JP2012052619A - 車両用ベルト式無段変速機の制御装置 - Google Patents

車両用ベルト式無段変速機の制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】実変速比が検出不可能となった場合であっても、伝動ベルトのベルト滑りを防止することができる車両用ベルト式無段変速機の制御装置を提供する。
【解決手段】入力軸32の回転速度不明時において予め設定されている変速線に基づいてプライマリプーリ42およびセカンダリプーリ46のシーブ推力(Win、Wout)がフィードフォワード制御されることで、退避走行が可能となる。このとき、プライマリプーリ42およびセカンダリプーリ46においてベルト滑りの発生しないシーブ推力が実際に確保されているか保証されないが、プライマリプーリ42およびセカンダリプーリ46のシーブ推力(Win、Wout)をそれぞれ所定量(X1、X2)だけかさ上げして制御するため、プライマリプーリ42およびセカンダリプーリ46のシーブ推力が増加し、シーブ推力にばらつきが生じてもベルト滑りを防止することができる。
【選択図】図10

Description

本発明は、車両用ベルト式無段変速機の制御装置に係り、特に、ベルト式無段変速機の実変速比が不明となった場合のプライマリプーリとセカンダリプーリとの間に巻き掛けられる伝動ベルトのベルト滑り防止に関するものである。
プライマリプーリとセカンダリプーリとそのプライマリプーリおよびセカンダリプーリの間に巻き掛けられた伝動ベルトとを有し、プライマリプーリおよびセカンダリプーリに形成されている伝動ベルトを挟持するための溝幅が変更されることで、伝動ベルトの巻き掛け位置すなわち伝動ベルトの巻き掛け半径が無段階的に変更されることで、変速比が無段階的に変更される車両用ベルト式無段変速機がよく知られている。例えば、特許文献1のベルト式無段変速機がその一例である。特許文献1のベルト式無段変速機では、ベルト式無段変速機の実変速比と予め設定されている目標変速比との偏差に基づいて油圧をフィードバック制御する技術が開示されている。
特開2008−075800号公報
ところで、特許文献1のように、実変速比を逐次検出してフィードバック制御する構成において、例えばベルト式無段変速機の入力軸回転速度を検出する入力軸回転速度センサが故障すると、実変速比を検出することが不可能となり、上記フィードバック制御が不可能となる。このような実変速比が検出不可能な場合、目標変速比が形成されるであろう油圧でプライマリプーリおよびセカンダリプーリを制御することができるが、実際には油圧、摩擦係数、トルク等の様々なばらつき要因が存在するため、実変速比が目標変速比と一致することは困難となる。このとき、例えばプライマリプーリのシーブ推力が、ベルト滑りが防止される最低限必要な推力である滑り限界推力を下回る推力となってしまうと、プライマリプーリにおいて伝動ベルトのベルト滑りが発生してしまう可能性があった。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、実変速比が何らかの要因によって不明となった場合であっても、伝動ベルトのベルト滑りを防止することができる車両用ベルト式無段変速機の制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するための、請求項1にかかる発明の要旨とするところは、(a)入力軸に設けられたプライマリプーリと出力軸に設けられたセカンダリプーリ間に伝動ベルトが巻き掛けられたベルト式無段変速機を備え、前記入力軸の回転速度と前記出力軸の回転速度との比であるベルト式無段変速機の変速比を予め求められた目標変速比となるように前記プライマリプーリのシーブ推力と前記セカンダリプーリのシーブ推力とを調節する車両用ベルト式無段変速機の制御装置において、(b)前記入力軸の回転速度が不明となると、その入力軸の回転速度不明時において用いられる予め設定されている変速線に基づいて第2の目標変速比を設定し、その目標変速比が達成されるように前記プライマリプーリのシーブ推力および前記セカンダリプーリのシーブ推力をフィードフォワード制御すると共に、前記プライマリプーリおよび前記セカンダリプーリのシーブ推力をそれぞれ所定量だけかさ上げして制御することを特徴とする。
また、請求項2にかかる発明の要旨とするところは、請求項1の車両用ベルト式無段変速機の制御装置において、前記入力軸の回転速度不明時に用いられる前記変速線は、車速のみに基づいて前記目標変速比が設定されるものであることを特徴とする。
また、請求項3にかかる発明の要旨とするところは、請求項2の車両用ベルト式無段変速機の制御装置において、前記変速線は、前記目標変速比が最小変速比近傍の値をとるように設定されていることを特徴とする。
また、請求項4にかかる発明の要旨とするところは、請求項1乃至3にいずれか1の車両用ベルト式無段変速機の制御装置において、前記プライマリプーリおよび前記セカンダリプーリのシーブ推力は、前記車両用ベルト式無段変速機の最大変速比を基準として算出されることを特徴とする。
また、請求項5にかかる発明の要旨とするところは、請求項1乃至4のいずれか1の車両用ベルト式無段変速機の制御装置において、前記プライマリプーリのシーブの推力と前記セカンダリプーリのシーブ推力とが独立して制御可能に構成されていることを特徴とする。
請求項1にかかる発明の車両用ベルト式無段変速機の制御装置によれば、前記入力軸の回転速度が不明となると、その入力軸の回転速度不明時において予め設定されている変速線に基づいて第2の目標変速比を設定し、その目標変速比が達成されるようにプライマリプーリおよびセカンダリプーリのシーブ推力をフィードフォワード制御すると共に、前記プライマリプーリおよび前記セカンダリプーリのシーブ推力をそれぞれ所定量だけかさ上げして制御するものである。このようにすれば、入力軸の回転速度が不明となるとベルト式無段変速機の実変速比が算出不能となり、実変速比に基づくフィードバック制御が実施不能となるが、入力軸の回転速度不明時において予め設定されている変速線に基づいてプライマリプーリおよびセカンダリプーリのシーブ推力がフィードフォワード制御されることで、最低限の退避走行が可能となる。このとき、プライマリプーリおよびセカンダリプーリにおいてベルト滑りの発生しないシーブ推力が実際に確保されているか保証されないが、前記プライマリプーリおよび前記セカンダリプーリのシーブ推力をそれぞれ所定量だけかさ上げして制御するため、プライマリプーリおよびセカンダリプーリのシーブ推力が増加し、シーブ推力にばらつきが生じてもベルト滑りを防止することができる。
また、請求項2にかかる発明の車両用ベルト式無段変速機の制御装置によれば、前記変速線は車速のみに基づいて前記目標変速比が設定されるため、運転者のアクセル操作等による急変速が防止され、ベルト滑りを防止する上でのフィードフォワード制御の制御性が向上する。
また、請求項3にかかる発明の車両用ベルト式無段変速機の制御装置によれば、前記変速線は、前記目標変速比が最小変速比近傍の値をとるように設定されているため、入力軸および入力軸に連結された回転部材の高回転化が防止される。
また、請求項4にかかる発明の車両用ベルト式無段変速機の制御装置によれば、前記プライマリプーリのシーブ推力およびセカンダリプーリのシーブ推力は、前記ベルト式無段変速機の最大変速比を基準として算出されるため、プライマリプーリのシーブ推力およびセカンダリプーリのシーブ推力が所定量だけ増加する。これより、プライマリプーリおよびセカンダリプーリのシーブ推力が所定量だけそれぞれ増加するため、シーブ推力にばらつきが生じても伝動ベルトのベルト滑りが防止される。
また、請求項5にかかる発明の車両用ベルト式無段変速機の制御装置によれば、前記プライマリプーリのシーブの推力と前記セカンダリプーリのシーブ推力とが独立して制御可能に構成されているため、プライマリプーリおよびセカンダリプーリのシーブ推力を目標変速比に応じたシーブ推力に制御することが可能となる。
本発明が適用される車両を構成する動力伝達経路の概略構成を説明する図である。 車両に設けられた制御系統の要部を説明するブロック線図である。 油圧制御回路のうち無段変速機の変速に関する油圧制御に関する要部を示す油圧回路図である。 電子制御装置の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。 変速制御の為に必要な推力を説明する為の一例を示す図である。 本実施例の制御構造を示すブロック図である。 無段変速機の変速に関する油圧制御において目標入力軸回転速度を求める際に用いられる変速マップの一例を示す図である。 目標変速比をパラメータとして安全率の逆数と推力比との予め実験的に求められて記憶された推力比マップの一例を示す図である。 目標変速速度とセカンダリ変速差推力との予め実験的に求められて記憶された差推力マップの一例を示す図である。 実変速比が不明な場合に用いられる変速マップの一例を示す図である。 最大変速比に基づいて滑り限界推力が設定されることで、推力がかさ上げされることを説明するための図である。 電子制御装置の制御作動の要部すなわち入力軸回転速度センサが故障するなどして実変速比γが算出不能となった場合においてベルト滑りを抑制しつつ最低限の走行が可能となる制御作動を説明するフローチャートである。
ここで、好適には、入力軸の回転速度が不明となる場合とは、入力軸の回転速度を検出する入力軸回転速度センサおよびタービン軸の回転速度を検出するタービン回転速度センサを備えた構成において、入力軸回転速度センサおよびタービン回転速度センサが故障した場合、もしくは、入力軸回転速度センサが故障した場合であって、入力軸とタービン軸との間に介挿されているクラッチが開放された場合に対応する。また、タービン回転速度センサを備える一方、入力軸回転速度センサを備えない構成においては、タービン回転速度センサが故障した場合、もしくは、入力軸とタービン軸との間に介挿されているクラッチが開放された場合に対応する。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明が適用される車両10を構成するエンジン12から駆動輪24までの動力伝達経路の概略構成を説明する図である。図1において、例えば走行用の駆動力源として用いられるエンジン12により発生させられた動力は、流体式伝動装置としてのトルクコンバータ14、前後進切換装置16、車両用ベルト式無段変速機としてのベルト式無段変速機(以下、無段変速機(CVT)という)18、減速歯車装置20、差動歯車装置22などを順次介して、左右の駆動輪24へ伝達される。
トルクコンバータ14は、エンジン12のクランク軸13に連結されたポンプ翼車14p、及びトルクコンバータ14の出力側部材に相当するタービン軸30を介して前後進切換装置16に連結されたタービン翼車14tを備えており、流体を介して動力伝達を行うようになっている。また、それ等のポンプ翼車14p及びタービン翼車14tの間にはロックアップクラッチ26が設けられており、このロックアップクラッチ26が完全係合させられることによってポンプ翼車14p及びタービン翼車14tは一体回転させられる。ポンプ翼車14pには、無段変速機18を変速制御したり、無段変速機18におけるベルト挟圧力を発生させたり、ロックアップクラッチ26のトルク容量を制御したり、前後進切換装置16における動力伝達経路を切り換えたり、車両10の動力伝達経路の各部に潤滑油を供給したりする為の作動油圧をエンジン12により回転駆動されることにより発生する機械式のオイルポンプ28が連結されている。
前後進切換装置16は、前進用クラッチC1及び後進用ブレーキB1とダブルピニオン型の遊星歯車装置16pとを主体として構成されており、トルクコンバータ14のタービン軸30はサンギヤ16sに一体的に連結され、無段変速機18の入力軸32はキャリア16cに一体的に連結されている一方、キャリア16cとサンギヤ16sとは前進用クラッチC1を介して選択的に連結され、リングギヤ16rは後進用ブレーキB1を介して非回転部材としてのハウジング34に選択的に固定されるようになっている。前進用クラッチC1及び後進用ブレーキB1は断続装置に相当するもので、何れも油圧シリンダによって摩擦係合させられる油圧式摩擦係合装置である。
このように構成された前後進切換装置16では、前進用クラッチC1が係合されると共に後進用ブレーキB1が解放されると、前後進切換装置16は一体回転状態とされることによりタービン軸30が入力軸32に直結され、前進用動力伝達経路が成立(達成)させられて、前進方向の駆動力が無段変速機18側へ伝達される。また、後進用ブレーキB1が係合されると共に前進用クラッチC1が解放されると、前後進切換装置16は後進用動力伝達経路が成立(達成)させられて、入力軸32はタービン軸30に対して逆方向へ回転させられるようになり、後進方向の駆動力が無段変速機18側へ伝達される。また、前進用クラッチC1及び後進用ブレーキB1が共に解放されると、前後進切換装置16は動力伝達を遮断するニュートラル状態(動力伝達遮断状態)とされる。
エンジン12は、例えばガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関にて構成されている。このエンジン12の吸気配管36には、スロットルアクチュエータ38を用いてエンジン12の吸入空気量Qairを電気的に制御する為の電子スロットル弁40が備えられている。
無段変速機18は、入力軸32に設けられた入力側部材である有効径が可変の入力側可変プーリ(プライマリプーリ、プライマリシーブ)42及び出力軸44に設けられた出力側部材である有効径が可変の出力側可変プーリ(セカンダリプーリ、セカンダリシーブ)46の一対の可変プーリ42,46と、その一対の可変プーリ42,46の間に巻き掛けられた伝動ベルト48とを備えており、一対の可変プーリ42,46と伝動ベルト48との間の摩擦力を介して動力伝達が行われる。
プライマリプーリ42は、入力軸32に固定された入力側固定回転体としての固定回転体(固定シーブ)42aと、入力軸32に対して軸まわりの相対回転不能かつ軸方向の移動可能に設けられた入力側可動回転体としての可動回転体(可動シーブ)42bと、それらの間のV溝幅を変更する為のプライマリプーリ42における入力側推力(プライマリ推力)Win(=プライマリ圧Pin×受圧面積)を付与する油圧アクチュエータとしての入力側油圧シリンダ(プライマリ側油圧シリンダ)42cとを備えて構成されている。また、セカンダリプーリ46は、出力軸44に固定された出力側固定回転体としての固定回転体(固定シーブ)46aと、出力軸44に対して軸まわりの相対回転不能かつ軸方向の移動可能に設けられた出力側可動回転体としての可動回転体(可動シーブ)46bと、それらの間のV溝幅を変更する為のセカンダリプーリ46における出力側推力(セカンダリ推力)Wout(=セカンダリ圧Pout×受圧面積)を付与する油圧アクチュエータとしての出力側油圧シリンダ(セカンダリ側油圧シリンダ)46cとを備えて構成されている。なお、プライマリ推力Winが本発明のプライマリプーリのシーブ推力に対応し、セカンダリ推力Woutが本発明のセカンダリプーリのシーブ推力に対応している。
そして、プライマリ側油圧シリンダ42cへの油圧であるプライマリ圧Pin及びセカンダリ側油圧シリンダ46cへの油圧であるセカンダリ圧Poutが油圧制御回路100(図3参照)によって各々独立に調圧制御されることにより、プライマリ推力Win及びセカンダリ推力Woutが各々独立に制御される。これにより、一対の可変プーリ42,46のV溝幅が変化して伝動ベルト48の掛かり径(有効径)が変更され、変速比(ギヤ比)γ(=入力軸回転速度Nin/出力軸回転速度Nout)が連続的に変化させられると共に、伝動ベルト48が滑りを生じないように一対の可変プーリ42,46と伝動ベルト48との間の摩擦力(ベルト挟圧力)が制御される。このように、プライマリ推力Win及びセカンダリ推力Woutが各々調節されることで伝動ベルト48の滑りが防止されつつ実際の変速比(実変速比)γが目標変速比γとなるように調節される。なお、入力軸回転速度Ninは入力軸32の回転速度であり、出力軸回転速度Noutは出力軸44の回転速度である。また、本実施例では図1から判るように、入力軸回転速度Ninはプライマリプーリ42の回転速度と同一であり、出力軸回転速度Noutはセカンダリプーリ46の回転速度と同一である。
無段変速機18では、例えばプライマリ圧Pinが高められると、プライマリプーリ42のV溝幅が狭くされて変速比γが小さくされるすなわち無段変速機18がアップシフトされる。また、プライマリ圧Pinが低められると、プライマリプーリ42のV溝幅が広くされて変速比γが大きくされるすなわち無段変速機18がダウンシフトされる。従って、プライマリプーリ42のV溝幅が最小とされるところで、無段変速機18の変速比γとして最小変速比γmin(最高速側変速比、最Hi)が形成される。また、プライマリプーリ42のV溝幅が最大とされるところで、無段変速機18の変速比γとして最大変速比γmax(最低速側変速比、最Low)が形成される。なお、プライマリ圧Pin(プライマリ推力Winも同意)とセカンダリ圧Pout(セカンダリ推力Woutも同意)とにより伝動ベルト48の滑り(ベルト滑り)が防止されつつ、それらプライマリ推力Winとセカンダリ推力Woutとの相互関係にて目標変速比γが実現されるものであり、一方のプーリ圧(推力も同意)のみで目標の変速が実現されるものではない。
図2は、エンジン12や無段変速機18などを制御する為に車両10に設けられた制御系統の要部を説明するブロック線図である。図2において、車両10には、例えば無段変速機18の変速制御などに関連する車両用無段変速機の制御装置を含む電子制御装置50が備えられている。電子制御装置50は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより車両10の各種制御を実行する。例えば、電子制御装置50は、エンジン12の出力制御、無段変速機18の変速制御やベルト挟圧力制御、ロックアップクラッチ26のトルク容量制御等を実行するようになっており、必要に応じてエンジン制御用、無段変速機18及びロックアップクラッチ26の油圧制御用等に分けて構成される。
電子制御装置50には、エンジン回転速度センサ52により検出されたクランク軸13の回転角度(位置)Acr及びエンジン12の回転速度(エンジン回転速度)Neを表す信号、タービン回転速度センサ54により検出されたタービン軸30の回転速度(タービン回転速度)Ntを表す信号、入力軸回転速度センサ56により検出された無段変速機18の入力軸32の回転速度である入力軸回転速度Ninを表す信号、出力軸回転速度センサ58により検出された車速Vに対応する無段変速機18の出力軸44の回転速度である出力軸回転速度Noutを表す信号、スロットルセンサ60により検出された電子スロットル弁40のスロットル弁開度θthを表す信号、冷却水温センサ62により検出されたエンジン12の冷却水温THwを表す信号、吸入空気量センサ64により検出されたエンジン12の吸入空気量Qairを表す信号、アクセル開度センサ66により検出された運転者の加速要求量としてのアクセルペダルの操作量であるアクセル開度Accを表す信号、フットブレーキスイッチ68により検出された常用ブレーキであるフットブレーキが操作された状態を示すブレーキオンBonを表す信号、CVT油温センサ70により検出された無段変速機18等の作動油の油温THoilを表す信号、レバーポジションセンサ72により検出されたシフトレバーのレバーポジション(操作位置)Pshを表す信号、バッテリセンサ76により検出されたバッテリ温度THbatやバッテリ入出力電流(バッテリ充放電電流)Ibatやバッテリ電圧Vbatを表す信号、セカンダリ圧センサ78により検出されたセカンダリプーリ46への供給油圧であるセカンダリ圧Poutを表す信号等が、それぞれ供給される。なお、電子制御装置50は、例えば上記バッテリ温度THbat、バッテリ充放電電流Ibat、及びバッテリ電圧Vbatなどに基づいてバッテリ(蓄電装置)の充電状態(充電容量)SOCを逐次算出する。また、電子制御装置50は、例えば出力軸回転速度Noutと入力軸回転速度Ninとに基づいて無段変速機18の実変速比γ(=Nin/Nout)を逐次算出する。
また、電子制御装置50からは、エンジン12の出力制御の為のエンジン出力制御指令信号Se、無段変速機18の変速に関する油圧制御の為の油圧制御指令信号SCVT等が、それぞれ出力される。具体的には、上記エンジン出力制御指令信号Seとして、スロットルアクチュエータ38を駆動して電子スロットル弁40の開閉を制御する為のスロットル信号や燃料噴射装置80から噴射される燃料の量を制御する為の噴射信号や点火装置82によるエンジン12の点火時期を制御する為の点火時期信号などが出力される。また、上記油圧制御指令信号SCVTとして、プライマリ圧Pinを調圧するリニアソレノイド弁SLPを駆動する為の指令信号、セカンダリ圧Poutを調圧するリニアソレノイド弁SLSを駆動する為の指令信号、ライン油圧PLを制御するリニアソレノイド弁SLTを駆動する為の指令信号などが油圧制御回路100へ出力される。
図3は、油圧制御回路100のうち無段変速機18の変速に関する油圧制御に関する要部を示す油圧回路図である。図3において、油圧制御回路100は、例えばオイルポンプ28、プライマリ圧Pinを調圧するプライマリ圧コントロールバルブ110、セカンダリ圧Poutを調圧するセカンダリ圧コントロールバルブ112、プライマリレギュレータバルブ(ライン油圧調圧弁)114、モジュレータバルブ116、リニアソレノイド弁SLT、リニアソレノイド弁SLP、リニアソレノイド弁SLS等を備えている。
ライン油圧PLは、例えばオイルポンプ28から出力(発生)される作動油圧を元圧として、リリーフ型のプライマリレギュレータバルブ114によりリニアソレノイド弁SLTの出力油圧である制御油圧PSLTに基づいてエンジン負荷等に応じた値に調圧される。具体的には、ライン油圧PLは、プライマリ圧Pin及びセカンダリ圧Poutの高い方の油圧に所定の余裕分(マージン)を加えた油圧が得られるように設定された制御油圧PSLTに基づいて調圧される。従って、プライマリ圧コントロールバルブ110及びセカンダリ圧コントロールバルブ112の調圧動作において元圧であるライン油圧PLが不足するということが回避されると共に、ライン油圧PLが不必要に高くされないようにすることが可能である。また、モジュレータ油圧PMは、電子制御装置50によって制御される制御油圧PSLT、リニアソレノイド弁SLPの出力油圧である制御油圧PSLP、及びリニアソレノイド弁SLSの出力油圧である制御油圧PSLSの各元圧となるものであって、ライン油圧PLを元圧としてモジュレータバルブ116により一定圧に調圧される。
プライマリ圧コントロールバルブ110は、軸方向へ移動可能に設けられることにより入力ポート110iを開閉してライン油圧PLを入力ポート110iから出力ポート110tを経てプライマリプーリ42へ供給可能にするスプール弁子110aと、そのスプール弁子110aを開弁方向へ付勢する付勢手段としてのスプリング110bと、そのスプリング110bを収容し且つスプール弁子110aに開弁方向の推力を付与するために制御油圧PSLPを受け入れる油室110cと、スプール弁子110aに閉弁方向の推力を付与する為に出力ポート110tから出力されたライン油圧PLを受け入れるフィードバック油室110dと、スプール弁子110aに閉弁方向の推力を付与するためにモジュレータ油圧PMを受け入れる油室110eとを備えている。このように構成されたプライマリ圧コントロールバルブ110は、例えば制御油圧PSLPをパイロット圧としてライン油圧PLを調圧制御してプライマリプーリ42のプライマリ側油圧シリンダ42cに供給する。これにより、そのプライマリ側油圧シリンダ42cに供給されるプライマリ圧Pinが制御される。例えば、プライマリ側油圧シリンダ42cに所定の油圧が供給されている状態から、リニアソレノイド弁SLPが出力する制御油圧PSLPが増大すると、プライマリ圧コントロールバルブ110のスプール弁子110aが図3の上側に移動する。これにより、プライマリ側油圧シリンダ42cへのプライマリ圧Pinが増大する。一方で、プライマリ側油圧シリンダ42cに所定の油圧が供給されている状態から、リニアソレノイド弁SLPが出力する制御油圧PSLPが低下すると、プライマリ圧コントロールバルブ110のスプール弁子110aが図3の下側に移動する。これにより、プライマリ側油圧シリンダ42cへのプライマリ圧Pinが低下する。
また、プライマリ側油圧シリンダ42cとプライマリ圧コントロールバルブ110との間の油路118には、フェールセーフ等を目的として、オリフィス120が設けられている。このオリフィス120が設けられていることにより、例えばリニアソレノイド弁SLPが故障してもプライマリ側油圧シリンダ42cの内圧が急減しないようにされている。これにより、例えばリニアソレノイド弁SLPの故障に起因した車両10の急減速が抑制される。
セカンダリ圧コントロールバルブ112は、軸方向へ移動可能に設けられることにより入力ポート112iを開閉してライン油圧Pを入力ポート112iから出力ポート112tを経てセカンダリプーリ46へセカンダリ圧Poutとして供給可能にするスプール弁子112aと、そのスプール弁子112aを開弁方向へ付勢する付勢手段としてのスプリング112bと、そのスプリング112bを収容し且つスプール弁子112aに開弁方向の推力を付与するために制御油圧PSLSを受け入れる油室112cと、スプール弁子112aに閉弁方向の推力を付与するために出力ポート112tから出力されたセカンダリ圧Poutを受け入れるフィードバック油室112dと、スプール弁子112aに閉弁方向の推力を付与するためにモジュレータ油圧PMを受け入れる油室112eとを備えている。このように構成されたセカンダリ圧コントロールバルブ112は、例えば制御油圧PSLSをパイロット圧としてライン油圧PLを調圧制御してセカンダリプーリ46のセカンダリ側油圧シリンダ46cに供給する。これにより、そのセカンダリ側油圧シリンダ46cに供給されるセカンダリ圧Poutが制御される。例えば、セカンダリ側油圧シリンダ46cに所定の油圧が供給されている状態から、リニアソレノイド弁SLSが出力する制御油圧PSLSが増大すると、セカンダリ圧コントロールバルブ112のスプール弁子112aが図3の上側に移動する。これにより、セカンダリ側油圧シリンダ46cへのセカンダリ圧Poutが増大する。一方で、セカンダリ側油圧シリンダ46cに所定の油圧が供給されている状態から、リニアソレノイド弁SLSが出力する制御油圧PSLSが低下すると、セカンダリ圧コントロールバルブ112のスプール弁子112aが図3の下側に移動する。これにより、セカンダリ側油圧シリンダ46cへのセカンダリ圧Poutが低下する。
また、セカンダリ側油圧シリンダ46cとセカンダリ圧コントロールバルブ112との間の油路122には、フェールセーフ等を目的として、オリフィス124が設けられている。このオリフィス124が設けられていることにより、例えばリニアソレノイド弁SLSが故障してもセカンダリ側油圧シリンダ46cの内圧が急減しないようにされている。これにより、例えばリニアソレノイド弁SLSの故障に起因したベルト滑りが防止される。
このように構成された油圧制御回路100において、例えばリニアソレノイド弁SLPにより調圧されるプライマリ圧Pin及びリニアソレノイド弁SLSにより調圧されるセカンダリ圧Poutは、ベルト滑りを発生させず且つ不必要に大きくならないベルト挟圧力を一対の可変プーリ42,46に発生させるように制御される。また、後述するように、プライマリ圧Pinとセカンダリ圧Poutとの相互関係で、一対の可変プーリの42,46の推力比τ(=Wout/Win)が変更されることにより無段変速機18の変速比γが変更される。例えば、その推力比τが大きくされるほど変速比γが大きくされる(すなわち無段変速機18はダウンシフトされる)。
図4は、電子制御装置50による制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。図4において、エンジン出力制御部すなわちエンジン出力制御手段130は、例えばエンジン12の出力制御の為にスロットル信号や噴射信号や点火時期信号などのエンジン出力制御指令信号Seをそれぞれスロットルアクチュエータ38や燃料噴射装置80や点火装置82へ出力する。例えば、エンジン出力制御手段130は、アクセル開度Accに応じた要求駆動力(駆動トルク)が得られる為の目標エンジントルクTeを設定し、その目標エンジントルクTeが得られるようにスロットルアクチュエータ38により電子スロットル弁40を開閉制御する他、燃料噴射装置80により燃料噴射量を制御したり、点火装置82により点火時期を制御する。
無段変速機制御部すなわち無段変速機制御手段132は、例えば無段変速機18のベルト滑りが発生しないようにしつつ上記エンジン12の作動点が最適ライン上になるようにする無段変速機18の目標変速比γを達成するように、プライマリ圧Pinの指令値(又は目標プライマリ圧Pin)としてのプライマリ指示圧Pintgtとセカンダリ圧Poutの指令値(又は目標セカンダリ圧Pout)としてのセカンダリ指示圧Pouttgtとを決定し、プライマリ指示圧Pintgtとセカンダリ指示圧Pouttgtとを油圧制御回路100へ出力する。
ところで、本実施例の油圧制御回路100は、一対の可変プーリの42,46の一方の側であるセカンダリプーリ46側のみに、そのセカンダリプーリ46(セカンダリ側油圧シリンダ46c)に作用する実セカンダリ圧Poutを検出する為の油圧センサとしてのセカンダリ圧センサ78を備えている。その為、無段変速機制御手段132は、例えばセカンダリ圧センサ78の検出値(実セカンダリ圧Poutを表す信号)を目標セカンダリ推力Woutに対応する目標セカンダリ圧Poutとするフィードバック制御を実行することができる。これによって、セカンダリプーリ46側では、油圧センサが備えられていないプライマリプーリ42側と比較して、精度良く推力(プーリ圧)を制御することができる。つまり、本実施例では、プライマリプーリ42及びセカンダリプーリ46の一方であるセカンダリプーリ46を、他方であるプライマリプーリ42と比較して、精度良く推力(プーリ圧)を制御することができる油圧制御回路100が備えられている。
従って、必要最小限の推力でベルト滑りを防止する為に必要な推力(必要推力)すなわちベルト滑りが発生する直前の推力であるベルト滑り限界推力(以下、滑り限界推力)を目標推力として設定する場合、比較的油圧制御精度が劣る(すなわち油圧センサの検出値と目標値との偏差に基づくフィードバック制御できない)プライマリプーリ42側では、確実に滑り限界推力を確保する為に、油圧指令値(プライマリ指示圧Pintgt)と実油圧(実プライマリ圧Pin)とのずれである油圧ばらつきに相当する推力分をその滑り限界推力に上乗せする必要がある。そうすると、目標の変速を実現する為の推力比τ(=Wout/Win)に基づくプライマリ圧Pin(プライマリ推力Win)とセカンダリ圧Pout(セカンダリ推力Wout)との相互関係から、プライマリプーリ42側油圧ばらつきに相当する推力分に対応して目標セカンダリ推力Woutも増大させなければならず、燃費が悪化する可能性がある。なお、油圧センサを備えなくとも、目標変速比γと実変速比γとの変速比偏差Δγ(=γ−γ)に基づくフィードバック制御により推力を補正することは可能であるので、目標の変速を実現することに関しては、必ずしも油圧制御精度が良い必要はない。
そこで、本実施例では、例えば油圧制御精度が比較的良いセカンダリプーリ46側で、セカンダリプーリ46側の滑り限界推力を確保することはもちろんのこと、プライマリプーリ42側の滑り限界推力も確保する、すなわち両プーリ42,46のベルトトルク容量保証を実現する。また、油圧制御精度が比較的劣るプライマリプーリ42側では、上記ベルト滑りの防止を保証する為の目標セカンダリ推力Woutに対応した目標プライマリ推力Winを設定し、目標の変速を実現する。この際、プライマリプーリ42側の油圧ばらつき分による燃費悪化を避ける為、変速比偏差Δγに基づいたフィードバック制御を実行する。
具体的には、無段変速機制御手段132は、例えばセカンダリプーリ46側の滑り限界推力であるセカンダリプーリ側滑り限界推力Woutlmtと、プライマリプーリ42側の滑り限界推力であるプライマリプーリ側滑り限界推力Winlmtに基づいて算出される変速制御の為に必要なセカンダリプーリ46側の推力であるセカンダリプーリ側変速制御推力Woutshとのうちの大きい方を、目標セカンダリ推力Woutとして選択する。また、無段変速機制御手段132は、例えば上記選択した目標セカンダリ推力Woutに基づいて算出される変速制御の為に必要なプライマリプーリ42側の推力であるプライマリプーリ側変速制御推力Winshを、目標プライマリ推力Winとして設定する。また、無段変速機制御手段132は、例えば目標変速比γと実変速比γとの変速比偏差Δγに基づいたプライマリ推力Winのフィードバック制御により、目標プライマリ推力Win(すなわちプライマリプーリ側変速制御推力Winsh)を補正する。
なお、この変速比偏差Δγは、変速比γと1対1に対応するパラメータにおける目標値と実際値との偏差であれば良い。例えば、変速比偏差Δγに替えて、プライマリプーリ42側の目標プーリ位置Xinと実プーリ位置Xin(図3参照)との偏差ΔXin(=Xin−Xin)、セカンダリプーリ46側の目標プーリ位置Xoutと実プーリ位置Xout(図3参照)との偏差ΔXout(=Xout−Xout)、プライマリプーリ42側の目標ベルト掛かり径Rinと実ベルト掛かり径Rin(図3参照)との偏差ΔRin(=Rin−Rin)、セカンダリプーリ46側の目標ベルト掛かり径Routと実ベルト掛かり径Rout(図3参照)との偏差ΔRout(=Rout−Rout)、目標入力軸回転速度Ninと実入力軸回転速度Ninとの偏差ΔNin(=Nin−Nin)などを用いることができる。
また、前記変速制御の為に必要な推力は、例えば目標の変速を実現する為に必要な推力であって、目標変速比γ及び目標変速比γの単位時間当たりの変化量である目標変速速度dγ(=dγ/dt)を実現する為に必要な推力である。具体的には、定常状態(変速比γが一定の状態)でのプライマリ推力Winとセカンダリ推力Woutとをバランス推力(定常推力)Wbl(例えばプライマリバランス推力Winblとセカンダリバランス推力Woutbl)と称し、これらの比が推力比τ(=Woutbl/Winbl)である。また、プライマリ推力Winとセカンダリ推力Woutとが一定の変速比γを保つ定常状態にあるとき、一対の可変プーリ42,46の何れかの推力に、ある推力を加算又は減算すると、定常状態が崩れて変速比γが変化し、加算又は減算した推力の大きさに応じた変速速度dγが生じる。この加算又は減算した推力のことを変速差推力(過渡推力)ΔW(例えばプライマリ変速差推力ΔWinとセカンダリ変速差推力ΔWout)と称す。従って、前記変速制御の為に必要な推力は、一方の推力が設定された場合、目標変速比γを維持する為の推力比τに基づいて一方の推力に対応する目標変速比γを実現する為の他方のバランス推力Wblと、目標変速比γが変化させられるときの目標変速速度dγを実現する為の変速差推力ΔWとの和となる。また、プライマリプーリ42側にて目標の変速を実現する場合の差推力ΔWは、すなわちプライマリプーリ側換算のプライマリ変速差推力ΔWinは、アップシフト状態であれば(ΔWin>0)となり、ダウンシフト状態であれば(ΔWin<0)となり、変速比一定の定常状態であれば(ΔWin=0)となる。また、セカンダリプーリ46側にて目標の変速を実現する場合の差推力ΔWは、すなわちセカンダリプーリ側換算のセカンダリ変速差推力ΔWoutは、アップシフト状態であれば(ΔWout<0)となり、ダウンシフト状態であれば(ΔWout>0)となり、変速比一定の定常状態であれば(ΔWout=0)となる。
図5は、前記変速制御の為に必要な推力を説明する為の図である。この図5は、例えばセカンダリプーリ46側にてベルト滑り防止を実現するようにセカンダリ推力Woutを設定した場合に、プライマリプーリ42側にて目標のアップシフトを実現するときに設定されるプライマリ推力Winの一例を示している。図5(a)において、t1時点以前或いはt3時点以降では、目標変速比γが一定の定常状態にありΔWin=0とされるので、プライマリ推力Winはプライマリバランス推力Winbl(=Wout/τ)のみとなる。また、t1時点乃至t3時点では、目標変速比γが小さくされるアップシフト状態にあるので、図5(b)に示した図5(a)のt2時点における推力関係図で表されるように、プライマリ推力Winはプライマリバランス推力Winblとプライマリ変速差推力ΔWinとの和となる。図5(b)に示した各推力の斜線部分は、図5(a)のt2時点の目標変速比γを維持する為の各々のバランス推力Wblに相当する。
図6は、セカンダリプーリ46側にのみセカンダリ圧センサ78が備えられている場合に、必要最小限の推力で目標の変速とベルト滑り防止とを両立する為の制御構造を示すブロック図である。図6において、目標変速比γ及び無段変速機18の入力トルクTinが、例えば無段変速機制御手段132により逐次算出される。
具体的には、無段変速機制御手段132は、無段変速機18の変速後に達成すべき変速比γである変速後目標変速比γlを決定する。無段変速機制御手段132は、例えば図7に示すようなアクセル開度Acc(またはスロットル弁開度θth)をパラメータとして出力軸回転速度Noutに対応する車速Vと目標入力軸回転速度Ninとの予め求められて記憶された関係(変速マップ、変速線)から実際の車速V及びアクセル開度Accで示される車両状態に基づいて目標入力軸回転速度Ninを設定する。そして、無段変速機制御手段132は、目標入力軸回転速度Ninに基づいて変速後目標変速比γl(=Nin/Nout)を算出する。図7の変速マップは変速条件に相当するもので、車速V(出力軸回転速度Nout)が小さくアクセル開度Accが大きい程大きな変速比γになる目標入力軸回転速度Ninが設定されるようになっている。この変速後目標変速比γlは、無段変速機18の最小変速比γmin(最高速ギヤ比、最Hi)と最大変速比γmax(最低速ギヤ比、最Low)の範囲内で定められる。そして、無段変速機制御手段132は、例えば迅速且つ滑らかな変速が実現されるように予め実験的に設定された関係から、変速開始前の変速比γと変速後目標変速比γlとそれらの差とに基づいて、変速中の過渡的な変速比γの目標値として目標変速比γを決定する。例えば、無段変速機制御手段132は、変速中に逐次変化させる目標変速比γを、変速開始時から変速後目標変速比γlに向かって変化する滑らかな曲線(例えば1次遅れ曲線や2次遅れ曲線)に沿って変化する経過時間の関数として決定する。すなわち、無段変速機制御手段132は、無段変速機18の変速中において、変速開始時からの時間経過に従って変速開始前の変速比γから変速後目標変速比γlに近付くように逐次目標変速比γを変化させる。そして、この目標変速比γの時間変化率が目標変速速度dγである。つまり、無段変速機制御手段132は、上記経過時間の関数として目標変速比γを決定するので、変速中における目標変速速度dγも決定していることになる。例えば変速が完了して目標変速比γが一定の定常状態となれば、目標変速速度dγは零になる。
また、無段変速機制御手段132は、例えばエンジントルクTeにトルクコンバータ14のトルク比t(=トルクコンバータ14の出力トルクであるタービントルクTt/トルクコンバータ14の入力トルクであるポンプトルクTp)を乗じたトルク(=Te×t)として、無段変速機18の入力トルクTinを算出する。また、無段変速機制御手段132は、例えばエンジン12に対する要求負荷としての吸入空気量Qair(或いはそれに相当するスロットル弁開度θth等)をパラメータとしてエンジン回転速度NeとエンジントルクTeとの予め実験的に求められて記憶された関係(マップ、エンジントルク特性図)から、吸入空気量Qair及びエンジン回転速度Neに基づいて推定エンジントルクTeesとして、エンジントルクTeを算出する。或いは、このエンジントルクTeは、例えばトルクセンサなどにより検出されるエンジン12の実出力トルク(実エンジントルク)Teなどが用いられても良い。また、トルクコンバータ14のトルク比tは、トルクコンバータ14の速度比e(=トルクコンバータ14の出力回転速度であるタービン回転速度Nt/トルクコンバータ14の入力回転速度であるポンプ回転速度Np(エンジン回転速度Ne))の関数であり、例えば速度比eとトルク比t、効率η、及び容量係数Cとのそれぞれの予め実験的に求められて記憶された関係(マップ、トルクコンバータ14の所定の作動特性図)から、実際の速度比eに基づいて無段変速機制御手段132により算出される。なお、推定エンジントルクTeesは、実エンジントルクTeそのものを表すように算出されるものであり、特に実エンジントルクTeと区別する場合を除き、推定エンジントルクTeesを実エンジントルクTeとして取り扱うものとする。従って、推定エンジントルクTeesには実エンジントルクTeも含むものとする。
また、無段変速機制御手段132は、例えば滑り限界推力Wlmtを算出する滑り限界推力算出部すなわち滑り限界推力算出手段134と、バランス推力Wblを算出する定常推力算出部すなわち定常推力算出手段136と、変速差推力ΔWを算出する差推力算出部すなわち差推力算出手段138と、フィードバック制御量Winfbを算出するFB制御量算出部すなわちFB制御量算出手段140とを備えている。
図6のブロックB1及びブロックB2において、滑り限界推力算出手段134は、例えば実変速比γと無段変速機18の入力トルクTinとに基づいて滑り限界推力Wlmtを算出する。具体的には、限界推力算出手段134は、次式(1)及び次式(2)からプライマリプーリ42の入力トルクとしての無段変速機18の入力トルクTin、セカンダリプーリ46の入力トルクとしての無段変速機18の出力トルクTout、可変プーリ42,46のシーブ角α、プライマリプーリ42側の所定のエレメント・プーリ間摩擦係数μin、セカンダリプーリ46側の所定のエレメント・プーリ間摩擦係数μout、実変速比γから一意的に算出されるプライマリプーリ42側のベルト掛かり径Rin、実変速比γから一意的に算出されるセカンダリプーリ46側のベルト掛かり径Rout(以上、図3参照)に基づいて、セカンダリプーリ側滑り限界推力Woutlmt及びプライマリプーリ側滑り限界推力Winlmtをそれぞれ算出する。なお、Tout=γ×Tin=(Rout/Rin)×Tinとしている。
Woutlmt=(TOUT×cosα)/(2×μout×Rout)
=(Tin ×cosα)/(2×μout×Rin ) ・・・(1)
Winlmt =(Tin ×cosα)/(2×μin ×Rin ) ・・・(2)
図6のブロックB3及びブロックB6において、定常推力算出手段136は、例えばプライマリプーリ側滑り限界推力Winlmtに対応するセカンダリバランス推力Woutbl、及び目標セカンダリ推力Woutに対応するプライマリバランス推力Winblをそれぞれ算出する。具体的には、定常推力算出手段136は、目標変速比γをパラメータとしてプライマリ側安全率SFin(=Win/Winlmt)の逆数SFin−1(=Winlmt/Win)とプライマリプーリ42側に対応するセカンダリプーリ46側の推力を算出するときの推力比τinとの予め実験的に求められて記憶された例えば図8(a)に示すような関係(推力比マップ)から、逐次算出される目標変速比γ及びプライマリ側安全率の逆数SFin−1に基づいて推力比τinを算出する。そして、定常推力算出手段136は、次式(3)からプライマリプーリ側滑り限界推力Winlmt及び推力比τinに基づいてセカンダリバランス推力Woutblを算出する。また、定常推力算出手段136は、目標変速比γをパラメータとしてセカンダリ側安全率SFout(=Wout/Woutlmt)の逆数SFout−1(=Woutlmt/Wout)とセカンダリプーリ46側に対応するプライマリプーリ42側の推力を算出するときの推力比τoutとの予め実験的に求められて記憶された例えば図8(b)に示すような関係(推力比マップ)から、逐次算出される目標変速比γ及びセカンダリ側安全率の逆数SFout−1に基づいて推力比τoutを算出する。そして、定常推力算出手段136は、次式(4)から目標セカンダリ推力Wout及び推力比τoutに基づいてプライマリバランス推力Winblを算出する。なお、被駆動時には入力トルクTinや出力トルクToutが負の値となることから、上記各安全率の逆数SFin−1,SFout−1も被駆動時には負の値となる。また、この逆数SFin−1,SFout−1は、逐次算出されても良いが、安全率SFin、SFoutに所定値(例えば1−1.5程度)を各々設定するならばその逆数を設定しても良い。
Woutbl=Winlmt×τin ・・・(3)
Winbl=Wout/τout ・・・(4)
図6のブロックB4及びブロックB7において、差推力算出手段138は、例えばセカンダリプーリ46側にて目標の変速を実現する場合のセカンダリプーリ側換算の差推力ΔWとしてのセカンダリ変速差推力ΔWout、及びプライマリプーリ42側にて目標の変速を実現する場合のプライマリプーリ側換算の差推力ΔWとしてのプライマリ変速差推力ΔWinを算出する。具体的には、差推力算出手段138は、目標変速速度dγとセカンダリ変速差推力ΔWoutとの予め実験的に求められて記憶された例えば図9(b)に示すような関係(差推力マップ)から、逐次算出される目標変速速度dγに基づいてセカンダリ変速差推力ΔWoutを算出する。また、差推力算出手段138は、目標変速速度dγとプライマリ変速差推力ΔWinとの予め実験的に求められて記憶された例えば図9(a)に示すような関係(差推力マップ)から、逐次算出される目標変速速度dγに基づいてプライマリ変速差推力ΔWinを算出する。
ここで、上記ブロックB3,B4における演算では、推力比マップ(図8参照)や差推力マップ(図9参照)等の予め実験的に求められて設定された物理特性図を用いる。その為、油圧制御回路100等の個体差によりセカンダリバランス推力Woutblやセカンダリ変速差推力ΔWoutの算出結果には物理特性に対するばらつきが存在する。そこで、このような物理特性に対するばらつきを考慮する場合には、限界推力算出手段134は、例えばプライマリプーリ側滑り限界推力Winlmtに基づくセカンダリプーリ46側の推力(セカンダリバランス推力Woutblやセカンダリ変速差推力ΔWout)の算出に関わる物理特性に対するばらつき分に対応する所定推力(制御マージン)Wmgnを、上記セカンダリプーリ46側の推力の算出に先立って、プライマリプーリ側滑り限界推力Winlmtに加算する。従って、上記物理特性に対するばらつきを考慮する場合には、前記ブロックB3において、定常推力算出手段136は、例えば前記式(3)に替えて、次式(3)’から上記制御マージンWmgnが加算されたプライマリプーリ側滑り限界推力Winlmt及び推力比τinに基づいてセカンダリバランス推力Woutblを算出する。
Woutbl=(Winlmt+Wmgn)×τin ・・・(3)’
なお、上記制御マージンWmgnは、例えば予め実験的に求められて設定された一定値(設計値)であるが、定常状態(変速比一定状態)よりも過渡状態(変速中)の方がばらつき要因(推力比マップや差推力マップの物理特性図)を多く用いるので、大きい値に設定されている。また、上記算出に関わる物理特性に対するばらつき分は、例えばリニアソレノイド弁SLP,SLSへの各制御電流に対する制御油圧PSLP,PSLSのばらつき、その制御電流を出力する駆動回路のばらつき、制御油圧PSLP,PSLSに対する実プーリ圧Pin,Poutのばらつき等のプーリ圧の油圧指令値に対する実油圧のずれ分(油圧ばらつき分、油圧制御上のばらつき分)とは異なるものである。この油圧ばらつき分は、ユニット(油圧制御回路100等のハードユニット)によっては比較的大きな値となるが、上記算出に関わる物理特性に対するばらつき分は、上記油圧ばらつき分と比べて極めて小さな値である。その為、制御マージンWmgnをプライマリプーリ側滑り限界推力Winlmtに加算することは、プーリ圧の油圧指令値に対して実プーリ圧がどんなにばらついても目標のプーリ圧が得られるようにその油圧指令値に制御上のばらつき分を上乗せすることに比べ、燃費の悪化が抑制される。また、上記ブロックB6,B7における演算では、目標セカンダリ推力Woutを基にするので、ここでは演算に先立って上記制御マージンWmgnを目標セカンダリ推力Woutに加算することについては実行しない。
また、無段変速機制御手段132は、例えばプライマリプーリ42側のベルト滑りを防止する為に必要なセカンダリ推力として、セカンダリバランス推力Woutblにセカンダリ変速差推力ΔWoutを加算したセカンダリプーリ側変速制御推力Woutsh(=Woutbl+ΔWout)を算出する。そして、図6のブロックB5において、無段変速機制御手段132は、セカンダリプーリ側滑り限界推力Woutlmtとセカンダリプーリ側変速制御推力Woutshとのうちの大きい方を、目標セカンダリ推力Woutとして選択する。
また、無段変速機制御手段132は、例えばプライマリバランス推力Winblにプライマリ変速差推力ΔWinを加算してプライマリプーリ側変速制御推力Winsh(=Winbl+ΔWin)を算出する。また、図6のブロックB8において、FB制御量算出手段140は、例えば次式(5)に示すような予め求められて設定されたフィードバック制御式を用いて、実変速比γを目標変速比γと一致させる為のフィードバック制御量(FB制御補正量)Winfbを算出する。この式(5)において、Δγは目標変速比γと実変速比γとの変速比偏差(=γ−γ)、KPは所定の比例定数、KIは所定の積分定数、KDは所定の微分定数である。そして、無段変速機制御手段132は、例えばプライマリプーリ側変速制御推力Winshに対して、変速比偏差Δγに基づいたフィードバック制御により補正した値(=Winsh+Winfb)を目標プライマリ推力Winとして設定する。
Winfb=KP×Δγ+KI×(∫Δγdt)+KD×(dΔγ/dt) ・・・(5)
このように、前記ブロックB1乃至B5は、目標セカンダリ推力Woutを設定するセカンダリ側目標推力演算部すなわちセカンダリ側目標推力演算手段150として機能する。また、前記ブロックB6乃至B8は、目標プライマリ推力Winを設定するプライマリ側目標推力演算部すなわちプライマリ側目標推力演算手段152として機能する。
図6のブロックB9及びブロックB12において、無段変速機制御手段132は、例えば目標推力を目標プーリ圧に変換する。具体的には、無段変速機制御手段132は、目標セカンダリ推力Wout及び目標プライマリ推力Winを、各油圧シリンダ46c,42cの各受圧面積に基づいて目標セカンダリ圧Pout(=Wout/46cの受圧面積)及び目標プライマリ圧Pin(=Win/42cの受圧面積)に各々変換する。
ここで、本実施例の油圧制御回路100では、プライマリ圧Pin及びセカンダリ圧Poutの制御にプライマリ圧コントロールバルブ110及びセカンダリ圧コントロールバルブ112の各減圧弁を用いている。その為、例えば変速中は作動油の給排によりスプリング110b,112bのバネ力の変化と流体力(フローフォース)とが生じる。これによりスプール弁子110a,112aの移動方向(弁開閉方向、図3の上下方向、)の力の釣り合いが崩れるので、プーリ指示圧と実プーリ圧との間にずれδP1が発生する。このずれδP1は、例えばベルヌーイの定理と運動量保存則により導出することができ、オーバーライド特性として作動油の流量Qf又はプーリ位置Xin,Xoutの変化量の関数で表すことができる。また、本実施例の油圧制御回路100では、オリフィス120,124が設けられている。その為、変速中は、作動油の流量Qfに応じてオリフィス120,124の上流と下流との間に圧力差δP2が生じる。この圧力差δP2は、例えばオリフィス特性として作動油の流量Qf又はプーリ位置Xin,Xoutの変化量の2次関数で表すことができる。
また、プーリ指示圧の変化に対して実プーリ圧の変化には、油圧制御回路100の遅れ特性と流体の遅れ特性とが存在する。この遅れ特性は、例えば1次遅れ系や2次遅れ系にて近似することができる。そこで、プーリ指示圧に対する実プーリ圧の遅れ特性をモデル化し、このモデル化した遅れ特性に基づいて遅れ特性を相殺する為の遅れ補償特性をモデル化する。
そして、図6のブロックB10,B11及びブロックB13,B14において、無段変速機制御手段132は、例えば目標セカンダリ圧Pout及び目標プライマリ圧Pinに対して、前記オーバーライド特性及びオリフィス特性に基づいたずれ量分(δP1+δP2)だけ各々補正し、更に前記モデル化した遅れ補償特性に基づいて油圧応答遅れ分だけ補償した値をセカンダリ指示圧Pouttgt及びプライマリ指示圧Pintgtとして設定する。
無段変速機制御手段132は、例えば目標プライマリ圧Pin及び目標セカンダリ圧Poutが得られるように、油圧制御指令信号SCVTとしてプライマリ指示圧Pintgt及びセカンダリ指示圧Pouttgtを油圧制御回路100へ出力する。油圧制御回路100は、その油圧制御指令信号SCVTに従って、リニアソレノイド弁SLPを作動させてプライマリ圧Pinを調圧すると共に、リニアソレノイド弁SLSを作動させてセカンダリ圧Poutを調圧する。
ところで、入力軸回転速度センサ56が故障すると、入力軸32の実入力軸回転速度Ninが不明となるため、入力軸回転速度Ninに基づいて算出される無段変速機18の実変速比γが算出不能となる。このとき、入力軸回転速度センサ56に代わってタービン回転速度センサ54によって入力軸回転速度Ninを検出することができるが、さらにタービン回転速度センサ54が故障した場合、或いは前後進切換装置16の前進用クラッチC1が開放されるなどしてタービン軸30と入力軸32との連結が切断されると、入力軸回転速度Ninが検出不能となり、実変速比γが不明となる。このような場合、目標変速比γを形成できるであろう油圧で制御することは可能であるが、油圧、摩擦係数μ、トルク等のばらつきが介在するため、実際の変速比γは目標変速比γと一致しない。このとき、例えばプライマリ推力Winがプライマリシーブ側滑り限界推力Winlmtを下回る推力となってしまうと、ベルト滑りが発生する可能性が生じる。これに対して、本実施例では、入力軸32の回転速度不明時において用いられる車速Vのみをパラメータとする変速線に基づいて目標変速比γ(第2の目標変速比)を決定し、その目標変速比γが達成されるようにプライマリプーリ42のプライマリ推力Winおよびセカンダリプーリ46のセカンダリ推力Woutをそれぞれフィードフォワード制御すると共に、各々のシーブ推力をそれぞれ所定量だけかさ上げして制御することで、ベルト滑りを防止すると共に必要最低限の走行性能(リンプホーム性能)を確保する。
図4において、実変速比検出可否判断部すなわち実変速比検出可否判断手段142は、タービン回転速度センサ54および入力軸回転速度センサ56の故障状態、および前後進切換装置16の前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1の開放状態に基づいて入力軸回転速度Ninが検出可能か否か、すなわち入力軸回転速度Ninに基づいて算出される実変速比γが検出可能か否かを判断する。実変速比検出可否判断手段142によって実変速比γが検出不能と判断されると、実変速比γによるフィードバック制御が実施不能となる。これに対して、無段変速機制御手段132は、プライマリプーリ42のプライマリ推力Winおよびセカンダリプーリ46のセカンダリ推力Woutをそれぞれフィードフォワード制御する。
このような場合、無段変速機制御手段132は、図10に示すような車速Vと入力軸回転速度Ninとの予め求められた記憶された関係(変速マップ)から実際の車速Vで示される車両状態に基づいて目標入力軸回転速度Ninを設定する。図10に示す変速マップ(変速線)は、図7の変速マップ(変速線)と異なり、アクセル開度Accをパラメータとせず、車速Vのみに基づいて入力軸回転速度Ninが決定される。これより、運転者のアクセル操作等に拘わらず目標変速比γが制御されるため、急変速が発生しにくくなり、滑りを保証する上でのフィードフォワード制御の制御性が向上する。また、図10に示すように、実線で示す変速線は、目標変速比γが最小変速比γmin近傍の値をとるように設定されている。これより、変速比γが引き下げられ、最低限の車両走行性能(退避走行性能、リンプホーム性能)が確保される。なお、変速線が最小変速比γmin上に設定されないのは、変速比γを常に最小変速比γminに張り付かせることによるシーブ固着等の不具合を防止するためである。上記図10の変速マップに基づいて設定される目標変速比γが本発明の第2の目標変速比に対応している。
ところで、実変速比γが不明であるため、図6のブロックB1およびブロックB2において、実変速比γによって算出されるプライマリプーリ側滑り限界推力Winlmtおよびセカンダリプーリ側滑り限界推力Woutlmtが算出不能となる。そこで、本実施例では、滑り限界推力算出手段134は、プライマリプーリ側滑り限界推力Winlmtおよびセカンダリプーリ側滑り限界推力Woutlmtを最大変速比γmaxを基準に算出する。最大変速比γmaxが基準として算出されると、プライマリプーリ42側のベルト掛かり径であるRinが最小値となることから式(1)、(2)に基づいてプライマリプーリ側滑り限界推力Winlmt、セカンダリプーリ側滑り限界推力Woutlmtが大きくなる。そして、定常推力算出手段136は、その算出されたプライマリプーリ側滑り限界推力Winlmtに対応するセカンダリバランス推力Woutblを算出する。具体的には、定常推力算出手段136は、図10の変速マップによって設定された目標変速比γをパラメータとして図8(a)に示すプライマリ側安全率の逆数SFin−1(=Winlmt/Win)と推力比τinとの関係から、逐次算出される目標変速比γおよびプライマリ側安全率の逆数SFin−1に基づいて推力比τinを算出する。そして、定常推力算出手段136は、式(3)からプライマリプーリ側滑り限界推力Winlmtおよびおよび推力比τinに基づいてセカンダリバランス推力Woutblを算出する。
このように、例えば最大変速比γmaxを基準としてプライマリプーリ側滑り限界推力Winlmtが算出されると、図11に示すように、実変速比γを基準とした場合に比較して、斜線を施した所定量X1分だけプライマリプーリ側滑り限界推力Winlmt大きくなる。また、その最大変速比γmaxを基準に算出されるプライマリプーリ側滑り限界推力Winlmtおよび目標変速比γに基づいて算出されるセカンダリバランス推力Woutblも同様に、実変速比γを基準とした場合に比較して、斜線を施した所定量X2分だけその値が大きくなる。すなわち、プライマリプーリ42のプライマリ推力Winおよびセカンダリプーリ46のセカンダリ推力Wout共に推力がかさ上げされることとなる。したがって、プライマリプーリ42のプライマリ推力Winおよびセカンダリプーリ46のセカンダリ推力Woutがかさ上げされることで、各プーリの推力に多少のばらつきが発生してもベルト滑りが防止される。なお、図11の斜線で示す部分が、最大変速比γmaxを基準として算出されることでかさ上げされる本発明の所定量(X1、X2)に対応する。
差推力算出手段138は、セカンダリプーリ46側にて目標の変速を実現する場合のセカンダリプーリ側のセカンダリ変速差推力ΔWoutを算出する。具体的には、差推力算出手段138は、図9(b)に示した目標変速速度dγとセカンダリ変速差推力ΔWoutとの差推力マップから逐次算出される目標変速速度dγに基づいてセカンダリ変速差推力ΔWoutを算出する。無段変速機制御手段132は、セカンダリバランス推力Woutblにセカンダリ変速差推力ΔWoutを加算したセカンダリプーリ側変速制御推力Woutsh(Woutbl+ΔWout)を算出し、そのセカンダリプーリ側変速制御推力Woutshと、最大変速比γmaxを基準として算出したセカンダリプーリ側滑り限界推力Woutlmtとのうちの大きい方を目標セカンダリ推力Woutに設定する。
また、定常推力算出手段136は、目標セカンダリ推力Woutに対応するプライマリバランス推力Winblを図10(b)に示す推力比マップから、逐次算出される目標変速比γおよびセカンダリ側安全率の逆数SFout−1に基づいて推力比τoutを算出する。そして、定常推力算出手段136は、式(4)から目標セカンダリ推力Woutおよび推力比τoutに基づいてプライマリバランス推力Winblを算出する。
そして、差推力算出手段138は、プライマリプーリ42側にて目標の変速を実現する場合のプライマリプーリ側換算のプライマリ変速差推力ΔWinを算出する。具体的には、差推力算出手段138は、図9(a)に示した目標変速速度dγとプライマリ変速差推力ΔWinとの差推力マップから逐次算出される目標変速速度dγに基づいてプライマリ変速差推力ΔWinを算出する。無段変速機制御手段132は、プライマリバランス推力Winblにプライマリ変速差推力ΔWinを加算した値を目標プライマリ推力Winに設定する。ここで、実変速比γが不明であるため、目標変速比γと実変速比γとの偏差Δγに基づいて算出されるフィードバック制御量Winfbは算出されない。したがって、フィードバック制御による補正は実施されない。すなわち、図6に示すブロックB8のフィードバック制御が実施されないため、実変速比γが不明である場合には、プライマリ推力Winおよびセカンダリ推力Woutはそれぞれフィードフォワード制御のみによって制御される。
このように、実変速比γが不明となると、実変速比γに代わって最大変速比γmaxを基準として、図10に示すような車速V(または出力軸回転速度Nout)のみからなる変速線に基づいて目標プライマリ推力Winおよび目標セカンダリ推力Woutが図6ブロック線図(ブロックB8は実施されない)に従ってフィードフォワード制御によって逐次算出される。これより、運転者のアクセルペダル操作によって目標変速比γが変化しないことから、ベルト式無段変速機18の急変速が防止され、フィードフォワード制御の制御性が向上することとなる。また、最大変速比γmaxに基づいて各滑り限界推力Wlmtが算出されるので、プライマリプーリ42のプライマリ推力Winおよびセカンダリプーリ46のセカンダリ推力Wout共に増加するため、各プーリの推力にばらつきが生じてもベルト滑りが防止される。
図12は、電子制御装置50の制御作動の要部すなわち入力軸回転速度センサ56が故障するなどして実変速比γが不明となった場合においてベルト滑りを抑制しつつ最低限の走行が可能となる制御作動を説明する為のフローチャートであり、例えば数msec乃至数十msec程度の極めて短いサイクルタイムで繰り返し実行される。
図12において、先ず、実変速比検出可否判断手段142に対応するステップS0(以下、ステップを省略する)において、ベルト式無段変速機18の実変速比γが検出不能か否かが判断される。S0が否定される場合、本ルーチンは終了させられる。一方、S0が肯定される場合、限界推力算出手段134に対応するS10において、例えば前記式(1)から無段変速機18の入力トルクTin、可変プーリ42,46のシーブ角α、セカンダリプーリ46側の所定のエレメント・プーリ間摩擦係数μout、最大変速比γmaxから一意的に算出されるプライマリプーリ42側のベルト掛かり径Rinに基づいて、セカンダリプーリ側滑り限界推力Woutlmtが算出される。なお、実変速比γが不明であるため、セカンダリプーリ側滑り限界推力Woutlmtが所定量だけ増加するように、変速比γが最大変速比γmaxで算出される。次いで、滑り限界推力算出手段134に対応するS20において、例えば前記式(2)から無段変速機18の入力トルクTin、可変プーリ42,46のシーブ角α、プライマリプーリ42側の所定のエレメント・プーリ間摩擦係数μin、最大変速比γmaxから算出されるプライマリプーリ42側のベルト掛かり径Rinに基づいて、プライマリプーリ側滑り限界推力Winlmtが算出される。なお、実変速比γが不明であるため、プライマリプーリ側滑り限界推力Winlmtが所定量X1だけ増加するように、変速比γが最大変速比γmaxで算出される。
次いで、定常推力算出手段136に対応するS30において、例えば図8(a)に示すような推力比マップから、逐次算出される目標変速比γ及びプライマリ側安全率の逆数SFin−1に基づいて推力比τinが算出される。そして、前記式(3)から上記プライマリプーリ側滑り限界推力Winlmt及び推力比τinに基づいてセカンダリバランス推力(セカンダリ定常推力)Woutblが算出される。次いで、差推力算出手段138に対応するS40において、例えば図9(b)に示すような差推力マップから、逐次算出される目標変速速度dγに基づいてセカンダリ変速差推力ΔWoutが算出される。次いで、無段変速機制御手段132に対応するS50において、例えば上記セカンダリバランス推力Woutblにセカンダリ変速差推力ΔWoutが加算されてセカンダリプーリ側変速制御推力Woutsh(=Woutbl+ΔWout)が算出される。そして、上記セカンダリプーリ側滑り限界推力Woutlmtとセカンダリプーリ側変速制御推力Woutshとのうちの大きい方が目標セカンダリ推力Woutとして選択される。なお、上記S10乃至S50はセカンダリ側目標推力演算手段150に対応し、フィードフォワード制御によって逐次目標セカンダリ推力Woutが算出される。
次いで、定常推力算出手段136に対応するS60において、例えば図8(b)に示すような推力比マップから、逐次算出される目標変速比γ及びセカンダリ側安全率の逆数SFout−1に基づいて推力比τoutが算出される。そして、前記式(4)から前記目標セカンダリ推力Wout及び推力比τoutに基づいてプライマリバランス推力(プライマリ定常推力)Winblが算出される。次いで、差推力算出手段138に対応するS70において、例えば図9(a)に示すような差推力マップから、逐次算出される目標変速速度dγに基づいてプライマリ変速差推力ΔWinが算出される。次いで、無段変速機制御手段132に対応するS80において、例えば上記プライマリバランス推力Winblにプライマリ変速差推力ΔWinが加算されて目標プライマリプーリ推力Win(=Winbl+ΔWin)が設定される。なお、上記S60乃至S80はプライマリ側目標推力演算手段152に対応し、フィードフォワード制御によって逐次目標プライマリプーリ推力Winが算出される。
次いで、無段変速機制御手段132に対応するS90において、例えば前記目標セカンダリ推力Woutがセカンダリ側油圧シリンダ46cの受圧面積に基づいて目標セカンダリ圧Pout(=Wout/受圧面積)に変換される。そして、上記目標セカンダリ圧Poutに対して、前記オーバーライド特性及びオリフィス特性に基づいたずれ量分(δP1+δP2)だけ補正し、更に前記モデル化した遅れ補償特性に基づいて油圧応答遅れ分だけ補償した値がセカンダリ指示圧Pouttgtとして設定される。このセカンダリ指示圧Pouttgtは油圧制御指令信号SCVTとして油圧制御回路100へ出力され、この油圧制御指令信号SCVTに従ってリニアソレノイド弁SLSが作動させられてセカンダリ圧Poutが調圧される。この際、例えばセカンダリ圧センサ78によるセカンダリ圧Poutの検出値が目標セカンダリ圧Poutと一致するように、偏差ΔPout(=Pout−Pout検出値)に基づくフィードバック制御によりセカンダリ指示圧Pouttgtが補正されて、セカンダリプーリ46側の油圧ばらつき分が補償される。
次いで、無段変速機制御手段132に対応するS100において、例えば前記目標プライマリ推力Winがプライマリ側油圧シリンダ42cの受圧面積に基づいて目標プライマリ圧Pin(=Win/受圧面積)に変換される。そして、上記目標プライマリ圧Pinに対して、前記オーバーライド特性及びオリフィス特性に基づいたずれ量分(δP1+δP2)だけ補正し、更に前記モデル化した遅れ補償特性に基づいて油圧応答遅れ分だけ補償した値がプライマリ指示圧Pintgtとして設定される。このプライマリ指示圧Pintgtは油圧制御指令信号SCVTとして油圧制御回路100へ出力され、この油圧制御指令信号SCVTに従ってリニアソレノイド弁SLPが作動させられてプライマリ圧Pinが調圧される。
上述のように、本実施例によれば、入力軸32の回転速度Ninが不明となると、その入力軸32の回転速度不明時において予め設定されている変速線に基づいて目標変速比γを設定し、その目標変速比γが達成されるようにプライマリプーリ42およびセカンダリプーリ46のシーブ推力をフィードフォワード制御すると共に、プライマリプーリ42およびセカンダリプーリ46のシーブ推力(Win、Wout)をそれぞれ所定量(X1、X2)だけかさ上げして制御するものである。このようにすれば、入力軸32の回転速度Ninが不明となるとベルト式無段変速機18の実変速比γが算出不能となり、実変速比γに基づくフィードバック制御が実施不能となるが、入力軸32の回転速度不明時において予め設定されている変速線に基づいてプライマリプーリ42およびセカンダリプーリ46のシーブ推力(Win、Wout)がフィードフォワード制御されることで、最低限の車両走行(退避走行)が可能となる。このとき、プライマリプーリ42およびセカンダリプーリ46においてベルト滑りの発生しないシーブ推力が実際に確保されているか保証されないが、プライマリプーリ42およびセカンダリプーリ46のシーブ推力(Win、Wout)をそれぞれ所定量(X1、X2)だけかさ上げして制御するため、プライマリプーリ42およびセカンダリプーリ46のシーブ推力が増加し、シーブ推力にばらつきが生じてもベルト滑りを防止することができる。
また、本実施例によれば、入力軸32の回転速度不明時に用いられる変速線は車速Vのみに基づいて目標変速比γが設定されるため、運転者のアクセル操作等による急変速が防止され、ベルト滑りを防止する上でのフィードフォワード制御の制御性が向上する。
また、本実施例によれば、入力軸32の回転速度不明時に用いられる変速線は、目標変速比γが最小変速比γmin近傍の値をとるように設定されているため、入力軸32および入力軸に連結されたエンジン12をはじめとする回転部材の高回転化が防止される。
また、本実施例によれば、プライマリプーリ42のプライマリ推力Winおよびセカンダリプーリ46のセカンダリ推力Woutは、ベルト式無段変速機18の最大変速比γmaxを基準として算出されるため、プライマリプーリ42のプライマリ推力Winおよびセカンダリプーリ46のセカンダリ推力Woutが所定量(X1、X2)だけ増加する。これより、プライマリプーリ42およびセカンダリプーリ46のシーブ推力(Win、Wout)が所定量(X1、X2)だけそれぞれ増加するため、シーブ推力にばらつきが生じても伝動ベルト48のベルト滑りが防止される。
また、本実施例によれば、プライマリプーリ42のプライマリ推力Winとセカンダリプーリ46のセカンダリ推力Woutとが独立して制御可能に構成されているため、プライマリプーリ42およびセカンダリプーリ46のシーブ推力(Win、Wout)を目標変速比γに応じたシーブ推力に制御することが可能となる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例では、実変速比γの代わりに最大変速比γmaxを用いることで、プライマリプーリ42およびセカンダリプーリ46の推力を増加させているが、必ずしも最大変速比γmaxに限定されず、プライマリプーリ42およびセカンダリプーリ46の推力をそれぞれ増加させる限りにおいて他の値を用いても構わない。
また、前述の実施例の図6に示すブロック図は一例であって、本発明は、プライマリプーリおよびセカンダリプーリを独立して制御可能な構成であれば適宜用いることができる。
また、前述の実施例では、入力軸回転速度センサ56が設けられていたが、入力軸回転速度センサ56が無い構成であっても本発明を適用することができる。入力軸回転速度センサ56が無い場合には、タービン回転速度センサ54によって入力軸回転速度Ninが検出されるが、前後進切替装置16によって入力軸32とタービン軸30との間の動力伝達経路が切断されると、タービン回転速度センサ54によって入力軸回転速度Ninを検出することができなくなる。このような場合に本発明が適用される。また、入力軸回転速度センサ56がない構成において、タービン回転速度センサ54が故障した場合においても本発明が適用される。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
18:ベルト式無段変速機(車両用ベルト式無段変速機)
32:入力軸
42:入力側可変プーリ(プライマリプーリ)
44:出力軸
46:出力側可変プーリ(セカンダリプーリ)
48:伝動ベルト
50:電子制御装置(制御装置)
Win:入力側推力、プライマリ推力(プライマリプーリのシーブ推力)
Wout:出力側推力、セカンダリ推力(セカンダリプーリのシーブ推力)

Claims (5)

  1. 入力軸に設けられたプライマリプーリと出力軸に設けられたセカンダリプーリ間に伝動ベルトが巻き掛けられたベルト式無段変速機を備え、前記入力軸の回転速度と前記出力軸の回転速度との比である該ベルト式無段変速機の変速比を予め求められた目標変速比となるように前記プライマリプーリのシーブ推力と前記セカンダリプーリのシーブ推力とを調節する車両用ベルト式無段変速機の制御装置であって、
    前記入力軸の回転速度が不明となると、該入力軸の回転速度不明時において用いられる予め設定されている変速線に基づいて第2の目標変速比を設定し、該目標変速比が達成されるように前記プライマリプーリのシーブ推力および前記セカンダリプーリのシーブ推力をフィードフォワード制御すると共に、前記プライマリプーリおよび前記セカンダリプーリのシーブ推力をそれぞれ所定量だけかさ上げして制御することを特徴とする車両用ベルト式無段変速機の制御装置。
  2. 前記入力軸の回転速度不明時に用いられる前記変速線は、車速のみに基づいて前記目標変速比が設定されるものであることを特徴とする請求項1の車両用ベルト式無段変速機の制御装置。
  3. 前記変速線は、前記目標変速比が最小変速比近傍の値をとるように設定されていることを特徴とする請求項2の車両用ベルト式無段変速機の制御装置。
  4. 前記プライマリプーリおよび前記セカンダリプーリのシーブ推力は、前記車両用ベルト式無段変速機の最大変速比を基準として算出されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1の車両用ベルト式無段変速機の制御装置。
  5. 前記プライマリプーリのシーブ推力と前記セカンダリプーリのシーブ推力とが独立して制御可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1の車両用ベルト式無段変速機の制御装置。
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