<第1実施形態>
<全体構成>
図1は本発明の一実施形態に係る遊技台Aの正面図である。遊技台Aはパチンコ機であって、その正面に正面扉10を備える。正面扉10は遊技台Aの内枠(図1において不図示)に対して開閉可能であり、内枠は正面扉10を支持する。正面扉10の略中央には円形の窓部11を形成している。窓部11には透明の部材(ガラス板或いはプラスチック板)を儲け、窓部11を介して正面扉10の背後の遊技領域21が見えるように構成している。
遊技領域21は遊技盤20の正面に形成している。遊技領域21には釘22を複数立設しており、釘22は遊技領域21の正面側に突出している。遊技領域21には、また、特図始動入賞口24及び25、普図始動入賞口26、複数の入賞口27、及び、大入賞口28を設けている。本実施形態の場合、普図始動入賞口26はゲート式の入賞口であり、遊技球(パチンコ球)の入球後も遊技領域21を流下する。一方、特図始動入賞口24及び25、大入賞口28、入賞口27はいずれも、遊技球の入球後に遊技領域21からこれを排出する形式の入賞口である。これらの各入賞口にはいずれも遊技球の入球を検出するセンサ(不図示)を設けている。
特図始動入賞口25は、いわゆる電動チューリップ式の可変入賞口であり、入賞口に設けた可動の開閉部材の開閉により、遊技球の入球が規制される規制状態と、規制状態よりも遊技球が入球し易い開放状態と、の間で状態が変化する。特図始動入賞口25が開放状態にある場合には、特図始動入賞口25の開閉部材が遊技球が拾い易くなるため、規制状態よりも遊技球が入球し易くなる。一方、規制状態にある場合には、開閉部材に邪魔をされて遊技球が入球しにくくなる。
大入賞口28も可変入賞口である。大入賞口28には、これを開閉する可動の開閉部材28aを設けている。開閉部材28aは閉鎖位置と、遊技領域21の正面側へ回動した開放位置との間で回動可能である。図1は開閉部材28aが閉鎖位置にある場合を示している。開閉部材28aが閉鎖位置にある場合は大入賞口28が閉鎖されて遊技球は入球不能となり、開閉部材28aが開放位置にある場合は遊技球が大入賞口28に入球可能となる。以下、開閉部材28aが閉鎖位置にある場合を大入賞口28が閉鎖と、開閉部材28aが開放位置にある場合を大入賞口28が開放ともいう。
遊技領域21には、また、アウト口29を設けている。アウト口29は遊技領域21の最下部に位置しており、いずれの入賞口にも入球しなかった遊技球は、このアウト口29に入球し、これにより遊技領域21から排除する。
遊技領域21の下方には、普通図柄表示装置30(以下、普図表示装置ともいう。)、特別図柄表示装置32(以下、特図表示装置ともいう)を設けている。本実施形態の場合、これらはいずれも7セグメントLED表示器である。また、普図表示装置30の近傍には普図抽選保留記憶数表示装置31を、特図表示装置32の近傍には特図抽選保留記憶数表示装置33を、それぞれ設けている。普図抽選保留記憶数表示装置31は当たり判定用の乱数の保留回数を表示し、特図抽選保留記憶数表示装置33は大当たり判定用の乱数の保留回数を表示する。本実施形態の場合、普図抽選保留記憶数表示装置31、特図抽選保留記憶数表示装置33をいずれも複数のLEDで構成し、乱数の保留回数に応じた数のLEDを点灯する。
遊技台Aの下部には、上皿構成部材40と、下皿構成部材41と、を設けており、上皿構成部材40の左上部には払出口42を設けている。上皿構成部材40は払出口43から払い出される遊技球が流れ込む上皿(不図示)を構成する。上皿には遊技球を一定量貯留することができる。下皿構成部材41は不図示のレバーを操作することにより上皿から流れてくる遊技球を一定量貯留する下皿(不図示)を構成する。
発射ハンドル43は遊技者の球発射操作を受け付けるためのハンドルである。遊技台Aは、遊技球発射装置44と、上皿が貯留している遊技球を一球ずつ、遊技球発射装置44の発射位置に供給する球送り装置(図1において不図示)と、を内蔵している。遊技球発射装置44は発射ハンドル43に対する遊技者の操作量に応じた強さで、上述した球送り装置により上皿42から発射位置に供給された遊技球を、その弾発動作により発射する。遊技球は遊技領域21に設けた内レール23aと、外レール23bと、の間の通路を通って遊技領域21の上方へ飛び込むことになる。
遊技領域21の略中央には液晶表示装置(LCD)50を設けている。LCD50は各種の情報を表示する画像表示装置であり、本実施形態では液晶表示装置を採用するが他の画像表示装置であってもよい。LCD50の表示領域51は方形をなし、遊技台Aの正面側を向いている。LCD50にはシャッタユニット60を設けている。LCD50とシャッタユニット60とは本実施形態のように1セットだけ設けるだけでなく、複数セット設けてもよい。以下、シャッタユニット60について詳述する。
<シャッタユニット>
図2はシャッタユニット60の分解斜視図である。シャッタユニット60は、LCD50の表示領域51に沿って左右方向に移動可能に設けた一対の板状の扉体61、62を有する。同図の例では扉体61、62を、その移動方向である左右方向に並設しており、扉体61、62を表示領域51に対向した姿勢のままで移動させることができる。
扉体61は、格子状の本体部材61aと、本体部材61aの格子が画定する開口を埋めるシート部材61bと、を有する。本体部材61aには左右方向にラック部61cを設けている。本体部材61aとシート部材61bとは、光透過度の異なる材料で構成している。本体部材61aは、その背後が透けて見えない材料とし、シート部材61bはその背後が透けて見える材料としている。背後が透けて見える材料としては、例えば、透明な材料として常時完全に透けて見える材料を採用してもよいし、乳白色の材料としてぼんやりと透けて見える材料を採用してもよい。本実施形態では、シート部材61bが乳白色をなして、その背後がぼんやりと透けて見えるようにしている。
このように、扉体61が光透過度の異なる部分を有し、その背後が透けて見える部分を形成することで、LCD50の表示領域51を扉体61で遮蔽している場合であっても、扉体61を通して表示領域51の画像を遊技者に見せることができる。
扉体62は、扉体61と同様の構成である。扉体62は、格子状の本体部材62aと、本体部材62aの格子が画定する開口を埋めるシート部材62bと、を有し、本体部材62aには左右方向にラック部62cを設けている。
シャッタユニット60は扉体61、62の移動を案内する上部ガイドレール64、下部ガイドレール65を備える。これらの上部ガイドレール64、下部ガイドレール65は、扉体61、62の上辺部分、下辺部分が摺動する溝を形成している。本体フレーム63は、上部ガイドレール64、下部ガイドレール65を支持する。上部ガイドレール64、下部ガイドレール65はピン67a、67bにより本体フレーム63に固定している。本体フレーム63は、その背面側においてLCD50を支持する。本体フレーム63の中央部分には開口部を設けてLCD50の表示領域51が開口部を介して正面側に露出するようにしている。
本体フレーム63は、駆動ユニット68、69を支持する。駆動ユニット68、69は、本体フレーム63の背面側において、孔63a、63bにボルトを挿入して駆動ユニット68、69に設けたネジ孔に螺着することで本体フレーム63に固定している。駆動ユニット68、69は、ステッピングモータ68a、69aと、ステッピングモータ68a、69aの出力軸に固定したピニオンと噛合する歯車68b、69bと、を備える。本体フレーム63には、スリット63c、63dを設けており、このスリット63c、63dから歯車68b、69bの一部を本体フレーム63の正面側に突出させ、扉体61、62のラック部61c、62cと噛合するように構成している。しかして、駆動ユニット68、69の駆動により扉体61、62がそれぞれ独立して左右方向に移動する。なお、各駆動ユニット68、69には、歯車68b、69bの回転量を検出する不図示のセンサを設けている。このセンサの検出結果に基づいて、ステッピングモータ68a、69aをフィードバック制御することにより、扉体61、62の移動制御をより正確に行える。
シャッタユニット60は前面カバー66を備える。前面カバー66は、その中央部分に開口部66aを有し、LCD50の表示領域51が開口部を介して正面側に露出するようにしている一方、他の構成を覆うようにしている。
図3(a)乃至(c)は扉体61、62の移動態様の例を示す図である。図3(a)は扉体61、62が全開した態様を示す。この態様においては、扉体61、62の各端部61d、62dが互いに離間して表示領域51の側端部に位置し、各端部61d、62d間から表示領域が露出した状態にある。表示領域51が露出しているので、遊技者は表示領域51を視認することが容易である。この態様の場合、扉体61、62の大部分は前面カバー66に隠れている。図1も扉体61、62が全開した態様を示しており、扉体61、62の破線部分は前面カバー66に隠れた部分である。
図3(b)は扉体61、62が全閉した態様を示す。この態様においては、扉体61、62の各端部61d、62dは互いに当接しており、扉体61、62は表示領域51を覆っている。表示領域51と遊技者との間に扉体61、62が介在することで、遊技者は表示領域51を視認することが困難となる。
このように本実施形態では、一対の扉体61、62を表示領域51を遮蔽する遮蔽部材とし、表示領域51を遊技者が視認困難な遮蔽位置として扉体61、62が全閉した位置と、非遮蔽位置として扉体61、62が全開した位置とで、扉体61、62を移動制御する。
なお、本実施形態では遮蔽部材を一対の扉体61、62から構成したが、遮蔽部材は1つの部材若しくは3以上の部材から構成してもよい。また、遮蔽部材の移動方向も左右方向に限られず、上下方向でもよい。また、遮蔽部材を本実施形態のように複数の部材(扉体61、62)から構成する場合、各部材がそれぞれ表示領域51を遮蔽可能な大きさを有するようにしてもよく、各部材単体で表示領域51を遮蔽する態様、複数の部材で表示領域を遮蔽する態様を選択的に実行してもよい。また、非遮蔽位置は表示領域51が概ね露出すればよく、遮蔽位置も表示領域51が概ね遮蔽されればよい。
また、本実施形態では、外形が共通する一対の扉体61、62を遮蔽部材として用いたが、形状が異なる複数の部材から遮蔽部材を構成してもよい。また、本実施形態では、全閉時において一対の扉体61、62の各端部61d、62dが表示領域51の略中央に位置し、互いに当接するようにしたが、各端部61d、62dの位置はこれに限られず、一対の扉体61、62が表示領域51を覆う面積が、それぞれ異なっていてもよい。また、本実施形態では、全閉時において一対の扉体61、62の各端部61d、62dが互いに当接するようにしたが、互いに重なるようにしてもよい。
次に、図3(c)は扉体61、62を振動させた態様を示す。扉体61、62を矢印に示すように往復移動することで扉体61、62を振動させることで、演出効果を向上できる。扉体61、62の往復移動は1回でもよいし、複数回でもよい。
扉体61、62の往復移動の範囲は、表示領域51に表示する図柄(装飾図柄)の変動表示を遊技者が視認可能な範囲とすることが望ましい。図3(c)において、領域R1は表示領域51中の図柄の変動表示の表示部分を示す。本実施形態では3つの図柄をそれぞれ変動表示する場合を示している。線L1は領域R1の側端部の位置を示し、線L2は表示領域51の側端部の位置を示す。線L3は全開時における扉体61、62の各端部61d、62dの位置を示す。
扉体61、62を振動させる場合、扉体61、62の各端部61d、62dが、線L3の位置と、線L1と線L2との間の中から選択される位置(視認可能な位置)と、の間で往復移動するようにすることで、領域R1を遊技者が常時視認可能な状態で、扉体61、62を振動させることができる。なお、このように領域R1を遊技者が常時完全に視認可能な状態で、扉体61、62を振動することが望ましいが、各図柄の種類を遊技者が認識可能な範囲であれば、振動中の扉61、62が図柄の一部に重なってもよい。
<制御回路の構成>
次に遊技台Aの制御回路の構成について説明する。図4は主制御基板100及びこれに関連する構成のブロック図である。図5は副制御基板200及びこれに関連する構成のブロック図である。これらの制御回路は遊技盤20の背面側に設けることができる。
<主制御基板>
図4を参照して、主制御基板100は主制御回路110を搭載する。主制御回路110は遊技の進行を制御するCPU110aと、CPU110aが実行するプログラム及びデータを記憶したROM110bと、一時的なデータを記憶するRAM110cと、CPU110aと外部デバイスとの入出力インターフェースであるI/O110dと、を備え、不図示のデータバス、アドレスバスがこれらを電気的に接続している。なお、ROM110b、RAM110cは他の種類の記憶手段を採用してもよい。また、RAM110cの記憶内容は不図示のバックアップ回路により電源断時にも消失しないようにする。
主制御回路110は、また、カウンタタイマ110eを備える。カウンタタイマ110eは割り込み信号を所定周期(例えば2msec毎)で発生する。CPU110aは割り込み信号を受信すると予め定めた割り込み処理を実行する。
主制御基板100は水晶発振器111、カウンタ回路112を搭載する。水晶発振器111はCPU110aのシステムクロックとなるクロック信号を発生する。カウンタ回路112は水晶発振器111が発生するクロック信号を一定の数値範囲で循環的に高速でカウントし、大当たり抽選用の乱数を生成する。なお、本実施形態ではカウンタ回路112が水晶発振器111が発生するクロック信号をカウントする構成としたが、別の水晶発振器を設け、これが定期的に出力する信号を一定の数値範囲で循環的に高速でカウントする構成としてもよい。
センサ回路113aは各種センサ114からの信号を処理してI/O110dに出力する。CPU110aはI/O110dの入力ポートから各種センサ114の検出結果を取得することができる。各種センサ114は、特図始動入賞口24及び25、普図始動入賞口26、入賞口27、大入賞口28にそれぞれ設けた遊技球の入球を検出するセンサ、電源回路120の電源断(電圧降下)を検出するセンサを含む。
駆動回路113b及び113cはI/O110dが出力する制御信号に基づき特図表示装置32、普図表示装置30、の表示制御を行なう。駆動回路113dはI/O110dが出力する制御信号に基づき各種ソレノイド115を駆動制御する。各種ソレノイド115は特図始動入賞口25を開閉するソレノイド、大入賞口28の開閉部材28aを開閉するソレノイドを含む。駆動回路113e及び113fはI/O110dが出力する制御信号に基づき特図抽選保留記憶数表示装置33、普図抽選保留記憶数表示装置31の表示制御を行なう。CPU110aはI/O110dの出力ポートを介してこれらの各デバイスに制御信号を出力して制御することができる。
CPU110aはI/O110dを介して副制御基板200へ制御コマンドを出力する。また、CPU110aは情報出力回路115を介して情報入力回路116へ制御信号を出力する。情報入力回路116は、例えば、遊技台A毎にこれを設置する島に配した表示器の駆動回路である。
CPU110aはI/O110dを介して払出装置制御基板126へ制御信号を出力する。払出装置制御基板126はCPU110aからの制御信号に基づき、払出装置127を制御して、遊技球の払出処理を行なう。払出センサ125は払出装置127が払出した遊技球を検出するセンサであり、払い出す遊技球の数量をカウントする。
払出装置制御基板126は発射装置制御基板123へ遊技球の発射を許可する信号を出力する。発射装置制御基板123は発射ハンドル43に対する操作量を検出するハンドルセンサ121からの信号に応じて、遊技球発射装置44を構成する発射モータ122を駆動する。また、上皿構成部材40が構成する上皿から遊技球発射装置44へ遊技球を導く球送り装置124を制御する。
<副制御基板>
図5を参照して、副制御基板200は副制御回路210を搭載する。副制御回路210は演出内容を制御するCPU210aと、CPU210aが実行するプログラム及びデータを記憶したROM210bと、一時的なデータを記憶するRAM210cと、CPU210aと外部デバイスとの入出力インターフェースであるI/O210dと、を備え、不図示のデータバス、アドレスバスがこれらを電気的に接続している。なお、ROM210b、RAM210cは他の種類の記憶手段を採用してもよい。また、RAM210cの記憶内容は不図示のバックアップ回路により電源断時にも消失しないようにする。
副制御回路210は、また、カウンタタイマ210eを備える。カウンタタイマ210eは割り込み信号を所定周期(例えば2msec毎)で発生する。CPU210aは割り込み信号を受信すると予め定割り込み処理を実行する。副制御基板200は水晶発振器211を搭載する。水晶発振器211はCPU210aのシステムクロックとなるクロック信号を発生する。
音源IC212は、遊技台Aに設けたスピーカ215が出力する音のデータを記憶し、I/O210dが出力する制御信号に基づき、スピーカ215が出力する音を制御する。駆動回路213はI/O210dが出力する制御信号に基づき、遊技台Aに設けた装飾用のLED216の駆動制御を行なう。制御回路基板217は、I/O210dが出力する制御信号に基づき、駆動ユニット68、69のステッピングモータ68a、69aをそれぞれ制御する。センサ回路214は各種センサ218からの信号を処理してI/O210dに出力する。
各種センサ218は、駆動ユニット68、69の歯車68b、69bの回転量を検出するセンサ、電源回路220の電源断(電圧降下)を検出するセンサを含む。LCD制御基板221は、I/O210dが出力する制御信号に基づきLCD50の表示制御を行なう。
<遊技の概要>
遊技者が発射ハンドル43を操作すると、遊技球発射装置44が遊技球を遊技領域21の上方へ発射する。遊技球は、その後、遊技領域21に立設した複数の釘22と衝突を繰り返しながら遊技領域21の下方に流れ落ちる。遊技領域21の上方から下方へ遊技球が流れ落ちる過程で、特図始動入賞口24及び25、普図始動入賞口26、入賞口27又は大入賞口28に遊技球が入球することで入賞となり、遊技者に対して特典が与えられる。
遊技者に対する特典として、特図始動入賞口24及び25、入賞口27に遊技球が入球した場合は一定数の賞球、例えば3個の遊技球を払出口42から払い出す。大入賞口28に遊技球が入球した場合は一定数の賞球、例えば15個の遊技球を払い出す。普図始動入賞口26に入球した場合は遊技球を払出してもよいが、本実施形態では払い出しはない。
次に、本実施形態では、遊技状態として、通常遊技状態、大当たり状態、確変状態、及び、特殊遊技状態を遊技結果に応じて設定する。まず、通常遊技状態において所定の条件が成立すると、大当たり状態を設定する。大当たり状態が終了した場合には特殊遊技状態を設定する。特殊遊技状態が終了すると通常遊技状態に戻る。また、特殊遊技状態において所定の条件が成立すると、大当たり状態を設定する。大当たり状態を特別大当たりの成立により設定した場合は、確変状態を設定する。確変状態において所定の条件が成立すると大当たり状態を設定し、確変状態は大当たり状態を設定するまで継続する。
<大当たり>
遊技台Aは特図始動入賞口24又は25に遊技球が入球したことを条件として大当たりの抽選を行なう。抽選の結果は特図表示装置32が表示する。特図表示装置32は所定時間の間、図柄(特別図柄)を変動表示した後、抽選結果に応じた特別図柄を停止表示する。図14(a)は特図表示装置32が停止表示する特別図柄の例を示す図である。特別図柄は8種類あり、そのうちの6種類が大当たりの成立を示す図柄である。大当たりの成立を示す6種類の図柄のうち、3種類が特別大当たりの成立を示す図柄である。なお、大当たりのうち、特別大当たり以外の大当たりを通常大当たりと称する。
本実施形態では大当たりの抽選は、乱数を取得し、取得した乱数が予め定めた値に該当するか否かを判定(大当たりの判定)することにより行なう。大当たりの当選確率は各抽選毎に例えば1/350である。本実施形態の場合、大当たりの判定は、特別図柄の変動中には行なわない。特別図柄の変動表示中に特図始動入賞口24又は25への遊技球の入球があった場合は、その入球に対応する乱数を保留し、特別図柄の停止表示後に大当たりの判定を行なう。乱数の保留数は例えば最大4つである。従って、最大保留回数を超えて、特図始動入賞口24又は25に入球があった場合、その入球に対応する大当たりの抽選は行なわない。なお、大当たり用の乱数の保留数を「特図抽選保留記憶数」といい、特図抽選保留記憶数表示装置33によりその数を表示する。
大当たりの抽選の結果はLCD50にも表示する。LCD50は、特図始動入賞口24又は25に遊技球が入球したことを条件として、図柄(装飾図柄)の組み合わせ(ここでは3図柄の組み合わせ)を構成する各装飾図柄の変動表示を開始した後、各装飾図柄を停止表示して大当たりの抽選結果に応じた装飾図柄の組合せを表示する。LCD50は、特図表示装置32の特別図柄の変動開始及び変動終了と略同期して装飾図柄の変動表示を開始し、終了する。図14(b)はLCD50が表示する装飾図柄の例及びその組合せの表示例を示す。装飾図柄は8種類ある。また、大当たりの成立を示す装飾図柄の組合せは8種類あり、そのうちの4種類が特別大当たりの成立を示す組み合わせである。
遊技台Aは、大当たりの抽選結果が大当たりであることを条件として、予め定めた条件が成立するまで、遊技状態として大当たり状態を設定する。大当たり状態を設定している間、大入賞口28の開閉部材28aが所定回数(例えば15回)開放し、大入賞口28に遊技球が入球可能となる。1回の開放は大入賞口28に一定数の遊技球の入球(例えば9個)があるか、一定時間の経過(例えば30秒)により終了する。開閉部材28aが開放状態にあることをラウンドという。大入賞口28が上記の所定回数開放すると、つまり、ラウンド数が所定回数に達すると大当たり状態を終了する。
<当たり>
遊技台Aは普図始動入賞口26に遊技球が入球したことを条件として当たりの抽選を行なう。抽選の結果は普図表示装置30が表示する。普図表示装置30は所定時間の間、図柄(普通図柄)を変動表示した後、抽選結果に応じた普通図柄を停止表示する。図14(c)は普図表示装置30が停止表示する普通図柄の例を示す図である。普通図柄は2種類あり、そのうちの1種類が当たりの成立を示す図柄である。
本実施形態では当たりの抽選は、乱数を取得し、取得した乱数が予め定めた値に該当するか否かを判定(当たりの判定)することにより行なう。本実施形態の場合、当たりの判定は、普通図柄の変動中には行なわない。普通図柄の変動中に普図始動入賞口26への遊技球の入球があった場合は、その入球に対応する乱数を保留し、普通図柄の停止表示後に当たりの判定を行なう。乱数の保留数は例えば最大4つである。従って、最大保留回数を超えて、普図始動入賞口26に入球があった場合、その入球に対応する当たりの抽選は行なわない。なお、当たり用の乱数の保留数を「普図抽選保留記憶数」といい、普図抽選保留記憶数表示装置31がその数を表示する。
遊技台Aは、当たりの抽選結果が当たりであることを条件として、特図始動入賞口25を一定時間(例えば0.3秒)開放させる。よって、当たりが成立すると特図始動入賞口25に遊技球が入球し易くなる。
<特殊遊技状態>
遊技台Aは大当たり状態が終了したことを条件として、特殊遊技状態を設定する。特殊遊技状態を設定している間、遊技者には特典を与える。特典の内容としては、例えば、特殊遊技状態においては通常遊技状態よりも当たりの当選確率を高くすることができる。また、特殊遊技状態においては通常遊技状態よりも特図始動入賞口25を開放する時間を長くすることもできる。また、特殊遊技状態を設定している間、普図表示装置30の変動表示時間を短縮してもよい。更に、特殊遊技状態を設定している間、特図表示装置32の変動表示時間を短縮してもよい。
特殊遊技状態の終了条件は、本実施形態の場合、大当たり状態の設定終了から特図表示装置32による特別図柄の停止表示回数が予め定めた回数(例えば100回)に達するまで、又は、大当たり状態が設定されるまで、換言すれば、特図表示装置32が大当たりの成立を示す特別図柄を停止表示するまで、のいずれかが成立した場合である。
<確変状態>
遊技台Aは特別大当たりが成立したことを条件として、確変状態を設定する。確変状態を設定している間、大当たりの当選確率をアップし、大当たりが成立し易くする。確変状態は大当たりが成立したことを条件として終了する。
<遊技の進行の制御処理>
次に、主制御回路110のCPU110aが実行する処理の例について図6乃至図11を参照して説明する。図6(a)はCPU110aが実行するメイン処理の例を示すフローチャート、図6(b)はカウンタタイマ110eからの割り込み信号を契機としてCPU110aが実行するタイマ割り込み処理の例を示すフローチャートである。
<メイン処理>
電源の投入により、CPU110aはS1で初期処理を行なう。ここではRAM110cが記憶しているデータの破損チェック、電源断時にRAM110cに退避したCPU110aのレジスタの記憶内容の復帰処理等を行なう。
S2では乱数カウンタの初期値を更新する処理を行ない、その後、電源断となるまでS2の処理を繰り返す。乱数カウンタはRAM110cの一部の記憶領域にカウント値を記憶することで行なうソフトウエアカウンタであり、その種類として「特図抽選用乱数カウンタ」、「特図変動時間抽選用乱数カウンタ」、「当たり抽選用乱数カウンタ」、「普図変動時間抽選用乱数カウンタ」がある。これらのカウンタは一定の数値範囲で循環的に数値をカウントし、乱数の生成に使用する。初期値とはカウントが一巡したときに、次にカウントを開始する時の値を意味する。例えば、0〜127の数値範囲で数値をカウントする場合であって、初期値が50であった場合、次のカウントは50、51...127、0...49となる。
「特図抽選用乱数カウンタ」は、大当たりの判定結果に基づき、特図表示装置32に表示する特別図柄の種類を、図14(a)に示した、図柄の中から抽選で選択するための乱数を生成するために使用する。「特図変動時間抽選用乱数カウンタ」は、特図表示装置32に表示する特別図柄の変動時間を抽選で選択するための乱数を生成するために使用する。「当たり抽選用乱数カウンタ」は、当たりの判定を行うための乱数を生成するために使用する。本実施形態の場合、図14(b)に示したように、普図表示装置30が表示する普通図柄は当たり図柄と外れ図柄との2種類であるため、この判定結果により、普図表示装置30が表示する普通図柄の種類も定まる。「普図変動時間抽選用乱数カウンタ」は普図表示装置30に表示する普通図柄の変動時間を抽選で選択するための乱数を生成するために使用する。
<タイマ割り込み処理>
S11ではI/O110dの入力ポートから各種センサ114aの検出結果を取得する。S12では乱数カウンタを更新する。乱数カウンタとは上述した、「特図抽選用乱数カウンタ」、「特図変動時間抽選用乱数カウンタ」、「当たり抽選用乱数カウンタ」、「普図変動時間抽選用乱数カウンタ」であり、これらのカウント値を一つ加算する。また、カウントが一巡していた場合には、S2で更新した初期値にカウント値を更新する。
S13では始動入賞判定処理を行なう。ここでは、特図始動入賞口24及び25又は普図始動入賞口26への遊技球の入球の有無に関連する処理を行なう。詳細は後述する。S14では特図関連処理を行なう。ここでは、主として大当たりの判定や大当たり状態設定中の処理を行う。詳細は後述する。S15では普図関連処理を行なう。ここでは、主として当たりの判定に関連する処理を行う。詳細は後述する。
S16ではS13乃至S15での処理結果に応じて副制御基板200へ制御コマンドを送信する。S17ではS13乃至S15での処理結果に応じてI/O110dの出力ポートから各デバイスへ制御信号を出力する。S18ではカウンタ更新処理を行なう。
カウンタ更新処理では時間を計時する各種カウンタのカウント値の更新等を行なう。時間を計時するカウンタの種類には、「特図変動時間カウンタ」、「普図変動時間カウンタ」、「可変入賞口開放時間カウンタ」、「大入賞口開放時間カウンタ」、「大入賞口開放待ちカウンタ」等がある。これらのカウンタは、RAM110cの一部の記憶領域にカウント値を記憶することで行なうソフトウエアカウンタである。
「特図変動時間カウンタ」は特図表示装置32に表示する特別図柄の変動時間を計時するカウンタである。「普図変動時間カウンタ」は普図表示装置30に表示する普通図柄の変動時間を計時するカウンタである。「可変入賞口開放時間カウンタ」は特図始動入賞口25の開放時間を計時するカウンタである。「大入賞口開放時間カウンタ」は大入賞口28の開閉部材28aを開放位置に位置させた状態の時間を計時するカウンタである。「大入賞口開放待ちカウンタ」は大入賞口28の開閉部材28aを開放位置に移動させるまでの待ち時間を計時するカウンタである。待ち時間はLCD50等による演出を行うための時間を確保するために設定される。S18のカウンタ更新処理の詳細は後述する。
S19ではS11で取得したI/O110dの入力ポートのデータのうち、電源断を検出する上記のセンサの検出結果を取得し、電源断か否かを判定する。該当する場合にはS20へ進み、該当しない場合は一単位のタイマ割り込み処理を終了する。S20では電源断時の処理を行なう。ここでは例えばCPU110aのレジスタの記憶内容をRAM110cに退避する処理等を行ない、処理が終了する。
<始動入賞判定処理>
次に、図7を参照してS13の始動入賞判定処理について説明する。図7は始動入賞判定処理のフローチャートである。S31ではS11で取得したI/O110dの入力ポートのデータに基づき、特図始動入賞口24及び25に対する入球を検出したか否かを判定する。該当する場合はS32へ進み、該当しない場合はS36へ進む。
S32では特図抽選保留記憶数が規定数(例えば4)未満か否かを判定する。該当する場合はS33へ進み、該当しない場合はS36へ進む。なお、特図抽選保留記憶数はRAM110cの一部の記憶領域に記憶する。S33では特図抽選保留記憶数を更新する(一つ加算する)。また、更新後の特図抽選保留記憶数に応じて特図抽選保留記憶数表示装置33の表示データをI/O110dにセットする。S34ではカウンタ回路112から大当たり判定用の乱数を取得する。S35では、S34で取得した大当たり判定用の乱数、「特図抽選用乱数カウンタ」及び「特図変動時間抽選用乱数カウンタ」の各乱数(カウント値)を1セットにしてRAM110cの一部の特図乱数記憶領域に特図抽選保留乱数として記憶する。
S36ではS11で取得したI/O110dの入力ポートのデータに基づき、普図始動入賞口26に対する入球が検出されたか否かを判定する。該当する場合はS37へ進み、該当しない場合は一単位の始動入賞判定処理を終了する。
S37では普図抽選保留記憶数が規定数(例えば4)未満か否かを判定する。該当する場合はS38へ進み、該当しない場合は一単位の始動入賞判定処理を終了する。なお、普図抽選保留記憶数はRAM110cの一部の記憶領域に記憶する。S38では普図抽選保留記憶数を更新する(一つ加算する)。また、更新後の普図抽選保留記憶数に応じて普図抽選保留記憶数表示装置31の表示データをI/O110dにセットする。S30では、「当たり抽選用乱数カウンタ」、「普図変動時間抽選用乱数カウンタ」の各乱数(カウント値)を1セットにしてRAM110cの一部の普図乱数記憶領域に普図抽選保留乱数として記憶する。その後、一単位の始動入賞判定処理を終了する。
<特図関連処理>
次に、図8及び図9を参照してS14の特図関連処理について説明する。図8及び図9は特図関連処理のフローチャートである。S41〜S50の処理は、主として大当たり状態を設定している場合の処理である。S41では遊技状態として大当たり状態を設定中か否かを判定する。該当する場合はS42へ進み、該当しない場合はS51へ進む。遊技状態はRAM110cの一部の記憶領域に設定したフラグのON、OFFにより設定する。
S42では大入賞口28を開放中か否かを判定する。該当する場合はS43へ進み、該当しない場合はS49へ進む。大入賞口28が開放中か否かはRAM110cの一部の記憶領域を用いた大入賞口開放中フラグがONかOFFかで判定する。S43では大入賞口入賞数管理処理を行なう。ここでは大入賞口28への遊技球の入球数をカウントする処理を行なう。S44では大入賞口28の閉鎖条件が成立したか否かを判定する。該当する場合はS45へ進み、該当しない場合は一単位の特図関連処理を終了する。S44では、S43の処理の結果、大入賞口28への遊技球の入球数が一定値に達した場合、又は、大入賞口28の開放時間が一定時間に達した場合(「大入賞口開放時間カウンタ」のカウント値が0の場合)に、閉鎖条件成立と判定する。
S45では大入賞口閉鎖処理を行なう。ここでは、大入賞口28を閉鎖すべく、I/O110dにデータをセットするといった処理を行なう。また、大入賞口開放中フラグをOFFにする。S46ではラウンド管理処理を行なう。ここでは大入賞口28の開放回数をカウントする処理、及び、開放回数が所定回数に達したか否かを判定する処理等を行なう。また、大入賞口28の開放回数が所定回数に達していない場合には、「大入賞口開放待ちカウンタ」に初期値を設定する。
S47ではS46の処理結果に応じて大当たり状態を終了するか否かを判定する。大入賞口28の開放回数が所定回数に達した場合に大当たり状態を終了する。該当する場合はS48へ進み、該当しない場合は一単位の特図関連処理を終了する。S48では遊技状態管理処理を行う。ここでは遊技状態として特殊遊技状態を設定する。また、特殊遊技状態の設定に伴う設定を行なう。これには、特殊遊技状態の終了条件となる、特別図柄の停止表示回数の初期値の設定が含まれる。停止表示回数のカウント値はRAM110cの一部の記憶領域を利用した「表示回数カウンタ」により管理する。また、S48では後述するように所定の条件を満たした場合、遊技状態として確変状態も設定する。
S49では「大入賞口開放待ちカウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS50へ進み、該当しない場合は一単位の特図関連処理を終了する。S50では大入賞口開放処理を行なう。ここでは、大入賞口28を開放すべく、I/O110dにデータをセットするといった処理を行なう。また、「大入賞口開放時間カウンタ」に初期値をセットし、大入賞口開放中フラグをONにする。その後、一単位の特図関連処理を終了する。
S51〜S69の処理は、主に、特図の変動、大当たりの抽選に関する処理である。S51では「特図変動時間カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS52へ進み、該当しない場合はS56へ進む。S52では特図表示装置32に特別図柄を停止表示するための表示データをI/O110dにセットする。S56では特図表示装置32に特別図柄を変動表示するための表示データをI/O110dにセットする。
S53ではRAM110cの一部の記憶領域を用いた大当たりフラグがONか否かを判定する。該当する場合はS54へ進み、該当しない場合はS61へ進む。S54では大当たりフラグをOFFにする。S55では遊技状態として大当たり状態を設定する。また、「大入賞口開放待ちカウンタ」に初期値を設定する。
S61では特図抽選保留乱数をRAM110cに記憶しているか否かを判定する。該当する場合はS62へ進み、該当しない場合は一単位の特図関連処理を終了する。S62では、特図抽選乱数保留記憶更新処理を行なう。ここでは最古の特図抽選保留乱数を取得し、特図乱数記憶領域から消去する。また、特図抽選保留記憶数を一つ減算する。更に、更新後の特図抽選保留記憶数に応じて特図抽選保留記憶数表示装置33の表示データをI/O110dにセットする。
S63では大当たりの判定を行う。大当たりの判定は、S62で取得した特図抽選保留乱数の大当たり判定用の乱数と、ROM110bに記憶した大当たり抽選データとに基づき行なう。そして、大当たり判定用の乱数が大当たり抽選データで示された数値の範囲に含まれる場合に大当たり成立と判定する。
図15(a)は大当たり抽選データの例を示す図である。同図の例の場合、大当たり判定用の乱数が0〜65535の中のいずれかの数値をとる場合を想定している。本実施形態では、大当たり抽選データの確立状態を、遊技状態が確変状態か否かで区別しており、確変状態の場合は確変時の抽選データを、確変状態以外の場合は通常時の抽選データを選択する。確変状態の場合の方が大当たりの当選確率を高く設定している。
また、本実施形態では、大当たり抽選データを特図始動入賞が特図始動入賞口24に遊技球が入球して成立した場合と、特図始動入賞口(可変入賞口)25に遊技球が入球して成立した場合とでも区別している。
そして、大当たり判定用の乱数が同図の乱数の範囲に含まれる場合に大当たりと判定する。例えば、大当たり判定用の乱数が10001であり、確率状態が通常時で、かつ、特図始動入賞が特図始動入賞口24に遊技球が入球して成立した場合は大当たりと判定する。
S64ではS63の大当たりの判定の結果、大当たり成立と判定した場合はS65へ進み、そうでない場合はS66へ進む。S65では大当たりフラグをONにする。また、確変フラグがONの場合はOFFにする。確変フラグはRAM110cの一部の記憶領域を用いたフラグであり、遊技状態として確変状態を設定する場合にONとし、終了する場合にOFFとする。
S66では特図抽選を行う。特図抽選は大当たりフラグがONの場合とOFFの場合とで異なる。大当たりフラグがONの場合の特図抽選は、最古の特図抽選保留乱数の「特図抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数と、ROM110bに記憶した大当たり時の特別図柄抽選データとに基づき行なう。
図15(b)は大当たり時の特別図柄抽選データの例を示す図である。同図の例の場合、「特図抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数が0〜255の中のいずれかの数値をとる場合を想定している。そして、「特図抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数が同図の乱数の範囲に含まれる場合に対応する特別図柄を選択する。例えば、乱数が10の場合、特図1(図14(a)参照)を選択する。選択した特別図柄の種類は大当たりが終了するまでRAM10cの一部の記憶領域に記憶し、選択した特別図柄が特別大当たりの特別図柄である場合には、上述したS48にて確変フラグをONにし、遊技状態として確変状態を設定する。
大当たりフラグがOFFの場合の特図抽選は、最古の特図抽選保留乱数の「特図抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数と、ROM10bに記憶した外れ時の特別図柄抽選データとに基づき行なう。図15(c)は外れ時の特別図柄抽選データの例を示す図である。同図の例の場合、「特図抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数が0〜127の中のいずれかの数値をとる場合を想定している。そして、「特図抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数が同図の乱数の範囲に含まれる場合に対応する特別図柄を選択する。例えば、乱数が90の場合、特図7(図14(a)参照)を選択する。
図9に戻り、S67では変動パターン抽選処理を行う。ここでは変動パターンを抽選で選択して決定する。変動パターンはS66で選択した特別図柄の種類と、最古の特図抽選保留乱数の「特図変動時間抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数と、ROM110bに記憶した変動パターン抽選データとに基づき行なう。図16は変動パターン抽選データの例を示す図である。
同図の例の場合、「特図変動時間抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数が0〜65535の中のいずれかの数値をとる場合を想定している。そして、S66で選択した特別図柄の種類に応じて、「特図変動時間抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数が同図の乱数の範囲に含まれる場合に対応する変動パターン(変動パターン番号)を選択する。例えば、特別図柄の種類が特図8で、乱数が60001の場合、変動2の変動パターンを選択する。選択した変動パターンの種類(変動パターン番号)は図6(b)のS16により副制御基板200へ出力することになる。
変動パターンは、LCD50が表示する装飾図柄の変動表示、停止表示、演出画像、扉体61、62の移動態様を規定する。また、変動パターンは特別図柄表示装置32及びLCD50の変動表示の時間(変動時間)を規定する。詳細は後述する。
S68ではS67で選択した変動パターンに規定されている変動時間に応じて「特図変動時間カウンタ」の初期値を設定する。S69では特図表示装置32に特別図柄を変動表示するための表示データをI/O110dにセットする。
S70〜S73の処理は、主として特殊遊技状態の終了に関する処理である。S70では遊技状態として特殊遊技状態を設定中か否かを判定する。該当する場合はS71へ進み、該当しない場合は一単位の特図関連処理を終了する。S71では「表示回数カウンタ」を更新する。ここでは「表示回数カウンタ」のカウント値を一つ減算する(但し、0まで。)。S72では「表示回数カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS73へ進み、該当しない場合は一単位の特図関連処理が終了する。S73では遊技状態管理処理を実行する。ここでは特殊遊技状態の設定を終了する。その後、一単位の特図関連処理が終了する。
<普図関連処理>
次に、図10を参照してS15の普図関連処理について説明する。図10は普図関連処理のフローチャートである。S81では特図始動入賞口(可変入賞口)25が開放状態か否かを判定する。該当する場合はS82へ進み、該当しない場合はS84へ進む。特図始動入賞口25が開放状態か否かは、RAM110cの一部の記憶領域を用いた可変入賞口フラグがONかOFFかで判定する。
S82では「可変入賞口開放時間カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS83へ進み、該当しない場合は一単位の普図関連処理を終了する。S83では可変入賞口閉鎖処理を行なう。ここでは、特図始動入賞口25を規制状態とすべく、I/O110dにデータをセットするといった処理を行なう。また、可変入賞口フラグをOFFにする。
S84では「普図変動時間カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS85へ進み、該当しない場合はS90へ進む。S90では普図表示装置30に普通図柄を変動表示するための表示データをI/O110dにセットし、その後、一単位の普図関連処理を終了する。
S85ではRAM110cの一部の記憶領域を用いた当たりフラグがONか否かを判定する。該当する場合はS86へ進み、該当しない場合はS91へ進む。S86では当たりフラグをOFFにする。S87では「可変入賞口開放時間カウンタ」に初期値を設定する。S88では普図表示装置30に普通図柄を変動表示するための表示データをI/O110dにセットする。S89では可変入賞口開放処理を行う。ここでは、I/O110dの出力ポートに特図始動入賞口25を開放状態に変化させるデータをセットするといった処理を行なう。また、可変入賞口フラグをONにする。
S91では普図抽選保留乱数をRAM110cに記憶しているか否かを判定する。該当する場合はS92へ進み、該当しない場合は一単位の普図関連処理を終了する。S92では普図抽選乱数保留記憶更新処理を行なう。ここでは最古の普図抽選保留乱数を取得し、普図乱数記憶領域から消去する。また、普図抽選保留記憶数を一つ減算する。更に、更新後の普図抽選保留記憶数に応じて普図抽選保留記憶数表示装置31の表示データをI/O110dにセットする。
S93では当たりの判定を行う。当たりの判定は、最古の普図抽選保留乱数の「当たり抽選用乱数カウンタ」から抽出した乱数と、ROM110bに記憶した当たり抽選データとに基づき行なう。抽選の方式は大当たり抽選の場合と同様である。S94ではS93の当たりの判定の結果、当たりと判定した場合はS95へ進み、そうでない場合はS96へ進む。S95では当たりフラグをONにする。
S96では「普図変動時間カウンタ」に初期値を設定する。また、当たりの判定結果及び普図変動時間を示す情報をI/O110dにセットする。これらの情報は、図6(b)のS16により副制御基板200へ出力することになる。S97では普図表示装置30に普通図柄を変動表示するための表示データをI/O110dにセットする。以上により一単位の普図関連処理を終了する。
<カウンタ更新処理>
次に、図11を参照してS18のカウンタ更新処理について説明する。図11はカウンタ更新処理のフローチャートである。S101では「特図変動時間カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS105へ進み、該当しない場合はS102へ進む。
S102では「特図変動時間カウンタ」のカウント値を一つ減算する。S103では「特図変動時間カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS104へ進み、該当しない場合はS105へ進む。S104では副制御基板200へ図柄停止コマンドを送信する。副制御基板200はこのコマンドを受けてLCD50が表示する装飾図柄の変動を停止する。
S105では「普図変動時間カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS107へ進み、該当しない場合はS106へ進む。S106では「普図変動時間カウンタ」のカウント値を一つ減算する。S107では「可変入賞口開放時間カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS109へ進み、該当しない場合はS108へ進む。S168では「可変入賞口開放時間カウンタ」を一つ減算する。
S109では「大入賞口開放時間カウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合はS111へ進み、該当しない場合はS110へ進む。S110では「大入賞口開放時間カウンタ」を一つ減算する。S111では「大入賞口開放待ちカウンタ」が0か否かを判定する。該当する場合は一単位のカウンタ更新処理を終了し、該当しない場合はS112へ進む。S112では「大入賞口開放待ちカウンタ」を一つ減算する。以上により一単位のカウンタ更新処理を終了する。
<演出の制御処理>
次に、副制御回路210のCPU210aが実行する処理の例について図12を参照して説明する。図12(a)はCPU210aが実行するメイン処理の例を示すフローチャート、図12(b)はカウンタタイマ210eからの割り込み信号を契機としてCPU210aが実行するタイマ割り込み処理の例を示すフローチャートである。
<メイン処理>
電源の投入により、CPU210aはS101で初期処理を行なう。ここではCPU210aのレジスタの初期設定等、副制御回路210全体の各種初期設定を行う。S102では主制御基板100からの制御コマンドに応じた処理を実行する。詳細は後述する。S103ではS202の処理結果に応じてI/O210dの出力ポートから各デバイスへ制御信号を出力する。その後、S202へ戻り、電源断まで同様の処理を繰り返す。
<タイマ割り込み処理>
S111では主制御基板100から制御コマンドを受信したか否かを判定する。該当する場合はS112へ進み、該当しない場合はS113へ進む。S112では受信した制御コマンドをRAM210cに保存する。S113では演出データの更新処理を行なう。ここでは、現在選択されている演出パターンに応じてLCD50の表示内容、扉体61及び62の移動態様等を更新する処理を行なう。S114では、LCD50や扉体61及び62等の制御信号をI/O50dから出力する。以上により一単位のタイマ割り込み処理が終了する。
<コマンド処理>
図13はS102のコマンド処理の例を示すフローチャートである。S121ではRAM210cにおける制御コマンドの記憶領域を参照して、未処理の主制御基板100からの制御コマンドの有無を判定する。未処理の制御コマンドがある場合は最古の制御コマンドを取得してS122へ進み、ない場合は一単位のコマンド処理を終了する。
S122では制御コマンドが変動パターン番号を示すコマンドか否かを判定する。該当する場合はS123へ進み、該当しない場合はS124へ進む。S123では制御コマンドに示された変動パターン番号に応じて演出パターンを選択する。演出パターンには、LCD50に表示する画像の表示パターン、扉体61、62の移動パターン、スピーカ215の音出力パターンやLED216の発光パターン等が含まれる。ここで、変動パターン番号は特図抽選の結果に基づき(図16)、特図抽選は大当たりの抽選結果に基づいている(図15(b)及び(c))。したがって、演出パターンの選択は、大当たりの抽選結果に基づいていることになる。
S124では制御コマンドが図柄停止コマンドであるか否かを判定する。該当する場合はS125へ進み、該当しない場合はS126へ進む。S125ではLCD50の図柄の変動表示を停止するよう設定し、上述したS103でそのコマンドをLCD制御基板221へ出力することになる。S126では、その他の処理を行なう。ここではその他の種類の制御コマンドに応じた処理を行なう。以上により一単位のコマンド処理が終了する。
<演出例>
次に、遊技台Aが実行可能な演出の例について説明する。まず、装飾図柄の変動表示に関わる演出形態について概説する。
<演出形態の概略>
図17は変動パターン番号毎の演出形態を示す図である。図中、「装飾図柄の組合せ」はLCD50が停止表示する最終的な装飾図柄の組合せを示し、外れ、通常大当たり、特別大当たりの3種類に大別される(図14(b)参照)。「演出形態」は、各変動パターン毎に対応した演出形態の種類を大別して示すものであり、リーチなし、ノーマルリーチ、ノーマル逆転リーチ、空ロングリーチ、山ロングリーチ、海ロングリーチの6種類がある。「変動時間」は、特別図柄及び装飾図柄の変動表示開始から全図柄の停止表示までの時間を示す。ノーマル逆転リーチは、大当たりの抽選結果が外れの場合には選択しない。したがって、ノーマル逆転リーチの演出が出現した場合、通常大当たり又は逆転大当たりとなる。なお、ノーマル逆転リーチは、一旦外れの装飾図柄の組合せを仮表示した後、大当たりの装飾図柄の組合せを確定的に表示して、通常大当たり又は特別大当たりとする演出形態である。
図22は各演出形態におけるLCD50の基本的な表示パターンの例を示す図である。同図左上の「変動開始」は、LCD50が装飾図柄の変動表示を開始した状態を模式的に示す。本実施形態では3つの装飾図柄をそれぞれ変動表示し、停止表示することで装飾図柄の組合せを表示する。停止表示は、左→右→中の順で行うものとし、それぞれ第1停止表示、第2停止表示、第3停止表示ともいう。無論、停止表示の形態はこれに限られない。
図22において、「第1停止表示」は左の装飾図柄を停止表示した態様を示す。「第2停止表示」及び「第2停止表示(リーチ)」は右の装飾図柄を停止表示した態様を示す。「第3停止表示」は中の装飾図柄を停止表示した態様を示し、これにより装飾図柄の組合せが確定する。
本実施形態では、このような各装飾図柄を停止表示する過程において、全ての装飾図柄を停止表示する前に、停止表示された装飾図柄により特定の組み合わせとなった場合をリーチ状態と呼ぶ。本実施形態では、図22の「第2停止表示(リーチ)」のように、停止表示された2つの装飾図柄が共通した組合せの場合はリーチ状態である。逆に、図22の「第2停止表示」のように、停止表示された2つの装飾図柄が共通しない組合せの場合はリーチ状態ではない。
リーチ状態となると、リーチ演出を実行して第3停止表示に至る。リーチ演出は、装飾図柄の背景画像を特定のモチーフに基づく演出画像としたもの(海ロングリーチ、山ロングリーチ、空ロングリーチ)と、背景画像を特定のモチーフに基づかない演出画像としたもの(ノーマルリーチ、ノーマル逆転リーチ)と、に大別される。つまり、リーチ演出の種類に応じて、演出画像として背景画像を選択的に表示することにより、各リーチ演出を区別している。
背景画像を特定のモチーフに基づく演出画像としたものでは、背景画像を静止画としてもよいし、動画としてもよい。本実施形態では、図22に示すように、海ロングリーチは海を、山ロングリーチは山を、空ロングリーチは空を、それぞれモチーフとした背景画像を表示させ、LCD51の表示領域51における装飾図柄の変動表示の表示部分は縮小して右上に移動させている。
ノーマルリーチ、ノーマル逆転リーチでは、本実施形態の場合、背景画像は特に変更しないが、背景色を変更する等してもよい。また、LCD51の表示領域51における装飾図柄の変動表示の表示部分も変更していない。
<オブジェクト>
LCD50の画像は種々のオブジェクトが構成する。オブジェクトはキャラクタその他の画像を含む。例えば、装飾図柄も一つのオブジェクトである。また、背景画像を構成する画像、例えば、図22の空ロングリーチの背景画像中の太陽、雲、気球といった画像もオブジェクトである。
ここで、選択的に特定のオブジェクトをLCD50に表示させることで、例えば、リーチ演出がなされることを遊技者に予感させることができる。図23(a)及び(b)は選択的に表示する特定のオブジェクトの表示例を示す図である。図23(a)は特定のオブジェクトとして紙飛行機の画像を右から左へ移動表示した例を示す。同図の例では、装飾図柄の変動表示を揺らして表示することで、紙飛行機がゆらゆらと移動している様子を演出している。図23(b)は特定のオブジェクトとして風船の画像を右から左へ移動表示した例を示す。同図の例でも、装飾図柄の変動表示を揺らして表示することで、風船がゆらゆらと移動している様子を演出している。
このような特定のオブジェクトは、装飾図柄の第2停止表示前に表示するようにし、かつ、リーチ演出を行う場合にリーチ演出を行わない場合よりも相対的に高い割合で表示することにより、特定のオブジェクトが出現した場合には、リーチ状態となる可能性が高いとの期待感を遊技者に抱かせることができる。
<演出パターンの選択>
次に、図13のS123における演出パターンの選択例について説明する。演出パターンはROM210bに記憶した演出パターンテーブルに基づき選択することができる。演出パターンテーブルは、例えば、各変動パターン番号に対応する各演出パターンを示す情報とその抽選データとから構成される。ある演出パターンを選択すると、その演出パターンに対応するデータを読み出し、読み出したデータに基づき各演出デバイスの制御を行う。
図18乃至図20は演出パターンの例を示す図である。図18乃至図20は、演出パターンのうち、特に、装飾図柄の停止表示時の組合せ、扉体61及び62の移動パターンを示すものである。演出パターンには、この他に、LCD50が表示する背景画像やその他の演出デバイスを動作させる情報を含む。
演出パターンテーブルは、各変動パターン番号毎に複数の演出パターンを規定している。例えば、図18に示す変動パターン番号が変動1の場合、8種類の演出パターンを規定している。図18は変動パターン番号が変動1〜5の場合、つまり、大当たりの抽選結果が外れの場合の演出パターンを規定する。図19は、変動パターン番号が変動6〜10の場合、つまり、大当たりの抽選結果が大当たりであり、かつ、特図抽選により通常大当たりとなった場合の演出パターンを規定する。図20は、変動パターン番号が変動11〜15の場合、つまり、大当たりの抽選結果が大当たりであり、かつ、特図抽選により特別大当たりとなった場合の演出パターンを規定する。
図18乃至図20中、「選択確率」はある変動パターン番号に対して選択する演出パターンの選択確率を示す。例えば、変動パターン番号が変動1の場合、16/128の確率で、「装飾1」−「装飾7」−「装飾8」の装飾図柄の組合せを停止表示し、また、移動パターン番号1に基づく扉61、62の移動制御を行う演出パターンを選択する。
「仮停止図柄の組合せ」とは装飾図柄の組合せの変動表示開始後、リーチ状態として、一旦装飾図柄の組合せを仮表示した後、別の装飾図柄の組合せを確定的に表示する場合における、仮表示する装飾図柄の組合せを示し、「停止図柄の組合せ」は確定的に表示する装飾図柄の組合せを示す。
例えば、図19の変動パターン番号:変動6の演出パターンのうち、最上段の演出パターンでは、「装飾2」−「装飾1」−「装飾2」の装飾図柄の組合せを仮に表示し(外れ)、「装飾2」−「装飾2」−「装飾2」の装飾図柄の組合せを確定的に表示する。また、図20の変動パターン番号:変動12の演出パターンのうち、最上段の演出パターンでは、「装飾8」−「装飾8」−「装飾8」の装飾図柄の組合せを仮に表示し(通常大当たり)、「装飾1」−「装飾1」−「装飾1」の装飾図柄の組合せを確定的に表示する(特別大当たり)。「仮停止図柄の組合せ」に装飾図柄の種類が記載していない演出パターンは、仮停止がない演出パターンである。
図21は、図23を参照して説明した特定のオブジェクトを表示するか否かを定める選択テーブルであり、ROM210bに記憶する。特定のオブジェクトは第2停止表示前に表示することとし、表示するか否かは、本実施形態の場合、変動パターン番号にしたがって抽選で決定する。図21中、「風船(右→左)」は、図23(b)に示したように風船の画像を右から左へ移動表示させることを意味する。「風船(左→右)」は、図23(b)に示した風船の画像を左から右へ移動表示させることを意味する。「紙飛行機(右→左)」は、図23(a)に示したように紙飛行機の画像を右から左へ移動表示させることを意味する。「紙飛行機(左→右)」は、図23(a)に示した紙飛行機の画像を左から右へ移動表示させることを意味する。
図21中、「選択確率」は、上記の各移動表示を実行する確率を示す。ここで、リーチなしの場合(変動1)と、各リーチ演出ありの場合(変動2〜15)との場合で比較すると、リーチなしの場合がいずれかの移動表示を実行する確率が最も低い。したがって、いずれかの移動表示が出現した場合、遊技者はリーチ状態になるとの期待感を抱くことになる。リーチ演出ありの場合(変動2〜15)の中で、背景画像を特定のモチーフに基づく演出画像としたもの(変動3〜5、8〜10、13〜15)と、背景画像を特定のモチーフに基づかない演出画像としたもの(変動2、6〜7、11〜12)と、で比較すると、前者の方がいずれかの移動表示を実行する確率が相対的に高い。したがって、いずれかの移動表示が出現した場合、遊技者は海ロングリーチ、山ロングリーチ、空ロングリーチのいずれかのリーチ演出になるとの期待感を抱くことになる。
<移動パターン>
次に、扉体61、62の移動パターンについて説明する。図18乃至図20に示すように本実施形態では、各演出パターン毎に移動パターンの種類を規定している。図24は移動パターンの内容の例を示す図である。図中、「オブジェクト移動表示」は、図21の選択テーブルに基づく抽選により、図23を参照して説明した特定のオブジェクトを表示するか否かを示しており、各移動パターンの内容を、特定のオブジェクトを表示する場合と、表示しない場合とで場合を分けて規定している。例えば、移動パターン1において、特定のオブジェクトを表示しない場合は、「オブジェクト移動表示」が「なし」の内容を実行し、特定のオブジェクトを表示する場合は、「オブジェクト移動表示」が「あり」の内容を実行する。但し、「オブジェクト移動表示」が「あり」、「なし」に関わらず、移動態様が同じパターン(移動パターン1及び2)、異なるパターン(移動パターン57、96)が存在する。
図24において、「移動態様」は扉体61、62の移動制御の内容を示す。図24の例では、便宜的に、装飾図柄の変動開始を示す「変動開始」から、全ての装飾図柄の停止表示が完了した「全停止」までの、扉体61、62の移動制御の内容を示しているが、扉体61、62の移動制御は、装飾図柄の変動時間の中で時間を軸として制御する。例えば、移動パターン2の場合、「全開」→「半開(右)」→「全開」と扉体61、62を移動制御するが、これらの制御データは、全開:3秒、半開:3秒、全開:8秒等と規定することになる。
「移動態様」のうち、「全開」は扉体61、62を全開(図3(a)参照)させることを意味する。「全閉」は扉体61、62を全閉(図3(b)参照)させることを意味する。「振動」は扉体61、62を振動(図3(c))させることを意味する。「半閉」は、扉体61、62のいずれか一方を全閉時の位置に、他方を全開時の位置に、それぞれ位置させることを意味し、「半閉(右)」とは扉体62を全閉時の位置に位置させることを意味する。図25(a)は、「半閉(右)」の例を示しており、扉体61は全開時の位置に、扉体62は全閉時の位置に位置している。
「連動」は、LCD50が表示するオブジェクトの移動表示に併せて扉体61、62の少なくともいずれか一方を移動させることを意味する。図25(b)は「連動」の例を示す。同図の例では、紙飛行機の画像の、右から左への移動表示に併せて扉体62を右から左へ移動させている。この例では、扉体62の端部62dが紙飛行機の画像の一部に重なった状態で扉体62を移動させている。これにより、紙飛行機が扉体62に押し出されているという感覚を遊技者に与える演出を行っている。
なお、扉体61、62のこれらの移動態様は例示であり、種々の移動態様を採用可能である。また、扉体61、62の各移動態様を実行するタイミングも様々に設定でき、例えば、変動開始前、変動開始時、第1停止表示時、第2停止表示時、第3停止表示時、リーチ演出発生直前、リーチ演出発生時、等が挙げられる。
扉体61、62のこのような複数種類の移動パターンを選択的に実行することで、LCD50の表示内容との組合せにより、遊技者に対してリーチ状態となること、或いは、大当たりとなること等、遊技の進行内容を示唆する演出が可能となる。
<演出の具体例>
次に、LCD50の表示内容と扉体61、62の移動との組合せによる演出の具体例について、図26乃至図30を参照して説明する。
図26(a)はリーチ状態となり、リーチ演出の演出画像として背景画像をLCD50に表示する際、その表示前に扉体61、62を全閉し、表示切替後に全開する例を示す。詳細には、まず、扉体61、62の全開中、装飾図柄の第2停止表示によりリーチ状態となり(同図最上段)、扉体61、62を全閉する(同図2段目)。続いて、LCD50の表示画像を切り換え、背景画像を表示する(同図3段目)。同図の例では、海ロングリーチの背景画像を表示している。このとき、扉体61、62はその一部の背後が透けて見えるので、遊技者には海ロングリーチの背景画像がぼんやりと見え、海ロングリーチが開始することに期待感を抱く。そして、扉体61、62が全開する(同図4段目)。この場合、同図2段目の状態からLCD50の表示内容を切り換えずに扉体61、62を全開し、ノーマルリーチ又はノーマル逆転リーチのリーチ演出を実行してもよい。
図26(a)に示すような演出の前兆として、装飾図柄の変動開始から第2停止表示までの間の一定期間の間に扉体61、62を振動する移動パターンを設定し、扉体61、62の振動がない移動パターンよりも、その選択確率を高くするようにしてもよい。
具体的には、第1の移動パターンとして下記のパターンを設定する。
装飾図柄の変動開始から第2停止表示まで:一定期間の扉体61、62の振動
第2停止表示後(リーチ)の背景画像の表示時:扉体61、62を全閉後、全開
第2の移動パターンとして下記のパターンを設定する。
装飾図柄の変動開始から第2停止表示まで:扉体61、62を全開
第2停止表示後(リーチ)の背景画像の表示時:扉体61、62を全閉後、全開
そして、背景画像を演出画像として表示する各ロングリーチをリーチ演出をする場合には、第1の移動パターンを第2の移動パターンよりも高い確率で選択するようにする。選択確率は図18乃至図20に示した各演出パターンの「選択確率」で制御できる。こうすることで、扉体61、62の移動と、リーチ演出の種類とに規則性を付与でき、扉体61、62の振動があれば、リーチ状態になる可能性が高く、かつ、ロングリーチのリーチ演出がなされる可能性が高いと遊技者に認識させることができる。
また、同様の考え方を、扉体61、62の振動と、連動(オブジェクト画像の移動表示に合わせた移動)と、の組合せにも適用できる。
具体的には、第1の移動パターンとして下記のパターンを設定する。
装飾図柄の変動開始から第2停止表示まで:一定期間の扉体61、62の振動及び連動
第2の移動パターンとして下記のパターンを設定する。
装飾図柄の変動開始から第2停止表示まで:扉体61、62の連動
そして、背景画像を演出画像として表示する各ロングリーチをリーチ演出をする場合には、第1の移動パターンを第2の移動パターンよりも高い確率で選択するようにする。こうすることで、扉体61、62の振動、連動と、リーチ演出の種類とに規則性を付与でき、扉体61、62の振動と連動があれば、リーチ状態になる可能性が高く、かつ、ロングリーチのリーチ演出がなされる可能性が高いと遊技者に認識させることができる。
次に、図26(b)も、リーチ状態となり、リーチ演出の演出画像として背景画像をLCD50に表示する際、その表示前に扉体61、62を全閉し、表示切替後に全開する例であるが、背景画像への切り替え前に予告画像を表示する例である。詳細には、まず、扉体61、62の全開中、装飾図柄の第2停止表示によりリーチ状態となり(同図最上段)、扉体61、62を全閉する(同図2段目)。続いて、LCD50の表示画像を切り換え、予告画像を表示する(同図3段目)。同図の例では、予告画像として雲をモチーフとした背景画像を表示しており、同図の例ではこの予告画像を、山ロングリーチの背景画像を予告する予告画像として位置づけている。このとき、扉体61、62はその一部の背後が透けて見えるので、遊技者には予告画像がぼんやりと見える。
続いて、リーチ演出の演出画像の背景画像に切り換える(同図4段目)。同図の例では、山ロングリーチの背景画像を表示している。このとき、扉体61、62はその一部の背後が透けて見えるので、遊技者には山ロングリーチの背景画像がぼんやりと見え、山ロングリーチが開始することに期待感を抱く。そして、扉体61、62が全開する(同図5段目)。なお、予告画像を表示しておきながら、その予告画像に対応しないリーチ演出の演出画像を選択的に表示するようにしてもよい。
図27も、リーチ状態となり、リーチ演出の演出画像として背景画像をLCD50に表示する際、その表示前に扉体61、62を全閉し、表示切替後に全開する例であるが、ガセのリーチ演出の演出画像を一旦表示するものである。詳細には、まず、扉体61、62の全開中、装飾図柄の第2停止表示によりリーチ状態となり(同図左最上段)、扉体61、62を全閉する(同図左2段目)。続いて、LCD50の表示画像を切り換え、背景画像を表示する(同図左3段目)。同図の例では、海ロングリーチの背景画像を表示している。このとき、扉体61、62はその一部の背後が透けて見えるので、遊技者には海ロングリーチの背景画像がぼんやりと見え、海ロングリーチが開始することに期待感を抱く。そして、扉体61、62が全開する(同図左4段目)。
続いて、再び、扉体61、62を全閉し(同図右最上段)、背景画像を切り換える(同図右2段目)。同図の例では、山ロングリーチの背景画像を表示している。このとき、扉体61、62はその一部の背後が透けて見えるので、遊技者には山ロングリーチの背景画像がぼんやりと見え、海ロングリーチではなく、山ロングリーチが開始することに期待感を抱く。そして、扉体61、62が全開し(同図右4段目)、山ロングリーチのリーチ演出を開始する。このように、リーチ演出の種類が摩り替わったように見せることで、遊技の興趣を向上できる。
図28(a)は、第3停止表示時の演出内容に関する。詳細には、まず、扉体61、62の全開中、装飾図柄の第2停止表示によりリーチ状態となったが(同図最上段)、ロングリーチとはならずに、第3停止表示となって(仮停止)、外れの装飾図柄の組合せを表示する(同図2段目)。ここで、扉体61、62を全閉する(同図3段目)。続いて、LCD50の表示画像を切り換える(同図4段目)。同図の例では、「確定」の文字を表示している。このとき、扉体61、62はその一部の背後が透けて見えるので、遊技者には「確定」の文字がぼんやりと見え、装飾図柄の組合せが外れの組合せから大当たりの組合せに変更するのではないかとの期待感を頂く。
続いて、LCD50の表示画像を切り換えて、大当たりの装飾図柄の組合せを表示すると同時に扉体61、62を全開する(同図5段目)。この装飾図柄の組合せが確定表示となり、大当たりが成立する。この場合、同図3段目の状態からLCD50の表示内容を切り換えずに扉体61、62を全開し、結局外れの装飾図柄の組合せを表示する演出も抽選により実行してもよい。
図28(b)も、第3停止表示時の演出内容に関する。詳細には、まず、扉体61、62の全開中、装飾図柄の第2停止表示によりリーチ状態となったが(同図最上段)、ロングリーチとはならずに、第3停止表示となって(仮停止)、通常大当たりの装飾図柄の組合せを表示する(同図2段目)。ここで、扉体61、62を全閉する(同図3段目)。続いて、LCD50の表示画像を切り換える(同図4段目)。同図の例では、特別大当たりの装飾図柄の組合せを表示している。このとき、扉体61、62はその一部の背後が透けて見えるので、遊技者には特別大当たりの装飾図柄の組合せがぼんやりと見え、装飾図柄の組合せが、通常大当たりの組合せから特別大当たりの組合せに変更するのではないかとの期待感を頂く。続いて、扉体61、62を全開する(同図5段目)。この装飾図柄の組合せが確定表示となり、特別大当たりが成立する。この場合、同図3段目の状態からLCD50の表示内容を切り換えずに扉体61、62を全開し、結局通常大当たりの装飾図柄の組合せを表示する演出も抽選により実行してもよい。
図29は、扉体61、62はLCD50が表示するオブジェクトの移動表示に併せて移動させる場合の例であり、特に、装飾図柄をオブジェクトとして装飾図柄の変動表示態様を切り替える場合の演出内容に関する。詳細には、まず、扉体61、62の全開中、装飾図柄の第2停止表示によりリーチ状態となり(同図左最上段)、扉体61、62を全閉する(同図左2段目)。続いて、LCD50の表示画像を切り換え、停止表示済みの左、右の装飾図柄の表示を右上隅に縮小表示する(同図左3段目)。
続いて、第3停止表示する装飾図柄の変動表示態様を切り換え、これに応じて扉体61、62を移動する(同図左4段目〜最下段及び同図右最上段〜5段目)。本実施形態の場合、第3停止表示する装飾図柄を扉体61、62の移動方向である左右方向に往復移動表示し、折り返し時に装飾図柄の種類を更新する(移動型変動表示)。扉体61、62はそれらの隙間から装飾図柄が見える状態で表示領域51を覆いながら、装飾図柄の移動表示に併せて移動し(同図左4段目〜最下段、同図右2段目〜5段目)、装飾図柄の種類を更新する際には、扉体61、62を一旦全閉する(同図右最上段)。
そして、装飾図柄の移動を停止し、扉体61、62を全開する(同図右6段目)。続いて、装飾図柄の組合せ(確定)を表示する(同図右最下段)。同図の例では大当たりの装飾図柄の組合せを表示しているが、外れの装飾図画の組合せの場合もある。
図30も、扉体61、62はLCD50が表示するオブジェクトの移動表示に併せて移動させる場合の例である。同図の例では、LCD50が表示する背景画像中のオブジェクト(雲の画像)を移動表示し、これに併せて扉体61、62を振動させる例であり、雲の画像の上下移動と共に扉体61、62を振動させている。
以上、演出の具体例を例示したが、これに限られるものではない。例えば、装飾図柄の変動表示中にキャラクタ画像を表示し、扉体61、62を振動させてもよい。
また、装飾図柄の第1停止表示時に、扉体61、62の一方を半閉し、半閉した扉体の背後に人影を示す画像を表示する。その後、半閉した扉体を全開時の位置に移動させ、その時にキャラクタ画像を表示した場合はロングリーチ演出を実行し、表示しない場合はリーチなし、又は、ノーマルリーチ・ノーマル逆転リーチ演出を実行してもよい。
また、キャラクタ画像を移動表示し、これに併せて扉体61、62のいずれかを移動させることで、キャラクタが扉体に吹っ飛ばされたように見せることもでき、この場合、吹っ飛ばされたキャラクタを変動表示中の装飾図柄に重ねて装飾図柄を隠蔽するようにしてもよい。
また、変動表示中の装飾図柄の停止表示順序を選択的に変更するようにしてもよい。例えば、通常時は左→右→中とし、ある条件が成立すると左→中→右としてもよい。左→中→右の順序で停止表示する場合、左→中と停止表示した段階で、右の装飾図柄を扉体62で遮蔽し、扉体62を全開時の位置に移動したときに左と右とでリーチ状態とし、中の装飾図柄を再変動表示して停止表示するようにしてもよい。
また、リーチ状態となった場合に、扉体61、62を全閉し、その後全開した時に特別のリーチ演出(スーパーリーチ)を行うようにしてもよい。この場合、扉体61、62を全閉している間にLCD50に予告画像を表示させ(例えば煙の画像)、全開時に煙の画像が消えればスーパーリーチ演出開始、消えなければノーマルリーチ演出等としてもよい。
<遊技台Aの特徴>
以下、上述した遊技台Aの特徴を列挙する。括弧内の符号は遊技台Aの各構成の説明に使用した符号に対応する。
1.遊技台Aは、遊技領域(21)に設けた始動口(24、25)に遊技球が入球したことを条件として、大当たりの抽選を行う抽選手段(110a、S63)と、前記始動口(24、25)に遊技球が入球したことを条件として図柄の組み合わせを構成する各図柄の変動表示を開始した後、各図柄を停止表示して前記抽選手段(110a、S63)の抽選結果に応じた図柄の組み合わせを表示する図柄表示手段(50)と、前記図柄表示手段(50)による表示を遊技者が視認困難な遮蔽位置と、非遮蔽位置との間で移動可能な遮蔽部材(61、62)と、前記抽選手段(110a、S63)の抽選結果に基づいて、前記図柄表示手段(50)による前記図柄の変動表示中における前記遮蔽部材(61、62)の移動パターンを、複数種類の移動パターンの中から選択する移動パターン選択手段(210a、S123)と、前記移動パターン選択手段(210a、S123)が選択した前記移動パターンに従って、前記遮蔽部材(61、62)を移動させる移動制御手段(210a、217、68a、69a)と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、例えば、大当たりの抽選結果に関連して遮蔽部材の移動パターンを選択することで、図柄の変動表示の態様や、停止表示した図柄などを遮蔽し、この先の変動表示の態様が、特定の図柄組合せに近づいているのか、別の図柄組合せに近づいているのかを期待、予想、心配などをしながら遊技をすすめるといった従来の遊技台にない新規性の高い演出をおこなうことができるようになり、遊技の面白みが増す。よって、遊技の興趣を向上させる演出機能を備えた遊技台を提供することができる。なお、上記図柄表示手段は、電子画像表示装置であってもよいし、複数種類の図柄を周面に施したリールを複数備えた機械式の表示装置であってもよい。
2.遊技台Aは、遊技領域(21)に設けた始動口(24、25)に遊技球が入球したことを条件として、大当たりの抽選を行う抽選手段(110a、S63)と、前記始動口(24、25)に遊技球が入球したことを条件として図柄の組み合わせを構成する各図柄の変動表示を開始した後、各図柄を停止表示して前記抽選手段(110a、S63)の抽選結果に応じた図柄の組み合わせを表示する図柄表示手段(50)と、前記図柄表示手段(50)による表示を遊技者が視認困難な遮蔽位置と、非遮蔽位置との間で移動可能な遮蔽部材(61、62)と、前記遮蔽位置と前記非遮蔽位置との間の位置であって、変動表示中の前記図柄を遊技者が視認可能な位置と、前記非遮蔽位置と、の間で前記遮蔽部材(61、62)を往復移動させる移動制御手段(210a、217、68a、69a)と、を備えたことを特徴とする(図3(c))。
この構成によれば、例えば、図柄を視認させ得る範囲で遮蔽部材を動作させることから、図柄の変動表示の変化を確認しながら、図柄の変動態様および遮蔽部材がこの後どのような動作をするのかといったことを遊技者に考えさせられたり、期待感を持たせることや、長時間遊技を続ける遊技者に対しては気分転換をさせることができる。よって、遊技の興趣を向上させる演出機能を備えた遊技台を提供することができる。なお、上記図柄表示手段は、電子画像表示装置であってもよいし、複数種類の図柄を周面に施したリールを複数備えた機械式の表示装置であってもよい。
3.遊技台Aは、遊技領域(21)に設けた始動口(24、25)に遊技球が入球したことを条件として、大当たりの抽選を行う抽選手段(110a、S63)と、前記始動口(24、25)に遊技球が入球したことを条件として図柄の組み合わせを構成する各図柄の変動表示を開始した後、各図柄を停止表示して前記抽選手段(110a、S63)の抽選結果に応じた図柄の組み合わせを表示する画像表示手段(50)と、前記画像表示手段(50)による表示を遊技者が視認困難な遮蔽位置と、非遮蔽位置との間で移動可能な遮蔽部材(61、62)と、前記画像表示手段(50)が各図柄を停止表示する過程において、全ての図柄を停止表示する前に、停止表示された図柄により特定の組み合わせを前記画像表示手段(50)に表示させ、その後、演出画像を表示させる表示制御手段(210a、221)と、前記表示制御手段(210a、221)が、前記画像表示手段(50)に前記演出画像を表示させる場合、その表示の前に、前記遮蔽部材(61、62)を前記遮蔽位置に移動させ、その後前記遮蔽部材(61、62)を前記非遮蔽位置に移動させる移動制御手段(210a、217、68a、69a)と、を備えたことを特徴とする(図26(a))。
この構成によれば、例えば、リーチ状態になった場合に、遮蔽部材を遮蔽位置に移動するので、そのリーチの結果や演出を遊技者に期待させることができる。また、複数のリーチ状態に表示状態を変化可能に構成した場合であれば、特定の図柄組合せで停止表示する期待度が高いリーチ状態に変化するのか、期待度が低いリーチに変化するのかといった、期待や予感を遊技者にさせることができる。よって、遊技の興趣を向上させる演出機能を備えた遊技台を提供することができる。
4.遊技台Aは、遊技領域(21)に設けた始動口(24、25)に遊技球が入球したことを条件として、大当たりの抽選を行う抽選手段(110a、S63)と、前記始動口(24、25)に遊技球が入球したことを条件として図柄の組み合わせを構成する各図柄の変動表示を開始した後、各図柄を停止表示して前記抽選手段(110a、S63)の抽選結果に応じた図柄の組み合わせを表示する画像表示手段(50)と、前記画像表示手段(50)による表示を遊技者が視認困難な遮蔽位置と、非遮蔽位置との間で移動可能な遮蔽部材(61、62)と、前記画像表示手段(50)にオブジェクト画像を移動表示させる表示制御手段(210a、221)と、前記表示制御手段(210a、221)が前記画像表示手段(50)に前記オブジェクト画像を移動表示させている場合に、前記オブジェクト画像の移動に併せて前記遮蔽部材(61、62)を移動させる移動制御手段(210a、217、68a、69a)と、を備えたことを特徴とする(図25(b))。
この構成によれば、例えば、遮蔽部材の移動と画像との一体感のある演出をおこなうことができるようになり、従来の遊技台にない新規性の高い演出をおこなうことができ、遊技の面白みが増す。よって、遊技の興趣を向上させる演出機能を備えた遊技台を提供することができる。
5.遊技台Aは、遊技領域(21)に設けた始動口(24、25)に遊技球が入球したことを条件として、大当たりの抽選を行う抽選手段(110a、S63)と、前記始動口(24、25)に遊技球が入球したことを条件として図柄の組み合わせを構成する各図柄の変動表示を開始した後、各図柄を停止表示して前記抽選手段(110a、S63)の抽選結果に応じた図柄の組み合わせを表示する画像表示手段(50)と、前記画像表示手段(50)による表示を遊技者が視認困難な遮蔽位置と、非遮蔽位置との間で移動可能な遮蔽部材(61、62)と、前記画像表示手段(50)に表示させる演出画像を切り換える表示制御手段(210a、221)と、前記表示制御手段(210a、221)が前記演出画像を切り換える場合に前記遮蔽部材(61、62)を前記遮蔽位置に移動させ、前記演出画像の切り換え後に前記遮蔽部材(61、62)を前記非遮蔽位置に移動する移動制御手段(210a、217、68a、69a)と、を備えたことを特徴とする(図27)。
この構成によれば、例えば、演出画像が突然切り替わってしまうと遊技者は演出の変化について行けず、何がおこったのか分からなくなってしまい、せっかくの演出を十分に楽しむことが出来ない場合があるが、演出画像を一旦遮蔽部材で表示を遮蔽しておき、遮蔽している間に演出画像を切り替えてから遮蔽部材を非遮蔽位置に移動させ、演出画像を見せることで、遊技者に今から演出画像が変化するかもしれないといった期待や心の準備を行わせられ、演出画像が切り替わった場合には、心の準備が出来ている分、十分に演出を楽しめる。よって、遊技の興趣を向上させる演出機能を備えた遊技台を提供することができる。
6.上記1、2において、遊技台Aは、前記遮蔽部材(61、62)を、前記図柄表示手段(50)の表示領域(51)に沿って移動可能に設け、かつ、その移動方向に並設した一対の板状の扉体(61、62)から構成し、前記遮蔽位置は、前記一対の扉体(61、62)の各一方端部(61d、62d)が互いに当接し、前記表示領域(51)を前記一対の扉体(61、62)が覆う位置であり、前記非遮蔽位置は、前記一対の扉体(61、62)の前記各一方端部(61d、62d)が互いに離間してそれぞれ前記表示領域(51)の各端部に位置し、前記一対の扉体(61、62)の前記各一方端部(61d、62d)間から前記表示領域(51)が露出した位置であることを特徴とする(図3(a)及び(b))。
この構成によれば、例えば、遮蔽位置では扉体の一方端部を互いに当接させているので、表示をより確実に遮蔽することができ、遮蔽により遊技者に期待感を持たせたい場合に、遮蔽が中途半端になっていることから表示の一部を遊技者に想定外に先に見られるといった期待はずれな現象を起こすことなく、計画をもった演出を搭載することが可能になる。
7.上記3乃至5のいずれかにおいて、遊技台Aは、前記遮蔽部材(61、62)を、前記画像表示手段(50)の表示領域(51)に沿って移動可能に設け、かつ、その移動方向に並設した一対の板状の扉体(61、62)から構成し、前記遮蔽位置は、前記一対の扉体(61、62)の各一方端部(61d、62d)が互いに当接し、前記表示領域(51)を前記一対の扉体(61、62)が覆う位置であり、前記非遮蔽位置は、前記一対の扉体(61、62)の前記各一方端部(61d、62d)が互いに離間してそれぞれ前記表示領域(51)の各端部に位置し、前記一対の扉体(61、62)の前記各一方端部(61d、62d)間から前記表示領域(51)が露出した位置であることを特徴とする(図3(a)及び(b))。
この構成によれば、例えば、遮蔽位置では扉体の一方端部を互いに当接させているので、表示をより確実に遮蔽することができ、遮蔽により遊技者に期待感を持たせたい場合に、遮蔽が中途半端になっていることから表示の一部を遊技者に想定外に先に見られるといった期待はずれな現象を起こすことなく、計画をもった演出を搭載することが可能になる。
8.上記2において、遊技台Aは、前記遮蔽部材(61、62)を、前記図柄表示手段(50)の表示領域(51)に沿って移動可能に設け、かつ、その移動方向に並設した一対の板状の扉体(61、62)から構成し、前記遮蔽位置は、前記一対の扉体(61、62)の各一方端部(61d、62d)が互いに当接し、前記表示領域(51)を前記一対の扉体(61、62)が覆う位置であり、前記非遮蔽位置は、前記一対の扉体(61、62)の前記各一方端部(61d、62d)が互いに離間してそれぞれ前記表示領域(51)の各端部に位置し、前記一対の扉体(61、62)の前記各一方端部(61d、62d)間から前記表示領域(51)が露出した位置であり、前記視認可能な位置は、前記一対の扉体(61、62)の前記各一方端部(61d、62d)が、前記表示領域(51)の前記各端部と、前記表示領域(51)上の前記図柄の表示部分(R1)と、の間に位置する位置であることを特徴とする(図3(a)乃至(c))。
この構成によれば、例えば、遮蔽位置では扉体の一方端部を互いに当接させているので、表示をより確実に遮蔽することができ、遮蔽により遊技者に期待感を持たせたい場合に、遮蔽が中途半端になっていることから表示の一部を遊技者に想定外に先に見られるといった期待はずれな現象を起こすことなく、計画をもった演出を搭載することが可能になる。また、視認可能な位置では扉体の一方端部を表示領域の各端部と、図柄の表示部分と、の間に位置させることで、図柄の変動表示をより確実に遊技者に見せることができる。
9.上記3において、遊技台Aは、前記遮蔽部材(61、62)は、その背後が透けて見える部分を有し、前記表示制御手段(210a、221)は、前記遮蔽部材(61、62)が前記遮蔽位置に位置している間、前記演出画像を表示することを予告する予告画像を表示し、その後、前記演出画像を表示することを特徴とする(図26(b))。
この構成によれば、例えば、予告画像を表示するので、遮蔽状態が解除され、表示を確実に確認できるようになった後の画像や、特定の図柄組合せになる可能性などを想像できる材料を遊技者に与えることができ、図柄の変動態様および遮蔽部材がこの後どのような動作をするのかといったことを遊技者に考えさせられたり、期待感を持たせることや、長時間遊技を続ける遊技者に対しては気分転換をさせることができる。
10.上記4において、遊技台Aは、前記遮蔽部材(61、62)を、前記図柄表示手段(50)の表示領域(51)に沿って移動可能に設け、かつ、その移動方向に並設した一対の板状の扉体(61、62)から構成し、前記遮蔽位置は、前記一対の扉体(61、62)の各一方端部(61d、62d)が互いに当接し、前記表示領域(51)を前記一対の扉体(61、62)が覆う位置であり、前記非遮蔽位置は、前記一対の扉体(61、62)の前記各一方端部(61d、62d)が互いに離間してそれぞれ前記表示領域(51)の各端部に位置し、前記一対の扉体(61、62)の前記各一方端部(61d、62d)間から前記表示領域(51)が露出した位置であり、前記移動制御手段(210a、217、68a、69a)は、前記表示制御手段(210a、221)が前記画像表示手段(50)に前記オブジェクト画像を移動表示させている場合に、前記オブジェクト画像の移動に併せて一方の扉体(61、62)を、該一方の扉体(61、62)の前記一方端部(61d、62d)が前記オブジェクト画像の一部に重なった状態で移動させることを特徴とする(図3(a)及び(b)、図25(b))。
この構成によれば、例えば、扉体と画像の一体感のある演出をおこなうことができるようになり、従来の遊技台にない新規性の高い演出をおこなうことができるようになり、遊技の面白みが増す。
なお、これ以外にも変動表示中の図柄と遮蔽部材の動作を連動させるようにしてもよい。例えば、3つの図柄列の所定の行に特定の図柄組合せを並べて表示した場合に大当りとなるように構成し、左、右の2つの図柄列の所定の行にその特定の図柄組合せを構成する図柄を表示しており、残る変動中の図柄列の所定の行にその特定の図柄組合せを構成する図柄を変動しながら表示しているタイミングで遮蔽部材を該変動中の図柄列の幅と同じくらいの隙間を持って他の表示部を遮蔽し、その図柄列の端に遮蔽手段と摩擦ですれているかのような火花の演出表示を表示するとともにすれているような「キー」といった音を出力し、遊技者に図柄を挟みこんでいるように見せ、そのまま図柄列を所定の行に特定の図柄組合せを並べて表示させるようにしてもよい。また、摩擦が足らずに別の図柄まで滑ってしまったことを示す画像を表示して、別の図柄を停止表示してもよい。
11.遊技台Aは、遊技領域(21)に設けた始動口(24、25)に遊技球が入球したことを条件として、大当たりの抽選を行う抽選手段(110a、S63)と、前記始動口(24、25)に遊技球が入球したことを条件として図柄の組み合わせを構成する各図柄の変動表示を開始した後、各図柄を停止表示して前記抽選手段(110a、S63)の抽選結果に応じた図柄の組み合わせを表示する画像表示手段(50)と、遊技台Aは、前記画像表示手段(50)による表示を遊技者が視認困難な遮蔽位置と、非遮蔽位置との間で移動可能な遮蔽部材(61、62)と、前記画像表示手段(50)による図柄の変動表示として、図柄の表示位置を前記遮蔽部材(61、62)の移動方向に移動させた後に図柄の種類を更新する移動型変動表示を前記画像表示手段(50)に表示させる表示制御手段(210a、221)と、前記表示制御手段(210a、221)が前記移動型変動表示を前記画像表示手段(50)に表示させている場合に、図柄の表示位置の移動に併せて前記遮蔽部材(61、62)を移動させる移動制御手段(210a、217、68a、69a)と、を備えたことを特徴とする(図29)。
この構成によれば、例えば、図柄の変動表示と遮蔽部材との一体感のある演出をおこなうことができるようになり、従来の遊技台にない新規性の高い演出をおこなうことができるようになり、遊技の面白みが増す。よって、遊技の興趣を向上させる演出機能を備えた遊技台を提供することができる。
12.遊技台Aは、遊技領域(21)に設けた始動口(24、25)に遊技球が入球したことを条件として、大当たりの抽選を行う抽選手段(110a、S63)と、前記始動口(24、25)に遊技球が入球したことを条件として図柄の組み合わせを構成する各図柄の変動表示を開始した後、各図柄を停止表示して前記抽選手段(110a、S63)の抽選結果に応じた図柄の組み合わせを表示する画像表示手段(50)と、前記画像表示手段(50)による表示を遊技者が視認困難な遮蔽位置と、非遮蔽位置との間で移動可能な遮蔽部材(61、62)と、前記画像表示手段(50)が各図柄を停止表示する過程において、全ての図柄を停止表示する前に、停止表示された図柄により特定の組み合わせを前記画像表示手段(50)に表示させ、その後、選択的に演出画像を表示させる表示制御手段(210a、221)と、前記図柄の変動表示中における前記遮蔽部材(61、62)の移動パターンを選択する移動パターン選択手段(210a、S123)と、前記移動パターン選択手段(210a、S123)が選択した前記移動パターンに従って、前記遮蔽部材(61、62)を移動させる移動制御手段(210a、217、68a、69a)と、を備え、前記移動パターンが、前記遮蔽位置と前記非遮蔽位置との間の位置であって、変動表示中の前記図柄を遊技者が視認可能な位置と、前記非遮蔽位置と、の間で前記遮蔽部材(61、62)を往復移動させた後、前記表示制御手段(210a、221)が前記画像表示手段(50)に前記演出画像を表示する前に、前記遮蔽部材(61、62)を前記遮蔽位置に移動させ、その後前記遮蔽部材(61、62)を前記非遮蔽位置に移動させる第1の移動パターンと、前記視認可能な位置と、前記非遮蔽位置と、の間で前記遮蔽部材(61、62)を往復移動させず、前記表示制御手段(210a、221)が前記画像表示手段(50)に前記演出画像を表示する前に、前記遮蔽部材(61、62)を前記遮蔽位置に移動させ、その後前記遮蔽部材(61、62)を前記非遮蔽位置に移動させる第2の移動パターンと、を含み、前記表示制御手段(210a、221)が前記演出画像を前記画像表示手段(50)に表示させる場合における、前記移動パターン選択手段(210a、S123)による前記第1の移動パターンの選択確率が、前記第2の移動パターンの選択確率よりも高いことを特徴とする。
この構成によれば、例えば、遮蔽部材の複数回の往復移動が発生した場合には、特定の演出画像が表示され易いといった法則性をつくることができ、この先の変動表示の態様が、特定の図柄組合せに近づいているのか、別の図柄組合せに近づいているのかを期待、予想、心配などをしながら遊技をすすめるといった従来の遊技台にない新規性の高い演出をおこなうことができるようになり、遊技の面白みが増す。よって、遊技の興趣を向上させる演出機能を備えた遊技台を提供することができる。
13.遊技台Aは、遊技領域(21)に設けた始動口(24、25)に遊技球が入球したことを条件として、大当たりの抽選を行う抽選手段(110a、S63)と、前記始動口(24、25)に遊技球が入球したことを条件として図柄の組み合わせを構成する各図柄の変動表示を開始した後、各図柄を停止表示して前記抽選手段(110a、S63)の抽選結果に応じた図柄の組み合わせを表示する画像表示手段(50)と、前記画像表示手段(50)による表示を遊技者が視認困難な遮蔽位置と、非遮蔽位置との間で移動可能な遮蔽部材(61、62)と、前記演出画像として、前記画像表示手段(50)にオブジェクト画像を移動表示させる第1の表示制御手段(210a、221)と、前記画像表示手段(50)が各図柄を停止表示する過程において、全ての図柄を停止表示する前に、停止表示された図柄により特定の組み合わせを前記画像表示手段(50)に表示させ、その後、選択的に演出画像を表示させる第2の表示制御手段(210a、221)と、前記図柄の変動表示中における前記遮蔽部材(61、62)の移動パターンを選択する移動パターン選択手段(210a、S123)と、前記移動パターン選択手段(210a、S123)が選択した前記移動パターンに従って、前記遮蔽部材(61、62)を移動させる移動制御手段(210a、217、68a、69a)と、を備え、前記移動パターンが、前記遮蔽位置と前記非遮蔽位置との間の位置であって、変動表示中の前記図柄を遊技者が視認可能な位置と、前記非遮蔽位置と、の間で前記遮蔽部材(61、62)を往復移動させ、かつ、前記第1の表示制御手段(210a、221)が前記画像表示手段(50)に前記オブジェクト画像を移動表示させている場合に、前記オブジェクト画像の移動に併せて前記遮蔽部材(61、62)を移動させる第1の移動パターンと、前記視認可能な位置と、前記非遮蔽位置と、の間で前記遮蔽部材(61、62)を往復移動させず、前記第1の表示制御手段(210a、221)が前記画像表示手段(50)に前記オブジェクト画像を移動表示させている場合に、前記オブジェクト画像の移動に併せて前記遮蔽部材(61、62)を移動させる第2の移動パターンと、を含み、前記表示制御手段(210a、221)が前記演出画像を前記画像表示手段(50)に表示させる場合における、前記移動パターン選択手段(210a、S123)による前記第1の移動パターンの選択確率が、前記第2の移動パターンの選択確率よりも高いことを特徴とする。
この構成によれば、例えば、画像と遮蔽部材との連動が発生した場合には、特定の演出画像が表示され易いといった法則性をつくることができ、この先の変動表示の態様が、特定の図柄組合せに近づいているのか、別の図柄組合せに近づいているのかを期待、予想、心配などをしながら遊技をすすめるといった従来の遊技台にない新規性の高い演出をおこなうことができるようになり、遊技の面白みが増す。よって、遊技の興趣を向上させる演出機能を備えた遊技台を提供することができる。
<第2実施形態>
上記第1実施形態では、遮蔽部材として一対の扉体61、62を左右方向に移動可能とし、かつ、左右方向に並設したが、更に、これらの遮蔽部材と重なり得る別の遮蔽部材を設けてもよい。図31(a)及び(b)並びに図32(a)及び(b)は、扉体610乃至630及びLCD50の配置例を示す図である。
扉体610及び扉体620は、上記第1実施形態の扉体61、62に相当し、左右方向に移動する。扉体630は、扉体610、620と同様の外形を有するものであるが、異なる外形を有していてもよい。扉体630は扉体610及び620からLCD50の表示領域51の法線方向にずれて配置しており、その位置により、扉体610又は620と該法線方向で見て重なるように配置している。
図31(a)の例は、扉体630は、扉体610又は620の背面側に位置しており、左右方向に移動可能に設けた例である。図31(b)の例は、扉体630は、扉体610又は620の正面側に位置しており、左右方向に移動可能に設けた例である。
図32(a)の例は、扉体630は、扉体610又は620の背面側に位置しており、上下方向に移動可能に設けた例である。図32(b)の例は、扉体630は、扉体610又は620の正面側に位置しており、上下方向に移動可能に設けた例である。
扉体630を移動させる移動制御手段としては、例えば、上記第1実施形態と同様のものを採用できる。また、扉体610乃至630の移動方向は適宜選択できるものであり、図31及び図32の例に限られるわけではない。
次に、LCD50の表示内容と扉体61、62の移動との組合せによる演出の具体例について、図33乃至図40を参照して説明する。各図において、前面カバー66’は上記第1実施形態の前面カバー66に相当し、その中央部分に開口部を有し、LCD50の表示領域51が開口部を介して正面側に露出するようにしている一方、他の構成を覆うようにしている。
図33(a)乃至(f)及び図34(a)乃至(f)は、図31(a)に示した扉体610乃至630及びLCD50の配置例を採用した場合の演出例を示す。各図において、「平面視」として破線で囲った部分は、扉体610乃至630及びLCD50を平面視した場合の位置を示す。
図33(a)は、リーチ状態となり、扉体610及び620を全開している状態を示す。扉体630は扉体610の背面側に位置しており、扉体610と共に前面カバー66’により隠されている。
図33(b)及び(c)は、扉体610及び620を全閉した状態を示す。図33(d)及び(e)は、扉体610及び620を全閉した状態で、扉体630をLCD50の表示領域51の略中央に移動させた状態を示す。
図33(f)及び図34(a)は、扉体610及び620を再び全開した状態を示す。これにより、扉体630が露出する。この例の場合、扉体630の左右方向の幅は、LCD50の表示領域51の幅よりも狭くしており、扉体630は表示領域51の中央部分のみを遮蔽している。このため、遊技者には、停止表示している左及び右の装飾図柄は見えるが、変動表示中であった中の装飾図柄は視認困難となっている。中の装飾図柄は、図33(c)の段階から図34(a)の段階までの間に停止表示しておく。
図34(b)乃至図34(f)は、扉体630を扉体620の背面側まで移動して、表示領域51全体を遊技者に露出させた状態を示す。扉体630の移動にともなって、中の装飾図柄も遊技者が視認できるようになり、装飾図柄の組合せを遊技者が視認できる。
このように、本例では、扉体630を用いることで、装飾図柄の組合せを遊技者が視認できるタイミングを遅らせ、遊技者に大当たりへの期待感を持たせることができる。
なお、図33(b)乃至(f)及び図34(a)においては、各扉体610乃至630を相対的に高速移動し、図33(a)の状態から図34(a)の状態へ短時間で移行するようにする一方、図34(b)乃至(d)の間は、扉体630を相対的に低速移動として、その後(図34(e))、扉体630を相対的に高速移動するようにしてもよい。扉体630を低速移動とすることで、遊技者に期待感を抱く時間を確保することができる。そして、中の装飾図柄の種類を遊技者が認識可能な状態(図34(e))になれば高速移動とすることで、メリハリのある演出ができる。
次に、図35(a)乃至(f)及び図36(a)乃至(f)は、図31(b)に示した扉体610乃至630及びLCD50の配置例を採用した場合の演出例を示す。各図において、「平面視」として破線で囲った部分は、扉体610乃至630及びLCD50を平面視した場合の位置を示す。
図35(a)は、リーチ状態となり、扉体610及び620を全開している状態を示す。扉体630は扉体610の正面側に位置しており、前面カバー66’により隠されている。
図35(b)及び(c)は、扉体630を表示領域51の左半分を覆う位置まで移動させた状態を示す。図35(d)及び(e)は、扉体610及び扉体630を移動させ、扉体610が表示領域51の左半分を、扉体630が表示領域の右半分を、それぞれ覆う位置まで移動させた状態を示す。
図35(f)及び図36(a)は、扉体620及び扉体630を移動させ、扉体620が表示領域51の右半分を、扉体630が表示領域の左半分を、それぞれ覆う位置まで移動させた状態を示す。扉体630は扉体610と重なった位置にある。
図36(b)及び(c)は、扉体610を前面カバー66’により隠れる位置まで移動させた状態を示す。中の装飾図柄は、図35(e)の段階から図36(c)の段階までの間に停止表示しておく。図36(d)乃至(f)は、扉体620及び630を前面カバー66’により隠れる位置まで移動させた状態を示す。扉体630は扉体620の正面側においてこれと重なった位置にある。これにより、LCD50の表示領域51全体を遊技者に露出させ、遊技者は、装飾図柄の組合せを遊技者が視認できる。
このように、本例では、扉体630の移動に連動して扉体610、620を移動させることで、扉体610乃至630による表示領域51の開閉動作を面白みのある開閉動作とすることができる。
なお、図35(b)乃至図36(c)においては、各扉体610乃至630を相対的に高速移動する一方、図36(d)の状態では扉体630を相対的に低速移動して、その後(図36(e))、扉体620及び630を相対的に高速移動するようにしてもよい。扉体630を低速移動とすることで、遊技者に期待感を抱く時間を確保することができる。そして、中の装飾図柄の種類を遊技者が認識可能な状態(図36(e))になれば高速移動とすることで、メリハリのある演出ができる。
次に、図37(a)乃至(d)及び図38(a)乃至(d)は、図32(b)に示した扉体610乃至630及びLCD50の配置例を採用した場合の演出例を示す。各図において、「平面視」として破線で囲った部分は、扉体610乃至630及びLCD50を平面視した場合の位置を示し、「側面視」として破線で囲った部分は、扉体610乃至630及びLCD50を左側面視した場合の位置を示す。
図37(a)は、リーチ状態となり、扉体610及び620を全開している状態を示す。扉体630はLCD50の表示領域51の上方に位置しており、遊技領域21を構成する板(不図示)の背後に隠れている。
図37(b)及び(c)は、扉体610及び620を全閉した状態を示す。図37(d)及び図38(a)は、扉体610及び620を全閉した状態で、扉体630をLCD50の表示領域51の略中央に移動させた状態を示す。
図38(b)及び(c)は、扉体610及び620を再び全開し、扉体630を上昇さたる状態を示す。扉体610及び620を全開することで、LCD50の表示領域51のうち、扉体630の背後の部分以外の部分が露出する。この例の場合も、扉体630の左右方向の幅は、LCD50の表示領域51の幅よりも狭くしており、扉体630は表示領域51の中央部分のみを遮蔽している。このため、遊技者には、停止表示している左及び右の装飾図柄は見えるが、変動表示中であった中の装飾図柄は視認困難となっている。扉体630が上昇するにつれて、中の装飾図柄を遊技者が徐々に視認できるようになる。中の装飾図柄は、図37(c)の段階から図38(b)の段階までの間に停止表示しておく。
図38(d)は、扉体630が再び表示領域51の上方に位置し、表示領域51全体を遊技者に露出させた状態を示す。装飾図柄の組合せを遊技者が視認できる。
このように、本例では、扉体630を用いることで、装飾図柄の組合せを遊技者が視認できるタイミングを遅らせ、遊技者に大当たりへの期待感を持たせることができる。
なお、図37(b)乃至(d)及び図38(a)及び(b)においては、各扉体610乃至630を相対的に高速移動し、図37(a)の状態から図38(b)の状態へ短時間で移行するようにする一方、図38(c)の扉体630を上昇する間は、扉体630を相対的に低速移動として、その後、扉体630を相対的に高速移動するようにしてもよい。扉体630を低速移動とすることで、遊技者に期待感を抱く時間を確保することができる。そして、中の装飾図柄の種類を遊技者が認識可能な状態になれば高速移動とすることで、メリハリのある演出ができる。
図39(a)乃至(f)及び図40(a)乃至(f)は、図31(a)に示した扉体610乃至630及びLCD50の配置例を採用した場合の別の演出例を示す。各図において、「平面視」として破線で囲った部分は、扉体610乃至630及びLCD50を平面視した場合の位置を示す。
図39(a)は、リーチ状態となり、扉体610及び620を全開している状態を示す。扉体630は扉体610の背面側に位置しており、扉体610と共に前面カバー66’により隠されている。
図39(b)は、扉体610及び620を全閉した状態を示す。図39(c)は、扉体610及び620を距離dだけ離間させた状態を示す。距離dの範囲でLCD50の表示領域51が露出し、その露出した部分に、リーチ状態にある装飾図柄を縮小表示している。
図39(d)は、扉体630を扉体610と重なるようにその背後に移動する一方、LCD50により変動表示中の中の装飾図柄を拡大表示した状態を示す。図39(e)及び(f)は、扉体610乃至630を移動し、LCD50の表示も移動した状態を示す。扉体610は、表示領域51の左半分を覆う位置まで移動し、扉体620は全閉時の位置まで移動する。扉体630は、扉体620と距離dだけ離間した位置まで移動する。これらの移動の間、扉体620と、扉体610又は630とが、常時距離dだけ離間するようにし、表示領域51が、常時距離dの範囲で露出するようにする。そして、LCD50の表示内容も移動させる。
続いて図40(a)では、LCD50の表示内容のうち、変動表示中の中の装飾図柄の表示位置のみを右に移動させていき、前面カバー66’に隠れるように見せる。そして、図40(b)に示すように、変動表示中の中の装飾図柄の種類を変えて、その表示位置みを左に移動させていき、前面カバー66’に隠れている間に、装飾図柄がすりかわったように見せる。
図40(c)に示すように、中の装飾図柄の表示位置を距離dの中央まで移動すると、その後、図40(d)及び(e)に示すように、再び扉体610乃至630を移動し、LCD50の表示も移動する。扉体610乃至630は図39(c)の状態の位置に戻るように移動する。これらの移動の間も、扉体620と、扉体610又は630とが、常時距離dだけ離間するようにし、表示領域51が、常時距離dの範囲で露出するようにする。そして、LCD50の表示内容も移動させる。最後に図40(f)に示すように、扉体610及び620を全開し、表示領域51全体を遊技者に露出させる。
このように、本例では、扉体610乃至630を移動させる際、距離dの範囲だけ表示領域51が見えるようにし、その過程で変動表示中の装飾図柄の種類を切り換え、図40(f)の段階で確定表示とすることにより、遊技者に大当たりへの期待感を持たせることができる。
なお、図39(b)乃至(d)においては、各扉体610乃至630を相対的に高速移動し、図39(a)の状態から図39(d)の状態へ短時間で移行するようにする一方、図39(d)乃至(f)及び図40(a)乃至(d)の間は、扉体610乃至630を相対的に低速移動として、その後(図40(e))、扉体610乃至630を相対的に高速移動するようにしてもよい。扉体610乃至630を低速移動とすることで、遊技者に期待感を抱く時間を確保することができる。そして、確定表示時には高速移動とすることで、メリハリのある演出ができる。