JP2008128370A - 無段変速機の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】発進性が良く、かつベルトの劣化を抑制する無段変速機の制御装置を提供する。
【解決手段】変速比ipが最Lowとなる前に車両が停車し、前進クラッチ20および後進クラッチ21が解放し、プライマリプーリ8とセカンダリプーリ10とが回転していない場合に、プライマリプーリ圧Ppriを略ゼロとし、セカンダリプーリ圧Psecを所定圧力P1まで高くする。これにより、プライマリプーリ8とセカンダリプーリ10とのプーリ比(変速比ip)を最Lowとする。
【選択図】図4
【解決手段】変速比ipが最Lowとなる前に車両が停車し、前進クラッチ20および後進クラッチ21が解放し、プライマリプーリ8とセカンダリプーリ10とが回転していない場合に、プライマリプーリ圧Ppriを略ゼロとし、セカンダリプーリ圧Psecを所定圧力P1まで高くする。これにより、プライマリプーリ8とセカンダリプーリ10とのプーリ比(変速比ip)を最Lowとする。
【選択図】図4
Description
本発明は無段変速機の制御装置に関するものである。
無段変速機を搭載した車両においては、プライマリプーリとセカンダリプーリとの間にベルトを掛け渡し、プライマリプーリとセカンダリプーリとにおけるベルトの回転半径を変えることで変速を行っている。車両の制動、減速時には、停車後の次回の発進に備えて、変速比を最Lowに戻して停車させる。また、急制動、急減速時に変速比が最Lowに戻る前に車両が停車した場合には、次回の発進時には発進に適した変速比となるように、発進後に変速比をLow側に戻す制御を行っているが、このような制御時に、ベルトに滑りが生じないように、Low側への変速比の変更速度を規制するものが特許文献1に開示されている。
特開昭63−074736号公報
しかし、上記発明では、比較的High側の変速比から、Low側へ変速比を変更する場合には、発進時にベルトにかかる負荷が大きくなり、ベルトに劣化が生じるといった問題点がある。
本発明ではこのような問題点を解決するために発明されたもので、車両の制動時、急減速時に変速比が最Lowとなる前に車両が停車した場合にも、次回の発進時に変速比が最Lowとなった状態から車両を発進可能とし、かつベルトの劣化を抑制することを目的とする。
本発明では、油圧に応じて溝幅が変化する入力側のプライマリプーリと、油圧に応じて溝幅が変化する出力側のセカンダリプーリと、プライマリプーリとセカンダリプーリとに巻き掛けられ、溝幅に応じてプーリとの接触半径が変化するベルトと、を有する無段変速機を制御する無段変速機の制御装置において、車速を検出する車速検出手段と、エンジンとプライマリプーリとの間に配設され、エンジンと前記プライマリプーリとの間に配設された摩擦締結要素と、プライマリプーリの油圧を制御するプライマリプーリ油圧制御手段と、セカンダリプーリの油圧を制御するセカンダリプーリ油圧制御手段と、車速が略ゼロであり、摩擦締結要素が解放している場合に、プライマリプーリの油圧を略ゼロとし、セカンダリプーリの油圧を所定油圧まで高くして、プライマリプーリとの接触半径と、セカンダリプーリとの接触半径と、の比率を最Lowに対応する比率に変更するプーリ比制御手段と、を備える。
本発明によると、変速比が最Lowまで戻らずに停車した場合に、車両の停車中に、プライマリプーリとの接触半径と、セカンダリプーリとの接触半径と、の比率を最Lowに対応する比率とすることで、次回の発進時に変速比を最Lowとした状態で車両を発進させることができ、かつベルトの劣化を抑制することができる。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の説明では、変速比小側ないし高速側を「High側」、変速比大側ないし低速側を「Low側」と表現する。
図1はベルト式無段変速機を搭載した車両の概略構成図である。この車両において、エンジン1の回転は、トーショナルダンパ3、前後進切換機構6、ベルト式無段変速機(以下、CVT)19、出力ギヤ12、ドライブギヤ13、ディファレンシャルギヤ14及び駆動軸15を介して駆動輪16へと伝達される。
トーショナルダンパ3は、エンジン1の出力軸2に連結された入力側部材と前後進切換機構6の入力軸5に連結された出力側部材とが、トーショナルスプリングを介して相対回転可能に連結される。出力側部材にはこれと一体回転するフライホイール4が連結される。トーショナルダンパ3をエンジン1とCVT19の間に介装することで、エンジン1の回転変動がCVT19に伝達されるのを低減している。
前後進切換機構6は、遊星歯車22と、前進時に締結される前進クラッチ20(摩擦締結要素)と、後進時に締結される後進ブレーキ21(摩擦締結要素)と、を備える。
遊星歯車22は、サンギヤ22sと、サンギヤ22sに噛み合う複数のピニオン22pと、ピニオン22pに噛み合うリングギヤ22rと、ピニオン22pを回転自在に支持するキャリア22cとを備える。サンギヤ22sは前進クラッチ20のドリブン側部材及びプライマリプーリ軸7に、キャリア22cは後進ブレーキ21の被固定側部材に、リングギヤ22rは前進クラッチ20のドライブ側部材にそれぞれ連結される。
前進クラッチ20は、前後進切換機構6の入力軸5に連結されたドライブ側部材とプライマリプーリ軸7とに連結されたドリブン側部材との間に介装された複数のプレートを有し、図示しないピストンに油圧を作用させるとプレート同士が押圧されて入出力間で動力伝達可能な締結状態となり、ピストンに作用する油圧をドレンすると出力側部材に動力を伝達できない解放状態となる。
後進ブレーキ21は、変速機ケース23の内側固定部材とキャリア22cに連結された被固定側部材との間に介装された複数のプレートを有し、図示しないピストンに油圧を作用させるとプレート同士が押圧されて被固定側部材にキャリア22cが回転不能に固定される締結状態となり、ピストンに作用する油圧をドレンすると被固定側部材及びキャリア22cが回転可能な解放状態となる。
CVT19は、入出力回転間の変速比を無段階に変更するものであり、プライマリプーリ軸7に連結されたプライマリプーリ8と、セカンダリプーリ軸11に連結されたセカンダリプーリ10と、プライマリプーリ8及びセカンダリプーリ10間に掛け渡されたベルト9とを備える。
プライマリプーリ8及びセカンダリプーリ10は、それぞれ固定シーブ8a、10a、固定シーブ8a、10aに対し接近、離反する可動シーブ8b、10bを有する。可動シーブ8b、10bの背面にはそれぞれプライマリプーリ油室33、セカンダリプーリ油室34が設けられている。プーリ油室33、34へ供給する油圧を油圧制御回路32によって制御することで、可動シーブ8b、10bを固定シーブ8a、10aに対して接近、離反させ、プーリ8、10に対するベルト9の巻き掛け円弧径(接触半径)を連続的に変化させて、変速を無段階に行う。
セカンダリプーリ軸11には出力ギヤ12が固定され、出力ギヤ12には出力ギヤ12より大径のドライブギヤ13が噛み合わされる。ドライブギヤ13には、ディファレンシャルギヤ14のピニオンが固定され、ピニオンには左右からサイドギヤが噛み合わされる。各サイドギヤには、駆動軸15が連結されて左右の駆動輪16を駆動する。
この車両の制御系は、エンジン1を制御するエンジンコントローラ40と、油圧制御回路32を介して前後進切換機構6、CVT19を制御する変速機コントローラ41とを備える。
エンジンコントローラ40には、エンジン1の出力軸2の回転速度Neを検出するエンジン回転速度センサ42とアクセルペダルの位置APPを検出するアクセルペダル位置センサ43とが接続されて、エンジン回転速度情報、アクセルペダル位置情報がそれぞれ入力される。これらの情報は、エンジンコントローラ40を介して変速機コントローラ41にも入力される。
変速機コントローラ41には、セレクトレバーの位置を検出するインヒビタスイッチ44、プライマリプーリ8の回転速度Npriを検出するプライマリ回転センサ45、セカンダリプーリ10の回転速度Nsecを検出するセカンダリプーリ回転センサ46、車両の加速度を検出する加速度センサ47、ブレーキの作動状態を検出するブレーキスイッチ48、セカンダリプーリ圧Psecを検出するセカンダリプーリ圧センサ60、が接続されており、これらからセレクトレバー位置情報、プライマリプーリ回転速度情報、セカンダリプーリ回転速度情報、車両加速情報、ブレーキ作動情報、セカンダリプーリ圧情報、が入力される。
次に油圧制御回路32および変速機コントローラ41について図2の概略構成図を用いて説明する。先ず油圧制御回路32について以下に説明する。
油圧制御回路32は、エンジン駆動されるオイルポンプ51を備え、オイルポンプ51によって油路52に供給する作動油の圧力をプレッシャレギュレータ弁53により所定のライン圧PLに調圧する。プレッシャレギュレータ弁53は、ソレノイド53aへの駆動デューティーに応じてライン圧PLを制御する。
油路52のライン圧PLは、一方で減圧弁54により調圧されセカンダリプーリ圧Psecとしてセカンダリプーリ油室34に供給され、他方で変速制御弁55により調圧されプライマリプーリ圧Ppriとしてプライマリプーリ油室33に供給される。減圧弁54は、ソレノイド54aへの駆動デューティーに応じてセカンダリプーリ圧Psecを制御する。
変速制御弁55は、中立位置55aと、増圧位置55bと、減圧位置55cと、を有し、これら弁位置を切り換えるために変速制御弁55を変速リンク56の中程に連結する。変速リンク56は一方の端に、変速アクチュエータとしてのステップモータ57を連結し、もう一方の端にプライマリプーリ8の可動シーブ8bを連結する。
ステップモータ57は、原点位置から目標変速比I(o)に対応したステップ数Stepだけ進んだ操作位置にされ、ステップモータ57の操作により変速リンク56が可動シーブ8bとの連結部を支点にして揺動することにより、変速制御弁55を中立位置55aから増圧位置55bまたは減圧位置55cへ移動させる。これにより、プライマリプーリ圧Ppriがライン圧PLを元圧として増圧され、またはドレンにより減圧され、セカンダリプーリ圧Psecとの差圧が変化することでHigh側変速比へのアップシフトまたはLow側変速比へのダウンシフトを生じ、実変速比(以下、変速比とする)ipが目標変速比I(o)に追従して変化する。
変速の進行は、プライマリプーリ8の可動シーブ8bを介して変速リンク56の対応端にフィードバックされ、変速リンク56がステップモータ57との連結部を支点にして、変速制御弁55を増圧位置55bまたは減圧位置55cから中立位置55aに戻す方向へ揺動する。これにより、目標変速比I(o)が達成される時に変速制御弁55が中立位置55aに戻され、変速比ipを目標変速比I(o)に保つことができる。
プレッシャレギュレ一夕弁53のソレノイド駆動デューティー、減圧弁54のソレノイド駆動デューティー、およびステップモータ57への変速指令(ステップ数)は、図1に示す前進クラッチ20および後進ブレーキ21へ締結油圧を供給するか否かの制御と共に変速機コントローラ41により行われる。
変速機コントローラ41は圧力制御部41aおよび変速制御部41bによって構成する。圧力制御部41aは、プレッシャレギュレ一夕弁53のソレノイド駆動デューティー、および減圧弁54のソレノイド駆動デューティーを決定し、変速制御部41bは到達変速比DsrRTO、目標変速比I(o)を算出する。
また、変速機コントローラ41は、油圧制御回路32を介して、前進クラッチ20、後進ブレーキ21への供給油圧を制御する。前進発進時は、前進クラッチ20に油圧を供給して前進クラッチ20を締結し、後進ブレーキ21への油圧をドレンして後進ブレーキ21を解放する。逆に、後進発進時は、変速機コントローラ41は、後進ブレーキ21に油圧を供給して後進ブレーキ21を締結し、前進クラッチ20への油圧をドレンして前進クラッチ20を解放する。
車両が停車する際には、車両が完全に停車するまでにCVT19の変速比を最Lowに戻すために、プライマリプーリ油室33へ供給するプライマリプーリ圧Ppriを減少させるとともに、セカンダリプーリ油室34へ供給するセカンダリプーリ圧Psecを増大させる。しかし、車両が急制動、急減速した場合には、変速比が最Lowに戻る前に車両が停車する場合がある。
以下において、このような場合の車両停止時制御について、図3のフローチャートを用いて説明する。
ステップS100では、ブレーキスイッチ48からの信号、アクセルペダル位置情報APP、加速度センサ47によって検出された加速度に基づき、ブレーキが作動中で且つアクセルペダル位置が全閉位置で、車両の加速度が負値をとっているか否かにより減速中かどうか判定する。そして、車両が減速している場合にはステップS101へ進み、車両が減速していない場合には、本制御を終了する。
ステップS101では、セカンダリプーリ回転センサ46によってセカンダリプーリ回転速度Nsecを検出し、セカンダリプーリ回転速度Nsecに基づいて、車速VSPを算出する。
ステップS102では、ステップS101によって算出した車速VSPと所定車速V1とを比較し、車速VSPが所定車速V1よりも小さい場合には、前進クラッチ20、または後進ブレーキ21を完全解放して、ステップS103へ進み、車速VSPが所定車速V1よりも大きい場合には、本制御を終了する。所定車速V1は前進クラッチ20または後進ブレーキ21を完全解放(締結禁止)するかどうか判定する車速であり、これによって急減速時に、プライマリプーリ8への動力伝達が解除される。所定車速V1は、車両の減速度に応じて設定される。例えば、減速度が大きい程高い車速に設定される。
ステップS103では、セカンダリプーリ回転センサ46によってセカンダリプーリ回転速度Nsecを検出し、セカンダリプーリ回転速度Nsecに基づいて、車速VSPを算出する。
ステップS104では、ステップS103によって算出した車速VSPと所定車速V2とを比較し、車速VSPが所定車速V2よりも小さくなると、ステップS105へ進む。所定車速V2は所定車速V1よりも小さい車速である。
ステップS105では、加速度センサ47によって現在の減速度を検出し、減速度から車両の停止までの時間を予測し、予測された時間の間、タイマをカウントする。
タイマカウント終了後、ステップS106では、セカンダリプーリ回転センサ46によってセカンダリプーリ回転速度Nsecを検出し、セカンダリプーリ回転速度Nsecに基づいて、車速VSPを算出する。
ステップS107では、ステップS106によって算出した車速VSPと所定車速V3とを比較し、車速VSPが所定車速V3よりも小さくなると、車両が停止していると判定してステップS108へ進む(ステップS107が車速検出手段を構成する)。所定車速V3には所定車速V2よりも小さい値を設定する。
ステップS108では、変速比ipを算出する。変速比ipは、停車直前のプライマリプーリ回転速度Npriを停車直前のセカンダリプーリ回転速度Nsecによって除算することで算出される。
ステップS109では、変速比ipが発進性を著しく損なうような変速比に対応して設定される所定値よりも小さいか否かを判定し、変速比ipが発進可能な程度の位置となってる場合には本制御を終了し、変速比ipが発進性を著しく損なうような位置となっている場合にはステップS110に進む。
以上のように、変速比ipが発進可能な程度の変速比位置まで変化せずに停車している場合には、ステップS110において、次回の発進時に車両の発進性能を確保するために、Low戻し制御を行う(ステップS110がプーリ比制御手段を構成する)。
ここでLow戻し制御について図4のフローチャートを用いて詳しく説明する。
ステップS200では、クラッチ圧が完全に解放されているか否かを判定する。クラッチ圧が抜けきっていない場合には、完全にドレンされるまで待機する。そして、クラッチ圧が完全に解放された場合には、ステップS201に進む。
次いで、ステップS201では、プライマリプーリ油室33から油を完全にドレンし、プライマリプーリ圧Ppriを略ゼロとする。この実施形態では、ステップモータ57の操作位置を変速比ipが最Lowとなる位置よりもさらに機械的にLow側となる位置に設定する(ステップS201がプライマリプーリ油圧制御手段を構成する)。
ステップS202では、セカンダリプーリ油室34に油を供給し、セカンダリプーリ圧Psecを所定圧力P1まで高くする。所定圧力P1はベルト9の強度限界に基づいて設定される最大圧である(ステップS202がセカンダリプーリ油圧制御手段を構成する)。
これにより、プライマリプーリ8とセカンダリプーリ10とが回転していない場合でも、可動シーブ8b、10bが移動し、プライマリプーリ8においてはベルト9の巻き掛け円弧径が小さくなり、セカンダリプーリ10においては、ベルト9の巻き掛け円弧径が大きくなる。このように、車両が停車している場合に、プライマリプーリ8とセカンダリプーリ10との相対的な位置を変化させて、プライマリプーリ8とセカンダリプーリ10とのプーリ比(比率(変速比ip))をLow側へ変更する。
ステップS203では、タイマに所定時間T2をセットしてカウントダウンを開始する。所定時間T2は、プライマリプーリ圧Ppriを略ゼロとしてから、セカンダリプーリ圧Psecを所定圧力P1まで高くした場合に、変速比ipが最Lowまたは最Lowよりも機械的にLow側となるまでの時間である。所定時間T2は、ステップ108において算出した変速比ipに応じて設定する。なお、所定時間T2は変速比ipを最Highから最Lowまで変速させる場合に要する時間としても良い。
ステップS204で、所定時間T2が経過したか否かが判定され、カウントダウンが終了するとステップS205に進む。所定時間T2の経過により、変速比ipは少なくとも最Lowとなっているので、ステップモータ27の操作位置を最Lowに対応する位置に設定する。また、セカンダリプーリ圧Psecを変速比ipが最Lowとなる場合の圧力に設定してLow戻し制御を終了する。ステップモータ57の操作位置を変速比ipが一旦最Lowとなる位置よりも機械的にLow側となる位置に設定し、その後ステップモータ57の操作位置を変速比ipが最Lowに対応する位置にすることで、変速制御弁55を増圧位置55bとし、プライマリプーリ圧Ppriを確実に供給することができる。なお、ステップモータ57の操作位置は、最Lowとなる位置よりも所定量だけHigh側に設定しても良い。これによって、プライマリプーリ圧Ppriをより確実に供給することができる。
以上の制御によって、車両が停車した際に、変速比ipが最Lowに戻っていない場合でも、車両の停車中に変速比ipを最Lowへ戻すことができ、次回の発進時に最Lowから発進することができ、車両の発進性能を良くすることができる。
次に、本制御を用いた場合の変速比などの時間変化を図5のタイムチャートを用いて説明する。
車両が減速し、時間t0において、車速VSPが減速度に応じて設定される所定車速V1よりも小さくなると、前進クラッチ20を完全解放(締結禁止)し、エンジン5からプライマリプーリ8へ動力が伝達されないようにする。車両の減速に伴って、到達変速比DsrRTO、変速比ipは、Low側へ変更される(ダウンシフト)。
時間t1において、車速VSPが所定車速V2よりも小さくなると、車両が停車する前段階になったと判定し、その時の減速度から車両の停止までの時間を予測し、予測された時間の間、タイマをカウントする。
なお、図5のタイムチャートの例では、急減速時に車速VSPが所定車速V2よりも小さくなった場合に、ステップモータ57の位置を所定のHigh側変速比に対応する位置に固定する、既知の変速固定制御が行われている。
タイマカウントが終了した後、時間t2において車速VSPが所定車速V3よりも小さくなっていれば、車両が停車していると判定し、その際に変速比ipが発進可能な程度の変速比位置まで変化せずに停車している場合には、ステップモータ57の操作位置を最Lowよりも機械的にLow側の変速比に対応する位置に設定し、プライマリプーリ圧Ppriを略ゼロとする。またセカンダリプーリ圧Psecを所定圧力P1とする。これにより、プライマリプーリ8とセカンダリプーリ10とのプーリ比(変速比ip)は、プライマリプーリ8及びセカンダリプーリ10が非回転状態でLow側へ変更される。
所定時間T2が経過した時間t3において、変速比ipが最LowよりもLow側となると、ステップモータ57の操作位置を最Lowに対応する位置に設定し、セカンダリプーリ圧Psecを所定圧力P1よりも低くし、最Lowとなる圧力にする。これによって、変速制御弁55を増圧位置55bにすることで、プライマリプーリ圧Ppriを確実に供給し、次回の発進に備えることができる。
なお、トルクコンバータを使用した車両においても、この実施形態の車両停止時制御を行っても良い。
本発明の実施形態の効果について説明する。
変速比ipが最Lowとなる前に停車し、前進クラッチ20と後進ブレーキ21とが解放している場合に、プライマリプーリ圧Ppriを略ゼロとし、セカンダリプーリ圧Psecを所定圧力P1とする。これにより、車両の停車中に、回転していないプライマリプーリ8とセカンダリプーリ10とのプーリ比(変速比ip)を最Lowとすることができる。そのため次回の発進時に変速比ipを最Lowの状態から、車両を素早く発進させることができる。
また、発進時に変速比ipが最Lowとなっているので、発進時にベルト9に掛かる負荷を小さくすることができ、ベルト9の劣化を抑制することができる。
また、変速比ipを最Lowとする際に、ステップモータ57の操作位置を最Lowよりもさらに機械的にLow側の変速比に対応する位置へ設定することで、変速比ipを最Lowよりもさらに機械的にLow側に変更し、その後最Lowに変更することで、変速制御弁25は必ず増圧位置25bとなり、プライマリプーリ圧Ppriを確実に立ち上げることができる。
車両停止制御において、プライマリプーリ圧Ppriを略ゼロとし、セカンダリプーリ圧Psecをベルト9の強度限界圧とすることで、Low戻し制御を素早く行うことができる。
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内でなしうるさまざまな変更、改良が含まれることは言うまでもない。
1 エンジン
6 前後進切換機構
8 プライマリプーリ
9 ベルト
10 セカンダリプーリ
32 油圧制御回路
33 プライマリプーリ油室
34 セカンダリプーリ油室
41 変速機コントローラ
57 ステップモータ
6 前後進切換機構
8 プライマリプーリ
9 ベルト
10 セカンダリプーリ
32 油圧制御回路
33 プライマリプーリ油室
34 セカンダリプーリ油室
41 変速機コントローラ
57 ステップモータ
Claims (3)
- 油圧に応じて溝幅が変化する入力側のプライマリプーリと、
油圧に応じて溝幅が変化する出力側のセカンダリプーリと、
前記プライマリプーリと前記セカンダリプーリとに巻き掛けられ、前記溝幅に応じてプーリとの接触半径が変化するベルトと、を有する無段変速機を制御する無段変速機の制御装置において、
車速を検出する車速検出手段と、
エンジンと前記プライマリプーリとの間に配設する摩擦締結要素と、
前記プライマリプーリの油圧を制御するプライマリプーリ油圧制御手段と、
前記セカンダリプーリの油圧を制御するセカンダリプーリ油圧制御手段と、
前記車速が略ゼロであり、前記摩擦締結要素が解放している場合に、前記プライマリプーリの油圧を略ゼロとし、前記セカンダリプーリの油圧を所定油圧まで高くして、前記プライマリプーリとの前記接触半径と、前記セカンダリプーリとの前記接触半径と、の比率を最Lowに対応する比率に変更するプーリ比制御手段と、を備える無段変速機の制御装置。 - 前記プーリ比制御手段は、前記比率を、前記最Lowに対応する比率よりもLow側となる比率へ変更した後に、前記最Lowに対応する比率に変更することを特徴とする請求項1に記載の無段変速機の制御装置。
- 前記所定油圧は、前記ベルトの強度限界油圧であることを特徴とする請求項1または2に記載の無段変速機の制御装置。
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JP2006314122A JP2008128370A (ja) | 2006-11-21 | 2006-11-21 | 無段変速機の制御装置 |
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