JP5781972B2 - 無段変速機及びその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、無段変速機に関し、特に、プライマリプーリ及びセカンダリプーリのプーリ室が、それぞれシリンダ室とクランプ室とからなる二重ピストン室構造になっている無段変速機に関する。
無段変速機は、プライマリプーリと、セカンダリプーリと、これらの間に巻き掛けられるベルトとを備え、二つのプーリの溝幅を変更することによって変速比を無段階に変更することができる変速機である。プライマリプーリ及びセカンダリプーリはそれぞれプーリ室を有し、プーリ溝幅の変更は、プーリ室に供給される油圧を変更することによって行われる。
特許文献1は、このような無段変速機において、プーリ室をシリンダ室とクランプ室とからなる二重ピストン室構造にしたものを開示している。二重ピストン室構造を有する無段変速機においては、変速を行わせるため(プーリ溝幅を変更するため)の推力を主にシリンダ室に供給される油圧によって発生し、プーリでベルトをクランプするための推力を主にクランプ室に供給される油圧によって発生する。
プーリ室を二重ピストン室構造にすると、プーリ室の受圧面積が増大するので、より低い油圧でもって変速及びベルトの挟持ができるので、エンジンによって駆動されるオイルポンプの負荷を減らし、無段変速機が搭載される車両の燃費を向上させることが可能である。
さらに、特許文献1では、プライマリプーリのクランプ室とセカンダリプーリのクランプ室とを油路によって連通し、これらクランプ室に供給される油圧を、プライマリプーリに要求される推力とセカンダリプーリに要求される推力のうち、大きい方に基づき設定するようにしている。この構成によれば、必要とされる油圧の最大値を最小にすることができ、オイルポンプの負荷をさらに下げることができる。
特開2004−324751号公報
しかしながら、特許文献1の構成では、必要とされる油圧を下げることができるものの、急減速で無段変速機を速やかにロー側(大側)に変速させる必要がある場合に、プライマリプーリの推力とセカンダリプーリの推力との差(差推力)を十分に確保することができず、ロー側への変速が遅れる可能性があった。
これは、ロー側に速やかに変速させるためには、プライマリプーリの推力を下げ、セカンダリプーリの推力を上げ、差推力を大きくする必要があるが、クランプ室に供給される油圧がこれらのうちより大きなセカンダリプーリの推力に基づいて設定されるため、プライマリプーリのクランプ室に供給される油圧が下がらず、プライマリプーリのシリンダ室に供給される油圧を下げたとしても、プライマリプーリの推力を十分に下げることができないからである。
本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたもので、プライマリプーリ及びセカンダリプーリのプーリ室がシリンダ室とクランプ室とからなる二重ピストン室構造で、かつ、二つのクランプ室を油路で連通した無段変速機において、急減速時に速やかにロー側に変速できるようにし、再発進性能を保証することを目的とする。
本発明のある態様によれば、無段変速機であって、推力を発生させるための油圧が供給されるプーリ室がプライマリシリンダ室とプライマリクランプ室とからなる二重ピストン室構造のプライマリプーリと、推力を発生させるための油圧が供給されるプーリ室がセカンダリシリンダ室とセカンダリクランプ室とからなる二重ピストン室構造のセカンダリプーリと、前記プライマリプーリと前記セカンダリプーリとの間に巻き掛けられる伝達部材と、前記プライマリクランプ室と前記セカンダリクランプ室とを連通する第1油路と、前記第1油路と油圧源とを接続する第2油路と、前記第2油路に設けられ、前記油圧源からの油圧を元圧として前記プライマリクランプ室及び前記セカンダリクランプ室に供給されるクランプ圧を調圧する調圧バルブと、前記第1油路に設けられ、前記プライマリクランプ室と前記調圧バルブ及び前記セカンダリクランプ室との間を連通する連通位置と、前記プライマリクランプ室をドレンするとともに前記プライマリクランプ室と前記調圧バルブ及び前記セカンダリクランプ室との間を遮断するドレン位置とを切り替えることのできる切り替えバルブと、を備えたことを特徴とする無段変速機が提供される。
本発明の別の態様によれば、推力を発生させるための油圧が供給されるプーリ室がプライマリシリンダ室とプライマリクランプ室とからなる二重ピストン室構造のプライマリプーリと、推力を発生させるための油圧が供給されるプーリ室がセカンダリシリンダ室とセカンダリクランプ室とからなる二重ピストン室構造のセカンダリプーリと、前記プライマリプーリと前記セカンダリプーリとの間に巻き掛けられる伝達部材と、前記プライマリクランプ室と前記セカンダリクランプ室とを連通する第1油路と、前記第1油路と油圧源とを接続する第2油路と、前記第2油路に設けられ、前記油圧源からの油圧を元圧として前記プライマリクランプ室及び前記セカンダリクランプ室に供給されるクランプ圧を調圧する調圧バルブと、前記第1油路に設けられ、前記プライマリクランプ室と前記調圧バルブ及び前記セカンダリクランプ室との間を連通する連通位置と、前記プライマリクランプ室をドレンするとともに前記プライマリクランプ室と前記調圧バルブ及び前記セカンダリクランプ室との間を遮断するドレン位置とを切り替えることのできる切り替えバルブと、を備えた無段変速機の制御方法であって、車両の急減速を判断し、車両が急減速すると判断された場合に、前記切り替えバルブを前記ドレン位置に切り替える、ことを特徴とする無段変速機の制御方法が提供される。
これらの態様によれば、切り替えバルブをドレン位置に切り替えることによって十分な差推力を確保することができ、無段変速機をロー側に速やかに変速させ、再発進性能を保証することができる。
無段変速機の概略構成図である。 無段変速機の断面図である。 油圧制御回路の回路図である(第1実施形態)。 急減速時の制御内容を示したフローチャートである。 急減速時の様子を示したタイムチャートである。 油圧制御回路の回路図である(第2実施形態)。 急減速時の制御内容を示したフローチャートである。 急減速時の様子を示したタイムチャートである。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は、無段変速機(以下、「CVT」という。)3の概略構成図である。
CVT3は、ロックアップクラッチ1a付きトルクコンバータ1と、前後進切換機構2と、油圧制御回路4と、オイルポンプ4aと、CVTコントロールユニット5と、プライマリ回転速度センサ6と、セカンダリ回転速度センサ7と、アクセル開度センサ8と、ブレーキスイッチ9とを備える。
トルクコンバータ1は、動力源としてのエンジンの出力軸に連結され、入力側と出力側の回転速度差によってトルクの増幅作用を発生させる。ロックアップクラッチ1aにロックアップ圧を供給し、ロックアップクラッチ1aを締結すると、トルクコンバータ1の滑りによる伝達ロスをなくすことができる。
前後進切換機構2は、トルクコンバータ出力軸13と連結したリングギア2a、ピニオンキャリア2b、変速機入力軸14と連結したサンギア2cとからなる遊星歯車機構である。ピニオンキャリア2bには、変速機ケースにピニオンキャリア2bを固定する後進ブレーキ2eと、変速機入力軸14とピニオンキャリア2bを一体に連結する前進クラッチ2dとが設けられている。
変速機入力軸14の端部にはCVT3のプライマリプーリ10が設けられている。CVT3は、上記プライマリプーリ10と、セカンダリプーリ40と、プライマリプーリ10の回転力をセカンダリプーリ40に伝達する伝達部材としてのベルト15とを備える。プライマリプーリ10は、変速機入力軸14と一体に回転する固定プーリ14aと、固定プーリ14aに対向配置されてV字状プーリ溝を形成すると共にプライマリシリンダ室20及びプライマリクランプ室30に作用する油圧によって変速機入力軸14の軸方向に移動可能である可動プーリ12とを備える。
セカンダリプーリ40は、従動軸16上に設けられている。セカンダリプーリ40は、従動軸16と一体に回転する固定プーリ16aと、固定プーリ16aに対向配置されてV字状プーリ溝を形成すると共にセカンダリシリンダ室60及びセカンダリクランプ室50に作用する油圧によって従動軸16の軸方向に移動可能である可動プーリ42とを備える。
CVT3は、プライマリプーリ10の可動プーリ12及びセカンダリプーリ40の可動プーリ42を軸方向に移動させてV字状プーリ溝の幅を変化させ、プライマリプーリ10及びセカンダリプーリ40とベルト15との接触半径を変えることによって、プライマリプーリ10とセカンダリプーリ40との間の回転速度比、つまり変速比を変更する。
図2を参照しながらプライマリプーリ10及びセカンダリプーリ40のピストン室構造について説明する。
プライマリシリンダ室20は、可動プーリ12と可動プーリ12の延長部12aと固定壁21とによって区画された室である。延長部12aの内周部と固定壁21の外周部とは、シール21aを介してシールされているので、可動プーリ12が軸方向に移動してもプライマリシリンダ室20は液密状態を維持する。
プライマリクランプ室30は、固定壁21、22とピストン24とで区画された室であり、ピストン24の外径部は可動プーリ12の延長部12aと当接する。また、ピストン24はシール24a、24bによってプライマリクランプ室30の液密状態を維持する。
同様に、セカンダリシリンダ室60は、可動プーリ42と可動プーリ42の延長部42aと固定壁41とによって区画された室である。延長部42aの内周部と固定壁41の外周部とは、シール41aを介してシールされているので、可動プーリ42が軸方向に移動してもセカンダリシリンダ室60は液密状態を維持する。
セカンダリクランプ室50は、固定壁41、43とピストン44とで区画された室であり、ピストン44の外径部は可動プーリ42の延長部42aと当接する。また、ピストン44はシール44a、44bによってセカンダリクランプ室50の液密状態を維持する。
プライマリクランプ室30とセカンダリクランプ室50とは、受圧面積が等しく、また、後述する油路70(図3参照)によって連通している。また、プライマリシリンダ室20とセカンダリシリンダ室60の受圧面積も等しい。
従動軸16には図示しない駆動ギアが固定されており、この駆動ギアは、図示しない、アイドラ軸に設けられたピニオン、ファイナルギア、差動装置、及び、ドライブシャフトを介して図示しない駆動輪を駆動する。
CVTコントロールユニット5には、アクセル開度センサ8からのアクセル開度、ブレーキスイッチ9からのブレーキON/OFF状態、プライマリ回転速度センサ6からのプライマリ回転速度、セカンダリ回転速度センサ7からのセカンダリ回転速度等が入力される。この入力信号を元に制御信号を演算し、油圧制御回路4へ制御信号を出力する。
油圧制御回路4へは、CVTコントロールユニット5からの制御信号が入力される。油圧制御回路4は、この制御信号に基づいて油圧制御回路4内のソレノイドを駆動し、プライマリシリンダ室20、セカンダリシリンダ室60、プライマリクランプ室30及びセカンダリクランプ室50に必要な油圧を供給し、CVT3を変速させる。
図3は油圧制御回路4の回路図である。
オイルポンプ4aの吐出圧は油路81を介してプレッシャレギュレータバルブ84に供給され、プレッシャレギュレータバルブ84は、これを元圧としてライン圧を調圧する。油路81には油路82及び油路83が連通されている。油路82はプライマリプーリコントロールバルブ86及びセカンダリプーリコントロールバルブ88に接続されている。油路83は信号圧の元圧を供給するパイロットバルブ89に接続されている。
プレッシャレギュレータバルブ84のリリーフ圧は、油路81aを介してプレッシャモディファイアバルブ91へ供給される。プレッシャモディファイアバルブ91は、パイロット圧を元圧とするライン圧ソレノイド100からの信号圧に基づきリリーフ圧を調圧し、調圧後の油圧を油路81bを介してプレッシャレギュレータバルブ84に背圧として作用させる。
パイロットバルブ89により調圧された油圧は、油路83aを介してプライマリプーリ側変速比例制御バルブ85及びセカンダリプーリ側変速比例制御バルブ87に供給される。
ここで、プライマリプーリ側変速比例制御バルブ85及びセカンダリプーリ側変速比例制御バルブ87の作動について説明する。基本的な作動はいずれも同じであるので、ここではプライマリプーリ側変速比例制御バルブ85についてのみ説明する。
プライマリプーリ側変速比例制御バルブ85は、CVTコントロールユニット5からの電流指令値に比例してスプール駆動軸851aを作動するソレノイド851、及び、油路を切り替えるスプール852を備える。また、スプール852の図中下側であって、スプール駆動軸851aと対向する方向に付勢するスプリング853が設けられている。スプール852を収装するシリンダには、パイロットバルブ89からの信号圧が入力される入力ポート854と、プライマリプーリコントロールバルブ86へ油圧を供給する油路83cと連通するポート855と、油路83cのフィードバック圧が入力されるポート856と、ドレンポート857、858とが設けられている。
スプール852には、ソレノイド851による下方への付勢力と、ポート856から供給されるフィードバック圧による下方への付勢力と、スプリング853による上方への付勢力のバランスによってドレン量が決定され、プライマリプーリコントロールバルブ86の背圧を決定する。
プライマリプーリ側変速比例制御バルブ85及びセカンダリプーリ側変速比例制御バルブ87により調圧された油圧は、油路83cを介してプライマリプーリコントロールバルブ86及びセカンダリプーリコントロールバルブ88の背圧として供給される。プライマリプーリコントロールバルブ86では、プレッシャレギュレータバルブ84から供給されるライン圧を調圧し、プライマリシリンダ室20へ変速用の油圧を供給する。同様に、セカンダリプーリコントロールバルブ88では、プレッシャレギュレータバルブ84から供給されるライン圧を調圧し、セカンダリシリンダ室60へ変速用の油圧を供給する。
また、油路82には、プライマリクランプ室30とセカンダリクランプ室50とを連通する油路70が接続されている。そして、油路82と油路70との間には、電子制御により作動するクランプ力設定用調圧バルブ90が設けられている。クランプ力設定用調圧バルブ90は、CVTコントロールユニット5からの指令信号に基づいてライン圧を減圧してクランプ圧に調圧し、これを油路70を介してプライマリクランプ室30及びセカンダリクランプ室50に供給する。
また、プライマリクランプ室30の入口には、プライマリクランプ室30とクランプ力設定用調圧バルブ90及びセカンダリクランプ室50との間の連通状態を切り替える切り替えバルブ110が設けられている。切り替えバルブ110は、CVTコントロールユニット5からの信号によって切り替わるソレノイドバルブである。切り替えバルブ110は、プライマリクランプ室30とクランプ力設定用調圧バルブ90及びセカンダリクランプ室50とを連通する図示の連通位置と、プライマリクランプ室30をドレンするとともにプライマリクランプ室30とクランプ力設定用調圧バルブ90及びセカンダリクランプ室50との間を遮断するドレン位置とを切り替えることができる。
CVT3は以上のように構成され、プライマリプーリ10及びセカンダリプーリ40の溝幅を変更するのに必要なプライマリプーリ10及びセカンダリプーリ40の推力(両者の差である差推力)は、主にプライマリシリンダ室20及びセカンダリシリンダ室60に供給される油圧によって発生させられる。また、プライマリプーリ10及びセカンダリプーリ40でベルト15をクランプするのに必要なプライマリプーリ10及びセカンダリプーリ40の推力は、主にプライマリクランプ室30及びセカンダリクランプ室50に供給される油圧によって発生させられる。
プライマリプーリ10及びセカンダリプーリ40の受圧面積が従来のシングルピストン室構造に比べて大きくなるので、変速に必要とされる最大油圧を下げ、オイルポンプ4aの負荷を下げることができる。
さらに、プライマリクランプ室30及びセカンダリクランプ室50に供給される油圧は、必要とされるプライマリプーリ10の推力及びセカンダリプーリの推力のうち大きい方に基づき設定される。具体的には、プライマリプーリ10の推力及びセカンダリプーリの推力のうち大きい方を選択し、選択された推力を、選択された側のプーリのクランプ室受圧面積とシリンダ室受圧面積との和で除した値に設定する。
これにより、必要とされる油圧の最大値を最小にすることができ、オイルポンプ4aの負荷をさらに下げることができる。
さらに、本実施形態では、車両が急減速する場合には、以下に説明する制御を行うことにより、CVT3を速やかにロー側に変速させ、再発進性能を保証する。
図4は、急減速時の制御の内容を示したフローチャートである。これを参照しながら急減速時の制御について説明する。
S11では、CVTコントロールユニット5は、ブレーキスイッチ9の信号に基づき、ブレーキペダルが踏み込まれたか判断する。ブレーキペダルが踏み込まれている場合は処理がS12に進み、そうでない場合は処理がS14に進む。
S12では、CVTコントロールユニット5は、CVT3の目標変速比の変化速度がダウンシフト方向で、かつ、その絶対値が判定閾値以上か、すなわち、急減速でロー側への速やかな変速が必要な状況か判断する。判定閾値は、例えば、切り替えバルブ110が連通位置のまま、すなわち、プライマリクランプ室30とセカンダリクランプ室50とが連通したままだと、プライマリクランプ室30に供給される油圧によってプライマリプーリ10の推力が過多になってロー側への変速が遅れ、目標変速比に対して変速比の追従遅れが発生し始める値に設定される。目標変速比変化速度がダウンシフト方向で、かつ、その絶対値が判定閾値以上の場合は処理がS13に進み、そうでない場合は処理がS14に進む。
S13では、CVTコントロールユニット5は、切り替えバルブ110をプライマリクランプ室30がドレンされるドレン位置に切り替える。これにより、プライマリクランプ室30に供給される油圧がゼロになる一方で、セカンダリクランプ室50には油圧が供給され続けるので、プライマリプーリ10とセカンダリプーリ40との間で十分な差推力を発生させ、CVT3を速やかにロー側に変速させることができる。
なお、このとき、差推力が過大になって変速比が目標変速比をオーバーシュートしないように、プライマリシリンダ室20に供給される油圧が調整される。すなわち、プライマリシリンダ室20の油圧が上げられる。切り替えバルブ110を連通位置にしたままロー側に変速させる場合に比べ、プライマリシリンダ室20に供給される油圧は高くなるが、その値はセカンダリシリンダ室60に供給される油圧より低いので、プライマリシリンダ室20に供給される油圧の上昇によってオイルポンプ4aの負荷を上げる必要はなく、燃費に影響を与えることはない。
S14では、CVTコントロールユニット5は、切り替えバルブ110をプライマリクランプ室30とクランプ力設定用調圧バルブ90及びセカンダリクランプ室50とが連通される連通位置に維持し、プライマリシリンダ室20及びセカンダリシリンダ室60に供給される油圧によって発生する差推力によって、CVT3をロー側に変速させる。
図5は、ブレーキペダルが踏み込まれて、車両が急減速する場合の様子を示している。なお、図中比較例は、切り替えバルブ110がなく、プライマリクランプ室30とクランプ力設定用調圧バルブ90及びセカンダリクランプ室50とが常時連通されている場合である。
時刻t11でブレーキペダルが踏み込まれると、目標変速比がダウンシフト側に変更される。このとき、ブレーキペダルの踏み込みが強く、急減速となる場合は、図5に示すように目標変速比の変化速度がダウンシフト側に大きく変化する。
時刻t12で目標変速比の変化速度が判定閾値を超えると、切り替えバルブ110がドレン位置に切り替えられ、プライマリクランプ室30がドレンされ、プライマリクランプ室30に供給される油圧がゼロにされる。ロー側への変速のためにセカンダリシリンダ室60に供給する油圧が高められたことを受けて、プライマリクランプ室30に供給される油圧が高められることはない。
この結果、十分な差推力を確保することができ、比較例に比べ、CVT3をロー側に速やかに変速させ、再発進性能を保証することができる(請求項1、2、5に対応する効果)。
また、時刻t12以降は、プライマリシリンダ室20に供給される油圧が高められ、差推力が過大になるのが防止されるので、ロー側への速やかな変速を実現しつつ、変速比を目標変速比からオーバーシュートするのを防止することができる(請求項4に対応する効果)。
<第2実施形態>
続いて、本発明の第2実施形態について説明する。
第2実施形態では、図6に示すように、切り替えバルブ110が、ソレノイドバルブではなく、ロックアップ圧によってスプールを移動させ、上記連通位置とドレン位置とを切り替えることのできるバルブである点が第1実施形態と相違する。
切り替えバルブ110のスプール端面には、ロックアップクラッチ1aに供給されるロックアップ圧が作用するようになっており、ロックアップ圧がある場合(ロックアップクラッチ1aが締結している場合)は、ロックアップ圧によってスプリングを圧縮して切り替えバルブ110は図示の連通位置にあり、ロックアップ圧がない場合(ロックアップクラッチ1aが解放している場合)はスプリングの付勢力によって切り替えバルブ110はドレン位置にある。
その他の構成(図1、図2、及び、図3の切り替えバルブ110以外)は第1実施形態と同じであるので説明を省略する。
図7は、第2実施形態における急減速時の制御の内容を示したフローチャートである。
S21、S22では、図5のS11、S12と同じく、CVTコントロールユニット5が、ブレーキペダルが踏み込まれているか、目標変速比変化速度がダウンシフト方向で、かつ、その絶対値が判定閾値以上の場合かを判断する。
ブレーキペダルが踏み込まれており、目標変速比変化速度がダウンシフト方向で、かつ、その絶対値が判定閾値以上の場合は、処理がS23に進み、そうでない場合は処理が終了する。
S23では、CVTコントロールユニット5は、ロックアップ圧をゼロにし、ロックアップクラッチ1aを解放させる。
この結果、切り替えバルブ110をプライマリクランプ室30がドレンされるドレン位置に切り替えられる。これにより、プライマリクランプ室30に供給される油圧がゼロになる一方で、セカンダリクランプ室50には油圧が供給され続けるので、プライマリプーリ10とセカンダリプーリ40との間で十分な差推力を発生させ、CVT3を速やかにロー側に変速させることができる。
このとき、差推力が過大になって変速比が目標変速比をオーバーシュートしないように、プライマリシリンダ室20に供給される油圧が調整されるのは第1実施形態と同じである。
図8は、ブレーキペダルが踏み込まれて、車両が急減速する場合の様子を示している。なお、図中比較例は、切り替えバルブ110がなく、プライマリクランプ室30とクランプ力設定用調圧バルブ90及びセカンダリクランプ室50とが常時連通されている場合である。
時刻t21でブレーキペダルが踏み込まれると、目標変速比がダウンシフト側に変更される。このとき、ブレーキペダルの踏み込みが強く、急減速となる場合は、図8に示すように目標変速比の変化速度がダウンシフト側に増大する。
時刻t22で目標変速比の変化速度が判定閾値を超えると、ロックアップ圧がゼロにされてロックアップクラッチ1aが解放される。そして、ロックアップ圧がゼロになったことを受けて、切り替えバルブ110がドレン位置に切り替えられ、プライマリクランプ室30がドレンされ、プライマリクランプ室30に供給される油圧がゼロにされる。ロー側への変速のためにセカンダリシリンダ室60に供給する油圧が高められたことを受けて、プライマリクランプ室30に供給される油圧が高められることはない。
この結果、十分な差推力を確保することができ、比較例に比べ、CVT3をロー側に速やかに変速させ、再発進性能を保証することができる(請求項1、3、5に対応する効果)。
また、時刻t22以降は、プライマリシリンダ室20に供給される油圧が高められ、差推力が過大になるのが防止されるので、ロー側への速やかな変速を実現しつつ、変速比を目標変速比からオーバーシュートするのを防止することができる(請求項4に対応する効果)。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的に限定する趣旨ではない。
例えば、上記実施形態では、切り替えバルブ110を、CVTコントロールユニット5からの信号(第1実施形態)、ロックアップ圧(第2実施形態)によって切り替えているが、切り替えバルブ110を切り替えるための構成はこれに限定されない。例えば、第2実施形態の構成においてロックアップ圧に代えて他の油圧を供給しておき、急減速判定時に当該他の油圧をドレンすることで、切り替えバルブ110をドレン位置に切り替えるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、CVT3は、プライマリプーリ10の回転をベルト15を介してセカンダリプーリ40に伝達する構成であるが、チェーンを介して伝達する構成であってもよい。
1 トルクコンバータ
1a ロックアップクラッチ
10 プライマリプーリ
15 ベルト(伝達部材)
20 プライマリシリンダ室
30 プライマリクランプ室
40 セカンダリプーリ
50 セカンダリクランプ室
60 セカンダリシリンダ室
90 クランプ力設定用調圧バルブ(調圧バルブ)
100 切り替えバルブ

Claims (5)

  1. 無段変速機であって、
    推力を発生させるための油圧が供給されるプーリ室がプライマリシリンダ室とプライマリクランプ室とからなる二重ピストン室構造のプライマリプーリと、
    推力を発生させるための油圧が供給されるプーリ室がセカンダリシリンダ室とセカンダリクランプ室とからなる二重ピストン室構造のセカンダリプーリと、
    前記プライマリプーリと前記セカンダリプーリとの間に巻き掛けられる伝達部材と、
    前記プライマリクランプ室と前記セカンダリクランプ室とを連通する第1油路と、
    前記第1油路と油圧源とを接続する第2油路と、
    前記第2油路に設けられ、前記油圧源からの油圧を元圧として前記プライマリクランプ室及び前記セカンダリクランプ室に供給されるクランプ圧を調圧する調圧バルブと、
    前記第1油路に設けられ、前記プライマリクランプ室と前記調圧バルブ及び前記セカンダリクランプ室との間を連通する連通位置と、前記プライマリクランプ室をドレンするとともに前記プライマリクランプ室と前記調圧バルブ及び前記セカンダリクランプ室との間を遮断するドレン位置とを切り替えることのできる切り替えバルブと、
    を備えたことを特徴とする無段変速機。
  2. 請求項1に記載の無段変速機であって、
    車両の急減速を判断する急減速判断手段と、
    車両が急減速すると判断された場合に、前記切り替えバルブを前記ドレン位置に切り替える急減速制御手段と、
    を備えたことを特徴とする無段変速機。
  3. 請求項1に記載の無段変速機であって、
    前記無段変速機は、ロックアップクラッチ付きトルクコンバータを有しており、
    前記切り替えバルブには、前記ロックアップクラッチに供給されるロックアップ圧が導かれ、前記切り替えバルブは、ロックアップ圧がある場合は前記連通位置に、ロックアップ圧がない場合は前記ドレン位置に切り替わるように構成され、
    車両の急減速を判断する急減速判断手段と、
    車両が急減速すると判断された場合に、ロックアップ圧をなくして前記ロックアップクラッチを解放させる急減速制御手段と、
    を備えたことを特徴とする無段変速機。
  4. 請求項1から3のいずれか一つに記載の無段変速機であって、
    前記急減速制御手段は、前記急減速制御中、変速比が目標とする変速比をオーバーシュートしないように、前記プライマリクランプ室に供給される油圧を調整する、
    ことを特徴とする無段変速機。
  5. 推力を発生させるための油圧が供給されるプーリ室がプライマリシリンダ室とプライマリクランプ室とからなる二重ピストン室構造のプライマリプーリと、推力を発生させるための油圧が供給されるプーリ室がセカンダリシリンダ室とセカンダリクランプ室とからなる二重ピストン室構造のセカンダリプーリと、前記プライマリプーリと前記セカンダリプーリとの間に巻き掛けられる伝達部材と、前記プライマリクランプ室と前記セカンダリクランプ室とを連通する第1油路と、前記第1油路と油圧源とを接続する第2油路と、前記第2油路に設けられ、前記油圧源からの油圧を元圧として前記プライマリクランプ室及び前記セカンダリクランプ室に供給されるクランプ圧を調圧する調圧バルブと、前記第1油路に設けられ、前記プライマリクランプ室と前記調圧バルブ及び前記セカンダリクランプ室との間を連通する連通位置と、前記プライマリクランプ室をドレンするとともに前記プライマリクランプ室と前記調圧バルブ及び前記セカンダリクランプ室との間を遮断するドレン位置とを切り替えることのできる切り替えバルブと、を備えた無段変速機の制御方法であって、
    車両の急減速を判断し、
    車両が急減速すると判断された場合に、前記切り替えバルブを前記ドレン位置に切り替える、
    ことを特徴とする無段変速機の制御方法。
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