JP5779705B1 - 定着システムおよびジャッキ - Google Patents

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Abstract

【課題】 ケーブルを緊張して定着することができる定着システムを提供する。【解決手段】 定着具(10)は、ケーブル(3)を定着するためのウェッジ(12)と、ウェッジを支持するスリーブ(11)とを備えている。ジャッキ(100)は、支圧面(4)を基準として、支圧面から離れる方向の荷重を定着具に与えることにより、定着具を介してケーブルを緊張する。固定部材(20,30)は、支圧面から離れた位置でスリーブを固定させる。スリーブは、この外面において、ジャッキからの荷重を受ける受圧面(11b1,11d、11e)を有する。これにより、ジャッキを駆動したときにスリーブを移動させて、ケーブルを把持することなく、ケーブルを緊張することができる。【選択図】 図11

Description

本発明は、ケーブルを緊張して、コンクリート構造物、鋼構造物、複合構造物、その他の構造物に圧縮力を与える定着システムと、この定着システムで用いられるジャッキおよび定着具に関する。
PC(プレストレスト・コンクリート)構造物では、コンクリート躯体の内部にPC鋼材を通し、PC鋼材を緊張した状態において、PC鋼材の両端に設けられた定着具をコンクリート躯体に固定することにより、コンクリート躯体にプレストレスを与えている。ここで、PC鋼材を緊張するときには、定着具から突出したPC鋼材をジャッキによって把持し、ジャッキを駆動することにより、PC鋼材に緊張力を与えている。
特開2003−262095号公報
従来のPC構造物では、ジャッキがPC鋼材を把持できるように、PC鋼材の端部を定着具から突出させなければならない。すなわち、定着具から突出させるPC鋼材の長さとしては、ジャッキがPC鋼材を把持できる長さを確保しなければならない。
本発明の目的は、ケーブルを把持することなく、ケーブルを緊張させることができる定着システムを提供することにある。
本発明は、ケーブルを緊張して定着するための定着システムであって、定着具と、ジャッキと、固定部材とを有する。定着具は、ケーブルを定着するためのウェッジと、ウェッジを支持するスリーブとを備えている。ジャッキは、ジャッキ本体と、ジャッキ本体に対して相対的に移動し、支圧面に沿って定着具と並んで配置されたピストンとを備え、伸張動作によって、支圧面を基準として、支圧面から離れる方向の荷重を定着具に与えることにより、定着具を介してケーブルを緊張する。ここで、支圧面とは、ケーブルの緊張に伴って定着具からの圧縮力を受ける面である。固定部材は、支圧面から離れた位置でスリーブを固定させる。スリーブは、この外面において、ジャッキからの荷重を受ける受圧面を有する。ジャッキ本体又はピストンは、受圧面と接触し、荷重を受圧面に与える加圧面を有する。
本願第1の発明によれば、ケーブルを把持することなく、ケーブルを緊張させることができる。具体的には、支圧面から離れる方向の荷重をスリーブの受圧面に与えることにより、ケーブルを緊張する方向にスリーブを移動させることができる。スリーブは、ウェッジを介してケーブルに固定されるため、スリーブを移動させることにより、ケーブルを緊張することができる。そして、固定部材を用いることにより、ケーブルに緊張力を与えたままの状態に維持することができる。
ジャッキに設けられたピストンが支圧面を押し込めば、このときの反力(荷重)を定着具に与えることができる
固定部材としては、スペーサを用いることができる。スペーサは、支圧面およびスリーブの間に形成されたスペースに挿入することができる。一方、固定部材には、スリーブの外面に形成されたネジ部と噛み合うネジ部を設けることができる。そして、スリーブに対して固定部材を回転させることにより、スリーブに対してケーブルが延びる方向に固定部材を移動させて、固定部材の端部を支圧面に接触させることができる。
ケーブルを緊張する方向と直交する平面内に、受圧面を位置させることができる。これにより、受圧面において、ジャッキで発生した荷重を受けやすくなり、ケーブルを緊張する方向にスリーブを移動させやすくなる。例えば、ケーブルを緊張する方向におけるスリーブの一端に、受圧面を含むフランジを設けることができる。
ジャッキには、支圧面から離れる方向の荷重を発生させるための一対のピストンを設けることができる。一対のピストンを設けることにより、各ピストンから発生する荷重を、スリーブの受圧面の全体に伝えやすくなる。ここで、一対のピストンは、支圧面と平行な面内において、スリーブを挟む位置に配置することができる。一方、一対のピストンを配置するとき、一対のピストンの間隔を、一対のピストンが並ぶ方向におけるスリーブの幅よりも狭くすることができる。そして、スリーブから各ピストンまでの距離を、互いに略等しくすることができる。
本願第2の発明は、ケーブルを緊張して定着するための定着システムに用いられるジャッキであり、ジャッキ本体と、ジャッキ本体に対して相対的に移動し、定着具からの圧縮力を受ける支圧面に沿って定着具と並んで配置されたピストンと、を有する。ジャッキは、伸張動作によって、支圧面を基準として、支圧面から離れる方向の荷重を定着具に与えることにより、定着具を介してケーブルを緊張する。定着具は、ケーブルを定着するためのウェッジと、ウェッジを支持し、固定部材によって支圧面から離れた位置で固定されるスリーブとを備えている。スリーブは、ケーブルがスリーブを貫通する方向におけるスリーブの両端面の間であって、両端面を除くスリーブの外面に形成された受圧面を有する。ジャッキ本体又はピストンは、スリーブの外面に形成された受圧面と接触し、受圧面に荷重を与える加圧面を有する。
本願第2の発明によれば、本願第1の発明と同様に、ケーブルを把持することなく、ジャッキを用いて、ケーブルを緊張させることができる。
PC構造物の一部を示す断面図である。 PC構造物の正面図である。 ジャッキの正面図である。 ジャッキの上面図である。 ジャッキの側面図である。 ジャッキの底面図である。 ジャッキの背面図である。 PC鋼材に緊張力を与える工程を説明する図である。 PC鋼材に緊張力を与える工程を説明する図である。 PC鋼材に緊張力を与える工程を説明する図である。 PC鋼材に緊張力を与える工程を説明する図である。 スペーサの構造を示す図である。 スペーサの他の構造を示す図である。 PC鋼材の緊張力を増加させた後において、PC構造物の一部を示す断面図である。 変形例におけるスリーブの正面図である。 他の変形例におけるスリーブの正面図である。 ジャッキの駆動に伴うスリーブの傾きを抑制する構造を示す図である。 本実施例において、スリーブおよび一対のピストンの位置関係を説明する図である。 変形例において、スリーブおよび一対のピストンの位置関係を説明する図である。 ナットを用いて、スリーブおよび支圧板の間隔を維持する構造を示す図である。 ジャッキによってスリーブを間接的に移動させる構造を示す図である。 複数のPC鋼材が固定される定着具の構造を示す図である。 複数のPC鋼材が固定される定着具の他の構造を示す図である。
以下、本発明の実施例について説明する。
図1は、PC構造物の一部を示す断面図である。図2は、図1の矢印D11の方向からPC構造物を見たときの図である。言い換えれば、図1は、図2のA−A断面図である。図1において、X軸およびY軸は、互いに直交する軸である。また、X軸およびY軸に直交する軸をZ軸とする。X軸、Y軸およびZ軸の関係は、他の図面においても同様である。
コンクリート躯体1の内部には、PCシース2が埋め込まれており、PCシース2の内部にはPC鋼材(本発明のケーブルに相当する)3が配置されている。ここで、PCシース2の内部には、PC鋼材3に加えて、グラウトが充填されている。すなわち、PCシース2の内壁面と、PC鋼材3の外周面との間に形成されたスペースに、グラウトが充填されている。本実施例では、PC鋼材3を用いているが、PC鋼材3の代わりに、他の材料で形成されたケーブル、例えば、炭素繊維で形成されたケーブルを用いることもできる。
コンクリート躯体1の表面には、支圧板4が配置されている。支圧板4は、後述する定着具10からの荷重を受けて、この荷重をコンクリート躯体1に伝達する。これにより、コンクリート躯体1にプレストレスを与えることができる。なお、本実施例では、支圧板4の一部が露出しているが、コンクリート躯体1の内部に支圧板4を埋め込むこともできる。ここで、定着具10(具体的には、後述するスリーブ11)と接触する面が、本発明における支圧面となる。
図1に示すように、PC鋼材3の一端には、定着具10が固定されている。定着具10は、スリーブ11およびウェッジ12を有する。スリーブ11の一端面は、支圧板4に接触している。スリーブ11は、スリーブ本体11aと、スリーブ本体11aからスリーブ11の外側に突出するフランジ11bとを有する。
フランジ11bは、スリーブ11の他端に設けられており、支圧板4から離れている。フランジ11bは、PC鋼材3の長手方向において、支圧板4と対向する受圧面11b1を有する。受圧面11b1は、PC鋼材3の長手方向(言い換えれば、PC鋼材3を緊張する方向)と直交する平面内に位置しており、後述するように、ジャッキからの荷重を受ける。
スリーブ本体11aの内側には、PC鋼材3を貫通させるための貫通孔11cが形成されている。貫通孔11cおよびPC鋼材3の間には、一対のウェッジ12が挿入されている。ここで、ウェッジ12の外周面は、テーパ面となっており、貫通孔11cは、ウェッジ12の外周面に沿った形状に形成されている。
PC鋼材3を緊張した後、この緊張を解除すると、PC鋼材3は緊張前の状態に戻ろうとする。このとき、ウェッジ12の外周面が貫通孔11cと接触するとともに、ウェッジ12の内周面に形成された歯がPC鋼材3の外周面に喰い込むことにより、PC鋼材3が緊張前の状態に戻ることを阻止する。このようにウェッジ12は、PC鋼材3を定着するために用いられる。
これにより、PC鋼材3に緊張力を与えたままとすることができる。PC鋼材3の緊張力は、定着具10(ウェッジ12およびスリーブ11)を介して、支圧板4に伝達される。これにより、支圧板4を介して、コンクリート躯体1にプレストレスを与えることができる。図1および図2に示す状態で、コンクリート躯体1にプレストレスが既に与えられている状態である。
PC鋼材3に緊張力を与えたとき、PC鋼材3が伸張したり、ウェッジ12の歯がPC鋼材3の外周面に喰い込んだりすることにより、PC鋼材3の緊張力が低下してしまう。本実施例では、PC鋼材3の緊張力が低下したとき、PC鋼材3の緊張力を増加させて、コンクリート躯体1に対する圧縮力を増加させるようにしている。例えば、PC構造物の補修や補強などにおいて、PC鋼材3の緊張力を増加させることにより、コンクリート躯体1に対する圧縮力を増加させることができる。
まず、PC鋼材3の緊張に用いられるジャッキの構造について説明する。図3は、ジャッキ100の正面図である。図4は、図3に示す矢印D21の方向からジャッキ100を見たときの上面図であり、図5は、図3に示す矢印D22の方向からジャッキ100を見たときの側面図であり、図6は、図3に示す矢印D23の方向からジャッキ100を見たときの底面図である。図7は、図4〜図6に示す矢印D24の方向からジャッキ100を見たときの背面図である。
ジャッキ100は、ジャッキ本体110と、一対のピストン120と、支持プレート130とを有する。一対のピストン120は、ジャッキ本体110に対して、図4に示す矢印Mの方向に移動することができる。すなわち、ジャッキ本体110およびピストン120は、矢印Mの方向において、相対的に移動することができる。ここで、一対のピストン120は、ジャッキ本体110の左右方向(図3の左右方向)において並んで配置されており、一体的に移動する。
図3〜図6に示す状態(初期状態という)では、ピストン120の全体がジャッキ本体110の内部に収容されている。初期状態のジャッキ100を駆動することにより、ピストン120がジャッキ本体110から突出する。ピストン120を駆動する構造としては、例えば、油圧式の構造を用いることができる。また、ピストン120を駆動する構造としては、公知の構造を適宜採用することができるため、詳細な説明は省略する。
支持プレート130は、ボルト131を用いて、各ピストン120の先端部に固定されている。すなわち、ボルト131は、支持プレート130を貫通して、各ピストン120と係合している。ここで、支持プレート130の表面には、一対の溝部132が形成されており、ボルト131の頭部が溝部132の内側に収容されている。すなわち、ボルト131が溝部132から突出しないようになっている。
支持プレート130は、一対の分岐部133を有する。一対の分岐部133の間には、定着具10(具体的には、スリーブ本体11a)が配置される。図3および図6に示すように、ジャッキ本体110の底面には、主にPC鋼材3を収容するための第1収容溝140と、スリーブ11を収容するための第2収容溝150とが設けられている。
図5および図6に示すように、第1収容溝140は、ジャッキ本体110の前後方向(図5および図6の左右方向)において、ジャッキ本体110の一端から他端まで延びている。第2収容溝150は、ジャッキ本体110の前面側に設けられている。ジャッキ本体110の前面とは、支持プレート130が配置されている側の面である。
第1収容溝140および第2収容溝150は、ピストン120と干渉しない位置に設けられており、互いに繋がっている。第2収容溝150は、スリーブ11の外形に沿った形状に形成されており、スリーブ11の受圧面11b1と接触する加圧面151を有する。加圧面151は、受圧面11b1に沿うように形成されている。
次に、図1および図2に示すPC構造物において、図3〜図7に示すジャッキ100を用いて、PC鋼材3に緊張力を与える工程について説明する。
まず、図8の矢印D25に示すように、定着具10の上方から定着具10に向かってジャッキ100を移動させることにより、定着具10にジャッキ100を組み付ける。具体的には、第1収容溝140には、スリーブ11から突出するPC鋼材3やウェッジ12が収容され、第2収容溝150には、スリーブ11が収容される。
図8に示すように、PC構造物の周囲には、他の構造物5が配置されていることがある。ここで、コンクリート躯体1にプレストレスを与えるときには、構造物5が配置されていない状態において、作業が行われる。このため、従来と同様に、ジャッキ(本実施例のジャッキ100とは異なる)にPC鋼材3を把持させて、ジャッキを駆動することにより、PC鋼材3を緊張して、コンクリート躯体1にプレストレスを与えることができる。コンクリート躯体1にプレストレスを与えた後では、コンクリート躯体1の周囲に構造物5が配置されることがある。この場合には、PC鋼材3に緊張力を与えるための作業スペースは、コンクリート躯体1および構造物5の間に形成されたスペースとなる。
本実施例では、PC構造物の上下方向において、ジャッキ100をスライドさせるだけで、コンクリート躯体1および構造物5の間に形成されたスペースにジャッキ100を配置することができる。なお、図8に示す例では、定着具10の上方から定着具10に向かってジャッキ100を移動させているが、これに限るものではない。ジャッキ100は、図3に示す姿勢だけで使用されるものではない。このため、ジャッキ100の姿勢(向き)を変更すれば、コンクリート躯体1の表面に沿って、様々な方向から定着具10にジャッキ100を組み付けることができる。
定着具10にジャッキ100を組み付けると、図9に示す状態となる。ここで、図9は、図6に対応した図である。ジャッキ100を定着具10に組み付けたとき、ピストン120の軸は、PC鋼材3の軸からずれている。すなわち、ピストン120およびPC鋼材3は、同軸上に配置されていない。
第2収容溝150は、スリーブ11の外形に沿った形状に形成されているため、第2収容溝150の内側にスリーブ11を収容することができる。このとき、スリーブ11の受圧面11b1は、PC鋼材3の長手方向において、第2収容溝150の加圧面151と対向する。スリーブ11から突出したPC鋼材3やウェッジ12は、第1収容溝140の内側に配置される。また、一対の分岐部133の間には、スリーブ本体11aが配置される。
図9に示す状態において、ジャッキ100を駆動してピストン120をジャッキ本体110から突出させると、支持プレート130がコンクリート躯体1や支圧板4を押し付ける。コンクリート躯体1や支圧板4は移動しないため、支持プレート130がコンクリート躯体1や支圧板4を押し付けたときの反力が、ジャッキ本体110に発生する。これにより、ジャッキ本体110は、コンクリート躯体1や支圧板4から離れる方向に移動する。ジャッキ本体110が移動する方向は、PC鋼材3を緊張する方向と同じである。
コンクリート躯体1や支圧板4から離れる方向にジャッキ本体110が移動するとき、第2収容溝150の加圧面151が、スリーブ11の受圧面11b1を押し込むことにより、コンクリート躯体1や支圧板4から離れる方向にスリーブ11を移動させる。このときの状態を図10に示す。図10に示す状態において、支持プレート130(分岐部133)は、コンクリート躯体1や支圧板4に接触しているが、スリーブ11は、支圧板4から離れている。
図10に示すように、スリーブ11を支圧板4から離れる方向に移動させると、PC鋼材3に緊張力を与えることができる。すなわち、スリーブ11が移動すると、スリーブ11の内側に配置されたウェッジ12は、スリーブ11とともに移動する。ウェッジ12の歯は、PC鋼材3の外周面に喰い込んでいるため、ウェッジ12の移動に伴って、PC鋼材3が緊張される。
ジャッキ100を用いてPC鋼材3を緊張するときの力は、PC構造物を製造するときにおいて、PC鋼材3を緊張するときの力と等しくすることができる。この場合において、スリーブ11および支圧板4の間に形成された隙間は、PC構造物を製造したときにおけるPC鋼材3の緊張力の低下に起因するものである。すなわち、スリーブ11および支圧板4の間に形成された隙間は、緊張に伴うPC鋼材3の伸び量と、PC鋼材3に対するウェッジ12の食い込み量(いわゆるセット量)とを合わせたものになる。
次に、図11に示すように、スリーブ11および支圧板4の間に形成されたスペースに、スペーサ20を配置する。スリーブ11および支圧板4の間に形成されたスペースに、スペーサ20を配置することができればよく、スペーサ20の形状は、適宜設定することができる。
例えば、図12又は図13に示すスペーサ20を用いることができる。図12に示すスペーサ20は、PC鋼材3を組み込むためのガイド溝21を有する。ガイド溝21の内側にPC鋼材3を組み込むことにより、スリーブ11および支圧板4の間に形成されたスペースに、スペーサ20を配置することができる。一方、図13に示すように、スペーサ20として、2つに分割されたスペーサ20A,20Bを用いることができる。スペーサ20A,20BによってPC鋼材3を挟むことができる。
スリーブ11および支圧板4の間にスペーサ20を配置した後、ピストン120をジャッキ本体110の内側に収容し、定着具10からジャッキ100を取り外せば、図14に示す状態となる。図14に示す状態では、スペーサ20を配置した分だけ、PC鋼材3を緊張させることができ、コンクリート躯体1に与えられるプレストレスを増加させることができる。また、スペーサ20を配置することにより、図14に示す状態を維持することができる。
本実施例によれば、ジャッキ100を用いて、スリーブ11を移動させることにより、PC鋼材3に緊張力を与えることができる。コンクリート躯体1に対して既にプレストレスが与えられているPC構造物では、スリーブ11からのPC鋼材3の突出量が少ないことがある。この場合には、PC鋼材3を把持して、PC鋼材3を緊張しにくくなる。本実施例では、スリーブ11を利用することにより、PC鋼材3を緊張することができる。そして、スペーサ20を用いることにより、PC鋼材3に緊張力を与えた状態を維持できる。ここで、X方向における長さが互いに異なるスペーサ20を用意しておき、これらのスペーサ20を使い分けることにより、PC鋼材3の緊張力を調節することができる。
また、図8に示すように、構造物5によって、コンクリート躯体1の周囲に形成された作業スペースが限られていても、コンクリート躯体1の表面に沿ってジャッキ100をスライドさせることにより、ジャッキ100を定着具10に組み付けることができる。
本実施例では、PC構造物において、PC鋼材3を緊張する場合について説明したが、これに限るものではない。すなわち、ジャッキ100を用いることにより、PC鋼材3の緊張力を低下させることもできる。具体的には、図14に示す状態において、ジャッキ100を定着具10に組み付け、ジャッキ100を駆動してスリーブ11を支圧板4から離れる方向に移動させることにより、スペーサ20を取り除くことができる。スペーサ20を取り除いた状態において、スリーブ11を支圧板4に接触させれば、PC鋼材3の緊張力を低下させることができる。
また、本実施例では、コンクリート躯体1にプレストレスが与えられているPC構造物において、PC鋼材3に緊張力を与えているが、これに限るものではない。すなわち、コンクリート躯体1にプレストレスを与えるときに、本発明の定着システムを用いることができる。
具体的には、図1に示すように、PC鋼材3の端部に定着具10を取り付けておく。このとき、PC鋼材3は緊張されていない。この状態において、本実施例と同様に、ジャッキ100を用いて、支圧板4から離れる方向にスリーブ11を移動させることにより、PC鋼材3に緊張力を与えることができる。支圧板4から離れる方向にスリーブ11を移動させるとき、ウェッジ12の歯がPC鋼材3の外周面に喰い込む。
PC鋼材3を緊張した後、図11に示すように、支圧板4およびスリーブ11の間に形成されたスペースに、スペーサ20を配置することにより、PC鋼材3に緊張力を与えたままとすることができる。これにより、コンクリート躯体1にプレストレスが与えられたPC構造物が得られる。
上述したように、PC鋼材3を緊張するとき、ジャッキ100はスリーブ11を移動させているため、従来のように、ジャッキによってPC鋼材3を把持する必要が無い。このため、ジャッキがPC鋼材3を把持するために、PC鋼材3の端部を定着具10から不必要に突出させる必要も無くなる。結果として、PC鋼材3の全長を短くでき、PC鋼材3の材料を低減することができる。
また、従来では、通常、ジャッキによってPC鋼材3を緊張した後、PC鋼材3の端部が定着具10から不必要に突出することを防止するために、PC鋼材3の端部を切断している。そして、切断されたPC鋼材3は廃棄される。
本実施例では、PC鋼材3を緊張するときに、PC鋼材3の端部を定着具10から必要量だけ突出させておけばよく、PC鋼材3を緊張した後、PC鋼材3の端部を切断する必要が無い。このため、切断されて廃棄されるPC鋼材3が発生することを防止できる。
一方、本実施例では、定着具10からの圧縮力をコンクリート躯体1に与えているが、コンクリート躯体1以外の構造物に圧縮力を与えることもできる。例えば、金属材料で形成された構造物(鋼構造物など)、複合構造物、その他の構造物に対して圧縮力を与えることができる。
なお、スリーブ11の形状は、図1および図2に示す形状に限るものではない。すなわち、ジャッキ100を用いて、コンクリート躯体1や支圧板4から離れる方向にスリーブ11を移動させることができればよく、スリーブ11には、ピストン120がコンクリート躯体1を押し込んだときの反力を受ける面(受圧面)が形成されていればよい。
例えば、図15又は図16に示すスリーブ11を用いることができる。図15および図16は、PC鋼材3の長手方向におけるスリーブ11の断面図である。
図15に示すスリーブ11では、スリーブ11の外周面にテーパ面11dが形成されている。テーパ面11dは、ジャッキ本体110からの反力を受ける面(受圧面)になる。この場合には、テーパ面11dに沿った面を第2収容溝150に形成しておけばよい。図15に示すスリーブ11を用いれば、図14に示すスリーブ11と比べて、ジャッキ本体110からの反力を受ける面の面積を大きくすることができる。
図16に示すスリーブ11では、スリーブ11の外周面に複数の凹部11eが形成されている。凹部11eの一部は、ジャッキ本体110からの反力を受ける面(受圧面)になる。この場合には、第2収容溝150を凹部11eに沿った形状に形成しておけばよい。
本実施例では、一対のピストン120を用いているが、これに限るものではない。すなわち、1つのピストン120を用いることもできる。ピストン120がコンクリート躯体1を押し込んだときの反力をジャッキ本体110に発生させれば、本実施例と同様に、PC鋼材3を緊張することができる。1つのピストン120を用いても、ジャッキ本体110に反力を発生させることができる。
1つのピストン120を用いたときには、ジャッキ100を駆動して、支圧板4から離れる方向にスリーブ11を移動させるとき、図17に示す矢印D31の方向にスリーブ11が傾いてしまうおそれがある。ここで、図17に示すように、支圧板4にガイド部4aを設けておけば、スリーブ11の傾きを抑制することができる。
ガイド部4aは、支圧板4の表面からPC鋼材3の緊張方向に突出しており、スリーブ11の外面に接触している。支圧板4から離れる方向にスリーブ11を移動させる間、スリーブ11をガイド部4aに接触させれば、PC鋼材3の緊張方向にスリーブ11を移動させることができ、図17の矢印D31の方向にスリーブ11が傾くことを抑制できる。
ガイド部4aは、スリーブ11と接触して、スリーブ11の傾きを抑制できればよく、ガイド部4aの形状は、適宜設定することができる。例えば、ガイド部4aをスリーブ11の外周面に沿った形状に形成することができる。
一方、本実施例のように、一対のピストン120を用いることにより、ピストン120がコンクリート躯体1を押し込んだときにジャッキ本体110に発生する反力を、スリーブ11に伝達させやすくなる。1つのピストン120を用いたとき、ピストン120およびスリーブ11は、本実施例と同様に、同一直線上に配置されないため、ジャッキ本体110で発生した反力を、受圧面11b1の全体に均等に伝達させにくくなる。
ここで、スリーブ11および一対のピストン120の位置関係は、本実施例で説明した位置関係に限るものではない。まず、本実施例では、図18に示すように、一対のピストン120の間隔W1は、スリーブ11の幅(最大幅)W2よりも狭い。ここで、間隔W1および幅W2は、同一方向(図18では、左右方向)における長さである。言い換えれば、スリーブ11の幅W2は、一対のピストン120が並ぶ方向における長さである。
また、スリーブ11から各ピストン120までの距離は互いに略等しい。例えば、スリーブ11の中心軸C1と、各ピストン120の中心軸C2,C3とを基準にすると、中心軸C1,C2の間の距離L1は、中心軸C1,C3の間の距離L2と略等しい。距離L1,L2が略等しいとは、ジャッキ100の製造誤差などによって発生する距離L1,L2のバラツキを含むことを意味する。
ここで、中心軸C2,C3の間の距離L3を、距離L1,L2と等しくすることができる。図18に示す配置によれば、一対のピストン120を近づけて配置することができ、ジャッキ本体110の幅(図3の左右方向におけるジャッキ本体110の最大長さ)が大型化することを抑制できる。
一方、図19に示すように、スリーブ11および一対のピストン120を配置することもできる。図19では、一対のピストン120の間に、スリーブ11が配置されている。言い換えれば、スリーブ11を挟む位置に、一対のピストン120が配置されている。図19に示す配置によれば、一点鎖線Gで示すように、中心軸C1〜C3を同一平面内に位置させることができる。これにより、ジャッキ本体110の高さ(図3の上下方向におけるジャッキ本体110の最大長さ)が大型化することを抑制できる。
本実施例では、ピストン120をジャッキ本体110から突出させているが、これに限るものではない。具体的には、ジャッキ本体110からピストン120を突出させることなく、ジャッキ本体110の内部において、ピストン120を移動させることができる。この場合には、スリーブ11の受圧面11b1と接触する面を有するスライド部材を用意しておき、このスライド部材をピストン120に固定しておけばよい。
これにより、ジャッキ本体110の一部をコンクリート躯体1や支圧板4に接触させておき、ジャッキ本体110の内部でピストン120を移動させることにより、ピストン120とともにスライド部材を移動させることができる。このスライド部材の移動によって、支圧板4から離れる方向にスリーブ11を移動させることができる。このような構成であっても、本実施例と同様の効果を得ることができる。
本実施例では、ジャッキ100が一対のピストン120を備えているが、これに限るものではない。具体的には、1つのピストン120を備えたジャッキ100を2つ用意しておき、これらのジャッキ100を用いて、PC鋼材3を緊張することもできる。ここで、各ジャッキ100を個別に駆動して、支圧板4から離れる方向にスリーブ11を移動させれば、PC鋼材3を緊張することができる。
各ジャッキ100のジャッキ本体110には、本実施例と同様に、スリーブ11の受圧面11b1と接触する加圧面151を設けておけばよい。ここで、各ジャッキ100の加圧面151は、スリーブ11の受圧面11b1に対して、互いに異なる位置で接触させればよい。これにより、2つのジャッキ100を互いに干渉させることなく、スリーブ11の周囲に2つのジャッキ100を配置することができる。
本実施例では、図14に示すように、スリーブ11および支圧板4の間に、スペーサ20を配置しているが、これに限るものではない。すなわち、支圧板4から離れる方向にスリーブ11を移動させてPC鋼材3を緊張した後、スリーブ11が支圧板4から離れた状態を維持できればよい。
例えば、図20に示すように、ナット(本発明の固定部材に相当する)30を用いることにより、スリーブ11を支圧板4から離れた状態に維持することができる。図20において、ナット30の内周面には、ネジ部31が形成されており、このネジ部31は、スリーブ本体11aの外周面に形成されたネジ部11a1と噛み合う。
支圧板4から離れる方向にスリーブ11を移動させた後、スリーブ本体11aに対してナット30を回転させることにより、ナット30を図20の矢印D41の方向に移動させることができる。これにより、ネジ部31,11a1が噛み合った状態において、ナット30の一端面を支圧板4に接触させることができ、スリーブ11を支圧板4から離れた状態に維持できる。ここで、図20の矢印D41の方向におけるナット30の移動量を調節すれば、スリーブ11および支圧板4の間隔を調節でき、PC鋼材3の緊張力を調節することができる。また、図20に示す状態において、ナット30を矢印D41の方向とは逆方向に移動させれば、支圧板4に近づく方向にスリーブ11を移動させて、PC鋼材3の緊張力を低下させることができる。
一方、本実施例では、ジャッキ本体110に形成された第2収容溝150をスリーブ11に接触させ、ジャッキ100がスリーブ11を直接移動させているが、これに限るものではない。すなわち、ジャッキ100がスリーブ11を間接的に移動させることもできる。
例えば、図21に示す構造を用いて、スリーブ11を移動させることができる。図21において、スリーブ11の外周面には、ネジ部11fが形成されている。連結部材40は、アーム41と、アーム41から突出するバー42を有する。アーム41は、スリーブ11の外側に配置され、スリーブ11から突出したPC鋼材3やウェッジ12と干渉しない形状に形成されている。
アーム41の内壁面に形成されたネジ部41aは、ネジ部11fと噛み合っている。ここで、スリーブ11に対してアーム41を回転させることにより、ネジ部41aをネジ部11fと噛み合わせることができ、スリーブ11にアーム41を取り付けることができる。
バー42の先端側は、ガイド部材160の貫通孔161を貫通しており、バー42の先端に形成されたネジ部41aには、ナット50の内周面に形成されたネジ部51が噛み合っている。ガイド部材160は、一対のジャッキ100のジャッキ本体110に固定されている。このため、ピストン120がコンクリート躯体1を押し込んだときの反力によって、ジャッキ本体110を移動させたとき、コンクリート躯体1から離れる方向(図21に示す矢印D51の方向)にガイド部材160を移動させることができる。
このとき、ガイド部材160がナット50を押し込むことにより、コンクリート躯体1から離れる方向に連結部材40を移動させることができる。アーム41にはスリーブ11が固定されているため、連結部材40の移動に伴って、支圧板4から離れる方向にスリーブ11が移動し、PC鋼材3を緊張することができる。
PC鋼材3を緊張した後、スリーブ11および支圧板4の間に配置されたスペースに、図14に示すスペーサ20を配置すれば、PC鋼材3に緊張力を与えたままとすることができる。ここで、スリーブ11のネジ部11fに、図20に示すナット30のネジ部31を噛み合わせておけば、図20と同様に、ナット30を用いて、スリーブ11を支圧板4から離れた位置に維持できる。
図21に示す構造では、アーム41のネジ部41aおよびスリーブ11のネジ部11fを噛み合わせているが、これに限るものではない。図1に示すスリーブ11を用いたとき、アーム41には、フランジ11bの受圧面11b1と接触する面を形成すればよい。この場合であっても、支圧板4から離れる方向にアーム41を移動させれば、スリーブ11も同一方向に移動させることができ、PC鋼材3を緊張することができる。
本実施例では、コンクリート躯体1や支圧板4に対してピストン120を押し込んだときの反力を用いることにより、支圧板4から離れる方向にスリーブ11を移動させているが、これに限るものではない。すなわち、ピストン120およびジャッキ本体110を相対的に移動させたときに発生する荷重を用いて、支圧板4から離れる方向にスリーブ11を移動させることができる。
具体的には、ジャッキ本体110をコンクリート躯体1に接触させておき、コンクリート躯体1から離れる方向にピストン120を移動させることにより、支圧板4から離れる方向にスリーブ11を移動させることができる。ここで、ピストン120の一部をスリーブ11の受圧面11b1に接触させておき、ピストン120がスリーブ11を押し込むことにより、支圧板4から離れる方向にスリーブ11を移動させることができる。
一方、ピストン120およびスリーブ11を連結する連結部材を設けておき、ピストン120の移動力を、連結部材を介してスリーブ11に伝達することができる。具体的には、図21に示す連結部材40をピストン120に固定すれば、コンクリート躯体1から離れる方向にピストン120を移動させることにより、支圧板4から離れる方向にスリーブ11を移動させることができる。
本実施例では、1つのPC鋼材3に対して定着具10が取り付けられているが、複数のPC鋼材3に対して定着具10を取り付けることもできる。具体的には、図22又は図23に示す定着具10を用いることができる。
図22において、定着具10は、スリーブ11を有しており、スリーブ11には、複数の貫通孔11cが形成されている。各貫通孔11cには、PC鋼材3が挿入される。また、各貫通孔11cおよび各PC鋼材3の間には、本実施例と同様に、ウェッジ12が挿入される。
図22に示すスリーブ11に対して、本実施例で説明した受圧面(図1に示す受圧面11b1、図15に示すテーパ面11d、図16に示す凹部11e)を形成すれば、図22に示すスリーブ11をコンクリート躯体1から離れる方向に移動させることができる。これにより、スリーブ11を介して、複数のPC鋼材3を緊張することができる。
図23において、定着具10は、スリーブ11を有しており、スリーブ11には、1つの貫通孔11cが形成されている。複数のPC鋼材3は、貫通孔11cの内壁面に沿って配置される。ここで、貫通孔11cの内壁面には、PC鋼材3の外周面に沿って形成された凹部11c1が形成されており、この凹部11c1にPC鋼材3の一部が接触している。
貫通孔11cの内側に複数のPC鋼材3が配置された状態において、貫通孔11cの内側には、ウェッジ13が挿入される。ウェッジ13の外周面には、PC鋼材3の外周面に沿って形成された凹部13aが形成されており、この凹部13aにPC鋼材3の一部が接触している。これにより、貫通孔11cの凹部11c1およびウェッジ13の凹部13aによって、各PC鋼材3を狭持(定着)することができる。なお、図23に示す構造では、ウェッジ13の中央に貫通孔13bが形成されているが、貫通孔13bを省略することもできる。
図23に示すスリーブ11に対して、本実施例で説明した受圧面(図1に示す受圧面11b1、図15に示すテーパ面11d、図16に示す凹部11e)を形成すれば、図23に示すスリーブ11をコンクリート躯体1から離れる方向に移動させることができる。これにより、スリーブ11を介して、複数のPC鋼材3を緊張することができる。
1:コンクリート躯体、2:PCシース、3:PC鋼材、4:支圧板、10:定着具、
11:スリーブ、11a:スリーブ本体、11b:フランジ、11b1:受圧面、
11c:貫通孔、12:ウェッジ、100:ジャッキ、110:ジャッキ本体、
120:ピストン、130:支持プレート、131:ボルト、132:溝部、
133:分岐部、140:第1収容溝、150:第2収容溝、151:加圧面

Claims (9)

  1. ケーブルを緊張して定着するための定着システムであって、
    前記ケーブルを定着するためのウェッジと、前記ウェッジを支持するスリーブとを備えた定着具と、
    ジャッキ本体と、前記ジャッキ本体に対して相対的に移動し、前記定着具からの圧縮力を受ける支圧面に沿って前記定着具と並んで配置されたピストンとを備え、伸張動作によって、前記支圧面を基準として、前記支圧面から離れる方向の荷重を前記定着具に与えることにより、前記定着具を介して前記ケーブルを緊張するジャッキと、
    前記支圧面から離れた位置で前記スリーブを固定させる固定部材と、を有し、
    前記スリーブは、この外面において、前記ジャッキからの前記荷重を受ける受圧面を有し、
    前記ジャッキ本体又は前記ピストンは、前記受圧面と接触し、前記荷重を前記受圧面に与える加圧面を有することを特徴とする定着システム。
  2. 前記ジャッキ本体は、前記加圧面を有しており、前記ピストンが前記支圧面を押し込んだときの反力である前記荷重を前記定着具に与えることを特徴とする請求項1に記載の定着システム。
  3. 前記ジャッキは、前記荷重を発生させるための一対の前記ピストンを有しており、
    前記一対のピストンは、前記支圧面と平行な面内において、前記スリーブを挟む位置に配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の定着システム。
  4. 前記ジャッキは、前記荷重を発生させるための一対の前記ピストンを有しており、
    前記一対のピストンの間隔は、前記一対のピストンが並ぶ方向における前記スリーブの幅よりも狭く、
    前記スリーブから前記各ピストンまでの距離は、互いに略等しいことを特徴とする請求項1又は2に記載の定着システム。
  5. 前記ジャッキは、前記荷重を発生させるための一対の前記ピストンを有しており、
    前記一対のピストンおよび前記スリーブが、前記支圧面に沿って並んで配置されるとともに、前記一対のピストンの間隔が、前記一対のピストンが並ぶ方向における前記スリーブの幅よりも狭いことを特徴とする請求項1又は2に記載の定着システム。
  6. 前記固定部材は、前記支圧面および前記スリーブの間に形成されたスペースに挿入されるスペーサであることを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の定着システム。
  7. 前記固定部材は、前記スリーブの外面に形成されたネジ部と噛み合うネジ部を有しており、前記スリーブに対して回転させることにより、前記ケーブルが延びる方向に移動して前記支圧面に接触することを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の定着システム。
  8. 前記受圧面は、前記ケーブルを緊張する方向と直交する平面内に位置していることを特徴とする請求項1から7のいずれか1つに記載の定着システム。
  9. ケーブルを緊張して定着するための定着システムに用いられるジャッキであって、
    ジャッキ本体と、
    前記ジャッキ本体に対して相対的に移動し、定着具からの圧縮力を受ける支圧面に沿って前記定着具と並んで配置されたピストンと、を有し、
    前記ジャッキは、伸張動作によって、前記支圧面を基準として、前記支圧面から離れる方向の荷重を前記定着具に与えることにより、前記定着具を介して前記ケーブルを緊張し、
    前記定着具は、前記ケーブルを定着するためのウェッジと、前記ウェッジを支持し、固定部材によって前記支圧面から離れた位置で固定されるスリーブとを備えており、
    前記スリーブは、前記ケーブルが前記スリーブを貫通する方向における前記スリーブの両端面の間であって、前記両端面を除く前記スリーブの外面に形成された受圧面を有しており、
    前記ジャッキ本体又は前記ピストンは、前記スリーブの前記受圧面と接触し、前記受圧面に前記荷重を与える加圧面を有することを特徴とするジャッキ。
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