JP2013075203A - 遊技機 - Google Patents

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高明 市原
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好司 新見
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Abstract

【課題】複数の可動体に様々な動きを付与することで可動演出をより多彩なものとし、飽き難くして遊技者の興趣が低下するのを抑制することが可能な遊技機を提供する。
【解決手段】パチンコ機に、遊技球が打ち込まれる遊技領域の後端を区画する遊技パネルと、遊技パネルに支持され左右方向へ夫々移動可能とされた少なくとも二つの横行体2510と、横行体2510を夫々別々に駆動する駆動ユニットと、各駆動ユニットを制御し、少なくとも二つの横行体2510が互いに連結されたような状態で夫々同一方向へ移動するように移動制御する周辺制御基板とを具備させる。
【選択図】図117

Description

本発明は、ぱちんこ遊技機(一般的に「パチンコ機」とも称する)や回胴式遊技機(一般的に「パチスロ機」とも称する)等の遊技機に関するものである。
従来より、パチンコ機等の遊技機において、遊技媒体として例えば遊技球が打ち込まれる遊技領域内には、多数の障害釘が所定のゲージ配列をなして備えられている他、遊技領域の適宜位置には、遊技媒体が受入れられることで所定数の遊技媒体を払出す入賞口が複数備えられている。これら入賞口の中には、遊技媒体の受入れを契機として抽選を行う始動口が備えられており、その始動口への遊技媒体の受入れによって抽選された抽選結果に応じて、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させるものも知られている。また、遊技領域内の遊技者から視認可能な位置に、所定の演出画像を表示可能な演出表示手段を備えて、表示された演出画像によって遊技者を楽しませるようにしたものも知られている。
また、この種の遊技機では、遊技領域内の所定位置に、遊技状態等に応じて可動する可動役物を備えたものも知られており、演出表示手段の前側に上下方向へ移動する比較的大型の可動体を二つ備え、それら可動体を互いに接近させたり離反させたりして、可動体の動きにより遊技者を楽しませるようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1)。また、演出表示手段の前面に左右方向へ移動し演出表示手段を隠蔽可能な複数の扉状の可動体を備え、遊技状態に応じて複数の可動体を移動させて演出表示手段を露出させたり隠蔽させたりすることで、可動体の動きと共に演出画像を楽しませるようにしたものも提案されている(例えば、特許文献2)。
特開2007−143790号公報 特開2007−061488号公報
しかしながら、特許文献1のものでは、二つの可動体が、略同じ前後方向の位置に配置されており、他の可動体を越えて反対側へ移動することができないようになっている。また、特許文献2のものでは、左右方向の中心を挟んで左右に配置された複数の可動体が、夫々前後方向の異なる位置に配置されているものの、最も前側の可動体に追従するように夫々連結されており、連結された範囲内でしか移動することができないようになっている。従って、従来の遊技機では、上下、或いは、左右に配置された可動体が、互いに接近したり離反したりするだけなので、可動体の動きとしては単純なものとなり、見慣れ易く遊技者によっては見慣れてしまうことで遊技に対する興趣を低下させてしまう虞があった。
そこで、本発明は上記の実情に鑑み、複数の可動体に様々な動きを付与することで可動演出をより多彩なものとし、飽き難くして遊技者の興趣が低下するのを抑制することが可能な遊技機の提供を課題とするものである。
手段1:遊技機において、
「遊技者の操作によって遊技媒体が打ち込まれる遊技領域と、
該遊技領域の後端を区画可能な板状の遊技パネルと、
該遊技パネルの所定位置で正面視における前記遊技領域と対応する位置に遊技者側から視認可能に支持され、左右方向へ夫々移動可能とされた少なくとも二つの可動体と、
該可動体を左右方向へ夫々別々に駆動する可動体駆動手段と、
該可動体駆動手段を前記遊技領域内へ打ち込まれ遊技媒体に応じて制御可能とし、少なくとも二つの前記可動体が互いに連結されたような状態で夫々同一方向へ移動するように移動制御する移動制御手段とを具備する」ことを特徴とする。
ここで、「遊技パネル」としては、板状であれば良く、その素材として、「木製合板」、アクリル樹脂」、「ポリカーボネイト樹脂」、「ABS樹脂」、「ポリプロピレン」、「ポリアリレート樹脂」、「メタクリル樹脂」、「ガラス」、等が挙げられる。なお、遊技パネルを透明とした場合は、遊技パネルとしてアクリル樹脂を用いることが望ましく、このアクリル樹脂は、他の透明な部材と比較して、透明度が高く、遊技パネルの後側に配置される可動体や演出表示手段等をより見易くすることができる。
また、「可動体」としては、遊技者が視認し易い大きさや形状とすることが望ましく、「正面視矩形状のもの」、「所定の乗物や動物等の形状を模したもの」、「所定の幾何学形状をしたもの」、「雲や岩等の所定の自然物の形状を模したもの」、等が挙げられ、透光性を有するようにしても良いし、不透光性としても良い。なお、可動体の数としては、2〜10の範囲内とすることが望ましい。また、可動体の大きさとしては、遊技者側から視認可能となる視認可能領域、又は、所定の演出画像を表示可能な演出表示手段の左右方向の幅に対して1/2〜1/10の範囲内の幅とすることが望ましい。なお、可動体の左右方向の幅が視認可能領域等の幅の1/2よりも大きいと、視認可能領域内で可動体同士を互いに連結したような状態とすると、少なくとも一方の可動体の一部が視認不能領域内へと入ってしまい可動体全体を見せることができず可動体の動きを充分に楽しませることができなくなる虞があるためである。また、可動体の幅が視認可能領域等の幅の1/10よりも小さいと、可動体が小さくなりすぎて遊技者から見辛くなり、可動体の動きを充分に楽しませることができなくなる虞があるためである。なお、可動体の左右方向の幅を、視認可能領域等の幅の1/3〜1/6の範囲内とすることが望ましい。
更に、「可動体駆動手段」としては、「駆動モータによって回転駆動させられる駆動プーリと、駆動プーリから左右方向に所定距離離反して配置される従動プーリと、従動プーリと駆動プーリとに巻き掛けられると共に可動体が固定されるベルトとを備えたもの」、「駆動モータによって回転するピニオンギヤと、ピニオンギヤと噛合し左右方向に摺動可能とされると共に可動体が固定されるラックギヤとを備えたもの」、「駆動モータによって回転する左右方向へ延びた長尺状の雄ねじ部材と、雄ねじ部材と螺合すると共に回転不能に支持され可動体が固定される雌ねじ部材とを備えたもの」、「左右方向へ直線状に配置される複数の固定電磁石と、固定電磁石に対して対向配置される磁石を有し可動体が固定される可動子とを備えたもの」、「左右方向へ延びるプランジャと、プランジャを左右方向へ進退させるソレノイドとを備えたもの」、「左右方向へ延びるように配置されたシリンダと、シリンダ内を圧力流体によって移動するピストンと、ピストンと連結されシリンダから外部へ延出するピストンロッドとを備えたもの」、等が挙げられる。
更に、「移動制御手段」としては、中央演算装置としてのCPUと、プログラムや初期値等が記憶されたROMと、CPUでの演算処理の際に一時的にデータを記憶するRAMとを少なくとも備え、CPUにおいて所定のプログラムを実行させることで具現化されるものであり、「遊技媒体による遊技機の基本的な遊技を制御する主制御基板」、「主制御手段での制御を補佐すると共に、遊技に係る各種の演出動作を制御する周辺制御基板」、等が挙げられる。
また、可動体が「互いに連結されたような状態」とは、「正面視で可動体同士の間に隙間が見えない状態」、「正面視で可動体同士の間に所定幅の隙間が見える状態」、等が挙げられる。また、少なくとも二つの可動体は、前後方向の位置を略同じ位置としても良いし、前後方向の位置を互いに異なる位置としても良く、更に、前後方向の位置を略同じ位置と異なる位置に夫々配置しても良い。なお、前後方向の異なる位置に可動体を夫々配置するようにした場合、互いに連結されたような動きの他に、可動体同士が、重なったり、クロスしたり、追抜いたりする動きをさせることができ、より多彩な稼動演出を具現化して遊技者を楽しませることができる。
手段1の構成によると、遊技機に、遊技者の操作によって遊技媒体が打ち込まれる遊技領域と、遊技領域の後端を区画可能な板状の遊技パネルと、遊技パネルの所定位置で正面視における遊技領域と対応する位置に遊技者側から視認可能に支持され、左右方向へ夫々移動可能とされた少なくとも二つの可動体と、可動体を左右方向へ夫々別々に駆動する可動体駆動手段と、可動体駆動手段を遊技領域内へ打ち込まれ遊技媒体に応じて制御可能とし、少なくとも二つの可動体が互いに連結されたような状態で夫々同一方向へ移動するように移動制御する移動制御手段とを具備させるようにしたものである。
これにより、遊技者によって遊技領域内へ打ち込まれた遊技媒体による遊技状況に応じて、左右方向へ夫々別々に移動可能とされた少なくとも二つの可動体が、互いに連結されたように左右方向へ一緒に移動するので、複数の可動体が一丸となって動くこととなり、可動体が単体で動いている場合と比較して、遊技者の視界に入り易く可動体の動きに気付かせることができ、遊技者の関心を強く引き付けられる他の遊技機よりも目立った遊技機とすることができると共に、複数の可動体に様々な動きを付与することで可動演出をより多彩なものとすることができ、飽き難くして遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、夫々別々に移動することができる少なくとも二つの可動体が、互いに連結されたように左右方向へ一緒に移動するので、別々に移動する可動体と、連結されて一緒に移動する可動体との、動きや見た目のギャップを大きくすることが可能となり、可動体の可動演出に遊技者を注目させて可動演出を楽しませることができ、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、正面視で少なくとも二つの可動体同士の間に隙間が見える状態で夫々を同一方向へ移動させるようにしても良く、これにより、移動方向における前側の可動体が後側の可動体を引っ張っているように錯覚させたり、後側の可動体が前側の可動体に追従しているように錯覚させたりすることができる。また、正面視で少なくとも二つの可動体同士の間に隙間が見えない状態で夫々を同一方向へ移動させるようにしても良く、これにより、可動体同士がくっ付いているように錯覚させたり、移動方向に対して後側の可動体が前側の可動体を押しているように錯覚させたりすることができる。このように、可動体同士の間に隙間を形成したり隙間が形成されないようにしたりすることで、複数の可動体による可動演出をより多彩なものとすることができ、飽き難くして遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
なお、左右方向へ移動可能な可動体を、遊技者側から視認可能な視認可能領域内だけでなく、遊技者側から視認不能な視認不能領域内へも移動できるようにし、互いに連結されたような状態で一緒に移動する可動体の少なくとも一つを視認不能領域へ入るように移動させるようにしても良く、これにより、一緒に移動する複数の可動体の少なくとも一部が遊技者側から見えたり見えなくなったりするので、移動することで見え隠れする可動体によって遊技者を楽しませることができ、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。また、互いに連結されたような状態の可動体が、視認不能領域内から視認可能領域へ移動させると、あたかも視認不能領域内の可動体が視認可能領域内の可動体を押出しているように錯覚させることができ、可動体の動きをより楽しませることができると共に、より多彩な可動演出を遊技者に対して提示することができる。
また、可動体よりも後側に所定の演出画像を表示可能な演出表示手段を備えるようにしても良く、可動体の動きだけでなく、演出表示手段に表示される演出画像によっても遊技者を楽しませることができ、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。また、複数の可動体を所定配列とすることで、後側に配置された演出表示手段の前面全体を略被覆できるようにしても良く、これによって、演出表示手段を遊技者側から見えなくしたり見えるようにしたりすることが可能となり、演出表示手段に表示される演出画像としての変動図柄等を一時的に見えなくすることで、抽選結果に対する想像を掻き立てて期待感をより高めることができ、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。更に、演出表示手段に表示される演出画像として、可動体の動きと同調するような動きをするキャラクタや図柄等を表示させるようにしても良く、これにより、可動体と共に動くキャラクタ等によって、あたかも可動体によってキャラクタ等が動いているように見せたり、キャラクタ等によって可動体が動かされているように見せたりすることができ、より遊技者を楽しませることができる。
更に、所定配列で演出表示手段の前面を被覆可能な複数の可動体を、襖や障子戸等に見立てるようにした場合、複数の可動体が演出表示手段の前面を被覆する所定配列の状態(互いに連結されたような状態)で、夫々を同一方向へ一緒に移動させるようにしても良い。詳述すると、一般的に、襖等は左右方向の中央を境として左右の襖が夫々離反したり接近したりする、所謂、両方へ引き分ける両引戸の動きをするものあり、可動体を襖等に見立てることで、遊技者に対して可動体が両引戸の動きをするものであると認識させる(思い込ませる)ことができる。そして、遊技者に両引戸の動きを認識させた状態で、複数の可動体を揃って同一方向へ移動する動きをさせることで、可動体が両引戸の動きとは全く異なる動きをして遊技者の予期せぬ動きをすることとなり、遊技者を大きく驚かせることができると共に、可動体に対する関心を強く引き付けることができ、可動体の動きをより楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、複数の可動体における前後方向の位置を、夫々略同じ位置に配置しても良いし、前後方向の異なる位置に配置しても良く、例えば、複数の可動体を前後方向の異なる位置に配置するようにした場合、左右方向において、一方の可動体が他方の可動体を越えて反対側へ移動することができるので、可動体の可動範囲が広くなりよりダイナミックな動きを可動体にさせることができると共に、可動体同士がクロスしたり追抜いたりする動きをさせることが可能となり、より多彩な可動演出を具現化して飽き難くすることができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
手段2:手段1の構成において、
「前記移動制御手段は、
前記可動体同士の間に正面視で、隙間が見える状態、又は、隙間が見えない状態で夫々同一方向に移動させる」ものであることを特徴とする。
手段2の構成によると、移動制御手段は、可動体同士の間に正面視で、隙間が見える状態、又は、隙間が見えない状態で夫々同一方向に移動させるようにしたものである。
これにより、正面視で可動体同士の間に隙間が見える状態や隙間が見えない状態で、夫々を同一方向へ移動させるようにしているので、各可動体の前後方向の位置に関係なく、可動体が互いに連結されたような状態で移動しているように見せることが可能となり、上述した可動演出を確実に具現化することができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、正面視で可動体同士の間に隙間が見えるような状態で夫々を同一方向へ移動させるようにした場合、移動方向における前側の可動体が後側の可動体を引っ張っているように見せたり、後側の可動体が前側の可動体の後を追従しているように見せたりすることができる。一方、正面視で可動体同士の間に隙間が見ないような状態で夫々を同一方向へ移動させるようにした場合、可動体同士が一つにくっ付いているように見せたり、移動方向における後側の可動体が前側の可動体を押しているように見せたりすることができる。従って、互いに一緒になって移動する可動体の動きにより、遊技者に対して種々のイマジネーションを掻き立てることが可能となり、可動体の動きを楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
手段3:手段1又は手段2の構成において、
「前記移動制御手段は、
前記可動体同士を夫々同時に同一速度で移動させる」ものであることを特徴とする。
手段3の構成によると、移動制御手段は、可動体同士を夫々同時に同一速度で移動させるものである。
これにより、複数の可動体を同時に同一方向へ同一速度で移動させるようにしているので、可動体同士が互いに連結されたような状態で移動させることが可能となり、上述した可動演出を確実に具現化することができ、遊技者に可動体の可動演出を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、各可動体を夫々同一速度で移動させるようにしており、特許文献2のもののように、複数の可動体において特定の可動体のみを駆動することで他の可動体を押したり引っ張ったりするようにした場合と比較して、各可動体を一斉に駆動しているので、可動体同士が押されたり引っ張られたりするのが抑制され、可動体が滑らかに移動することとなり、可動体がギクシャクした動きをして遊技者に対し違和感を与えてしまうの防止することができ、違和感によって遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。また、各可動体を駆動するようにしており、一つの可動体に必要な駆動力を小さくすることが可能となって、可動体を移動駆動させる可動体駆動手段を小さくすることができるので、相対的に可動体を大きくしたり、可動体の可動範囲を広くしたりすることができ、可動体によるインパクトを高めて遊技者の関心を強く引き付けられる遊技機とすることができる。
手段4:手段1から手段3までの何れか一つの構成において、
「前記遊技パネルにおける左右方向の幅と略同じ長さとされると共に、該遊技パネルの後側に配置され、複数の前記可動体を左右方向へ案内可能な案内部材を更に具備する」ものであることを特徴とする。
ここで、「案内部材」としては、可動体を左右方向へ案内することができるものであれば良く、「断面外形が略円形の円柱状の部材」、「断面外形が多角形の棒状の部材」、「断面外形が所定形状の長尺部材」、「可動体に軸支される所定のローラを挿入可能とされた左右方向へ延びる溝を有した部材」、等が挙げられる。
手段4の構成によると、遊技機に、遊技パネルにおける左右方向の幅と略同じ長さとすると共に、遊技パネルの後側に配置し複数の可動体を左右方向へ案内可能な案内部材を更に具備させるようにしたものである。
これにより、遊技パネルの後側に配置し遊技パネルの幅と略同じ長さの案内部材によって可動体を左右方向へ案内するようにしているので、可動体の移動範囲を可及的に広くすることができ、可動体を広い範囲で案内させることでよりダイナミックな動きをさせることが可能となって、可動体の動きを遊技者に楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができると共に、大きく動く可動体によって可動体や可動体が配置された遊技領域内を目立たせることができ、一見して他の遊技機と異なる印象を遊技者に与えて遊技者の関心を強く引き付けられる遊技機とすることができる。
また、案内部材を遊技パネルの後側に配置しているので、遊技者側から案内部材を見辛くすることができ、案内部材が見えることで遊技機の見栄えが悪くなるのを防止することができると共に、蓋然的に可動体が遊技パネルの後側に配置されることとなり、遊技パネルによって可動体の視認可能領域や視認不能領域等を形成し易くすることができ、複数の可動体によるより多彩な可動演出を具現化することができる。
更に、一つの案内部材に対して、可動体を複数案内させるようにしても良く、これにより、案内部材の数よりも多い数の可動体を案内させることができるので、多くの可動体によってより遊技者の関心を強く引き付けられる可動演出を具現化することができ、飽き難くしたり楽しませたりして遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。また、案内部材の数よりも多い数の可動体を案内させることができるので、可動体の案内に係る機構の前後方向の奥行が大きくなるのを抑制することが可能となり、相対的に可動体や遊技領域内等に配置される役物等を大きくすることができ、可動体等を目立たせて遊技者の関心を強く引き付けられるものとすることができる。
また、案内部材を遊技パネルの後側に前後方向へ並んで複数配置しても良く、これにより、案内部材によって案内される可動体を前後方向の異なる位置に配置することができるので、正面視で左右方向において、一方の可動体が他方の可動体を越えて反対側へ移動することができ、可動体の可動範囲が広くなりよりダイナミックな動きを可動体にさせることができると共に、可動体同士がクロスしたり追抜いたりする動きをさせることが可能となり、より多彩な可動演出を具現化して飽き難くすることができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。更に、可動体が前後方向の異なる位置に配置されることとなるので、互いが連結したような状態で視認可能領域から視認不能領域へ移動させる場合、移動方向に対して先頭側の可動体全体が視認不能領域に入ったら、先頭側の可動体を停止させ後側の可動体を前側の可動体と重なるように続けて視認不能領域内へ移動させるようにすると、遊技者側からは可動体が互いに連結したような状態で視認不能領域内へ入って行くように見せることができる上に、互いに連結したような状態の可動体の大きさよりも視認不能領域の大きさを小さくすることが可能となり、相対的に視認可能領域を広くして、可動体による可動演出をより楽しませることができる。
手段5:手段4の構成において、
「前記案内部材は、
前記遊技パネルの後側に前後方向へ並んで複数配置されると共に、夫々少なくとも一つの前記可動体を左右方向へ案内する」ものであることを特徴とする。
手段5の構成によると、案内部材を、遊技パネルの後側に前後方向へ並んで複数配置すると共に、夫々少なくとも一つの可動体を左右方向へ案内させるようにしたものである。
これにより、複数の可動体を前後方向の異なる位置に配置することができるので、可動体同士が互いに連結されたように状態とするだけでなく、正面視で左右方向において、一方の可動体が他方の可動体を越えて反対側へ移動することができ、可動体の可動範囲が広くなりよりダイナミックな動きを可動体にさせることができると共に、可動体同士がクロスしたり追抜いたりする動きをさせることが可能となり、より多彩な可動演出を具現化して飽き難くすることができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、可動体が前後方向の異なる位置に配置されており、互いが連結したような状態で視認可能領域から視認不能領域へ移動させる場合、移動方向に対して先頭側の可動体全体が視認不能領域に入ったら、先頭側の可動体を停止させ、後側の可動体を前側の可動体と重なるように続けて視認不能領域内へ移動させるようにすると、遊技者側からは可動体が互いに連結したような状態で視認不能領域内へ入って行くように見せることができると共に、視認不能領域に入った先頭側の可動体を停止させることで、互いに連結したような状態の可動体の大きさよりも視認不能領域の大きさを小さくすることが可能となり、相対的に視認可能領域を広くして、可動体による可動演出をより楽しませることができる。
手段6:手段1から手段5までの何れか一つの構成において、
「前記可動体は、
前記遊技パネルの左右方向の幅よりも小さく前記遊技領域の幅の半分よりも大きい範囲内で遊技者側から視認可能となる視認可能領域と、該視認可能領域の左右外側に配置され遊技者側から視認不能となる視認不能領域との間を移動可能とされると共に、左右何れか一方の該視認不能領域から、前記視認可能領域内の左右方向中央を越えて反対側へ移動可能とされている」ものであることを特徴とする。
手段6の構成によると、可動体を、遊技パネルの左右方向の幅よりも小さく遊技領域の幅の半分よりも大きい範囲内で遊技者側から視認可能となる視認可能領域と、視認可能領域の左右外側に配置され遊技者側から視認不能となる視認不能領域との間を移動可能とすると共に、左右何れか一方の視認不能領域から、視認可能領域内の左右方向中央を越えて反対側へ移動可能としたものである。
これにより、各可動体を、視認可能領域と視認不能領域との間で移動させるようにしているので、可動体を視認不能領域から視認可能領域へ移動させたり、可動体を視認可能領域から視認不能領域へ移動させたりして、可動体を遊技者側から見えるようにしたり見えなくなるようにしたりすることができ、可動体の可動演出をより多彩なものとし、飽き難くして遊技者の興趣が低下するのを抑制することが可能な遊技機とすることができる。
また、可動体を、左右何れかの一方の視認不能領域から視認可能領域の左右方向中央を越えて反対側へ移動することができるようにしているので、可動体の移動範囲が大きくなり、蓋然的に、可動体同士が互いに連結したような状態で左右方向へ移動できる移動範囲も大きくなり、よりダイナミックな動きの可動演出を行うことができ、遊技者を驚かせたり楽しませたりして遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、可動体を前後方向の異なる位置に配置して互いが連結されたような状態とした場合、その状態で各可動体を視認可能領域から視認不能領域へ一緒に移動させる際に、移動方向に対して先頭側の可動体全体が視認不能領域に入ったら、先頭側の可動体を停止させ、後側の可動体を前側の可動体と重なるように続けて視認不能領域内へ移動させるようにすると、遊技者側からは可動体が互いに連結したような状態で視認不能領域内へ入って行くように見せることができると共に、視認不能領域に入った先頭側の可動体を停止させることで、互いに連結したような状態の可動体の大きさよりも視認不能領域の大きさを小さくすることが可能となり、相対的に視認可能領域を広くして、可動体による可動演出をより楽しませることができる。
更に、複数の可動体が互いに連結されたような状態とすることで視認可能領域の全体に亘る、つまり、複数の可動体を所定配列とすることで視認可能領域を覆うようにして、その状態で移動方向の先頭側の可動体が視認不能領域へ入るように各可動体を同一方向へ一緒に移動させるようにしても良く、視認可能領域を覆う複数の可動体が一緒に同一方向へ移動するので、遊技領域内で巨大な可動体が動いているように見え、遊技者を驚かせて遊技機に対する関心を強く引き付けることができ、遊技する遊技機として本遊技機を選択し易くすることができる。また、複数の可動体を襖や障子戸に見立てるようにしても良く、この場合、可動体が襖等となることで遊技者に対して左右方向の中央から両方へ引き分ける両引戸の動きしかしないものと思わせることができるので、可動体が一緒に同一方向へ移動することで遊技者の予期しない動きを可動体がすることとなり、遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、可動体による可動演出を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
なお、視認可能領域の大きさを、遊技パネルの左右方向の幅よりも小さく遊技領域の幅の半分よりも大きい範囲内としているのは、遊技領域の幅の半分よりも小さいと、遊技領域内において視認可能領域が目立ち難くなると共に、視認可能領域内を移動する可動体の大きさも相対的に小さくなり、可動体が目立ち難くなって可動演出を充分に楽しませられなくなる虞があるためである。また、遊技パネルの幅よりも大きいと蓋然的に視認可能領域や視認不能領域を設けることができなくなるためである。なお、視認可能領域の大きさとしては、遊技領域の幅を遊技パネルの幅の4/5〜1/1の範囲内とした上で、遊技領域の幅の1/2〜5/6の範囲内とすることが望ましい。
手段7:手段6の構成において、
「前記可動体は、
左右方向の幅が、前記視認可能領域の左右方向の幅に対して1/2〜1/10の範囲内の幅とされている」ものであることを特徴とする。
手段7の構成によると、可動体の左右方向の幅を、視認可能領域の左右方向の幅に対して1/2〜1/10の範囲内の幅としたものである。なお、可動体の幅を視認可能領域の幅の1/2〜1/10の範囲内としているのは、可動体の幅が視認可能領域の幅の1/2よりも大きいと、可動体同士が互いに連結されたような状態とすると、少なくとも一方の可動体の一部が視認不能領域内へと入ってしまい、可動体の全体を遊技者に見せることができなくなってしまうためである。また、可動体の幅が視認可能領域の幅の1/10よりも小さいと、視認可能領域の大きさに対して相対的に可動体が小さなり、可動体が目立ち難くなるためである。
これにより、遊技者に対して視認可能領域内で可動体全体を明確に視認させることができるので、可動体を見易くすることができ、可動体の動きを楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。また、可動体の大きさを視認可能領域の大きさに対して適度な大きさとすることができるので、上述した可動体による多彩な可動演出を確実に具現化することができ、可動演出を飽き難くして遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
手段8:遊技機において、
「遊技者の操作によって遊技媒体が打ち込まれる遊技領域と、
該遊技領域の後端を区画可能な板状の遊技パネルと、
該遊技パネルの所定位置で正面視における前記遊技領域と対応する位置に遊技者側から視認可能に支持され、前記遊技パネルの左右方向の幅よりも小さく前記遊技領域の幅の半分よりも大きい範囲内で遊技者側から視認可能となる視認可能領域と、該視認可能領域の左右外側に配置され遊技者側から視認不能となる視認不能領域との間を移動可能とされると共に、左右何れか一方の該視認不能領域から前記視認可能領域内の左右方向中央を越えて反対側へ移動可能とされ、該視認可能領域の左右方向の幅に対して1/2〜1/10の範囲内の幅とされると共に左右方向へ夫々移動可能とされた少なくとも二つの可動体と、
該可動体を左右方向へ案内可能とし、前記遊技パネルにおける左右方向の幅と略同じ長さとされると共に、該遊技パネルの後側に前後方向へ並んで複数配置され、夫々少なくとも一つの前記可動体を案内する案内部材と、
該案内部材によって案内された前記可動体を左右方向へ夫々別々に駆動する可動体駆動手段と、
該可動体駆動手段を前記遊技領域内へ打ち込まれ遊技媒体に応じて制御可能とし、前記視認可能領域内で、少なくとも二つの前記可動体が互いに連結されたような状態で、且つ、該可動体同士の間に正面視で隙間が見えない状態で、夫々同時に同一速度で同一方向へ移動するように移動制御する移動制御手段とを具備する」ものであることを特徴とする。
手段8の構成によると、遊技機に、遊技者の操作によって遊技媒体が打ち込まれる遊技領域と、遊技領域の後端を区画可能な板状の遊技パネルと、遊技パネルの所定位置で正面視における遊技領域と対応する位置に遊技者側から視認可能に支持され、遊技パネルの左右方向の幅よりも小さく遊技領域の幅の半分よりも大きい範囲内で遊技者側から視認可能となる視認可能領域と、視認可能領域の左右外側に配置され遊技者側から視認不能となる視認不能領域との間を移動可能とされると共に、左右何れか一方の視認不能領域から視認可能領域内の左右方向中央を越えて反対側へ移動可能とされ、視認可能領域の左右方向の幅に対して1/2〜1/10の範囲内の幅とされると共に左右方向へ夫々移動可能とされた少なくとも二つの可動体と、可動体を左右方向へ案内可能とし、遊技パネルにおける左右方向の幅と略同じ長さとされると共に、遊技パネルの後側に前後方向へ並んで複数配置され、夫々少なくとも一つの可動体を案内する案内部材と、案内部材によって案内された可動体を左右方向へ夫々別々に駆動する可動体駆動手段と、可動体駆動手段を遊技領域内へ打ち込まれ遊技媒体に応じて制御可能とし、視認可能領域内で、少なくとも二つの可動体が互いに連結されたような状態で、且つ、可動体同士の間に正面視で隙間が見えない状態で、夫々同時に同一速度で同一方向へ移動するように移動制御する移動制御手段とを具備させるようにしたものである。
これにより、遊技者によって遊技領域内へ打ち込まれた遊技媒体による遊技状況に応じて、左右方向へ夫々別々に移動可能とされた少なくとも二つの可動体が、正面視において可動体同士の間に隙間が見えない状態で互いに連結されたように、視認可能領域内で左右方向へ一緒に移動するので、複数の可動体が一丸となって動くこととなり、可動体が単体で動いている場合と比較して、遊技者の視界に入り易く可動体の動きに気付かせることができ、遊技者の関心を強く引き付けられる他の遊技機よりも目立った遊技機とすることができると共に、複数の可動体に様々な動きを付与することで可動演出をより多彩なものとすることができ、飽き難くして遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、夫々別々に移動することができる少なくとも二つの可動体が、互いに連結されたように左右方向へ一緒に移動するので、別々に移動する可動体と、連結されて一緒に移動する可動体との、動きや見た目のギャップを大きくすることが可能となり、可動体の可動演出に遊技者を注目させて可動演出を楽しませることができ、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、視認可能領域内において、正面視で少なくとも二つの可動体同士の間に隙間が見えない状態で夫々を同一方向へ移動させるようにしているので、可動体同士がくっ付いているように錯覚させたり、移動方向に対して後側の可動体が前側の可動体を押しているように錯覚させたりすることができ、互いに一緒になって移動する可動体の動きによって、遊技者に対して種々のイマジネーションを掻き立てることができると共に、複数の可動体による可動演出をより多彩なものとすることができ、飽き難くして遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、各可動体を夫々同一速度で移動させるようにしているので、特許文献2のもののように、複数の可動体において特定の可動体のみを駆動することで他の可動体を押したり引っ張ったりするようにした場合と比較して、各可動体を一斉に駆動することで可動体を滑らかに移動させることが可能となり、可動体がギクシャクした動きをして遊技者に対し違和感を与えてしまうの防止することができ、違和感によって遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。また、各可動体を駆動するようにしており、一つの可動体に必要な駆動力を小さくすることが可能となって、可動体を移動駆動させる可動体駆動手段を小さくすることができるので、相対的に可動体を大きくしたり、可動体の可動範囲を広くしたりすることができ、可動体によるインパクトを高めて遊技者の関心を強く引き付けられる遊技機とすることができる。
更に、遊技パネルの後側に配置し遊技パネルの幅と略同じ長さの案内部材によって可動体を左右方向へ案内するようにしているので、可動体の移動範囲を可及的に広くすることができ、可動体を広い範囲で案内させることでよりダイナミックな動きをさせることが可能となって、可動体の動きを遊技者に楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができると共に、大きく動く可動体によって可動体や可動体が配置された遊技領域内を目立たせることができ、一見して他の遊技機と異なる印象を遊技者に与えて遊技者の関心を強く引き付けられる遊技機とすることができる。
また、案内部材を遊技パネルの後側に配置しているので、遊技者側から案内部材を見辛くすることができ、案内部材が見えることで遊技機の見栄えが悪くなるのを防止することができると共に、蓋然的に可動体が遊技パネルの後側に配置されることとなり、遊技パネルによって可動体の視認可能領域や視認不能領域等を形成し易くすることができ、複数の可動体によるより多彩な可動演出を具現化することができる。
また、案内部材を前後方向へ並んで複数配置しており、複数の可動体を前後方向の異なる位置に配置することができるので、可動体同士が互いに連結されたように状態とするだけでなく、正面視で左右方向において、一方の可動体が他方の可動体を越えて反対側へ移動することができ、可動体の可動範囲が広くなりよりダイナミックな動きを可動体にさせることができると共に、可動体同士がクロスしたり追抜いたりする動きをさせることが可能となり、より多彩な可動演出を具現化して飽き難くすることができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、各可動体を、視認可能領域と視認不能領域との間で移動させるようにしているので、可動体を視認不能領域から視認可能領域へ移動させたり、可動体を視認可能領域から視認不能領域へ移動させたりして、可動体を遊技者側から見えるようにしたり見えなくなるようにしたりすることができ、可動体の可動演出をより多彩なものとし、飽き難くして遊技者の興趣が低下するのを抑制することが可能な遊技機とすることができる。
また、可動体を、左右何れかの一方の視認不能領域から視認可能領域の左右方向中央を越えて反対側へ移動することができるようにしているので、可動体の移動範囲が大きくなり、蓋然的に、可動体同士が互いに連結したような状態で左右方向へ移動できる移動範囲も大きくなり、よりダイナミックな動きの可動演出を行うことができ、遊技者を驚かせたり楽しませたりして遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、視認可能領域の大きさを、遊技パネルの左右方向の幅よりも小さく遊技領域の幅の半分よりも大きい範囲内としているので、遊技領域に対して視認可能領域を適度な大きさとすることができ、遊技領域内において視認可能領域が目立ち難くなると共に、視認可能領域内を移動する可動体の大きさも相対的に小さくなり、可動体が目立ち難くなって可動演出を充分に楽しませられなくなるのを防止することができる。なお、視認可能領域の大きさとしては、遊技領域の幅を遊技パネルの幅の4/5〜1/1の範囲内とした上で、遊技領域の幅の1/2〜5/6の範囲内とすることが望ましい。
また、可動体の左右方向の幅を、視認可能領域の左右方向の幅に対して1/2〜1/10の範囲内の幅としており、遊技者に対して視認可能領域内で可動体全体を明確に視認させることができるので、可動体を見易くすることができ、可動体の動きを楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。また、可動体の大きさを視認可能領域の大きさに対して適度な大きさとすることができるので、上述した可動体による多彩な可動演出を確実に具現化することができ、可動演出を飽き難くして遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
手段9:手段1から手段8での何れか一つの遊技機において、
パチンコ機であることを特徴とする。
ここで、パチンコ機とは、遊技者が遊技機に投入する媒体である投入媒体と、遊技者が行う実質的な遊技に用いられる媒体である遊技媒体とを同一のものとした遊技機であり、投入された例えば遊技球等の媒体を用いて遊技が行われるタイプの遊技機の一種である。具体的には、「操作ハンドルの操作に対応して遊技球を発射する発射装置と、多数の障害釘、役物、表示手段等の適宜の機器が組み込まれたり、始動入賞口、大入賞口、通過口、到達口等の遊技球が入球する適宜の入球口が設けられた遊技領域と、発射装置から遊技領域に遊技球を導くレールと、遊技領域に導かれた遊技球の入球口への入球に応じたり、複数の入球口への遊技球の入球態様に応じて、所定数の遊技球を賞球として払い出す払出手段とを具備するもの」である。
なお、パチンコ機としては、種々のタイプのものがあり、一般に「デジパチ機」と称されるものに代表される「入球口への入球状態を検出する入球状態検出手段(遊技状態検出手段として捉えることもできる)と、入球状態検出手段によって入球が検出されると所定の抽選を行う抽選手段と、抽選手段の抽選結果に応じて特別図柄を変動させると共に変動を停止させる特別図柄表示手段とを備えたもの」や「加えて、特別図柄の変動中に、複数の図柄からなる図柄列を変動表示し、図柄列にて図柄を停止表示させたり、キャラクタや種々の物品等の表示物を描写し表示物を動作させたりする等によって適宜の演出表示を行う演出表示手段を更に具備するもの」、一般に「ハネモノ機」と称されるものに代表される「役物内での遊技球の振分けによって抽選を行う抽選手段を備えたもの」、一般に「アレパチ機」と称されるものに代表される「例えば16個等の所定個数の遊技球により1ゲームが行われ、1ゲームにおける複数の入球口への遊技球の入球態様に応じて所定個数の遊技球の払出しを行うもの」等を例示することができる。
手段9の構成によると、パチンコ機において、上述した手段のいずれかの作用効果を奏することができる。
手段10:手段1から手段8までの何れか一つの遊技機において、
パチスロ機であることを特徴とする。
ここで、パチスロ機とは、投入媒体であるメダルを投入し、メダルの投入後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作によって、夫々複数の図柄が描かれた複数のリールを回転させる等して、各リール等によって構成された図柄列を変動表示させるとともに、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて各図柄列の変動表示を停止させる、といった遊技が遊技者によって行われるものである。換言すれば、停止操作機能付きのスロットマシーンとして捉えることができるものである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動表示を停止させるものであってもよい。そして、各図柄列の変動表示の停止時において、表示された単体の図柄が特定の図柄であったり、各図柄列にて表示された図柄の組合せが特定の組合せであったりする等、特定の条件を満たす場合に、満たされた条件に応じて所定個数のメダルを払出したり、遊技者が多量のメダルを獲得することができる遊技者に有利な特別有利状態を発生させたりするものである。
手段10の構成によると、パチスロ機において、上述した手段のいずれかの作用効果を奏することができる。
手段11:手段1から手段8までの何れか一つの遊技機において、
パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなることを特徴とする。
ここで、「パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機」とは、複数個(例えば5個)の遊技球を1単位の投入媒体とし、投入媒体を投入した後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に応じて複数の図柄からなる図柄列を変動表示させるとともに、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて図柄列の変動を停止させるものである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動表示を停止させるものであってもよい。そして、各図柄列の変動表示の停止時において、表示された単体の図柄が特定の図柄であったり、各図柄列にて表示された図柄の組合せが特定の組合せであったりする等、特定の条件を満たす場合に、満たされた条件に応じて所定個数のメダルを払出したり、遊技者が多量のメダルを獲得することができる遊技者に有利な特別有利状態を発生させたりするものである。
手段11の構成によると、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機において、上述した手段のいずれかの作用効果を奏することができる。
このように、本発明によれば、複数の可動体に様々な動きを付与することで可動演出をより多彩なものとし、飽き難くして遊技者の興趣が低下するのを抑制することが可能な遊技機を提供することができる。
実施形態に係るパチンコ遊技機の外枠に対して本体枠を開放し、本体枠に対して扉枠を開放した状態を示す斜視図である。 パチンコ遊技機の正面から見た斜視図である。 パチンコ遊技機の正面図である。 パチンコ遊技機の側面図である。 パチンコ遊技機の平面図である。 パチンコ遊技機の背面図である。 パチンコ遊技機を構成する外枠、本体枠、遊技盤、扉枠の後方から見た分解斜視図である。 パチンコ遊技機を構成する外枠、本体枠、遊技盤、扉枠の前方から見た分解斜視図である。 外枠の正面斜視図である。 外枠の正面から見た分解斜視図である。 外枠の正面図である。 外枠の背面図である。 図11のB−B断面図(A)と図13(A)のC−C断面図(B)、D−D断面図(C)、E−E断面図(D)である。 扉枠の正面図である。 扉枠の背面図である。 図14に表示されるA−A断面図である。 図14に表示されるB−B断面図である。 扉枠の正面から見た分解斜視図である。 扉枠の背面から見た分解斜視図である。 ハンドル装置と本体枠に設けられる打球発射装置との関係を示す斜視図である。 部品を取付ける前の本体枠主体の正面図である。 部品を取付ける前の本体枠主体の背面図である。 部品を取付ける前の本体枠主体の側面図である。 部品を取付ける前の本体枠主体の背面から見た斜視図である。 部品を取付けた本体枠の前方から見た斜視図である。 部品を取付けた本体枠を外枠に軸支した状態を前方から見た斜視図である。 部品を取付けた本体枠の背面図である。 部品を取付けた本体枠の背面から見た斜視図である。 パチンコ遊技機の中程(主制御基板ボックス部分)の水平線で切断したパチンコ遊技機の断面平面図である。 遊技盤の正面から見た斜視図である。 遊技盤の正面図である。 遊技盤の背面図である。 遊技盤の平面図である。 遊技盤に形成される取り外し防止機構部分の拡大斜視図である。 遊技盤の取り外し防止機構に対する本体枠側の構造を示す本体枠の部分斜視図である。 打球発射装置の全体の斜視図(A),発射モータ部分を取り外した状態の斜視図(B)である。 打球発射装置の分解斜視図である。 打球発射装置と発射レールとの関係を示す正面図(A),発射モータ部分の斜視図(B)である。 操作ハンドル部を操作していない状態における打球発射装置と発射レールとの関係を示す背面図である。 操作ハンドル部を操作している状態における打球発射装置と発射レールとの関係を示す背面図である。 打球発射装置に設けられるスライド部材の平面図(A),正面図(B),正面から見た斜視図(C),正面図(B)のA−A断面図(D)である。 賞球タンクの斜視図(A)、平面図(B)、側面図(C)である。 従来の賞球タンク(A),(B)と本実施形態に係る賞球タンク(C)との排出口部分における球の圧力状態を示す平面図である。 賞球タンク、タンクレール部材、球通路ユニット、賞球ユニット、及び満タンユニットの関係を示すパチンコ機1の背面側から見た斜視図である。 賞球タンク、タンクレール部材、球通路ユニット、賞球ユニット、及び満タンユニットの関係を示すパチンコ機1の正面側から見た斜視図である。 タンクレール部材の下流部と球通路ユニットの上流部との関係を示す断面図(A)と平面図(B)である。 本体枠と球通路ユニット及び賞球ユニットとの関係を示す分解斜視図である。 球通路ユニット及び賞球ユニットとの関係を示す背面図である。 球通路ユニットの背面から見た斜視図である。 球通路ユニットの正面図である。 球通路ユニットと賞球ユニットとの連結構造を説明するための側面図である。 賞球ユニットの背面側から見た分解斜視図である。 払出モータと払出部材としてのスプロケットとの関係を説明するための背面図である。 賞球ユニットの通路と駆動関係を説明するための背面図である。 図54のA−A断面図である。 賞球ユニットと満タンユニットとの関係を示す斜視図である。 満タンユニットの斜視図である。 満タンユニットの正面から見た分解斜視図である。 満タンユニットの背面から見た分解斜視図である。 満タンユニットとファール口との関係を示す一部破断斜視図である。 満タンユニットに設けられる底面揺動板部分で切断した横断面図である。 満タンユニットとファール口との関係を示す断面図である。 錠装置と本体枠との関係を示す背面斜視図である。 錠装置の本体枠への掛け止め構造を示す拡大側方断面図である。 パチンコ遊技機の縦方向中央よりやや下方の位置で水平方向に切断した一部断面図である。 錠装置と本体枠の側壁との詳細な関係を示す拡大断面図である。 錠装置の側面図(A)、前面側から見た斜視図(B)である。 錠装置の背面側から見た斜視図(A)、錠装置のコ字状基体の内部に摺動自在に設けられるガラス扉用摺動杆と本体枠用摺動杆の斜視図(B),(C)である。 錠装置の分解斜視図である。 ガラス扉用摺動杆と本体枠用摺動杆の作用を説明するための正面図である。 不正防止部材の作用を説明するための正面図である。 基板ユニットを背面側から見た斜視図である。 基板ユニットを前面側から見た斜視図である。 (ア)は遊技盤の正面図であり、(イ)は遊技盤における状態表示器を拡大して示す正面図である。 遊技盤を斜め右前から見た斜視図である。 遊技盤を斜め左前から見た斜視図である。 遊技盤を斜め後から見た斜視図である。 図74におけるA−A断面図である。 図75におけるステージ付近を拡大して示す斜視図である。 遊技盤を構成する主な部材ごとに分解して斜め前から見た斜視図である。 遊技盤を構成する主な部材ごとに分解して斜め後から見た斜視図である。 (a)はセンター役物、アタッカユニット、及びサイド部材を前から見た斜視図であり、(b)はセンター役物、アタッカユニット、及びサイド部材を後から見た斜視図である。 図82(a)における矢視Aの方向から見たセンター役物の側面図である。 (a)は前構成部材と遊技パネルとを組立てた状態で前から見た斜視図であり、(b)は前構成部材と遊技パネルとを組立てた状態で後から見た斜視図である。 裏ユニットの正面図である。 (a)は裏ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏ユニットを後から見た斜視図である。 裏ユニットを主要な構成毎に分解して前から見た分解斜視図である。 図87の分解図を後から見た分解斜視図である。 裏ユニットにおける裏ユニットベースに取付けられる各部材を分解して前から見た分解斜視図である。 図89の分解斜視図を後から見た分解斜視図である。 (a)は揺動体ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は揺動体ユニットの正面図であり、(c)は揺動体ユニットにおける揺動機構を拡大して示す斜視図である。 裏ユニットの横行体ユニットを、前横行体駆動ユニット、後横行体駆動ユニット、及び下レールユニットに分解して前から見た分解斜視図である。 図92の分解斜視図を後から見た分解斜視図である。 横行体ユニットの正面図である。 横行体ユニットの背面図である。 横行体ユニットにおける前横行体駆動ユニットの一部を省略して示す斜視図である。 (a)は前横行体駆動ユニットにおける前下駆動ユニットの一部を省略して前から見た斜視図であり、(b)は前横行体駆動ユニットにおける前下駆動ユニットの一部を省略して後から見た斜視図である。 前横行体駆動ユニットにおける前上駆動ユニットの一部を省略して前から見た斜視図である。 後横行体駆動ユニットの正面図である。 後横行体駆動ユニットの一部を省略して示す背面図である。 後横行体駆動ユニットにおける後下駆動ユニットの一部を省略して前から見た斜視図である。 後横行体駆動ユニットにおける後上駆動ユニットの一部を省略して前から見た斜視図である。 パチンコ機における主基板周辺の制御構成を概略的に示すブロック図である。 パチンコ機における周辺制御基板周辺の制御構成を概略的に示すブロック図である。 (a)はセンター役物におけるサブ装飾体付近を拡大して示す正面図であり、(b)はサブ装飾体における表示部の表示態様を示す説明図である。 横行体を全開状態とした遊技盤の正面図である。 横行体を全開状態とすると共に揺動体を露出揺動させた状態を示す遊技盤の正面図である。 複数の横行体が液晶表示装置の前面を被覆した状態から露出(全開)した状態までの横行体の動きの一例を示す説明図でる。 図108とは異なる複数の横行体により液晶表示装置の前面を被覆する動きの例を示す説明図である。 横行体の移動可能範囲を示す説明図である。 前後方向の何れか一方の横行体が他方の横行体を追抜く動きの例を示す説明図である。 前後方向の異なる位置に配置された横行体同士がクロスするような動きの例を示す説明図である。 図108や図109とは異なる複数の横行体により液晶表示装置の前面を被覆する動きの例を示す説明図である。 複数の横行体により液晶表示装置の前面を被覆する更に異なる動きの例を示す説明図である。 図114の(キ)の状態から液晶表示装置が全開となるまでの横行体の動きの例を示す説明図である。 液晶表示装置の前面を被覆した状態における横行体の動きの例を示す説明図である。 二つの横行体が接した状態での動きの例を示す説明図である。 液晶表示装置の前面で三つの横行体が所定間隔で並ぶ動きの例を示す説明図である。
〔パチンコ遊技機の全体構造〕
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について、図面を参照して説明する。まず、図1乃至図8を参照して実施形態に係るパチンコ遊技機の全体について説明する。図1は、実施形態に係るパチンコ機1の外枠2に対して本体枠3を開放し、本体枠3に対して扉枠5を開放した状態を示す斜視図であり、図2は、パチンコ遊技機の正面から見た斜視図であり、図3は、パチンコ機1の正面図であり、図4は、パチンコ機1の側面図であり、図5は、パチンコ機1の平面図であり、図6は、パチンコ機1の背面図であり、図7は、パチンコ機1を構成する外枠2、本体枠3、遊技盤4、扉枠5の後方から見た分解斜視図であり、図8は、パチンコ機1を構成する外枠2、本体枠3、遊技盤4、扉枠5の前方から見た分解斜視図である。
図1乃至図8において、本実施形態に係るパチンコ機1は、島(図示しない)に設置される外枠2と、該外枠2に開閉自在に軸支され且つ遊技盤4を装着し得る本体枠3と、該本体枠3に開閉自在に軸支され且つ前記遊技盤4に形成されて球が打ち込まれる遊技領域605を遊技者が視認し得る遊技窓101と該遊技窓101の下方に配置され且つ遊技の結果によって払出される球を貯留する貯留皿としての皿ユニット300とを備えた扉枠5と、を備えて構成されている。
外枠2には、その下方前方に表面が装飾カバー板15によって被覆されている下部前面板14が固着されている。また、本体枠3には、上記したように遊技盤4が着脱自在に装着し得る他に、その裏面下部に打球発射装置650と、遊技盤4を除く扉枠5や本体枠3に設けられる電気的部品を制御するための各種の制御基板や電源基板等が一纏めに設けられている基板ユニット1100が取付けられ、本体枠3の後面開口580(図7参照)を覆うカバー体1250が着脱自在に設けられている。更に、扉枠5には、上記した皿ユニット300の他に、遊技窓101を閉塞するようにガラスユニット250と、ハンドル装置460とが設けられている。そして、本実施形態の特徴は、扉枠5に設けられる皿ユニット300が1つであり、しかも、従来は本体枠3に設けられていたハンドル装置460が扉枠5に設けられ、また、扉枠5と本体枠3とが正面から見てほぼ同じ方形の大きさであるため、正面から本体枠3が視認できなくした点である。以下、パチンコ機1を構成する部材について詳細に説明する。
〔外枠〕
外枠2について、主として図9乃至図13を参照して説明する。図9は、外枠2の正面斜視図であり、図10は、同外枠2の正面から見た分解斜視図であり、図11は、同外枠2の正面図であり、図12は、同外枠2の背面図であり、図13は、図11のB−B断面図(A)と図13(A)のC−C断面図(B)、D−D断面図(C)、E−E断面図(D)である。
図9及び図10において、本実施形態に係る外枠2は、上下の上枠板10及び下枠板11と左右の側枠板12,13とを、それぞれの端部を連結するための連結部材19で連結することによって方形状に組み付けられるものである。具体的には、連結部材19は、中央と左右とに段差のある表彰台状に形成され、突出した中央の部分が上枠板10及び下枠板11の両端部中央に形成された係合切欠部20に嵌合され、一段下がった左右の部分の平面に上枠板10の裏面と下枠板11の上面とが当接し且つ一段下がった左右の部分の一側面に側枠板12,13の内側面が当接するようになっている。
なお、本実施形態における上枠板10及び下枠板11は、本発明の横枠に相当し、また、本例の左右の側枠板12,13は、本発明の縦枠に相当している。
そして、その状態で、上枠板10の係合切欠部20の両側方及び下枠板11の係合切欠部20の両側方にそれぞれ形成される挿通穴21と連結部材19の一段下がった左右の部分の平面に形成される複数(図示の場合2個)の連結穴22(図10の上枠板10と側枠板12とを連結する連結部材19に表示するが、他の連結部材19にも存在する)とを一致させて上方又は下方から複数(図示の場合2本)の連結ビス23で止着し、更に、側枠板12,13の上下端部分に穿設される複数(図示の場合2個)の取付穴24と連結部材19の一段下がった左右の部分の側面に形成される複数(図示の場合3個)の連結穴25とを一致させて側方外側から複数(図示の場合3本)の連結ビス26,27で止着することにより、上下の上枠板10及び下枠板11と左右の側枠板12,13とが強固に連結固定される。ただし、3本の連結ビス26,27のうち、1本の連結ビス27は、側枠板12,13と連結部材19とを連結するものではなく、上枠板10及び下枠板11と連結部材19とを側方から直接連結するものである。
外枠2を構成する上枠板10と下枠板11、及び側枠板12,13のうち、上枠板10と下枠板11とは従来と同じ木製であり、側枠板12,13は、軽量金属、例えば、アルミニュウム合金の押出し成型板により構成されている。上枠板10及び下枠板11を従来と同じ木製で構成した理由は、パチンコ機1を遊技場に列設される島に設置する場合に、島の垂直面に対し所定の角度をつけて固定する作業を行う必要があるが、そのような作業は上枠板10及び下枠板11と島とに釘を打ち付けて行われるため、釘を打ち易くするためである。一方、側枠板12,13をアルミニュウム合金の押出し成型板により構成した理由は、従来の木製に比べ強度を維持しつつ肉厚を薄く形成することができるため、側枠板12,13の内側に隣接する本体枠3の側面壁540〜543(図23参照)の正面から見たときの左右幅を広くすることができる。このため左右方向の寸法の大きな遊技盤4を本体枠3に装着することができることになり、結果的に遊技盤4の遊技領域605を大きく形成することができるからである。
なお、側枠板12,13をアルミニュウム合金の平板で構成すると、充分な剛性が確保できないため、図13(C)に示すように、側枠板12(側枠板13も全く同じ構造である。)の後方部分内側にリブによって後方が開放した空間部28(側枠板13の空間部28は図12に表示)を形成して後方部分の肉厚h1が厚くなるように引き抜き成型されている。もちろん、この肉厚h1は、従来の木製の肉厚と同等若しくは若干薄い寸法となっている。
また、図13(B),(D)に示すように、側枠板12の空間部28の前方には、連結部材19の一段下がった左右の部分の一方の部分が嵌め込まれる溝部29(側枠板13の溝部29は図9に表示)が形成されている。側枠板12の溝部29から前端部までは、図13(B)〜(D)に示すように、その内側面が連結部材19の一段下がった左右の部分の他方の部分が当接する平板状をなすものであるが、その平板部に材料軽減のための浅い凹部が形成されている。更に、前記溝部29が形成される反対側の面(外側面)には、図9及び図13(B)に示すように、上支持金具45の垂下片部53が挿入される凹部30
(側枠板13の凹部30は図10に表示)が形成されている。
そして、上記のように形成される軸支側の側枠板12には、連結部材19を取付けるための構成以外に、その上部に上支持金具45の垂下片部53を側枠板12の外側に止着ビス32で止着するための取付穴31が穿設されると共に、その下部に下支持金具66の垂直当接片72に形成される取付穴69と一致させて止着ビス34で止着するための取付穴33が穿設されている。また、取付穴33の下部であって側枠板12の前方部分に側枠板12と下部前面板14とを止着ビス36で止着するための取付穴35が形成されている。
一方、開放側の側枠部13には、連結部材19を取付けるための構成以外に、その上部に閉鎖用突起38を取付ネジ39で取付けるための取付穴37が穿設され、その下部に閉鎖用突起41を取付ネジ42で取付けるための取付穴40が穿設されると共に、さらに最下方に側枠板13と下部前面板14とを止着ビス44で止着するための取付穴43が形成されている。
なお、この閉鎖用突起38,41は、外枠2に対して本体枠3を閉じる際に、本体枠3の開放側辺に沿って取付けられる錠装置1000のフック部1054,1065(図67参照)と係合するものであり、後に詳述するように錠装置1000のシリンダ錠1010に鍵を差し込んで一方に回動することにより、フック部1054,1065と閉鎖用突起38,41との係合が外れて本体枠3を外枠2に対して開放することができるものである。
また、下枠板11と左右の側枠板12,13の下部前面に固定される下部前面板14は、閉止時においてその上面に本体枠3が載置されるものであり、下部前面板14の表面及び側面は、装飾カバー板15によって被覆されているが、装飾カバー板15の裏面に、その後端に弾性爪が形成される止着突起16(図12参照)が突設され、その止着突起16が下部前面板14に貫通される止着穴17に貫通させられることにより下部前面板14に取付けられている。なお、外枠2の装飾カバー板15の開放側の上面には、本体枠3の閉止時に該本体枠3をスムーズに案内するための案内板18が交換可能に装着されている。
ところで、本体枠3を開閉自在に軸支する構造として、上枠板10と側枠板12とを連結する機能も兼用する上支持金具45と下部前面板14の一側上面に沿って取付けられる下支持金具66とが設けられている。上支持金具45には、前方に突出している支持突出片46に該支持突出片46の側方から先端中央部に向かって屈曲して形成された支持鉤穴47が形成されており、この支持鉤穴47に本体枠3の後述する上軸支金具503の軸支ピン504(図25参照)が着脱自在に係合されるようになっている。
また、下支持金具66も前方に突出した形状に形成されているが、この突出した部分に上向きに支持突起68が突設され、この支持突起68に本体枠3の後述する枠支持板506(図26参照)に形成される支持穴が挿入される。したがって、外枠2に本体枠3を支持するためには、下支持金具66の支持突起68に本体枠3の枠支持板506に形成される支持穴を係合させた後、本体枠3の上軸支金具503の軸支ピン504を支持鉤穴47に掛け止めることにより簡単に開閉自在に軸支することができる。
また、上支持金具45は、上枠板10の軸支側の上面及び前面に凹状に形成される取付段部49に装着されるものであるが、その装着に際し、上支持金具45に形成される複数
(図示の場合2個)の取付穴48と取付段部49に穿設される複数(図示の場合2個)の取付穴50とを一致させて取付ビス51を上方から差し込み、上枠板10の裏面から押し当てられる挟持板52に止着することにより上支持金具45が上枠板10に堅固に固定される。
また、上支持金具45の外側側方には、側枠板12の外側に当接する垂下片部53があり、その垂下片部53にも取付穴が穿設され、この取付穴と前記取付穴31とを止着ビス32で止着することにより、上支持金具45と側枠板12とを固定すると共に、上枠板10と側枠板12とを上支持金具45を介して連結している。
一方、下支持金具66は、前述したように側枠板12の取付穴33と垂直当接片72の取付穴69とを一致させた状態で止着ビス34で止着し、さらに、下支持金具66の水平面の中程に穿設される取付穴70に取付ネジ71を差し込むことにより、前記装飾カバー板15を介して前記下部前面板14の上面に止着されるものである。
上記のように構成される外枠2において、その構成部材である上枠板10と下枠板11と側枠板12,13とを連結部材19で連結することにより、連結部材19が側枠板12,13の内面に密着して止着されると共に連結部材19と上枠板10及び下枠板11が係合した状態で止着されるので、その組み付け強度が高く頑丈な方形状の枠組みとすることができる。上記した連結部材19と上枠板10及び下枠板11との係合状態に加え、連結部材19の側枠板12,13への取付けに際し、溝部29に連結部材19の一段下がった左右の部分の一方の部分が嵌め込まれる構造であるため、連結部材19の側枠板12,13への取付けが強固となり、これによっても方形状の枠組みの強度を向上することができると共にその位置決めを正確に行うことができる。
また、連結部材19によって上枠板10、下枠板11、側枠板12,13を連結した後、上支持金具45を所定の位置に取付けたときに、図11及び図12に示すように、各枠板10,11,12,13の外側面(外周面)から外側に突出する部材は存在しないので、パチンコ機1を図示しないパチンコ島台に設置する際に、隣接する装置(例えば、隣接する玉貸器)と密着して取付けることができる。また、下支持金具66を取付けたときにも、下部前面板14の上面と下支持金具66の上面とがほぼ同一平面となるようになっている。
〔扉枠〕
次に、上記した本体枠3の前面側に開閉自在に設けられる扉枠5について、図14乃至図19を参照して説明する。図14は、扉枠5の正面図であり、図15は、扉枠5の背面図であり、図16は、図14に表示されるA−A断面図であり、図17は、図14に表示されるB−B断面図であり、図18は、扉枠5の正面から見た分解斜視図であり、図19は、扉枠5の背面から見た分解斜視図である。
図14、図15、図18及び図19に示すように、扉枠5は、方形状に形成される扉枠本体100の上部に縦長六角形状の遊技窓101が形成され、該遊技窓101の前面周囲に扉レンズユニット120が取付けられ、また、遊技窓101の下方の板状部の前面に扉枠本体100に皿ユニット300が設けられ、その皿ユニット300の一側(開放側)にハンドル装置460の操作ハンドル部461が突設固定されている。また、扉枠本体100の裏面には、遊技窓101の周囲に補強板金210が固定され、遊技窓101を閉塞するようにガラスユニット250が取付けられると共に、前記遊技窓101の下方の板状部の裏面に、前記操作ハンドル部461に対応するジョイントユニット480、装着台280、及び枠装飾中継基板290がそれぞれ取付けられている。なお、ガラスユニット250の裏面下部には、防犯機能を有する防犯カバー270も装着されている。以下、扉板5を構成する上記の各構成部材のより詳細な構造について説明する。
<扉枠本体>
図18及び図19に示すように、扉枠本体100は、合成樹脂によって額縁状に形成され、前述したように上方部に縦長六角形状の遊技窓101が形成され、その遊技窓101の下方が板状部となっている。遊技窓101の上部左右には、後述するスピーカ163を貫通させる円形状のスピーカ用開口102が形成され、そのスピーカ用開口102の下方に後述するガラスユニット250の止め片254を係止するための止めレバー108(図15参照)が回動自在に設けられている。なお、本実施形態に係る遊技窓101は、従来に比べて上下方向及び左右方向の寸法が大きくなった遊技盤4が取付けられるため、遊技窓101の上下方向及び左右方向の寸法も大きくなっている。このため、後述する扉枠レンズユニット120の形状が従来一般的に知られているものと大きく相違する。
一方、遊技窓101の下方の板状部には、軸支側上部に皿ユニット300の賞球連絡樋451が貫通する賞球通過口103が開設され、その斜め中央寄りに後述する側面開口蓋406を脱着するための蓋用開口105が開設され、その蓋用開口105の開放側の隣接する位置に球送りユニット287を装着するための球送り開口104が開設され、さらに球送り開口104のさらに開放側寄りにシリンダ錠1010が貫通するための錠穴106が開設されている。
また、球送り開口104の下方の板状部の裏面側にジョイントユニット480を取付けるためのジョイントユニット装着凹部107が形成され、同じく下方の板状部の裏面側の遊技窓101の下部左右にガラスユニット250の掛止突片255を掛け止めるための係合受片(図示せず)が形成され、その係合受片の側方に防犯カバー270の後述する装着弾性片273が装着される装着開口部110が形成されている。また、板状部の前面中央には、前方に向って後述する皿ユニット300の案内穴456(図16参照)に挿入される係合突起111が形成されている。更に、扉枠本体100の下辺は、後方に突出した扉枠突片112となっており、後述するように、この扉枠突片112と本体枠3に形成される係合溝584,585とが扉枠5と本体枠3との下側辺部における外側の突条及び係合部を構成するものである。
<扉レンズユニット>
次に、上記した扉枠本体100の前面側の上部に取付けられる扉レンズユニット120の構成について説明する。扉レンズユニット120は、前面側を反射面とするリフレクタと、リフレクタの前面及び内側に取付けられる冷陰極管及びLED基板と、リフレクタの前方を覆う光透過性のあるレンズカバー150と、レンズカバー150に取付けられるスピーカ163と、レンズカバー150のベースとなるレンズベース体121と、から構成されている。
レンズカバー150は、レンズベース体121における上レンズカバー部151と、側方レンズカバー部156,157とが透過性の樹脂によって形成されている。そして、前述したように扉枠本体100に形成される遊技窓101の開口寸法が従来よりも大きく形成されているため、扉枠本体100の外周辺と遊技窓101の内周辺との間の寸法、換言するならば、レンズカバー150が取付けられるための寸法(特に、左右両側部の寸法)が狭くなっているため、本実施形態におけるレンズカバー150は、上レンズカバー部151と側方レンズカバー部156,157のすべての最大前方突出部において、その基部寸法(扉枠本体100に当接する部分の幅寸法)に対して前方に向って突出する突出寸法が大きくなるような断面楔形状となっている。より詳細に説明すると、上レンズカバー部151及び側方レンズカバー部156,157は、共に白色レンズ部として断面楔状の前方膨出部が合成樹脂で成形され、その白色レンズ部の下部後端の遊技窓101を縁取る内側に着色の異なる合成樹脂で成形された赤色レンズ部を連結して構成されるものである。
ところで、上レンズカバー部151は、内部が空洞で後方が開放した断面楔状に形成されると共に平面視においてブーメラン形状に構成されるものであり、前述した「く」字状に形成される上冷陰極管とその楔状の先端部内面との距離が近くなるように形成されている。そして、上レンズカバー部151の楔状先端部外側には、銀色に着色された不透明な先頭モール部材154が固着されており、上レンズカバー部151のほぼ全体に相当する断面楔状の前方膨出面を上冷陰極管で照明している。また、側方レンズカバー部156,157は、内部が空洞で後方が開放して断面楔状に形成される点で上レンズカバー部151と同様であるが、側方視において楔状の突出量が上レンズカバー部151に比べて少なく、また全体としてなだらかな曲線を有するブーメラン形状に構成されるものであり、前述した直線状に形成される側方冷陰極管とその楔状の先端部内面との距離が近くなるように形成されている。
また、本実施形態において、扉枠5の前面周囲を装飾する照明手段として冷陰極管を使用している理由は、以下の通りである。扉枠5の前面周囲を装飾する際に、発光源とその発光源の前面に配置されるレンズカバーの距離をあまり大きく取ることができないという制約がある。この制約は、扉枠5は常に開閉されるため、あまり突出量を大きくすると、開放時における作業等に支障を来たすおそれがあるからである。しかして、発光源とレンズカバーとの間の距離があまりとれない状況において、従来のように、発光源として、ランプやLEDを点在させた場合に、レンズカバーを通して視認できる光装飾は、連続した状態の光装飾が視認できるものではなく光が強い部分と弱い部分との斑模様に視認できるに過ぎない。これに対し、本実施形態のように、発光源として連続した冷陰極管を使用した場合に、冷陰極管とレンズカバー150との距離が短くても、レンズカバー150を通して視認できる光装飾は、連続した状態の美しい光装飾が視認できるものである。このため、正に遊技盤4を囲む領域が連続した美しい光装飾により縁取られた状態となるので、従来のパチンコ遊技機にはない装飾効果を奏することができる。なお、発光源とレンズカバーとの距離をある程度とることができる場合には、LED等の点在する発光源を使用しても光が拡散してレンズカバーの全域をあまり強弱がなく照明することができる。
更に、レンズカバー150の側方レンズカバー部156,157の下方に装飾部材取付領域184が形成され、その装飾部材取付領域184に装飾部材185が取付けられている。この装飾部材185は、上記したスピーカカバー165と類似した形状にして、レンズカバー150を扉枠本体100の表面に取付けたときに、レンズカバー150の上部左右と下部左右とがバランスのとれた印象を与えるために取付けられるものである。なお、上記したスピーカカバー165及び装飾部材185は、上記したように単にスピーカ163の前方を覆ったり、あるいはレンズカバー150の下部を装飾したりするだけではなく、その周囲がLEDで光装飾される構造となっている。
以上、詳述したように、本実施形態に係るスピーカカバー165及び装飾部材185は、扉枠5の遊技窓101を囲む領域において、前述した冷陰極管及びLED基板による光装飾とは別に四隅を重点的に光装飾するように構成されているので、遊技窓101の下辺を除く全周が漫然と光によって装飾されるのではなく、強弱のある光装飾とすることができる。特に、扉枠5の左右上部における光装飾は、従来、スピーカだけが配置される傾向が強く、そのスピーカ周りの光装飾が行われないため遊技窓101の外周周りの光装飾に斑がある印象を与えていたが、本実施形態のように構成することにより、遊技窓101の下辺を除く全周を効果的に光装飾を行うことができるものである。
<補強板金>
扉枠本体100の前面側には、上記した扉レンズユニット120が取付けられると共にその下方に皿ユニット300が取付けられる。ここで、皿ユニット300の構造を説明する前に、扉枠本体100の裏面側に取付けられる補強板金210、ガラスユニット250、防犯カバー270、装着台280、枠装飾中継基板290、ハンドル装置460について順次説明する。まず、補強板金210について主として図18、図19、及び図15乃至図17を参照して説明する。
補強板金210は、図18及び図19に示すように、扉枠本体100の上辺部裏面に沿って取付けられる上側補強板金211と、扉枠本体100の軸支側辺部裏面に沿って取付けられる軸支側補強板金212と、扉枠本体100の開放側辺部裏面に沿って取付けられる開放側補強板金213と、扉枠本体100の遊技窓101の下辺裏面に沿って取付けられる下側補強板金214と、が相互にビス等で締着されて方形状に構成されるものである。
図18に示すように、軸支側補強板金212の上下端部には、その上面に上下方向に摺動自在に設けられる軸ピン219を有する上軸支部218と、その下面に軸ピン221(図15参照)を有する下軸支部220と、が一体的に形成されている。そして、上下の軸ピン219,221が本体枠3の軸支側上下に形成される上軸支金具503及び下軸支金具509に軸支されることにより、扉枠5が本体枠3に対して開閉自在に設けられるものである。
下側補強板金214は、所定幅を有して扉枠本体100の横幅寸法とほぼ同じ長さに形成され、その長辺の両端縁のうち下方長辺端縁が後方に向って折曲した下折曲突片229となっており、上方長辺端縁の両側部が後方に向って折曲した上折曲突片230となっているものの、その両側部の上折曲突片230に挟まれる部分が垂直方向に延設される垂直折曲突片231となっている。下折曲突片229の突出量はあまり大きくなく、この下折曲突片229が溝部や凹部と係合して凹凸係合をなすものではなく、強度を高めるために形成されているのに対し、両側部の上折曲突片230の突出量は下折曲突片229の突出量よりもやや大きく下方からの不正具の侵入を多少防止するが、むしろ、本実施形態における下側補強板金214の構成で最も特徴的な構成は、垂直折曲突片231である。
この垂直折曲突片231は、その上端縁形状が後述するガラスユニット250のユニット枠251の下端形状に合致するように凹状に形成され、ガラスユニット250を扉枠5の裏面側に固定したときに、垂直折曲突片231の上端片がガラスユニット250のユニット枠251の幅方向のほぼ中央の外周に沿って形成される係合溝261に係合するようになっている(図17参照)。なお、下側補強板金214には、扉枠本体100に形成される賞球通過口103の底面を除く外周を保護する賞球通過口被覆部228が形成されている。
<ガラスユニット(透明板ユニット)>
次に、扉枠5の裏面に取付けられる透明板ユニットとしてのガラスユニット250について説明する。ガラスユニット250は、図18及び図19に示すように、遊技窓101よりも大きな開口を有する合成樹脂で成型した環状の縦長八角形状のユニット枠251と、ユニット枠251の開口の外周前後面に2枚の透明板としてのガラス板262(ガラス板でなくても透明な合成樹脂板でもよい。)を(ホットメルト系接着剤で)接着することにより構成されるものである。なお、図示は省略するが、ユニット枠251には、内部に乾燥剤を封入する乾燥剤封入空間部が形成されている。
<防犯カバー>
次に、上記したガラスユニット250の下部裏面を被覆して遊技盤4への不正具の侵入を防ぐ防犯機能が付与された防犯カバー270について、主として図15、図17、図18、及び図19を参照して説明する。防犯カバー270は、図示するように、透明な合成樹脂によって左右の補強板金212,213の間のガラスユニット250の下方部を覆うような平板状に形成され、その上辺部が遊技盤4の内レール603の下方円弧面に沿った円弧状の当接凹部271として形成されていると共に、その当接凹部271に沿って後方に向って防犯後突片274が突設されている。また、防犯カバー270を取付けた状態で軸支側裏面には、防犯後端部突片275が斜め状に突設形成されている。一方、防犯カバー270の前面には、防犯カバー270を取付けた状態で前記ガラスユニット250のユニット枠251の下方形状に沿った防犯前突片272が突設されると共に、下部両端にU字状に形成される装着弾性片273が前方に向けて突設形成されている。
上記のように構成される防犯カバー270は、装着弾性片273を扉枠本体100に形成される装着開口部110に装着することにより、扉枠5の裏面側に着脱自在に取付けられる。そして、取付けた状態では、図17に示すように、防犯前突片272がガラスユニット250のユニット枠251の後方下片面と対面するようになっている。また、防犯前突片272の前端は、垂直折曲突片231と当接している。また、防犯後突片274及び防犯後端部突片275は、後方へ突出した状態となっているが、扉枠5を閉じたときに、防犯後突片274の軸支側の半分は、遊技盤4に固定される内レール603の下側面に侵入して対面した状態となるが、防犯後突片274の開放側の半分は、前構成部材601の内レール603に形成されたレール防犯溝607に挿入された状態となり、また、防犯後端部突片275は、本体枠3の軸支側に形成される前記防犯突起608の上面に沿って重合状の位置となる(図30参照)。
而して、防犯カバー270を取付けて扉枠5を閉じた状態においては、前述した扉枠突片112と係合溝584,585とによる防犯構造、及び後述する防犯突片285と防犯空間586とによる防犯構造に加えて、ガラスユニット250の下方から不正具を侵入させようとしても、防犯前突片272とユニット枠251との重合により、防犯カバー270の前面下方方向からの不正具の侵入が防止され、防犯後突片274と前構成部材601を構成する内レール603との重合により、防犯カバー270の後面下方方向からの不正具の侵入が防止される。特に、扉枠5の軸支側の斜め下方からの不正具の侵入に対しては、防犯突起608と防犯後端部突片275との重合構造によって外レール602への不正具の侵入が阻止され、さらに内レール603と防犯後突片274との重合構造によって遊技盤4の遊技領域605への不正具の侵入を阻止することができる。
また、同様に、扉枠5の開放側の斜め下方からの不正具の侵入に対しては、前述した開放側補強板金213の二重の折曲突片223,225による防犯構造に加えて、レール防犯溝607と防犯後突片274との凹凸係合によりさらに遊技盤4の遊技領域605への不正具の侵入を阻止することができる。なお、防犯カバー270の裏面側の防犯後突片274と防犯後端部突片275との間の垂直面は、扉枠5を閉じた状態で外レール602と内レール603とで形成される打球の誘導通路の前面下方部分を覆うものであるため、当該誘導通路部分を飛送若しくは逆送する打球のガラス板262への衝突を防止する機能も有している。
<装着台>
装着台280は、図15、図18、及び図19に示すように、扉枠本体100の板部裏面の上半分を覆うように取付けられるものであり、防犯カバー270と同様に透明な合成樹脂によって前方が開放した横長直方体状に形成されるものである。この装着台280は、発射レール515から発射された球をスムーズに遊技盤4に導くために、扉枠5を閉めたときに装着台280の後面と本体枠3の板部511とによって発射レール515を挟持するように形成されるものであり、このため、装着台280の後面に球飛送誘導面286が形成されている。ところで、本実施形態に係る装着台280には、その軸支側上部に下側補強板金214に形成される賞球通過口被覆部228の後方突出部を貫通させる賞球通過口用開口281が形成され、その開放側下部に球送りユニット287を取付ける球送りユニット取付凹部282が形成されている。この球送りユニット取付凹部282から斜め方向の領域が球飛送誘導面286となっている。
また、球送りユニット取付凹部282に取付けられる球送りユニット287は、後述する打球発射装置650の打球槌687の往復動差に対応して揺動する球送り部材が設けられ、この球送り部材の揺動動作によって皿ユニット300の誘導通路部の流下端にある球を発射レール515の発射位置に1個ずつ供給するものである。また、装着台280の中程下部に後述する側面開口蓋406を取り外す際に指を入れることができる蓋用開口283が形成されている。更に、装着台280の上辺の一部に垂直に立設される立壁284が形成されている。この立壁284は、図15に示すように、前記防犯カバー270を取付けたときに、該防犯カバー270の前面と当接して防犯カバー270の下部が前方に移動しないように規制するためのものである。
更に、本実施形態に係る装着台280の特徴は、上述した球飛送誘導面286の下方から賞球通過口用開口281にかけて斜め状に防犯突片285が後方に向って突設される構造である。この防犯突片285は、前述したように、本体枠3の板部511に形成される防犯空間586との間で、扉枠5と本体枠3との下側辺部における内側の突条及び係合部を構成するものである。
<枠装飾中継基板>
上記した装着台280の下部の軸支側には、図15及び図18に示すように、枠装飾中継基板290が取付けられ、その枠装飾中継基板290の後面を覆う中継基板カバー291が取付けられている。この枠装飾中継基板290は、扉枠5に設けられる電飾部品や電気部品(冷陰極管、LED基板、スピーカ163、操作ハンドル部461内に設けられるスイッチ、貸球ユニット327、操作ボタンユニット329等)からの配線が集約して接続され、その枠装飾中継基板290からの配線が本体枠3の裏面に取付けられる基板ユニット1100に組み込まれる扉中継基板1102等を介しての賞球払出制御基板1186や遊技盤4に取付けられる主制御基板ボックス624の主制御基板1350(図78を参照)に接続されている。
<皿ユニット>
次に、主として図14、図18及び図19を参照して皿ユニット300の構成について説明する。皿ユニット300は、大きく分けて外観を構成するユニット枠301と、ユニット枠301の内部に取付けられる下部スピーカユニット340と、下部スピーカユニット340の上部に配置され且つ前記ユニット枠301の上面に臨むように設けられる皿体380と、皿体380に設けられる第二球抜弁の球抜き動作をするための第二球抜きリンクユニット(図示せず)と、ユニット枠301の後面を閉塞する皿蓋板450と、から構成されている。
ユニット枠301には、貸球ユニット327が備えられている。この貸球ユニット327は、パチンコ機1に隣接して球貸し機が設けられている場合に、貸出指令を導出するスイッチや貸出残表示器等が設けられるものである。また、ユニット枠301には、上面の前方中央に操作ボタンユニット329が備えられている。なお、操作ボタンユニット329は、複数(図示の場合は3個)の押ボタン330a,330b,330cを有して構成されているが、この複数の操作ボタン330は、遊技盤4に設けられる液晶表示装置640等で行われる遊技内容に遊技者が参加する際に操作されるものである。
更に、皿ユニット300には、ユニット枠301の上面右側に、第一球抜ボタン316が配置されていると共に、ユニット枠301の中央下部に、第二球抜リンクユニットの一部を構成する第二球抜ボタン421が配置されている。なお、本実施形態において、第一球抜ボタン316と第二球抜ボタン421の2つの球抜ボタン316,421を設けたのは、第一球抜ボタン316の操作によって、皿体380の貯留部381及び誘導通路部に貯留されているすべての球を球抜きすることができるものの、その球抜動作は、誘導通路部382で一列状に整列された球を球抜するために多少時間がかかるのに対し、第二球抜ボタン421の操作によって、皿体380の貯留部381から上流側の球を径の大きな第二球抜開口から素早く球抜することができるため、球抜時間を短くすることができる。このため、遊技者が球抜きにかける時間の長短を選択することができるものである。
また、遊技中に大当りとなった場合に皿ユニット300に大量の球が払出されることになり、これを放置して遊技を継続すると皿ユニット300の上流側に設けられる満タンスイッチ916(図57参照)が機能して払出動作が停止されたり弾発動作が停止されて大当り中であるにもかかわらず遊技が継続できなくなるおそれがあり、このような場合に、第二球抜ボタン421の操作を行うことにより、皿ユニット300に貯留されつつある球を球抜すると同時に発射位置への球の供給を維持して大当り中の遊技を継続することができるようになっている。
<ハンドル装置>
次に、扉枠5の開放側下部に取付けられるハンドル装置460について、主に図18、図19、及び図20を参照して説明する。図20は、ハンドル装置460と本体枠3に設けられる打球発射装置650との関係を示す斜視図である。ハンドル装置460は、扉枠5の開放側下部前面に設けられる操作ハンドル部461と、操作ハンドル部461に対応する扉枠5の裏面に組み付けられて操作ハンドル部461の回動操作に応じて回転する回転軸465と連携され且つ回転軸465の回転運動をスライド運動に変化させるジョイントユニット480と、から構成されている。
このハンドル装置460には、図示は省略するが、操作ハンドル部461を回転操作するとONとなるマイクロスイッチと、マイクロスイッチがONとなっている状態で押圧操作するとマイクロスイッチがOFF状態となる単発ボタンと、操作ハンドル部461の外周表面に施された導電性のメッキを介して遊技者の操作ハンドル部461への接触を検知するタッチセンサとを備えている。そして、遊技者が操作ハンドル部461を回動してマイクロスイッチがONとなり且つタッチセンサが接触を検出しているときに打球発射装置650の後述する発射モータ695(図37参照)が回転駆動されるようになっている。また、回転軸465の先端には、勾玉状に形成されたカムが固定されており、このカムが回転することで、ジョイントユニット480のスライド突片492が左右方向に移動するようになっている。
このジョイントユニット480のスライド突片492のスライド移動が、図20に示すように、打球発射装置650のスライド部材710に伝達されて打球発射装置650の付勢バネ684(図37参照)の張力を調節し、もって打球槌687の付勢力の強弱を調整して遊技者の望む打球の弾発力を得ることができる。なお、ハンドル装置460と打球発射装置650との関係については、打球発射装置650についての説明の後で詳細に説明する。
〔本体枠〕
次に、遊技盤4が前面側から着脱自在に装着し得ると共に、打球発射装置650と、賞球を払い出すための賞球タンク720とタンクレール部材740と球通路ユニット770と賞球ユニット800(本発明の払出ユニットに相当)と満タンユニット900と、外枠2に対する本体枠3の施錠及び本体枠3に対する扉枠5の施錠を行う錠装置1000と、遊技盤4を除く扉枠5や本体枠3に設けられる電気的部品を制御するための各種の制御基板や電源基板等が一纏めに設けられている基板ユニット1100と、後面開口580を覆うカバー体1250と、等の各種の部品が本体枠主体500に装着されることにより構成される本体枠3について、図面を参照して説明する。
まず、図21〜図29を参照して、上記した各種の部品が装着される本体枠主体500及び各種の部品が装着された本体枠3について説明する。図21は、部品を取付ける前の本体枠主体500の正面図であり、図22は、部品を取付ける前の本体枠主体500の背面図であり、図23は、部品を取付ける前の本体枠主体500の側面図であり、図24は、部品を取付ける前の本体枠主体500の背面から見た斜視図であり、図25は、部品を取付けた本体枠3の前方から見た斜視図であり、図26は、部品を取付けた本体枠3を外枠2に軸支した状態を前方から見た斜視図であり、図27は、部品を取付けた本体枠3の背面図であり、図28は、部品を取付けた本体枠3の背面から見た斜視図であり、図29は、パチンコ機1の中程(主制御基板ボックス624部分)の水平線で切断したパチンコ遊技機の断面平面図である。
図21において、本体枠主体500の一側上下には、本体枠3を外枠2に開閉軸支するための上軸支金具503及び下軸支金具509(共に図25参照)を取付けるための軸支金具取付段部501,502が形成され、この軸支金具取付段部501,502に上軸支金具503及び下軸支金具509を取付けた状態では、本体枠主体500の上辺及び側辺が上軸支金具503の上辺及び側辺とほぼ同一平面状となり、本体枠主体500の下辺及び側辺が下軸支金具509の下辺及び側辺とほぼ同一平面状となっている(図27参照)。ここで、上軸支金具503と下軸支金具509について図25と図27を参照して説明する。上軸支金具503は、本体枠主体500の裏面に取付部を有すると共にその上端辺が前方に突出し、その前方に突出した上面に軸支ピン504が立設固定され、その軸支ピン504の側方に扉軸支穴505が穿設されている。
一方、下軸支金具509は、本体枠主体500の裏面に取付部を有すると共にその下端辺及びやや上部に2つの支持板506,507が一体的に突設されている。下方に位置する支持板506は、本体枠3を外枠2の下支持金具66に支持するための枠支持板506を構成するものであり、上方に位置する支持板507は、扉枠5の下軸支部220を本体枠3に支持するための扉支持板507を構成するものである。このため、枠支持板506に外枠2の下支持金具66の支持突起68を挿入するための軸支穴(図示しない)が形成され、扉支持板507に扉枠5の下軸支部220に突設される軸ピン221を挿入するための軸支穴508が穿設されている。
ところで、本体枠主体500は、正面から見た場合に、長方形状に形成され、その上部の約3/4が遊技盤4を設置するための遊技盤設置凹部510(図25参照)となっており、その遊技盤設置凹部510の下方のやや奥まった領域が板部511となっている。また、遊技盤設置凹部510を囲む前面側の前面上辺部及び前面開放側辺部は、扉枠5の裏面と対面するように所定幅を有して形成されており、前面上辺部には、横方向に平行状に突設される突起によって上部防犯二重溝581が形成され、正面から見て右側の前面開放側辺部には、外側に側部防犯溝582が形成されると共に内側に後端が第一側面壁540に接続される傾斜面となっている内壁によって形成される防犯凹部583が形成され、正面から見て左側の前面軸支側辺部は、前面上辺部や前面開放側辺部と異なり扉枠5の裏面と対面する所定幅を有するように形成されていないが、本体枠主体500の前面軸支側辺部が前面上辺部や前面開放側面部に比べて前方への突出量が多い軸支辺部587となっている。
より詳細に説明すると、前面上辺部に形成される上部防犯二重溝581は、扉枠5の上辺部裏面に取付固定される上側補強板金211の両長辺端を後方に向って折曲される折曲突片215,216がそれぞれ挿入されるようになっているものである。また、前面開放側辺部に形成される側部防犯溝582及び防犯凹部583は、扉枠5の開放部裏面に取付固定される開放側補強板金213の両長辺端を後方に向って折曲される開放側外折曲突片223及び開放側内折曲突片225がそれぞれ挿入されるようになっているものである。更に、前面軸支側辺部の軸支辺部587には、扉枠5の軸支側裏面に取付固定される軸支側補強板金212の軸支側L字状折曲突片217の先端部が当接するようになっている。
そして、上記した構造によって扉枠5と本体枠3との当接面の隙間からピアノ線等の不正具を挿入する不正行為を防止することができ、特に、最も不正行為が行われやすい開放側辺部や次いで不正行為が行われやすい上辺部における不正行為の防止をはかることができる構造となっている。もちろん、軸支側における軸支側補強板金212と軸支側L字状折曲突片217との当接による不正行為の防止も充分に機能するが、多くの場合、軸支側は、頑丈な支持金具45,66と軸支金具503,509とで本体枠3と扉枠5とが連結されているため、上辺部及び開放側辺部に比べて本体枠3と扉枠5との間に隙間が作り難い。このため、本実施形態においては、二重の防犯構造ではなく、一重の防犯構造としている。これらの点については、後に詳述する。
また、遊技盤設置凹部510を囲む前面側の前面上辺部、前面開放側辺部、及び前面軸支側辺部には、上記した構成以外に前面開放側辺部の上部、中間部、下部に本体枠3の開放側裏面に取付けられる後述する錠装置1000に設けられる扉用フック部1041(図67参照)を貫通させて前方に飛び出させるための扉用フック穴549が開設されており、また、前面軸支側辺部の内側面に遊技盤4に形成される位置決め凹部611と係合するための盤位置決め突起576が設けられている。更に、前面軸支側辺部の盤位置決め突起576のやや下方位置の内側前方面に、扉枠5を閉じた状態で軸支側補強板金212の軸支側L字状折曲突片217の先端が挿入される上下2つの規制突起577が突設されている。この規制突起577の作用については前述した通りである。また、図21に示すように、開放側の平面部分と遊技盤設置凹部510との境目の上下に遊技盤4に設けられる遊技盤止め具614の端部が係合される盤止め具挿入穴578が形成されている。
次に、板部511の構成について図21乃至図26を参照して説明する。板部511の上面は、遊技盤4を載置するための遊技盤載置部512となっており、その遊技盤載置部512のほぼ中央に、当該載置部512に遊技盤4を載置したときに遊技盤4に形成されるアウト口606(図30参照)の下面を支持する通路支持突起513が突設されている。また、図21に示すように、板部511の前面の中央部から開放側の端部に向かってレール取付ボス514が所定間隔を置いて突設され、このレール取付ボス514に発射レール515(図25参照)がビス止め固定されている。また、発射レール515の先端位置に対応する板部511の前面には、レール接続部材516が突設され、遊技盤設置凹部510に遊技盤4が設置されたときに、遊技盤4の内レール603の下流端である接続通路部609(図30参照)と隣接するようになっている。
また、レール接続部材516の側方位置(発射レール515と反対側の位置)には、遊技盤4の下部を固定するための楕円形状の遊技盤固定具519(図25参照)の上端部を取付けるための固定具取付ボス517が突設され、その斜め下方にストッパー518が突設されている。即ち、遊技盤固定具519は、固定具取付ボス517を中心にして回転自在に設けられ、前記遊技盤載置部512に遊技盤4が載置された状態で時計方向に回動して遊技盤固定具519を遊技盤4の前面に押圧して遊技盤4を固定するものである。また、遊技盤を取り外す場合には、遊技盤固定具519を反時計方向に回して取り外すことにより、簡単に行うことができる。この場合、遊技盤固定具519はストッパー518により反時計方向の余分な回転ができないようになっている。
また、板部511の開放側下部は、手前側に膨出状に突設された(裏面から見れば凹状となっている)直方体状の発射装置取付部520が形成されており、この発射装置取付部520に本体枠主体500の裏面から打球発射装置650が固定されている。この点については、後に詳述する。上記した発射装置取付部520の前面壁部分には、前述したジョイントユニット480のスライド突片492と連携されるスライド部材710(図41参照)が収納されるハンドル連結窓522が形成され、該ハンドル連結窓522の隣接する位置に打球槌687の軸受689(図37参照)の端面が臨む軸用穴523が開設されている。また、発射装置取付部520の上壁部分には、打球発射装置650の打球槌687が上方に突出するための槌貫通開口521が切欠形成され、その槌貫通開口521の斜め上方の板部511の前面に錠装置1000のシリンダ錠1010が貫通するシリンダ錠貫通穴526が開設されている。
一方、板部511の裏面には、図22に示すように、軸支側の上部から板部511の中央部分に向けて延設された後下方に向かう球抜排出通路524が形成されている。この球抜排出通路524は、後述する球抜接続通路880(図25参照)から排出される球をパチンコ機1の下方から島の内部に排出するためのものである。また、上述した発射装置取付部520の上方には、円柱状の案内突起525が後方に向かって突設され、この案内突起525に後述する基板ユニット1100の案内孔1212(図73参照)が差し込まれて基板ユニット1100の取付けを容易にしている。また、基板ユニット1100をビスで取付けるための取付穴部527が板部511の左右上下に形成され、この取付穴部527に基板ユニット1100の取付片1122を対応させてビスで止着する。また、発射装置取付部520の凹状の内部には、打球発射装置650を取付けるための発射装置取付ボス529が後方に向かって突設され、更に、開放側の最下端部には、図24に示すように、本体枠3を外枠2に対して閉じる際に、装飾カバー板15の上面に当接しながら本体枠3の閉止動作を案内するために先端が先細状で縦長形状の案内突片528が後方に向かって突設されている。
板部511には、以上説明した構成以外に、図24に示すように、軸支側の端部上面に前記球抜排出通路524の上流端の開口である球抜接続開口530が形成されている。この球抜接続開口530に球抜接続通路880の下流端が接続されるようになっている。また、球抜接続開口530に隣接する部分は、後に詳述する満タンユニット900(図25参照)を載置するための満タンユニット載置部531が板部511と直交するように水平状に形成され、その満タンユニット載置部531の前方部分に満タンユニット900の係合片924(図57参照)と係合するユニット係合溝532が形成されている。更に、図25に示すように、満タンユニット載置部531の前方の板部511の前面には、扉枠5の開放時に満タンユニット900の出口921から排出される賞球を堰き止める出口開閉装置579が設けられている。
この出口開閉装置579については、詳細に説明しないが、扉枠5が閉じているときには、扉枠5の裏面に当接するレバーによって開閉板が下降した状態となっているが、扉板5が開放されるとレバーへの当接がなくなるため開閉板が上昇して出口921を閉塞するものである。このため、扉枠5の開放時においても満タンユニット900内に貯留された賞球が出口921から零れ落ちることがない。また、図25に示すように、板部511の上端辺にそって形成される遊技盤載置部512であって発射レール515の発射部の上方に対応する位置に上下方向に貫通する締結穴533を形成し、その締結穴533の前方部分に締結バンド619を掛け止めるための締結連杆534が差し渡されている。この締結連杆534は、本体枠3からの遊技盤4の取り外しを防止するための機構である。
次に、遊技盤設置凹部510の構成について説明する。遊技盤設置凹部510は、軸支側の内側面及び上記した上辺部及び開放側の鍔面部から後方へ周設される第一側面壁540と、該第一側面壁540から後方に周設される第二側面壁541と、該第二側面壁541から後方に周設される第三側面壁542と、該第三側面壁542から後方に周設される第四側面壁543、とにより、本体枠3の左右側辺及び上辺の後方部分が囲まれた凹状に形成されているものである。
なお、第一側面壁540〜第四側面壁543は、背面から見て上辺及び右辺(軸支側の辺)が段差をもって後方に真っ直ぐに延長されるように形成されるのに対し、左辺(開放側の辺)が第一側面壁540から第四側面壁543に向かうにしたがって内側に傾斜する段差状(図29参照)に形成される。これは、左辺(開放側の辺)の第一側面壁540から第四側面壁543までを後方に真っ直ぐ形成したときに、本体枠3を開放する際に、第四側面壁543の最後端部が外枠2の側枠板13の内面と当接してスムーズに開放できない場合があるため、開放側の第一側壁面540から第四側面壁543までが内側傾斜状とすることによりスムーズに開放することができるようにしたものである。
また、それと同時に開放側の第一側面壁540に沿って錠装置1000が取付けられるが、その取付けを第一側面壁540の後端辺に設けられる錠取付穴547(図63参照)を利用して行うため、その錠取付穴547を形成するためにも開放側の第一側面壁540から第四側面壁543を傾斜段差状に形成したものである。更に、第一側面壁540〜第四側面壁543の段差の寸法も、第一側面壁540と第二側面壁541との段差は、後述する遊技盤4の裏面の周辺と当接する必要があるため、ある程度大きな段差をもって形成されるが、それ以外の段差は、極めて小さな段差となっている。もちろん、第二側面壁541〜第四側面壁543までは段差を形成することなく連続的に形成してもよい。
そして、上記した側面壁540〜543は、図23に示すように、それぞれ奥行き幅寸法d1,d2,d3,d4を有するように形成され、本実施形態の場合、d1+d2+d3+d4=約135mmとなっている。特に、第一側面壁540の幅寸法d1は、遊技盤4の厚みに相当し、残りの第二側面壁541と第三側面壁542と第四側面壁543とによって形成される空間に遊技盤4に設けられる各種の遊技装置の後方突出部分が収納されるようになっている。
つまり、第一側面壁540は、遊技盤4の厚さとほぼ同じ奥行寸法を有する前側面壁を構成し、第二側面壁541〜第四側面壁543は、遊技盤4の周辺部裏面と当接する段差部を有して第一側面壁540から後方に向かってほぼ当該第一側面壁540と平行状に延設され且つ遊技盤4に設けられる遊技装置の後方突出部を収納する後側面壁を構成するものである。特に、本実施形態の場合には、図5に示すように、第二側面壁541〜第四側面壁543のすべての部位の後方への突出量が、本体枠3の裏面側上部に固定される賞球タンク720の球を貯留する貯留部728の後面壁722とほぼ同じ位置となるように形成されている。
これにより、遊技盤4の周辺部に対応する位置まで第二側面壁541と第三側面壁542と第四側面壁543とによって形成される空間の大きさが確保されているので、例えば、遊技盤4のほぼ全域を液晶表示画面が占めるような遊技装置が取付けられている場合においても、そのような遊技装置の後方突出部分を楽に収納することができるものである。
また、図22及び図24に示すように、第四側面壁543の後端辺からは背面から見てその左辺(開放側)、上辺及び右辺(軸支側)に、開放側後面壁544、上後面壁545及び後面壁としての軸支側後面壁546がそれぞれパチンコ機の正面と平行となるように内側に向かって突設されている。軸支側後面壁546は、その前面が平板状(図21参照)となっており、その後面に球払出機構を構成する後述の球通路ユニット770と賞球ユニット800とが着脱自在に取付けられるようになっている。従って、軸支側後面壁546の内側への突出幅寸法は、球通路ユニット770と賞球ユニット800とを取付ける幅があれば充分である。
また、上後面壁545は、その前面が平板状(図21参照)となっており、その後面に後述するタンクレール部材740が取付けられるため、その下端辺が傾斜状に形成されている。従って、上後面壁545の内側への突出幅は、傾斜状に取付けられるタンクレール部材740の高さ幅寸法があれば充分である。更に、開放側後面壁544には、その前面が平板状(図21参照)となっており、その後面に後述するカバー体1250を軸支するカバー体支持筒部575が形成されている。したがって、開放側後面壁544の内側への突出幅寸法は、カバー体支持筒部575を形成する幅寸法があれば充分である。
上述したように、第四側面壁543の後端辺から内側に向かって突設される開放側後面壁544、上後面壁545及び軸支側後面壁546の前面が平板状に形成され、この平板状部分が遊技盤4の周辺部に対応するものであるため、上記したように、遊技盤4の周辺部に対応する位置まで第二側面壁541と第三側面壁542と第四側面壁543とによって形成される空間の大きさが確保されているので、例えば、遊技盤4のほぼ全域を液晶表示画面が占めるような遊技装置が取付けられている場合においても、そのような遊技装置の後方突出部分を楽に収納することができるものである。なお、開放側後面壁544、上後面壁545及び軸支側後面壁546の内側は、後面開口580となっており、この後面開口580が後述するカバー体1250によって開閉自在に閉塞されるようになっている。
なお、本実施形態における第一側面壁540は、本発明の前側面壁に相当し、本例の第二側面壁、第三側面壁、及び第四側面壁は、本発明の後側面壁に相当している。
次に、遊技盤設置凹部510の更に詳細な構成について説明すると、前述したように、開放側の平面部分には、錠装置1000の扉枠用フック部1041が貫通する扉用フック穴549が上中下の3箇所開設されているが、その上下の扉用フック穴549のさらに上中下に錠装置1000の後述する係止突起1004が係合される錠係止穴548(図22参照)が形成されている。また、開放側の第一側面壁540に沿って錠装置1000が取付けられるが、その取付けをビスで行うための錠取付穴547(図22参照)が第一側面壁540の後端部の上部と中程に形成されている。なお、錠装置1000のビスによる取付けは、上部と中程だけではなく、後述する錠取付片1008に形成されるビス止め部1003と前記シリンダ錠貫通穴526の上方近傍に形成される錠取付穴547とを対応させてビスで止着することにより、錠装置1000の下方も取付けられるようになっている。
また、図24に示すように、第一側面壁540の上辺前方の左右には、本体枠3を外枠2に対して閉止する際に、外枠2の上枠板10の内周面と当接する案内円弧突起552が突設され、第一側面壁540の後端辺中央に後述する賞球タンク720の切欠部729と連通する逃げ凹部551が形成され、第一側面壁540と第二側面壁541と接続する垂直面にタンク取付溝550が形成されている。そして、このタンク取付溝550に賞球タンク720の取付鍔部733を取付けたときには、図28に示すように、賞球タンク720の切欠部729が逃げ凹部551と連通して賞球タンク720内に貯留された球の球圧が増加したときに圧抜きして球詰まりが発生しないように機能する。また、賞球タンク720を本体枠3に取付けたときには、平面視で賞球タンク720の正面側から見て奥側の後面壁722と第四側面壁543の後端辺がほぼ一致(図5参照)するようになっている。なお、上記した案内円弧突起552は、本体枠3の上辺を外枠2の上枠板10の内周面と当接させることにより、本体枠3を持ち上げて本体枠3の下辺と装飾カバー板15との間に隙間を形成し、その隙間から不正器具を挿入するような不正行為を防止するためのものである。
また、前述した上後面壁545には、タンクレール部材740を取付けるためのレール係止溝553が後面開口580の開口縁に沿って形成されており、また、第四側面壁543と上後面壁545の屈曲部にレール係止溝554が形成されている。そして、これらレール係止溝553,554にタンクレール部材740の係止突片749,750(図45参照)を係止させることにより、タンクレール部材740を本体枠3に取付けることができる。また、タンクレール部材740を取付けたときの下流側に対応する上後面壁545の上部には、レール掛止弾性片555が形成され、レール係止溝553,554にタンクレール部材740の係止突片749,750を係止させて、タンクレール部材740を本体枠3に取付けたときに、その係止状態が外れないようにレール掛止弾性片555がタンクレール部材740の下流側上端の上から当接するようになっている。
このタンクレール部材740を取り外すときには、レール掛止弾性片555を後方へ押圧しておいてからレール係止溝553,554と係止突片749,750との係止状態を解除すべくタンクレール部材740を上方に持ち上げればよい。また、レール掛止弾性片555の側方に逃げ穴556が穿設され、レール掛止弾性片555の下方にアース線接続具557形成されている。逃げ穴556は、タンクレール部材740に設けられる整列歯車747の軸ピン748の端部を逃がすために穿設されるものであり、また、アース接続具207は、タンクレール部材740の内部に貼着される金属製の導電板(図示しない)に接触していると共に、電源基板に設けられるアース用コネクタに接続される配線が接続されるものである。
また、軸支側後面壁546には、図22及び図24に示すように、軸支側後面壁546の左右両端に垂直状の立壁560を立設し、その立壁560の間に球通路ユニット770と賞球ユニット800とが取付けられる。また、左右の立壁560の間の最上流部から中流部よりやや上方まで賞球案内突起561が屈曲状に突設されている。この賞球案内突起561は、軸支側後面壁546にその突出高さが下流側に向かって徐々に低くなるように後方に向かって突設され、後述する球通路ユニット770を取付けたときに、該球通路ユニット770の球落下通路772(図50参照)に対応するもので、賞球を一列状に誘導するものである。また、賞球案内突起561の左右には、球通路ユニット770をビスで止着するための通路ユニット取付ボス562、及び位置決めするための位置決めピン574が突設されると共に、後述する球切れスイッチ778(図50参照)に対面するスイッチ対応突起563が突設されている。通路ユニット取付ボス562及び位置決めピン574については、後に詳述する。
更に、左右の立壁560の中流部から下流部にかけて賞球ユニット800の係合部としての鉤状係合部824(図52参照)と係合する係止部としての係合突片565と、賞球ユニット800のボタン挿通係合穴821(図52参照)と係合するロック用弾性爪564と、が形成されると共に、賞球ユニット800のスプロケット807の回転軸808(図52参照)の端部が受け入れられる逃げ穴566が形成されている。また、軸支側後面壁546の下方には、払出モータ用逃げ開口部572が形成されており、この払出モータ用逃げ開口部572に賞球ユニット800の駆動モータとしての払出モータ815が臨むようになっている(図25参照)。そして、賞球ユニット800は、軸支側後面壁546の裏面最下端に形成される係止溝573のその下端を係止して前記係合突片565及びロック用弾性爪564によって軸支側後面壁546に着脱自在に取付けられるようになっている。この着脱自在の構成については、後に詳述する。
また、軸支側後面壁546の開放側の端部には、そのカバー体1250の開放側の端辺が入り込むカバー体当接溝567が形成されていると共に、該カバー体当接溝567の下方に施錠壁569が突設されている。カバー体当接溝567には、カバー体1250の止め穴1253(図28参照)に対応する止め穴568が形成されており、これら止め穴1253,568とを一致させて図示しないビスで止着することにより、カバー体1250によって本体枠3の後面開口580を閉塞固定することができるようになっている。また、施錠壁569には、平面視U字状の施錠用突出鉤片570が突設され、本体枠3に対してカバー体1250を閉じた状態で施錠用突出鉤片570をカバー体1250に形成される貫通穴1254(図28参照)を貫通させ、例えば、南京錠等の錠を施錠用突出鉤片570に掛け止めることにより、南京錠の鍵を有する責任者しかカバー体1250を開放することができないようにすることができる。
以上、遊技盤設置凹部510及び板部511とからなる本体枠主体500の構成について説明してきたが、上記に説明した以外に、板部511の最下端辺部に、扉枠5を閉じたときに、扉枠本体100の下辺を後方に向けて折曲した扉枠突片112,113(図19参照)が挿入される係合溝584,585(図21参照)が形成されている。係合溝584は、前述した発射装置取付部520の下方に形成される溝であり、係合溝585は、前記係合溝584の一端から軸支側に向って形成される溝である。なお、係合溝585に対応する扉枠突片112は、係合溝584に対応する扉枠突片113の突出量よりも大きくなるように後方に向って突設されている。ただし、開放端下部には、突出量の多い扉枠突片112が僅かに形成されている。そして、上記した扉枠突片112,113と係合溝584,585とが扉枠5と本体枠3との下側辺部における外側の突条及び係合部を構成するものである。
上記のように板部511には、発射レール515や出口開閉装置579が設けられ且つレール接続部材516や発射装置取付部520が突設形成されているが、発射装置取付部520及び発射レール515の板部511における配置位置が開放側に偏り、しかもそれらが板部511の表面よりも突出して形成されている。このため、扉枠5を閉じた状態において、発射装置取付部520及び発射レール515が配置される板部511のほぼ中央部から開放側にいたる領域は、扉枠5の裏面と発射装置取付部520及び発射レール515の前面とが密着した状態となるため、前述した扉枠突片112と係合溝585との隙間を上手にすり抜けてきたピアノ線等の不正具を扉枠5の裏面と発射装置取付部520及び発射レール515の前面との間をさらに上手にすり抜けさせて遊技盤4の表面側若しくは遊技盤4の裏面側に到達させることは極めて困難である。
一方、発射装置取付部520及び発射レール515が配置されない板部511のほぼ中央部から軸支側にいたる領域は、板部511の表面に突出した部分がないため、扉枠5を閉じた状態において、扉枠5の裏面と板部511の前面との間に空間586が生じてしまう。このため、前述した扉枠突片112と係合溝584との隙間を上手にすり抜けてきたピアノ線等の不正具が扉枠5の裏面と板部511の前面との間の空間586を簡単にすり抜けてしまうことができるため、この空間586を不正具が上方に向ってすり抜けないように、扉枠5の裏面下部に取付けられる装着台280には、扉枠5を閉じた状態で該空間586に侵入する防犯突片285が形成されている。この防犯突片285は、板部511のほぼ中程から軸支側端部までいたるように装着台280に形成されている。したがって、発射レール515及び遊技盤4に取付けられる外レール602の下方空間は、装着台280に突設される防犯突片285を受入れる防犯空間586を構成している。そして、この防犯突片285と防犯空間586とが扉枠5と本体枠3との下側辺部における内側の突条及び係合部を構成するものである。
本体枠3は、上記したように、遊技盤4、打球発射装置650、賞球タンク720、タンクレール部材740、球通路ユニット770、賞球ユニット800、満タンユニット900、錠装置1000、基板ユニット1100及びカバー体1250が取付けられるが、以下、これらを順次説明する。
<遊技盤の概略構成>
遊技盤4の概略構成について図30乃至図35を参照して説明する。図30は、遊技盤4の正面から見た斜視図であり、図31は、遊技盤4の正面図であり、図32は、遊技盤4の背面図であり、図33は、遊技盤4の平面図であり、図34は、遊技盤4に形成される取り外し防止機構部分の拡大斜視図であり、図35は、遊技盤4の取り外し防止機構に対する本体枠側の構造を示す本体枠3の部分斜視図である。
図30において、遊技盤4は、木製の合板からなり外形が略正方形状の遊技パネル600と、遊技パネル600の前面に遊技領域605を囲むように取付けられる前構成部材601と、から構成されている。遊技パネル600の表面には、遊技領域605に各種の遊技装置や多数の障害釘(いずれも図示省略)が植立されている。そして、それらの遊技装置や障害釘が設けられた後に前構成部材601が遊技パネル600の前面に取付けられるが、その前構成部材601は、遊技領域605の外周を囲むように内部が円形の空洞状に形成され且つ外形が遊技パネル600の外形に沿った形状に形成されており、その下辺中程から上辺の中心を過ぎた斜め上方までの円弧面が外レール602として形成され、その外レール602の終端に設けられる衝止部620の下部位置から上辺の前記衝止部620の対称の逆流防止部材604が設けられる位置までが内レール603として形成されている。外レール602は、その始端部に前記発射レール515の延長状に設けられたレール接続部材516に連接する接続通路部609が斜め状に形成されており、その接続通路部609に隣接してファール口610が形成されている。また、ファール口610の上流端から衝止部620までの外レール602には、金属製のレールが密着して取付けられている。
なお、衝止部620は、勢いよく外レール602を滑走してきた打球が衝突したときに、その衝突した打球を遊技領域605の内側に反発させるようにゴムや合成樹脂の弾性体が設けられるものであり、逆流防止部材604は、一端発射されて遊技領域605の内側に取り入れられた打球が再度外レール602に逆流しないように防止するものである。更に、外レール602の下部一側には、金属製のレールの一部に沿うように防犯突起608が突設されている。この防犯突起608は、扉枠5が閉じられた状態で前述したように防犯カバー270に突設される防犯後端部突片275と上下方向に重複して本体枠3と扉枠5の軸支側の隙間の中程よりやや下方から挿入されるピアノ線等の不正具の侵入を防止するものである。
また、内レール603の下部中央には、アウト口606が設けられ、そのアウト口606から逆流防止部材604までの内レール603と外レール602との間は、発射された打球が遊技領域605まで誘導される誘導通路を構成するものであるが、遊技領域605に到達せずに外レール602を逆流した打球はファール口610に取り込まれて後述する満タンユニット900のファール球入口923に導かれて再度皿ユニット300に排出されるようになっている。なお、遊技領域605は、実質的に内レール603によって囲まれる領域である。また、内レール603のアウト口606から衝止部620に向かう途中の前構成部材601には、レール防犯溝607が形成されている。このレール防犯溝607は、扉枠5が閉じられた状態で前述したように防犯カバー270に突設される防犯後突片274の一部が侵入するように溝状に形成されており、このレール防犯溝607と防犯後突片274との凹凸係合により、上下方向に重複して本体枠3と扉枠5の開放側の隙間の中程よりやや下方から挿入されるピアノ線等の不正具の侵入を最終的に防止するものである。
ところで、遊技盤4の一側には、本体枠3に形成される前記盤位置決め突起576に嵌合する位置決め凹部611が形成され、遊技盤4の他側には、本体枠3に形成される前記盤止め具挿入穴578に挿入される遊技盤止め具614が設けられている。遊技盤止め具614は、押し込み固定したときにその端部が盤止め具挿入穴578に挿入されるようになっている。しかして、遊技盤4を本体枠3に固定するためには、本体枠3の前面側から位置決め凹部611が盤位置決め突起576に嵌合するように斜め方向から差し込んだ後、遊技盤4の全体を本体枠3の第一側面壁540に押し込み、その状態でフリーな状態となっている遊技盤止め具614を押し込み固定してその端部を盤止め具挿入穴578に挿入して固定する。その後、遊技盤固定具519を回動して遊技盤4の下部前面を固定する。これによって遊技盤4を本体枠3に簡単に装着することができる。遊技盤4を取り外すには、上記の手順と逆の手順で取り外せばよい。
また、本実施形態における遊技盤4は、遊技盤4の本体枠3からの不正な取り外しを極めて簡単に防止する構成を有している。即ち、図30及び図34に示すように、遊技盤4の下方の前記通路用切欠部613と反対側の下端部に遊技盤4の前後に貫通する取付用切欠部616を形成し(正確には、前構成部材601に取付用切欠部616が形成されている。)、その取付用切欠部616の下部に水平方向に締結バー617を掛け渡し固定する。締結バー617には、そのほぼ中央に締結バンド619を掛け止めるための帯溝状の締結部618が形成されている。一方、本体枠3に設けられる取り外し防止機構としては、前述したように、本体枠3下方の板部511の上端辺にそって形成される遊技盤載置部512であって発射レール515の発射部の上方に対応する位置に上下方向に貫通する締結穴533を形成し、その締結穴533の前方部分に締結バンド619を掛け止めるための締結連杆534が差し渡されている(図35参照)。
上記のように構成される遊技盤4を本体枠3の遊技盤設置凹部510に収納配置したときには、図34に示すように、締結バー617が遊技盤載置部512に当接して載置した状態になると共に、締結部618と締結連杆534とが一致した状態となる。そして、その状態で締結部618と締結連杆534との一致している部分に対して、締結バー617の上方から一般的に市販されている締結バンド619の先端を取付用切欠部616に差し込んで下方に向けて締結穴533に差し込み前方に導き、その先端を締結バンド619の締結具部分に係合させる。そして、締結バンド619の締結具より前方に飛び出した不必要な先端部分を切断しておく。このようにすれば、締結バンド619を切断しない限り、遊技盤止め具614と遊技盤固定具519等の固定を解除しても、遊技盤4を本体枠3から取り外すことができない。締結バンド619を切断すれば、遊技盤4を本体枠3から取り外すことはできるものの、例えば、締結バンド619をパチンコ店独特のものを使用することにより、異なる締結バンドが締結されていれば、遊技盤4を取り外して何らかの不正行為を行われたことが容易に理解することができるものである。このように極めて簡単な取り外し防止機構により遊技盤4の本体枠3からの不正な取り外しを防止することができる。
また、遊技盤4の外形形状は、その上部左右に前記扉枠5の裏面に設けられるスピーカ163の後方突出部分を受け入れるようにスピーカ用切欠部612が形成され、また、ファール口610の側方斜め下に後述する満タンユニット900の前方誘導通路920部分の一部が挿入される通路用切欠部613が形成されている。また、前構成部材601の下方左右には、証明確認用の証紙を貼付する証紙貼付部615が設けられている。
一方、遊技盤4の裏面には、遊技領域605に設けられる各種の遊技装置(例えば、一般入賞口、始動口、大入賞口、等)に入賞した球を下流側に整列して誘導することができる裏箱621の裏面に遊技領域605のほぼ中央に配置される表示装置としての液晶表示装置640(図74等参照)の表示を制御する表示装置制御基板が収納される表示制御基板ボックスとしての液晶表示制御基板ボックス622が取付けられている。
更に、遊技盤4の裏面には、裏箱621の下方に盤用基板ホルダ623が固定されている。この盤用基板ホルダ623は、その前方に裏箱621によって整列誘導された入賞球を集めるように空間部(この空間部は、前後方向の幅が裏箱621の幅よりも比較的広いものとして形成されている。)が形成され、その空間部の底面に落下口629(図29参照)が形成されている。この落下口629は、前記アウト口606の後面部分で合流して後述する基板ユニット1100に形成されるアウト球通路1119(図73参照)に連通するものである。
また、盤用基板ホルダ623には、その裏面に遊技動作を制御する主制御基板1350を収納する主制御基板ボックス624と、後述する基板ユニット1100に設けられる払出制御基板1186や電源基板等と接続するための中継端子板625と、が取付けられている。中継端子板625には、遊技盤4を本体枠3に装着するだけで自動的に前記基板ユニット1100に設けられるドロワコネクタ1200,1202と接続されるドロワコネクタ626,627が設けられている。
更に、盤用基板ホルダ623には、ドロワコネクタ626,627の間から中継端子板625を貫通するように後方に向かって突出する接合案内突起628が形成されている。この接合案内突起628は、後に詳述するように遊技盤4を本体枠3に装着する作業を行ったときに、基板ユニット1100側に設けられるドロワコネクタ1200,1202と遊技盤4側に設けられるドロワコネクタ626,627とが自然に接続されるように基板ユニット1100の枠用基板ホルダ1101に形成される接合案内孔1213に挿入される(図73参照)ものである。なお、これらドロワコネクタの接続については、後に詳述する。
<打球発射装置>
打球発射装置650について図36乃至図41を参照して説明する。図36は、打球発射装置650の全体の斜視図(A),発射モータ部分を取り外した状態の斜視図(B)であり、図37は、打球発射装置650の分解斜視図であり、図38は、打球発射装置650と発射レール515との関係を示す正面図(A),発射モータ部分の斜視図(B)であり、図39は、操作ハンドル部461を操作していない状態における打球発射装置650と発射レール515との関係を示す背面図であり、図40は、操作ハンドル部461を操作している状態における打球発射装置650と発射レール515との関係を示す背面図であり、図41は、打球発射装置650に設けられるスライド部材710の平面図(A),正面図(B),正面から見た斜視図(C),正面図(B)のA−A断面図(D)である。
打球発射装置650は、発射ベース枠651に打球槌687を回動自在に軸支すると共に、その打球槌687に往復回動を付与する発射モータ695を発射ベース枠651に取付け、さらに打球槌687に復帰する付勢力を付与する付勢バネ684の付勢力を調節するスライド杆677及びスライド部材710が発射ベース枠651に設けられることにより構成される。
より詳細に説明すると、図37に示すように、発射ベース枠651は、合成樹脂によって横長な長方形状に成型されるものであり、そのほぼ中心に打球槌687の軸受689が嵌合される軸受筒652が形成され、その上部及び側方に打球槌687の発射原点位置を規制するゴムストッパー部材653,654が取付け固定されている。即ち、ゴムストッパー部材653,654は、打球槌687が付勢バネ684の付勢力により発射原点位置に戻ったときに打球槌687の衝撃を受け止めるものである。また、発射ベース枠651の後方(発射レール515の下方に対応する部位の反対側)の上方に横長細溝状のスライド案内孔655が形成され、そのスライド案内孔655の下方にスライド部材収納空間656が形成されている。
このスライド案内孔655は、後述するスライド杆677の後端上部に突設される案内係止片678が挿入されてスライド杆677のスライド移動を案内するものであり、スライド部材収納空間656には、スライド部材710が左右方向に移動可能に収納されるものである。なお、スライド杆677の前方部分のスライド案内は、スライド杆677の前方に形成される案内長孔680に止めネジ682によって発射ベース枠651に形成される止め穴662に止着される案内ブッシュ681を貫通させることにより行われる。また、スライド部材収納空間656の底面には、図38に示すように、長方形状の連結開口664が形成されている。
また、発射ベース枠651の上辺の前方部分には、発射ベース枠651の本体に対して庇部が形成されており、前記軸受筒652の上方の庇部に作動片用開口657が穿設されている。この作動片用開口657には、前記扉枠5の皿ユニット300の下流側の打球供給口288(図15参照)に臨んで設けられている供給揺動片289(図15参照)と当接する作動片658が作動片用開口657の開口縁の後方上部に突設されている取付部660に止めピン659によって揺動自在に設けられるものである。作動片658は、「て」字状に形成され、その上辺の後端部が止めピン659によって軸支され、その軸支部から下方の円弧部に打球槌687と一体的に回動するベース板690に突設される作動片当接部693と当接し、打球槌687の往復動作に連動して上辺部が供給揺動片289を揺動させ、供給揺動片289の揺動動作により打球供給口288から流出する打球を1個ずつ発射レール515の発射位置に供給するようになっている。
更に、発射ベース枠651には、発射モータ695を内蔵するモータカバー694を止着するためのモータ取付ボス661が後方下部に2箇所と前方上部に1箇所の合計3箇所に突設されていると共に、前記スライド部材収納空間656の下部後方にスライド杆677をスライドさせるためにスライド部材710と連結される揺動片672の下端の軸穴673が挿入される揺動片用ボス663が突設されている。
上記した発射ベース枠651には、打球発射装置650の剛性を高めるために金属プレート665がほぼ密着するように取付けられている。このため、金属プレート665には、軸受筒652、下方のゴムストッパー部材653、スライド案内孔655、案内ブッシュ681、及び揺動片用ボス663にそれぞれ対応する貫通孔666,667,668,669,671が形成されていると共に、スライド部材710の連結凸部712が貫通する横長楕円状の貫通孔670も貫通されている。上記のように構成される金属プレート665は、スライド部材710をスライド部材収納空間656に収納した後、それぞれの貫通孔666〜671がそれに対応する部材652,653,655,681,712,663を貫通あるいは一致させるように発射ベース枠651に密着させてビス止めすることにより発射ベース枠651に固定されるものである。
金属プレート665が取付けられた発射ベース枠651の揺動片用ボス663の先端部分が貫通孔671から頭を出しているが、その頭の部分に揺動片672の軸穴673が挿通されて、揺動片672が下端を中心にして揺動自在に軸支される。揺動片672は、図37に示すように、縦長杆状に形成され、その下端に前記軸穴673が形成され、その中程にスライド部材710の連結凸部712が挿入されるやや縦長穴形状の連結穴674が形成されている。そして、その連結穴674より上方の前方面がスライド杆677の一端
(後端)と当接する当接部675となっている。しかして、揺動片672を揺動片用ボス663に挿通し、且つ貫通孔670から頭を出しているスライド部材710の連結凸部712に連結穴674を挿入してワッシャ付きピン676を連結凸部712に止着することにより、揺動片672が発射ベース枠651に取付けられる。そして、取付けられた揺動片672は、スライド部材710のスライドに伴って下端を中心にしてその上方部分が揺動するようになっている。
また、金属プレート665の上部前面には、横長杆状のスライド杆677が左右方向にスライド可能に取付けられる。即ち、スライド杆677の後方上部に突設されるL字状の案内係止片678を金属プレート665の貫通孔668に貫通係合させ、スライド杆677の前方に形成される案内長孔680に止めネジ682を有する案内ブッシュ681を貫通させて止めネジ682を止め穴662に止着する。上記した案内係止片678と貫通孔668、及び案内長孔680と案内ブッシュ681とにより、スライド杆677が金属プレート665を介して発射ベース枠651にスライド可能に装着される。また、スライド杆677には、その一端(後端)に上述した揺動片672の当接部675と当接する被当接部679が形成され、その他端(前端)に付勢バネ684の一端の係止輪685を掛け止めるためのバネ係止部683が突設されている。
金属プレート665が取付けられた発射ベース枠651の軸受筒652が貫通孔666から突出しているが、その軸受筒652には、打球槌687の軸受689が抜け落ちないように嵌合されている。軸受689の軸には、打球槌687の下端部が固着されると共に同時にベース板690が固着される。ベース板690には、その前方裏面側に前記作動片658と当接する作動片当接部693が突設され、その前方前面に付勢バネ684の他端の係止輪686を掛け止めるためのバネ係止部692が突設され、さらにその後方前面に発射モータ695のモータカム697と係脱するモータ当接突片691が突設されている。打球槌687の上端には、合成樹脂製の槌先688が固着されており、この槌先688が発射レール515の下端部とその上方に固着される発射位置ストッパー702とによって形成される発射位置に突入するように臨んでいる。
一方、発射ベース枠651の前述したモータ取付ボス661には、モータカバー694に収納された発射モータ695が取付けられる。より具体的には、図38(B)に示すように、モータカバー694は、内部に発射モータ695を収納するように形成された円筒部と、該円筒部の前方に拡大して前記モータ取付ボス661に取付けるための取付固定穴699が形成される取付部と、が一体的に形成され、円筒部の内部に収納される発射モータ695のモータ軸696の先端に逆回転防止カム698とモータカム697とが固定されている。
この逆回転防止カム698の外周には、多数の逆歯が形成されており、ストッパー片取付ボス701に揺動自在に固定されるストッパー片700(図39参照)と係合して発射モータ695の逆方向の回転を防止している。これは、モータカム697が逆方向に回転してモータカム697とモータ当接突片691とが噛み合って打球発射装置650が駆動できなくなる故障が発生しないように防止するためである。また、モータカム697は、勾玉状に形成されており、発射モータ695の回転に伴いモータ当接突片691と係脱しながら打球槌687を往復動作させる。なお、モータカバー694をモータ取付ボス661に取付けたときには、図36(A)に示すように、打球発射装置650の主たる構成が後面から見て被覆されたような状態となっている。
ところで、前述したスライド部材収納空間656に収納されてスライド移動するスライド部材710は、図41に示すように、後方が開放した直方体状に形成され、その前面に楕円形状の楕円凸部711が突設され、さらに該楕円凸部711の後方位置に円形状の連結凸部712が突設されている。また、上面及び下面には、スライド部材収納空間656内をスライドし易いように断面円弧状のスライド用当接突部713がその両端に突設されている。一方、直方体状に形成されるスライド部材710の空間は、前記扉枠5の裏面下部に設けられるジョイントユニット480のスライド突片492が挿入される挿入空間714となっている。
そして、この挿入空間714は、スライド方向前方の側壁手前側に第一傾斜面715が形成されると共に、その第一傾斜面715のやや後方寄りに上面及び下面の内側から内部に向かって突設され且つ相互の先端間に所定の間隔が形成される挟持片716が形成されている。挟持片716の手前側にも奥に向かって側方視でハ字状に傾斜する第二傾斜面717も形成されている。しかして、スライド突片492が挿入空間714に挿入された状態では、図41(B)に示すように、スライド突片492の傾斜辺493側の一端辺がスライド方向前方の側壁に当接した状態で且つ上下の挟持片716の間に挿入された状態となっている。なお、スライド部材710の挿入空間714の側方に空間部718が形成されているが、この空間部718は、特に機能を奏しているわけではない。
而して、上記のように構成されるスライド部材710は、スライド部材収納空間656に収納された状態で、図38(A)に示すように、スライド部材収納空間656の底面に形成される楕円形状の連結開口664に挿入空間714が臨むように形成されていると共に、スライド部材710がスライド部材収納空間656の一方の空間内壁に当接した状態
(図38(A)では左の空間内壁に当接しているように図示されているが、通常の状態では右の空間内壁に当接した状態となっている。)となっている。
そこで、まず、スライド部材710と打球発射装置650の付勢バネ684の強弱を調整する関係について説明すると、スライド部材710がスライド部材収納空間656の内部の初期位置(図38(A)において右の空間内壁に当接した位置)にあるときには、図39に示すように、該スライド部材710の連結凸部712に連結された揺動片672がほぼ垂直状態となっている。このため、揺動片672と当接しているスライド杆677も付勢バネ684の付勢力により一方向(図39において左側方向)に付勢された状態で揺動片672の当接部675とスライド杆677の被当接部679とが当接した状態となっている。この状態では、付勢バネ684が張力されていないので、打球槌687が発射モータ695の回転に従動して往復回動しても、打球槌687の復帰力も弱く、発射位置にある打球が弾発されても遊技盤4の遊技領域605に到達することはない。
一方、スライド部材収納空間656の内部をスライド部材710が初期位置から他方方向に移動したとき(図38(A)において左の空間内壁方向に向かって移動したとき)、図40に示すように、揺動片672が下端の軸穴673を軸として揺動して傾動するため、当接部675と被当接部679との当接によりスライド杆677が他方向(図40において右側方向)に向かってスライド移動する。すると、スライド杆677のバネ係止部683に係止されている付勢バネ684も張力されて伸びた状態となる。この状態では、付勢バネ684が張力されているので、打球槌687が発射モータ695の回転に従動して往復回動したときの打球槌687の復帰力が強くなり、発射位置にある打球が強く弾発されて遊技盤4の遊技領域605に到達する。そして、この打球の弾発力の強弱は、スライド部材710のスライド部材収納空間656内でのスライド量に応じて調整することができる。
上記したように、スライド部材710を移動させることにより、打球発射装置650による弾発力を調整することができるが、このスライド部材710の移動は、前述したハンドル装置460の操作ハンドル部461の回動操作部材464の回動操作に応じて移動するジョイントユニット480のスライド体483の移動と連動するようになっている。この点について図20、を参照して説明する。
前述したように、ハンドル装置460の操作ハンドル部461の回動操作部材464を回転させることにより、回転軸465の先端に固着される勾玉状のカム466も回転するため、ジョイントユニット480のスライド体483が収納体481の内部を一方向に向かってスライド移動する。このため、スライド体483の前面に突設されるスライド突片492も同じ方向にスライド移動することになる。スライド体483のスライド突片492は、扉枠5を本体枠3に対して閉じた状態では、本体枠5の発射装置取付部520に形成される連結開口664を貫通してスライド部材710の挿入空間714に挿入されるようになっている。この場合の挿入状態は、前述したようにスライド突片492の傾斜辺493側の一端辺がスライド方向前方の側壁に当接した状態で且つ上下の挟持片716の間に挿入された状態である。したがって、スライド突片492が一方向に向かってスライド移動すると、スライド部材710も同一方向に向かってスライド移動することになる。このとき、前述したように、スライド部材710のスライド移動に伴ってスライド杆677もスライド移動するので、付勢バネ684の付勢力を調整することができる。つまり、ハンドル装置460の回動操作部材464を回動操作することにより、打球発射装置650の打球の弾発力を調整することができるものである。
ところで、本実施形態においては、ハンドル装置460が扉枠5に設けられ、打球発射装置650が本体枠3に設けられているので、扉枠5を開閉する毎にハンドル装置460のスライド突片492と打球発射装置650のスライド部材710とが連携したり離れたりすることになる。しかし、本実施形態においては、上述したように、本体枠3に対して扉枠5を閉じることにより、スライド突片492がスライド部材710の挿入空間714に自動的に挿入されてハンドル装置460と打球発射装置650とが連携され、逆に、本体枠3に対して扉枠5を開放することにより、スライド突片492が挿入空間714から離れてハンドル装置460と打球発射装置650とを分離することができるので、極めて簡単に扉枠5の開閉に伴ってハンドル装置460と打球発射装置650との連携・分離を行うことができる。特に、スライド突片492が挿入空間714に挿入される際には、スライド突片492の位置が上下方向に多少ずれていても、挿入空間714内に突設される挟持片716の第二傾斜面717によってスライド突片492がスムーズに挟持位置に挿入されるようになっている。
また、時として、操作ハンドル部461の回動操作部材464に遊技者が詰め物を詰めてある程度回動した位置で固定している場合があるが、遊技場の店員がその詰め物を知らずに扉枠5を開閉する場合がある。このような場合でも、扉枠5を開放する場合には、単にスライド突片492が挿入空間714から離れるだけであるので問題はないが、扉枠5を閉める場合に、スライド突片492の位置が多少一方向にずれた状態となっているものの、スライド突片492の傾斜辺493とスライド部材710の第一傾斜面715との協働作用により、扉枠5の閉止動作に伴ってスライド部材710を一方向に移動させながら最終的にスライド突片492とスライド部材710とが係合するようになっている。つまり、本実施形態においては、操作ハンドル部461の回動操作部材464がどのような回動位置で固定されていても、操作ハンドル装置460と打球発射装置650との連携を行うことができるものである。
<賞球タンク>
次に、本体枠3の裏面上部に取付けられる賞球タンク720について、主として図42を参照して説明する。図42は、賞球タンク720の斜視図(A)、平面図(B)、側面図(C)である。賞球タンク720は、前述したように、本体枠3の裏面上部に形成されるタンク取付溝550(図24参照)に着脱自在に取付けられるものである。しかして、賞球タンク720は、長方形状の箱状に形成され、パチンコ機1の正面側から見て、その前面壁721に切欠部729が形成され、その底面が上流側壁724から下流側壁723に向かって傾斜する第一傾斜底面726と前面壁721から次に説明する排出口730に向かって傾斜する第二傾斜底面727とによって貯留部728が形成されている。
また、その第二傾斜底面727の傾斜下端に排出口730が形成されるが、この排出口730は、パチンコ機1の正面側から見て賞球タンク720の後面壁722よりも外側に突出するように下流側壁723と後面壁722とをコ字状に連結する排出口突出壁725に囲まれるように形成されている。また、賞球タンク720の前面壁721の両端外側には、前記タンク取付溝550と係合する取付鍔部733が形成されていると共に、賞球タンク720の底面の裏面側に本体枠3の前記第四側面壁543に載置当接する載置当接片731,732が突設され、さらに、賞球タンク720の上流側の後面壁722の下部に後述する球ならし部材744を取付けるための球ならし取付軸735が突設されている。また、排出口730を除く賞球タンク720の後面壁722及び上流側壁724には、球の跳ね飛びを防止するための溢れ防止部材734が着脱自在に取付けられるようになっている。
上記のように構成される賞球タンク720においては、本体枠3のタンク取付溝550に対して取付鍔部733を上方から差し込むように取付け、載置当接片731,732を本体枠3の第四側面壁543に当接させる。これによって、賞球タンク720が本体枠3の裏面側上部に載置して取付けられるが、この取付けられた状態においては、図28に示すように、前面壁721の切欠部729を介して貯留部728と本体枠3の裏面に形成された逃げ凹部551とが連通し、また、図5に示すように、排出口730が次に説明するタンクレール部材740の上流端部に臨むようになっている。したがって、賞球タンク720において、球を貯留する貯留部728(第一傾斜底面726及び第二傾斜底面727に対応する貯留空間部分)の前後方向の幅は、本体枠3の第二側面壁541〜第四側面壁543までの前後方向の幅とほぼ同じとなるように形成されると共に、それらの側面壁541〜543までの上部に載置されるようになっている。
また、前述したように、本体枠3の第一側面壁540〜第四側面壁543は、遊技盤4の周辺部の後方突出空間を覆うように深く形成されているので、その側面壁541〜543の上部に載置される賞球タンク720の貯留部の深さは、従来の貯留タンクにくらべて浅く形成されているものの、賞球が貯留されて重量が増加しても賞球タンク720の全体を本体枠3の側面壁542〜543で支持しているので、傾斜底面726,727が変形することなく貯留された球をスムーズに排出口730に導くことができる。また、排出口730が賞球タンク720の後面壁722から外側に外れた位置に設けられているため、貯留部728に貯留された球の流れが第二傾斜底面727から外側に向かって流れるように構成されている。このため、従来のように傾斜底面の一部に開口を設けて排出口としていた賞球タンクに比べて、排出口近傍の貯留部に球詰まり解消のための球崩し突部を突出形成することなく球詰まりが発生し難い構造とすることができる。
そして、本実施形態においては、前述したように、遊技装置の後方突出部を収納する後側面壁541〜543の上部外側に賞球タンク720の貯留部が載置された状態で、しかも、賞球タンク720の排出口730が貯留部の後面壁722よりも外側に突出して設けられているため、タンクレール部材740が賞球タンク720の貯留部の外側(パチンコ機1の正面から見て奥側)に位置して、タンクレール部材740と賞球タンク720の貯留部728とが上下方向に重複しない位置となっているので、遊技盤4の裏面に設けられる遊技装置の後方突出部を収納する後側面壁541〜543の上辺を本体枠3の上辺に近い位置で後方に向って突出させることができ、これにより、遊技装置の後方突出部が遊技盤4の上辺部で突出していても後側面壁541〜543の内部に楽に収納することができる。
更に、賞球タンク720の貯留部728が遊技装置の後方突出部を収納する後側面壁541〜543の上部外側に載置されているか否かに関係なく、排出口730が賞球タンク720の後面壁722から外側に外れた位置に設けられているという構成だけで従来の賞球タンクにはない独特の効果を奏するものである。これについて図43を参考にして説明する。図43は、従来の賞球タンク(A),(B)と本実施形態に係る賞球タンク(C)との排出口部分における球の圧力状態を示す平面図である。図において、通常時、賞球タンク720に貯留される球は、賞球タンク720の貯留部に貯留されて滞留した状態となっている。この場合、従来の賞球タンクのように貯留部の傾斜底面の一部を開口して排出口730Aを形成している場合、例えば、図43(A)に示すように、球崩し突部736Aと反対側に排出口730Aが形成された賞球タンクや、図43(B)に示すように、球崩し突部736Bに隣接して排出口730Bが形成されている場合には、排出口730A,730Bの部分では、貯留された球の圧力とその圧力に基く賞球タンクの側壁からの反作用により、常に排出口730A,730B部分に四方から球圧がかかった状態となっている。
このため、たまたま球の重合具合によって球同士の圧力が釣り合い、下流側の球が流れ出ても、排出口730A,730B部分で球噛み状態が発生し球詰まりが発生することがあった。これに対し、本実施形態に係る賞球タンク720では、排出口730が賞球タンク720の後面壁722から外側に外れた位置に設けられているので、図43(C)に示すように、排出口730部分における貯留された球の圧力は、貯留部から排出口730方向に向かう作用力とその反作用だけの二方向からの圧力であり、従来のように四方から圧力を受けるわけではない。このため、下流側の球が流れ出ても、排出口730部分における球噛み状態が発生し難く、球詰まりが発生しないという優れた効果を奏することができる。
<タンクレール部材>
上記した賞球タンク720の下方に配置されるタンクレール部材740について主として図44乃至図46を参照して説明する。図44は、賞球タンク720、タンクレール部材740、球通路ユニット770、賞球ユニット800、及び満タンユニット900の関係を示すパチンコ機1の背面側から見た斜視図であり、図45は、賞球タンク720、タンクレール部材740、球通路ユニット770、賞球ユニット800、及び満タンユニット900の関係を示すパチンコ機1の正面側から見た斜視図であり、図46は、タンクレール部材740の下流部と球通路ユニット770の上流部との関係を示す断面図(A)と平面図(B)である。
タンクレール部材740は、前述したように、本体枠3の上後面壁545のレール係止溝553,554(図24参照)に着脱自在に取付けられるものである。そのため、タンクレール部材740には、その後面側の側面の左右辺及び下辺にレール係止溝553に上から差し込まれる複数の係止突片749が突設されると共に、その後面側側面の上辺中央にレール係止溝554に上から掛け止められる鉤状の係止突片750が突設されている。しかして、タンクレール部材740は、上面が開放した傾斜樋状に形成され、その上流端上面が賞球タンク720の排出口730に臨み、その下流端下面が後に詳述する球通路ユニット770に臨んでいる。また、タンクレール部材740の内部は、図5に示すように仕切壁741によって球が2列に整列して流下する通路742となっている。
なお、通路742の底面は、細溝が切り欠けられており、通路742を球と一緒に転動する異物がその細溝から下方に落下するようになっている。また、通路742の側壁には、静電気を除去するための金属板(図示しない)が貼付されており、この金属板の下流端が前述したアース線接続具557(図22参照)に接続されている。このため、タンクレール部材740を流下する球に帯電していた静電気が金属板からアース線接続具557を介して電源基板のアース用コネクタを経て外部にアースされるようになっている。
また、タンクレール部材740の中流域のやや下流側に重錘を有する卵形状の球ならし部材744が揺動自在に設けられている。この球ならし部材744は、前述した賞球タンク720の球ならし取付軸735に揺動自在に軸支されるものであり、タンクレール部材740の2列のそれぞれの通路742内に向かって垂下され、各通路742を流下する球が上下方向に複数段で流下してきたときに1段となるように整流するものである。また、球ならし部材744の設置位置より下流側のタンクレール部材740の上面が球押え板745によって被覆されている。この球押え板745は、球ならし部材744によって1段とならなかった球を強制的に1段とするように傾斜円弧状に形成されるものである。
更に、タンクレール部材740の下流端部には、それぞれの通路742に臨んで一対の整列歯車747が軸ピン748によって回転自在に軸支されている。この整列歯車747は、外周に複数の歯が形成され、一対の整列歯車747の歯のピッチが半ピッチずつずれるようにして軸ピン748に固定されている。このため、タンクレール部材740の各通路742を流下してきた球の上部が整列歯車747の歯と噛み合いながら下流側に流下するときに2列の通路742の球が交互に1つずつ送られることになる。この場合、図46に示すように、各通路742を流れてきた球は、整列歯車747と噛み合いながら2列の通路742の下部に形成される傾斜面743に沿って中央方向に誘導され、その誘導中に次に説明する球通路ユニット770の球落下通路772の上端入口773に2列の通路742からの球を交互に一列状にして落下するようになっている。なお、整列歯車747は、その上面を円弧状の歯車カバー746によって被覆されている。
<球通路ユニット>
上記したタンクレール部材740から一列状に落下される球を賞球ユニット800に導くための球通路ユニット770について、主として図47乃至図51を参照して説明する。図47は、本体枠3と球通路ユニット770及び賞球ユニット800との関係を示す分解斜視図であり、図48は、球通路ユニット770及び賞球ユニット800との関係を示す背面図であり、図49は、球通路ユニット770の背面から見た斜視図であり、図50は、球通路ユニット770の正面図であり、図51は、球通路ユニット770と賞球ユニット800との連結構造を説明するための側面図である。なお、図48及び図49において、賞球ユニット800部分は、ギヤカバー866、アルミ放熱板841、ユニットサブ板825が削除され、ユニットベース体801に形成された球通路部分をわかりやすく描いたものである。ただし、ギヤ等については、球通路との関係を理解し易くするため、一点鎖線で示してある。
球通路ユニット770は、ほぼ長方形状の板材の裏面(背面から見える面を表面という。)に屈曲した一対の屈曲通路壁771によって球落下通路772が形成されている。この球落下通路772は、図46(A)に示すように、その上流が前後方向(背面から見て奥行方向)に屈曲する前後屈曲通路部772aと、該前後屈曲通路部772aに連通して左右方向(背面から見て左右方向)に屈曲する左右屈曲通路部772bと、該左右屈曲通路部772bに連通してほぼ垂直状となっている垂直通路部772cとからなっている。
この前後屈曲通路部772aは、図46(A)に示すように、上述したタンクレール部材740から落下する上端入口773の位置が前述したように2列の通路742のほぼ中央であるため、本体枠3の上後面壁545及び軸支側後面壁546の表面から背面側に離れた位置となっているので、前後屈曲通路部772aと軸支側後面壁546に突設される前記賞球案内突起561とによって球落下通路772を軸支側後面壁546の表面に近い位置とするように前後方向に屈曲するものである。また、左右屈曲通路部772bは、図50に示すように、タンクレール部材740から前後屈曲通路部772aを落下してきた球の勢いを弱めるために球通路ユニット770のほぼ横幅一杯にコ字状に屈曲して形成されるものである。
更に、垂直通路部772cもほぼ垂直状に形成されているものの若干緩やかに湾曲して形成され、その垂直通路部772cを構成する一方の屈曲通路壁771に切欠部775が形成され、その切欠部775に上端が支軸777によって軸支される球切れ検出片776が揺動自在に取付けられている。この球切れ検出片776の側方には、球切れスイッチ778が取付けられ、球切れスイッチ778のアクチュエータ779が球切れ検出片776に当接している。球切れ検出片776及び球切れスイッチ778によって垂直通路部772cでの球切れを検出する球切れ検出機構が構成されている。
しかして、垂直通路部772cに球が存在しているときには、垂直通路部772cに存在する球によって球切れ検出片776が押圧されてアクチュエータ779を押して球切れスイッチ778をONとするが、垂直通路部772cに球詰まりや球欠乏により球が存在しなくなると球切れ検出片776が垂直通路部772c内に向かって揺動するので、アクチュエータ779が球切れスイッチ778をOFFとする。球切れスイッチ778がOFFになると、後述する賞球ユニット800の払出モータ815の回転が停止して賞球の払出が停止されるようになっている。
なお、切欠部775の下端部には、球切れ検出片776の通路部と反対側への過剰な揺動を防止するためにストッパー突起780が形成されており、また、球通路ユニット770の球切れ検出片776に対応する垂直通路部772cに球詰まり用挿入溝781が形成されている。この球詰まり用挿入溝781は、球詰まり等で球切れ検出片776の揺動動作が行われ難い場合に、球通路ユニット770の後面側からピンを差し込んで球切れ検出片776部分の球詰まりの解消を図るために設けられるものである。更に、球切れ検出片776に対面する他方の屈曲通路壁771は、若干球切れ検出片776側に向かって膨出状に形成されている。これは、垂直通路部772cに球が存在しているときに確実に球切れ検出片776を押圧して球切れスイッチ778をONにするためである。
また、球通路ユニット770には、上記した球落下通路772を避けた位置に止め穴782と位置決めボス783とが形成されている。位置決めボス783は、本体枠3の軸支側後面壁546に形成される位置決めピン574に係合されるものであり、止め穴782は同じく軸支側後面壁546に形成される通路ユニット取付ボス562に対応するものである。しかして、球通路ユニット770を本体枠3に取付けるには、図47に示すように、位置決めボス783を位置決めピン574に係合させながら通路ユニット取付ボス562と止め穴782とを一致させ、その状態で止め穴782からビス784を螺着することにより行うことができる。更に、球通路ユニット770には、その一側中程にカバー体1250の係合片と係合するカバー体係合溝785が形成されていると共に、下部に賞球ユニット800と連結するための連結蓋部材786が回動自在に設けられている。
連結蓋部材786は、図49に示すように、長方形状の板材の裏面に円弧状に突設される一対の通路壁790を突設することにより構成されており、球通路ユニット770の下部表面の左右両端部に突設される軸支部としての支持突片787に、連結蓋部材786の両端部から延びる支持片788の先端に突設される回転軸部としての突起軸789を嵌合することにより回動自在に軸支されるものである。また、連結蓋部材786は、閉じることにより球通路ユニット770の下方に延長されて通路壁790によって形成される通路と球落下通路772の下流端部とが連通した状態(図51(B)に示す状態)と、開放することにより通路壁790によって形成される通路と球落下通路772の下流端部とが連通しない状態(図51(A)に示す状態)と、に回動し得るが、開放した状態から閉じた状態に移行する際に、連結蓋部材786の支持片788を案内する案内突起791が球通路ユニット770の後面下端部に突設されている。
而して、球通路ユニット770を本体枠3の軸支側後面壁546に固定した状態で、しかも、後述するように賞球ユニット800を同じく軸支側後面壁546に装着した状態(図51(A)に示す状態)で、連結蓋部材786を閉じて賞球ユニット800に設けられる係止弾性爪820によってその後面を係止することにより、球通路ユニット770の球落下通路772と賞球ユニット800の屈曲通路803とを通路壁790にて連通して、球通路ユニット770の球落下通路772を落下する球を賞球ユニット800の屈曲通路803に導くことができるものである。このように球通路ユニット770に回動自在な連結蓋部材786を設けた理由は、後述するように賞球ユニット800を本体枠3に対して着脱自在に装着し易くすることと、その着脱自在に装着したことに起因して球通路ユニット770と賞球ユニット800との間に形成される空間が球のスムーズな落下を阻害しないようにするためである。
また、球通路ユニット770に突設される一対の屈曲通路壁771の間に本体枠3の軸支側後面壁546にその突出高さが下流側に向かって徐々に低くなるように突設される賞球案内突起561を挿入することで、球落下通路772の上端入口773がタンクレール部材740の2列の通路742のほぼ中央下部に位置するように、球落下通路772の上流部を背面からみて前後方向に屈曲する前後屈曲通路部772aとして形成する。これにより、一対の整列歯車747によって2列で流下する球を交互に1個ずつ賞球ユニット800側に送り出す構成において、球落下通路772を通して球を1個ずつスムーズに賞球ユニット800に送り出すことができる。また、この構成によれば、複数の部材の組立体から球落下通路772を構成する必要がないため、球落下通路772を構成する部品点数を削減することができると共に、球落下通路772の組み付け作業性を向上することができる。
また、タンクレール部材740から前後屈曲通路部772aを落下してきた球は、左右屈曲通路部772bを通過することでその勢いを弱め、その後、垂直通路部772cを通って賞球ユニット800に送られる。また、勢いが弱められた状態で球が送り込まれる垂直通路部772cには、球切れを検出するための球切れ検出機構(球切れ検出片776及び球切れスイッチ778)が設けられる。これにより、球落下通路772での球切れ、言い換えれば賞球ユニット800に供給する球が切れたこと(球切れ)を確実に検出することができる。
<賞球ユニット>
次に、上記した球通路ユニット770の下流側に配置される賞球ユニット800について、主として図52乃至図55を参照して説明する。図52は、賞球ユニット800の背面側から見た分解斜視図であり、図53は、払出モータ815と払出部材としてのスプロケット807との関係を説明するための背面図であり、図54は、賞球ユニット800の通路と駆動関係を説明するための背面図であり、図55は、図54のA−A断面図である。
図52において、賞球ユニット800は、一対の屈曲通路壁802によって球通路を構成する屈曲通路803、賞球通路810、及び球抜通路811が形成されるユニットベース体801と、該ユニットベース体801の後面を覆うユニットサブ板825と、該ユニットサブ板825の上部表面(後面側)に取付けられる中継基板830と、前記ユニットサブ板825のほぼ中央表面領域(後面側領域)に設けられるギヤ群843,844,847及び検出円盤850(回転伝達部材)を被覆するギヤカバー866とから構成されている。以下、これらの構成を順次説明する。
ユニットベース体801は、ほぼ長方形状の板状(この板部分を「底面」という場合がある。)に形成され、その板状のユニットサブ板825側に向かって突設される一対の屈曲通路壁802によって屈曲通路803が形成されている。屈曲通路壁802は、ユニットベース体801の上部中央から下流側のほぼ中程まで球の直径よりもやや大きな間隔で突設されるが、その中程から下流側に大きく左右に分かれて中程から下流端までユニットベース体801の両端辺の側壁を兼ねている。また、中程の屈曲通路壁802が大きく左右に分かれた部分は、球送り回転体としてのスプロケット807が配置される振分空間805を構成し、その振分空間805の下部からユニットベース体801の下流端までに左右に分かれた前記屈曲通路壁802の対をなすように通路区画壁809が突設形成されている。
つまり、中程から下流側の左右の屈曲通路壁802と通路区画壁809とによって振分空間805から左右に2つの通路が構成されることなり、一方の通路が賞球通路810を構成し、他方の通路が球抜通路811を構成している。なお、通路区画壁809も左右に大きく分かれており、その分かれた通路区画壁809の内側に払出モータ815を収納するモータ収納空間814が形成されている。即ち、払出モータ815は、球通路(屈曲通路803、賞球通路810、球抜通路811)を避けた位置であって当該球通路の奥行き幅寸法内に形成されるモータ収納空間814に収納固定される。なお、屈曲通路803は、該通路803内に停留する球のスプロケット807への圧力を弱めるために蛇行状に形成されて振分空間805に到達しているが、その振分空間805の上流側の底面に楕円形状の開口804が形成されている。この開口804は、屈曲通路803内に入った小さなゴミ等を貯留するもので、賞球ユニット800を本体枠3から取り外したときに溜まったゴミ等を取り出すことができるようになっている。
また、上記した振分空間805には、外周に球が嵌り合う複数(図示の場合は、3つ)の凹部が形成された払出部材としてのスプロケット807が回転自在に配置されるが、このスプロケット807が固定される回転軸808の他端を軸支する軸受筒806が振分空間805の底面に形成されている。また、振分空間805の底部を構成する通路区画壁809の上端部は、スプロケット807の回転円弧に沿った凹円弧状に形成され、その一方に形成される賞球通路810の上流部には、払出球検出センサ812が着脱自在に装着されている。
この払出球検出センサ812は、先端部に球が通過する円形状の通過穴が形成された直方体状の磁気センサからなり、その後端部の形状と合致するスイッチ嵌合凹部865を屈曲通路壁802で形成することにより、簡単に着脱自在に取付けられるものである。なお、払出球検出センサ812からの配線(図示しない)は、後述する中継基板830に接続されるようになっている。更に、賞球通路810を構成する屈曲通路壁802の下流側には、ユニットサブ板825と一体的に形成される通路蓋板部859に形成される係止部860と係合する係止爪813が複数形成されている。ただし、複数の係止爪813のうち、通路蓋板部859の下端の一方の係止部860と係合する係止爪813は、通路区画壁809側に形成されている。
また、ユニットベース体801の下方であって賞球通路810と球抜通路811との間には、払出モータ815を収納する円形状のモータ収納空間814が形成されるが、このモータ収納空間814の内部に払出モータ815の円筒状本体が収納されるようになっている。ただし、払出モータ815は、その前面に形成される一対の取付片816によってユニットサブ板825の下方に取付けられるアルミ放熱板841の裏面側にビス817で固着されるようになっている。そして、払出モータ815がユニットサブ板825のアルミ放熱板841に取付けられた状態で、払出モータ815のモータ軸818は、アルミ放熱板841に穿設された軸挿通穴842を貫通して第一ギヤ843が固着されるようになっている。
また、ユニットサブ板825及びアルミ放熱板841でユニットベース体801の後面側を被覆することにより、上記した屈曲通路803、賞球通路810、及び球抜通路811が形成される奥行幅方向の空間内に払出モータ815の円筒状本体部分も収納配置されることになる。そして、払出モータ815を収納するモータ収納空間814と前述したスプロケット807が配置される振分空間805とが、上下方向の極めて近い位置関係に形成されているため、ユニットベース体801の上下方向の長さを短くすることができ、結果的に賞球ユニット800のコンパクト化を図ることができる。
更に、ユニットベース体801には、上記した球抜通路811の最下端に球抜きされた球を賞球ユニット800の裏面側に誘導する誘導突片819が突設され、この誘導突片819に誘導された球が後述する球抜接続通路880に誘導されて最終的にパチンコ機1の外部(島台の下方に設けられる回収樋)に放出されるようになっている。また、ユニットベース体801の上部には、前述した球通路ユニット770の連結蓋部材786を係止する係止弾性爪820が突設されると共に、賞球ユニット800を本体枠3の軸支側後面壁546に着脱自在に取付けるためのボタン挿通係合穴821及び鉤状係合部824と、ユニットベース体801とユニットサブ板825を挟持した状態でギヤカバー866とを連結するための取付ボス823が設けられている。
このボタン挿通係合穴821には、ユニットベース体801の上部一側に設けられて棒状の着脱ボタン822が奥行幅方向に摺動自在に取付けられるものであり、後述するように、その前方先端が本体枠3の軸支側後面壁546に形成されるロック用弾性爪564に対応している。また、ボタン挿通係合穴821の後端面は、図47に示すように、ロック用弾性爪564の先端部が入り込むように凹状となっている。また、鉤状係合部824は、本体枠3の軸支側後面壁546に形成される係合突片565と係合するもので、賞球ユニット800を軸支側後面壁546に押し当てて下方に押下げることにより、鉤状係合部824と係合突片565とが係合するものである。そして、その係合状態においてロック用弾性爪564とボタン挿通係合穴821とが係合するので、賞球ユニット800の上方向の移動ができないようになっている。
なお、鉤状係合部824は、ユニットベース体801の上部左右に形成されている。また、ユニットサブ板825を挟持した状態でユニットベース体801とギヤカバー866とを連結するための取付ボス823は、後面側に向かって長く突設され、ユニットサブ板825に穿設される貫通穴858を貫通した後、ギヤカバー866の取付穴867に対応させ、そのギヤカバー866の表面からネジ868を螺着することにより、ユニットサブ板825を挟持した状態でユニットベース体801とギヤカバー866とを連結している。
上記したユニットベース体801を被覆するユニットサブ板825の構成について説明すると、ユニットサブ板825は、ユニットベース体801の屈曲通路803部分と振分空間805部分と賞球通路810部分とを覆う合成樹脂製の板材に払出モータ815が取付けられると共に球抜通路811の下流部分とを覆うアルミ放熱板841を取付けることにより構成されている。そして、ユニットサブ板825の合成樹脂板部の表側(後面側)には、中継基板830を取付けるための中継基板領域826が上部に形成され、その下方に複数のギヤ843,844,847や検出円盤850が取付けられるギヤ領域840が形成されている。
この中継基板領域826は、ほぼ正方形状に形成され、その正方形状に沿って中継基板830を載置する載置リブ827が突設され、その一側垂直辺の上下に後述する基板カバー835の係合突起836と係合する係合溝部828が形成され、その他側垂直辺の中央に基板カバー835の係止突部837と係合する係止爪部829が形成されている。また、中継基板領域826には、着脱ボタン822が挿通されるボタン挿通穴834と中継基板830をビス(図示しない)で止着するための取付ボス部832が形成されている。
上記した中継基板領域826に取付けられる中継基板830は、賞球ユニット800に設けられる上述した払出球検出センサ812、払出モータ815、及び後述するセンサ855からの配線と、後述する払出制御基板1186(図25及び図72参照)からの配線とを中継するもので、そのために複数のコネクタが設けられると共に、着脱ボタン822が挿通されるボタン挿通穴833と前記取付ボス部832に対応する取付穴831とが穿設されている。しかして、中継基板830を中継基板領域826の載置リブ827に載置した状態で取付穴831と取付ボス部832とを合致させて図示しないビスで止着することにより中継基板830をユニットサブ板825の表面(後面)に止着することができる。
また、上記のように取付けられる中継基板830は、基板カバー835によって被覆される。基板カバー835は、ほぼ正方形状の前面側が開放したボックス状に形成され、その一側垂直辺の上下基部に係合突起836と他側垂直辺のほぼ中央側面に係止突部837が形成されている。また、基板カバー835の正方形状の垂直面には、ボタン開口838と接続開口部839とが形成されている。しかして、基板カバー835の係合突起836を中継基板領域826の係合溝部828に差し込んで係合した後、係止突部837と係止爪部829とを係合させることにより、簡単に基板カバー835で中継基板830を被覆することができる。逆に、取り外す場合には、係止爪部829を弾性変形させて係止突部837との係合を解除すると共に基板カバー835を斜め手前側に引いて係合突起836と係合溝部828との係合を解除することができる。なお、基板カバー835を被覆した状態では、ボタン挿通係合穴821に係合されている着脱ボタン822の頭部がボタン挿通穴833,834を挿通してボタン開口838から外部に僅かに臨んでいる。また、中継基板830に接続された配線は、接続開口部839から外部に引き出されるようになっている。
次に、ユニットサブ板825に形成されるギヤ領域840に設けられるギヤ843,844,847、及び検出円盤850について説明する。前述したように、払出モータ815のモータ軸818の先端は、ユニットサブ板825のアルミ放熱板841に穿設される軸挿通穴842を貫通してユニットサブ板825の表面(後面側)に突出しており、その突出した部分に第一ギヤ843(駆動ギヤ)が固着されている。第一ギヤ843の上方には、該第一ギヤ843と噛合する第二ギヤ844(回転伝達ギヤ)がギヤカバー866の裏面(前面側)に一端が圧入され且つアルミ放熱板841に穿設される軸穴846に他端が支持される軸845に回転自在に設けられ、その第二ギヤ844の上方には、該第二ギヤ844と噛合する第三ギヤ847(回転伝達ギヤ)がユニットサブ板825に形成される軸穴849に圧入された軸848に回転自在に設けられている。更に、第三ギヤ847の上方には、該第三ギヤ847と噛合するギヤ部852(従動ギヤ)を有する検出円盤850が前記スプロケット807を軸支する回転軸808に回転自在に設けられている。
なお、図55に示すように、モータ軸818の先端部がギヤカバー866に形成される受穴に遊嵌されている。また、回転軸808は、その一端がユニットベース体801に形成される軸受筒806に圧入されて支持され、その他端がギヤカバー866に形成される軸受穴に支持されるものであるが、ギヤ領域840の中央よりやや下方に形成された軸貫通穴864を貫通して振分空間805においてスプロケット807を回転自在に軸支し、ユニットサブ板825とギヤカバー866とによって形成される空間において検出円盤850を回転自在に軸支している。ただし、図55に示すように、スプロケット807の後端部が検出円盤850の中心前面部と係合した状態となっているので、スプロケット807と検出円盤850とは、回転軸808を中心として一体的に回転するようになっている。したがって、払出モータ815が回転駆動すると、その回転が第一ギヤ843、第二ギヤ844、第三ギヤ847、検出円盤850のギヤ部852を介してスプロケット807を回転するように伝達される。
この検出円盤850の外周は、ギヤ部852の円よりも一回り大きく形成されており、そのギヤ部852よりも外側に突出している外周部分には、スプロケット807の凹部と同じ数(図示の場合には、3個)の検出切欠851が形成されている。この検出切欠851は、ユニットサブ板825の表面に形成される基板取付部857に挟持支持されるセンサ基板854に設けられる投受光方式のセンサ855(回転位置検出手段)によって検出されるものである。そして、センサ855は、払出動作時において所定のインターバル時間内に検出切欠851の検出個数を検出することにより、スプロケット807が正常に回転しているか否かを監視するためのものである。仮に、センサ855により、異常回転が検出されたとき(多くは、スプロケット807による球噛み状態)には、スプロケット807を所定回数正逆回転させて異常状態(例えば、球噛み状態)を解消するものである。なお、実際に払いだされた球の個数は、前述した賞球通路810に設けられる払出球検出センサ812によって検出して計数のために使用している。なお、図55に示すように、センサ基板854の他端辺もギヤカバー866に形成される基板取付部に挟持されるようになっている。
上述したように、ギヤ領域840に設けられる複数のギヤのうち、第二ギヤ844だけがギヤカバー866側に圧入される回転軸845に回転自在に設けられているところ、ギヤ領域840を覆うギヤカバー866には、前記ユニットベース体801に突設されてユニットサブ板825の貫通穴858を貫通する取付ボス823の先端部に対応する位置に穿設される取付穴867が形成されている。そして、ギヤカバー866側に設けられる第二ギヤ844の歯とユニットサブ板825側に設けられる第一ギヤ843及び第三ギヤ847の歯とを噛み合わせながら、取付穴867と取付ボス823とを一致させた状態でギヤカバー866の後面からネジ868で螺着することにより、ユニットサブ板825を挟持する状態でベースユニット体451とギヤカバー866とが一体的に固定される。また、ギヤカバー866の一側側面には、前記中継基板830に接続される配線(例えば、中継基板830と後述する払出制御基板1186とを接続する配線等)を掛け留めて纏める配線処理片869が突設されている。
以上、賞球ユニット800の構成について説明してきたが、ユニットベース体801とユニットサブ板825と中継基板830と基板カバー835とギヤカバー866とを組み付けた状態においては、図55に示すように、払い出すべき球が導かれる屈曲通路803の下方位置に払出モータ815の円筒状の本体部分が収納されるように位置する。また、ユニットベース体801には、球通路(屈曲通路803、賞球通路810、球抜通路811)内に配置されたスプロケット807と、球通路を避けた位置であって球通路の奥行き幅寸法内に形成されるモータ収納空間814に収納された払出モータ815と、を設け、ユニットサブ板825には、その非閉塞面側に沿って払出モータ815のモータ軸818の回転をスプロケット807の回転軸808に伝達する回転伝達部材(第一ギヤ843、第二,3ギヤ844,847、及び検出円盤850のギヤ部852)を設け、しかも、払出モータ815と屈曲通路803の振分空間805に配置される払出部材としてのスプロケット807とをユニットサブ板825の後面のギヤ領域840に設けられる複数のギヤ843,844,847,850(852)によって回転駆動するように連結した構造となっている。即ち、ユニットベース体801とユニットサブ板825との間に形成される球通路(屈曲通路803、賞球通路810、球抜通路811)の奥行き幅内にスプロケット807と払出モータ815とを収納し、しかも、スプロケット807と払出モータ815とを連結する回転伝達部材(第一ギヤ843、第二,3ギヤ844,847、及び検出円盤850のギヤ部852)をユニットサブ板825の非閉塞面側の所定幅内に沿って設けたので、球通路の外側に払出モータやスプロケットの一部を配置したものに比べて、賞球ユニット800を薄型化することができる。
また、このような賞球ユニット800は、当該賞球ユニット800内の球通路(屈曲通路803、賞球通路810、球抜通路811)が一条の通路形状で形成されることにより、より一層の薄型化が図られている。即ち、従来のように、払出モータ815を賞球ユニットの前面側又は後面側又は側方側に突出させるものと異なり、本体枠3の軸支側後面壁546の後面側に取付けたときに、賞球ユニット800のいずれの部分もさらに後方に向かって突出することがない構造とすることができる。なお、図55において、払出モータ815の前端部分がユニットベース体801の後面よりも僅かに突出して構成されているが、この突出部分は、図25に示すように、軸支側後面壁546の下方の払出モータ用逃げ開口部572から本体枠3の前方部分に臨むようになっているため、結果的にその突出寸法から軸支側後面壁546の板厚寸法を差し引いた寸法だけ突出する程度となり、軸支側後面壁546よりも前方に向かう突出量は僅かなものとなっている。また、このような構成をとることにより、本実施形態では、賞球ユニット800が取付けられる本体枠3の軸支側後面壁546と遊技盤4の裏面との間に、遊技盤4に設けられる遊技装置の後方突出部分を収納する収納空間を奥行き幅方向で大きくとることができる。
更に、上記のように構成される賞球ユニット800を本体枠3の軸支側後面壁546に取付けるためには、図47に示すように、鉤状係合部824と係合突片565とを対応させて位置合わせした後、賞球ユニット800の下端を係止溝573に掛け止め且つ鉤状係合部824と係合突片565とを係合させるために賞球ユニット800を軸支側後面壁546に密着させたまま下方に押下げる。このとき、賞球ユニット800の下端部と係止溝573とが係合し且つ鉤状係合部824と係合突片565とが係合しているので、取付自体は完了しているが、賞球ユニット800を上方に移動させることにより簡単に上記のそれぞれの係合状態が解除されてしまうため、これを防止するために、ロック用弾性爪564がボタン挿通係合穴821に係合するようになっている。
つまり、ロック用弾性爪564とボタン挿通係合穴821とが係合することにより、取付状態で賞球ユニット800の上方への移動を防止している。このように、賞球ユニット800を取付けた後に、球通路ユニット770の連結蓋部材786を前述したように回動して係止弾性爪820で係止することにより、球通路ユニット770の球落下通路772下流端と賞球ユニット800の屈曲通路803の上流端とを一対の通路壁790によって構成される通路を介して連通化することができる。また、賞球ユニット800を取付けた状態では、賞球通路810の下流端と後に詳述する満タンユニット900の賞球入口927とが接続され、球抜通路811の下流端が球抜接続通路880の上流端と接続される。
一方、賞球ユニット800を取り外すときは、係止弾性爪820による係合を解除して連結蓋部材786を手前側に回動し、その後、着脱ボタン822を押圧してロック用弾性爪564を前面側に移動させてロック用弾性爪564とボタン挿通係合穴821との係合を解除させ、その後着脱ボタン822を押圧したままの状態で賞球ユニット800を上方に引き上げて賞球ユニット800の下端部と係止溝573との係合及び鉤状係合部824と係合突片565との係合を解除して賞球ユニット800を手前側に引き出すことにより、賞球ユニット800を簡単に取り外すことができる。
<満タンユニット>
上記した賞球ユニット800の下流側に配置される満タンユニット900について、主として図56乃至図62を参照して説明する。図56は、賞球ユニット800と満タンユニット900との関係を示す斜視図であり、図57は、満タンユニット900の斜視図であり、図58は、満タンユニット900の正面から見た分解斜視図であり、図59は、満タンユニット900の背面から見た分解斜視図であり、図60は、満タンユニット900とファール口610との関係を示す一部破断斜視図であり、図61は、満タンユニット900に設けられる底面揺動板907部分で切断した横断面図であり、図62は、満タンユニット900とファール口610との関係を示す断面図である。
満タンユニット900は、前述したように本体枠3の満タンユニット載置部531に載置固定されるものであり、図58に示すように、上面が開放したボックス状に形成されるボックス主体901と、該ボックス主体901の上面を覆う蓋体926とから構成されている。ボックス主体901は、賞球通路810の下流端から流入した球が内部をジグザグ状に誘導されて出口921から排出されるようになっている。このため、その上流部に蓋体926に形成される賞球入口927から流入した球を一端から他端に向かって側方に誘導する側方誘導通路902が形成されている。側方誘導通路902の賞球入口927の直下の一端部には、球を側方に向かって誘導するように凹円弧状に形成される側方誘導受部903が設けられ、側方誘導通路902の他端内面に側方誘導通路902を流れてきた球の衝撃を受け止めて該球を下流側に誘導する緩衝部材904が設けられている。
また、側方誘導通路902の他端内面に設けられる緩衝部材904に衝突した球は、向きを下流側に変えた後、側方誘導通路902の球の流れと逆方向に流れるように誘導される逆側方誘導通路905が形成されている。逆側方誘導通路905を流れた球は、その後、前方に向かって形成される前方誘導通路920に導かれて該前方誘導通路920の流下端に形成される出口921から前述した皿ユニット300の賞球連絡樋451に導かれる。
ところで、前記逆側方誘導通路905の上流側の底面には、その底面の全域に亘って開口する底面開口906が形成され、その底面開口906を底面揺動板907が揺動自在に閉塞している。底面開口906は、上面が開放されたほぼ正方形の凹状に形成され、その内部の正面から見て前後方向の側壁に一対の軸支突起911が突設されている。また、底面開口906の凹状の底面にバネ913の下端を位置決めするための円形状のバネ載置凹部912が形成されている。一方、底面開口906を閉塞する底面揺動板907は、ほぼ正方形状に形成され、その裏面下流側に正面から見て前記軸支突起911に嵌合することにより軸支される半円形状の軸受部908が突設形成されている。
また、底面揺動板907の裏面中央には、図61に示すように、バネ913の上端が係止されるバネ係止突起910が下方に向かって突設されている。したがって、底面揺動板907は、バネ913の付勢力によりその上流側が常に上方へ揺動された方向に付勢されている。そして、バネ913は、通常の賞球の払出個数(例えば、15個)が一度に底面揺動板907上に載置したときでも底面揺動板907が下方に揺動せず、賞球の払出個数以上の所定個数の球が底面揺動板907上に載置したときに下方に揺動するようなバネ係数を有するバネ部材によって形成されている。更に、底面揺動板907の上流側に検出突片909が前方に向かって突出されている。この検出突片909は、底面揺動板907の軸受部908を軸支突起911に嵌合軸支したときに、連通孔929を貫通して次に説明するスイッチ収納空間914に位置するようになっている。
また、逆側方誘導通路905の上流端部の側壁の外側には、満タンスイッチ916を収納するためのスイッチ収納空間914が一体的に形成されている。スイッチ収納空間914に満タンスイッチ916を取付けるために、スイッチ収納空間914の上部であって逆側方誘導通路905の上流端部の側壁の外側面にスイッチ取付部918が形成され、そのスイッチ取付部918に満タンスイッチ916を保持するスイッチホルダ915の取付片917がネジ919によって止着されている。満タンスイッチ916は、投光器と受光器とからなるスイッチとして構成され、その受光器と投光器との間を検出突片909が上下に揺動することによりON・OFFを検出するものである。
更に、逆側方誘導通路905の下流側の一側方にファール球通路922が形成されている。ファール球通路922は、その上流側のファール球入口923が図60に示すように、前述したファール口610に連通し、その下流側が前方誘導通路920の上流側に連通するように屈曲して形成されている。このため、ファール口610に取り入れられたファール球は、ファール球入口923から屈曲したファール球通路922を通って前方誘導通路920に導かれ、さらに出口921及び賞球連絡樋451を通って皿ユニット300に戻される。
また、ボックス主体901には、前記出口921の両側方と前記ファール球入口923の一側方に前記満タンユニット載置部531に形成されるユニット係合溝532に係合される係合片924が突設されると共に、蓋体926に形成される掛止片928と係合する掛止突起925が形成されている。この掛止突起925は、ボックス主体901の左右後方の側壁上部に適宜形成されている。
一方、蓋体926は、ボックス主体901の側方誘導通路902、逆側方誘導通路905、前方誘導通路920、及びファール球通路922の上面を覆うような板形状に形成され、前記側方誘導通路902に上流端に対応する位置に正方形状の賞球入口927が開口されている。また、蓋体926の周囲には、ボックス主体901の前記掛止突起925と係合するための掛止片928が下方に向かって突設されている。
上記のように構成される満タンユニット900においては、図56に示すように、賞球ユニット800の賞球通路810から払出された球が賞球入口927から側方誘導通路902の上流側に入って側方誘導受部903によって側方に向かって誘導されて緩衝部材904に衝突する。緩衝部材904に衝突した球は、そのまま下流側に向かって逆側方誘導通路905を前記側方誘導通路902の誘導方向と逆方向に誘導されて前方誘導通路920に導かれ、前方誘導通路920の出口921から賞球連絡樋451を通って皿ユニット300に導かれる。また、ファール球入口923から入ったファール球も屈曲したファール球通路922によって球の勢いを弱められて前方誘導通路920に合流し、前方誘導通路920の出口921から賞球連絡樋451を通って皿ユニット300に導かれる。
そして、通常時、満タンユニット900内を球が自然に流れているときには、側方誘導通路902から逆側方誘導通路905に球が移動する際に、底面揺動板907に落下するが、通常の賞球の払出個数程度では、バネ913の弾発力が強いので、底面揺動板907が揺動することがなく、図61の実線で示すように、検出突片909が投受光方式の満タンスイッチ916の投光器と受光器との間に入ってスイッチが導通しない状態(OFF)となっている。これに対し、皿ユニット300に賞球が貯留されて満タンユニット900内にも球が充満してきたときには、前方誘導通路920及び逆側方誘導通路905の上流側の全域に形成される底面揺動板907上に貯留された球の圧力により底面揺動板907がバネ913の付勢力に抗して下方に揺動し、図61の二点鎖線で示すように、検出突片909が投受光方式の満タンスイッチ916の投光器と受光器との間から外れてスイッチが導通した状態(ON)となる。満タンスイッチ916がONすると、賞球ユニット800の払出モータ815の回転駆動が停止(所定個数の賞球を払出している最中にON信号が導出された場合には、その所定個数の賞球が払出されてから停止)するようになっている。
上記したように、満タンユニット900においては、球が流下する通路(図示の場合には、逆側方誘導通路905)の通路底面の幅とほぼ同じ幅の底面揺動板907によって満タンスイッチ916を作動させるようにすると共に、通常時の球の流れによって揺動せずある程度の球が載置したときに底面揺動板907揺動するように付勢部材(バネ913)で付勢したので、従来のように一部の通路の底面等に球が載置したことにより球詰まりを検出するものに比べて、その一部の通路部分における球の載置が球詰まりによって検出されない事態を確実に防止することができる。このことは、球の満タンを確実に検出することができるものである。
また、本実施形態に係る満タンユニット900においては、本体枠3の満タンユニット載置部531に着脱自在に取付けるものであるため、従来のように、満タン装置を本体枠に形成された払出通路の内部に組み付けるものに比べて、本体枠に満タン構造のための通路を形成する必要がない。また、満タンユニット900の内部をジグザグ状の通路とすることにより、賞球ユニット800の賞球通路810から払出された球の勢いを弱めながら皿ユニット300に誘導することができるので、払い出された賞球が皿ユニット300から外に飛び出すこともない。更に、本実施形態に係る満タンユニット900は、ファール球を導くファール球通路922が賞球を払い出す前方誘導通路920の途中に球の勢いを弱めて合流するようになっているので、賞球の流れを阻害することなくファール球を合流させることができる。
<錠装置>
次に、本体枠3の開放側の裏側端辺に沿って垂直方向に取付けられる錠装置1000について主として図63乃至図71を参照して説明する。図63は、錠装置1000と本体枠3との関係を示す背面斜視図であり、図64は、錠装置1000の本体枠3への掛け止め構造を示す拡大側方断面図であり、図65は、パチンコ機1の縦方向中央よりやや下方の位置で水平方向に切断した一部断面図であり、図66は、錠装置1000と本体枠3の側壁540,541との詳細な関係を示す拡大断面図であり、図67は、錠装置1000の側面図(A)、前面側から見た斜視図(B)であり、図68は、錠装置1000の背面側から見た斜視図(A)、錠装置1000のコ字状基体1001の内部に摺動自在に設けられる扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050の斜視図(B),(C)であり、図69は、錠装置1000の分解斜視図であり、図70は、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050の作用を説明するための正面図であり、図71は、不正防止部材1023,1032の作用を説明するための正面図である。
錠装置1000は、本体枠3の開放側の第一側面壁540に沿って本体枠3のほぼ上端から下端にかけて取付けられるものであり、図63に示すように、本体枠3の外周側辺と第一側面壁540の立ち上がり部との間の上下端近い部分及び中程に形成される複数(図示の場合、3個)の錠係止穴548と、第一側面壁540の垂直面の上部と中程に切り欠けられて形成される錠取付穴547とシリンダ錠貫通穴526の上部近傍に形成される錠取付穴547と、によって次に説明する錠装置1000のコ字状基体1001が支持固定されるものである。そこで、以下、錠装置1000の構造について詳細に説明する。
図67乃至図69に示すように、錠装置1000は、断面コ字状に形成される錠基体としてのコ字状基体1001と、該コ字状基体1001内に摺動自在に設けられる扉枠用摺動杆1040と、前記コ字状基体1001内に摺動自在に設けられる本体枠用摺動杆1050と、該本体枠用摺動杆1050の摺動を不正に行うことができないようにコ字状基体1001の下部に取付けられる不正防止部材1023,1032と、からなる。
コ字状基体1001は、金属を断面コ字状となるように折り曲げ、その内部に扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを摺動可能に設けるものであるが、その横幅寸法は従来の断面L字状に成形された基体に集約される錠装置に比べて極めて薄いものとなっている。これは、前述したように遊技盤4の左右方向及び上下方向の大きさを極めて大きくすると共に、本体枠3の側面壁540〜543で囲まれる空間を大きくしたため、側面壁540と本体枠3の外周辺との間の寸法が極めて小さくなっていることにより、本実施形態に係る錠装置1000の横幅寸法を小さく形成して錠装置1000を本体枠3の裏側に取付けることができるような取付構造として改良したためである。そして、コ字状基体1001の断面コ字状の開放側が本体枠3の裏面に対面するように取付けられるため、錠装置1000が本体枠3に取付けられた状態では、内部に設けられる扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが、それぞれのフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体1001に完全に被覆された状態の不正防止構造となっている。
まず、コ字状基体1001の開放側と反対の閉塞側上下に本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065が貫通される長方形状のフック貫通開口1002が開設されると共に、閉塞側であって第一側面壁540と密着する側面1001b(図69参照)上部と中程に水平方向にビス止め部1003が突設され、更に、開放側の第一側面壁540と密着しない側面1001a(図69参照)の上端部及び中間部と、開放側の両側面1001a,1001bの下端部に係止突起1004が突設形成されている。
このビス止め部1003と係止突起1004は、錠装置1000を本体枠3の裏面に取付けるためのものであり、係止突起1004を本体枠3の錠係止穴548に差し込んで上方に移動させ(図64参照)、その状態でビス止め部1003と錠取付穴547とが一致するため、その一致した穴に図示しないビスを螺着することにより、錠装置1000を本体枠3に強固に固定することができる。なお、錠装置1000のビスによる取付けは、上部と中程のビス止め部1003だけではなく、後述する錠取付片1008に形成されるビス止め部1003と前記シリンダ錠貫通穴526の上方近傍に形成される錠取付穴547とを対応させて図示しないビスで止着することにより、錠装置1000の下方も取付けられるようになっている。
また、その取付けに際し、コ字状基体1001の開放側(前方部)の上中下の3箇所に形成される係止突起1004を錠係止穴548に差し込んで位置決め係止し、コ字状基体1001の閉塞側(後方部)の上中の2箇所に形成されたビス止め部1003及びコ字状基体1001の開放側(前方部)に形成されたビス止め部1003を錠取付穴547にビスで固定する構造であるため、錠装置1000の前方部を係止突起1004と錠係止穴548で係止し、錠装置1000の後方部をビス止め部1003と錠取付穴547で固定し且つ錠装置1000の下方部をビス止め部1003と錠取付穴547で固定するので、極めて簡単な構造で錠装置1000を本体枠3に強固に固定することができるものである。
換言すると、錠装置1000を極めて横幅寸法の薄いコ字状基体1001に集約して構成した場合でも、錠装置1000の前方部と後方部との係止及び固定により、錠装置1000を本体枠3に強固に固定することができるものである。特に、本実施形態の場合には、前方部の係止構造(固定構造でもよい)を構成する係止突起1004がコ字状基体1001の第一側面壁540と密着しない側面1001aに突設形成される一方、後方部の固定構造を構成するビス止め部1003及びビス止め部1003がコ字状基体1001の第一側面壁540と密着する側面1001bから水平方向に突設形成される構造であるため、前方部の係止構造が第一側面壁540と密着する側面1001bに形成される場合に比べて、ガタ付きが生じないように錠装置1000を本体枠3に固定することができるものである。
また、コ字状基体1001の両側面1001a,1001bの上部、中程、下部に挿通穴1005が形成され、コ字状基体1001に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を収納した状態で挿通穴1005にリベット1006を差込んでかしめることにより、コ字状基体1001の内部に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を摺動自在に取付けることができる。即ち、扉枠用摺動杆1040の上中下の3箇所に形成されるリベット用長穴1042と本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051及び下フック部材1052にそれぞれ1つずつ形成されるリベット用長穴1055,1061にリベット1006を貫通させることにより、扉枠用摺動杆1040が上方に移動できるようにし、本体枠用摺動杆1050が下方に移動できるようになっている。したがって、図68(B)に示すように本体枠用摺動杆1050のリベット用長穴1055,1061の下端部にリベット1006が貫通しており、図68(C)に示すように扉枠用摺動杆1040のリベット用長穴1042の上端部にリベット1006が貫通している。
更に、コ字状基体1001の下方部には、その閉塞側面に不正防止切欠部1007が形成されると共に、その開放側の本体枠3の第一側面壁540と密着する側面1001bの前端部にシリンダ錠1010を取付けるための錠取付片1008が側方に向かって突設され、更に、第一側面壁540と密着する側面1001bに挿入縦開口1020、バネ係止片1021、及び逃げ横穴1022がそれぞれ形成されている。不正防止切欠部1007は、後に説明する第一不正防止部材1023のストッパー片部1027が進退するようになっている。この点については、後に詳述する。また、錠取付片1008は、錠装置1000を本体枠3の裏面に取付けた状態で、遊技盤設置凹部510の下端辺よりも下方の位置となるようにコ字状基体1001の側面1001bの前端部から側方に向かって突設されるが、この錠取付片1008には、シリンダ錠1010が貫通する錠挿通穴1009が形成されると共にシリンダ錠1010の錠取付基板1011に形成される取付穴1013をビス1012で取付けるための取付穴1014が上下2箇所に穿設され、更に、錠装置1000の下部を本体枠3の裏面に取付けるためのビス止め部1003が穿設されている。
また、挿入縦開口1020は、シリンダ錠1010に固定される係合カム1016の第一係合突片1017及び第二係合突片1018がシリンダ錠1010の回動時に侵入するための開口であり、バネ係止片1021は、不正防止部材1023,1032に設けられるバネ1035が係止されるものであり、逃げ横穴1022は、連結ピン1034の移動の邪魔をしないように逃げ穴を構成するものである。この点については後に詳述する。
上記した錠取付片1008に取付けられるシリンダ錠1010について説明すると、シリンダ錠1010は、錠取付基板1011の前方に円筒状のシリンダ錠本体が固定され、そのシリンダ錠本体の錠軸1015が錠取付基板1011より後面に出ており、その錠軸1015の後端に係合カム1016がビス1019によって固定されている。係合カム1016は、ブーメラン形状に形成され、その一端辺が回動時に本体枠用摺動杆1050の下降係合穴1062に係合する第一係合突片1017となっており、その他端辺が回動時に扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045に係合する第二係合突片1018となっている。そして、上記のように構成されるシリンダ錠1010は、円筒状のシリンダ錠本体部分を錠挿通穴1009に挿通して錠取付基板1011の上下2箇所に形成される取付穴1013と錠取付片1008の取付穴1014とを一致させてビス1012で螺着することにより、シリンダ錠1010をコ字状基体1001に固定することができる。
次に、コ字状基体1001に取付けられる不正防止部材1023,1032,について図69を参照して説明する。不正防止部材1023,1032は、シリンダ錠1010を正式な鍵で回動せずに、例えばピアノ線や針金等で不正に本体枠用摺動杆1050を下降させることを防止するためのものである。しかして、不正防止部材1023,1032は、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とを連結ピン1034で連結した構造となっている。第一不正防止部材1023は、上端の揺動軸穴1025を中心にして揺動自在に構成される縦長の板状に形成され、その揺動軸穴1025を前述したコ字状基体1001の内部に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を摺動自在に取付けるための挿通穴1005及びリベット1006のうち、最下方の挿通穴1005及びリベット1006によって取付けられる。
また、第一不正防止部材1023には、その板状面に前記挿入縦開口1020と重複する縦長な突片挿入穴1026が開設され、この突片挿入穴1026に第二係合突片1018が挿入し得るようになっている。つまり、突片挿入穴1026と挿入縦開口1020を第二係合突片1018が貫通することにより、コ字状基体1001の内部に設けられる扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045と第二係合突片1018とが係合するようになっている。また、第一不正防止部材1023の突片挿入穴1026の開設位置の斜め上方の外形線が傾斜部1024となっている。この傾斜部1024は、係合カム1016の回動時に第一係合突片1017の後面側と当接するもので、係合カム1016の回動時に第一係合突片1017と傾斜部1024とが当接することにより第一不正防止部材1023が揺動軸穴1025を中心として揺動(図71(B)において時計回転方向)するようになっている。
更に、第一不正防止部材1023には、前記突片挿入穴1026の斜め下方の外形線上にストッパー片部1027が突設され、そのストッパー片部1027の下方に規制突片1031が突設され、該規制突片1031の前方部にピン穴1029と連結穴1030とが上下に形成されている。ストッパー片部1027は、本体枠用摺動杆1050の施錠時に前記不正防止切欠部1007及び本体枠用摺動杆1050の係合切欠部1066に侵入係合して本体枠用摺動杆1050が不正に摺動しないようにするものである。また、規制突片1031は、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とはバネ1035によって連結されるが、そのバネ1035で連結されたときに第二不正防止部材1032の付勢方向への移動を規制するものである。ピン穴1029は、ガイドピン1028が固定されるものであり、ガイドピン1028が第一不正防止部材1023の裏面側からピン穴1029に固定された状態で、そのガイドピン1028を前記挿入縦開口1020の最下端部に形成される横長状開口部に係合させることにより、第一不正防止部材1023をコ字状基体1001の側面1001bに沿って案内するものである。更に、連結穴1030は、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とを連結ピン1034で連結するためのものである。
上記した第一不正防止部材1023に連結される第二不正防止部材1032は、逆「て」字状の板材で形成され、その上部一端に連結穴1033が形成され、その上部他端にバネ係止穴1036が穿設され、下方端部に当接部1037が設けられている。連結穴1033は、第一不正防止部材1023の連結穴1030と一致させて連結ピン1034で連結するためのものであり、バネ係止穴1036は、一端がコ字状基体1001のバネ係止片1021に係止されるバネ1035の他端を係止するものである。また、当接部1037は、本体枠3の閉鎖時に外枠2の内側下部に固定される閉鎖用突起41と当接するものである。なお、上記した第一不正防止部材1023及び第二不正防止部材1032の作用については、後に詳述する。
次に、コ字状基体1001の内部に摺動自在に設けられる扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050について説明する。まず、扉枠用摺動杆1040は、縦長の金属製の板状部材から構成され、その一側縦辺の上中下の3箇所に扉枠用フック部1041が前方に向かって一体的に突設されている。この扉枠用フック部1041は、コ字状基体1001内に収納したときに、その開放側から前方に突出しているもので、錠装置1000を本体枠3の裏面に固定したときに、本体枠3に形成される扉用フック穴549(図21及び図22参照)から前方に突出し、扉枠5の裏面に形成されるフックカバー227(図15参照)に係止するものである。なお、扉枠用フック部1041は、下向きの係合爪形状となっているため、扉枠用摺動杆1040を上昇させることにより扉枠用フック部1041とフックカバー227との係止状態を解除することができる。
また、扉枠用摺動杆1040の上中下の側面中央に、前記リベット1006が挿通される縦長のリベット用長穴1042が形成され、該リベット用長穴1042のうちの最上部のリベット用長穴1042の下方及び扉枠用摺動杆1040の最下端にガイド突起1043が突設されている。リベット用長穴1042は、コ字状基体1001の挿通穴1005に挿通されるリベット1006が貫通されるものであり、しかも、このリベット1006が扉枠用摺動杆1040の上昇動作を邪魔しないように縦長に形成されている。そして、通常状態においては、リベット用長穴1042の上端部にリベット1006が貫通当接した状態となっている。また、ガイド突起1043は、本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051及び下フック部材1052に形成される突片移動穴1056,1064に挿通されるものであり、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の摺動動作を案内するようになっている。
また、扉枠用摺動杆1040の上端部にスプリングフック部1046が形成され、このスプリングフック部1046にスプリング1048の一端が係止され、そのスプリング1048の他端が本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051に形成されるスプリングフック部1057に係止される。これにより、扉枠用摺動杆1040が下方向に、本体枠用摺動杆1050が上方向に、それぞれ相互に付勢されている。扉枠用摺動杆1040の中程には、当接弾性片1047が凸状に形成されている。この当接弾性片1047は、扉枠用摺動杆1040の一側側面からプレスで打ち出して凸状に形成したものであり、コ字状基体1001の内側面に当接して内部で扉枠用摺動杆1040がガタつかないようにするものである。
更に、扉枠用摺動杆1040の下方部分の側面には、共に縦長な遊び穴1044と上昇係合穴1045とが形成されている。遊び穴1044は、係合カム1016の第一係合突片1017が差し込まれて回動するときに、その回動動作の邪魔にならないように第一係合突片1017の先端部が移動しえる空間を構成するものである。また、上昇係合穴1045は、係合カム1016の第二係合突片1018が差し込まれて回動するときに、その回動動作によって扉枠用摺動杆1040が上昇するように係合するためのものである。なお、扉枠用摺動杆1040の縦辺下部後方には、前記不正防止切欠部1007よりも上下方向に大きな切欠である逃げ切欠部1049が形成されている。この逃げ切欠部1049は、第一不正防止部材1023のストッパー片部1027を確実に不正防止切欠部1007及び係合切欠部1066に係合させるために邪魔しないように形成されるものである。
一方、本体枠用摺動杆1050は、金属板製の上フック部材1051と、金属板製の下フック部材1052と、上フック部材1051と下フック部材1052とを連結する連結線杆1052と、から構成されている。つまり、本体枠用摺動杆1050は、従来のように1つの金属製の縦長板で構成されているわけではなく、フック部1054,1065を有する上フック部材1051と下フック部材1052とを金属製の板材をプレスで形成し、その金属製の上フック部材1051と下フック部材1052とを細い金属製の連結線杆1053で連結したものである。このため、狭いコ字状基体1001の空間に扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを効率よく収納することができる。
ところで、上フック部材1051には、その上端部に後方に向かってフック部1054が突設され、その板面部にリベット用長穴1055と突片移動穴1056とが形成され、また、その前方の縦辺下端部にスプリングフック部1057と連結穴1058とが形成され、さらに、その上辺及び下辺に当接部1059が形成されている。フック部1054は、コ字状基体1001の上方のフック貫通開口1002を貫通して外枠2の開放側内側の上部に設けられる閉鎖用突起38に係合するもので上向きに係止爪部が形成されている。
このリベット用長穴1055は、扉枠用摺動杆1040の上部に形成されるリベット用長穴1042に対応するものであり、このリベット用長穴1055にリベット1006が貫通された通常の状態では、リベット1006がリベット用長穴1055の最下端部を貫通した状態となっている。これにより、上フック部材1051が下方に向かって移動することができるようになっている。突片移動穴1056は、前述したように扉枠用摺動杆1040の上方のガイド突片1043が挿入されて、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の移動を案内するようになっている。スプリングフック部1057は、前述したようにスプリング1048の他端が係止されるものである。また、連結穴1058は、連結線杆1053の上端が折り曲げられて挿入されるものである。更に、当接部1059は、コ字状基体1001に収納されたときに、該コ字状基体1001の内部側壁に当接して上フック部材1051の摺動動作においてガタつきがなくスムーズに行われるようにするためのものである。
一方、下フック部材1052には、その下端部に後方に向かってフック部1065が突設され、その板面部の上方から下方にかけてリベット用長穴1061と下降係合穴1062と遊び穴1063と突片移動穴1064とが順次形成され、また、その前方の縦辺上端部に連結穴1060が、その後方の縦辺下部に係合切欠部1066がそれぞれ形成され、さらに、その上辺及び下辺に当接部1067が形成されている。フック部1065は、コ字状基体1001の下方のフック貫通開口1002を貫通して外枠2の開放側内側の下部に設けられる閉鎖用突起41に係合するもので上向きに係止爪部が形成されている。リベット用長穴1061は、扉枠用摺動杆1040の下部に形成されるリベット用長穴1042に対応するものであり、このリベット用長穴1061にリベット1006が貫通された通常の状態では、リベット1006がリベット用長穴1061の最下端部を貫通した状態となっている。
これにより、下フック部材1052が下方に向かって移動することができるようになっている。下降係合穴1062は、係合カム1016の第一係合突片1017が差し込まれて回動するときに、その回動動作によって本体枠用摺動杆1050が下降するように係合するためのものである。また、遊び穴1063は、係合カム1016の第二係合突片1018が差し込まれて回動するときに、その回動動作の邪魔にならないように第二係合突片1018の先端部が移動し得る空間を構成するものである。突片移動穴1064は、前述したように扉枠用摺動杆1040の下方のガイド突片1043が挿入されて、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の移動を案内するようになっている。また、連結穴1060は、連結線杆1053の下端が折り曲げられて挿入されるものである。更に当接部1067は、コ字状基体1001に収納されたときに、該コ字状基体1001の内部側壁に当接して下フック部材1052の摺動動作においてガタつきがなくスムーズに行われるようにするためのものである。
以上、錠装置1000を構成する各部材について説明してきたが、この錠装置1000を組み付けるには、本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051と下フック部材1052とを連結線杆1053で連結し、その状態で扉枠用摺動杆1040のガイド突片1043を上フック部材1051と下フック部材1052の突片移動穴1056,1064に挿入すると共に、相互のリベット長穴1042とリベット用長穴1055,1061を位置合わせして重ね合わせ、その重ね合わせた状態で上フック部材1051のフック部1054と下フック部材1052のフック部1065とをコ字状基体1001のフック貫通開口1002に貫通させながら扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050をコ字状基体1001のコ字状の空間に挿入する。その後、挿通穴1005からリベット1006を差し込む。
この際、リベット1006がリベット用長穴1055,1061、1042を貫通するように差し込む。ただし、最下端のリベット1006を差し込むときには、第一不正防止部材1023の揺動軸穴1025にもリベット1006を差し込んで第一不正防止部材1023をコ字状基体1001に同時に取付ける必要がある。なお、第一不正防止部材1023をコ字状基体1001に取付ける前に、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とを連結ピン1034で連結し且つガイドピン1028をピン穴1029に図示しないビスで止着しておき、さらにガイドピン1028を挿入縦開口1020の最下端の開口部に挿入しておく必要がある。
更に、リベット1006で扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050をコ字状基体1001内に収納固定した状態で、スプリング1048をスプリングフック部1046,1057相互間に掛け渡し、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを相互に反対方向に付勢し、さらに、バネ1035をバネ係止片(穴)1021,1036に掛け渡して第二不正防止部材1032が規制突片1031に当接した状態とする。その後、錠取付片1008の錠挿通穴1009にシリンダ錠1010の円筒状本体部分を挿入してシリンダ錠1010をビス1012で取付穴1014に固定する。なお、このとき係合カム1016の第一係合突片1017の先端部が傾斜部1024の外側で且つ挿入縦開口1020に僅かに挿入し、係合カム1016の第二係合突片1018の先端部が第一不正防止部材1023の突片挿入穴1026及び挿入縦開口1020に僅かに挿入した状態となるようにシリンダ錠1010を錠取付片1008に取付ける。
上記のようにして組み付けた錠装置1000を本体枠3の裏面に取付けるためには、前述したように、扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041を本体枠3に形成される扉用フック穴549に差し込みながら、鉤型に突出する係止突起1004を本体枠3の錠係止穴548に差し込んで上方に移動させ、その状態で水平方向に突出したビス止め部1003及びビス止め部1003を錠取付穴547に一致させ、その一致した穴に図示しないビスを螺着することにより、図63に示すように、錠装置1000を本体枠3の裏面に強固に固定することができる。特に、本実施形態の場合には、前方部の係止構造を構成する係止突起1004がコ字状基体1001の第一側面壁540と密着しない側面1001aに突設形成される一方、後方部の固定構造を構成するビス止め部1003及びビス止め部1003がコ字状基体1001の第一側面壁540と密着する側面1001bから水平方向に突設形成される構造であるため、前方部の係止構造が第一側面壁540と密着する側面1001bに形成される場合に比べて、ガタ付きが生じないように錠装置1000を本体枠3に固定することができるものである。
ところで、本体枠3の裏面に取付けられた錠装置1000の作用について図70及び図71を参照して説明する。まず、図70を参照して本体枠3の開閉動作と扉枠5の開閉動作について説明する。本体枠3が外枠2に対して閉じ且つ扉枠5が本体枠3に対して閉じている状態においては、図70(A)に示すように、外枠2の閉鎖用突起38,41と本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065とが係止し且つ扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041と扉枠5のフックカバー227とが係止した状態となっている。その状態でシリンダ錠1010に図面示しない鍵を差し込んで係合カム1016の第一係合突片1017が挿入縦開口1020内に侵入する方向に回動すると、図70(B)に示すように、第一係合突片1017の先端が本体枠用摺動杆1050の下降係合穴1062に係合してスプリング1048の付勢力に抗して下フック部材1052を下方に押下げ、これと連結されている連結線杆1053と上フック部材1051も押下げられて下降する。このため、外枠2の閉鎖用突起38,41と本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065とが係止状態が解除されるため、本体枠3を前面側に引くことにより本体枠3を外枠2に対して開放することができる。
なお、本体枠3を閉じる場合には、フック部1054,1065がスプリング1048の付勢力により上昇した状態(図70(A)に示す状態と同じ上昇した位置)となっているが、フック部1054,1065の上辺が外側に向かって下り傾斜しているため、強制的に本体枠3を外枠2に対して押圧することにより、フック部1054,1065の上辺傾斜部が閉鎖用突起38,41の下端部と当接するので、本体枠用摺動杆1050が下方に下降し、遂には、フック部1054,1065の上向き爪部と閉鎖用突起38,41とが再度係止した状態となって本体枠用摺動杆1050が上昇して係止状態に戻る。
一方、シリンダ錠1010に図示しない鍵を差し込んで係合カム1016の第二係合突片1018が挿入縦開口1020内に侵入する方向に回動すると、図70(C)に示すように、第二係合突片1018の先端が扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045に係合してスプリング1048の付勢力に抗して扉枠用摺動杆1040を上方に押し上げ上昇する。このため、扉枠5のフックカバー227と扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041とが係止状態が解除されるため、扉枠5を前面側に引くことにより扉枠5を本体枠3に対して開放することができる。
なお、扉枠5を閉じる場合には、扉枠用フック部1041がスプリング1048の付勢力により下降した状態(図70(A)に示す状態と同じ下降した位置)となっているが、扉枠用フック部1041の下辺が外側に向かって上り傾斜しているため、強制的に扉枠5を本体枠3に対して押圧することにより、扉枠用フック部1041の下辺傾斜部がフックカバー227の上端部と当接するので、扉枠用摺動杆1040が上方に上昇し、遂には、扉枠用フック部1041の下向き爪部とフックカバー227とが再度係止した状態となって扉枠用摺動杆1040が下降して係止状態に戻る。なお、本実施形態における扉枠用摺動杆1040は、コ字状基体1001の全長とほぼ同じ長さに形成されると共に、そのコ字状基体1001が本体枠3の縦方向の側面のほぼ全長に亘って取付けられ、しかも、扉枠5との係止部である扉枠用フック部1041が扉枠用摺動杆1040の上端部、中央部、下端部の3箇所に形成されているため、扉枠5と本体枠3の縦方向の全長における施錠が確実に行われ、扉枠5と本体枠3との間を無理やりこじ開けてその間からピアノ線等の不正具を挿入する不正行為を行うことができないという利点もある。
上記したように、本実施形態に係る錠装置1000は、シリンダ錠1010に差し込んだ鍵を一方向に回動することにより、外枠2に対する本体枠3の施錠を解除し、他方向に回動することにより、本体枠3に対する扉枠5の施錠を解除することができる。この場合、シリンダ錠1010に鍵を差し込むことなく本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065にピアノ線等を引っ掛けてこれを下降させる不正行為が行われることがあるが、本実施形態においては、このような不正行為を行うことができないようになっている。このような不正行為を防止する構造の第一番目が第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とから構成されるロック機構であり、第二番目の不正防止構造がコ字状基体1001の閉鎖空間に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050が収納される構造である。
まず、第一番目の不正防止構造であるロック機構の作用について図71を参照して説明する。まず、外枠2と本体枠3とが閉じている状態においては、図71(A)に示すように、外枠2の閉鎖用突起41と第二不正防止部材1032の当接部1037とが当接した状態となっている。この状態においては、バネ1035の付勢力により第一不正防止部材1023が反時計方向に回動してストッパー片部1027が不正防止切欠部1007内に侵入し、ストッパー片部1027が不正防止切欠部1007に対応する位置にある本体枠用摺動杆1050の下フック部材1052に形成される係合切欠部1066と係合した状態となっている。このため、本体枠用摺動杆1050にピアノ線等を引っ掛けて引き降ろそうとしても、ストッパー片部1027と係合切欠部1066とが係合しているので、本体枠用摺動杆1050を不正に下方に引き降ろすこと(解錠すること)が不能となり、本体枠3を開放するという不正行為を行うことができない。
一方、シリンダ錠1010に鍵を差し込んで正規に本体枠3を開錠する場合には、図71(B)に示すように、鍵を回動させることにより係合カム1016の第一係合突片1017が挿入縦開口1020内に侵入するように回動される。この第一係合突片1017の回動時に、第一不正防止部材1023の傾斜部1024と第一係合突片1017の側面とが当接するため、第一不正防止部材1023が揺動軸穴1025を中心として図示の時計回転方向に回転を始め、ストッパー片部1027も不正防止切欠部1007から退避するように移動する。このため、ストッパー片部1027と係合切欠部1066との係合が解除された状態となる。このとき、第二不正防止部材1032は、バネ1035を伸ばして当接部1037が後退した位置となっている。この状態でさらに係合カム1016を回動させて第一係合突片1017も回動させると、第一係合突片1017の先端が下フック部材1052の下降係合穴1062に係合して本体枠用摺動杆1050の全体を下降させるので、フック部1054,1065と外枠2の閉鎖用突起38,41との係止状態が解除されて本体枠3を外枠2に対して開放することができる。
なお、本体枠3を外枠2に対して閉じるときには、第二不正防止部材1032は、規制突片1031に当接した状態となっているため、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032との位置関係は、図71(A)に示す状態とほぼ同じ位置関係になっている。この状態で本体枠3を閉めると、外枠2の閉鎖用突起41と第二不正防止部材1032の当接部1037とが正面から当接し、最終的に図71(A)に示す状態となる。このため、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とが本体枠3を閉じるときに邪魔になることはない。また、本実施形態においては、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とが本体枠用摺動杆1050の下降動作だけが不正に行われないように防止しているのは、本体枠用摺動杆1050を不正に開放すれば、解放後に扉枠用摺動杆1040を手動で簡単に開けることができることと、ピアノ線等で摺動杆を上昇させる不正行為は事実上行い難いという理由により、本体枠用摺動杆1050に対する不正操作ができないように工夫されている。
また、上記した第一番目の不正防止構造であるロック機構であっても、第一不正防止部材1023をピアノ線等で揺動させることにより、ロック機構の機能を無力化することも不可能ではない。そこで、万一ロック機構のロック機能が不正な行為により無力化される場合を想定すると、本実施形態においては、錠装置1000が本体枠3に取付けられた状態では、内部に設けられる扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが、それぞれのフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体1001の閉鎖空間に収納されて完全に被覆された状態となっているので、ピアノ線等を差し込んでコ字状基体1001の閉鎖空間の内部に設けられる本体枠用摺動杆1050を引き下げようとしても、コ字状基体1001の両側面1001a,1001bによって不正具の閉鎖空間への侵入が阻止されるため、不正行為を簡単に行うことができない構造となっている。
以上、詳述したように、本実施形態に係る錠装置1000は、その横幅寸法が従来のL字状基体に集約される錠装置に比べて極めて薄いコ字状基体1001の内部に扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを摺動可能に設け且つ錠装置1000を操作するためのシリンダ錠1010のコ字状基体1001への取付位置を遊技盤の下端辺よりも下方となる位置としたので、遊技盤4の左右方向及び上下方向の大きさを極めて大きくすると共に、本体枠3の側面壁540〜543で囲まれる空間を大きくしても、錠装置1000を本体枠3の裏側に強固に取付けることができる。そして、断面コ字状の開放側が本体枠3の裏面に対面するように取付けられるため、錠装置1000が本体枠3に取付けられた状態では、内部に設けられる扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが、それぞれのフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体1001に完全に被覆された状態となっているので、ピアノ線等を差し込んで内部に設けられる本体枠用摺動杆1050を引き下げる等の不正行為を簡単に行うことができない。
また、錠装置1000の取付けに際し、コ字状基体1001の開放側(前方部)の上中下の3箇所に形成される係止突起1004を錠係止穴548に差し込んで位置決め係止し、コ字状基体1001の閉塞側(後方部)の上中下の3箇所に形成されたビス止め部1003及びビス止め部1003を錠取付穴547にビスで固定する構造であるため、錠装置1000の前方部を係止突起1004と錠係止穴548で係止し、錠装置1000の後方部をビス止め部1003及びビス止め部1003と錠取付穴547で固定するので、極めて簡単な構造で錠装置1000を本体枠3に強固に固定することができるものである。
なお、上記した実施形態においては、コ字状基体1001の下方部をビス止めする構造として錠取付片1008に形成されたビス止め部1003と本体枠3のシリンダ錠貫通穴526の上部近傍に形成した錠取付穴547とを螺着する構造としたが、これに代えて、シリンダ錠1010を錠取付片1008に取付けるビス1012を利用して、該ビス1012の先端が錠取付片1008を貫通して螺着される錠取付穴をシリンダ錠貫通穴526の上下に形成する構造でも良い。また、コ字状基体1001の下方部をビス止めしなくても、錠装置1000の後方部のビス止め部1003と錠取付穴547との固定だけでも、錠装置1000を本体枠3の裏面に強固に固定されることを確認している。
また、上記した実施形態においては、扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を左右の側面1001a,1001bを有するコ字状基体1001で完全に被覆するものとしたが、例えば、扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を第一側面壁540に密着しない反対側の側面1001aに摺動自在にリベット等で装着し、第一側面壁540に密着する側面1001bを省略したL字状基体(錠基体)とし、そのL字状基体
(錠基体)の側面1001aと第一側面壁540とによって形成される閉鎖空間に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を収納する構造としてもよい。この場合でも、実施形態と同じような取付構造及び不正防止構造とすることができる。
<基板ユニット>
次に、本体枠3の裏面下部に取付けられる基板ユニット1100について、主として図72及び図73を参照して説明する。図72は、基板ユニット1100を背面側から見た斜視図であり、図73は、基板ユニット1100を前面側から見た斜視図である。
基板ユニット1100は、本体枠3の裏面下部に複数形成されるホルダ用の取付穴部527(図22,図24参照)に取付けられるものであり、図示すように、合成樹脂成形された枠用基板ホルダ1101に、扉中継基板、電源基板ボックス1103、端子基板ボックス1104、払出制御基板ボックス1105、主ドロワ中継基板、及び副ドロワ中継基板の各種基板を取付けることにより構成されている。上記の基板のうち、扉中継基板、電源基板ボックス1103、端子基板ボックス1104、及び払出制御基板ボックス1105は、枠用基板ホルダ1101の後面側に前後方向に重複して取付けられ、主ドロワ中継基板及び副ドロワ中継基板は、枠用基板ホルダ1101の前面側に取付けられるものである。なお、払出制御基板ボックス1105の裏面には、電源基板等からの電磁波の影響を防止するためにシールド板が取付けられ、また、主ドロワ中継基板及び副ドロワ中継基板は、基板カバー1109に被覆されて取付けられている。
まず、枠用基板ホルダ1101は、横長状に合成樹脂で成形され、図示すように、その後面側一側部に配線用開口1124が形成され、図示は省略するが、配線用開口1124の内側に扉中継基板を取付けるための中継基板用凹部が形成されている。この枠用基板ホルダ1101の左右両辺及び下辺には、基板ユニット1100を本体枠3に取付けるための取付片1122が外側に向かって突設され、該取付片1122を本体枠3の前記取付穴部527(図22参照)に対応させて図示しないビスで止着することにより、基板ユニット1100が本体枠3の背面下部に取付けられる。なお、取付穴部527は、図24に示すように、取付片1122の外形形状に合致する外周壁を有して形成されている。更に、枠用基板ホルダ1101の他端側(図73の右側)側壁の外側に、配線を係止するための配線掛止片1123が突設形成されている。
また、枠用基板ホルダ1101の前面側のほぼ中央には、アウト球通路1119が逆さL字状に形成されている。このアウト球通路1119は、前述したアウト口606(図31参照)、球抜排出通路524(図22参照)の下流側、及び落下口629(図29参照)と対応するように上方が幅広く形成され、下流側が球を列状に排出するように幅狭く形成されている。したがって、基板ユニット1100を本体枠3に取付けたときには、図25に示すように、アウト球通路1119の幅広上流部がアウト口606の下面を支持する通路支持突起513の後方に位置するようになっている。そして、アウト球通路1119の下流端からアウト球や入賞球、あるいは球抜き球がパチンコ遊技機の外部(一般的に、島の回収樋)に向かって放出されるものである。
基板カバー1109には、主ドロワ中継基板に設けられる主ドロワ中継コネクタ1200及び払出制御基板用コネクタ1201と、副ドロワ中継基板に設けられる副ドロワ中継コネクタ1202及び扉枠用コネクタ1203とが基板カバー1109の外側に突出するための長方形状のコネクタ用開口が開設されている。
払出制御基板ボックス1105は、横長の長方形状の払出制御基板が固定されるボックス主体と、ボックス主体に取付けられて払出制御基板の表面を覆うカバー体と、から構成されている。ボックス主体とカバー体とは、その一側辺を係合させ、その他側辺に分離切断部1183でカシメ固定している。これによってボックス主体とカバー体とを分離するためには、分離切断部1183を切断しないと分離できないようになっている。ただし、分離切断部1183におけるカシメ固定は、複数箇所(図示の場合は、1〜4の数字で示す4箇所)のうち、いずれかをカシメ部材でカシメれば良く、例えば、検査等で分離する必要がある場合には、3回まで行うことができる。もちろん、不正に分離した場合には、切断した痕跡が残ることになるので、不正行為があったか否かを直ちに知ることができるようになっている。
<カバー体>
次に、カバー体1250について、図6、図24及び図28を参照して説明する。カバー体1250は、本体枠3の後面開口580を覆うものであり、その一側の上中下の3箇所に本体枠3の背面一側に形成されるカバー体支持筒部575に上方から挿入される軸支ピン1251が形成され、その他側のほぼ中央に球通路ユニット770に形成されるカバー体係合溝785と係合する係合片1252が形成されている。しかして、カバー体1250の軸支ピン1251をカバー体支持筒部575に差し込むことにより、カバー体1250を本体枠3に開閉自在に軸支し、係合片1252をカバー体係合溝785に係止することにより、カバー体1250を本体枠3に閉じた状態とすることができ、遊技盤4に設けられる各種部品の背面を保護することができる。なお、開放する場合には、係合片1252とカバー体係合溝785との係合を解除すればよい。
また、図示の場合のカバー体1250においては、開放側の係合片1252の上下に止め穴1253が形成され、また、本体枠3の施錠壁569に突設される施錠用突出鉤片570を貫通させる貫通穴1254が形成され、更に詳細に図示しないが、次に説明する第二実施形態に係るカバー体1270と同じように、接続操作用開口1255、立壁、当接突起、補強リブが形成されている。これら接続操作用開口1255、立壁、当接突起、補強リブは、第二実施形態に係るカバー体1270の接続操作用開口1283、立壁1284、当接突起1285、補強リブ1286と同じ位置に設けられて同じ機能を奏するものである。そして、カバー体1250を閉じた状態で、カバー体1250の止め穴1253と本体枠3側の止め穴568とを一致させて図示しないビスで止着することにより、カバー体1250によって本体枠3の後面開口580を閉塞固定することができる。そして、本体枠3に対してカバー体1250を閉じた状態で施錠用突出鉤片570がカバー体1250の貫通穴1254を貫通しているので、例えば、南京錠等の錠を施錠用突出鉤片570に掛け止めることにより、南京錠の鍵を有する責任者しかカバー体1250を開放することができないようにすることができる。
<遊技盤の詳細構成>
遊技盤4の詳細な構成について、主に図74乃至図77を参照して説明する。図74(ア)は遊技盤の正面図であり、(イ)は遊技盤における状態表示器を拡大して示す正面図である。また、図75は、遊技盤を斜め右前から見た斜視図であり、図76は、遊技盤を斜め左前から見た斜視図である。また、図77は、遊技盤を斜め後から見た斜視図であり、図78は、図74におけるA−A断面図である。また、図79は、図75におけるステージ付近を拡大して示す斜視図である。更に、図80は、遊技盤を構成する主な部材ごとに分解して斜め前から見た斜視図であり、図81は、遊技盤を構成する主な部材ごとに分解して斜め後から見た斜視図である。
図示するように、本実施形態のパチンコ機1における遊技盤4は、外レール602及び内レール603を有し、遊技者が操作ハンドル部461を操作することで遊技媒体としての遊技球が打ち込まれる遊技領域605の外周を区画形成する枠状の前構成部材601と、前構成部材601の後側で前構成部材601の枠内を閉鎖するように配置されると共に遊技領域605の後端を区画形成可能な板状の遊技パネル600と、遊技パネル600前面側で遊技領域605内の略中央に取付けられる枠状のセンター役物1400と、センター役物1400の下側且つ遊技領域605内でアウト口606の上側に配置されるアタッカユニット1500と、アタッカユニット1500よりも上側且つセンター役物1400の左下側で遊技領域605の外周に略沿って配置されるサイド部材1600と、遊技領域605の外側で前構成部材601の右下に配置され遊技状態を表示可能な状態表示器1800と、遊技パネル600の後側に裏箱621を介して取付けられる裏ユニット2000と、裏ユニット2000における裏箱621の後面側に着脱可能に支持され所定の演出画像を表示可能な演出表示手段としての液晶表示装置640と、遊技パネル600の後側に固定され裏ユニット2000及び裏箱621の下部を覆い後側に主制御基板ボックス624が固定される盤用基板ホルダ623とを備えている。
本実施形態の遊技盤4におけるセンター役物1400は、詳細な構成については後述するが、遊技領域605内の略中央に配置され、枠の内周下面に遊技球が左右方向へ転動可能とされると共に前側の遊技領域605内へ放出可能とされた役物側転動面1402と、枠の左側外周に配され遊技領域605内へ向かって開口し遊技領域605内の遊技球が進入可能とされたゲート入口1404と、ゲート入口1404の下側で遊技領域605内へ向かって開口しゲート入口1404へ進入した遊技球が放出されるゲート出口1406とを備えており、ゲート入口1404へ進入した遊技球がゲートセンサ3012(図103を参照)により検出された後にゲート出口1406から遊技領域605内へ放出されるようになっている。また、センター役物1400には、ゲート出口1406の下側で枠の左側外周に配置され遊技領域605内へ向かって開口するワープ入口1410と、ワープ入口1410よりも下側で枠内の左側内周に開口するワープ出口1412とを備えている。
また、遊技盤4におけるアタッカユニット1500は、詳細な構成については後述するが、図示するように、センター役物1400における役物側転動面1402の下側に配置されており、常時遊技球が受入可能とされた三つの一般入賞口1502と、センター役物1400における役物側転動面1402の所定位置の直下に配置され常時遊技球を受入可能とされた第一始動口1504と、第一始動口1504の下側に配置されセンター役物1400におけるゲート受入口1404へ遊技球が進入してゲートセンサ3012により検出されることで抽選される普通抽選結果に応じて、遊技球を受入可能又は受入不能となる第二始動口1506と、第二始動口1506の下側に配置され横長で矩形状に開口する大入賞口1510と、大入賞口1510の下端に略沿って回転可能に軸支され大入賞口1510を開閉可能な板状の開閉片1512と、開閉片1512を開閉駆動するアタッカソレノイド1518とを備えている。
更に、遊技盤4における裏ユニット2000には、詳細は後述するが、遊技パネル600の後面と当接すると共に、遊技パネル600の後面に取付可能とされ、液晶表示装置640の表示画面と略同形状の開口2102を有した裏ユニットベース2100と、裏ユニットベース2100における開口2102の下側且つ前側に支持されるステージ部材2200と、裏ユニットベース2100における開口2102の右側且つ前側に支持される揺動体ユニット2300と、ステージ部材2200及び揺動体ユニット2300よりも後側に配置され裏ユニットベース2100の開口2102を閉鎖可能とされた横行体ユニット2500と、横行体ユニット2300を内部に支持すると共に前側が開放された箱状とされ後壁に液晶表示装置640の表示画面と略同形状の開口部2152を有し裏ユニットベース2100に取付けられる裏ケース2150と、横行体ユニット2500よりも下側で裏ユニットベース2100の後側に支持される周辺制御基板ボックス2050とを主に備えている。この裏ユニット2000におけるステージ部材2200には、左右方向の略中央に、ステージ始動口2220が備えられている。
本実施形態の遊技盤4は、センター役物1400のワープ入口1410へ進入した遊技球がワープ出口1412から裏ユニット2000のステージ部材2200へ供給されるようになっている。そして、ステージ部材2200へ供給された遊技球は、ステージ部材2200上を転動し、ステージ始動口2220へ受入れられなければ、センター役物1400の役物側転動面1402上へと放出され、役物が転動面1402を転動した後に遊技領域605内へ放出されるようになっている。
本例の遊技盤4(パチンコ機1)では、アタッカユニット1500における一般入賞口1502、第一始動口1504、第二始動口1506、大入賞口1510、及び裏ユニット2000におけるステージ始動口2220に受入れられた遊技球は、一般入賞口センサ2110、第一始動口センサ2112、第二始動口センサ1522、カウントセンサ1524、及びステージ始動口センサ2114によって夫々検出されるようになっており、検出したセンサに応じて所定数の遊技球を払出すようになっている。また、このパチンコ機1では、第一始動口1502、第二始動口1504、及びステージ始動口2220へ遊技球が受入れられて第一始動口センサ2112、第二始動口センサ1522、及びステージ始動口センサ2114で検出されると、所定の特別抽選結果が抽選され、その特別抽選結果(例えば、「大当り」、「小当り」、等)に応じて所定のパターンで開閉片1512を開閉させて大入賞口1510が受入可能となるようになっている。
また、本例の遊技盤4における状態表示器1800は、図74に示すように、遊技領域605の外側でアウト口606よりも右側の前構成部材601下部に配置されており、第一始動口1504やステージ始動口2220への遊技球の受入れを契機として変動表示される第一特別図柄表示器1802と、第二始動口1506への遊技球の受入れを契機として変動表示される第二特別図柄表示器1804と、ゲート入口1404へ遊技球が進入することで変動表示が開始される普通図柄表示器1806と、第一特別図柄表示器1802や第二特別図柄表示器1804が変動表示中に第一始動口1504やステージ始動口2220へ遊技球が受入れられた場合に変動表示の開始を保留した記憶数を表示する第一特別図柄記憶数表示器1808と、第一特別図柄表示器1802や第二特別図柄表示器1804が変動表示中に第二始動口1506へ遊技球が受入れられた場合に変動表示の開始を保留した記憶数を表示する第二特別図柄記憶数表示器1810と、普通図柄表示器1806が変動表示中にゲート入口1404へ遊技球が進入した場合に変動表示の開始を保留した記憶数を表示する普通図柄記憶数表示器1812とを備えている。
この状態表示器1800の第一特別図柄表示器1802及び第二特別図柄表示器1804は、夫々7セグメントLEDにより構成されており、各セグメントの組合せ態様によって、第一始動口1502やステージ始動口2220、及び第二始動口1504への始動入賞による特別抽選結果を示唆するようになっている。また、普通図柄表示器1806は、二色の色(本例では赤色と緑色)に発光可能なLEDにより構成されており、遊技球がゲート入口1404へ進入することで抽選される普通抽選結果を発光色によって示唆するようになっている。なお、ゲート入口1404へ遊技球が進入して普通図柄表示器1806が当りを示唆する色(例えば、緑色)に発光すると、第二始動口1506を閉鎖する一対の可動片1508が所定時間(例えば、0.5秒)拡開して遊技球が第二始動口1506へ受入可能(入賞可能)となるようになっている。
また、第一特別図柄記憶数表示器1808、第二特別図柄記憶数表示器1810、及び普通図柄記憶数表示機1812は、夫々二つのLEDによって構成されており、各LEDの点灯・点滅の組合せによって保留された記憶数(例えば、最大四つ)を示唆するようになっている。
また、状態表示器1800には、第一特別図柄記憶数表示器1808や第二特別図柄記憶数表示器1810とは別に、第一始動口1504やステージ始動口2220、及び第二始動口1506への始動入賞に基て抽選される特別抽選結果が、アタッカユニット1500の大入賞口1510を開閉する開閉片1512が所定パターンで開閉動作する「大当り」の時に、開閉片1512の開閉回数(ラウンド回数)を表示するラウンド表示器1814と、特別抽選結果が「小当り」の時に点灯する一つのLEDからなる小当り表示器1816と、を更に備えている。ラウンド表示器1814は、三つのLEDから構成されており、点灯するLEDの位置によって、例えば、「2R大当り」、「5R大当り」、「15R大当り」の何れかを表示することができるようになっている。
[センター役物、アタッカユニット、及びサイド部材]
センター役物1400、アタッカユニット1500、及びサイド部材1600の構成について、主に図82及び図83を参照して説明する。図82(a)はセンター役物、アタッカユニット、及びサイド部材を前から見た斜視図であり、(b)はセンター役物、アタッカユニット、及びサイド部材を後から見た斜視図である。図83は、図82(a)における矢視Aの方向から見たセンター役物の側面図である。
まず、センター役物1400は、図示するように、遊技パネル600の前面よりも前側へ突出する前部1400aと、前部1400aの後端から外方へ延出し遊技パネル600の前面と当接する板状のフランジ部1400bと、遊技パネル600における開口部600aの内周に略沿った外周とされフランジ部1400bよりも後方へ延出し開口部600a内に挿入される後部1400cとを備え、遊技盤4における遊技領域605の略中央に配置されている。このセンター役物1400は、全体として枠状に形成されており、枠内を通して前方(遊技者側)から裏ユニット2000における横行体ユニット2500や液晶表示装置640に表示される演出画像等を視認することができるようになっている。
このセンター役物1400には、前部1400aにおける枠内の内周下面に遊技球が左右方向へ転動可能とされると共に前側へ放出可能とされた役物側転動面1402を備えている。この役物側転動面1402は、左右両端が高くなるように形成されていると共に、最も低くなった位置を除いて前端側に配置される所定高さの堤部1402aと、最も低くなった位置に配置され前端側が低くなると共に後端から前端へ向かって左右方向へ扇状に広がる湾曲状の凹部1402bとを備えている。遊技球がこの役物側転動面1402上に供給されると、堤部1402aにより前側へ放出されるのを抑制された状態で左右方向へ転動すると共に、極めて高い確率で凹部1402bにから前側へ放出されるようになっている。
また、センター役物1400における前部1400aの左側外周には、遊技領域605内へ向かって開口し遊技領域605内の遊技球が進入可能とされたゲート入口1404と、ゲート入口1404の下側で遊技領域605内へ向かって開口するゲート出口1406と、ゲート入口1404とゲート出口1406とを連通するゲート通路1408と、ゲート通路1408内に配置されゲート入口1404へ進入した遊技球を検出可能なゲートセンサと、ゲート出口1406の下側で遊技領域605内へ向かって開口し遊技球が進入可能とされたワープ入口1410とを備えている。遊技領域605内からゲート入口1404へ進入した遊技球は、ゲートセンサによって検出された上でゲート通路1408を通ってゲート出口1406から再び遊技領域605内へ放出されるようになっている。
また、センター役物1400には、ワープ入口1410よりも下側で後部1400cの左側内周の枠内に開口するワープ出口1412と、ワープ入口1410とワープ出口1412とを連通するワープ通路1414とを更に備えている。このワープ入口1410に進入した遊技球は、ワープ通路1414を通ってワープ出口1412から放出されるようになっており、ワープ通路1414を通ることで、遊技領域605内の遊技球がセンター役物1400の枠内へと移動できるようになっている。
更に、センター役物1400における前部1400aの上側外周には、左右方向の略中央から左側に、左端が低くなるように略直線状に傾斜した誘導棚1416と、左右方向の略中央から右側に、遊技領域605の外周に略沿って遊技領域605の下端まで延びた円弧状の外周壁1418とを備えている。遊技者の操作によって遊技領域605内の上部へ打ち込まれた遊技球は、左右方向の略中央左側を流下すると、誘導棚1416によってセンター役物1400の左側へと誘導され、センター役物1400における左側の遊技領域605を流下して、ゲート入口1404やワープ入口1410等へ進入する機会が得られるようになっている。一方、左右方向の略中央右側の外周壁1418上へ遊技球が流下すると、外周壁1418と遊技領域605の外周との間を通って、遊技領域605の下端へと一気に案内され、遊技球の動きを楽しめないようになっている。
このセンター役物1400における外周壁1418には、図示するように、複数の突起1418aが所定間隔で備えられていると共に、外周壁1418の下部に外周壁1418に沿って流下してきた遊技球の流下速度を減速させる減速部1420が備えられている。この減速部1420は、外周壁1418の前端から外方へ延出する共に外周壁1418の周方向に沿った略扇形状とされた透明板状の前板1420aを備えており、前板1420a、外周壁1418、及びフランジ部1400bにより遊技球が通過可能な流路を形成している。また、減速部1420には、図83に示すように、前板1420aの裏面と、フランジ部1400bにおける前板1420aと対向する位置に、外周壁1418の周方向に対して略直角方向へ延びる突条1420bが、外周壁1418の周方向に沿って交互に複数備えられている。この減速部1420によって、外周壁1418に沿って流下してきた遊技球が、交互に配置された突条1420bと当接することで、外周壁1418、前板1420a、及びフランジ部1400bにより形成された流路内をジグザグに流下して流下速度を減速させることができるようになっている。従って、外周壁1418に沿って流下してきた遊技球が減速部1420で減速した上でアウト口606へ進入するようになっており、勢いの付いた遊技球が、アウト口606を越えてアタッカユニット1500やサイド部材1600における前方へ突出した部分に激突して破損してしまうのを防止することができるようになっている。
また、このセンター役物1400は、図示するように、右側の枠部分に配置され円弧状の外周壁1418に沿った三日月形状のメイン装飾体1422と、上側の枠部分の略中央に配置され回転可能とされた花弁状の回転装飾体1424とを更に備えている。センター役物1400におけるメイン装飾体1422は、図示は省略するが、本例のパチンコ機1のコンセプトを特徴付ける所定のロゴが形成された表面部材1422aと、表面部材1422aの後側に配置され表面に複数のLEDが実装されたメイン装飾基板3126(図108を参照)と、メイン装飾基板3126と表面部材1422aとの間に配置され、LEDからの光を拡散させるレンズ部材(図示は省略する)とを備えており、メイン装飾基板3126のLEDを適宜発光させることで、メイン装飾体1422の表面部材1422aを発光装飾させることができるようになっている。
また、センター役物1400における回転装飾体1424は、花弁状に形成されると共に前後方向へ延びる軸芯周りに回転可能に軸支された花弁装飾体1424aと、花弁装飾体1424aの回転軸を回転駆動させる花弁用モータ3128(図108を参照)と、花弁装飾体1424aの後側に配置され表面に複数のLEDが実装された回転体装飾基板1424bとを備えている。この回転装飾体1424は、遊技状況等に応じて花弁用モータ3128により花弁装飾体1424aが回転駆動されるようになっていると共に、回転体装飾基板1424bのLEDを適宜発光させることで、花弁装飾体1424aを発光装飾させることができるようになっている。なお、詳細な図示は省略するが、この回転装飾体1424は、花弁用モータにより回転駆動されるモータギヤと、モータギヤと噛合する従動ギヤ及び従動ギヤと一体回転する駆動プーリを有したプーリギヤと、花弁装飾体1424aと一体回転する花弁プーリと、花弁プーリとプーリギヤの駆動プーリとに巻き掛けられるベルトとを備えており、花弁用モータ3128の回転駆動が、ギヤ、プーリ、及びベルトを介して花弁装飾体1424aに伝達されるようになっている。
更に、センター役物1400は、役物側転動面1402の下側でメイン装飾体1422寄りに配置されたサブ装飾体1426を更に備えている。このサブ装飾体1426は、図示するように、川に掛かった橋をイメージしたものであり、役物側転動面1402に略沿って配置され橋の欄干を模した欄干部1426aと、欄干部1426aの下側に配置され花札等の札を模した札部1426bとを備えている。このサブ装飾体1426における札部1426bは、四角形の枠体1426cと、枠体1426cの枠内を閉鎖すると共に透光性を有した白色板状の表示部1426dと、表示部1426dの後側で上下方向の略中央に配置され左右方向の中央が高くなった円弧状の第一隔壁1426eと、第一隔壁1426eの上側に配置された円筒状の第二隔壁1426fとを備えている(図105(a)を参照)。この札部1426bは、詳細は後述するが、後側に配置されたステージ装飾基板2012のLEDを適宜点灯させることで、表示部1426dに、「柄無し」、「芒」、「芒に月」、の三種類の図柄を表示させることができるようになっている。
また、センター役物1400には、上下方向の略中央で右側の枠部分(メイン装飾体1422)の内側に配置され、遊技領域605の前面の所定範囲内において上下方向へ移動する物体を検知可能な縦断センサ1428を更に備えている。この縦断センサ1428は、前方の所定方向へ赤外線等の非可視光からなる検知光を発光する発光部1428aと、発光部1428aの上側に配置され発光部1428aから発光された検知光の反射光を受光可能な受光部1428bとを備え、遊技領域605前方の所定範囲内で、上下方向へ移動する遊技者の手等を検知することができるようになっている。この縦断センサ1428は、例えば、所定の遊技状態の時に、縦断センサ1428の検知を有効とすると共に、液晶表示装置640に遊技領域605の前で上下方向へ手を移動させるのを促す演出画像を表示させ、遊技領域605の前で遊技者が移動させた手を検知することで所定の演出を行うための契機となるものであり、遊技者を遊技の演出に参加させて興趣を高められるようにするものである。
次に、アタッカユニット1500は、図示するように、遊技パネル600の前面よりも前側に突出する前部1500aと、前部1500aの後端から外方へ延出し遊技パネル600の前面と当接する板状のフランジ部1500bと、フランジ部1500bから後方へ突出し遊技パネル600における対応する開口部600aへ挿入可能とされた本体部1500cとを備えており、センター役物1400における役物側転動面1402の下側に配置されている。このアタッカユニット1500の前部1500aには、上述したように、常時遊技球が受入可能とされた三つの一般入賞口1502と、センター役物1400における放出口1420の直下に配置され常時遊技球を受入可能とされた第一始動口1504と、第一始動口1504の下側に配置されセンター役物1400におけるゲート受入口1404へ遊技球が進入してゲートセンサにより検出されることで抽選される普通抽選結果に応じて、遊技球を受入可能又は受入不能となる第二始動口1506とを備えている。
このアタッカユニット1500は、第二始動口1506の左右両側に上端が自由端とされた一対の可動片1508と、一対の可動片1508の自由端を互いに接近した位置と離反した位置との間で回動させる始動口ソレノイド1516(図82(b)を参照)とを備えており、この可動片1508が略直立した状態(自由端同士が接近した状態)となっていると、一対の可動片1508と第一始動口1506とによって、第二始動口1506へ遊技球が受入不能な状態となる。一方、一対の可動片1508の上端(自由端)が互いに遠ざかる方向へ離反した状態となると、第二始動口1506へ遊技球が受入可能な状態となる。また、一対の可動片1508が拡開することで、可動片1508によって第二始動口1506側へ遊技球を誘導することができ、第二始動口1506の大きさに対して遊技球の受入確率が高くなった状態となるようになっている。
また、アタッカユニット1500には、第二始動口1506の下側に配置され、横長で矩形状に開口する大入賞口1510と、大入賞口1510の下端に略沿って回転可能に軸支され大入賞口1510を開閉可能な板状の開閉片1512と、開閉片1512を開閉駆動するアタッカソレノイド1518(図82(b)を参照)とを備えている。この開閉片1512は、左右方向に延びる下辺を略回転軸として回動するように軸支されており、開閉片1512が略垂直な状態となると大入賞口1510が閉鎖された状態となり、開閉片1512の上辺が前方へ移動するように回動することで大入賞口1510が開放された状態となると共に、開閉片1512の裏面によって流下してきた遊技球を大入賞口1510側へ案内させることができるようになっている。なお、大入賞口1510は、通常時では開閉片1512によって閉鎖された受入不能な状態となっている。
更に、アタッカユニット1500には、センター役物1400の左側を流下してきた遊技球を、遊技領域605の中央側へ誘導可能な誘導片1514を複数備えている。なお、図示は省略するが、アタッカユニット1500には、表面に複数のLEDを実装したアタッカユニット装飾基板3130(図104を参照)を備えており、そのLEDを適宜発光させることで、一般入賞口1502付近を発光装飾することができるようになっている。
また、アタッカユニット1500には、一般入賞口1502及び第一始動口1504へ受入れられた遊技球を後側に配置された裏ユニット2000へ誘導する誘導樋1520を備えている。また、アタッカユニット1500の本体部1500cには、第二始動口1506へ受入れられた遊技球を検出する第二始動口センサ1522と、大入賞口1510へ受入れられた遊技球を検出するカウントセンサ1524とを備えており、第二始動口1506及び大入賞口1510へ受入れられた遊技球が第二始動口センサ1522及びカウントセンサ1524で検出された後に、本体部1500cの下部から下方へ放出されるようになっている。
続いて、サイド部材1600は、図示するように、遊技パネル600の前面よりも前方へ突出する前部1600aと、前部1600aの後端から外方へ延出し遊技パネル600の前面と当接する板状のフランジ部1600bと、フランジ部1600bから後方へ延出し遊技パネル600における所定の開口部600a内へ挿入可能とされた後部1600cとを備えており、遊技領域60内におけるセンター役物1400の左側且つアタッカユニット1500の上側に遊技領域605の外周に略沿って配置されている。このサイド部材1600の前部1600aには、センター役物1400の左側を流下してきた遊技球を左右方向の中央側へ誘導可能な誘導棚1602が備えられている。また、サイド部材1600は、部分的に透光性を有した部材により形成されており、サイド部材1600の後方で裏ユニット2000に備えられたサイド装飾基板2010に実装されたLEDからの光により発光装飾させることができるようになっている。
[前構成部材、及び遊技パネル]
遊技盤4における前構成部材601、及び遊技パネル600の構成について、主に図84を参照して説明する。図84(a)は前構成部材と遊技パネルとを組立てた状態で前から見た斜視図であり、(b)は前構成部材と遊技パネルとを組立てた状態で後から見た斜視図である。
本例の遊技盤4における前構成部材601は、上述したように、遊技領域605の外周を区画形成すると共に遊技領域605内に遊技球を案内する外レール602及び内レール603を備えている。また、遊技パネル600は、所定厚さの木製合板からなり、センター役物1400、アタッカユニット1500、及びサイド部材1600を夫々挿入固定するための貫通した開口部600aを備えている。これら開口部600aは、挿入固定するセンター役物1400等の外形形状と略沿った形状とされている。なお、アウト口606と対応する位置にも、貫通した開口部600aが形成されている。
この遊技パネル600の前面には、前構成部材601、センター役物1400、アタッカユニット1500、及びサイド部材1600が取付けられるようになっている。また、遊技パネル600の前面には、遊技領域605と対応する位置に、複数の障害釘が所定のゲージ配列で植設されている。更に、遊技パネル600の後面には、裏ユニット2000と盤用基板ホルダ623が取付けられるようになっている。
〔裏ユニット〕
遊技盤4における裏ユニット2000の全体構成について、主に図85乃至図90を参照して説明する。図85は、裏ユニットの正面図である。図86(a)は裏ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏ユニットを後から見た斜視図である。また、図87は、裏ユニットを主要な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図88は、図87の分解図を後から見た分解斜視図である。更に、図89は、裏ユニットにおける裏ユニットベースに取付けられる各部材を分解して前から見た分解斜視図であり、図90は、図89の分解斜視図を後から見た分解斜視図である。
本例の遊技盤4における裏ユニット2000は、図示するように、遊技パネル600の後面と当接すると共に、遊技パネル600の後面に取付可能とされ、液晶表示装置640の表示画面と略同形状の開口2102を有した裏ユニットベース2100と、裏ユニットベース2100の前側で開口2102の下部に支持されステージ始動口2220を有したステージ部材2200と、裏ユニットベース2100の前側で開口2102の右部に支持される揺動体ユニット2300と、ステージ部材2200及び揺動体ユニット2300よりも後側に配置され裏ユニットベース2100の開口2102を閉鎖する透明板状の仕切板2104(図89及び図90を参照)と、仕切板2104の後側に配置される横行体ユニット2500と、横行体ユニット2500を内部に支持すると共に前側が開放された箱状とされ後壁に液晶表示装置640の表示画面と略同形状の開口部2152を有し裏ユニットベース2100に取付けられる裏ケース2150とを備えている。なお、本例では、裏ユニットベース2100と裏ケース2150とで裏箱621が形成されている。
また、裏ユニット2000には、裏ユニットベース2100の後側下部に取付けられ内部に周辺制御基板3100(図78を参照)が封入された周辺制御基板ボックス2050と、周辺制御基板ボックス2050の横側に取付けられ主制御基板ボックス624内の主制御基板1350と、周辺制御基板ボックス2050内の周辺制御基板3100や遊技球を検出する各種センサ等とを中継するパネル中継端子板1352とを備えている。また、裏ユニット2000は、裏ケース2150の後側に取付けられ、周辺制御基板3100と接続されると共に周辺制御基板3100の回路に対して抵抗器を集約させた抵抗基板2154と、裏ケース2150の後側に取付けられ周辺制御基板3100と横行体ユニット2500における各駆動モータ2614,2654,2714,2754との接続を中継する横行体中継基板2156と、を更に備えている。
また、裏ユニット2000には、アタッカユニット1500及びサイド部材1600の後側で裏ユニットベース2100の前側に固定され、表面に複数のLEDが実装されたサイド装飾基板2010と、センター役物1400におけるサブ装飾体1426の後側で裏ユニットベース2100の前側に固定され、表面に複数のLEDが実装されたステージ装飾基板2012とを更に備えている。これらサイド装飾基板2010及びステージ装飾基板2012のLEDを適宜発光させることで、アタッカユニット1500、サイド部材1600、及びセンター役物1400のサブ装飾体1426等を発光装飾させることができるようになっている。
更に、裏ユニット2000には、アタッカユニット1500における一般入賞口1502へ受入れられた遊技球を検出する一般入賞口センサ2110と、アタッカユニット1500における第一始動口1504へ受入れられた遊技球を検出する第一始動口センサ2112と、ステージ部材2200におけるステージ始動口2220へ受入れられた遊技球を検出するステージ始動口センサ2114と、を備えており、それらセンサ2110,2112,2114が裏ユニットベース2100に支持されている。また、裏ユニット2000の裏ユニットベース2100には、アタッカユニット1500における第一始動口1504の後方にあたる位置に磁気センサ2116が取付けられており、この磁気センサ2116により、遊技盤4の前側からアタッカユニット1500へ近づけられた磁石の磁気を検知することができるようになっている。
この裏ユニット2000における裏ユニットベース2100は、図示するように、外形が略矩形状とされ、中央に前後方向へ貫通する矩形状の開口2102と、外周の所定位置に遊技パネル600の後面と当接し遊技パネル600の後側へ取付固定するための固定部2106を備えている。また、裏ユニットベース2100は、アタッカユニット1500における一般入賞口1502及び第一始動口1504へ受入れられて誘導樋1520によって遊技パネル600の後側へ誘導された遊技球や、ステージ部材2200のステージ始動口2220へ受入れられた遊技球を、夫々受取って下方へ放出する複数の誘導路2108を備えている。これら複数の各誘導路2108には、夫々対応するセンサ2110,2112,2114が取付けられるようになっており、各誘導路2108を流通する遊技球を検出することができるようになっている。また、各誘導路2108は、流通する遊技球の流通速度が増加するのを抑制させることができるように形成されている。
また、裏ユニット2000におけるステージ部材2200は、センター役物1400における役物側転動面1402よりも高い位置に配置され、遊技球が左右方向へ転動可能とされると共に前側へ放出可能とされた第一裏側転動面2202と、第一裏側転動面2202と役物側転動面1402との間で第一裏側転動面2202よりも低く且つ役物側転動面1402よりも高い位置に配置され、遊技球が左右方向へ転動可能とされると共に前側へ放出可能とされた第二裏側転動面2204とを備えている。本例では、図79等に示すように、センター役物1400のワープ出口1412が、第一裏側転動面2202の左側端部に開口するように配置されており、遊技領域605内からワープ入口1410へ進入した遊技球がステージ部材2200における第一裏側転動面2202へ供給されるようになっている。
これら第一裏側転動面2202及び第二裏側転動面2204は、夫々左右両端が最も高くなると共に、左右方向の略中央が盛上った波状に形成されている。また、第一裏側転動面2202及び第二裏側転動面2204は、最も低くなった部分を除いた前端側に所定高さの堤部2202a,2204aが夫々配置されていると共に、最も低くなった部分に前端側が低く且つ後端から前端へ向かって左右方向へ扇状に広がる湾曲状の凹部2202b,2204bを備えている。また、図示するように、第一裏側転動面2202における左右方向略中央の盛上った略頂部には、所定幅で後方へ向かって低くなる凹部2202cが備えられており、この凹部2202cの後端に遊技球が受入可能とされたステージ始動口2220が備えられている。このステージ部材2200は、ステージ始動口2220へ受入れられなかった遊技球が、第二裏側転動面2204から前方へ配置されたセンター役物1400の役物側転動面1402へ供給されるようになっている。
このステージ部材2200における第一裏側転動面2202は、図示するように、前後方向の幅が、左右両端で広幅とされると共に左右両端より中央側では遊技球の径と略同じ細幅とされており、この細幅の部分の後側には第一裏側転動面2202に対して略一定量高くされた棚部2206が備えられている。ステージ部材2200は、棚部2206の存在により、遊技者に対して、第一裏側転動面2202と第二裏側転動面2204とを加えた三段の転動面を有しているように見せることができ、ステージを広く見せることができるようになっている。
また、ステージ部材2200は、部材の略全体が透明を含む透光性を有した素材により形成されていると共に、ステージ部材2200の後端に取付けられたステージ装飾基板2012の表面に実装されたLEDによって適宜発光装飾させることができるようになっている。
更に、ステージ部材2200の後側、つまり、ステージ部材2200と横行体ユニット2500との間には、透明板状の仕切板2104(図89及び図90を参照)が配置されており、この仕切板2104によって、ステージ部材2200から横行体ユニット2500側へ遊技球が侵入するのを防止することができ、横行体ユニット2500へ遊技球が侵入して不具合が発生するのを防止することができるようになっている。
[揺動体ユニット]
遊技盤4の裏ユニット2000における揺動体ユニット2300の構成について、主に図91を参照して説明する。図91(a)は揺動体ユニットを前から見た斜視図であり、
(b)は揺動体ユニットの正面図であり、(c)は揺動体ユニットにおける揺動機構を拡大して示す斜視図である。
裏ユニット2000における揺動体ユニット2300は、図示するように、提灯を模した外形形状とされた複数の揺動体2310と、所定数の揺動体2310を前後方向へ延びる軸芯に対して回転可能に軸支すると共に揺動体2310を所定方向へ移動させる揺動機構2320と、揺動機構2320を保持する揺動体ユニットベース2330と、揺動体ユニットベース2330の所定位置に固定され揺動機構2320と周辺制御基板3100との電気的な接続を中継する揺動体中継基板2340と、を主に備えている。本例の揺動体ユニット2300は、二つの揺動体2310を軸支した揺動機構2320を上下方向に三つ備えており、上から第一揺動機構2320a、第二揺動機構2320b、及び第三揺動機構2320cの順に配置されている。
この揺動体ユニット2300における揺動機構2320は、図示するように、揺動体ユニットベース2330に支持され上下方向に進退可能とされたプランジャ2322aを有する揺動体ソレノイド2322と、揺動体ソレノイド2322におけるプランジャ2322aの進退によって前後方向へ延びる所定軸周りに回動可能とされた第一作動部材2324と、第一棹部材2324の回動に伴って前後方向へ延びる所定軸周りに回動可能とされ二つの揺動体2310を軸支する第二作動部材2326と、第二作動部材2326に取付けられると共に軸支された揺動体2310の後側に配置され表面にLEDが実装された揺動体装飾基板2328と、を備えている。
この揺動機構2320における第一作動部材2324は、全体的に棒状に形成され、一端に揺動体ユニットベース2330に対して軸支される軸支部2324aと、軸支部2324aとは反対側の他端に長手方向へ延びるスリット状の伝達部2324bと、伝達部2324bと軸支部2324aとの間に配置され揺動体ソレノイド2322におけるプランジャ2322aの先端が連結される連結部2324cとを備えている。また、揺動機構2320における第二作動部材2326は、第一作動部材2324におけるスリット状の伝達部2324bに対して挿入可能とされた伝達ピン2326aと、伝達ピン2326aを一端側に支持し所定方向へ延出する伝達棹2326bと、伝達棹2326bにおける他端側に配置され揺動体ユニットベース2330に対して回転可能に軸支される軸支部2326cと、軸支部2326cから伝達棹2326bが延びる方向とは異なる方向へ延出する作用棹2326dと、作用棹2326dの先端に配置され二つの揺動体2310を所定距離離反して軸支可能とされた揺動体支持部2326eとを備えており、伝達棹2326bと作用棹2326dとによって略L字状に形成されている。
この揺動機構2320は、図示するように、正面視で、揺動体ソレノイド2322の右側で第一作動部材2324の軸支部2324aが揺動体ユニットベース2330に軸支されており、第一作動部材2324の伝達部2324bが揺動体ソレノイド2322の左側で軸支部2324aよりも下がった位置となるように第一作動部材2324が配置されている。一方、第二作動部材2326、第一作動部材2324よりも左側に配置されていると共に、第二作動部材2326の軸支部2326cが第一作動部材2324の軸支部2324aと略同じ高さとなるように揺動体ユニットベース2330に軸支されている。その状態で、第二作動部材2326の伝達ピン2326aが第一作動部材2324の伝達部2324b内へ挿入されていると共に、第二作動部材2326の作用棹2326dが軸支部2326cから略垂直に上方へ立上るように延出している。
なお、揺動機構2320によって軸支される二つの揺動体2310は、第二作動部材2326の揺動体支持部2326eによって、左右方向に半分程重なるように前後方向の異なる位置に夫々軸支されていると共に、左側の揺動部材2310が若干高くなるように軸支されている。また、第二作動部材2326における揺動体支持部2326eの後側に揺動体装飾基板2328が固定されており、揺動体装飾基板2328に実装されたLEDによって揺動体2310を適宜発光装飾させることができるようになっている。
この揺動体ユニット2300は、通常時では揺動体ソレノイド2322のプランジャ2322aが、下方へ突出した状態となっているので、第二作動部材2326の作用棹2326dが略直立した状態となり、複数の揺動体2310がセンター役物1400におけるメイン装飾体1422の後側に隠れた位置となって、遊技者から視認し難い位置となっている。一方、揺動体ソレノイド2322に通電することでプランジャ2322aが上方へ移動すると、プランジャ2322aの移動に伴って第一作動部材2324が、その軸支部2324aを中心として時計回りに回動すると共に、第一作動部材2324の伝達部2324bに挿入された第二作動部材2326の伝達ピン2326aを介して第二作動部材2326が、その軸支部2326cを中心として反時計回りに回動する。
これにより、第二作動部材2326における作用棹2326dが左側へ倒れるように回動し、作用棹2326d先端の揺動体支持部2326eに軸支された揺動体2310が、メイン装飾体1422の後側から液晶表示装置640の前面側へと移動して、遊技者から視認可能となる位置へ移動することとなる(図107を参照)。その際に、各揺動体2310が夫々軸支されているので、揺動体ソレノイド2322による駆動停止後も、慣性力によって暫く揺動することとなり、揺れ動く揺動体2310によって、揺動体2310の動きをより楽しませることができるようになっていると共に、遊技者の関心を強く引き付けることができるようになっている。
〔横行体ユニット〕
遊技機4の裏ユニット2000における横行体ユニット2500の構成について、主に図92乃至図102を参照して説明する。図92は、裏ユニットの横行体ユニットを、前横行体駆動ユニット、後横行体駆動ユニット、及び下レールユニットに分解して前から見た分解斜視図であり、図93は、図92の分解斜視図を後から見た分解斜視図である。図94は、横行体ユニットの正面図であり、図95は、横行体ユニットの背面図である。図96は、横行体ユニットにおける前横行体駆動ユニットの一部を省略して示す斜視図である。図97(a)は前横行体駆動ユニットにおける前下駆動ユニットの一部を省略して前から見た斜視図であり、(b)は前横行体駆動ユニットにおける前下駆動ユニットの一部を省略して後から見た斜視図である。図98は、前横行体駆動ユニットにおける前上駆動ユニットの一部を省略して前から見た斜視図である。図99は、後横行体駆動ユニットの正面図であり、図100は、後横行体駆動ユニットの一部を省略して示す背面図である。図101は、後横行体駆動ユニットにおける後下駆動ユニットの一部を省略して前から見た斜視図であり、図102は、後横行体駆動ユニットにおける後上駆動ユニットの一部を省略して前から見た斜視図である。
本実施形態の裏ユニット2000における横行体ユニット2500は、図示するように、複数の襖状の横行体2510を左右方向へ横行させると共に、複数の横行体2510を所定配列とすることで液晶表示装置640の前面を横行体2510によって被覆することができるようにしたものである(図74等を参照)。この横行体ユニット2500における複数(四つ)の横行体2510は、横行体2510の上部に配置され、左右方向に延びると共に前後方向に並んで配置された円柱状の上前レール2520a及び上後レール2520bによって左右方向へ案内されるようになっている。これら上前レール2520a及び上後レール2520bの夫々には、横行体2510が二つずつ案内されるようになっており、上前レール2520aによって案内される二つの前横行体2512と、上後レール2520によって案内される二つの後横行体2514とによって横行体2510が構成されている。
なお、上前レール2520a及び上後レール2520bは、その長さが、横行体ユニット2500における左右方向の長さ(幅)と略同じ長さとされており、横行体2510における左右方向の長さ(幅)に対して、5〜6倍(約5.6倍)の長さとされている。因みに、本例では、液晶表示装置640の左右方向の幅(表示画面の幅)が、遊技領域605の全幅に対して、約0.7倍の長さとされていると共に、横行体2510の幅が、液晶表示装置640の幅(表示画面の幅)に対して、約0.25倍とされている。
この横行体ユニット2500は、上前レール2520aを支持すると共に二つの前横行体2512を左右方向へ横行駆動させる前横行体駆動ユニット2600と、前横行体駆動ユニット2600の後側に配置され上後レール2520bを支持すると共に二つの後横行体2514を左右方向へ横行駆動させる後横行体駆動ユニット2700と、前横行体駆動ユニット2600及び後横行体駆動ユニット2700よって横行する前横行体2512及び後横行体2514の下端を左右方向へ案内する下レールユニット2800と、を備えている。横行体ユニット2500における前横行体駆動ユニット2600と後横行体駆動ユニット2700は、前後方向に略接するように並んで配置されている(図78を参照)。また、これら、前横行体駆動ユニット2600、後横行体駆動ユニット2700、及び下レールユニット2800は、夫々裏ケース2150に支持されている。
まず、横行体ユニット2500における横行体2510は、図示するように、枠状に形成された本体部2510aと、本体部2510aの後端を閉鎖する板状の閉鎖板2510bと、本体部2510aの上部に備えられた案内連結部2510cと、本体部2510aの下端から下方へ突出する板状の下案内部2510dとを主に備えている。この横行体2510における案内連結部2510cには、左右方向の両端に上前レール2520aや上後レール2520bを挿通可能なリング状の一対の挿通環2510eと、挿通環2510e同士の間に配置され上前レール2520aや上後レール2520bの上端及び下端と当接し案内連結部2510cに回転可能に軸支された四つの案内ローラ2510fと、案内ローラ2510fよりも上側に配置され横行体駆動ユニット2600,2700における横行用ベルト2624,2664,2724,2764と連結可能な連結部2510gとを備えている。
この横行体2510は、一対の挿通環2510eの軸芯が、本体部2510a(横行体2510)の前後方向の略中央を通るように配置されており、四つの案内ローラ2510fによって上前レール2520aや上後レール2520bに案内される横行体2510が、略垂直な状態で案内されるようになっている。また、四つの案内ローラ2510fは、図示するように、上前レール2520aや上後レール2520bを挟むように上下に対向配置された一対の案内ローラ2510fが、夫々挿通環2510eの近傍に配置されている。つまり、一対の案内ローラ2510f同士が、案内連結部2510cにおいて左右方向に可及的に離れた位置に配置されており、横行体2510がガタツクことなく案内されるようになっている。
なお、本例では、後横行体2514には、本体部2510aにおける遊技領域605の中央寄りに配置される枠の上下方向略中央に備えられた半円状の装飾部2510hと、装飾部2510hの内部に備えられLEDを有した横行体装飾基板2511と、横行体装飾基板2511と下レールユニット2800の中央中継端子板2808とを電気的に接続し可撓性を有したフラットケーブ状の配線部材2150iとを備えている。この後横行体2514は、横行体装飾基板2511のLEDによって装飾部2510hを適宜発光装飾させることができるようになっている。また、本例では、横行体2514の閉鎖板2510bが透明板とされており、横行体2510を通して後側に位置する液晶表示装置640を、遊技者側から視認することができるようになっている。
また、本例では、左側の前横行体2512及び右側の後横行体2514の案内連結部2510cが、他の横行体2512,2514よりも上方へ長く延出していると共に、前下駆動ユニット2610の横行用ベルト2624又は後下駆動ユニット2710の横行用ベルト2724が通過可能とされた通過溝2510jを備えており(図98及び図102を参照)、通過溝2510jよりも上側に連結部2510gが配置されている。これら左側の前横行体2512及び右側の後横行体2514に形成された通過溝2510jによって、左側の前横行体2512及び右側の後横行体2514が、前下駆動ユニット2610の横行用ベルト2624及び後下駆動ユニット2710の横行用ベルト2724と接触するのを回避させることができるようになっている。
更に、横行体2510には、下案内部2510dの下端から下方へ突出する検知片2510kが夫々備えられており、図示するように、前横行体2512では下案内部2510dの左端に、また、後横行体2514では下案内部2510dの略中央に、夫々配置されている。
本実施形態の横行体ユニット2500における前横行体駆動ユニット2600は、図96乃至図98等に示すように、二つの前横行体2512を左右方向へ横行可能に支持する一つの上前レール2520aを支持すると共に、正面視で右側に配置される前横行体2512(前横行体右2512R)を左右方向へ駆動する前下駆動ユニット2610と、前下駆動ユニット2610の上側に配置され正面視で左側に配置される前横行体2512(前横行体左2512L)を左右方向へ駆動する前上駆動ユニット2650とを備えている。
この前横行体駆動ユニット2600における前下駆動ユニット2610は、上前レール2520aの両端を保持し左右方向に延びる板状の下ベース板2612と、下ベース板2612の右端部上方に配置され下方へ延出するように回転軸が配置された前右駆動モータ2614と、前右駆動モータ2614の回転軸と一体回転する駆動ギヤ2616と、駆動ギヤ2616と噛合して回転する従動ギヤ2618と、従動ギヤ2618と一体回転する駆動プーリ2620と、駆動プーリ2620とは左右方向の反対側で下ベース板2612の左端部付近に配置される従動プーリ2622と、従動プーリ2622と駆動プーリ2620とに巻き掛けられる横行用ベルト2624と、を備えており、横行用ベルト2624の所定位置に右側の前横行体2512(2512R)の連結部2510gが連結固定されている。
また、前下駆動ユニット2610は、下ベース板2612の右端部上面に固定され従動ギヤ2618及び駆動プーリ2620を回転可能に軸支する板状の軸支部材2626(図96を参照)と、軸支部材2626によって下面が閉鎖されるような箱状に形成され、駆動ギヤ2616、従動ギヤ2618及び駆動プーリ2620を収容すると共に上面に前右駆動モータ2614が取付けられる右ケース部材2628(図87等を参照)と、を更に備えている。
更に、前下駆動ユニット2610は、駆動プーリ2620と従動プーリ2622とに巻き掛けられた横行用ベルト2624の環内に配置されると共に下ベース板2612に左右方向へ摺動可能に保持され、従動プーリ2622を回転可能に支持する従動プーリ支持部材2630と、従動プーリ支持部材2630を駆動プーリ2620とは反対方向へ移動するように付勢するテンションばね2632と、テンションばね2632の駆動プーリ2620側端部を保持し下ベース部材2612に固定されるばね保持部材2634と、を更に備えている。この前下駆動ユニット2610は、テンションばね2632の付勢力によって従動プーリ2622が駆動プーリ2620と離反する方向に付勢されており、その付勢力によって横行用ベルト2624に所定のテンションが付与されるようになっている。
この前下駆動ユニット2610は、図示するように、上前レール2520aが下ベース板2612の下側に支持されていると共に、駆動ギヤ2616、従動ギヤ2618、駆動プーリ2620、従動プーリ2622、及び横行用ベルト2624が、下ベース板2612の上側に配置されている。また、本例の下ベース板2612は、所定厚さの金属板をプレス成形したものを用いた剛性の高いものとなっており、上前レール2520a、駆動プーリ2620や従動プーリ2622等がガタついたり変形したりすることなく、しっかり支持することができるようになっている。
一方、前横行体駆動ユニット2600における前上駆動ユニット2650は、下ベース板2612の上方に配置され左右方向に延びると共に右端部が前下駆動ユニット2610における右ケース部材2628の上面に固定される板状の上ベース板2652と、上ベース板2652の左端部上面に配置され下方へ延出するように回転軸が配置された前左駆動モータ2654と、前左駆動モータ2654の回転軸と一体回転する駆動ギヤ2656と、駆動ギヤ2656と噛合して回転する従動ギヤ2658と、従動ギヤ2658と一体回転する駆動プーリ2660と、駆動プーリ2660とは左右方向の反対側で上ベース板2652の右端部付近に配置される従動プーリ2662と、従動プーリ2662と駆動プーリ2660とに巻き掛けられる横行用ベルト2664と、を備えており、横行用ベルト2664の所定位置に左側の前横行体2512(2512L)の連結部2510gが連結固定されている。
また、前上駆動ユニット2650は、下ベース板2612の左端部上面に固定され従動ギヤ2658及び駆動プーリ2660を回転可能に軸支する板状の軸支部材2666(図96を参照)と、軸支部材2666によって下面が閉鎖されるような箱状に形成されると共に前下駆動ユニット2610における右ケース部材2628と略同じ高さに形成され、駆動ギヤ2616、従動ギヤ2618及び駆動プーリ2620を収容すると共に上面に上ベース板2652の左端部が載置固定される左ケース部材2668(図87等を参照)と、を更に備えている。
更に、前上駆動ユニット2650は、駆動プーリ2660と従動プーリ2662とに巻き掛けられた横行用ベルト2664の環内に配置されると共に上ベース板2652に左右方向へ摺動可能に保持され、従動プーリ2662を回転可能に支持する従動プーリ支持部材2670と、従動プーリ支持部材2670を駆動プーリ2660とは反対方向へ移動するように付勢するテンションばね2672と、テンションばね2672の駆動プーリ2660側端部を保持し上ベース部材2652に固定されるばね保持部材2674と、を更に備えている。この前上駆動ユニット2650では、テンションばね2672の付勢力によって従動プーリ2662が駆動プーリ2660と離反する方向に付勢されており、その付勢力によって横行用ベルト2664に所定のテンションが付与されるようになっている。
この前上駆動ユニット2650は、図示するように、駆動ギヤ2656、従動ギヤ2658、駆動プーリ2660、従動プーリ2662、及び横行用ベルト2664が、上ベース板2652の下側に配置されている。また、本例の上ベース板2652は、所定厚さの金属板をプレス成形したものを用いた剛性の高いものとなっており、駆動プーリ2660や従動プーリ2662等がガタついたり変形したりすることなく、しっかり支持することができるようになっている。更に、上ベース板2652は、左右方向の長さが、上前レール2520aの長さよりも短い長さとされている。
本例の前横行体駆動ユニット2600は、図示するように、前下駆動ユニット2610と前上駆動ユニット2650とが、左右方向の両端に配置される右ケース部材2628、左ケース部材2668、及び左右方向の略中央に配置される支持部材2602によって、上下方向に対して略平行に配置固定されている。また、前下駆動ユニット2610及び前上駆動ユニット2650における駆動プーリ2620,2660と従動プーリ2622,2662との間隔は、略同じ間隔とされており、横行体2510の左右方向の幅に対して約4倍の間隔とされていると共に、上前レール2520aの長さに対して約0.8倍の間隔とされている。
更に、前横行体駆動ユニット2600は、前下駆動ユニット2610における駆動プーリ2620が上前レール2520aの右端付近に配置されていると共に、前上駆動ユニット2650における駆動プーリ2660が上前レール2520aの左端付近に夫々配置されており、前下駆動ユニット2610と前上駆動ユニット2650とでは、横行体2510の横行範囲が左右方向の中央に対して、右側と左側とに夫々オフセットした状態となっている。つまり、前下駆動ユニット2610によって横行させられる右側の前横行体2512(2512R)は、上前レール2520aの右端から左端近傍までの間を移動することができ、前上駆動ユニット2650によって横行させられる左側の前横行体2512(2512L)は、上前レール2520aの左端から右端近傍までの間を移動することができるようになっている。
次に、本実施形態の横行体ユニット2500における後横行体駆動ユニット2700は、図99乃至図102等に示すように、二つの後横行体2514を左右方向へ横行可能に支持する一つの上後レール2520bを支持すると共に、正面視で左側に配置される後横行体2514(後横行体左2514L)を左右方向へ駆動する後下駆動ユニット2710と、後下駆動ユニット2710の上側に配置され正面視で右側に配置される後横行体2514(後横行体右2514R)を左右方向へ駆動する後上駆動ユニット2750とを備えている。
この後横行体駆動ユニット2700における後下駆動ユニット2710は、上後レール2520bの両端を保持し左右方向に延びる板状の下ベース板2712と、下ベース板2712の左端部上方に配置され下方へ延出するように回転軸が配置された後左駆動モータ2714と、後左駆動モータ2714の回転軸と一体回転する駆動ギヤ2716と、駆動ギヤ2716と噛合して回転する従動ギヤ2718と、従動ギヤ2718と一体回転する駆動プーリ2720と、駆動プーリ2720とは左右方向の反対側で下ベース板2712の右端部付近に配置される従動プーリ2722と、従動プーリ2722と駆動プーリ2720とに巻き掛けられる横行用ベルト2724と、を備えており、横行用ベルト2724の所定位置に左側の後横行体2514(2514L)の連結部2510gが連結固定されている。
また、後下駆動ユニット2710は、下ベース板2712の左端部上面に固定され従動ギヤ2718及び駆動プーリ2720を回転可能に軸支する板状の軸支部材2726(図101を参照)と、軸支部材2726によって下面が閉鎖されるような箱状に形成され、駆動ギヤ2716、従動ギヤ2718及び駆動プーリ2720を収容すると共に上面に後左駆動モータ2714が取付けられる左ケース部材2728(図92等を参照)と、を更に備えている。
更に、後下駆動ユニット2710は、駆動プーリ2720と従動プーリ2722とに巻き掛けられた横行用ベルト2724の環内に配置されると共に下ベース板2712に左右方向へ摺動可能に保持され、従動プーリ2722を回転可能に支持する従動プーリ支持部材2730と、従動プーリ支持部材2730を駆動プーリ2720とは反対方向へ移動するように付勢するテンションばね2732と、テンションばね2732の駆動プーリ2720側端部を保持し下ベース部材2712に固定されるばね保持部材2734と、を更に備えている。この後下駆動ユニット2710は、テンションばね2732の付勢力によって従動プーリ2722が駆動プーリ2720と離反する方向に付勢されており、その付勢力によって横行用ベルト2724に所定のテンションが付与されるようになっている。
この後下駆動ユニット2710は、図示するように、上後レール2520bが下ベース板2712の下側に支持されていると共に、駆動ギヤ2716、従動ギヤ2718、駆動プーリ2720、従動プーリ2722、及び横行用ベルト2724が、下ベース板2712の上側に配置されている。また、本例の下ベース板2712は、所定厚さの金属板をプレス成形したものを用いた剛性の高いものとなっており、上後レール2520b、駆動プーリ2720や従動プーリ2722等がガタついたり変形したりすることなく、しっかり支持することができるようになっている。
一方、後横行体駆動ユニット2700における後上駆動ユニット2750は、下ベース板2712の上方に配置され左右方向に延びると共に左端部が後下駆動ユニット2710における左ケース部材2728の上面に固定される板状の上ベース板2752と、上ベース板2752の右端部上面に配置され下方へ延出するように回転軸が配置された後右駆動モータ2754と、後右駆動モータ2754の回転軸と一体回転する駆動ギヤ2756と、駆動ギヤ2756と噛合して回転する従動ギヤ2758と、従動ギヤ2758と一体回転する駆動プーリ2760と、駆動プーリ2760とは左右方向の反対側で上ベース板2752の左端部付近に配置される従動プーリ2762と、従動プーリ2762と駆動プーリ2760とに巻き掛けられる横行用ベルト2764と、を備えており、横行用ベルト2764の所定位置に右側の後横行体2514(2514R)の連結部2510gが連結固定されている。
また、後上駆動ユニット2750は、下ベース板2712の右端部上面に固定され従動ギヤ2758及び駆動プーリ2760を回転可能に軸支する板状の軸支部材2766(図102を参照)と、軸支部材2766によって下面が閉鎖されるような箱状に形成されると共に後下駆動ユニット2710における左ケース部材2728と略同じ高さに形成され、駆動ギヤ2716、従動ギヤ2718及び駆動プーリ2720を収容すると共に上面に上ベース板2752の右端部が載置固定される右ケース部材2768(図92等を参照)と、を更に備えている。
更に、後上駆動ユニット2750は、駆動プーリ2760と従動プーリ2762とに巻き掛けられた横行用ベルト2764の環内に配置されると共に上ベース板2752に左右方向へ摺動可能に保持され、従動プーリ2762を回転可能に支持する従動プーリ支持部材2770と、従動プーリ支持部材2770を駆動プーリ2760とは反対方向へ移動するように付勢するテンションばね2772と、テンションばね2772の駆動プーリ2760側端部を保持し上ベース部材2752に固定されるばね保持部材2774と、を更に備えている。この後上駆動ユニット2750では、テンションばね2772の付勢力によって従動プーリ2762が駆動プーリ2760と離反する方向に付勢されており、その付勢力によって横行用ベルト2764に所定のテンションが付与されるようになっている。
この後上駆動ユニット2750は、図示するように、駆動ギヤ2756、従動ギヤ2758、駆動プーリ2760、従動プーリ2762、及び横行用ベルト2764が、上ベース板2752の下側に配置されている。また、本例の上ベース板2752は、所定厚さの金属板をプレス成形したものを用いた剛性の高いものとなっており、駆動プーリ2760や従動プーリ2762等がガタついたり変形したりすることなく、しっかり支持することができるようになっている。更に、上ベース板2752は、左右方向の長さが、上後レール2520bの長さよりも短い長さとされている。
本例の後横行体駆動ユニット2700は、図示するように、後下駆動ユニット2710と後上駆動ユニット2750とが、左右方向の両端に配置される左ケース部材2728、右ケース部材2768、及び左右方向の略中央に配置される支持部材2702(図99及び図100を参照)によって、上下方向に対して略平行に配置固定されている。また、後下駆動ユニット2710及び後上駆動ユニット2750における駆動プーリ2720,2760と従動プーリ2722,2762との間隔は、略同じ間隔とされており、横行体2510の左右方向の幅に対して約4倍の間隔とされていると共に、上後レール2520bの長さに対して約0.8倍の間隔とされている。
更に、後横行体駆動ユニット2700は、後下駆動ユニット2710における駆動プーリ2720が上後レール2520bの左端付近に配置されていると共に、後上駆動ユニット2750における駆動プーリ2760が上後レール2520bの右端付近に夫々配置されており、後下駆動ユニット2710と後上駆動ユニット2750とでは、横行体2510の横行範囲が左右方向の中央に対して、左側と右側とに夫々オフセットした状態となっている。つまり、後下駆動ユニット2710によって横行させられる左側の後横行体2514(2514L)は、上後レール2520bの左端から右端近傍までの間を移動することができ、後上駆動ユニット2750によって横行させられる右側の後横行体2514(2514R)は、上後レール2520bの右端から左端近傍までの間を移動することができるようになっている。
なお、本例の横行体ユニット2500における各駆動モータ2614,2654,2714,2754は、夫々回転位置を特定可能なステッピングモータとされており、周辺制御基板3100によって、回転位置、すなわち、横行体2510の横行位置(移動位置)がフィードバック制御されるようになっていると共に、各横行体2510の検知片2510kが対応する開位置センサ2810,2811,2812,2813検知されることで原点設定が行われるようになっている。
続いて、本実施形態の横行体ユニット2500における下レールユニット2800は、図92及び図93等に示すように、左右方向の長さが上前レール2520a及び上後レール2520bと略同じ長さとされ、上方及び後方が開放された箱状の下レール本体2802と、下レール本体2802内に配置されると共に、下レール本体2802の前端内側との間で横行体2510の下案内部2510dを挿入可能な隙間を形成する板状の中レール2804と、下レール本体2802の後端を閉鎖する後端部材2806と、を備えている。なお、後端部材2806は、左右方向の略中央で二つに分割された形態となっている。
また、下レールユニット2800は、下レール本体2802における底部の所定位置に、横行体ユニット2500における右側の前横行体2512が開位置の時にその検知片2510kを検知可能な前右開位置センサ2810と、左側の前横行体2512が開位置の時にその検知片2510kを検知可能な前左開位置センサ2811と、右側の後横行体2514が開位置の時にその検知片2510kを検知可能な後右開位置センサ2812と、左側の後横行体2514が開位置の時にその検知片2510kを検知可能な後左開位置センサ2813と、右側の後横行体2514が閉位置の時にその検知片2510kを検知可能な後右閉位置センサ2814と、左側の後横行体2514が閉位置の時にその検知片2510kを検知可能な後左閉位置センサ2815と、を更に備えている。
前右開位置センサ2810及び前左開位置センサ2811は、下レール本体2802の前端内側と中レール2804との間の所定位置に夫々配置されている。また、後右開位置センサ2812、後左開位置センサ2813、後右閉位置センサ2814、及び後左閉位置センサ2815は、中レール2804と後端部材2806との間の所定位置に夫々配置されている。
更に、下レールユニット2800は、前右開位置センサ2810、前左開位置センサ2811、後右開位置センサ2812、後左開位置センサ2813、後右閉位置センサ2814、後左閉位置センサ2815、及び後横行体2514における配線部材2510jが電気的に接続され、下レール本体2802の後端略中央に配置された中央中継端子板2808を更に備えている。この中央中継端子板2808によって、各センサ2810,2811,2812,2813,2814,2815等が周辺制御基板3100と接続されるようになっている。
この下レールユニット2800は、前横行体2512の下案内部2510dを、下レール本体2802の前端内側と中レール2804との間に挿入することで、前横行体2512の下端が前後方向へ移動するのを規制した状態で左右方向へ前横行体2512を案内することができるようになっている。また、この下レールユニット2800は、裏ケース2150に取付けることで、中レール2804と、裏ケース2150における開口部2152の下縁との間に、後横行体2512の下案内部2510dが挿通可能な隙間を形成することができ、而して、その隙間により、後横行体2514の下端が前後方向へ移動するのを規制した状態で左右方向へ後横行体2514を案内することができるようになっている。
本実施形態の横行体ユニット2500は、上述した構成により、各駆動モータ2614,2654,2714,2754を回転駆動させることで、各横行体2510を夫々独立して左右方向へ移動(横行)させることができるようになっている。従って、図74等にも示すように、後横行体駆動ユニット2700における二つの後横行体2514を、左右方向の略中央で互いに当接した位置にすると共に、前横行体駆動ユニット2600における二つの前横行体2512(2512R,2512L)を、正面視で後横行体2514の両端と若干重なるように、二つの後横行体2514(2514R,2514L)の左右外側に夫々位置させることにより、四つの横行体2510によって液晶表示装置640の前面側を被覆することができるようになっている。本例では、各横行体2510を上述した配置とすることで、遊技者に対して違和感の無い状態となるようになっている。また、四つの横行体2510が、液晶表示装置640の前面を被覆した状態では、後横行体2512が左右方向の中央に、前横行体2514が後横行体2514の左右方向外側に配置された状態となるので、中央に配置された横行体2510が遊技者側から遠ざかった位置となり、遊技者に対して閉塞感を与えてしまうのを抑制することができるようになっている。
また、横行体ユニット2500は、右側の前横行体2512(2512R)及び後横行体2514(2514R)を上前レール2520a及び上後レール2520bの右側端部に、左側の前横行体2512(2512L)及び後横行体2514(2514L)を上前レール2520a及び上後レール2520bの左側端部に夫々位置させることで、各横行体2510を正面視で液晶表示装置640の前面と略重ならない位置とすることができ、液晶表示装置640を遊技者に露出させることができるようになっている(図106及び図108等を参照)。
更に、この横行体ユニット2500における前横行体駆動ユニット2600では、前下駆動ユニット2610により右側の前横行体2512(2512R)が上前レール2520aの右側端部から左右方向の中央を越えて反対側(左側)へ移動することができると共に、前上駆動ユニット2650により左側の前横行体2512(2512L)が上前レール2520aの左側端部から左右方向の中央を越えて反対側(右側)へ移動することができるようになっており、液晶表示装置640の前面の広い範囲内を夫々の前横行体2512が、左右方向へ移動することができるようになっている。なお、二つの前横行体2512は、一つの上前レール2520aにより案内されているので、右側又は左側の前横行体2512が、他の前横行体2512を越えて左右方向の反対側へ移動することができないようになっている。
また、横行体ユニット2500における後横行体駆動ユニット2700でも、後下駆動ユニット2710により左側の後横行体2514(2514L)が上後レール2520bの左側端部から左右方向の中央を越えて反対側(右側)へ移動することができると共に、後上駆動ユニット2750により右側の後横行体2514(2514R)が上後レール2520bの右側端部から左右方向の中央を越えて反対側(左側)へ移動することができるようになっており、液晶表示装置640の前面の広い範囲内を夫々の後横行体2514が、左右方向へ移動することができるようになっている。なお、二つの後横行体2514は、一つの上後レール2520bにより案内されているので、右側又は左側の後横行体2514が、他の後横行体2514を越えて左右方向の反対側へ移動することができないようになっている。
なお、上述したように、各横行体2510は、左右方向へ夫々独立して移動することができるので、上述の組合せ以外でも液晶表示装置640の前面を被覆することができ(例えば、図114を参照)、横行体2510の組合せにより、遊技状態等を示唆させるようにしても良く、横行体2510の動きだけでなく、液晶表示装置640の被覆状態によっても遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
<主基板及び周辺制御基板による制御構成>
本実施形態のパチンコ機1における主基板3000及び周辺制御基板3100による詳細な制御構成について、主に図103及び図104を参照して説明する。図103は、パチンコ機における主基板周辺の制御構成を概略的に示すブロック図である。図104は、パチンコ機における周辺制御基板周辺の制御構成を概略的に示すブロック図である。なお、これらの図面において太線の矢印は電源の接続および方向を示し、細線の矢印は信号の接続および方向を示している。
本実施形態のパチンコ機1の制御は、大きく分けて主制御基板1350及び払出制御基板1186を含む主基板3000のグループと、周辺制御基板3100のグループとで分担されている。主基板3000のグループは遊技動作(入賞検出や当り判定、特別図柄表示、賞球払出等)を制御しており、周辺制御基板3100のグループは演出動作(発光装飾や可動演出、音響出力、液晶表示等)を制御している。
図103に示すように、主基板3000の主制御基板1350には、中央演算装置としてのCPU3002、読み出し専用メモリとしてのROM3004および読み書き可能メモリとしてのRAM3006を備えている。このCPU3002は、ROM3004に格納されている制御プログラムを実行することによりパチンコ機1で行われる各種遊技を制御したり、周辺制御基板3100や払出制御基板1186に出力するコマンド信号を作成したりする。また、RAM3006には、主制御基板1350で実行される種々の処理において生成される各種データや入力信号等の情報が一時的に記憶される。なお、主制御基板1350は、中継端子板625、払出制御基板1186、及び電源中継端子板3008を介して電源基板3010に接続されており、電源基板3010から作動用電力が供給されるようになっている。
この主制御基板1350の入力インタフェースには、パネル中継端子板1352を介して、ゲート入口1404へ進入した遊技球を検出するゲートセンサ3012、一般入賞口1502に入賞した遊技球を検出する一般入賞口センサ2110、第一始動口1504に入賞した遊技球を検出する第一始動口センサ2112、第二始動口1506に入賞した遊技球を検出する第二始動口センサ1522、大入賞口1510に入賞した遊技球を検出するカウントセンサ1524、ステージ始動口2220に入賞した遊技球を検出するステージ始動口センサ2114、及び、全ての入賞口に対する入賞数をカウントするための全入賞口入賞数検出センサ2520が接続されている。なお、図103での図示は省略するが、パネル中継端子板1352を介して遊技盤4に近付けられた不正な磁気を検知する磁気センサ2116も接続されている。
また、主制御基板1350の入力インタフェースには、中継端子板625を介して、遊技球を遊技領域605へ打ち込むための遊技者によって操作される操作ハンドル部461の操作状態を検出する操作センサ3016、本体枠3の開放状態を検出する本体枠開放スイッチ3018、及び扉枠5の開放状態を検出する扉枠開放スイッチ3020も接続されている。
一方、パネル中継端子板1352の出力インタフェースには、第二始動口1506を開閉可能な一対の可動片1508を開閉駆動する始動口ソレノイド1516、及び大入賞口1510を閉鎖可能な開閉片1512を開閉駆動するアタッカソレノイド1518が接続されており、主制御基板1350から駆動信号が出力されるようになっている。また、パネル中継端子板1352の出力インタフェースには、状態表示基板3022を介して、普通図柄表示器1806、第一及び第二特別図柄表示器1802,1804、普通図柄記憶数表示器1812、第一及び第二特別図柄記憶数表示器1808,1810が接続されており、主制御基板1350から、状態表示器1800に備えられた普通図柄表示器1806や第一及び第二特別図柄表示器1802,1804等へ駆動信号を出力することが可能になっている。
一方、払出制御基板1186は、中央演算装置としてのCPU3024、読み出し専用メモリとしてのROM3026および読み書き可能メモリとしてのRAM3028を備えている。そして、払出制御基板1186は、主基板1350から入力したコマンド信号を処理し、払出モータ815や、発射制御基板3030に接続された発射モータ695に対して駆動信号を出力する。これにより、払出モータ815は、駆動信号に従って遊技球を払い出し、発射モータ695は駆動信号に従って遊技球を発射させることが可能になる。
なお、払出制御基板1186には、賞球タンク720内に貯留された遊技球が無くなったことを検出する球切れスイッチ778が接続されており、この球切れスイッチ778の検出に基づいて、遊技者及びホール側(ホールコンピュータ)へ球切れの報知がなされる。また、払出制御基板1186には、皿ユニット300の貯留部381に貯留された遊技球が満タンになったことを検出する満タンスイッチ916が接続されており、この満タンスイッチ916の検出に基づいて、「遊技球を貯留部から取り出して下さい」旨の報知がなされるようになっている。
また、主制御基板1350と払出制御基板1186との間では、それぞれの入出力インタフェースを介して双方向通信が実施されており、たとえば主基板1350が賞球コマンドを送信すると、これに応えて払出制御基板1186から主制御基板1350にACK信号が返されるようになっている。
更に、主制御基板1350および払出制御基板1186には、外部端子板3032が接続されており、始動口1504,1506,2220や大入賞口1510等への入賞状態、普通図柄・特別図柄の変動状態および各抽選結果に基づく遊技状態等の各種情報が、遊技施設に設けられたホールコンピュータ等へ出力されるようになっている。
一方、周辺制御基板3100は、図104に示すように、CPU3102をはじめROM3104やRAM3106等の電子部品を有しており、これら電子部品によって所定の演出制御プログラムを実行することが可能となっている。また、周辺制御基板3100には、音声や音楽の基となる音源を記憶したROM3108と、ROM3108に記憶された音源を基に、演出内容等に応じた音声や音楽を出力する音源IC3110とが設けられている。なお、上記の主基板3000と周辺制御基板3100との間では、それぞれの入出力インタフェースと入力インタフェースとの間で一方向だけの通信が行われており、主制御基板1350から周辺制御基板3100へのコマンド送信はあっても、その逆は行われないようになっている。また、周辺制御基板3100に対しても電源中継端子板3008を介して電源基板3010から作動用電力が供給されるようになっている。
なお、本例の周辺制御基板3100は、図78に示すように、周辺制御基板ボックス2050内に封入されると共に、盤用基板ホルダ623の内部に配置されており、充分に放熱することができない虞があるので、周辺制御基板3100の電子回路を構成する電子部品のうち、複数の抵抗器を周辺制御基板3100とは分離して、放熱性を充分に確保することができる位置(裏ケース2150の後面側部)に配置するようにしており、それら複数の抵抗器を備えた抵抗基板2154が双方向に接続されている。これにより、周辺制御基板3100での温度上昇を抑制することができ、CPU3102等が熱影響を受けて遊技に係る演出制御に不具合が発生するのを防止することができるようになっている。
この周辺制御基板3100には、液晶表示装置640での演出画像の表示を制御する液晶表示制御基板3112が接続されている。この液晶表示制御基板3112には、液晶表示装置640が接続されており、液晶表示制御基板3112で周辺制御基板3100から送信されたコマンド信号を処理し、液晶表示装置640に対して駆動信号を出力する。詳しく説明すると、液晶表示制御基板3112には、CPU3114、RAM3116、ROM3118、VDP3120及び画像ROM3122が備えられている。
液晶表示制御基板3112のCPU3114は、周辺制御基板3100から送られてきたコマンド信号を、入出力インタフェースを介して受信すると共に、そのコマンドを基に演算処理を行って、VDP3120の制御を行う。RAM3116は、CPU3114の作業領域を提供すると共に、表示コマンドに含まれる情報を一時的に記憶する。また、ROM3118は、CPU3114用(表示制御用)のプログラムを保持する。
また、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)3120は、液晶表示装置640に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する描画回路である。VDP3120の内部には、レジスタが設けられており、VDP3120の動作モードや各種表示機能の設定情報等を保持しておくことが可能となっている。そして、このレジスタに保持される各種情報をCPU3114が書き換えることにより、液晶表示装置640における表示態様を種々に変化させることが可能となる。画像ROM3122は、各種の画像データを記憶する不揮発性メモリであり、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データおよび背景画像用のJPEG形式画像データ等が記憶されている。
なお、周辺制御基板3100と液晶表示制御基板3112との間では、それぞれの入出力インタフェースとの間で双方向に通信が行われる。また、液晶表示制御基板3112に対しても、周辺制御基板3100及び電源中継端子板3008を介して電源基板3010から作動用電力が供給されるようになっている。
また、周辺制御基板3100には、枠装飾中継端子板290を介して、扉枠5に備えられた扉枠装飾ランプ3124、及びスピーカ163等が接続されており、周辺制御基板3100から、これらランプやスピーカ163等に対して駆動信号が出力されるようになっている。また、周辺制御基板3100には、枠装飾中継端子板290を介して、扉枠5の前面に配置された左ボタン330a、中ボタン330b、右ボタン330cからなる操作ボタン330が夫々接続されており、各操作ボタンの操作信号が入力されるようになっている。
更に、周辺制御基板3100には、センター役物1400におけるメイン装飾体1422を発光装飾させるメイン装飾基板3126、センター役物1400における回転装飾体1424を回転させる花弁用モータ3128、回転装飾体1424を発光装飾させる回転体装飾基板1424b、アタッカユニット1500を発光装飾させるアタッカユニット装飾基板3130、サイド装飾体1600を発光装飾させるサイド装飾基板2010、及びステージ部材2200やセンター役物1400におけるサブ装飾体1426を発光装飾させるステージ装飾基板2012が接続されている。そして、周辺制御基板3100から花弁用モータ3128に対して駆動信号を出力することで、花弁用モータ3128を駆動して回転装飾体1424を回転させることができるようになっている。また、周辺制御基板3100は、各装飾基板3126,1424b,3130,2010,2012に実装されたLEDに対して駆動信号を出力することで各LEDを適宜発光駆動させて発光装飾(発光演出)させることができるようになっている。
また、周辺制御基板3100には、縦断センサ1428が双方向に接続されており、所定の遊技状態の時に縦断センサ1428の発光部1428aを発光させると共に、受光部1428bでの検知信号を受付けるようにして、遊技領域605前方の所定範囲内で、上下方向へ移動する遊技者の手等を検知することができるようになっている。
更に、周辺制御基板3100には、揺動体中継基板2340を介して揺動体ソレノイド2322、及び揺動体装飾基板2328が夫々接続されており、揺動体ソレノイド2322及び揺動体装飾基板2328へ駆動信号を出力することで、揺動体ソレノイド2322を駆動して複数の揺動体2310を揺動させたり、揺動体装飾基板2328に実装されたLEDを発光駆動して複数の揺動体2310を発光装飾させたりすることができるようになっている。
また、周辺制御基板3100には、横行体中継基板2156を介して横行体ユニット2500における前右駆動モータ2614、前左駆動モータ2654、後左駆動モータ2714、及び後右駆動モータ2754が夫々双方向接続されており、各駆動モータ2614,2654,2714,2754へ駆動信号を出力すると共に、各駆動モータ2614,2654,2714,2754のエンコーダからの回転位置情報が入力されるようになっている。これにより、各駆動モータ2614,2654,2714,2754の回転駆動をフィードバック制御して、前横行体2512や後横行体2514の横行位置(移動位置)を高精度で左右方向へ横行させることができるようになっている。
更に、周辺制御基板3100には、中央中継端子板2808を介して横行体装飾基板2511が接続されており、横行体装飾基板2511に実装されたLEDに対して駆動信号を出力することで、後横行体2514の装飾部2510hを発光装飾させることができるようになっている。また、周辺制御基板3100には、中央中継端子板2808を介して横行体ユニット2500における下レールユニット2800に配置された前右開位置センサ2810、前左開位置センサ2811、後右開位置センサ2812、後左開位置センサ2813、後右閉位置センサ2814、及び後左閉位置センサ2815が接続されており、各位置センサ2810,2811,2812,2813,2814,2815から入力された検知信号に基いて各駆動モータ2614,2654,2714,2754を制御するようになっている。
[主な演出動作]
上述した遊技盤4の構成を用いた主な演出動作について図105乃至図118を参照して説明する。図105(a)はセンター役物におけるサブ装飾体付近を拡大して示す正面図であり、(b)はサブ装飾体における表示部の表示態様を示す説明図である。図106は、横行体を全開状態とした遊技盤の正面図であり、図107は、横行体を全開状態とすると共に揺動体を露出揺動させた状態を示す遊技盤の正面図である。また、図108は、複数の横行体が液晶表示装置の前面を被覆した状態から露出(全開)した状態までの横行体の動きの一例を示す説明図であり、図109は、図108とは異なる複数の横行体により液晶表示装置の前面を被覆する動きの例を示す説明図である。また、図110は、横行体の移動可能範囲を示す説明図であり、図111は、前後方向の何れか一方の横行体が他方の横行体を追抜く動きの例を示す説明図であり、図112は、前後方向の異なる位置に配置された横行体同士がクロスするような動きの例を示す説明図である。更に、図113は、図108や図109とは異なる複数の横行体により液晶表示装置の前面を被覆する動きの例を示す説明図であり、図114は、複数の横行体により液晶表示装置の前面を被覆する更に異なる動きの例を示す説明図である。図115は、図114の(キ)の状態から液晶表示装置が全開となるまでの横行体の動きの例を示す説明図である。また、図116は、液晶表示装置の前面を被覆した状態における横行体の動きの例を示す説明図であり、図117は、二つの横行体が接した状態での動きの例を示す説明図であり、図118は、液晶表示装置の前面で三つの横行体が所定間隔で並ぶ動きの例を示す説明図である。
まず、センター役物1400におけるサブ装飾体1426の動作について説明する。センター役物1400におけるサブ装飾体1426は、図105(a)に示すように、花札を模した札部1426bを備えており、この札部1426bは、四角形の枠体1426cと、枠体1426cの枠内を閉鎖すると共に透光性を有した白色板状の表示部1426dと、表示部1426dの後側で上下方向の略中央に配置され左右方向の中央が高くなった円弧状の第一隔壁1426eと、第一隔壁1426eの上側に配置された円筒状の第二隔壁1426fとで構成されている。また、このサブ装飾体1426における札部1426bは、遊技盤4に取付けられた状態で、後側に裏ユニット2000におけるステージ装飾基板2012の一部が望むようになっている。そして、ステージ装飾基板2012に備えられた対応するLEDを適宜発光させることで、札部1426bにおける枠体1426cの内側の表示部1426dに、花札の図柄として、「柄無し」、「芒」や「芒に月」の三つの図柄を表示させることができるようになっている。
具体的には、札部1426bにおける表示部1426dの後側に配置されたステージ装飾基板2012のLEDを全て同一色に点灯、或いは、全て消灯させることで、図105
(b)の(ア)に示すような「柄無し」の札部1426bとすることができる。なお、札部1426bと対応するLEDは、白色以外に様々な色を発光可能なカラーLEDとされており、点灯させる色に応じて、白色の「柄無し」だけでなく、有色の「柄無し」とすることができ、色によって示唆するものを異ならせてより多様な演出表示をさせることができるようになっている。
一方、札部1426bにおける円弧状の第一隔壁1426eよりも下側のLEDを非点灯(消灯)とすると共に、第一隔壁1426eよりも上側のLEDを全て同一色(例えば、白色)に点灯させることで、同図(b)の(イ)に示すような「芒」の図柄を表示させることができる。更に、その状態で、第一隔壁1426eよりも上側のLEDを第二隔壁1426f内側と外側とで発光色を異ならせることで、同図(b)の(ウ)に示すような「芒に月」の図柄を表示させることができる(例えば、第二隔壁1426fの内側を白色、外側を赤色に夫々発光させる)。
このように、サブ装飾体1426における札部1426bの後側に配置されたLEDを適宜発光させることで、表示部1426dに複数種類の図柄を表示させることができるので、図柄の表示を楽しませることができると共に、遊技状態や、各始動口1504,1506,2220への遊技球の入賞による抽選結果等に応じて適宜の図柄を表示させることで、表示された図柄により遊技に対する期待感を高めることができ、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
次に、裏ユニット2000における揺動体ユニット2300の動作について説明する。この揺動体ユニット2300は、通常の遊技状態では、図106に示すように、センター役物1400におけるメイン装飾体1422の後側(直後)に位置し、遊技者側からは見辛い位置となっている。なお、図示するように、揺動体ユニット2300における揺動体2310が部分的に遊技者側から見えるようになっているので、静止している揺動体2310が所定の遊技状態になると、遊技者から良く見える位置に出てくるものと思わせることが可能となり、何時揺動体2310が動くかで揺動体2310に対して期待感を抱かせることができ、揺動体2310に注目させて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
本例の揺動体ユニット2300は、二つの揺動体2310を夫々支持した第一揺動機構2320a、第二揺動機構2320b、及び第三揺動機構2320cからなる揺動機構2320を有している。そして、遊技状態に応じて、第一揺動機構2320a、第二揺動機構2320b、及び第三揺動機構2320cに備えられた揺動体ソレノイド2322が駆動させられると、それらに支持された各揺動体2310が、メイン装飾体1422の後側から液晶表示装置640の前面側へと移動して、図107に示すように、遊技者から視認可能となる位置へ移動すると共に、各揺動体2310が夫々軸支されているので、揺動体ソレノイド2322による駆動停止後も、慣性力によって暫く揺動することとなり、揺れ動く揺動体2310によって、揺動体2310の動きをより楽しませることができるようになっていると共に、遊技者の関心を強く引き付けることができるようになっている。
続いて、裏ユニット2000における横行体ユニット2500の動作について説明する。この横行体ユニット2500は、センター役物1400の後側で且つ液晶表示装置640の前側に配置され左右方向へ横行可能な四つの横行体2510を備えている。横行体ユニット2500は、四つの横行体2510が二つずつ前後に分かれて配置されており、前側に配置された前横行体2512(前横行体右2512R、前横行体左2512L)を左右方向へ横行させる前横行体駆動ユニット2600と、前横行体2512よりも後側に配置された後横行体2514(後横行体右2514R、後横行体2514L)を左右方向へ横行させる後横行体駆動ユニット2700とを備えている。そして、各横行体2510(2512,2514)は、前横行体駆動ユニット2600及び後横行体駆動ユニット2700によって、センター役物1400の枠内よりも外側へ移動して遊技者から視認不能となる位置(視認不能領域A2)と、センター役物1400の枠内で液晶表示装置640の前面に位置して遊技者から視認可能となる位置(視認可能領域A1)との間で移動(横行)することができるようになっている。
この横行体ユニット2500における各横行体2510(2512,2514)は、例えば、図108(ア)に示すように、通常の遊技状態では、後横行体2514R,2514Lが左右方向の略中央で互いに当接する位置に配置されると共に、前横行体2512R,2512Lが後横行体2514R,2514Lの左右両側に続くような位置に配置されており、前横行体2512R,2512Lと後横行体2514R,2514Lの四つの横行体2510によって、液晶表示装置640の前面が被覆された状態、つまり、複数の横行体2510が閉じられた状態となっている。
そして、液晶表示装置640の前面が四つの横行体2510によって閉じられた状態から、まず、後横行体駆動ユニット2700の駆動モータ2714,2754を適宜方向へ回転駆動させて、左側の後横行体左2514Lを左側へ、右側の後横行体右2514Rを右側へ略同時に移動させる(同図(イ)を参照)。そして、後横行体2514R,2514Lが前横行体2512R,2512Lと略重なるように位置へ移動したら、更に、前移動体駆動ユニット2600の駆動モータ2614,2654を適宜方向へ回転駆動させ、右側の前横行体右2512Rを右側へ、左側の前横行体左2512Lを左側へ移動させる。これにより、右側及び左側の前横行体2512R,2512Lと後横行体2514R,2514Lが夫々重なった状態で、移動することとなる(同図(ウ)を参照)。
その後、各横行体2512R,2512L,2514R,2514Lの検知片2510kが、夫々の対応する開位置センサ2810,2811,2812,2813に検出されると、夫々の駆動モータ2614,2654,2714,2754を停止させる。これにより、前横行体2512R,2512L及び後横行体2514R,2514Lが、センター役物1400の枠内(視認可能領域A1)から外側へ移動して液晶表示装置640の前面と重ならない位置(視認不能領域A2)、つまり、複数の横行体2510が開かれた状態となり、液晶表示装置640の表示画面が遊技者側に対して完全に露出した(開かれた)状態となる(同図(エ)を参照)。
ところで、液晶表示装置640の前面が横行体2510によって閉じられた状態から、完全に開かれた状態となる各横行体2510の動作としては、図108に示した例の他に、例えば、図109に示す例のような動作としても良い。具体的には、図109に示すように、まず、液晶表示装置640の前面が四つの横行体2510によって閉じられた状態
(同図(ア)を参照)から各横行体駆動ユニット2600,2700の駆動モータ2614,2654,2714,2754を適宜方向へ回転駆動させて、右側の前横行体右2512R及び後横行体右2514Rを右方向へ、左側の前横行体左2512L及び後横行体左2514Lを左方向へ、略同時に移動させて、左右方向の中央から横行体2510が左右へ開くように移動させる(同図(イ)を参照)。そして、はじめに前横行体2512R,2512Lの検知片2510kが、前右開位置センサ2810及び前左開位置センサ2811によって夫々検知されると、前右駆動モータ2614及び前左駆動モータ2654を夫々停止させる(同図(ウ)を参照)。その後も後横行体2514R,2514Lを更に移動させ、後横行体2514R,2514Lの検知片2510kが、後右開位置センサ2812及び後左開位置センサ2813によって夫々検出されると、後左駆動モータ2714及び後右駆動モータ2754を夫々停止させる(同図(エ)を参照)。これによっても、前横行体2512R,2512L及び後横行体2514R,2514Lが、センター役物1400の枠内から外側へ移動して複数の横行体2510が開かれた状態となり、液晶表示装置640の表示画面が遊技者側に対して完全に露出した状態とすることができる。
なお、図示は省略するが、液晶表示装置640が露出した状態(複数の横行体2510が開かれた状態)から、横行体2510によって被覆された状態(複数の横行体2510が閉じられた状態)とする場合は、まず、はじめに後横行体2514R,2514Lを閉位置への横行を開始させ、続いて前横行体2512R,2512Lを閉位置への横行を開始させるようにしても良いし、前横行体2512R,2512Lと後横行体2514R,2514Lとを略同時に閉位置への横行を開始させるようにしても良い。
ところで、本実施形態の横行体ユニット2500は、各横行体2510が夫々独立して左右の何れかの視認不能領域A2内と視認可能領域A1との間を横行することができると共に、一方の視認不能領域A2から視認可能領域A1における左右方向中心を挟んで反対側へ横行することができるようになっている。具体的には、図110に示すように、例えば、一つの横行体2510(図では、右側の後横行体右2514R)に着目した場合、右側の視認不能領域A1内の後横行体右2514R(同図(ア)を参照)を、左方向へ移動させ(同図(イ)(ウ)を参照)、視認可能領域A1の左右方向中心を跨いで反対側にある左側の視認不能領域A2内の後横行体左2514Lの右端に当接するまで後横行体2514Rを移動させることができ(同図(エ)を参照)、上述した範囲を最大範囲として他の横行体2510も略同様の最大範囲内で移動することができるようになっている。
図111に示す例は、前後方向の異なる位置に配置された二つの横行体2510が、互いに同一方向へ移動すると共に、一方の横行体2510が他方の横行体2510に追着き追抜くような動作をする一例である。この例では、右側の視認不能領域A2に前横行体右2512R及び後横行体右2514Rが夫々配置されると共に、左側の視認不能領域A2に前横行体左25121L及び後横行体左2514Lが夫々配置された状態で、右側の視認不能領域A2から後横行体右2514Rが所定速度で左方向へ移動を開始する。そして、後横行体右2514Rの略全体が視認可能領域A1内へ入ると、前横行体右2512Rが左方向への移動を開始する(同図(ア)を参照)。この際に、前横行体右2512Rの移動速度は、後横行体右2514Rの移動速度よりも速い速度とされている(同図(イ)を参照)。
そして、上述したように、後横行体右2514Rよりも前横行体右2512Rのほうが移動速度が速いので、或る所で、後横行体右2514Rと前横行体右2512Rとが互いに前後方向に略一致した状態となり、それら横行体2514R,2512Rが瞬間的に重なった状態となる(同図(ウ)を参照)。この状態から更に、後横行体右2514R及び前横行体右2512Rが左方向へ移動し、それらの速度差によって、前横行体右2512Rが、後横行体右2514Rよりも左側へと突出して、前横行体右2512Rが後横行体右2514Rを追抜くような状態となる(同図(エ)を参照)。その後、後横行体右2514Rを追抜いた前横行体右2512Rが、左側の視認不能領域A2内に配置された前横行体左2512Lの右端に当接し、移動が停止させられるとと共に、後横行体右2514Rが先に停止した前横行体右2512Rに追着いて停止することとなる(同図(オ)を参照)。
このように、前後方向の異なる位置に配置された前横行体右2512Rが、後横行体右2514Rを追抜くような動きをさせることもでき、一方の横行体2510が他方の横行体2510を抜くことで、遊技者を驚かせて横行体2510の動きを楽しませることができると共に、遊技者に対して期待感を抱かせることができ、遊技に対する興趣を高められるようになっている。なお、この例では、前横行体右2512Rと後横行体右2514Rとを例に示したが、前横行体左2512Lと後横行体左2514Lとしても良いし、前横行体2512R,2512Lと後横行体2514R,2514Lとを夫々適宜組合せても良い。また、前横行体2512が後横行体2514を追抜くものを示したが、後横行体2514が前横行体2512を追抜くようにしても良い。
次に、図112の例は、前後方向の異なる位置に配置された二つの横行体2510が、互いに異なる方向へ移動してクロスするような動作をする一例である。詳述すると、図112に示すように、まず、右側の視認不能領域A2に前横行体右2512R及び後横行体右2514Rが夫々配置されると共に、左側の視認不能領域A2に前横行体左25121L及び後横行体左2514Lが夫々配置された状態とされ、各横行体2510が左右に開いて液晶表示装置640が完全に露出した状態となっている(同図(ア)を参照)。その状態で、左側の視認不能領域A2内の前横行体左2512Lが右方向へ、右側の視認不能領域A2の後横行体右2514Rが左方向へ、夫々略同じ速度で移動を開始する(同図(イ)を参照)。
そして、視認可能領域A1における左右方向の略中央で、前横行体左2512Lと後横行体右2514Rとが前後方向に略重なった状態(同図(ウ)を参照)となった後に、前横行体左2512Lが更に右側へ、後横行体右2514Rが更に左側へと移動して、重なった状態から離反した状態へと移行する(同図(エ)を参照)。その後、前横行体左2512Lが、右側の視認不能領域A2に配置された前横行体右2512Rの左端に当接するように移動が停止すると共に、後横行体右2514Rが、左側の視認不能領域A2に配置された後横行体左2514Lの右端に当接するように移動が停止する(同図(オ)を参照)。
このように、前後方向の異なる位置に配置された前横行体左2512Lと後横行体右2514Rとが視認可能領域A1内で、互いにクロスするような動作をさせることもでき、互いに左右方向へ離反した一方の横行体2510と他方の横行体2510とがクロスすることで、横行体2510にダイナミックな動きを付与することができ、遊技者を驚かせて楽しませることができるようになっている。
続いて、図113の例は、四つの横行体2510により液晶表示装置640の前面を被覆する(閉鎖する)動作において、上述の図108や図109とは異なる動きの例である。この例では、まず、図113(ア)に示すように、右側の視認不能領域A2内から後横行体右2514Rが、視認可能領域A1内で、左側の視認不能領域A2に配置された後横行体左2514Lの右端と略接したような状態となっている(図110(エ)と同じ状態)。この状態となってから所定時間(例えば、0.5秒〜30秒)が経過すると、後横行体右2514Rと後横行体左2514Lとが夫々同じ速度で右方向へ移動し始め、後横行体左2514Lの左枠が前横行体左2512Lの右枠と前後方向で略一致するとそれらの移動が停止する(同図(イ)を参照)。この動きにより、後横行体右2514Rと後横行体左2514Lとが互いにくっ付いたような感じで動くこととなり、後横行体右2514Rが後横行体左2514Lによって押出されているような、或いは、後横行体右2514Rが後横行体左2514Lを引っ張り出しているような動きとなっている。また、図示するように、液晶表示装置640の前面の左側半分が後横行体2514R,2514Lによって被覆された状態となる。
そして、上記の状態となってから所定時間(例えば、0.5秒〜30秒)が経過すると今度は、後横行体右2514Rと後横行体左2514L、更に、前横行体左2512Lが、夫々同時に同じ速度で右方向へ移動し始め、後横行体右2514Rと後横行体左2514Lの接する位置が、視認可能領域A1の左右方向略中央に到達するとそれらの移動が停止し、液晶表示装置640の前面の略3/4が後横行体2514R,2514Lと前横行体左2512Lによって被覆された状態となる(同図(ウ)を参照)。更に、この状態から所定時間(例えば、0.5秒〜30秒)が経過すると、右側の視認不能領域A2に配置された前横行体右2512Rが左方向への移動を開始し、前横行体右2512Rの左枠が視認可能領域A1内で停止している後横行体右2514Rの右枠と略一致すると前横行体右2512Rの移動が停止し、四つの横行体2510によって液晶表示装置640の前面が被覆(閉鎖)された状態となる(同図(エ)を参照)。
図113に示すような一連の動作によって、横行体2510が段階的に液晶表示装置640の前面を覆って行くような演出動作をすることができ、ステップアップするような横行体2510の動きによって遊技者に対して遊技に対する期待感を抱かせると共に、期待感を高揚させることができるようになっている。
次の図114の例は、四つの横行体2510により液晶表示装置640の前面を被覆する(閉鎖する)動作において、上述の例とは更に異なる動きの例である。この例では、液晶表示装置640の前面が完全に露出し、右側の視認不能領域A2に前横行体右2512Rと後横行体右2514Rが、左側の視認不能領域A2に前横行体左2512Lと後横行体左2514Lが夫々配置された状態(同図(ア)を参照)から、まず、後横行体右2514Rが左方向へと移動を開始する(同図(イ)を参照)。そして、後横行体右2514Rが、左側の視認不能領域A2に配置された後横行体左2514Lの右端と略当接するような位置へ到達すると、その移動が停止して、後横行体右2514Rが視認可能領域A1の左端に配置された状態となる(同図(ウ)を参照)。この状態は、上述の図110(エ)や図113(ア)の状態と同じ状態である。
この状態から、今度は、左側の視認不能領域A2に配置された前横行体左2512Lが、後横行体右2514Rの前側を横切るように右方向への移動を開始し(同図(エ)を参照)、前横行体左2512Lの右端が右側の視認不能領域A2に配置された前横行体右2512Rの左端と略当接ような位置に到達すると、その移動が停止して、前横行体左2512Lが視認可能領域A1の右端に配置された状態となる(同図(オ)を参照)。つまり、視認可能領域A1の左端に後横行体右2514Rが、視認可能領域A1の右端に前横行体左2512Lが夫々配置された状態となり、上述の図112(オ)と同じ状態となる。なお、上記の動作では、後横行体右2514Rと前横行体左2512Lとを時間を置いて夫々移動させるようにしているが、図112の例のように、同時に移動させて略中央でクロスさせるようにしても良い。
そして、視認可能領域A1の左右両端に後横行体右2514Rと前横行体左2512Lとが夫々配置された状態から、後横行体右2514Rと後横行体左2514Lとを同時に同じ速度で右方向へと移動を開始させ、後横行体右2514Rの右端が視認可能領域A1の左右方向略中央に到達すると、夫々の移動を停止させる(同図(カ)を参照)。その後、前横行体左2512Lと前横行体右2512Rとを同時に同じ速度で左方向へ移動させ、前横行体左2512Lの左端が、視認可能領域A1の左右方向略中央に到達してその左枠が後横行体右2514Rの右枠と略一致すると、夫々の移動を停止させ、四つの横行体2510によって液晶表示装置640の前面が完全に被覆(閉鎖)された状態となる(同図(キ)を参照)。
この例では、同図(オ)〜(キ)の動きが、横行体2510が二つずつ出現して液晶表示装置640の前面を被覆するようにしており、上述の図113の例のように横行体2510が一つずつ出現して液晶表示装置640の前面を段階的に被覆する動きと比較して、より大きな動きを表現することが可能となり、遊技者をより楽しませられるようになっている。なお、この例では、上述の図108や図113等の例とは異なり、図示するように、二つの後横行体2514が、視認可能領域A1の左右方向中央から左側に配置されると共に、二つの前横行体2512が視認可能領域A1の左右方向中央から右側に配置された状態となっており、液晶表示装置640の前面を被覆する状態が明らかに異なる状態となり、遊技者に対して特別な状態であることを認識させることができるようになっている。
続く図115の例は、上述の図114(キ)の状態から液晶表示装置640の前面を完全に露出させる動作の一例である。図115(ア)に示すように、視認可能領域A1内の左側に後横行体2514R,2514Lを、右側に前横行体2152R,2512Lを夫々配置して、液晶表示装置640の前面を完全に被覆した状態から、前横行体右2512Rと後横行体右2514Rとを、夫々略同じ速度で同時に右方向への移動を開始させると共に、前横行体左2512Lと後横行体左2514Lとを、夫々略同じ速度で同時に左方向への移動を開始させる(同図(イ)を参照)。この動きにより、前横行体右2512Rが右側の視認不能領域A2内へ、後横行体左2514Lが左側の視認不能領域A2内へと夫々進入すると共に、前横行体左2512Lと後横行体右2514Rとが視認可能領域A1内の左右方向略中央で、互いに前後方向に重なるように移動する。
そして、左方向へ移動する後横行体2514Lと、右方向へ移動する前横行体右2512Rとが、夫々左右の視認不能領域A2内へ移動すると、夫々の横行体2514L,2512Rの移動が停止する。一方、視認可能領域A1の略中央で重なった前横行体左2512Lと後横行体右2514Rとは、前横行体左2512Lが更に左方向へ、後横行体右2514Rが更に右方向へと夫々移動し(同図(ウ)を参照)、次第に、部分的に重なった状態から互いに離反した状態となる(同図(エ)を参照)。その後、前横行体左2512Lが左側の視認不能領域A2へ、後横行体右2514Rが右側の視認不能領域A2へ、夫々進入し(同図(オ)を参照)、前横行体左2512Lと後横行体右2514Rとが、夫々左右の視認不能領域A2内へ移動すると、夫々の横行体2512L,2514Rの移動が停止して、液晶表示装置640の前面が完全に露出した(開いた)状態となる(同図(カ)を参照)。
この例では、中央の二つの横行体2512Lと2514Rとがクロスしてから分れて行くことで、液晶表示装置640の前面が完全に露出した状態となるので、上述の図108等の視認可能領域A1の左右方向略中央を境として各横行体2510が左右へ分れて行くような例の動きとは全く異なる動きとなり、遊技者の関心を強く引き付けたり、楽しませたりすることができるようになっている。なお、この例では、初めに、視認可能領域A1内の左側に後横行体2514R,2514Lを、右側に前横行体2152R,2512Lを夫々配置して、液晶表示装置640の前面を完全に被覆した状態としているが、後横行体2514R,2514Lを中央から右側に、前横行体2512R,2512Lを中央から左側に夫々配置した状態としても良い。
次に、図116の例は、液晶表示装置640の前面を被覆した状態で、上述した例とは異なる各横行体の動きの例である。この例は、上述の図108(ア)等と同様に、二つの後横行体2514R,2514Lを視認可能領域A1の略中央に配置すると共に、後横行体2514R,2514Lの左右に前横行体2512L,2512Rを夫々配置して、液晶表示装置640の前面を完全に被覆した状態から開始される(同図(ア)を参照)。この状態では、図示するように、四つの横行体2510が左右方向へ互いが略接したように並んでおり、この状態で四つの横行体2510を略同じ速度で同じ方向へ同時に移動させる(同図(イ)又は(ウ)を参照)。これにより、左右方向へ並んだ四つの横行体2510が揃って同一方向へ移動することで、遊技者を驚かせることができるようになっている。また、前面が被覆された液晶表示装置640の左端のみを露出させたり、右端のみを露出させたりすることができるようになっている。
また、図117の例は、二つの横行体2510が略接した状態での動きの一例であり、ここでは二つの後横行体2514R,2514Lが互いに接した状態で説明する。同図(ア)は、左右の視認不能領域A2から後横行体左2514L及び後横行体右2514Rが、夫々右方向及び左方向へ移動し、視認可能領域A1の左右方向略中央で、夫々の後横行体2514R,2514Lが互いに接するように停止した状態であり、この状態から、二つの後横行体2514R,2514Lを、夫々略同じ速度で同一方向へ同時に移動させる
(同図(イ)又は(ウ)を参照)。これにより、二つの横行体2510がくっ付いて移動することとなり、くっ付くことで見掛けが大きくなった横行体2510が左右方向へ移動することで、遊技者の関心を強く引き付けることができるようになっている。
なお、くっ付いた二つの横行体2510を、視認可能領域A1内のみで左右方向へ移動させるようにしても良いし、少なくとも一部が視認不能領域A2内へ進入するように左右方向へ移動させるようにしても良い。また、この例では、二つの横行体2510として、二つの後横行体2514R,2514Lを用いたものを示したが、二つの前横行体2512R,2512Lとしても良いし、前横行体2512と後横行体2514を夫々一つずつ用いても良い。
更に、図118の例は、視認可能領域A1内での横行体2510の配置の一例であり、この例では、左右の前横行体2512L,2512Rを夫々視認可能領域A1内の左右両端近傍に配置した上で(同図(イ)を参照)、右側の視認不能領域A2に配置された後横行体右2514Rを視認可能領域A1の略中央に配置すると共に、前横行体2512L,2512Rと後横行体右2514Rとの左右方向の間に所定の隙を形成した状態で各横行体2510を配置したものである(同図(ウ)を参照)。この例では、視認可能領域A1内に配置された三つの横行体2512L,2512R,2514Rにより、液晶表示装置640の前面の大部分を被覆することができるようになっていると共に、三つの横行体2512L,2512R,2514Rの間の隙間から後側の液晶表示装置640が臨むようになっている。なお、詳細な図示は省略するが、三つの横行体2512L,2512R,2514Rと、三つの操作ボタン330とが互いに関連付けられるように、液晶表示装置640の表示画面における、三つの横行体2512L,2512R,2514Rと対応する位置に、夫々所定の案内をするための演出画像を表示させることで、あたかも三つの横行体2512L,2512R,2514Rに案内が表示されているようにして、三つの操作ボタン330の何れかの操作を促すことができるようになっている。
なお、詳細な図示や説明は省略するが、上述の図108乃至図118で示した横行体2510の可動演出の際に、可動する横行体5210の動きに合せて、液晶表示装置640に所定の演出画像を表示させるようになっており、横行体2510の動きだけではなく、横行体2510の動きと共に表示される演出画像によっても遊技者を楽しませることができるようになっている。
<遊技内容>
本実施形態のパチンコ機1における遊技内容について、具体的に説明する。本実施形態のパチンコ機1は、扉枠5の右下に配置された操作ハンドル部461を遊技者が回転操作することで、皿ユニット300の貯留部381に貯留された遊技球が、透明な遊技パネル599の前面に配置された遊技領域605内の上部へと打ち込まれて、遊技球による遊技が開始されるようになっている。遊技領域605内の上部へ打ち込まれた遊技球は、その打込強さによってセンター役物1400の上側の左側或いは右側の遊技領域605内を流下することとなる。なお、遊技球の打込強さは、操作ハンドル部461の回転量によって調整することができるようになっており、時計回りの方向へ回転させるほど強く打ち込むことができるようになっている。また、遊技領域605内には、適宜位置に所定のゲージ配列で複数の障害釘が遊技パネル599の前面に植設されており、遊技球がその障害釘に当接することで、遊技球の流下速度が抑制されると共に、遊技球に様々な動きが付与されて、その動きを楽しませられるようになっている。
センター役物1400の上部へ打ち込まれた遊技球が、左右方向の略中央から左側を流下してセンター役物1400の誘導棚1416へ到達すると、誘導棚1416によってセンター役物1400の左側の領域へと誘導される。そして、センター役物1400の左側を流下する遊技球が、センター役物1400の左側側面に開口したゲート入口1404に進入してゲートセンサ3012により検出されると、その検出信号に基いて主制御基板1350では、普通抽選結果としての普通乱数が発生する。そして、その普通乱数に基いて、状態表示器1800における普通図柄表示器1806の普通図柄が変動表示(一つのLEDからなる普通図柄表示器1806が、赤色と緑色とに交互に発光)され、所定時間(例えば、2秒〜30秒の間)経過後に抽出され普通乱数(普通抽選結果)に基いた普通図柄が停止表示(普通図柄表示器1806が赤色又は緑色に発光)される。この普通図柄の変動表示は、所定の普通図柄変動パターン選択テーブルから選択された普通図柄変動パターンに基いて行われるようになっている。
詳しくは、抽選された普通乱数が「普通当り」乱数の場合、当りを示唆する普通図柄で停止表示(普通図柄表示器1806が緑色に発光)され、抽選された普通乱数が「普通ハズレ」乱数の場合、ハズレを示唆する普通図柄で停止表示(普通図柄表示器1806が赤色に発光)されるようになっている。そして、当りを示唆する普通図柄が停止表示されると、第二始動口1506を閉鎖する一対の可動片1508が所定時間(例えば、0.3秒〜3秒の間)拡開して、第二始動口1506へ遊技球が入賞できるようになっている。
なお、普通図柄の変動時間や第二始動口1506における可動片1508の拡開時間については、後述する特別乱数(特別抽選結果)に応じて変化させるようにしても良く、例えば、特別乱数(特別抽選結果)として、「時短当り(普通時短当り、高確率時短当り、等を含む)」が抽出された場合に、その変動時間や拡開時間を短い時間に変更するようにしても良い。具体的には、例えば、普通図柄変動パターンを選択する普通図柄変動パターンテーブルを異なるテーブルと差替えた上で、選択させることで容易に変化させることができる。
なお、本例のパチンコ機1では、センター役物1400の上側において、左右方向中央から左側には遊技球が流下可能な領域が備えられているものの、中央から右側は遊技領域605の外周に沿って下方へ延びる円弧状の領域が備えられており、この領域に遊技球が進入するとゲート入口1404やワープ入口1410へ遊技球が進入する機会を得ることなくセンター役物1400の下側へ送られてしまい、チャンスが少なくなると共に遊技球の動きがあまり楽しめなくなるようになっている。従って、遊技者は、遊技球がセンター役物1400の上側において左右方向中央から左側の領域を流下するように、操作ハンドル部461の回転量を適宜調整して遊技することとなり、闇雲に遊技球を強く打ち込むような遊技操作を抑制して、パチンコ機1本来の操作ハンドル部461の操作による遊技を楽しませて興趣が低下するのを防止することができるようになっている。
ところで、本例では、普通図柄表示器1806において普通図柄が変動表示中に、ゲートセンサ3012で遊技球の通過が検出されると、変動中の普通図柄停止して先に発生・抽出された普通乱数の結果が確定するまでの間、ゲートセンサ3012からの検出信号に基いて抽出された普通乱数(普通図柄変動パターンを含む)を一時的に記憶してその表示を保留するようになっており、その記憶された普通乱数の数(保留数とも言う)を、普通図柄記憶数表示器1812で表示するようになっている。この普通図柄記憶数表示器1812は、二つのLEDからなっており、消灯・点灯・点滅する各LEDの発光状態の組合せによって記憶数を示唆するようになっており、本例では、四つまで記憶して表示するようになっている。なお、記憶数が四つを越えた場合は、ゲートセンサ3012の検出信号に基いて抽出された普通乱数が破棄されるようになっている。
また、遊技領域605内へ打ち込まれセンター役物1400の左側を流下した遊技球は、サイド部材1600の誘導棚1602や、アタッカユニット1500の誘導片1514によってセンター役物1400の下側で遊技領域605の中央側へ寄せられるようになっている。そして、センター役物1400の下方に配置された一般入賞口1502に遊技球が入賞して、一般入賞口センサ2110に検出されると、その検出信号に基いて主制御基板1350では払出制御基板1186に対して所定の払出コマンドを送信し、その払出コマンドに応じて払出制御基板1186が賞球ユニット800の払出モータ815を制御して所定数(例えば、10個)の遊技球が、貯留部381へ払出されるようになっている。
なお、遊技領域605内へ打ち込まれた遊技球が、一般入賞口1502、第一始動口1504、第二始動口1506、ステージ始動口2220、及び大入賞口1510の何れにも入賞しなかった場合、遊技領域605の左右方向中央下端に設けられてアウト口606から、遊技盤4の後側下方へ排出されるようになっている。また、遊技球が、一般入賞口1502、第一始動口1504、第二始動口1506、及び大入賞口1510の何れに入賞しても、入賞した遊技球は、遊技領域605内へ戻されること無く遊技盤4の後側下方へ排出されるようになっている。
一方、センター役物1400の左側を流下する遊技球が、センター役物1400の左側側面に開口するワープ入口1410へ進入すると、ワープ通路1414を介して裏ユニット2000のステージ部材2200における第一裏側転動面2202へと供給されるようになっている。そして、第一裏側転動面2202上へ供給された遊技球は、第一裏側転動面2202上を左右方向へ転動して、凹部2202bから前方へと放出されて第二裏側転動面2204上へと供給される。この第二裏側転動面2204でも遊技球が左右方向へ転動し凹部2204bから前側の役物側転動面1402上へと放出される。このステージ部材2200へ供給された遊技球が、第一裏側転動面2202における中央の凹部2202cから、その後側に配置されたステージ始動口2220へ進入してステージ始動口センサ2114されると、主制御基板1350等を介して賞球ユニット800から所定数(例えば、3個)の遊技球が、貯留部381へ払出されるようになっている。
このステージ部材2200へ供給された遊技球が可変受入口2220へ受入れられなかった場合、第二裏側転動面2204の前側に配置されたセンター役物1400の役物側転動面1402上へと供給され、役物側転動面1402上を左右方向へ転動した後に、凹部1402bから遊技領域605内へと放出される。なお、役物側転動部1402の凹部1402bは、第一始動口1504の直上(上側)に配置されており、凹部1402bから放出された遊技球が、高い確率で第一始動口1504へと受入れられるようになっている。従って、ステージ部材2200へ供給された遊技球が、ステージ始動口2220へ受入れられなかった場合でも、役物側転動部1402の凹部1402bから放出されることで、第一始動口1504へ受入れられる可能性が有り、受入れへの期待感を維持させて興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。そして、遊技球が第一始動口1504に受入れられて第一始動口センサ2112に検出されると、主制御基板1350等を介して賞球ユニット800から所定数(例えば、3個)の遊技球が、貯留部381へ払出されるようになっている。
なお、本例のパチンコ機1では、第一始動口1504、第二始動口1506、及び大入賞口1510が、上下方向に並んで配置されているので、役物側転動面1402の凹部1402bから放出される遊技球が、高い確率で第一始動口1504等に受入れられるようになっており、第二始動口1506や大入賞口1510が受入可能な時に、遊技球が放出口1420や凹部1402bから放出されると受入れられる可能性が高いので、第一始動口1504だけでなく第二始動口1506や大入賞口1510に対しても、遊技球の受入れに関する期待感を持たせて興趣を高めることができるようになっている。
ところで、遊技球がゲート入口1404へ進入してゲートセンサ3012により検出されて普通抽選結果として「普通当り」が抽選されると、上述したように、第二始動口1506を閉鎖する一対の可動片1508が所定時間拡開して入賞可能となり、その入賞可能となった時に、遊技球が第二始動口1506へ受入れられて第二始動口センサ1522に検出されると、主制御基板1350等を介して賞球ユニット800から所定数(例えば、4個)の遊技球が、貯留部381へ払出されるようになっている。
また、主制御基板1350では、これら第一始動口1504、第二始動口1506、ステージ始動口2220に遊技球が入賞して、第一始動口センサ2112、第二始動口センサ1522、ステージ始動口センサ2114に検出されると、第一始動口1504及びステージ始動口2220では所定の第一特別乱数の発生・抽出が、第二始動口1506では所定の第二特別乱数の発生・抽出が夫々行われる。そして、抽出された特別乱数に基づいて、状態表示器1800の対応する第一特別図柄表示器1802や第二特別図柄表示器1804に表示された特別図柄の変動表示が開始された後に、抽出された特別乱数と対応する特別図柄が特別抽選結果として停止表示されるようになっている。これら第一特別図柄表示器1802や第二特別図柄表示器1804において、「大当り」を示唆する態様で特別図柄が停止表示されると、アタッカユニット1500の開閉片1512が、所定のパターンで開閉動作する特別有利遊技状態(例えば、大当り遊技)が発生し、その間に大入賞口1510へ遊技球を入賞させることで、より多くの遊技球を獲得できるようになっている。なお、一つの遊技球が大入賞口1510へ入賞すると、賞球ユニット800から所定数(例えば、13個)の遊技球が貯留部381へ払い出されるようになっている。
なお、これら第一始動口1504、第二始動口1506、ステージ始動口2220においても、ゲート入口1404への遊技球の進入による普通図柄の変動表示と同様に、第一特別図柄表示器1802や第二特別図柄表示器1804において特別図柄が変動表示中、又は、特別有利遊技状態としての大当り遊技中等の特別図柄を変動表示さることができない時に、始動口1504,1506,2220へ遊技球が入賞して第一始動口センサ2112、第二始動口センサ1522、ステージ始動口センサ2114で検出されると、特別図柄の変動表示が可能となるまでの間、第一始動口センサ2112、第二始動口センサ1522、ステージ始動口センサ2114からの検出信号に基いて抽出された第一特別乱数や第二特別乱数を記憶してその表示を保留するようになっており、その記憶された特別乱数の数を、第一特別図柄記憶数表示器1808や第二特別図柄記憶数表示器1810において表示するようになっている。これら第一特別図柄記憶数表示器1808や第二特別図柄記憶数表示器1810は、夫々二つのLEDからなっており、消灯・点灯・点滅する各LEDの発光状態の組合せによって記憶数を示唆するようになっており、本例では、夫々四つまで記憶して表示するようになっている。なお、記憶数が四つを越えた場合は、抽出された特別乱数が破棄されるようになっている。
また、主制御基板1350では、第一始動口センサ2112、第二始動口センサ1522、ステージ始動口センサ2114の検出に基いて抽出された第一特別乱数や第二特別乱数の特別乱数を、予め決められた所定の乱数判定テーブル(特別図柄変動パターンテーブルとも称す)と照合することで、その特別乱数が、「ハズレ」、「小当り」、「大当り」の何れであるかが判別されると共に、「大当り」について、「2R大当り」、「5R大当り」、「15R大当り」の何れかであるかも判別されるようになっている。また、乱数判定テーブルによって、「確変時短無し当り」「確変当り」、「時短当り」、「確変時短当り」等も判別されるようになっている。
そして、第一始動口1504、第二始動口1506、ステージ始動口2220への遊技球の始動入賞を契機として抽出(抽選)された第一特別乱数や第二特別乱数が(特別抽選結果が)、「小当り」の場合、主制御基板1350は、アタッカユニット1500の開閉片1512を、所定短時間(例えば、0.2秒〜0.6秒の間)の間開状態として閉鎖する開閉パターンを複数回(例えば、2回)繰り返すようになっている。
一方、抽出された第一特別乱数や第二特別乱数が、「大当り」の場合、主制御基板1350は、アタッカユニット1500の開閉片1512を開状態とした後に、所定時間(例えば、約30秒)経過、或いは、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口1510に入賞の何れかの条件が充足すると開閉片1512を閉状態とする開閉パターン(一回の開閉パターンを1ラウンドと称す)を、所定回数(所定ラウンド数)繰り返すようになっており、「2R大当り」であれば2ラウンド、「5R大当り」であれば5ラウンド、「15R大当り」であれば15ラウンド、夫々繰り返して、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させるようになっている。なお、所定ラウンド数の終了後に、「大当り」については、抽出された特別乱数に応じて乱数判定テーブルを高確率時短テーブル等と交換するようになっている。
ところで、本実施形態のパチンコ機1では、第一始動口1504及びステージ始動口2220や第二始動口1506への遊技球の始動入賞を契機として抽出された第一特別乱数や第二特別乱数に応じて(特別抽選結果に応じて)、状態表示器1800の第一特別図柄表示器1808や第二特別図柄表示器1810が変動表示される他に、液晶表示装置640においても、特別乱数(特別抽選結果)に応じた演出画像が表示されるようになっている。具体的には、液晶表示装置640において、複数の異なる図柄からなる一連の図柄列が複数列(例えば、三列)表示された状態で各図柄列の変動表示が開始され、その後に、順次停止表示され、最終的に全ての図柄列が停止表示されると、停止表示された図柄の組合せによって抽出された特別乱数の判定結果が遊技者側に示唆されるようになっている。つまり、始動入賞による特別抽選結果に応じて、複数の図柄列が変動表示された後に特別抽選結果を示唆するように停止表示される演出画像が表示されるようになっている。なお、第一及び第二特別図柄表示器1808,1810の特別図柄よりも、液晶表示装置640に表示される図柄の方が大きく見易いため、一般的に遊技者は液晶表示装置640に表示された図柄に注目することとなる。
この複数の図柄列が変動表示する演出画像の一つとして、一つの変動する図柄列を残して停止表示された図柄の組合せが特定条件(リーチ)を充足するように表示される「リーチ演出画像」があり、この「リーチ演出画像」が表示される特別抽選結果として、「リーチ当り」、「リーチハズレ」、がある。また、「リーチ演出画像」と繋がるように表示され、リーチ表示後に、変動表示している残りの図柄列を強調して表示する「リーチ発展演出画像」もある。また、液晶表示装置640には、始動入賞に係る演出表示だけでなく、「大当り」遊技中に表示される「大当り遊技演出画像」も表示可能とされている。
なお、第一特別図柄表示器1808や第二特別図柄表示器1810での特別図柄の変動表示は、主制御基板1350によって直接制御されるようになっているのに対して(図103を参照)、液晶表示装置640での図柄の変動表示は、主制御基板1350から周辺制御基板3100へ送信される抽選結果に係るコマンドに基づいて周辺制御基板3100及び液晶表示制御基板3112によって制御されるようになっている。これにより、特に遊技者が注目する液晶表示装置640での図柄の変動表示を周辺制御基板3100等で制御するようにしているので、主制御基板1350から送信されてくる抽選結果に係る或る一つのコマンドに対して、複数の図柄の変動パターンを予め用意して液晶表示装置640における図柄の変動パターンをより多くすることができる。また、「大当り」遊技中等に表示される「大当り遊技演出画像」等も周辺制御基板3100等で制御されるようになっており、様々なパターンの演出画像が予め用意されている。これにより、主制御基板1350における演算処理の負荷を高めることなく表示される演出画像の表示パターンを増やすことができ、遊技者をより楽しませて飽きられ難いパチンコ機1とすることができるようになっている。
なお、本実施形態における横行体2510(前横行体2512、後横行体2514)が本発明の可動体に、また、本実施形態の上前レール2520a、上後レール2520b、下レールユニット2800が本発明の案内部材に、夫々相当している。また、本実施形態における前下駆動ユニット2610、前上駆動ユニット2650、後下駆動ユニット2710、後上駆動ユニット2750が、本発明の可動体駆動手段に相当している。更に、本実施形態における周辺制御基板3100において、所定のプログラムが実行されることで、本発明の移動制御手段が具現化されるようになっている。
このように、本実施形態のパチンコ機1によると、遊技者によって遊技領域605内へ打ち込まれた遊技球による遊技状況に応じて、左右方向へ夫々別々に移動可能とされた少なくとも二つの横行体2510が、正面視において可動体2510同士の間に隙間が見えない状態で互いに連結されたように、視認可能領域A1内で左右方向へ一緒に移動するので、複数の横行体2510が一丸となって動くこととなり、横行体2510が単体で動いている場合と比較して、遊技者の視界に入り易く横行体2510の動きに気付かせることができ、遊技者の関心を強く引き付けられる他のパチンコ機よりも目立ったパチンコ機1とすることができると共に、複数の横行体2510に様々な動きを付与することで可動演出をより多彩なものとすることができ、飽き難くして遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、夫々別々に移動することができる少なくとも二つの横行体2510が、互いに連結されたように左右方向へ一緒に移動するので、別々に移動する横行体2510と、連結されて一緒に移動する横行体2510との、動きや見た目のギャップを大きくすることが可能となり、横行体2510の可動演出に遊技者を注目させて可動演出を楽しませることができ、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、視認可能領域A1内において、正面視で少なくとも二つの横行体2510同士の間に隙間が見えない状態で夫々を同一方向へ移動させるようにしているので、横行体2510同士がくっ付いているように錯覚させたり、移動方向に対して後側の横行体2510が前側の横行体2510を押しているように錯覚させたりすることができ、互いに一緒になって移動する横行体2510の動きによって、遊技者に対して種々のイマジネーションを掻き立てることができると共に、複数の横行体2510による可動演出をより多彩なものとすることができ、飽き難くして遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、各横行体2510を夫々同一速度で移動させるようにしているので、例えば複数の横行体において特定の横行体のみを駆動することで他の横行体を押したり引っ張ったりするようにした場合と比較して、各横行体2510を一斉に駆動することで横行体2510を滑らかに移動させることが可能となり、横行体2510がギクシャクした動きをして遊技者に対し違和感を与えてしまうの防止することができ、違和感によって遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。また、各横行体2510を駆動するようにしており、一つの横行体2510に必要な駆動力を小さくすることが可能となって、横行体2510を移動駆動させる駆動ユニット2610,2650,2710,2750を小さくすることができるので、相対的に横行体2510を大きくしたり、横行体2510の可動範囲を広くしたりすることができ、横行体2510によるインパクトを高めて遊技者の関心を強く引き付けられるパチンコ機1とすることができる。
また、上前レール2520aや上後レール2520bを遊技パネル600の後側に配置しているので、遊技者側から上前レール2520aや上後レール2520bを見辛くすることができ、上前レール2520aや上後レール2520bが見えることでパチンコ機1の見栄えが悪くなるのを防止することができると共に、蓋然的に横行体2510が遊技パネル600の後側に配置されることとなり、遊技パネルによって横行体2510の視認可能領域A1や視認不能領域A2等を形成し易くすることができ、複数の横行体2510によるより多彩な可動演出を具現化することができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、遊技者によって遊技領域605内へ打ち込まれた遊技球による遊技状況に応じて、遊技者側から視認可能な視認可能領域A1内で、前後方向の異なる位置に配置された少なくとも二つの横行体2512,2514が、互いに異なる方向へ移動した上で、互いに離反又は略接した状態から前後方向に重なった状態となった後に互いが離反又は略接した状態となるような動きをする、つまり、横行体2512,2514同士がクロスするような動きとすることができるので、これまでのパチンコ機における可動体では成し得なかったようなダイナミックな動きによって、遊技者を驚かせたり楽しませたりすることができると共に、横行体2512,2514の可動演出の種類をより多彩なものとすることができ、横行体2512,2514の動きを飽き難くして遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、少なくとも二つの横行体2512,2514が、互いに離反又は略接した状態から前後方向に重なった状態となった後に互いに離反又は略接した状態となるので、前後方向に重なる際には横行体2512,2514の数や大きさが減って行くように見え、また、重なった横行体2512,2514同士が離反又は略接した状態となる際には横行体2512,2514の数や大きさが増えて行くように見え、横行体2512,2514の数や大きさが変化しているように錯覚させることができ、横行体2512,2514の動きをより楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、上述したように、前後方向の異なる位置に配置された少なくとも二つの横行体2512,2514が、互いにクロスするような動きをしており、互いが前後方向に重なった時には、後側の後横行体2514が前側の前横行体2512によって隠された状態となるので、後側の後横行体2514が見え隠れすることで遊技者に対して後横行体2514への関心を強く引き付けることができ、遊技者の期待感を高めたり横行体2512,2514の動きを楽しませたりして、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、前後方向の異なる位置に配置された横行体2512,2514が、互いに離反又は略接した状態から前後方向に重なった状態となった後に互いが離反又は略接した状態となる一連の動作の間は、夫々異なる一方向へのみ移動するようにしているので、横行体2512,2514同士が前後方向に重なっても夫々の横行体2512,2514の移動方向が急激に変化することがなく、横行体2512,2514にその移動方向に対して逆方向の慣性力が作用するのを防止することが可能となり、慣性力によって横行体2512,2514が揺れて不自然な動きとなるのを抑制することができ、遊技者に違和感を与えるのを防止して遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、前後方向の異なる位置に配置された少なくとも二つの横行体2510が、視認可能領域A1内で、夫々同一方向へ移動しながら、互いに離反又は略接した状態から重なった後に再び離反又は略接した状態となる動きをさせるようにしており、互いに離れていた又は略接していた横行体2510が一方の横行体2510に追い着いた後に一方の横行体2510を追抜いて他方の横行体2510が離れてい行くような動きとすることができるので、これまでのパチンコ機における可動体(横行体に相当)では成し得なかった他方の横行体2510が一方の横行体2510を追抜くような動きによって、遊技者を驚かせたり、チャンスの到来を感じさせて期待感を高めたりすることができると共に、横行体2510の可動演出をより多彩なものとすることができ、飽き難くして遊技者の興趣が低下するのを抑制することが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、前後方向の異なる位置に配置された少なくとも二つの横行体2510を、互いに離れていた又は略接していた横行体2510が、一方の横行体2510に追い着いた後に一方の横行体2510が加速して他方の横行体2510を再び引き離すような動きとすることもでき、追い着かれた一方の横行体2510が他方の横行体2510を巻き返すような動きをするので、遊技者に対して、追い着かれることで期待感を低下させた後に、巻き返すことで再び期待感を高めさせることが可能となり、抑揚のある可動演出として遊技者を楽しませることができ、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、各横行体2510を、視認可能領域A1と視認不能領域A2との間で移動させるようにしているので、横行体2510を視認不能領域A2から視認可能領域A1へ移動させたり、横行体2510を視認可能領域A1から視認不能領域A2へ移動させたりして、横行体2510を遊技者側から見えるようにしたり見えなくなるようにしたりすることができ、横行体2510の可動演出をより多彩なものとし、飽き難くして遊技者の興趣が低下するのを抑制することが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、横行体2510を、左右何れかの一方の視認不能領域A2から視認可能領域A1の左右方向中央を越えて反対側へ移動することができるようにしているので、横行体2510の移動範囲が大きくなり、視認可能領域A1の略全体を使って横行体2510同士の追抜き動作をさせることが可能となり、よりダイナミックな動きの可動演出を行うことができ、遊技者を驚かせたり楽しませたりして遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、視認可能領域A1の大きさを、遊技パネル600の左右方向の幅よりも小さく遊技領域605の幅の半分よりも大きい範囲内としているので、遊技領域605に対して視認可能領域A1を適度な大きさとすることができ、遊技領域605内において視認可能領域A1が目立ち難くなると共に、視認可能領域A1内を移動する横行体2510の大きさも相対的に小さくなり、横行体2510が目立ち難くなって可動演出を充分に楽しませられなくなるのを防止することができる。
更に、遊技パネル600の後側に前後方向へ並んで配置された上前レール2520a、上後レール2520bによって横行体2510を左右方向へ案内させるようにしているので、横行体2510を前後方向の異なる位置に配置して左右方向へ移動させることができ、上述した作用効果を確実に奏するものとすることができる。また、上前レール2520a、上後レール2520bの長さを、遊技パネル600の幅と略同じ長さとしているので、横行体2510の移動範囲を可及的に広くすることができ、横行体2510を広い範囲で案内させることでよりダイナミックな動きをさせることが可能となり、横行体2510の動きを遊技者に楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができると共に、大きく動く横行体2510によって、横行体2510や横行体2510が配置された遊技領域605内を目立たせることができ、一見して他のパチンコ機と異なる印象を遊技者に与えて遊技者の関心を強く引き付けられるパチンコ機1とすることができる。
また、横行体2510の左右方向の幅を、視認可能領域A1の左右方向の幅に対して1/2〜1/10の範囲内である約1/4の幅としており、遊技者に対して視認可能領域A1内で横行体2510全体を明確に視認させることができるので、横行体2510を見易くすることができ、横行体2510の動きを楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。また、横行体2510の大きさを視認可能領域A1の大きさに対して適度な大きさとすることができるので、上述した横行体2510による多彩な可動演出を確実に具現化することができ、可動演出を飽き難くして遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機1に適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機に、適用しても良く、この場合でも、上記と同様の作用効果を奏することができる。
1 パチンコ機
2 外枠
3 本体枠
4 遊技盤
5 扉枠
300 皿ユニット
460 ハンドル装置
461 操作ハンドル部
599 遊技パネル
599e 開口部
600 パネルホルダ
600a 保持段部
600b 貫通口
601 前構成部材
602 外レール
603 内レール
605 遊技領域
606 アウト口
610 ファール口
621 裏箱
621a 前側裏箱
621b 後側裏箱
640 液晶表示装置
1350 主制御基板
2000 裏ユニット
2500 横行体ユニット
2510 横行体(可動体)
2512 前横行体(可動体)
2512R 前横行体右
2512L 前横行体左
2514 後横行体(可動体)
2514R 後横行体右
2514L 後横行体左
2520a 上前レール(案内部材)
2520b 上後レール(案内部材)
2600 前横行体駆動ユニット
2610 前下駆動ユニット(可動体駆動手段)
2650 前上駆動ユニット(可動体駆動手段)
2700 後横行体駆動ユニット
2710 後下駆動ユニット(可動体駆動手段)
2750 後上駆動ユニット(可動体駆動手段)
2800 下レールユニット(案内部材)
3000 主基板
3100 周辺制御基板(移動制御手段)
A1 視認可能領域
A2 視認不能領域

Claims (1)

  1. 遊技者の操作によって遊技媒体が打ち込まれる遊技領域と、
    該遊技領域の後端を区画可能な板状の遊技パネルと、
    該遊技パネルの所定位置で正面視における前記遊技領域と対応する位置に遊技者側から視認可能に支持され、左右方向へ夫々移動可能とされた少なくとも二つの可動体と、
    該可動体を左右方向へ夫々別々に駆動する可動体駆動手段と、
    該可動体駆動手段を前記遊技領域内へ打ち込まれ遊技媒体に応じて制御可能とし、少なくとも二つの前記可動体が互いに連結されたような状態で夫々同一方向へ移動するように移動制御する移動制御手段とを具備することを特徴とする遊技機。
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