JP2019183856A - 無段変速機の制御装置 - Google Patents

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邦雄 服部
拓郎 嶋津
Takuro Shimazu
拓郎 嶋津
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麻実 藤田
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Abstract

【課題】目標変速速度が小さい場合に、変速応答性が過剰に高くなることによるドライバビリティの低下を抑制することができる無段変速機の制御装置を提供すること。【解決手段】駆動側プーリと、従動側プーリと、駆動側プーリと従動側プーリとに巻き掛けられた伝動ベルトと、を備えた無段変速機の制御装置であって、目標変速速度に応じて変速差推力をフィードフォワード制御で設定するものであり、目標変速速度が所定値未満の時は、実際に必要な変速差推力よりも小さく設定し、目標変速速度が所定値以上の時は、実際に必要な変速差推力となるように設定した、フィードフォワード制御を行う。【選択図】図4

Description

本発明は、無段変速機の制御装置に関する。
特許文献1には、無段変速機の制御装置において、目標変速速度に応じて変速差推力(過渡推力)をフィードフォワード制御で設定するときに、目標変速速度によらず、変速応答性を決める制御ゲインが一定であることが開示されている。
国際公開第12/026043号
しかしながら、目標変速速度によらず変速応答性を決める制御ゲインが一定であるため、目標変速速度が低い場合にも、目標変速速度が高い場合と同じ制御ゲインにて制御を行っているため、変速差推力が過敏に反応し、ドライバビリティが低下するといった問題が生じる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、変速応答性の確保とドライバビリティの低下抑制とを両立することができる無段変速機の制御装置を提供することである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る無段変速機の制御装置は、駆動側プーリと、従動側プーリと、前記駆動側プーリと前記従動側プーリとに巻き掛けられた伝動ベルトと、を備えた無段変速機の制御装置であって、目標変速速度に応じて変速差推力をフィードフォワード制御で設定するものであり、前記目標変速速度が所定値未満の時は、実際に必要な前記変速差推力よりも小さく設定し、前記目標変速速度が所定値以上の時は、実際に必要な前記変速差推力となるように設定した、フィードフォワード制御を行うことを特徴とするものである。
本発明に係る無段変速機の制御装置は、目標変速速度が所定値未満の時は、実際に必要な変速差推力よりも小さく設定し、目標変速速度が所定値以上の時は、実際に必要な変速差推力となるように設定した、フィードフォワード制御を行うことによって、目標変速速度が小さい場合に変速応答性が過剰に高くなるのが抑えられ、変速応答性の確保とドライバビリティの低下抑制とを両立することができるという効果を奏する。
図1は、実施形態に係る動力伝達装置を備えた車両の一例を示すスケルトン図である。 図2は、エンジンや無段変速機などを制御するために車両に設けられた制御系統の要部を説明するブロック線図である。 図3は、セカンダリプーリ側にのみセカンダリ圧センサが備えられている場合に、必要最小限の推力で目標の変速とベルト滑り防止とを両立するための制御構造を示すブロック図である。 図4は、目標変速比からプライマリ変速差推力を算出する制御を示すブロック図である。 図5は、プライマリ側目標変速速度と制御ゲインk2との関係を示したグラフである。 図6は、ダウンシフト時の変速差推力特性を示したグラフである。 図7は、プライマリ側目標変速速度と非線形特性との関係を示したグラフである。 図8は、プライマリ側目標変速速度とプライマリ変速差推力との関係を示したグラフである。
以下に、本発明に係る無段変速機の制御装置の一実施形態について説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
図1は、実施形態に係る動力伝達装置100を備えた車両Veの一例を示すスケルトン図である。図1に示すように、車両Veは、動力源としてエンジン1と動力伝達装置100とを備える。エンジン1はエンジン回転数Neに応じて所定の動力を出力する。エンジン1から出力された動力は、動力伝達装置100を構成する、トルクコンバータ2、入力軸3、前後進切替機構4、ベルト式の無段変速機5またはギヤ機構6、出力軸7、カウンタギヤ機構8、デファレンシャルギヤ9、及び、駆動軸10を介して、駆動輪11に伝達される。無段変速機5の下流側には、エンジン1を駆動輪11から切り離すためのクラッチとしてクラッチC2が設けられている。クラッチC2を解放させることによって、無段変速機5と出力軸7との間がトルク伝達不能に遮断され、エンジン1に加え無段変速機5が駆動輪11から切り離される。
具体的にトルクコンバータ2は、エンジン1に連結されたポンプインペラ2a、ポンプインペラ2aに対向して配置されたタービンランナ2b、及び、ポンプインペラ2aとタービンランナ2bとの間に配置されたステータ2cを備える。トルクコンバータ2の内部は作動流体としてのオイルで満たされている。ポンプインペラ2aはエンジン1のクランクシャフト1aと一体回転する。タービンランナ2bには、入力軸3が一体回転するように連結されている。トルクコンバータ2はロックアップクラッチを備え、その係合状態ではポンプインペラ2aとタービンランナ2bとが一体回転し、その解放状態ではエンジン1から出力された動力が作動流体を介してタービンランナ2bに伝達される。なお、ステータ2cは、一方向クラッチを介してケースなどの固定部に保持されている。
また、ポンプインペラ2aには、ベルト機構などの伝動機構を介して、オイルポンプ41が連結されている。オイルポンプ41は、ポンプインペラ2aを介してクランクシャフト1aに連結され、エンジン1によって駆動される。なお、オイルポンプ41とポンプインペラ2aとが一体回転するように構成されてもよい。
入力軸3は、前後進切替機構4に連結されている。前後進切替機構4は、エンジントルクを駆動輪11へ伝達する際、駆動輪11に作用するトルクの方向を前進方向と後進方向との間で切り替える。前後進切替機構4は、差動機構からなり、図1に示す例ではダブルピニオン型の遊星歯車機構によって構成されている。その前後進切替機構4は、サンギヤ4Sと、サンギヤ4Sに対して同心円上に配置されたリングギヤ4Rと、サンギヤ4Sに噛み合っている第1ピニオンギヤ4Pと、第1ピニオンギヤ4P及びリングギヤ4Rに噛み合っている第2ピニオンギヤ4Pと、第1ピニオンギヤ4P及び第2ピニオンギヤ4Pを自転可能かつ公転可能に保持しているキャリヤ4Cとを備えている。サンギヤ4Sには、ギヤ機構6の駆動ギヤ61が一体回転するように連結されている。キャリヤ4Cには、入力軸3が一体回転するように連結されている。
また、サンギヤ4Sとキャリヤ4Cとを選択的に一体回転させる第1クラッチであるクラッチC1が設けられている。クラッチC1を係合させることによって、前後進切替機構4全体が一体回転する。さらに、リングギヤ4Rを選択的に回転不能に固定するブレーキB1が設けられている。クラッチC1及びブレーキB1は、油圧式である。
例えば、クラッチC1を係合させ、かつブレーキB1を解放させると、サンギヤ4Sとキャリヤ4Cとが一体回転する。すなわち、入力軸3と駆動ギヤ61とが一体回転する。また、クラッチC1を解放させ、かつブレーキB1を係合させると、サンギヤ4Sとキャリヤ4Cとが逆方向に回転する。すなわち、入力軸3と駆動ギヤ61とは逆方向に回転する。
車両Veにおいては、無段変速機5と有段変速部であるギヤ機構6とが並列に設けられている。入力軸3と出力軸7との間の動力伝達経路として、ギヤ機構6を介する第1動力伝達経路と、無段変速機5を介する第2動力伝達経路とが、並列に形成されている。
無段変速機5は、入力軸3と入力軸回転速度Ninで一体回転する駆動側プーリであるプライマリプーリ51、セカンダリシャフト54と一体回転する従動側プーリであるセカンダリプーリ52、プライマリプーリ51及びセカンダリプーリ52に形成されたV溝に巻き掛けられた伝動ベルト53を備える。入力軸3はプライマリシャフトとなる。プライマリプーリ51及びセカンダリプーリ52のV溝幅を変化させることによって伝動ベルト53の巻き掛け径が変化するので、無段変速機5の変速比γを連続的に変化させることができる。無段変速機5の変速比γは、最大変速比γmax(ギヤが最Low)から最小変速比γmin(ギヤが最High)の範囲内で連続的に変化する。
プライマリプーリ51は、入力軸3と一体化された固定シーブ51a、入力軸3上で軸線方向に移動可能な可動シーブ51b、及び、可動シーブ51bに推力を付与するプライマリ圧シリンダ51cを備える。固定シーブ51aのシーブ面と可動シーブ51bのシーブ面とが対向して、プライマリプーリ51のV溝を形成する。プライマリ圧シリンダ51cは、可動シーブ51bの背面側に配置されている。プライマリ圧シリンダ51cへ供給されるプライマリ圧Pinによって、可動シーブ51bを固定シーブ51a側へ移動させる推力が発生し、プライマリプーリ51に巻き掛けられた伝動ベルト53に対して挟持圧力を発生させる。
セカンダリプーリ52は、セカンダリシャフト54と一体化された固定シーブ52a、セカンダリシャフト54上で軸線方向に移動可能な可動シーブ52b、及び可動シーブ52bに推力を付与するセカンダリ圧シリンダ52cを備える。固定シーブ52aのシーブ面と可動シーブ52bのシーブ面とが対向して、セカンダリプーリ52のV溝を形成する。セカンダリ圧シリンダ52cは、可動シーブ52bの背面側に配置されている。セカンダリ圧シリンダ52cに供給されるセカンダリ圧Poutによって、可動シーブ52bを固定シーブ52a側へ移動させる推力が発生し、セカンダリプーリ52に巻き掛けられた伝動ベルト53に対して挟持圧力を発生させる。
第2クラッチであるクラッチC2は、セカンダリシャフト54と出力軸7との間に設けられており、出力軸7から無段変速機5を選択的に切り離すことができる。例えば、クラッチC2を係合させると、無段変速機5と出力軸7との間が動力伝達可能に接続され、セカンダリシャフト54と出力軸7とが一体回転する。一方、クラッチC2を解放させると、セカンダリシャフト54と出力軸7との間がトルク伝達不能に遮断され、エンジン1及び無段変速機5が駆動輪11から切り離される。
クラッチC2は油圧式である。油圧アクチュエータによってクラッチC2の係合要素同士が摩擦係合するように構成されている。そのため、クラッチC2の係合要素同士を半係合状態として摩擦係合させると、クラッチC2をスリップ状態にできる。この場合、無段変速機5と出力軸7との間を伝達するトルクが比較的小さくなる。
出力軸7には、出力ギヤ7aと従動ギヤ63とが一体回転するように取り付けられている。出力ギヤ7aは、減速機構であるカウンタギヤ機構8のカウンタドリブンギヤ8aと噛み合っている。カウンタギヤ機構8のカウンタドライブギヤ8bは、デファレンシャルギヤ9のリングギヤ9aと噛み合っている。デファレンシャルギヤ9には、左右の駆動軸10を介して左右の駆動輪11が連結されている。
ギヤ機構6は、前後進切替機構4のサンギヤ4Sと一体回転する駆動ギヤ61と、カウンタギヤ機構62と、出力軸7と一体回転する従動ギヤ63とを含む。ギヤ機構6は減速機構であって、ギヤ機構6の変速比(ギヤ比)は、無段変速機5の最大変速比γmaxよりも大きい所定値に設定されている。車両Veにおいては、発進時にエンジン1からギヤ機構6を介して駆動輪11にトルクを伝達可能に構成されている。ギヤ機構6は例えば発進ギヤとして機能する。
駆動ギヤ61は、カウンタギヤ機構62のカウンタドリブンギヤ62aと噛み合っている。カウンタギヤ機構62は、カウンタドリブンギヤ62aと、カウンタシャフト62bと、従動ギヤ63に噛み合っているカウンタドライブギヤ62cとを含む。カウンタシャフト62bには、カウンタドリブンギヤ62aが一体回転するように取り付けられている。カウンタシャフト62bは入力軸3及び出力軸7と平行に配置されている。カウンタドライブギヤ62cは、カウンタシャフト62bに対して相対回転可能に構成されている。
また、カウンタシャフト62bとカウンタドライブギヤ62cとを選択的に一体回転させる噛合式の係合装置であるドグクラッチS1が設けられている。ドグクラッチS1は、噛合式の第1係合要素64a及び第2係合要素64bと、軸線方向に移動可能なスリーブ64cとを備える。第1係合要素64aは、カウンタシャフト62bにスプライン嵌合されたハブである。第1係合要素64aとカウンタシャフト62bとは一体回転する。第2係合要素64bは、カウンタドライブギヤ62cと一体回転するように連結されている。すなわち、第2係合要素64bはカウンタシャフト62bに対して相対回転する。スリーブ64cの内周面に形成されたスプライン歯が、第1係合要素64a及び第2係合要素64bの外周面に形成されたスプライン歯と噛み合うことによって、ドグクラッチS1は係合状態となる。ドグクラッチS1を係合させることによって、駆動ギヤ61と従動ギヤ63との間がトルク伝達可能に接続される。第2係合要素64bとスリーブ64cとの噛み合いが解除されることによって、ドグクラッチS1は解放状態となる。ドグクラッチS1を解放させることによって、駆動ギヤ61と従動ギヤ63との間はトルク伝達不能に遮断される。また、ドグクラッチS1は、油圧式であり、油圧アクチュエータによってスリーブ64cが軸線方向に移動する。
このように構成される車両Veでは、電子制御装置110(図2参照)によって制御されて、クラッチC1を係合状態とし、クラッチC2を解放状態とすることにより、入力軸3の動力がギヤ機構6を介して出力軸7に伝達され、無段変速機5は動力伝達を行わない。この状態をギヤ走行モードと呼ぶ。一方、電子制御装置110によって制御されて、クラッチC2を係合状態とし、クラッチC1を解放状態とすることにより、入力軸3の動力が無段変速機5を介して出力軸7に伝達され、ギヤ機構6には動力伝達を行わない。この状態をベルト走行モードと呼ぶ。また、ギヤ走行モードからベルト走行モードへ切り替える場合には、クラッチC1を解放してクラッチC2を係合するようにクラッチを掛け替える変速制御であるクラッチトゥクラッチ制御(以下、CtoC制御という)が実行される。
また、無段変速機5は、複数の動力伝達状態を電気制御によって切り換えることができるものであり、複数の動力伝達状態として、動力伝達を遮断するN(ニュートラル)レンジ、前進走行が可能なD(ドライブ)レンジ、前進走行時に手動操作で変速比(ギヤ段など)を段階的に変化させることができるM(マニュアル)レンジ、後進走行が可能なR(リバース)レンジを成立させることができる。Dレンジでは、例えばアクセル操作量等の要求出力及び車速等に基づいて変速比(ギヤ段など)が自動的に変更される(自動変速モード)。一方、Mレンジでは、図示しないシフトレバーやパドルシフトなどによるドライバーの手動操作に従って変速比(ギヤ段など)が段階的に変化させられる(マニュアル変速モード)。また、車両Veにおいては、ギヤ機構6から無段変速機5へのCtoC制御によって1速から2速にアップシフトされる。そして、例えば、Mレンジでは、ドライバーの手動操作により、無段変速機5の最大変速比γmaxからのアップシフトで2速から3速へ、次いで、3速から4速へと順次アップシフトされる。
図2は、エンジン1や無段変速機5などを制御するために車両Veに設けられた制御系統の要部を説明するブロック線図である。図2において、車両Veには、例えば無段変速機5の変速制御などに関連する変速機の制御装置としての機能を有する電子制御装置110が備えられている。電子制御装置110は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより車両Veの各種制御を実行する。例えば、電子制御装置110は、エンジン1の出力制御や無段変速機5の変速制御やベルト挟圧力制御などを実行するようになっている。
電子制御装置110には、エンジン回転速度センサ120により検出されたクランクシャフト1aの回転角度(位置)ACR及びエンジン1の回転速度(エンジン回転速度)Nを表す信号、タービン回転速度センサ121により検出された入力軸3(タービン軸)の回転速度(タービン回転速度)Nを表す信号、入力軸回転速度センサ122により検出された無段変速機5の入力回転速度である入力軸回転速度Ninを表す信号、出力軸回転速度センサ123により検出された車速Vに対応する無段変速機5の出力回転速度である出力軸回転速度Noutを表す信号、スロットルセンサ124により検出された電子スロットル弁のスロットル弁開度θTHを表す信号、アクセル開度センサ125により検出されたドライバーの加速要求量としてのアクセルペダルの操作量であるアクセル開度ACCを表す信号、フットブレーキスイッチ126により検出された常用ブレーキであるフットブレーキが操作された状態を示すブレーキオンBONを表す信号、シフトポジションセンサ127により検出されたシフトレバーまたはパドルシフトのシフトポジション(操作位置)PSHを表す信号、セカンダリ圧センサ128により検出されたセカンダリプーリ52への供給油圧であるセカンダリ圧Poutを表す信号などが、それぞれ供給される。
なお、電子制御装置110は、例えば、出力軸回転速度Noutと入力軸回転速度Ninとに基づいて無段変速機5の実変速比γ(=Nin/Nout)を逐次算出する。また、電子制御装置110は、クラッチC2への供給油圧の指示値であるクラッチ指示圧からクラッチトルク容量を算出する。
また、電子制御装置110からは、エンジン1の出力制御のためのエンジン出力制御指令信号Sや、無段変速機5の変速に関する油圧制御のための油圧制御指令信号SCVTなどが、それぞれ出力される。具体的には、エンジン出力制御指令信号Sとして、スロットルアクチュエータ130を駆動して電子スロットル弁の開閉を制御するためのスロットル信号や、燃料噴射装置131から噴射される燃料の量を制御するための噴射信号や、点火装置132によるエンジン1の点火時期を制御するための点火時期信号などが出力される。また、油圧制御指令信号SCVTとしては、プライマリ圧Pinを調圧するリニアソレノイド弁SLP(図1参照)を駆動するための指令信号や、セカンダリ圧Poutを調圧するリニアソレノイド弁SLS(図1参照)を駆動するための指令信号などが、油圧制御回路140へ出力される。
油圧制御回路140において、例えばリニアソレノイド弁SLPにより調圧されるプライマリ圧Pin及びリニアソレノイド弁SLSにより調圧されるセカンダリ圧Poutは、ベルト滑りを発生させず且つ不必要に大きくならないベルト挟圧力を、プライマリプーリ51及びセカンダリプーリ52に発生させるように制御される。また、プライマリ圧Pinとセカンダリ圧Poutとの相互関係で、プライマリプーリ51及びセカンダリプーリ52の推力比τ(=Wout/Win)が変更されることにより無段変速機5の変速比γが変更される。例えば、その推力比τが大きくされるほど変速比γが大きくされる(すなわち無段変速機5はダウンシフトされる)。
図3は、セカンダリプーリ52側にのみセカンダリ圧センサ128が備えられている場合に、必要最小限の推力で目標の変速とベルト滑り防止とを両立するための制御構造を示すブロック図である。図3において、目標変速比γ及び無段変速機5の入力トルクTinが、電子制御装置110により逐次算出される。
図3のブロックB1及びブロックB2において、電子制御装置110は、例えば実変速比γと無段変速機5の入力トルクTinとに基づいて滑り限界推力Wlmtを算出する。具体的には、電子制御装置110は、下記(1)式及び下記(2)式からプライマリプーリ51の入力トルクとしての無段変速機5の入力トルクTin、セカンダリプーリ52の入力トルクとしての無段変速機5の出力トルクTout、プライマリプーリ51及びセカンダリプーリ52のシーブ角α、プライマリプーリ51側の所定のエレメント・プーリ間摩擦係数μin、セカンダリプーリ52側の所定のエレメント・プーリ間摩擦係数μout、実変速比γから一意的に算出されるプライマリプーリ51側のベルト掛かり径Rin、実変速比γから一意的に算出されるセカンダリプーリ52側のベルト掛かり径Routに基づいて、セカンダリプーリ側滑り限界推力Woutlmt及びプライマリプーリ側滑り限界推力Winlmtをそれぞれ算出する。なお、Tout=γ×Tin=(Rout/Rin)×Tinとしている。
Woutlmt=(Tout×cosα)/(2×μout×Rout)
=(Tin×cosα)/(2×μout×Rin) ・・・(1)
Winlmt=(Tin×cosα)/(2×μin×Rin) ・・・(2)
図3のブロックB3及びブロックB6において、電子制御装置110は、例えばプライマリプーリ側滑り限界推力Winlmtに対応するセカンダリバランス推力Woutbl、及び目標セカンダリ推力Woutに対応するプライマリバランス推力Winblをそれぞれ算出する。
具体的には、電子制御装置110は、目標変速比γをパラメータとして、プライマリ側安全率SFin(=Win/Winlmt)の逆数SFin−1(=Winlmt/Win)と、プライマリプーリ51側に対応するセカンダリプーリ52側の推力を算出するときの推力比τinと、の予め実験的に求められて記憶された関係(推力比マップ)から、逐次算出される目標変速比γ及びプライマリ側安全率の逆数SFin−1に基づいて推力比τinを算出する。
そして、電子制御装置110は、下記(3)式からプライマリプーリ側滑り限界推力Winlmt及び推力比τinに基づいて、セカンダリバランス推力Woutblを算出する。
Woutbl=Winlmt×τin ・・・(3)
また、電子制御装置110は、目標変速比γをパラメータとして、セカンダリ側安全率SFout(=Wout/Woutlmt)の逆数SFout−1(=Woutlmt/Wout)と、セカンダリプーリ52側に対応するプライマリプーリ51側の推力を算出するときの推力比τoutと、の予め実験的に求められて記憶された関係(推力比マップ)から、逐次算出される目標変速比γ及びセカンダリ側安全率の逆数SFout−1に基づいて推力比τoutを算出する。
そして、電子制御装置110は、下記(4)式から目標セカンダリ推力Wout及び推力比τoutに基づいて、プライマリバランス推力Winblを算出する。
Winbl=Wout/τout ・・・(4)
なお、被駆動時には入力トルクTinや出力トルクToutが負の値となることから、各安全率の逆数SFin−1,SFout−1も被駆動時には負の値となる。また、この逆数SFin−1,SFout−1は、逐次算出されても良いが、安全率SFin,SFoutに所定値を各々設定するならばその逆数を設定しても良い。
図3のブロックB4及びブロックB7において、電子制御装置110は、例えばセカンダリプーリ52側にて目標の変速を実現する場合のセカンダリプーリ側換算の差推力ΔWとしてのセカンダリ変速差推力ΔWout、及びプライマリプーリ51側にて目標の変速を実現する場合のプライマリプーリ側換算の差推力ΔWとしてのプライマリ変速差推力ΔWinを算出する。
具体的には、電子制御装置110は、セカンダリ側目標変速速度(dXout/dNelmout)とセカンダリ変速差推力ΔWoutとの予め実験的に求められて記憶された関係(変速差推力マップ)から、逐次算出されるセカンダリ側目標変速速度(dXout/dNelmout)に基づいてセカンダリ変速差推力ΔWoutを算出する。また、電子制御装置110は、プライマリ側目標変速速度(dXin/dNelmin)とプライマリ変速差推力ΔWinとの予め実験的に求められて記憶された関係(変速差推力マップ)から、逐次算出されるプライマリ側目標変速速度(dXin/dNelmin)に基づいてプライマリ変速差推力ΔWinを算出する。
ここで、ブロックB3及びブロックB4における演算では、推力比マップや変速差推力マップなどの予め実験的に求められて設定された物理特性図を用いる。そのため、油圧制御回路140等の個体差によりセカンダリバランス推力Woutblやセカンダリ変速差推力ΔWoutの算出結果には、物理特性に対するばらつきが存在する。そこで、このような物理特性に対するばらつきを考慮する場合、電子制御装置110は、例えばプライマリプーリ側滑り限界推力Winlmtに基づくセカンダリプーリ52側の推力(セカンダリバランス推力Woutblやセカンダリ変速差推力ΔWout)の算出に関わる物理特性に対するばらつき分に対応する所定推力である制御マージンWmgnを、セカンダリプーリ52側の推力の算出に先立って、プライマリプーリ側滑り限界推力Winlmtに加算する。したがって、上記物理特性に対するばらつきを考慮する場合、ブロックB3において電子制御装置110は、例えば上記(3)式に替えて、下記(3)’式から制御マージンWmgnが加算されたプライマリプーリ側滑り限界推力Winlmt及び推力比τinに基づいて、セカンダリバランス推力Woutblを算出する。
Woutbl=(Winlmt+Wmgn)×τin ・・・(3)’
なお、制御マージンWmgnは、例えば予め実験的に求められて設定された一定値(設計値)であるが、定常状態(変速比一定状態)よりも過渡状態(変速中)の方がばらつき要因(推力比マップや変速差推力マップなどの物理特性図)を多く用いるので、大きい値に設定されている。また、上記算出に関わる物理特性に対するばらつき分は、例えば各リニアソレノイド弁SLP,SLSへの各制御電流に対する制御油圧のばらつき、その制御電流を出力する駆動回路のばらつき、制御油圧に対するプライマリ圧Pinやセカンダリ圧Poutのばらつきなどのプーリ圧の油圧指令値に対する実油圧のずれ分(油圧ばらつき分、油圧制御上のばらつき分)とは異なるものである。
この油圧ばらつき分は、油圧制御回路140などのハードユニットによっては比較的大きな値となるが、上記算出に関わる物理特性に対するばらつき分は、上記油圧ばらつき分と比べて極めて小さな値である。そのため、制御マージンWmgnをプライマリプーリ側滑り限界推力Winlmtに加算することは、プーリ圧の油圧指令値に対して実プーリ圧がどんなにばらついても目標のプーリ圧が得られるように、その油圧指令値に制御上のばらつき分を上乗せすることに比べ、燃費の悪化が抑制される。また、ブロックB6及びB7における演算では、目標セカンダリ推力Woutを基にするので、ここでは演算に先立って制御マージンWmgnを目標セカンダリ推力Woutに加算することについては実行しない。
また、電子制御装置110は、例えばプライマリプーリ51側のベルト滑りを防止するために必要なセカンダリ推力として、セカンダリバランス推力Woutblにセカンダリ変速差推力ΔWoutを加算したセカンダリプーリ側変速制御推力Woutsh(=Woutbl+ΔWout)を算出する。そして、図3のブロックB5において、電子制御装置110は、セカンダリプーリ側滑り限界推力Woutlmtとセカンダリプーリ側変速制御推力Woutshとのうちの大きい方を、目標セカンダリ推力Woutとして選択する。
また、電子制御装置110は、例えばプライマリバランス推力Winblにプライマリ変速差推力ΔWinを加算してプライマリプーリ側変速制御推力Winsh(=Winbl+ΔWin)を算出する。
また、図3のブロックB8において、電子制御装置110は、例えば下記(5)式に示すような予め求められて設定されたフィードバック制御式を用いて、実変速比γを目標変速比γと一致させるためのフィードバック制御量(FB制御補正量)Winfbを算出する。なお、下記(5)式において、Δγは目標変速比γと実変速比γとの変速比偏差(=γ−γ)、KPは所定の比例定数、KIは所定の積分定数、KDは所定の微分定数である。
Winfb=KP×Δγ+KI×(∫Δγdt)+KD×(dΔγ/dt)・・(5)
そして、電子制御装置110は、例えばプライマリプーリ側変速制御推力Winshに対して、変速比偏差Δγに基づいたフィードバック制御により補正した値(=Winsh+Winfb)を目標プライマリ推力Winとして設定する。
このように、図3のブロックB1〜B5は、目標セカンダリ推力Woutを設定するセカンダリ側目標推力演算部150として機能する。また、図3のブロックB6〜B8は、目標プライマリ推力Winを設定するプライマリ側目標推力演算部152として機能する。
図3のブロックB9及びブロックB10において、電子制御装置110は、例えば目標推力を目標プーリ圧に変換する。具体的には、電子制御装置110は、目標セカンダリ推力Wout及び目標プライマリ推力Winを、セカンダリ圧シリンダ52c及びプライマリ圧シリンダ51cの各受圧面積に基づいて目標セカンダリ圧Pout(=Wout/セカンダリ圧シリンダ52cの受圧面積)及び目標プライマリ圧Pin(=Win/プライマリ圧シリンダ51cの受圧面積)に各々変換し、セカンダリ指示圧Pouttgt及びプライマリ指示圧Pintgtを設定する。
電子制御装置110は、例えば目標プライマリ圧Pin及び目標セカンダリ圧Poutが得られるように、油圧制御指令信号SCVTとしてプライマリ指示圧Pintgt及びセカンダリ指示圧Pouttgtを油圧制御回路140へ出力する。油圧制御回路140は、その油圧制御指令信号SCVTに従って、リニアソレノイド弁SLPを作動させてプライマリ圧Pinを調圧するとともに、リニアソレノイド弁SLSを作動させてセカンダリ圧Poutを調圧する。
図4は、目標変速比γからプライマリ変速差推力ΔWinを算出する制御を示すブロック図である。なお、図4中、Tは油圧の応答特性(時定数)であり、mは変速速度と変速差推力との間にある非線形特性であり、kは制御ゲインであり、τout1はモデル変速比とセカンダリ側安全率SFoutとから算出した推力比である。また、図4中の上下限ガードにおいて、例えば、上限は耐久性またはソレノイド特性により決まり、下限はベルトトルク容量またはオーバーライド残圧により決まる。電子制御装置110が行う目標変速比γからプライマリ変速差推力ΔWinを算出する制御は、図4に示すように、電子制御装置110の変速差推力演算部(図3のブロックB7)160と変速比推定部161との機能によって実行される。
変速差推力演算部160は、プライマリ変速差推力ΔWinを目標変速比γに応じて算出する。具体的には、目標変速時間に応じた所定の制御ゲインkを目標変速比γに乗じてプライマリ変速差推力ΔWinを算出することができる。所定の制御ゲインkは、プライマリ変速差推力ΔWinと変速速度の間のゲインと目標変速時間に基づいて設定される。プライマリ変速差推力ΔWinと変速速度の間のゲインは、目標変速速度に対するプライマリ変速差推力ΔWinの傾きである。
図4に示されるように、変速差推力演算部160は、所定の制御ゲインkを目標変速比γに乗じてプライマリ変速差推力ΔWinを算出するフィードフォワード手段である。図4では、フィードフォワード経路162が示されている。
変速比推定部161は、実際に出すことが可能な推力の制限値、及び、無段変速機5の変速特性を有する所定の制御モデルに基づいて、出力側推力の目標値であるセカンダリ目標推力Wouttgtと、入力側推力の目標値であるプライマリFF目標推力Wintgtffからモデル変速比を推定する。変速比推定部161は、フィードフォワード手段である変速差推力演算部160によって算出されたプライマリ変速差推力ΔWinを入力とし、推定されたモデル変速比を推定変速比として、目標変速比γに対し出力するフィードバック手段である。図4では、フィードバックループ163が示されている。
変速比推定部161は、3つのモデルから構成される。1つは、推力制約モデル164であり、2つ目は、V/B部モデル(1次遅れモデル)165であり、3つ目は、無段変速部モデル(変速特性モデル)166である。
推力制約モデル164は、出力側推力の目標値であるセカンダリ目標推力Wouttgtと、入力側推力の目標値であるプライマリFF目標推力Wintgtffに対してそれぞれ適用される上下限の推力の制限値を有するモデルである。この推力制約モデル164を用いることで、セカンダリ目標推力Wouttgtの上下限が制限されて保護され、プライマリFF目標推力Wintgtffの上下限が制限されて保護される。推力制約モデル164の出力は、上下限が制約された後のセカンダリ目標推力Wouttgtの値とプライマリFF目標推力Wintgtffの値である。
推力制約モデル164において、上限の推力制限値の例は、伝動ベルト68の耐久性に基づく上限値、または油圧制御弁である元圧リニアソレノイド弁78、プライマリリニアソレノイド弁82、セカンダリリニアソレノイド弁86等のソレノイド特性に基づく上限値である。下限の推力制限値の例は、伝動ベルト68のトルク容量に基づく下限値、または指示油圧がゼロのときに残るオーバーライド残圧に基づく下限値である。
V/B部モデル165は、推力制約モデル164の2つの出力値に対してそれぞれ適用される油圧制御回路20等における油圧の応答遅れ特性を有するモデルである。例えば、ライン油圧調圧バルブ76、モジュレータバルブ80、プライマリ圧コントロールバルブ84、セカンダリ圧コントロールバルブ88等における入力油圧に対する出力油圧の応答遅れが1次遅れモデルとして表される。V/B部モデル165の出力は、上下限が制約された後のセカンダリ目標推力Wouttgtの値とプライマリFF目標推力Wintgtffの値のそれぞれに対し、応答遅れが付与された値である。
無段変速部モデル166は、V/B部モデル165の出力に対し、変速差推力と変速速度の間のゲインを適用し、変速比を推定して、モデル変速比として出力する。
具体的には、V/B部モデル165の2つの出力の中のセカンダリ目標推力Wouttgtに対応する値を推力比τoutで除してプライマリ側推力に変換し、その値からV/B部モデル165の2つの出力の中のプライマリFF目標推力Wintgtffに対応する値を減算する。これによって、セカンダリプーリ60におけるベルト挟圧とプライマリプーリ52におけるベルト挟圧の差が求められる。この量の次元は推力である。
これに、図4で「m」として示されるゲインを乗じて、変速速度の次元の量を求める。ゲインmとしては、プライマリ変速差推力ΔWinと変速速度との間のゲインを用いることができる。このプライマリ変速差推力ΔWinと変速速度との間のゲインは、目標変速速度に対するプライマリ変速差推力ΔWinの傾きである。なお、ゲインmは、変速比変化量とプライマリ変速差推力ΔWinとの間の非線形特性mと言い換えることができる。
このようにして得られる変速速度の次元の量を時間で積分することによって、変速比の次元となる。これをモデル変速比として、推力制約モデル164とV/B部モデル165と無段変速部モデル166とによって推定された変速比とする。推定された変速比は、変速差推力演算部160の目標変速比γにフィードバックされる。このようにして、目標変速比γからプライマリ変速差推力ΔWinが算出される。また、プライマリ変速差推力ΔWinとセカンダリ変速差推力ΔWoutとの間の関係を示した、例えば、プライマリ変速差推力ΔWinとセカンダリ変速差推力ΔWoutとが比例関係となるような所定の変換図等を用いて、プライマリ変速差推力ΔWinに対応するセカンダリ変速差推力ΔWoutが算出される。
[実施例1]
実施例1においては、図4に示した制御ゲインkに制御ゲインk2を設定する。すなわち、k=k2/mとすることによって線形化が可能であり、制御ゲインk2を一定値で設定する。この制御ゲインk2は、プライマリ変速差推力ΔWinの応答性を決める制御ゲインであり、値が大きいほど応答性が高くなる。
図5は、プライマリ側目標変速速度と制御ゲインk2との関係を示したグラフである。なお、図5の横軸としては、目標変速速度に替えて、目標変速比変化量、目標シーブ位置変化量、または、単位時間あたりのシーブ位置変化量を単位時間あたりにベルトに噛み込むエレメント個数で除した値でもよい。実施例1においては、図5に示すように、プライマリ側目標変速速度が所定値Pv1未満の領域では制御ゲインk2を小さくして安定性を高め、プライマリ側目標変速速度が所定値Pv1以上の領域では制御ゲインk2を大きくして応答性を高める。
このように、実施例1においてはプライマリ側目標変速速度が所定値Pv1未満のときよりも所定値Pv1以上のときに変速差推力が大きい値となるように、制御ゲインk2の大きさを変更してフィードフォワード制御を行う。これにより、プライマリ側目標変速速度が大きい場合には、制御ゲインk2を大きくして変速応答性を確保しつつ、プライマリ側目標変速速度が小さい場合には、制御ゲインk2を小さくして変速応答性が過剰に高くなることによるドライバビリティの低下を抑制することができる。よって、実施例1では、変速応答性の確保とドライバビリティの低下抑制とを両立することができる。
[実施例2]
図6は、ダウンシフト時の変速差推力特性を示したグラフである。図7は、プライマリ側目標変速速度(dXin/dNelmin)と非線形特性mとの関係を示したグラフである。なお、図7では、任意の変速比γ且つ任意のプライマリシーブ回転数Nでの特性を示しており、変速差推力マップが、dγ/dt=−m(γ,N)×ΔWinの形式で表現された場合を示している。実施例2においては、ダウンシフト時の変速差推力特性として、変速比γとプライマリシーブ回転数Nと非線形特性mとの間に図6に示すような関係がある。そして、実施例2では、図7に示すように、プライマリ側目標変速速度(dXin/dNelmin)が所定値Pv2よりも小さい領域では変速比変化量と変速差推力との間の非線形特性mを実際の特性よりも大きく設定し、プライマリ側目標変速速度(dXin/dNelmin)が所定値Pv2以上の領域では非線形特性mを実際の特性通りに設定する。
図8は、プライマリ側目標変速速度(dXin/dNelmin)とプライマリ変速差推力ΔWinとの関係を示したグラフである。プライマリ側目標変速速度(dXin/dNelmin)とプライマリ変速差推力ΔWinとの間の関係を示した変速差推力マップを、無段変速部モデル166に組み込んでいる場合は、図8に示すように、プライマリ側目標変速速度(dXin/dNelmin)の小さい領域でプライマリ変速差推力ΔWinを、実際の特性より小さく設定すればよい。
すなわち、実施例2においては、図8に示すように、プライマリ側目標変速速度(dXin/dNelmin)が所定値Pv2未満の領域ではプライマリ変速差推力ΔWin(変速差推力マップ)を実際の特性よりも小さく設定して安定性を高め、プライマリ側目標変速速度(dXin/dNelmin)が所定値Pv2以上の領域ではプライマリ変速差推力ΔWin(変速差推力マップ)を実際の特性通りに設定して応答性を高める。このように、実施例2においては、プライマリ側目標変速速度(dXin/dNelmin)が所定値Pv2未満のときよりも所定値Pv2以上のときにプライマリ変速差推力ΔWinが大きい値となるように、変速差推力マップを変更してフィードフォワード制御を行う。これにより、目標変速速度が大きい場合には、変速応答性を確保しつつ、目標変速速度が小さい場合には、変速応答性が過剰に高くなることによるドライバビリティの低下を抑制することができる。よって、実施例2では、変速応答性の確保とドライバビリティの低下抑制とを両立することができる。
なお、本実施形態において、実施例1は変速差推力を実際の特性通りにしておきながらローパスフィルターをかけて使用する使い方であるため、変速速度が一定値に落ち着くとローパスフィルターの効果がなくなり、実際の推力比特性通りに変速差推力が出る。よって、電子制御装置110が実行する変速応答性と安定性とを両立させる制御としては、実施例1のほうが実施例2よりも性能がよい。
5 無段変速機
11 駆動輪
51 プライマリプーリ
52 セカンダリプーリ
53 伝動ベルト
110 電子制御装置
160 変速差推力演算部
161 変速比推定部
162 フィードフォワード経路
163 フィードバックループ
164 推力制約モデル
165 V/B部モデル
166 無段変速部モデル
Ve 車両

Claims (1)

  1. 駆動側プーリと、従動側プーリと、前記駆動側プーリと前記従動側プーリとに巻き掛けられた伝動ベルトと、を備えた無段変速機の制御装置であって、
    目標変速速度に応じて変速差推力をフィードフォワード制御で設定するものであり、
    前記目標変速速度が所定値未満の時は、実際に必要な前記変速差推力よりも小さく設定し、前記目標変速速度が所定値以上の時は、実際に必要な前記変速差推力となるように設定した、フィードフォワード制御を行うことを特徴とする無段変速機の制御装置。
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