、シンボルLSY1とLSY2とにより、矢が的の中心から外れた位置に矢が刺さっている合成シンボルが構成され、表示画面111には図32(d)とは異なり、外れを示す画像が表示されている。
このように合成シンボルの種類により、異なる画像を表示することで、より多彩な演出を実現できる。また、図32(d)に示す演出が出現するか、図32(e)の演出が出現するかにより、遊技の進行内容、遊技結果を示す演出又は示唆する演出が可能となり、出現する合成シンボルの種類や、これと組み合わされる表示画面111の画像の種類により、つまり、大当たりした場合に移動させる駆動用移動部材120やその移動態様の選択率を異ならせることができる。例えば、大当たり時には、図32(d)の移動パターンの選択確率を高くし、外れ時には低くする一方、大当たり時には、図32(e)の移動パターンの選択確率を低くし、外れ時には高くする。こうすることで、演出内容と大当たりと関連付けられ、遊技の興趣を向上できる。
<移動部材等の他の構成例>
本実施形態では、駆動用移動部材120及び従動用移動部材121の各本体部に透明部120CR、121CRを設けたが、正面側に位置する移動部材のみに透明部を設けてもよい。また、透明部を設ける移動部材については、その本体部の一部であってもよい。図33(a)及び(b)は、移動部材の他の構成例を示す説明図である。
図33(a)は、駆動用移動部材120Rの本体部全体を不透明な隠蔽部121CLで構成し、その表面にシンボルRSY1を施す一方、従動用移動部材121Rの本体部の周縁以外の部分のみを透明部121CRとし、その表面にシンボルRSY2を施した例を示す。図33(b)は駆動用移動部材120Rと従動用移動部材121Rとが重なることで、シンボルRSY1とシンボルRSY2とにより合成シンボル(家紋)が構成された状態を示している。シンボルRSY1が透明部121CRの背後に位置していることで、透明部121CRを介して透けてシンボルRSY1が見え、合成シンボルが構成されている。
次に、駆動用移動部材120及び従動用移動部材121に施されたシンボルにより構成される合成シンボルを、該シンボルと、表示画面111に表示された画像とにより構成してもよい。図33(c)乃至(e)はその説明図である。
図33(c)乃至(e)において、駆動用移動部材120R及び従動用移動部材121Rの構成は、図31に示した駆動用移動部材120R及び従動用移動部材121と同じである。図33(c)は、駆動用移動部材120R及び従動用移動部材121Rが初期位置にあり、図33(d)は駆動用移動部材120Rのみが表示画面111上に移動した状態を示す。図33(d)は駆動用移動部材120Rの背後において、シンボルRSY1の隣の位置に、シンボルRSY2と同じシンボルを示す画像IMGを表示画面111に表示することにより、シンボルRSY1と画像IMGとにより、シンボルRSY1とシンボルRSY2とから構成される合成シンボルと同じ合成シンボルを構成した例を示す。
次に、駆動用移動部材120及び従動用移動部材121に施されたシンボルにより構成される合成シンボルに加えて、駆動用移動部材120及び従動用移動部材121に施されたシンボルと、表示画面111が表示する画像とにより、別の合成シンボルを構成するようにしてもよい。図34は、表示画面111の画像を用いた合成シンボルの構成例の説明図である。
図34(a)の例では、従動用移動部材121Lの本体部の上部の一部のみを透明部121CRとし、その表面にシンボルLSY2を施し、残りの部分は不透明な隠蔽部121CLとしている。隠蔽部121CLの表面にはキャラクタの絵が施されている。駆動用移動部材120Lは、その本体部の周縁以外の部分のみを透明部120CRとし、その表面にシンボルLSY1を施している。
図34(b)は駆動用移動部材120Lと従動用移動部材121Lとが重なることで、シンボルLSY1とシンボルLSY2とにより合成シンボル(BOSSの文字)が構成された状態を示している。シンボルLSY1が透明部121CRの背後に位置していることで、透明部121CRを介して透けてシンボルLSY1が見え、合成シンボルが構成されている。
図34(c)は駆動用移動部材120L及び従動用移動部材121Lが初期位置にあり、表示画面111には、画像が表示された状態を示している。画像は、千両箱の画像と、その上方の、NUS!!の文字と、その右となりに2組の2本の縦斜線と、を含む。図34(d)は、駆動用移動部材120Lが右に移動し、図34(e)は全閉状態(左)となった状態を示す。図34(e)の状態では、シンボルLSY1、LSY2と、表示画面111に表示された画像とにより、シンボルLSY1及びLSY2を含んだ合成シンボル(BONUS!! $$)が構成されている。このように、図34(b)に示した移動部材のシンボル同士による合成シンボルと、図34(e)に示した移動部材のシンボルと画像とによる合成シンボルとを、駆動用移動部材120及び従動用移動部材121の位置により、選択的に構成することができる。
<第2実施形態>
上記第1実施形態では、駆動用移動部材120と従動用移動部材121とにより開閉可能な画像表示部を、表示画面111の全体としたが、その一部とし、駆動用移動部材120と従動用移動部材121とが、常時表示画面111上に重なる位置に位置していてもよい。
図35は本発明の第2実施形態における演出ユニットの要部の模式図である。本実施形態におけるLCD110は上記第1実施形態のLCD110よりも横長のものを使用している。フレーム101及びその開口部101aはLCD110の大きさに合わせて形成されている。本実施形態の場合、図1に示したカバー部材50は設けないか、或いは、設ける場合にはその開口部51から表示画面111全体が露出するように構成する。
駆動用移動部材120R、120Lと従動用移動部材121R、121Lとは、上記第1実施形態のものと同じ(図31(a)に示したもの)であるが、シンボルについては図示を省略している。本実施形態の場合、駆動用移動部材120及び従動用移動部材121が初期位置に位置している場合であっても、表示画面111の画像が透けて見えることになる。
図36は本実施形態における演出例を示す。ここでは、リーチ演出が開始されることを示す演出を例に挙げる。図36(a)は駆動用移動部材120及び従動用移動部材121が初期位置に位置している場合を示す。
本実施形態では、表示画面111のうち、駆動用移動部材120R及び従動用移動部材121Rと、駆動用移動部材120L及び従動用移動部材121Lと、の間から露出する部分が、開閉対象となる画像表示部111aである。画像表示部111aには、装飾図柄が表示されており、左の装飾図柄のみが停止表示されている。
初期位置において駆動用移動部材120及び従動用移動部材121は互いに重なっているため、シンボルLSY1とLSY2、及び、RSY1とRSY2、がそれぞれ合成シンボルを構成した状態になっている。そこで、これを目立たなくするため、表示画面111のうち、それらの背後の領域111bが表示する画像は暗い単一色としている。
図36(b)は、図36(a)の状態から、駆動用移動部材120R及び従動用移動部材121Rの背後の領域111bの画像を切り替え、明るい単一色の画像とした状態を示す。これにより、RSY1とRSY2とが構成する合成シンボル(家紋)を明瞭に見えることになり、遊技者から見ると、隠れていた合成シンボルが浮き出たように見えることになる。
図36(c)は、図36(b)の状態から、駆動用移動部材120R及び従動用移動部材121Rの背後の領域111bの画像を再び暗い明るい単一色の画像とし、画像表示部111aに表示する装飾図柄をリーチ状態とした状態を示す。つまり、図36(b)の状態は、リーチ状態になることを示唆する演出となる。
このような構成により、駆動用移動部材120及び従動用移動部材121が初期位置にある場合であっても、表示画面111の表示画像による演出効果を向上し、演出のバリエーションを増やすことができる。
<第3実施形態>
抵抗機構140としては、図7の構成以外にも種々の構成が採用できる。図37は他の抵抗機構の例を示す図である。同図において、抵抗機構140Rは従動用移動部材121Rの移動に抵抗する。なお、従動用移動部材121L用の抵抗機構も同様の構成である。
本実施形態における抵抗機構140Rは、ローラ1401と、一方端部においてローラ1401を回転自在に支持し、他方端部においてフレーム101(不図示)に回動自在に支持されたアーム板1402と、アーム板1402に一端が取付けられ、他端がフレーム101(不図示)に取付けられたスプリング1403と、を備える。
ローラ1401は従動用移動部材121Rの取付部121aの上面に当接する。本実施形態の場合、ラック部121cは設ける必要はない。スプリング1403は、ローラ1401が常時取付部121aの上面を斜め下方へ押圧するようにアーム板1402を付勢する。ローラ1401の押圧により、従動用移動部材121が移動しにくくなり、駆動用移動部材120Rの移動の勢いによって、従動用移動部材121Rが跳ね飛ばされるようにして急に移動してしまうことを防止できる。
<第4実施形態>
駆動用移動部材120の単独移動の後、従動用移動部材121の従動を連続して行う場合、被係合部120dと、係合部121e又は121fとの衝突の衝撃により、モータ131R又は131Lが脱調する虞がある。そこで、脱調を防止するように制御することもできる。
このような制御としては、例えば、駆動用移動部材120の被係合部120dと、従動用移動部材121の係合部121e又は121fとが係合する手前で、駆動用移動部材120の移動速度を遅い移動速度に変更する。係合後には、遅い移動速度のままとしてもよいし、元の移動速度に戻すようにしてもよい。
この制御の場合、駆動用移動部材120の被係合部120dと、従動用移動部材121の係合部121e又は121fと、が係合する位置、換言すれば、従動用移動部材121の位置を検出する必要がある。従動用移動部材121の位置は、センサを設けて検出することもできるが、駆動用移動部材120の位置、即ち、モータ131R又は131Lへの駆動パルスにより検出することもできる。
例えば、駆動用移動部材120が、従動用移動部材121を従動せずに移動できる最大距離に相当する駆動パルス数をXとする。駆動パルス数Xは、係合部121eと係合部121fとの離間距離に相当する。駆動用移動部材120及び従動用移動部材121が共に初期位置にあり、駆動用移動部材120が表示画面111上へ移動する場合、駆動パルス数Xまでの間、従動用移動部材121は不動である。駆動パルス数Xを超えた場合、駆動用移動部材120が同方向に移動する限り、超えた駆動パルス数分だけ従動用移動部材121が移動する。例えば、駆動用パルス数がY(>X)の場合、従動用移動部材121は、駆動パルス数:Y−Xに相当する距離だけ移動することになる。
駆動用パルス数がY(>X)の場合、その後、駆動用移動部材120が逆方向に移動すると、逆方向の移動の駆動パルス数がXまでの間、従動用移動部材121は不動である。したがって、例えば、駆動用パルス数をY(>X)として駆動用移動部材120を一方方向に移動した後、駆動用パルス数をZ(>X)として駆動用移動部材120を逆方向に移動した場合、従動用移動部材121は、駆動パルス数:Y−Xに相当する距離だけ一方向に移動した後、駆動パルス数:Z−Xに相当する距離だけ逆方向に移動することになる。
従動用移動部材121のこのような移動量は、ソフトウエアカウンタにより管理できる。ソフトウエアカウンタは、例えば、従動用移動部材121が初期位置にある場合(駆動用移動部材120が初期位置にある場合)にリセットする。そして、モータ131R又は131Lの駆動パルス数をカウントする。このとき、初期位置にある駆動用移動部材120を同方向に移動させる駆動パルス数がXの範囲内にあるときは、カウンタは駆動パルス数をカウントせず、Xを超えると駆動パルス数をカウント(加算)する。また、その後、駆動用移動部材120を逆方向に移動させる駆動パルス数がXの範囲内にあるときは、カウンタは駆動パルス数をカウント(減算)せず、Xを超えると駆動パルス数をカウント(減算)する。これにより、従動用移動部材121の位置が、カウンタにより管理されることになる。
次に、モータ131R又は131Lの脱調は、構造的に防止することも可能である。具体的には、被係合部120dと、係合部121e及び121fの少なくともいずれか一方に緩衝部材を設ける。緩衝部材としては、例えば、粘弾性体が望ましい。なお、このような構造的な防止策と上記の制御による防止策とを併用してもよい。
図38(a)は、被係合部120dの両側部にそれぞれ粘弾性体122を設けた例を示す図である。粘弾性体122を設けたことで、被係合部120dと、係合部121e又は121fとの衝突の衝撃が緩和され、モータ131R又は131Lが脱調することを防止することができる。
また、別の方策として、被係合部120dと、係合部121e又は121fとが係合する際、係合が徐々に行われるように構成してもよい。具体的には、被係合部120dと、係合部121e及び121fの少なくともいずれか一方の形状として、駆動用移動部材120、従動用移動部材121の移動方向に徐々に突出量が増加する傾斜形状を採用する。
図38(b)は、その突出量が徐々に増加する傾斜形状として構成した被係合部120d'と、その突出量が徐々に増加する傾斜形状として構成した係合部121e'の説明図である。丸枠の拡大図に示すように、両者の係合は、最突出部分が傾斜面上を摺動して開始され、最終的に互いの最突出部分が係合する。係合が徐々に行われるので、モータ131R又は131Lが脱調することを防止することができる。なお、この構成例の場合、係合が進行するに従って、被係合部120d'と121e'とが若干離れる方向に変位することになるが、これは部材の弾性変形を利用すればよい。
<第5実施形態>
上記各実施形態では、駆動用移動部材と従動用移動部材とを1組として、左右にそれぞれ1組ずつ、合計2組設けたが、1組のみとしてもよい。例えば、駆動用移動部材120Lと、従動用移動部材121Lのみを設けた構成としてもよい。
また、上記各実施形態では、駆動用移動部材と従動用移動部材との2つの部材を1組として合計4つの移動部材を用いたが、2つの移動部材を用いる構成でもよい。図39は、移動部材の他の構成例を示す説明図であり、移動部材を、駆動用移動部材120L'及び駆動用移動部材120R'から構成し、従動用移動部材121を設けない例を示す。この構成例の場合、駆動用移動部材120L'と駆動用移動部材120R'とは、表示画面111の法線方向に互いにずれた面上を移動するように構成するが、その余の構成については、上述した駆動用移動部材120と同様である。
図39(a)は、駆動用移動部材120L'と駆動用移動部材120R'とが初期位置にある状態を示す。駆動用移動部材120R'の表面にはシンボルSY1が、駆動用移動部材120L'の表面にはシンボルSY2がそれぞれ施されている。
図39(b)は駆動用移動部材120L'と駆動用移動部材120R'とが全閉状態にある場合を示し、図39(c)は、駆動用移動部材120L'と駆動用移動部材120R'とが互いに重なって、シンボルSY1とシンボルSY2とにより合成シンボルが構成された状態を示す。
このように、2つの移動部材を用いる構成でも、合成シンボルを構成することができる。なお、上記各実施形態では、各移動部材を平行移動する構成としたが、回動する構成でもよい。
<第6実施形態>
上記各実施形態では、光センサ150R及び150Lにより、駆動用移動部材120R及び120Lの初期位置を検知するようにした。ここで、駆動用移動部材120R及び120Lは、全閉状態(駆動用、右、左)の場合に、その端部が最近接するが、その際、互いの端部が強く当接すると、モータ131R又は131Lが脱調する場合がある。強く当接しないようにするためには、互いの端部が最近接する場合においても、所定の少量の隙間(例えば、0.5mm)を維持するようにすることが好ましい。このような隙間をより確実に確保するためには、駆動用移動部材120の位置を検知して制御することが望ましい。
そこで、本実施形態では、初期位置以外の位置についても駆動用移動部材120の位置を検知する。図40はその説明図である。
図40(a)はフレーム101上部のセンサ配置を示しており、同図の例では、開口部101aの上方中央部に光センサ151R、151Lが配置されると共に、開口部101aの上方各端部に光センサ152R、152Lが配置されている。
図40(b)は、本実施形態における駆動用移動部材120Rの構成を示しており、その左端上部には、被検知片120gが形成されている。駆動用移動部材120Lについては図示しないが、同様にその右端上部に被検知片120gが形成される。
光センサ151R及び光センサ152Rは駆動用移動部材120Rの被検知片120gを検知する。また、光センサ151L及び光センサ152Lは駆動用移動部材120Lの被検知片120gを検知する。
そして、光センサ151R、151Lは、それぞれ、駆動用移動部材120R、駆動用移動部材120Lが全閉状態(駆動用)の位置に移動したことを検知するよう配置し、かつ、駆動用移動部材120Rと駆動用移動部材120Lとが所定の少量の隙間を持って近接した位置にてこれらを検知するよう配置する。
また、光センサ152Rは、駆動用移動部材120Rが全閉状態(右)の位置に移動したことを検知するよう配置し、かつ、駆動用移動部材120Rと駆動用移動部材120Lとが所定の少量の隙間を持って近接した位置にてこれらを検知するよう配置する。
そして、光センサ152Lは、駆動用移動部材120Lが全閉状態(左)の位置に移動したことを検知するよう配置し、かつ、駆動用移動部材120Rと駆動用移動部材120Lとが所定の少量の隙間を持って近接した位置にてこれらを検知するよう配置する。
このように光センサを増設することで、モータ131R又は131Lが脱調することを防止できる。
<第7実施形態>
上記第1実施形態では、透明部120CR、121CRを透かして背後の表示画面111の画像を遊技者に見せることができる。しかし、駆動用移動部材120と従動用移動部材121とは、表示画面111の法線方向に互いにずれた面上を移動するように構成されているため、表示画面111からの離間距離が異なっている。このため、透明部120CRの背後の領域と透明部121CRの背後の領域とで、遊技者に見える画像の鮮明度が異なる場合があり、遊技者に違和感を与える場合がある。
図41(a)は、駆動用移動部材120Lと従動用移動部材121Lとが全閉状態(左)にある場合を示し、図41(b)は、駆動用移動部材120Lと従動用移動部材121Lの各本体部とLCD110との配置を示す平面図である。
図41(b)に示すように、駆動用移動部材120Lは表示画面111から距離d2だけ離間しており、従動用移動部材121Lは表示画面111から距離d1(>d2)だけ離間している。このため、透明部121OPを透かして見える表示画面111の画像は、透明部120OPを透かして見える表示画面111の画像よりも、ぼけて見える場合がある。
そこで、全閉状態(右)や全閉状態(左)の場合のように、駆動用移動部材120と従動用移動部材121とが表示画面111を覆う場合、表示画面111と相対的に距離が近い透明部の背後においては、表示する画像をぼかして表示する。図41(c)は、全閉状態(左)の場合における表示画面111の画像の表示例を示しており、表示画面111のうち、透明部120OPの背後の領域111Rにおいては画像を少しぼかしている。これにより、遊技者に見える画像の鮮明度をより均一にすることができる。なお、全閉状態(右)や全閉状態(左)以外の状態においても、駆動用移動部材120と従動用移動部材121とが表示画面111を覆う場合、同様の考え方により画像の鮮明度をより均一にすることができる。
<他の実施形態>
上記実施形態では、パチンコ機に本発明を適用した例を示したが、スロットマシン等、他の遊技台にも本発明は適用可能である。スロットマシンとしては、例えば、遊技メダルを使用するスロットマシン、遊技球を使用するスロットマシンが挙げられる。また、その他の遊技台として、アレンジボール遊技台、じゃん球遊技台が挙げられる。また、カジノマシンに本発明を適用してもよい。