JP5781869B2 - 焦電型赤外線センサ - Google Patents

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Description

本発明は、焦電型の赤外線センサに関するものであり、詳しくは焦電センサ素子の受光面の2つの電極間に赤外線吸収機能と抵抗体機能とをあわせ持つ赤外線吸収膜層を形成し、赤外線を効率よく吸収すると同時に、赤外線吸収膜層の材料抵抗をリーク抵抗に利用することにより外付けのリーク抵抗を省略した焦電型赤外線センサに関する。
TV、照明、セキュリティなどの人体検知に用いられる従来の焦電型の赤外線センサの一つに図9および図10(a)に示すような一般的な例がある。図9は赤外線センサに使用される焦電センサ素子60の構造を示し、図10(a)はその回路構成を示す。図9において、赤外線P1、赤外線P2を受光する焦電体基板50の受光側の面には2つの受光電極51aと補償電極52aが配設され、狭い連結部53により電気的に接続している。受光電極51aと補償電極52aには焦電体基板50を挟んで対向電極51bと対向電極52bがそれぞれ対向配置されている。受光電極51aと対向電極51bは受光素子部51を、補償電極52aと対向電極52bは補償素子部52をそれぞれ形成し焦電センサ素子60を形成している。
次に、図10(a)の回路図において、図9と同じ構成要素には同一番号を付し説明する。図10(a)において、受光素子部51と補償素子部52は極を向い合せに直列に、接続部53で接続され、電極51bはFET55のゲート55aに、電極52bはGND57に接続されている。また、受光素子部51自身と補償素子部52自身の内部抵抗50(抵抗値1012Ωオーダー以上)は電極51b、52bに等価的に並列接続され焦電センサ素子60を構成している。また、外付けのリーク抵抗54(抵抗値1010〜1011Ωオーダー)は焦電センサ素子60に並列に接続されている。
受光素子部51と補償素子部52にそれぞれ入射する赤外線P1、赤外線P2において、人体などの動作により光の量に偏りが発生すると受光素子部51と補償素子部52の分極に差が発生し、出力が得られる。発生した出力は、主にリーク抵抗54によって電圧に変換され、FET55のGATE55aに加わる。これにより、焦電センサ素子60の出力に応じて出力端子56に電圧信号が出力される。なお、この場合、内部抵抗50は抵抗値が1012Ω以上と非常に高いためリーク抵抗としては無視できる。
次に、図10(b)に特許文献1に示される赤外線センサの回路図を示す。発明の趣旨を逸脱しない範囲において、図10(a)と同一構成要素には同一番号を付し、同一名称とした。特許文献1に開示された提案によれば、焦電センサ素子60を構成する焦電体基板50の材料組成を変えて内部抵抗50を外付けリーク抵抗54と同等の値に設定し、代用することで外付けリーク抵抗54を省略した。これにより、回路構成の大幅な簡素化を達成した。
特開平5−332830号公報
しかしながら、上記、特許文献1に開示された提案においては、焦電センサ素子60に使用される焦電体基板50をチタン酸ジルコン酸鉛系の材料やチタン酸鉛系の材料によって作成する際、その材料組成を変えることにより絶縁抵抗50を変え、本来、焦電体基板50が持つ絶縁抵抗1012Ωオーダーの抵抗値を1010〜1011Ωのオーダーの抵抗値に調整したとしているが、材料の組成を変えることにより、本来の目的である焦電特性に悪影響を与えることになる。また、所望の絶縁抵抗50を得るためには焦電体の材料組成の管理と電極間体積の管理とが必要となり、極めて困難である。また、焦電センサ素子60の歩留まり低下などの問題も発生しコスト増加につながる。
(発明の目的)
本発明は、上記問題点を解決しようとするものであり、焦電センサ素子に使用する焦電体基板において特別の材料組成を用意することなく、焦電センサ素子内部にリーク抵抗を構成し、外付けリーク抵抗を省略し、かつ、赤外線の吸収効率向上を図り、小型で廉価な赤外線センサを提供することを目的とする。
分離された赤外線受光電極と補償電極を1対として焦電体基板の表面に配置され、焦電体基板の裏面には赤外線受光電極と補償電極のそれぞれに対向する位置に対向電極が配設され、それぞれ赤外線受光素子部と補償素子部が形成され、2つの素子部が逆極性に並列に接続され、かつ赤外線受光電極の電極表面および補償電極の電極表面には抵抗体としての機能を有する赤外線吸収膜層が形成され、赤外線吸収膜層は赤外線受光電極および補償電極を覆い、かつ前記赤外線受光電極および前記補償電極と電気的に接続されたことを特徴とする。
上記構成によれば、赤外線受光電極と補償電極は表面側電極に赤外線吸収膜層が配設されるために赤外線吸収効率が向上すると同時に、電極間連結部分を抵抗体として機能させるため、リーク抵抗として利用できる。そのため、焦電体基板に特別な材料組成を用意しなくても外付けリーク抵抗を省略することが可能となり、本来の焦電性能を保ったままで、小型で廉価な赤外線センサを提供することができる。
赤外線受光電極および補償電極の表面に設けられた赤外線吸収膜層は赤外線受光電極と補償電極との連結部分において、その体積を変化させることにより材料抵抗値を制御すると良い。
赤外線受光電極および補償電極の表面に設けられた赤外線吸収膜層の連結部分の体積を調整することによりリーク抵抗としての抵抗値を容易に1010〜1011Ωの範囲に正確に合わせ込むことができる。極めて簡易な方法により抵抗値の調整が可能となり、抵抗値のバラツキを小さくでき、検知精度を向上させることができる。
赤外線受光電極および補償電極を1対として複数対を配設すると良い。
赤外線受光電極および補償電極を1対として複数対を配設することにより、アレイセンサにも応用できる。
本発明によれば、赤外線受光電極と補償電極の表面側電極に抵抗機能を合わせ持つ赤外線吸収膜層を配設することにより、赤外線吸収効率が向上すると同時に、赤外線吸収膜層の連結部分をリーク抵抗として代用できる。そのため、焦電センサ素子に使用する焦電体基板に特別の材料組成を用意しなくても焦電性能を保持して、小型で廉価な赤外線センサを提供することができる。
本発明の第1実施形態における焦電センサ素子の分解斜視図及び斜視図である。 本発明の第1実施形態における焦電センサ素子の回路図及び平面図である。 本発明の第1実施形態における赤外線センサの断面図および斜視図である。 本発明の第2実施形態における赤外線吸収膜層の抵抗値の制御方法を示す分解斜視図および平面図である。 本発明の第3実施形態における赤外線吸収膜層の抵抗値の制御方法を示す分解斜視図および断面図である。 本発明の第4実施形態における分解斜視図である。 本発明の第4実施形態の別の形態の焦電センサ素子の分解斜視図である。 本発明の第5実施形態における焦電センサ素子の分解斜視図である。 従来の焦電センサ素子を説明するための分解斜視図である。 従来の赤外線センサを説明する回路図である。
(第1実施形態)
以下、本発明の好適な実施形態として、第1実施形態を、図1〜図3を参照して説明する。図1は焦電センサ素子10の分解斜視図および斜視図を、図2は赤外線センサ80の回路図および焦電センサ素子10の平面図を、図3は赤外線センサ80の断面図およびベース21の斜視図を、それぞれ示す。
(赤外線センサ80の構成)
図1(a)、(b)において、赤外線P1、赤外線P2を受光する焦電体基板5の受光側の面には受光電極1aと補償電極2aが分離されて配設され、受光電極1aと補償電極2aには焦電体基板5を挟んで対向電極1bと対向電極2bがそれぞれ対向して配設されている。受光電極1aと対向電極1bは受光素子部1を、補償電極2aと対向電極2bは補償素子部2をそれぞれ構成している。受光素子部1と補償素子部2により焦電センサ素子10が構成されている。
焦電体基板5はチタン酸ジルコン酸鉛系の材料やチタン酸鉛系やタンタル酸リチウム系などの公知の素材に材料からなり、各受光電極、各対向電極はNi(ニッケル)やNi/Cr(ニッケル/クロム)などの材料をスパッタや蒸着などの方法により、焦電体基板5の表面に形成する。
受光電極1a、補償電極2a、対向電極1b、対向電極2bにはそれぞれ電極接続部fが形成されており、受光面には受光電極1aと補償電極2aが距離を介して対向し、それぞれの電極接続部fが向き合って配設されている。また、対向面には対向電極1bと対向電極2bが距離を介して対向し、それぞれの電極接続部fが向き合って配設されている。焦電体基板5を挟んで、受光電極1aの電極接続部fと対向電極2bの電極接続部fが導電性接着剤4にて電気的に接続固定され、同様に補償電極2aの電極接続部fと対向電極1bの電極接続部fが導電性接着剤4にて電気的に接続固定されている。これにより、受光素子部1と補償素子部2は逆極性に並列に接続される。
次に、受光面側において、受光電極1aと補償電極2aを覆うように赤外線吸収膜層3が形成されている。赤外線吸収膜層3の3A部は受光電極1aを覆い、3B部は補償電極2aを覆い、3C部は受光電極1aと補償電極2aの間の電極の無い部分を覆っている。赤外線吸収膜層3はグラファイトやアルミナなどを主原料とし、所望の領域の赤外線をよく吸収し、同時に抵抗体としての機能も合わせ持っている。赤外線吸収膜層3の材料組成と膜層の形態は、赤外線の吸収性能と電極間連結部3Cの抵抗値を考慮して構成され、外付け抵抗27と同等の抵抗値1010〜1011Ωオーダーに合わせ込むことができる。なお、赤外線吸収膜層3はスクリ―ン印刷などの方法により、受光面側に一定の膜厚に形成される。
次に図2(a)、(b)を参照して、回路図において各構成要素について説明する。図2(a)において、図1(a)と同じ構成要素には同一番号を付し説明する。図2(a)において、受光素子部1と補償素子部2は逆極性に並列に接続され、一方の接続部は増幅器6の入力端子6aに、他方の接続部はGND8に接続されている。また、受光素子部1自身と補償素子部2自身の内部抵抗50(抵抗値1012Ωオーダー以上)は受光素子部1と補償素子部2の接続部に等価的に並列接続され、さらに赤外線吸収膜層3の連結部3Cに形成された材料抵抗3Cも同様に並列接続され、焦電センサ素子10が構成されている。
以上により、赤外線吸収膜層3の材料抵抗3Cは従来の外付け抵抗27と同等の抵抗値オーダー(1010〜1011Ω)に形成され、焦電センサ素子10内部に形成されたことになり、外付け抵抗27と同等の作用が可能となった。これにより、従来の外付け抵抗27は省略できた。なお、受光素子部1と補償素子部2が持つ内部抵抗50はそれぞれ1012Ω以上と高いためリーク抵抗としては無視できる。
次に図3(a)、(b)を参照し、前述の焦電センサ素子10を組み込んだ例として赤外線センサ80についてその構成を説明する。図3(a)において、赤外線センサ80はベース21、焦電センサ素子10を接続固定した第1スペーサ22、第2スペーサ23、光学フィルタ24の順に接着し組立ができる構造になっている。各構成要素はそれぞれ、導電性接着剤26をスクリーン印刷などの方法によって適量を塗布し位置決めし、接着固定することが可能な構造となっている。
ベース21は多層基板からなり、上層には回路部品が実装可能なパターンが形成され、中間層はシールドのための層となっていてGNDに接続され、下層には表面実装が可能なパターンが形成されている。上層、中間層、下層はビアによって必要な部分が接続され、2(a)に示すような回路が構成されている。ベース21の上層には増幅器6がハンダ付け等により固定されている。図3には前述した如く、省略できた外付け抵抗27を点線にて記載した。第1スペーサ22は中空構造に加工された絶縁部材で、表面が金属膜層に覆われた枠体である。また、中空内部の互いに向き合う一対の辺の側面には凸形状に形成された受け部22Aと受け部22Bが配設されている。焦電センサ素子10の一方の電極は受け部22Aに、他方の電極は受け部22Bに導電性接着剤26を介して接続固定される。受け部22Aは電極となる金属膜層が導電性接着剤26を介してベース21のパターンに接続されGNDに接続される。受け部22Bは電極となる金属膜層が加工により周囲の金属膜層から分離されており、導電接着剤26を介してベース21のパターンに接続され、増幅器6の入力端子6aに接続される。第2スペーサ23は中空構造に加工された絶縁部材で、表面を金属膜層に覆われた枠体であり、第1スペーサ22の上面に導電性接着剤26を介して接続固定される。光学フィルタ24は単結晶シリコンなどからなり、選択的に赤外線を透過させる機能を持ち、導電性接着剤26を介して第2スペーサ23の上面に接続固定される。なお、赤外線センサ80の外部から入射する光が光学フィルタ24を通過する際、例えば、太陽光や照明器具のような光は遮断し、人体から放射される赤外線は透過するような光学フィルタ24を選定することができる。以上により外付けのリーク抵抗27を省略した赤外線センサ80を得る。
(赤外線センサ80の動作)
図2(a)、(b)および図3(a)を参照して赤外線センサ80の動作について説明する。人体などの動作により、受光素子部1と補償素子部2にそれぞれ入射する赤外線P1と赤外線P2の光の量に偏りが発生すると受光素子部1と補償素子部2の分極の値に差が発生し出力が得られる。ここで発生した出力は前述した赤外線吸収膜層3の連結部3Cからなるリーク抵抗3Cによって電圧に変換され増幅器6の入力端子6aに加わる。これにより、焦電センサ素子10の出力に応じて出力端子7に電圧信号が出力される。また、光の量に偏りが無い場合や周囲の温度変化が発生した場合は分極の値に差が発生しないので受光素子部1と補償素子部2の電圧が打ち消し合い出力は得られない。
(実施形態1の効果)
以上説明した第1実施形態によれば、受光電極1aと補償電極2aの表面側電極に赤外線吸収膜層3を配設し、受光電極1aと補償電極2aの連結部3Cの材料抵抗を利用することにより、リーク抵抗3Cを焦電センサ素子10の内部に形成することができた。これにより、焦電体基板5として特別な材料組成の用意を必要とすることなく、外付けのリーク抵抗27を省略でき、簡素化された赤外線センサ80を提供することができる。同時にコスト低減、スペース効率向上および小型化が可能となった。また、赤外線吸収膜層3は赤外線の吸収機能を持つため、光から熱への変換効率が向上し、焦電センサ素子10の感度が向上した。
なお、本発明に係る赤外線センサ80は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、受光電極1a、補償電極2a、対向電極1b、対向電極2bはNi(ニッケル)やNi/Cr(ニッケル/クロム)などの材料としたが他の金属でもよい。また、電極の形成についてはスパッタ法や蒸着などの方法としたがこれに限定されるものではない。また、電極の形状や接続部の形状も実施例に限定されるものではなく、大きさや配列を変えてもよい。また、電極間の接続はリード線による方法でも良い。また、赤外線吸収層3の材質については、グラファイトやアルミナなどを主原料とするとしたが別の材料でも良く赤外線吸収機能と抵抗体機能を合わせ持った材料で有れば良い。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態による赤外線センサ80について、図4を参照して説明する。図4(a)は焦電センサ素子20において赤外線吸収膜層3の別の形態を示し、(b)はその赤外線吸収膜層3の平面図を示す。図3(a)において、図1(a)と同じ構成要素には同一番号を付し、重複する説明を省略する。図4(a)に示す焦電センサ素子20が実施形態1と異なるところは赤外線吸収膜層3の連結部3Cの幅を調整している点である。赤外線吸収膜層3の連結部3Cの体積はその距離Lと膜厚tと幅dによって決まる。連結部3Cの材料抵抗値は体積に依存するので、例えば、膜厚tと距離Lが一定の場合は幅dをd1、d2、d3のように調整することにより材料抵抗値を調整することができる。これにより、より正確な抵抗値を持つ焦電センサ素子20を得ることができ、より検知精度に優れた赤外線センサ80を提供できる。また、赤外線吸収膜層3の連結部3Cは電極が形成されていない部分に形成されるので、その体積を変化させても焦電センサ素子20の感度に影響を与えない。そのため、材料抵抗値の調整作業を行っても焦電センサ素子20の性能を維持できる。
なお、本発明に係る赤外線センサ80は上記実施形態に限定されるものではない。赤外線吸収膜層3の連結部3Cの両側から幅をd1、d2、d3に調整したが、どちらか一方から調整することもできる。また、中央部から両側へ広げるように調整することもできる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態による赤外線センサ80について、図5を参照して説明する。図5(a)は焦電センサ素子25において赤外線吸収膜層3の材料抵抗値調整の別の形態を示し、(b)はその赤外線吸収膜層3の断面図を示す。図5(a)において、図4(a)と同じ構成要素には同一番号を付し、重複する説明を省略する。図5(a)に示す焦電センサ素子25が実施形態2と異なるところは赤外線吸収膜層3の連結部3Cの厚さtを調整している点である。前述の如く、連結部3Cの材料抵抗値は体積に依存するので、例えば、幅dと距離Lが一定の場合は膜厚tをt1、t2、t3のように調整することにより、材料抵抗値を調整することができる。これにより、正確な抵抗値を持つ焦電センサ素子25を得ることができ、検知精度に優れた赤外線センサ80を提供できる。
なお、本発明に係る赤外線センサ80は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、赤外線吸収膜層3の連結部3Cの膜厚tを距離Lの範囲全体をt1、t2、t3のように調整したが、距離Lより狭い範囲で調整することもできる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態による赤外線センサ80について、図6を参照して説明する。図6は焦電センサ素子30において電極接続部fの別の接続形態を示す。図6において、図1(a)と同じ構成要素には同一番号を付し、重複する説明を省略する。図6に示す焦電センサ素子30が実施形態1と異なるところは電極接続部fを接続する形態が導電性接着剤4により接続するのではなく、電極接続用金具11を使用している点である。電極接続用金具11はステンレスやバネ用リン青銅などの金属性の薄板を曲げ加工して使用することができる。また、電極接続用金具11に導電性接着剤4を併用することもできる。これにより、電極接続がより安定し、廉価で品質に優れた赤外線センサ80を提供できる。
また、焦電センサ素子35において電極接続部fの別の接続形態について、図7を参照して説明する。図7において、図1(a)と同じ構成要素には同一番号を付し、重複する説明を省略する。図7に示す焦電センサ素子35が実施形態1と異なるところは電極接続部fを接続する形態が導電性接着剤4により接続するのではなく、蒸着法やスパッタ法にて上下の電極接続部fを金属膜gにて接続する点である。これにより電極接続が確実になり組立工数を削減し、品質に優れた赤外線センサ80を提供できる。
なお、本発明に係る赤外線センサ80は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、図7に示すように焦電体基板5の側面において金属膜gを形成するのではなく、焦電体基板5を挟んで2つの電極接続部fの間に孔を形成し、穴の中に金属膜gを形成してもよい。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態による赤外線センサ80について図8を参照して説明する。図8は焦電センサ素子40においてアレイタイプの一形態を示す。図8において、図1(a)と同じ構成要素には同一番号を付し、重複する説明を省略する。図8に示す焦電センサ素子40が実施形態1と異なるところは受光素子部1と補償素子部2が1対となってそれぞれ間隔を介して複数アレイ状に配設されており、各センサ素子部の電極接続部がそれぞれ配設されている点である。これにより、赤外線センサ80は焦電センサ素子40が収納できるように形状を変更して、その内部に複数対の電極受け部を設け、そこに各センサ素子部を接続固定することができる。以上により、焦電体基板5として特別な材料組成を用意することなく、外付けのリーク抵抗27を複数個省略でき、小型で廉価な赤外線アレイセンサ80を提供することができる。
なお、本発明に係る赤外線センサ80は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、赤外線吸収膜層3については図4、図5に示すように、抵抗値の調整形態として、膜厚tを調整しても良いし、膜の幅dを調整しても良い。また、電極接続部については、図1、図6、図7に示すように、導電性接着剤による接続方法でもよいし、金属板による方法でもよいし、直接金属膜を形成する方法でもよい。また、図8では4対の焦電センサ素子を用いたが、その数は目的にあわせて、例えば8素子のように変更することができる。
1 受光素子部
1a 受光電極
1b 対向電極
2 補償素子部
2a 補償電極
2b 対向電極
3 赤外線吸収膜層
3A 赤外線吸収膜層(受光素子部)
3B 赤外線吸収膜層(補償素子部)
3C 赤外線吸収膜層連結部
4 導電性接着剤
5 焦電体基板
6 増幅器
6a 入力端子
7 出力端子
8 GND
10、20、25、30、35、40 焦電センサ素子
11 接続用金具
21 ベース
22 第1スペーサ
23 第2スペーサ
24 光学フィルタ
26 導電性接着剤
27 省略された外付けリーク抵抗
80 赤外線センサ
P1、P2 赤外線

Claims (3)

  1. 分離された赤外線受光電極と補償電極とを1対として焦電体基板の表面に配置され、焦電体基板の裏面には前記赤外線受光電極と補償電極のそれぞれに対向する位置に対向電極が配設され、それぞれ赤外線受光素子部と補償素子部が形成され、前記2つの素子部が逆極性に並列に接続され、かつ前記赤外線受光電極の電極表面および前記補償電極の電極表面には抵抗体としての機能を有する赤外線吸収膜層が形成され、前記赤外線吸収膜層は前記赤外線受光電極および前記補償電極を覆い、かつ前記赤外線受光電極および前記補償電極と電気的に接続されたことを特徴とする焦電型赤外線センサ。
  2. 前記赤外線受光電極および前記補償電極の表面に設けられた前記赤外線吸収膜層は前記赤外線受光電極と前記補償電極との連結部分において、その体積を変化させることにより材料抵抗値を制御することを特徴とする請求項1に記載の焦電型赤外線センサ。
  3. 前記赤外線受光電極および前記補償電極を1対として複数対が配設された請求項1または2に記載の焦電型赤外線センサ。
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