JP5784893B2 - 熱可塑性樹脂成形品 - Google Patents

熱可塑性樹脂成形品 Download PDF

Info

Publication number
JP5784893B2
JP5784893B2 JP2010235011A JP2010235011A JP5784893B2 JP 5784893 B2 JP5784893 B2 JP 5784893B2 JP 2010235011 A JP2010235011 A JP 2010235011A JP 2010235011 A JP2010235011 A JP 2010235011A JP 5784893 B2 JP5784893 B2 JP 5784893B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cavity
thermoplastic resin
mold
molded product
resin molded
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010235011A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012086453A (ja
Inventor
浩一郎 小田
浩一郎 小田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ono Sangyo Co Ltd
Original Assignee
Ono Sangyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ono Sangyo Co Ltd filed Critical Ono Sangyo Co Ltd
Priority to JP2010235011A priority Critical patent/JP5784893B2/ja
Publication of JP2012086453A publication Critical patent/JP2012086453A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5784893B2 publication Critical patent/JP5784893B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Description

本発明は、熱可塑性樹脂成形品に関し、更に具体的には、成形品の低光沢化や光拡散性付与に関するものである。
自動車の計器類のカバー等においては、反射による視認性の低下を防止して安全性を確保するために、低光沢の材料が利用される。通常、何ら表面処理を施していない射出成形品は光沢があり、上述した低光沢材料として利用するには不向きである。そこで、従来より、樹脂成形品を低光沢化するための各種技術が提案されている。
低光沢化の手段としては、まず、成形品の表面に塗料等を塗布して低光沢層を形成する方法がある。例えば、下記特許文献1には、ポリオレフィン系樹脂からなる被塗装物に、平均粒径が7〜30μmの硬質樹脂粒子と軟質樹脂粒子を含む艶消し塗料組成物を塗布することが開示されている。また、金型表面に微細パターンを設け、成形品に転写するナノインプリントを利用して低光沢性を付与する手法がある。該ナノインプリントを利用した樹脂成形体の製造方法及び装置としては、例えば、下記特許文献2に示す技術がある。更に、下記特許文献3及び特許文献4に示すように、射出成形用金型のキャビティ面をSC系素材で形成し、その表面部にイオン窒化処理により窒化層を形成するとともに微細な凹凸を形成することで、該凹凸を転写して射出成形品を低光沢化(低グロス化)する技術も提案されている。
特開2003−55597号公報 特開2007−283714号公報 特開平8−336842号公報 特開平9−57757号公報
しかしながら、以上のような背景技術では、次のような不都合がある。まず、特許文献1に示すような塗料を塗布する手法では、射出成形後に塗布する手間がかかるほか、環境面への影響を考慮したVOC(揮発性有機化合物)排出規制がかかってくる。また、ナノインプリントを利用した手法は、本来フィルムへの凹凸転写向きの技術であり、この技術を金型に転用すると、金型の製造コストが高くなってしまうため、射出成形には不向きである。更に、特許文献3及び特許文献4に示すイオン窒化による低光沢化では、作業工程が複雑であり、生産効率が低いという不都合がある。
本発明は、以上のような点に着目したもので、低光沢化(ないし反射防止化)され、あるいは、光拡散性が付与された熱可塑性樹脂成形品を提供することを、その目的とする。
本発明の熱可塑性樹脂成形品は、キャビティ面の少なくとも一部にシボ加工が施されており、前記キャビティ面の温度を調節するための温度調節機構を備えた射出成型用金型から得られる熱可塑性樹脂成形品であって、前記金型の型締めによって形成されたキャビティを前記温度調節機構により加熱した状態で、該キャビティに溶融状態の熱可塑性樹脂を充填し、該充填の完了後に、前記温度調節機構によって前記キャビティを冷却し、該冷却後に金型を型開きして取り出される成形品に形成されるシボ表面は、上層側ほど凹凸が小さくなる2段以上の凹凸からなり、かつ、最上層の凹凸が、微細な鋭角形状の無数の凹凸であって、前記シボ表面の3次元表面粗さパラメータにおいて、算術平均粗さSaが、1μm≦Sa≦10μmであり、表面高さ分布の偏り度Sskが、−1≦Ssk≦0、とすることで、G値が、1.0以下の低光沢性を有することを特徴とする。
主要な形態の一つは、前記シボ表面の3次元表面粗さパラメータにおいて、表面高さ分布の尖り度Skuが、3≦Sku≦8、であることを特徴とする。本発明の前記及び他の目的,特徴,利点は、以下の詳細な説明及び添付図面から明瞭になろう。
本発明によれば、キャビティ面の少なくとも一部にシボ加工が施されており、前記キャビティ面の温度を調節するための温度調節機構を備えた射出成型用金型を利用し、前記金型の型締めによって形成されたキャビティを前記温度調節機構により加熱した状態で、該キャビティに溶融状態の熱可塑性樹脂を充填し、該充填の完了後に、前記温度調節機構によって前記キャビティを冷却し、該冷却後に金型を型開きして取り出される成形品に形成されるシボ表面が、上層側ほど凹凸が小さくなる2段以上の凹凸を有し、かつ、最上層の凹凸が、微細な鋭角形状の無数の凹凸であって、前記シボ表面の3次元表面粗さパラメータにおいて、算術平均粗さSa,表面高さ分布の偏り度Sskを所定の数値範囲内とすることで、G値が、1.0以下の低光沢性を有する熱可塑性樹脂成形品を得ることができる。
本発明の実施例1の射出成形装置の主要部を示す断面図である。 前記実施例1の金型を利用して成形された熱可塑性樹脂成形品の表面の一部を拡大して示す断面図である。 前記実施例1の実験例と比較例のSEM画像及び3次元表面粗さパラメータ計測の結果を示す図である。 前記実施例1の実験例の3次元表面粗さパラメータ計測の結果を示す図である。 前記実施例1の実験例の3次元表面粗さパラメータ計測の結果を示す図である。 比較例の3次元表面粗さパラメータ計測の結果を示す図である。 比較例の3次元表面粗さパラメータ計測の結果を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態を、実施例に基づいて詳細に説明する。
最初に、図1〜図7を参照しながら、本発明の実施例1を説明する。図1は、本発明の金型を利用した射出成形装置の主要部を示す断面図,図2は、本実施例の金型を利用して成形された熱可塑性樹脂成形品の表面の一部を拡大して示す断面図である。また、図3は、本実施例の実験例と比較例のSEM画像及び3次元表面粗さパラメータ計測の結果を示す図である。図4及び図5は、本実施例の実験例の3次元表面粗さパラメータ計測の結果を示す図,図6及び図7は、比較例の3次元表面粗さパラメータ計測の結果を示す図である。図1に示す射出成形装置は、本実施例の金型10と、射出装置20と、図示しない型締機構により構成されている。前記金型10は、固定型12と、該固定型12に対して進退可能な可動型14が型締機構により開閉可能な分割構造となっている。これら固定型12と可動型14の内側には、成形材料(溶融状態の樹脂)が充填されるキャビティ16が形成される。
前記固定型12には、前記射出装置20に設けられたノズル22から供給される溶融樹脂の流入通路であるゲート18が設けられており、該ゲート18を通じて前記キャビティ16に溶融樹脂が射出充填される。また、前記固定型12と可動型14には、それぞれ、前記キャビティ16内の温度を調節するための熱媒体の流路24が複数設けられている。該流路24は、温度調節装置26に接続されており、該流路24を流れる媒体の切り替えが制御される。例えば、前記キャビティ16を加熱するときには媒体として飽和蒸気が流れ、キャビティ16を冷却するときには媒体として冷水が流れるようにするという具合である。
本実施例では、可動型14側のキャビティ面30に凹凸加工(シボ加工)が施されている。該キャビティ面30は、図1に示すように、凹凸が粗い第1のシボ加工部32上に、該第1のシボ加工部32よりも凹凸が細かい第2のシボ加工部34が形成された2段構成となっている。第2のシボ加工部34は、第1のシボ加工部32の凸部上のみでなく、凹部上にも形成されている。このようなキャビティ面30を有する金型10を利用して成形された熱可塑性樹脂成形品40に形成されるシボ表面42は、図2(A)及び(B)に示すように、凹凸が小さい上層側(表面側)の凹凸46と、該凹凸46よりも凹凸が粗い下地側の凹凸44からなる2段構成となっている。前記上層側の凹凸46は、微細な鋭角形状であって無数に形成されている。前記熱可塑性樹脂成形品40のシボ表面42の3次元表面粗さパラメータにおいて、算術平均粗さSaを、1μm≦Sa<10μmとし、表面高さ分布の偏り度Sskを、−1≦Ssk≦0とし、表面高さ分布の尖り度Skuを、3≦Sku≦8となるように設定すると、低光沢性ないし光拡散性を有する熱可塑性樹脂成形品が得られる。
更に、前記上層側の凹凸46の大きさは、高さHb及び幅Wbが、1μm≦Hb<10μm,1μm≦Wb<10μmの範囲を満たし、好ましくは、1μm≦Hb<5μm,1μm≦Wb<5μmを満たすようにするとよい。また、前記下地側の凹凸44と上層側の凹凸46の大きさは、図2(B)に示すように、上層側の鋭角状の凹凸46の高さHbと下地側の凹凸44の高さHaの比が、Ha/Hb=2〜7となり、かつ、鋭角形状の凹凸46の幅Wbと下地側の凹凸44の幅Waの比が、Wa/Wb=20〜30となるように設定される。例えば、鋭角形状の凹凸46(細かいシボ)の幅Wbが3μm,高さHbが4μmであり、下地側の凹凸44(粗いシボ)の幅Waが70μm,高さHaが13μmの場合には、前記高さの比Ha/Hbは3.25、幅の比Wa/Wbは23.33であり、上述した範囲内となる。なお、以上のようなシボ表面42の3次元表面粗さパラメータ及び鋭角形状の凹凸46の高さ及び幅の数値範囲は、後述する実験例を根拠として定めたものである。
次に、本実施例の射出成形方法を説明する。まず、図示しない型締機構により固定型12と可動型14を型締めし、温度調節装置26によって流路24に加熱用の媒体を流し、キャビティ16内を所定の温度となるように加熱する。この状態で、前記射出装置20から、前記ノズル22及びゲート18を介して、キャビティ16に溶融状態の樹脂を射出充填する。前記樹脂としては、公知の各種の熱可塑性樹脂が利用可能である。前記充填工程時に、キャビティ16を加熱しておくことにより、第1のシボ加工部32及び第2のシボ加工部34のそれぞれの凹凸の内側に隙間なく樹脂が入り込む。充填が完了したら、前記温度調節装置26により、流路24を流れる媒体を、加熱用媒体から冷却用媒体に切り替えてキャビティ16を冷却する。
冷却が完了したら、型締機構により金型10を開き、第1のシボ加工部32及び第2のシボ加工部34のパターンが転写された熱可塑性樹脂成形品40を離型する。このとき、前記充填工程において凹凸の内側に隙間なく樹脂を流し込み、その後の冷却工程によってキャビティ16を冷却しているため、良好なパターンの転写とスムースな離型が可能となる。以上のようにして形成された射出成形品の表面の一部には、上述した2段のシボ加工が転写されているため、射出成形後に追加の工程を設けることなく低光沢性が付与されている。このような低光沢性を有する成形品は、例えば、自動車の計器類のカバーとして利用することで、良好な視認性を確保することができる。
<実験例>・・・次に、図3〜図7を参照しながら、本発明の実験例について説明する。まず、図3を参照しながら、上層の凹凸46と下地側の凹凸44の寸法について検討する。図3(A)には、比較例CのSEM画像が示されており、図3(B)には、本実施例のサンプルSのSEM画像が示されている。また、図3(C)には、比較例Cの3次元表面粗さパラメータ計測の結果が示され、図3(D)には、サンプルSの3次元表面粗さパラメータ計測の結果が示されている。比較例Cは、下地側の凹凸44のみを形成した熱可塑性樹脂成形品に相当するものである。なお、3次元表面粗さパラメータ計測には、カールツァイス社製のレーザ顕微鏡「LSM5 PASCAL」を使用した。また、3次元表面粗さパラメータ計測の結果と合わせて、60°光沢を測定する光沢計であるコニカミノルタセンシング株式会社製の「UNI GLOSS60」によって測定したグロス値を示した。これらの結果を見ると、上層側の鋭角形状の凹凸46は、高さHbと幅Wbが、1μm≦Hb<10μm,1μm≦Wb<10μmの範囲を満たし、好ましくは、1μm≦Hb<5μm,1μm≦Wb<5μmを満たすようにするとよい。また、前記鋭角形状の凹凸46に対し、下地側の凹凸44の高さHbの比率が2〜7倍(Ha/Hb=2〜7であり、かつ、幅の比率が20〜30倍(Wa/Wb=20〜30)である。
次に、本実施例の加熱制御を行った実験例と、加熱制御を行わない比較例について、比較検討を行った。図4(A)〜(F)には、本実施例の射出成形方法によって加熱・冷却の制御を行って成形した熱可塑性樹脂成形品のサンプル1〜6についての3次元表面粗さパラメータ計測の結果が示され、図5(A)〜(F)には、同じくサンプル7〜12についての3次元表面粗さパラメータ計測の結果が示されている。また、図6(A)〜(F)には、温度制御をしない場合の比較例1〜6の3次元表面粗さパラメータ計測の結果が示され、図7(A)〜(F)には、同じく比較例7〜12についての3次元表面粗さパラメータ計測の結果が示されている。これらサンプル1〜12及び比較例1〜12は、いずれも下地側の凹凸と上層側の凹凸の2段の凹凸からなるシボ表面を有している。
前記サンプル1〜12については、溶融樹脂の射出充填時及び充填完了後の冷却工程におけるキャビティ16の温度を、前記温度制御装置26によって制御した。例えば、溶融樹脂としてABS樹脂を用いた場合には、射出充填時には、ABS樹脂の荷重たわみ温度以上(例えば130℃以上)とし、充填完了後の冷却工程においては、ABS樹脂の荷重たわみ温度以下(例えば40℃以下)となるように制御を行った。また、比較例1〜12については、キャビティ16の温度を50℃で一定とした。なお、前記比較例1〜12は、温度制御以外については、前記サンプル1〜12と同様の手法により成形したものとする。また、前記図4〜図7の3次元表面粗さパラメータの計測には、前記図3の3次元表面粗さパラメータ計測と同じ装置を使用し、これらの計測結果と合わせて、前記G値を示した。
まず、図4(A)〜(F)及び図5(A)〜(F)の結果を見ると、サンプル8,9,10,11でG値が0.6となっており、サンプル1,2,5,7,12でG値が0.5となっており、サンプル3,4,6,でG値が0.4となっており、全てのサンプルについてG値が1.0以下の低光沢性を示している。これらの結果を考慮すると、シボ表面42の3次元表面粗さパラメータにおいて、
算術平均粗さSaが、1μm≦Sa<10μm,
表面高さ分布の偏り度Sskが、−1≦Ssk≦0,
表面高さ分布の尖り度Skuが、3≦Sku≦8,
の範囲を満たすようにすると、低光沢性を付与できることが確認できた。前記算術平均粗さSaが10μm以上になると、凹凸による離型に問題が生じることが確認された。
これに対し、図6(A)〜(F)及び図7(A)〜(F)の結果を見ると、比較例1〜12の全てにおいてG値が1以上となっている。これは、前記表面高さ分布の偏り度Sskが0より大きくなると、表面凹凸の高さ分布が平均面に対して下側に偏っていることを表し、シボの転写が浅く表面の凹凸が下側に偏り、低光沢性が十分に発揮されていないことが確認できた。これらの結果から、前記金型10を用いた射出成形においては、射出充填時の加熱と充填完了後の冷却という温度制御により、キャビティ面30のシボ加工の転写が良好に行われることが確認された。
このように、実施例1によれば、次のような効果がある。
(1)キャビティ面30にシボ加工が施されている金型10を利用して成形した熱可塑性樹脂成形品40の表面に形成されるシボ表面42が、下層側の粗い凹凸44と、上層側の細かい鋭角形状の無数の凹凸46からなる2段構成となっており、前記シボ表面42の3次元表面粗さパラメータにおいて、算術平均粗さSa,表面高さ分布の偏り度Ssk,表面高さの尖り度Skuを所定の数値範囲内としたので、熱可塑性樹脂成形品40を低光沢化することができる。
(2)前記金型10に、キャビティ16内の温度を調節するための媒体の通路となる流路24を設け、該流路24を温度調節装置26に接続するとともに、キャビティ面30に、粗い凹凸を有する第1のシボ加工部32と設け、該第1のシボ加工部32上の全面に、該第1のシボ加工部32よりも凹凸が細かい第2のシボ加工部34を設ける。そして、射出充填時にキャビティ16を加熱して第1のシボ加工部32及び第2のシボ加工部34の凹凸の内側まで溶融樹脂を入れ込み、充填完了後はキャビティ16を冷却することとしたので、シボ加工部32,34の凹凸パターンが確実に熱可塑性樹脂成形品40に転写されるとともに、金型10からの成形品の離型をスムースに行うことができる。
なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることができる。例えば、以下のものも含まれる。
(1)前記実施例では、熱可塑性樹脂成形品40のシボ表面42を構成する下層の凹凸44は波型,上層側の細かい凹凸46は断面略3角形の鋭角形状としたが、これらの形状は一例であり、必要に応じて適宜変更してよい。また、規則的形状ではなく、ランダムな形状であってもよい。更に、凹凸44,46の寸法も一例であり、上述した範囲内であれば、必要に応じて適宜変更可能である。
(2)前記実施例では、可動型14側のキャビティ面30にのみ第1のシボ加工部32及び第2のシボ加工部34を設けることとしたが、これも一例であり、固定型12側にも設けるようにしてもよいし、キャビティ16の内面のいずれか必要な部分にのみ成形品の用途に応じて形成するようにしてよい。
(3)前記実施例では、熱可塑性樹脂成形品40のシボ表面42として、下層側の凹凸44上に上層側の凹凸46を形成した2段構造としたが、これも一例であり、3段以上の凹凸からなるシボ表面を形成してもよい。
(4)成形材料として黒色の樹脂を利用すると、上述した実施例のように低光沢性を有する成形品が得られるが、他の色の樹脂を利用してもよい。あるいは、透明の樹脂を利用することにより、転写された凹凸パターンによる光の乱反射が可能となるため、光拡散性を有する成形品として利用してもよい。光拡散性を有する成形品は、側面から入射させた光をシボ表面で拡散させることにより、例えば、導光板などの用途に適用可能である。また、上述した透明や黒色は一例であり、成形品の用途等に応じた低光沢性や光拡散性を付与することができるものであれば、他の色とすることを妨げない。
(5)前記実施例では、加熱方法として、流路24に飽和蒸気を流す方法を利用することとしたが、これも一例であり、熱媒体として飽和蒸気の他に加圧水や加熱オイルを流すようにしてもよいし、電熱ヒーターを用いる方法や誘導加熱により加熱する方法、あるいは、炎を加熱する方法を用いるようにしてもよい。更に、それらの方法を組み合わせるようにしてもよい。冷却方法についても同様に、前記実施例以外の方法を用いてよい。
(6)前記実施例で示した低光沢性の成形品の用途は一例であり、本発明は、低光沢性ないし光拡散性を有する射出成形品の成形全般に適用可能である。
本発明によれば、キャビティ面の少なくとも一部にシボ加工が施されており、前記キャビティ面の温度を調節するための温度調節機構を備えた射出成型用金型を利用し、前記金型の型締めによって形成されたキャビティを前記温度調節機構により加熱した状態で、該キャビティに溶融状態の熱可塑性樹脂を充填し、該充填の完了後に、前記温度調節機構によって前記キャビティを冷却し、該冷却後に金型を型開きして取り出される成形品に形成されるシボ表面が、上層側ほど凹凸が小さくなる2段以上の凹凸を有し、かつ、最上層の凹凸が、微細な鋭角形状の無数の凹凸であって、前記シボ表面の3次元表面粗さパラメータにおいて、算術平均粗さSa,表面高さ分布の偏り度Sskを所定の数値範囲内とすることで、G値が、1.0以下の低光沢性を有する熱可塑性樹脂成形品を得ることができる。
10:金型
12:固定型
14:可動型
16:キャビティ
18:ゲート
20:射出装置
22:ノズル
24:流路
26:温度調節装置
30:キャビティ面
32:第1のシボ加工部
34:第2のシボ加工部
40:熱可塑性樹脂成形品
42:シボ表面
44,46:凹凸
Ha,Hb:高さ
Wa,Wb:幅

Claims (2)

  1. キャビティ面の少なくとも一部にシボ加工が施されており、前記キャビティ面の温度を調節するための温度調節機構を備えた射出成型用金型から得られる熱可塑性樹脂成形品であって、
    前記金型の型締めによって形成されたキャビティを前記温度調節機構により加熱した状態で、該キャビティに溶融状態の熱可塑性樹脂を充填し、該充填の完了後に、前記温度調節機構によって前記キャビティを冷却し、該冷却後に金型を型開きして取り出される成形品に形成されるシボ表面は、
    上層側ほど凹凸が小さくなる2段以上の凹凸からなり、かつ、最上層の凹凸が、微細な鋭角形状の無数の凹凸であって、
    前記シボ表面の3次元表面粗さパラメータにおいて、
    算術平均粗さSaが、1μm≦Sa≦10μmであり、
    表面高さ分布の偏り度Sskが、−1≦Ssk≦0、
    とすることで、
    G値が、1.0以下の低光沢性を有することを特徴とする熱可塑性樹脂成形品。
  2. 前記シボ表面の3次元表面粗さパラメータにおいて、
    表面高さ分布の尖り度Skuが、3≦Sku≦8、
    であることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂成形品。
JP2010235011A 2010-10-20 2010-10-20 熱可塑性樹脂成形品 Active JP5784893B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010235011A JP5784893B2 (ja) 2010-10-20 2010-10-20 熱可塑性樹脂成形品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010235011A JP5784893B2 (ja) 2010-10-20 2010-10-20 熱可塑性樹脂成形品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012086453A JP2012086453A (ja) 2012-05-10
JP5784893B2 true JP5784893B2 (ja) 2015-09-24

Family

ID=46258606

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010235011A Active JP5784893B2 (ja) 2010-10-20 2010-10-20 熱可塑性樹脂成形品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5784893B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015085884A (ja) * 2013-11-01 2015-05-07 豊田合成株式会社 樹脂成形品
JP6581838B2 (ja) * 2015-08-07 2019-09-25 矢崎総業株式会社 車両用表示装置
JP6622076B2 (ja) * 2015-12-09 2019-12-18 矢崎総業株式会社 車両用表示装置
JP6650112B2 (ja) * 2016-04-08 2020-02-19 トヨタ紡織株式会社 成形型の製造方法
DE102016207163A1 (de) * 2016-04-27 2017-11-02 Samvardhana Motherson Innovative Autosystems B.V. & Co. KG Beschichtetes kunststoffbauteil und verfahren zur herstellung des beschichteten kunststoffbauteils
JP6494683B2 (ja) * 2016-05-17 2019-04-03 キヤノン株式会社 樹脂成形品、カメラ用交換レンズおよび樹脂成形品の製造方法
JP2017217773A (ja) * 2016-06-03 2017-12-14 小野産業株式会社 樹脂成形品とその製造方法と金型装置
US20180178418A1 (en) * 2016-12-22 2018-06-28 Canon Kabushiki Kaisha Resin molding, printer, and method for manufacturing resin molding
JP7257179B2 (ja) * 2019-02-21 2023-04-13 テクノUmg株式会社 成形品

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007203499A (ja) * 2006-01-31 2007-08-16 Kasai Kogyo Co Ltd 積層成形体の成形方法並びに成形金型
JP5157435B2 (ja) * 2007-12-28 2013-03-06 王子ホールディングス株式会社 凹凸パターンシートの製造方法、及び光学シートの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012086453A (ja) 2012-05-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5784893B2 (ja) 熱可塑性樹脂成形品
Højlund‐Nielsen et al. Plasmonic colors: toward mass production of metasurfaces
JP5865906B2 (ja) ナノ構造化または平滑ポリマー物品を製造するための方法および装置
Yao et al. Fabrication of anti-reflective structures using hot embossing with a stainless steel template irradiated by femtosecond laser
US20090305008A1 (en) Surface color patterning while drawing polymer articles
KR20180091051A (ko) 박리 웹들 및 텍스처를 가진 제품들
Oh et al. Precise nanoinjection molding through local film heating system
JP5839481B2 (ja) 車両用加飾部品の製造方法、車両用加飾部品
Do et al. Fabrication of robust superhydrophobic micro-nano hierarchical surface structure using compression molding with carbon soot nanoparticles and thermoplastic polymer
JP6037920B2 (ja) 加飾用途の成形物およびその製造方法
JPWO2016051612A1 (ja) 真空成形用シート用前駆体、真空成形用シートおよびその製造方法、ならびに成形品の製造方法
JP5396966B2 (ja) 加飾シート及び加飾樹脂成形品
JP6428582B2 (ja) 樹脂成形品の成形方法
JP5896156B2 (ja) シボ付き樹脂成形品
JP2017140702A (ja) 樹脂成形品、樹脂成形用金型、及び、樹脂成形方法
JP6350490B2 (ja) 樹脂成形品の成形方法
CN102695594A (zh) 赋型片及其制造方法
Lee et al. Temperature dependence of anti-adhesion between a stamper with sub-micron patterns and the polymer in nano-moulding processes
Wu et al. One-step fabrication of hierarchically ordered structures on photoresponsive azobenzene-containing polymers with phase masks
JP6341185B2 (ja) 樹脂成形品の成形方法及び当該成形に用いる一次成形品
Kurihara et al. Particle size and polymer formation dependence of nanostructure in antireflective surfaces by injection molding process
Hopmann et al. Replication of micro-structured injection molds using physical vapor deposition coating and dynamic laser mold tempering
JP2024042571A (ja) 立体加飾表面に低反射構造を持つ樹脂成形品、金型、樹脂成形品の製造方法及び金型の製造方法
EP3740367A1 (en) Mold for injection molding processes and molding process using the mold
JP2019025838A (ja) 加飾成形品の製造方法及び加飾成形品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130627

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140313

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140318

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140515

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150106

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150220

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150630

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150723

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5784893

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250