JP5783123B2 - 無段変速機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、無段変速機の制御装置に係り、特に、プライマリプーリとセカンダリプーリとの間に伝動ベルトを巻き掛けるベルト式の無段変速機の制御装置に関する。
車両等に用いられる無段変速機として、入力側のプライマリプーリと出力側のセカンダリプーリとの間に伝動ベルトを巻き掛け、プライマリプーリとセカンダリプーリの有効半径を変更して変速比を連続的に可変するベルト式無段変速機が用いられる。
プライマリプーリとセカンダリプーリは、固定回転体である固定シーブと、油圧等で軸方向に移動可能で固定シーブに対する間隔を変更してプーリとしての有効半径を可変する可動シーブとから構成される。そこで、変速比が与えられると、ベルト滑りが生じないように、プライマリプーリの可動シーブに対する軸方向推力であるプライマリ推力と、セカンダリプーリの可動シーブに対する軸方向推力であるセカンダリ推力とが設定される。
変速比が定常状態であるときは、プライマリ推力もセカンダリ推力も定常推力であるが、変速比が変更される過渡状態のときは、ベルト滑りを防止するために、定常推力に加えて差推力が加算される。加算される差推力は変速差推力と呼ばれる。
車両において急にアクセルペダルを踏み込むと、目標回転数が高くなるので、変速比が急変する。変速比が急変すると、変速比の単位時間当たりの変化量である変速速度が増大する。変速速度があまりにも速すぎると、変速差推力の加算が間に合わずにベルト滑りが生じ得る。
そこで、特許文献1では、ベルト式無段変速機の変速制御装置として、変速速度が予め設定された所定値以上となると、変速比を一定に維持するためのフィードバック制御における比例補正量、微分補正量、積分補正量といった補正量を、変速速度に応じて減少させ、これによって変速速度を抑制することが開示されている。
特許文献2には、車両用無段変速機の制御装置として、目標入力軸回転速度と実入力軸回転速度との回転偏差に基づくフィードバック制御に加え、目標入力軸回転速度を用いる場合よりも変速開始を早めるために、第2目標入力軸回転速度を用いてフィードフォワード制御を行うことが述べられている。
特許文献3には、自動車用無段変速機の制御装置において、セカンダリ圧調整弁とセカンダリプーリとの間の油路にオリフィスが設けられ、油圧センサがオリフィスとセカンダリ圧調整弁との間に設けられていることから、セカンダリ圧を変更して油圧センサの検出値が上昇しても、セカンダリプーリの実油圧が上昇するには遅れがあることを指摘している。そこで、変速動作が高速に切り換わっていることを含む補正条件が成立したら、目標セカンダリ圧を増大補正することが述べられている。
特開2005−273850号公報 特開2011−140995号公報 特開2007−120732号公報
変速比を変更するときに、目標変速時間と目標変速比変化量で決まる目標変速速度で変速制御を実行することになる。変速比を変更すると変速差推力が必要になるが、一般的に無段変速機の油圧には、ベルト耐久性やベルトトルク容量等で定まる上下限がある。そこで、目標変速速度が速いと、それに対応する変速差推力が油圧の上下限で制限されることが生じ得る。変速差推力が十分でないと、目標変速比と実変速比との間に乖離が生じる。
このような場合に、実変速比を目標変速比にフィードバックして乖離を是正することが可能であるが、フィードバックの制御遅れがあるために、時間がかかる。また、目標変速速度に応じて変速差推力をフィードフォワード制御で与えることで変速追従性を向上させることが可能であるが、変速差推力を大きくしていくと上記の上下限の制限に当たり、必要な変速差推力が持続できなくなり、変速が持続しなくなる。
本発明の目的は、目標変速速度に応じて変速差推力をフィードフォワード制御で与えるときに、目標変速速度に関わらず、フィードフォワード制御で変速を完了させるために必要な推力を出すことが可能な無段変速機の制御装置を提供することである。
本発明に係る無段変速機の制御装置は、プライマリプーリ、及びセカンダリプーリ、及びプライマリプーリとセカンダリプーリとの間に巻き掛けられる伝動ベルトを有し、プライマリプーリにおける入力側推力とセカンダリプーリにおける出力側推力を各々制御することで伝動ベルトの滑りを防止しつつ実変速比を目標変速比にする制御を行う無段変速機の制御装置であって、目標変速比に基づいて出力側推力と入力側推力を算出する推力算出部と、変速比が変化するときに伝動ベルトの滑りを防止するための入力側推力と出力側推力に加減される差推力である変速差推力を目標変速比に応じて算出する変速差推力算出部と、実際に出すことが可能な推力の制限値、及び無段変速機の変速特性を有する所定の制御モデルに基づいて、出力側推力の目標値と入力側推力の目標値から変速比を推定する変速比推定部と、を備え、変速差推力算出部は、目標変速時間に応じた所定の制御ゲインを目標変速比に乗じて変速差推力を算出するフィードフォワード手段であり、変速比推定部は、変速差推力算出部の目標変速比に対して推力の制限値の下で推定した変速比をフィードバックするフィードバック手段であり、所定の制御モデルは、出力側推力の目標値と入力側推力の目標値に対して適用される上下限の推力の制限値を有する推力制約モデルと、推力の制限値が適用された出力側推力の目標値と入力側推力の目標値に対して制御の1次遅れ特性を付加する1次遅れモデルと、1次遅れモデルの算出結果に、変速差推力と変速速度の間のゲインを適用して変速比を推定する無段変速機の変速特性モデルと、を含むことを特徴とする。
また、本発明に係る無段変速機の制御装置において、1つの油圧センサを用いて、プライマリプーリとセカンダリプーリの両方の推力制御を行うことが好ましい。

また、本発明に係る無段変速機の制御装置において、推力制約モデルは、伝動ベルトの耐久性または油圧制御弁のソレノイド特性に基づく上限の推力制限値と、伝動ベルトのトルク容量または指示油圧がゼロのときに残るオーバライド残圧に基づく下限の推力制限値とを含むモデルであることが好ましい。
また、本発明に係る無段変速機の制御装置において、変速差算出部における所定の制御ゲインは、変速差推力と変速速度の間のゲインと目標変速時間に基づいて設定されることが好ましい。
上記構成により、無段変速機の制御装置は、目標変速比に基づいて出力側推力と入力側推力を算出し、変速差推力を目標変速比に応じて算出し、推力の制限値を有する所定の制御モデルに基づいて変速比を推定する。そして、目標変速時間に応じた所定の制御ゲインを目標変速比に乗じて変速差推力を算出するときの目標変速比に対して推力の制限値の下で推定した変速比をフィードバックする。
このように、目標変速速度に応じて変速差推力がフィードフォワード制御で与えられ、その変速差推力を算出するときに用いられる目標変速比に対し推力の制限値の下で推定した変速比がフィードバックされる。このフィードバックによって、目標変速速度に対応する目標変速時間の間は変速制御が継続される。したがって、目標変速速度に関わらず、目標変速時間が終わるまで、フィードフォワード制御で変速を完了させるために必要な推力を出すことができる。
また、無段変速機の制御装置において、所定の制御モデルとして出力側推力の目標値と入力側推力の目標値に対して適用される上下限の推力の制限値を有する推力制約モデルを用いて変速比を推定する。この推定値をフィードバックするので、推力の制限値の下で適切な変速制御を行うことができる。
また、無段変速機の制御装置において、推力制約モデルは、伝動ベルトの耐久性または油圧制御弁のソレノイド特性に基づく上限の推力制限値と、伝動ベルトのトルク容量または指示油圧がゼロのときに残るオーバライド残圧に基づく下限の推力制限値とを含む。これによって、目標変速速度に関わらず、推力の制限値の下の変速比を適切に推定できる。
また、無段変速機の制御装置において、変速差算出部における所定の制御ゲインは、変速差推力と変速速度の間のゲインと目標変速時間に基づいて設定される。これによって、目標変速時間に応じた変速差推力をフィードフォワードで与えることができる。
本発明に係る実施の形態の無段変速機の制御装置を含む車両制御システムの構成図である。 本発明に係る実施の形態の無段変速機の制御装置の制御対象である無段変速機と油圧制御回路の構成図である。 本発明に係る実施の形態における推力算出部に関するブロック図である。 本発明に係る実施の形態において、変速比と入力側推力比の関係を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、変速速度と出力側変速差推力の関係を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、変速比と出力側推力比の関係を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、変速速度と入力側変速差推力の関係を示す図である。 本発明に係る実施の形態における変速差算出部と変速比推定部に関するブロック図である。 本発明に係る実施の形態において、入力側変速差推力から出力側変速差推力を求める変換図の例である。
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき、詳細に説明する。以下では、油圧センサとして、セカンダリプーリに供給される油圧を検出するためにのみ設けるものとするが、これは説明のための一例である。プライマリプーリに供給される油圧を検出するためにのみ油圧センサを設けてもよく、セカンダリプーリとプライマリプーリの両方に関して油圧センサを設けるものとしてもよい。
以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
図1は、車両制御システム10の構成を示す図である。車両制御システムは、エンジン12と、トルクコンバータ14と、前後進切換装置16と、無段変速機18と、油圧制御回路20と、エンジン出力制御装置30と、無段変速機の制御装置40を含んで構成される。
エンジン12は、車両の走行用の駆動力源として用いられる内燃機関である。トルクコンバータ14は、エンジン12のクランク軸に接続される流体式伝動装置である。前後進切換装置16は、トルクコンバータ14の出力側部材であるタービン軸に接続され、前進用クラッチと後進用ブレーキと遊星歯車機構を含んで構成され、前進のときは前進方向の駆動力を無段変速機18に伝達し、後進のときは後進方向の駆動力を無段変速機18に伝達する機能を有する動力伝達経路切替手段である。
無段変速機18は、有効径が可変のプライマリプーリと、有効径が可変のセカンダリプーリと、これらの間に巻き掛けられた伝動ベルトを備え、プライマリプーリとセカンダリプーリと伝動ベルトとの間の摩擦力を介して動力伝達を行う機能を有する。図1では、Continuously Variable Transmissionの略であるCVTとして、無段変速機18を示してある。
油圧制御回路20は、プライマリプーリの有効径を変更するための油圧と、セカンダリプーリの有効径を変更するための油圧を生成する機能を有する油圧回路である。無段変速機18と油圧制御回路20の詳細については図2を用いて後述する。
エンジン出力制御装置30は、図示されていないスロットルアクチュエータ、燃料噴射装置、点火装置等に制御信号を伝送して、所望のエンジン出力が得られるように制御する機能を有する。
無段変速機の制御装置40は、プライマリプーリにおける入力側推力とセカンダリプーリにおける出力側推力を各々制御することで伝動ベルトの滑りを防止しつつ実変速比を目標変速比にする制御を行う機能を有する。かかる無段変速機の制御装置40は、車両の搭載に適したコンピュータで構成することができる。
無段変速機の制御装置40は、目標変速比に基づいて出力側推力と入力側推力を算出する推力算出部42と、変速比が変化するときに伝動ベルトの滑りを防止するための入力側推力と出力側推力に加減される差推力である変速差推力を目標変速比に応じて算出する変速差推力算出部46と、実際に出すことが可能な推力の制限値、及び無段変速機の変速特性を有する所定の制御モデルに基づいて、出力側推力の目標値と入力側推力の目標値から変速比を推定する変速比推定部48を含んで構成される。
かかる機能は、ソフトウェアを実行することで実現でき、具体的には、無段変速機の制御プログラムを実行することで実現できる。これらの機能の一部をハードウェアによって実現するものとしてもよい。
図2は、無段変速機18と油圧制御回路20の詳細を示す図である。無段変速機18は、プライマリプーリ52と、セカンダリプーリ60と、伝動ベルト68を含んで構成される。
プライマリプーリ52は、前後進切換装置16の出力軸を入力軸50として、入力軸50に設けられる入力側部材としての可変プーリである。プライマリプーリ52は、入力軸50に固定された入力側固定回転体としての入力側固定シーブ54と、入力軸50に対して軸周りの相対回転は不能であるが、軸方向の移動が可能である入力側可動回転体としての入力側可動シーブ56を含んで構成される。入力側固定シーブ54と入力側可動シーブ56は、互いに向かい合った円錐状の形状を有しており、円錐の角度がシーブ角αとして図2に示されている。
プライマリ側油圧シリンダ58は、入力側固定シーブ54と入力側可動シーブ56との間のV溝幅を変更するために、入力側推力であるプライマリ推力Winを入力側可動シーブ56に付与する油圧アクチュエータである。プライマリ推力Winは、油圧制御回路20から供給されるプライマリ圧Pinに受圧面積を乗じて得られる押付力である。
セカンダリプーリ60は、車両の駆動輪側に設けられる減速装置への出力軸51に設けられる出力側部材としての可変プーリである。セカンダリプーリ60は、出力軸51に固定された出力側固定回転体としての出力側固定シーブ62と、出力軸51に対して軸周りの相対回転は不能であるが、軸方向の移動が可能である出力側可動回転体としての出力側可動シーブ64を含んで構成される。出力側固定シーブ62と出力側可動シーブ64は、入力側固定シーブ54と入力側可動シーブ56と同じシーブ角αの円錐状の形状を有している。
セカンダリ側油圧シリンダ66は、出力側固定シーブ62と出力側可動シーブ64との間のV溝幅を変更するために、出入力側推力であるセカンダリ推力Woutを出力側可動シーブ64に付与する油圧アクチュエータである。セカンダリ推力Woutは、油圧制御回路20から供給されるセカンダリ圧Poutに受圧面積を乗じて得られる押付力である。
伝動ベルト68は、プライマリプーリ52のV溝とセカンダリプーリ60のV溝との間に巻き掛けられる。そして、油圧制御回路20によって、プライマリ圧Pinとセカンダリ圧Poutがそれぞれ独立に調圧制御されることで、プライマリ推力Winとセカンダリ推力Woutがそれぞれ直接的にあるいは間接的に制御される。これによって、プライマリプーリ52のV溝幅が変化して、伝動ベルト68の掛り径である有効径Rinが変更され、セカンダリプーリ60のV溝幅が変化して、伝動ベルト68の掛り径である有効径Routが変更される。
変速比γは、(入力軸回転速度Nin/出力軸回転速度Nout)であり、(有効径Rout/有効径Rin)である。したがって、プライマリ圧Pinとセカンダリ圧Poutの制御によってプライマリ推力Winとセカンダリ推力Woutを変更することで、変速比γを連続的に変更することができると共に、伝動ベルト68が滑りを生じないように、プライマリプーリ52とセカンダリプーリ60と伝動ベルト68との間の摩擦力であるベルト挟圧力が制御される。図2では、プライマリプーリ52と伝動ベルト68との間の摩擦係数をμin、セカンダリプーリ60と伝動ベルト68との間の摩擦係数をμoutとして示した。
無段変速機18では、例えば、プライマリ圧Pinが高められると、プライマリプーリ52のV溝幅が狭くされて変速比γが小さくされる。すなわち、無段変速機18がアップシフトされる。また、プライマリ圧Pinが低められると、プライマリプーリ52のV溝幅が広くされて変速比γが大きくされる。すなわち、無段変速機18がダウンシフトされる。したがって、プライマリプーリ52のV溝幅が最小とされるところで、無段変速機18の変速比γが最小変速比となる。逆に、プライマリプーリ52のV溝幅が最大とされるところで、無段変速機18の変速比γが最大変速比となる。もっとも、プライマリ圧Pinとセカンダリ圧Poutとにより伝動ベルト68の滑りが防止されつつ、プライマリ推力Winとセカンダリ推力Woutとの相互関係によって目標変速比γ*が実現されるのであって、いずれか一方のプーリ圧あるいは推力のみで目標の変速が実現されるものではない。
油圧制御回路20は、オイルバス70、ストレーナ72、オイルポンプ74、ライン油圧調圧バルブ76、元圧リニアソレノイド弁78、モジュレータバルブ80、プライマリリニアソレノイド弁82、プライマリ圧コントロールバルブ84、セカンダリリニアソレノイド弁86、セカンダリ圧コントロールバルブ88、オリフィス90、油圧センサ94を含んで構成される。
ライン油圧調圧バルブ76はリリーフ型の油圧制御弁で、元圧リニアソレノイド弁78の出力油圧である制御油圧PSLTに基づいて、オイルポンプ74から出力される作動油圧を元圧として、エンジン負荷等に応じた値に調圧されたライン油圧PLを生成する機能を有する。制御油圧PSLTは、プライマリ圧Pinおよびセカンダリ圧Poutの高い方の油圧に所定の余裕分を加えた油圧がライン油圧PLとして得られるように設定される。
モジュレータバルブ80は、ライン油圧PLを元圧として、モジュレータ油圧PMを生成する機能を有する油圧制御弁である。モジュレータ油圧PMは、元圧リニアソレノイド弁78が出力する制御油圧PSLT、プライマリリニアソレノイド弁82が出力する制御油圧PSLP、セカンダリリニアソレノイド弁86が出力する制御油圧PSLSのそれぞれの元圧となる油圧である。
プライマリ圧コントロールバルブ84は、プライマリリニアソレノイド弁82が出力する制御油圧PSLPをパイロット圧として、ライン油圧PLをプライマリ圧Pinに調圧制御してプライマリプーリ52のプライマリ側油圧シリンダ58に供給する機能を有する。
同様に、セカンダリ圧コントロールバルブ88は、セカンダリリニアソレノイド弁86が出力する制御油圧PSLSをパイロット圧として、ライン油圧PLをセカンダリ圧Poutに調圧制御してセカンダリプーリ60のセカンダリ側油圧シリンダ66に供給する機能を有する。
オリフィス90は、フェールセーフ等を目的として、プライマリ圧コントロールバルブ84の出力側とプライマリ側油圧シリンダ58とを結ぶ油路に設けられる絞り装置である。オリフィス90を設けることで、仮に、プライマリリニアソレノイド弁82が故障しても、プライマリ側油圧シリンダ58の内圧が急減せず、これによって車両の急減速が抑制される。同様に、オリフィス92が、フェールセーフ等を目的として、セカンダリ圧コントロールバルブ88の出力側とセカンダリ側油圧シリンダ66とを結ぶ油路に設けられる。これによって、セカンダリ圧コントロールバルブ88の故障に起因するベルト滑りが防止される。
油圧センサ94は、セカンダリプーリ60に作用する実セカンダリ圧Poutを検出する圧力検出手段である。検出された実セカンダリ圧Poutは、目標セカンダリ推力Wout *に対応する目標セカンダリ圧Pout *と比較されて、実セカンダリ圧Poutを目標セカンダリ圧Pout *にするフィードバック制御が行われる。これによって、セカンダリプーリ60について、精度よくプーリ圧を制御することが可能になる。
プライマリプーリ52側には油圧センサが設けられないが、プライマリプーリ52側でもベルト滑りを起こさないことを保証するために、変速比偏差Δγに基づくフィードバック制御が実行される。Δγは、目標変速比をγ*とし、実変速比をγとして、Δγ=(γ*−γ)で与えられる。
図3は、セカンダリプーリ60側にのみ油圧センサ94が設けられる場合に、必要最小限の推力で目標の変速とベルト滑り防止とを両立させて、車両の燃費低下を抑制するための制御構造を示すブロック図である。図3において破線枠で囲んだ2つの部分は、無段変速機の制御装置40の推力算出部42の内容を示している。推力算出部42は、セカンダリプーリ60側の目標推力演算部102と、プライマリプーリ52側の目標推力演算部104で構成される。
セカンダリプーリ60側の目標推力演算部102において、セカンダリ側滑り限界推力演算のブロックは、実変速比γと無段変速機18の出力トルクTOUTに基づいてセカンダリ側の滑り限界推力Woutlmtを算出する。同様に、プライマリ側滑り限界推力演算のブロックも、実変速比γと無段変速機18の入力トルクTINに基づいてプライマリ側の滑り限界推力Winlmtを算出する。
具体的には、プライマリプーリ52の入力トルクとしての無段変速機18の入力トルクをTIN、セカンダリプーリ60の入力トルクとしての無段変速機18の出力トルクをTOUT、シーブ角をα、プライマリプーリ52と伝動ベルト68との間の摩擦係数をμin、セカンダリプーリ60と伝動ベルト68との間の摩擦係数をμout、プライマリプーリ52における伝動ベルト68の掛り径である有効径をRin、セカンダリプーリ60における伝動ベルト68の掛り径である有効径をRoutとして、次式で、セカンダリ側の滑り限界推力Woutlmtとプライマリ側の滑り限界推力Winlmtを算出する。
outlmt=(TOUT×cosα)/(2×μout×Rout
inlmt=(TIN×cosα)/(2×μin×Rin
演算されたプライマリ側の滑り限界推力Winlmtについて、加算器を用いて制御マージンWmgnが加算される。これは、油圧制御回路20等の固体差による物理特性のばらつき分を考慮するためである。物理特性のばらつきとは、後述するように、推力比τを求めるとき、差推力を求めるときに、予め事前に準備したマップ等を用いるが、そのマップは、特定の油圧制御回路20等に基づくものであるので、これらに個体差があるときは、マップに誤差が生じるためである。
セカンダリ定常推力演算のブロックは、変速比が一定の定常状態におけるセカンダリ側の推力を算出する。ここでは、プライマリ側で算出された(プライマリ側の滑り限界推力Winlmt+制御マージンWmgn)の値をセカンダリ側の値に換算する。すなわち、入力側推力比τin=(Wout/Win)を用いて、(Winlmt+Wmgn)×τinを、セカンダリ定常推力Woutblとする。
ここでは、まだWoutもWinも定まってなく、わかっているのは目標変速比γ*だけである。そこで、プライマリ側安全率SFin=(Win/Winlmt)を考慮して、目標変速比γ*から入力側推力比τinを求める。図4は、目標変速比γ*をパラメータとして、プライマリ側安全率SFinの逆数SFin -1=(Winlmt/Win)と入力側推力比τinとの関係を示すマップの一例である。図4において、SFin -1が正の値のときはプライマリプーリ52が駆動状態のとき、負の値のときはプライマリプーリ52が被駆動状態のときである。すなわち、プライマリプーリ52が被駆動状態のときは、入力トルクTINが負の値となるので、SFin -1も負の値となる。このようなマップを予め実験等で求めておき、これに基づいて、目標変速比γ*に対応する入力側推力比τinを求めることができる。
再び図3に戻り、セカンダリ換算差推力演算のブロックは、変速比が変化するときに伝動ベルト68の滑りを防止するためにセカンダリ定常推力Woutblに加算すべき差推力である出力側変速差推力ΔWoutを算出する。
変速比が変化するときは、目標変速比変化量と目標変速時間に基づいて単位時間当たりの変速比変化量である目標変速速度が算出される。目標変速速度は、単位時間当たりの変速比γの変化量Δγであるが、具体的には、伝動ベルト68のベルトエレメントであるベルトブロック1個当たりのプーリ移動量で定義することができる。ここで、単位時間当たりのプーリの軸方向移動量をdXとし、単位時間当たりにプーリに噛みこむベルトブロックの個数をdNelmとすると、目標変速速度=(dX/dNelm)である。
図5は、目標変速速度と出力側変速差推力ΔWoutの関係を示す図である。この図に示されるように、目標変速速度が大きいほど、出力側変速差推力ΔWoutは大きな値が必要となる。このようなマップを予め実験等で求めておき、これに基づいて、目標変速速度から出力側変速差推力ΔWoutを求めることができる。図5では、目標変速速度と出力側変速差推力ΔWoutの関係が直線的特性として示されるが、一般的には、目標変速速度と出力側変速差推力ΔWoutの関係は非線形で、近似的に直線的特性とできる。
再び図3に戻り、セカンダリ定常推力Woutblと出力側変速差推力ΔWoutは加算器で加算され、セカンダリ側変速制御推力=(Woutbl+ΔWout)が算出される。MAXセレクトのブロックは、セカンダリ側変速制御推力=(Woutbl+ΔWout)の値と、セカンダリ側滑り限界推力Woutlmtの間の大小を比較し、大きい方をセカンダリ目標推力Wouttgtとする。
このように、セカンダリ目標推力を単純にセカンダリ側滑り限界推力Woutlmtとせずに、プライマリ側滑り限界推力に制御マージンと差推力を考慮してセカンダリ側に換算した値と比較するのは、油圧センサ94がセカンダリ側に設けられているからである。すなわち、実セカンダリ圧Poutはフィードバック制御によって目標セカンダリ圧Pout *にすることができるので、プライマリ側の推力もセカンダリ側の推力に換算して、両者の比較で大きい方に目標セカンダリ圧を設定する。これによって、セカンダリプーリ60側の滑り限界推力を確保することは勿論のこと、プライマリプーリ52側の滑り限界推力も確保する。つまり、1つの油圧センサ94を用いて、プライマリプーリ52とセカンダリプーリ60の両方のトルク容量保証を行うことができる。
圧力変換のブロックは、セカンダリ目標推力Wouttgtをセカンダリ指示圧である目標セカンダリ圧Pout *に換算する。具体的には、セカンダリ目標推力Wouttgtをセカンダリ側油圧シリンダ66の受圧面積で除した値を目標セカンダリ圧Pout *とすることができる。
以上が、セカンダリプーリ60側の目標推力演算部102に関連する説明である。次にプライマリプーリ52側の目標推力演算部104に関連する説明を行う。
図3においてτoutのブロックは、セカンダリ目標推力Wouttgtをプライマリ定常推力に換算するために用いられる。τoutは、τinと同様に、セカンダリ側安全率SFout=(Wout/Woutlmt)を考慮して、目標変速比γ*から出力側推力比τoutを求める。図6は、図4に対応する図で、目標変速比γ*をパラメータとして、セカンダリ側安全率SFoutの逆数SFout -1=(Woutlmt/Wout)と出力側推力比τoutとの関係を示すマップの一例である。
再び図3に戻り、プライマリ定常推力演算のブロックは、Wouttgtをτoutで除して、プライマリ定常推力Winblを算出する。
プライマリ換算差出力演算のブロックは、変速比が変化するときに伝動ベルト68の滑りを防止するためにプライマリ定常推力Winblに加算すべき差推力である入力側変速差推力ΔWinを算出する。ここでは、セカンダリ換算差出力演算と同様に、目標変速速度から入力側変速差推力ΔWinを求めることができる。図7は、図5に対応する図である。
変速速度が遅いときは、図7のマップを用いて目標変速速度から入力側変速差推力ΔWinを算出する方法でも十分であるが、変速速度が速い場合には、プライマリ圧Pinが元々有している上下限の限界に基づくプライマリ推力Winの制限に当たってしまって、入力側変速差推力ΔWinを確保できないことが生じ得る。この課題に対する対応については、図8を用いて後述する。すなわち、変速速度に関わりない変速制御を行うためには、図7をそのまま用いるのではなく、後述の図8の制御を用いる。
プライマリ定常推力Winblと入力側変速差推力ΔWinは加算器で加算され、プライマリFF目標推力Wintgtffが算出される。FFは、フィードフォワードを示し、ここでは、目標変速速度に応じて変速差推力が算出されて、プライマリFF目標推力Wintgtffにフィードフォワードされることを示している。
FB制御量演算のブロックは、実変速比γを目標変速比γ*と一致させるためのフィードバック制御量であるプライマリFB目標推力Wintgtfbを算出する。これは、プライマリ側に油圧センサが設けられないことから、変速比のフィードバック制御によって、プライマリ推力を適切なものとするためである。
具体的には、PID制御を用いて、Wintgtfb=KP×Δγ+KI×(Δγの積分)+KD×(Δγの微分)で算出が行われる。ここで、KP,KI,KDは、それぞれ定数である。
プライマリFF目標推力WintgtffとプライマリFB目標推力Wintgtfbは加算器で加算され、プライマリ目標推力Wintgtが算出される。
圧力変換のブロックは、プライマリ目標推力Wintgtをプライマリ指示圧である目標プライマリ圧Pin *に換算する。具体的には、プライマリ目標推力Wintgtをプライマリ側油圧シリンダ58の受圧面積で除した値を目標プライマリ圧Pin *とすることができる。
以上が、プライマリプーリ52側の目標推力演算部104に関連する説明である。次に、変速速度に関わりない変速制御を行うための変速差推力の算出について図8を用いて説明する。図8は、目標変速比γ*から入力側変速差推力ΔWinを算出する制御を示すブロック図である。この制御は、無段変速機の制御装置40の変速差推力算出部46と、変速比推定部48の機能によって実行される。
変速差推力算出部46は、入力側変速差推力ΔWinを目標変速比γ*に応じて算出する。具体的には、目標変速時間に応じた所定の制御ゲインkを目標変速比γ*に乗じて入力側変速差推力ΔWinを算出することができる。所定の制御ゲインkは、入力側変速差推力ΔWinと変速速度の間のゲインと目標変速時間に基づいて設定される。入力側変速差推力ΔWinと変速速度の間のゲインは、図7に示される目標変速速度に対する入力側変速差推力ΔWinの傾きである。
図8に示されるように、変速差推力算出部46は、所定の制御ゲインkを目標変速比γ*に乗じて入力側変速差推力ΔWinを算出するフィードフォワード手段である。図8では、フィードフォワード経路112が示されている。
変速比推定部48は、実際に出すことが可能な推力の制限値、及び無段変速機18の変速特性を有する所定の制御モデルに基づいて、出力側推力の目標値であるセカンダリ目標推力Wouttgtと、入力側推力の目標値であるプライマリFF目標推力Wintgtffからモデル変速比を推定する。変速比推定部48は、フィードフォワード手段である変速差推力算出部46によって算出された入力側変速差推力ΔWinを入力とし、推定されたモデル変速比を推定変速比として、目標変速比γ*に対し出力するフィードバック手段である。図8では、フィードバックループ114が示されている。
変速比推定部48は、3つのモデルから構成される。1つは、推力制約モデル106であり、2つ目は、1次遅れモデル108であり、3つ目は、無段変速機18の変速特性モデル110である。
推力制約モデル106は、出力側推力の目標値であるセカンダリ目標推力Wouttgtと、入力側推力の目標値であるプライマリFF目標推力Wintgtffに対してそれぞれ適用される上下限の推力の制限値を有するモデルである。この推力制約モデル106を用いることで、セカンダリ目標推力Wouttgtの上下限が制限されて保護され、プライマリFF目標推力Wintgtffの上下限が制限されて保護される。推力制約モデル106の出力は、上下限が制約された後のセカンダリ目標推力Wouttgtの値とプライマリFF目標推力Wintgtffの値である。
推力制約モデル106において、上限の推力制限値の例は、伝動ベルト68の耐久性に基づく上限値、または油圧制御弁である元圧リニアソレノイド弁78、プライマリリニアソレノイド弁82、セカンダリリニアソレノイド弁86等のソレノイド特性に基づく上限値である。下限の推力制限値の例は、伝動ベルト68のトルク容量に基づく下限値、または指示油圧がゼロのときに残るオーバライド残圧に基づく下限値である。
1次遅れモデル108は、推力制約モデル106の2つの出力値に対してそれぞれ適用される油圧制御回路20等における油圧の応答遅れ特性を有するモデルである。例えば、ライン油圧調圧バルブ76、モジュレータバルブ80、プライマリ圧コントロールバルブ84、セカンダリ圧コントロールバルブ88等における入力油圧に対する出力油圧の応答遅れが1次遅れモデルとして表される。1次遅れモデル108の出力は、上下限が制約された後のセカンダリ目標推力Wouttgtの値とプライマリFF目標推力Wintgtffの値のそれぞれに対し、応答遅れが付与された値である。
無段変速機18の変速特性モデル110は、1次遅れモデル108の出力に対し、変速差推力と変速速度の間のゲインを適用し、変速比を推定して、モデル変速比として出力する。
具体的には、1次遅れモデル108の2つの出力の中のセカンダリ目標推力Wouttgtに対応する値を出力側推力比τoutで除してプライマリ側推力に変換し、その値から1次遅れモデル108の2つの出力の中のプライマリFF目標推力Wintgtffに対応する値を減算する。これによって、セカンダリプーリ60におけるベルト挟圧とプライマリプーリ52におけるベルト挟圧の差が求められる。この量の次元は推力である。
これに、図8でmとして示されるゲインを乗じて、変速速度の次元の量を求める。ゲインmとしては、入力側変速差推力ΔWinと変速速度の間のゲインを用いることができる。入力側変速差推力ΔWinと変速速度の間のゲインは、図7に示される目標変速速度に対する入力側変速差推力ΔWinの傾きである。
このようにして得られる変速速度の次元の量を時間で積分することで、変速比の次元となる。これをモデル変速比として、推力制約モデル106と1次遅れモデル108と無段変速機18の変速特性モデル110によって推定された変速比とする。推定された変速比は、変速差推力算出部46の目標変速比γ*にフィードバックされる。
このようにして、目標変速比γ*から入力側変速差推力ΔWinが算出される。入力側変速差推力ΔWinと出力側変速差推力ΔWinの間の関係は図5と図7から求められる。その例を図9に示す。図9のような変換図等を用いて、入力側変速差推力ΔWinに対応する出力側変速差推力ΔWoutが算出される。
図8の構成を用いることで、まず、目標変速比に応じて変速差推力をフィードフォワード制御で与えることができる。これによって、変速速度が速いときでも、フィードバック制御に比較して、追従性を向上させることができる。次に、変速速度が速い場合に変速差推力を大きくしようとして、推力の上下限に当たる場合でも、推力制約モデル106と1次遅れモデル108と無段変速機18の変速特性モデル110によって推定された変速比がフィードフォワード制御に対しフィードバックされる。
フィードバックによって戻された推定変速比が目標変速比γ*と一致するまで、フィードバック制御は継続する。したがって、目標変速速度が遅くて推力制限を受けないときは勿論、目標変速速度が速くて勢力制限を受けるときでも、フィードフォワード制御で変速を完了させるために必要な推力を継続して出すことが可能となる。これにより、目標変速速度に応じて変速差推力をフィードフォワード制御で与える場合に、従来の課題であった目標変速速度が大きい領域での変速持続性が保証される。
本発明に係る無段変速機の制御装置は、車両に搭載されるベルト式無段変速機に利用できる。
10 車両制御システム、12 エンジン、14 トルクコンバータ、16 前後進切換装置、18 無段変速機、20 油圧制御回路、30 エンジン出力制御装置、40 制御装置、42 推力算出部、46 変速差推力算出部、48 変速比推定部、50 入力軸、51 出力軸、52 プライマリプーリ、54 入力側固定シーブ、56 入力側可動シーブ、58 プライマリ側油圧シリンダ、60 セカンダリプーリ、62 出力側固定シーブ、64 出力側可動シーブ、66 セカンダリ側油圧シリンダ、68 伝動ベルト、70 オイルバス、72 ストレーナ、74 オイルポンプ、76 ライン油圧調圧バルブ、78 元圧リニアソレノイド弁、80 モジュレータバルブ、82 プライマリリニアソレノイド弁、84 プライマリ圧コントロールバルブ、86 セカンダリリニアソレノイド弁、88 セカンダリ圧コントロールバルブ、90,92 オリフィス、94 油圧センサ、102 セカンダリ目標推力演算部、104 プライマリ目標推力演算部、106 推力制約モデル、108 1次遅れモデル、110 変速特性モデル、112 フィードフォワード経路、114 フィードバックループ。

Claims (4)

  1. プライマリプーリ、及びセカンダリプーリ、及びプライマリプーリとセカンダリプーリとの間に巻き掛けられる伝動ベルトを有し、プライマリプーリにおける入力側推力とセカンダリプーリにおける出力側推力を各々制御することで伝動ベルトの滑りを防止しつつ実変速比を目標変速比にする制御を行う無段変速機の制御装置であって、
    目標変速比に基づいて出力側推力と入力側推力を算出する推力算出部と、
    変速比が変化するときに伝動ベルトの滑りを防止するための入力側推力と出力側推力に加減される差推力である変速差推力を目標変速比に応じて算出する変速差推力算出部と、
    実際に出すことが可能な推力の制限値、及び無段変速機の変速特性を有する所定の制御モデルに基づいて、出力側推力の目標値と入力側推力の目標値から変速比を推定する変速比推定部と、
    を備え、
    変速差推力算出部は、目標変速時間に応じた所定の制御ゲインを目標変速比に乗じて変速差推力を算出するフィードフォワード手段であり、
    変速比推定部は、変速差推力算出部の目標変速比に対して推力の制限値の下で推定した変速比をフィードバックするフィードバック手段であり、
    所定の制御モデルは、
    出力側推力の目標値と入力側推力の目標値に対して適用される上下限の推力の制限値を有する推力制約モデルと、
    推力の制限値が適用された出力側推力の目標値と入力側推力の目標値に対して制御の1次遅れ特性を付加する1次遅れモデルと、
    1次遅れモデルの算出結果に、変速差推力と変速速度の間のゲインを適用して変速比を推定する無段変速機の変速特性モデルと、
    を含むことを特徴とする無段変速機の制御装置。
  2. 請求項1に記載の無段変速機の制御装置において、
    1つの油圧センサを用いてプライマリプーリとセカンダリプーリの両方の推力制御を行うことを特徴とする無段変速機の制御装置。
  3. 請求項に記載の無段変速機の制御装置において、
    推力制約モデルは、
    伝動ベルトの耐久性または油圧制御弁のソレノイド特性に基づく上限の推力制限値と、伝動ベルトのトルク容量または指示油圧がゼロのときに残るオーバライド残圧に基づく下限の推力制限値とを含むモデルであることを特徴とする無段変速機の制御装置。
  4. 請求項に記載の無段変速機の制御装置において、
    変速差算出部における所定の制御ゲインは、変速差推力と変速速度の間のゲインと目標変速時間に基づいて設定されることを特徴とする無段変速機の制御装置。
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